JP2004308689A - 管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】パイプ接続作業が完了したことを目視で確認できるようにする。
【解決手段】パイプPを継手本体10に挿入して締付部材20を螺合すると、締付リング30が縮径してパイプPに食い込むことによりパイプPが接続状態にロックされるとともにパイプPとの隙間がシールされる。正規の締付け状態になった位置から更に締付部材20の螺進を進めると、当接面14,28同士が当接するまでの間、正規の締付け状態が保たれるので、パイプPの接続に際しては、当接面14,28が当接する位置まで締付部材20を螺進させるという作業マニュアルを定めておけば、確実に締め付けられることが保証される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空圧機器・油圧機器の配管、冷熱空調機等の冷媒ガス充填用の配管、住宅用の給水・給湯などの水回り設備の配管などに用いられる金属製パイプを接続するための管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
配管用の金属製パイプを接続するための管継手として、従来は、パイプを継手本体に挿入するとともに、その継手本体に締付部材を螺合し、この締付部材の螺合によって締付リングを縮径させてパイプの外周に食い込ませ、その食い込みによってパイプを接続状態にロックするとともに、継手本体とパイプの間をシールするようにしたものがある。
【0003】
尚、本願出願人が知り得る範囲では、上記従来技術が開示されている先行技術文献は存在しないが、当該技術は、実際に、施工現場において汎用手段として広く実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、継手本体に対しパイプを突き当たるまで手で差し込み、その後、スパナなどの工具を用いて所定の角度(例えば、一回転半など)だけ締付部材を回転させることにより締付リングをパイプへ食い込ませてロックとシールを行い、作業を完了するようになっている。
【0005】
しかしながら、締付部材を所定の角度だけ回転させて作業が完了したと見做す方法では、作業後に、締付部材が所定の角度(回転数)まで正しく回転されたか否かを確認することができない。そのため、作業者の勘違いや不慣れのために、締付リングがパイプに対して十分に食い込まず、ロックとシールが不完全のままでパイプ接続作業が完了してしまうことが懸念される。
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、パイプ接続作業が完了したことを目視により確認できるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、金属製のパイプの挿入を可能とした筒状の継手本体と、この継手本体に螺合される筒状の締付部材と、前記継手本体内に挿入された前記パイプを囲むような筒状をなす金属製の締付リングと、パイプ挿入方向に対して傾斜したテーパ面を有し、前記締付部材の螺進に伴い前記締付リングを前記継手本体の内周に対し水密状に密着させつつ縮径方向へ塑性変形させることで、その締付リングが前記パイプの外周に対し遊動規制状態に食い込み及び/又は水密状態に密着する形態で締め付けるようにした縮径手段とを備えてなり、前記継手本体と前記締付部材には、前記締付リングを縮径変形させる方向へ前記締付部材が螺進するのに伴って接近する一対の当接面が設けられており、前記締付部材が螺進する過程では、前記一対の当接面が非接触のままで前記締付リングが前記パイプに対して正規の締付け状態になるとともに、前記締付部材の螺進が前記一対の当接面が突き当たる位置まで進む間は前記締付リングの正規の締付け状態が保たれる構成とした。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、正規の締付け状態では、前記締付リングと前記継手本体とがパイプ挿入方向における複数箇所で当接するとともに、前記締付リングと前記パイプとがパイプ挿方向における複数箇所で当接する構成とした。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記締付部材と前記締付リングに、互いに係止することでその締付リングを締付部材に対して仮組み状態に保持可能な仮保持手段を設けた構成とした。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、前記締付リングの一方の端部が前記パイプに対する締付部とされ、その締付部が前記縮径手段によって縮径させられるのに伴ってその締付リングの他方の端部側が拡径変形を生じるようになっており、前記当接面同士が突き当たる正規の締付け状態では、前記拡径変形部が前記締付部材の内面に対して食い込むことで、その締付部材の回転動作が規制される構成とした。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、前記継手本体の内周には、前記パイプの挿入方向先端外周縁が当接可能なテーパ状の前止まり面を形成した構成とした。
【0009】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において、前記縮径手段を構成する前記継手本体側のテーパ面の傾斜角度と前記締付リング側のテーパ面の傾斜角度を互いに異なる角度とした構成とした。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記締付リングが正規の締付け状態となったときには、前記縮径手段を構成する前記継手本体側のテーパ面と前記締付リング側のテーパ面とが互いに密着する構成とした。
【0010】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかの発明において、前記締付リングが正規の締付け状態になったときに、前記締付リングの締付け部が前記パイプの外周面と前記継手本体の内周面との間でパイプ挿入方向と概ね平行なリング状をなして挟み付けられる構成とした。
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかの発明において、前記継手本体側の前記縮径手段と前記締付リング側の前記縮径手段は、いずれも、傾斜角度が互いに異なり且つパイプ挿入方向に並ぶ複数のテーパ面によって構成した。
【0011】
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかの発明において、前記継手本体には、前記締付部材に対しパイプ締付時における螺進方向先方に対応するように識別用傾斜面が形成され、この識別用傾斜面上には弾性的に拡径変形可能な識別リングが摺接可能に配され、前記締付部材の螺進動作が進むのに伴い、その締付部材が前記識別リングを軸方向に押して前記識別用傾斜面上で摺接させつつ拡径変形させる構成とした。
【0012】
請求項11の発明は、請求項1〜10のいずれかの発明において、前記継手本体の内部には、その継手本体内の流路を開閉するバルブ機構が設けられている構成とした。
【0013】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
パイプを継手本体に挿入して締付部材を螺合すると、縮径手段により締付リングがパイプに食い込むことによりパイプが接続状態にロックされ、また、締付リングがパイプの外周に対して水密状態に密着されるとともに、締付リングが継手本体の内周に密着することにより継手本体とパイプの間がシールされる。
【0014】
また、締付リングがパイプに対して正規の締付け状態になった位置から、さらに締付部材の螺進を進めて一対の当接面同士を突き当てるまでの間、締付リングは正規の締付け状態を保つので、パイプに対する締付リングの締付けが緩むことはない。したがって、パイプの接続に際しては、一対の当接面が突き当たる位置まで締付部材を螺進させる、という作業マニュアルを定めておけば、作業者が作業が完了したか否かを目視によって容易且つ確実に判別することができる。
【0015】
[請求項2の発明]
締付リングが継手本体の内周に対して複数箇所で当接するとともに、締付リングがパイプに対して複数箇所で締め付けるようにしたので、ロックとシールの信頼性に優れている。
[請求項3の発明]
パイプの挿入に先立ち、締付部材は継手本体に浅く螺合した状態で仮組みしておくのであるが、締付部材と締付リングに、互いに係止することでその締付リングを締付部材に対して仮組み状態に保持する仮保持手段を設けているので、締付部材に締付リングを仮組みすることによって両者がユニット化され、全体の仮組み作業が容易となる。
【0016】
[請求項4の発明]
締付リングの一方の端部の締付部が縮径手段によって縮径させられるのに伴い、締付リングの他方の端部側が拡径変形しその拡径変形部を締付部材の内面に対して食い込ませることで、その締付部材の回転動作を規制するようになっている。これにより、締付部材の緩みを防止し、パイプに対する締付リングの締付け状態を確実に保持することができる。また、締付リングが締付部材の内周に当接することで、両者の間の隙間の容積が小さくなり、締付部材の内部での結露や結氷を抑制または防止することができる。
【0017】
[請求項5の発明]
継手本体の内周に形成したテーパ状の前止まり面は、パイプを挿入したときにそのパイプを前止まりさせるストッパとなり、パイプを位置決めすることができる。しかも、パイプを前止まりさせた状態から締付部材を螺進させたときには、締付リングと一緒にパイプも挿入方向奥側へ押し動かされるのであるが、このとき、パイプの挿入方向先端縁部と前止まり面とは互いに食い込むようになるので、この食い込みによる摩擦抵抗によってパイプの戻りが規制され、ひいては、締付部材の緩みが防止される。
【0018】
[請求項6の発明]
縮径手段を構成する継手本体側のテーパ面の傾斜角度と締付リング側のテーパ面との傾斜角度を、互いに同じ傾斜角にした場合には、双方のテーパ面が当接した時点で面接触となり、摩擦抵抗が急激に増大し、その結果、継手本体に対して締付リングが軸方向(パイプ挿入方向)へ相対変位することができず、締付リングが縮径変形できなくなったり、締付リングが座屈してしまう虞がある。
【0019】
これに対し、本発明では、継手本体側のテーパ面の傾斜角度と締付リング側のテーパ面との傾斜角度を、互いに異なる角度としたので、双方のテーパ面が当接した当初は、周方向の線接触状態となるため面接触状態に比べて摩擦抵抗の増大傾向が緩和される。
尚、テーパ面の当接が進むのに伴って双方の接触面積が増大するのであるが、その接触面積は徐々に増大するため摩擦抵抗の増大傾向も緩やかであり、したがって、締付リングは継手本体に対して軸方向に相対変位しつつ確実に縮径変形することができる。
【0020】
[請求項7の発明]
上記請求項6の発明において、締付リングが正規の締付け状態となったときには、縮径手段を構成する継手本体側のテーパ面と締付リング側のテーパ面とが互いに密着するようにしているので、双方のテーパ面の間に生じる摩擦抵抗と食い込み作用によって双方のテーパ面が離間し難くなり、ひいては、締付リングの緩みが防止される。
[請求項8の発明]
締付リングが正規の締付け状態になったときに、締付リングの締付け部がパイプの外周面と継手本体の内周面との間でパイプ挿入方向と概ね平行なリング状をなして挟み付けられるようにしているので、締付リングの締付け部はパイプの外周面と継手本体の内周面に対して面接触することになる。これにより、締付け部が座屈する虞がなく、また、面接触により接触面が広くなって摩擦抵抗が増大するため、締付リングの緩みが防止される。しかも、締付け部は径が一定の帯状となるので、締付リングとパイプとの密着領域がパイプ挿入方向において長く確保され、高いシール性を確保することができる。
【0021】
[請求項9の発明]
継手本体側の縮径手段と締付リング側の縮径手段は、いずれも、傾斜角度が互いに異なり且つパイプ挿入方向に並ぶ複数のテーパ面によって構成されているが、このように傾斜角度の異なる複数のテーパ面同士が密着するようになっているので、シール性に優れている。
[請求項10の発明]
締付部材をパイプ締付け方向へ螺進させる時には識別リングを拡径変形させるようにしたので、識別リングの状態によって締付部材の螺進状態、即ち、締付リングによるパイプの締付状態を確実に判別することができる。
【0022】
[請求項11の発明]
継手本体内の流路を開閉するバルブ機構を設けたので、パイプを外したときに、パイプとは反対側に接続された配管内の流体が漏出することを防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態の管継手Jaは、主として空圧機器・油圧機器等の流体圧作動機器の配管に用いられる銅製のパイプPを接続させるために用いられる。この他には、冷熱空調機等の冷媒ガス充填用に用いられる金属製のパイプPや、住宅用の給水・給湯などの水回り設備の配管に用いられる金属製のパイプPを接続させる場合にも適用することができる。また、本実施形態の管継手Jaは、一旦パイプPを接続した後はそのパイプPは外さないことを前提とした配管に使用されるものである。
【0024】
管継手Jaは、金属製の継手本体10、金属製の締付部材20、及び金属製の締付リング30から構成されている。尚、以下の説明においては、便宜上、図における右側を前側ということにする。また、前後方向と、管継手Jaの軸線と平行な軸方向とを同義で用いる。
継手本体10は、真鍮製であって、全体として筒状をなし、その外周前端部の雄ネジ部(図示せず)を相手側配管部材(図示せず)に螺合することにより相手側配管部材に接続されるようになっている。継手本体10の後端部外周には、締付部材20を螺合させるための雄ネジ部12が形成され、継手本体10の外周における雄ネジ部12よりも前方の位置には正六角形の治具嵌合部13が形成されている。そして、この治具嵌合部13の後端面には、軸方向に対して直交する平坦な当接面14が形成されている。
【0025】
継手本体10の中心孔のうち略前半部分は、パイプPの内径と同じかそれよりも少し径の大きい円形の流通孔15とされており、中心孔のうち略後半部分は、流通孔15よりも径が大きく且つ流通孔15と同心の円形をなす接続孔16とされている。接続孔16内には後方からパイプPの前端部が挿入されるようになっている。流通孔15と接続孔16との境界部では段差状に径が異なり、接続孔16の奥端面(前端面)は軸方向と直交するストッパ17とされている。
【0026】
接続孔16の前端側部分の内周面は、前方に向かって縮径する前部テーパ面16aとされており、この前部テーパ面16aの後端の内径(前部テーパ面16aの最大内径)はパイプPの外径よりも僅かに大きく、前部テーパ面16aの前端の内径(前部テーパ面16aの最小内径)はパイプPの外径よりも僅かに小さく設定されている。接続孔16の中央部分の内周面は、その前端から後端まで一定の径寸法とされた定径面16bとされている。接続孔16の後端側部分の内周面は、後方に向かって拡径する後部テーパ面16c(本発明の構成要件である縮径手段)とされている。また、後部テーパ面16cの前端と定径面16bの後端とは弧状面16dを介して滑らかに連なっている。
【0027】
締付部材20は、真鍮製であって、継手本体10に対しその後側の雄ネジ部12に螺合されることで組み付けられるようにしたものであり、締付部材20の内周の略前半部分には雄ネジ部12に螺合される雌ネジ部21が形成されている。
締付部材20の内周のうち雌ネジ部21よりも後方の領域には、内径が一定の円形の収容孔22が形成されている。また、この収容孔22の後端には、全周に亘って内側へ収容孔22と同心の円形に突出する内向き突部23が仮保持手段として形成されており、この内向き突部23の前端面内周縁には、テーパ状の誘導面24が形成されている。さらに、この内向き突部23の後方には、内向き突部23の最小内径よりも径が大きい逃がし孔25が、収容孔22及び内向き突部23と同心の円形状に形成されている。そして、この逃がし孔25の後方、即ち締付部材20の内周の最後端には、収容孔22と同心の円形をなすとともに、内径がパイプPの外径よりも僅かに大きく且つ逃がし孔25の内径よりも小さい寸法の挿入孔26が、締付部材20の後端面に開口して形成されている。
【0028】
締付部材20の外周は、継手本体10の治具嵌合部13と同じく、正六角形をなす治具嵌合部27とされている。そして、この治具嵌合部27の前端面には、軸方向と直交する平坦な当接面28が形成されている。この当接面28は継手本体10の当接面14に対し面当たり状態で当接するようになっている。
締付リング30は、パイプPと同じく銅製であり、継手本体10内に挿入されたパイプPを囲むような円筒状をなしている。締付リング30の前端部は薄肉の締付け部31となっている。締付け部31の外周面には、テーパ面32(本発明の構成要件である縮径手段)が前方に向かって縮径する形態で形成されている。
このテーパ面32の傾斜角度は、継手本体10の後部テーパ面16cよりも小さい角度に設定されている。
【0029】
締付け部31の内周の略前半部分は、外周側のテーパ面32と略平行な前部傾斜面33aとされ、内周の略後半部分は、前部傾斜面33aよりも傾斜角度の小さい後部傾斜面33bとされている。この前後両傾斜面33a,33bの境界部分には、斜め前内向きに尖ったエッジ状の食い込み部33cが全周に亘って連続して形成されている。前部傾斜面33a、後部傾斜面33b及び食い込み部33cの内径は、パイプPの外径より僅かに大きい寸法とされている。
【0030】
さらに、締付リング30の後端面からの延出部には外向き突部34が仮保持手段として形成されている。この外向き突部34の外径は、締付部材20の内向き突部23の内径よりも僅かに大きい寸法とされている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
パイプPを接続する際には、予め、締付部材20に対し締付リング30を前方から挿入し、仮保持状態にしておく。挿入したとき、締付リング30の外向き突部34が締付部材20の内向き突部23に突き当たるが、双方の径の寸法差はごく僅かであるから、締付リング30を軸方向に指で押せば、誘導面24の傾斜により外向き突部34が僅かに弾性的に縮径変位しつつ内向き突部23を通過し、通過後は、弾性復帰した外向き突部34が締付部材20の逃がし孔25内に収容される。この状態では、外向き突部34が内向き突部23と挿入孔26の開口縁部との間で前後に挟まれるので、締付リング30が締付部材20に対して離脱規制された状態に仮保持される。
【0031】
この仮保持状態の締付部材20と締付リング30を継手本体10に対し後方から仮組みする。仮組みは、締付部材20の雌ネジ部21を継手本体10の雄ネジ部12に螺合させて行う。仮組み状態では、締付リング30の締付け部31はまだ変形していない。また、締付部材20の当接面28は継手本体10の当接面に対して後方に離間した位置にある。
このように仮組みした管継手Jaに対して後方からパイプPの前端部を挿入する。挿入されたパイプPは、締付部材20の挿入孔26と締付リング30を順に通過して、継手本体10の定径面16b及び前部テーパ面16a内に進入し、パイプPの前端が前部テーパ面16aの内周面の途中の位置(ストッパ17よりも後方の位置)に当たって前止まりされたところで、手作業によるパイプPの挿入を終了する。
【0032】
この後、継手本体10の治具嵌合部13と締付部材20の治具嵌合部27に、スパナなどの治具(図示せず)を嵌合させ、締付部材20を前方へ螺進させる方向に回転させる。この締付部材20の螺進に伴い、両締付リング30が縮径するように塑性変形させられてパイプPの外周を締め付ける。即ち、締付部材20は、前進しつつ、その内向き突部23により締付リング30の後端面を前方へ押圧し、その締付リング30の締付け部31の前端部が継手本体10の後部テーパ面16cに軽く当接して前止まりされる。このときの当接は、締付け部31の前端外周縁が後部テーパ面16cに対して周方向に線接触する形態である。
【0033】
この後、締付部材20の螺進と締付リング30の前進が進むのに伴ない、締付け部31が、後部テーパ面16cの傾斜と弧状面16dの傾斜に順にしたがって縮径変形させられ、縮径変形が進むのに伴ない、後部テーパ面16cに対する締付け部31の当接形態が線接触から面接触へ移行し、面接触領域は締付け部31の外周前端から次第に後方へ拡大していく。
そして、縮径変形した締付け部31はその前端内周部と食い込み部33cをパイプPの外周に対して楔のように食い込ませるとともに、パイプPの外周部と締付け部31の双方が塑性変形を生じつつ互いに隙間なく水密状に密着される。一方、この締付け部31の外周は、そのほぼ全領域に亘り、継手本体10の後部テーパ面16cと弧状面16dに対して隙間なく面接触して水密状に密着した状態となる。
【0034】
これが、パイプpに対して締付リング30が正規に締め付けられた状態であり、この正規の締め付け状態では、パイプPの外周に食い込んで前後方向への遊動を規制されるとともに、この食い込みによって液体の浸入を不能にシールされる。このように締付部材20を螺進させる過程において締付リング30が正規の締め付け状態に至るのであるが、この時点では、締付部材20の当接面28は、継手本体10の当接面14に対してまだ当接せず、この当接面14よりも後方へ離間した位置にある。
【0035】
この時点で、作業者は締付リング30が正規の締め付け状態になっていることを認知することはできないが、作業マニュアル上では、当接面14,28が同士が当接するまで、締付部材20の螺進を続けることになっているため、正規の締め付け状態になった後も締付部材20を螺進させる作業は続けられる。そして、当接面14,28同士が当接するまで締付部材20を螺進させたところで、締付部材20が前止まりされてそれ以上の螺進を規制される。正規の締め付け状態に至った時から当接面14,28同士が当接するまで締付部材20の螺進が続けられる間、締付け部31は継手本体10の内周とパイプPの外周との間に潜り込み続けるので、締付リング30は正規の締め付け状態を保つ。また、当接面14,28同士が当接した状態では、パイプPの前端が継手本体10のストッパ17に突き当たる。但し、締付リング30の前端面と継手本体10の後端面との間には隙間が空けられている。以上により、パイプPの接続作業が完了する。
【0036】
この状態では、締付リング30が締付部材20によって後方(パイプPの抜け方向)への移動を規制され、その締付リング30の締付け部31の前端及び食い込み部33cがパイプPの外周に対して斜め後方から食い込んでいるため、パイプPの後方への遊動、即ち管継手Jaからの抜けが規制され、パイプPは確実に接続状態にロックされる。また、締付リング30の締付け部31の前端部及び食い込み部33cがパイプPの外周に密着することで、締付リング30の内周とパイプPの外周との隙間が水密状にシールされた状態になるとともに、継手本体10の接続孔16の内周と締付リング30の締付け部31の外周との間、及び締付リング30の後端面と締付部材20の内向き突部23の前端面との間も、水密状にシールされる。また、継手本体10の接続孔16の内周と締付リング30の締付け部31の外周との間の摩擦抵抗により、締付リング30の後方への遊動(緩み)が規制される。
【0037】
さらに、締付部材20の螺進に伴なって締付リング30と一体となって前進したパイプPの前端部外周は、継手本体10の前部テーパ面16aの内周に対し摺接しつつその傾斜にしたがって縮径するように塑性変形させられて密着した状態となる。したがって、このパイプPの前端部外周と継手本体10の前部テーパ面16aの内周との間でも水密状にシールされた状態になる。また、このパイプPの前端部と前部テーパ面16aとの間の摩擦抵抗によってもパイプPの抜け方向への移動が規制される。
【0038】
本実施形態は次のような効果を発揮する。
(a)パイプPの接続に際しては、締付部材20を継手本体10に螺合させるだけでよいから、ロウ付けによって接続する場合とは異なり火気を使用せずに済む。
(b)締付リング30は前後2箇所でパイプPの外周を締め付けているので、パイプPの外周におけるロックとシールが合計2箇所で行われることになり、接続強度とシール性の信頼性に優れている。
【0039】
(c)締付リング30がパイプPに対して正規の締付け状態になった位置から、さらに締付部材20の螺進を進めて一対の当接面14,28同士を突き当てるまでの間、締付リング30は正規の締付け状態を保つので、パイプPに対する締付リング30の締付けが緩むことはない。したがって、パイプPの接続に際しては、一対の当接面14,28が突き当たる位置まで締付部材20を螺進させる、という作業マニュアルを定めておくことにより、作業者が作業が完了したか否かを目視によって容易且つ確実に判別することができる。
【0040】
(d)管継手Jaを仮組みする際には、締付リング30を予め締付部材20に仮組みしてユニット化しておくようにしたので、全体の仮組み作業が容易となっている。
(e)継手本体10の内周には、パイプPの前端部(挿入方向先端)の外周縁が当接するテーパ状の前部テーパ面16a(前止まり面)を形成し、この前部テーパ面16aが、挿入されたパイプPを前止まりさせるストッパとなるようにした。これにより、締付部材20の螺進を開始するときのパイプPを位置を決めることができる。しかも、パイプPを前止まりさせた状態から締付部材20を螺進させるたときには、締付リング30と一緒にパイプPも挿入方向奥側へ押し動かされるのであるが、このとき、パイプPの挿入方向先端縁部と前部テーパ面16aとは互いに食い込むようになるので、この食い込みによる摩擦抵抗によってパイプPの戻り及び締付部材20の緩みが防止されている。
【0041】
(f)縮径手段を構成する継手本体10側の後部テーパ面16cと締付リング30側のテーパ面32との傾斜角度は、互いに異なる角度としているが、これは次の理由による。もし、双方のテーパ面16c,32を同じ傾斜角にした場合、双方のテーパ面16c,32が当接した時点で面接触となり、摩擦抵抗が急激に増大し、その結果、継手本体10に対して締付リング30が軸方向(パイプ挿入方向)へ相対変位することができず、締付け部31が縮径変形できなくなったり、薄肉の締付け部31が座屈してしまう虞がある。これに対し、本実施形態では双方のテーパ面16c,32の傾斜角度を異ならせているので、双方のテーパ面16c,32が当接した当初は、周方向の線接触状態となるため面接触状態に比べて摩擦抵抗の増大傾向が緩和され、締付リング30が円滑に前進できるとともに、締付け部31の座屈が防止される。尚、テーパ面16c,32の当接が進むのに伴って双方の接触面積が増大するのであるが、その接触面積は徐々に増大するため摩擦抵抗の増大傾向も緩やかであり、したがって、締付け部31は継手本体10に対して相対変位しつつ確実に縮径変形することができる。
【0042】
(g)締付リング30が正規の締付け状態となったときには、縮径手段を構成する継手本体10側の後部テーパ面16cと締付リング30側のテーパ面32とが互いに密着するようにしたので、双方の間の摩擦抵抗と食い込み作用によって双方のテーパ面16c,32が離間し難くなり、ひいては、締付リング30の緩みが防止されている。
[実施形態2]
次に、本発明を具体化した実施形態2を図3を参照して説明する。
【0043】
本実施形態2の管継手Jbは、上記実施形態1において、締付部材20に内向き突部23,誘導面24,逃がし孔25を設けず、締付リング30に外向き突部34を設けない構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
[実施形態3]
次に、本発明を具体化した実施形態3を図4及び図5を参照して説明する。
【0044】
本実施形態2の管継手Jcは、上記実施形態2において、継手本体10の後端部を後方へ延長するとともに、締付リング30にこの延長部と対応する面を設けたものである。即ち、継手本体10の後端には筒状の延長部18が形成され、この延長部18の後端を除く内周面は、弧状面16dに連なる後部テーパ面16cとなっている。また、延長部18の後端部内周は、前方に向かって縮径するとともに後部テーパ面16cよりも傾斜角度の大きいテーパ状受け面19となっている。一方、本実施形態3の締付リング30の締付け部31は実施形態2の締付け部31よりも前後長が長く、締付け部31の長さ方向ほぼ中央に形成された食い込み部33cの位置も、実施形態2の食い込み部33cより後方の位置となっている。さらに、締付リング30には、締付け部31の外周のテーパ面32に連なるテーパ状当接面35が形成されている。このテーパ状当接面35の傾斜角度は継手本体10のテーパ状受け面19の傾斜角度よりも僅かに小さい角度となっている。
【0045】
本実施形態3の管継手Jcにおいても、上記実施形態1及び2と同じく、締付部材20が螺進する過程では、当接面14,28同士が当接する前に正規の締め付け状態になるとともに、当接面14,28同士が当接してパイプPの接続が完了するまで正規の締め付け状態が保たれる。即ち、締付部材20の螺進が開始されると、図5に示すように、まず締付け部31の前端部が継手本体10の後部テーパ面16cに当接する。締付部材20の螺進が進むのに伴い、後部テーパ面16cと締付け部31のテーパ面32の密着領域(面接触領域)が次第に後方へ拡大していくとともに、締付け部31の縮径変形が進む。そして、当接面14,28同士が当接する直前において、締付リング30のテーパ状当接面35が、後部テーパ面16cとテーパ状受け面19との境界の鈍角の角部に対してその角部を食い込ませるようにして当接することでその当接部分が水密状態となり、締付リング30が正規の締付け状態に至る。ここから、当接面14,28が当接する最終位置に到達するまで締付部材20の螺進を更に進めていくと、その間、後部テーパ面16cとテーパ状受け面19との境界の角部がテーパ状当接面35に対して食い込むように塑性変形して密着した状態となる。
【0046】
正規の締め付け状態では、締付リング30は、締付け部31の前端部及び食い込み部33cの前後2箇所においてパイプPを締め付けて、パイプPを確実にロックするとともにパイプPと締付リング30との隙間を確実にシールする。また、締付リング30は、テーパ面32の前端部及びテーパ状当接面35の前後2箇所において継手本体10の内周に対して水密状に密着することにより、継手本体10と締付リング30との隙間を確実にシールする。尚、テーパ面32と継手本体10の内周との間では、テーパ面32のうち略前半部分のみが後部テーパ面16cに対して面接触状態で密着し、テーパ面32の略後半部分は後部テーパ面16cから離間している。食い込み部33cは、この締付け部31のテーパ面32と後部テーパ面16cとの密着領域と対応するように位置し、パイプPの外周に対して食い込むように当接している。
【0047】
また、締付リング30が正規の締付け状態になったときに、締付け部31の前端部がパイプPの外周面と継手本体10の内周面との間でパイプ挿入方向と概ね平行なリング状をなして挟み付けられるようになっている。これにより、締付け部31はパイプPの外周面と継手本体10の内周面に対して面接触することになるので、締付け部31が座屈する虞がなく、また、摩擦抵抗が増大するために締付リング30の緩みが防止される。しかも、締付け部31は径が一定の帯状となるので、締付リング30とパイプPとの密着領域がパイプ挿入方向において長くなり、高いシール性を確保されている。
【0048】
また、雄ネジ部12は延長部18の前端まで形成されており、締付部材20の螺進に伴なって延長部18(特に、前端部分)がテーパ状当接面35の傾斜によって拡径変形し、その雌ネジ部12が締付部材20の雌ネジ部21に押し付けられ、ネジの山と谷とが強固に食い込むようになるので、この食い込みにより締付部材20の緩みが防止される。
なお、上記以外の構成については上記実施形態2と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0049】
[実施形態4]
次に、本発明を具体化した実施形態4を図6を参照して説明する。
本実施形態の管継手Jdは、上記実施形態3において、締付部材20に内向き突部23,誘導面24,逃がし孔25を設けるとともに、締付リング30に外向き突部34を設け、締付部材20に締付リング30を仮保持するようにしたものである。その他の構成については上記実施形態3と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0050】
[実施形態5]
次に、本発明を具体化した実施形態5を図7及び図8を参照して説明する。
本実施形態の管継手Jeは、上記実施形態1において、締付リング40,50を前後2つ設けたものである。即ち、各締付リング40,50は、先方に突出する薄肉筒状の締付け部41,51を有し、各締付け部41,51の外周がテーパ面42,52(本発明の構成要件である締付手段)となっている。また、前部締付リング40の後部内周にもテーパ面43(本発明の構成要件である締付手段)が形成されている。さらに、後部締付リング50には、上記実施形態1の締付リング30と同じく外向き突部34が形成されていて、後部締付リング50は締付部材20に対して仮保持されるようになっている。
【0051】
正規の締め付け状態では、継手本体10の後部テーパ面16cと前部締付リング40のテーパ面42が面接触し、前部締付リング40のテーパ面43と後部締付リングのテーパ面52とが面接触し、各締付リング40,50の締付け部41,51の前端部がパイプPの外周に食い込むように当接する。これにより、パイプPと締付リング40,50との間がシールされるとともに、パイプPが抜止状態にロックされ、また、各締付リング40と継手本体10との間、及び締付リング40,50同士の間もシールされる。さらに、締付リング40,50のテーパ面43,52同士の密着領域においては、摩擦抵抗により前後方向への緩みが防止される。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0052】
[実施形態6]
次に、本発明を具体化した実施形態6を図9を参照して説明する。
本実施形態の管継手Jfは、上記実施形態4において、継手本体10の治具嵌合部3の前端面の当接面14に、全周に亘って連続した円形のスペーサ60を宛がい、このスペーサ60の前端面を、締付部材20の当接面28に当接可能な当接面61としたものである。つまり、継手本体10には、継手本体10に直接形成した当接面14と、継手本体10とは別体部品であるスペーサ60に形成した当接面61との2つの当接面が設けられている。
【0053】
パイプPの接続過程では、締付部材20の当接面28が継手本体10側の当接面61に当接するより前に締付リング30が正規の締付状態となり、その後、締付部材20の螺進を進めて締付部材20の当接面28が継手本体10の当接面61に突き当たるまで、締付リング30による正規の締付状態が保たれる。当接面28,61同士が当接した状態では、スペーサ60の後端面(当接面61とは反対側の面)が治具嵌合部13の前端の当接面14に当接する。
【0054】
また、一旦接続したパイプPを外すときには、締付部材20を緩め、締付リング30によるパイプPへの締付け(食い込み)を緩和させ、その状態でパイプPを前方へ引き抜けば良い。この後、パイプPを再度接続する際には、締付部材20を螺進させて締付リング30をパイプPの外周に食い込ませればよい。このとき、最初の接続の際に締付リング30やパイプPが塑性変形するために締付リング30の締め付けが甘くなることが懸念されるが、この場合は、予め、スペーサ60を継手本体10から外しておく。このようにすると、スペーサ60の厚さ寸法分だけ締付部材20の螺進距離が増えるので、当接面28が治具嵌合部13の当接面14に当接するまで締付部材20を螺進させれば、締付リング30による締め付けが確実に行われる。このように、本実施形態6においては、パイプPを着脱したときの増し締めが可能となっている。
【0055】
その他の構成については上記実施形態4と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
尚、スペーサとしては、全周に亘って連続した円形のものに限らず、図10に示すように、周方向において一部が切欠されたC形リング状のスペーサ62を用いても良く、図11に示すように、外周に摘み部64が突成されたスペーサ63を用いることもできる。
【0056】
[実施形態7]
以下、本発明を具体化した実施形態7を図12を参照して説明する。
本実施形態の管継手Jgは、上記実施形態1の管継手Jaにおいて、締付部材の回転を規制する手段を設けたものである。その他の構成については実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
締付リング30の外周のうち後端部には、拡径変形部36が全周に亘って突出する形態で形成されている。締付部材20を締め付ける前の状態(締付リング30が変形しない状態)における拡径変形部36の外径は、締付部材20の収容孔22の内径よりも僅かに小さい寸法とされている。
【0057】
パイプPの接続作業が完了した状態では、締付リング30の拡径変形部36が、その締付け部31の縮径変形に伴って拡径変形を生じ、締付部材20の内周、即ち収容孔22の内周後端及び収容孔22の後端側端面に対して塑性変形しつつ食い込む。このとき、締付部材20の内周も拡径状に塑性変形を来す。この締付部材20に対する拡径変形部36の食い込みにより、締付部材20の回転、即ち後方への螺進動作が規制され、締付部材20は、その当接面28を継手本体10の当接面14に密着(面接触)させた作業完了位置にロックされる。尚、締付部材20は、当接面14,28同士の密着に起因する静摩擦によっても回転規制される。このように締付部材20が回転不能にロックされることで、締付リング30もパイプPに対して正規の締付け状態にロックされる。
【0058】
尚、本実施形態7では、拡径変形部36を締付リング30の後端部外周のみに形成したが、締付リング30のうち締付け部31よりも後方の大径部分全体を拡径変形部としてみよい、この場合、大径部分の外周全体が収容孔22の内周に対して食い込むとともに密着した状態となる。
[実施形態8]
以下、本発明を具体化した実施形態8を図13及び図14を参照して説明する。本実施形態8の管継手Jhは、実施形態1の管継手Jaにおいて、締付リング30によるロックとシールが完了したことを標示する手段を設けたものである。
その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0059】
継手本体10の治具嵌合部13の後面は、前方(図13及び図14における右方)へ向けて拡径する識別用傾斜面70とされている。識別用傾斜面70の後端部には、定径部71と、定径部71の後方に隣接して径方向外向きに突出する係止突部72とが形成され、さらに、定径部71よりも前方の傾斜領域には、定径部71よりも大径の係止凹部73が形成されている。そして、この識別用傾斜面70には、有端環状(略C字形)をなす識別リング74が嵌合されている。この識別リング74は、弾性的に拡径変形することを可能とされており、常には、定径部71に対して外周側から弾性的に当接するとともに係止突部72により後方への変位を規制された状態に保持されている。尚、この識別リング74は、締付部材20や継手本体10と区別し易くするために、締付部材20や継手本体10とは異なる色としてもよい。
【0060】
締付部材20を継手本体10に対して後方へ移動させたアンロック状態(パイプPを接続する前の状態)では、識別リング74は、定径部71に対して弾性的に当接した状態、即ち最も縮径した状態に保持されている。この状態では、識別リング74は治具嵌合部13と締付部材20との間に形成されている溝状に凹部の奥に収容された状態となっているので、識別リング74は外部から目視し難い状態となっている。また、識別リング74の後端面は継手本体10の当接面14よりも後方に突出する位置にある。
【0061】
この状態で、パイプPを挿入して締付部材20を締付け方向に回転させて前方へ螺進させ、締付リング30によりパイプPの締付けを進めると、締付部材20の前端面が識別リング74を前方へ押し動かす。識別リング74は、識別用傾斜面70上を摺動し、その傾斜にしたがって次第に弾性的に拡径変形する。そして、両当接面14,28が当接して締付リング30によるパイプPの締付けが完了する位置まで締付部材20が充分に締め込まれると、識別リング74が、係止凹部73に係止するとともに、締付部材20の外周面とほぼ同じ面上に表れて外部から目視し得る状態となる。
【0062】
このように、締付部材20を締め込まない状態(締付リング30によるロックとシールが解除された状態)では識別リング74が締付部材20と治具嵌合部13との隙間の奥方に位置して外部から目視し難い状態とされ、締付リング30によるパイプPの締付けが完了したロック状態では識別リング74が拡径変形させられて外部から目視し易い状態となるようにしている。したがって、識別リング74の状態によって、締付部材20の締め込み動作(ロック及びシール)が完了したかどうかを明確に判別することができる。
【0063】
[実施形態9]
以下、本発明を具体化した実施形態9を図15及び図16を参照して説明する。本実施形態の管継手Jiは、上記実施形態5と同様に締付リング85F,85Rを前後2つ設けたものであって、バルブ機構80を備えている。尚、パイプPを締め付ける構造については実施形態5と同様であるので詳しい説明は省略し、主としてバルブ機構80について説明する。
継手本体81の内周には筒状弁体82が軸方向(前後方向)への移動可能に設けられ、継手本体81の前端部に形成した雌ネジ孔83には弁杆84の前端が螺合により固定されている。筒状弁体82は、後端部内周にテーパ面86を有し、このテーパ面86が前側に位置する第1締付リング85Fの外周のテーパ面85Faに当接されている。また、筒状弁体82の前端部外周にはOリング87が装着され、このOリング87が継手本体81の内周に密着することにより、筒状弁体82と継手本体81との隙間が水密状にシールされている。かかる筒状弁体82は、閉弁用バネ88によって後方、即ち筒状弁体82のテーパ面86を第1締付リング85Fのテーパ面85Faに押圧する方向へ付勢されている。また、筒状弁体82の前端部の開口部は、前方へ向かって縮径するようなテーパ状の弁口89となっている。
【0064】
弁杆84の後端部外周は、前方へ向かって縮径したテーパ状をなす弁座90となっており、この弁座90のテーパの勾配は弁口89のテーパの勾配と同じ角度に設定されている。また、弁座90にはOリング91が装着されており、このOリング91が弁口89の内周面に密着することにより、弁座90と弁口89との間が水密状にシールされるようになっている。尚、継手本体81の後端部には、雌ネジ孔83よりも外周側において複数の通孔92が前後に貫通して形成されており、この通孔92を介して、継手本体81に内嵌されたパイプPと、継手本体81の前端部の雄ネジ部93に螺合された相手側配管部材(図示せず)とが連通されるようになっている。
【0065】
締付部材20を締め付ける前の状態では、図15に示すように、筒状弁体82は閉弁用バネ88の付勢によってその弁口89を弁座90に当接させた状態、即ちバルブ機構80が閉弁された状態に保持されている。したがって、パイプPと相手側配管部材との間で流体の流通は行われない。
この状態から締付部材20を締め付けて当接面14,28同士が当接するまで前方へ螺進させると、上記実施形態5で説明したように両締付リング85F,85Rがテーパ面85Fb,85Raによって縮径されられてパイプPの外周に締め付けられ、この締め付けによりパイプPは後方への遊動を規制された接続状態にロックされるとともに、各締付リング85F,85RとパイプPの外周との間、両締付リング85F,85Rのテーパ面85Fb,85Ra同士の間、第1締付リング85Fのテーパ面85Faと筒状弁体82のテーパ面86との間において、水密状にシールされた状態となる。さらに、筒状弁体82の前端に形成したテーパ状のシール面82Aが、継手本体81の内周に形成したテーパ状のシール面81Aに対して水密状に密着し、筒状弁体82の外周のOリング87と協動して筒状弁体82と継手本体81との隙間をシールする。
【0066】
また、締付部材20の螺進に伴い、筒状弁体82は、両締付リング85F,85Rに押されることにより閉弁用バネ88の付勢に抗して前方へ移動するため、弁口89の内周が弁座90から離間する。これにより、バルブ機構80が自動的に開弁された状態となる(図16を参照)。この状態から締付部材20を緩めると、筒状弁体82が閉弁用バネ88の付勢により後方へ移動してその弁口89の内周が弁座90に当接し、バルブ機構80が自動的に閉弁状態となる。
【0067】
[実施形態10]
以下、本発明を具体化した実施形態10を図17及び図18を参照して説明する。本実施形態10の管継手Jjは、上記実施形態9の管継手Jiにおいてバルブ機構を異なる構成としたものである。尚、上記実施形態9と同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
本実施形態10のバルブ機構100は、以下の構成になる。
継手本体102の内周におけるパイプ挿入領域よりも前方(奥方)には、前方に向かって縮径した弁口103が形成され、継手本体102の外周の治具嵌合部104よりも前方の位置には周方向の受け部105が突出形成され、継手本体102の外周前端部にはOリング106が装着されている。継手本体102の前端部外周には筒状の螺進体107が相対回転及び軸方向の移動を可能に装着されている。この螺進体107の内周には継手本体102のOリング106が密着しており、これにより、螺進体107の内周と継手本体102の外周との隙間が水密状にシールされている。螺進体107の内周の支持壁108には雌ネジ孔109が形成され、この雌ネジ孔109には弁杆110の前端部が螺合されている。
【0068】
弁杆110の後端部外周は、前方へ向かって縮径したテーパ状をなす弁座111となっており、この弁座111のテーパの勾配は弁口103のテーパの勾配と同じ角度に設定されている。また、弁座111にはOリング112が装着されており、このOリング112が弁口103の内周面に密着することにより、弁座111と弁口103との間が水密状にシールされるようになっている。尚、支持壁108には、雌ネジ孔109よりも外周側において複数の通孔114が前後に貫通して形成されており、この通孔114を介して、継手本体102に内嵌されたパイプPと、継手本体102の前端部の雌ネジ部115に螺合された相手側配管部材(図示せず)とが連通されるようになっている。また、螺進体107の外周には雄ネジ部116が形成され、この雄ネジ部116にはバルブ開閉ナット117が螺合されている。バネ部開閉ナット117は、その後端の係止部118を受け部105に対して後方から係止させることで継手本体102に対する後方への遊動が規制されているとともに、螺進体107と受け部105との間に装着した遊動規制バネ119の付勢により前方への遊動が規制されている。尚、バルブ開閉ナット117は継手本体102に対して相対回転し得るようになっている。
【0069】
螺進体107を最も前方へ位置させた状態では、図17に示すように、螺進体107と一体の弁座111が弁口103の内周に当接することによって、バルブ機構100は閉弁されている。この状態から、バルブ開閉ナット117と螺進体107とを相対回転させることで螺進体107を後方へ螺進させると、螺進体107と一体に後方移動した弁座111が弁口103の内周から離間し、図18に示すようにバルブ機構100が開弁される。この開弁状態では、継手本体102の前端に形成したテーパ状のシール面102Aが、螺進体107の内周に形成したテーパ状のシール面107Aに対して水密状に密着し、継手本体102の外周のOリング106と協動して継手本体102と螺進体107との隙間をシールする。
【0070】
上述したバルブ機構100の開閉は、管継手80に対するパイプPの接続とは独立して行われる。つまり、当接面14,28同士が密着して締付リング85F,85RによるパイプPの締付けが完全に行われた状態のままでも、バルブ機構100の開閉を自由に行うことができる。
【0071】
[実施形態11]
以下、本発明を具体化した実施形態11を図19及び図20を参照して説明する。本実施形態11の管継手Jjは、上記実施形態1において、継手本体10の後端面を、パイプPの挿抜方向(=締付部材20の螺進方向であり、締付リング30の締付けに伴う移動方向)と直角な平坦面10aとするとともに、この平坦面10aの内周縁、即ち後部テーパ面16cとの境界となる周縁をエッジ状の角縁部10bとし、更に、締付リング30に、平坦面10a及び角縁部10bと対向し且つ締付け部31のテーパ面32よりも傾斜角度の大きいテーパ状当接面35を形成したものである。
【0072】
本実施形態11の管継手Jjにおいても、上記実施形態1と同じく、締付部材20が螺進する過程では、当接面14,28同士が当接する前に正規の締め付け状態になるとともに、当接面14,28同士が当接してパイプPの接続が完了するまで正規の締め付け状態が保たれる。即ち、締付部材20の螺進が開始されると、図19に示すように、まず締付け部31の前端部が継手本体10の後部テーパ面16cに当接する。締付部材20の螺進が進むのに伴い、後部テーパ面16cと締付け部31のテーパ面32の密着領域(面接触領域)が次第に後方へ拡大していくとともに、締付け部31の縮径変形が進む。そして、当接面14,28同士が当接する直前において、締付リング30のテーパ状当接面35が、平坦面10aと後部テーパ面16cとの境界の角縁部10bに対してその角縁部10bを食い込ませるように当接することでその当接部分が水密状態となり、締付リング30が正規の締付け状態に至る。ここから、当接面14,28が当接する最終位置に到達するまで締付部材20の螺進を更に進めていくと、その間、角縁部10bがテーパ状当接面35に対して食い込むように塑性変形し、平坦面10aとテーパ状当接面35とが広い範囲で密着(面接触)した状態となる。
【0073】
正規の締め付け状態では、締付リング30は、締付け部31の前端部及び食い込み部33cの前後2箇所においてパイプPを締め付けて、パイプPを確実にロックするとともにパイプPと締付リング30との隙間を確実にシールする。また、締付リング30は、テーパ面32のほぼ全域及びテーパ状当接面35の前後2箇所において継手本体10の内周に対して水密状に密着することにより、継手本体10と締付リング30との隙間を確実にシールする。尚、締付リング30とパイプPとの前後2カ所の当接部分は、後部テーパ面33cとテーパ面32の広い密着領域(面接触)の範囲内に位置する。
なお、上記以外の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0074】
[実施形態12]
次に、本発明を具体化した実施形態12を図21及び図22を参照して説明する。本実施形態の管継手Jlは、前後2つの締付リング40,50を有する上記実施形態5において、継手本体10の後端面を、パイプPの挿抜方向(=締付部材20の螺進方向であり、締付リング40の締付けに伴う移動方向)と直角な平坦面10aとするとともに、この平坦面10aの内周縁、即ち後部テーパ面16cとの境界となる周縁をエッジ状の角縁部10bとし、更に、前側の締付リング40に、平坦面10a及び角縁部10bと対向し且つ締付け部41のテーパ面42よりも傾斜角度の大きいテーパ状当接面45を形成したものである。
【0075】
本実施形態12の管継手Jlにおいても、上記実施形態5と同じく、締付部材20が螺進する過程では、当接面14,28同士が当接する前に正規の締め付け状態になるとともに、当接面14,28同士が当接してパイプPの接続が完了するまで正規の締め付け状態が保たれる。即ち、締付部材20の螺進が開始されると、図21に示すように、前側の締付リング40の締付け部41の前端部が継手本体10の後部テーパ面16cに当接するとともに、後側の締付リング50の締付け部51の前端部が前側の締付リング40の内周のテーパ面43に当接する。
締付部材20の螺進が進むのに伴い、後部テーパ面16cとテーパ面42の密着領域(面接触領域)及びテーパ面43とテーパ面52との密着領域(面接触領域)が、夫々、後方へ拡大していくとともに、締付け部41,51の縮径変形が進んでいく。
【0076】
そして、当接面14,28同士が当接する直前において、締付リング40のテーパ状当接面45が、平坦面10aと後部テーパ面16cとの境界の角縁部10bに対してその角縁部10bを食い込ませるように当接することでその当接部分が水密状態となり、締付リング40が正規の締付け状態に至る。この前側の締付リング40とほぼ同時又は前後して、後側の締付リング50も正規の締付け状態に至る。ここから、当接面14,28が当接する最終位置に到達するまで締付部材20の螺進を更に進めていくと、その間、角縁部10bが前側の締付リング40のテーパ状当接面45に対して食い込むように塑性変形し、平坦面10aとテーパ状当接面45とが広い範囲で密着した状態となる。
【0077】
正規の締め付け状態では、締付リング30は、前側の締付リング40の締付け部41の前端部及び後側の締付リング50の締付け部51の前端部の前後2箇所においてパイプPを締め付けて、パイプPを確実にロックするとともにパイプPと締付リング30との隙間を確実にシールする。また、前側の締付リング40は、テーパ面42のほぼ全域及びテーパ状当接面45の前後2箇所において継手本体10の内周に対して水密状に密着することにより、継手本体10と締付リング40との隙間を確実にシールする。また、前後両締付リング40,50の間もテーパ面43とテーパ面52との密着により水密状態となる。尚、後側の締付リング50とパイプPとの当接部分は、前側の締付リング40と継手本体10との密着領域よりも後方に位置する。また、前側の締付リング40とパイプPとの密着領域は後部テーパ面33cとテーパ面42の広い密着領域の範囲内に位置する。
なお、上記以外の構成については上記実施形態5と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0078】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態1〜12では縮径手段のテーパ面を継手本体と締付リングの双方に設けたが、本発明によれば、テーパ面は、締付部材と締付リングのうちのいずれか一方のみに設けてもよい。
(2)上記実施形態1〜12では締付リングとパイプの双方を銅製としたが、本発明は、銅以外の金属である場合にも適用することができる。
(3)上記実施形態1〜12では継手本体と締付部材を真鍮製としたが、本発明は、真鍮以外の金属である場合にも適用することができる。
【0079】
(4)上記実施形態1〜6,8〜12では、正規の締め付け状態のときに締付リングと締付部材との間に径方向の隙間が空くようにしたが、本発明によれば、実施形態7の締付部材の回転を規制する構造を実施形態1〜6、8〜12にも適用することができる。
(5)上記実施形態1〜4,6〜11では1つの締付リングが2カ所においてパイプに食い込むようにしたが、本発明によれば、締付リングが1カ所ずつパイプに食い込むようにしてもよく、3カ所以上でパイプに食い込むようにしてもよい。
(6)上記実施形態3,4,7〜10では締付リングの前端部の締付け部がパイプに対して帯状に密着するようにしたが、本発明によれば、締付リングの前端部がパイプに対して楔状に食い込むようにしてもよい。
【0080】
(7)上記実施形態5,9,10,12では締付リングを2つ設けたが、本発明によれば、3つ以上の締付リングを設けてもよい。
(8)上記実施形態5,12では前後の各締付リングが夫々1カ所においてパイプに食い込むようにしたが、本発明によれば、各締付リングが夫々2カ所以上でパイプに食い込むようにしてもよい。
(9)上記実施形態6ではスペーサを1つだけ設けたが、本発明によれば、継手本体に複数のスペーサを予め装着しておき、スペーサを1つずつ外すことによってパイプPの着脱を複数回行うことができる。
【0081】
(10)上記実施形態6のスペーサによって増し締めを可能にする構成は、実施形態1〜5,7〜12にも適用することができる。
(11)本発明によれば、上記実施形態8の締付リングによるロックとシールが完了したことを標示する識別手段を設ける構造は、実施形態1〜7、9,12にも適用できる。
(12)本発明によれば、上記実施形態9及び10のバルブ機構は、実施形態1〜8,11,12(締付リングが1つ又は複数のいずれの場合)にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における正規の締付け状態をあらわす拡大断面図
【図2】実施形態1においてパイプを浅く挿入した状態の断面図
【図3】実施形態2における正規の締付状態をあらわす拡大断面図
【図4】実施形態3における正規の締付状態をあらわす拡大断面図
【図5】実施形態3においてパイプを浅く挿入した状態の断面図
【図6】実施形態4における正規の締付状態をあらわす拡大断面図
【図7】実施形態5における正規の締付状態をあらわす拡大断面図
【図8】実施形態5においてパイプを浅く挿入した状態の断面図
【図9】実施形態6における正規の締付状態をあらわす拡大断面図
【図10】実施形態6のスペーサの変形例をあらわす斜視図
【図11】実施形態6のスペーサの変形例をあらわす斜視図
【図12】実施形態7における正規の締付状態をあらわす拡大断面図
【図13】実施形態8においてパイプを浅く挿入した状態の断面図
【図14】実施形態8における正規の締付状態をあらわす拡大断面図
【図15】実施形態9においてパイプを接続する前の状態の断面図
【図16】実施形態9においてパイプを接続した状態の断面図
【図17】実施形態10においてバルブ機構が閉弁している状態の断面図
【図18】実施形態10においてバルブ機構が開弁している状態の断面図
【図19】実施形態11においてパイプを浅く挿入した状態の断面図
【図20】実施形態11における正規の締付状態をあらわす拡大断面図
【図21】実施形態12においてパイプを浅く挿入した状態の断面図
【図22】実施形態12における正規の締付状態をあらわす拡大断面図
【符号の説明】
P…パイプ
Ja…管継手
10…継手本体
14…当接面
16c…後部テーパ面(縮径手段)
20…締付部材
28…当接面
30…締付リング
31…締付け部
32…テーパ面(縮径手段)
Jb,Jc,Jd,Je,Jf,Jg,Jh,Ji,Jj,Jk,Kl…管継手
40,50…締付リング
41,51…締付け部
42,43,52…テーパ面
61…当接面

Claims (11)

  1. 金属製のパイプの挿入を可能とした筒状の継手本体と、
    この継手本体に螺合される筒状の締付部材と、
    前記継手本体内に挿入された前記パイプを囲むような筒状をなす金属製の締付リングと、
    パイプ挿入方向に対して傾斜したテーパ面を有し、前記締付部材の螺進に伴い前記締付リングを前記継手本体の内周に対し水密状に密着させつつ縮径方向へ塑性変形させることで、その締付リングが前記パイプの外周に対し遊動規制状態に食い込み及び/又は水密状態に密着する形態で締め付けるようにした縮径手段とを備えてなり、
    前記継手本体と前記締付部材には、前記締付リングを縮径変形させる方向へ前記締付部材が螺進するのに伴って接近する一対の当接面が設けられており、
    前記締付部材が螺進する過程では、前記一対の当接面が非接触のままで前記締付リングが前記パイプに対して正規の締付け状態になるとともに、前記締付部材の螺進が前記一対の当接面が突き当たる位置まで進む間は前記締付リングの正規の締付け状態が保たれる構成としたことを特徴とする管継手。
  2. 正規の締付け状態では、前記締付リングと前記継手本体とがパイプ挿入方向における複数箇所で当接するとともに、前記締付リングと前記パイプとがパイプ挿方向における複数箇所で当接することを特徴とする請求項1記載の管継手。
  3. 前記締付部材と前記締付リングに、互いに係止することでその締付リングを締付部材に対して仮組み状態に保持可能な仮保持手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管継手。
  4. 前記締付リングの一方の端部が前記パイプに対する締付部とされ、
    その締付部が前記縮径手段によって縮径させられるのに伴ってその締付リングの他方の端部側が拡径変形を生じるようになっており、
    前記当接面同士が突き当たる正規の締付け状態では、前記拡径変形部が前記締付部材の内面に対して食い込むことで、その締付部材の回転動作が規制される構成としたことをと特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の管継手。
  5. 前記継手本体の内周には、前記パイプの挿入方向先端外周縁が当接可能なテーパ状の前止まり面を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の管継手。
  6. 前記縮径手段を構成する前記継手本体側のテーパ面の傾斜角度と前記締付リング側のテーパ面の傾斜角度を互いに異なる角度としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の管継手。
  7. 前記締付リングが正規の締付け状態となったときには、前記縮径手段を構成する前記継手本体側のテーパ面と前記締付リング側のテーパ面とが互いに密着する構成としたことを特徴とする請求項6記載の管継手。
  8. 前記締付リングが正規の締付け状態になったときに、前記締付リングの締付け部が前記パイプの外周面と前記継手本体の内周面との間でパイプ挿入方向と概ね平行なリング状をなして挟み付けられる構成としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の管継手。
  9. 前記継手本体側の前記縮径手段と前記締付リング側の前記縮径手段は、いずれも、傾斜角度が互いに異なり且つパイプ挿入方向に並ぶ複数のテーパ面によって構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の管継手。
  10. 前記継手本体には、前記締付部材に対しパイプ締付時における螺進方向先方に対応するように識別用傾斜面が形成され、
    この識別用傾斜面上には弾性的に拡径変形可能な識別リングが摺接可能に配され、
    前記締付部材の螺進動作が進むのに伴い、その締付部材が前記識別リングを軸方向に押して前記識別用傾斜面上で摺接させつつ拡径変形させる構成としたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の管継手。
  11. 前記継手本体の内部には、その継手本体内の流路を開閉するバルブ機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の管継手。
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