JP2004327430A - 押圧操作型スイッチユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケース39にゴム材のプッシャ38、クリック板37、2段目スイッチとしてのメンブレンスイッチ36s、補強板35、複数の1段目スイッチシート34sが構成されたメンブレンシート34、キー操作ベース33、ノブ32が順次組み込まれ、ノブ32は内面に各メンブレンスイッチ36sと接触する突部32bを備えた複数の押圧部32aを有し、周縁部32dがケース39の上面に支持される。ノブ32の押圧部32aを除く部分は薄肉とされ、その薄肉部32cは熱可塑性エラストマもしくはシリコンゴムよりなる。ノブ32、キー操作ベース22、補強板35は互いに固定されている。押圧部32aを押圧すると、そのまわりの薄肉部32cが撓み、これによりメンブレンスイッチ34sが突部32bによって押圧されてスイッチがオンとなり、更に押圧すると、補強板35が移動して、クリック板37が反転してスイッチ36sがオンになる。
【選択図】図4
Description
表面シート3eに複数の押圧領域3pが配列して設けられ、これら押圧領域3pにキー識別記号、図では番号「1」、「2」…,「8」が付けられている。各押圧領域3pと対向するメンブレンシート6の各領域はメンブレンスイッチ6sとされている。つまり2枚のポリエチレンフィルムのような可撓性フィルム6a及び6bがスペーサ6cを介して積層されて、各押圧領域3pごとにスイッチ部とされ、その各スイッチ部内においてそれぞれフィルム6aに固定接点6d及び6eが形成され、またフィルム6bに接点6d及び6eと対向して可動接点6fが形成され、これらにてメンブレンスイッチ6sが形成される。
キートップ3の表面押圧領域3pを選択的に押圧すると、これと対向するメンブレンスイッチ6sの可動接点6fが両固定接点6d及び6eと接触して、スイッチがオンとなる。更にキートップ3を押すと、キートップ3が図3Bに示すように回動して、キートップ3の側壁3gの一辺より延長された押圧部3aが、ケース2の裏面板2bの内面に取り付けられたタクトスイッチ7を押圧されて、タクトスイッチ7がオンになる。
このような2段スイッチは例えば最初に選択的に仮入力し、これを確認後、本当の入力をする場合に用いられる。しかし1段目スイッチを入力したい場合にそのオン荷重が比較的大きいと、誤って2段目スイッチをオンにしてしまうおそれがあった。また例えば携帯電話機や車載電装機器などにおいて、表示画面にメニューを表示し、そのメニュー中の一つの項目を対応するキーにより選択し、その選択に基づき、いずれの項目が選択されたかを前記表示画面に表示し、この表示を利用者が確認して正しい場合にその項目に対する本当の選択操作のためのキー入力を行う。このようにすればキー操作面図1の例では表面シート3e上のスイッチ識別表示を見ることなく、適当にキー(押圧領域3p)を軽く押してみるとメニューの項目中の、その押された押圧領域3pのスイッチ識別表示と対する一つの色が赤に変り、その項目を選択したことが、スイッチ識別表示を目で確認することなく、知ることができ、それが選択したい項目と異なっていれば他の押圧領域3pを軽く押圧し、選択したい項目であれば、キーを更に押圧すれば、その項目に対する入力操作が行われる。つまりキー操作面を見ることなく、表示画面のみを見ていてメニュー選択を正しく行うことができ、例えば自動車を運転しながら車内空調の操作、CDプレイヤやDVDプレイヤの制御、ラジオ放送の受信などの選択操作、テレビジョン受信表示や道路自動案内表示などの選択操作などを行うことができる。
この従来の押圧操作型スイッチユニットは押圧部60が取り付けられた可撓性シート61はクッション部材62に固定されているため、押圧部60に対する押圧力が可撓性シート61に対し直角方向からずれると、クリック板64に対する駆動が良好に行われなくなる。また押圧部60の一端部が押圧されると、図23Cに示すようにクッション部材62のその押圧された端部側が大きく圧縮され、他方の側は伸張し、駆動部63が基板65に対して比較的大きく傾斜し、クリック板64に対する駆動が良好に行われない。つまりいずれの場合も、クリック板64を反転させるための荷重が正常な押圧に対し大きくなり、クリック感が悪くなり、極端な場合は反転が生じないことがあり、またクリック板64の寿命を短くするなどの問題があった。
従来の1段操作の押圧操作型スイッチユニットの他の例を図24及び図25を参照して説明する。ケース71の表面板71aの開口71bより外部に臨んでいる押圧部72をケース71内に押圧すると、ケース71内に一体に形成されている筒状案内部71cの案内溝71dに、押圧部72の周面に形成されている突条72aが案内されて、ケース71の裏面板71eと直角に裏面板71e側に移動する。この移動により裏面板71eの内面中央部に取付けられたタクトスイッチ73のアクチュエータ73aが、押圧部72の天板内面中央部に形成された突部72cにより、スイッチケース73b内に押し込まれ、内部のばねが反転してタクトスイッチ73がスイッチオンになる。押圧部72に対する押圧力を解除するとタクトスイッチ73内のばねの弾性復元力により形状が復帰すると共に、押圧部72も元の位置に戻される。なおケース71の裏面板71eは取り外し自在とされ、ねじ74が裏面板71eの孔71fに挿通されて、ケース71の側壁71iの端面に形成された孔71gにねじ込まれて裏面板71eが側壁71iに固定されている。
この発明の他の目的は押圧方向のずれ、片寄った押圧に影響され難い押圧操作型スイッチユニットを提供することにある。
この発明の第1実施形態は押圧操作型の2段スイッチユニットであって弾性シートの周縁部をケースに保持させたものである。
この第1実施形態を図4を参照して簡単に説明する。ケース39内の裏面板39h上に、この例では2段目スイッチ36が配され、2段目スイッチ36上に補強板35が配される。補強板35上に複数の1段目スイッチ34sが配される。補強板35の1段目スイッチ34s側にキー操作ベース33が配される。キー操作ベース33には各1段目スイッチ34sと対応する部分は押圧用孔33aが貫通形成されている。キー操作ベース33の表側にノブ32が配されている。
第1実施例
第1実施形態の具体的第1実施例を以下に説明する。なお以下この明細書において全ての図面中の対応する部分には同一参照番号を付けてなるべく重複説明は省略する。
カバー(表面板)31は金属板に所要の加工が施されて形成され、その方形状部31aには円形の開口31bが形成されている。方形部31aの各辺には脚が短かいU字状係止部31cが方形状部31aと垂直に裏面板39h側に折り曲げ伸長されている。
ノブ32は方形状の前記弾性シート32cが周縁部32dを残してカバー31の開口31bより外側に円形の天面とされ、その天面にはこの例では5つの押圧部32aが突出形成されている。中央に位置する押圧部32aは円形とされ、これを挟んで前後左右に位置する押圧部32aは三角形状とされている。各押圧部32aの各内面は図4に示すように弾性シート32cよりも裏面板39h側にも出ており、その突出端面中央部にそれぞれ小突部32bが形成されている。この例では押圧部32aと小突部32bと弾性シート32cは熱可塑性エラストマによって一体成形されており、即ち極めて柔軟な材料によって構成されている。
2段目スイッチ36としてこの例では図3中に示したメンブレンスイッチ6sと同様構成のスイッチ本体36sとクリック板37とプッシャ38とを備えた場合である。スイッチ本体としてのメンブレンスイッチ36sが構成されているメンブレンシート40は図6においてはメンブレンシート34と分け、離間して示しているが、これらは図4に示すように連結部40aを介して一体形成され、その連結部40aが折り曲げられて補強板35の両面にメンブレンシート34と40が位置される。このスイッチ本体としてのメンブレンスイッチ36sも図4では空白部分で示している(以下も同様である)。
更に2段目スイッチ36に対する押圧を解除すると復帰力が自動的に作用するようにクリック板37と裏面板39hとの間にプッシャ38が介在される。プッシャ38は例えばゴム製とされ、方形状平板部38aの中央にはドーム部38bが裏面板39h側に突出して形成され、そのドーム部38bの突出中央内面に突起38cがクリック板37側に突出形成されている。
またメンブレンシート40のメンブレンスイッチ(スイッチ本体)36sと、クリック板37及びプッシャ38を互いに位置決め固定するために、この例ではプッシャ38の平板部38aには一対のボス38dが形成され、これらボス38dが挿通される穴が補強板35、メンブレンシート34及びキー操作ベース33に形成されている。図6中、34d及び33bはそれら穴を示す。なお、補強板35におけるボス38dが挿通される穴は隠れて見えない。
まず、ノブ組み立てについて順を追って説明する。
(1)先に述べたようにノブ32とキー操作ベース33は成形により一体化され、そのキー操作ベース33の裏面側にメンブレンシート34及び補強板35を固定する。この固定はメンブレンシート34の一対の穴34c及び補強板35の一対の穴35aにキー操作ベース33の裏面側に形成されているボスを挿通し、ボスの先端を熱カシメすることによって行う。この組み立ての様子は、後で述べる第3実施例においてこれと同様の組み立て状態を示す図15を参照することにより、より明確になるであろう。
(3)メンブレンシート40の裏面側に、そのメンブレンスイッチ36sの位置に中心を一致させてクリック板37を、裏面側が凸になるようにして配置する。クリック板37は例えば接着テープで覆うことにより、メンブレンシート36に位置決め固定される。
(4)クリック板37の裏面側にプッシャ38を配置する。プッシャ38はその一対のボス38dが補強板35の穴、メンブレンシート34の穴34d及びキー操作ベース33の穴33bに順次挿通、圧入されてクリック板37に対して位置決めされると共にキー操作ベース33に固定される。これによりノブ組み立てが完了する。
最後に、カバー31が取り付けられ、2段スイッチユニットが完成する。カバー31の取り付けはその4つの係止部31cをケース39の係止突起39c,39eに係止させることによって行われる。
またこの図8に示した例では、ノブ32周縁部(弾性シートの周縁部)32dの穴32fのまわりのカバー31側にはリング状突条32gが形成されており、カバー31の方形状部31aはこのリング状突条32gでのみノブ32の周縁部32dと当接し、他の部分は周縁部32dとの間に若干の隙間が形成されている。
ノブ32、つまりその弾性シート32cがキー操作ベース33の表面側に配されてその周縁部32dがケース39に支持され、ケース39の開口をノブ32でほぼ塞いだ状態となり、この例では複数箇所(図では4箇所)でケース39に固定され、他の固定されていない部分は自由端とされる。
押圧されたプッシャ38はそのドーム部38bが図9Bに示したように押しつぶされて変形し、これによりプッシャ38の突起38cがクリック板37を押圧する。押圧されたクリック板37はその中央部の位置がクリック感を伴ってクリック板37の周縁部に対し反転し(以下その現象を単に反転という)、2段目スイッチ中のスイッチ本体としてのメンブレンスイッチ36sを押圧する。クリック板37によって押圧されたメンブレンスイッチ36sはその対向接点(図示せず)が互いに接触し、これにより2段目スイッチ36がオンとなる。
この例では1段目スイッチとしてのメンブレンスイッチ34sはスイッチユニットの内部に位置しているため、非常に薄い、例えばポリエチレンフィルムに接点をプリント配線技術により構成することができ、その反力を極めて小さくすることができる、また柔軟な熱可塑性エラストマよりなる弾性シート部32cのみを撓わますことによって、1段目スイッチがオンとなるため、1段目スイッチのオン荷重を極めて小さくすることができる。つまり、この2段スイッチユニットのキー操作面はキー操作ベース33によりノブ32が保持されて構成され、キー操作面上を指でなでるように移動させて押圧部に指を接触させる程度でも1段目スイッチをオンさせることができる。しかもノブ32はキー操作ベース35により外形形状が保たれ、外部物体と接触しても損傷するおそれがなく、かつキー操作面が保持される。
更に図示例では弾性シート32cの周縁部、つまりノブ32の周縁部32dはケース39にその全周縁が固定されるのではなく、複数点、この例ではケース39のボス39f部分の4点で位置決めされて固定されているのみであり、これにより周縁部32dは押圧方向には容易に弾性変形が可能であるが、押圧方向と直角方向、つまり裏面板39hと平行な方向への弾性変形はし難い、換言すればノブ32、キー操作ベース33及び補強板35は正常な押圧方向には変位し易く、正常な押圧方向と直角な方向には変位し難い構造となっている。従ってノブ32が押圧されると複数、この例では4点固定により適度な張力が周縁部32dに発生し、周辺にある押圧部32aを押圧操作しても、つまりノブ32を端押し操作してもプッシャ38と裏面板39hの接触点を中心とするキー操作ベース33の回転が生じ難く、かつノブ32が正常な押圧方向に対し斜めに押圧されても、キー操作ベース33の傾きが小さい状態で2段目スイッチを押圧することができ、その点で良好な感触と均一なストローク感が得られる。またキー操作面が熱可塑性エラストマよりなる弾性材のノブ32で構成されているため、手触りがよく、外観が皮革のような高級感が得られる付加的効果もある。
第2実施例
この第2実施例では部品点数を削減するために、図10に示すように側壁部39aはノブ32と一体成形され、弾性シート32c(ノブ32)の周縁部32dは側壁部39aの端面に全周で例えば一体成形されて固定される。断面U字状の冗長部32hが側壁部39aの内周に沿って弾性シート32c(ノブ32)の周縁部32dに形成されている。このため、周縁部32dの裏面板方向の弾性変形がより容易になり、かつ裏面板と平行な方向への弾性変形がし難く、つまりノブ32、キー操作ベース33及び補強板35は正常な押圧方向には変位し易く、正常な押圧方向と直角な方向には変位し難い。従ってノブ32を端押し操作してもノブ32、(キー操作ベース33及び補強板35)の傾きが生じなく、良好な感触と均一なストローク感で2段目スイッチを操作することができる。なおこの例ではケース39の裏面板39hは金属板により構成され、薄型化が図られている。弾性シート32cの周縁部32dの全周に亘るケース39への固定は、図4〜図8に示した例において、図8中のリング状突条32gを省略して、ケース39とカバー31により周縁部32dの全周を挟み保持してもよい。
[第2実施形態]
この発明の第2実施形態は例えば図11に図4と対応する断面を示すように、キー操作ベース33が弾性シート32cよりも表面側に設けられ、弾性シート32cがケースではなく、キー操作ベース33と補強板35とにより保持される点が第1実施形態と異なる。つまりキー操作ベース33には各押圧部32aと対応して押圧部用孔33cが形成され、押圧部32aはそれぞれ押圧部用孔33cを通してケース39内より表面側に臨んでいる。図11では球面の一部と同様な形状の押圧面32a2がキー操作ベース33の表面より外部へ出ている。押圧部32aの周面と押圧部用孔33cとの間隔は狭く、キー操作ベース33の表面とその押圧部用孔33cをほぼ塞ぐ押圧面32a2とによりキー操作面が構成され、この2段スイッチユニットの操作者がこのキー操作面を手の指で触れて押圧操作する。またキー操作ベース33ではなく、弾性シート32cが補強板35又はメンブレンシート34に接触されている。弾性シート32cはその周縁部32dがキー操作ベース33と補強板35とにより挟まれて弾性シート32cがたるみなく保持される。第2実施形態のその他の構成は、基本的には第1実施形態と同一でよい。次に第2実施形態の具体例を第3実施例により説明する。
第3実施例
第3実施例を図11〜図16に示す。この第3実施例ではケース39は第1実施例中のカバー31の代りに、側壁と一体に表面板39jが形成され、表面板39jに大きな円形開口39kが形成されている。この開口39kをほぼ塞ぐようにキー操作ベース33が配され、キー操作ベース33には各押圧部32aと対応した押圧部用孔33cが形成されている。この例では図12に示すように9個の押圧部用孔33cが、1個を中心とし、残り8個が同一円上に等間隔で形成されている。
2段目スイッチ36としてこの例ではタクトスイッチが用いられた場合を示す。タクトスイッチ36はアクチュエータ36aが外力によりスイッチケース36b内に押し込まれると、内部の弾性部材が形状反転してスイッチオンになり、この弾性部材の反転によりスイッチ操作の感触(クリック感)が得られ、外力をアクチュエータ36aから解除すると弾性復元力により弾性部材の形状が復元されてスイッチオフの状態になる。タクトスイッチ36は例えば登録実用新案公報第2557784号に示されている。
この第3実施例において、いずれかの押圧部32aがケース39内に押されると、まず図17Aに示すように、弾性シート32c中のその押圧部32aとこれと近い空隙形成部32jとの間の部分が弾性変形して(撓み)、対応する1段目メンブレンスイッチ34sが押圧されてオンとなる。この場合そのオン荷重は、柔軟性が極めて高い弾性シート32c及びメンブレンスイッ34sの反力のみであり、第1実施形態のものと同様に著しく小さいものとすることができる。
[第3実施形態]
この発明の第3実施形態は弾性シート自体が、ケース表面、つまりキー操作面とされ、かつ弾性シートの周縁部がケースとキー操作ベースとにより保持される。例えば図18に図4と対応する断面を示すように、ノブ32は表面板39jの開口39kより外部に臨み、その裏面側にキー操作ベース33が配され、このキー操作ベース33の周縁部に弾性シート32cの周縁部32dが保持される。キー操作ベース33の裏面側に、1段目スイッチ34sが設けられた補強板35が配され、この補強板35と裏面板39hとの間に2段目スイッチ手段36が介在される。つまり図11に対し、ノブ32とキー操作ベース33との位置が入れ替った状態となっている。以下にこの第3実施形態の具体例を第4実施例により説明する。
第4実施例
第4実施例を図18に示す。第4実施例においては、第3実施例に用いたキー操作ベース33とほぼ同一形状のキー操作ベース33が用いられ、このキー操作ベース33の表面側にノブ32が対接される、この例に示すノブ32は図10中に示したものと同様に押圧部32aと小突部32bが硬質樹脂により一体に形成され、各押圧部32aが熱可塑性エラストマの弾性シート32cの形成された挿通孔32iに挿通され、押圧部32aの表面側周面に形成されたつば32a1が弾性シート32cに接着されている場合である。押圧面32a2はつば32a1を含めて球面の一部の形状とされている。
各押圧部32aはキー操作ベース33の押圧部用孔33cに通されている。押圧部用孔33cは押圧部32aを中心とする同心円であり、かつ押圧部用孔33cの内周面と押圧部32aの周面との間隔は、この間に位置している弾性シート32cの部分が、押圧部32aに与えられる押圧が非常に弱い場合でも容易に撓むようにある程度大きくされ、この各間隔はほぼ同一値とされる。各押圧部32aの各小突部32bが1段目スイッチ、この例ではメンブレンスイッチ34sと接触又は近接していることは前記した何れの実施例とも同一である。つまりこの第4実施例は第2実施例に対し、主として弾性シート32cの保持の形態が異なる。なおキー操作ベース33及び補強板35との一体化は第3実施例と同様に行われる。
この状態で押圧部32aに対する押圧を解除すると、クリック板37の弾性復元力により補強板35が表面板39j側に押されて移動し、メンブレンスイッチ36sがオフになると共にメンブレンスイッチ34sもオフになる。
第3実施形態において弾性シート32cの周縁部32dはケース表面板39jの内面まで延長させることなく、キー操作ベース33の延長部33fに成形又は接着して固定してもよい。
[変形形態]
ノブ
第1実施例においてノブ32を図10中のノブ32と同様に押圧部32a及び小突部32bを硬質樹脂で構成し、その他を熱可塑性エラストマにより構成してもよい。あるいは図19Aに示すように、押圧部32aの弾性シート32cの表面より出ている部分32a3は硬質樹脂で構成し、それ以外の部分32a4及び小突部32bは弾性シート32cと一体に熱可塑性エラストマにより構成してもよい。
第3実施例においてノブ32を図19Bに示すように、押圧部32a、小突部32b、弾性シート32c及び空隙形成部32jを、全て熱可塑性エラストマの一体成形により構成してもよい。あるいは図19Cに示すように、小突部32b、弾性シート32c及び空隙形成部32jを熱可塑性エラストマの一体成形により構成し、押圧部32aを硬質樹脂の成形品として、これらを接着あるいは成形により一体化してもよい。
第1〜第4実施例の全てにおいてノブ32中の熱可塑性エラストマの代りにシリコンゴムを用いてもよい。また小突部32bのみを別の樹脂材で構成してもよい。
1段目スイッチ
第1〜第4実施例のいずれにおいても1段目スイッチ34sとしてのメンブレンスイッチは図3A中に示した2つの固定接点と1つの可動接点との3接点構成のものに限らず、例えば図20Aに対応する断面を示すよう、1つの固定接点6dと1つの可動接点6fを対向させたものでもよい。図3Aに示したものでは固定接点が設けられた可撓性フィルム6aに対し、接点6d及び6eに対する外部導出用リード線を形成すればよいが、図20Aに示す構成では固定接点6d及び可動接点6fの両者に対する外部導出用リード線を可撓性フィルム6aおよび6bにそれぞれ形成する必要がある。
あるいは可動接点を兼ねる小突部32bとして図20Dに示すように小突部32bの突出端面を平坦状とし、その平坦面に導電塗装し又は導電ペーストを硬化させて導電層の可動接点32b1を形成してもよい。
更に第1〜第4実施例の各1段目スイッチ34sとしては座標入力手段、情報入力手段、メニュー選択手段などとして用いられる、いわゆるタッチパネルと同様のものを用いてもよい。つまり例えば図21Aに分解斜視図を示すように、ポリエチレンフィルムなどの可撓性フィルム47a及び47bがスペーサ48を介して近接して互いに固定され、可撓性フィルム47a及び47bの互いに対向する内面にそれぞれ複数の帯状電極49a及び49bがそれぞれ平行に形成され、これら電極49aと49bとでは、可撓性フィルム47aと垂直な方向からみると互いに直交している。これらの各交差点上において図に示していないが各押圧部32aの小突部32bが可撓性フィルム47aと接して位置される。
2段目スイッチ
第1〜第4実施例中の各2段目スイッチ36として図22Aに示すものを用いてもよい。補強板35の裏面板39hとの対向面中央部に一対の固定接点53a及び53bとその外部導出用リード線(図示せず)がプリント配線技術により形成され、これら固定接点53a及び53bと対向してリング状スペーサ54を介してクリック板37が補強板35に取り付けられる。クリック板37は裏面板39h側に凸とされ、そのクリック板37の中央部と接して裏面板39hに突起39iが一体に形成されている。押圧部32aに対する押圧により補強板35が裏面板39h側に移動すると、クリック板37が弾性変形して反転し、クリック板37が両固定接点53a及び53bと接触して、これら間が電気的に導通し、2段目のスイッチ36sがオンになる。前記押圧が解除されると、クリック板37の弾性変形が復元してスイッチオフになる。
更に第1〜第4実施例における各2段目スイッチ36は、他の実施例に用いてもよい。つまり例えば第1実施例における2段目スイッチ36を、他の第2〜第4実施例における2段目スイッチ36として用いてもよい。
[第4実施形態]
次にこの発明の二面の実施形態は、つまり図23〜図25を参照して説明した従来の押圧操作型スイッチユニットの問題を解決したものである。これを第4実施形態として図26を参照して説明する。ケース71は剛体、例えばABS樹脂、ポリカーボネートなどの硬質樹脂の成形品として構成され、ケース71の表面板71aに形成された開口71bを塞ぐように同様な硬質樹脂よりなるノブ72が配され、ノブ72は肉薄の弾性部材76により、正常な押圧方向は容易に変形するが、正常な押圧方向と直角方向には変形し難く、つまりケース71の裏面板71eと直角方向には変位し易いが、裏面板71eと平行な方向には変位し難くケース71に保持される。
第5実施例
図26及び図27に第4実施形態の実施例を示す。ケース71は正方形箱状をしており、表面板71aの開口71bはケース71の軸心をほぼ中心とする円形とされ、ねじ74が裏面板71eの穴71fに通され、ケース71の側壁71iの端面の角部に形成された穴71gにねじ込まれて、裏面板71eは側壁71iに固定される。
ケース側壁71iの内面に部材連結部71jが形成され、部材連結部71jの裏面板71e側の連結面71j1は、つば72fが表面板71aの内面と接した状態の筒状部72eの端面とほぼ同一面上にある。図26では部材連結部71jは開口71bの軸心を中心として円筒状とされ、その外周面の4箇所が側壁71iの内面と接触一体化されている。
この構成によれば、例えば図28に示すように、ノブ72の周縁部の一点が押圧されても、ノブ72に作用する押圧力中の裏面板71eと平行な成分は、弾性部材76の本体部76cに対しその長さ方向に印加され、これによっては本体部76cは変形し難く、前記平行な成分は抑圧されるが、押圧力中の裏面板71eと直角な成分は、ケース71に一端が固定されたリボン状本体部76cの他端の自由端に作用するため弱い力でも容易に変形し、ノブ72は傾斜することなく裏面板71e側に、タクトスイッチ73の内部のばねの反力に抗して変位して、アクチュエータ73aがスイッチケース73b内に押し込まれ、内部のばねが反転してタクトスイッチ73がスイッチオン状態になる。
第6実施例
図30に第4実施形態の他の例として第6実施例を示す。この例ではケース71の表面板71aの内面の開口71bの周縁部と、ノブ72の内面の周縁部とに断面U字状のリング状弾性部材76の外側周縁部と内側周縁部とがそれぞれ例えば接着固定される。この場合は弾性部材76は、ケース71及びノブ72に対する連結部76b及び76aの間の本体部76cは全周に渡って形成され、弾性部材76の材料としては前述した各種のものが用いられるが、特に熱可塑性エラストマやシリコンゴムが適している。
ノブ72に対しその周縁部の一点が押圧されると、ノブ72は裏面板71eに対し傾斜又は平行方向に移動する力が作用する。しかし断面U字状弾性部材76の本体部76cはその断面U字の一方の脚部を構成するノブ連結部76a側の周面部76c1と、他方の脚部を構成するケース側の周面部76c2とがU字の中間部で互いに一体に連結されている状態で裏面板71eと平行な面内で周面部76c1と76c2とが相対的に変化させるように作用し、つまり例えば図30において左右の両端の一方で周面部76c1と76c2が互いに接近し、他方で互いに離れるように作用し、これだけを見ればノブ72は例えば右へ比較的容易に変位するように思えるが、中央の紙面と直角方向における両端では周面部76c1と76c2とを左右方向に互いにずらすような力が作用することになり、この作用により周面部76c2に対し周面部76c1をずらすには大きな力を必要とする。よってノブ72はこれに対し端押しがなされても、弾性部材76の作用により裏面板71eに対し、これと平行な状態で移動することになる。
弾性部材76により、表面板71aとノブ72の間が塞がれているため防塵効果も得られる。なお図30中に破線で示すように、図26中に示した線状本体部76cをもつ弾性部材76も併用すると、端押に対する操作性が一層よくなる。
変形例
弾性部材76としては例えば図31A及び図31Bに示すように、ノブ連結部76aとケース連結部76bと間の本体部76cとしてこれら両連結部76a,76bと同心円の波型として、全周に渡って両連結部76a及び76bが互いにつながるものとしてもよい。この例の場合の材料としては紙又は繊維が好ましい。
[第5実施形態]
第5実施形態は押圧操作型の2段スイッチユニットにおいて、その2段目スイッチ73を操作するノブ72の保持が弾性部材76によるものとされる。
これらを考慮して簡略に示せば例えば図33に示すものとなる。この例ではノブ72は、第5実施例で用いた線状体の本体部をもつ弾性部材761と第6実施例で用いた断面U字状のリング状本体部をもつ弾性部材762とによりケース71に保持され、つまりノブ72の突部72cの突出端に近い部分と、天板72dの内面に近い部分とがそれぞれ異なる種類の弾性部材761と762によりケース71に保持される。つまり裏面板71eと直角方向において互いに離されて2つの弾性部材761と762によりノブ72がケース71に保持される。このノブ72の天板72d上にメンブレンスイッチやタッチパネルなど1段目スイッチ部79が設けられた状態になる。図に示していないが、1段目スイッチ部79をどのように構成してもその1段目スイッチ部79の各スイッチに対する外部導出リード線が形成された帯状可撓性ケーブル(FPC)が例えば図1〜図3中のFPC8として示したようにケース71の内部から外部に導出される。
Claims (17)
- 押圧操作するとスイッチがオンとなる押圧操作型スイッチユニットであって、
表面板に開口が形成されたケースと、
上記ケースの裏面板と対向し、裏面板に対し進退自在に、上記ケース内に配された補強板と、
上記補強板と上記裏面板との間に介在され、上記補強板の上記裏面板への移動によりスイッチ操作される2段目スイッチと、
上記補強板の上記表面板側に設けられた複数の1段目スイッチと、
上記表面板の開口を塞ぐように上記ケースに配され、上記各1段目スイッチの位置と対応してそれぞれ押圧部用孔が形成されたキー操作ベースと、
上記キー操作ベースの上記補強板と反対側に設けられた上記ノブとを備え、
上記ノブは熱可塑性エラストマ又はシリコンゴムよりなり、周縁部が上記ケースに保持された弾性シートと、
上記各1段目スイッチと対応して上記弾性シートにそれぞれ形成され、上記弾性シートの表面側に押圧面が形成され、上記押圧部用孔にそれぞれ位置された上記押圧部と、
上記各押圧部の上記押圧面と反対側に突出して対応する上記1段目スイッチと近接又は接触している小突部を備えることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項1記載のスイッチユニットにおいて、
上記弾性シートの上記周縁部は複数個所のみが上記ケースに挟まれて固定されていることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項1記載のスイッチユニットにおいて、
上記弾性シートの上記周縁部にはそのケースに保持されている部分の内側において断面U字状のリングがノブの全周にわたって形成されていることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 押圧操作するとスイッチがオンとなる押圧操作型スイッチユニットであって、
表面板に開口が形成されたケースと、
上記ケースの裏面板と対向し、裏面板に対し進退自在に上記ケース内に配された補強板と、
上記補強板と上記裏面板との間に介在され、上記補強板の上記裏面板への移動によりスイッチ操作される2段目スイッチと、
上記補強板の上記表面板側に設けられた複数の1段目スイッチと、
上記表面板の開口を塞ぐように上記ケースに配され、上記各1段目スイッチの位置と対応してそれぞれ押圧部用孔が形成されたキー操作ベースと、
上記補強板と上記キー操作ベースとの間に設けられた上記ノブとを備え、
上記ノブは熱可塑性エラストマ又はシリコンゴムよりなり、周縁部が上記キー操作ベースと上記補強板に挟まれて固定された弾性シートと、
上記各1段目スイッチと対応して上記弾性シートにそれぞれ形成され、上記キー操作ベースの押圧用孔にそれぞれ位置した上記押圧部と、
上記各押圧部ごとに上記弾性シートから突出して対応する上記1段目スイッチと接近又は接触している小突部とを備えることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項4記載のスイッチユニットにおいて、
上記弾性シートには上記補強板側に突出して、上記各小突部の両側に同一距離離れて形成された複数の空隙形成部を備え、これら空隙形成部が上記補強板側と接していることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項4又は5記載のスイッチユニットにおいて、
上記弾性シートに上記各押圧部と対応して小孔が形成され、上記押圧部はその押圧面と反対側の取付け面が上記弾性シートと対接固定され、上記取付け面の中央部に上記小突部が一体に形成され、上記小突部は上記小孔を通じて上記弾性シートより上記補強板側に突出し、上記各押圧部及び小突部はそれぞれ硬質樹脂により一体に形成されていることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項4又は5記載のスイッチユニットにおいて、
上記弾性シート及び上記各小突部は熱可塑性エラストマ又はシリコンゴムにより一体に形成され、上記各押圧部は硬質樹脂よりなり、対応する小突部に対し上記弾性シートにそれぞれ固定されていることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 押圧操作するとスイッチがオンとなる押圧操作型スイッチユニットであって、
表面板に開口が形成されたケースと、
上記ケースの裏面板と対向し、裏面板に対し進退自在に、上記ケース内に配された補強板と、
上記補強板と上記裏面板との間に介在され、上記補強板の上記裏面板への移動によりスイッチ操作される2段目スイッチと、
上記補強板の上記表面板側に設けられた複数の1段目スイッチと、
上記表面板の開口を塞ぐように上記ケースに配され、上記各1段目スイッチの位置と対応してそれぞれ押圧部用孔が形成されたキー操作ベースと、
上記キー操作ベースの上記補強板と反対側に設けられたノブとを備え、
上記ノブは熱可塑性エラストマ又はシリコンゴムよりなり、周縁部が上記操作ベースに固定された弾性シートと、
上記各1段目スイッチと対応して、上記弾性シートにそれぞれ形成され、弾性シートの表面側に押圧面が形成され、上記押圧部用孔にそれぞれ位置された上記押圧部と、
上記各押圧部の上記押圧面と反対側に突出して対応する上記1段目スイッチと近接又は接触している小突部とを備えることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項1又は8記載のスイッチユニットにおいて、
上記弾性シートには各押圧部ごとに孔が形成されこの孔に各押圧部が通され、各押圧部のつばが弾性シートと対接固定され、上記各押圧部、そのつば及び小突部は硬質樹脂により一体に形成されていることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項1,4,5,又は8記載のスイッチユニットにおいて、
上記弾性シート、上記押圧部及び上記小突部は熱可塑性エラストマ又はシリコンゴムにより一体に構成されていることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項1又は8記載のスイッチユニットにおいて、
上記各押圧部は上記弾性シートより外部に出ている外面部と、それ以外の部分とに2分され、上記外面部は硬質樹脂よりなり、上記押圧部の外面部以外の部分と上記弾性シート及び上記小突部は熱可塑性エラストマ又はシリコンゴムにより一体に形成されていることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - ノブを押圧するとスイッチがオンとなる押圧操作型スイッチユニットであって、
表面板に開口が形成されたケースと、
上記開口を塞ぐようにケースに配されたノブと、
上記表面板と直角な押圧方向への変位が容易で、上記押圧方向と直角方向へ変位し難く、上記ノブを上記ケースに連結する弾性部材と、
上記ケース内でケース裏面板に設けられ、上記ノブの押圧変位によりスイッチオンされるスイッチとを備えることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項12記載のスイッチユニットにおいて、
上記弾性部材は上記ノブの中心部と上記ケースの側壁部とに等角間隔で連結された少なくとも3本の線状体であることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項12記載のスイッチユニットにおいて、
上記弾性部材は上記ノブの周縁部と上記開口とにその全周にわたって連結された断面U字状のリングであることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項12記載のスイッチユニットにおいて、
上記弾性部材は、上記裏面板と直角方向において互いに離された位置で上記ノブ及びケースを連結する第1及び第2弾性部材であることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項12記載のスイッチユニットにおいて、
上記スイッチはスイッチオンされないが程度の弱い押圧によりスイッチオンされる1段目スイッチが上記ノブに構成されていることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。 - 請求項16記載のスイッチユニットにおいて、
上記ノブは、補強板と、その補強板上に設けられた複数の上記1段目スイッチと、上記補強板と互いに固定され、上記各1段目スイッチと対応して孔を有するキー操作ベースと、上記各孔内に少なくとも一部が配された押圧部と、これら押圧部を保持し、熱可塑性エラストマ又はシリコンゴムよりなる弾性シートと、上記各押圧部の押圧面と反対の面に突出し上記対応する上記1段目スイッチと近接又は接触している小突部とを備えることを特徴とする押圧操作型スイッチユニット。
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