JP2004335787A - 積層基板およびその製造方法 - Google Patents

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孝二 小岩井
Masayuki Naoe
正幸 直江
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清志 田中
Hideki Akaha
秀樹 赤羽
Jun Kinoshita
順 木下
Hisakazu Nagata
久和 永田
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Abstract

【課題】露光処理や異種材料同士の接合などのような複雑な工程を不要にすることにより、誘導性素子、容量性素子、または抵抗性素子等の各種素子の機能を容易に内蔵可能にして、安価に小型化・低背化・高機能化を達成することのできる積層基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】複数のグリーンシートを積層して構成され、所定の回路を内蔵した積層基板であって、前記回路は、導体パターンと、電気的特性を発現する機能部とからなり、前記機能部は、グリーンシートの一部に前記電気的特性を発現する材料を含浸させることにより形成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層基板およびその製造方法に係り、特に、小型の電子機器に搭載するのに適した、複数の回路素子を内蔵した積層基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の各種電子機器、特に携帯電話機などの小型電子機器においては、高機能化が急速に進展していることから、各種機能を有する電子部品や回路部品を搭載した回路基板に対しても小型化・低背化・高機能化が同時に要求されている。
【0003】
このような要求に応えるべく、回路基板においては、多層化を図ることが行われており、多層基板内に各種素子を内蔵させることにより、小型化・低背化・高機能化を実現することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−103170号公報
【特許文献2】
特開2002−271038号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の公報に記載の多層回路基板にあっては、露光処理などにより基板に溝や貫通孔を形成した後に、その溝や貫通孔の内部に抵抗材料や導体材料を充填するとともに、基板表面に導体材料を印刷し、このようにして作製した複数枚の基板を積層して多層化している。
【0006】
また、後者の公報に記載の多層回路基板にあっては、異種の機能性材料を積層(接合)してブロック形状に形成した後に、基板形状に切断したり、基板表面に搭載した各種電子部品や回路素子を対面する基板内部に埋め込ませて多層化している。
【0007】
すなわち、このような従来の多層回路基板にあっては、多層回路基板内に各種機能を組み込むために複雑な工程が必要であり、さらに、材料毎の収縮率が異なることに起因するデラミネーションやクラックの発生を抑止することが困難である。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みて為されたもので、露光処理や異種材料同士の接合などのような複雑な工程を不要にすることにより、誘導性素子、容量性素子、または抵抗性素子等の各種素子の機能を容易に内蔵可能にして、安価に小型化・低背化・高機能化を達成することのできる積層基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の積層基板は、複数のグリーンシートを積層して構成され、所定の回路を内蔵した積層基板であって、前記回路は、導体パターンと、電気的特性を発現する機能部とからなり、前記機能部は、グリーンシートの一部に前記電気的特性を発現する材料を含浸させることにより形成したことを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、所望の電気的特性を発現する材料を多孔性セラミック基板内に含浸させるだけで、基板の所望の部分を改質し、所定の特性を発現させることができる。したがって、露光処理や異種材料同士の接合などによらずに、多孔性セラミック基板内部に含浸させた材料で所望の電気的特性を発現する改質部分を基板に形成することができる。
【0011】
この発明では、前記導体パターンは、前記機能部と接続する平面導体パターンと、該平面導体パターンと接続する接続導体パターンと、該接続導体パターンと接続する貫通導体パターンとからなることにより、基板の多層化を図ることができる。また、前記材料を構成する粉体の粒径は、多孔質の前記グリーンシートの空隙部よりも小さいことにより、前記基板内への浸透性が高く作業性に優れる。さらに、前記機能部は、前記導体パターンと組み合わせて、誘導特性、容量特性、または抵抗特性を有する領域を形成することができる。
【0012】
上記課題を解決する本発明の積層基板の製造方法は、多孔質グリーンシートを作製し、電気的特性を発現する材料を前記多孔質グリーンシートの所要の箇所に含浸させて機能部を構成し、前記機能部と接続する導体パターンを形成し、当該グリーンシートを複数層積層して焼成することを特徴とするものである。
【0013】
この発明によれば、多孔質グリーンシート内に所望の機能を発現する材料を含浸させて導体パターンを配置して複数層積層するだけで、多層の積層基板の所望の位置に所望の機能領域を配置することができる。したがって、露光処理や異種材料同士の接合などによらずに、セラミックグリーンシートに含浸させた材料で所望の電気的特性を有する領域を容易かつ信頼性高く多層の基板に形成して配置することができる。
【0014】
また、この発明では、電気的特性を発現する材料を含むペーストの粘度に対して、前記導体パターンを形成するペーストの粘度が高いものを用いることにより、各層間の絶縁性の低下や導体パターンの抵抗値の上昇を回避することができる。
この電気的特性は、誘導特性、容量特性、抵抗特性のいずれかである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1および図2は本発明に係る積層基板およびその製造方法の一実施形態を示す図である。
【0016】
まず、積層基板の構成を説明する。図1において、積層基板10には、各種機能素子(受動素子)の機能を部分的に有するセラミックの層11を積層(多層化)することにより三次元的な回路が構成されている。
【0017】
セラミックの層11自体は、ある程度の通気性を確保した多孔質セラミックス基板により作製されている。
【0018】
各セラミックの層11には、所望の電気的特性を発現する機能性材料、例えば、磁性材料、誘電性材料、抵抗性材料などを含む材料ペーストを多孔性セラミック基板(層)に浸透させて、基板に含浸させる。これにより、セラミックの層11の一部を改質して、磁性体(誘導特性)12、誘電体(容量特性)13、抵抗体(抵抗特性)14の受動部品の特性を発現する機能部を形成している。
【0019】
すなわち、セラミックの層11は、例えば、後述する製造方法で具体的に説明するように、セラミック多孔質体の空隙部の最大値が機能性材料粉体の粒径よりも大きくなるように設定されており、これにより、その機能性材料を容易に含浸させることができる。
【0020】
このセラミックの層11の磁性体12、誘電体13、抵抗体14は、同一平面内では平面導体パターン15により接触接続されていて、誘導特性領域、容量特性領域、または抵抗特性領域が形成される。平面導体パターン15は接続導体パターン16に接続され、また他の平面導体パターン、貫通導体パターン17および図示しない外部電極との導通接続を可能にしている。また、積層基板10における階層間は、セラミックの層11の表裏を貫通する貫通導体パターン17により各層の接続導体パターン16が互いに導通接続されている。
【0021】
ここで、磁性体12、誘電体13および抵抗体14等の機能特性領域は、階層化する回路パターンの積層時の位置関係に応じて、セラミックの層11の表裏に露出するように機能性材料ペーストの粘度を調整して含浸させることにより形成される。反対に、これら機能特性領域は、セラミックの層11の表面または裏面の一方側で導体パターンに接触接続させない場合には、その一方の面に露出しないように機能性材料ペーストの粘度等を調整して含浸させることもできる。磁性体12および誘電体13の場合は、表裏に露出するようにその領域を形成することが好ましいが、抵抗体14の場合には抵抗値等に対応して浅くその片面のみに領域を形成することが好ましい場合もある。
【0022】
また、平面導体パターン15および接続導体パターン16は、セラミックの層11の表面に導電性材料ペーストを印刷することにより形成される。平面導体パターン15は、磁性体12、誘電体13および抵抗体14の領域と平面内で接触・接続することで、上述したように回路素子を構成する。また、貫通導体パターン17は、セラミックの層11の表裏を貫通させるように貫通孔11a内に導電性材料ペーストをディスペンサ等により充填することにより形成される。
【0023】
ここで、これら導体パターン15〜17は、セラミックの層11の内部に浸透させないように、磁性体12などを形成する機能性材料ペーストよりも導電性材料ペーストの粘度を高く設定して、セラミックの層11の表面にスクリーン印刷などにより形成されている。これにより、導体パターン15〜17からなる配線パターンを精度よく、各層の表面のみに形成することができる。
【0024】
次に、この積層基板10の製造方法について、図2を用いて説明する。
【0025】
まず、セラミックのグリーンシート21を作製する。例えば、粒径が0.1〜3.0μmのセラミック粉体と、バインダと、可塑剤と、溶剤とを準備する。そして、このセラミック粉体の100重量部に対してバインダ、可塑剤および溶剤を合わせたビヒクルが約70重量部になるように調合し、ジルコニア製ボールと共に樹脂製ボールミル内に投入して湿式混合した後に、そのジルコニア製ボールを取り出してスラリーを得る。このスラリーをドクターブレード方式によりシート状に成形する装置内に投入して、搬出されるシートをある程度乾燥させることにより多孔質のグリーンシート21を作製する。
【0026】
ここで、グリーンシート21は、上記条件により作製することにより、0.1〜10μm程度の空隙部が内部に一様に形成された多孔質シートになっている。なお、このグリーンシート21は、基準空気圧を1インチ平方のシートに吹き掛けたときに100mlの空気が通過する時間を計測するガーレデンソメータを用いて多孔性(通気性)を測定・評価したところ、50μm厚シートで1100〜1200secの通気性を有していた。また、グリーンシート21は、シートに含まれる物質の理論密度が4.6g/cmであるのに対して、実測したシート密度は3.5g/cmであったことから、気孔率は24%(3.5/4.6=0.76)と算出することができ、約20〜30%程度で分布しているものと考えられる。
【0027】
また、セラミックの層11に含浸させる機能性材料ペースト(改質材料ペースト)を作製するために、多孔質グリーンシート21の空隙部の最大値10μmよりも粒径の小さい0.5μm以下(より好ましくは0.1μm以下)の材料粉体(改質粉体)と、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノンなどの溶剤とを準備する。そして、材料粉体の100重量部に対して、溶剤が30〜50重量部になるように計量して混合することにより、均一に材料粉体の分散した粘度0.5〜10mPa・sの材料ペーストを得る。これにより、材料ペーストは、大きさが0.1〜10μmのグリーンシート21の空隙部内に、粒径0.5μm以下の材料粉体を浸透させて、そのグリーンシート21内に染み込ませる(含浸させる)ことができる。
【0028】
このとき、材料粉体として、例えば、磁性体12用にはNiZnフェライトやMnZnフェライトなどのフェライト系の磁性材料粉体を用いる。誘電体13用にはBaTiOの誘電材料粉体を用いる。また、抵抗体14用にはRuOの抵抗材料粉体を用いる。そして、これら材料粉体を溶剤内に混合・分散させた機能性材料ペーストを適量、ディスペンサを用いてグリーンシート21上に塗布し、グリーンシート21の内部に浸透させて、後工程において焼成することにより、グリーンシート21の一部に各種機能特性領域を形成できる。
【0029】
なお、このときに、機能性材料ペースト22〜24がスムーズにグリーンシート21内に染み込むには、グリーンシート21に用いる樹脂の種類に応じた溶剤を選定する必要がある。例えば、アクリル系樹脂の場合には2−ブタノンや4−メチル−2−ペンタノン等のケトンがよく、また、ポリビニルブチラール系樹脂の場合にはトルエンとアルコールと2−ブタノンを組み合わせた芳香族とアルコールとケトンの混合溶剤が適している。
【0030】
また、セラミックの層11に形成する配線パターン用の導電性材料ペースト30を作製するために、粒径が0.1〜3μmのAgの粉体材料と、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの溶剤と、エチルセルロースなどの樹脂材料とを準備する。そして、Ag粉体材料の100重量部に対して、溶剤が32重量部になるように、また、樹脂材料が3重量部になるように計量して混合する。そして、十分に混練することにより、均一にAg粉体材料が分散した粘度40〜100Pa・sの導電性材料ペースト30を得る。これにより、導電性材料ペースト30は、グリーンシート21の空隙部内に浸透し難い粘度となる。なお、このペースト粘度は、ブルックフィールド粘度計を用いて、測定速度100rpmで計測した。
【0031】
このようにして、グリーンシート21を作製準備すると共に、機能性材料ペースト22〜24および導電性材料ペースト30を準備する(準備工程)。
【0032】
この準備工程の後に、図2(a)および図2(b)に示すように、セラミックの層11内の貫通孔11aに対応するグリーンシート21の箇所に、レーザパンチングによるビアを穿孔して貫通孔21aを形成し、その貫通孔21a内に導電性材料ペースト30を例えばディスペンサにより充填する(充填工程)。また、この充填はスクリーン印刷を用いて行ってもよい。
【0033】
また、セラミックの層11内に搭載する機能素子、例えば、磁性体12を形成する場合には、図2(a)に示すように、グリーンシート21の対応する範囲(パターン)に磁性材料ペースト22を不図示のディスペンサまたはスクリーン印刷により塗布して浸透(含浸)させることにより、そのグリーンシート21の一部を改質する。そして、同様に、誘電体13を形成する場合には、図2(b)に示すように、グリーンシート21の対応する範囲に誘電材料ペースト23をディスペンサまたはスクリーン印刷により塗布して浸透させることにより、そのグリーンシート21の一部を改質する。また、図示することは省略するが、抵抗体14を形成する場合には、グリーンシート21の対応する範囲に抵抗材料ペースト24をディスペンサまたはスクリーン印刷により塗布して浸透させることによりそのグリーンシート21の一部を改質する(塗布工程)。
【0034】
このような充填・塗布工程を複数のグリーンシートについて繰り返すことにより、それぞれのグリーンシート21に貫通孔21aを形成して導電性材料ペースト30を充填するとともに、そのグリーンシート21に各種材料ペースト22〜24を塗布・浸透させる。このとき、機能性材料ペースト22〜24にはグリーンシート21の空隙部の最大値10μmよりも十分に小さい0.5μm以下の粒径の粉体材料を採用しているため、この機能性材料ペースト22〜24はグリーンシート21の塗布面に対して背面側まで容易に浸透する。なお、図示の例ではグリーンシートを貫通するように各材料を浸透させる例について示したが、貫通させずに表面側または裏面側から浅く部分的に浸透させるようにしてもよい。
【0035】
ここで、この充填・塗布工程においては、例えばディスペンサを用いることにより、機能性材料ペースト22〜24の吐出量を容易に変更することができ、特性を調整することができる。具体的には、ディスペンサによる機能性材料ペースト22〜24の1回分の吐出量を調整したり、同じ範囲に複数回に分けて機能性材料ペースト22〜24を吐出するなどして、基板11の改質の程度(獲得特性)や改質の深度を制御することができる。また、基板11の改質の程度や改質の深度は、その機能性材料ペースト22〜24に含まれる材料粉体の種類や粒径を調整したり、機能性材料ペースト22〜24の粘性やグリーンシート21との親和性などを調整することによっても制御することができる。
【0036】
次いで、図2(c)に示すように、セラミックの層11の平面導体パターン15や接続導体パターン16に対応するグリーンシート21の範囲に、導電性材料ペースト30を不図示のスクリーン印刷機により印刷して配線パターンを形成する(印刷工程)。このとき、導電性材料ペースト30は、機能性材料ペースト22〜24がグリーンシート21内に容易に浸透可能な粘度0.5〜10mPa・sに調整されているのに対して、粘度40〜100Pa・sに調整してグリーンシート21内に浸透し難くしている。このため、グリーンシート21の内部に浸透せず、機能性材料ペースト22〜24と混合して各種電気的特性が所望の設定値からずれてしまったり、基板内部に浸透して隣接する基板間の絶縁性が低下してしまったり、配線パターン自体の導通抵抗値が不必要に上がってしまうことを回避している。
【0037】
次いで、図2(d)に示すように、作製した複数のグリーンシート21を重ね合わせて不図示の圧力プレス機により、例えば90℃・30分の条件で熱圧着させて積層体とする(積層工程)。これにより、各種機能性材料ペースト22〜24および導電性材料ペースト30のパターンを内包した多層の積層体を仮形成する。このとき、機能性材料ペースト22〜24はグリーンシート21内に含浸されており、また、導電性材料ペースト30もその表面に印刷されているだけなので、グリーンシート21の表面に大きく突出して積層し難くしてしまうことがない。
【0038】
次いで、焼成後に多層積層基板10の製品寸法に破断(切断)分割するための溝をその焼成前の積層体に形成するハーフカット処理を施す。このとき、例えば、製品寸法が40×20×3(mm)などと予め決められているので、このハーフカット処理する際の寸法は焼成後の収縮を考慮して設定する。
【0039】
次いで、積層体の脱脂処理を行った後に、その積層体を例えば860℃・1時間の条件で焼成し、この焼成品をハーフカット処理した破断用溝に沿って分割する(焼成・分割工程)。
【0040】
次いで、その焼成体の表面の電極部にめっきを施して、この後に、検査等の仕上げ工程を経ることにより、磁性体12、誘電体13および抵抗体14を導体パターン15〜17により導通接続した積層基板10が完成する(仕上げ工程)。
【0041】
このように本実施形態においては、多孔質グリーンシート21に機能性材料ペースト22〜24を含浸させるとともに導電性材料ペースト30の配線パターンを形成した後に、そのグリーンシート21を積層して焼成するだけで、磁性体12や誘電体13や抵抗体14などからなる回路を積層化して構成することができる。
【0042】
したがって、露光処理や異種材料同士の接合などという複雑な工程によらずに多機能の回路パターンを作製することができ、また、磁性体12などはセラミックの層11の表裏で導体パターンに対して導通接続可能であることから、簡素な配線パターンで回路構成することができる。さらに、磁性体12などの素子領域はセラミックの層11内の多孔質部(空隙部)に含浸させて形成しているので、機能性材料の収縮率が異なるために発生するデラミネーションやクラックを抑制することができる。この結果、小型化・低背化・高機能化させた積層基板10を安価に且つ簡易に製造することができる。
【0043】
なお、上記実施形態は本発明の実施例の一態様を述べたもので、本発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形実施例が可能なことは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、所望の機能を発現する材料を多孔性セラミック基板内に含浸させるだけで、基板内部の所望の位置に回路素子を形成することができる。したがって、コンパクト且つ経済的に積層基板の小型化・低背化・高機能化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層基板の一実施形態を示す図であり、その概略構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係る積層基板の製造方法の一実施形態を示す図であり、その各工程における縦断面図である。
【符号の説明】
10 積層基板
11 セラミックの層
11a 貫通孔
12 磁性体
13 誘電体
14 抵抗体
15 平面導体パターン
16 接続導体パターン
17 貫通導体パターン
21 グリーンシート
21a 貫通孔
22 磁性材料ペースト
23 誘電材料ペースト
24 抵抗材料ペースト
30 導電性材料ペースト

Claims (8)

  1. 複数のグリーンシートを積層して構成され、所定の回路を内蔵した積層基板であって、
    前記回路は、導体パターンと、電気的特性を発現する機能部とからなり、
    前記機能部は、グリーンシートの一部に前記電気的特性を発現する材料を含浸させることにより形成したことを特徴とする積層基板。
  2. 前記導体パターンは、前記機能部と接続する平面導体パターンと、該平面導体パターンと接続する接続導体パターンと、該接続導体パターンと接続する貫通導体パターンとからなることを特徴とする請求項1記載の積層基板。
  3. 前記材料を構成する粉体の粒径は、多孔質の前記グリーンシートの空隙部よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の積層基板。
  4. 前記機能部は前記グリーンシートの表裏間にわたって形成されていることを特徴とする請求項1記載の積層基板。
  5. 前記電気的特性は、誘導特性、容量特性、抵抗特性のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層基板。
  6. 多孔質グリーンシートを作製し、
    電気的特性を発現する材料を前記多孔質グリーンシートの所要の箇所に含浸させて機能部を構成し、
    前記機能部と接続する導体パターンを形成し、
    当該グリーンシートを複数層積層して焼成することを特徴とする積層基板の製造方法。
  7. 電気的特性を発現する材料を含むペーストの粘度に対して、前記導体パターンを形成するペーストの粘度が高いものを用いることを特徴とする請求項6記載の積層基板の製造方法。
  8. 前記電気的特性は、誘導特性、容量特性、抵抗特性のいずれかであることを特徴とする請求項6または7に記載の積層基板の製造方法。
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