JP2009263729A - フルオロカーボンの製造方法および新規なフルオロカーボン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下式(A−1)で表される化合物、下式(A−2)で表される化合物、および下式(A−3)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物の2分子を、電解カップリング反応させることを特徴とする下式(B)で表される化合物の製造方法。
RF1COOM・・・(A−1)、RF1COOH・・・(A−2)、RF1COF・・・(A−3)、RF1−RF1・・・(B)。[RF1は結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。]
【選択図】なし
Description
分岐構造を有するフルオロカーボンであって炭素数が6以上である化合物の製造方法としては、2級のペルフルオロヨージドを、水銀酸化物の存在下にカップリングして、ペルフルオロ−5,6−ジメチルデカン等の分岐構造を有するペルフルオロカーボンを製造する方法がある(例えば特許文献1参照)。
特許文献2に記載の製造方法は、ペルフルオロエーテルの製造方法であり、ヘテロ原子を持たないフルオロカーボン類の製造方法については開示されていなかった。
すなわち、本発明の目的は、溶剤等として有用な、フルオロカーボンの製造方法および新規なフルオロカーボンを提供することにある。
また本発明のさらに別の目的は、前記フルオロカーボンを溶剤として用いた含フッ素重合体の製造方法を提供することにある。
[1]下式(A−1)で表される化合物、下式(A−2)で表される化合物、および下式(A−3)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物の2分子を、電解カップリング反応させることを特徴とする下式(B)で表される化合物の製造方法。
RF1COOM・・・(A−1)
RF1COOH・・・(A−2)
RF1COF・・・(A−3)
RF1−RF1・・・(B)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
RF1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
M:アルカリ金属原子。
[2]式(A−1)で表される化合物の2分子を電解カップリング反応させる、上記[1]に記載の製造方法。
[3]下式(A−3)で表される化合物を相溶化剤の存在下に水と反応させて下式(A−2)で表される化合物とし、下式(A−2)で表される化合物にアルカリ金属水酸化物を反応させて下式(A−1)で表される化合物、または下式(A−1)で表される化合物と下式(A−2)で表される化合物との混合物を得て、つぎに、下式(A−1)で表される化合物および下式(A−2)で表される化合物から選ばれる化合物の2分子を電解カップリング反応させることを特徴とする下式(B)で表される化合物の製造方法。
RF1COOM・・・(A−1)
RF1COOH・・・(A−2)
RF1COF・・・(A−3)
RF1−RF1・・・(B)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
RF1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
M:アルカリ金属原子。
[4]RF1が、結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のペルフルオロアルキル基である上記[1]〜[3]いずれか1に記載の製造方法。
[5]RF1が下式(C−1)で表される基である上記[1]〜[4]のいずれか1に記載の製造方法。
RF1aRF1bCX−・・・(C−1)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
RF1a、RF1b:それぞれ独立してフルオロアルキル基を示し、RF1aおよびRF1bの炭素数の総数は2〜15。
X:水素原子またはフッ素原子。
[6]RF1aおよびRF1bがそれぞれ独立してペルフルオロアルキル基を示し、RF1aの炭素数が1または2であり、RF1bの炭素数が3〜5であり、Xがフッ素原子である上記[5]に記載の製造方法。
[7]下式(Bb)で表される化合物。
RF1−RF1・・・(B)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
RF1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
重合体(P):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体。
重合体(P’):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体であり、厚さ0.25〜0.30mmのフィルムの波長200nmにおける光線透過率が90%以上である重合体。
また本発明によれば、前記フルオロカーボンを溶剤として用いる、含フッ素重合体の製造方法が提供される。
本発明者らは、工業的に有利な方法で、分岐鎖を有するフルオロカーボンを製造する方法を検討した。その結果、化学的に不安定とされていたα炭素に分岐鎖を有するペルフルオロカルボン酸についての電解カップリング反応を試みたところ、予想外に反応が良好に進行して、目的化合物が収率よく得られることを見いだした。
RF1aRF1bCX−・・・(C−1)
ただし、RF1aおよびRF1bは、それぞれ独立してフルオロアルキル基を示し、RF1aおよびRF1bの炭素数の総数は2〜15である。RF1aおよびRF1bの炭素数は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。さらに、RF1aおよびRF1bはそれぞれ独立してペルフルオロアルキル基であるのが好ましく、RF1aの炭素数は1または2が好ましく、かつ、RF1bの炭素数が3〜6であるのが特に好ましい。
Xは水素原子またはフッ素原子であり、フッ素原子が好ましい。
化合物(A−1)、すなわちRF1COOM(ただし、RF1は前記と同じ意味を示す。以下同様。)において、Mはアルカリ金属原子を示す。該アルカリ金属原子としては、ナトリウム原子、カリウム原子、およびリチウム原子が好ましく、化合物(A−1)の調製が容易であることから、ナトリウム原子またはカリウム原子が好ましい。
CF3CF2CF2CF2CF(CF3)COONa・・・(A−1a)
CF3CF2CF2CF2CF(C2F5)COONa・・・(A−1b)
CF3CF2CF2CF2CF(CF3)COOK・・・(A−1c)
CF3CF2CF2CF2CF(C2F5)COOK・・・(A−1d)
化合物(A−2)、すなわちRF1COOHは、公知の合成方法により得ることができ、下記方法aによるのが好ましい。
RF1COF(A−3)+H2O→RF1COOH(A−2)+HF
方法aは、化合物(A−3)を原料として、化合物(A−3)と水を相溶化剤存在下で反応させることで実施できる。水の量は、化合物(A−3)に対して0.5倍モル以上が好ましく、0.5〜100倍モルが特に好ましい。副生するフッ化水素と、相溶化剤は、液中にガスを吹き込み同伴させる、もしくは減圧下で留去することで除去できる。相溶化剤としてはニトリル類などが利用でき、沸点の低いアセトニトリルが好ましい。相溶化剤の量は化合物(A−3)に対して5〜120質量%が特に好ましい。ガスとしては窒素ガスやアルゴンガス、乾燥空気などが挙げられ、不活性で安価な窒素ガスが好ましい。
CF3CF2CF2CF2CF(C2F5)COOH・・・(A−2b)
化合物(A−3)は、公知の合成方法により得ることができ、下記方法I、下記方法IIにより合成するのが好ましく、方法Iによるのが特に好ましい。
[方法I]液相フッ素化反応で得たペルフルオロエステルのエステル結合を分解する方法。
[方法II]RCOOHもしくは化合物(A−2)を電解フッ素化法(ECF法)によりフッ素化する方法。ただし、RはRF1と同一の炭素骨格構造を有するアルキル基を示す。
たとえば、化合物(7)の合成方法としては、下記化合物(12)を触媒と共に水素と反応させ、還元する方法等が挙げられる。触媒としてはニッケル、パラジウムや白金などが利用できる。
CF3CF2CF2CF2CF(CF3)COF・・・(A−3a)
CF3CF2CF2CF2CF(C2F5)COF・・・(A−3b)
電解カップリング反応においては、異なる2種類の化合物の1分子同士を電解カップリングしてもよく、同種の化合物の2分子を電解カップリングしてもよい。
本発明の製造方法においては、反応溶媒への溶解性が高い、また、電解による一電子酸化反応の進行を容易にして、反応効率を高める観点から、化合物(A−1)の2分子を電解カップリングするのが好ましい。
電解カップリング反応に用いる溶媒としては、水のみ、または、水と極性の水溶性有機溶媒との混合溶媒が好ましい。後者の場合の量比は、水に対して、水溶性有機溶媒を0〜50体積%用いるのが好ましく、3〜20体積%が特に好ましい。
支持電解質として化合物(A−2)と化合物(A−1)とを混合して使用する場合、反応効率を向上させるために、化合物(A−2)1リットルあたり化合物(A−1)を0.5〜2.0モル含有させることが好ましい。また、支持電解質として化合物(A−3)を使用する場合、反応効率を向上させるために、化合物(A−3)と同モル等量以上の化合物(A−1)を含有させることが好ましい。
本発明の製造方法により得られる化合物(B)は、下式(B)で表される。
RF1−RF1(B)
式中のRF1は前記と同じ意味を示す。RF1としては、−CF(CF3)CF2CF2CF2CF3または−CF(C2F5)CF2CF2CF2CF3が好ましい。
化合物(B)は、溶媒としての有用性の点から、下記化合物(Ba)または下記化合物(Bb)が好ましい。
CF3CF2CF2CF2CF(CF3)CF(CF3)CF2CF2CF2CF3・・・(Ba)
CF3CF2CF2CF2CF(C2F5)CF(C2F5)CF2CF2CF2CF3・・・(Bb)
このうち、化合物(Bb)は文献未記載の新規化合物である。本発明は新規な化合物(Bb)を提供する。
たとえば、本発明の化合物(B)は、含フッ素重合体の反応溶媒等としても有用であり、特に光透過率の高い含フッ素重合体を製造する場合の溶媒として好適に用いうる。
すなわち、本発明は、化合物(B)中に下記重合体(P)が溶解および/または分散してなる重合体(P)と化合物(B)とを含む組成物を得て、つぎに、該組成物にフッ素を導入することにより該重合体(P)をフッ素化して下記重合体(P’)を得る、紫外光透過性に優れた含フッ素重合体(P’)の製造方法を提供する。
重合体(P):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体。
重合体(P’):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体であり、厚さ0.25〜0.30mmのフィルムの波長200nmにおける光線透過率が90%以上である重合体。
なお、以下の例において、例1〜5は合成例、例6〜12は実施例を示す。
CH3(CH2)3CH(CH2CH3)CH2OH(7b)+CF3CF2CF2OCF(CF3)COF→→→化合物(A−3b)
国際公開第00/56694号パンフレットに記載されている方法にしたがい、市販の化合物(7b)と、CF3CF2CF2OCF(CF3)COFを反応させて、CH3(CH2)3CH(CH2CH3)CH2OCOCF(CF3)OCF2CF2CF3を得て、次に液相中で、20%希釈フッ素ガスと反応させることによりCF3(CF2)3CF(CF2CF3)CF2OCOCF(CF3)OCF2CF2CF3を得て、つぎにエステル分解反応を行うことにより化合物(A−3b)を得た。
CF3CF2CF2CF2CF(C2F5)COF(A−3b)→化合物(A−2b)
フッ素樹脂製のフラスコに、化合物(A−3b)(1.53kg)とアセトニトリル(306g)を仕込み、内温が10℃を超えないように冷却し、激しく撹拌しながら水(66.1g)を滴下した。滴下終了後、冷却を止め室温で撹拌を続けた。反応溶液は2層分離していたが、次第に均一になった。24時間撹拌を継続した後、窒素ガスを反応液中に吹き込み、HFとアセトニトリルを除去することにより、化合物(A−2b)(14.5kg)を得た。収率は95.0%であった。
CH3(CH2)4CHO(13a)+HCHO→化合物(14a)
内容積10Lのガラスフラスコにジメチルアミン塩酸塩(1.67kg)とホルムアルデヒド36%水溶液(1.48kg)を仕込んだ。反応器を冷却し、撹拌しながら、内温が30℃以下に保たれるように化合物(13a)(1.66kg)をゆっくりと滴下した。化合物(13a)の全量を導入後、加熱を開始し、内温を70℃に保ち、12時間撹拌しながら反応させた。その後、冷却し静置することにより、反応粗生成物が2層に分離した。上層(1.14kg)を回収しGCで分析したところ、目的とする化合物(14a)が95.6%含まれていた。下層をフラスコに戻して加熱を再開し、内温を70℃に保ち、12時間撹拌した。その後、冷却し静置することにより、反応粗生成物が2層に分離した。上層(0.50kg)を回収しGCで分析したところ、化合物(14a)が96.5%含まれていた。化合物(14a)の総量は1.14kg、GC収率は87.6%であった。
CH3(CH2)3C(=CH2)CHO(14a)→化合物(7a)
200mLのSUS製オートクレーブに、化合物(14a)(100g)とラネーニッケル(10.1g)を仕込み、0.6〜0.8MPa(ゲージ圧)の水素雰囲気下、120℃で24時間撹拌した。反応系を窒素置換した後、反応粗液をフィルターろ過した。ろ液(95.7g)を回収しGCで分析したところ、化合物(7a)が96.1%含まれており、GC収率は85.3%であった。
例1の化合物(7b)を例4で得た化合物(7a)に変更し、例1および例2と同じ方法により化合物(A−2a)を得た。
化合物(A−2b)→CF3CF2CF2CF2CF(C2F5)COONa(A−1b)→化合物(Bb)
底部にバルブを備え、本体に冷却水流通用ジャケットを備えた内容積1.5Lのガラス製バイアルに、メカニカルスターラー、撹拌翼及び内温計を設置した。電極として、白金網(80メッシュ、20cm×20cm)を用いた。各々をポリエチレンメッシュの袋に入れて短絡防止したものを筒状に重ね合わせ、撹拌翼を取り囲むように設置した。本体に備えたジャケットには0℃に冷却した冷媒を循環させた。
化合物(A−2b)(756g)、水酸化ナトリウム(75.5g)、アセトニトリル(1200mL)、およびイオン交換水(200mL)を仕込み、激しく撹拌して化合物(A−1b)を生成させながら7Aの電流値において通電した。電流密度は0.046A/cm2であり、総電荷量は1.81Fであり、陽極−陰極間の電圧は6.9〜9.1Vであった。
反応の進行と共に粗生成物がフラスコ底部に沈降したので、下層(547g)を分離回収した。下層における化合物(Bb)のGC純度は96.0%であり、化合物(A−2b)および化合物(A−1b)は検出されなかった。上層の一部をサンプリングしたものにCF3CH2OHを内部標準として添加した後、一部をサンプリングして重水に溶解し、19F−NMRで定量分析したところ、化合物(A−2b)の8.13%相当量の残存が確認されたが、化合物(Bb)は検出されなかった。化合物(A−2b)の転化率は91.9%となった。化合物(Bb)の選択率は84.9%であり、GC収率は78.0%であった。
粗液を減圧蒸留し、化合物(Bb)を留分として回収した。留分のGC純度は99.2%であった。化合物(Bb)の構造は19F−NMRスペクトルおよびGC−MSスペクトル分析により決定した。
19F−NMR(282.7MHz,CDCl3,CCl3F)δ(ppm):−78.8〜−81.5(12F,−CF3)、−100.0〜−129.2(16F,−CF2−)、−176.9〜−178.3(2F,−CF−)。
Mass(EI method)m/z:581,481,431,381,331,281,243,231,219,193,169,143,131,119,100,93,69,50,31。
Mass(CI method)m/z:581,481,459,369,331,281,231,219,197,169,143,131,119,100,93,69,50,47。
(Calculated exact mass of C14F30:738.10)。
底部にバルブを備え、本体に冷却水流通用ジャケットを備えた内容積50mLのガラス製バイアルに、メカニカルスターラー、撹拌翼、シリンジポンプ、及び内温計を設置した。バイアル中にカーボン板を陽極、白金板を陰極として2cmの間隔で平行に設置した。溶液中に浸された陽極と陰極の面積は2.25cm2であった。本体に備えたジャケットには0℃に冷却した冷媒を循環させた。
化合物(A−2b)(18.2g)、水酸化ナトリウム(1.73g)、アセトニトリル(5mL)、およびイオン交換水(32mL)を仕込み、激しく撹拌して化合物(A−1b)を生成させながら0.3Aの電流値において通電した。電流密度は0.13A/cm2であり、総電荷量は252mFであり、陽極−陰極間の電圧は9.8〜10.8Vであった。通電開始時から総電荷210mFまでの間、化合物(A−2b)をシリンジポンプを用いて3.9g/h(9.3mmol/h)の速度で連続添加した。化合物(A−2b)の添加量は91.0gであり、総使用量は109gであった。
反応の進行と共に粗生成物がフラスコ底部に沈降したので、適時、底部のバルブより抜き出しながら反応を継続した。回収した粗生成物の合計量は85.1gであった。粗生成物をGCにより分析した結果、化合物(A−2b)の転化率は97.4%となった。化合物(Bb)の選択率は97.1%であり、GC収率は94.6%であった。
CF3CF2CF2CF2CF(C2F5)COF(A−3b)→化合物(Bb)
コンデンサを備えた内容積100mLのガラス製高圧水銀灯反応器(光源は石英製のジャケットを有す)に撹拌子を入れ、化合物(A−3b)(140.7g)を仕込んだ。反応液中の溶存酸素を除くため、アルゴン気流下で、1時間加熱還流を行った。次いで石英製ジャケット内に冷却水を循環させて光源を冷却しながら、室温で27時間の光照射を実施した。光照射終了後、粗液(135.7g)を回収した、粗液における化合物(Bb)のGC純度は2.4%であり、化合物(A−3b)が95.5%残存していた。化合物(A−3b)の転化率は3.9%であり、化合物(Bb)の選択率は67.4%であった。
化合物(A−2b)→化合物(Bb)
底部にバルブを備え、本体に冷却水流通用ジャケットを備えた内容積50mLのガラス製バイアルに、メカニカルスターラー、撹拌翼、及び内温計を設置する。バイアル中にカーボン板を陽極、白金板を陰極として2cmの間隔で平行に設置する。溶液中に浸された陽極と陰極の面積は2.25cm2である。本体に備えたジャケットには0℃に冷却した冷媒を循環させる。
化合物(A−2b)(16.6g)、アセトニトリル(5mL)、およびイオン交換水(30mL)を仕込み、激しく撹拌しながら0.3Aの電流値において通電する。電流密度は0.13A/cm2であり、総電荷量は40mFであり、陽極−陰極間の電圧は9.8〜10.8Vである。
反応終了後、粗液を底部のバルブより抜き出す。回収した粗生成物の合計量は12.5gである。粗生成物をGCにより分析した結果、化合物(A−2b)の転化率は85.1%となる。化合物(Bb)の選択率は95.3%であり、GC収率は80.5%である。
ニッケル製1リットルオートクレーブを−760Torrまで減圧した後、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)(CF2=CFOCF2CF2CF=CF2)の環化重合体(数平均分子量は1.5×103 。厚さ200μmの圧縮成型フィルムの赤外吸収スペクトルでは1883cm−1に強い特性吸収があった。200nmにおける光線透過率は65%以下。以下、重合体(P)という。)を化合物(Bb)中に溶解し、濃度6重量%に調整した溶液1000gを減圧仕込みする。その系内に窒素ガスで濃度20%に希釈したフッ素ガスを0.7MPa・Gまで導入し、195℃で10時間撹拌しながら処理を行い重合体(P’)を得る。この重合体(P’)の厚さ200μmの圧縮成形フィルムの赤外吸収スペクトルを測定すると、1883cm−1の特性吸収は認められない。また200nmにおける光線透過率は、90%以上になる。
例6における化合物(A−2b)を、例5で得た化合物(A−2a)に変更して例6と同様に反応を行うことにより化合物(Ba)を得た。化合物(A−2a)の転化率は90.2%となった。化合物(Ba)の選択率は96.7%であり、GC収率は89.3%であった。
粗液を減圧蒸留し、化合物(Ba)を留分として回収した。留分のGC純度は99.5%であった。化合物(Ba)の構造は19F−NMRスペクトルおよびGC−MSスペクトル分析により、同定した。
例10の化合物(Bb)を例11で得た化合物(Ba)に変更し、例11と同様の方法で重合体(P)のフッ素化反応を行う。重合体(P’)の厚さ200μmの圧縮成形フィルムの赤外吸収スペクトルを測定すると、1883cm−1の特性吸収は認められない。また200nmにおける光線透過率は、90%以上になる。
Claims (8)
- 下式(A−1)で表される化合物、下式(A−2)で表される化合物、および下式(A−3)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物の2分子を、電解カップリング反応させることを特徴とする下式(B)で表される化合物の製造方法。
RF1COOM・・・(A−1)
RF1COOH・・・(A−2)
RF1COF・・・(A−3)
RF1−RF1・・・(B)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
RF1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
M:アルカリ金属原子。 - 式(A−1)で表される化合物の2分子を電解カップリング反応させる、請求項1に記載の製造方法。
- 下式(A−3)で表される化合物を相溶化剤の存在下に水と反応させて下式(A−2)で表される化合物とし、下式(A−2)で表される化合物にアルカリ金属水酸化物を反応させて下式(A−1)で表される化合物、または下式(A−1)で表される化合物と下式(A−2)で表される化合物との混合物を得て、つぎに、下式(A−1)で表される化合物および下式(A−2)で表される化合物から選ばれる化合物の2分子を電解カップリング反応させることを特徴とする下式(B)で表される化合物の製造方法。
RF1COOM・・・(A−1)
RF1COOH・・・(A−2)
RF1COF・・・(A−3)
RF1−RF1・・・(B)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
RF1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
M:アルカリ金属原子。 - RF1が、結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のペルフルオロアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- RF1が下式(C−1)で表される基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
RF1aRF1bCX−・・・(C−1)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
RF1a、RF1b:それぞれ独立してフルオロアルキル基を示し、RF1aおよびRF1bの炭素数の総数は2〜15。
X:水素原子またはフッ素原子。 - RF1aおよびRF1bがそれぞれ独立してペルフルオロアルキル基を示し、RF1aの炭素数が1または2であり、RF1bの炭素数が3〜5であり、Xがフッ素原子である請求項5に記載の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法により下式(B)で表される化合物を得て、つぎに該式(B)で表される化合物中に下記重合体(P)が溶解および/または分散してなる重合体(P)と下式(B)で表される化合物とを含む組成物を得て、つぎに、該組成物にフッ素を導入することにより該重合体(P)をフッ素化して下記重合体(P’)を得る、紫外光透過性に優れた含フッ素重合体(P’)の製造方法。
RF1−RF1・・・(B)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
RF1:結合末端の炭素原子に分岐鎖を有する炭素数3〜16のフルオロアルキル基。
重合体(P):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体。
重合体(P’):主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体であり、厚さ0.25〜0.30mmのフィルムの波長200nmにおける光線透過率が90%以上である重合体。
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JPS6388143A (ja) * | 1986-10-01 | 1988-04-19 | Shinakita Kasei Kk | フツ素系不活性液体組成物 |
WO1994029498A1 (fr) * | 1993-06-10 | 1994-12-22 | Daikin Industries, Ltd. | Procede de production de 1,4-dihydroperfluorobutane |
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- 2008-04-25 JP JP2008115832A patent/JP5428191B2/ja active Active
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JPS6388143A (ja) * | 1986-10-01 | 1988-04-19 | Shinakita Kasei Kk | フツ素系不活性液体組成物 |
WO1994029498A1 (fr) * | 1993-06-10 | 1994-12-22 | Daikin Industries, Ltd. | Procede de production de 1,4-dihydroperfluorobutane |
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