JP2009263729A - フルオロカーボンの製造方法および新規なフルオロカーボン - Google Patents

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Abstract

【課題】含フッ素化合物の溶媒等として有用な、フルオロカーボンの製造方法および新規なフルオロカーボンを提供すること。
【解決手段】下式(A−1)で表される化合物、下式(A−2)で表される化合物、および下式(A−3)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物の2分子を、電解カップリング反応させることを特徴とする下式(B)で表される化合物の製造方法。
F1COOM・・・(A−1)、RF1COOH・・・(A−2)、RF1COF・・・(A−3)、RF1−RF1・・・(B)。[RF1は結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、フルオロカーボンの製造方法および新規なフルオロカーボンに関する。
フルオロカーボン類は、冷媒、洗浄剤、溶媒等として有用な化合物である。
フルオロカーボン類を溶剤として用いた例としては、含フッ素化合物の溶剤として用いる例が挙げられる。含フッ素化合物用の溶剤として求められる特性としては、含フッ素化合物の溶解力が大きいこと、融点および沸点範囲が使用範囲にあり、かつ除去しやすい沸点範囲にあること、環境上の観点から不燃性または引火点が充分に高いこと、高温でも分解しない物性を有すること、等が挙げられる。
含フッ素化合物のうち、含フッ素重合体用の溶剤としては、ぺルフルオロエーテル類(たとえば、下式(10)で表される化合物)、ペルフルオロアルキルアミン類((CN)等が知られている。しかし、構造内にヘテロ原子を有する化合物は、熱や薬品に対する安定性が低く、また、環境保全の観点からも好ましいといえなかった。
Figure 2009263729
構造内にヘテロ原子を持たないハイドロカーボン類を溶剤とする場合に、上記の要求性能を満たす溶剤にするには、炭素数が比較的大であるハイドロカーボン類から選択する必要があると本発明者らは考えた。さらに本発明者らは、該炭素数としては6以上は必要であると仮定し、これまでに知られている炭素数6以上のペルフルオロカーボン類を検討した。しかし、従来知られているペルフルオロカーボン類の大部分は直鎖構造であり、直鎖構造のペルフルオロカーボン類は、一般には融点が高すぎ、常温で固体になるために、溶剤として使用することは困難であることがわかった。そこで、本発明者らは、分岐構造を有するフルオロカーボン類に注目し、その構造および工業的な入手方法について検討した。
分岐構造を有するフルオロカーボンであって炭素数が6以上である化合物の製造方法としては、2級のペルフルオロヨージドを、水銀酸化物の存在下にカップリングして、ペルフルオロ−5,6−ジメチルデカン等の分岐構造を有するペルフルオロカーボンを製造する方法がある(例えば特許文献1参照)。
また、直鎖または分岐構造を有するペルフルオロエーテルの製造方法としては、カルボキシル基のα炭素にエーテル結合を有するペルフルオロカルボン酸2分子をコルベ電解によってカップリングを行う方法がある(例えば特許文献2参照)。
米国特許第2884466号明細書 国際公開第2005/042456号パンフレット
しかし、特許文献1に記載の製造方法は、水銀を使用する方法であるため、工業的な製造方法としての使用は困難であった。
特許文献2に記載の製造方法は、ペルフルオロエーテルの製造方法であり、ヘテロ原子を持たないフルオロカーボン類の製造方法については開示されていなかった。
本発明者らは、溶剤として、特に含フッ素重合体の溶液の調製に有用な溶剤として有用な化合物を新たに製造するために検討を行った結果、適度な融点と沸点を持ち、不燃性または引火点が充分に高く、化学的に安定であるフルオロカーボンを見いだし、かつ、該フルオロカーボンの製造方法として、工業的に有利な方法を見いだした。
すなわち、本発明の目的は、溶剤等として有用な、フルオロカーボンの製造方法および新規なフルオロカーボンを提供することにある。
また本発明のさらに別の目的は、前記フルオロカーボンを溶剤として用いた含フッ素重合体の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は下記の発明を提供する。
[1]下式(A−1)で表される化合物、下式(A−2)で表される化合物、および下式(A−3)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物の2分子を、電解カップリング反応させることを特徴とする下式(B)で表される化合物の製造方法。
F1COOM・・・(A−1)
F1COOH・・・(A−2)
F1COF・・・(A−3)
F1−RF1・・・(B)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
F1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
M:アルカリ金属原子。
[2]式(A−1)で表される化合物の2分子を電解カップリング反応させる、上記[1]に記載の製造方法。
[3]下式(A−3)で表される化合物を相溶化剤の存在下に水と反応させて下式(A−2)で表される化合物とし、下式(A−2)で表される化合物にアルカリ金属水酸化物を反応させて下式(A−1)で表される化合物、または下式(A−1)で表される化合物と下式(A−2)で表される化合物との混合物を得て、つぎに、下式(A−1)で表される化合物および下式(A−2)で表される化合物から選ばれる化合物の2分子を電解カップリング反応させることを特徴とする下式(B)で表される化合物の製造方法。
F1COOM・・・(A−1)
F1COOH・・・(A−2)
F1COF・・・(A−3)
F1−RF1・・・(B)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
F1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
M:アルカリ金属原子。
[4]RF1が、結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のペルフルオロアルキル基である上記[1]〜[3]いずれか1に記載の製造方法。
[5]RF1が下式(C−1)で表される基である上記[1]〜[4]のいずれか1に記載の製造方法。
F1aF1bCX−・・・(C−1)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
F1a、RF1b:それぞれ独立してフルオロアルキル基を示し、RF1aおよびRF1bの炭素数の総数は2〜15。
X:水素原子またはフッ素原子。
[6]RF1aおよびRF1bがそれぞれ独立してペルフルオロアルキル基を示し、RF1aの炭素数が1または2であり、RF1bの炭素数が3〜5であり、Xがフッ素原子である上記[5]に記載の製造方法。
[7]下式(Bb)で表される化合物。
Figure 2009263729
[8]上記[1]〜[7]のいずれか1に記載の製造方法により下式(B)で表される化合物を得て、つぎに該式(B)で表される化合物中に下記重合体(P)が溶解および/または分散してなる重合体(P)と下式(B)で表される化合物とを含む組成物を得て、つぎに、該組成物にフッ素を導入することにより該重合体(P)をフッ素化して下記重合体(P’)を得る、紫外光透過性に優れた含フッ素重合体(P’)の製造方法。
F1−RF1・・・(B)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
F1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
重合体(P):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体。
重合体(P’):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体であり、厚さ0.25〜0.30mmのフィルムの波長200nmにおける光線透過率が90%以上である重合体。
本発明によれば、溶剤として有用であり、特に含フッ素重合体に対する溶解力が大きく、適切な沸点と融点を有し、不燃性に優れ、かつ高温での安定性に優れたフルオロカーボンの製造方法および各特性を兼ね備えた新規なフルオロカーボンが提供される。
また本発明によれば、前記フルオロカーボンを溶剤として用いる、含フッ素重合体の製造方法が提供される。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を、化合物(1)のようにも記す。
本発明者らは、工業的に有利な方法で、分岐鎖を有するフルオロカーボンを製造する方法を検討した。その結果、化学的に不安定とされていたα炭素に分岐鎖を有するペルフルオロカルボン酸についての電解カップリング反応を試みたところ、予想外に反応が良好に進行して、目的化合物が収率よく得られることを見いだした。
本発明におけるRF1は、結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基を示す。フルオロアルキル基とは、アルキル基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基を言い、本発明においては、アルキル基に結合した水素原子の全部がフッ素原子に置換された基であるペルフルオロアルキル基が好ましい。
F1の炭素数は、溶媒としての有用性の観点から、5〜8であることが好ましい。また、RF1は生成物の化学的安定性の観点から、ペルフルオロアルキル基であることが好ましい。
本発明におけるRF1は結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する。結合末端の炭素原子とは結合手を有する炭素原子をいう。たとえば、化合物(A−1)においては、基COOMに結合するRF1基の炭素原子(α位の炭素原子)をいう。本発明におけるRF1は、結合末端の炭素原子に分岐鎖を有することから、該結合末端の炭素原子には、2または3個の炭素原子が結合しており、2個が結合するのが好ましい。すなわち、結合末端の炭素原子は2級の炭素原子であるのが好ましい。
F1としては、下式(C−1)で表される基であることが好ましい。
F1aF1bCX−・・・(C−1)
ただし、RF1aおよびRF1bは、それぞれ独立してフルオロアルキル基を示し、RF1aおよびRF1bの炭素数の総数は2〜15である。RF1aおよびRF1bの炭素数は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。さらに、RF1aおよびRF1bはそれぞれ独立してペルフルオロアルキル基であるのが好ましく、RF1aの炭素数は1または2が好ましく、かつ、RF1bの炭素数が3〜6であるのが特に好ましい。
Xは水素原子またはフッ素原子であり、フッ素原子が好ましい。
F1aおよびRF1bがペルフルオロアルキル基である式(C−1)で表される基のように、α炭素に分岐鎖を有する基を有するペルフルオロカルボン酸は、化学的に不安定であることが知られている(例えば特表2002−514190号公報第12頁参照)。しかし、本発明によれば、該基の構造を維持したままで、カップリング反応を実施できる。RF1の具体例としては、後述する化合物(B)の具体例中に示される。
<化合物(A−1)>
化合物(A−1)、すなわちRF1COOM(ただし、RF1は前記と同じ意味を示す。以下同様。)において、Mはアルカリ金属原子を示す。該アルカリ金属原子としては、ナトリウム原子、カリウム原子、およびリチウム原子が好ましく、化合物(A−1)の調製が容易であることから、ナトリウム原子またはカリウム原子が好ましい。
化合物(A−1)は、後述する化合物(A−2)を極性溶媒に溶解させた溶液中に、アルカリ金属水酸化物を加えることによって溶液または懸濁液として得ることが好ましい。
化合物(A−1)としては、下記化合物(A−1a)、下記化合物(A−1b)、下記化合物(A−1c)、および下記化合物(A−1d)が挙げられる。
CFCFCFCFCF(CF)COONa・・・(A−1a)
CFCFCFCFCF(C)COONa・・・(A−1b)
CFCFCFCFCF(CF)COOK・・・(A−1c)
CFCFCFCFCF(C)COOK・・・(A−1d)
<化合物(A−2)>
化合物(A−2)、すなわちRF1COOHは、公知の合成方法により得ることができ、下記方法aによるのが好ましい。
[方法a]化合物(A−3)と水とを反応させて得る方法
F1COF(A−3)+HO→RF1COOH(A−2)+HF
方法aは、化合物(A−3)を原料として、化合物(A−3)と水を相溶化剤存在下で反応させることで実施できる。水の量は、化合物(A−3)に対して0.5倍モル以上が好ましく、0.5〜100倍モルが特に好ましい。副生するフッ化水素と、相溶化剤は、液中にガスを吹き込み同伴させる、もしくは減圧下で留去することで除去できる。相溶化剤としてはニトリル類などが利用でき、沸点の低いアセトニトリルが好ましい。相溶化剤の量は化合物(A−3)に対して5〜120質量%が特に好ましい。ガスとしては窒素ガスやアルゴンガス、乾燥空気などが挙げられ、不活性で安価な窒素ガスが好ましい。
化合物(A−2)としては、入手が容易である点およびカップリング反応によって得られる溶媒としての有用性の点から、下記化合物(A−2a)、下記化合物(A−2b)が好ましい。
CFCFCFCFCF(CF)COOH・・・(A−2a)
CFCFCFCFCF(C)COOH・・・(A−2b)
<化合物(A−3)>
化合物(A−3)は、公知の合成方法により得ることができ、下記方法I、下記方法IIにより合成するのが好ましく、方法Iによるのが特に好ましい。
[方法I]液相フッ素化反応で得たペルフルオロエステルのエステル結合を分解する方法。
[方法II]RCOOHもしくは化合物(A−2)を電解フッ素化法(ECF法)によりフッ素化する方法。ただし、RはRF1と同一の炭素骨格構造を有するアルキル基を示す。
方法Iは、下記化合物(7)を原料として、本出願人による国際公開第00/56694号パンフレット等に記載の方法にしたがって実施できる。すなわち、化合物(7)と下記化合物(8)とをエステル化反応させて下記化合物(9)を得て、次に該化合物(9)を液相中でフッ素化して下記化合物(10)を得て、さらに該化合物(10)においてエステル結合の分解反応を行うことにより下記化合物(A−3)を得る方法によって実施できる。ただし、式中のRF1は前記と同じ意味を示し、RはRF1と同一の炭素骨格を有するアルキル基を示す。Rはペルフルオロ化された1価の有機基を示し、ペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有)アルキル基が好ましい。
RCHOH(7)+RCOF(8)→RCHOCOR(9)→RF1OCOR(10)→RF1COF(A−3)
化合物(7)は、公知の化合物であり、公知の合成方法により得ることができる。
たとえば、化合物(7)の合成方法としては、下記化合物(12)を触媒と共に水素と反応させ、還元する方法等が挙げられる。触媒としてはニッケル、パラジウムや白金などが利用できる。
RCHO(12)→RCHOH(7)
また、所望の炭素数の化合物(7)の入手が困難である場合、下記化合物(13)とホルムアルデヒドを反応させ、下記化合物(14)とし、次いで化合物(14)を触媒と共に水素(H)と反応させて化合物(7)を得ることができる。
RCHCHO(13)+HCHO→RC(=CH)CHO(14)→RCHOH(7)
化合物(A−3)としては、入手が容易である点およびカップリング反応によって得られる溶媒としての有用性の点から、下記化合物(A−3a)または下記化合物(A−3b)が好ましい。
CFCFCFCFCF(CF)COF・・・(A−3a)
CFCFCFCFCF(C)COF・・・(A−3b)
本発明の製造方法においては、前記化合物(A−1)〜(A−3)よりなる群から選ばれる化合物の2分子を電解カップリング反応させて、目的化合物を得る。本発明者らは、化学的安定性が低いことが知られているα炭素に分岐鎖を有するフルオロカルボン酸において電解カップリング反応を行った結果、予想外に反応が進行することを見いだした。
電解カップリング反応においては、異なる2種類の化合物の1分子同士を電解カップリングしてもよく、同種の化合物の2分子を電解カップリングしてもよい。
本発明の製造方法においては、反応溶媒への溶解性が高い、また、電解による一電子酸化反応の進行を容易にして、反応効率を高める観点から、化合物(A−1)の2分子を電解カップリングするのが好ましい。
電解カップリング反応においては、化合物(A−1)〜(A−3)から選ばれる化合物から選ばれる化合物が支持電解質となり、−COOH、−COOMまたは−COFが結合した炭素原子上に、それぞれラジカルが発生し、2分子の該ラジカルがカップリングすることにより、本発明の化合物(B)が生成すると考えられる。
電解カップリング反応に用いられる電解装置の電極としては、酸化還元電位が高い電極(例えば白金電極等)が好ましい。電解カップリング反応の電流密度は、0.02〜1.0A/cm程度が採用され、発熱の制御が容易である点および反応効率が良好である点から0.03〜0.5A/cmが好ましい。高い電流密度で反応を実施する場合には、反応に伴う発熱を制御することが困難となり、低い電流密度で反応を実施する場合には効率が低下し、工業的製法として不利になるおそれがある。
本発明の電解カップリング反応は、溶媒の存在下で行うのが好ましく、水系溶媒の存在下行うのが好ましい。水系溶媒としては、水のみ、または水と水溶性有機溶媒との混合溶媒が好ましい。水溶性有機溶媒としては、極性の水溶性有機溶媒が好ましく、メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトニトリル等のニトリル類が挙げられ、これらから選択される1種の溶媒、または2種以上を混合した混合溶媒が使用できる。
電解カップリング反応に用いる溶媒としては、水のみ、または、水と極性の水溶性有機溶媒との混合溶媒が好ましい。後者の場合の量比は、水に対して、水溶性有機溶媒を0〜50体積%用いるのが好ましく、3〜20体積%が特に好ましい。
支持電解質として化合物(A−2)と化合物(A−1)とを混合して使用する場合、反応効率を向上させるために、化合物(A−2)1リットルあたり化合物(A−1)を0.5〜2.0モル含有させることが好ましい。また、支持電解質として化合物(A−3)を使用する場合、反応効率を向上させるために、化合物(A−3)と同モル等量以上の化合物(A−1)を含有させることが好ましい。
電解カップリング反応によって生成する化合物(B)を含む反応粗生成物は、後処理を行うことが好ましい。後処理の方法としては、抽出、洗浄、クロマトグラフィー、加熱、および蒸留等が挙げられ、これらのうちから選ばれる1つの方法または2つ以上の方法の組み合わせにより適宜実施できる。洗浄を行う場合、水、またはNaHCO、KHCO等のアルカリ金属重炭酸塩の水溶液を用いて行うことが好ましい。加熱を行う場合は、反応粗生成物を加熱還流することが好ましく、KF等のアルカリ金属フッ化物の存在下に加熱還流することが特に好ましい。
本発明の製造方法により得られる化合物(B)は用途に応じた純度に精製することが好ましく、高純度の品質が要求される用途においてはガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、NMR等によって測定される純度を98%以上にすることが好ましく、99%以上にすることが特に好ましい。本発明の製造方法においては、本発明の化合物(B)を高収率で、かつ不純物の副生も少なく、得ることができる。
<化合物(B)>
本発明の製造方法により得られる化合物(B)は、下式(B)で表される。
F1−RF1(B)
式中のRF1は前記と同じ意味を示す。RF1としては、−CF(CF)CFCFCFCFまたは−CF(C)CFCFCFCFが好ましい。
化合物(B)は、溶媒としての有用性の点から、下記化合物(Ba)または下記化合物(Bb)が好ましい。
CFCFCFCFCF(CF)CF(CF)CFCFCFCF・・・(Ba)
CFCFCFCFCF(C)CF(C)CFCFCFCF・・・(Bb)
このうち、化合物(Bb)は文献未記載の新規化合物である。本発明は新規な化合物(Bb)を提供する。
本発明の製造方法により得られる化合物(B)は、含フッ素重合体等の含フッ素化合物の溶媒として、エレクトロニクス分野における絶縁油として、サーマルショックテストやリークテスト等の媒体として、医療分野における酸素運搬剤として、工業分野における洗浄剤または水切り剤として、冷媒や熱媒等の作動媒体等として、好適に用いられる。
<含フッ素重合体の製造方法>
たとえば、本発明の化合物(B)は、含フッ素重合体の反応溶媒等としても有用であり、特に光透過率の高い含フッ素重合体を製造する場合の溶媒として好適に用いうる。
すなわち、本発明は、化合物(B)中に下記重合体(P)が溶解および/または分散してなる重合体(P)と化合物(B)とを含む組成物を得て、つぎに、該組成物にフッ素を導入することにより該重合体(P)をフッ素化して下記重合体(P’)を得る、紫外光透過性に優れた含フッ素重合体(P’)の製造方法を提供する。
重合体(P):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体。
重合体(P’):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体であり、厚さ0.25〜0.30mmのフィルムの波長200nmにおける光線透過率が90%以上である重合体。
重合体(P)および(P’)において「主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する」とは、脂肪族環を構成する炭素原子の1以上が主鎖を構成する炭素連鎖中の炭素原子であり、かつ脂肪族環を構成する炭素原子の少なくとも一部にフッ素原子またはフッ素含有基が結合している構造を有することを意味する。
重合体(P)としては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得られた主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体または2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマーの環化重合反応により得られた、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が好ましい。
含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得られた主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特公昭63−18964号公報などにより知られている。例えば、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを単独重合することにより、またこのモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより、重合体(P)が得られる。
2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマーの環化重合反応により得られた主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−238111号公報や特開昭63−238115号公報などにより知られている。例えば、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などのモノマーを環化重合することにより、またはこのようなモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより、重合体(P)が得られる。
該重合体(P’)の製造は、特開平11−152310号公報等に記載される方法にしたがい、重合体(P)と含フッ素溶媒として化合物(B)とを含む組成物にフッ素ガスを吹き込むことにより実施するのが好ましい。得られた重合体(P’)は、重合体構造中に存在する光吸収構造や不安定末端にフッ素が反応することにより、短波長の光を良好に透過させる重合体となりうる。たとえば、該重合体(P’)の製造方法によれば、波長200nmにおける光線透過率が90%以上である重合体を得ることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下においてガスクロマトグラフィーをGC、ガスクロマトグラフィー−質量分析をGC−MS、GCのピーク面積比から計算される純度をGC純度、GCのピーク面積から計算される収率をGC収率、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガスを20%希釈フッ素ガスと記す。また、NMRスペクトルデータは基準物質からのみかけの化学シフトとして示した。
なお、以下の例において、例1〜5は合成例、例6〜12は実施例を示す。
[例1]CFCFCFCFCF(C)COF(化合物(A−3b))の合成例
CH(CHCH(CHCH)CHOH(7b)+CFCFCFOCF(CF)COF→→→化合物(A−3b)
国際公開第00/56694号パンフレットに記載されている方法にしたがい、市販の化合物(7b)と、CFCFCFOCF(CF)COFを反応させて、CH(CHCH(CHCH)CHOCOCF(CF)OCFCFCFを得て、次に液相中で、20%希釈フッ素ガスと反応させることによりCF(CFCF(CFCF)CFOCOCF(CF)OCFCFCFを得て、つぎにエステル分解反応を行うことにより化合物(A−3b)を得た。
[例2]CFCFCFCFCF(C)COOH(化合物(A−2b))の合成例
CFCFCFCFCF(C)COF(A−3b)→化合物(A−2b)
フッ素樹脂製のフラスコに、化合物(A−3b)(1.53kg)とアセトニトリル(306g)を仕込み、内温が10℃を超えないように冷却し、激しく撹拌しながら水(66.1g)を滴下した。滴下終了後、冷却を止め室温で撹拌を続けた。反応溶液は2層分離していたが、次第に均一になった。24時間撹拌を継続した後、窒素ガスを反応液中に吹き込み、HFとアセトニトリルを除去することにより、化合物(A−2b)(14.5kg)を得た。収率は95.0%であった。
[例3]CH(CHC(=CH)CHO(化合物(14a))の合成例
CH(CHCHO(13a)+HCHO→化合物(14a)
内容積10Lのガラスフラスコにジメチルアミン塩酸塩(1.67kg)とホルムアルデヒド36%水溶液(1.48kg)を仕込んだ。反応器を冷却し、撹拌しながら、内温が30℃以下に保たれるように化合物(13a)(1.66kg)をゆっくりと滴下した。化合物(13a)の全量を導入後、加熱を開始し、内温を70℃に保ち、12時間撹拌しながら反応させた。その後、冷却し静置することにより、反応粗生成物が2層に分離した。上層(1.14kg)を回収しGCで分析したところ、目的とする化合物(14a)が95.6%含まれていた。下層をフラスコに戻して加熱を再開し、内温を70℃に保ち、12時間撹拌した。その後、冷却し静置することにより、反応粗生成物が2層に分離した。上層(0.50kg)を回収しGCで分析したところ、化合物(14a)が96.5%含まれていた。化合物(14a)の総量は1.14kg、GC収率は87.6%であった。
[例4]CH(CHCH(CH)CHOH(化合物(7a))の合成例
CH(CHC(=CH)CHO(14a)→化合物(7a)
200mLのSUS製オートクレーブに、化合物(14a)(100g)とラネーニッケル(10.1g)を仕込み、0.6〜0.8MPa(ゲージ圧)の水素雰囲気下、120℃で24時間撹拌した。反応系を窒素置換した後、反応粗液をフィルターろ過した。ろ液(95.7g)を回収しGCで分析したところ、化合物(7a)が96.1%含まれており、GC収率は85.3%であった。
[例5]CFCFCFCFCF(CF)COOH(化合物(A−2a))の合成例
例1の化合物(7b)を例4で得た化合物(7a)に変更し、例1および例2と同じ方法により化合物(A−2a)を得た。
[例6]CFCFCFCFCF(C)CF(C)CFCFCFCF(化合物(Bb))の合成例(その1)
化合物(A−2b)→CFCFCFCFCF(C)COONa(A−1b)→化合物(Bb)
底部にバルブを備え、本体に冷却水流通用ジャケットを備えた内容積1.5Lのガラス製バイアルに、メカニカルスターラー、撹拌翼及び内温計を設置した。電極として、白金網(80メッシュ、20cm×20cm)を用いた。各々をポリエチレンメッシュの袋に入れて短絡防止したものを筒状に重ね合わせ、撹拌翼を取り囲むように設置した。本体に備えたジャケットには0℃に冷却した冷媒を循環させた。
化合物(A−2b)(756g)、水酸化ナトリウム(75.5g)、アセトニトリル(1200mL)、およびイオン交換水(200mL)を仕込み、激しく撹拌して化合物(A−1b)を生成させながら7Aの電流値において通電した。電流密度は0.046A/cmであり、総電荷量は1.81Fであり、陽極−陰極間の電圧は6.9〜9.1Vであった。
反応の進行と共に粗生成物がフラスコ底部に沈降したので、下層(547g)を分離回収した。下層における化合物(Bb)のGC純度は96.0%であり、化合物(A−2b)および化合物(A−1b)は検出されなかった。上層の一部をサンプリングしたものにCFCHOHを内部標準として添加した後、一部をサンプリングして重水に溶解し、19F−NMRで定量分析したところ、化合物(A−2b)の8.13%相当量の残存が確認されたが、化合物(Bb)は検出されなかった。化合物(A−2b)の転化率は91.9%となった。化合物(Bb)の選択率は84.9%であり、GC収率は78.0%であった。
粗液を減圧蒸留し、化合物(Bb)を留分として回収した。留分のGC純度は99.2%であった。化合物(Bb)の構造は19F−NMRスペクトルおよびGC−MSスペクトル分析により決定した。
化合物(Bb)のNMRスペクトル;
19F−NMR(282.7MHz,CDCl,CClF)δ(ppm):−78.8〜−81.5(12F,−CF)、−100.0〜−129.2(16F,−CF−)、−176.9〜−178.3(2F,−CF−)。
化合物(Bb)のGC−MSスペクトル;
Mass(EI method)m/z:581,481,431,381,331,281,243,231,219,193,169,143,131,119,100,93,69,50,31。
Mass(CI method)m/z:581,481,459,369,331,281,231,219,197,169,143,131,119,100,93,69,50,47。
(Calculated exact mass of C1430:738.10)。
[例7]化合物(Bb)の合成例(その2)
底部にバルブを備え、本体に冷却水流通用ジャケットを備えた内容積50mLのガラス製バイアルに、メカニカルスターラー、撹拌翼、シリンジポンプ、及び内温計を設置した。バイアル中にカーボン板を陽極、白金板を陰極として2cmの間隔で平行に設置した。溶液中に浸された陽極と陰極の面積は2.25cmであった。本体に備えたジャケットには0℃に冷却した冷媒を循環させた。
化合物(A−2b)(18.2g)、水酸化ナトリウム(1.73g)、アセトニトリル(5mL)、およびイオン交換水(32mL)を仕込み、激しく撹拌して化合物(A−1b)を生成させながら0.3Aの電流値において通電した。電流密度は0.13A/cmであり、総電荷量は252mFであり、陽極−陰極間の電圧は9.8〜10.8Vであった。通電開始時から総電荷210mFまでの間、化合物(A−2b)をシリンジポンプを用いて3.9g/h(9.3mmol/h)の速度で連続添加した。化合物(A−2b)の添加量は91.0gであり、総使用量は109gであった。
反応の進行と共に粗生成物がフラスコ底部に沈降したので、適時、底部のバルブより抜き出しながら反応を継続した。回収した粗生成物の合計量は85.1gであった。粗生成物をGCにより分析した結果、化合物(A−2b)の転化率は97.4%となった。化合物(Bb)の選択率は97.1%であり、GC収率は94.6%であった。
[例8]化合物(Bb)の合成例(その3)
CFCFCFCFCF(C)COF(A−3b)→化合物(Bb)
コンデンサを備えた内容積100mLのガラス製高圧水銀灯反応器(光源は石英製のジャケットを有す)に撹拌子を入れ、化合物(A−3b)(140.7g)を仕込んだ。反応液中の溶存酸素を除くため、アルゴン気流下で、1時間加熱還流を行った。次いで石英製ジャケット内に冷却水を循環させて光源を冷却しながら、室温で27時間の光照射を実施した。光照射終了後、粗液(135.7g)を回収した、粗液における化合物(Bb)のGC純度は2.4%であり、化合物(A−3b)が95.5%残存していた。化合物(A−3b)の転化率は3.9%であり、化合物(Bb)の選択率は67.4%であった。
[例9]化合物(Bb)の合成例(その4)
化合物(A−2b)→化合物(Bb)
底部にバルブを備え、本体に冷却水流通用ジャケットを備えた内容積50mLのガラス製バイアルに、メカニカルスターラー、撹拌翼、及び内温計を設置する。バイアル中にカーボン板を陽極、白金板を陰極として2cmの間隔で平行に設置する。溶液中に浸された陽極と陰極の面積は2.25cmである。本体に備えたジャケットには0℃に冷却した冷媒を循環させる。
化合物(A−2b)(16.6g)、アセトニトリル(5mL)、およびイオン交換水(30mL)を仕込み、激しく撹拌しながら0.3Aの電流値において通電する。電流密度は0.13A/cmであり、総電荷量は40mFであり、陽極−陰極間の電圧は9.8〜10.8Vである。
反応終了後、粗液を底部のバルブより抜き出す。回収した粗生成物の合計量は12.5gである。粗生成物をGCにより分析した結果、化合物(A−2b)の転化率は85.1%となる。化合物(Bb)の選択率は95.3%であり、GC収率は80.5%である。
[例10]
ニッケル製1リットルオートクレーブを−760Torrまで減圧した後、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)(CF=CFOCFCFCF=CF)の環化重合体(数平均分子量は1.5×10。厚さ200μmの圧縮成型フィルムの赤外吸収スペクトルでは1883cm−1に強い特性吸収があった。200nmにおける光線透過率は65%以下。以下、重合体(P)という。)を化合物(Bb)中に溶解し、濃度6重量%に調整した溶液1000gを減圧仕込みする。その系内に窒素ガスで濃度20%に希釈したフッ素ガスを0.7MPa・Gまで導入し、195℃で10時間撹拌しながら処理を行い重合体(P’)を得る。この重合体(P’)の厚さ200μmの圧縮成形フィルムの赤外吸収スペクトルを測定すると、1883cm−1の特性吸収は認められない。また200nmにおける光線透過率は、90%以上になる。
[例11]CFCFCFCFCF(CF)CF(CF)CFCFCFCF(化合物(Ba))の合成例
例6における化合物(A−2b)を、例5で得た化合物(A−2a)に変更して例6と同様に反応を行うことにより化合物(Ba)を得た。化合物(A−2a)の転化率は90.2%となった。化合物(Ba)の選択率は96.7%であり、GC収率は89.3%であった。
粗液を減圧蒸留し、化合物(Ba)を留分として回収した。留分のGC純度は99.5%であった。化合物(Ba)の構造は19F−NMRスペクトルおよびGC−MSスペクトル分析により、同定した。
[例12]
例10の化合物(Bb)を例11で得た化合物(Ba)に変更し、例11と同様の方法で重合体(P)のフッ素化反応を行う。重合体(P’)の厚さ200μmの圧縮成形フィルムの赤外吸収スペクトルを測定すると、1883cm−1の特性吸収は認められない。また200nmにおける光線透過率は、90%以上になる。

Claims (8)

  1. 下式(A−1)で表される化合物、下式(A−2)で表される化合物、および下式(A−3)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物の2分子を、電解カップリング反応させることを特徴とする下式(B)で表される化合物の製造方法。
    F1COOM・・・(A−1)
    F1COOH・・・(A−2)
    F1COF・・・(A−3)
    F1−RF1・・・(B)
    ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
    F1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
    M:アルカリ金属原子。
  2. 式(A−1)で表される化合物の2分子を電解カップリング反応させる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 下式(A−3)で表される化合物を相溶化剤の存在下に水と反応させて下式(A−2)で表される化合物とし、下式(A−2)で表される化合物にアルカリ金属水酸化物を反応させて下式(A−1)で表される化合物、または下式(A−1)で表される化合物と下式(A−2)で表される化合物との混合物を得て、つぎに、下式(A−1)で表される化合物および下式(A−2)で表される化合物から選ばれる化合物の2分子を電解カップリング反応させることを特徴とする下式(B)で表される化合物の製造方法。
    F1COOM・・・(A−1)
    F1COOH・・・(A−2)
    F1COF・・・(A−3)
    F1−RF1・・・(B)
    ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
    F1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
    M:アルカリ金属原子。
  4. F1が、結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のペルフルオロアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. F1が下式(C−1)で表される基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
    F1aF1bCX−・・・(C−1)
    ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
    F1a、RF1b:それぞれ独立してフルオロアルキル基を示し、RF1aおよびRF1bの炭素数の総数は2〜15。
    X:水素原子またはフッ素原子。
  6. F1aおよびRF1bがそれぞれ独立してペルフルオロアルキル基を示し、RF1aの炭素数が1または2であり、RF1bの炭素数が3〜5であり、Xがフッ素原子である請求項5に記載の製造方法。
  7. 下式(Bb)で表される化合物。
    Figure 2009263729
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法により下式(B)で表される化合物を得て、つぎに該式(B)で表される化合物中に下記重合体(P)が溶解および/または分散してなる重合体(P)と下式(B)で表される化合物とを含む組成物を得て、つぎに、該組成物にフッ素を導入することにより該重合体(P)をフッ素化して下記重合体(P’)を得る、紫外光透過性に優れた含フッ素重合体(P’)の製造方法。
    F1−RF1・・・(B)
    ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
    F1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
    重合体(P):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体。
    重合体(P’):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体であり、厚さ0.25〜0.30mmのフィルムの波長200nmにおける光線透過率が90%以上である重合体。
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WO1994029498A1 (fr) * 1993-06-10 1994-12-22 Daikin Industries, Ltd. Procede de production de 1,4-dihydroperfluorobutane

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