JP2004311850A - 半導体あるいは液晶製造装置用保持体およびそれを搭載した半導体あるいは液晶製造装置 - Google Patents

半導体あるいは液晶製造装置用保持体およびそれを搭載した半導体あるいは液晶製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被処理物保持面の均熱性を高めた半導体あるいは液晶製造装置用保持体およびそれを搭載した半導体製造装置を提供する。
【解決手段】被処理物を保持する保持面を有する金属板の、保持面とは反対側に形成された絶縁層の上に、導電層を形成することにより、金属板の保持面の均熱性を向上させることができる。前記導電層はヒータ回路であることが好ましい。更に、金属板と絶縁層との熱膨張係数の差を4.0x10−6/℃以下にすれば、耐久性を向上させることができる。このような保持体を半導体製造装置や液晶製造装置に搭載することにより、生産性や歩留りの良い半導体あるいは液晶製造装置を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマCVD、減圧CVD、メタルCVD、絶縁膜CVD、イオン注入、エッチング、Low−K成膜、DEGAS装置などの半導体製造装置あるいは、液晶製造装置に使用される保持体、更にはそれを搭載した処理チャンバー、半導体あるいは液晶製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体あるいは液晶の製造工程では、被処理物である半導体基板あるいは液晶用ガラスに対して成膜処理やエッチング処理など様々な処理が行われる。このような半導体基板あるいは液晶用ガラスに対する処理を行う処理装置では、半導体基板あるいは液晶用ガラスを保持し、半導体基板あるいは液晶用ガラスを加熱するためのセラミックスヒータが用いられている。
【0003】
このような従来のセラミックスヒータは、例えば特開平4−78138号公報に開示されている。特開平4−78138号公報に開示されたセラミックスヒータは、抵抗発熱体が埋設され、容器内に設置され、ウェハー加熱面が設けられたセラミックス製のヒータ部と、このヒータ部のウェハー加熱面以外の面に設けられ、前記容器との間で気密性シールを形成する凸状支持部と、抵抗発熱体へと接続され、容器の内部空間へと実質的に露出しないように容器外へ取り出された電極とを有する。
【0004】
この発明では、それ以前のヒータである金属製のヒータで見られた汚染や、熱効率の悪さの改善が図られているが、半導体基板の温度分布については触れられていない。しかし、半導体基板の温度分布は、前記様々な処理を行う場合に、歩留りに密接な関係が生じるので重要である。そこで、例えば特開2001−118664号公報では、セラミック基板の温度を均一化することができるセラミックヒータが開示されている。この発明では、セラミック基板面の最高温度と最低温度の温度差は、数%以内であれば、実用に耐えるとされている。
【0005】
しかし、近年の半導体基板あるいは液晶用ガラスは大型化が進められている。例えば、半導体基板であるシリコン(Si)ウェハでは8インチから12インチへと移行が進められている。また、液晶用ガラスでは、例えば1000mmx1500mmという非常に大型化が進められている。この半導体基板あるいは液晶用ガラスの大口径化に伴って、セラミックスヒータの半導体基板の保持面(加熱面)の温度分布は、±1.0%以内が必要とされるようになり、更には、±0.5%以内が望まれるようになってきた。
【0006】
セラミックスヒータの保持面の均熱性を向上させる方法として、熱伝導率の高いセラミックスを用いることがある。セラミックスの熱伝導率が高ければ、抵抗発熱体で発熱した熱が、セラミックスの内部を拡散しやすく、保持面の均熱性を高めることができる。
【0007】
抵抗発熱体を発熱させるには、通電するので、セラミックスは、電気的に絶縁体である必要がある。しかし、絶縁性のセラミックスで、熱伝導率の高いものは、限られており、例えば、熱伝導率2000W/mKのダイヤモンドや500W/mKのc−BN(立方晶型窒化ホウ素)等があるが、いずれも超高圧高温の条件でしか得られない材料であり、非常に高価で、製造可能な大きさにも限界があるので、本発明の目的とするセラミックスヒータには用いることができない。
【0008】
また、一般的に用いられるAl、AlN、Si、SiC等のセラミックスでは、均熱性を向上させるために、その厚みを厚くすればよいが、厚みを厚くすると昇温や降温の速度が遅くなり、いわゆるスループットを上げることができないので、生産性が悪くなる。また、厚みを厚くしたり、直径を大きくすれば、セラミックスのコストが飛躍的に上昇してしまうという問題もあった。
【0009】
【特許文献1】
特開平04−078138号公報
【特許文献2】
特開2001−118664号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、半導体ウェハあるいは液晶用ガラスの表面の均熱性を高め、安価で生産効率の良い半導体あるいは液晶製造装置用保持体およびそれを搭載した半導体あるいは液晶製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体あるいは液晶製造装置用保持体は、被処理物を保持する保持面を有する金属板の、保持面とは反対側の面に形成された絶縁層上に、導電層が形成されていることを特徴とする。前記導電層はヒータ回路を含むことが好ましい。
【0012】
記金属板の熱伝導率は、50W/mK以上であることが好ましい。前記金属板は、Al−SiCあるいは、鉄、ステンレス、アルミニウム、又は、銅であることが好ましい。また、前記絶縁層と金属板との熱膨張係数の差は、4.0x10−6/℃以下であることが好ましい。更に、前記金属板と絶縁層との間に、1層以上の中間層を有することが好ましい。
【0013】
また、前記絶縁層は、アルマイトであることが好ましく、また、溶射膜であることが好ましい。溶射膜としては、、Al膜であることが好ましい。また、前記絶縁層は、琺瑯であってもかまわない。更に、前記導電層の表面を絶縁層で被覆していることが好ましい。
【0014】
前記金属板の保持面の平面度は、500μm以下であることが好ましく、また、その面粗さは、Raで3μm以下であることが好ましい。また、前記金属板は、その直径が200mm以上であり、その厚みは50mm以下であることが好ましい。更に、前記金属板の吸水率は、0.01%以下であることが望ましい。
【0015】
また本発明の保持体は、半導体製造装置においては、ウェハを加熱し、液晶製造装置においては、ガラス基板を加熱することが好ましい。
【0016】
このような保持体を搭載された半導体製造装置や液晶製造装置は、被処理物であるウェハあるいは液晶用ガラス表面の温度が従来のものより均一になるので、歩留り良く半導体あるいは液晶表示装置を製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
一般的に量産されている金属は、大型にしても比較的コストは安く、同一のサイズのセラミックスに比べると、そのコストは格段に安価である。しかも、金属の熱伝導率は、比較的高いものが多いので、保持面の均熱性を得ることが容易である。しかし、金属は、導電性であるため、金属に直接導電層を形成することができない。そこで、図1に示すように、金属板1の保持面とは反対側の面に、絶縁層2を形成し、該絶縁層の上に導電層3を形成した保持体とすれば、被処理物6の表面の均熱性を大幅に向上することができ、しかも保持体のコストを安価にできることを見出した。
【0018】
前記導電層は、ヒータ回路、RF電極回路、静電チャック電極回路等があり、そのうちの1種類を含む単層であっても、2種類以上を含む多層であってもよい。その中でも本発明の目的の一つである被処理物を均一に加熱するためには、導電層には、少なくともヒータ回路を含むことが好ましい。また、導電層の形成は、溶射や蒸着など既知の方法で行うことができる。
【0019】
金属板は、高熱伝導率であるほど好ましいが、50W/mK以上の熱伝導率を有しておれば、本発明の効果が得られるので好ましい。そのような材料としては、Al−SiCが好ましい。また、鋼やステンレスのような鉄系金属やアルミニウムあるいは銅であっても、耐食性や耐熱性に優れ、安価であるので好ましい。
【0020】
金属板に形成する絶縁層は、熱膨張係数が金属板と大きく異なると、加熱時に熱膨張係数の差に起因する熱応力が過大になって、剥離やクラックが発生することがあるので、金属板と絶縁層との熱膨張係数の差は、4.0x10−6/℃以下であることが好ましい。
【0021】
また、図2に示すように、金属板1と絶縁層2との間に、熱膨張係数が金属板と絶縁層の熱膨張係数の間である材料からなる中間層4を1層以上形成すれば、金属板と絶縁層との熱膨張係数の差を緩和し、熱応力を低減することができるので、耐久性の観点から好ましい。該中間層は、導電性であっても絶縁性であってもかまわない。
【0022】
絶縁層は、アルマイトが絶縁性、耐熱性、耐食性、コストの観点から好ましい。また、絶縁層は溶射膜としてもよい。溶射は、安価に大型の金属板上に絶縁層を形成できる手法であるからである。溶射膜としては、絶縁性、耐熱性、耐食性、コストの観点から、Alが好ましい。
【0023】
また、絶縁層は、琺瑯であっても、絶縁性、耐熱性、耐食性、コストの観点から好ましい。特に、金属板を鋼やステンレスなどの鉄系金属とする場合、熱膨張率や濡れ性の観点から好ましい。
【0024】
また図3に示すように、前記導電層3の表面は、絶縁層5で被覆した方が、導電層の劣化を防ぐ観点から好ましい。特に、導電層がヒータ回路である場合、前記劣化の防止の他に、ヒータ回路で発熱した熱が、金属板とは反対側への放散されるのを抑制することができるので、均熱性や省エネルギーの観点からも好ましい。
【0025】
また、金属板の被処理物保持面の平面度は500μm以下、面粗さはRaで3μm以下であれば、被処理物を均一に加熱することができ、被処理物表面の温度分布を±1.0%以下にすることができるので、好ましい。
【0026】
また、金属板の直径が200mm以上であれば、本発明の効果が顕著になり、大型の半導体ウェハや液晶用ガラスを処理することができるので、好ましい。更に、金属板の厚みは、50mm以下であれば、急速な昇温や降温が可能になるので好ましい。
【0027】
また、本発明の保持体を設置した装置内を一度真空引きしてから使用する場合は、該保持体からのガスの発生により、真空引きの時間が長くなることを防ぐために、金属板の吸水率は0.01%以下であることが好ましい。吸水率が0.01%を超えると、真空引きに要する時間が長くなり、設備の稼動率が低下し、生産効率が悪くなる。
【0028】
また、本発明の保持体を半導体装置に組み込んで、半導体ウェハを処理することができる。本発明の保持体は、ウェハ保持面の温度が均一であるので、ウェハの温度分布も従来より均一になるので、形成される膜や熱処理等に対して、安定した特性を得ることができる。
【0029】
また、本発明の保持体を液晶製造装置に組み込んで、液晶用ガラスを処理することができる。本発明の保持体は、液晶用ガラスの保持面の温度が均一であるので、液晶用ガラス表面の温度分布も従来より均一になるので、形成される膜や熱処理等に対して、安定した特性を得ることができる。
【0030】
【実施例】
実施例1
市販の直径400mm、厚み10mmのAl−SiC製の金属板を用意した。このAl−SiCの熱伝導率は220W/mKであり、熱膨張係数は、4.5x10−6/℃、吸水率は0.00%である。この金属板の片方の面にAl膜を溶射により形成した。Alを溶射した面と反対側の面を研磨して、平面度30μm、面粗さRa0.7μmに仕上げた。Al膜の熱膨張係数は、6.7x10−6/℃である。
【0031】
前記Al膜の上に、ヒータ回路パターンを抜いたマスクを置いて、AgとPdを同時に溶射することにより、Ag−Pdからなるヒータ回路をAl膜上に形成した。このヒータ回路の両端部にW端子を半田接合し、更に系外へ電気的に接続されるNi製の引出線を接合した。
【0032】
この保持体を真空装置のチャンバー内に設置して、チャンバー内を真空にした。真空引きは、5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。更に真空引きを行いながら,Arを流してチャンバー内を13.3kPa(100torr)の減圧にして、前記Ni引出線を介して200Vの電力を供給して、保持面を250℃に加熱した。
【0033】
保持面の均熱性をウェハ温度計を用いて測定したところ、250℃±0.35%であった。また、この保持体を室温から250℃まで昇降温を500回繰り返すヒートサイクル試験したところ、10個の保持体を試験して、10個とも剥離やクラック発生などの問題はなかった。
【0034】
実施例2
実施例1と同じ金属板を用いた。この金属板をアルマイト処理用の電解液に浸積して、陽極酸化することにより、金属板の表面にγ−Alを被覆した。これを沸騰水処理、加熱蒸気処理を行ってγ−Al表面の気孔を封孔して、Al−SiCのアルマイト処理を行った。その後、該金属板の一面を研磨加工して、平面度30μmで、面粗さ0.7μm(Ra)に仕上げ、保持面とした。形成したアルマイト処理層の熱膨張係数は、6.7x10−6/℃である。
【0035】
実施例1と同様に、金属板の保持面とは反対側の面に、溶射により、Ag−Pdヒータ回路を形成し、W端子およびNi引出線を接合した。この保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、250℃±0.35%であった。また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、10個の保持体を試験して、10個全て剥離やクラックの発生はなかった。
【0036】
実施例3
実施例1と同様の金属板を用い、その表面に琺瑯処理を施した。琺瑯の熱膨張係数は、30.5x10−6/℃であった。琺瑯処理を施した金属板の一面を研磨加工して、平面度30μm、面粗さ0.7μm(Ra)の保持面を仕上げた。その後、実施例1と同様にヒータ回路を形成し、W端子とNi引出線を接合した。
【0037】
この保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、250℃±0.35%であった。また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、10個の保持体を試験して、10個中6個の保持体に剥離やクラックが発生した。熱膨張係数の差が、26x10−6/℃と大きい場合、剥離やクラックの発生確率が高くなることが判る。
【0038】
実施例4
市販の直径400mm、厚み10mmの鋼製の金属板を用意した。この鋼の熱伝導率は50W/mKであり、熱膨張係数は、41x10−6/℃、吸水率は0.00%である。この金属板に琺瑯処理を施した。琺瑯の熱膨張係数は、35x10−6/℃である。実施例1と同様に研磨加工して、平面度30μm、面粗さRa0.7μmの保持面を仕上げた。その後、実施例1と同様にして、Ag−Pdヒータ回路を形成し、W端子とNi引出線を接合した。
【0039】
この保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、250℃±0.65%であった。また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、10個の保持体を試験して、10個中8個の保持体に剥離やクラックが発生した。熱膨張係数の差が、6x10−6/℃と実施例3よりは小さいが、4.0x10−6/℃より大きい場合、剥離やクラックの発生確率が高くなることが判る。また、金属板の熱伝導率が、Al−SiCよりも低いので、均熱性は実施例1よりは劣っていた。
【0040】
実施例5
実施例4と同様にして、鋼製保持体を作成した。ただし、実施例4の琺瑯処理の前に、熱膨張係数38.5x10−6/℃の琺瑯処理を施した。実施例4と同様に、保持面を仕上げ、Ag−Pdヒータ回路を形成し、W端子とNi引出線を接合した。
【0041】
この保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、250℃±0.65%であった。
【0042】
また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、10個の保持体を試験して、10個中全ての保持体に剥離やクラックの発生はなかった。実施例4とは異なり、中間層を挟んだことにより、熱膨張係数の差が緩和された効果があらわれたことが判る。
【0043】
実施例6
鋼板の代わりに、熱伝導率403W/mK、熱膨張係数20x10−6/℃の銅板を用いた以外は、実施例4と同様にして、保持体を作製した。この保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、250℃±0.25%であった。熱伝導率の良い銅板を用いたことにより、均熱性が向上したことが判る。
【0044】
また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、10個の保持体を試験して、10個中7個の保持体に剥離やクラックが発生した。熱膨張係数の差が、15x10−6/℃と実施例3よりは小さいが、4.0x10−6/℃より大きい場合、剥離やクラックの発生確率が高くなることが判る。
【0045】
実施例7
Al−SiC板の代わりに、熱伝導率236W/mK、熱膨張係数23x10−6/℃のAl板を用いた以外は、実施例1と同様にして、保持体を作製した。この保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、250℃±0.30%であった。熱伝導率の良い銅板を用いたことにより、均熱性が向上したことが判る。
【0046】
また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、10個の保持体を試験して、10個中5個の保持体に剥離やクラックが発生した。熱膨張係数の差が、16.3x10−6/℃と4.0x10−6/℃より大きい場合、剥離やクラックの発生確率が高くなることが判る。
【0047】
実施例8
実施例1と同様の保持体を作製した後、ヒータ回路側の面上に、Alを溶射し、ヒータ回路を絶縁層で被覆した。この保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、250℃±0.30%であった。ヒータ回路を絶縁層で被覆したことにより、均熱性が向上したことが判る。
【0048】
また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、10個の保持体を試験して、10個全ての保持体に剥離やクラックは発生しなかった。
【0049】
実施例9、10
実施例2と同様の保持体を作製した。ただし、保持面の研磨加工を調整して、平面度を400μmと600μmとした。これらの保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、いずれの保持体でも実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、平面度が400μmでは、250℃±0.35%であり、平面度が600μmでは、250℃±0.55%であった。
【0050】
また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、10個の保持体を試験して、10個全ての保持体に剥離やクラックは発生しなかった。
【0051】
実施例11
吸水率0.015%のAl−SiC板を用いた以外は、実施例1と同様にして、保持体を作製した。この保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、60分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、250℃±0.35%であった。吸水率の大きいAl−SiC板を用いたことにより、真空引き中に気孔に吸着したガスがでてくるので、真空引きの時間が長くなったことが判る。
【0052】
また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、10個の保持体を試験して、10個全ての保持体に剥離やクラックの発生はなかった。
【0053】
実施例12〜14
ヒータ回路を、Wを蒸着することにより、形成した以外は、実施例1と同様にして、保持体を作製した。なお、保持面の平面度は、実施例1とおなじ30μmとしたが、面粗さを実施例1と同じ0.7μm(Ra)と、2.5μm(Ra)および3.2μm(Ra)の3種類とした。
【0054】
これらの保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、いずれの保持体も実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、Ra0.7μmで250℃±0.35%、Ra2.5μmで250℃±0.40%、Ra3.2μmで250℃±0.70%であった。
【0055】
また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、いずれの保持体でも10個の保持体を試験して、10個全ての保持体に剥離やクラックの発生はなかった。
【0056】
比較例1
市販の直径400mm、厚み10mmのAlの板を用意した。このAlの熱伝導率は25W/mKであり、熱膨張係数は、6.7x10−6/℃、吸水率は0.00%である。Al板の一面を研磨して、平面度30μm、面粗さRa0.7μmに仕上げた。
【0057】
実施例1と同様にして、Ag−Pdヒータ回路を形成し、W端子とNi引出線を接合した。この保持体を実施例1と同様に、真空装置に設置し、250℃での均熱性を測定した。なお、真空引きは、実施例1と同様5分間で1.3Pa(0.01torr)に到達した。その結果、均熱性は、250℃±1.2%であった。熱伝導率が低いため、均熱性が非常に悪くなったことが判る。
【0058】
また、実施例1と同様に、ヒートサイクル試験を行ったところ、10個の保持体を試験して、10個全ての保持体に剥離やクラックの発生はなかった。熱伝導率が悪くても、耐久性に差はなかった。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、金属板の保持面とは反対側の面に絶縁層を形成し、該絶縁層の上に導電層を形成すれば、保持面の均熱性を高めることができる。前記導電層はヒータ回路であることが好ましい。更に、金属板と絶縁層との熱膨張係数の差を4.0x10−6/℃以下にすれば、耐久性を向上させることができる。このような保持体を半導体製造装置や液晶製造装置に搭載することにより、生産性や歩留りの良い半導体あるいは液晶製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保持体の断面構造の一例を示す。
【図2】本発明の保持体の断面構造の他の一例を示す。
【図3】本発明の保持体の断面構造の他の一例を示す。
【符号の説明】
1 金属板
2 絶縁層
3 ヒータ回路
4 中間層
5 被覆絶縁層
6 被処理物

Claims (18)

  1. 被処理物を保持する保持面を有する金属板の、保持面とは反対側の面に形成された絶縁層上に、導電層が形成されていることを特徴とする半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  2. 前記導電層が少なくともヒータ回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  3. 前記金属板の熱伝導率が、50W/mK以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  4. 前記金属板が、Al−SiCであることを特徴とする請求項3に記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  5. 前記金属板が、鉄、ステンレス、アルミニウム、あるいは銅であることを特徴とする請求項3に記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  6. 前記絶縁層と金属板との熱膨張係数の差が、4.0x10−6/℃以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  7. 前記金属板と絶縁層との間に、1層以上の中間層を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  8. 前記絶縁層が、アルマイトであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  9. 前記絶縁層が、溶射膜であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  10. 前記絶縁層が、Al膜であることを特徴とする請求項9に記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  11. 前記絶縁層が、琺瑯であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  12. 前記導電層の表面を絶縁層で被覆していることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  13. 前記金属板の保持面の平面度が、500μm以下であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  14. 前記金属板の保持面の面粗さが、Raで3μm以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  15. 前記金属板が、直径200mm以上であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  16. 前記金属板が、厚み50mm以下であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  17. 前記金属板が、吸水率0.01%以下であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の半導体あるいは液晶製造装置用保持体。
  18. 請求項1乃至17のいずれかの保持体が搭載されたことを特徴とする半導体あるいは液晶製造装置。
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