JP2004186534A - 基板処理装置 - Google Patents

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Nobuo Ishimaru
信雄 石丸
Tadashi Konya
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Abstract

【課題】活性種を利用してプラズマによるダメージの低減を図り、基板に対して効率的な活性種の供給を行う。
【解決手段】基板2を装填する反応室34の中に活性種を生成して基板2に供給するバッファ室6を設ける。このバッファ室6の中に、活性種を生成するためのプラズマ放電を起こす一対の放電用電極5を設ける。遮蔽電極19で各放電用電極5の一部を覆う。遮蔽電極19を接地することにより、遮蔽された一部の放電用電極間をプラズマ非放電領域42とし、遮蔽されていない残りの部分の放電用電極間をプラズマ放電領域39として、遮蔽電極19による遮蔽割り合いに応じてバッファ室6内のプラズマ放電領域39を制御するように構成する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の表面をエッチングしたり基板の表面に薄膜を形成したりする基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の枚葉式基板処理装置を構成する処理炉の概略説明図である。処理炉は反応室22を備える。反応室22は真空容器23で気密に構成される。ガス導入管26から反応室22へ各種ガスを導入し、排気管28から反応室22の気体を排気ポンプ29で排気できる構造となっている。反応室22内部には一対の上電極21と下電極25が設けられている。図示しない基板は下電極25の上に載置されて処理される。上電極21は絶縁ブロック24で真空容器23の壁と絶縁され、高周波電源31の出力する高周波電力を整合器30を介して印加できるようになっている。
【0003】
このような構成において、減圧状態の反応室22内の下電極25上に図示しない搬送機構で基板を搬送し、ガス導入管26から導入した各種ガスを、高周波電源31の出力する高周波電力を整合器30を介して上電極21に印加する。この高周波電力の印加により上電極21と下電極25間で放電させてプラズマを発生する。このプラズマにより基板を処理する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、基板が直接プラズマにさらされることにより帯電して、基板上の半導体素子が破壊するなど、基板がダメージを受けるという欠点があった。また、一対の電極間に形成されるプラズマ放電領域が制御できないため、プラズマにより反応室構成部品がダメージを受けるという欠点もあった。また、プラズマ放電領域が制御できないため、基板に対して効率的なガスの供給もできないという問題もあった。
【0005】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、プラズマによるダメージの低減を図り、基板に対して活性種の効率的なガス供給を行うことが可能な基板処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、電気的に中性な活性種を利用して基板を処理するための反応室と、前記反応室の中に設けられ、前記電気的な中性の活性種をプラズマで形成する空間と、前記空間にプラズマ放電を起こすプラズマ放電領域を形成し、このプラズマ放電領域で前記プラズマを生成する放電用電極と、前記放電用電極の一部を遮蔽して、前記放電用電極の一部に対応する前記空間の一部にプラズマ放電を起こさないプラズマ非放電領域を形成する遮蔽部材とを備え、前記遮蔽部材により遮蔽される前記放電用電極の一部の全体に対する遮蔽割り合いを変えて、前記空間に形成されるプラズマ放電領域を制御するように構成したことを特徴とする基板処理装置である。
【0007】
放電用電極の一部が遮蔽部材により遮蔽されているので、遮蔽部材に遮蔽された放電用電極の一部に対応する空間内のプラズマ非放電領域では、プラズマ放電が生じないためプラズマは生成されない。プラズマ放電領域は、放電用電極が遮蔽部材に覆われていない残部に対応する空間内のプラズマ放電領域に限定される。したがって、遮蔽部材による放電用電極の遮蔽割り合いを変えると、空間に形成されるプラズマ放電領域を制御でき、制御されたプラズマ放電領域で形成されるプラズマによって電気的に中性な活性種を生成する。その結果、基板に対して効率的な活性種の供給ができる。また、プラズマ放電領域を制御するので、反応室構成部品のプラズマによるダメージを低減できる。また、基板を処理するのはプラズマではなく電気的に中性な活性種であるので、基板へのダメージを低減できる。
【0008】
本発明において、遮蔽効果をより有効にするために、遮蔽部材を基準電位に保持することが好ましく、特に接地することがより好ましい。
【0009】
また、基板処理装置が、複数の基板を積載した基板保持部材を反応室に装填し、反応室で複数の基板を一括処理する縦型のバッチ処理装置であって、放電用電極が反応室の下方の炉口から空間に挿入される基板処理装置においては、挿入された放電用電極の下方部分を遮蔽部材で遮蔽することが好ましい。基板保持部材は、その下部に基板を直接保持しない基板支持部を有し、基板を直接保持する基板保持部は基板支持部の上部に設けられる。したがって、基板保持部材を装填した反応室下部には基板は存在しない。このため、挿入された放電用電極の下方部分を遮蔽部材で遮蔽すると、プラズマ放電領域は基板と対向している空間部分に限定されて形成され、基板と対向していない空間部分はプラズマ非放電領域となる。その結果、基板に対してより効率的な活性種の供給ができ、反応室構成部品のプラズマによるダメージを一層低減できる。
【0010】
また、前記放電用電極は直状に反応室内に挿入されていることが好ましい。放電用電極が直状であると、遮蔽部材による放電用電極の遮蔽の割り合いの調整が行い易い。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の基板処理装置を、複数の基板を一括して処理する縦型基板処理装置に適用した実施の形態を説明する。ここで基板処理装置は、処理炉、ウェハ移載装置、カセット載置台などを含んで構成されるものである。
【0012】
図1は縦型基板処理装置を構成する処理炉の中間部の平断面図であって、反応管内に基板がロードされた状態を示す図、図2は処理炉のA−A’線矢視断面図、図3は処理炉のC−C’線矢視断面図、図4は処理炉のB−B’線矢視断面図である。
【0013】
図2に示すように、処理炉は反応管1、ヒータ7、フランジ27とから構成される。反応管1は例えば石英ガラスで構成され、略鉛直方向に沿って配設される。反応管1の上部は閉じ下部は開口され、内部に基板処理領域32を形成する。反応管1の外周にヒータ7が設けられ、基板処理領域32内に装填される基板2を加熱するようになっている。反応管1の下部開口に例えば金属製の炉口フランジ27が接続され、ちょうど炉口フランジ27上に反応管1が立設されるようになる。炉口フランジ27の下部開口が炉口33を構成する。互いに連通された反応管1及び炉口フランジ27の内部が、反応室34を構成する。炉口フランジ27には、反応室34内にガスを導入するガスノズル15のノズル入口を炉口33に臨ませるように取り付けられ、また炉口フランジ27の側壁には反応室34内の雰囲気を排気する排気口35が設けられる。反応室34内に、ガスノズル15を収容する細長いバッファ室6が気密に設けられる。バッファ室6は、プラズマでガスを活性化して電気的に中性な活性種を形成し、この活性種を基板処理領域32へ供給するように構成される。バッファ室6は反応管1及び炉口フランジ27の一側内壁に沿って略鉛直方向に設けられる。このバッファ室6内に、前述したノズル入口を炉口33に臨ませたガスノズル15が略鉛直方向に設けられる。ガスノズル15は、そのノズル入口部がバッファ室底部に溶着等により固定されることにより、バッファ室6に気密に取り付けられている。
【0014】
このようにガスノズル15から導入されたガスを、ガスノズル15よりも容量の大きなバッファ室6内でプラズマにより活性化して活性種を生成しているので、バッファ室6内に均一に活性種を生成できる。また、バッファ室6に設けた複数のガス供給孔10から反応室34内の基板3に、プラズマではなく電気的に中性な活性種を供給するようにしているので、基板3にダメージを与えない。また、基板から遠い反応室34の外ではなく、基板に近い反応室34の中で活性種を生成するので、各基板に多量の活性種を供給することができる。
【0015】
炉口フランジ27の炉口33の周囲は、中央が開口したリング状のベースプレート3によって塞がれる。ベースプレート3には、炉口フランジ当接面と反対側のキャップ裏面側からガス導入管13が取り付けられ、ベースプレート3を通って、その導入管出口が炉口フランジ当接面に臨むように取り付けらる。そして、ベースプレート3によって炉口33周囲を塞ぐと同時に、ノズル入口と導入管出口とが合致してガス導入管13とガスノズル15とが接続状態となり、ベースプレート3を貫通する形でガスの導入経路が構成され、その経路を介してガスをバッファ室6内に導入できるようになっている。
【0016】
基板保持部材としてのボート12は、シールキャップ43、ボート支持部36、ボート部37から構成される。ボート支持部36は、例えば基板の温度低下を防ぐための保温筒などで構成されることもある。シールキャップ43はベースプレート3の開口に当接して炉口33を塞ぎ、反応室34を密閉する。シールキャップ43上にボート支持部36を介してボート部37が立設される。ボート部37は複数の基板2を同一間隔に積載できるように構成される。
【0017】
ボート12は昇降自在に設けられて、反応室34内に対して出し入れできるようになっている。またボート12は回転自在に設けられて、複数の基板2の処理の均一性を改善できるようになっている。基板2を反応室34内にロードするときは、図示しないボートエレベータによってボート12を上昇させて、ボート12を炉口33から反応室34内に挿入し、シールキャップ43によって炉口33を密閉する。ボート12を回転するときは、図示しない回転機構によって基板支持部36及びボート部37のみを回転させる。
【0018】
図1に示すように、バッファ室6は平断面視で弧状をしている。バッファ室6は反応管1の内壁に沿って設けられ、バッファ室後壁となる反応管内壁、内壁の前方に位置する前壁、前壁両端と反応管内壁とを連結する両側壁によって区画形成される。基板2と対面するバッファ室前壁面の一端側にガス供給孔10が設けられる。ガス供給孔10は積載された複数の基板2のピッチに対応して複数個設けられ、この複数のガス供給孔10から活性種が各基板上にそれぞれ均一に供給されるようになっている。バッファ室6内のガス供給孔10が設けられたバッファ室前壁面と同じ面の他端側寄りに前述したガスノズル15が配設され、ガスノズル15に設けられた複数のノズル孔38からバッファ室6内にガスを導入するように構成される。
【0019】
バッファ室6内の供給孔10側の他側寄りに一対の放電用電極5が設けられる。各放電用電極5は棒状をしている。棒状をした放電用電極5に沿ってプラズマ放電が起きる。各放電用電極5は、直管で構成された誘電体、例えば石英ガラスで形成された一対の円筒状の保護管14の中にそれぞれ挿入されて、バッファ室6で形成されれるプラズマ11から保護されるようになっている。放電用電極5は誘電体からなる保護管14で覆うことにより、電極表面にプラズマ11が接触するのを防止する。放電用電極5としては、例えばニッケル、タングステン、モリブデン、タンタル等の高融点金属を使用することが好ましい。高融点金属を使用することにより、基板2と同じ温度に加熱される保護管14内部においても電極を変質させることなく使用できる。
【0020】
各電極導入管40から外に出ている放電用電極端部4間には、整合器9を介して高周波電源8が接続され、一対の放電用電極5間に高周波電力を印加する。この印加により放電用電極5間に沿って放電を行わせて、バッファ室6内に導入されたガスからプラズマ11を生成し、このプラズマ11でガスを活性化して電気的に中性な活性種を形成するようになっている。プラズマ11が生成される放電用電極5間、より正しくは保護管14間にプラズマ放電領域39が形成される。
【0021】
図4に示すように、一対の保護管14は、前述したガスノズル15と同様に、ベースプレート3に取り付けた一対の電極導入管40と接続状態となり、シールキャップ3を貫通する形で電極経路が構成され、その経路を介して放電用電極5を保護管14内に導入できるようになっている。また、ベースプレート3に鉛直に取り付けた電極導入管40は、炉の外側の端部で水平方向に分岐され、その開口部が不活性ガス導入出口17となり、鉛直方向の開口部が電極挿入口41となる。不活性ガス導入出口17には図示しない不活性ガス源が接続され、一対の保護管14内に不活性ガスを循環供給できるようになっている。電極挿入口41を鉛直方向に設けることにより、電極導入管40及び保護管14は、全長にわたって直管とすることができるようになっている。また、保護管14の中は、保護管14及び電極導入管40が接続状態になったとき、バッファ室6内部とは独立した気密空間になるので、保護管14の内部に別個にガスを供給可能である。不活性ガス導入出口17からは、放電用電極5の変質を防止するための不活性ガスを保護管14内に導入するようになっている。また、電極挿入口41からは、放電用電極5が保護管14内に鉛直方向上方に挿入されるようになっている。
【0022】
また、保護管14内には、これに挿入された棒状の放電用電極5の一部を、石英ガラスで形成した円筒状の絶縁体20を介して覆う遮蔽部材としての管状の遮蔽電極19が、電極挿入口41から挿入されている。遮蔽電極19としては、放電用電極5と同様に、ニッケルなどの高融点金属を使用することが好ましい。遮蔽電極19は電極挿入口41から外部に出ている遮蔽電極端部18を接地することにより、遮蔽電極19で覆われた放電用電極5の一部を放電用電極として機能しないようにしている。遮蔽電極19の挿入区域は、放電用電極5に沿って調整できるようになっている。図示例では、電極挿入口41から挿入された遮蔽電極19は、ボート部37上の複数の基板2のうち基板最下位置に対応する保護管14内の位置まで挿入されている。これによりボート支持部36を含む炉口33から基板最下位置までの区間に対応するバッファ室6内をプラズマ非放電領域42とし、それから上方の基板処理領域32の区間に対応するバッファ室6内の放電用電極部間をプラズマ放電領域39としている。
【0023】
図3に示すように、一対の保護管14は頂部にて石英ガラスで形成された連結管16で連通され、不活性ガスの通り抜けが可能な構造となっている。このため不活性ガスを循環させることができる。保護管14の内部に放電用電極5の変質を防止する不活性ガスを、一方の保護管端部の不活性ガス導入出口17より一定量連続して導入し、他方の保護管端部の不活性ガス導入出口17より排気することにより、2本の保護管14の内部を不活性ガス雰囲気に維持する。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等を使用することにより、放電用電極5及び遮蔽電極19の酸化等の変質を有効に防ぎ、さらに保護管14内を大気圧程度に維持することで、電極の酸化により形成される金属酸化物の蒸発を防ぎ、ガス化した金属酸化物の保護管14を透過することによる基板2への金属汚染を防止している。
【0024】
上述した構成による動作を説明する。まず、ベースプレート3によって炉口33の周囲が塞がれ、電極導入管40と保護管14とが接続状態となり、またガス導入管13とガスノズル15とが接続状態となる。その状態で、電極導入管40の電極挿入口41から放電用電極5を上方に直線状に挿入し、その先端がボート部37の複数の基板のうち基板最上位置に対応する保護管14内の位置に届くようにする。ついで放電用電極5を挿入した後、同じ電極挿入口41から遮蔽電極19を絶縁体20とともに挿入し、その先端がボート部37の基板最下位置に対応する放電用電極部の位置に届くようにする。終了したら電極挿入口41をOリングなどの封止部材で塞ぐ。つぎに、図示しないボートエレベータでボート12を下げて基板2をボート12に載置した後、ボート12を上昇させて反応室34内部に挿入する。これにより、シールキャップ43はベースプレート3の開口に当接して炉口33を塞ぎ、反応室34を密閉する。
【0025】
ここで、不活性ガス導入出口17から不活性ガスを保護管14内に導入する。保護管14内の不活性ガス置換を充分な時間をかけて行い、保護管14内の酸素濃度を十分に下げてから、ヒータ7に電源を投入し、ヒータ7による加熱を開始する。ヒータ7の高温維持中や昇降温中は必ず連続的に保護管14内の不活性ガス置換を行ない、保護管14内の酸素濃度を低レベルに維持するようにする。
【0026】
ヒータ7の加熱により反応管1及び内部のボート12、基板2などを所定の温度に加熱する。同時に反応室34内部を図示しないポンプで排気口35から排気する。
【0027】
反応室34内部の各部の温度が所定の値になったら、図示しない回転機構によりボート12を回転させながら基板2の処理に用いる処理ガスをガス導入管13からガスノズル15を介してバッファ室6に導入する。
【0028】
このとき反応管1内部の圧力は排気口35に接続される図示しない排気管に介設された圧力調整機構で調節し、所定の値になったら高周波電源8の出力する高周波電力を整合器9を介して放電用電極端部4に供給する。
【0029】
これによってバッファ室6内の限定されたプラズマ放電領域39でプラズマ放電が起きてプラズマ11が発生し、このプラズマが処理ガスを活性化して活性種を生成する。処理ガス及び活性化した活性種がバッファ室6に設けた複数のガス供給孔10から、回転している基板2に向けて噴出されて基板2の処理を行う。
【0030】
ここで、基板処理に2種類のガスを交互に流してALD成膜を行う場合についての成膜条件を例示すれば次の通りである。なお、ガスAとガスBを流すが、ガスBは図示していないノズルから供給される。膜種は窒化膜(Si)である。ガスAはアンモニア(NH)であり、2L/MINを流す。炉の圧力は133Pa(1Torr)、反応室温度は500℃である。放電用電極に印加する高周波(RF)電力は200Wである。これに対して、ガスBはDCS(ジクロルシラン)であり、1L/MINを流す。そのときの炉の圧力は665Pa(5Torr)であり、反応室温度は500℃である。アンモニアの活性種とDCSとを交互に基板上に流すことにより、1原子層づつ膜を形成し、これを繰り返すことによって、所望のSi膜を基板上に形成する。
【0031】
基板処理後、放電用電極5への高周波電力の供給を断ち、プラズマ放電を停止する。前記ガス導入管13から不活性ガスを導入し、反応管1内を不活性ガスに置換して常圧に復帰させ、ボート12を下降させ、ボート12から処理完了後の基板2を払い出す。
【0032】
実施の形態によれば、基板上にプラズマを発生するのではなく、基板から離れた場所でプラズマを生成するリモートプラズマ方式を採用しているので、基板へのダメージを低減できる。また、電気的に中性な活性種を利用して基板を処理しているので、プラズマにより基板が帯電して基板上に形成された素子を破壊する等のようなこともない。また、活性種を生成するバッファ室6を基板の載置された反応室32の中に設けているので、失活前に活性種を有効に基板2に運ぶことができる。
【0033】
また、バッファ室6内に形成されるプラズマ放電領域39は、放電用電極5の一部が遮蔽電極19により覆われているので、放電用電極5に沿う全域に形成されるのではなく、遮蔽電極19に覆われていない放電用電極5の残部間の領域に限定される。このため放電用電極5の挿入長さ又は遮蔽電極19の挿入長さでプラズマ放電領域39を拡大制御したり縮小制御したりすることができる。これにより、プラズマ放電領域39を基板が対面するバッファ室6内の区域に限定することができ、生成された活性種を、複数の基板3に対して効率的に供給することができる。また、プラズマ放電領域39を限定することにより、有効な領域のみにプラズマ放電を起こさせるので、反応管1や保護管14あるいはバッファ室34を構成する壁面へのプラズマ11によるダメージを低減でき、また導入ガス消費の効率化も図ることができる。
【0034】
特に、実施の形態のような処理炉にあっては、放電用電極5を炉口33側から挿入すると、ほぼ反応室34の全長にわたって放電用電極5が挿入されることになる。このため、なんらかの手段を講じないとバッファ室6の全域がプラズマ放電領域となり、基板の存在しないボート支持部36の近傍にもプラズマが発生してしまい、無駄なプラズマ放電領域が形成されることになる。この点で実施の形態のものでは、基板の存在しないボート支持部36近傍の放電用電極部は、遮蔽電極19により電極として機能しないよう覆われて、プラズマ放電領域39が基板近傍のバッファ室内に限定されている。したがって、特にプラズマによるダメージの低減、及び導入ガス消費の効率化が大きく、活性種の効率的なガス供給が可能になる。
【0035】
また、ベースプレート3を貫通する形となる保護管14及び電極導入管40で構成される電極経路を直管で構成しているので、棒状の放電用電極5、円筒状の絶縁体20及び遮蔽電極19を、電極導入管40の電極挿入口41から保護管14内に容易に挿入できる。したがって、放電用電極5及び遮蔽電極19の挿入長さの調整が容易で、プラズマ放電領域を基板載置位置等に合わせて最適に制御できる。
【0036】
また、放電用電極は保護管14で保護されているので、電極表面にプラズマが接触することを防止し、プラズマにより電極表面がスパッタされて金属汚染が基板に及ぶのを有効に防止でき、放電用電極からの金属汚染を防止できる。また、放電用電極に高融点金属を使用しているので、基板と同じ温度に加熱される保護管14内部においても電極は変質することなく電極として使用できる。また、保護管14内に不活性ガスを導入しているので、放電用電極5や遮蔽電極19の変質を有効に防止することができる。したがって、放電用電極や遮蔽電極の酸化防止による長寿命化を図ることができる。
【0037】
また、スループットについては、特に実施の形態によれば、1枚ないし数枚の基板を処理する枚葉式の処理炉ではなく、複数枚の基板を一括処理できるバッチ式の処理炉に適用しているので、枚葉式のもとに比べてスループットを格段に向上できる。例えば、一枚ずつ処理する枚葉式の場合、処理時間を10分、搬送系の動作時間を2分とすると、1時間当たりの処理枚数は5枚である。これに対して実施の形態のバッチ式の場合、基板を100枚一括処理すると、処理時間を30分、搬送系の動作時間を60分としても、1時間当たりの処理枚数は66.7枚となる。したがって、基板の処理速度を大幅に向上できる。この処理速度向上に、基板に対する活性種の効率的なガス供給が有効に寄与することになる。
【0038】
なお、上述した実施の形態では、遮蔽電極によってボート部の基板最下位置までの下方に在る放電用電極部分を覆うようにしたが、その覆う部分はこれに限定されない。基板装填位置や基板処理装置の機種に応じて変更可能である。例えば、遮蔽電極の保護管への挿入長さを変更するにより電極を覆う割り合を変えることで、所望のプラズマ反応領域を制御することができる。すなわち、プラズマ放電領域を基板装填位置に合わせて限定することにより、より効率的な活性種の供給が可能となる。また、遮蔽電極は管状である必要はない。例えば、電極表面を接地した金網状の導電体を用いて、絶縁体を介して放電用電極を覆う構造としてもよい。
【0039】
また、実施の形態では、放電用電極を炉口側から炉内に挿入する場合について説明したが、電極挿入箇所はこれに限定されない。例えば、反応管の上部から下方に挿入する場合や、炉口フランジから斜め上方に入れ、その後バッファ室に鉛直方向に挿入する場合にも適用可能である。なお、炉口フランジから斜め上方に挿入する場合は、保護管は屈曲することになるので、挿入時、その屈曲角度に合わせてまがる柔軟性のある材料で放電用電極、絶縁体、遮蔽電極を構成することが必要である。
【0040】
また、処理炉を構成する反応管と炉口フランジとは別体の場合について説明したが、炉口フランジを反応管と一体に構成したもの、あるいは炉口フランジを省略したものにも適用できる。また、本発明は、複数のガスを混合して流すCVD装置にも、複数のガスを交互に流すALD装置のいずれにも適用できる。また、本発明をバッチ式基板処理装置に適用したが、枚葉式にも適用可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、活性種を利用して基板を処理するので、基板へのダメージを回避できる。また、プラズマ放電領域を制御することにより、プラズマによる反応室などのダメージの低減を図ることができる。また、プラズマ放電領域を制御することにより、基板に対して効率的な活性種の供給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による処理炉の中間部の平断面図である。
【図2】実施の形態による処理炉のA−A’線矢視断面図である。
【図3】実施の形態による処理炉のB−B’線矢視断面図である。
【図4】実施の形態による処理炉のC−C’線矢視断面図である。
【図5】従来例を説明する枚葉式処理炉の縦断面図である。
【符号の説明】
2 基板
5 放電用電極
6 バッファ室(空間)
11 プラズマ
19 遮蔽電極(遮蔽部材)
34 反応室
39 プラズマ放電領域

Claims (1)

  1. 電気的に中性な活性種を利用して基板を処理するための反応室と、
    前記反応室の中に設けられ、前記電気的な中性の活性種をプラズマで形成する空間と、
    前記空間にプラズマ放電を起こすプラズマ放電領域を形成し、このプラズマ放電領域で前記プラズマを生成する放電用電極と、
    前記放電用電極の一部を遮蔽して、前記放電用電極の一部に対応する前記空間の一部にプラズマ放電を起こさないプラズマ非放電領域を形成する遮蔽部材と
    を備え、
    前記遮蔽部材により遮蔽される前記放電用電極の一部の全体に対する遮蔽割り合いを変えて、前記空間に形成されるプラズマ放電領域を制御するように構成したことを特徴とする基板処理装置。
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