JP4426209B2 - スライド入力キー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、PDAなどの携帯情報端末、各種家電製品用リモコン、カードリモコンおよび各種キーボードなどに使用されるスライド入力キーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
単一の入力キーで多方向操作による複数入力が可能な入力キーが知られており、例えば、図10に示す携帯電話機1に見られるような、中央入力キー2を囲む円環キー3がある。この円環キー3の断面図を図11に示すが、円環キー3は、そのキートップ4の上位置4a、下位置4b、左位置4c、右位置4dの何れかを押込めば、ベースシート5が弾性変形し、その下方にある皿ばね接点6a,6b,6c,6dを押圧して固定接点7a,7b,7c,7dが通電される。このため、押圧位置によってそれぞれ異なった方向入力を与え、これらの各方向入力によって表示画面8のスクロールやカーソル9の移動などを実行させることができる。この円環キー3のような多方向入力キーに関連する技術について本出願人は特願2002−023598(特許文献1)を出願している。
【0003】
一方、この円環キー3のように、キートップ4を押圧する入力キーではなく、キートップをプリント基板の基板面に対して水平方向にスライド操作して入力を行う入力キーに対する要求が高まってきている。そのため、一つの入力キーを上下左右の4方向、または斜めを加えた8方向へスライドさせて入力操作を行うことが可能な多方向入力キーに対する研究もなされている。
【0004】
【特許文献1】
特願2002−023598
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなスライド入力方式の多方向入力キーであっても、キートップの直下に皿ばね接点と固定接点を設け、キートップのスライド操作とは別にキートップを押圧することにより、確定キーなどとして利用できることが好ましい。そのため、キートップの下方には皿ばね接点を押圧する確実な操作が得られるように、ゴム状弾性体からなるベースシートの一部を突起させて押し子が形成されている。しかし、この押し子がシリコーンゴムなどのゴム状弾性体で形成されているため、スライド操作時に、押し子とプリント基板との摩擦によって、キートップがプリント基板上をスムーズにスライドせず、滑らかなスライド操作を得ることが困難であった。また、スライド操作時にキートップの直下にある皿ばね接点に押し子がひっかかってしまい、皿ばね接点が誤って押圧され、確定キーが誤作動するおそれがあるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、このようなスライド入力キーにおいて、スライド操作に対する操作性と確実性を改良するためになされたものである。即ち、本発明は、一つのキーで多方向入力を行うためのスライド操作が容易で、引っかかりなどを起こすことなく、誤入力を生じにくいスライド入力キーを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、プリント基板上にゴム状弾性体からなるベースシートを介して載置されたキートップをプリント基板の基板面に対する水平方向にスライドさせて入力するスライド入力キーについて、キートップの下方にベースシートから突起した押し子を有し、少なくとも該押し子の表面が硬質材を用いて形成されていることを特徴とするスライド入力キーを提供する。
【0008】
本発明のスライド入力キーは、キートップの下方にベースシートから突起した押し子を有し、少なくとも該押し子の表面が硬質材を用いて形成されているため、押し子がプリント基板と接触して摺動してもすべり性が良く、引っかかりを起こさずにスライド操作が可能である。また、スライド操作時に押し子が下方に設けられた皿ばね接点と接触しても、通常は金属等からできている皿ばね接点に引っかかることなく、皿ばね接点が誤って押圧して誤入力を起こすようなことがない。そして、押し子は、少なくとも表面が硬質樹脂やガラス、金属などの硬質材を用いて形成されているため、押し子をベースシートとは別に硬質樹脂やガラス、金属で形成することも可能であるし、ゴム状弾性体でベースシートと一体として形成し、その表面を硬質樹脂やガラス、金属で被覆することも可能である。
【0009】
本発明はまた、押し子の表面形状を曲面状とすることができる。押し子の表面形状が曲面状であれば、押し子と、押し子が押圧するプリント基板などの部材との接触部分が点接触となるため、摩擦が軽減され、引っかかりのない、押圧力に応じたスムーズなスライド変位を得ることができる。そして、キートップの変位量に基づいて入力値を与えるスライド入力キーであれば、キートップの引っかかりなどに基づくノイズの発生がないため、スライド量に対応した連続的な入力値を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しつつ本発明のスライド入力キーについて説明する。以下に説明する実施形態は、本発明のスライド入力キーを携帯電話機のキー入力装置として適用した例であるが、PDAなどの携帯用情報端末機や、車載用カーオーディオ、各種リモコンなどのような他の電気機器、電子機器のキー入力装置としても適用できる。
【0011】
外観上は従来の携帯電話機1と同様である図10で示した折畳み式の携帯電話機11には、筐体10にキーパッド13が内蔵されている。キーパッド13には、スライド入力キー14の他、円環キー15や図示せぬ文字、数字、記号、図柄などが外観から見て取れる複数の押釦キー16が備え付けられている。
【0012】
第1実施形態; 第1実施形態によるスライド入力キー14の概略断面図を図1に示す。本実施形態によるスライド入力キー14では、プリント基板21にホール素子22が実装され、キートップ23には永久磁石(磁性体)23fが取付けられており、キートップ23を多方向にスライドさせてホール素子22と永久磁石23fとの相互位置変化を起こすことにより起電力変化を生じさせてスイッチ機能を発揮する。
【0013】
すなわち、スライド入力キー14は、指などによる押圧操作を受ける押圧部23aを有するキートップ23と、このキートップ23をプリント基板21上で弾性支持し、プリント基板21の平面方向にキートップ23をスライド可能とするベースシート25を有しており、プリント基板21上に設けたホール素子22に対するキートップ23の位置が変動可能となっている。プリント基板21は、上側プリント基板21aと下側プリント基板21bとからなっており、上側プリント基板21a上に皿ばね接点26と固定接点27が設けられ、また、下側プリント基板21b上にはホール素子22が実装されている。なお、スライド入力キー14の周りには、上下左右4方向で入力可能な円環キー15が設けられているが、この円環キー15は、スライド入力キー14とは別の多方向入力キーである。円環キー15は、従来型の円環キー3と断面形状は異なっているが、その機能は同じである。
【0014】
キートップ23は、断面ハット形状として硬質樹脂で形成された凹部に永久磁石23fが接着されている。そして、その上面にはゆるやかな湾曲窪み面を呈する操作面23cが形成されており、スライドさせて行う多方向操作を良好に行うことができる。この操作面23cの外縁からは、裾広がり状に傾斜する外周面23dが形成されており、その下端には外向きフランジ23eが形成されている。
【0015】
以上のような構成のキートップ23は、ベースシート25に固着されている。また、ベースシート25の上には円環キー15も固着されており、スライド入力キー14と円環キー15との間に塵や埃や水分などの異物が侵入したとしても、ベースシート25でシールされた格好となるため、携帯電話機1の内部への侵入を防止でき、故障を防止できるようになっている。キートップ23とベースシート25との接合は、接着剤を用いた接合や熱融着による接合などのような化学的手段により成されているが、キートップ23とベースシート25とを接合するものであればクリップ止めやネジ止めなどの機械的手段で固着してもよい。キートップ23は、こうしてベースシート25に固着することによって、プリント基板21に対してその平面方向にスライド可能に支持されている。
【0016】
キートップ23を構成する硬質樹脂は、ポリカーボネート、アクリル等の熱可塑性樹脂やエポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂などの種々の樹脂を用いることができる。キートップ23の内部に組み込まれた磁性体である永久磁石23fは、ホール素子22に磁束を与えるものである。用いるホール素子22の種類によって、永久磁石23fの磁力も決定される。永久磁石23fの形状や、キートップ23における配置は特に限定されるものではないが、キートップ23が押圧操作を受けない状態における初期位置にある場合と、キートップ23が最大にスライドした場合とで、ホール素子22が受ける磁束密度が大きく異なるような形状、配置とすることが好ましい。したがって、永久磁石23fは、キートップ23の中央下部にあって、ホール素子22を覆う大きさであることが好ましい。
【0017】
キートップ23の下方で、ベースシート25の裏側には押し子23bが形成されている。押し子23bは、一般的な押釦キーに要求されるような皿ばね接点を確実に押圧するという機能を発揮するだけではなく、キートップ23がスムーズにスライドすることができるよう、上側プリント基板21aとの間の摩擦係数が小さいことが要求される。そのため、押し子23bの形状は、この実施形態ではドーム状であり、その下端面が曲面で、少なくともその表面が硬質樹脂やガラス、金属などの硬質材で形成されている。曲面であれば、押し子23bと、押し子23bの下に位置する上側プリント基板21aとの接触面積が小さくなるため、キートップ23が動く際の摩擦係数が小さくなり、キートップ23をスライド操作させる時の摺動性が向上する。また、少なくとも表面が硬質材で形成されていれば、TPEやシリコーンゴムなどのゴム状弾性体で形成されている場合に比べて、上側プリント基板21aとの間での摩擦係数が低下し、キートップ23をスライド操作させる時の摺動性が向上する。
【0018】
押し子23bの形状は、図1で示した形状の他に、例えば図2(a)〜図2(e)に示したような種々の先端形状にすることが可能である。
【0019】
押し子23bの下端面を曲面とし、また、押し子23bの少なくとも表面を硬質材とするためには、キートップ23を成形する金型に押し子23bとなる曲面状の窪みを設けて、押圧部23a等と押し子23bとが一体となるようにキートップ23を形成しても良いし、キートップ23の形成とは別体として予め形成しておいた押し子23bをキートップ23の裏側にあたるベースシート25に接着することも可能である。また、ベースシート25と一体にゴム状弾性体で押し子23bを形成しても良く、その場合は、押し子23bの表面に硬質の樹脂やガラス、金属を被覆する。また、ベースシート25と一体に形成する場合は、成形金型の押し子23bとなる部分に曲面状の樹脂やガラス、金属などをあらかじめセットして形成しても良い。この方法を用いると、押し子23bとベースシート25が同時に簡単に形成できるため、製造工程が少なく、コストパフォーマンスが良い。
【0020】
さらに、ベースシート25の押し子23b形成部位に、液状樹脂を滴下したり転写したりして塗布した後、固化させて押し子23bを形成することもできる。液状樹脂には、熱や紫外線、電子線などのエネルギーを加えて固化するものや、時間の経過とともに固化するもの、またはこれらの組合せて固化するものであって、ベースシート25より硬い硬質面を与える材質からなるものが優れている。さらに、ベースシート25と一体に形成された押し子23bの表面形状に合わせて非架橋性樹脂や架橋性樹脂などで形成したカバー部材を、接着剤や粘着剤で、または熱や超音波などのエネルギーを加えて、ゴム状弾性体でなる押し子23bの表面に固着してもよい。
【0021】
押し子23bの少なくとも表面に用いられる樹脂は、ベースシート25を形成するゴム状弾性体より硬質であることが好ましく、ベースシート25に対する密着性や摩耗性、摺動性、クリック性等を考慮するとポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ABS樹脂などを有機溶媒などで溶解し、液状樹脂としたものや、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの液状樹脂を単独で、または混合して用いることが好ましい。
【0022】
以上のようにして、少なくとも表面が硬質材でなり、曲面状をした押し子23bが形成される。この押し子23bがあれば、すべり性に優れたスライド入力キー14を得ることができる。なお、押し子23bと接触する上側プリント基板21aの表面をすべり性が良いように改良することができ、PETフィルムなどで被覆することが成されている。
【0023】
ベースシート25は、シリコーンゴムや熱可塑性エラストマーなどのゴム弾性を有するゴム状弾性体で形成したものである。なお、ベースシート25には図10で示すように、円環キー15や押釦キー16が固着されていても良い。図1では、スライド入力キー14とその周囲を部分的に表したものである。ベースシート25は、キートップ23との固着部分であるキートップ載置部25aから裾広がりに傾斜する傾斜部25bが形成されている。そして、傾斜部25b下端の外側には、曲折部25cを介して、内周側の立壁部25dと上壁部25eと外周側の立壁部25fからなる断面逆U字状(アーチ状)の湾曲部25gが、平面視で環状に形成されている。この湾曲部25gにおける外周側の立壁部25fは、傾斜部25b、内周側の立壁部25d、上壁部25eの何れの肉厚よりも厚肉に形成されている。また、こうした構成の湾曲部25gは、円環キー15の逆さ溝15aの空間内に収納されている。そして、外周側の立壁部25fの下端の外側には、前述したように円環キー15が固着されていて、その底面には下向き台形状に突起する4つの押し子(図1で2つのみ図示)が形成されている。
【0024】
ベースシート25を構成するゴム状弾性体としては、例えば、シリコーンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。耐久性や耐候性を考慮すると、シリコーンゴムが好ましく、耐久性やリサイクルを考慮すると、熱可塑性エラストマーが好ましい。ゴム状弾性体の成形には、射出成形機、プレス成形機、トランスファ成形機、押出成形機などを用いることができる。
【0025】
ホール素子22は、ホール効果を利用して磁束密度の変化を電圧の変化として検出するものである。図1で示すように、ホール素子22は、押し子23bの直下であって、下側プリント基板21b上に位置している。図3には、ホール素子22と、キートップ23に嵌めこまれる永久磁石23fの形状を示した。ホール素子22は、図3(a)などに示すように、複数のホール素子22a,22b,22c,22dの集合体として構成されている。なお、ホール素子22と永久磁石23fの形状、個数、その組合せについては、図3(a)に示したものに限定されるものではなく、図3(b)〜図3(e)に示したような形状や個数にすることも可能である。このホール素子22には、チップ状に加工された市販品を用いることができる。
【0026】
ホール素子22を貫く磁束密度の変化によって得られる出力電圧は、プリント基板21上に形成された配線(図示せず)を介し、プリント基板21に備える携帯電話機1のCPU(図示せず)でスライド入力キー14の入力値に変換される。
【0027】
円環キー15は、スライド入力キー14の回りを囲む円環状のキーであり、それ自体は従来型の多方向入力キーとして機能するものである。円環キー15も硬質樹脂でなり、その内側には、平面視(図10)で円形の挿通孔15cが貫通形成されている。また、下向きに突起する止め突起15bが裏面から見て円環状に形成されている。この止め突起15bの外側部分には、ベースシート25の湾曲部25gを収容する逆さ溝15aが形成される一方、止め突起15bの内側部分には、スライド入力キー14のフランジ23eを収容する内周部15dが形成されている。
【0028】
次に、本実施形態のスライド入力キー14の動作を説明する。
【0029】
スライド入力キー14による入力は、図4で示すように、スライド入力キー14のキートップ23を上方向D1、下方向D2、左方向D3、右方向D4へスライドさせることにより行う。ここでは左方向D3への入力スライドを説明するが、他の方向における入力スライドと復帰スライドの動作も同じである。スライド入力キー14を左方向D3へ滑らせるようにキートップ23の押圧部23aをスライドさせる操作を与えると、キートップ23の押し子23bが、上側プリント基板21a上を滑り性良く左方向に向けて摺動する。そして、図5で示すように、キートップ23の外向きフランジ23eが円環キー15の止め突起15bに対して突き当たると、スライド入力キー14の入力スライドは停止する。
【0030】
キートップ23の外向きフランジ23eが止め突起15bと突き当たった状態では、キートップ23の外周面23dが円環キー15の挿通口15cとは非接触のままである。したがって、携帯電話機1の外観に現れるキートップ23の外周面23dや円環キー15の挿通口15cに傷が付着したり、塗装が剥げたりして美観が損なわれてしまうような不都合はない。
【0031】
そして、入力スライドが停止した状態では、キートップ23の外向きフランジ23eの上面と円環キー15の内周部15dの裏面が重なり合ったままである。したがって、スライド入力キー14が挿通孔15cから外れることがなく、しかもその部分からの異物の侵入を防ぐことができる。仮に侵入したとしても、円環キー15とスライド入力キー14の固着したベースシート25でシールされた格好となるため、携帯電話機11の内部にまでは侵入できない。
【0032】
キートップ23のスライドは、押し子23bの表面が硬質樹脂で曲面状に形成されているため、上側プリント基板21aの上を押し子23bがスムーズに移動することにより達成される。
【0033】
スライド入力キー14をプリント基板21上を滑らせる上記過程において、キートップ23のスライドにより、キートップ23に内蔵された永久磁石23fと各ホール素子22a,22b,22c,22dとの間隔が変化し、各ホール素子22a,22b,22c,22d内を貫く磁束密度も変化する。このとき、ホール素子22は複数個あるため、各ホール素子22a,22b,22c,22dの配置によって、各ホール素子22a,22b,22c,22dごとに磁束密度変化の程度が異なり、キートップ23の移動方向や移動距離を捉えることが可能となる。
【0034】
図6は、ホール素子22と永久磁石23fをスライド入力キー14の上部から平面視した状態を示す。キートップ23が押圧操作を受けない初期位置にある図6(a)に示した状態から、キートップ23を左方向D3に移動させると、図6(b)に示すように、図中左上に位置するホール素子22a及び左下に位置するホール素子22cに磁束密度の変化はほとんどないが、図中右上に位置するホール素子22b及び右下に位置するホール素子22dを貫く磁束密度は減少する。このように、各ホール素子22a,22b,22c,22dごとに磁束密度変化に基づく起電力変化を検出すれば、これをキートップ23の移動方向および移動量に対する指標に変換してキートップ23のスライド量に対応した入力値を得ることができる。特に、押し子23bの表面が、硬質材からなり曲面状に形成されているため、キートップ23がスライド移動の途中で引っかかりを起こすことなく、ホール素子22を貫く磁束密度変化がなめらかなためノイズを発生しにくい。
【0035】
入力スライドの過程におけるベースシート25の挙動に着目すると、スライド方向側(図1、図5の左側)におけるベースシート25の湾曲部25gの外周側の立壁部25fが厚肉とされているために、薄肉の上壁部25e、内周側の立壁部25d、傾斜部25bは、その厚肉の立壁部25fと薄肉の上壁部25eとの連続部分を回動支点として、曲折部25cが厚肉の立壁部25fの下方に潜り込むようにして全体的に回動する。したがって、スライド時に弾性変形するベースシート25は邪魔にならず纏まりよく弾性変形できる。
【0036】
スライド入力キー14を初期位置に復帰スライドさせるには、スライド入力キー14に加えている操作力を開放する。すると、スライド方向側(図1、図5の左側)と、それとは反対側(図1、図5の右側)との両方で、厚肉の外周側の立壁部25fが戻り方向への弾発的な復帰用の付勢力を発生する。これによりスライド入力キー14は自動して初期位置に復帰する。
【0037】
また、キートップ23のスライド操作とは別に、キートップ23を真下に押圧することにより、押し子23bが皿ばね接点26を押圧し、ボタンを押した間隔であるクリック感が得られると共に、皿ばね接点26と固定接点27との接触が行われ入力スイッチとして機能する。従って、スライド入力キー14を、スライド操作させる多方向入力スイッチとするだけでなく、確定キーなどの入力スイッチとして利用できる。
【0038】
なお、スライド入力キー14をスライド操作させる場合にもキートップ23が押圧され、押し子23bがキートップ23の直下にある皿ばね接点26に触れる場合がある。しかしながら、押し子23bの少なくとも表面が硬質材であり、また、その表面が曲面状に形成されているため、皿ばね接点26に引っかかることなく皿ばね接点26が押圧されるまでの荷重が皿ばね接点26にかかることがない。一方、スライド入力キー14のキートップ23を真下に押圧すれば、皿ばね接点26が押圧される。そのため、一つの入力キーではあるが、スライド操作による多方向入力キーとしての機能と、押圧操作による確定キーとしての機能を明確に使い分けることができる。
【0039】
このスライド入力キー14によれば、入力の程度を実際の操作量(スライド量)を知覚しながら入力操作を行うことができる。そのため操作性に優れている。また、スライド量に応じたアナログ入力値を得ることができるため、所望の入力値を得るための入力操作が容易である。
【0040】
第2実施形態; 第2実施形態によるスライド入力キー34の概略断面図を図7に示す。本実施形態では、プリント基板31上に下部電極32を設け、キートップ33に、下部電極32に対向配置する上部電極33fを設けて、上部電極33fと下部電極32とでコンデンサを形成するものである。そして、上下電極33f,32間に印加された電圧によって得られた静電容量が、上下電極33f、32の相互位置が変化することを利用してキートップ33の変位量をスライド入力キー34の入力値とするものである。
【0041】
第2実施形態によるスライド入力キー34は、キートップ33、ベースシート35を備えていることや、上側プリント基板31a上に皿ばね接点36や固定接点37が設けられていることは第1実施形態と同じであり、また、円環キー15なども第1実施形態において説明したものと同じである。第1実施形態と異なる主な点は、下側プリント基板31bに下部電極32が配置され、キートップ33の裏側で押し子33bの外側に、上部電極33fが配置されている点である。下部電極32と上部電極33fは、キートップ33を操作しない初期位置に置いた際、キートップ33の押圧方向で、互いに重なる対面位置となるように形成される。なお、以下の説明において、押し子33bなどのように、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0042】
本実施形態においては、例えば、平面視で図8(a)に示すような形状の上部電極33fをキートップ33の裏側に、同じく平面視で図8(a)に示すような下部電極32を下側プリント基板31b上に設ける。なお、上部電極33fと下部電極32の形状、個数については、これに限られるものではなく、図8(b)〜図8(e)に示した他の形状や個数にすることも可能である。
【0043】
このように配置された下部電極32と上部電極33fとで静電容量素子を形成するので、キートップ33を操作しない初期位置にある状態で、互いに対面位置に形成された上部電極33fと下部電極32との間に電圧を印加すると、両電極33f,32の面積、両電極33f,32間距離、両電極33f,32に挟まれたプリント基板31a等の比誘電率に依存して、印加電圧に比例する静電容量が蓄えられる。一方、キートップ33が指による押圧操作を受け、上側プリント基板31aに沿って平面方向に摺動すると、上部電極33fと下部電極32の対向する面積、距離が変化する。この変化に伴い静電容量も変化するため、携帯電話機1に内蔵したIC等によって電圧変化に変換し、CPUでスライド入力キー34の入力値となる。
【0044】
図4において、キートップ33が、下部電極32に対して左方向D3に移動させた場合について具体的に説明する。図9は、下部電極32と上部電極33fをスライド入力キー34の上部から平面視した状態を示す。キートップ23が押圧操作を受けない初期位置である図9(a)に示した状態から、キートップ23を左方向D3に移動させると、図9(b)に示すように、図中、上に位置する下部電極32a及び下に位置する下部電極32bによって得られた静電容量変化の程度は等しい。また、図中左に位置する下部電極32cによって得られた静電容量変化は少なく、図中右に位置する下部電極32dによって得られた静電容量変化は大きい。これらの各下部電極32a,32b,32c,32dによって得られた静電容量変化を、キートップ33の移動方向および移動量に対する指標に変換してスライド量に対応した入力値を得ることができる。なお、上部電極33fや下部電極32は、導電性のある素材をプリント基板31やベースシート35に印刷することにより形成することができる。
【0045】
以上、例示したスライド入力キー14,34については、様々な細部の変更実施が可能である。
【0046】
上記実施形態では、円環キー15を設けて、携帯電話機1に適したより多くの複数入力を実現しているが円環キー15を設けないことも可能である。そのような場合は、例えば、ベースシート25,35を筐体10に固着し、筐体10の裏面に、円環キー15の止め突起15bのような突起部を設けるようにすればよい。また、キートップ23,33の下方に設けた皿ばね接点26,36や固定接点27,37は特に必要がなければ設けないことも可能である。
【0047】
上記実施形態では、ベースシート25,35の湾曲部25gの形状を断面逆U字状としたアーチ状に形成したが、断面逆V字状や断面円弧状など他のアーチ状として形成してもよい。
【0048】
上記実施形態では、スライド入力キー14,34や円環キー15の色彩や文字、数字、記号、図柄などを表示する表示部については説明していないが、当然、着色部や表示部をそれらに設けるようにしてもよい。また照光式とする場合には、プリント基板21,31に内部光源を設けてもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明のスライド入力キーによれば、従来の多方向入力キーにはない操作性や機能性を得ることができる。すなわち、初期位置からプリント基板の平面方向全体に亘ってスムーズにスライド操作ができ、誤入力を起こしにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるスライド入力キーを有するキー入力装置であり、図10のSA−SA線断面図である。
【図2】押し子の形状を示す断面図である。
【図3】図1で示すスライド入力キーに用いる永久磁石とホール素子の形状を示す平面図である。
【図4】スライド入力キーのスライド状態を模式的に示す説明図である。
【図5】図1で示すスライド入力キーの動作説明図である。
【図6】図1で示すスライド入力キーのホール素子と永久磁石の重なり状態を示す説明図である。
【図7】本発明の第2実施形態によるスライド入力キーを有するキー入力装置の断面図である。
【図8】図7で示すスライド入力キーに用いる上部電極と下部電極の形状を示す平面図である。
【図9】図7で示すスライド入力キーの上部電極と下部電極の重なり状態を示す説明図である。
【図10】携帯電話機の外観図である。
【図11】従来の多方向入力キーを有するキー入力装置であり、図10のSA−SA線断面図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
2 中央入力キー
3 円環キー
4 キートップ
4a 上位置
4b 下位置
4c 左位置
4d 右位置
5 ベースシート
6a,6b,6c,6d 皿ばね接点
7a,7b,7c,7d 固定接点
8 表示画面
9 カーソル
10 筐体
11 携帯電話機
13 キーパッド
14,34 スライド入力キー
15 円環キー
15a 逆さ溝
15b 止め突起
15c 挿通口
15d 内周部
16 押釦キー
21,31 プリント基板
21a,31a 上側プリント基板
21b,31b 下側プリント基板
22 ホール素子
32(32a〜32d) 下部電極
23,33 キートップ
23a 押圧部
23b,33b 押し子
23c 操作面
23d 外周面
23e 外向きフランジ
23f 永久磁石
33f 上部電極
25,35 ベースシート
25a キートップ載置部
25b 傾斜部
25c 曲折部
25d 内周側の立壁部
25e 上壁部
25f 外周側の立壁部
25g 湾曲部
26,36 皿ばね接点
27,37 固定接点

Claims (8)

  1. プリント基板上にゴム状弾性体からなるベースシートを介して載置されたキートップをプリント基板の基板面に対する水平方向にスライドさせて入力するスライド入力キーにおいて、
    キートップは、その下方にベースシートから突起した押し子を、その外周に外向きフランジをそれぞれ有し、少なくとも該押し子の表面が硬質材を用いて形成されており、
    さらにキートップの周りに円環キーが配置されており、この円環キーには外向きフランジと接触してスライド動作を停止しキートップの外周面と円環キーの接触を防止する止め突起が設けられていることを特徴とするスライド入力キー。
  2. 押し子の表面形状が曲面状である請求項1記載のスライド入力キー。
  3. 押し子の表面の硬質材が、ベースシートより硬質でかつ前記基板面に対する摩擦係数がゴム状弾性体より低い硬質材である請求項1または請求項2記載のスライド入力キー。
  4. 押し子がベースシートと一体にゴム状弾性体で形成されており、その表面が硬質材で被覆されたものである請求項1〜請求項3何れか1項記載のスライド入力キー。
  5. 押し子全体が硬質材でなり、ベースシートが成形金型内にセットされた該硬質材と一体形成されたものである請求項1〜請求項3何れか1項記載のスライド入力キー。
  6. 押し子が、ベースシートに液状樹脂を滴下、転写または塗布して固化した硬化材でなる請求項1〜請求項3何れか1項記載のスライド入力キー。
  7. さらにキートップのスライドを検知するためのセンサを有しており、該センサが、永久磁石とホール素子とからなる磁束密度変化を検出するセンサ、または上部電極と下部電極とからなる静電容量変化を検出するセンサの何れか一方であり、押し子の下方にはさらに押圧操作スイッチを有する請求項1〜請求項6何れか1項記載のスライド入力キー。
  8. ベースシートが、キートップを初期位置へ復帰させる付勢力を与える湾曲部を有し、円環キーが、該湾曲部を収容する逆さ溝を有する請求項1〜請求項7何れか1項記載のスライド入力キー。
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