JP2004305873A - 残土選別システム - Google Patents

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Abstract

【課題】周辺に粉塵等を飛散させることなく、残土を効率的かつ、精度よく選別できる残土選別システムを提供する。
【解決手段】残土選別システム1は前処理工程と、選別装置を備えた本処理工程とから構成される。前処理工程では、ベルトコンベア3に投入された残土は、磁選機4によって磁性物が除去され、ベルトコンベア10では手選別によって大きな廃棄物が除去される。前処理工程で処理された残土は、ベルトコンベア18により選別装置の分離金網42に自動的に供給され、選別装置において、土砂、ゴミ、残留物の3つのクラスに分離選別される。そしてゴミはゴミ集積箱32に、残留物は残留物集積箱40に向かって各ベルトコンベアにより搬送され、残土は自動的にクラス毎にそれぞれ集積及び堆積されるようになっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、残土、砕石の選別を行う残土選別システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造家屋や鉄筋コンクリート等の構造物の取り壊し作業、及び工事現場等に発生する残土には、石や土、砂、コンクリート、廃プラスチックやガラスの破片、木材の破片、合成樹脂の破片やシート、鉄等の金属、紙くず等が、種々なる形や大きさで含まれており、その分別が困難で有効な処分方法がないこと、近年では、このような残土の処理が社会的な問題にもなっている。そこで、これらの問題に対処するために、例えば、複数枚の平板状のふるいを、目の大きいものから下段に行くに従って目が小さくなるように、複数段に重ね合わせて、それらを振動させて、最上段のふるい上に供給した混合残留物を大きさによって複数のクラスに分別し、さらに分別された各クラスの廃棄物毎に風力選別を行い、大小の各サイズの重量物と軽量物を分別するようにした仕分け装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、トロンメル(回転型ふるい機)による大きさを基準とした第一の分別手段と、風力選別手段としての第二の分別手段と、比重選別手段としての第三の分別手段を、特定の態様で組み合わせることによって、残土を分離選別するシステムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−33487号公報
【特許文献2】
特開2001−9319号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者のような残土の分離選別装置では、主に残土のサイズを基準とした選別と風力による選別とで残土を分離選別するものであり、特に風力選別では、残土に対して非常に強力なターボファンで空気を送風することから、周辺に粉塵等が舞い上がり、周辺環境を汚染するという問題点があった。また、後者のような残土の分離選別システムの場合では、混合廃棄物はトロンメルに向かって最初に供給されるために、混合廃棄物中に含まれる大きな砕石物、廃棄物又は、金属片等がトロンメル内を通過する際に、トロンメル内部を傷つけ、破損が生じやすく、選別性能に影響を生じるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、周囲に粉塵を飛散させることなく、残土を効率的にかつ、精度よく選別できる残土選別システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の残土選別システムは、残土を選別するために、水平面に対して所定角度で傾斜する第1の分離金網と、当該第1の分離金網の残土が流れる方向の下流側に設けられ、前記第1の分離金網上を流れた残留物を一方向へ搬送する第1の搬送手段と、当該第1の搬送手段を覆うカバーと、当該カバー内に、前記一方向とは反対方向に送風する送風手段と、当該送風手段によって、前記一方向とは反対方向に送出されたゴミを収集する収集手段と、当該収集手段によって収集選別されたゴミを、前記収集手段内部から外部に向かって搬送する第2の搬送手段とからなる選別装置を備え、前記選別装置の前記第2の搬送手段によって搬送されたゴミを、ゴミを集積するゴミ集積箱に搬送する第3の搬送手段と、前記選別装置の前記第1の搬送手段によって搬送された残留物を、残留物を集積する残留物集積箱に搬送する第4の搬送手段とを備えたことを特徴とする構成となっている。
【0007】
この構成の残土選別システムでは、選別装置によって残土を土砂、残留物、ゴミの3つのクラスに分離選別し、残留物は残留物集積箱に、ゴミはゴミ集積箱にそれぞれ搬送する第3の搬送手段と第4の搬送手段とを備えているので、選別装置によって排出されたゴミや残留物を手作業によって収集し、運搬する手間を省くことができる。
【0008】
請求項2に記載の残土選別システムは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記第1の分離金網の直下には、前記第1の分離金網の網目を落下した土砂を受け入れて、前記第1の分離金網から離れる方向に向かって土砂を搬送する第5の搬送手段が設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0009】
この構成の残土選別システムでは、請求項1に記載の発明の作用に加え、第5の搬送手段は、第1の分離金網から落下する土砂を第1の分離金網の直下で受け入れるため、第5の搬送手段上から飛散する粉塵の量を最小限に抑えることができる。
【0010】
請求項3に記載の残土選別システムは、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記第5の搬送手段は、前記第1の分離金網から離れるに従って斜め上方に向かって延設され、前記第1の分離金網側の一端側から他端側に向かって斜め上方に延設する前記第5の搬送手段の他端側の直下には、前記第5の搬送手段によって搬送された土砂を、さらに細かく選別するための第2の分離金網が、水平面に対して所定角度で傾斜して設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0011】
この構成の残土選別システムでは、請求項2に記載の発明の作用に加え、第5の搬送手段上の残土は、第5の搬送手段における第1の分離金網側の一端側から他端側に向かって斜め上方に搬送され、さらに第5の搬送手段の他端側から落下して、第2の分離金網上に供給されるので、さらに土砂を細かく選別することができる。
【0012】
請求項4に記載の残土選別システムは、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記第2の分離金網の土砂が流れる方向の下流側端部近傍には、前記第2の分離金網上を流れた残留物を搬送する第6の搬送手段が設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0013】
この構成の残土選別システムでは、請求項3に記載の発明の作用に加え、第2の分離金網の網目を落下しなかった残留物は、第2の分離金網上を流れて第6の搬送手段に全て落下するので、残留物を全て収集して所定位置に搬送することができる。
【0014】
請求項5に記載の残土選別システムは、請求項3又は4に記載の発明の構成に加え、前記第2の分離金網の直下には、前記第2の分離金網の網目を落下した土砂を受け入れて、前記第2の分離金網とは離れる方向に搬送する第7の搬送手段が設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0015】
この構成の残土選別システムでは、請求項3又は4に記載の発明の作用に加え、第7の搬送手段が第2の分離金網から落下する土砂を、第2の分離金網の直下で受け入れるため、第7の搬送手段上から飛散する粉塵の量を最小限に抑えることができる。
【0016】
請求項6に記載の残土選別システムは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記第1の分離金網の上方には、前記第1の分離金網に残土を供給するための第8の搬送手段が設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0017】
この構成の残土選別システムでは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の作用に加え、第1の分離金網には、第8の搬送手段によって残土が供給されるので、第1の分離金網には略一定量の残土を連続的に供給することができる。
【0018】
請求項7に記載の残土選別システムは、請求項6に記載の発明の構成に加え、前記第8の搬送手段において、前記第1の分離金網に向かって残土が搬送される方向の上流側端部には、前記第8の搬送手段に残土を供給するための第9の搬送手段が接続され、当該第9の搬送手段において、前記第9の搬送手段上の残土中より大きな廃棄物を手選別によって取り除くことを特徴とする構成となっている。
【0019】
この構成の残土選別システムでは、請求項6に記載の発明の作用に加え、第9の搬送手段上の残土から、予め手選別によって大きな廃棄物を取り除くので、選別装置の第1の分離金網に供給される残土には、大きな廃棄物は含まれず、第1の分離金網が損傷することを防止することができる。
【0020】
請求項8に記載の残土選別システムは、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記第9の搬送手段の長さ方向側面に沿って、1又は2名以上の人間が、第9の搬送手段上の残土中より大きな廃棄物を取り除くための作業場が設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0021】
この構成の残土選別システムでは、請求項7に記載の発明の作用に加え、第9の搬送手段の長さ方向に沿って設けられた作業場内で人間が作業をすることができるので、第9の搬送手段上の残土から直接、手選別で大きな廃棄物を取り除くことができる。
【0022】
請求項9に記載の残土選別システムは、請求項8に記載の発明の構成に加え、前記作業場には、手選別によって取り除かれた大きな廃棄物を、廃棄物を集積する廃棄物集積箱に搬送する第10の搬送手段が設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0023】
この構成の残土選別システムでは、請求項8に記載の発明の作用に加え、作業場に設置された第10の搬送手段に、残土中から取り除いた大きな廃棄物を投入すれば、自動的に大きな廃棄物を廃棄物集積箱に搬送させて集積させることができる。
【0024】
請求項10に記載の残土選別システムは、請求項7乃至9の何れかに記載の発明の構成に加え、前記第9の搬送手段において、前記第8の搬送手段に向かって残土が搬送される方向の上流側端部には、前記第9の搬送手段に残土を供給するための第11の搬送手段が接続され、当該第11の搬送手段には、前記第11の搬送手段上の残土中から磁性物のみを選別して集積する磁性式選別手段が設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0025】
この構成の残土選別システムでは、請求項7乃至9の何れかに記載の発明の作用に加え、第11の搬送手段上に設けられた磁性式選別手段は、第11の搬送手段上の残土中に含まれる金属片等の磁性物を選別除去するので、選別装置には金属片等が供給されることがなく、選別装置を構成する各部品を損傷するのを防止することができる。
【0026】
請求項11に記載の残土選別システムは、請求項4乃至10の何れかに記載の発明の構成に加え、前記第6の搬送手段には、前記第6の搬送手段によって搬送された残留物を、前記残留物集積箱に搬送するための第12の搬送手段が設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0027】
この構成の残土選別システムでは、請求項4乃至10の何れかに記載の発明の作用に加え、第2の分離金網の網目を落下しなかった全ての残留物は、第6の搬送手段によって、第12の搬送手段に搬送されるため、自動的に残留物を残留物集積箱に搬送させて集積させることができる。
【0028】
請求項12に記載の残土選別システムは、請求項9乃至11の何れかに記載の発明の構成に加え、前記作業場には、手選別によって取り除かれた大きな廃棄物を前記第10の搬送手段に搬送するための第13の搬送手段が設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0029】
この構成の残土選別システムでは、請求項9乃至11の何れかに記載の発明の作用に加え、第9の搬送手段上で選別した大きな廃棄物は、第13の搬送手段によって第10の搬送手段に搬送されるので、作業する人間は移動せずとも、大きな廃棄物を自動的に廃棄物集積箱に搬送させることができる。
【0030】
請求項13に記載の残土選別システムは、請求項11又は12に記載の発明の構成に加え、前記第4の搬送手段は、前記第1の搬送手段から供給された残留物を前記第12の搬送手段に向かって搬送することを特徴とする構成となっている。
【0031】
この構成の残土選別システムでは、請求項11又は12に記載の発明の作用に加え、第4の搬送手段は、第12の搬送手段に残留物を搬送させることにより、第1の分離金網及び第2の分離金網によって、それぞれ選別された残留物を一括してまとめて、第12の搬送手段により残留物集積箱に搬送することができる。
【0032】
請求項14に記載の残土選別システムは、請求項12又は13に記載の発明の構成に加え、前記第9の搬送手段と、前記作業場と、前記第13の搬送手段とが設置されている区域は、残土中の粉塵が周囲に飛散しないようにするための覆いによって覆われていることを特徴とする構成となっている。
【0033】
この構成の残土選別システムでは、請求項12又は13に記載の発明の作用に加え、第9の搬送手段上の残土から発生する異臭や、残土中から飛散する粉塵を、覆いによって周囲に漏れないようにすることができる。
【0034】
請求項15に記載の残土選別システムは、請求項14に記載の発明の構成に加え、前記覆いは略直方体状の箱であって、前記略直方体状の箱の側面には、内部の空気を排出するための換気口が設けられていることを特徴とする構成となっている。
【0035】
この構成の残土選別システムでは、請求項14に記載の発明の作用に加え、覆い内部の空気は、略直方体状の箱の側面に設けられた換気口を通じて外部に排出されるので、覆い内の空気を入れ換えることができる。
【0036】
請求項16に記載の残土選別システムは、請求項15に記載の発明の構成に加え、前記換気口の前記覆いの外側には、前記覆いから排出される空気が通過するダクトが接続され、当該ダクトの前記換気口と接続する一端部とは反対側の他端部は、空気を吸引するための空気吸引手段に接続されていることを特徴とする構成となっている。
【0037】
この構成の残土選別システムでは、請求項15に記載の発明の作用に加え、覆い内部の空気は、覆いの側面に設けられた換気口からダクトを通じて、空気吸引手段によって吸引されるので、覆い内部の空気は常に換気され、清浄な空気を覆い内部に流入させることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態である残土選別システム1について、図面を参照して説明する。尚、本システムは、残土を大きさ、重量、磁性等によって選別し、それぞれ分類して集積するシステムである。ここでいう残土とは、岩、石、砕石、鉄片、土、砂、木片、紙、繊維、廃プラスチック、ビニール等を含むものとし、ゴミとは、木片、紙、繊維、廃プラスチック、ビニール等の軽量物をいう。
また、後述する選別装置55は、残土を土砂、ゴミ、残留物(砕石物等)の3つのクラスにそれぞれ分離選別するための装置である。尚、以下の説明において、選別装置55の分離金網42の残土が流れる方向とは、残土が分離金網42の上部から下部に向かって流れる方向を示し、選別ユニット56の分離金網44の土砂が流れる方向とは、土砂が分離金網44の上部から下部に向かって流れる方向を示すこととする。
【0039】
まず、残土選別システム1の全体の構成について、図1、図2及び図3を参照して説明する。ここで、図1は残土選別システム1の平面図である。図2は残土選別システム1の正面図であり、図3は残土選別システム1の背面図である。尚、残土選別システム1は、前処理工程と本処理工程の2つの工程から構成されている。ここで前処理工程とは、主に本処理工程に供給する残土中から、予め大きな廃棄物や磁性物を除去する工程をいう。一方、本処理工程とは、前処理工程で大きな廃棄物又は磁性物が除去された残土を、選別装置55によって、土砂、ゴミ、残留物の3つのクラスに分離選別して、それぞれをクラス別に集積するまでの工程をいう。
【0040】
まず、残土選別システム1の前処理工程は、図1又は図2に示すように、残土が最初に供給されるベルトコンベア3が水平方向に設けられ、ベルトコンベア3の搬送方向(図1中矢印方向)上流側近傍には、残土が投入されるための投入ホッパ2が固定され、さらに投入ホッパ2の下流側には、残土から磁性物(金属片等)のみを選別して除去するための磁選機4が設けられている。具体的には、この磁選機4は吊り下げ式の磁選機であり、磁選機4は、略直方体状の枠組みによって構成された磁選機架台5の上部に設けられた固定梁5a,5aから、地面に対して鉛直方向に延設された4本の吊り下げ棒によって固定され、ベルトコンベア3のベルト上方に位置するように設けられている。また、磁選機4が固定された磁選機架台5の近傍には、磁選機4によって選別されて除去された磁性物(金属片、鉄くず等)を集積するための金属片集積箱7が設けられている。
【0041】
さらに、図2又は図3に示すように、ベルトコンベア3の搬送方向の下流側には、ベルトコンベア3の地面からの高さより低い位置にベルトコンベア10が水平方向に設置され、ベルトコンベア3に搬送された残土が、ベルトコンベア10に落下するように、ベルトコンベア3とベルトコンベア10とが隣り合う端部は上下方向に隙間を有して重ねられている。また、ベルトコンベア3の端部と重なるベルトコンベア10の端部近傍には、ベルトコンベア3から搬送されて落下する残土を受け入れて、ベルトコンベア10に案内するためのホッパ9が固定されている。尚、ベルトコンベア10は、ベルトコンベア3から離れる方向(図1中矢印方向)に向かって残土を搬送する。
【0042】
また、ベルトコンベア10においては、搬送される残土中から大きな廃棄物を手選別で除去するために、ベルトコンベア10の長さ方向側面に沿って、作業員が作業するための踏み台13が設けられている。そして、踏み台13のベルトコンベア10側とは反対側には、ベルトコンベア10とは反対方向(図1中矢印方向)に廃棄物を搬送し、当該搬送方向に向かってやや斜め上方に傾斜するベルトコンベア11(図3参照)が設置されている。そして、ベルトコンベア11とベルトコンベア10との間には、ベルトコンベア10からベルトコンベア11に向かって斜め下方に傾斜する3つのシュート12,12,12が、略等間隔に隙間を空けてそれぞれ渡設されている。
【0043】
また、ベルトコンベア10,踏み台13,シュート12,12,12、ベルトコンベア11が設置されている区域には、複数のアングル部材と透明のシートによって構成されたテント状のシートハウス50が設けられている。さらに、図3に示すように、シートハウス50の前面側(図3中紙面裏側)には2つの換気口51,51が設けられ、それぞれの換気口51,51には、図2に示すようにダクト52,52がそれぞれ接続されている。またダクト52,52のシートハウス50の換気口51,51に接続する一端部側とは反対側の他端部側には、1台の集塵機53が接続されている。
【0044】
さらに、図3に示すように、ベルトコンベア11の搬送方向の下流側には、シートハウス50の外側に設置されたベルトコンベア14が設置されている。具体的には、ベルトコンベア14の長さ方向に垂直な一端部が、斜め上方に傾斜するベルトコンベア11の端部下方に隙間を空けて、上下方向に重ねられて設置されている。また、ベルトコンベア14のベルトコンベア11と上下方向に重なる端部には、ベルトコンベア11の端部から落下する大きな廃棄物を受け入れて、ベルトコンベア14に案内するためのホッパ16が固定されている。
【0045】
そして、ベルトコンベア14のベルトコンベア11と隣り合う一端部側と反対側の他端部側には、手選別によって除去された大きな廃棄物を集積するための略直方体状の箱である手選別集積箱6が設置されており、ベルトコンベア14の当該他端部は、手選別集積箱6の壁の上に載置されている。よって、ベルトコンベア14は、ベルトコンベア11と重なる部分から手選別集積箱6に向かって、斜め上方に傾斜して設置されている。
【0046】
さらに、手選別作業によって大きな廃棄物が除去された残土を搬送するベルトコンベア10の搬送方向下流側端部には、ベルトコンベア18がコンベア架台21(図2参照)により、斜め上方に傾斜して設置されている。具体的には、ベルトコンベア18は、水平方向に渡設されたベルトコンベア10の搬送方向下流側端部の下方から、斜め上方に所定角度をもって傾斜して設置されている。また、ベルトコンベア18の傾斜角度は、ベルトコンベア18の一端部側から他端部側に向かって斜め上方に傾斜するベルトコンベア18の他端部側が、後述する選別装置55の分離金網42の上方付近に位置するように調節されている。尚、ベルトコンベア18の一端部側には、ホッパ15が固定されている。
【0047】
次に、残土選別システム1の本処理工程の構成について図1、図2,図3及び図4を参照して説明する。図4は残土選別システム1の本処理工程の構成を示す斜視図である。まず、図2又は図3に示すように、一端部側から他端部側に向かって斜め上方に傾斜するベルトコンベア18の他端部側下方には、前処理工程で処理された残土を分離選別するための選別装置55が設置されている。具体的には、ベルトコンベア18の他端部側の下方に、選別装置55の分離金網42が位置するようになっている。
【0048】
この選別装置55は、図4に示すように、後述する傾斜調節フレーム57(図6参照)と、傾斜調節フレーム57の上部に固定され、水平面に対して所定角度で傾斜する分離金網42と、分離金網42の残土が流れる方向の下流側であって、分離金網42の残土が流れる方向と垂直方向に長さ方向を有し、分離金網42の網目を落下しなかった残留物を一方向(図1中矢印方向)に搬送するベルトコンベア20とが設けられている。さらに、ベルトコンベア20の上部には、分離金網42の残土が流れる方向の下流側近傍と、当該下流側近傍からベルトコンベア20の搬送方向とは反対方向の下流側端部までを覆うためのカバー部19が設けられている。そして、ベルトコンベア20の上方であって、カバー部19の開口部近傍には、ベルトコンベア20の搬送方向とは反対方向に向かって、カバー部19内に送風するための送風機48が設けられている。
【0049】
そして、図3又は図4に示すように、ベルトコンベア20の搬送方向とは反対方向の下流側端部には、送風機48によって、残留物中から吹き出されるゴミ等の軽量物を収集して、大きさ、重量等によって選別するための収集装置26が接続されている。また、収集装置26のベルトコンベア20が接続する側面と対向する側面からは、収集装置内部に蓄積したゴミを外部に搬送するためのベルトコンベア28が斜め上方に突出して延設されている。さらに、ベルトコンベア28の収集装置26の内側から外側に向かって突出した端部下方には、ベルトコンベア30の長さ方向に垂直な一端部側が隙間を空けて位置するようになっている。
そして、ベルトコンベア30の一端部側とは反対側の他端部側には、選別装置55によって分離選別されたゴミを集積する略直方体状のゴミ集積箱32が設置され、ベルトコンベア30の他端部側の底部が、ゴミ集積箱32の壁の上に載置させられている。尚、ベルトコンベア30の一端部側には、ホッパ29が固定されている。
【0050】
一方、図1又は図2に示すように、ベルトコンベア20の搬送方向の下流側端部下方には、ベルトコンベア36の一端部が隙間を空けて重なるように設けられ、ベルトコンベア36は、一端部側から他端部側に向かって斜め上方に傾斜している。尚、ベルトコンベア36の当該一端部にはホッパ35が固定されている。
さらに、ベルトコンベア36の他端部側には、ベルトコンベア38が設置され、ベルトコンベア38の一端部側が、ベルトコンベア36の端部の下方に位置するように設置されている。尚、ベルトコンベア36の端部下方に位置するベルトコンベア38の一端部側には、ホッパ37が固定されている。また、ベルトコンベア38のベルトコンベア36と重なる一端部側と反対側の他端部側には、選別装置55で選別された残留物(砕石物等)を集積するための略直方体状の残留物集積箱40が設置されている。尚、ベルトコンベア38の他端部側は、残留物集積箱40の壁の上に載置されているので、ベルトコンベア38は、残留物集積箱40に向かって斜め上方に傾斜している。
【0051】
また、図4に示すように、分離金網42の下方から、分離金網42から離れる方向に向かって、ベルトコンベア43が斜め上方に傾斜して設けられ、分離金網42側の一端部側から他端部側に向かって斜め上方に延設されたベルトコンベア43の他端部側下方には、選別ユニット56が設置されている。選別ユニット56は、分離金網44と、傾斜調節フレーム75と、ベルトコンベア45と、ベルトコンベア47と、土留め板46とから構成されている。具体的には、後述する傾斜調節フレーム75によって支持された分離金網44が、水平面に対して所定角度傾斜して設けられている。
【0052】
そして、傾斜する分離金網44の下方から、分離金網44から離れる方向に向かって、ベルトコンベア47が斜め上方に傾斜して設けられている。具体的には、ベルトコンベア47の分離金網44側の一端部側から、他端部側に向かって斜め上方に傾斜している。また、分離金網44の土砂が流れる方向の上流側端部の裏面側から、ベルトコンベア47に向かって略鉛直方向に平行な面を有するハードル状の土留め板46が、ベルトコンベア47より所定の隙間を空けて設けられている。
【0053】
また、分離金網44の土砂が流れる方向の下流側には、分離金網44の土砂が流れる方向に対して垂直方向に長さを有するベルトコンベア45が設けられている。ベルトコンベア45は、ベルトコンベア20の搬送方向と同じ方向(図1中矢印方向)に残留物を搬送する。そして、ベルトコンベア45の残留物の搬送方向の下流側端部下方には、分離金網42の網目を落下しなかった残留物を搬送するベルトコンベア36の搬送方向下流側の端部が位置するようになっている。
【0054】
また、図2又は図3に示すように、ベルトコンベア14、ベルトコンベア18、ベルトコンベア30、ベルトコンベア36、ベルトコンベア38、ベルトコンベア43、ベルトコンベア47は、搬送中の残土、残留物、ゴミから粉塵が飛散しないようにするための粉塵カバーが設けられている。具体的にはベルトコンベア14には粉塵カバー14a、ベルトコンベア18には粉塵カバー18a、ベルトコンベア30には粉塵カバー30a、ベルトコンベア36には粉塵カバー36a、ベルトコンベア38には粉塵カバー38a、ベルトコンベア43には粉塵カバー43a、ベルトコンベア47には粉塵カバー47aがそれぞれ設けられている。以上の構成部材によって、残土選別システム1の全体が構成されている。
【0055】
次に、ベルトコンベア3に固定された投入ホッパ2について説明する。ベルトコンベア3に固定された投入ホッパ2は、図1,図2及び図3に示すように、下方に向かって小径化する略角錐形状を有し、ベルトコンベア3の搬送方向の上流側端部に固定されており、鉛直上方に開口せしめられた大形の開口部から、選別処理の対象物である残土が投入されるようになっている。投入された残土は下部の排出口から、その下方に設置されたベルトコンベア3に重力で落下するようになっている。また、ベルトコンベア3は、ベルト上に略一定量ずつ供給される残土を水平方向に向かって搬送し、ベルトコンベア10に供給するようになっている。尚、この残土の投入は、例えば、ダンプ等から直接残土を投入したり、バックホー等を用いて残土を投入することができる。また、投入ホッパ2の開口部に、例えば格子状の金網(図示外)を配設することによって、残土中に含まれる極めて大形の木材等を初期の段階にて選別して除去することも可能である。
【0056】
次に、磁選機4について説明する。図1、図2及び図3に示すように、磁選機4はベルトコンベア3の上部に吊り下げられ、コンベア上の残土中から磁性物(鉄片・鉄塊など)のみを選別除去するために設けられている。この磁選機4は電磁式の吊下磁選機である。磁選機4の構造は、鉄芯とケース、アルミ条コイルとコイルの熱を逃がすための絶縁油とで電磁石が構成されており、電磁石に吸引された鉄片等の磁性物はスクレーパ(図示外)付のベルト部にて外部に排出されるようになっている。尚、磁選機架台5は、各アングル部材から構成された架台であり、磁選機架台5の上面部に渡設された2本の固定梁5a,5aから、4本の吊下棒が、地面に対して略鉛直方向に延設されており、さらにそれらの長さ方向の地面側先端部に磁選機4が固定されている。そして、磁選機4によって残土中から選別された磁性物は、金属片集積箱7に集積される。
【0057】
次に、ベルトコンベア10における手選別作業とシートハウス50の内部構成について図2,図5を参照して説明する。図5はシートハウス50とシートハウス50内部の構成を示す斜視図である。尚、手選別作業とは、ここでは残土中の大きな砕石物や大きな木片等を手選別にて除去する作業をいう。まず、図5に示すように、ベルトコンベア10は、ベルトコンベア3の搬送方向下流側の端部下方から、ベルトコンベア3の長さ方向に平行かつ、水平方向に設置されている。
そして、ベルトコンベア10の背面側(図5紙面の手前側)には、所定の間隔を空けて、ベルトコンベア10の長さ方向と平行方向にベルトコンベア11が設置されている。このベルトコンベア11は搬送方向(図5中矢印方向)に向かって斜め上方に傾斜して設置されており、その搬送方向の下流側端部下方には、ベルトコンベア14が設置されている。尚、ベルトコンベア10には、ベルトコンベア10の搬送速度を自由に変更することができる速度変更手段を用いてもよい。
この速度変更手段は、手選別作業者にとって作業しやすいコンベアの搬送速度に調節することができるので、手選別作業者の負担を軽減することができる。
【0058】
そして、ベルトコンベア10とベルトコンベア11との間には、3つの略長方形状からなるシュート12,12,12が、それぞれ互いに等間隔を空けて渡設されており、それらの隙間には作業員が一人ずつ配置されるようになっている。
また、作業員が作業する足場には、1枚の略長方形状の踏み台13が、後述するシートハウス50の水平梁143と145との間に渡設されている。
【0059】
さらに、ベルトコンベア10と、ベルトコンベア11と、シュート12,12,12と、踏み台13が設けられている区域には、この区域全体を覆うためのシートハウス50が設置されている。これは、ベルトコンベア10上で行われる手選別作業において、残土中の異物から発生する異臭(アンモニア臭等)や、残土中から飛散する粉塵等が周囲に漏れないようにするために設けられている。シートハウス50は、複数のアングル部材と、透明なビニールシートによって構成されている。具体的には、ベルトコンベア10の長さとほぼ同じ長さを有する長梁137の長さ方向に垂直な両端部と、それに対向する長梁138の長さ方向に垂直な両端部との間に、短梁135,136がそれぞれ渡設され、シートハウス50の上部に位置する略長方形状の枠部が構成される。そして、短梁135の長さ方向に垂直な両端部から、地面に対して鉛直方向に支柱梁139,140が延設されている。また、短梁136の長さ方向に垂直な両端部からも、地面に対して鉛直方向に支柱梁141,142が延設されている。こうして、略直方体状のシートハウス50の枠組みが構成される。そして、略直方体状のシートハウス50の底面以外の面には、透明のビニールシートが貼り付けられ、外部とは遮断された状態となっている。尚、シートハウス50の背面側の支柱梁141の近傍には、切り欠き部147が設けられ、ビニールシートに上下方向の切り込みが入れられている。よって、作業員は切り欠き部147から、シートハウス50内部に入ることができ、それぞれの所定位置に入って作業を開始する。
【0060】
また、シートハウス50の各面において、ベルトコンベア3の端部とベルトコンベア10の端部が上下に重なる部分には通過口155、ベルトコンベア10のベルトコンベア3と重なる一端部側とは反対側の他端部側近傍には通過口156、ベルトコンベア11とベルトコンベア14とが上下方向に重なる部分の近傍には通過口157が設けられており、シートハウス50の内部及び外部のベルトコンベアはそれぞれ互いに連絡できるようになっている。また、支柱梁140の上部と支柱梁142の上部との間には水平梁144が水平方向に渡設されている。
そしてシートハウス50のベルトコンベア10が設置されている側の側面であって、この水平梁144の下部には2つの換気口51,51が設けられており、換気口51,51には略ホース状のダクト52,52がそれぞれ接続されている。
そして、ダクト52,52の換気口51,51と接続する一端部側と反対側の他端部側には、図1又は図2に示す1台の集塵機53が接続されており、シートハウス50内部の空気や粉塵は、集塵機53により吸引されるようになっている。
【0061】
また、支柱梁139の下部と支柱梁140の下部との間には、水平梁145が水平方向に渡設され、支柱梁141の下部と支柱梁142の下部との間にも、水平梁143が水平方向に渡設されている。そして、水平梁143と水平梁145との間には、ベルトコンベア10とベルトコンベア11との隙間と同じ幅を有する上述の略長方形状の踏み台13が渡設され、作業員の足場となる。尚、水平梁143及び145の地面からの高さは、踏み台13上で作業員がベルトコンベア10において作業する際に作業しやすいように調節されている。尚、本実施例では、3人の作業員用に作業区域を3つ、シュートを3つ用意したが、これに限らず、例えばベルトコンベアの長さを変更して、作業する人員を変更してもよい。
【0062】
次に、選別装置55について、図6を参照して具体的に説明する。図6は選別装置55の斜視図である。図6に示すように、選別装置55において、選別装置55の支持台となる支持部57bと略長方形状の枠部57aから構成される傾斜調節フレーム57が設けられ、その枠部57aの上部には、枠部57aと同じ外周枠形状の金網支持枠61が、水平面に対して所定角度で傾斜して固定されている。さらに金網支持枠61の上部には、金網支持枠61と同じ外周枠形状をもつ1枚の分離金網42が固定されている。具体的には、金網支持枠61の外周枠上面には防振ゴム62が複数個配設されており、その上に分離金網42が固定されている。この防振ゴム62は、後述する振動モータ60により分離金網42が振動する際に、その振動が他の部材に伝わらないようにするための緩衝部材として設けられている。
【0063】
また、分離金網42の残土が流れる方向と平行方向であって、分離金網42の略中央に沿って桟42aが設けられている。この桟42aは、後述する振動モータ60によって分離金網42が振動することにより、分離金網42が歪まないようにするための部材である。さらに、分離金網42の残土が流れる方向に平行な両端側には、シュート片58a,シュート片58cが、分離金網42の残土が流れる方向の上流側には、シュート片58bが設けられており、分離金網42に供給される残土が外側にこぼれ落ちない様にするための部材である。尚、傾斜調節フレーム57は、支持部57bを構成する部材(図示外)が上下方向に伸長することによって、枠部57a、即ち分離金網42の傾斜角度を自由に調節することができる。また、後述する選別ユニット56の傾斜調節フレーム75も同様な機能を備えている。
【0064】
さらに、分離金網42の表面及び裏面側には、略矩形状の鉄板である振動板59が固定されている。具体的には、振動板59は、分離金網42の残土が流れる方向の上流側であって、分離金網42の左右何れかの一端側近傍において、分離金網42を表面及び裏面側から挟み込むようにして分離金網42に固定されている。そして、振動モータ60は分離金網42に固定された分離金網42の裏面側に固定された振動板59に固定されている。
【0065】
また、図2又は図6に示すように、分離金網42の裏面側直下には、分離金網42の網目から落下した土砂を受け入れて搬送するベルトコンベア43が設置されている。また、分離金網42の残土が流れる方向の下流側の端部近傍には、ベルトコンベア20が、分離金網42の残土が流れる方向とベルトコンベア20の長さ方向とが垂直に交わるように設置されている。さらに、図2又は図6に示すように、分離金網42上を流れた残留物がベルトコンベア20に向かって落下する方向には、残留物を受け止める略長方形状の弾性体を保持する落下吸収部22が、ベルトコンベア20の長さ方向に平行に設けられている。この略長方形状の弾性体は、分離金網42の残土が流れる方向に平行な両端間の長さとほぼ同じ長さを有しており、ベルトコンベア20のベルト部分の分離金網42から離れる一端部側近傍に略垂直に降り立つようにして設けられている。
【0066】
さらに、ベルトコンベア20の上部には、分離金網42の残土が流れる方向の下流側の端部近傍と、当該端部近傍からベルトコンベア20の搬送方向とは反対方向の下流側端部までを覆うカバー部19が設置されている。さらに、ベルトコンベア20上に設置されたカバー部19の開口部分に向かって、空気を送風するための送風機48が送風機架台49に固定された送風機固定板48aに設置されている。これは、送風機48が、ベルトコンベア20の搬送方向とは反対方向に送風するようになっている。
【0067】
そして、ベルトコンベア20の搬送方向とは反対方向の下流側端部には、送風機48によって、残留物中から吹き出されるゴミ等の軽量物を収集し、大きさ、重量等によって選別するための収集装置26が接続されている。また、収集装置26の上面部には、収集装置26内の空気を外側に排気するための排気口(図示外)が設けられ、その上部には排気ボックス69が設けられ、さらに排気ボックス69には、収集装置26内から排出される空気を再度送風機48に返送するためのダクト64が接続されている。また、傾斜調節フレーム57の内側には、電源装置(図示外)が設置され、各装置に電源を供給している。
【0068】
次に、収集装置26について、図7,図8,図9を参照して説明する。図7は収集装置26の斜視図であり、図8は収集装置26の正面図、図9は左右扉部150,160を開いた収集装置26の正面図である。尚、図7、図8、図9の収集装置26において、紙面上右側を右側面部、左側を左側面部、紙面表側に位置する面を前面部、紙面裏側に位置する面を背面部とする。まず、図7に示すように、収集装置26は、略直方体状の箱にて構成され、収集装置26の左側面部には受入口80が設けられている。
【0069】
また、ベルトコンベア20が接続される左側面部には、略矩形状の平板部材である第1の連結片108が、受入口80の上部に面接合され、左側面部の上辺よりやや上方に突出して固定されている。また、受入口80の地面に垂直な一辺とその上方に向かう延長線上には、第2の連結片109の端部が左側面部と略垂直に接続されている。第2の連結片109は、細長い略長方形状であって、上下方向に長さ方向を有する部材である。また、第2の連結片109の上端部は、第1の連結片108の上端部と同一平面上となるように切断されている。これらはベルトコンベア20上に設置されるカバー部19と接続するための部材となる。
【0070】
さらに、図8に示すように、収集装置26の前面部には、左右扉部150、160が設けられており、左扉部150はちょうつがい部105,105によって軸支され、また右扉部160も同様に、ちょうつがい部105,105によって軸支され、それぞれが中央より観音開き式に開閉可能となっている。
【0071】
そして、左扉部150及び右扉部160には、互いに隣り合う端部近傍の上部と下部には嵌合穴122がそれぞれ設けられている。また、図9に示すように、収集装置26の略中央部に固定された略長方形状の平面を有する中央梁162の上部及び下部には、凸部123がそれぞれ2つずつ接続されている。そして、図8に示すように、左右扉部150,160が閉じた際に、凸部123に左右扉部150,160の嵌合穴122がそれぞれ嵌合するようになっている。凸部123に左右扉部150,160の嵌合穴122がそれぞれ嵌合すると、嵌合穴122から凸部123がやや突出するようになっており、凸部123の突出する部分に設けられた地面に略垂直な挿入孔(図示外)にカギ部121を差し込むことにより、左右扉部150,160はロック状態となる。また、左扉部150の略中央部には、窓部151が、右扉部160の略中央部には、窓部161がそれぞれ設けられ、左右扉部150,160が閉じられた状態においても、収集装置26の内部を確認できるようになっている。
【0072】
さらに、図8又は図9に示すように、左右扉部150,160の下方には、蓋部94が設けられ、蓋部94の地面に垂直な両端部に設けられた固定部130により、蓋部94は収集装置26から着脱可能となっている。尚、固定部130は、上記の嵌合穴122、凸部123、カギ部121による固定方法と同じである。そして、収集装置26の内部には、受入口80の下辺近傍に設けられ、回転軸部81aに軸支される多数の開口を有する網状の平板81と、地面と平行であって、多数の開口を有する網状の敷き板83が設けられている。また、敷き板83から上方に積み上げ可能な多数の開口を有する網状の3枚の仕切板90a,90b,90cが、敷き板83から上方向に延設された4本のガイド梁101,102,103,104(図7参照)によって挟まれて設けられている。また、収集装置26の内側の背面部側には、背面部側壁面とは所定距離(本実施例では50mm)離間して、多数の開口を有する網状の背面板82が設けられている。
【0073】
そして、図9に示すように、収集装置26の上面部には、略矩形上の排気口(図示外)が設けられ、その上部には、略直方体状の箱である排気ボックス69が、フィルタ95を挟んで固定されている。さらに、排気ボックス69には円筒部材(図示外)が、排気ボックス69の背面部側(図9紙面裏側)に接続されており、円筒に囲まれる排気ボックス69の側面は切り抜かれている。また、図7に示すように、円筒部材にはホース状のダクト64が接続され、ダクト64の円筒部材と接続する一端部側と反対側の他端部側は、図6に示す送風機48に接続されている。尚、図9に示すように、排気ボックス69と円筒部材との接続部分には、3枚のフィルタからなるフィルタ97が設置されている。よって、収集装置26に吹き込まれた空気は排気口(図示外)を通じて外部に排出され、その空気はダクト64を通って、送風機48に返送される。また、排気口のフィルタ95とフィルタ97により、排出される空気中に混在するゴミはろ過されるようになっている。
【0074】
また、図9に示すように、収集装置26の右側面部には、略矩形状の廃棄口106が設けられている。廃棄口106の幅は、ベルトコンベア28の幅とほぼ同じ長さとなっている。また、廃棄口106の下辺は、収集装置26の右側面部の敷き板83と接続する部分から15cm上方に位置している。そして、廃棄口106から収集装置26の内側の略中央部(仕切板90の近傍)に向かって、ベルトコンベア28が渡設されている。そして、ベルトコンベア28の略中央部底面は、廃棄口106の下辺上に載置され、U字形固定具(図示外)でベルトコンベア28の底面を廃棄口106の下辺上に固定している。よって、ベルトコンベア28は図中右上がりに傾斜し、かつ廃棄口106から突出して設置されている。
【0075】
また、ベルトコンベア28の収集装置26内部に挿入されている部分には、ホッパ部93が設けられている。ホッパ部93は、3枚のホッパ片から構成され、ベルトコンベア28の長さ方向の両端側にはそれぞれ略矩形状のホッパ片がそれぞれ1枚ずつ接続されている。また、ベルトコンベア28の長さ方向に垂直であって、収集装置26内部に位置するベルトコンベア28の一端部側にも、1枚のホッパ片が接続されている。尚、ベルトコンベア28に接続される3枚のホッパ片は略長方形状のゴム板からなる部材である。そして、それぞれのホッパ片のベルトコンベア28に接続される一端部側とは反対側の他端部側は、ベルトコンベア28のベルト面に対して反対側に傾斜しており、収集装置26の前面部側の壁面と、背面部側の壁面とにそれぞれ接している。また、ベルトコンベア28の長さ方向に垂直であって、収集装置26内部に位置する一端部側のホッパ片のベルトコンベア28と接続する一端部側と反対側の他端部側は、仕切板90cの上部近傍に位置するようになっている。
【0076】
また、図9に示すように、廃棄口106から突出するベルトコンベア28には、その長さの略半分までを覆うカバー部27が設けられている。このカバー部27のカバー固定部27aは、縦に連接する略矩形状の3枚のカバー固定片が、それぞれの連接する辺において、内側に略直角方向に折り曲げられて構成される略コの字形形状の部材となっている。カバー固定部27aは連接する辺に囲まれる内側を地面方向に向けて、収集装置26の右側面部であって廃棄口106の上部に垂直に接続されている。さらに、カバー固定部27aの地面方向に向かう両端側からは、2枚のゴム片27b(1枚は図示外)が、ベルトコンベア28上の長さ方向に平行な両端側に向かって垂れ下がっている。また、カバー固定部27aの図中右側に開く開口部は略矩形状の平面板27cによって塞がれている。さらに、カバー固定部27aの上面部には略矩形状の排気口(図示外)が設けられており、排気口の上部には排気ボックス70がフィルタ96を挟んで固定されている。さらに、排気ボックス70には、ダクト65(図7参照)が接続するための円筒部材(図示外)が、排気ボックス70の背面部側(図9紙面裏側)に接続されている。尚、排気ボックス70と円筒部材との接続部分には、3枚のフィルタからなるフィルタ98が設置されている。よって、排気口のフィルタ96とフィルタ98により、排出される空気中に混在するゴミはろ過されるようになっている。尚、図9に示すように、フィルタ95は排気ボックス69から図9中左側に向かって引き出せるようになっており、またフィルタ96も同様に排気ボックス70から図9中右側に向かって引き出せるようになっている。
【0077】
さらに、図7又は図8に示すように収集装置26の左側面部において、受入口80の下部には、略矩形状の送風口84が設けられている。また、送風口84には、送風口84を通じて、収集装置26の外側から内側にゴミや異物等が流入しないようにするためのフィルタ85が固定されている。さらに、収集装置26の外側であって、送風口84の下辺近傍には、送風機固定板63aの端部が接続されており、送風機固定板63aには、送風機63が所定角度をもって固定されている。具体的には、送風機63は、送風口84から収集装置26の内部の平板81の裏面側に向かって送風するように固定されている。尚、上述したが、送風機63には、ダクト65が接続されているので、カバー部27内部の空気及び粉塵は、ダクト65を通じて送風機63に返送されるようになっている。
【0078】
次に、選別ユニット56について、図10を参照して具体的に説明する。図10は選別ユニット56の斜視図である。選別ユニット56は、図10に示すように、上述の選別装置55と同じ基本構造を有している。傾斜調節フレーム75の上部に位置する枠部には枠部と同じ外周枠形状の金網支持枠76が固定され、さらに金網支持枠76の上部には、金網支持枠76と同じ外周枠形状をもつ1枚の分離金網44が固定されている。具体的には、金網支持枠76の外周枠上面には防振ゴム77が複数個配設されており、その上に分離金網44が固定されている。
【0079】
また、分離金網44の残土が流れる方向と平行方向であって、分離金網44の略中央には桟44aが設けられている。この桟44aは、後述する振動モータ74によって分離金網44が振動する際に、分離金網44が歪まないようにするための部材である。尚、傾斜調節フレーム75は、選別装置55の傾斜調節フレーム57と同様に、分離金網44の傾斜角度を調節することができる。
【0080】
さらに、分離金網44の表面側及び裏面側には、略矩形状の鉄板である振動板73が固定されている。具体的には、振動板73は分離金網44の残土が流れる方向の上流側で、分離金網44の左右何れかの一端側近傍において、分離金網44を表面側及び裏面側から挟み込むようにして、分離金網44に固定されている。そして、振動モータ74は、分離金網44に固定された分離金網44の裏面側に固定された振動板73に固定されている。
【0081】
また、分離金網44の裏面側直下には、分離金網44の網目から落下した土等を受け入れて搬送するベルトコンベア47が設置されている。また、分離金網44の残土が流れる方向の下流側の端部近傍には、ベルトコンベア45が分離金網44の残土が流れる方向とベルトコンベア45の長さ方向とが垂直に交わるように設置されている。さらに、分離金網44上を流れた残留物がベルトコンベア45に向かって落下する方向には、残留物を受け止める略長方形状の弾性体を保持する落下吸収部72が、ベルトコンベア45の長さ方向に平行に設けられている。この略長方形状の弾性体は、分離金網44の残土が流れる方向に平行な両端間の長さとほぼ同じ長さを有しており、ベルトコンベア45のベルト部分の分離金網44から離れる一端側近傍に略垂直に降り立つようにして設けられている。
【0082】
また、図10に示すように、分離金網44の土砂が流れる方向の上流側端部の裏面側から、ベルトコンベア47に向かって略鉛直方向に平行な面を有する平板部材を保持するハードル状の土留め板46が設けられている。尚、当該平板部材は、ベルトコンベア47より所定の隙間が空けられている。
【0083】
次に、残土選別システム1の残土が選別処理される流れについて、図1乃至図9を参照して説明する。まず、図1乃至図3に示すように、選別処理の対象物となる残土を、ベルトコンベア3の端部に固定された投入ホッパ2に投入する。投入ホッパ2に投入された残土は、重力により下方に落下して、ベルトコンベア3にて搬送される。そして、ベルトコンベア3の上部に設置された磁選機4によって、残土中の磁性物(金属片等)は選別されて除去される。除去された磁性物(金属片等)は、磁選機架台5の近傍に設置された金属片集積箱7に集積されるようになっている。
【0084】
そして、ベルトコンベア3によって搬送された残土は、シートハウス50内に設置されたベルトコンベア10の端部に落下し、シートハウス50内を搬送される。そして、シートハウス50内のベルトコンベア10の側面に沿って作業員3人がシュート12と12との間にそれぞれ配置され、作業員達によってベルトコンベア10上の残土中に含まれる大きな廃棄物が手選別にて除去される。手選別によって除去された大きな廃棄物は、シュート12によってベルトコンベア11に落下し、ベルトコンベア10の搬送方向と反対方向に搬送される。そしてベルトコンベア11により搬送された大きな廃棄物は、シートハウス50の外側に設置されたベルトコンベア14の端部に落下して、そのままベルトコンベア14に搬送されて、手選別集積箱6に集積される。
【0085】
また、ベルトコンベア10上の残土からは、アンモニア臭等の異臭や、粉塵などでシートハウス50の内部環境が悪化するが、シートハウス50内の空気は、換気口51,51及びダクト52,52を通じ、集塵機53によって吸引されるので、シートハウス50内には清潔な空気が流入し、作業員の健康を害さずに作業を行うことができる。
【0086】
一方、ベルトコンベア10上の磁性物又は大きな廃棄物が除去された残土は、そのまま搬送され、シートハウス50の外側のベルトコンベア18の端部に落下する。そして、ベルトコンベア18によって、残土は選別装置55の分離金網42の上方に向かって搬送される。そして、ベルトコンベア18上の残土は、選別装置55の分離金網42上に落下して、網目より小さな粒径の土砂は分離金網42の下方に落下することになる。
【0087】
次に、選別装置55において残土が選別処理される流れについて、図1乃至図6を参照して説明する。まず、図6に示すように、傾斜調節フレーム57に固定された分離金網42の表面上部に残土が供給されると、残土は、振動モータ60により振動する分離金網42上を流れ、網目より小さい粒径の土砂は、分離金網42の直下に設置されたベルトコンベア43上に落下し、傾斜調節フレーム57の内側から外側に向かって搬送される。一方、分離金網42の網目より大きい粒径の残留物は、分離金網42上を流れる。さらに、分離金網42上を流れた残留物は、ベルトコンベア20に設置された落下吸収部22に衝突し、ベルトコンベア20上に落下するようになっている。
【0088】
さらに、分離金網42からベルトコンベア20に落下して搬送される残留物は、送風機48により、ベルトコンベア20の残留物が搬送される方向とは反対方向に向かって送風されるので、残留物中の軽いゴミはベルトコンベア20の搬送方向とは反対方向に飛ばされる。また、送風機48は、カバー部19内部に向かって送風するので、送風によってゴミに付着した粉塵が舞い上がるが、カバー部19内であるので、外部周辺に粉塵が飛散することがない。そして、送風機48によって吹き出された残留物中のゴミは、カバー部19内に沿って吹き飛ばされ、収集装置26の受入口80にまで到達する。
【0089】
次に、収集装置26においてゴミが選別処理される流れについて、図9を参照して説明する。まず、図9に示すように、収集装置26の受入口80からゴミが吹き込まれる。さらに、吹き込まれたゴミは多数の開口を有する網状の平板81上を通過する。ここで、送風機63が送風口84を通じて送風するので、軽いゴミは平板81の面の略延長線上に沿って、ベルトコンベア28に向かって飛ばされる。尚、平板81は、回転軸部81aに軸支される一端側と反対側の他端部側は、斜め上方に向かうように調節されているので、受入口80から離れる方向に飛ばされるようになっている。一方、大きくて重いゴミは、敷き板83上の平板81の下方付近にすぐに落下して蓄積するようになっているので、選別作業後に収集装置26の左扉部150を開けて、蓄積した大きくて重いゴミを取り出せばよい。また、ゴミに付着した砂等は、多数の開口を有する網状の敷き板83の下方に落下して、蓄積するようになっているので、収集装置26の蓋部94を外して、蓄積した砂を取り出せばよい。また、大きくて重いゴミが、敷き板83上の平板81の下方付近に山状になって蓄積されると、山が崩れて、ベルトコンベア28に入り込んでしまうことがある。その時は、例えば仕切板90bの上に仕切板90aを積み上げることにより、敷き板83上の平板81の下方付近に蓄積した大きくて重いゴミがベルトコンベア28に入らないようにすることができる。
【0090】
さらに、収集装置26に吹き込まれた空気は、収集装置26の上面に形成された排気口(図示外)から抜けて、排気ボックス69、ダクト64を通過して、送風機48まで返送される。また、収集装置26内のゴミは、排気口や排気ボックス69に設けられたフィルタ95,フィルタ97によってろ過されるようになっている。尚、選別装置55の選別作業が継続して、平板81の下方付近に大きくて重いゴミが大量に蓄積され、敷き板83の網目を塞いで、空気の流れが悪くなったとしても、収集装置26内の空気は、背面板82の網目を通過することができるので、収集装置26内の空気の流れは維持されるようになっている。
【0091】
ところで、受入口80からベルトコンベア28に向かって飛ばされたゴミは、ホッパ部93により誘導され、ベルトコンベア28に落下する。さらに、ベルトコンベア28上に落下したゴミは、収集装置26の外側に向かって搬送され、廃棄口106を通過して、収集装置26の外側に搬送される。この時、廃棄口106の内側から外側に向かって、内部空気が勢いよく排出されるので、ゴミに付着する粉塵が舞い上がる。しかし、ベルトコンベア28の外側は、カバー部27によって覆われているので、周囲に粉塵が飛散することがない。さらに、カバー部27内の空気と粉塵は、排気口(図示外)から、排気ボックス70及びダクト65を通過して、送風機63に返送されるので、カバー部27内の空気と粉塵は吸引されるようになっている。そして、ベルトコンベア28によって搬送されたゴミは、図1に示すベルトコンベア30の端部に落下し、そのままゴミ集積箱32に搬送され集積されることになる。
【0092】
一方、図1に示すように、分離金網42の網目を落下せず、ベルトコンベア20によって搬送された残留物は、ベルトコンベア20の搬送方向下流側端部の下方に位置するベルトコンベア36の端部に落下し、その残留物は選別ユニット56のベルトコンベア45の搬送方向下流側端部下方に向かって搬送される。
【0093】
また、選別装置55の分離金網42の網目から落下した土砂は、ベルトコンベア43上に落下し、選別ユニット56に向かって搬送される。具体的には、ベルトコンベア43により搬送された土砂は、選別ユニット56の分離金網44上に落下する。尚、分離金網44の網目サイズは、分離金網42の網目サイズより小さくなっているので、ベルトコンベア43により搬送された土砂は、さらに細かく選別される。そして、分離金網44の網目を落下した土砂は、ベルトコンベア47に落下して、分離金網44から離れる方向に向かって搬送される。そして、ベルトコンベア47の端部から落下して、細かい粒径の土砂が地面に堆積するようになっている。また、土留め板46は、例えばベルトコンベア47に搬送される土砂が大量であった時に、ベルトコンベア47は斜め上方に向かって土砂を搬送するために、ベルト上に蓄積した土砂が崩れて、分離金網44の下方付近まで逆流してしまうことがあるので、逆流する土砂を分離金網44の下方付近に流れ込む手前で遮蔽するために設けられている。
【0094】
また、分離金網44の網目を落下しなかった残留物は、そのまま分離金網44上を流れ、ベルトコンベア45上に落下する。そして、ベルトコンベア45は、落下した残留物を、ベルトコンベア20の搬送方向と平行方向に搬送する。そして、ベルトコンベア45上の残留物は、ベルトコンベア45の搬送方向下流側端部の下方に位置するベルトコンベア36の搬送方向下流側端部に落下して、続いてベルトコンベア38の搬送方向上流側端部に落下するようになっている。よって、分離金網42で選別された残留物と、分離金網44で選別された残留物とが一緒になり、ベルトコンベア38によってまとめて残留物集積箱40に搬送され、集積されるようになっている。
【0095】
以上の説明のように、選別装置55を中心に備えた残土選別システム1は、残土を磁性物、大きな廃棄物、土砂、ゴミ、砕石物(残留物)に分離選別し、それぞれを選別毎に集積することができる。選別装置55で処理する前に、予め磁性物や、大きな廃棄物を除去することにより、選別装置55の負荷を軽減でき、尚かつ選別装置55の選別能力を維持することができる。また、ベルトコンベアには、粉塵カバーが設けられているので、残土中から粉塵が飛散することなく、残土の選別処理を衛生的に行うことができる。
【0096】
尚、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。ベルトコンベアの数は本実施例に限られず、多くしても少なくしてもよく、作業現場の広さ及び残土の処理量に合った大きさのベルトコンベアを用いるとよい。また、本実施例では選別装置55の下流側には、1つの分離金網を設置したが、複数の分離金網を設けてもよい。また、本実施例では、ベルトコンベア20から落下した残留物をベルトコンベア36とベルトコンベア38によって搬送され、残留物集積箱40に集積されるようにしたが、ベルトコンベア36の搬送方向下流側に別の残留物集積箱を設けてもよい。さらに、磁選機4は、シートハウス50の上流側に設置したが、シートハウス50の下流側に設置してもよく、残土中から大きな廃棄物を手選別で除去してから、磁性物を除去してもよい。また、シートハウス50に設けられた換気口は1つでも複数でもよい。
【0097】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、請求項1に記載の残土選別システムでは、選別装置によって残土を土砂、残留物、ゴミの3つのクラスに分離選別し、残留物は残留物集積箱に、ゴミはゴミ集積箱にそれぞれ搬送する第3の搬送手段と第4の搬送手段とを備えているので、選別装置によって排出されたゴミや残留物を手作業によって収集し、集積箱等に運搬する手間を省くことができる。
【0098】
また、請求項2に記載の残土選別システムでは、請求項1に記載の発明の効果に加え、第5の搬送手段は、第1の分離金網の網目を落下した土砂を、第1の分離金網の直下で受け入れるので、飛散する粉塵の量も少なくすることができる。
よって、作業場周辺の環境を悪化させることなく残土の選別作業を行うことができる。
【0099】
また、請求項3に記載の残土選別システムでは、請求項2に記載の発明の効果に加え、第1の分離金網の網目を落下した土砂は、第5の搬送手段によって、第1の分離金網より網目の小さい第2の分離金網の上方に向かって搬送され、第2の分離金網上に落下するようになっているので、第1の分離金網で選別された土砂を、さらに細かく分離選別することができる。
【0100】
また、請求項4に記載の残土選別システムでは、請求項3に記載の発明の効果に加え、第2の分離金網の網目を落下せずに、第2の分離金網上を流れた残留物は、余すところなく第6の搬送手段に全て収集され、所定方向に搬送することができる。
【0101】
また、請求項5に記載の残土選別システムでは、請求項3又は4に記載の発明の効果に加え、第7の搬送手段は、第2の分離金網の網目を落下した土砂を、第2の分離金網の直下で受け入れるので、飛散する粉塵の量を少なくすることができる。よって、作業場周辺の環境を悪化させることなく残土の選別作業を行うことができる。
【0102】
また、請求項6に記載の残土選別システムでは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の効果に加え、ダンプやバックホーを使って、第1の分離金網に直接残土を供給しなくても、第8の搬送手段によって第1の分離金網から離れた位置からでも、第1の分離金網に残土を供給することができる。また、第1の分離金網には連続的かつ略一定量の残土を供給することができるので、選別装置には、一度に莫大な量の残土が供給されることがない。
【0103】
また、請求項7に記載の残土選別システムでは、請求項6に記載の発明の効果に加え、選別装置に供給される残土中の大きな廃棄物は、第9の搬送手段上において手選別によって除去されるので、選別装置には大きな廃棄物が供給されることがなく、大きな廃棄物による衝突及び落下によって選別装置内の構成部材の損傷を防ぐことができる。
【0104】
また、請求項8に記載の残土選別システムでは、請求項7に記載の発明の効果に加え、第9の搬送手段の長さ方向に沿って、複数の人間が作業をすることができる作業場が設けられ、第9の搬送手段上の残土から直接大きな廃棄物を手選別することができるので、選別装置には大きな廃棄物は供給されず、第1の分離金網を損傷させないようにすることができる。
【0105】
また、請求項9に記載の残土選別システムでは、請求項8に記載の発明の効果に加え、人間によって手選別された廃棄物を、第10の搬送手段によって自動的に廃棄物集積箱まで搬送するので、人間が廃棄物集積箱まで廃棄物を運搬して投入する手間を省くことができる。
【0106】
また、請求項10に記載の残土選別システムでは、請求項7乃至9の何れかに記載の発明の効果に加え、手選別作業が行われる第9の搬送手段の前に、第11の搬送手段に設置された磁性式選別手段によって、残土中の磁性物は選別除去されるので、手選別作業の際に、金属片等で手をケガしたりすることを防止できる。
【0107】
また、請求項11に記載の残土選別システムでは、請求項4乃至10の何れかに記載の発明の効果に加え、第2の分離金網上の網目を落下しなかった残留物は、第6の搬送手段に搬送されたあと、第12の搬送手段によって自動的に残留物集積箱に搬送されるので、選別された残留物を残留物集積箱に入れる手間を省くことができる。
【0108】
また、請求項12に記載の残土選別システムでは、請求項9乃至11の何れかに記載の発明の効果に加え、第9の搬送手段上で選別された大きな廃棄物は第13の搬送手段によって、第10の搬送手段に搬送されて廃棄物集積箱に集積されるので、作業する人間は大きな廃棄物を捨てるために作業場から離れる必要がなく、連続して作業をすることができる。
【0109】
また、請求項13に記載の残土選別システムでは、請求項11又は12に記載の発明の効果に加え、第1の分離金網及び第2の分離金網によってそれぞれ選別された残留物を、まとめて第12の搬送手段によって、残留物集積箱に搬送するので、搬送手段の設置数を減らすことができる。
【0110】
また、請求項14に記載の残土選別システムでは、請求項12又は13に記載の発明の効果に加え、覆いは第9の搬送手段上の残土から発生する異臭や、残土中から飛散する粉塵を遮蔽することができるので、作業区域周辺の環境を汚染せずに残土の選別作業を行うことができる。
【0111】
また、請求項15に記載の残土選別システムでは、請求項14に記載の発明の効果に加え、覆い内部の空気は、覆いの側面に設けられた換気口を通じて排出することができるので、覆い内部の空気を換気して作業環境を良好に保つことができる。
【0112】
また、請求項16に記載の残土選別システムでは、請求項15に記載の発明の効果に加え、覆い内部の空気は、覆いの側面に設けられた換気口からダクトを通じて、空気吸引手段によって吸引されるので、覆い内部の空気は常に換気され、作業環境を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は残土選別システム1の平面図である。
【図2】図2は残土選別システム1の正面図である。
【図3】図3は残土選別システム1の背面図である。
【図4】図4は残土選別システム1の本処理工程の構成を示す斜視図である。
【図5】図5はシートハウス50とシートハウス50内部の構成を示す斜視図である。
【図6】図6は選別装置55の斜視図である。
【図7】図7は収集装置26の斜視図である。
【図8】図8は収集装置26の正面図である。
【図9】図9は左右扉部150,160を開いた収集装置26の正面図である。
【図10】図10は選別ユニット56の斜視図である。
【符号の説明】
1 残土選別システム
2 投入ホッパ
4 磁選機
6 手選別集積箱
7 金属片集積箱
26 収集装置
32 ゴミ集積箱
40 残留物集積箱
42 分離金網
44 分離金網
46 土留め板
48 送風機
50 シートハウス
53 集塵機
55 選別装置
56 選別ユニット
60 振動モータ
63 送風機

Claims (16)

  1. 残土を選別するために、水平面に対して所定角度で傾斜する第1の分離金網と、
    当該第1の分離金網の残土が流れる方向の下流側に設けられ、前記第1の分離金網上を流れた残留物を一方向へ搬送する第1の搬送手段と、
    当該第1の搬送手段を覆うカバーと、
    当該カバー内に、前記一方向とは反対方向に送風する送風手段と、
    当該送風手段によって、前記一方向とは反対方向に送出されたゴミを収集する収集手段と、
    当該収集手段によって収集選別されたゴミを、前記収集手段内部から外部に向かって搬送する第2の搬送手段とからなる選別装置を備え、
    前記選別装置の前記第2の搬送手段によって搬送されたゴミを、ゴミを集積するゴミ集積箱に搬送する第3の搬送手段と、
    前記選別装置の前記第1の搬送手段によって搬送された残留物を、残留物を集積する残留物集積箱に搬送する第4の搬送手段とを備えたことを特徴とする残土選別システム。
  2. 前記第1の分離金網の直下には、前記第1の分離金網の網目を落下した土砂を受け入れて、前記第1の分離金網から離れる方向に向かって土砂を搬送する第5の搬送手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の残土選別システム。
  3. 前記第5の搬送手段は、前記第1の分離金網から離れるに従って斜め上方に向かって延設され、
    前記第1の分離金網側の一端側から他端側に向かって斜め上方に延設する前記第5の搬送手段の他端側の直下には、前記第5の搬送手段によって搬送された土砂を、さらに細かく選別するための第2の分離金網が、水平面に対して所定角度で傾斜して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の残土選別システム。
  4. 前記第2の分離金網の土砂が流れる方向の下流側端部近傍には、前記第2の分離金網上を流れた残留物を搬送する第6の搬送手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の残土選別システム。
  5. 前記第2の分離金網の直下には、前記第2の分離金網の網目を落下した土砂を受け入れて、前記第2の分離金網とは離れる方向に搬送する第7の搬送手段が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の残土選別システム。
  6. 前記第1の分離金網の上方には、前記第1の分離金網に残土を供給するための第8の搬送手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の残土選別システム。
  7. 前記第8の搬送手段において、前記第1の分離金網に向かって残土が搬送される方向の上流側端部には、前記第8の搬送手段に残土を供給するための第9の搬送手段が接続され、
    当該第9の搬送手段において、前記第9の搬送手段上の残土中より大きな廃棄物を手選別によって取り除くことを特徴とする請求項6に記載の残土選別システム。
  8. 前記第9の搬送手段の長さ方向側面に沿って、1又は2名以上の人間が、第9の搬送手段上の残土中より大きな廃棄物を取り除くための作業場が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の残土選別システム。
  9. 前記作業場には、手選別によって取り除かれた大きな廃棄物を、廃棄物を集積する廃棄物集積箱に搬送する第10の搬送手段が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の残土選別システム。
  10. 前記第9の搬送手段において、前記第8の搬送手段に向かって残土が搬送される方向の上流側端部には、前記第9の搬送手段に残土を供給するための第11の搬送手段が接続され、
    当該第11の搬送手段には、前記第11の搬送手段上の残土中から磁性物のみを選別して集積する磁性式選別手段が設けられていることを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の残土選別システム。
  11. 前記第6の搬送手段には、前記第6の搬送手段によって搬送された残留物を、前記残留物集積箱に搬送するための第12の搬送手段が設けられていることを特徴とする請求項4乃至10の何れかに記載の残土選別システム。
  12. 前記作業場には、手選別によって取り除かれた大きな廃棄物を前記第10の搬送手段に搬送するための第13の搬送手段が設けられていることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の残土選別システム。
  13. 前記第4の搬送手段は、前記第1の搬送手段から供給された残留物を前記第12の搬送手段に向かって搬送することを特徴とする請求項11又は12に記載の残土選別システム。
  14. 前記第9の搬送手段と、前記作業場と、前記第13の搬送手段とが設置されている区域は、残土中の粉塵が周囲に飛散しないようにするための覆いによって覆われていることを特徴とする請求項12又は13に記載の残土選別システム。
  15. 前記覆いは略直方体状の箱であって、
    前記略直方体状の箱の側面には、内部の空気を排出するための換気口が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の残土選別システム。
  16. 前記換気口の前記覆いの外側には、前記覆いから排出される空気が通過するダクトが接続され、
    当該ダクトの前記換気口と接続する一端部とは反対側の他端部は、空気を吸引するための空気吸引手段に接続されていることを特徴とする請求項15に記載の残土選別システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011224441A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Junji Tada 廃材処理設備
CN114433357A (zh) * 2022-01-20 2022-05-06 中交四公局第一工程有限公司 一种建筑垃圾回收系统
CN114887762A (zh) * 2022-03-04 2022-08-12 王象文 一种建筑用沙土杂质分选过滤装置
WO2023218699A1 (ja) * 2022-05-09 2023-11-16 日本国土開発株式会社 建設用装置

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