JP2004309037A - 換気グリル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前端および後端が開口された筒体21と、この筒体21内に設けられるとともにこの筒体内を通る空気の風量を調整する風量調整機構30とを備えた換気グリル装置であって、風量調整機構30は、筒体21の中央部に設けた軸部26と、この軸部26に回動可能に設けられ且つ前記前端側から後端に向かって重ねられるとともに筒体21の風路を遮断するための複数の調整板31〜35とを有し、最前端側に配置された第1調整板31を回動させた際、この第1調整板33が所定角度回動していく毎に、第1調整板の後ろ側にある調整板32〜34が前から順番に第1調整板31とともに回動して前記風路を遮断する面積が大きくなるようした。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば室内の天井や壁に設けられ室内へ空気を給気または室内の空気を吸気する換気グリル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図44および図45に示す換気グリル装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる換気グリル装置は、上下端が開口した筒体1の中心部に設けられた軸部2に回動可能に設けた調整ネジ3と、この調整ネジ3に螺合されるとともにその調整ネジ3の回動によって上下動する可動部材4と、筒体1の内周壁に設けた2組の一対の回転支軸5に回動自在に軸支された一対のシャッタ6,6′とを備えている。
【0004】
シャッタ6,6′には、回転支軸5を回転自在に嵌入する筒体6Aと、ガイド溝7とが形成され、シャッタ6,6′の下面側にはガイド溝7に沿って断面がコ字状のガイドレール8が形成されている。そして、可動部材4に設けたアーム4Aの先端部がガイド溝7に挿入され、この先端部に設けたピン9がガイドレール8で囲まれる空間8a内に挿入されており、ピン9がガイドレール8に沿ってその空間8a内を移動できるようになっている。また、ピン9の位置は回転支軸5の外側に位置している。
【0005】
そして、軸部2に設けたツマミ10を回動することにより調整ネジ3が回動し、この調整ネジ3の回動により可動部材4が上下動する。可動部材4の上下動によりピン9がガイドレール8の空間8a内を上下動していくことにより、シャッタ6が回転支軸5回りに回動する。すなわち、可動部材4が下降するとシャッタ6は回転支軸5を中心にして時計回りに回動し、シャッタ6′は回転支軸5を中心にして反時計回りに回動して筒体1内を閉成していく。
【0006】
逆に、可動部材4が上昇するとシャッタ6は回転支軸5を中心にして反時計回りに回動し、シャッタ6′は回転支軸5を中心にして時計回りに回動して筒体1内を開成していくことになる。そして、これらシャッタ6,6′の回動位置により筒体1内に流れる空気の風量を調整するものである。
【0007】
【特許文献1】
特公平6−58181号公報(第2頁、第1図、第2図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような換気グリル装置にあっては、シャッタ6,6′を回転支軸5回りに回動させるために可動部材4を上下動可能に設けたり、この可動部材4を上下動させるために調整ネジ3を軸部2に回動可能に設けたり、調整ネジを回動するツマミ10を軸部2に設けたりしなければならず、さらに、回動部材4にアーム4Aを設け、このアーム4Aの先端部にピン9を設けなければならないので、全体の構造が複雑になってしまう問題があった。また、シャッタ6には溝7を設けるとともに断面がコ字状のガイドレール8を設けており、さらに筒体6Aを設けているので、シャッタ6を射出成形する金型をスライド構造にしなければならず、金型が複雑なものになってしまい、シャッタ(調整板)6は高価なものとなり、この結果、換気グリル装置は高価なものになってしまう等の問題があった。
【0009】
この発明の目的は、簡単な構造で風量を調整することができ、しかも安価な換気グリル装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、前端および後端が開口された筒体と、この筒体内に設けられるとともにこの筒体内を通る空気の風量を調整する風量調整手段とを備えた換気グリル装置であって、
前記風量調整手段は、前記筒体の中央部に設けた軸部と、この軸部に回動可能に設けられ且つ前記前端側から後端に向かって重ねられるとともに前記筒体の風路を遮断するための複数の調整板とを有し、
最前端側に配置された第1調整板を回動させた際、この第1調整板が所定角度回動していく毎に、第1調整板の後ろ側にある調整板が前から順番に第1調整板とともに回動して前記風路を遮断する遮断面積が大きくなり、その第1調整板を逆方向に回動させた際に前記遮断面積が小さくなることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、前記各調整板は係合部と係止部とを有し、調整板の前に配置された前調整板が所定角度回動した際にその調整板の係合部が前調整板の係止部に係合してその前調整板とともに前記調整板が回動し、この調整板が所定角度回動した際にこの調整板の後ろに配置された後調整板の係合部に前記調整板の係止部が係合して後調整板が前記調整板とともに回動していくことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、両端が開口された筒体と、この筒体内に設けられるとともにこの筒体内を通る空気の風量を調整する風量調整手段とを備えた換気グリル装置であって、
前記風量調整手段は、前記筒体の中央部に設けた軸部に放射状に配置された複数の調整板を有し、
前記各調整板は、前記筒部の風路方向と直交する方向と、その風路方向と平行となる方向とに前記筒体に着脱可能に装着できるようになっていることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、前記各調整板は、平板状の板部と、この板部の一端に設けた第1支軸と、その板部の他端に設けた第2支軸とを有し、
各調整板の第1支軸がそれそぞれ着脱可能に係合する複数の第1凹部を前記筒体の周壁に周方向に沿って設け、
各調整板の第2支軸がそれぞれ着脱可能に係合する複数の第2凹部を前記軸部に周方向に沿って設け、
前記風量を調整するために各調整板の板部の向きが変えられるように、第1,第2支軸回りに調整板を所定角度回動させて、第1,第2支軸を第1,第2凹部に係合させた際に、第1,第2支軸のうちいずれか一方を対応する第1凹部または第2凹部に軸回りに対して固定できるようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、前記調整板の第1支軸と、前記筒体の第1凹部とに角部を設けて第1支軸を軸回りに対して固定することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、両端が開口された筒体と、この筒体内に設けられるとともにこの筒体内を通る空気の風量を調整する風量調整手段とを備えた換気グリル装置であって、
前記風量調整手段は、前記筒体の中央部に設けた軸部に放射状に配置されるとともに放射方向に延びた軸線回りに回動自在の複数の調整板と、各調整板を前記軸線回りに回動させて各調整板の向きを変えて前記風量を調整する回動調整手段とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、前記回動調整手段は、前記各調整板に設けたギアと、前記筒体の軸線回りに回動可能に設けた調整リングと、この調整リングに設けられるとともに前記ギアに噛合するギア部とを備え、調整リングを回動させることによって各調整板を軸線回りに回動させることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる換気グリル装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1ないし図3に示す換気グリル装置20は、前端および後端が開口されるとともに風路を形成した樹脂製の筒体21と、この筒体21内に設けられた風量調整機構(風量調整手段)30とを備えている。
[筒体21]
筒体21は、前端側(図2において下側)に径の大きい大径筒部21Aと、この大径筒部21Aの後ろに一体的に形成された径の小さい小径筒部21Bとを有しており、筒体21内には段差面21Cが形成されている。そして、大径筒部21Aの前端には、室内の壁や天井壁等の表側に取り付けるための方形状のフランジ22が一体形成され、このフランジ22にはグリル23が着脱可能に装着されるようになっている。
【0018】
また、筒体21内の中央部(中心部)には、小径筒部21Bの内周壁から中心に向けて延びた3つの支持部25に支持された軸部26が設けられており、この軸部26には軸孔26aが形成されている。筒体21は、アタッチメント24を介して換気装置(図示せず)に接続された図示しないダクトに接続されるようになっている。
【0019】
アタッチメント24は、筒体21に嵌合する筒部24Aと、図示しないダクトに接続される筒状の接続部24Bとを有している。換気グリル装置20の筒体21は、アタッチメント24をその接続部24Bの径の異なるアタッチメントに交換することにより、径が異なるダクトに接続することが可能となるので、換気装置のダクトの径に合わせて換気グリル装置20を製造する必要がなく、このため換気グリル装置20のコストを抑えることができる。
[風量調整機構30]
風量調整機構30は、図4および図5に示すように、筒体21内に設けた軸部26と、この軸部26に回動可能に設けた複数の樹脂製の調整板31〜36とを有している。調整板31〜36は、この順番に前から後ろへ重ねられており、各調整板31〜36は互いに所定角度の範囲で相対的に回動自在となっている。
[調整板31]
調整板(第1調整板)31は、図6ないし図8に示すように、中心部に軸孔31aを設けた円形部31Aと、この円形部31Aから互いに反対の径方向へ延びた扇状の板状の調整部31B,31Cとを有している。また、円形部31Aには、軸孔31aの周囲に4つの係止孔31bが形成されている。
【0020】
調整部31Bの周面31cの両端には径方向へ突出した突出部(係合部)31dと突出部31eが形成され、突出部31eには下方(図8において)に突出した突起部(係止部)31fが形成されている。同様に、調整部31Cの周面31gの両端に突出部(係合部)31hと突出部31iとが形成され、突出部31iには突起部(係止部)31jが形成されている。突出部31d,31hは軸孔31aに対して互いに対称位置に配置され、突起部31f,31jは軸孔31aに対して互いに対称位置に配置されている。
【0021】
各調整板32〜36も調整板31と同一の大きさで同一形状に構成されているので、その説明は省略する。
【0022】
各調整板31〜36は、図4および図5に示すように重ねられて、回転ツマミ37の軸38がその軸孔31a〜36aに挿入され、その軸38の先端部に設けた突起部38a(図8参照)が筒体21の軸部26の軸孔26aを貫装して、その軸孔26aに係止することにより軸部26に取り付けられている。そして、各調整板31〜36は回転ツマミ37の軸38回りに回動自在となっている。回転ツマミ37は、筒体21の軸部26の軸孔26aに回転可能に取り付けられている。
【0023】
回転ツマミ37のツマミ部37Bの後端面には、図8に示すように、4つの突起37tが形成され、これら突起37tが調整板31の係止孔31bに係合して、回転ツマミ37の回動とともに調整板31が回動していくようになっている。
[動 作]
次に、上記のように構成される換気グリル装置20の動作について説明する。
【0024】
調整板31〜36が図4および図9に示すように重ねられていて筒体21内の風路が全開している場合、この状態から調整板31〜36を回動させて筒体21風路の開度を調整するには、先ずグリル23を外す。次に、回転ツマミ37のツマミ部37Bを時計回り(図4において時計回り、図6および図7において反時計回り)に回していくと、回転ツマミ37とともに調整板31が回動していく。この調整板31が所定角度である例えばα回動すると、図7に示すように、調整板31の突起部31f,31j(図8参照)が調整板32の突出部32d,32hに係合する。
【0025】
さらに、回転ツマミ37を回して調整板31を回動していくと、調整板31とともに調整板32が回動していく。そして、調整板32が所定角度α回動すると、すなわち調整板31が2α回動すると、図10に示すように、調整板32の突起部32f,32j(図示せず)が調整板33の突出部33d,33h(図示せず)に係合する。
【0026】
そして、調整板31および調整板32の回動とともに調整板33が回動していく。このように、調整板31が所定角度α回動する毎に調整板32〜36がこの順番で回動されていき、筒体21内の風路を遮断する面積が大きくなっていく。すなわち、筒体21内の風路が調整板31〜36により閉成されていき、筒体21に流れる空気の風量が調整される。
【0027】
調整板31が約(180−α)度だけ回動されると、図11に示すように筒体21内の風路が調整板31〜36により全閉される。
【0028】
この状態から、回転ツマミ37を反時計回り(図4において)に回動していく。そして、調整板31が上記と逆方向に所定角度α回動すると、調整板31の突起部31f,31j(図8参照)が調整板32の突出部32e,32i(図示せず)に係合し、この後調整板31とともに調整板32が逆方向に回動していく。同様にして、調整板31がさらに上記と逆方向に所定角度α回動する毎に調整板33〜36がこの順番で上記と逆方向に回動されていき、筒体21内の風路を遮断する面積が小さくなっていく。すなわち、筒体21内の風路が開成されていく。
【0029】
このように、各調整板31〜36を回転ツマミ37により筒体21の軸部26に回転自在に軸支させ、各調整板31〜36を回動させることにより風量を調整するようにしたものであるから、その構成は至って簡単なものである。
【0030】
また、各調整板31〜36は、円形部31A〜36Aと、板状の調整部31B,31C〜36B,36Cと、突出部31d,31h〜36d,36hおよび突起部31f,31j〜36f,36jとを設けたものであるから、アンダーカット部がなく、このため、各調整板31〜36を射出成形する金型をスライド構造にする必要がなく、調整板31〜36は安価なものとなり、換気グリル装置20は安価なものとなる。さらに、各調整板31〜36は同一形状で同一大きさなので、調整板31〜36を射出成形する金型は1つでよく、このため、さらに調整板31〜36は安価なものとなり、換気グリル装置20はさらに安価なものとなる。
[第2実施形態]
図12は、第2実施形態の換気グリル装置50を示したものである。この換気グリル装置50は、図13ないし図15に示すように、前端および後端が開口されるとともに風路を形成した樹脂製の筒体51と、この筒体51内に設けられた風量調整機構(風量調整手段)60とを備えている。
[筒体51]
筒体51は、前端側(図13〜図15において左側)に径の大きい大径筒部51Aと、この大径筒部51Aの後ろに一体的に形成され大径筒部51Aの径より小さい中径筒部51Bと、中径筒部51Bの径より小さい小径筒部51Cと、中径筒部51Bと小径筒部51Cとを結ぶラッパ状の風路部51Dとを有しており、筒体51内であって大径筒部51Aと中径筒部51Bとの間に段差面51Eが形成されている。そして、大径筒部51Aの前端には、室内の壁や天井壁等の表側に取り付けるための方形状のフランジ52が一体形成され、このフランジ52にはグリル53が着脱可能に装着されるようになっている。
【0031】
小径筒部51Cは、第1実施形態と同様にアタッチメント24(図3参照)を介して換気装置(図示せず)に接続された図示しないダクトに接続されるようになっている。
【0032】
また、筒体51内である中径筒部51B内の中心部には図16ないし図18に示すように筒軸54が配置され、この筒軸54は風路部51Dの内周壁から中心に向けて延びた3つの支持部55により支持されている。
【0033】
筒軸54の周壁の端面(図17および図18において左端面)には所定間隔毎に12個の凹部(第1凹部)54aが形成されている。また、筒体51の段差面51Eと中径筒部51Bの内周面とで形成される角部には各凹部54aに対応して凹部(第2凹部)51fがそれぞれ形成されている。凹部54aと凹部51fとを結ぶ直線は筒体51の径方向となっている。各凹部51fは、図19に示すように直方体状に形成されていて角部を有している。
[風量調整機構60]
風量調整機構60は、図12ないし図15に示すように、放射状に配置された複数の樹脂製の調整板61等から構成されている。各調整板61は同じ大きさの同一形状に形成されている。
[調整板61]
各調整板61は、図20および図21に示すように、ほぼ扇形状をした平板状の板部62と、この板部62の一端に設けた軸部(第1支軸)63と、板部62の後端(周端)に設けた軸部(第2支軸)64とを有している。軸部64は、角部を有する4つの直方体の軸片64A〜64Dから構成され、これら軸片64A〜64Dによって十字形に形成されている。
【0034】
各軸片64A〜64Dは、同一大きさの同一形状に形成されており、筒体51の凹部51fとほぼ同一の大きさに設定され、その凹部51fに着脱可能に嵌入するようになっている。また、軸部63は筒軸54の凹部54aに着脱可能に係合するようになっている。
[動 作]
次に、上記のように構成される換気グリル装置50の動作について説明する。
【0035】
換気グリル装置50を全開する場合は、図22に示すように、各調整板61の軸部64の軸片64Cを筒体51の凹部51fに嵌入させ、各調整板61の軸部63を筒軸54の凹部54aに係合させる。このようにして、各調整板61を筒体51に装着すれば、図13および図15に示すように、調整板61の板部62の面62aが筒体51の風路方向と平行になるので全開状態となる。
【0036】
換気グリル装置50を全開する場合には、先ず、各調整板61を筒体51から外して、図23に示すように、各調整板61の軸部64の軸片64Bを筒体51の凹部51fに嵌入させ、各調整板61の軸部63を筒軸54の凹部54aに係合させる。このようにして、各調整板61を筒体51に装着すれば、図12および図14に示すように、調整板61の板部62の面62aが筒体51の風路方向と直交するので全閉状態となる。換言すれば、調整板61の板部62の面62aが筒体51の風路を遮断するので全閉となる。
【0037】
このように、調整板61の軸部64の軸片64B(64D)や軸片64C(64A)を筒体51の凹部51fに嵌入することで、筒体51の風路方向に対する調整板61の板部62の面62aの向きを90度変えることができる。
【0038】
また、筒体51を流れる風量を調整するには、調整板61の板部62の面62aが筒体51の風路方向と平行となる調整板61の枚数、すなわち、筒体51の風路を遮断する調整板61の数を増減することにより行う。なお、調整板61の向きを変える場合、筒体51のフランジ52に取り付けられているグリル53を取り外して行う。
【0039】
ところで、軸片64Cは直方体で角部を有し、筒体51の凹部51fも角部を有しているので、調整板61は凹部54a,51f内で軸部63,64回りに回転してしまことが防止されるので、風圧によって向きが変わってしまうことがない。
【0040】
各調整板61は、平板状の板部62に軸部63,64を設けたものであるから、アンダーカット部がなく、このため、各調整板61を射出成形する金型をスライド構造にする必要がなく、調整板61は安価なものとなり、換気グリル装置50は安価なものとなる。さらに、各調整板61は同一形状で同一大きさなので、調整板61を射出成形する金型は1つでよく、このため、さらに調整板61は安価なものとなり、換気グリル装置50はさらに安価なものとなる。
【0041】
また、各調整板61を軸回りに回動させる回動構造を設けていないので、換気グリル装置50の構造は至って簡単である。
【0042】
この第2実施形態では、調整板61の軸部64に角部を設け、筒体51の凹部51fに角部を設けて調整板61の回転の防止を図っているが、調整板61の軸部63に角部を設け、筒軸54の凹部54aに角部を設けて調整板61の回転の防止を図ってもよく、その軸部63,64の両方に角部を設け、両方の凹部54a,51fに角部を設けて回転の防止を図ってもよい。
[他の例]
図24ないし図26は他の例の調整板71を示したものである。調整板71は、平板状の板部72と、この板部72の一端に設けた軸部73と、板部72の他端に設けた軸部74と、この軸部74に設けた係止部75とを有している。係止部75は、6つのV字状の突起75A〜75Fを有し、各突起75A〜75Fは60度毎に等間隔に軸部74の周方向に沿って設けられている。
【0043】
他方、筒体51には、凹部51fの替わりにV字状の凹部51g(図27参照)を設けておく。そして、図27に示すように、調整板71の係止部75の突起75Dを筒体51の凹部51gに係合させれば、調整板71の板部72が段差面51Eに対して垂直、すなわち筒体51の風路方向と平行となり、換気グリル装置50を全開にすることができる。なお、調整板71の軸部73は筒軸54の凹部54aに係合させる。
【0044】
また、図28および図29に示すように、調整板71の係止部75の突起75C,75Eを筒体51の凹部51gに係合させれば、調整板71の板部72の向きを調整することができるので、筒体51を流れる風量を調整することができる。
[第3実施形態]
図30ないし図32は、第3実施形態の換気グリル装置80を示したものである。この換気グリル装置80は、前端および後端が開口されるとともに風路を形成した樹脂製の筒体81と、この筒体81内に設けられた風量調整機構(風量調整手段)100とを備えている。
[筒体81]
筒体81は、図33ないし図35に示すように、前端側(図34および図35において左側)にいくにしたがって径が大きくなるラッパ状のラッパ部82と、このラッパ部82の後部に一体形成された筒状の大径筒部83と、この大径筒部83の後部に一体形成されるとともにこの大径筒部83の径より小さい径の小径筒部84とを有している。小径筒部84は、第1実施形態と同様にアタッチメント24(図3参照)を介して換気装置(図示せず)に接続された図示しないダクトに接続されるようになっている。
【0045】
ラッパ部82の前端には室内の壁や天井壁等の表側に取り付けるための方形状のフランジ86が一体形成され、このフランジ86には図示しないグリルが着脱可能に装着されるようになっている。また、ラッパ部82内の中心部には小径の軸部87と、この軸部87に一体形成されるとともにこの軸部87より径の大きい大径の軸部88とが配置され、さらに大径筒部83内の中心部には筒状の筒軸89が配置されている。この筒軸89は大径筒部83および小径筒部84の内周壁から中心に向かって延びた支持アーム90により支持され、軸88は筒軸89の内周壁から中心に向かって延びた支持アーム91により支持されている。
【0046】
筒軸89の周壁の端部(図32および図33において上面側)には所定間隔毎に10個の貫通孔89aが形成されている。また、ラッパ部82の内周壁の後部には、筒軸89の貫通孔89aから径方向に延びた位置に凹部82aがそれぞれ形成されている。
[風量調整機構100]
風量調整機構100は、図31および図32に示すように複数の調整板101と、調整リング110等とから構成されている。
[調整板101]
各調整板101は、図36ないし図38に示すように、ほぼ扇形状をした平板状の板部102と、この板部102の一端に設けた軸部103と、板部102の他端(周端)に設けたギア104と、ギア104の中心部に設けた軸部105とを有している。そして、調整板101の軸部103は図31に示すように筒体81の筒軸89の貫通孔89aに回動自在に挿入され、調整板101の軸部105は筒体81のラッパ部82の凹部82aに回動自在に係合されている。各調整板101は同じ大きさの同一形状に形成されている。
【0047】
そして、各調整板101は、筒体81のラッパ部82と筒軸89との間に径方向に沿って放射状に配置されているとともに、径方向の軸線回りである軸部103,105回りに回動可能に筒体81のラッパ部82および筒軸89に取り付けられている。
[調整リング110]
調整リング110は、図39ないし図41に示すように、リング111と、このリング111の中心部に設けられた円形の軸受部112とを有し、軸受部112はリング111の内周面から中心に向かって延びた支持部113により支持されている。リング111の下面111a(図40において)には、図41に示すようにリング111に沿ってリング状のギア部115が形成されている。
【0048】
また、軸受部112には、貫通孔114が形成され、貫通孔114は下側(図40において)に大径の孔部114Aと上側に小径の孔部114Bとを有している。この貫通孔114の孔部114Aには、図31に示すように、筒体81の軸部88が回動自在に嵌入され、貫通孔114の孔部114Bには筒体81の軸部87が回動自在に嵌入されている。そして、調整リング110は、筒体81の軸部87,88回りに回動可能となっているとともに、調整リング110のギア部115が各調整板101のギア104に噛合しており、調整リング110の回動によって各調整板101が軸部103,105回りに回動するようになっている。
【0049】
そして、各調整板101に設けたギア104と、調整リング110とで各調整板101を軸部87,88回りに回動させる回動調整機構(回動調整手段)が構成されている。
[動 作]
次に、上記のように構成される換気グリル装置80の動作について説明する。
【0050】
各調整板101の向き、すなわち調整板101の板部102の向きが図30および図31に示すように筒体81の風路方向と平行になっていて全開しているものとする。この状態から筒体80の風路の開度を調整するには、先ず筒体81のフランジ86に取り付けられている図示しないグリルを外す。
【0051】
次に、調整リング110を筒体81の軸部87,88回りに回動させていく。この調整リング110のギア部115に調整板101のギア104が噛合していることにより、調整リング110の回動とともに各調整板101はその軸部103,105回りに回動していき、各調整板101は筒体81の風路方向に対して傾斜していく。すなわち、各調整板101の板部102は、筒体81の風路方向に対向する方向に向いていき、筒体81の風路は閉成されていく。
【0052】
さらに、調整リング110を回動していくと、図42および図43に示すように、各調整板101は筒体81の風路方向に対して直交する向きとなる。すなわち、各調整板101の板部102が筒体81の風路方向に対して直交する向きとなり、筒体81の風路は全閉される。
【0053】
このように、調整リング110の回動により各調整板101の向き、すなわち各調整板101の板部102の向きが変わるので、筒体81の風路に流れる空気の風量を調整することができる。
【0054】
各調整板101は、平板状の板部102に軸部103とギア104とを設け、このギア104に軸部105を設けたものであるから、アンダーカット部がなく、このため、各調整板101を射出成形する金型をスライド構造にする必要がなく、調整板101は安価なものとなり、換気グリル装置80は安価なものとなる。さらに、各調整板101は同一形状で同一大きさなので、調整板101を射出成形する金型は1つでよく、このため、さらに調整板101は安価なものとなり、換気グリル装置80はさらに安価なものとなる。
【0055】
また、各調整板101にギア104を設け、このギア104に調整リング110のギア部115を噛合させるとともに、調整リング110を筒体81の軸部87,88に回動可能に装着したものであるから、その構造は簡単なものである。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、簡単な構造で風量を調整することができ、換気グリル装置を安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る換気グリル装置を示した斜視図である。
【図2】図1の換気グリル装置の平面図である。
【図3】図1の換気グリル装置の構成を示した分解斜視図である。
【図4】グリルを取り外した換気グリル装置を示した斜視図である。
【図5】図4に示す換気グリル装置の断面図である。
【図6】(A)2枚重ねられた調整板を示した平面図である。
(B)図16(A)の右側面図である。
【図7】(A)2枚重ねられた調整板を広げた状態を示した平面図である。
(B)図7(A)の右側面図である。
【図8】調整板と回転ツマミを示した斜視図である。
【図9】各調整板を重ねた状態を示した側面図である。
【図10】重ねられた調整板の一部を広げた状態を示した側面図である。
【図11】グリルを取り外して調整板を全閉した状態を示したグリル装置の正面図である。
【図12】第2実施形態の換気グリル装置を示した正面図である。
【図13】図12の換気グリル装置のグリルを取り外した斜視図である。
【図14】図13の換気グリル装置の調整板を全閉にした状態を示した斜視図である。
【図15】図14に示す換気グリル装置の断面図である。
【図16】図14の換気グリル装置の筒体を示した正面図である。
【図17】図16に示す筒体の構成を示した断面図である。
【図18】図16に示す筒体の斜視図である。
【図19】筒体の一部を拡大した部分拡大図である。
【図20】第2実施形態の調整板を示した斜視図である。
【図21】図20の調整板を違う角度から見た斜視図である。
【図22】筒体の風路を全開にする調整板の取り付け方を示した説明図である。
【図23】筒体の風路を全閉にする調整板の取り付け方を示した説明図である。
【図24】他の例の調整板を示した平面図である。
【図25】図24の調整板の左側面図である。
【図26】図24の調整板の正面図である。
【図27】筒体の風路を全開にする調整板の取り付け方を示した説明図である。
【図28】調整板を左側に傾けた状態を示した説明図である。
【図29】調整板を右側に傾けた状態を示した説明図である。
【図30】第3実施形態の換気グリル装置を示した正面図である。
【図31】グリルを取り外した換気グリル装置の構成を示した断面図である。
【図32】図31に示す換気グリル装置を分解した斜視図である。
【図33】図32の換気グリル装置の筒体を示した正面図である。
【図34】図33に示す筒体のA−A線に沿う断面図である。
【図35】図33に示す筒体のB−B線に沿う断面図である。
【図36】第3実施形態の調整板を示した平面図である。
【図37】図36に示す調整板の左側面図である。
【図38】図36に示す調整板の正面図である。
【図39】調整リングを示した平面図である。
【図40】図39に示す調整リングの断面図である。
【図41】図39に示す調整リングの底面図である。
【図42】グリルを取り外して調整板を全閉した状態を示したグリル装置の正面図である。
【図43】図42に示すグリル装置の断面図である。
【図44】従来の換気グリル装置の一部を示した斜視図である。
【図45】従来の換気グリル装置の構成を示した断面図である。
【符号の説明】
20 換気グリル装置
21 筒体
26 軸部
30 風量調整機構(風量調整手段)
31 調整板(第1調整板)
32〜35 調整板
Claims (7)
- 前端および後端が開口された筒体と、この筒体内に設けられるとともにこの筒体内を通る空気の風量を調整する風量調整手段とを備えた換気グリル装置であって、
前記風量調整手段は、前記筒体の中央部に設けた軸部と、この軸部に回動可能に設けられ且つ前記前端側から後端に向かって重ねられるとともに前記筒体の風路を遮断するための複数の調整板とを有し、
最前端側に配置された第1調整板を回動させた際、この第1調整板が所定角度回動していく毎に、第1調整板の後ろ側にある調整板が前から順番に第1調整板とともに回動して前記風路を遮断する遮断面積が大きくなり、その第1調整板を逆方向に回動させた際に前記遮断面積が小さくなることを特徴とする換気グリル装置。 - 前記各調整板は係合部と係止部とを有し、調整板の前に配置された前調整板が所定角度回動した際にその調整板の係合部が前調整板の係止部に係合してその前調整板とともに前記調整板が回動し、この調整板が所定角度回動した際にこの調整板の後ろに配置された後調整板の係合部に前記調整板の係止部が係合して後調整板が前記調整板とともに回動していくことを特徴とする請求項1に記載に換気グリル装置。
- 両端が開口された筒体と、この筒体内に設けられるとともにこの筒体内を通る空気の風量を調整する風量調整手段とを備えた換気グリル装置であって、
前記風量調整手段は、前記筒体の中央部に設けた軸部に放射状に配置された複数の調整板を有し、
前記各調整板は、前記筒部の風路方向と直交する方向と、その風路方向と平行となる方向とに前記筒体に着脱可能に装着できるようになっていることを特徴とする換気グリル装置。 - 前記各調整板は、平板状の板部と、この板部の一端に設けた第1支軸と、その板部の他端に設けた第2支軸とを有し、
各調整板の第1支軸がそれそぞれ着脱可能に係合する複数の第1凹部を前記筒体の周壁に周方向に沿って設け、
各調整板の第2支軸がそれぞれ着脱可能に係合する複数の第2凹部を前記軸部に周方向に沿って設け、
前記風量を調整するために各調整板の板部の向きが変えられるように、第1,第2支軸回りに調整板を所定角度回動させて、第1,第2支軸を第1,第2凹部に係合させた際に、第1,第2支軸のうちいずれか一方を対応する第1凹部または第2凹部に軸回りに対して固定できるようにしたことを特徴とする換気グリル装置。 - 前記調整板の第1支軸と、前記筒体の第1凹部とに角部を設けて第1支軸を軸回りに対して固定することを特徴とする請求項4に記載の換気グリル装置。
- 両端が開口された筒体と、この筒体内に設けられるとともにこの筒体内を通る空気の風量を調整する風量調整手段とを備えた換気グリル装置であって、
前記風量調整手段は、前記筒体の中央部に設けた軸部に放射状に配置されるとともに放射方向に延びた軸線回りに回動自在の複数の調整板と、各調整板を前記軸線回りに回動させて各調整板の向きを変えて前記風量を調整する回動調整手段とを有することを特徴とする換気グリル装置。 - 前記回動調整手段は、前記各調整板に設けたギアと、前記筒体の軸線回りに回動可能に設けた調整リングと、この調整リングに設けられるとともに前記ギアに噛合するギア部とを備え、調整リングを回動させることによって各調整板を軸線回りに回動させることを特徴とする請求項6に記載の換気グリル装置。
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