JP2011224441A - 廃材処理設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置に必要なスペースを飛躍的に少なくすることができると共に、複数種類の廃材が混合した建築廃材をより精度良く選別してリサイクルをも図ることができる廃材処理設備を提供する。
【解決手段】廃材処理設備11は、建築廃材を大きさに応じて選別するサイズ選別機20,21,22,23と、水の比重を利用して前記建築廃材を重量物と軽量物とに選別する湿式選別機27,28,29,30と、磁力を利用して前記建築廃材中の金属類を選別する磁力選別機24,25,26とを備える。これらの選別機20〜30を上下方向に複数段に配置した立体的な配置構成にすると共に、当該複数の選別機20〜30のうち最上段の選別機27へ建築廃材を投入するクライマーベルトコンベアC3及び振動フィーダ41を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数種類の廃材が混合した建築廃材を、その種類に応じて選別するための複数の選別手段を備えた廃材処理設備に関する。
建築物の解体等により生じる前記建築廃材には、多様な廃材が含まれる。例えば、瓦礫をはじめ金属、ガラス、プラスチック、ゴムは基本的に環境に影響を与えない所謂安定型の品目とされる一方、他の汚泥、木屑、繊維屑等は管理型とされ、その性状によっては有害物質を含む。このように、建築廃材は、そのまま廃棄物として埋立て処分等をすることができず、又、建築物の規模によってはおびただしい量の廃材が発生することから、従来より社会問題として取上げられている。
この点、例えば特許文献1には、周辺環境を汚染する虞を解消すべく、廃棄物を風力選別機により、不燃物と可燃物とに選別する方法が開示されている。しかしながら、この選別方法は、単に不燃物と可燃物との選別を行うにすぎない。また、建築廃材は、前記のように多様な種類の廃材を含み且つ雨天に晒される等、雑多な状態で堆積していることから、風力による選別では正確に選別を行うのは困難である。
一方、特許文献2には、建設現場で発生する瓦礫等の廃材と土砂の混合物から、廃材と土砂を分離する方法が開示されている。この選別処理では、先ず土砂及び廃材を含有する処理物を乾燥雰囲気下で放置し、含有水分量を低減した後、ドラム内に投入して撹拌し、その撹拌後に土砂と廃材との篩い分けが行われるようになっている。
特開2000−51810号公報 特開2007−190555号公報
ところが、特許文献2の選別方法では、廃材を充分に乾燥させるために、2区画以上の放置場を必要とすることから、その放置場のスペースを確保できない事態が生じうる。殊に、市街地等の地域にあっては、処理設備用の設置場所の確保が困難であり、しかも、建築廃材は前記の如く相当量の廃材が生じることもあり、当該選別方法による処分の実現は困難なものとなる。
また、特許文献2の選別方法は、土砂と廃材とを選別するだけで、多様な種類の廃材の適正な選別を行うものではなく、依然として処分上の課題を残している。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、設置に必要なスペースを飛躍的に少なくすることができると共に、複数種類の廃材が混合した建築廃材をより精度良く選別してリサイクルをも図ることができる廃材処理設備を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の廃材処理設備は、複数種類の廃材が混合した建築廃材を、その種類に応じて選別するための複数の選別手段を備えた廃材処理設備であって、前記複数の選別手段は、前記建築廃材を大きさに応じて選別するサイズ選別手段と、水の比重を利用して前記建築廃材を重量物と軽量物とに選別する湿式選別手段と、磁力を利用して前記建築廃材中の金属類を選別する磁力選別手段とを含み、前記複数の選別手段を上下方向に複数段に配置した立体的な配置構成にすると共に、当該複数の選別手段のうち最上段の選別手段へ前記建築廃材を投入する廃材投入手段を設けたことを特徴とする。
上記のように、複数の選別手段を上下方向に複数段に配置した立体的構成をなすことから、従来の二次元的配置構成(つまり平地に選別手段を配置した構成)に比し、廃材処理設備の設置に必要なスペースを大幅に減少させることができる。また、上記構成によれば、一の選別手段で選別した建築廃材を、重力を利用して下方の選別手段へ投入することができ、選別手段間における廃材投入手段の省略ないしは縮短することができる。従って、廃材処理設備の設置スペースを飛躍的に減少させることができると共に、選別手段間での廃材搬送に要するエネルギーを極力少なくすることができ、環境負荷を低減できる。
更に、選別手段において、サイズ選別のみならず、金属類の選別や水の比重を利用した質量ごとの選別を重畳的に行うことができる。よって、各選別手段を経た廃材について、例えば軽量物たる木や紙屑を可燃物として取除くことができると共に、サイズごとに金属類あるいは瓦礫類等を選別したり、鉄屑等の混入のない細かい砂を選別することができる。
本発明の一実施形態について、各階における選別装置の配置構成と処理の流れの例を概略的に示す全体図 (a)は、廃材処理設備の概略的なシステムフローの一部分を示す図、(b)は、湿式選別機の要部を拡大して示す平面図 図2(a)のシステムフローにおける他の部分を示す図 (a)は、廃材処理設備全体の概観を示す正面図、(b)は、構造体とその柱部材及び梁部材とを説明するための概略図 構造体1階における配置構成の概略図 構造体2階における配置構成の概略図 構造体3階における配置構成の概略図 湿式選別機の仕切り部材と、廃材の沈降速度の違いを説明するための概略図 湿式選別機における各仕切り部材の一例を示す図 廃材処理設備の処理量の一例を示す図
以下、本発明の一実施形態について図1〜図10を参照しながら説明する。ここで、本発明の廃材処理設備は、例えば建築物の解体が行われた敷地の一角を利用して設置されるものとする。図4(b)は、当該廃材処理設備11の骨格をなす構造体12を2点鎖線で示すものである。
即ち、同図に示すように、構造体12は、所定間隔を隔てて垂直に立設された複数の柱部材13と、これら柱部材13間に上下に複数段(例えば3段)に架け渡された複数の梁部材14とを接合することにより構成されている。これらの部材13,14によって構造体12は、例えば、幅Wが10m、高さHが10.4m、奥行きD(図5参照)が10mに設定された鉄骨造の三階建てとされている。ここで、図5〜図7中、符号Kは、構造体12の一階〜三階の各フロアを行き来するための階段を示している。この構造体12の上側には、発電用パネル15として例えば10m×8mの大きさの太陽電池装置が附設されている。このパネル15で太陽光エネルギーを電気的エネルギーに変換し、後述する各選別機20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,47,48,49(以下、これら選別機を単に「複数の選別機」と総称する)等の駆動源に供するエネルギーとして利用される。
構造体12は、螺合手段等を用いて前記敷地での組み立てが可能なプレハブ式にて構成されている。また、構造体12は、上記の如く比較的コンパクトな外形をなし、所謂狭小な土地にも適用が可能であるが、敷地の状況等に応じて各寸法W、D、Hを適宜変更することができる。尚、高さHが15m以下で且つ屋根又は壁の無い構造の建築物は、建築基準法の規制対象外となるが、本実施形態の廃材処理設備11は、発電用パネル15を含めても高さHが12.6mで上記の要件を何れも満たすことから、設置に際して手続き上の利点も有する(特定工作物としての申請は必要)。
構造体12の周囲には、直ぐ外側(図5における左側及び上側)に位置させて、複数の選別機で選別した廃材を、その種類や大きさごとにまとめたもの置くための各置場16a〜16hが区画形成されている。この廃材置場16は、例えば、可燃物置場16aと、金属類置場(鉄屑置場16b、アルミニウム置場16c、ステンレス鋼置場16d)と、大形(過大サイズ)廃材置場16eと、プラスチック類(例えばポリ塩化ビニル等(以下、塩ビ類と称す))の置場16fと、瓦礫類置場16gと、砂置場16hとからなる。
廃材処理設備11は、上記のような各種の廃材を選別するための複数の選別手段たる選別機を備える。複数の選別機は、構造体12を利用して上下方向に複数段に配置され、図示しない螺子(螺子結合)等により適宜の階の床面部(図示略)等に取付け固定されている。図示は省略するが、前記床面部は、梁部材14に対して架け渡されるようにして設けられるものであり、当該床面部には、階段K用の開口部の他、後述するコンベヤや投入用シュート、各種配管(パイプ)用の開口部が形成されている。複数の選別機を含む廃材処理設備11における各装置、配置構成並びに作用について、(1)建築廃材の投入、(2)サイズ選別機、(3)磁力選別機、(4)湿式選別機、(5)その他の装置、(6)廃材処理設備における作用、の順に説明する。尚、説明の便宜上、図2及び図3では一連の処理の流れを分けて示すと共に、当該図2及び図3等で省略された一部の装置については、他の図(図1、図5〜図9)等で補完的に示すものとする。
(1)建築廃材の投入
図1、図2、図5に示すように、廃材処理設備11の受入ホッパ19は、外部の建築廃材の投入を容易にすべく、構造体12の一階の外縁部に設けられている。受入ホッパ19は上方が拡開した形態をなし、その上面側に形成された大形の開口部19aから建築廃材が投入される。ここで投入される建築廃材は、建築物の解体等により生じるもので、例えば、可燃物(木屑、繊維屑、紙屑等)、瓦礫類(コンクリート片や瓦)、砂、泥、金属類、ガラス、プラスチック等の廃材が混在しており、夫々の廃材の大きさも多様である。これら廃材は、受入ホッパ19の開口部19aへ直接的に投入され、その自重により受入ホッパ19下部から排出される。
(2)サイズ選別機
廃材処理設備11は、建築廃材を大きさに応じて選別する複数のサイズ選別機20,21,22,23を備える。第1のサイズ選別機20は、建築廃材中に含まれる大形(過大サイズ)の廃材を一次的に取り除くもので、構造体12の二階の隅部(図6中、左上側)に位置して設けられている。図4(a)、図6に示すように、第1のサイズ選別機20は、例えば、40mm以上の過大サイズの廃材とそれ以外の廃材(40mm未満)の2つに篩分けるメッシュ寸法の篩20aと、この篩20a等を振動させるための加振装置(図示略)とを備え、その排出部20b側が前記大形廃材置場16eに臨むように配置されている。第1のサイズ選別機20の排出部20b側には、篩20aにて篩分けた過大サイズの廃材を、前記大形廃材置場16eに導く投入用シュート17eが設けられている。尚、本実施形態の篩(前記篩20aを含む)は、例えばスクリーン部材としての金網からなるものであるが、多数の格子状孔部を有する薄板状の篩を用いてもよく、メッシュ寸法は適宜変更してもよい。また、本実施形態の投入用シュート(前記シュート17eを含む)は、例えば投入された物を、その自重を利用して下方へ導く筒状をなすものであるが、その形態につき角筒状、漏斗状など各種のシュートを用いてもよい。
第2のサイズ選別機21は、例えば、40mm未満の廃材を、大、中、小の3つのサイズに選別するもので、図7に示す構造体12の三階の略中央部に位置して設けられている。第2のサイズ選別機21は、例えば廃材を、15mm以上40mm未満のサイズ(以下、大サイズとする)と、5mm以上15mm未満のサイズ(以下、中サイズとする)と、5mm未満のサイズ(以下、小サイズとする)とに篩分ける上下2段の篩21a,21b(図3参照)を備える。即ち、篩21a,21bは、メッシュ寸法が小さい篩21bが下側となるよう上下に配設されていて、図示しない加振装置により振動が付与される。また、第2のサイズ選別機21には、各篩21a,21b上の廃材に対して水を吹き付けるシャワー装置(流入手段R2,R3)が設けられており、廃材を洗浄して細かい砂や泥などを、小サイズの廃材と共に底部の管路21e側へ流下させると共に、篩21a,21bの目詰まりを防止して篩分けを促進する構成とされている。
図4(a)、図7に示すように、構造体12の三階には、第2のサイズ選別機21の下側に位置させて、第3のサイズ選別機22と第4のサイズ選別機23が設けられている。第3のサイズ選別機22は、大サイズの廃材とこの廃材に付着した砂や泥などの小サイズの廃材とを選別するための篩22a(図3参照)を備えると共に、当該廃材中の水分をエアブローにより小サイズの廃材と共に底部の管路22b側へ流下させるための圧縮空気供給部22c(同図に模式的示す)を備えた脱水篩機として構成されている。第3のサイズ選別機22は、その投入部22dが第2のサイズ選別機21の排出部21fに連なるように配置されている。投入部22dには、第2のサイズ選別機21の排出部21fに接続された投入用シュート18aを介して、大サイズの廃材が投入される。
一方、第4のサイズ選別機23は、中サイズの廃材とこの廃材に付着した小サイズの廃材とを選別するための篩23a(図3参照)を備えると共に、前記選別機22と同様、圧縮空気供給部23cを備えた脱水篩機として構成されている。第4のサイズ選別機23は、その投入部23dが第2のサイズ選別機21の排出部21gに連なるように配置されている。投入部23dには、第2のサイズ選別機21の排出部21gに接続された投入用シュート18bを介して、中サイズの廃材が投入される。尚、図示は省略するが、廃材処理設備11における圧縮空気は、1台の圧縮空気供給装置で生成され、各空気供給部22c,23cへ配管を通じて供給される。
(3)磁力選別機
廃材処理設備11の磁力選別機は、例えば、建築廃材中の鉄屑を選別するための吊下げ型選別機24と、建築廃材中のアルミ二ウムやステンレス鋼などを選別するための非鉄金属磁選機25,26とからなる。図5に示すように、吊下げ型選別機24は、構造体12の一階において、建築廃材を受入ホッパ19側(後述のコンベアC1側)から第1のサイズ選別機20側へ搬送するコンベアC2の上方に吊下げられている。吊下げ型選別機24は、当該コンベアC2により搬送される建築廃材中の鉄屑を吸着する永久磁石(図示略)を有し、吸着した鉄屑の搬送先(図5中、左側)が鉄屑置場16bに臨むように配置されている。この吊下げ型選別機24の搬送側には、搬送した鉄屑を鉄屑置場16bに導く投入用シュート17bが設けられている。
図3に示すように、非鉄金属磁選機25,26は、例えば、磁場を形成することにより、アルミニウムとステンレス鋼とこれら非鉄金属以外の建築廃材とに、夫々の磁性の相違を利用して選別するための磁場発生部(図示略)を有する。即ち、非鉄金属磁選機25,26の磁場発生部における、アルミニウムとステンレス鋼と非鉄金属以外の建築廃材との挙動の違いにより、建築廃材を、それら三者に夫々選別する。図6に示すように、一方の非鉄金属磁選機25は、構造体12の二階において、その投入部25aを第3のサイズ選別機22側に向け、排出部25b,25cを廃材置場16側に向けるように配置されている。非鉄金属磁選機25の投入部25aには、三階の第3のサイズ選別機22の排出部22eに接続された投入用シュート18c(図7に一点鎖線で簡略化して示す)を介して、大サイズの廃材が投入される。非鉄金属磁選機25の排出部25b、25c側には、当該磁選機25で選別された大サイズのアルミニウムとステンレス鋼を、アルミニウム置場16cとステンレス鋼置場16dに導く投入用シュート17c,17d(図6に一点鎖線で簡略化して示す)が設けられている。
非鉄金属磁選機26は、構造体12の二階において、その投入部26aを第4のサイズ選別機23の排出部23e側に向け、排出部26b,26cを廃材置場16側に向けるように配置されている。非鉄金属磁選機26の投入部26aには、三階の第4のサイズ選別機23の排出部23eに接続された投入用シュート18d(図7の一点鎖線参照)を介して中サイズの廃材が投入される。非鉄金属磁選機26の排出部26b,26c側には、当該磁選機26で選別された中サイズのアルミニウムとステンレス鋼を、アルミニウム置場16c´とステンレス鋼置場16d´に導く投入用シュート17c´,17d´(図6の一点鎖線参照)が設けられている。
(4)湿式選別機
廃材処理設備11は、水の比重を利用して建築廃材を重量物と軽量物とに選別する複数の湿式選別機27,28,29,30を備える。
図2、図3、図7に示すように、第1の湿式選別機27は、構造体12の三階に設けられ、建築廃材が投入される水槽27aと、この水槽27a内に水を供給する流入手段R1(図1参照)とを有する。水槽27aは、その底部が左上がりの傾斜状をなし、水面側から軽量物を水と共に流出させる流出手段31と、水槽27aの底部側に沈降した重量物を排出するための排出手段32とを備える。この第1の湿式選別機27は、その排出部27bが第2のサイズ選別機21の投入部21cの直ぐ上側に位置するように配置されている。排出手段32は、水槽27aの底部に沿って傾斜した中心軸32aと当該中心軸32aの周りに螺旋状に形成された掻揚げ部32bとを一体に有する。この排出手段32は、図示しない駆動装置により中心軸32aが回転駆動することで、水槽27aの底部に沈んだ重量物を掻揚げ部32bにより排出部27b側へ掻揚げて排出する。
一方、前記流出手段31は、図8に示すように、水槽27a上部から側方へ延びるように延設された溢水口部31aと、溢水口部31aの基端側(つまり水槽27aの側壁27c寄りの部位)に位置して設けられた規制部材35とを備える。詳細には、溢水口部31aの底部には、規制部材35を保持するための一対の保持部31b,31bが設けられている。規制部材35としては、例えば、図9(a)〜(c)に示すように、矩形板状をなす複数種類(例えば3種類)の部材35A〜35Cが用意されている。規制部材35A,35B,35Cは、夫々の高さ寸法h1,h2,h3が相違する仕切り部材であって、保持部31b,31b間に装着されることで固定状態となる。尚、規制部材35及び保持部31bの構成は適宜変更してもよく、例えば、規制部材35を水槽27aに対して垂直方向に移動可能に配設すると共に、当該規制部材35を垂直方向に駆動させる駆動手段を配設してもよい。
前記流入手段R1は、図1に示す循環水タンクT1内の水を、循環水用経路Rを通じて水槽27aに供給する供給部である。図1では便宜上、流入手段R1を水面よりも上側に示したが、実際の流入手段R1は、水槽27aに対して溢水口部31aよりも下側から水を供給して、水槽27a内の水量(水の供給量)を調整し、当該水槽27a内に水流を生成する。ここで、溢水口部31aから軽量物として流出する廃材は、その廃材の沈降速度の相違に基づき峻別されるもので、規制部材35の高さと水槽27a内の水位(給水量)とにより、重量物と軽量物との境界が定まることとなる。即ち、複数の規制部材35A〜35Cのうちから一の規制部材35を選定すると共に、流入手段R1の給水量を適宜調整することで、相違に基づく重量物と軽量物との境界を任意に設定することができる。具体的には、図8に示すように、水槽27a内に投入される廃材のうち、比重が1よりも小さい廃材101は溢水口部31aから流出する一方、比重が1よりも大きい廃材102は沈降する。ここで、廃材102のうち比重が1に近い廃材101´、並びに廃材101のうち廃材102と混合し或は水分を含むことで沈降する廃材101´を、前記の規制部材35の選定あるいは給水量の調整により、軽量物として溢水口部31aから流出させることができ、選別精度をも高めることができる。
本実施形態の流入手段(流入手段R1を含む)は、循環水用経路Lを利用することなく、例えば各湿式選別機に夫々配設された独立のポンプ装置と水供給経路(何れも図示略)とで構成してもよい。この場合のポンプ装置は、各水槽内へ水供給経路を通じて、外部の水を供給する(或は水槽内の水を循環する)。
第2の湿式選別機28は、構造体12の一階(図5参照)に設けられ、大サイズの廃材が投入される水槽28aと、この水槽28a内に水流を生成する流入手段R7(図1参照)とを有する。図3に示すように、水槽28aは、その底部が右上がりの傾斜状をなし、左側に軽量物を排出するための軽量物排出部28bと、右側に重量物を排出するための重量物排出部28cとを備える。水槽28aには、当該水槽28aの下方へ沈降する重量物を排出部28c側へ排出するための排出手段37が設けられている。詳しい図示は省略するが、排出手段37は、水槽28aの底部に沿って傾斜配置されたコンベア37aとこのコンベア37aに設けられた複数の網状バケット37bを有し、当該バケット37bで回収した重量物(瓦礫類)を排出部28cから排出する。一方、比重が1よりも大きい塩ビ類は、水流入手段R7により水槽28a内に水流が生成されることで、瓦礫類より比重が軽い軽量物として排出部28bから排出する。第2の湿式選別機28の投入部28dと、二階の非鉄金属磁選機25の排出部25dとの間には、後述する振動フィーダ42(図5では一点鎖線で簡略化して示す)が設けられており、第2の湿式選別機28には、非鉄金属類が除去された大サイズの廃材が投入される。第2の湿式選別機28は、軽量物排出部28bと重量物排出部28cが、塩ビ類置場16fと瓦礫類置場16gに臨むように配置されている。第2の湿式選別機28の各排出部28b,28c側には、当該選別機28で選別された大サイズの塩ビ類と瓦礫類を、塩ビ類置場16fと瓦礫類置場16gに導く投入用シュート17f,17g(図5で模式的に示す)が設けられている。
第3の湿式選別機29は、第2の湿式選別機28と隣接するように配置されている。第3の湿式選別機29の水槽29aには、中サイズの廃材が投入されるようになっており、第2の湿式選別機28と同様に、流入手段R6、軽量物排出部29b、重量物排出部29c、及び排出手段37とを備える。第3の湿式選別機29の投入部29dと、二階の非鉄金属磁選機26の排出部26dとの間には、後述する振動フィーダ43(図5の一点鎖線参照)を介して、非鉄金属類が除去された中サイズの廃材が投入される。第3の湿式選別機29の各排出部29b,29c側には、当該選別機29で選別された中サイズの塩ビ類と瓦礫類を、塩ビ類置場16f´と瓦礫類置場16g´に導く投入用シュート17f´,17g´が設けられている。尚、図示は省略するが、湿式選別機28,29と廃材置場16との間に、各湿式選別機28,29で選別された塩ビ類を脱水するための脱水篩機を夫々配設してもよい。
第4の湿式選別機30は、構造体12の二階(図4(a)、図6参照)に設けられ、小サイズの廃材が投入される水槽30aと、この水槽30a内に水流を生成する流入手段R5(図1参照)とを有する。図2(a)に示すように、水槽30aは、その底部が右上がりの傾斜状をなし、右側上部に形成された排出部30cと、水槽30a内に投入された廃材を排出するための排出手段38とを備える。排出手段38は、水槽30aの底部に沿って傾斜配置されたコンベア39と、このコンベア39における水面側の上部39aを振動させる加振装置40と、流入手段R5に対向する吸引部30d(図2(b)参照)とからなる。この水槽30a内に投入される小サイズの廃材は、第1の湿式選別機27を経て軽量物が除去されたものであるが、当該廃材中(主として砂)に比較的軽い廃材(例えば水を含んだ可燃物やALC(軽量気泡コンクリート))が埋もれることもある。そこで、コンベア39a上の廃材を、加振装置40によって水面下でコンベア39aごと振動させることにより表面側に浮出させる。また、流入手段R5及び吸引部30dは、水槽30aに対してコンベア39の上部39a側に位置して配設されており、表面側に浮出した比較的軽い廃材を吸引部30dで吸引する流れを形成する。この第4の湿式選別機30は、投入部30bが第2のサイズ選別機21の前記管路21e側に位置し、排出部30cが砂置場16hに臨むように配置されている。第4の湿式選別機30の排出部30c側には、当該選別機30で選別された砂を、砂置場16hに導く投入用シュート(図示略)が設けられている。
(5)その他の装置
図2、図3に示すように、湿式選別機27,28,29の投入部側に、振動フィーダ41,42,43が夫々配設されている。各振動フィーダ41〜43は、その搬送面上で振動により廃材をほぐして各湿式選別機27〜29の投入部に連続的に落下させる。ここで、第1の湿式選別機27上の振動フィーダ41は、水槽27aの溢水口部31aに対する近接及び離間が可能な移動手段(図示略)を備える。この移動手段により、例えば廃材の乾燥度に応じて、振動フィーダ41全体を垂直方向と水平方向(矢印参照)に移動させることで、前記廃材101´の溢水口部31aに対する相対的位置関係を予め調整することができ、重量物と軽量物の選別をより正確に行うことができる。
図1に示すように、前記循環水用経路Rは、廃材処理設備11内で水を循環させるためのパイプであり、上記の各選別機に対して給水するための流入手段R1〜R7を備える。また、循環水用経路Rの途中部には図示しないポンプ装置が接続されていて、前記循環水タンクT1内の水を、循環水用経路Rを通じて循環させる。構造体12の一階には、シックナー(汚水沈降タンク)T2が設けられると共に、シックナーT2の周囲にスラリータンク(汚泥濃縮タンク)T3とフィルタープレス45とが附設されている。各選別機から排出される濁水は、図1中、破線等で示す循環水用経路R´を通じてシックナーT2に回収される。シックナーT2は回収された濁水を取込んで、その内部で沈降する物質と上澄水とに自然分離させ、沈降物質を底部から排出すると共に上澄水を上部から排出する。前者の沈降物質(汚泥)は、スラリータンクT3にて濃縮された後、フィルタープレス45で脱水されて脱水ケーキとなる。後者の上澄水、或はフィルタープレス45での脱水時に生じた水は、何れも循環水タンクT1に戻る。尚、図1に示すように、シックナーT2には適宜、補給水が供給される。
図7に示すように、構造体12の三階には、第1の湿式選別機27の溢水口部31aに連なる洗浄トロンメル47と、この洗浄トロンメル47に対してスクリューコンベアC4を介して配された脱水機48とが連設されている。洗浄トロンメル47は、例えば小サイズの廃材(砂や泥)と、それ以外のサイズの廃材(大サイズ及び中サイズの軽量物)とに篩分けるメッシュ寸法の篩47a(図2参照)を全周にわたって有する回転篩である。洗浄トロンメル47内には、溢水口部31aから水と共に流入した軽量物を、洗浄するためのシャワー装置(流入手段R4)が設けられている。脱水機48は、洗浄トロンメル47で砂や泥が除かれた軽量物を脱水する脱水槽48aを有する脱水篩機である。脱水機48の排出部48bは可燃物置場16aに臨み、当該排出部48b側には脱水された軽量物を可燃物置場16aに導く投入用シュート17aが設けられている。洗浄トロンメル47及び脱水機48の夫々の下部には、洗浄或は脱水等で生じた水を前記循環水用経路R´側へ回収するための管路47b、48c(図2参照)が設けられている。また、洗浄トロンメル47及び脱水機48は、上記の如くサイズ選別機として機能する。
図2に示すように、前記第4の湿式選別機30には、下部側が円錐形状をなす周知構成のサイクロン49が附設されている。サイクロン49と、洗浄トロンメル47及び脱水機48とは、循環水用経路R´を介して接続されている。サイクロン49は、循環水用経路R´から濁水が流入すると、内周壁のテーパに沿う下降流を生成し、当該濁水に含まれる比重の大きい砂等をボトムノズル49aから第4の湿式選別機30側へ排出し、比重の小さい物質を含む水をトップノズル49bからシックナーT2側へ排出する。
(6)上記構成の作用
上記構成の作用につき、主として図1を参照しながら説明する。尚、図1におけるA1〜A7、L1〜L3、M1〜M3、S1、S2は、各ステップを示す。先ず、廃材処理設備11においては、前記ポンプ装置の駆動により前記循環水タンクT1内の水を循環水用経路Rを通じて循環させ、その水が前記流入手段R1〜R7から各選別機に対して供給される。
廃材処理設備11の受入ホッパ19には、開口部19aから建築廃材が投入される(ステップA1)。受入ホッパ19下部へ自重により排出される廃材は、コンベア(定量供給機)C1により定量的に搬送され、前記コンベアC2上に連続的に落下する。コンベアC2によって斜め上方へ向かって搬送される廃材は、その搬送過程で、吊下げ型選別機24により、鉄類とそれ以外の廃材とに選別される(ステップA2)。吊下げ型選別機24にて吸着された鉄屑は図5中、左側へ搬送され、投入用シュート17bを介して鉄屑置場16bに落下する。
鉄類が除去された廃材はコンベアC2により搬送されて、第1のサイズ選別機20の投入部20cに投入される。第1のサイズ選別機20にて廃材は、篩20aによって過大サイズの廃材とそれ以外の廃材に篩分けられる(ステップA3)。これにより選別された過大サイズの廃材は、第1のサイズ選別機20の排出部20b(図6参照)から投入用シュート17eを介して大形廃材置場16eに落下する。過大サイズ以外のサイズの廃材は、第1のサイズ選別機20の排出部20d(図1、図6参照)から排出されてクライマーベルトコンベアC3のバケットC3aに落下する。図4(a)にも示すように、クライマーベルトコンベア(廃材投入手段)C3は、過大サイズ以外のサイズの廃材を、最上段たる三階の第1の湿式選別機27へ搬送するためのもので、当該廃材が投入される複数のバケットC3aを有する。クライマーベルトコンベアC3により斜め上方へ搬送される廃材は、振動フィーダ(廃材投入手段)41上に落下する。落下した廃材は、振動フィーダ41でほぐされて水平方向に拡がり、第1の湿式選別機27に連続的に投入される。
前述のように、廃材の乾燥度や投入量或は水槽27a内への給水等に応じて、振動フィーダ41の位置と、第1の湿式選別機27における規制部材35の種類35Aとが予め設定されている。従って、図8に示すように、比重が1よりも小さい廃材101と前記の廃材101´は、何れも軽量物として、水流により規制部材35Aの上端を越えて水と共に溢水口部31aから流出する(ステップA4)。これにより、第1の湿式選別機27の水槽27aにおいて、重量物と軽量物の峻別を任意に設定することができ、例えば瓦礫類や塩ビ類等の廃材102は沈降することとなる。第1の湿式選別機27の溢水口部31aから流出する廃材としては、前記軽量物の他、当該軽量物に付着した泥や、細かい砂等が含まれ、洗浄トロンメル47へ水と共に流入する。その軽量物は、洗浄トロンメル47において流入手段R4のシャワーにより洗浄されると共に、付着した泥や砂が篩分けられて流下することで選別される(ステップA5´)。洗浄された軽量物は、脱水機48の脱水槽48aに投入されて脱水され(ステップA6)、その後、投入用シュート17aを介して前記可燃物置場16aに落下する。
一方、前記ステップA4において、第1の湿式選別機27の水槽27a底部に沈降した重量物は、前記掻揚げ部32bにより?揚げられて排出部27bから排出され、第2のサイズ選別機21の投入部21cに落下する。第2のサイズ選別機21では、その重量物としての廃材を、大サイズの廃材と、中サイズの廃材と、小サイズの廃材とに篩分ける(ステップA5)。また、第2のサイズ選別機21の各篩21a,21b上の廃材に対して、流入手段R2,R3のシャワーが吹付けられることにより、廃材を洗浄して細かい砂や泥などを、小サイズの廃材と共に底部の管路21e側へ流下させると共に、篩21a,21bの目詰まりを防止しながらも篩分けを促進する。
そして、本実施形態では、第2のサイズ選別機21で篩分けられた各サイズの廃材について、夫々のサイズごとに並行して選別処理(ステップL,M,S)が行われるようになっている。以下、大サイズの廃材、中サイズの廃材、小サイズの廃材の順に、夫々の選別処理を説明する。
大サイズの廃材は、第2のサイズ選別機21の排出部21fから投入用シュート18aを介して、第3のサイズ選別機22の投入部22dに投入される(図3参照)。第3のサイズ選別機22では、篩22aによって大サイズの廃材とこの廃材に付着した砂や泥などの小サイズの廃材とが選別されると共に、圧縮空気供給部22cからのエアブローによって当該廃材中の水分を小サイズの廃材と共に底部の管路22b側へ流下させる(ステップL1)。乾燥した大サイズの廃材は、第3のサイズ選別機22の排出部22eから投入用シュート18cを介して非鉄金属磁選機25の投入部25aに投入される。
非鉄金属磁選機25では、乾燥させた大サイズの廃材を、前記磁場発生部の磁場を利用して、アルミニウム、ステンレス鋼、非鉄金属以外の廃材の三者に夫々選別する(ステップL2)。選別された大サイズのアルミニウムとステンレス鋼は、非鉄金属磁選機25の排出部25c,25bから夫々投入用シュート17c,17dを介して、アルミニウム置場16cとステンレス鋼置場16dに落下する。瓦礫類や塩ビ類など非鉄金属以外の廃材は、非鉄金属磁選機25の排出部25dから振動フィーダ42を介して、第2の湿式選別機28の投入部28dに落下する。第2の湿式選別機28では、瓦礫類や塩ビ類など比重が1よりも大きい廃材を、水流入手段R7により水槽28a内に水流を生成することで、瓦礫類と塩ビ類とに選別する。即ち、水槽28a内での水流に抗して沈降する瓦礫類を、前記バケット37bで回収し、重量物として排出部28cから排出する一方、塩ビ類を前記水流の作用により軽量物として排出部28bから排出する(ステップL3)。こうして選別された大サイズの塩ビ類や瓦礫類は、夫々投入用シュート17f,17gを介して、塩ビ類置場16fと瓦礫類置場16gに落下する。
中サイズの廃材についても、上記した大サイズの廃材に係る選別処理と同様の選別処理が行われる。この中サイズの廃材の選別処理について簡単に説明すると、中サイズの廃材は、第2のサイズ選別機21から投入用シュート18bを介して、第4のサイズ選別機23に投入される。第4のサイズ選別機23では、中サイズの廃材とこの廃材に付着した砂や泥などが選別されると共に、当該廃材中の水分を砂や泥等と共に流下させる(ステップM1)。乾燥した中サイズの廃材は、第4のサイズ選別機23から投入用シュート18dを介して非鉄金属磁選機26に投入される。
非鉄金属磁選機26では、乾燥後の中サイズの廃材を、アルミニウムとステンレス鋼と非鉄金属以外の廃材とに選別する(ステップM2)。選別された中サイズのアルミニウムとステンレス鋼は、非鉄金属磁選機26から夫々投入用シュート17c´,17d´を介して、アルミニウム置場16c´とステンレス鋼置場16d´に落下する。瓦礫類や塩ビ類等の廃材は、非鉄金属磁選機26から振動フィーダ43を介して、第3の湿式選別機29に投入される。当該中サイズの廃材は、第3の湿式選別機29において塩ビ類と瓦礫類とに選別され(ステップM3)、塩ビ類と瓦礫類とが夫々投入用シュート17f´,17g´を介して、塩ビ類置場16f´と瓦礫類置場16g´に落下する。
小サイズの廃材は、主として細かな砂であって泥や他の細かな廃材を含んでおり、第2のサイズ選別機21の管路21eから、循環水用経路R´を介して第4の湿式選別機30への注水と共に投入される。また、小サイズの廃材は、洗浄トロンメル47及び脱水機48の管路47b、48cから、循環水用経路R´とサイクロン49を介して第4の湿式選別機30への注水と共に投入される。
サイクロン49では、その内周壁のテーパに沿う下降流を生成することで、当該水に含まれる比重の大きい砂等をボトムノズル49aから第4の湿式選別機30側へ排出する一方、比重の小さい物質を含む水をトップノズル49bからシックナーT2側へ排出する(ステップS1)。第4の湿式選別機30において、小サイズの廃材は、水槽30a内で沈降してコンベア39a上に堆積する。そして、小サイズの廃材を、コンベア39で搬送する際、加振装置40によって水面下でコンベア39aごと振動させることにより、当該廃材中埋もれていた比較的軽い廃材(例えば水を含んだ可燃物やALC)を、表面側に浮出させる(ステップS2)。また、表面側に浮出した比較的軽い廃材を、流入手段R5及び吸引部30dにより生成された水流で、吸引部30d側に吸引して選別する。他方、コンベア39上の廃材は、排出部30cから図示しない投入用シュートを介して砂置場16hに落下する。
尚、廃材処理設備11の稼働中に、シックナーT2とスラリータンクT3を経た汚泥は、フィルタープレス45で適宜脱水されて脱水ケーキを生成する。
図10は、上記廃材処理設備11において、小サイズの廃材を4.75mmとした場合(つまり第2のサイズ選別機21等で4.75mm以下の廃材を篩分けた場合)の処理能力を例示している。同図に示すように、建築廃材には、特に瓦礫や砂が多く、可燃物やプラスチック、鉄、非鉄金属など多様な廃材が含まれていることがわかる。また、廃材処理設備11の各選別機によって、10トンの建築廃材を、1時間で各種廃材に速やかに選別できることがわかる。
以上説明したように、本実施形態の廃材処理設備11では、複数の選別機を上下方向に複数段に配置した立体的な配置構成にすると共に、当該複数の選別機のうち最上段の第1の湿式選別機27へ建築廃材を投入する廃材投入手段としてクライマーベルトコンベアC3及び振動フィーダ41を設けた。
従って、単に平地に選別機を配置した従来の二次元的配置構成に比し、廃材処理設備11の設置に必要なスペースを大幅に減少させることができる。また、上記構成によれば、一の選別機で選別した建築廃材を、重力を利用して下方の選別手段へ投入することができ、複数の選別機間における廃材投入手段の省略(簡素化)ないしは縮短することができる。従って、廃材処理設備11の設置スペースを飛躍的に減少させることができると共に、選別機間での廃材搬送に要するエネルギーを極力少なくすることができ、環境負荷を低減できる。更に、複数の選別機によって、サイズ選別のみならず、金属類の選別や水の比重を利用した質量ごとの選別を重畳的に行うことができる。よって、各選別機を経た廃材について、例えば軽量物たる木や紙屑を可燃物として取除くことができると共に、サイズごとに金属類あるいは瓦礫類等を選別したり、鉄屑等の混入のない細かい砂を選別することができる。尚、廃材投入手段は、クライマーベルトコンベアC3や振動フィーダ41に限定するものではなく、複数の選別機のうち最上段の選別機へ廃材を搬送するものであればよく、他の搬送手段を用いて構成してもよい。
所定間隔を隔てて配置された複数の柱部材13と、この部材13間に上下に複数段に架け渡された複数の梁部材14とを接合することにより構成された複数階からなる構造体12を備え、当該構造体12の各階に複数の選別機を設置した。
これによれば、当該部材13,14間の接合を、前記螺合手段を用いる等して現地で容易に組立てることができると共に、廃材処理後に構造体12と複数の選別機を容易に撤去することができる。従って、構造体12の構成を簡単なものとし、廃材処理設備11の移設を容易に行うことができ、実用上において有益なものとすることができる。尚、柱部材13や梁部材14は、図示した四角柱状のものに限定されるものではなく、板状のものを用いる等、適宜変更することができる。
第1の湿式選別機27において、前記流出手段31は水槽27a内における廃材の沈降速度の相違に基づき、沈降する前記重量物と流出する前記軽量物との境界を設定して、当該重量物と軽量物とを峻別する規制部材35を備える。これによれば、湿式選別における、重量物と軽量物の峻別を任意に設定することができると共に、選別精度を高めることができる。
特に、本実施形態の廃材処理設備11では、建築廃材を、複数の選別機を経て夫々の種類の廃材に選別する過程で、湿式による選別(或は洗浄)が複数回行われる。このため、可燃物に付着した土砂等を極力除去し、或は可燃物やALCの混入のない砂を選別することができる等、総じて選別精度を高めることができ、リサイクル化に有益なものとすることができる。また、廃材処理設備11では、湿式選別機を採用し且つ循環水用経路Lを配して外部に汚水を排出しない構成としため、選別処理時の粉塵の発生を極力抑制し且つ周囲の環境に影響を与えないように廃材処理を行うことができる。
本実施形態と異なり、単に平地に選別機を配置した従来の二次元的配置構成の処理設備の場合、10〜20トンの建築廃材を1時間で処理するには、例えば約500坪の敷地が必要とされる。これに対し、本実施形態の廃材処理設備11では、図10に示したように、10トンの建築廃材を1時間で処理する能力を確保しながらも、その敷地面積を約58坪に抑えることができる。
本発明は、上記した廃材処理設備に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記の複数の選別機に加え、廃材を乾燥させる乾燥手段としてボイラーを用いることができる。この場合、廃材処理設備で選別した可燃物をボイラーの燃焼に供することができ、廃材処理設備内で再資源化を図ることができる。また、選別機の設置数や配置形態、篩分ける廃材のサイズ(篩のメッシュ寸法)等、適宜変更してもよい。
図面中、11は廃材処理設備、12は構造体、13は柱部材、14は梁部材、20,21,22,23はサイズ選別手段(選別手段)、24,25,26は磁力選別手段(選別手段)、27,28,29,30は湿式選別手段(選別手段)、31は流出手段、32は排出手段、35は規制部材、47,48,49は選別手段、41,C3は廃材投入手段、R1は流入手段を示す。

Claims (3)

  1. 複数種類の廃材が混合した建築廃材を、その種類に応じて選別するための複数の選別手段を備えた廃材処理設備であって、
    前記複数の選別手段は、
    前記建築廃材を大きさに応じて選別するサイズ選別手段と、
    水の比重を利用して前記建築廃材を重量物と軽量物とに選別する湿式選別手段と、
    磁力を利用して前記建築廃材中の金属類を選別する磁力選別手段とを含み、
    前記複数の選別手段を上下方向に複数段に配置した立体的な配置構成にすると共に、当該複数の選別手段のうち最上段の選別手段へ前記建築廃材を投入する廃材投入手段を設けたことを特徴とする廃材処理設備。
  2. 所定間隔を隔てて配置された複数の柱部材と、前記柱部材間に上下に複数段に架け渡された複数の梁部材とを接合することにより構成された複数階からなる構造体を備え、
    前記構造体の各階に前記選別手段を設置したことを特徴とする請求項1記載の廃材処理設備。
  3. 前記湿式選別手段は、
    前記建築廃材が投入される水槽と、この水槽内に水を供給する流入手段と、前記水槽の水面側から前記軽量物を水と共に流出させる流出手段と、前記水槽の底部側から前記重量物を排出する排出手段とを備え、
    前記流出手段は、前記水槽内における前記廃材の沈降速度の相違に基づき、沈降する前記重量物と流出する前記軽量物との境界を設定して、当該重量物と軽量物とを峻別する規制部材を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の廃材処理設備。
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