JP2003071296A - シリコーン変性光触媒、及びそれから誘導されるシリカ変性光触媒 - Google Patents

シリコーン変性光触媒、及びそれから誘導されるシリカ変性光触媒

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JP2003071296A
JP2003071296A JP2001267948A JP2001267948A JP2003071296A JP 2003071296 A JP2003071296 A JP 2003071296A JP 2001267948 A JP2001267948 A JP 2001267948A JP 2001267948 A JP2001267948 A JP 2001267948A JP 2003071296 A JP2003071296 A JP 2003071296A
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titanium oxide
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Akira Nakabayashi
亮 中林
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化チタンの表面がより効率的にシリコーン
で修飾されたシリコーン変性光触媒、及び該シリコーン
変性光触媒から誘導されるシリカ変性光触媒を提供す
る。 【構成】 物理吸着水含有量が2質量%以下である結晶
粒子径1〜200nmの酸化チタンをSi−H基含有化
合物で変性処理することにより得られるシリコーン変性
光触媒、および該シリコーン変性光触媒に光照射するこ
とによって得られるシリカ変性光触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒活性を有す
る部材及び/又は表面性状(親水性あるいは疎水性等)
が制御された部材を提供するのに有用な変性光触媒、及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンに代表される光触媒は光エネ
ルギーによって物質の分解作用や表面の親水化作用を示
すことが知られている。ところで、光触媒表面に吸着や
配位あるいは化学結合する化合物を用いて光触媒表面を
修飾した変性光触媒は、従来の光触媒に無い種々の機能
を発現する事が期待される。
【0003】例えば、特開昭62−260717号公報
では酸化チタン表面に存在する多量の物理吸着水と酸化
チタンの活性点の作用を利用し、オルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンのSi−H基同士を酸化チタン表面で
架橋させてSi−O−Si結合の生成を伴う重合を進行
させることにより、酸化チタンをシリコーン変性する方
法が示唆されている。また、この方法で得られたシリコ
ーン変性酸化チタンを300℃以上で加熱処理すること
により光触媒活性の大きなシリカ変性酸化チタンを得ら
れることが報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、酸化
チタンの表面がより効率的にシリコーンで修飾されたシ
リコーン変性光触媒、及び該シリコーン変性光触媒から
誘導されるシリカ変性光触媒を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】一般に、酸化チタンは水
との親和力が強く、特に光触媒活性が強い微粒子(結晶
粒子径は1〜200nm、好ましくは1〜50nm)は
多くの物理吸着水を有している。発明者らは、この物理
吸着水を減少させると、酸化チタンとSi−H基含有化
合物との反応速度が速くなり、さらに水が関与する副反
応が少なくなることを見いだした。また、このようにし
て得られたシリコーン変性酸化チタンは光照射により、
容易にシリカ変性光触媒となることを見いだし、本発明
に到達した。
【0006】即ち本発明は、物理吸着水含有量が2質量
%以下である結晶粒子径1〜200nmの酸化チタンを
Si−H基含有化合物で変性処理することにより得られ
るシリコーン変性光触媒であり、さらに該シリコーン変
性光触媒に光照射することにより得られるシリカ変性光
触媒である。以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて酸化チタンとは、ニ酸化チタン、低次酸化チタン
(TiOnにおいて、nが2未満のもの)またはそれら
の混合物からなるものをいう。二酸化チタンとしては、
結晶型がアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のい
ずれでもよく、これらの混合体でもよい。上記酸化チタ
ンの中では、アナターゼ型の二酸化チタンが最も好適に
使用できる。
【0007】本発明で使用される物理吸着水含有量が2
質量%以下である結晶粒子径1〜200nmの酸化チタ
ンは、結晶粒子径1〜200nmの酸化チタンを、加熱
乾燥、及び/または減圧乾燥することによって得ること
ができる。ここで、加熱乾燥をする場合の温度は400
℃以下、好ましくは300℃以下で行う。400℃より
高温で加熱を行うと酸化チタンの化学吸着水が減少し、
Si−H基含有化合物との反応を妨害する。また、常圧
の場合、80℃以上に加熱することが、物理吸着水含有
量低減を効率良く行う上で好ましい。物理吸着水の定量
は、例えば示差熱・熱重量同時解析(TG−DTA解
析)等により実施することができる。本発明に用いる酸
化チタンの物理吸着水量は2質量%以下、好ましくは1
質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下であ
る。
【0008】本発明において、光触媒を変性させるのに
用いるSi−H基含有化合物としては、例えば平均組成
式が下式(1)で示されるものが挙げられる。 HpqrSiO(4-p-q-r)/2 (1) (式中、Rは一価の有機基の1種もしくは2種以上から
なる官能基を表す。Qは、アルコキシ基、ヒドロキシ
基、またはハロゲン原子を表す。0<p<4、0≦q<
4、0≦r<4であり、また(p+q+r)≦4であ
る。)
【0009】このような化合物としては、例えば下記式
(2)で表されるSi−H基含有シリコーン化合物を挙
げることができる。 (R1HSiO)a(R12SiO)b(R1XSiO)c(R1YSiO)d (R1ZSiO)e(R111SiO1/2f ・・・(2) (式中、R1はそれぞれ独立に置換基を有しても有さな
くても良い炭素数が1〜30個の炭化水素基、もしくは
式(3)で表されるシロキシ基を表す。 −O−(R33SiO)q−SiR333 ・・・(3) (式中、R3はそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭
素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシク
ロアルキル基、もしくは置換されていないか或いは炭素
数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキ
シ基、又はハロゲン原子で置換されている炭素数6〜2
0のアリール基から選ばれた1種もしくは2種以上から
なる炭化水素基を表す。また、qは0以上の整数であ
り、0≦q≦1000である。)
【0010】R2は置換基を有しても有さなくても良い
炭素数が1〜30個の炭化水素基を含む1価の基を表
す。Xは、炭素数1〜30のフルオロアルキル基を含む
1価の基を表す。Yは、カルボキシル基あるいはその塩
を含む1価の基、リン酸基あるいはその塩を含む1価の
基、スルホ基あるいはその塩を含む1価の基、ポリオキ
シアルキレン基、環状無水物を含む1価の基からなる群
から選ばれた少なくとも1つの親水性基を表す。Zは、
エポキシ基を含む1価の基、アクリロイル基を含む1価
の基、メタアクリロイル基を含む1価の基、環状酸無水
物を含む1価の基、ケト基を含む1価の基、ヒドロキシ
ル基を含む1価の基、アミノ基を含む1価の基、アルコ
キシ基、ヒドロキシル基からなる群から選ばれた少なく
とも1つの反応性基を表す。aは1以上の整数であり、
b、c、d、eは0又は1以上の整数である。fは0又
は2である。また、(a+b+c+d+e)≦1000
0である。また、上記シリコーン化合物は、ランダム共
重合体でも、ブロック共重合体でもよい。)
【0011】上記式(2)で表される化合物において、
f=0の場合は環状シリコーン化合物を表し、f=2の
場合は鎖状シリコーン化合物を表わす。上記式(2)で
示されるヒドロシリル基含有シリコーン化合物として
は、例えば下記式(4)で表されるヒドロシリル基含有
化合物、及び該ヒドロシリル基含有化合物が有するヒド
ロシリル基に炭素−炭素不飽和結合化合物を付加させる
ヒドロシリル化反応により得られる化合物を挙げること
ができる。 (R1HSiO)a+c+d+e(R12SiO)b(R111SiO1/2f (4) (式中、R1はそれぞれ独立に置換基を有しても有さな
くても良い炭素数が1〜30個の炭化水素基、もしくは
式(3)で表されるシロキシ基を表す。 −O−(R33SiO)q−SiR333・・・(3) (式中、R3はそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭
素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシク
ロアルキル基、もしくは置換されていないか或いは炭素
数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキ
シ基、又はハロゲン原子で置換されている炭素数6〜2
0のアリール基から選ばれた1種もしくは2種以上から
なる炭化水素基を表す。また、qは0以上の整数であ
り、0≦q≦1000である。)
【0012】R2は置換基を有しても有さなくても良い
炭素数が1〜30個の炭化水素基を含む1価の基を表
す。aは1以上の整数であり、b、c、d、eは0又は
1以上の整数である。fは0又は2である。また、(a
+b+c+d+e)≦10000である。また、上記シ
リコーン化合物は、ランダム共重合体でも、ブロック共
重合体でもよい。)上記式(4)で表されるヒドロシリ
ル基含有化合物に所望の官能基を導入するのに用いる炭
素−炭素不飽和結合化合物としては、例えば式(5)で
表されるパーフルオロアルキル基を有するオレフィン
類、アリルエーテル類、ビニルエーテル類、(メタ)ア
クリル酸エステル類等を用いることができる。 −(CF2gCF3 (5) (式中、gは0〜50の整数を表す。)
【0013】また、置換基を有しても有さなくても良い
炭素数が1〜30個の炭化水素基を含む1価の基を導入
する場合に用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としてプ
ロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、
イソブテン、5−メチル−1−ブテン、2−ヘキセン、
シクロヘキセン、5−ノルボルネンの如きオレフィン
類、酢酸アリル、プロピオン酸アリル、2−エチルヘキ
サン酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル類、
アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリル
−n−ヘキシルエーテル、アリルシクロヘキシルエーテ
ル、アリル−2−エチルヘキシルエーテル、アリルフェ
ニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアリルエ
ーテル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)
アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル
等のカルボン酸ビニルエステル類、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類、スチレン、(メタ)アクリロ
ニトリル、クロトン酸エステル類等の他の炭素−炭素不
飽和結合化合物等が挙げられる。これらのうち、1−ヘ
キセン、1−オクテン等の末端オレフィン類、アリルエ
ステル類、アリルエーテル類が反応性の面で好ましい。
【0014】また、親水性基を導入するのに用いる炭素
−炭素不飽和結合化合物としては、カルボキシル基ある
いはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホ基あるい
はその塩、ポリオキシアルキレン基、環状酸無水物から
なる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基を有する
オレフィン類、アリルエーテル類、ビニルエーテル類、
ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、ス
チレン誘導体等が挙げられる。上記親水性基を有する炭
素−炭素不飽和結合化合物の好ましい具体例として、例
えば式(6)で表されるポリオキシエチレン基含有アリ
ルエーテル等を挙げることができる。 CH2=CHCH2O(CH2CH2O)m4 (6) (式中、mは1〜1000の整数を表す。R4は、置換
基を有しても有さなくても良い炭素数が1〜30個の炭
化水素基を表す。)
【0015】また、反応性基を導入するのに用いる炭素
−炭素不飽和結合化合物としては、エポキシ基、(メ
タ)アクリロイル基、環状酸無水物、ケト基、ヒドロキ
シル基、アミノ基からなる群から選ばれた少なくとも1
つの反応性基を有するオレフィン類、アリルエーテル
類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)ア
クリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。
【0016】上記反応性基を有する炭素−炭素不飽和結
合化合物の好ましい具体例として、例えばアリルグリシ
ジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸アリル、ジアリルエーテル、ジアリルフ
タレート、(メタ)アクリル酸ビニル、クロトン酸ビニ
ル、エチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステ
ル、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物、5−ヘキセン−2−オン、アリルアル
コール、エチレングリコールモノアリルエーテル、アリ
ルアミン等を挙げることができる。
【0017】上記炭素−炭素不飽和化合物と式(4)で
表されるヒドロシリル基含有化合物のヒドロシリル化反
応は、好ましくは触媒の存在下、有機溶媒の存在下ある
いは非存在下において0〜200℃で炭素−炭素不飽和
化合物と式(4)で表されるヒドロシリル基含有化合物
を接触させることにより行うことができる。ヒドロシリ
ル化反応の触媒としては、白金族触媒、すなわちルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウ
ム、白金の化合物が適しているが、特に白金の化合物と
パラジウムの化合物が好適である。白金の化合物として
は、例えば塩化白金(II)、テトラクロロ白金酸(I
I)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸(I
V)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウム、ヘキサ
クロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金(II)、二
酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペンタジエニル
−白金(II)、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−
ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体や白金の単体、
アルミナやシリカや活性炭に固体白金を担持させたもの
が挙げられる。パラジウムの化合物としては、例えば塩
化パラジウム(II)、塩化テトラアンミンパラジウム
(II)酸アンモニウム、酸化パラジウム(II)等が
挙げられる。
【0018】また、ヒドロシリル化反応に使用できる有
機溶媒としては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族
炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の
脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエ
ステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチ
レン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスル
ホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合
物が挙げられる。
【0019】本発明において、式(1)で表される平均
組成式を有するSi−H基含有化合物の他の例として、
式(7)で表されるSi−H基含有シリコーン化合物を
挙げることができる。 H−(R55SiO)j−(R55Si)−H (7) (式中、R5はそれぞれ独立に置換基を有しても有さな
くても良い炭素数が1〜30個の炭化水素基、もしくは
式(3)で表されるシロキシ基を表す。 −O−(R33SiO)q−SiR333 ・・・(3) (式中、R3はそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭
素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシク
ロアルキル基、もしくは置換されていないか或いは炭素
数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキ
シ基、又はハロゲン原子で置換されている炭素数6〜2
0のアリール基から選ばれた1種もしくは2種以上から
なる炭化水素基を表す。また、qは0以上の整数であ
り、0≦q≦1000である。)また、jは0以上の整
数であり、0≦j≦1000である。
【0020】本発明において、物理吸着水含有量が2質
量%以下である結晶粒子径1〜200nmの酸化チタン
(A)のSi−H基含有化合物(B)による変性は、有
機溶媒の存在、あるいは非存在下において、固形分質量
比(A)/(B)=0.01〜1000、好ましくは
(A)/(B)=0.1〜100の割合で0〜150℃
にて混合することにより実施できる。この変性の操作に
より混合物からは水素ガスが発生する。また、上記変性
の操作により、Ti−OH基の減少がIRスペクトルに
おける3630〜3640cm−1の吸収の減少として
観測される。これらのことより本発明のシリコーン変性
光触媒は、上記Si−H基含有化合物のSi−H基と酸
化チタン表面のTi−OH基との脱水素縮合反応によっ
て生成するものと考えられる。すなわち、本発明で用い
る酸化チタンは物理吸着水が無い、あるいは非常に少な
いため、特開昭62−260717号公報のごとき物理
吸着水とSi−H基との脱水素縮合反応による酸化チタ
ン表面でのシリコーンの重合は抑制されている。
【0021】本発明において、有機溶媒を使用して上記
変性を行う場合は、トルエン、キシレン、ヘキサン等の
疎水性有機溶媒の使用が好ましい。発明によって得られ
たシリコーン変性光触媒は、溶媒分散性や樹脂相溶性の
発現、架橋性能の発現等、様々な機能を発現するととも
に、該シリコーン変性光触媒のバンドギャップエネルギ
ーよりも高いエネルギーの光を照射することにより親水
性及び光触媒活性が増大したシリカ変性光触媒を得るこ
とができる。本発明において、光触媒のバンドギャップ
エネルギーよりも高いエネルギーの光の光源としては、
太陽光や室内照明灯等の一般住宅環境下で得られる光の
他、ブラックライト、キセノンランプ、水銀灯等の光が
利用できる。これら光源を用い、例えば、1mW/cm
2以上で1日以上処理するこのにより、該シリコーン変
性光触媒からシリカ変性光触媒を得ることができる。本
発明によって提供されるシリコーン変性光触媒および/
またはシリカ変性光触媒は、抗菌、防汚、防臭、NOx
分解等の様々な機能を発現し、大気、水等の環境浄化等
の用途に使用することができる。
【0022】本発明によって提供されるシリコーン変性
光触媒および/またはシリカ変性光触媒は、光照射によ
り20℃における水との接触角が60゜以下(好ましく
は10゜以下)の親水性にでき、鏡やガラスの曇りを防
止する防曇技術、さらには建築外装等に対する防汚技術
や帯電防止技術等への応用が可能であり、窓ガラス、
鏡、レンズ、ゴーグル、カバー、碍子、建材、建物外
装、建物内装、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装
置や物品の外装、各種表示装置、照明装置、住宅設備、
食器、台所用品、家庭用電気製品、磁気光記録メディア
や光記録メディア等の用途に使用することができる。
【0023】本発明によって提供されるシリコーン変性
光触媒またはシリカ変性光触媒であって光電変換機能を
有するものは、太陽エネルギーの電力変換等の機能を発
現することが可能であり、(湿式)太陽電池等に用いる
光半導体電極等の用途に使用することができる。また、
本発明によって提供される、光照射によって水との濡れ
性が変化(疎水性から親水性への変化、あるいは親水性
から疎水性への変化)するシリコーン変性光触媒は、オ
フセット印刷用原版等への応用に対し非常に有用であ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】実施例中に用いられる各種物性の
測定方法は、下記の通りである。 1) 物理吸着水の定量 酸化チタンの物理吸着水の定量は、示差熱・熱重量同時
測定装置(セイコー電子工業(株)製 TG/DTA2
00)を用い、窒素雰囲気下で30℃から550℃まで
毎分10℃の昇温を行い測定した。 2) 赤外線吸収スペクトル 赤外線吸収スペクトルは、FT/IR−410(日本分
光(株)製)を用い、デュラサンプラーIR(エス.テ
ィ.ジャパン(株))で拡散反射スペクトルとして測定
した。
【0025】3) 水の接触角 サンプルの表面に脱イオン水の滴を乗せ、20℃で1分
間放置した後、接触角計(協和界面科学(株)製 CA
−X150)を用いて接触角を測定した。水の接触角が
小さいほど、皮膜(または成形体)表面は親水性が高
い。 4) 29Si核磁気共鳴の測定29 Si核磁気共鳴は、JNM−LA400(日本電子
(株)製)で測定した。 5) 光触媒活性の測定 サンプルにメチレンブルーの5質量%エタノール溶液を
塗布した後、ブラックライト(東芝ライテック(株)製
FL20S BLB)の光を1時間照射した。
【0026】なおこのとき、光の強度は紫外線強度計
(トプコン(株)製 UVR−2(UD−36型受光
部:波長310〜400nmの光に対応))を用いて測
定した紫外線強度が1mW/cm2となるよう調整し
た。その後、光触媒の作用によるメチレンブルーの分解
の程度(退色の程度に基づき、目視で評価)に基づき、
光触媒の活性を以下の3段階で評価した。 ◎:メチレンブルーが完全に分解。 △:メチレンブルーの青色がわずかに残る。 ×:メチレンブルーの分解はほとんど観測されず。
【0027】
【参考例1】アナターゼ型酸化チタン粉体(ST−01
/石原産業(株):平均結晶子径7nm(カタログ値、
X線にて測定))32gを乾燥機にて120℃で12時
間加熱し、29.2gの熱処理酸化チタン(a)を得
た。示差熱・熱重量同時測定によって得られた熱処理酸
化チタン(a)の物理吸着水量は約0.4質量%であっ
た。
【0028】
【実施例1】還流冷却器、温度計および撹拌装置を有す
る反応器に参考例1で得た熱処理酸化チタン(a)2.
92gにトルエン12.8gを添加し、撹拌下30℃に
昇温した。これにビス(トリメチルシロキシ)メチルシ
ランの20質量%トルエン溶液4gを30℃にて約5分
かけて添加し、さらに30℃で2時間撹拌を続けた。ビ
ス(トリメチルシロキシ)メチルシランの反応に伴い生
成した水素ガス量は23℃において45mlであった。
続いて、反応液からトルエン及び未反応のビス(トリメ
チルシロキシ)メチルシランを減圧加熱除去し、シリコ
ーン変性酸化チタン粉体(b)を得た。得られたシリコ
ーン変性酸化チタン粉体(b)の赤外線吸収スペクトル
を測定したところ、Ti−OH基の吸収(3630〜3
640cm-1)が消失し、新たにSi−CH3基の吸収
(1271cm-1)が観測された。
【0029】
【実施例2】実施例1で得たシリコーン変性酸化チタン
粉体(b)を錠剤成型器・錠剤成型器用プレス(日本分
光(株)製)を用いてシリコーン変性酸化チタンの錠剤
とした。得られた錠剤の水接触角は98゜であった。続
いて、この錠剤にブラックライト(東芝ライテック
(株)製 FL20S BLB)の光を3日間照射した
後、錠剤の水接触角を測定したところ、光照射後の錠剤
の水接触角は0゜であった。なおこのとき、光の強度は
紫外線強度計(トプコン(株)製 UVR−2(UD−
36型受光部:波長310〜400nmの光に対応))
を用いて測定した紫外線強度が1mW/cm2となるよ
う調整した。
【0030】
【実施例3】実施例1で得たシリコーン変性酸化チタン
粉体(b)に、実施例2と同じ紫外線強度のブラックラ
イト(東芝ライテック(株)製 FL20S BLB)
の光を10日間照射した。光照射前後のシリコーン変性
酸化チタン粉体(b)の29Si核磁気共鳴の測定を行っ
たところ、光照射後の29Si核磁気共鳴スペクトルには
光照射前には観測されなかったシリカ構造に由来するQ
3構造(−90.6ppm)とQ4構造(ー100.3
ppm)の吸収が新たに観測された。すなわち、シリコ
ーン変性酸化チタン粉体(b)に光照射を行うことによ
ってシリカ変性酸化チタン粉体(c)を得た。得られた
シリカ変性酸化チタン粉体(c)の光触媒活性評価を実
施したところ、非常に良好な結果(◎)であった。
【0031】
【比較例1】還流冷却器、温度計および撹拌装置を有す
る反応器にアナターゼ型酸化チタン粉体(ST−01/
石原産業(株):平均結晶子径7nm(カタログ値)、
示差熱・熱重量同時測定によって得られた物理吸着水量
は約9.6質量%)3.2gにトルエン12.8gを添
加し、撹拌下30℃に昇温した。これにビス(トリメチ
ルシロキシ)メチルシランの20質量%トルエン溶液4
gを30℃にて約5分かけて添加し、さらに30℃で2
時間撹拌を続けた。この際、水素ガスは23℃において
4mlしか生成しなかった。続いて、反応液からトルエ
ン及び未反応のビス(トリメチルシロキシ)メチルシラ
ンを減圧加熱除去し、得られた粉体の赤外線吸収スペク
トルを測定したところ、Ti−OH基の吸収(3630
〜3640cm-1)は残存したままであった。
【0032】
【比較例2】比較例1で用いた、アナターゼ型酸化チタ
ン粉体(ST−01/石原産業(株):平均結晶子径7
nm(カタログ値))の光触媒活性評価を実施したとこ
ろ、実施例3で得られたシリカ変性酸化チタン粉体
(c)より劣る結果(△)であった。
【0033】
【発明の効果】本発明によると、酸化チタンの表面がシ
リコーンで修飾されたシリコーン変性光触媒を効率的に
得ることができる。また、本発明で得られるシリコーン
変性光触媒からは、光照射といった簡単な処理によって
光触媒活性が非常に大きいシリカ変性光触媒を容易に得
ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物理吸着水含有量が2質量%以下である
    結晶粒子径1〜200nm酸化チタンをSi−H基含有
    化合物で変性処理することにより得られるシリコーン変
    性光触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリコーン変性光触媒に
    光照射することにより得られるシリカ変性光触媒。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004344724A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Asahi Kasei Chemicals Corp 光触媒組成物、それから形成される光触媒体
JP2004344723A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Asahi Kasei Chemicals Corp 変性光触媒

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JP2004344724A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Asahi Kasei Chemicals Corp 光触媒組成物、それから形成される光触媒体
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