JP2004344136A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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Kazuyuki Matsuda
和之 松田
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Abstract

【課題】本発明は魚釣用スピニングリールに関し、第1,第2の逆転防止装置を装着した魚釣用スピニングリールに改良を加え、リール本体の大型化を防止しつつ、釣糸の巻取り操作から釣糸放出操作までの一連の動作を、操作部を持ち替えることなくスムーズに行うことのできる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
【解決手段】リール本体の脚部に、第1の逆転防止装置による逆転防止状態と、第2の逆転防止装置による所定位置係止状態と、第1及び第2の逆転防止装置双方が非作動となるロータの正逆両方向へのフリー回転状態との3つの状態に切り換える切換え操作部材を変位可能に設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータの逆転防止機構を備えた魚釣用スピニングリールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、魚釣用スピニングリール(以下、「スピニングリール」という)には、キャスティング時や釣糸の巻取り操作時に、ロータを巻取り駆動する駆動機構の逆転を阻止してロータの釣糸繰出し方向への回転(逆回転)を防止する逆転防止機構が装着されている。
【0003】
尚、本明細書に於て、「正回転」とはロータの釣糸巻取り方向への回転をいい、「逆回転」とはロータの釣糸繰出し方向への回転をいう。
ところで、スピニングリールの釣糸放出操作は、ベールを起こしてスプールに巻回されている釣糸を釣竿を握持している手の人差し指で掛止し、釣竿と一緒に振り下ろす時に人差し指の掛止を解除して釣糸を放出する操作を行う。
【0004】
このため、この一連の操作をスムーズに行うことができるように、昨今では上述した逆転防止装置(第1の逆転防止装置)に加え、釣糸放出操作時に、釣竿を握持している手の人差し指で釣糸を掛止できる所定の位置にロータを保持する第2の逆転防止装置を備えたスピニングリールが知られている(例えば、下記の特許文献1参照。)。
【0005】
このスピニングリールは、ロータと一体回転するピニオンに第1の逆転防止装置と第2の逆転防止装置を装着すると共に、リール本体内に、リール本体後部に操作ツマミが取り付く操作杆をスプール軸と並行に前後方向へ摺動可能且つ左右方向へ回動可能に装着して、当該操作杆に、第1,第2の逆転防止装置の逆転防止爪車に夫々係合可能な係止部材を取り付けたもので、操作ツマミの左右の回動操作で、逆転防止爪車と係止部材との係合状態を切り換えて第1,第2の逆転防止装置の作動状態を切り換え、また、操作ツマミの前後方向の操作で、両逆転防止装置を同時に非作動状態に切り換えるようになっている。
【0006】
しかし、既述したようにこのスピニングリールは、リール本体の後部に装着した単一の操作ツマミの操作で、釣糸巻取り操作時にロータの逆回転を防止する通常の逆転防止状態(第1の逆転防止装置による逆転防止状態)と、釣糸放出操作時に好適な所定の位置にロータを係止保持する所定位置係止状態(第2の逆転防止装置による所定位置係止状態)と、第1,第2の逆転防止装置双方が非作動となるロータの正逆両方向へのフリー回転状態との3つの状態に切換え保持する構成のため、リール本体のハンドルを掴んでいる手をその都度操作ツマミに持ち替えなければならず、迅速で容易な切換え操作ができず誤操作も生じ易かった。
【0007】
而も、操作杆をリール本体の後部に延設して操作ツマミを取り付けているため、リール本体の後部が突出して釣糸が絡み易く、また、操作杆をリール本体の後部に延設して操作ツマミを取り付けた構造上、リール全体が大型化してしまう虞が指摘されていた。
【0008】
そこで、上述の如き操作性の改善を図るため、特許文献2には釣竿装着部を有するリール本体の脚部に操作レバーを変位可能に装着し、当該操作レバーの操作で、既述した第1の逆転防止装置による通常の逆転防止状態から、第2の逆転防止装置による所定位置係止状態に切換え可能としたスピニングリールが開示されている。
【0009】
【特許文献1】
実開昭57−197880号公報(第1頁、第2図)
【特許文献2】
特開2001−69883号公報(段落番号「0010」〜「0023」、図2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上記スピニングリールによれば、釣竿を握持している手の指で操作レバーを操作することで、第1,第2の逆転防止装置の切換え操作ができる点で優れたものであるが、このスピニングリールは、依然として第1,第2の逆転防止装置の両方が非作動となるロータのフリー回転状態への切換え操作を、リール本体の後部に装着した操作ツマミで行う構成のため、ハンドルを掴んでいる手を操作ツマミに持ち替えてフリー回転状態に切換え操作しなければならず、また、部品点数が増えてコスト高となり、低価格帯のスピニングリールへの採用が困難であった。
【0011】
また、特許文献1の従来例と同様、リール本体の後部に操作ツマミを取り付けた構造上、リール本体の後部が突出して釣糸が絡み易く、リール全体が大型化してしまう不具合は十分に解消されず、課題が残されている。
更にまた、特許文献1の従来例は、第1の逆転防止装置を逆転防止爪車(第1逆転防止爪車)と逆転防止爪(ストッパ爪部材)とで構成した構造上、逆転防止時の遊度が大きく、魚の当たりがあったときにアワセが遅れてフッキングミスが発生してしまう欠点も指摘されていた。
【0012】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、既述した第1,第2の逆転防止装置を装着したスピニングリールに改良を加え、リール本体の大型化を防止しつつ、釣糸の巻取り操作から釣糸放出操作までの一連の動作を、操作部を持ち替えることなくスムーズに行うことのできるスピニングリールを提供することを第1の目的とする。
【0013】
そして、本発明の第2の目的は、第1の逆転防止装置による逆転防止時の遊度を少なくしたスピニングリールを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、脚部を有するリール本体に回転自在に支持されたロータと、リール本体に装着したハンドルの操作で当該ロータを巻取り駆動する駆動機構と、釣糸巻取操作時に上記ロータの釣糸繰出し方向への逆回転を防止する第1の逆転防止装置と、前記ロータを、釣糸放出操作時に好適な所定の位置に保持する第2の逆転防止装置とを備えたスピニングリールに於て、リール本体の脚部に、上記第1の逆転防止装置による逆転防止状態と、第2の逆転防止装置による所定位置係止状態と、第1及び第2の逆転防止装置双方が非作動となるロータの正逆両方向へのフリー回転状態との3つの状態に切り換える切換え操作部材を変位可能に設けたことを特徴とする。
【0015】
そして、請求項2に係る発明は、請求項1記載のスピニングリールに於て、第1の逆転防止装置を転がり式一方向クラッチで構成したことを特徴とする。
【0016】
(作用)
請求項1に係る発明によれば、釣竿を握持している手の指による切換え操作部材の操作によって、第1の逆転防止装置による逆転防止状態と、第2の逆転防止装置による所定位置係止状態と、第1,第2の逆転防止装置双方が非作動となってロータが正逆両方向へフリー回転可能となる3つの状態に切り換わることとなる。
【0017】
そして、請求項2に係る発明によれば、第1の逆転防止装置を転がり式一方向クラッチを用いて構成しているため、逆転防止時の逆転遊度が小さくなってロータの逆転時に瞬時に逆転防止が図られることとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1乃至図11は請求項1及び請求項2に係るスピニングリールの一実施形態を示し、図1に於て、1は軸受3,4を介してリール本体5の前部に回転可能に支持された中空なピニオンで、その先端にロータ7がナット9で固定されている。そして、図2に示すようにピニオン1の後端側外周に設けた歯部11に、ハンドル軸13に固着した駆動歯車15が噛合しており、従来と同様、ハンドル軸13に取り付くハンドル17の巻取り操作で、駆動歯車15とピニオン1を介してロータ7が釣糸巻取り方向へ回転するようになっている。
【0020】
そして、図4に示すようにロータ7には一対の支持アーム19が形成されており、両支持アーム19の先端に、ラインローラ21を装着したアームレバー23とベールホルダー25を介して半環状のベール27が釣糸巻取位置と釣糸放出位置に反転自在に取り付けられている。
また、図1中、29はピニオン1を挿通するスプール軸で、スプール軸29のロータ側突出端にスプール31が取り付けられている。そして、スプール軸29の後端側には、摺動子33とトラバースカム軸35からなる従来周知のトラバース機構37が装着されており、ベール27を釣糸巻取位置側へ倒してハンドル操作でロータ7を釣糸巻取り方向へ回転させると、トラバース機構37によって前後方向へトラバース運動するスプール31に釣糸(図示せず)が巻回され、また、ベール27を釣糸放出位置側へ反転させて仕掛けをキャスティングすると、スプール31に巻回された釣糸がスパイラル状に放出されるようになっている。
【0021】
そして、本実施例に係るスピニングリール39は、上述の如き従来と同様の構成に加え、実釣時にロータ7の釣糸繰出し方向への逆回転を防止する第1の逆転防止装置41と、釣糸放出操作に当たりロータ7を好適な所定の位置に保持する第2の逆転防止装置43とを具備しているが、本実施形態は、第1の逆転防止装置41を転がり式一方向クラッチ(以下、「一方向クラッチ」という)45で構成すると共に、両逆転防止装置41,43の切換え用の操作レバー(切換え操作部材)47をリール本体5の脚部49に設けたことを特徴とする。
【0022】
図2及び図6は第1の逆転防止装置41の要部拡大断面図を示し、図中、51はスプール軸29を中心としてリール本体5の前部に凹状に形成された断面円形形状の一方向クラッチ収納部で、その内面に沿って一方向クラッチ取付部材53が取り付き、その中心に前記ピニオン1が挿通している。
図6に示すように一方向クラッチ45は、一方向クラッチ取付部材53内に装着された外輪55と、断面非円形状のピニオン1の外周に回止め嵌合された内輪57と、周方向へ複数個のコロ(転がり部材)59を等間隔に保持する保持器61と、各コロ59を後述する楔領域に付勢する複数のリーフスプリング63とで構成されている。
【0023】
そして、内輪57の外周が円形周面とされているのに対し、外輪55の内周には、非楔領域65としての深溝と楔領域67としての浅溝とが周方向へ連続して形成された凹部69がコロ59に対応して設けられており、後述するように楔領域67と内輪57との間にコロ59が食い込むと、一方向クラッチ45は内輪57(ピニオン1)の逆回転を阻止する逆転防止状態となり、また、非楔領域65にコロ59が移動すると、内輪57(ピニオン1)が正逆両方向に回転可能となってフリー回転状態に切り換わるようになっている。
【0024】
前記保持器61は、環状の本体部69と、スプール軸29の軸方向に沿って本体部69内に等間隔に設けられた複数の仕切部71と後述する切換え部72とで構成されており、その中央に設けられた挿通孔73に内輪57が挿通している。そして、各仕切部71間に形成された各収容部75に、夫々、保持器61の径方向外方からコロ59が保持器61の周方向へ若干の移動スペースを開けて収容されており、当該コロ59を常時楔領域67方向(図6中、矢印A方向)へ付勢するリーフスプリング63が各収納部75に装着されている。
【0025】
そして、図2及び図6に示すように本体部69の前端側に、外輪55と一方向クラッチ取付部材53に設けた切欠き77,79を挿通してリール本体5の上方に突出する切換え部72が突設されている。そして、当該切換え部72とリール本体5側のブラケット80との間には、切換え部72を介して保持器61を常時矢印B方向に付勢するコイルスプリング81が張架されており、斯様に保持器61がコイルスプリング81のバネ力で矢印B方向に付勢されると、図6に示すように保持器61の仕切部71によりコロ49が非楔領域65に保持されて、一方向クラッチ45が逆転可能状態に維持され、この結果、内輪57(ピニオン1)が正逆両方向に回転可能となる。
【0026】
尚、図6中、83は180°の間隔を空けて2つの係止片85が径方向外方に突設されたリング状の回止めプレートで、当該係止片85が外輪55と一方向クラッチ取付部材53に設けた切欠き87,89を夫々挿通してリール本体5の前部に設けた凹部91に係合しており、当該回止めプレート83によって外輪55がリール本体5に回止め保持されている。
【0027】
そして、一方向クラッチ45を逆転可能状態と逆転防止状態とに切り換える操作レバー47が、リール本体5の脚部49に取り付けられている。
図1に示すようにリール本体5には、従来と同様、釣竿装着部93を有する脚部49が設けられているが、脚部49の基部正面に設けた凹部94内に、支軸95を介して側面視略L字状の操作レバー47が回動可能に取り付けられている。
【0028】
而して、操作レバー47の上端側には、釣竿を握持している手の指(人差し指)が引っ掛け可能な操作部97が形成され、また、図2に示すように操作レバー47の他端側には、リール本体5の前側下方へ側面視略く字状に折曲された押圧部材99がビス101で固着されており、当該押圧部材99には更にリール本体5内に突出する突片103が一体成形されている。
【0029】
そして、押圧部材99の後端側とリール本体5側のブラケット104との間に1本のコイルスプリング105が張架されており、釣人が操作レバー47を操作しないとき(操作レバー47の非作動時)、操作レバー47は、コイルスプリング105のバネ力と、後述する切換え部材125と上記突片103との係合によって図1の実線で示す中立位置に位置決め保持されるようになっている。
【0030】
また、図2及び図3に示すようにリール本体5には、先端に傾斜面107が形成された切換え部材109が挿通する挿通孔111がスプール軸29に沿って設けられている。そして、切換え部材109の後端側上面には、挿通孔111の内周に設けた係止片113が係合する案内溝115が切換え部材109の長手方向に設けられており、斯様に係止片113が案内溝115に係合することで、切換え部材109が回止めされてリール本体5の前後方向へスライドできるようになっている。
【0031】
一方、図2,図3に示すように上記傾斜面107に対応して切換え部72の先端側には透孔117が開口しており、操作レバー47が図1の実線で示す中立位置に保持されているとき、押圧部材99の先端部119が切換え部材109の後端部121に当接すると共に、傾斜面107が透孔117の一周縁部123に当接している。そして、この状態にあるとき、図6で既述したように保持器61がコイルスプリング81のバネ力で矢印B方向に付勢され、コロ49が非楔領域65に保持されて一方向クラッチ45、即ち、第1の逆転防止装置41が逆転可能状態に維持されている。
【0032】
そして、釣竿を握り込む手の指で、図1に示すように操作レバー47をコイルスプリング105のバネ力に抗して矢印C方向へ握り込むことで、図7及び図8に示すように支軸95を中心に回動する操作レバー47の後端部に固着された押圧部材99が、切換え部材109を前方(図7中、矢印D方向)へ移動させるようになっている。
【0033】
而して、斯様に切換え部材109が矢印D方向に移動すると、図8及び図9に示すように切換え部材109先端の傾斜面107が、コイルスプリング81のバネ力に抗して切換え部72を反時計回り方向(図中、矢印E方向)に移動させるようになっており、斯様に切換え部72が矢印E方向に移動すると、保持器61がコイルスプリング81のバネ力に抗して同方向に移動するため、リーフスプリング63のバネ力で楔領域67と内輪57との間にコロ59が食い込んで、一方向クラッチ45が内輪57(ピニオン1)の逆回転を阻止する逆転防止状態に切り換わるようになっている。
【0034】
また、操作レバー47は図1の実線で示す中立位置から矢印F方向へ押し下げることができるようになっており、斯様に操作レバー47を矢印F方向へ押し下げると、図10及び図11に示すように押圧部材99の先端部119が切換え部材109の後端部121から離間するため、一方向クラッチ45は図6で既述した逆転可能状態が継続するが、後述するように操作レバー47は、切換え部材125とブラケット104との間に張架された振分けバネ127によって、図1の一点鎖線で示す位置に位置決め保持されるようになっている。
【0035】
次に、第2の逆転防止装置43の構成について説明する。
図2,図4及び図5に示すように軸受3に隣接してピニオン1の外周には、1個の歯129が外周に形成された爪車131が回止め係合されると共に、当該歯129に爪先133が係脱可能な逆転防止爪135がリール本体5のボス137に回動可能に軸支されている。そして、この逆転防止爪135は、ボス137に巻装されて一端側がリール本体5に当接し、他端側が当該逆転防止爪135に係止するねじりコイルバネ139でバネ付勢されて、爪先133が常時爪車131の外周に圧接している。そして、当該爪先133が爪車131の歯129に係止したとき、ロータ7が釣糸放出操作に当たり好適な所定の位置、即ち、図4に示すようにラインローラ21が上方に位置するようになっている。
【0036】
そして、図2に示すように逆転防止爪135に隣接して切換え部材125がリール本体5に設けたボス141に軸支されている。
切換え部材125は、断面円弧カム形状に成形された切換え部材本体143と、当該切換え部材本体143から前側上方に突設された突片145と、切換え部材本体143から斜め後方に延設された延設部147とで構成されており、当該延設部147とブラケット104との間に既述した付勢バネ127が張架されている。
【0037】
そして、操作レバー47が図1の実線で示す中立位置にあるとき、切換え部材125は図2の状態に位置決め保持されており、突片103が切換え部材125の延設部147に圧接して、コイルスプリング105による操作レバー47の矢印F方向への移動が規制され、また、上記突片145がリール本体5側の突当て部149に当接して、図2の状態からの切換え部材125の矢印G方向への回転が規制されている。そして、斯かる状態で、切換え部材125は爪車131の歯129に係止する逆転防止爪135の後端側に当接している。
【0038】
従って、操作レバー47が図1の実線で示す中立位置にあるとき、既述したように一方向クラッチ45が逆転可能状態に維持されて、第1の逆転防止装置41は非作動状態にあるため、第2の逆転防止装置43のみが作動状態にある。
また、既述したように操作レバー47を図1の矢印C方向に操作すると、第1の逆転防止装置41は逆転防止状態に切り換わるが、このとき、図7に示すように突片103が切換え部材125の延設部147から離間するものの、切換え部材125は何ら作動しないため、第2の逆転防止装置43は依然として作動状態にある。
【0039】
一方、操作レバー47を図1の中立位置から矢印F方向に操作すると、図2の如く延設部147に圧接する突片103が、振分けバネ127のバネ力に抗して切換え部材125をボス141を中心に矢印H方向へ回転させるようになっている。
そして、斯様に切換え部材125が矢印H方向へ回転して振分けバネ127のデッドポイントを越えると、切換え部材125は振分けバネ127によって図10の位置に振分け保持され、これに伴い切換え部材本体143が、図10に示すようにねじりコイルバネ139のバネ力に抗して逆転防止爪135の後端側を押し下げて、爪車131の歯129と逆転防止爪135の爪先133との係止状態を解除するようになっている。そして、上述したように切換え部材125は振分けバネ127によって図10の位置に振分け保持されているから、爪車131と逆転防止爪135との係止解除状態が継続される。
【0040】
また、このとき、切換え部材125の突片145が前記突片103に当接して、操作レバー47が図1の一点鎖線で示す位置に位置決め保持されるようになっている。
従って、操作レバー47が矢印F方向に操作されると、第1の逆転防止装置41と第2の逆転防止装置43の双方が非作動となって、ロータ7が正逆両方向へ回転可能に切り換わることとなる。
【0041】
そして、操作レバー47を図1の一点鎖線で示す位置から実線で示す中立位置に戻すと、図10に示すように前記突片103が突片145を介して操作部材125を矢印G方向に回転させる。そして、斯様に切換え部材125が矢印G方向へ回転して振分けバネ127のデッドポイントを越えると、切換え部材125は振分けバネ127によって図2の位置に復帰し、逆転防止爪135がねじりコイルバネ139の復元力で爪車131の外周に当接するようになっている。
【0042】
従って、ハンドル操作でロータ7を釣糸巻取り方向に回転させると、爪車131が回転してその歯129に逆転防止爪135の爪先133が係止し、図4に示すようにラインローラ21が上方に位置するようになっている。
このように、操作レバー47を図1の一点鎖線で示す位置から実線で示す中立位置に戻すと、第2の逆転防止装置43が再び作動状態に切り換わるようになっている。
【0043】
その他、図4に於て、151はリール本体5の一側開口に取り付く蓋体である。
本実施形態はこのように構成されているから、ベール27を釣糸巻取位置側へ倒してハンドル操作でロータ7を釣糸巻取り方向へ回転させると、リール本体5の前後方向へトラバース運動するスプール31に釣糸が巻回され、また、ベール27を釣糸放出位置へ反転して仕掛けを投擲すると、スプール31に巻回された釣糸がスパイラル状に放出されるが、釣糸放出操作時に操作レバー47を図1の実線で示す中立位置にしておくと、既述したように第2の逆転防止装置43のみが作動状態にあるから、ハンドル17の操作で爪車131が回転して図4及び図5の如く逆転防止爪135の爪先133が爪車131の歯129に係止し、ロータ7が釣糸放出操作に当たって好適な所定の位置、即ち、ラインローラ21が上方に位置した状態でロータ7が位置決め保持される。
【0044】
また、釣竿を握り込む手の指で操作レバー47を同時に握り込んで、図1の如く操作レバー47を矢印C方向へ操作すると、図7及び図8に示すように操作レバー47の後端部に固着された押圧部材99が切換え部材109を矢印D方向へ移動させるため、図8及び図9の如く切換え部材109先端の傾斜面117が、コイルスプリング81のバネ力に抗して切換え部72を矢印E方向に移動させる。そして、斯様に切換え部72が矢印E方向に移動すると、保持器61がコイルスプリング81のバネ力に抗して同方向に移動するため、リーフスプリング63のバネ力で楔領域67と内輪57との間にコロ59が食い込んで、一方向クラッチ45がロータ7の逆回転を阻止する逆転防止状態に切り換わる。
【0045】
そして、このとき、第2の逆転防止装置43は依然として作動状態にある。
従って、第1の逆転防止装置41による一方向クラッチ45の楔作用によって、ロータ7の釣糸繰出し方向への逆回転が阻止される。そして、第1の逆転防止装置41は一方向クラッチ45を用いて構成されているため、ロータ7の逆転時に瞬時に逆転防止を図ることが可能となってアワセ時のフッキングミスが減少することとなる。
【0046】
一方、図1の実線で示す中立位置にある操作レバー47を矢印F方向へ押し下げれば、既述したように第1の逆転防止装置41と第2の逆転防止装置43の双方が非作動となって、ロータ7の正逆両方向へのフリー回転状態に切り換わることとなる。
そして、斯様に操作レバー47が矢印F方向に操作されると、既述したように付勢バネ127によって操作レバー47は図1の一点鎖線で示す位置に位置決め保持され、また、斯かる状態から操作レバー47を図1の実線で示す中立位置に操作すれば、第2の逆転防止装置43が作動状態に復帰する。
【0047】
このように本実施形態によれば、脚部49に設けた操作レバー47のみの操作で、第1の逆転防止装置41によるロータ7の逆転防止状態と、第2の逆転防止装置43によるロータ7の所定位置係止状態と、第1,第2の逆転防止装置41,43双方が非作動となってロータ7が正逆両方向へフリー回転可能となる3つの状態に切り換えることができるので、各操作状態への切換え時に、釣竿を握持している手やハンドル17を掴んでいる手を離したり持ち替えることなく、釣竿を握持した状態を維持し乍ら、無理なく迅速且つ容易にロータ7の逆転防止状態の切換え操作ができることとなった。
【0048】
而も、実釣時には握り込む力が釣竿に作用しているが、本実施形態は、釣竿を握り込んでいる手の指で操作レバー47を同時に握り込めるようにすると共に、斯様に操作レバー47を同時に握り込むことで第1の逆転防止装置41が作動するようにしたため、操作性に優れ且つ実釣に即した利点を有する。
【0049】
即ち、実釣時に釣竿を握った状態でハンドル17を巻取り操作する際には、ロータ7が逆転防止状態にないとドラグがスムーズに機能せず、スプール31をドラグで逆転方向に制動回転させることが困難となるので、ドラグをスムーズに作動させるために第1の逆転防止装置41が作動してロータ7が逆転防止状態にあることが好ましい。
【0050】
而して、本実施形態によれば、釣竿を握り込む力を利用して操作レバー47を同時に握り込むことでロータ7が逆転防止状態になり、また、釣糸をピックアップするために操作レバー47を握り込む手の指を離して操作レバー47への操作力を解除すれば、第2の逆転防止装置43の作動状態に切り換わってロータ7が所定の位置に保持されるため、釣糸巻取り操作から釣糸放出操作までの一連の動作をスムーズに行うことが可能となり、この結果、手返しが速くなり数多くのキャスティングが可能となって釣果が増す利点を有する。
【0051】
また、本実施形態は、図1の実線で示す中立位置に操作レバー47があるとき、通常の第2の逆転防止装置と同様の作動状態にあり、第1の逆転防止装置41を作動させる操作または両逆転防止装置41,43の解除操作が必要なときにのみ操作レバー47を動作させればよいため、従来のスピニングリールから交換する際に違和感なく使用することができる。
【0052】
そして、本実施形態は、第1の逆転防止装置41を一方向クラッチ45を用いて構成したため、逆転防止時の逆転遊度が小さくなってアワセ時のフッキングミスが減少する利点を有する。
尚、上記実施形態では、操作レバー47が図1の実線で示す中立位置にあるとき、第2の逆転防止装置43のみが作動状態にあり、操作レバー45を図1の矢印C方向へ操作すると、第1の逆転防止装置41によるロータ7の逆転防止状態となり、操作レバー45を図1の矢印F方向へ操作すると、第1及び第2の逆転防止装置41,43双方が非作動となってロータ7が正逆両方向へ回転可能となるように構成したが、操作レバー47の位置による第1,第2の逆転防止装置41,43の作動状態の態様は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば操作レバー47が図1の実線で示す中立位置にあるとき、第1の逆転防止装置41が作動状態にあり、操作レバー45を図1の矢印C方向へ操作すると第1及び第2の逆転防止装置41,43双方が非作動となってロータ7が正逆両方向へ回転可能となり、操作レバー45を図1の矢印F方向へ操作すると第2の逆転防止装置43のみが作動状態に切り換わるように構成してもよい。
【0053】
つまり、本発明に於て、操作レバーの操作状態の変更(図1中、矢印C方向への操作レバーの牽引時,実線で示す操作レバーの中立時,矢印F方向への操作レバーの押圧時)に対応した第1,第2の逆転防止装置の作動形態(第1及び第2の逆転防止装置の双方が作動する状態,第2の逆転防止装置のみが作動する状態,両逆転防止装置が同時に非作動となる状態)はどのように設定してもよく、使用形態に合わせて適宜変更することが可能である。
【0054】
また、操作レバーの3段階の位置決め手段にあっても、上記実施形態(操作レバーの非操作時に中立位置,操作力を加えての牽引操作後に操作力解除で中立位置に自動復帰,押圧操作で節度を持たせてレバー位置を押圧状態に維持し、牽引操作を行うことで押圧状態解除)に限定されるものではなく、例えば3つの段階の総てに節度を持たせて切り換える構成や、牽引操作と押圧操作とが上記実施形態と異なる別の構成となっても本発明の目的が達成できることはいうまでもない。
【0055】
また、上記実施形態では、逆転防止時の逆転遊度を小さくするため、第1の逆転防止装置41を一方向クラッチ45で構成したが、既述した特許文献1の従来例の如くラチェットを用いてもよいことは勿論である。
更にまた、上記実施形態では、内輪外周面を円筒形状とし、外輪内周面に楔領域を形成したが、内輪外周面に楔領域を形成し、外輪内周面を円筒形状としても本発明の目的が達成できることはいうまでもない。
【0056】
図12は請求項1及び請求項2に係る発明の他の実施形態を示し、本実施形態に係るスピニングリール39−1は、既述した操作レバー47に代え、実釣時に釣竿を握り込んでいる手の指(中指)で操作レバー47−1を握り易くするため、操作レバー47−1を釣竿装着部93方向へ延設して、牽引部153を当該釣竿装着部93に沿って前方に突設すると共に、操作レバー47−1の押圧操作を行い易くするため、当該牽引部153から所定の間隔を空けてその下部に下方押圧部155を前方に突設したものである。
【0057】
そして、その他の構成は図1の実施形態と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
而して、本実施形態によれば、前記実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能であるが、斯様に牽引部153と下方押圧部155を操作レバー47−1に設けたことで操作性が更に向上すると共に、リール本体5前方への操作レバー47−1の突出量を抑えてスピニングリール39−1全体のコンパクト化が図れる利点を有する。
【0058】
尚、既述した各実施形態の操作レバー47,47−1に代え、近接配置された複数のレバーで切換え操作部材を構成してもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る発明によれば、リール本体の脚部に設けた切換え操作部材の操作で、第1の逆転防止装置によるロータの逆転防止状態と、第2の逆転防止装置によるロータの所定位置係止状態と、第1,第2の逆転防止装置双方が非作動となってロータが正逆両方向へフリー回転可能となる3つの状態に切り換えることができるので、各操作状態への切換え時に、釣竿を握持している手やハンドルを掴んでいる手を離したり持ち替えることなく、釣竿を握持した状態を維持し乍ら、無理なく迅速且つ容易にロータの逆転防止状態の切換え操作ができることとなった。
【0060】
そして、斯様に3つの状態の切換え操作を切換え操作部材のみで行うことができるため、釣糸巻取り操作から釣糸放出操作までの一連の動作をスムーズに行うことが可能となり、この結果、手返しが速くなり、数多くのキャスティングが可能となって釣果が増す利点を有する。
また、請求項2に係る発明は、第1の逆転防止装置を一方向クラッチを用いて構成したため、逆転防止時の逆転遊度が小さくなってアワセ時のフッキングミスが減少する等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の一実施形態に係るスピニングリールの要部切欠き正面図である。
【図2】第1,第2の逆転防止装置の要部拡大断面図である。
【図3】第1の逆転防止装置の切換え機構の要部拡大断面図である。
【図4】第2の逆転防止装置の断面図である。
【図5】第2の逆転防止装置の要部拡大断面図である。
【図6】第1の逆転防止装置の要部拡大断面図である。
【図7】第1,第2の逆転防止装置の要部拡大断面図である。
【図8】第1の逆転防止装置の切換え機構の要部拡大断面図である。
【図9】第1の逆転防止装置の要部拡大断面図である。
【図10】第1,第2の逆転防止装置の要部拡大断面図である。
【図11】第1の逆転防止装置の切換え機構の要部拡大断面図である。
【図12】請求項1及び請求項2の他の実施形態に係るスピニングリールの要部切欠き正面図である。
【符号の説明】
1 ピニオン
5 リール本体
7 ロータ
13 ハンドル軸
15 駆動歯車
17 ハンドル
27 ベール
29 スプール軸
31 スプール
37 トラバース機構
39,39−1 スピニングリール
41 第1の逆転防止装置
43 第2の逆転防止装置
45 一方向クラッチ
47,47−1 操作レバー
49 脚部
55 外輪
57 内輪
59 コロ
61 保持器
63 リーフスプリング
65 非楔領域
67 楔領域
72 切換え部
81,105 コイルスプリング
93 釣竿装着部
97 操作部
99 押圧部材
103,145 突片
107 傾斜面
109,125 切換え部材
119 押圧部材の先端部
127 振分けバネ
129 歯
131 爪車
133 爪先
135 逆転防止爪
139 ねじりコイルバネ
143 切換え部材本体
147 延設部
149 突当て部
151 蓋体
153 牽引部
155 下方押圧部

Claims (2)

  1. 脚部を有するリール本体に回転自在に支持されたロータと、
    リール本体に装着したハンドルの操作で当該ロータを巻取り駆動する駆動機構と、
    釣糸巻取操作時に上記ロータの釣糸繰出し方向への逆回転を防止する第1の逆転防止装置と、
    前記ロータを、釣糸放出操作時に好適な所定の位置に保持する第2の逆転防止装置とを備えた魚釣用スピニングリールに於て、
    リール本体の脚部に、上記第1の逆転防止装置による逆転防止状態と、第2の逆転防止装置による所定位置係止状態と、第1及び第2の逆転防止装置双方が非作動となるロータの正逆両方向へのフリー回転状態との3つの状態に切り換える切換え操作部材を変位可能に設けたことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 第1の逆転防止装置を、転がり式一方向クラッチで構成したことを特徴とする請求項1記載の魚釣用スピニングリール。
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