JP3711312B2 - スピニングリール - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣り用リール、特に、釣り竿に装着され釣り竿の軸回りに釣り糸を巻き取るスピニングリールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にスピニングリールは、リール本体と、リール本体に回転自在に支持されたロータと、外周に釣り糸が巻かれるスプールとを有している。ロータは、回転軸を挟むように対向して配置された第1及び第2アーム部と、両アーム部の先端に揺動自在に装着されたベールアームとを有している。
【0003】
ベールアームは、第1及び第2アーム部にそれぞれ揺動自在に取り付けられた第1及び第2ベール支持部材と、第1ベール支持部材の先端に装着されたラインローラを含む釣り糸案内部と、釣り糸案内部と第2ベール支持部材の間に配置されたベールとを有している。このベールアームは、釣り糸を巻き取る際に釣り糸をスプール外周に導く糸巻取姿勢と、スプールから釣り糸を繰り出す際に邪魔にならないように糸巻取姿勢から倒された糸開放姿勢とをとり得る。
【0004】
また、スピニングリールは、ロータの逆転(糸繰り出し方向の回転)を防止する逆転防止機構を有しており、逆転防止機構が作動するとロータは逆転禁止になる。この逆転防止機構を逆転禁止状態と逆転許可状態とに切り換える操作レバーは、通常、リール本体の後部やリール本体の下部に設けられている。
このようなスピニングリールでは、キャスティングを行って釣り糸を繰り出すときには、ロータの逆転を禁止した状態で釣り糸を人指し指の腹で引っ掛けた後ベールアームを糸開放姿勢に反転させる。このときには、釣り糸を引っ掛けやすいようにラインローラが釣り竿側になるようにハンドルではなく手でわずかにロータを回転させる。そして、釣り竿を振り下ろしその途中で釣り糸を人指し指から放して仕掛けが着水するのを待つ。仕掛けが着水した後、仕掛けが適当に沈んだところでハンドルを僅かに巻き取り方向に回転させ、ベールアームを糸巻取姿勢に戻す。
【0005】
また、キャスティング後や船釣り時等に仕掛けの自重により釣り糸を繰り出すときには、ベールアームを糸開放姿勢に反転した後釣り竿を持つ手の人差し指の先端部でスプール先端を押さえて釣り糸に人差し指の腹を接触させ糸ふけを防止するサミングといわれる操作を行う。このときには、ベール支持部材が邪魔にならないような位置にロータを手で回転させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のスピニングリールでは、キャスティング時とサミング時とでベール支持部材の位置を変えようとする場合、順方向(糸巻取方向)にロータを手で直接回転させるか、又は逆転防止機構を操作レバーの操作により逆転許可状態にして逆方向(糸繰り出し方向)に手でロータを回転させている。したがって、キャスティング時とサミング時とでロータを逆方向に僅かに回転させればよい場合、ロータを順方向に回転させるとロータを大きく回転操作しなければならず手間がかかる。また、逆転防止機構を逆転許可状態に切り換えてロータを逆転させると、操作レバーがリール本体の後部又は下部に設けられているので、釣り竿を持つ手と別の手で操作レバーによる逆転防止機構の切り換え操作を行った後ロータの逆転操作を行わなければならず、2つの別々の操作が必要になり操作が面倒である。
【0007】
本発明の課題は、サミング時やキャスティング時にロータを簡単に逆転できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールは、釣り竿に装着され、釣り竿の軸方向に沿った軸回りに釣り糸を巻き取るリールであって、リール本体と、ロータと、ロータ駆動機構と、スプールと、逆転防止機構と、切換手段と、禁止無効手段とを備えている。リール本体は釣り竿に装着可能であり、ハンドルを有している。ロータは、リール本体に回転自在に装着された円筒部と、円筒部の外周側に対向して形成された第1及び第2アーム部と、両アーム部の先端に糸開放姿勢と糸巻取姿勢とに揺動自在に装着されたベールアームとを有している。ロータ駆動機構は、ハンドルの回転に連動してロータを回転させる機構である。スプールは、ロータの前方に配置され外周に釣り糸が巻き付けられるものである。逆転防止機構は、ロータの糸繰り出し方向への逆転を禁止する逆転禁止状態と逆転を可能にする逆転可能状態とを取り得る機構である。切換手段は、逆転防止機構を逆転禁止状態と逆転可能状態とに切り換える手段である。禁止無効手段は、ベールアームの糸開放姿勢側への揺動に連動して逆転防止機構の逆転禁止状態を無効にしてロータの逆転を可能にする手段である。
【0009】
このスピニングリールでは、ハンドルを糸巻き取り方向に回転させるとロータがロータ駆動機構により回転し、ベールアームにより案内された釣り糸がスプールに巻き付けられる。逆転防止機構が逆転禁止状態になっているときには、ロータは糸巻取方向にしか回転できない。しかし、キャスティング時やサミング時にベールアームを糸開放姿勢にすると、逆転防止機構が逆転禁止状態になっているときでもベールアームの糸開放姿勢への移動に連動して逆転禁止状態が無効になり、ロータが糸巻取方向だけでなくそれと反対の方向に逆転可能になる。このため、ベールアームを糸開放姿勢にしてキャスティングやサミングを行うときにロータを簡単に逆転させることができる。
【0010】
発明2に係るスピニングリールは、発明1に記載のリールにおいて、ロータ駆動機構は、ハンドルの回転に連動して回転するフェースギアと、フェースギアに噛み合うようにリール本体に回転自在に支持されロータに連結されるピニオンギアとを有している。逆転防止機構は、ピニオンギアとリール本体との間に配置され、逆転禁止状態にあるときピニオンギアの逆転を禁止する。この場合には、ハンドルが回転するとフェースギアが回転しそれに噛み合うピニオンギアが回転してロータが回転する。
【0011】
発明3に係るスピニングリールは、発明2に記載のリールにおいて、ロータはピニオンギアに回転自在に支持され、禁止無効手段は、ピニオンギアに回転不能に装着され外周部に回転係止部を有する回転部材と、第1及び第2アーム部の一方に設けられベールアームが糸巻取姿勢にあるとき回転係止部に接触する接触位置に糸開放姿勢にあるとき回転係止部から離脱した離脱位置にベールアームに連動して移動する連動機構とを有し、連動機構が接触位置に移動して回転係止部に接触すると回転部材の少なくとも糸巻取方向の回転に連動してロータが回転する。この場合には、ベールアームを糸開放姿勢に揺動させると連動機構が離脱位置側に移動し、ロータがピニオンギアに対して回転自在になる。このため、逆転防止機構が逆転禁止状態にあってもロータの逆転が可能になる。一方、ベールアームが糸巻取姿勢にあるときには、連動機構が回転部材の回転係止部に接触する。このため、回転部材を介してロータが少なくとも糸巻取方向に回転可能になる。このとき、ロータを逆転方向に回転させようとしてもピニオンギアが逆転禁止状態にあるので、ロータの逆転は禁止される。ここでは、簡素な構成で連動機構をベールアームに連動させることができる。
【0012】
発明4に係るスピニングリールは、発明3に記載のリールにおいて、ベールアームは、第1及び第2アーム部先端にそれぞれ揺動自在に装着された第1及び第2ベール支持部材と、両ベール支持部材の間に設けられたベールとを有し、連動機構は、第2ベール支持部材に連動してベールアームが糸巻取姿勢となる第1位置と糸開放姿勢となる第2位置とを取り得るトグル機構とを有する。この場合には、ベールアームを反転させてトグル機構が第2位置に配置されるとベールアームが糸開放姿勢に維持される。この第2位置においてトグル機構が回転部材の回転係止部から離脱しロータが逆転可能になる。逆にベールアームを元に戻してトグル機構が第1位置に配置されるとベールアームが糸巻き取り姿勢に維持される。そして、トグル機構が回転係止部に接触してロータが回転部材を介して回転可能になり、逆転禁止状態になる。ここでは、トグル機構によりベールアームが2つの姿勢に維持されので、ベールアームに連動する構成によりベールアームの姿勢維持も行える。
【0013】
発明5に係るスピニングリールは、発明4に記載のリールにおいて、トグル機構は、第2ベール支持部材に連動して第1位置と第2位置とを取り得るように第2アーム部に配置された第1トグルばね機構と、円筒部の後面に第1位置と第2位置とを取り得るように配置され、第1トグルばね機構を第1位置と第2位置とに保持するための第2トグルばね機構とを有し、第2トグルばね機構の一部が回転部材の係止部に接触する。この場合には、ベールアームは、2重のトグルばね機構によって糸巻取姿勢及び糸開放姿勢に所定の力で保持される。このため、各機構の保持位置及び保持力をそれぞれ別個に調整することにより、多様な操作フィーリングを得ることができる。
【0014】
発明6に係るスピニングリールは、発明5に記載のリールにおいて、第1トグルばね機構は、一端が第2ベール支持部材に係止され、他端が第2アーム部に沿って延びる第1部材と、第1部材の他端側が移動自在に案内されるとともに第2アーム部に一端側と他端側との間で揺動自在に取り付けられた第2部材と、第1部材と第2部材を離反する方向に付勢する第1ばねとを有し、第2トグルばね機構は、揺動する第2部材の他端を係止する揺動係止部と回転係止部に接触可能な接触部とを有しロータ回転平面と平行な面内で揺動自在に円筒部の後面に取り付けられた接触部材と、一端が接触部材に係止された第3部材と、第3部材の他端側が移動自在に案内されるとともに円筒部の後面に揺動自在に取り付けられた第4部材と、第3部材と第4部材とを離反する方向に付勢する第2ばねとを有し、接触部材の接触部は、第1及び第2トグルばね機構が第1位置に位置しているとき回転係止部に接触する。
【0015】
この場合には、第2アーム部に沿って延びる第1部材が第1ばねによって一端側に付勢されている。第1部材は第2部材に移動自在に案内されており、第2部材は揺動する。第2部材が一方側に揺動した状態で第1部材が第1ばねにより付勢され、これにより第1トグルばね機構は第1位置に保持される。第2部材が揺動すると、第2部材の他端に係止された接触部材がロータ回転平面と平行な面内で一方向に揺動して第4部材も一方側に揺動する。第4部材が一方側に揺動した状態で第3部材が第2ばねにより付勢され、これにより第2トグルばね機構は第1位置に保持される。この第1位置に保持された状態では接触部材の接触部が回転部材の回転係止部に接触して回転部材を介してロータが回転可能になる。一方、第2部材が逆に他方側に揺動し、第1部材が第1ばねにより付勢された状態では、第1トグルばね機構は第2位置に保持される。第2部材が他方側に揺動すると、接触部材が他方向に揺動して第4部材も他方側に揺動する。そして第4部材が他方側に揺動した状態で第3部材が第2ばねにより付勢され、これにより第2トグルばね機構は第2位置に保持される。この第2位置に保持された状態で接触部材の接触部が回転係止部から離脱して逆転禁止状態の有無に係わらずロータは回転自在になる。ここでは、簡単な機構で2つのトグルばね機構を構成できる。
【0016】
発明7に係るスピニングリールは、発明1から6のいずれかに記載のリールにおいて、ベールアームが糸開放姿勢にあるとき、ロータの回転に連動してベールアームを糸巻取姿勢に復帰させるベール反転機構をさらに備える。この場合には、ベールアームの糸開放姿勢から糸巻き取り姿勢への反転動作がハンドルを回してロータを回転させることで自動的に行われる。このため、キャスティング時やサミング時にロータの逆転禁止状態を無効にしてもロータを回転させるだけで簡単に元の逆転禁止状態に戻せる。
【0017】
発明8に係るスピニングリールは、1から7のいずれかに記載のリールにおいて、ベールアームが糸開放姿勢に位置したとき、ロータを制動するロータ制動機構をさらに備える。この場合には、べールアームを糸開放姿勢にして逆転禁止状態が無効になってもロータが制動されるので、ロータが勝手に回転しない。しかもロータが制動されているだけでロックされているわけではないので、ロータを手で回せば簡単に回すことができる。このため、キャスティング時やサミング時に一度最適な回転位相にロータをセットすればその回転位相を維持できるとともに、セットされた位相から別の位相に簡単に回すことができ、ロータの回転位相を自由に調整できる。
【0018】
発明9に係るスピニングリールは、発明1から8のいずれかに記載のリールにおいて、逆転防止機構は、ロータ駆動機構に回転不能に連結された内輪とリール本体に固定された外輪と内輪と外輪との間に両者に接触可能に配置された複数のローラとを有するローラ型のワンウェイクラッチと、ワンウェイクラッチを作動状態と非作動状態とに切り換える切換部材とを有する。この場合には、逆転防止機構がローラ型のワンウェイクラッチで構成されるので、逆転禁止状態での遊びが少なくなり、逆転禁止時の操作フィーリングが向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔全体構成〕
図1に示す本発明の一実施形態によるスピニングリールは、ハンドル1を備えたリール本体2と、ベールアーム25を有しリール本体2の前部に回転自在に支持されたロータ3と、ロータ3の前部に配置され釣り糸を釣り竿に沿った軸回りに巻き取るためのスプール4とを備えている。
【0020】
リール本体2はボディ2aを有しており、その上部にはスピニングリールを釣り竿に取り付けるための取付部2bが形成されている。ボディ2aの前部には環状凹部2cが形成されている。ボディ2aの内部には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、オシレーティング機構6と、ベール反転機構7と、ロータ制動機構8と、逆転防止機構9と、操作機構10と、逆転禁止無効機構13とが設けられている。オシレーティング機構6は、スプール4を回転軸心Xに沿って前後方向に移動させてスプール4に釣り糸を均一に巻き取るための機構である。ベール反転機構7は、ロータ3の回転に応じてベールアーム25を反転させる機構である。ロータ制動機構8は、ロータ3の回転を制動する機構である。逆転防止機構9は、ロータ3の逆転(糸繰り出し方向の回転)を禁止する逆転禁止状態と逆転を許可する逆転許可状態を取り得る機構である。操作機構10は、逆転防止機構9をいずれかの状態に操作するための機構である。逆転禁止無効機構13は、逆転防止機構9の逆転禁止状態を無効にする機構である。
【0021】
ロータ駆動機構5は、ハンドル1が固定されたハンドル軸1aとともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部12aはロータ3の中心部を貫通してスプール4側に延びている。そして、その先端にはねじ部が形成されている。ピニオンギア12は軸受によりリール本体2に回転自在に支持されており、前部12aに逆転禁止無効機構13が回転不能に装着されているとともにロータ3が回転自在に支持されている。このような構造では、ハンドル1によってフェースギア11及びピニオンギア12が回転させられ、このピニオンギア12に装着された逆転禁止無効機構13を介してロータ3が回転する。
【0022】
オシレーティング機構6は、ドラグ機構90を介してスプール4の中心部が連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。
〔ロータの構成〕
ロータ3は、円筒部20と、円筒部20の側方に互いに対向して設けられた第1アーム部21及び第2アーム部22と、両アーム部21,22の先端に糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺動自在に装着されたベールアーム25とを有している。円筒部20と両アーム部21,22とは一体成形されている。
【0023】
円筒部20の前部には前壁23が形成されており、前壁23の中央部にはボス23aが形成されている。ボス23aの中心部には貫通孔が形成されており、この貫通孔をピニオンギア12の前部12a及びスプール軸15が貫通している。前壁23の前方側にはナット24が配置されており、このナット24がピニオンギア12の先端ねじ部に螺合している。ナット24の内周部にはスプール軸15を支持する軸受が配置されている。
【0024】
ベールアーム25は、第1及び第2アーム部21,22の先端の内周側にそれぞれ揺動自在に取りつけられた第1及び第2ベール支持部材30,32と、ラインローラ31と、ベール33とを有している。ラインローラ31は、釣り糸をスプール4に案内するためのものであり、第1ベール支持部材30の先端に回転自在に装着されている。ベール33は、第1ベール支持部材30先端のラインローラ31と第2ベール支持部材32との間に設けられている。
【0025】
なお、ベールアーム25は、回転軸心Xに対して直交せずに所定角度傾いた揺動軸Mを中心に揺動し、釣り糸をスプール4外周に導く糸巻取姿勢(図2参照)と、スプール4から釣り糸が繰り出すのを許す糸開放姿勢(図3参照)とをとり得る。
〔ベール反転機構の構成〕
図2〜図5に示すように、ベール反転機構7は、ロータ3の第1アーム部21内に配置された第1トグルばね機構40と、ロータ3の後端に配置された第2トグルばね機構41と、リール本体2の環状凹部2cに形成された切換突起42とを有している。
【0026】
第1トグルばね機構40は、第1アーム部21に沿って前後方向に延びる第1ロッド45と、第1ロッド45の後端部が摺動自在に挿入された第1筒状部材46と、第1ロッド45を前方側に付勢する第1ばね47とを有している。第1ロッド45は、図4に示すように、その先端部45aが内周側に折曲げられ、第1ベール支持部材30に形成された孔30aに係合している。また第1ロッド45には鍔部45bが形成されており、第1ばね47の前端がこの鍔部45bに当接している。第1筒状部材46は図2に示す揺動中心Aを中心に第1アーム部21に揺動自在に取り付けられている。一方、第1アーム部21の前端部にはストッパー部21aが形成されている。
【0027】
このような構成の第1トグルばね機構40は、図2に示すような第1位置と、図3に示すような第2位置とをとることが可能である。第1位置は、ベールアーム25の糸巻取姿勢に対応し、第2位置はベールアーム25の糸開放姿勢に対応している。また、図3に示す第2位置は、この第1トグルばね機構40の死点とほぼ同じ位置である。
【0028】
第2トグルばね機構41は、図5に示すように、ロータ3の円筒部20と第1アーム部21との連結部分の後面にロータ回転平面と平行な面内で揺動自在に取り付けられた戻しレバー50と、一端がこの戻しレバー50に係止された第2筒状部材51と、第2筒状部材51に収納され一端がロータ3に揺動自在に取り付けられた第2ロッド52と、第2筒状部材51を戻しレバー50側に付勢する第2ばね53とを有している。なお、第2筒状部材51及び第2ばね53は、ロータ回転平面と平行な面内で移動する。
【0029】
戻しレバー50は、第1トグルばね機構40の第1筒状部材46の後端と係止する係止用切欠き50aと、第2筒状部材係止用の孔50bと、ロータ回転軸芯側に突出可能であり先端が回転方向に湾曲した突出部50cとを有している。係止用切欠き50aと第1筒状部材46の後部との間には隙間が形成されている。このような第2トグルばね機構41の構成では、第2筒状部材51及び第2ばね53によって、戻しレバー50は図5の二点鎖線で示す第1位置と実線で示す第2位置とをとり得る。第1位置は第1トグルばね機構40の第1位置及びベールアーム25の糸巻取姿勢に対応し、第2位置は第1トグルばね機構40の第2位置及びベールアーム25の糸開放姿勢に対応している。
【0030】
なお、戻しレバー50の係止用切欠き50aと第1筒状部材46の後端との係止部には隙間が形成されているので、両者の位置が切り換えられた際に両者による衝突音が発生し、これにより、位置が切り換えられたことを操作者に報知することができる。
ボディ2aの環状凹部2cに形成された切換突起42は、図5に示すように、外周側に凸に湾曲している。この切換突起42は、第2トグルばね機構41の戻しレバー50がロータ3とともに回転してきた際に、戻しレバー50の突出部50cに当接可能である。なお、切換突起42は、戻しレバー50の突出部50cと滑らかに衝突し、戻しレバー50のスムーズな回動を促すように曲面形状となっている。
【0031】
〔ロータ制動機構の構成〕
ロータ制動機構8は、ベールアーム25が糸開放姿勢にあるとき、ロータ3を制動する機構である。ロータ制動機構8は、図5及び図6に示すように、前述した戻しレバー50の突出部50cと、ベールアーム25が糸開放姿勢にあるときロータ回転軸心側に突出する突出部50cに接触可能な制動部材55とを有している。
【0032】
制動部材55は、例えばNBR,シリコンゴム等の弾性体製の環状部材である。制動部材55は、ボディ2aの環状凹部2cに取り付けられ、切換突起42形成部分の内側を迂回してロータ回転方向に沿って実質的にリング状に配置されている。制動部材55の断面形状は、例えば円形状であり、ベールアーム25が糸開放姿勢に位置したときに突出部50cとの接触により弾性変形する。ここで、制動部材55をほぼロータ回転方向に沿ってリング状に設けることで、ロータ3がどのような回転位相で停止していてもベールアーム25を糸開放姿勢に反転させるとロータ3が常に制動される。
【0033】
〔逆転防止機構及び操作機構の構成〕
逆転防止機構9は、ロータ3の円筒部20の内部に配置されている。逆転防止機構9は、操作機構10により逆転禁止状態と逆転許可状態とをとり得る。逆転防止機構9は、図7に示すように、リール本体2のボディ2aの先端に固定されたクラッチケース61と、クラッチケース61内に収納された内輪遊転型のワンウェイクラッチ62とを有している。クラッチケース61は、有底円筒形状のケース本体61aと、ケース本体61aを封止するクラッチカバー61bとを有している。
【0034】
ワンウェイクラッチ62は、ケース本体61aに回転不能に装着された外輪62aと、ピニオンギア12の外周に回転不能に装着された内輪62bと、複数のローラ62cと、複数のローラ62cを保持するリテーナ62dとを有している。
外輪62aの内面には等角度間隔でローラ62cをくい込ますための傾斜面62eが形成されている。
【0035】
複数のローラ62cは外輪62aと内輪62bとの間に配置され、両輪62a,62bにくい込む作動位置と両輪62a,62bの間で遊転する非作動位置とを取り得る。リテーナ62dは、ほぼ円筒状の部材であり、ケース本体61aの内部の外輪62aより内側で回転自在に支持されている。リテーナ62dには、円周方向に等角度間隔で複数の収納用切欠きとばね収納部と(ともに図示せず)が形成されており、この切欠きのそれぞれにローラ62cが回転自在に収納されている。このリテーナ62dが回動することで複数のローラ62cが作動位置と非作動位置とを取り得る。ばね収納部には各ローラ62cを作動側に付勢するばね部材が収納されている。
【0036】
操作機構10は、図1に示すように、先端がワンウェイクラッチ62に係合するカム軸63と、カム軸63の基端に回転不能に装着された操作レバー64と、カム軸63を逆転禁止位置と逆転許可位置とに保持するためのトグルばね機構65とを有している。
カム軸63は、逆転禁止位置と逆転許可位置との間で回動自在にリール本体2に支持されている。カム軸63は、スプール軸15の上方にスプール軸15と平行に配置されており、先端部がリテーナ62dに係合してリテーナ62dを回動させる。カム軸63の途中にトグルばね機構65の先端が係止されている。
【0037】
〔逆転禁止無効機構の構成〕
逆転禁止無効機構13は、図7に示すように、ピニオンギア12に回転不能に装着された回転部材70と、第2アーム部22に設けられロータ3と回転部材70とを連結・離脱するための連動機構71とを有している。
回転部材70は、筒部70aと、筒部70aの一端に筒部70aと一端で形成された前壁部70bとを有している。筒部70aの端部には、回転係止部70cが形成されている。回転係止部70cは、図5に示すように、円周方向に等間隔で軸方向に突出して形成されている。回転係止部70cは、肉厚が図5の時計回りで徐々に薄くなっている。前壁部70bは、図7に示すように、内周部がワンウェイクラッチ62の内輪62bに回転不能に連結されている。これにより、回転部材70は、ピニオンギア12に回転不能に装着される。
【0038】
連動機構71は、ベールアーム25が糸巻取姿勢にあるとき回転係止部70cに接触する接触位置に、糸開放姿勢にあるとき回転係止部70cから離脱した離脱位置にベールアーム25に連動して移動する機構である。この接触位置に連動機構71が配置されると回転部材70の糸巻取方向の回転に連動してロータ3が回転する。
【0039】
連動機構71は、図5,図8〜図11に示すように、ロータ3の第2アーム部22内に配置された第1トグルばね機構72と、ロータ3の後端に配置された第2トグルばね機構73と、ロータ3の円筒部20と第2アーム部22との連結部分の後面にロータ回転平面と平行な面内で揺動自在に取り付けられた接触レバー74とを有している。
【0040】
第1トグルばね機構72は、第2アーム部22に沿って前後方向に延びる第1ロッド75と、第1ロッド75の後端部が摺動自在に挿入された第1筒状部材76と、第1ロッド75を前方側に付勢する第1ばね77とを有している。第1ロッド75は、図10に示すように、その先端部75aが内周側に折曲げられ、第2ベール支持部材32に形成された孔32aに係合している。また第1ロッド75には鍔部75bが形成されており、第1ばね77の前端がこの鍔部75bに当接している。第1筒状部材76は図8に示す揺動中心Bを中心に第2アーム部22に揺動自在に取り付けられている。一方、第2アーム部22の前端部にはストッパー部22aが形成されている。
【0041】
このような構成の第1トグルばね機構72は、図8に示すような第1位置と、図9に示すような第2位置とをとることが可能である。第1位置は、ベールアーム25の糸巻取姿勢に対応し、第2位置はベールアーム25の糸開放姿勢に対応している。また、図9に示す第2位置は、この第1トグルばね機構72の死点とほぼ同じ位置である。
【0042】
第2トグルばね機構73は、図5に示すように、一端が接触レバー74に係止された第2筒状部材81と、第2筒状部材81に収納され一端がロータ3に揺動自在に取り付けられた第2ロッド82と、第2筒状部材81を接触レバー74側に付勢する第2ばね83とを有している。なお、第2筒状部材81及び第2ばね83は、ロータ回転平面と平行な面内で移動する。
【0043】
接触レバー74は、第1トグルばね機構72の第1筒状部材76の後端と係止する係止用切欠き74aと、第2筒状部材係止用の孔74bと、ロータ回転方向に突出して回転係止部70cに接触可能な接触部74cとを有している。係止用切欠き74aと第1筒状部材76の後部との間には隙間が形成されている。
このような構成では、第2筒状部材81及び第2ばね83によって、接触レバー74は図5の二点鎖線で示す第1位置と実線で示す第2位置とをとり得る。第1位置は第1トグルばね機構72の第1位置及びベールアーム25の糸巻取姿勢に対応し、第2位置は第1トグルばね機構72の第2位置及びベールアーム25の糸開放姿勢に対応している。したがって、ベールアーム25が糸巻取姿勢に配置されると、接触レバー74が第2位置に配置され、接触レバー74の接触部74cが回転部材70の回転係止部70cに接触する。この状態でハンドル1を糸巻取方向に回転させピニオンギア12を糸巻取方向に回転させると、その回転が回転部材70,接触レバー74を介してロータ3に伝達されロータ3が糸巻取方向に回転する。この接触レバー74が第1位置にあるとき、回転部材70からの力が接触レバー74作用しても接触レバー74に図5時計軸回りの回転力が作用するので第2位置に復帰することはない。
【0044】
〔スプールの構成〕
スプール4は、図1に示すように、ロータ3の第1アーム部21と第2アーム22との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構90を介して着脱自在に装着されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後部に一体形成されたスカート部4bと、糸巻胴部4aの前端に固定されたフランジ板4cとを有している。
【0045】
ドラグ機構90は、スプール4の内部前端面を押圧する押圧部材91と、ドラグ力を調整するための調整つまみ92と、押圧部材91と調整つまみ92との間に配置された押圧ばね93と、押圧部材91とスプール4との間に配置された複数のドラグ板95とを有している。調整つまみ92は、スプール軸15の先端に締結されている。このドラグ機構90では、調整つまみ92の締め付け量を調整することで押圧部材91のスプール4に対する押圧力を調整でき、ドラグ力を調整可能である。
【0046】
〔リールの操作及び各機構の動作〕
釣り糸をスプール4に巻き取る際には、操作レバー64により逆転防止機構9を逆転禁止状態にしてロータ3の逆転を禁止した状態でベールアーム25を糸巻取姿勢とする。この場合には、ロータ3側では、第1ベール支持部材30及び第2ベール支持部材32は、図1,図2,図8に示すように、それぞれ前方側に起立している。この状態では、第1トグルばね機構40,72では、第1筒状部材46,76は、図2,図8に示すように、第1ばね47,77によって時計方向及び反時計方向にそれぞれ揺動し、第1ロッド45,75は進出した状態となっている。また第2トグルばね機構41,73では、戻しレバー50及び接触レバー74は図5に二点鎖線で示す第1位置にそれぞれ位置しており、この状態が第2ロッド52,82及び第2ばね53,83によって保持されている。なおこの状態では、戻しレバー50の突出部50cはロータ外周側に退避しており、ロータ3が回転しても突出部50cが切換突起42に当接することはない。また、接触レバー74の接触部74cは、回転部材70の回転係止部70cに接触しており、回転部材70を介してロータ3が糸巻取方向に回転可能である。
【0047】
また、逆転防止機構9側では、カム軸63がトグルばね機構65により逆転防止位置側に保持され、ワンウェイクラッチ62が作動位置側に移動し、ロータ3の逆転が禁止される。
キャスティング時には、ロータ3を正転又は逆転させてラインローラ31を釣り竿側に近づけ釣り糸を人指し指で引っ掛けやすいようにする。ロータ3を逆転させる場合には、ベールアーム25を糸開放姿勢に反転させる。この場合には、ロータ3側では、第1ベール支持部材30及び第2ベール支持部材32は、図3,図9に示すように、それぞれ後方側に反転している。この状態では、第1トグルばね機構40,72では、第1筒状部材46,76は、図3,図9に示すように、第1ばね47,77の付勢力に抗して反時計方向及び時計方向にそれぞれ揺動し、第1ロッド45,75は退入した状態となっている。また第2トグルばね機構41,73では、戻しレバー50及び接触レバー74は図5に実線で示す第2位置にそれぞれ位置しており、この状態が第2ロッド52,82及び第2ばね53,83によって保持されている。なおこの状態では、戻しレバー50の突出部50cはロータ内部に進出しており、その先端が制動部材55に当接してロータ3が制動される。また、ロータ3が糸巻取方向に回転すると突出部50cが切換突起42に当接して戻しレバー50が蹴られベールアーム25が糸巻取姿勢に復帰する。また、接触レバー74の接触部74cは、回転部材70の回転係止部70cから離脱し、ロータ3が逆転防止機構9により逆転禁止状態になっていてもロータ3が両方向に回転自在になる。しかし、ロータ制動機構8により制動されているので自由に回転することはない。
【0048】
また、キャスティング時とサミング時とでロータ3の位相を逆転により変更する場合にもキャスティング前の操作と同様にベールアーム25を糸巻取姿勢にすればよい。
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、連動機構を2つのトグルばね機構を構成したが、本発明の連動機構は、トグルばね機構に限定されるものではない。
【0049】
(b)前記実施形態では、ロータとピニオンギアとの間に回転部材を設けて逆転禁止状態を無効にしたが、ベールアームの揺動に連動してカム軸やリテーナを反転させて逆転禁止状態を無効にしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、キャスティング時やサミング時にベールアームを糸開放姿勢にすると、逆転防止機構が逆転禁止状態になっているときでもベールアームの糸開放姿勢への移動に連動して逆転禁止状態が無効になり、ロータが糸巻取方向だけでなくそれと反対の方向に逆転可能になる。このため、ベールアームを糸開放姿勢にしてキャスティングやサミングを行うときにロータを簡単に逆転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるスピニングリールの側面断面図。
【図2】糸巻取姿勢における第1アーム部内部の正面図。
【図3】糸開放姿勢における第1アーム部内部の正面図。
【図4】第1トグルばね機構の正面部分図。
【図5】ロータの底面断面図。
【図6】ロータ制動機構の拡大図。
【図7】スピニングリールの前部断面図。
【図8】糸巻取姿勢における第2アーム部内部の正面図。
【図9】糸開放姿勢における第2アーム部内部の正面図。
【図10】第1トグルばね機構の正面部分図
【符号の説明】
2 リール本体
3 ロータ
4 スプール
7 ベール反転機構
8 ロータ制動機構
9 逆転防止機構
10 操作機構
13 逆転禁止無効機構
22 第2アーム部
25 ベールアーム
62 ワンウェイクラッチ
70 回転部材
70c 回転係止部
71 連動機構
72 第1トグルばね機構
73 第2トグルばね機構
74 接触レバー
74a 係止用切欠き
74c 接触部
75 第1ロッド
76 第1筒状部材
77 第1ばね
81 第2筒状部材
82 第2ロッド
83 第2ばね
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣り用リール、特に、釣り竿に装着され釣り竿の軸回りに釣り糸を巻き取るスピニングリールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にスピニングリールは、リール本体と、リール本体に回転自在に支持されたロータと、外周に釣り糸が巻かれるスプールとを有している。ロータは、回転軸を挟むように対向して配置された第1及び第2アーム部と、両アーム部の先端に揺動自在に装着されたベールアームとを有している。
【0003】
ベールアームは、第1及び第2アーム部にそれぞれ揺動自在に取り付けられた第1及び第2ベール支持部材と、第1ベール支持部材の先端に装着されたラインローラを含む釣り糸案内部と、釣り糸案内部と第2ベール支持部材の間に配置されたベールとを有している。このベールアームは、釣り糸を巻き取る際に釣り糸をスプール外周に導く糸巻取姿勢と、スプールから釣り糸を繰り出す際に邪魔にならないように糸巻取姿勢から倒された糸開放姿勢とをとり得る。
【0004】
また、スピニングリールは、ロータの逆転(糸繰り出し方向の回転)を防止する逆転防止機構を有しており、逆転防止機構が作動するとロータは逆転禁止になる。この逆転防止機構を逆転禁止状態と逆転許可状態とに切り換える操作レバーは、通常、リール本体の後部やリール本体の下部に設けられている。
このようなスピニングリールでは、キャスティングを行って釣り糸を繰り出すときには、ロータの逆転を禁止した状態で釣り糸を人指し指の腹で引っ掛けた後ベールアームを糸開放姿勢に反転させる。このときには、釣り糸を引っ掛けやすいようにラインローラが釣り竿側になるようにハンドルではなく手でわずかにロータを回転させる。そして、釣り竿を振り下ろしその途中で釣り糸を人指し指から放して仕掛けが着水するのを待つ。仕掛けが着水した後、仕掛けが適当に沈んだところでハンドルを僅かに巻き取り方向に回転させ、ベールアームを糸巻取姿勢に戻す。
【0005】
また、キャスティング後や船釣り時等に仕掛けの自重により釣り糸を繰り出すときには、ベールアームを糸開放姿勢に反転した後釣り竿を持つ手の人差し指の先端部でスプール先端を押さえて釣り糸に人差し指の腹を接触させ糸ふけを防止するサミングといわれる操作を行う。このときには、ベール支持部材が邪魔にならないような位置にロータを手で回転させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のスピニングリールでは、キャスティング時とサミング時とでベール支持部材の位置を変えようとする場合、順方向(糸巻取方向)にロータを手で直接回転させるか、又は逆転防止機構を操作レバーの操作により逆転許可状態にして逆方向(糸繰り出し方向)に手でロータを回転させている。したがって、キャスティング時とサミング時とでロータを逆方向に僅かに回転させればよい場合、ロータを順方向に回転させるとロータを大きく回転操作しなければならず手間がかかる。また、逆転防止機構を逆転許可状態に切り換えてロータを逆転させると、操作レバーがリール本体の後部又は下部に設けられているので、釣り竿を持つ手と別の手で操作レバーによる逆転防止機構の切り換え操作を行った後ロータの逆転操作を行わなければならず、2つの別々の操作が必要になり操作が面倒である。
【0007】
本発明の課題は、サミング時やキャスティング時にロータを簡単に逆転できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールは、釣り竿に装着され、釣り竿の軸方向に沿った軸回りに釣り糸を巻き取るリールであって、リール本体と、ロータと、ロータ駆動機構と、スプールと、逆転防止機構と、切換手段と、禁止無効手段とを備えている。リール本体は釣り竿に装着可能であり、ハンドルを有している。ロータは、リール本体に回転自在に装着された円筒部と、円筒部の外周側に対向して形成された第1及び第2アーム部と、両アーム部の先端に糸開放姿勢と糸巻取姿勢とに揺動自在に装着されたベールアームとを有している。ロータ駆動機構は、ハンドルの回転に連動してロータを回転させる機構である。スプールは、ロータの前方に配置され外周に釣り糸が巻き付けられるものである。逆転防止機構は、ロータの糸繰り出し方向への逆転を禁止する逆転禁止状態と逆転を可能にする逆転可能状態とを取り得る機構である。切換手段は、逆転防止機構を逆転禁止状態と逆転可能状態とに切り換える手段である。禁止無効手段は、ベールアームの糸開放姿勢側への揺動に連動して逆転防止機構の逆転禁止状態を無効にしてロータの逆転を可能にする手段である。
【0009】
このスピニングリールでは、ハンドルを糸巻き取り方向に回転させるとロータがロータ駆動機構により回転し、ベールアームにより案内された釣り糸がスプールに巻き付けられる。逆転防止機構が逆転禁止状態になっているときには、ロータは糸巻取方向にしか回転できない。しかし、キャスティング時やサミング時にベールアームを糸開放姿勢にすると、逆転防止機構が逆転禁止状態になっているときでもベールアームの糸開放姿勢への移動に連動して逆転禁止状態が無効になり、ロータが糸巻取方向だけでなくそれと反対の方向に逆転可能になる。このため、ベールアームを糸開放姿勢にしてキャスティングやサミングを行うときにロータを簡単に逆転させることができる。
【0010】
発明2に係るスピニングリールは、発明1に記載のリールにおいて、ロータ駆動機構は、ハンドルの回転に連動して回転するフェースギアと、フェースギアに噛み合うようにリール本体に回転自在に支持されロータに連結されるピニオンギアとを有している。逆転防止機構は、ピニオンギアとリール本体との間に配置され、逆転禁止状態にあるときピニオンギアの逆転を禁止する。この場合には、ハンドルが回転するとフェースギアが回転しそれに噛み合うピニオンギアが回転してロータが回転する。
【0011】
発明3に係るスピニングリールは、発明2に記載のリールにおいて、ロータはピニオンギアに回転自在に支持され、禁止無効手段は、ピニオンギアに回転不能に装着され外周部に回転係止部を有する回転部材と、第1及び第2アーム部の一方に設けられベールアームが糸巻取姿勢にあるとき回転係止部に接触する接触位置に糸開放姿勢にあるとき回転係止部から離脱した離脱位置にベールアームに連動して移動する連動機構とを有し、連動機構が接触位置に移動して回転係止部に接触すると回転部材の少なくとも糸巻取方向の回転に連動してロータが回転する。この場合には、ベールアームを糸開放姿勢に揺動させると連動機構が離脱位置側に移動し、ロータがピニオンギアに対して回転自在になる。このため、逆転防止機構が逆転禁止状態にあってもロータの逆転が可能になる。一方、ベールアームが糸巻取姿勢にあるときには、連動機構が回転部材の回転係止部に接触する。このため、回転部材を介してロータが少なくとも糸巻取方向に回転可能になる。このとき、ロータを逆転方向に回転させようとしてもピニオンギアが逆転禁止状態にあるので、ロータの逆転は禁止される。ここでは、簡素な構成で連動機構をベールアームに連動させることができる。
【0012】
発明4に係るスピニングリールは、発明3に記載のリールにおいて、ベールアームは、第1及び第2アーム部先端にそれぞれ揺動自在に装着された第1及び第2ベール支持部材と、両ベール支持部材の間に設けられたベールとを有し、連動機構は、第2ベール支持部材に連動してベールアームが糸巻取姿勢となる第1位置と糸開放姿勢となる第2位置とを取り得るトグル機構とを有する。この場合には、ベールアームを反転させてトグル機構が第2位置に配置されるとベールアームが糸開放姿勢に維持される。この第2位置においてトグル機構が回転部材の回転係止部から離脱しロータが逆転可能になる。逆にベールアームを元に戻してトグル機構が第1位置に配置されるとベールアームが糸巻き取り姿勢に維持される。そして、トグル機構が回転係止部に接触してロータが回転部材を介して回転可能になり、逆転禁止状態になる。ここでは、トグル機構によりベールアームが2つの姿勢に維持されので、ベールアームに連動する構成によりベールアームの姿勢維持も行える。
【0013】
発明5に係るスピニングリールは、発明4に記載のリールにおいて、トグル機構は、第2ベール支持部材に連動して第1位置と第2位置とを取り得るように第2アーム部に配置された第1トグルばね機構と、円筒部の後面に第1位置と第2位置とを取り得るように配置され、第1トグルばね機構を第1位置と第2位置とに保持するための第2トグルばね機構とを有し、第2トグルばね機構の一部が回転部材の係止部に接触する。この場合には、ベールアームは、2重のトグルばね機構によって糸巻取姿勢及び糸開放姿勢に所定の力で保持される。このため、各機構の保持位置及び保持力をそれぞれ別個に調整することにより、多様な操作フィーリングを得ることができる。
【0014】
発明6に係るスピニングリールは、発明5に記載のリールにおいて、第1トグルばね機構は、一端が第2ベール支持部材に係止され、他端が第2アーム部に沿って延びる第1部材と、第1部材の他端側が移動自在に案内されるとともに第2アーム部に一端側と他端側との間で揺動自在に取り付けられた第2部材と、第1部材と第2部材を離反する方向に付勢する第1ばねとを有し、第2トグルばね機構は、揺動する第2部材の他端を係止する揺動係止部と回転係止部に接触可能な接触部とを有しロータ回転平面と平行な面内で揺動自在に円筒部の後面に取り付けられた接触部材と、一端が接触部材に係止された第3部材と、第3部材の他端側が移動自在に案内されるとともに円筒部の後面に揺動自在に取り付けられた第4部材と、第3部材と第4部材とを離反する方向に付勢する第2ばねとを有し、接触部材の接触部は、第1及び第2トグルばね機構が第1位置に位置しているとき回転係止部に接触する。
【0015】
この場合には、第2アーム部に沿って延びる第1部材が第1ばねによって一端側に付勢されている。第1部材は第2部材に移動自在に案内されており、第2部材は揺動する。第2部材が一方側に揺動した状態で第1部材が第1ばねにより付勢され、これにより第1トグルばね機構は第1位置に保持される。第2部材が揺動すると、第2部材の他端に係止された接触部材がロータ回転平面と平行な面内で一方向に揺動して第4部材も一方側に揺動する。第4部材が一方側に揺動した状態で第3部材が第2ばねにより付勢され、これにより第2トグルばね機構は第1位置に保持される。この第1位置に保持された状態では接触部材の接触部が回転部材の回転係止部に接触して回転部材を介してロータが回転可能になる。一方、第2部材が逆に他方側に揺動し、第1部材が第1ばねにより付勢された状態では、第1トグルばね機構は第2位置に保持される。第2部材が他方側に揺動すると、接触部材が他方向に揺動して第4部材も他方側に揺動する。そして第4部材が他方側に揺動した状態で第3部材が第2ばねにより付勢され、これにより第2トグルばね機構は第2位置に保持される。この第2位置に保持された状態で接触部材の接触部が回転係止部から離脱して逆転禁止状態の有無に係わらずロータは回転自在になる。ここでは、簡単な機構で2つのトグルばね機構を構成できる。
【0016】
発明7に係るスピニングリールは、発明1から6のいずれかに記載のリールにおいて、ベールアームが糸開放姿勢にあるとき、ロータの回転に連動してベールアームを糸巻取姿勢に復帰させるベール反転機構をさらに備える。この場合には、ベールアームの糸開放姿勢から糸巻き取り姿勢への反転動作がハンドルを回してロータを回転させることで自動的に行われる。このため、キャスティング時やサミング時にロータの逆転禁止状態を無効にしてもロータを回転させるだけで簡単に元の逆転禁止状態に戻せる。
【0017】
発明8に係るスピニングリールは、1から7のいずれかに記載のリールにおいて、ベールアームが糸開放姿勢に位置したとき、ロータを制動するロータ制動機構をさらに備える。この場合には、べールアームを糸開放姿勢にして逆転禁止状態が無効になってもロータが制動されるので、ロータが勝手に回転しない。しかもロータが制動されているだけでロックされているわけではないので、ロータを手で回せば簡単に回すことができる。このため、キャスティング時やサミング時に一度最適な回転位相にロータをセットすればその回転位相を維持できるとともに、セットされた位相から別の位相に簡単に回すことができ、ロータの回転位相を自由に調整できる。
【0018】
発明9に係るスピニングリールは、発明1から8のいずれかに記載のリールにおいて、逆転防止機構は、ロータ駆動機構に回転不能に連結された内輪とリール本体に固定された外輪と内輪と外輪との間に両者に接触可能に配置された複数のローラとを有するローラ型のワンウェイクラッチと、ワンウェイクラッチを作動状態と非作動状態とに切り換える切換部材とを有する。この場合には、逆転防止機構がローラ型のワンウェイクラッチで構成されるので、逆転禁止状態での遊びが少なくなり、逆転禁止時の操作フィーリングが向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔全体構成〕
図1に示す本発明の一実施形態によるスピニングリールは、ハンドル1を備えたリール本体2と、ベールアーム25を有しリール本体2の前部に回転自在に支持されたロータ3と、ロータ3の前部に配置され釣り糸を釣り竿に沿った軸回りに巻き取るためのスプール4とを備えている。
【0020】
リール本体2はボディ2aを有しており、その上部にはスピニングリールを釣り竿に取り付けるための取付部2bが形成されている。ボディ2aの前部には環状凹部2cが形成されている。ボディ2aの内部には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、オシレーティング機構6と、ベール反転機構7と、ロータ制動機構8と、逆転防止機構9と、操作機構10と、逆転禁止無効機構13とが設けられている。オシレーティング機構6は、スプール4を回転軸心Xに沿って前後方向に移動させてスプール4に釣り糸を均一に巻き取るための機構である。ベール反転機構7は、ロータ3の回転に応じてベールアーム25を反転させる機構である。ロータ制動機構8は、ロータ3の回転を制動する機構である。逆転防止機構9は、ロータ3の逆転(糸繰り出し方向の回転)を禁止する逆転禁止状態と逆転を許可する逆転許可状態を取り得る機構である。操作機構10は、逆転防止機構9をいずれかの状態に操作するための機構である。逆転禁止無効機構13は、逆転防止機構9の逆転禁止状態を無効にする機構である。
【0021】
ロータ駆動機構5は、ハンドル1が固定されたハンドル軸1aとともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部12aはロータ3の中心部を貫通してスプール4側に延びている。そして、その先端にはねじ部が形成されている。ピニオンギア12は軸受によりリール本体2に回転自在に支持されており、前部12aに逆転禁止無効機構13が回転不能に装着されているとともにロータ3が回転自在に支持されている。このような構造では、ハンドル1によってフェースギア11及びピニオンギア12が回転させられ、このピニオンギア12に装着された逆転禁止無効機構13を介してロータ3が回転する。
【0022】
オシレーティング機構6は、ドラグ機構90を介してスプール4の中心部が連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。
〔ロータの構成〕
ロータ3は、円筒部20と、円筒部20の側方に互いに対向して設けられた第1アーム部21及び第2アーム部22と、両アーム部21,22の先端に糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺動自在に装着されたベールアーム25とを有している。円筒部20と両アーム部21,22とは一体成形されている。
【0023】
円筒部20の前部には前壁23が形成されており、前壁23の中央部にはボス23aが形成されている。ボス23aの中心部には貫通孔が形成されており、この貫通孔をピニオンギア12の前部12a及びスプール軸15が貫通している。前壁23の前方側にはナット24が配置されており、このナット24がピニオンギア12の先端ねじ部に螺合している。ナット24の内周部にはスプール軸15を支持する軸受が配置されている。
【0024】
ベールアーム25は、第1及び第2アーム部21,22の先端の内周側にそれぞれ揺動自在に取りつけられた第1及び第2ベール支持部材30,32と、ラインローラ31と、ベール33とを有している。ラインローラ31は、釣り糸をスプール4に案内するためのものであり、第1ベール支持部材30の先端に回転自在に装着されている。ベール33は、第1ベール支持部材30先端のラインローラ31と第2ベール支持部材32との間に設けられている。
【0025】
なお、ベールアーム25は、回転軸心Xに対して直交せずに所定角度傾いた揺動軸Mを中心に揺動し、釣り糸をスプール4外周に導く糸巻取姿勢(図2参照)と、スプール4から釣り糸が繰り出すのを許す糸開放姿勢(図3参照)とをとり得る。
〔ベール反転機構の構成〕
図2〜図5に示すように、ベール反転機構7は、ロータ3の第1アーム部21内に配置された第1トグルばね機構40と、ロータ3の後端に配置された第2トグルばね機構41と、リール本体2の環状凹部2cに形成された切換突起42とを有している。
【0026】
第1トグルばね機構40は、第1アーム部21に沿って前後方向に延びる第1ロッド45と、第1ロッド45の後端部が摺動自在に挿入された第1筒状部材46と、第1ロッド45を前方側に付勢する第1ばね47とを有している。第1ロッド45は、図4に示すように、その先端部45aが内周側に折曲げられ、第1ベール支持部材30に形成された孔30aに係合している。また第1ロッド45には鍔部45bが形成されており、第1ばね47の前端がこの鍔部45bに当接している。第1筒状部材46は図2に示す揺動中心Aを中心に第1アーム部21に揺動自在に取り付けられている。一方、第1アーム部21の前端部にはストッパー部21aが形成されている。
【0027】
このような構成の第1トグルばね機構40は、図2に示すような第1位置と、図3に示すような第2位置とをとることが可能である。第1位置は、ベールアーム25の糸巻取姿勢に対応し、第2位置はベールアーム25の糸開放姿勢に対応している。また、図3に示す第2位置は、この第1トグルばね機構40の死点とほぼ同じ位置である。
【0028】
第2トグルばね機構41は、図5に示すように、ロータ3の円筒部20と第1アーム部21との連結部分の後面にロータ回転平面と平行な面内で揺動自在に取り付けられた戻しレバー50と、一端がこの戻しレバー50に係止された第2筒状部材51と、第2筒状部材51に収納され一端がロータ3に揺動自在に取り付けられた第2ロッド52と、第2筒状部材51を戻しレバー50側に付勢する第2ばね53とを有している。なお、第2筒状部材51及び第2ばね53は、ロータ回転平面と平行な面内で移動する。
【0029】
戻しレバー50は、第1トグルばね機構40の第1筒状部材46の後端と係止する係止用切欠き50aと、第2筒状部材係止用の孔50bと、ロータ回転軸芯側に突出可能であり先端が回転方向に湾曲した突出部50cとを有している。係止用切欠き50aと第1筒状部材46の後部との間には隙間が形成されている。このような第2トグルばね機構41の構成では、第2筒状部材51及び第2ばね53によって、戻しレバー50は図5の二点鎖線で示す第1位置と実線で示す第2位置とをとり得る。第1位置は第1トグルばね機構40の第1位置及びベールアーム25の糸巻取姿勢に対応し、第2位置は第1トグルばね機構40の第2位置及びベールアーム25の糸開放姿勢に対応している。
【0030】
なお、戻しレバー50の係止用切欠き50aと第1筒状部材46の後端との係止部には隙間が形成されているので、両者の位置が切り換えられた際に両者による衝突音が発生し、これにより、位置が切り換えられたことを操作者に報知することができる。
ボディ2aの環状凹部2cに形成された切換突起42は、図5に示すように、外周側に凸に湾曲している。この切換突起42は、第2トグルばね機構41の戻しレバー50がロータ3とともに回転してきた際に、戻しレバー50の突出部50cに当接可能である。なお、切換突起42は、戻しレバー50の突出部50cと滑らかに衝突し、戻しレバー50のスムーズな回動を促すように曲面形状となっている。
【0031】
〔ロータ制動機構の構成〕
ロータ制動機構8は、ベールアーム25が糸開放姿勢にあるとき、ロータ3を制動する機構である。ロータ制動機構8は、図5及び図6に示すように、前述した戻しレバー50の突出部50cと、ベールアーム25が糸開放姿勢にあるときロータ回転軸心側に突出する突出部50cに接触可能な制動部材55とを有している。
【0032】
制動部材55は、例えばNBR,シリコンゴム等の弾性体製の環状部材である。制動部材55は、ボディ2aの環状凹部2cに取り付けられ、切換突起42形成部分の内側を迂回してロータ回転方向に沿って実質的にリング状に配置されている。制動部材55の断面形状は、例えば円形状であり、ベールアーム25が糸開放姿勢に位置したときに突出部50cとの接触により弾性変形する。ここで、制動部材55をほぼロータ回転方向に沿ってリング状に設けることで、ロータ3がどのような回転位相で停止していてもベールアーム25を糸開放姿勢に反転させるとロータ3が常に制動される。
【0033】
〔逆転防止機構及び操作機構の構成〕
逆転防止機構9は、ロータ3の円筒部20の内部に配置されている。逆転防止機構9は、操作機構10により逆転禁止状態と逆転許可状態とをとり得る。逆転防止機構9は、図7に示すように、リール本体2のボディ2aの先端に固定されたクラッチケース61と、クラッチケース61内に収納された内輪遊転型のワンウェイクラッチ62とを有している。クラッチケース61は、有底円筒形状のケース本体61aと、ケース本体61aを封止するクラッチカバー61bとを有している。
【0034】
ワンウェイクラッチ62は、ケース本体61aに回転不能に装着された外輪62aと、ピニオンギア12の外周に回転不能に装着された内輪62bと、複数のローラ62cと、複数のローラ62cを保持するリテーナ62dとを有している。
外輪62aの内面には等角度間隔でローラ62cをくい込ますための傾斜面62eが形成されている。
【0035】
複数のローラ62cは外輪62aと内輪62bとの間に配置され、両輪62a,62bにくい込む作動位置と両輪62a,62bの間で遊転する非作動位置とを取り得る。リテーナ62dは、ほぼ円筒状の部材であり、ケース本体61aの内部の外輪62aより内側で回転自在に支持されている。リテーナ62dには、円周方向に等角度間隔で複数の収納用切欠きとばね収納部と(ともに図示せず)が形成されており、この切欠きのそれぞれにローラ62cが回転自在に収納されている。このリテーナ62dが回動することで複数のローラ62cが作動位置と非作動位置とを取り得る。ばね収納部には各ローラ62cを作動側に付勢するばね部材が収納されている。
【0036】
操作機構10は、図1に示すように、先端がワンウェイクラッチ62に係合するカム軸63と、カム軸63の基端に回転不能に装着された操作レバー64と、カム軸63を逆転禁止位置と逆転許可位置とに保持するためのトグルばね機構65とを有している。
カム軸63は、逆転禁止位置と逆転許可位置との間で回動自在にリール本体2に支持されている。カム軸63は、スプール軸15の上方にスプール軸15と平行に配置されており、先端部がリテーナ62dに係合してリテーナ62dを回動させる。カム軸63の途中にトグルばね機構65の先端が係止されている。
【0037】
〔逆転禁止無効機構の構成〕
逆転禁止無効機構13は、図7に示すように、ピニオンギア12に回転不能に装着された回転部材70と、第2アーム部22に設けられロータ3と回転部材70とを連結・離脱するための連動機構71とを有している。
回転部材70は、筒部70aと、筒部70aの一端に筒部70aと一端で形成された前壁部70bとを有している。筒部70aの端部には、回転係止部70cが形成されている。回転係止部70cは、図5に示すように、円周方向に等間隔で軸方向に突出して形成されている。回転係止部70cは、肉厚が図5の時計回りで徐々に薄くなっている。前壁部70bは、図7に示すように、内周部がワンウェイクラッチ62の内輪62bに回転不能に連結されている。これにより、回転部材70は、ピニオンギア12に回転不能に装着される。
【0038】
連動機構71は、ベールアーム25が糸巻取姿勢にあるとき回転係止部70cに接触する接触位置に、糸開放姿勢にあるとき回転係止部70cから離脱した離脱位置にベールアーム25に連動して移動する機構である。この接触位置に連動機構71が配置されると回転部材70の糸巻取方向の回転に連動してロータ3が回転する。
【0039】
連動機構71は、図5,図8〜図11に示すように、ロータ3の第2アーム部22内に配置された第1トグルばね機構72と、ロータ3の後端に配置された第2トグルばね機構73と、ロータ3の円筒部20と第2アーム部22との連結部分の後面にロータ回転平面と平行な面内で揺動自在に取り付けられた接触レバー74とを有している。
【0040】
第1トグルばね機構72は、第2アーム部22に沿って前後方向に延びる第1ロッド75と、第1ロッド75の後端部が摺動自在に挿入された第1筒状部材76と、第1ロッド75を前方側に付勢する第1ばね77とを有している。第1ロッド75は、図10に示すように、その先端部75aが内周側に折曲げられ、第2ベール支持部材32に形成された孔32aに係合している。また第1ロッド75には鍔部75bが形成されており、第1ばね77の前端がこの鍔部75bに当接している。第1筒状部材76は図8に示す揺動中心Bを中心に第2アーム部22に揺動自在に取り付けられている。一方、第2アーム部22の前端部にはストッパー部22aが形成されている。
【0041】
このような構成の第1トグルばね機構72は、図8に示すような第1位置と、図9に示すような第2位置とをとることが可能である。第1位置は、ベールアーム25の糸巻取姿勢に対応し、第2位置はベールアーム25の糸開放姿勢に対応している。また、図9に示す第2位置は、この第1トグルばね機構72の死点とほぼ同じ位置である。
【0042】
第2トグルばね機構73は、図5に示すように、一端が接触レバー74に係止された第2筒状部材81と、第2筒状部材81に収納され一端がロータ3に揺動自在に取り付けられた第2ロッド82と、第2筒状部材81を接触レバー74側に付勢する第2ばね83とを有している。なお、第2筒状部材81及び第2ばね83は、ロータ回転平面と平行な面内で移動する。
【0043】
接触レバー74は、第1トグルばね機構72の第1筒状部材76の後端と係止する係止用切欠き74aと、第2筒状部材係止用の孔74bと、ロータ回転方向に突出して回転係止部70cに接触可能な接触部74cとを有している。係止用切欠き74aと第1筒状部材76の後部との間には隙間が形成されている。
このような構成では、第2筒状部材81及び第2ばね83によって、接触レバー74は図5の二点鎖線で示す第1位置と実線で示す第2位置とをとり得る。第1位置は第1トグルばね機構72の第1位置及びベールアーム25の糸巻取姿勢に対応し、第2位置は第1トグルばね機構72の第2位置及びベールアーム25の糸開放姿勢に対応している。したがって、ベールアーム25が糸巻取姿勢に配置されると、接触レバー74が第2位置に配置され、接触レバー74の接触部74cが回転部材70の回転係止部70cに接触する。この状態でハンドル1を糸巻取方向に回転させピニオンギア12を糸巻取方向に回転させると、その回転が回転部材70,接触レバー74を介してロータ3に伝達されロータ3が糸巻取方向に回転する。この接触レバー74が第1位置にあるとき、回転部材70からの力が接触レバー74作用しても接触レバー74に図5時計軸回りの回転力が作用するので第2位置に復帰することはない。
【0044】
〔スプールの構成〕
スプール4は、図1に示すように、ロータ3の第1アーム部21と第2アーム22との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構90を介して着脱自在に装着されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後部に一体形成されたスカート部4bと、糸巻胴部4aの前端に固定されたフランジ板4cとを有している。
【0045】
ドラグ機構90は、スプール4の内部前端面を押圧する押圧部材91と、ドラグ力を調整するための調整つまみ92と、押圧部材91と調整つまみ92との間に配置された押圧ばね93と、押圧部材91とスプール4との間に配置された複数のドラグ板95とを有している。調整つまみ92は、スプール軸15の先端に締結されている。このドラグ機構90では、調整つまみ92の締め付け量を調整することで押圧部材91のスプール4に対する押圧力を調整でき、ドラグ力を調整可能である。
【0046】
〔リールの操作及び各機構の動作〕
釣り糸をスプール4に巻き取る際には、操作レバー64により逆転防止機構9を逆転禁止状態にしてロータ3の逆転を禁止した状態でベールアーム25を糸巻取姿勢とする。この場合には、ロータ3側では、第1ベール支持部材30及び第2ベール支持部材32は、図1,図2,図8に示すように、それぞれ前方側に起立している。この状態では、第1トグルばね機構40,72では、第1筒状部材46,76は、図2,図8に示すように、第1ばね47,77によって時計方向及び反時計方向にそれぞれ揺動し、第1ロッド45,75は進出した状態となっている。また第2トグルばね機構41,73では、戻しレバー50及び接触レバー74は図5に二点鎖線で示す第1位置にそれぞれ位置しており、この状態が第2ロッド52,82及び第2ばね53,83によって保持されている。なおこの状態では、戻しレバー50の突出部50cはロータ外周側に退避しており、ロータ3が回転しても突出部50cが切換突起42に当接することはない。また、接触レバー74の接触部74cは、回転部材70の回転係止部70cに接触しており、回転部材70を介してロータ3が糸巻取方向に回転可能である。
【0047】
また、逆転防止機構9側では、カム軸63がトグルばね機構65により逆転防止位置側に保持され、ワンウェイクラッチ62が作動位置側に移動し、ロータ3の逆転が禁止される。
キャスティング時には、ロータ3を正転又は逆転させてラインローラ31を釣り竿側に近づけ釣り糸を人指し指で引っ掛けやすいようにする。ロータ3を逆転させる場合には、ベールアーム25を糸開放姿勢に反転させる。この場合には、ロータ3側では、第1ベール支持部材30及び第2ベール支持部材32は、図3,図9に示すように、それぞれ後方側に反転している。この状態では、第1トグルばね機構40,72では、第1筒状部材46,76は、図3,図9に示すように、第1ばね47,77の付勢力に抗して反時計方向及び時計方向にそれぞれ揺動し、第1ロッド45,75は退入した状態となっている。また第2トグルばね機構41,73では、戻しレバー50及び接触レバー74は図5に実線で示す第2位置にそれぞれ位置しており、この状態が第2ロッド52,82及び第2ばね53,83によって保持されている。なおこの状態では、戻しレバー50の突出部50cはロータ内部に進出しており、その先端が制動部材55に当接してロータ3が制動される。また、ロータ3が糸巻取方向に回転すると突出部50cが切換突起42に当接して戻しレバー50が蹴られベールアーム25が糸巻取姿勢に復帰する。また、接触レバー74の接触部74cは、回転部材70の回転係止部70cから離脱し、ロータ3が逆転防止機構9により逆転禁止状態になっていてもロータ3が両方向に回転自在になる。しかし、ロータ制動機構8により制動されているので自由に回転することはない。
【0048】
また、キャスティング時とサミング時とでロータ3の位相を逆転により変更する場合にもキャスティング前の操作と同様にベールアーム25を糸巻取姿勢にすればよい。
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、連動機構を2つのトグルばね機構を構成したが、本発明の連動機構は、トグルばね機構に限定されるものではない。
【0049】
(b)前記実施形態では、ロータとピニオンギアとの間に回転部材を設けて逆転禁止状態を無効にしたが、ベールアームの揺動に連動してカム軸やリテーナを反転させて逆転禁止状態を無効にしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、キャスティング時やサミング時にベールアームを糸開放姿勢にすると、逆転防止機構が逆転禁止状態になっているときでもベールアームの糸開放姿勢への移動に連動して逆転禁止状態が無効になり、ロータが糸巻取方向だけでなくそれと反対の方向に逆転可能になる。このため、ベールアームを糸開放姿勢にしてキャスティングやサミングを行うときにロータを簡単に逆転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるスピニングリールの側面断面図。
【図2】糸巻取姿勢における第1アーム部内部の正面図。
【図3】糸開放姿勢における第1アーム部内部の正面図。
【図4】第1トグルばね機構の正面部分図。
【図5】ロータの底面断面図。
【図6】ロータ制動機構の拡大図。
【図7】スピニングリールの前部断面図。
【図8】糸巻取姿勢における第2アーム部内部の正面図。
【図9】糸開放姿勢における第2アーム部内部の正面図。
【図10】第1トグルばね機構の正面部分図
【符号の説明】
2 リール本体
3 ロータ
4 スプール
7 ベール反転機構
8 ロータ制動機構
9 逆転防止機構
10 操作機構
13 逆転禁止無効機構
22 第2アーム部
25 ベールアーム
62 ワンウェイクラッチ
70 回転部材
70c 回転係止部
71 連動機構
72 第1トグルばね機構
73 第2トグルばね機構
74 接触レバー
74a 係止用切欠き
74c 接触部
75 第1ロッド
76 第1筒状部材
77 第1ばね
81 第2筒状部材
82 第2ロッド
83 第2ばね
Claims (9)
- 釣り竿に装着され、前記釣り竿の軸方向に沿った軸回りに釣り糸を巻き取るスピニングリールであって、
前記釣り竿に装着可能であり、ハンドルを有するリール本体と、
前記リール本体に回転自在に装着された円筒部と、前記円筒部の外周側に対向して形成された第1及び第2アーム部と、前記両アーム部の先端に糸開放姿勢と糸巻取姿勢とに揺動自在に装着されたベールアームとを有するロータと、
前記ハンドルの回転に連動して前記ロータを回転させるロータ駆動機構と、
前記ロータの前方に配置され外周に釣り糸が巻き付けられるスプールと、
前記ロータの糸繰り出し方向への逆転を禁止する逆転禁止状態と前記逆転を可能にする逆転可能状態とを取り得る逆転防止機構と、
前記逆転防止機構を前記逆転禁止状態と逆転可能状態とに切り換える切換手段と、
前記ベールアームの前記糸開放姿勢側への揺動に連動して前記逆転防止機構の前記逆転禁止状態を無効にして前記ロータの逆転を可能にする禁止無効手段と、を備えたスピニングリール。 - 前記ロータ駆動機構は、前記ハンドルの回転に連動して回転するフェースギアと、前記フェースギアに噛み合うように前記リール本体に回転自在に支持され前記ロータに連結されるピニオンギアとを有し、
前記逆転防止機構は前記ピニオンギアとリール本体との間に配置され、前記逆転禁止状態にあるとき前記ピニオンギアの逆転を禁止する、請求項1に記載のスピニングリール。 - 前記ロータは前記ピニオンギアに回転自在に支持され、
前記禁止無効手段は、
前記ピニオンギアに回転不能に装着され外周部に回転係止部を有する回転部材と、
前記第1及び第2アーム部の一方に設けられ、前記ベールアームが前記糸巻取姿勢にあるとき前記回転係止部に接触する接触位置に、前記糸開放姿勢にあるとき前記回転係止部から離脱した離脱位置に前記ベールアームに連動して移動する連動機構とを有し、
前記連動機構が前記接触位置に移動して前記回転係止部に接触すると前記回転部材の少なくとも糸巻取方向の回転に連動して前記ロータが回転する、請求項2に記載のスピニングリール。 - 前記ベールアームは、前記第1及び第2アーム部先端にそれぞれ揺動自在に装着された第1及び第2ベール支持部材と、前記両ベール支持部材の間に設けられたベールとを有し、
前記連動機構は、前記第2ベール支持部材に連動して前記ベールアームが前記糸巻取姿勢となる第1位置と前記糸開放姿勢となる第2位置とを取り得るトグル機構とを有する、請求項3に記載のスピニングリール。 - 前記トグル機構は、
前記第2ベール支持部材に連動して前記第1位置と第2位置とを取り得るように前記第2アーム部に配置された第1トグルばね機構と、
前記円筒部の後面に前記第1位置と第2位置とを取り得るように配置され、前記第1トグルばね機構を前記第1位置と第2位置とに保持するための第2トグルばね機構とを有し、
前記第2トグルばね機構の一部が前記回転部材の回転係止部に接触する、請求項4に記載のスピニングリール。 - 前記第1トグルばね機構は、一端が前記第2ベール支持部材に係止され、他端が前記第2アーム部に沿って延びる第1部材と、前記第1部材の他端側が移動自在に案内されるとともに前記第2アーム部に前記一端側と他端側との間で揺動自在に取り付けられた第2部材と、前記第1部材と第2部材とを離反する方向に付勢する第1ばねとを有し、
前記第2トグルばね機構は、揺動する前記第2部材の他端を係止する揺動係止部と前記回転係止部に接触可能な接触部とを有し前記ロータ回転平面と平行な面内で揺動自在に前記円筒部の後面に取り付けられた接触部材と、一端が前記接触部材に係止された第3部材と、前記第3部材の他端側が移動自在に案内されるとともに前記円筒部の後面に揺動自在に取り付けられた第4部材と、前記第3部材と第4部材とを離反する方向に付勢する第2ばねとを有し、
前記接触部材の接触部は、前記第1及び第2トグルばね機構が第1位置に位置しているとき前記回転係止部に接触する、請求項5に記載のスピニングリール。 - 前記ベールアームが糸開放姿勢にあるとき、前記ロータの回転に連動して前記ベールアームを前記糸巻取姿勢に復帰させるベール反転機構をさらに備える、請求項1から6のいずれかに記載のスピニングリール。
- 前記ベールアームが糸開放姿勢に位置したとき、前記ロータを制動するロータ制動機構をさらに備える、請求項1から7のいずれかに記載のスピニングリール。
- 前記逆転防止機構は、
前記ロータ駆動機構に回転不能に連結された内輪と前記リール本体に固定された外輪と前記内輪と外輪との間に両者に接触可能に配置された複数のローラとを有するローラ型のワンウェイクラッチと、
前記ワンウェイクラッチを作動状態と非作動状態とに切り換える切換部材とを有する、請求項1から8のいずれかに記載のスピニングリール。
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