JPWO2003002501A1 - 含フッ素カルボニル化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は種々の構造を有する含フッ素カルボニル化合物を効率的に製造する方法に関する。
<背景技術>
分子量1000以上のポリエチレングリコールにトリフルオロ酢酸を反応させた後に液相中でフッ素化して末端にトリフルオロメチル基を有するポリエチレングリコールを得る反応は知られている(特表平4−500520号)。また、特表平4−500520の方法により製造されたトリフルオロメチル基を有するポリエチレングリコールを液相でフッ素化して、ペルフルオロ化されたポリエチレングリコールジメチルエステルの2つのエステル結合を分解させてペルフルオロ化されたジアシルフルオリドを得る方法も知られている(US5466877)。
また、本出願人は、非フッ素のアルコールから含フッ素カルボニル化合物を得る方法として、非フッ素のアルコールに、含フッ素のモノアシルフルオリドを反応させて得られた部分フッ素化エステルをフッ素と反応させてペルフルオロエステルとした後に、該エステルの分解反応を行う方法をすでに出願している(WO00/56694)。
US5466877に記載されるエステル結合の分解反応では、CF3COFが生成するが、CF3COFは低沸点(−59℃)であるため回収は困難であり、実際に回収したことを示す記載はない。また、該方法では含フッ素アシルフルオリド化合物に対応する含フッ素カルボン酸(たとえばトリフルオロ酢酸)を用意する必要があるが、含フッ素カルボン酸は一般に高価であり、入手できる構造に制限がある。
WO00/56694の方法は、非フッ素のアルコールに、含フッ素モノアシルフルオリドを1倍モル反応させる方法であるが、含フッ素モノアシルフルオリドが一般に高価であるため、経済性に劣る問題がある。より経済的にするために低分子量の含フッ素モノアシルフルオリドを用いる方法もあるが、低分子量の含フッ素のモノアシルフルオリドは低沸点であるために、エステル分解反応後に回収しにくく、回収および再利用による経済的なメリットが生かせない問題がある。
さらに、低分子量の含フッ素モノアシルフルオリドを採用した場合、部分フッ素化エステルの蒸気圧が大きくなり、液相フッ素化反応においてガスに同伴されて気相部分での反応が起こりうる。気相部分での反応は、反応の制御のしにくさ、収率の低下につながる問題がある。一方、部分フッ素化エステルの蒸気圧を小さくするために、高分子量の部分フッ素化エステルを用いる方法は、部分フッ素化エステルの種類が少ない、高価である、経済性に劣る、等の問題がある。
<発明の開示>
本発明は、上記課題を解決する下記製造方法を提供する。
1.式1で表される化合物を式2で表される化合物とエステル化反応させて、式3で表される化合物の1種以上を含むエステル化反応生成物を得て、該エステル化反応生成物をフッ素化反応によりペルフルオロ化することにより、式4で表される化合物の1種以上を含むフッ素化反応生成物を得て、該フッ素化反応生成物においてエステル結合の分解反応を行うことにより、式5で表される化合物と式2で表される化合物とを含む分解反応生成物を得て、該分解反応生成物から式5で表される含フッ素カルボニル化合物を得ることを特徴とする含フッ素カルボニル化合物の製造方法。
R1CHR2OH・・式1、
Qf(COF)n・・式2、
Qf(COOCHR1R2)m(COF)n−m・・式3、
Qf(COOCFR1fR2f)m(COF)n−m・・式4、
R1fCOR2f・・式5。
ただし、式中の記号は、以下の意味を示す。
R1、R2:R1は水素原子またはフッ素化されうる1価有機基を示し、R2はフッ素化されうる1価有機基を示し、R1とR2とは共同してフッ素化されうる2価有機基を形成していてもよい。
R1f、R2f:R1が水素原子である場合のR1fはフッ素原子、R1が1価有機基である場合のR1fはR1がペルフルオロ化された1価有機基。R2fはR2がペルフルオロ化された1価有機基。ただし、R1とR2とが共同してフッ素化されうる2価有機基を形成していている場合には、R1fとR2fとは共同して該2価有機基がペルフルオロ化された基を形成する。
Qf:ペルフルオロ化されたn価有機基。
n:2以上の整数。
m:2以上でありかつn以下の整数。
2.式1で表される化合物と反応させる式2で表される化合物が、エステル結合の分解反応生成物から得た式2で表される化合物である請求項1に記載の製造方法。
3.式1で表される化合物の分子量が32〜200であり、エステル化反応生成物の平均フッ素含有量が20〜60質量%であり、かつ、エステル化反応生成物の分子量が200〜1100である請求項1または2に記載の製造方法。
4.フッ素化反応が液相フッ素化反応である請求項1、2、または3に記載の製造方法。
5.式2で表される化合物が式(2−1)で表される化合物であり、エステル化反応生成物が式(3−1)で表される化合物を必須とし、フッ素化反応生成物が式(4−1)で表される化合物を必須とし、分解反応生成物が式(5−1)で表される化合物と式(2−1)で表される化合物を必須とし、含フッ素カルボニル化合物が式(5−1)で表される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
FCOQf2COF・・式(2−1)
R1CHR2OCOQf2COOCHR1R2・・式(3−1)
R1fCFR2fOCOQf2COOCFR1fR2f・・式(4−1)
R1fCOR2f・・式(5−1)
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
R1、R2、R1f、R2f:上記と同じ意味。
Qf2:ペルフルオロ化された2価有機基。
6.エステル化反応生成物が、式(3−1)で表される化合物とともに式(3−1H)で表される化合物を含み、フッ素化反応生成物が、式(4−1)で表される化合物とともに式(4−1H)で表される化合物を含む請求項5に記載の製造方法。
R1CHR2OCOQf2COF・・式(3−1H)
R1fCFR2fOCOQf2COF・・式(4−1H)
ただし、式中のR1、R2、R1f、R2fおよびQf2は、上記と同じ意味を示す。
7.エステル化反応生成物に、下式(3−2H)で表される化合物を含ませてフッ素化反応を行う請求項5または6に記載の製造方法。
R1CHR2OCOQH2COOCHR1R2・・・式(3−2H)
ただし、
R1、R2:上記と同じ意味。
QH2:水素原子を必須とする2価有機基であり、かつ、ペルフルオロ化されてQf2になる基。
8.式(3−1)で表される化合物に対して、式(3−2H)で表される化合物を0質量%超10質量%以下で存在させてフッ素化反応を行う請求項7に記載の製造方法。
9.R1とR2とが−CH3、R1fとR2fとが−CF3、Qf2が−(CF2)k−(ただし、kは2〜8の整数を示す。)であり、かつQH2が−(CH2)k−である、または、R1が−H、R2が−CH(CH3)2、R1fが−F、R2fが−CF(CF3)2であり、かつQH2が−(CH2)k−である請求項7または8に記載の製造方法。
10.液相フッ素化における液相が、式(4−1)で表される化合物および/または式(5−1)で表される化合物を必須とする請求項5〜9のいずれかに記載の製造方法。
11.式1で表される化合物を式2で表される化合物とエステル化反応において、式(1)で表される化合物の量を、式2で表される化合物の0.5〜1倍モルとする請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
12.式3で表される化合物のフッ素化反応において、化合物(3)に対応する同一の炭素骨格を有し、かつ、化合物(3)よりもフッ素含有量の少ない化合物の存在下にフッ素化反応を行う請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
13.下式で表される化合物のいずれかの化合物。
(CH3)2CHOCO(CF2)4COOCH(CH3)2、
(CF3)2CFOCO(CF2)4COOCF(CF3)2、
(CH3)2CHCH2OCO(CF2)2COOCH2CH(CH3)2、
(CF3)2CFCF2OCO(CF2)2COOCF2CF(CF3)2、
(CH3)2CHCH2OCO(CF2)3COOCH2CH(CH3)2、
(CF3)2CFCF2OCO(CF2)3COOCF2CF(CF3)2。
<発明を実施するための最良の形態>
本明細書における有機基とは、炭素原子を必須とする基をいう。フッ素化されうる有機基としては、C−H部分を有する有機基や、炭素−炭素不飽和結合を有する有機基が挙げられ、C−H部分を有する有機基が好ましく、特に該基のうち炭素−炭素結合が単結合のみからなる飽和有機基が好ましい。
C−H部分を有する有機基としては、飽和炭化水素基、エーテル性酸素原子含有飽和炭化水素基、部分ハロゲン化飽和炭化水素基、または部分ハロゲン化(エーテル性酸素原子含有飽和炭化水素)基が好ましい。ここで部分ハロゲン化とは、水素原子が残る割合でハロゲン化されていることを意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、フッ素原子または塩素原子が好ましい。特に部分ハロゲン化された基におけるハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
1価飽和炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、または環部分を有する1価飽和炭化水素基(たとえば、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、またはこれらの基を部分構造とする基。)等が挙げられ、アルキル基が好ましい。
2価飽和炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、または環部分を有する2価飽和炭化水素基(たとえば、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、またはシクロアルキレン基を部分構造とする2価飽和脂肪族炭化水素基。)等が挙げられ、アルキレン基が好ましい。
エーテル性酸素原子含有飽和炭化水素基のうち1価の基としては、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたアルキル基、または、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたシクロアルキル基等が挙げられる。また、エーテル性酸素原子含有飽和炭化水素基のうち2価の基としては、炭素−炭素結合間や該基の結合末端にエーテル性酸素原子が挿入されたアルキレン基、または、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたシクロアルキレン基等が挙げられ、特にオキシアルキレン基、または、ポリオキシアルキレン部分を有する基、が好ましい。エーテル性酸素原子を含有する基において、エーテル性酸素原子の数は1個であっても2個以上であってもよい。
ペルフルオロ化とは、フッ素化されうる基中に存在するフッ素化されうる部分の実質的に全てがフッ素化されることをいう。たとえば、C−H部分を有する有機基をペルフルオロ化した基においては、C−H部分の実質的に全てがC−Fになり、炭素−炭素不飽和結合が存在する有機基をペルフルオロ化した基においては、実質的に全ての不飽和結合にフッ素原子が付加する。
ペルフルオロ化された1価有機基としては、ペルフルオロアルキル基が挙げられ、具体的には−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF2CF2CF2CF3、−CF2CClF2、−CF2CBrF2、または−CF2CFClCF2Cl、−CF(CF3)2、−CF2CF(CF3)2、−CF(CF3)CF2CF3、−C(CF3)3等が挙げられる。ペルフルオロ化された2価有機基としては、ペルフルオロアルキレン基が挙げられ、具体的には−CF2CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2CF2CF2−、−CF2CF(CF3)CF2CF2−等が挙げられる。また、ペルフルオロ化されたエーテル性酸素原子含有基としては、これらの基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基が挙げられる。
本発明の製造方法の概念は、下式で示すことができる。
本発明の製造方法においては、エステル化反応、フッ素化反応、およびエステル結合の分解反応を行う。
出発物質である化合物(1)においては、本発明の方法が化合物(1)の分子量が小さい場合に有利な方法であることから、R1CHR2−部分の炭素数は3〜10であるのが好ましく、特に3〜5であるのが好ましい。化合物(1)の分子量は32〜200が好ましく、特に60〜150が好ましく、とりわけ60〜120が好ましい。
化合物(1)においては、R1、R2が、それぞれフッ素化されうる1価有機基である場合には、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基が好ましい。R1とR2とが共同してフッ素化されうる2価有機基を形成している場合には、該2価有機基としては、アルキレン基、またはアルキレン基の炭素−炭素結合間に1以上のエーテル性酸素原子が挿入された基が好ましい。
また、化合物(1)としては、種々の構造のアルコール化合物が市販されており安価に入手できることから、フッ素原子を含まない化合物(すなわちフッ素含量が0質量%である化合物)であるのが好ましい。
化合物(1)は、目的とする含フッ素カルボニル化合物(5)の構造に対応する構造を有する化合物を選択して用いる。化合物(1)中のR1やR2の炭素原子骨格の配列は、含フッ素カルボニル化合物(5)におけるR1fおよびR2fにおいて保持されうる。また、含フッ素カルボニル化合物(5)を含フッ素1級アルコールの原料にする場合には、R2が水素原子である化合物(1)を用いるのが好ましく、含フッ素カルボニル化合物(5)を含フッ素2級アルコールの原料にする場合には、R2がフッ素化されうる1価有機基である化合物(1)を用いるのが好ましい。
本発明においては、化合物(1)は化合物(2)とエステル化反応させる。化合物(2)はペルフルオロ化されたn価有機基(Qf)の結合手に、−COFで表される基がn個結合した化合物である。nは2以上の整数を示す。Qfは、ペルフルオロ化されたn価飽和炭化水素基、ペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有n価飽和炭化水素)基が好ましい。該基(Qf)が2価の基(Qf2)である場合には、ペルフルオロアルキレン基、ペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有アルキレン)基が特に好ましい。さらに化合物(2)としては、FCO(CF2)kCOF(kは2〜8の整数)であるのが、入手のしやすさ、反応収率の高さの点で好ましい。
本発明の製造方法は、1回行うと化学量論上は化合物(2)に対してn倍モルの含フッ素カルボニル化合物(5)を得ることができる。また、化合物(2)を回収でき、回収した化合物(2)は何度でも利用できる。化合物(2)を回収して用いる方法は後述する。化合物(2)の具体例としては、後述するnが2である場合の化合物(2−1)が挙げられる。
化合物(1)と化合物(2)との反応は、公知のエステル化反応の条件により実施できる。エステル化反応は、エステル化反応溶媒の存在下に実施してもよいが、エステル化反応溶媒の不存在下に実施するのが容積効率の点から好ましい。エステル化反応溶媒を用いる場合には、ジクロロメタン、クロロホルム、トリエチルアミン、またはトリエチルアミンとテトラヒドロフランとの混合溶媒が好ましい。エステル化反応溶媒を使用する場合の量は、化合物(1)と化合物(2)の総量に対して50〜500質量%であるのが好ましい。
化合物(1)と化合物(2)との反応では、フッ酸(HF)が発生するため、アルカリ金属フッ化物(NaF、KFが好ましい。)やトリアルキルアミン等をHF捕捉剤として反応系中に存在させてもよい。HF捕捉剤は、反応に関与する化合物が酸に不安定な化合物である場合には、使用したほうがよい。また、HF捕捉剤を使用しない場合には、HFが気化しうる反応温度で反応を行い、かつ、HFを窒素気流に同伴させて反応系外に排出するのが好ましい。HF捕捉剤の量は、発生するHFの理論量に対して1〜10倍モル程度であるのが好ましい。
該エステル化反応は、2官能以上の酸フルオリドと1官能のアルコールとのエステル化反応である。該エステル化反応は、極性が高い2官能以上のアルコールと、1官能の酸フルオリドとの反応と比較した場合に、反応速度も反応成績も高い。また、エステル化反応後の生成物中にアルコールが残留することは、後述する理由から好ましくない。以上のことから、エステル化反応に用いる化合物(1)の量は、化合物(2)に対してn倍モル(nは、化合物(2)中の−COFで表される基の数(n)に対応する。)以下にするのが好ましい。化合物(1)をn倍モルを超えて使用しても経済的ではなく、かつ、エステル化反応の反応生成物中に、未反応の化合物(1)が残りうる。このエステル化反応生成物中に未反応の化合物(1)が残ったときには、フッ素化反応において好ましくない反応を引き起こすおそれがある。よって、エステル化反応に用いる化合物(1)の量は、エステル化反応生成物中に残らない量にするのが好ましく、エステル化反応生成物の精製の手間も省略できる。特に該化合物(1)の量は、0.5n倍〜n倍モルであるのが特に好ましく、0.9n倍〜n倍モルであるのがとりわけ好ましい。
化合物(2)を用いる本発明の利点は、特に化合物(1)の分子量が低い場合に発揮される。化合物(2)は構造中に2以上のアシルフルオリド基を有するため、化合物(2)には2分子以上の化合物(1)が反応することになる。その結果、1個のアシルフルオリド基を有する化合物に化合物(1)を反応させた場合と比較して、化合物(3)の分子量が大きくなるため、蒸気圧が小さくなり、液相フッ素化反応の反応の制御がしやすくなり、収率も高くなり、かつ容積効率の点においても有利になる。
エステル化反応の反応温度の下限は、通常は−50℃であるのが好ましく、上限は+100℃およびエステル化溶媒の沸点のうち低い温度にするのが好ましい。また、該反応の反応時間は、原料の供給速度と実際に反応する化合物量に応じて適宜変更されうる。反応圧力は常圧〜2MPa(ゲージ圧、以下圧力はゲージ圧で記載する。)であるのが好ましい。
エステル化反応の生成物は、化合物(3)の1種以上を含むことを必須とする。化合物(3)中のR1、R2、Qf、およびnは、上記と同じ意味を示す。mは、エステル化反応により形成された基(−COOCHR1R2)の個数を示し、2以上でありかつn以下の整数を示す。(n−m)はエステル化されずに残った−COF基の個数を示し、(n−m)が0である場合は化合物(2)の−COF基の全てがエステル化された場合であって、化合物(3)中に−COF基は存在しないことを意味する。化合物(3)としては、(n−m)が0である化合物、n>mである化合物(すなわち、化合物(2)の−COF基の2個以上はエステル化されるが全部はエステル化されなかった化合物)が挙げられ、これらの量比は特に限定されない。
本発明におけるエステル化反応生成物とは、エステル化反応で生成する全ての生成物をいい、化合物(3)以外の化合物も含まれうる、たとえば、エステル化反応生成物としては、化合物(2)中に存在する2個以上の−COF基の1個のみがエステル化された下記化合物(3−10)も含まれる。化合物(3−10)中のR1、R2、Qf、およびnは、上記と同じ意味を示す。
Qf(−COF)n−1(−COOCHR1R2)・・・式(3−10)
この化合物(3−10)の生成量が多くなることは、効率的な製造方法とはいえないことから、エステル化反応生成物の全量に対する化合物(3)の量は50モル%超であるのが好ましく、60モル%超であるのが特に好ましい。
エステル化反応の生成物は、目的に応じて精製を行っても、そのまま、つぎの反応等に用いてもよく、次の工程におけるフッ素化反応を円滑に行う観点から、精製するのが好ましい。特にエステル化反応生成物が化合物(1)を含む場合には、精製により化合物(1)を除去しておくのが好ましい。
精製方法としては、蒸留法、生成物を水などで処理した後に分液する方法、適当な有機溶媒で抽出した後に蒸留する方法、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等が挙げられる。
本発明においては、エステル化反応生成物をフッ素化する。フッ素化反応は後述する液相フッ素化反応で実施するのが好ましい。液相フッ素化反応を円滑に進行させるためには、エステル化反応生成物(特には化合物(3))の平均フッ素含量は20〜60質量%であるのが好ましく、特に25〜55質量%であるのが好ましく、とりわけ30〜55質量%であるのが好ましい。エステル化反応生成物において、平均フッ素含量が該範囲になるように化合物(2)のQfの構造および炭素数を調節するのが好ましい。また、エステル化反応生成物の分子量は200〜1100の範囲にあるのが好ましく、特に300〜800の範囲にあるのが好ましい。平均フッ素含量が特定の範囲にあるエステル化反応生成物においては、フッ素化反応時の液相中への溶解性が格段に向上し、液相フッ素化反応の操作性、反応収率が向上する利点があり、また平均フッ素含量が特定の範囲にあることは経済性に優れる利点もある。またエステル化反応生成物の分子量が特定の分子量以上にある場合には、気相フッ素化反応により分解反応が起こるリスクを回避できる利点があり、該分子量が特定の量以下にある場合には、化合物の取扱いや生成物の精製がしやすい利点がある。
フッ素化反応は、フッ化コバルトを用いるフッ素化法、電気化学的フッ素化法、またはフッ素(elemental fluorine)と反応させる方法等で実施できる。このうち、基質の構造によらずに反応を効率よく実施でき、フッ素化反応の収率が格段に高い等の理由から、液相中でフッ素と反応させる液相フッ素化法が好ましい。以下、液相フッ素化法を例に挙げてフッ素化反応を説明する。
液相フッ素化法における液相としては、反応の基質自身であってもよいが、通常は生成物や反応に関与しないフッ素化反応溶媒であるのが好ましい。フッ素は、フッ素ガスそのままを用いるか、不活性ガスで希釈されたフッ素ガスを用いるのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガスが好ましく、経済的な理由から窒素ガスが特に好ましい。窒素ガス中のフッ素ガス量は特に限定されず、10vol%以上にするのが効率の点で好ましく、20vol%以上にするのが特に好ましい。
フッ素化反応溶媒としては、フッ素化反応に不活性な溶媒が好ましく、さらにエステル化反応生成物の溶解性が高い溶媒を用いるのが特に好ましく、特にエステル化反応生成物を1質量%以上溶解しうる溶媒、特には5質量%以上溶解しうる溶媒を用いるのが好ましい。
フッ素化反応溶媒の例としては、化合物(2)、後述する化合物(4)、含フッ素カルボニル化合物(5)、ペルフルオロアルカン類(商品名:FC−72等)、ペルフルオロエーテル類(商品名:FC−75、FC−77等)、ペルフルオロポリエーテル類(商品名:クライトックス、フォンブリン、ガルデン、デムナム等)、クロロフルオロカーボン類(商品名:フロンルーブ)、クロロフルオロポリエーテル類、ペルフルオロアルキルアミン(たとえば、ペルフルオロトリアルキルアミン等)、不活性流体(商品名:フロリナート)等が挙げられる。このうち、化合物(2)または含フッ素カルボニル化合物(5)をフッ素化反応溶媒として用いると、後処理が容易になる利点があるため、好ましい。フッ素化反応溶媒の量は、エステル化反応生成物の総質量に対して、5倍質量以上が好ましく、特に10〜1×105倍質量が好ましい。
フッ素化反応の反応形式は、バッチ方式であっても連続方式であってもよい。たとえば、反応器に、フッ素化反応溶媒とエステル化反応生成物とを仕込み、撹拌し、つぎにフッ素ガスを、フッ素化反応溶媒中に連続的に供給しながら反応させる方法が挙げられる。また、反応器にフッ素化反応溶媒を仕込んで撹拌し、つぎにフッ素ガスとエステル化反応生成物とを、所定のモル比で連続的にフッ素化反応溶媒中に供給する方法が挙げられる。このうち、フッ素化反応は、反応収率と選択率の点から、後者の方法で実施するのが好ましい。また該方法におけるフッ素ガスは、窒素ガス等の不活性ガスで希釈して使用するのが好ましい。
フッ素化反応に用いるフッ素は、エステル化反応生成物中に含まれる水素原子量に対するフッ素の量が、反応の最初から最後まで常に過剰当量となるように保つのが好ましく、特に水素原子に対するフッ素量を1.05倍当量以上(すなわち、1.05倍モル以上)となるように保つのが選択率の点から好ましく、2倍当量以上(すなわち、2倍モル以上)となるように保つのが選択率の点からさらに好ましい。また、フッ素の量を反応の開始時点でも過剰量にするために、反応当初に用いるフッ素化反応溶媒には、あらかじめフッ素を充分量溶解させておくのが好ましい。
また、フッ素化反応は、化合物(3)中のエステル結合を切断せずに実施する必要があることから、反応温度の下限はエステル化反応生成物の沸点のうち最も低い温度にするのが好ましい。通常の場合には、反応収率、選択率、および工業的実施のしやすさの点から、反応温度は−50℃〜+100℃が特に好ましく、−20℃〜+50℃がとりわけ好ましい。フッ素化反応の反応圧力は特に限定されず、常圧〜2MPaにするのが、反応収率、選択率、工業的な実施のしやすさの観点から特に好ましい。
さらに、フッ素化反応を効率的に進行させるためには、反応系中にC−H結合含有化合物を添加する、エステル化反応生成物を長時間反応系内に滞留させる、または、紫外線照射を行う等の操作を行うのが好ましい。これらの操作はフッ素化反応の後期に行うのが好ましい。また化合物(3)のR2が水素原子以外の基である場合には、R2およびR1が結合した炭素原子に結合する水素原子を良好にフッ素化できることから該操作を行うのが好ましい。これらの操作は、反応系中に存在するエステル化反応生成物を効率的にフッ素化でき、反応率を飛躍的に向上させうる。
C−H結合含有化合物としては、芳香族炭化水素が好ましく、とりわけベンゼン、トルエン等が好ましい。該C−H結合含有化合物の添加量は、エステル化反応生成物中の水素原子の総量に対して0.1〜10モル%であるのが好ましく、特に0.1〜5モル%であるのが好ましい。C−H結合含有化合物は、フッ素が存在する反応系中に添加するのが好ましい。またC−H結合含有化合物を加えた場合には、反応系を加圧するのが好ましい。加圧する場合には、0.01〜5MPaであるのが好ましい。また、紫外線照射を行う場合には、0.1〜3時間照射するのが好ましい。
フッ素化反応では、エステル化反応生成物がペルフルオロ化されて、化合物(4)の1種以上を含むフッ素化反応生成物が生成する。化合物(4)は化合物(3)がペルフルオロ化された化合物である。
本発明におけるフッ素化反応生成物は、エステル化反応生成物がフッ素化された全ての生成物を含み、化合物(4)を必須とする。フッ素化反応生成物の組成は、エステル化反応生成物の組成により変更され、エステル化反応生成物が2種以上の化合物を含む場合には、フッ素化反応生成物も2種以上になりうる。
化合物(4)における、Qf、n、およびmは化合物(3)に対応する。化合物(4)のR1fがペルフルオロ化された1価有機基である場合には、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロシクロアルキル基、ペルフルオロアルコキシ基等が好ましく、ペルフルオロアルキル基が特に好ましい。R2fがペルフルオロ化された1価有機基である場合には、ペルフルオロアルキル基が好ましい。また、R1fとR2fとが共同して該2価有機基がペルフルオロ化された基を形成している場合の該ペルフルオロ化された基としては、ペルフルオロ2価飽和炭化水素基またはペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有2価飽和炭化水素)基が好ましく、ペルフルオロアルキレン基、またはアルキレン基の炭素−炭素結合間に1以上のエーテル性酸素原子が挿入された基がペルフルロ化された基、が特に好ましい。
エステル化反応生成物が化合物(3−10)を含む場合には、該化合物がペルフルオロ化された下記化合物(4−10)もまたフッ素化反応生成物中に含まれる。化合物(4−10)中のn、Qf、R2f、R1fは、化合物(3−10)に対応する。
Qf(−COF)n−1(−COOCFR1fR2f)・・式(4−10)
さらにフッ素化反応生成物中には、エステル化反応生成物が部分フッ素化された化合物(以下、これらの部分フッ素化物を水素残り化合物ともいう。)の1種以上が含まれうる。
液相中フッ素化においては、水素原子がフッ素原子に置換されてHFが副生する。HFを除去するには、反応系中にHF捕捉剤を共存させる、反応器ガス出口でHF捕捉剤と出口ガスを接触させる、または出口ガスを冷却してHFを凝縮させて回収する、のが好ましい。該HF捕捉剤としては、前述のものと同様のものが用いられ、NaFが好ましい。また、窒素ガス等の不活性ガスにHFを同伴させて反応系外に導き、アルカリ処理することが好ましい。
反応系中にHF捕捉剤を共存させる場合の量は、エステル化反応生成物中に存在する全水素原子量に対して1〜20倍モルが好ましく、1〜5倍モルが特に好ましい。反応器ガス出口にHF捕捉剤をおく場合には、(a)冷却器(10℃〜室温、特には約20℃、に保持するのが好ましい。)(b)NaFペレット充填層、および(c)冷却器(−78℃〜+10℃に、特には−30℃〜0℃に、保持するのが好ましい)を(a)−(b)−(c)の順に直列に設置するのが好ましい。また(c)の冷却器からは凝集した液を反応器に戻すための液体返送ラインを設置してもよい。
フッ素化反応生成物は、そのまま次の工程に用いてもよく、精製して高純度のものにしてもよい。精製方法としては、粗生成物をそのまま常圧または減圧下に蒸留する方法等が挙げられる。
本発明においては、さらにフッ素化反応生成物においてエステル結合の分解反応を行う。エステル結合の分解反応は、化合物中に存在するエステル結合を切断して、化合物(2)と含フッ素カルボニル化合物(5)を形成させる反応であり、公知の反応である。エステル結合の分解反応は、熱分解反応、または求核剤もしくは求電子剤の存在下に行う分解反応、によるのが好ましい。
熱分解反応は、フッ素化反応生成物を加熱することにより実施できる。熱分解反応の反応形式としては、フッ素化反応生成物の沸点とその安定性により選択するのが好ましい。
たとえば、沸点が低いフッ素化反応生成物において熱分解反応を行う場合には、気相熱分解法を採用するのが好ましい。気相熱分解法は、気相で連続的に分解反応を行い、生成する含フッ素カルボニル化合物(5)と化合物(2)を、出口ガスから凝縮させ、これらを回収する方法で行うのが好ましい。
気相熱分解法の反応温度は、50〜350℃が好ましく、50〜300℃が特に好ましく、とりわけ150〜250℃が好ましい。気相熱分解法においては、金属塩触媒を使用してもよく、反応には直接は関与しない不活性ガスを反応系中に共存させてもよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、二酸化炭素ガス等が挙げられる。不活性ガスの添加量は、フッ素化反応生成物の総量に対して0.01〜50vol%程度であるのが好ましい。不活性ガスの添加量が多すぎると、生成物の回収量が低減することがある。
一方、フッ素化反応生成物の沸点が高い場合には、反応器内で液のまま加熱する液相熱分解法を採用するのが好ましい。液相熱分解法における反応圧力は限定されない。該分解反応の生成物は、反応器中から一度に抜き出してもよい。また、フッ素化反応生成物よりもエステル結合の分解反応の生成物が通常は低沸点になることを利用して、蒸留塔を付けた反応装置を用いてフッ素化反応を行い、生成物を蒸留で抜き出しながら反応を行ってもよい。液相熱分解法の反応温度は50〜300℃が好ましく、特に100〜250℃が好ましい。
液相熱分解法は、無溶媒で行っても、分解反応溶媒の存在下に行ってもよく、無溶媒で行うのが好ましい。分解反応溶媒を使用する場合には、反応に不活性な溶媒であり、かつ、フッ素化反応生成物と相溶性のあるものを用いるのが好ましい。また、分解反応溶媒は、生成物から分離しやすいものを用いるのが好ましい。分解反応溶媒の具体例としては、ペルフルオロトリアルキルアミン、ペルフルオロナフタレンなどの不活性溶媒、高沸点のクロロフルオロカーボンであるクロロトリフルオロエチレンオリゴマー(たとえば、商品名:フロンルーブ)、が好ましい。また、分解反応溶媒の量はフッ素化反応生成物に対して0.10倍〜10倍質量であるのが好ましい。
液相中で求核剤または求電子剤と反応させてエステル結合の分解反応を行う場合には、無溶媒であっても、分解反応溶媒の存在下であってもよく、無溶媒で行うのが好ましい。無溶媒で反応を行うことは、フッ素化反応生成物自身が溶媒としても作用し、反応生成物中から溶媒を分離する手間を省略できるため特に好ましい。求核剤または求電子剤を用いる方法も、蒸留塔をつけた反応装置で蒸留をしながら行うのが好ましい。
求核剤としてはF−が好ましく、特にアルカリ金属のフッ化物由来のF−が好ましい。アルカリ金属のフッ化物としては、NaF、NaHF2、KF、CsFが好ましく、経済性の点ではNaFが、反応活性の点ではKFが特に好ましい。また、反応の最初の求核剤量は触媒量であってもよく、過剰量であってもよい。F−等の求核剤の量はフッ素化反応生成物に対して1〜500モル%が好ましく、1〜100モル%が特に好ましく、とりわけ5〜50モル%が好ましい。反応温度の下限は−30℃が好ましく、上限は−20℃〜250℃であるのが特に好ましい。
本発明における分解反応生成物には、エステル結合の分解反応により生成する全ての生成物が含まれ、化合物(2)と含フッ素カルボニル化合物(5)とを必須とする。化合物(4−10)のエステル結合の分解反応により生成する化合物も化合物(2)と含フッ素カルボニル化合物(5)であることから、化合物(4−10)は、化合物(4)とともに、エステル結合の分解反応を行うのが好ましい。化合物(2)と含フッ素カルボニル化合物(5)以外の分解反応生成物としては、後述する水素残り化合物のエステル結合を分解させた化合物が挙げられる。
本発明における含フッ素カルボニル化合物(5)としては、R2f−COFまたはR1f−CO−R2fである。本発明においては、分解反応生成物から化合物(2)と含フッ素カルボニル化合物(5)をそれぞれ分離して含フッ素カルボニル化合物(5)を得るのが好ましい。分離方法としては、蒸留法が好ましい。
本発明の方法で得られる含フッ素カルボニル化合物(5)は、そのまま、または、他の化合物に変換することにより種々の用途に用いうる有用な化合物である。他の化合物への変換例としては、熱分解反応により末端に不飽和結合を導入してフッ素樹脂用のモノマー例や、還元反応により末端を水酸基にすることにより含フッ素アルコールを製造する例等が挙げられる。
さらに、分解反応生成物中に含まれる化合物(2)の一部または全部は、化合物(1)と反応させる化合物(2)として再利用するのが、製造上有利であり好ましい。化合物(2)を分解反応生成物から回収して再利用する方法は、化合物(1)を反応系中に添加して含フッ素カルボニル化合物(5)を連続製造する方法である。該連続製造方法を1サイクル実施すると、化学量論上は化合物(2)の1モルからnモルの含フッ素カルボニル化合物(5)と1モルの化合物(2)とを生成させうる。
さらに、本発明の製造方法は、nが2である化合物において実施するのが、反応の制御や化合物(2)の調達がしやすいため好ましく、特にnが2であり、かつ、Qfがペルフルオロ化された2価有機基(Qf2)である化合物(2−1)において実施するのが好ましい。すなわち、化合物(1)と化合物(2−1)とをエステル化反応させて化合物(3−1)の1種以上を含むエステル化反応生成物を得て、該エステル化反応生成物をフッ素化反応によりペルフルオロ化することにより、化合物(4−1)の1種以上を含むフッ素化反応生成物を得て、該フッ素化反応生成物においてエステル結合の分解反応を行うことにより、化合物(4−1)と化合物(2−1)とを含む分解反応生成物を得て、該分解反応生成物から含フッ素カルボニル化合物(5)を得ることを特徴とする含フッ素カルボニル化合物の製造方法が好ましい。ただし、下式中のR1、R2、R1f、R2f、およびQf2は、上記と同じ意味を示す。
FCOQf2COF・・式(2−1)、
R1CHR2OCOQf2COOCHR1R2・・式(3−1)、
R1fCFR2fOCOQf2COOCFR1fR2f・・式(4−1)。
本発明における化合物(1)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
(CH3)2CHOH、
CyCH2OH(Cyはシクロアルキル基を示す。以下同様。)、
CyOH、
CH2ClCHClCH2CH2OH、
(CH3)2CHCH2OH、
CH3CH2CH2OH。
化合物(2)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
FCOCF2CF2COF、
FCOCF2CF2CF2CF2COF、
FCOCF(CF3)OCF2CF2CF2COF、
FCOCF(CF3)OCF2CF2CF2CF2COF、
FCOCF2CF(CF3)OCF2CF2CF2CF2COF、
FCOCF2CF(CF3)OCF2CF2CF2CF2CF2COF。
化合物(3)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
(CH3)2CHOCOCF2CF2CF2CF2COOCH(CH3)2、
CyCH2OCOCF2CF2CF2CF2COOCH2Cy、
CyOCOCF2CF2CF2CF2COOCy、
CH2ClCHClCH2CH2OCOCF2CF2CF2CF2COOCH2CH2CHClCH2Cl、
(CH3)2CHCH2OCOCF2CF2CF2CF2COOCH2CH(CH3)2、
CH3CH2CH2OCOCF2CF2CF2CF2COOCH2CH2CH3。
化合物(3−10)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
(CH3)2CHOCOCF2CF2CF2CF2COF、
CyCH2OCOCF2CF2CF2CF2COF、
CyOCOCF2CF2CF2CF2COF、
CH2ClCHClCH2CH2OCOCF2CF2CF2CF2COF、
(CH3)2CHCH2OCOCF2CF2CF2CF2COF、
CH3CH2CH2OCOCF2CF2CF2CF2COF。
化合物(4)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
(CF3)2CFOCO(CF2)4COOCF(CF3)2、
CyfCF2OCO(CF2)4COOCF2Cyf(ただし、Cyfはペルフルオロシクロアルキル基を示す。以下同様。)、
CyfOCOCF2CF2CF2CF2COOCyf、
CF2ClCFClCF2CF2OCOCF2CF2CF2CF2COOCF2CF2CFClCF2Cl、
(CF3)2CFCF2OCOCF2CF2CF2CF2COOCF2CF(CF3)2、
CF3CF2CF2OCOCF2CF2CF2CF2COOCF2CF2CF3。
化合物(4−10)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
(CF3)2CFOCO(CF2)4COF、
CyfCF2OCO(CF2)4COF、
CyfOCOCF2CF2CF2CF2COF、
CF2ClCFClCF2CF2OCOCF2CF2CF2CF2COF、
(CF3)2CFCF2OCOCF2CF2CF2CF2COF、
CF3CF2CF2OCOCF2CF2CF2CF2COF。
含フッ素カルボニル化合物(5)の具体例としては、下記化合物およびペルフルオロシクロヘキサノンが挙げられる。ただし、CY fはペルフルオロシクロヘキシル基を示す。
(CF3)2CO(5−2)、
CY fCOF、
CF2ClCFClCF2COF、
(CF3)2CFCOF(5−3)、
CF3CF2COF、
CF3CF2CF2OCF(CF3)COF、
CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COF、
CF3CF2CF2OCF2CF2COF。
さらに、本発明の製造方法としては、生成物の有用性および従来の製造方法に対する優位性の観点から、nが2であり、R1とR2とが−CH3であり、R1fとR2fとが−CF3である場合の化合物(5−2)の製造方法、R1が−H、R2が−CH(CH3)2であり、R1fが−F、R2fが−CF(CF3)2である場合の化合物(5−3)の製造方法またはが好ましい。
さらに、化合物(5−2)の製造方法の好ましい態様としては、下記製造方法が挙げられる。ここで、kは2〜8の整数を示し、kは4〜6の整数であるのが入手しやすさの点で好ましい。すなわち、化合物(1−2)を化合物(2−2)とエステル化反応させて、化合物(3−2)を含むエステル化反応生成物を得て、該化合物(3−2)を含むエステル化反応生成物をフッ素化反応によりペルフルオロ化して化合物(4−2)を含むフッ素化反応生成物を得て、該フッ素化反応においてエステル結合の分解反応を行うことにより化合物(5−2)と化合物(2−2)を含む分解反応生成物を得て、該分解反応生成物から化合物(5−2)を得る方法であるのが好ましい。さらに、分解反応生成物から化合物(2−2)を得て、これを化合物(1−2)と反応させる化合物(2−2)として用いて、同様の反応を行うことにより化合物(5−2)を連続的に製造するのが好ましい。
(CH3)2CHOH(1−2)、
FCO(CF2)kCOF(2−2)、
(CH3)2CHOCO(CF2)kCOOCH(CH3)2(3−2)、
(CF3)2CFOCO(CF2)kCOOCF(CF3)2(4−2)、
CF3COCF3(5−2)。
化合物(5−2)(すなわち、ヘキサフルオロアセトン。以下HFAと記す。)および化合物(5−3)は、それ自体が各種中間体として有用な公知の化合物であるが、これを公知の方法で還元することにより(CF3)2CHOH(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、以下、HFIPと記す。)および(CF3)2CFCHOHを製造することもできる。HFIPもまた、溶剤および各種中間体として有用な公知の化合物である。この製造方法の概念は、下式で示すことができる。
本発明の製造方法は、生成物をリサイクルする等の方法により、より効率的な製造方法となりうる。以下に効率的な製造方法の例について、具体例を挙げて説明する。なお、以下において定義を記さない基は、上記と同じ意味を示す。
(I)化合物(2)をリサイクルする方法;エステル結合の分解反応生成物中に生成した化合物(2)を回収し、これを化合物(1)とエステル化反応させる化合物(2)として用いる方法、である。この方法は、化合物(2)を何度も利用できる点で経済的かつ効率的な方法である。具体例としては、上記HFA製造方法において、エステル結合の分解反応で生成するFCO(CF2)4COFを回収して、(CH3)2CHOHとエステル化反応させる方法の例が挙げられる。
(II)フッ素化反応生成物中に部分フッ素化物が含まれる場合に、該部分フッ素化物をフッ素化反応の系中にリサイクルする方法;化合物(3)のフッ素化反応の生成物中には、化合物(3)の部分フッ素化物が含まれる場合がある。該部分フッ素化物としては、水素残り化合物(すなわち、化合物(3)が少なくとも1個以上の水素原子が残る割合でフッ素化された化合物)が挙げられる。部分フッ素化物は、フッ素化反応の反応系中に戻して再度のフッ素化反応を行うことにより、化合物(4)に変換できる。
たとえば、化合物(1)が(CH3)2CHOHであり、化合物(2)がFCO(CF2)kCOFである場合には、(CH3)2CHOCO(CF2)kCOOCH(CH3)2の部分フッ素化物としての下記化合物が、フッ素化反応生成物中に含まれうる。
(CF3)2CHOCO(CF2)kCOOCH(CF3)2、
(CF3)2CHOCO(CF2)kCOOCF(CF3)2、
(CF2H)2CHOCO(CF2)kCOOCH(CHF2)2。
また、フッ素化反応生成物中には、(CH3)2CHOCO(CF2)kCOFの部分フッ素化物としての下記化合物も、フッ素化反応生成物中に含まれうる。
(CF3)2CHOCO(CF2)kCOF、
(CF2H)2CHOCO(CF2)kCOF。
これらの部分フッ素化物は、フッ素化反応の系中にリサイクルすることにより、完全フッ素化物に変換することができる。該方法の概念は、下式で示すことができる。
(III)部分フッ素化物を含むままエステル結合の分解反応を行い、反応生成物から含フッ素カルボニル化合物(5)を分離した後に、エステル化反応の反応系中にリサイクルする方法;
部分フッ素化物のうち、−CFOCO−部分を有する化合物は、エステル結合の分解反応により該部分が分解されるが、−CHOCO−部分を有する化合物の該部分は分解されない。エステル結合が分解されてもされなくても、部分フッ素化物をエステル結合の分解反応系中に存在させ、生成物から含フッ素カルボニル化合物(5)を分離した後にエステル化反応の反応系中にリサイクルすることにより、該部分フッ素化物は、化合物(4)に変換させうる。
該方法の具体例としては、部分フッ素化物として(CF3)2CHOCO(CF2)kCOOCF(CF3)2が生成した場合に、エステル結合の分解反応を行うことにより(CF3)2CHOCO(CF2)kCOFと(CF3)2C=Oを得て、(CF3)2C=Oを分離した後に、(CF3)2CHOCO(CF2)kCOFをFCO(CF2)kCOFとともに(CH3)2CHOHと反応させる方法が挙げられる。該反応の概念は、下式で示すことができる。
また、部分フッ素化物として(CF3)2CHOCO(CF2)kCOFのような分解されない化合物が生成した場合には、これを分離して(2)で説明した方法にならってフッ素化反応系中にリサイクルしてもよく、または分離せずにエステル結合の分解反応の系中に含ませ、つぎにエステル結合の分解反応後にFCO(CF2)kCOFと一緒に(CF3)2CHOCO(CF2)kCOFを回収して、(CH3)2CHOHとのエステル化反応に用いてもよい。
(IV)化合物(3)をフッ素化反応する際に、化合物(3)に対応する炭素骨格を有し、かつ、化合物(3)よりもフッ素含有量の少ない化合物の存在下にフッ素化を行う方法;
該方法は、フッ素化反応およびエステル分解反応の収率が低い場合に特に有利な方法である。なぜなら、化合物(2)を回収して化合物(1)との反応に用いる(1)のプロセスを実施しようとする場合、実際には化合物(2)の回収率を100%にすることは、通常は困難である。つまり、連続製造を繰り返すにつれて、化合物(1)と反応させる化合物(2)の量が減少する問題がある。
該問題を解決するためには、フッ素化工程において、化合物(3)とともに、化合物(3)よりもフッ素含有量の少ない化合物(下記化合物(3H)が好ましい。)を存在させてフッ素化反応を行うのが好ましい。ただし、式中の記号は上記と同じ意味を示し、QHは水素原子を必須とするn価有機基であり、かつ、ペルフルオロ化されてQfとなる基である。
QH(COOCHR1R2)m(COF)n−m・・式3H
フッ素化反応を液相フッ素化反応で行う場合においては、化合物(3H)は、単独では液相に溶解しにくいものの、類似構造を有する化合物(3)が共存することにより、液相に対する溶解性が向上する利点がある。特に、QHがエーテル結合を有する基である場合には、化合物(3)や化合物(3H)の溶解性はさらに向上する利点がある。化合物(3H)は、経済性の点からフッ素を含まない化合物であるのが好ましい。
化合物(3)が化合物(3−1)である場合の、化合物(3H)の具体例としては、下記化合物(3H−1)が挙げられる。ただし、QH2は水素原子を必須とする2価有機基であり、かつ、ペルフルオロ化されてQf2となる基である。
R1CHR2OCOQH2COOCHR1R2・・・式(3H−1)
QH2はQf2に対応する炭素骨格を有しフッ素を含まない2価有機基であるのが好ましく、特にアルキレン基、アルキレン基の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入された基が好ましい。
化合物(3H−1)の具体例としては、(CH3)2CHOCO(CH2)kCOOCH(CH3)2が挙げられる。化合物(3H−1)の存在下に連続反応を実施する方法の概念は、下式で示すことができる。
化合物(3)に対する化合物(3H)の量は、フッ素化反応において不都合のない量であれば特に限定されない。フッ素化反応を液相フッ素化反応で実施する場合には、化合物(3)と化合物(3H)の両方が充分に液相中に溶解しうる範囲の量であれば特に限定されず、化合物(3)に対する化合物(3H)の量は0.001倍モル〜0.2倍モルが好ましい。また、化合物(3H)と化合物(3)との総量は、フッ素化溶媒中に5重量%以下にするのが好ましく、0.5重量%以下にするのがさらに好ましい。
化合物(3H)は、市販品または別途合成したものをフッ素化工程前に系中に存在させてもよいが、化合物(2)とともに下記化合物(2H)を存在させてエステル化反応を行ってもよい。ただし式中の記号は上記と同じ意味を示す。
QH(COF)n…式2H
化合物(2H)と化合物(1)とのエステル化反応は、通常の場合には、化合物(2)と化合物(1)とのエステル化反応と同様に進行しうる。化合物(2H)の具体例としては、下記化合物(2H−1)が挙げられる。ただし、Xは、ハロゲン原子または水酸基を示す。
XCO(CH2)kCOF…式(2H−1)
化合物(2H)を存在させて反応を行う具体例は下式で示すことができる。
本発明の製造方法で得られた含フッ素カルボニル化合物(5)の用途は特に限定されない。該化合物は、そのまま、または他の用途に導くことにより、種々の用途に使用できる。たとえば、含フッ素カルボニル化合物(5)を還元することにより、種々の有用な含フッ素アルコールが製造できる。
実施例
以下に本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下において、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンをR−113と記し、圧力はゲージ圧で記す。また、ガスクロマトグラフィをGCと記し、GC分析におけるピーク面積比をGC分析値とする。また、ガスクロマトグラフィー質量分析をGC−MSと記す。NMRのピーク面積は比であることを示す。
[実施例1](CF3)2COの製造例
[例1−1](CH3)2CHOHとFCO(CF2)4COFのエステル化反応
ハステロイC製の2Lのオートクレーブに(CH3)2CHOH(600g)を入れた。反応器を冷却して、常圧で内温が30℃以下に保たれるようにゆっくりとFCO(CF2)4COF(1540g)を導入した。同時に充分に撹拌しながら、窒素ガスをバブリングさせ、反応により生じたHFを系外に追い出した。FCO(CF2)4COFの全量を投入後、50℃でさらに5時間反応させて生成物を得た。生成物をGC分析した結果、(CH3)2CHOCO(CF2)4COOCH(CH3)2が98.9%、(CH3)2CHOCO(CF2)4COFが1.1%生成しており、未反応のイソプロピルアルコールは検出されなかった。この生成物は精製することなく、以下の反応に使用した。
(CH3)2CHOCO(CF2)4COOCH(CH3)2のスペクトルデータ;
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):1.40(d,6H)、5.21(m,1H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):119.5、123.1。
[例1−2]フッ素化反応による(CF3)2CFOCO(CF2)4COOCF(CF3)2の製造例
500mLのニッケル製オートクレーブに、R−113(200g)を加えた後に撹拌して25℃に保った。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。また−10℃に保持した冷却器からは凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。窒素ガスを室温で1時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、20%希釈フッ素ガスと記す。)を室温で流速9.76L/hで1時間吹き込んだ。つぎに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例1−1で得た生成物(7g)をR−113(140g)に溶解した溶液を6.1時間かけて注入した。
つぎに、20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながらオートクレーブ内圧力を0.15MPaまで昇圧して、ベンゼン濃度が0.01g/mLであるR−113溶液を25℃から40℃にまで昇温しながら9mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。
つぎに反応器内圧力を0.15MPaに、反応器内温度を40℃に保ちながら、上記のベンゼン溶液を6mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。さらに同様の操作を3回繰り返した。ベンゼンの注入総量は0.34g、R−113の注入総量は33mLであった。
さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら1.1時間撹拌を続けた。つぎに、反応器内圧力を常圧にして、窒素ガスを2.0時間吹き込み、得られた混合物からR−113を留去して生成物(14.1g)を得た。生成物を19F−NMRで分析した結果標記化合物が収率23.5%で含まれていることを確認した。また、生成物中には、例1−1で得た生成物の部分フッ素化物が1種以上(合計収率は67.7%)含まれていた。該フッ素化反応生成物をそのまま以下の反応に用いた。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−79.3(12F)、−118.7(4F)、−122.5(4F)、−142.8(2F)。
[例1−3]エステル結合の分解反応
蒸留塔、冷水による冷却が可能なリービッヒコンデンサを備えた留出ライン、受器、およびドライアイストラップを反応容器の上部に備えた20mlの反応容器に、KF(0.7g)を仕込み、150℃に加熱した。反応容器中に例1−2で得たフッ素化反応生成物をゆっくり添加した。添加終了から1時間後、気体の発生がなくなった時点で反応を終了させた。受器には生成物の5.82gが回収された。生成物には、FCO(CF2)4COF(GC収率29%)とFCO(CF2)4COOCH(CF3)2(GC収率60%)が含まれていた。また、反応容器には(CF3)2CHOCO(CF2)4COOCH(CF3)2を主成分とする液体(4.10g)が生成していた。また、トラップにはGC純度が95%である(CF3)2CO(3.74g)が回収されていた。
[例1−4]フッ素化反応による(CF3)2CFOCO(CF2)4COOCF(CF3)2の製造例
3Lのニッケル製オートクレーブに、フッ素化反応溶媒としてのCF3(CF2)2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COF(2534g)を加えて撹拌し、25℃に保った。オートクレーブガス出口には−10℃に保持した冷却器を設置した。窒素ガスを3.5時間吹き込んだ後、窒素ガスで50%に希釈したフッ素ガス(以下、50%希釈フッ素ガスと記す。)を、流速94.89L/hで2時間吹き込んだ。つぎに、50%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例1−1の方法で得た(CH3)2CHOCO(CF2)4COOCH(CH3)2(943g)を含む生成物を20.0時間かけて注入した。反応粗液を1523g抜き出した。
つぎに、50%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例1−1の方法で得た(CH3)2CHOCO(CF2)4COOCH(CH3)2(953g)を含む生成物とともに(CH3)2CHOCO(CH2)4COOCH(CH3)2(30g)を21.8時間かけて注入した。反応粗液(1612g)を抜き出した。
さらに、50%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例1−1の方法で得た(CH3)2CHOCO(CF2)4COOCH(CH3)2(946g)を含む生成物とともに、(CH3)2CHOCO(CH2)4COOCH(CH3)2(58g)を23.2時間かけて注入した。
つぎに、50%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、3時間調整した。次に窒素ガスを3.0時間吹き込み、反応粗液(4212g)を回収した。それぞれの反応粗液をGC−MSにより分析した結果、標記化合物を主生成物とするCF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COFと標記化合物を含む生成物を得た。
[例1−5]エステル結合の分解反応による(CF3)2COの製造例
蒸留塔および冷水による冷却が可能なリービッヒコンデンサを備えた留出ライン、受器、およびドライアイストラップを反応容器の上部に有する300mlの反応器に、KF(29g)を仕込み150℃に加熱した。そこへ、例1−2の方法で得た(CF3)2CFOCO(CF2)4COCF(CF3)2を含む生成物を313g/時で10時間添加した。添加終了から1時間後、反応容器中で気体の発生が認められなくなった時点で反応を終了させた。受器にはGC純度が98%であるFCO(CF2)4COFが回収されていた。また、トラップにはGC純度が95%である(CF3)2CO(1505g)が回収されていた。
[参考例1](CF3)2COの還元反応による(CF3)2CHOHの製造例
例1−3で得たGC純度95%の(CF3)2COをトラップトゥトラップ法(Trap−To−Trap法)により精製してGC純度が99.5%の(CF3)2COを得た。炭素担持3%パラジウム触媒10gを内径10mmの耐熱ガラス管に充填し、GC純度が99.5%の(CF3)2COを10g/時間で供給し、水素を(CF3)2COに対して2倍モル供給した。接触時間は10秒、反応温度は150℃とした。還元反応により(CF3)2CHOHを得た。反応転化率は99.8%、選択率は99%であった。
[例2](CF3)2CFCOFの製造例
[例2−1](CH3)2CHCH2OHとFCO(CF2)3COFのエステル化反応
ハステロイC製の2Lのオートクレーブに(CH3)2CHCH2OH(700g)を入れて撹拌し、窒素シール下、内温が30℃以下に保たれるように、ゆっくりとFCO(CF2)3COF(1190g)を導入した。FCO(CF2)3COFを全量投入した後、さらに50℃で5時間の反応を行い、次いで、窒素バブリングによって副生したHFを系外に追い出し、生成物を得た。生成物をGC分析した結果、(CH3)2CHCH2OCO(CF2)3COOCH2CH(CH3)2が98.7%、(CH3)2CHCH2OCO(CF2)3COFが1.3%生成しており、未反応のイソブチルアルコールは検出されなかった。この生成物は精製することなく、以下の反応に使用した。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):0.98(d,6H)、2.06(m,1H)、4.15(d,2H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−118.9、−124.3。
[例2−2]フッ素化反応による(CF3)2CFCF2OCO(CF2)3COOCF2CF(CF3)2の製造例
例1−2で用いた反応装置と同じニッケル製オートクレーブを準備して、R−113(312g)を加えること、20%希釈フッ素ガスの流速を10.60L/hにすること以外は例1−2と同様の条件にした。該オートクレーブに、例2−1で得た生成物(5g)をR−113(95g)に溶解した溶液を5.5時間かけて注入した。
つぎに、20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながらオートクレーブ内圧力を0.15MPaまで昇圧して、ベンゼン濃度が0.01g/mLであるR−113溶液を25℃から40℃にまで昇温しながら9mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。
つぎに反応器内圧力を0.15MPaに、反応器内温度を40℃に保ちながら、上記のベンゼン溶液を6mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。さらに同様の操作を1回繰り返した。ベンゼンの注入総量は0.22g、R−113の注入総量は22mLであった。
さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら1.0時間撹拌を続けた。つぎに、反応器内圧力を常圧にし、窒素ガスを1.0時間吹き込んだ。生成物を19F−NMRで分析した結果、標記化合物が収率87%で含まれていることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−73.8(12F)、−80.5(4F)、−118.6(4F)、−123.6(2F)、−187.9(2F)。
[例2−3]エステル結合の分解反応による(CF3)2CFCOFの製造例
蒸留塔、冷水による冷却が可能なリービッヒコンデンサを備えた留出ライン、受器、およびドライアイストラップを反応容器の上部に備えた20mlの反応容器に、KF(0.7g)を仕込み、150℃に加熱した。反応容器中に例7で得たフッ素化反応生成物のR113を除去した液9gをゆっくり添加した。添加終了から1時間後、気体の発生がなくなった時点で反応を終了させた。受器には生成物の5.72gが回収された。生成物には、FCO(CF2)3COF(GC面積55%)とFCO(CF2)3COOCF2CH(CF3)2(GC面積15%)、(CF3)2CFCOF(GC面積30%)が含まれていた。また、トラップにはGC純度が97%である(CF3)2CFCOF(3.12g)が回収されていた。
[例2−4](CH3)2CHCH2OHとFCO(CF2)2COFのエステル化反応
例2−1におけるFCO(CF2)3COFをFCO(CF2)2COF(950g)に変更すること以外は例2−1と同様に反応を行った。生成物をGC分析した結果、(CH3)2CHCH2OCO(CF2)2COOCH2CH(CH3)2が98.8%、(CH3)2CHCH2OCO(CF2)2COFが1.2%生成しており、未反応のイソブチルアルコールは検出されなかった。この生成物は精製することなく、以下の反応に使用した。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):0.98(d,6H)、2.05(m,1H)、4.13(d,2H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−120.2。
[例2−5]フッ素化反応による(CF3)2CFCF2OCO(CF2)2COOCF2CF(CF3)2の製造例
例1−2で用いた反応装置と同じニッケル製オートクレーブを準備して、R−113(312g)を加えること、20%希釈フッ素ガスの流速を12.16L/hにすることいがいは、例1−2と同様の条件にした。該オートクレーブに例2−4で得た生成物(5g)をR−113(100g)に溶解した溶液を5.7時間かけて注入した。
つぎに、20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながらオートクレーブ内圧力を0.15MPaまで昇圧して、ベンゼン濃度が0.01g/mLであるR−113溶液を25℃から40℃にまで昇温しながら9mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。
つぎに反応器内圧力を0.15MPaに、反応器内温度を40℃に保ちながら、上記のベンゼン溶液を6mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。さらに同様の操作を1回繰り返した。ベンゼンの注入総量は0.22g、R−113の注入総量は21mLであった。
さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら1.0時間撹拌を続けた。つぎに、反応器内圧力を常圧にし、窒素ガスを1.0時間吹き込んだ。生成物を19F−NMRで分析した結果、標記化合物が収率90%で含まれていることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−73.8(12F)、−80.4(4F)、−119.2(4F)、−187.8(2F)。
[例2−6]エステル結合の分解反応による(CF3)2CFCOFの製造例
例2−3におけるフッ素化反応生成物を例2−5で得たフッ素化反応生成物に変更し、該フッ素化反応生成物のR113を除去した液8.1gをゆっくり添加すること以外は同様に反応を行った。受器には生成物の1.02gが回収された。生成物には、FCO(CF2)2COF(GC面積35%)とFCO(CF2)2COOCF2CH(CF3)2(GC面積60%)、(CF3)2CFCOF(GC面積5%)が含まれていた。また、トラップには6.94gが回収されていた。生成物には、FCO(CF2)2COF(GC面積30%)と(CF3)2CFCOF(GC面積70%)が含まれていた。
<産業上の利用可能性>
本発明の製造方法の原料である化合物(1)は、多様な炭素骨格を有する種々の化合物が市販されており、安価に入手できる。そして、本発明の製造方法によれば、この原料化合物から、短い工程かつ高い収率で、多様な骨格を有する含フッ素化合物を自由に製造できる。
また、本発明の方法を用いることにより、従来の方法では入手が困難であった低分子の含フッ素化合物や、複雑な構造の含フッ素化合物を容易に合成できる。また本発明の製造方法は上記に具体例として記載した化合物に限定されず、種々の化合物に応用できる汎用性に優れた方法である。また、本発明の方法は、化合物をリサイクルする等の方法を採用することにより、より工業的に有利な効率的な製造方法にすることができる。
Claims (13)
- 式1で表される化合物を式2で表される化合物とエステル化反応させて、式3で表される化合物の1種以上を含むエステル化反応生成物を得て、該エステル化反応生成物をフッ素化反応によりペルフルオロ化することにより、式4で表される化合物の1種以上を含むフッ素化反応生成物を得て、該フッ素化反応生成物においてエステル結合の分解反応を行うことにより、式5で表される化合物と式2で表される化合物とを含む分解反応生成物を得て、該分解反応生成物から式5で表される含フッ素カルボニル化合物を得ることを特徴とする含フッ素カルボニル化合物の製造方法。
R1CHR2OH・・式1
Qf(COF)n・・式2
Qf(COOCHR1R2)m(COF)n−m・・式3
Qf(COOCFR1fR2f)m(COF)n−m・・式4
R1fCOR2f・・式5
ただし、式中の記号は、以下の意味を示す。
R1、R2:R1は水素原子またはフッ素化されうる1価有機基を示し、R2はフッ素化されうる1価有機基を示し、R1とR2とは共同してフッ素化されうる2価有機基を形成していてもよい。
R1f、R2f:R1が水素原子である場合のR1fはフッ素原子、R1が1価有機基である場合のR1fはR1がペルフルオロ化された1価有機基。R2fはR2がペルフルオロ化された1価有機基。ただし、R1とR2とが共同してフッ素化されうる2価有機基を形成していている場合には、R1fとR2fとは共同して該2価有機基がペルフルオロ化された基を形成する。
Qf:ペルフルオロ化されたn価有機基。
n:2以上の整数。
m:2以上でありかつn以下の整数。 - 式1で表される化合物と反応させる式2で表される化合物が、エステル結合の分解反応生成物から得た式2で表される化合物である請求項1に記載の製造方法。
- 式1で表される化合物の分子量が32〜200であり、エステル化反応生成物の平均フッ素含有量が20〜60質量%であり、かつ、エステル化反応生成物の分子量が200〜1100である請求項1または2に記載の製造方法。
- フッ素化反応が液相フッ素化反応である請求項1、2、または3に記載の製造方法。
- 式2で表される化合物が式(2−1)で表される化合物であり、エステル化反応生成物が式(3−1)で表される化合物を必須とし、フッ素化反応生成物が式(4−1)で表される化合物を必須とし、分解反応生成物が式(5−1)で表される化合物と式(2−1)で表される化合物を必須とし、含フッ素カルボニル化合物が式(5−1)で表される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
FCOQf2COF・・式(2−1)
R1CHR2OCOQf2COOCHR1R2・・式(3−1)
R1fCFR2fOCOQf2COOCFR1fR2f・・式(4−1)
R1fCOR2f・・式(5−1)
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
R1、R2、R1f、R2f:上記と同じ意味。
Qf2:ペルフルオロ化された2価有機基。 - エステル化反応生成物が、式(3−1)で表される化合物とともに式(3−1H)で表される化合物を含み、フッ素化反応生成物が、式(4−1)で表される化合物とともに式(4−1H)で表される化合物を含む請求項5に記載の製造方法。
R1CHR2OCOQf2COF・・式(3−1H)
R1fCFR2fOCOQf2COF・・式(4−1H)
ただし、式中のR1、R2、R1f、R2fおよびQf2は、上記と同じ意味を示す。 - エステル化反応生成物に、下式(3−2H)で表される化合物を含ませてフッ素化反応を行う請求項5または6に記載の製造方法。
R1CHR2OCOQH2COOCHR1R2・・・式(3−2H)
ただし、
R1、R2:上記と同じ意味。
QH2:水素原子を必須とする2価有機基であり、かつ、ペルフルオロ化されてQf2になる基。 - 式(3−1)で表される化合物に対して、式(3−2H)で表される化合物を0質量%超10質量%以下で存在させてフッ素化反応を行う請求項7に記載の製造方法。
- R1とR2とが−CH3、R1fとR2fとが−CF3、Qf2が−(CF2)k−(ただし、kは2〜8の整数を示す。)であり、かつQH2が−(CH2)k−である、または、R1が−H、R2が−CH(CH3)2、R1fが−F、R2fが−CF(CF3)2であり、かつQH2が−(CH2)k−である請求項7または8に記載の製造方法。
- 液相フッ素化における液相が、式(4−1)で表される化合物および/または式(5−1)で表される化合物を必須とする請求項5〜9のいずれかに記載の製造方法。
- 式1で表される化合物を式2で表される化合物とエステル化反応において、式(1)で表される化合物の量を、式2で表される化合物の0.5〜1倍モルとする請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 式3で表される化合物のフッ素化反応において、化合物(3)に対応する同一の炭素骨格を有し、かつ、化合物(3)よりもフッ素含有量の少ない化合物の存在下にフッ素化反応を行う請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
- 下式で表される化合物のいずれかの化合物。
(CH3)2CHOCO(CF2)4COOCH(CH3)2、
(CF3)2CFOCO(CF2)4COOCF(CF3)2、
(CH3)2CHCH2OCO(CF2)2COOCH2CH(CH3)2、
(CF3)2CFCF2OCO(CF2)2COOCF2CF(CF3)2、
(CH3)2CHCH2OCO(CF2)3COOCH2CH(CH3)2、
(CF3)2CFCF2OCO(CF2)3COOCF2CF(CF3)2。
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