JP2004319694A - 基板処理装置 - Google Patents

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聖信 佐藤
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Abstract

【課題】炉口フランジ内部壁面に付着した残留ガスを効率良く離脱させ、反応炉内の残留ガスを効率良く排出し、ガスパージに要する時間を短縮することを可能にする。
【解決手段】基板処理装置は、ウェーハWを処理する基板処理領域を形成する反応管30と、反応管30を支持する炉口フランジ4と、炉口フランジ4に設けられて反応管30内にガスを供給するガス供給管7と、プラズマを生成する電極32aとアース電極32bとを備える。プラズマ生成手段は、電極32aとアース電極32bで構成して、炉口フランジ4の内周壁に設けられる。このプラズマ生成手段は、炉口フランジ4内にプラズマ生成領域26を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は基板処理装置に係り、特にプラズマを用いる基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、基板処理装置、例えば熱CVD装置は、ヒータによって加熱される反応管を備える。この反応管は炉口フランジによって支持され、この炉口フランジにガス供給管が設けられる。ガス供給管から炉口フランジを介して反応管内に反応ガスが供給されて、反応管内の基板上に薄膜が成膜される。成膜後、反応管内、炉口フランジ内の残留ガスを除去するためにガスパージを行う。ガスパージの際、効率良く残留ガスを排出するために、ガスパージと真空引きを繰り返し行うサイクルパージを行うことがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、成膜後にサイクルパージを行う場合でも、反応管内、炉口フランジ内の残留ガスを十分に除去するのに相当の時間を要する。炉口フランジ内部壁面に付着した残留ガスは離脱しにくい。特に断熱領域に存在するボート、ボートキャップ、反応管の壁面に付着した残留ガスは離脱するのにかなりの時間がかかってしまう。
【0004】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決して、成膜後の残留ガスを効率良く排出し、成膜後のガスパージに要する時間を短縮することが可能な基板処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明における第1の特徴は、基板を処理する反応管と、前記反応管を支持する炉口フランジと、前記反応管内にガスを供給するガス供給管と、前記炉口フランジ内に設けられ放電用電極とアース用電極とからなるプラズマ生成手段とを有することを特徴とする基板処理装置にある。
本発明における第2の特徴は、第1の特徴において、基板処理後に反応管および炉口フランジ内の残留ガスを除去する際、前記プラズマ生成手段によりプラズマを生成しつつ反応管および炉口フランジ内をガスパージするよう構成した基板処理装置にある。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の基板処理装置に係る実施の形態について図面を用いて説明する。
【0007】
図1は、本発明の実施の形態に係るプラズマを用いた縦型熱CVD(Chemical Vapor Deposition)装置の概略断面図である。
【0008】
熱CVD装置は、加熱手段としての抵抗加熱ヒータ1を備える。そのヒータ1の内側に石英製の外部反応管2が設けられ、外部反応管2の内部には石英製の内部反応管3が同心状に配設される。外部反応管2と内部反応管3とでウェーハWを処理する反応管30が構成される。外部反応管2、内部反応管3は例えば金属製の炉口フランジ4上に立設される。炉口フランジ4の下端は炉口キャップ5により気密に閉塞される。炉口キャップ5にボートキャップ31を介してボート6が立設されて内部反応管3内に挿入される。ボート6にはバッチ処理されるウェーハWが水平姿勢で管軸方向に多段に積載される。ボート6はボートエレベータ10によって昇降自在に支持される。
【0009】
炉口キャップ5にガス供給管7が接続され、内部反応管3と連通している。また外部反応管2と内部反応管3との間に形成される円筒状の空間8の下端に連通するように、排気管9が炉口フランジ4に接続されている。尚、図1においてガス供給管7は一つしかないが、複数本あっても構わない。
【0010】
炉口フランジ4には、プラズマ生成手段としての放電用L字型電極32aとアース用L字型アース電極32bが設けられる。プラズマは、電極32aに高周波電力を印加することにより電極32aとアース電極32b間に生成される。これらの電極は、ガス供給管7近傍に設けられ、ガス供給管7から反応管30内に供給されるガスを必要に応じてプラズマにより活性化できるように構成されている。図示例では、電極32aとアース電極32bは、炉口フランジ4の側壁を貫通して設けられている。両電極は、内部反応管3とボート6及びボートキャップ31の間に収まれば良く、両電極の断面形状は例えば円、楕円、扇形、多角形など種種の形状が考えられる。また、プラズマ生成手段は、高周波放電以外の公知の手段を用いてもよい。
【0011】
ここで、反応管30内のウェーハWが処理される領域を基板処理領域24、基板処理領域24下方のボートキャップ31と内部反応管3との間に形成される領域を断熱領域25、炉口フランジ4内でプラズマ生成手段によってプラズマが生成される領域をプラズマ生成領域26という。
【0012】
また、ヒータ1、反応管30、及び反応管30を支持する炉口フランジ4で構成されたものを反応炉または単に炉という。
【0013】
図2は、図1に示す本発明の実施の形態に係る基板処理装置の炉下部の拡大図である。図2により、炉口フランジ4内について詳述する。
【0014】
炉口フランジ4は、上下が開口した筒体で構成される。炉口フランジ4の上下開口には上フランジ部4b、下フランジ部4cが設けられる。上フランジ部4bで外部反応管2を下方から支持する。外部反応管2の外周にヒータ1が設けられる。炉口フランジ4の内周壁の上方に径方向内方に突出した内部反応管支持リング4aが設けられる。内部反応管支持リング4aで内部反応管3が下方から支持される。ボート6が装入される内部反応管3内に基板処理領域24が形成される。また、ボートキャップ31が装入される内部反応管3内に断熱領域25が形成される。ここで図示しないがボートキャップ31内に、断熱板がボート6内のウェーハWと同様に水平姿勢で多段に積層されている。
【0015】
内部反応管3と外部反応管2との間に形成される円筒状の空間8の下端に対応する炉口フランジ4に、真空ポンプ等(図示せず)に接続される排気管9が設けられる。炉口フランジ4の下部フランジ部4cには炉口キャップ5が当接されて炉口を塞ぐ。この炉口キャップ5には、内部反応管3及び炉口フランジ4内に挿入されるボートキャップ受け33、ボートキャップ31、及びボート6が下から順に設けられる。
【0016】
電極32aとアース電極32bが側壁に設けられ、ガス供給管7から反応管30内に供給されるガスを、プラズマにより活性化するように構成されている。これにより炉口フランジ4内の特に断熱領域25内にプラズマが生成される。これらの電極は、絶縁体13で覆われているので、炉口フランジ4から電気的に絶縁される。電極32aに整合器34を介して高周波電源35が接続される。高周波電源35の高周波電力を電極32aに印加して、電極32aとアース電極32bとの間に高周波電界が形成される。この高周波電界により電極32aとアース電極32bとの間にプラズマが生成される。プラズマは炉口フランジ4内に供給されるガスによって生成され、断熱領域25内でプラズマの生成される領域がプラズマ生成領域26となる。このプラズマ生成領域26内に供給されるガスはプラズマによって活性化される。
【0017】
図3に本発明の実施形態の変形例を示す。
【0018】
断熱領域25の下方に、プラズマ制御手段11を設けると、炉口フランジ4に拡散するプラズマを抑制し、フランジ部の金属部品のプラズマによるダメージを抑えることができる。プラズマ制御手段11は、折曲リング36とリング37とから構成される。折曲リング36は、ここでは図示しない図2のボートキャップ受け33の外周壁に、これから径方向外方にリング状の縁を張り出し、その先端側を管軸方向上方に折曲げて断面略L字型をした構成である。リング37は、炉口フランジ4の内部反応管支持リング4aの周端から折曲リング36の底部に向けて同心状に垂下している。尚、折曲リング36は、電極32a、アース電極32bを貫通できるような形状である。このように構成することにより、断熱領域25で生成されたプラズマが炉口キャップ5の方向へ拡散するのを抑制することができる。プラズマ制御手段11の構成は、プラズマが炉口キャップ5方向へ拡散するのを制御するという目的に反しない限り種種の変更が可能である。尚、電極32aとアース電極32bからなるプラズマ生成手段は、プラズマ制御手段11の上方にしかプラズマが発生しないような構造である。したがって、プラズマ制御手段11の下方にプラズマは発生しない。また、プラズマ制御手段11による制御の対象はプラズマのみであるため、形状はメッシュ状もしくはスリット状でも構わない。
【0019】
一方、不活性ガスを使用しているため、また断熱領域25から基板処理領域24へ移動するまでにプラズマが減衰する為、プラズマは基板処理領域24へ拡散しない。また、電極32a及びアース電極32bの長さを調整することでも、プラズマが拡散して基板処理領域24へ到達しないようにできる。
【0020】
次に、上述した本実施の形態の熱CVD装置によりウェーハWを処理する方法を説明する。この装置を用いて基板を処理する方法は、基本的に、従来の縦型熱CVD装置を用いてウェーハを処理する方法と同様である。
【0021】
すなわち、ボート6にウェーハWを装填し、その後、ボートエレベータ10により炉口キャップ5を介してボート6を反応管30内に挿入する。炉口キャップ5が炉口フランジ4の下端を完全に密閉した後、ヒータ1によって炉内温度を安定化させる。また、炉内を排気管9からの真空引きによって排気して炉内圧力を安定化させる。温度及び圧力を安定化させた後、ガス供給管7から複数種の処理用ガスを炉口フランジ4を介して反応管30内に供給しつつ、排気管9より排気することにより、ウェーハW上に成膜を行なう。
【0022】
成膜後、電極32aとアース電極32bからなるプラズマ生成手段によりプラズマを生成した状態で反応炉内をガスパージして残留ガスを除去する。パージガスは供給管7より供給される。記述の様に供給管7は複数でも良く、各々からパージガスを供給するようにしてもよい。ガスパージの際、ガスパージと真空引きを複数回繰り返し行うサイクルパージを実施するのが好ましい。その後、反応管30内からボート6を取り出し、処理後のウェーハWを回収する。
【0023】
ここで、実施の形態の処理方法が、従来の縦型熱CVD装置を用いて基板を処理する方法と異なっている点は、成膜後に反応炉内の残留ガスを除去する際、電極32aとアース電極32bからなるプラズマ生成手段によりプラズマを生成した状態で反応炉内すなわち反応管30内および炉口フランジ4内をガスパージする点である。なおガスパージとは、反応炉内にパージガス(例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス等)を供給して排気することにより、反応炉内の残留物、汚染物質等を取り除き、反応炉内を清浄化することである。反応炉内にパージガスを供給しながら排気する方法の他、反応炉内にパージガスを充填しパージガスの供給を停止した後に排気する方法などがある。
【0024】
上述したように本実施の形態では、反応管および炉口フランジ内の残留ガスを除去する際に、炉口フランジ内に設けた放電用電極とアース用電極とからなるプラズマ生成手段によりプラズマを生成しつつ反応管および炉口フランジ内をガスパージするよう構成したことにより、プラズマのエネルギーにより炉口フランジ内部壁面に付着した残留ガスを効率的に離脱させることができ、成膜後の残留ガスを効率良く排出することができる。特に本発明では、熱エネルギーが充分に達しない断熱領域に放電用電極とアース用電極を設置したことにより、直接、プラズマの熱エネルギーを与えることができるので、炉口フランジ内の断熱領域の壁面に付着した残留ガスを効率良く除去でき、ガスパージに要する時間を短縮することができる。
【0025】
ここで、プラズマを生成しつつガスパージすることにより、炉口フランジ内部壁面に付着した残留ガスを効率良く離脱させることができるメカニズムは、次の通りである。まず、炉口フランジ内部壁面に付着する残留ガスとは、例えば、NH3とDCSとを用いてSi3N4膜を形成する場合においては、DCSの分解により生じる塩素系のガスと未反応のNH3であり、また、シラン系ガスとPH3とを用いてリンがドープされたシリコン膜(ドープトポリシリコン膜)を形成する場合や、PH3を用いてシリコン膜にリンをドープする場合においては、未反応のPH3である。
【0026】
パージガス(N2またはAr等)をプラズマにより励起し、この励起エネルギーを炉口フランジ内部壁面に付着する残留ガスに与える事により、熱エネルギー以上のエネルギーを与えることができるため、炉口フランジの加熱による残留ガスの離脱以上に効率良く残留ガスを離脱させることができる。また、プラズマによりイオン化されたN+またはAr+がシースにより加速され、付着する残留ガスをスパッタし、効率良く離脱させることができる。
【0027】
なお、上述した実施の形態では、成膜後に反応炉内の残留ガスを除去する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、反応炉内のクリーニング後にクリーニングにより生じた残渣や残留ガスを除去する場合にも適用することができる。例えばクリーニングガスとしてNF3やClF3を用いて反応炉内をクリーニングした場合、NF3やClF3の分解により生じるフッ素系の残留ガスや残渣が炉口フランジ内部壁面等に付着する。この場合でも、クリーニング後に炉口フランジ内に設けた放電用電極とアース用電極とからなるプラズマ生成手段によりプラズマを生成しつつ反応管内および炉口フランジ内をガスパージするようにすれば、効率良く残留ガスやクリーニング残渣を除去できる。なお、この場合もガスパージと真空引きを複数回繰り返し行うサイクルパージを実施するのが好ましい。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、反応炉内の残留ガスを除去する際に、炉口フランジ内に設けた放電用電極とアース用電極とからなるプラズマ生成手段によりプラズマを生成しつつ反応管内および炉口フランジ内をガスパージするようにしたので、残留ガスを効率良く排出することができ、プラズマを生成しないでガスパージする場合に比べて、ガスパージに要する時間を短縮することができる。更に、放電用電極とアース用電極が、熱エネルギーの充分達しない断熱領域に設けられるため、生成されたプラズマが炉口フランジ内の断熱領域の壁面に付着している残留ガスを効率良く除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る基板処理装置の概略図である。
【図2】図1に係る基板処理装置の炉下部の拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る基板処理装置にプラズマ制御手段を設けたときの概略図である。
【符号の説明】
W ウェーハ(基板)
4 炉口フランジ
7 ガス供給管
26 プラズマ生成領域
30 反応管
32a 放電用L字型電極
32b アース用L字型アース電極

Claims (2)

  1. 基板を処理する反応管と、前記反応管を支持する炉口フランジと、前記反応管内にガスを供給するガス供給管と、前記炉口フランジ内に設けられ放電用電極とアース用電極とからなるプラズマ生成手段とを有することを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記基板処理後に反応管および炉口フランジ内の残留ガスを除去する際、前記プラズマ生成手段によりプラズマを生成しつつ反応管および炉口フランジ内をガスパージするよう構成したことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006161061A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Sony Corp 薄膜の形成方法および半導体装置の製造方法
JP2019083233A (ja) * 2017-10-27 2019-05-30 東京エレクトロン株式会社 成膜装置及び成膜装置の運転方法

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