JP2004339221A - 少なくとも1つの−ch2ohまたは−ch(cf3)oh末端基を有するパーフルオロポリエーテルの製造 - Google Patents

少なくとも1つの−ch2ohまたは−ch(cf3)oh末端基を有するパーフルオロポリエーテルの製造 Download PDF

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Abstract

【課題】溶媒中に溶解した還元剤としての無機水素化物を用いることなく、パーフルオロポリエーテルカルボン酸またはケトンの対応するアルコールの還元により得ることを許容する、高い収率と選択性を有するプロセスを見出す。
【解決手段】80〜140℃の間で水素化触媒の存在下での、少なくとも1つのカルボキシル性-COOHまたはケトン性-(CF3)C=O末端基を有する対応するパーフルオロポリエーテルとガス状水素との反応による、少なくとも1つの-CH2OHまたは-CH(CF3)OH末端基を有するパーフルオロポリエーテルを製造する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも1つのカルボキシル性(-COOH)またはケトン性(-(CF3)C=O)末端基を有する対応するパーフルオロポリエーテルの接触還元による、少なくとも1つの-CH2OHまたは-CH(CF3)OH末端基を有するパーフルオロポリエーテル(PFPE)を製造する方法に関する。
少なくとも1つの-CH2OH末端基を有するパーフルオロポリエーテルは、米国特許第3,766,251号(特許文献1)および米国特許第3,810,874号(特許文献2)より公知である。これらは、少なくとも1つのカルボキシル性またはエステル基を有する対応するパーフルオロポリエーテルから、特に-COOR基(式中、RはC1〜C5の線状または分岐状のアルキル鎖である)を含有するPFPEから出発して、金属水素化物を用いた化学的還元により製造される。この方法は、例えば英国特許第1,309,401号(特許文献3)および米国特許第3,847,978号(特許文献4)に記載されている。該方法において、還元は、溶媒の存在下に有機還元剤を用いることにより行われる。還元剤としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジグライムもしくはジオキサンのような不活性溶媒に溶解したリチウム−アルミニウムヒドリド(LiAlH4)、または不活性溶媒か、好ましくはメタノール、エタノールのようなプロトン性溶媒に溶解した水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)が挙げられる。
還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いることにより、還元の化学量論は、還元されるエステルの2当量に対して1モルのNaBH4の使用を含む。しかしながら、本出願人の名における欧州特許出願第1,114,842 A2号(特許文献5)からは、該還元反応において、エステル当量に対して1.5〜2.0モルのH2という、分子状水素の著しい発生があることが見出される。これは、水素化ホウ素ナトリウムまたは中間体の水素化物種の分解を示し、これが、99%より高い実質的なエステル変換を得るために、化学量論値の60%より高い、大過剰の還元剤の使用を必要とする。
したがって該還元は、次の顕著な経済性およびプロセシングの欠点を示す:還元剤NaBH4は高価な化合物であり、これを大過剰で使用する必要があるので、経済性の点;引火性および爆発性であり、安全な値にするのに顕著な量の不活性ガスで希釈することが要求される、発生した水素の存在のためにその管理が重大になるので、プロセシングの点(引火性および爆発性の限界は<4容量%である)。水素の発生を制限するために、本出願人らは、上記の特許出願に記載されたような、例えばナトリウムエチラートのような有機タイプの塩基性安定剤の使用が有利であることを見出した。この方式で、99%の転化率を得るために必要であった、化学量論に関して過剰のNaBH4は、60%から5〜15%に減少する。
しかしながら、該安定剤を用いると、塩基性有機安定剤により、および溶媒中に元来存在する水により促進されるエステルの部分加水分解が起こり、プロセシング条件下ではもはやアルコールに還元することができない対応する塩を与える。該塩をアルコールに変換するには、したがって反応原産物を酸性化すること、そのエステル化、および還元剤のさらなるアリコートとそれとの処理が必要であり、結果として工程と生産コストの増加となる。
米国特許第3,766,251号明細書 米国特許第3,810,874号明細書 英国特許第1,309,401号明細書 米国特許第3,847,978号明細書 欧州特許第1,114,842 A2号明細書
したがって、溶媒中に溶解した還元剤としての無機水素化物の使用に応じた欠点を有することなく、パーフルオロポリエーテルカルボン酸またはケトンの還元により対応するアルコールを得ることを許容する、高い収率と選択性を有するプロセスを見出す必要性が感じられていた。
驚くべきことに、そして予期せぬことに、99%より高い転化率および98%より高い選択性で、水素および触媒とともにパーフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸またはケトンを対応するアルコールに還元することにより、従来技術が示す不都合を克服することが可能であることを見出した。
したがって本発明の目的は、80〜140℃、好ましくは120〜130℃の範囲の温度において、炭素上に担持されたRuまたはRhの間で選択され、好ましくは炭素上に担持されたRuである水素化触媒の存在下に、少なくとも1つのカルボキシル性(-COOH)またはケトン性(-(CF3)C=O)末端基を有する対応するパーフルオロポリエーテルを、該カルボキシル性またはケトン性パーフルオロポリエーテルで形成される液相中で操作して、ガス状水素と反応させることを含む、少なくとも1つの-CH2OHまたは-CH(CF3)OH末端基を有するパーフルオロポリエーテルを製造する方法である。
通常、10〜100 atm、好ましくは30〜50 atmの範囲の圧力で操作する。
原料化合物として用いられる、好ましいカルボキシル性またはケトン性パーフルオロポリエーテルは、式:
T1-CFW1-O-Rf-CFW2-T2 (I)
(式中:
- T1およびT2は互いに同一または異なって、-COOH、-COCF3タイプ、もしくは-F、-CF3、-CF2CF3の末端基から選択されるものであるが、但しT1およびT2の間の少なくとも1つは-COOHまたは-(CF3)C=Oであり;
- W1およびW2は互いに同一または異なって、FまたはCF3であり;
- Rfは、-CF2CF2O-、-CF2O-、-C3F6O-、-CF2(CF2)zCF2O-タイプ(ここで、zは1または2に等しい整数である)、-CR4R5CF2CF2O- (ここで、R4およびR5は互いに同一または異なって、H、Clまたは炭素原子数1〜4の線状もしくは分岐状のパーフルオロアルキルから選択される)または-(CFYO)- (ここで、YはFまたはCF3に等しい)の1つ以上の単位を含み、500〜10000の数平均分子量を有するパーフルオロポリオキシアルキレン鎖であり、
該単位はパーフルオロポリオキシアルキレン鎖に沿って統計的に分布している)
を有するものである。
式(I)中、Rfは、好ましくは、鎖に沿って統計的に分布した、次の繰り返し単位からなる:
-(CF2CF2O)-、-(CFYO)-
-(C3F6O)-、
-(CF2(CF2)zO)- (ここで、zは2または3に等しい整数である)、
-CR4R5CF2CF2O- (ここで、R4およびR5は互いに同一または異なって、H、Clまたは炭素原子数1〜4のパーフルオロアルキルから選択される)。
特に次のフルオロポリエーテルRfが好ましく挙げられる:
(A) -(CF2CF(CF3)O)a(CFYO)b-
(式中、YはFまたはCF3であり;aおよびbは分子量が上記の範囲内であるような整数であり;a/bは10〜100の間である)
であるか、または(A)に示される繰返し単位が次のように結合することができる:
-(CF2CF(CF3)O)a(CFYO)b-CF2(R'f)CF2-O-(CF2CF(CF3)O)a(CFYO)b-
(式中、R'fは、炭素原子数1〜4のフルオロアルキレン基である);
(B) -(CF2CF2O)c(CF2O)d(CF2(CF2)zO)h-
(式中、c、dおよびhは、分子量が上記の範囲内であるような整数であり;c/dは0.1〜10の間であり;h/(c+d)は0〜0.05の間であり;zは上記の値を有し;hは0に等しいことも可能である);
(C) -(CF2CF(CF3)O)e(CF2CF2O)f(CFYO)g-
(式中、YはFまたはCF3であり;e、fおよびgは、分子量が上記範囲内であるような整数であり;e/(f+g)は0.1〜10の間であり;f/gは2〜10の間である)
(D) -(CF2(CF2)zO)s-
(式中、sは上記の分子量を与えるような整数であり;zはすでに定義した意味を有する);
(E) -(CR4R5CF2CF2O)j'-
(式中、R4およびR5は互いに同一または異なって、H、Clまたは例えば炭素原子1〜4のパーフルオロアルキルから選択され;j'は上述した分子量となるような整数である);
フルオロポリアルキレン鎖の内部の該単位は互いに次のように結合することができる:
-(CR4R5CF2CF2O)p'-R'f-O-(CR4R5CF2CF2O)q'-
(式中、R'fは例えば炭素原子1〜4のフルオロアルキレン基であり;p'およびq'は分子量が上記に示すものであるような整数である);および
(F) -(CF(CF3)CF2O)j''-(R'f)-O-(CF(CF3)CF2O)j''
(式中、j''は上記の分子量を与えるような整数であり、R'fは炭素原子数1〜4のフルオロアルキレン基である)。
特に好ましい構造は、(A)および(B)である。
少なくとも1つのカルボキシル性またはケトン性末端基を有するパーフルオロポリエーテルは、当該技術において公知である。特にこれらのカルボキシル化合物は、例えば対応するフッ素化アシルの加水分解により得られる。
本発明の目的の方法は、有機溶媒または水の使用を必要としないので処理されることとなる廃棄物がないという明白な有利性に加えて、温和な条件下(T≦140℃)で非常に迅速な反応速度論で行われる。
還元化合物は、分散された担持触媒を含有する反応スラリーから、単にろ過により単離される。
最も好ましい水素化触媒は、触媒の全重量について1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%のRuを含有する、炭素上に担持されたRuで形成される。該触媒は、99%より高い転化率および98%より高い選択性を得ることを許容する。
用いられる触媒の量は、還元されることとなるカルボキシル性またはケトン性パーフルオロポリエーテルについて1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%の範囲である。
反応は、機械的攪拌を備えた、フッ素化酸に耐性の反応器中で行われる。攪拌は、反応マス中に触媒が懸濁されることを維持することを許容する。
水素は、連続または非連続方式で供給することができる。
例えば、反応は、120℃〜130℃の間の温度および50 atmにおいて操作することにより、5重量%のRuである、反応物について2〜4重量%のRu/Cを用いて、3〜7時間で完了する。
化合物は、反応器内部の圧力を再び1 atmにすることにより、そして触媒からろ過することにより単離することができ、該触媒は連続する方法に再利用することができる。
代わりに、反応器内部のフィルターを用い、使用圧力を用いて反応物をろ過することができる。よって触媒は反応器内に残り、連続する還元方法に直ちに用いられる。
水素化触媒は、所望の化合物中に転化率および選択性の著しい減少を有することなく、少なくとも8回の反応方法に用いることが可能である。
非常に多数の方法のあとに部分的に排出された触媒は、次の方法に従ってさらに再生利用することができる:排出された触媒を、式(I)の原料パーフルオロポリエーテル酸の中に3〜10重量%の間、好ましくは4〜6重量%の間からなる触媒濃度において、該酸に懸濁する。温度を100〜130℃の範囲内の値にし、空気を約3〜5時間通気する。続いて水素を液相の脱色まで流す。得られた触媒スラリーは、本発明に記載の方法に従って少なくとも1つの-CH2OHまたは-CH(CF3)OH末端基を有するパーフルオロポリエーテル(PFPE)を得るのに、直接用いることができる。
本発明の方法により得られた化合物は、例えば磁気ディスクの滑剤として、または重縮合ポリマー、例えばポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネートおよびエポキシ樹脂の製造のためのマクロマーとして用いられる。
少なくとも1つのカルボキシル性またはケトン性末端基を有するパーフルオロポリエーテルの還元において、高い純度を有する化合物を得ることを可能にする、非常に高い転化率および選択性を有する本発明の方法を利用可能とすることが必須であった。実際、本発明のパーフルオロポリエーテル誘導体が、非晶質および蒸留が困難である特徴と組み合わせて高分子性および多分散性の性質であるので、未変換の種または反応副産物を反応混合物から除去する経済的に有利でない後続の精製工程を不可能にする。
さらに、2つのアルコール末端基を有するパーフルオロポリエーテルの製造において、低い転化率および選択性は、互いに異なる2つの末端基を有する高分子も得ることに導き、所望の化合物からのその分離はより難しい結果となるであろう。
本発明の方法は、不連続、半連続または連続の方式で行うことができる。
いくつかの説明としての実施例を次に示すが、これらは本発明を限定しない。
実施例
実施例1
数平均分子量2020で式:
HOOCCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOH
の二カルボン酸性パーフルオロポリエーテル281 gおよび触媒(5% Ru/C) 14 gを、0.5Lのハステロイ(登録商標)製オートクレーブに導入する。H2で50 atmに加圧し、130℃まで段々に加熱する。3時間40分後にサンプリングを行い、サンプル分析により転化率99.7%および選択率98.6%を示す。5時間後に転化率は100%に等しく、選択率は98.6%である。
19F-NMR分析により、選択率98.6%を有する、得られた反応化合物が式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH
のパーフルオロポリエーテルジオールであることが確認される。
さらに、二次的水素化分解反応を起源とする、0.7%の量の-OCF2CH3末端基の存在が示される。
オートクレーブを室温に冷却した後、同じ水素超過圧力およびオートクレーブ自体の内部のフィルターを用いて、反応化合物265 gを回収する。
実施例2
数平均分子量1540で式:
HOOCCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOH
のパーフルオロ二カルボン酸318 g、および酸について5.1%の触媒に等しいRu/C (5%のRu) 16 gを、適切に洗浄され、前のプロセシングの残存物が全くない実施例1と同様のオートクレーブに導入する。H2で50 atmに加圧し、130℃まで段々に加熱する。3時間後にサンプリングを行い、サンプル採取した物質の分析により転化率98.9%および選択率98.8%が示される。
4時間20分後に転化率は100%に等しく、選択率は98.8%の結果である。
19F-NMR分析により、選択率98.8%を有する、得られた反応化合物が式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH
のパーフルオロポリエーテルジオールであることが確認される。
さらに、二次的水素化分解反応を起源とする、0.6%に等しい量の-OCF2CH3末端基の存在が示される。
オートクレーブを室温に冷却した後、同じ水素超過圧力およびオートクレーブ自体の内部のフィルターを用いて、反応化合物305 gを回収する。
実施例3
数平均分子量2020で式:
HOOCCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOH
のパーフルオロ二カルボン酸200 g、および酸について5.1%の触媒に等しいRu/C (5%のRu) 11 gを、適切に洗浄され、前のプロセシングの残存物が全くない実施例1と同様のオートクレーブに導入する。
H2で50 atmに加圧し、100℃まで段々に加熱する。14時間後にサンプリングを行い、サンプル採取した物質の分析により100%に等しい転化率および選択率99%が示される。
19F-NMR分析により、選択率99%を有する、得られた反応化合物が式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH
のパーフルオロポリエーテルジオールであることが確認される。
さらに、二次的水素化分解反応を起源とする、0.5%に等しい量の-OCF2CH3末端基の存在が示される。
オートクレーブを室温に冷却した後、同じ水素超過圧力およびオートクレーブ自体の内部のフィルターを用いて、反応物質192 gを回収する。
実施例4
数平均分子量1540 (PE790)で式:
HOOCCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOH
のパーフルオロ二カルボン酸537 g、および酸について5%の触媒に等しいRu/C (5%のRu) 27 gを、適切に洗浄され、前のプロセシングの残存物が全くない実施例1と同様のオートクレーブに導入する。H2で50 atmに加圧し、130℃まで段々に加熱する。7時間後にサンプリングを行い、サンプル採取した物質の分析により100%に等しい転化率および選択率98.8%が示される。
19F-NMR分析により、選択率98.8%を有する、得られた反応化合物が式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH
のパーフルオロポリエーテルジオールであることが確認される。
さらに、二次的水素化分解反応を起源とする、0.6%に等しい量の-OCF2CH3末端基の存在が示される。
オートクレーブを室温に冷却した後、同じ水素超過圧力およびオートクレーブ自体の内部のフィルターを用いて、反応化合物515 gを回収する。
同じパーフルオロ二カルボン酸を供給して、最初の方法と同じ条件下で、同じオートクレーブ中に7回の付加的な還元方法を行う。
還元化合物の分析により、全ての方法が100%の転化率および所望のアルコール誘導体への98.8%の選択率を示すことが示される。
実施例5
数平均分子量2020で式:
HOOCCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOH
のパーフルオロポリエーテル二カルボン酸280 g、および触媒(5% Ru/C) 14 gを、0.5Lのハステロイ(登録商標)製オートクレーブに導入する。H2で50 atmに加圧し、130℃まで段々に加熱する。3時間40分後にサンプリングを行い、サンプル分析により転化率99.7%および98.2%に等しい選択率を示す。5時間後に転化率は100%に等しく、選択率は98.2%である。
19F-NMR分析により、選択率98.2%を有する、得られた反応化合物が式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH
のパーフルオロポリエーテルジオールであることが確認される。
さらに、二次的水素化分解反応を起源とする、0.9%に等しい量の-OCF2CH3末端基の存在が示される。
オートクレーブを室温に冷却した後、同じ水素超過圧力およびオートクレーブ自体の内部のフィルターを用いて、反応化合物262 gを回収する。
実施例6 (比較)
数平均分子量1540で式:
HOOCCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOH
のパーフルオロ二カルボン酸537 g、および酸について5%の触媒に等しいRu/C (5%のRu) 27 gを、実施例1と同様のオートクレーブに導入する。H2で50 atmに加圧し、次いで7時間で175℃まで加熱する。サンプリングを行い、サンプル採取した物質の分析により100%に等しい転化率および選択率89.8%が示される。
19F-NMR分析により、選択率89.8%を有する、得られた反応化合物が式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH
のパーフルオロポリエーテルジオールであることが確認される。
さらに、二次的水素化分解反応を起源とする、2%に等しい量の-OCF2CH3末端基、および酸(またはその塩)の分解に由来する、3.1%に等しい量の-CF2H末端基の存在が示され、これは10.2%の式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2-X
(式中、X = HまたはCH3)
のパーフルオロポリエーテルに相当する。
実施例7 (比較)
前の実施例と同じオートクレーブに、数平均分子量1540で式:
HOOCCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOH
のパーフルオロ二カルボン酸330 g、および酸について5%の触媒に等しいRu/C (5%のRu) 17 gを導入し、水160 gを添加する。H2で50 atmに加圧し、140℃まで段々に加熱する。
4時間後にサンプリングを行い、サンプル採取した物質の分析により転化率99.3%および選択率89.4%が示される。
19F-NMR分析により、選択率89.4%を有する、得られた反応化合物が式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH
のパーフルオロポリエーテルジオールであることが確認される。
さらに、二次的水素化分解反応を起源とする、2%に等しい量の-OCF2CH3末端基、および酸(またはその塩)の分解に由来する、3.3%に等しい量の-CF2H末端基の存在が示される。
得られた混合物は、89.4モル%の所期の化合物および10.6モル%の式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2-X
(式中、X = HまたはCH3)
のパーフルオロポリエーテルを含有する。
実施例8 (比較)
実施例1と同じオートクレーブに、数平均分子量1540で式:
HOOCCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOH
のパーフルオロ二カルボン酸330 g、および酸について5%の触媒に等しいRu/C (5%のRu) 17 gを導入し、水160 gを添加する。H2で50 atmに加圧し、175℃まで段々に加熱する。4時間後にサンプリングを行い、サンプル採取した物質の分析により転化率99.0%および選択率79.8%が示される。
19F-NMR分析により、選択率79.8%を有する、得られた反応化合物が式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH
のパーフルオロポリエーテルジオールであることが確認される。
さらに、二次的水素化分解反応を起源とする、1.7%に等しい量の-OCF2CH3末端基、および酸(またはその塩)の分解に由来する、8.4%に等しい-CF2H末端基の存在が示され、これは、79.8%の所期の化合物および20.2%の式:
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2-X
(式中、X = HまたはCH3)
のパーフルオロポリエーテルの混合物のモル組成に相当する。
実施例9 (比較)
実施例4に記載の方法を、Ru/C触媒を同様の量のRu/CaF2 (支持体について5%のRuを含有する)で置換して、同じ操作条件および同じ先駆物質の酸を用いて繰り返す。130℃で7時間後の反応混合物の分析は、原料の酸のみの存在を示し、したがって転化率は0である。
実施例10 (比較)
実施例1に記載の方法を、Ru/C触媒を同様の量のPt/Cで置換して、同じ操作条件および同じ酸先駆物質を用いて繰り返す。130℃で5時間後の反応混合物の分析は、原料の酸のみの存在を示し、したがって転化率は0である。
実施例11 (比較)
実施例1に記載の方法を、140℃の温度においてRu/C触媒を2 CuO・Cr2O3/Cで置換して、同じ操作条件および同じ酸先駆物質を用いて繰り返す。140℃および50 atmで4時間後の反応混合物の分析は、還元化合物の非存在、および酸またはその塩の分解に由来する-CF2H末端基をもつパーフルオロポリエーテル(10モル%)の存在を示す。

Claims (7)

  1. 80〜140℃の範囲の温度において、炭素上に担持されたRuまたはRhの間で選択される水素化触媒の存在下に、少なくとも1つのカルボキシル性(-COOH)またはケトン性(-(CF3)C=O)末端基を有する対応するパーフルオロポリエーテルを、ガス状水素と反応させることを含む、少なくとも1つの-CH2OHまたは-CH(CF3)OH末端基を有するパーフルオロポリエーテルを製造する方法。
  2. 少なくとも1つのカルボキシル性またはケトン性末端基を有する原料パーフルオロポリエーテルが、式
    T1-CFW1-O-Rf-CFW2-T2 (I)
    (式中:
    - T1およびT2は互いに同一または異なって、-COOH、-COCF3タイプ、もしくは-F、-CF3、-CF2CF3の末端基から選択されるものであるが、但しT1およびT2の間の少なくとも1つは-COOHまたは-(CF3)C=Oであり;
    - W1およびW2は互いに同一または異なって、FまたはCF3であり;
    - Rfは、-CF2CF2O-、-CF2O-、-C3F6O-、-CF2(CF2)zCF2O-タイプ(ここで、zは1または2に等しい整数である)、-CR4R5CF2CF2O- (ここで、R4およびR5は互いに同一または異なって、H、Clまたは炭素原子数1〜4の線状もしくは分岐状のパーフルオロアルキルから選択される)または-(CFYO)- (ここで、YはFまたはCF3に等しい)タイプの1つ以上の単位を含み、500〜10000の数平均分子量を有するパーフルオロポリオキシアルキレン鎖であり、
    該単位はパーフルオロポリオキシアルキレン鎖に沿って統計的に分布している)
    を有する、請求項1に記載の方法。
  3. Rfパーフルオロポリエーテル鎖が:
    (A) -(CF2CF(CF3)O)a(CFYO)b-
    (式中、YはFまたはCF3であり;aおよびbは分子量が上記の範囲内であるような整数であり;a/bは10〜100の間である)
    であるか、
    または(A)に示される繰返し単位が次のように結合することができる:
    -(CF2CF(CF3)O)a(CFYO)b-CF2(R'f)CF2-O-(CF2CF(CF3)O)a(CFYO)b-
    (式中、R'fは、炭素原子数1〜4のフルオロアルキレン基である);
    (B) -(CF2CF2O)c(CF2O)d(CF2(CF2)zO)h-
    (式中、c、dおよびhは、分子量が上記の範囲内であるような整数であり;c/dは0.1〜10の間であり;h/(c+d)は0〜0.05の間であり;zは上記の値を有し;hは0に等しいことも可能である);
    (C) -(CF2CF(CF3)O)e(CF2CF2O)f(CFYO)g-
    (式中、YはFまたはCF3であり;e、fおよびgは、分子量が上記範囲内であるような整数であり;e/(f+g)は0.1〜10の間であり;f/gは2〜10の間である)
    (D) -(CF2(CF2)zO)s-
    (式中、sは上記の分子量を与えるような整数であり;zはすでに定義した意味を有する);
    (E) -(CR4R5CF2CF2O)j'-
    (式中、R4およびR5は互いに同一または異なって、H、Clまたは例えば炭素原子1〜4のパーフルオロアルキルから選択され;j'は上記の分子量となるような整数である);
    フルオロポリアルキレン鎖の内部の該単位は互いに次のように結合することができる:
    -(CR4R5CF2CF2O)p'-R'f-O-(CR4R5CF2CF2O)q'-
    (式中、R'fは例えば炭素原子1〜4のフルオロアルキレン基であり;p'およびq'は分子量が上記に示すものであるような整数である);および
    (F) -(CF(CF3)CF2O)j''-(R'f)-O-(CF(CF3)CF2O)j''-
    (式中、j''は上記の分子量を与えるような整数であり、R'fは炭素原子数1〜4のフルオロアルキレン基である)
    から選択される請求項2に記載の方法。
  4. パーフルオロポリエーテルRf鎖が構造(A)または(B)である請求項3に記載の方法。
  5. 水素化触媒が、触媒の全重量について1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%のRuを含有する、炭素上に担持されたRuで形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 用いられる触媒の量が、少なくとも1つのカルボキシル性またはケトン性末端基を有するパーフルオロポリエーテルについて1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 方法が、不連続、半連続または連続の方式で行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
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