JP5481034B2 - 焼却灰の処理方法及び焼却灰の処理設備 - Google Patents

焼却灰の処理方法及び焼却灰の処理設備 Download PDF

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Description

本発明は、粗大物が混入した粉粒状の処理対象物を処理する処理設備に関し、特に、焼却灰を洗浄処理する焼却灰の処理方法及び焼却灰の処理設備に関する。
金属類、ガラ類(石やガラス片等)さらには有機質材(ゴム、プラスチック、紙、繊維、木片等)といった粗大物が混入した灰や土壌等の粉粒体を資源化して再利用する場合、粗大物を分離除去するとともに資源化に障害となる様々な水溶性成分や重金属等の障害物質を除去する必要がある。
例えば、雑多な廃棄物が不法投棄された汚染土壌を浄化して再利用する場合には、土壌を掘削して金属類、ガラ類、有機質材等の粗大物を分離除去するとともに、土砂に付着した重金属等の有害成分を除去する必要がある。
焼却主灰や飛灰などの焼却灰は、一般に最終処分場に埋立処理され、或いは、溶融炉において高温で溶融処理して化学的に安定したスラグに減容化して処分されているが、近年、最終処分場の容量の飽和などの問題からセメント原料として再利用することが考えられている。
一般に都市ゴミ焼却施設等で発生した焼却灰等の焼却残渣をセメント原料として再利用する場合には、先ず、焼却残渣から金属類、ガラ類、有機質材等の粗大物を分離除去する必要がある。
さらに、焼却灰を予熱装置にて予熱処理した後にロータリーキルンなどで焼成する際に、焼却灰に含まれる塩素成分により装置が腐食するという問題があるため、予め焼却灰を水洗処理して塩素を除去する必要がある。
また、国内のセメントの消費量の約70%を占める普通ポルトランドセメントの原料として焼却灰を利用する場合は、コンクリート中の鉄筋の腐食を防止するために塩素除去が必要となる。
特許文献1には、都市ゴミ焼却炉より排出される焼却灰を、主灰と飛灰とに別々の受槽に回収する回収工程、該回収工程の主灰受槽の主灰を粉砕し、平均粒径200μm以下の大きさの粉砕粒子を得る粉砕工程、該回収工程の飛灰受槽の飛灰を還元雰囲気下、300ないし450℃の温度で処理してダイオキシン類を分解する脱ダイオキシン工程、及び、粉砕工程より得られる主灰と脱ダイオキシン工程より得られる飛灰とを水洗し、塩素成分が低減された固形分を回収する洗浄工程を含む焼却灰の処理方法が提案されている。
特開2003−103232号公報
しかし、特許文献1に記載される方法では、粉砕工程より得られる主灰と脱ダイオキシン工程より得られる飛灰とを混合して同時に水洗処理するために、効率が悪いという問題があった。
一般に焼却主灰中の塩素濃度は1%程度であるのに対して、飛灰中の塩素濃度は8〜十数%と非常に高く、これらを纏めて洗浄するのは非効率的であり、多量の洗浄水が必要とされるばかりか、有機分を含まない飛灰と有機分を含む主灰を纏めることにより、大量の洗浄排水を浄化処理するために規模の大きな生物処理槽が必要となるのである。
また、大半の洗浄装置が焼却主灰中に含まれる残飯、紙、木片、繊維類、ビニールなどの未燃物、ガラ類、金属類などの雑多な固形物を想定したものではないため、これらを効率的に除去しなければならないという課題もあった。
このように、粗大物が混入した粉粒状の処理対象物を洗浄して該処理対象物に混入する障害物質を効率的に除去する必要性は、焼却灰に限らず、雑多な廃棄物が不法投棄された汚染土壌等の粉粒体に共通している。
本発明は上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、セメント原料などとして再利用するための処理コストを低減して、焼却炉から排出される主灰や飛灰などの焼却灰に含まれる塩素を効率的に除去することができる焼却灰の処理方法及び焼却灰の処理設備、並びに、粗大物が混入した粉粒状の処理対象物の処理装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明による焼却灰の処理方法の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、焼却灰を洗浄処理して資源化の障害になる塩素を除去する焼却灰の処理方法であって、焼却灰から分離回収された焼却主灰を、事前に洗浄することなく、未燃物や不適物を分離しながら洗浄する第一工程と、前記第一工程で分離洗浄された焼却主灰を分級する第二工程を備え、前記第一工程は、洗浄水が充填された洗浄槽に焼却主灰を投入して、洗浄水に浮遊する未燃物を分離する浮遊物分離工程と、洗浄水に沈降する不適物を除去する不適物除去工程と、浮遊物及び不適物が除去された焼却主灰を洗浄水の一部とともに後段の分級工程に搬送する搬送工程と、前記洗浄槽に塩素濃度の低い洗浄水を補充して、前記洗浄槽に充填された洗浄水の塩素濃度を調整する洗浄水補充工程と、を備え、前記第二工程は、前記搬送工程で搬出された焼却主灰を予め塩素含有率に基づいて複数段に設定された基準粒径に基づいて分級する分級工程と、分級工程後の小径側の焼却主灰を再洗浄する再洗浄工程とを備え、前記搬送工程で搬出された焼却主灰に対して前記基準粒径が大から小なる順に前記分級工程と前記再洗浄工程を繰り返すように構成されている点にある。
第一工程では、焼却主灰が洗浄される過程で、洗浄槽に投入された焼却主灰に含まれる紙や木片などの未燃物が浮遊物分離工程で除去され、不適物除去工程で大径の金属類やガラ類が除去された主灰は槽内で洗浄され、搬送工程で洗浄水とともに後段の分級工程に搬送される。搬送工程で槽内の洗浄水の一部を排水するとともに、洗浄水補充工程により洗浄水を補充することにより、洗浄槽内で溶解した塩素によりその濃度が飽和に到るようなことを回避して、洗浄性能を維持することができるのである。第二工程では焼却主灰のみが適切に洗浄されるようになる。従って、第二工程に未燃物や不適物が混入することが無くなり、円滑に分級処理を進めることができるようになる。
本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、焼却主灰はその粒径により塩素含有量が異なり、粒径が小さいほど塩素含有量が多いことが判明した。即ち、図4に示すように、焼却主灰の粒径の違いにより塩素の含有量が大きく異なり、塩素含有量に基づいて粒径2mm以上の粗粒灰と、粒径0.15mm〜2mmの細粒灰と、0.15mmより小径の微粒灰に分類し、夫々において洗浄条件を変えることで効率的に脱塩素処理ができるという新知見を得ることができた。上述の構成によれば、塩素含有率に基づいて複数段に設定された基準粒径に基づいて焼却灰を多段に分級することにより、比較的塩素含有量の少ない大径の粒子は少量の洗浄水で十分に脱塩素処理しながら、塩素含有量の多い粒径の小さい焼却灰ほど多段階に洗浄することができる。しかも焼却主灰を対象に洗浄処理するものであり、塩素含有率の高い焼却飛灰を同時に洗浄処理するものではないため、少ない洗浄水量で効果的に脱塩素処理が行なえ、処理コストを下げることができるのである。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記浮遊物分離工程は、充填された洗浄水が上下に脈動する脈動洗浄槽に投入された焼却主灰を洗浄しながら、比重差によって焼却主灰に含まれる未燃物を浮遊させて上層の洗浄水とともに搬出する工程であり、前記不適物除去工程は、比重差によって洗浄水に沈降する不適物を受け止めて搬出する工程であり、前記搬送工程は、底部に沈降する焼却主灰を洗浄水とともにバケットで掻き出して後段の分級工程に搬送する工程である点にある。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記第二工程の再洗浄工程に洗浄用の新規水が供給されるように構成され、前記第一工程の洗浄排水が含まれず、前記第二工程の最終段の再洗浄工程の洗浄排水を含む洗浄排水が、前記洗浄水補充工程で補充される点にある。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記不適物除去工程で除去された不適物に対して金属を除去した後に破砕処理し、被破砕処理物を前記第一工程に投入する点にある。
上述の構成によれば、前記不適物を破砕処理し洗浄工程に投入することで、前記焼却主灰の再利用率を上げることができる。
本発明による焼却灰の処理設備の第一の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、焼却灰を洗浄処理して資源化の障害になる塩素を除去する焼却灰の処理設備であって、焼却灰から分離回収された焼却主灰を、事前に洗浄することなく、未燃物や不適物を分離しながら洗浄する洗浄装置と、洗浄後の焼却主灰を分級する分級装置とを備えて構成され、前記洗浄装置は、洗浄水が充填され、上部が二つに分岐し下部が連結された管形状の脈動洗浄槽と、前記脈動洗浄槽内の洗浄水を脈動させる脈動発生装置と、前記脈動洗浄槽に投入された焼却主灰を洗浄しながら、比重差によって焼却主灰に含まれる未燃物を浮遊させて上層の洗浄水とともに搬出する排出口と、比重差によって洗浄水に沈降する不適物を受け止めて搬出するコンベア装置と、底部に沈降する焼却主灰を洗浄水とともに後段の分級工程に搬送するコンベア装置と、前記洗浄槽に塩素濃度の低い洗浄水を補充して、前記洗浄槽に充填された洗浄水の塩素濃度を調整する洗浄水補充機構と、を備え、前記分級装置は、前記コンベア装置で搬送された焼却主灰を予め塩素含有率に基づいて複数段に設定された基準粒径に基づいて大から小なる順に分級する複数の分級装置と、各分級装置の後段に設置され、小径側に分級された焼却主灰を再洗浄する複数の再洗浄装置と、前記再洗浄装置で再洗浄された焼却主灰を脱水処理する脱水装置を備えて構成されている点にある。
上述の構成によれば、槽内の洗浄水が脈動発生装置により脈動されることにより、投入された焼却主灰が洗浄水に効果的に分散されて洗浄されるようになる。そして、焼却主灰に含まれる紙や木片などの未燃物が浮遊物分離機構により除去され、不適物除去機構により大径の金属類やガラ類が除去された主灰はさらに槽内で洗浄されながら槽内に沈殿し、搬送機構により後段の分級装置に搬送される。このとき、洗浄水の一部が搬送機構により排水され、洗浄水補充機構により新たな洗浄水が補充されるため、洗浄槽内で溶解した塩素によりその濃度が飽和に到るようなことが回避され、洗浄性能が維持されるのである。また、前記焼却主灰を塩素含有率の高い粒径の主灰ほど多段に再洗浄されるため、粒径の大きな主灰から粒径の小さな主灰まで効率的に洗浄でき、再利用率を高めることができるようになるのである。
同第二の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記再洗浄装置は、洗浄用の新規水が供給されるように構成され、前記洗浄水補充機構は、前記洗浄槽の洗浄排水が含まれず、最終段の再洗浄装置の洗浄排水を含む洗浄排水を洗浄水として補充する洗浄水補充経路を備えている点にある。
同第三の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記洗浄装置に形成された焼却主灰の投入部が焼却炉の灰シュート下部に設けられ、炉内で焼却処理され前記灰シュートから落下した焼却主灰が投入される点にある。
上述の構成によれば、炉内で焼却処理され、灰シュートから落下する焼却主灰がその場で選別、洗浄処理されるため、焼却灰の処理設備が遠方にある場合であっても、無駄な搬送コストを削減することができるようになるのである。例えば、分離された未燃物はその場で再度焼却処理できるのであり、大径の金属類やガラ類を無駄に焼却灰の処理設備まで運搬する必要が無くなるのである。また、焼却主灰中の塩素分がフリーデル氏塩を形成する前に、脱塩素処理が行なわれるため、より少ない洗浄水あるいはより短い洗浄時間で脱塩素処理が可能である。
以上説明した通り、本発明によれば、セメント原料などとして再利用するための処理コストを低減して、焼却炉から排出される主灰や飛灰などの焼却灰に含まれる塩素を効率的に除去することができる焼却灰の処理方法及び焼却灰の処理設備、並びに粗大物が混入した粉粒状の処理対象物を処理する処理設備を提供することができるようになった。
以下に、ゴミ焼却設備に併設された焼却灰の処理設備について説明する。図1に示すように、ゴミ焼却設備は、回収されたごみを集積するゴミピット1と、ゴミを焼却処理する炉本体Aと、前記炉本体Aで発生した燃焼排ガスを処理する排ガス処理設備Bなどを備えて構成される。
前記炉本体Aは、前記ゴミピット1の天井部に設置されたクレーン装置2のバケット2Aにより把持されたゴミが投入されるホッパー3と、前記ホッパー3に投入されたゴミを炉内に押出し投入するプッシャ4と、投入されたゴミを搬送しながら焼却するストーカ式の焼却処理帯16を備え、焼却された残渣が灰シュート17から落下するように構成されている。
前記排ガス処理設備Bは、炉内で発生した排ガスの熱を回収する廃熱ボイラ7と、排ガスに含まれる硫黄酸化物を無害化する接触脱硫装置や有毒成分を吸着する活性炭吸着塔や煤塵などを取り除くバグフィルタなどで構成される排ガス処理機構11などを備えて構成され、前記排ガス処理機構11により分離された固形物が焼却飛灰として回収される。さらに、前記廃熱ボイラ7から供給される蒸気で駆動される蒸気タービン8により発電する発電機9と、前記蒸気タービン8から送られる水(復水)を加熱して廃熱ボイラ7に戻すよう煙道に送られたエコノマイザ10などを備え、前記排ガス処理設備Bで浄化された排ガスは誘引送風機12により誘引されて煙突13から排気される。
焼却灰の処理設備は、図3に示すように、粒径200mm以下の焼却主灰を未燃物や不適物を分離選別しながら洗浄する洗浄装置としてのジグ選別装置18と、洗浄された焼却主灰から予め塩素含有率に基づいて複数段に設定された基準粒径に基づいて大から小なる順に焼却主灰を分級する第一及び第二分級装置24、40と、各分級装置24、40の後段に設置され、小径側に分級された焼却主灰を再洗浄する第一及び第二再洗浄装置41、44と、第二再洗浄装置44で再洗浄された焼却主灰をリンス水で濯いで脱水処理する第一脱水装置45と、第二分級装置40で大径側に分級された微粒灰を沈降させる灰沈降槽42と、前記排ガス処理機構11から回収された焼却飛灰を洗浄水と混合してスラリー化するスラリー化装置46と、スラリー化された焼却飛灰を脱水処理する第二脱水装置47などを備えて構成されている。
図4は、焼却主灰を、メッシュ幅4.75mm、2mm、1mm、0.3mm、0.15mmで篩分けして、夫々に散水した後の塩素の含有量を分析した値である。図より、粒径2mm以上の粗粒灰では、簡易な洗浄処理のみでセメント原料として十分に使用できる1000mg/Kg以下に塩素が除去されていること、粒径0.15mm〜2mmの微粒灰では塩素含有量が1600〜2000mg/Kgとほぼ同じであること、0.15mmより小径の微粒灰は3000mg/Kgであり、粒径0.15mm〜2mmの微粒灰より塩素含有量が多いことが理解される。尚、主灰の粒径に対する塩素含有量の分布はゴミ焼却炉で焼却処理されるゴミの性状により多少の差異があり、そのような場合には、予め粒径毎の塩素含有量を分析することにより分級サイズを脱塩に適したサイズに調整する必要がある。
前記ジグ選別装置18は、図2に示すように、洗浄水が充填されたU字管で構成された洗浄槽20と、前記洗浄槽20に充填された洗浄水を脈動させる加振機構21と、前記洗浄槽20に投入された焼却主灰から浮遊物を分離する浮遊物分離機構22と、不適物として最大基準粒径より大径の金属類やガラ類を除去する不適物除去機構23と、浮遊物及び不適物が除去され、底部に沈殿した焼却主灰を洗浄水とともに後段の第一分級装置24に搬送するバケット式の搬送機構25と、前記搬送機構25による搬送処理で減量した洗浄水を前記洗浄槽20に補充する洗浄水補充機構26を備えて構成され、前記洗浄槽20への焼却主灰の投入部が前記焼却炉の灰シュート17の下方に設けられている。
前記加振機構21は、U字管の一端に配置され、モータ27と、前記モータ27に連結された回転盤28と、前記回転盤28にピストン29を介して接続された水振板30とで構成されている。前記モータ27の駆動により前記回転盤28が回転することにより、前記ピストン29を介して接続された前記水振板30が上下することで前記洗浄槽20の一端の水面を上下させ、前記洗浄槽20の洗浄水を脈動させる。洗浄水の水面を脈動させることで、前記洗浄槽20に投入された浮遊物及び不適物を含む焼却主灰を槽内で分散させて洗浄する洗浄工程を行いながら浮遊物及び不適物の除去を行う。
前記浮遊物分離機構22は、前記洗浄槽20の他端側部に設けられた浮遊物排出口31と、前記浮遊物排出口31より排出された木片や紙類などの未燃状態の浮遊物を回収する浮遊物回収部32とで構成され、浮遊物は前記加振機構21によって脈動する洗浄水により前記浮遊物排出口31からオーバーフロー水とともに排出され、前記浮遊物回収部32に回収される。前記浮遊物回収部32で洗浄水と分離された浮遊物は前記焼却炉で再処理すべく前記ゴミピット1に戻され、洗浄水はポンプ33と洗浄水管34を備えた洗浄水回収機構19により前記洗浄槽20へ回収される。
前記不適物除去機構23は、一部が前記洗浄槽20の洗浄水中を通過するように配置されたメッシュコンベア機構35で構成され、洗浄槽20に投入され、メッシュコンベア上に沈降する焼却主灰のうちその網目より小さい粒径の焼却主灰がそのまま沈降し、大きい粒径の不適物が前記メッシュコンベアにより槽外に搬送除去される。前記メッシュコンベア機構35により、例えば10mm以上の粒径の金属類やガラなどの不適物が除去され、金属回収機構36aにより金属類が除去されたガラは、破砕装置36bによって破砕され、焼却主灰として再びジグ選別装置18に投入される。
前記搬送機構25は、側部に複数の小径の開口を形成したバケット37が無限軌道に沿って複数並設されたバケットコンベア機構38で構成され、前記洗浄槽20の底部に沈降堆積した焼却主灰を洗浄水とともにバケット37で掻き出して、前記第一分級装置24へ運搬する。尚、前記開口の孔径や開孔率を適切な値に設定することにより、持ち出される洗浄水の量と補充される洗浄水の量が調整される。
前記第一分級装置24は振動篩装置で構成され、前記ジグ選別装置18で洗浄された10mmより小径の焼却主灰を粒径2mm以上の粗粒灰と粒径2mm未満の第一微粒灰とに分級する。分級された粒径2mm以上の粗粒灰は第一散水装置39へ投入された後、貯留設備において重力によって灰中の自由水が脱水されてセメント原料として回収され、粒径2mm未満の第一微粒灰は第一再洗浄装置41へ投入されて再度洗浄される。
粗粒灰に含まれる塩素濃度はセメントメーカの受け入れ基準である1000mg/Kg以下を満足しており、さらに洗浄しても塩素含有率が殆ど変化しないため、水やエネルギーの利用効率の観点で洗浄を終了するものである。
前記第一再洗浄装置41は、攪拌モータ41aを備えた攪拌装置41bと、洗浄された焼却主灰をポンプ41cを介して第二分級装置40に搬送する灰スラリー搬送管41dを備えて構成され、再洗浄された第一微粒灰は前記第二分級装置40によりさらに分級される。
前記第二分級装置40は湿式サイクロンで構成され、粒径0.15mm〜2mmの第二微粒灰と粒径0.15mm未満の第三微粒灰に分級する。分級された第
二微粒灰は、灰沈降槽42で沈降し、掻き出し装置43により排出され、貯留設備において重力によって灰中の自由水が脱水され、セメント原料として回収される。また、分級された第三微粒灰は、第二再洗浄装置44へ投入されて再度洗浄される。第三微粒灰に含まれる塩素の濃度は第二微粒灰の約2倍であり、第三微粒灰をさらに洗浄することにより塩素含有量を低減してセメント原料として有効に再利用できるようになる。
前記第二再洗浄装置44は、攪拌モータ44aを備えた攪拌装置44bと、再洗浄された焼却主灰をポンプ44cを介して第一脱水装置45に搬送する処理水搬送管44dを備えて構成され、再洗浄された第二微粒灰は前記第一脱水装置45で脱水処理された後にセメント原料として回収される。
前記第一脱水装置45で生じる濾液は、脱水濾液槽48に貯留され、一部が前記ジグ選別装置18の洗浄水を補充するために使用され、残液は第一水処理装置49へ送られて、カルシウム除去、生物脱窒、凝集沈殿、砂濾過、活性炭濾過などの浄水処理が行われた後に放流される。つまり、脱水濾液槽48に接続されるポンプ48cと前記ジグ選別装置18に繋がる管路により洗浄水補充機構26が構成される。さらに、前記第一散水装置39で使用されたリンス水の濾液等、塩素濃度の低い洗浄廃水も洗浄水補充機構26により前記ジグ選別装置18に返送されて再利用される。
前記排ガス処理機構11から回収された飛灰は、スラリー化装置46に投入されて洗浄された後に第二脱水装置47へ送られる。スラリー化された焼却飛灰は、第二脱水装置47で脱水処理されセメント原料として回収される。第二脱水装置47からの濾液は処理水槽50に貯留され、第二水処理装置51でカルシウム除去、砂濾過、活性炭などの浄水処理が行われた後に放流される。
以上説明した通り、前記ジグ選別装置18により焼却灰から分離回収された焼却主灰を未燃物や不適物を分離しながら洗浄する洗浄工程が実行され、洗浄後の焼却主灰から予め塩素含有率に基づいて複数段に設定された基準粒径に基づいて大径の焼却主灰を分級する分級工程が前記第一及び第二分級装置24、40で実行され、残余の小径の焼却主灰を再洗浄する再洗浄工程が前記第一及び第二再洗浄装置41、44で実行され、洗浄後の焼却主灰に対して前記基準粒径が大から小なる順に前記分級工程と前記再洗浄工程が繰り返されるように構成されている。
以下に本発明の別実施形態を説明する。上述した実施形態では、焼却灰の処理設備がゴミ焼却設備に併設された例を示し、焼却炉の灰シュート17から落下する焼却主灰を直接にジグ選別装置18に投入することができるように構成したものを説明したが、灰シュート17から水封コンベアに落下し、灰ピットに回収された焼却主灰をジグ選別装置18に投入するように構成するものであってもよい。また、焼却灰の処理設備は、ゴミ焼却設備の敷地とは離隔した地域に構築されるものであってもよい。
上述の実施形態では、粗大物が混入した粉粒状の処理対象物である焼却主灰を、直接ジグ選別装置に投入する例を説明したが、ジグ選別装置に投入する前に焼却主灰から粗大物を分離除去した後にジグ選別装置に投入するように構成してもよく、粗大物を除去した後に、焼却主灰に混入している金属類を磁選機にかけて回収するように構成してもよい。焼却主灰には、自転車、鍋、釜等の粗大物が混入している場合もあり、そのような場合には、ジグ選別装置を円滑に運転することが困難な場合もあるからである。
粗大物を分離除去する場合には、粗大物の流れの方向に沿って、フレームに鋼製バーを一定の間隔で下流側が傾斜する姿勢で配列し、加振機によりフレームまたは鋼製バーを振動させるグリズリー振動フィーダを用いることができる。
上述の実施形態では、ジグ選別装置を用いて、焼却主灰から未燃物や不適物を分離しながら洗浄する洗浄工程が実行された後、複数段の分級工程で分級処理する例を説明したが、本発明による焼却灰の処理方法は、焼却灰から分離回収された焼却主灰を未燃物や不適物を分離しながら洗浄する第一工程と、前記第一工程で分離洗浄された焼却主灰を分級する第二工程を備えるものであればよく、第二工程が複数段の分級工程を備えるものに限らず、一段の分級工程のみを備えるものであってもよい。このような処理方法により、第二工程に未燃物や不適物が混入することが無くなり、円滑に分級処理を進めることができるようになる。
また、一段の分級工程に用いられる分級装置の構成は、特に制限されるものではなく、振動篩装置、湿式サイクロン、流水式分級機等、適宜公知の分級装置を用いることができる。
上述した実施形態では、焼却主灰を粒径により三つに分類したが、これに限るものではなく、焼却主灰によっては二つあるいは四つ以上に分類し、夫々について分級工程と再洗浄工程を行なうことも可能である。
上述した実施形態では、前記洗浄装置にジグ選別装置を用いたが、これに限るものではなく、焼却主灰から浮遊物及び不適物を除去するものであれば、ジグ選別装置以外の選別装置を用いることも可能である。
以下に、上述したジグ選別装置とは構成が異なるジグ選別装置を用いた焼却灰の処理方法及び処理設備を説明する。
図8に示すように、粉粒体の処理システム100は、処理対象物である焼却灰を洗浄しながら粗大物と粉粒体とに選別するとともに粉粒体を微粒物と微粒物より粒径が大きい中粒物に分級する湿式選別手段200と、湿式選別手段200で分級された微粒物を再洗浄する第一の再洗浄手段400と、湿式選別手段200で分級された中粒物を再洗浄する第二の再洗浄手段600を備えている。
さらに、第一の再洗浄手段400から排出された洗浄排水を前記湿式選別手段200へ返送する第一の循環経路800と、第二の再洗浄手段600から排出された洗浄排水を第二の再洗浄手段へ返送する第二の循環経路900を備え、それぞれの循環経路を介して返送された洗浄排水を洗浄水として再利用するように構成されている。
図5から図7に示すように、湿式選別手段200は、洗浄水が充填され底部が傾斜した平面視矩形の洗浄水槽120と、一方の上部開口が洗浄水槽120と連通し、他方の開口に脈動発生装置130が設けられたU字管形状の脈動洗浄槽121と、脈動洗浄槽121の一方の開口及び洗浄水槽120の傾斜底部に沿って配置され、プーリー122a,122b,122cによって回転支持された網目状の搬送面を備えたコンベアベルト122と、コンベアベルト122の回転方向に沿って複数設けられ、コンベアベルト122の回転方向とは逆方向に向けて水流を形成する水噴射ノズル123a、123b、123c、123dを備えたジグ選別装置で構成されている。
脈動発生装置130は、脈動洗浄槽121の他方の開口の水面近傍からベローズ137、ロッド132を介してプランジャ131を上下動させるために連結されたエキセントリックシーブ133を備え、エキセントリックシーブ133の回転軸を回転駆動するモータ134を備えている。
インバータ装置によりモータ134の回転数が調整され、モータ134の回転に伴なってベローズ137が伸縮作動されることにより、脈動洗浄槽121を介して洗浄水槽120内の水が上下方向に脈動する。
脈動発生装置130は、上下動するプランジャ131のストローク長を調整するストローク長調整機構(図示せず)を備え、脈動する液面の高さを変更することができる。
前記ストローク長調整機構としては、プランジャ131の取付け位置を上下方向に調整する機構、ロッド132の長さを調整する機構、ロッド132のエキセントリックシーブ133に取付ける位置を直径方向に調整する機構を用いることができる。
脈動洗浄槽121は、コンベアベルト122の延出方向に沿って三分割され、夫々に異なる偏心位置で回転軸135が取付けられたエキセントリックシーブ133が配され、位相が異なる脈動が付与される。
ベルトコンベア装置136によって湿式選別手段200に搬送された処理対象物は、振動フィーダ124により洗浄水槽120に投入され、脈動洗浄槽121による洗浄水の上下方向の脈動により分散されて、灰に混入した粗大物のうち比重の大きな金属類、ガラ類(石やガラス片等)は洗浄水によって付着した灰が除去された後にコンベアベルト122によって粗大物搬出口125から排出され、比重の小さな有機質材(ゴム、プラスチック、紙、繊維、木片等)は水面に浮上して水噴射ノズル123a、123b、123c、123dによる水流に従って溢流堰126から排水樋127に流出する。
即ち、湿式選別手段200では、粗大物が、比重差によって粗大物を比重の大きい粗大物と比重の小さい粗大物に選別される比重選別工程が実行される。
また、洗浄水槽120に投入された灰は、脈動洗浄槽121による洗浄水の上下方向の脈動により分散され、沈降速度が大きく上方向の脈流に抗して沈降する中粒灰(粗粒灰と細粒灰)は水槽内に沈降し、沈降速度の小さい微粒灰は水噴射ノズル123a、123b、123c、123dによる水流に従って洗浄水中を浮遊して溢流堰126から排水樋127に流出する。
即ち、湿式選別手段200では、粉粒体である灰が、沈降速度差によって微粒灰と微粒灰より粒径が大きい中粒灰とに分級される分級工程が実行される。
このような比重選別工程及び分級工程の過程で、粗大物や粉粒体に付着した塩分等の障害物質が洗浄除去される。つまり、図9(a)に示すように、粉粒体処理システムは、処理対象物を洗浄しながら粗大物と粉粒体とに選別するとともに粉粒体を二以上の群に分級する。また、図9(b)に示すように、湿式選別手段は、比重差によって粗大物を比重の大きい粗大物と比重の小さい粗大物に選別し、沈降速度差によって粉粒体を微粒物と微粒物より粒径が大きい中粒物とに分級する。
粗大物搬出口125から排出された金属類、ガラ類は、磁選機等の金属回収部110によって金属とガラ類に分離して回収され、排水樋127に流出した溢流水は、水切りスクリーン128によって有機質材が除去された後に微粒灰とともに第一の再洗浄手段400に送られる。この時、水切りスクリーン128部では、洗浄水を噴霧して有機質材を洗浄してもよい。
脈動洗浄槽121の底部に形成した開口から洗浄水槽120の底部に沈降した中粒灰は、側部または底部に複数の小径の開口を形成したバケット129aが無限軌道に沿って複数並設されたバケットコンベア機構129によって水切りされながら槽外に搬出され、第二の再洗浄手段600によってさらに洗浄処理される。
第一の再洗浄手段400は、水切りスクリーン128を経た溢流水が必要に応じて設けた中継槽140に蓄積され、攪拌ポンプにより濃度を均一に攪拌され、溢流水に含まれる微粒灰がポンプにより濃縮装置142としてのシックナーに送られて濃縮される。尚、濃縮装置142として、湿式サイクロン、ベルト濃縮機、遠心濃縮機等の公知の装置を用いることもできる。また、中継槽140には硫酸バンド等の凝集剤、pH調整剤、キレート剤等の薬品141を添加してもよい。
前記濃縮された微粒灰は、シックナーの底部から引き抜かれ、中継槽143に送られて給水槽101から供給される新たな洗浄水で攪拌洗浄され、その後、脱水洗浄装置144で脱水洗浄されセメント原料に供される。尚、中継槽143を設けることなく、シックナーで濃縮された微粒灰を直接脱水洗浄装置144へ送り、洗浄水を注入しながら脱水してもよい。このような脱水洗浄装置144として、フィルタプレス、遠心分離脱水機、ベルト式脱水機等を用いることができる。洗浄水の供給量は、シックナーの上澄み液の塩分濃度に応じて調整され、塩分濃度が高ければ洗浄水の供給量が増加される。
尚、濃縮装置142を設けず、微粒灰を中継槽140から直接脱水洗浄装置144へ送ってもよい。
脱水洗浄装置144からの洗浄排水は中継槽145に排水され、最終的に貯留槽146に貯水される。
貯留槽146には高さが異なる二枚の堰で三室に区分され、高い方の堰を溢れた排水が最終の貯留槽147に貯水され、水処理装置で浄化処理された後に系外に排水される。
濃縮装置142及び脱水洗浄装置144によって分離され貯留槽146に貯水された洗浄排水はポンプによって第一の循環経路800を介して湿式選別手段200へ返送され、水噴射ノズル123a、123b、123c、123dを介して洗浄水槽120に再洗浄水として利用される。
また、濃縮装置142によって分離された洗浄排水は、障害物質の濃度が高いので、優先的に系外へ排出するため、貯留槽146を介さず貯留槽147へ送り、洗浄水が不足した場合のみ貯留槽146へ送り再洗浄水として利用する構成であってもよい。
尚、第一の循環経路800から供給される再洗浄水を、水噴射ノズル123a、123b、123c、123dを介して供給するルートとは別に、脈動洗浄槽121のプランジャ131の下部に設けた注水部121aから供給するルートを備え、各ルートを介した再洗浄水の供給比率を調整するように構成してもよい。注水部121aから供給する比率を調整し、脈動洗浄槽121の上昇流の速度を調整することによって、粉粒体の沈降速度を制御して分級する粒径を設定することができる。
微粒灰の塩分含有量は、中流灰の塩分含有量よりも多く、第一の再洗浄手段400からの洗浄排水の塩分含有量は第二の再洗浄手段600の洗浄排水よりも高いため、第二の再洗浄手段600とは分離して湿式選別手段200へ返送するのである。
このようにして、湿式選別手段200及び第一の再洗浄手段400では、塩分濃度が高い洗浄排水で洗浄処理されるが、濃縮装置142を経ることにより脱水洗浄装置144に供給される新たな洗浄水(リンス水)の量は極めて僅かに抑えることができる。
第二の再洗浄手段600は、バケットコンベア機構129によって槽外に搬出された中粒灰を粗粒灰と細粒灰に分級する分級装置161と、分級装置161で分級された細粒物を再洗浄する洗浄装置162を備えている。分級装置161は湿式の振動篩装置で構成され、バケットコンベア機構129からシュート160を介して落下供給される。尚、分級装置161として、スクリーン装置を用いることができる。
シュート160及び分級装置161には、第二の循環経路900を介して循環供給された塩分濃度が低い洗浄排水が噴霧供給されるとともに、分級装置161の下流側では給水槽101から新たな洗浄水が噴霧供給され、分級された粗粒灰はそのまま水切りしてセメント原料として供される。粒径が大きな粗粒灰には付着塩類が僅かであるため、それほど洗浄する必要が無いのである。
洗浄装置162は、分級装置161を経た細粒物及び洗浄排水を貯留する中継槽163と、中継槽163で再度攪拌洗浄された細粒灰を固液分離する固液分離機164としての湿式サイクロンと、湿式サイクロンで固液分離された細粒灰を洗浄する洗浄槽165を備えている。
灰沈降槽で沈降した細粒灰は、灰掻揚げコンベア166で搬出されながら給水槽101から供給される新たな洗浄水(リンス水)で濯がれて水切りされた後にセメント材料として供される。尚、洗浄槽165の溢流水は中継槽163に循環供給される。
湿式サイクロンで分離された洗浄排水は、洗浄水として上述したシュート160及び分級装置161に循環供給され、余剰の洗浄排水が貯留槽102に貯水された後に、湿式選別手段200の洗浄水として供給される。湿式サイクロンで分離された洗浄排水には湿式選別手段200で十分に分離されなかった微粒灰が含まれており、このような微粒灰は第二循環経路900を経て、再度、湿式選別手段200で分級される。尚、固液分離機164は湿式サイクロンに限られるものではなく、公知の脱水機、沈殿槽等により細粒灰と洗浄排水を分離する構成であってもよい。
第二の循環経路900は、洗浄槽165からの洗浄排水を中継槽163へ返送する循環経路191と、固液分離機164の排水を分級装置161へ返送する循環経路192を備えている。
つまり、粉粒体の処理システムは、図9(c)に示すように、微粒物を再洗浄する第一の再洗浄手段と、中粒物を再洗浄する第二の再洗浄手段と、第一の再洗浄手段から排出された洗浄排水を湿式選別手段へ返送する第一の循環経路と、第二の再洗浄手段から排出された洗浄排水を第二の再洗浄手段へ返送する第二の循環経路を備え、それぞれの循環経路を介して返送された洗浄排水を洗浄水として再利用する。
また、図9(d)に示すように、第一の再洗浄手段は、微粒物を濃縮する濃縮装置と、濃縮装置によって濃縮された微粒物を洗浄脱水する洗浄脱水装置を備え、濃縮装置によって分離された分離液を第一の循環経路を介して湿式選別手段へ返送する。
さらに、図10(a)に示すように、第二の再洗浄手段は、中粒物を粗粒物と細粒物に分級する分級装置と、分級された細粒物を再洗浄する洗浄装置を備えている。
また、図10(b)に示すように、洗浄装置は、細粒物の中継槽と、再洗浄された細粒物を固液分離する固液分離機と、固液分離された細粒物を洗浄する洗浄槽とを備え、第二の循環経路は洗浄槽からの洗浄排水を中継槽へ返送する循環経路と、固液分離機の排水を前記分級装置へ返送する循環経路を備えている。
本実施形態では、中継槽163と固液分離機164が一段で構成される場合を示しているが、中継槽163と固液分離機を二段以上の複数段直列に配置するものであってもよく、その場合には、図11に示すように、第二の循環経路は後段の固液分離機の排水を前段の固液分離機の直前の中継槽へ移送する循環経路と、洗浄槽の排水を洗浄槽の直前の中継槽へ移送する循環経路と、一段目の固液分離機の排水を分級装置へ返送する循環経路を備えていることが好ましい。
以上説明したように、当該粉粒体の処理システムでは、粗大物が混入した粒状の処理対象物を洗浄して該処理対象物に混入する障害物質を除去するために、湿式選別工程により処理対象物を洗浄しながら粗大物と粉粒体とに選別するとともに粉粒体を二以上の群に分級する粉粒体処理方法が実行され、湿式選別工程は、比重差によって粗大物を比重の大きい粗大物と比重の小さい粗大物に選別する比重選別工程と、沈降速度差によって粉粒体を微粒物と微粒物より粒径が大きい中粒物とに分級する分級工程が実行される。
また、微粒物を再洗浄する第一の再洗浄工程と、中粒物を再洗浄する第二の再洗浄工程と、第一の再洗浄工程で排出された洗浄排水を湿式選別工程の洗浄水として返送するとともに、第二の再洗浄工程で排出された洗浄排水を第二の再洗浄工程の洗浄水として返送し、それぞれの洗浄排水を洗浄水として再利用される。
そして、第二の再洗浄工程における再洗浄水の一部が湿式選別工程に戻されて、第一の再洗浄工程における再洗浄水として有効に利用される。従って、設備を簡素化して洗浄水量を低減しながらも、処理対象物に混在する粗大物を洗浄分離除去し、洗浄排水の循環経路を二系統に分離することで、粉粒体から水溶性成分や重金属等の障害物質を効率的に除去することができるようになる。
上述したジグ選別装置18及び湿式選別手段200の洗浄槽がU字管形状に構成されるものを説明したが、洗浄槽の形状はU字管形状に限るものではなく、上部が二つに分岐し下部が連結された管形状であれば、V字管形状やY字管形状であってもよい。
以上説明した実施形態では、金属類、ガラ類、さらには有機質材といった粗大物が混入した焼却灰を処理対象物とする粉粒体処理システム及び粉粒体処理システムを説明したが、当該粉粒体処理システム及び粉粒体処理システムの処理対象物は焼却灰に限るものではなく、不法投棄された埋立土壌等、重金属類等により汚染された土壌であって、上述したような粗大物が混入した土壌の粉粒体を資源化して再利用する場合にも適用が可能である。この場合、土砂から重金属類の汚染物質が洗浄除去される。
上述の実施形態で説明した各部の具体的構成は例示に過ぎず、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
本発明による焼却灰の処理設備を備えたゴミ焼却炉の説明図 本発明による焼却灰の処理設備の洗浄装置の説明図 本発明による焼却灰の処理設備の説明図 焼却主灰に含まれる塩素濃度の説明図 本発明の別実施形態を示し、粉粒体の処理システムに用いられる湿式選別手段の説明図 同湿式選別手段の平面図 同湿式選別手段の要部の説明図 粉粒体の処理システムの説明図 粉粒体の処理システムのブロック説明図 粉粒体の処理システムのブロック説明図 粉粒体の処理システムのブロック説明図
1:ゴミピット
2A:バケット
2:クレーン装置
3:ホッパー
4:プッシャ
7:廃熱ボイラ
8:蒸気タービン
9:発電機
10:エコノマイザ
11:排ガス処理機構
12:誘引送風機
13:煙突
16:焼却処理帯
17:灰シュート
18:ジグ選別装置
19:洗浄水回収機構
20:洗浄槽
21:加振機構
22:浮遊物分離機構
23:不適物除去機構
24:第一分級装置
25:搬送機構
26:洗浄水補充機構
27:モータ
28:回転盤
29:ピストン
30:水振板
31:浮遊物排出口
32:浮遊物回収部
33:ポンプ
34:洗浄水管
35:メッシュコンベア機構
36a:金属回収機構
36b:破砕装置
37:バケット
38:バケットコンベア機構
39:第一散水装置
40:第二分級装置
41:第一再洗浄装置
42:灰沈降槽
43:掻き出し装置
44:第二再洗浄装置
45:第一脱水装置
46:スラリー化装置
47:第二脱水装置
48:脱水濾液槽
49:第一水処理装置
50:処理水槽
51:第二水処理装置

Claims (7)

  1. 焼却灰を洗浄処理して資源化の障害になる塩素を除去する焼却灰の処理方法であって、
    焼却灰から分離回収された焼却主灰を、事前に洗浄することなく、未燃物や不適物を分離しながら洗浄する第一工程と、前記第一工程で分離洗浄された焼却主灰を分級する第二工程を備え、
    前記第一工程は、洗浄水が充填された洗浄槽に焼却主灰を投入して、洗浄水に浮遊する未燃物を分離する浮遊物分離工程と、洗浄水に沈降する不適物を除去する不適物除去工程と、浮遊物及び不適物が除去された焼却主灰を洗浄水の一部とともに後段の分級工程に搬送する搬送工程と、前記洗浄槽に塩素濃度の低い洗浄水を補充して、前記洗浄槽に充填された洗浄水の塩素濃度を調整する洗浄水補充工程と、を備え、
    前記第二工程は、前記搬送工程で搬出された焼却主灰を予め塩素含有率に基づいて複数段に設定された基準粒径に基づいて分級する分級工程と、分級工程後の小径側の焼却主灰を再洗浄する再洗浄工程とを備え、前記搬送工程で搬出された焼却主灰に対して前記基準粒径が大から小なる順に前記分級工程と前記再洗浄工程を繰り返すように構成されている焼却灰の処理方法。
  2. 前記浮遊物分離工程は、充填された洗浄水が上下に脈動する脈動洗浄槽に投入された焼却主灰を洗浄しながら、比重差によって焼却主灰に含まれる未燃物を浮遊させて上層の洗浄水とともに搬出する工程であり、
    前記不適物除去工程は、比重差によって洗浄水に沈降する不適物を受け止めて搬出する工程であり、
    前記搬送工程は、底部に沈降する焼却主灰を洗浄水とともにバケットで掻き出して後段の分級工程に搬送する工程である請求項1記載の焼却灰の処理方法。
  3. 前記第二工程の再洗浄工程に洗浄用の新規水が供給されるように構成され、前記第一工程の洗浄排水が含まれず、前記第二工程の最終段の再洗浄工程の洗浄排水を含む洗浄排水が、前記洗浄水補充工程で補充される請求項1または2記載の焼却灰の処理方法。
  4. 前記不適物除去工程で除去された不適物に対して金属を除去した後に破砕処理し、被破砕処理物を前記第一工程に投入する請求項1から3の何れかに記載の焼却灰の処理方法。
  5. 焼却灰を洗浄処理して資源化の障害になる塩素を除去する焼却灰の処理設備であって、
    焼却灰から分離回収された焼却主灰を、事前に洗浄することなく、未燃物や不適物を分離しながら洗浄する洗浄装置と、洗浄後の焼却主灰を分級する分級装置とを備えて構成され、
    前記洗浄装置は、洗浄水が充填され、上部が二つに分岐し下部が連結された管形状の脈動洗浄槽と、前記脈動洗浄槽内の洗浄水を脈動させる脈動発生装置と、前記脈動洗浄槽に投入された焼却主灰を洗浄しながら、比重差によって焼却主灰に含まれる未燃物を浮遊させて上層の洗浄水とともに搬出する排出口と、比重差によって洗浄水に沈降する不適物を受け止めて搬出するコンベア装置と、底部に沈降する焼却主灰を洗浄水とともに後段の分級工程に搬送するコンベア装置と、前記洗浄槽に塩素濃度の低い洗浄水を補充して、前記洗浄槽に充填された洗浄水の塩素濃度を調整する洗浄水補充機構と、を備え、
    前記分級装置は、前記コンベア装置で搬送された焼却主灰を予め塩素含有率に基づいて複数段に設定された基準粒径に基づいて大から小なる順に分級する複数の分級装置と、各分級装置の後段に設置され、小径側に分級された焼却主灰を再洗浄する複数の再洗浄装置と、前記再洗浄装置で再洗浄された焼却主灰を脱水処理する脱水装置を備えて構成されている焼却灰の処理設備。
  6. 前記再洗浄装置は、洗浄用の新規水が供給されるように構成され、前記洗浄水補充機構は、前記洗浄槽の洗浄排水が含まれず、最終段の再洗浄装置の洗浄排水を含む洗浄排水を洗浄水として補充する洗浄水補充経路を備えている請求項5記載の焼却灰の処理設備。
  7. 前記洗浄装置に形成された焼却主灰の投入部が焼却炉の灰シュート下部に設けられ、炉内で焼却処理され前記灰シュートから落下した焼却主灰が投入される請求項5または6記載の焼却灰の処理設備。
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