JP2004299712A - ケースの組立て方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤噴射ノズルから噴射される接着剤によってケース内の包装対象品が汚されるのを確実に防止することができるようにしたケースの組立て方法を提供することである。
【解決手段】ケース搬送コンベヤ1によってケースKを搬送し、ケースKの搬送方向前部において起立する天面パネルPをパネル折曲げガイド10との接触によってケース搬送方向の後方に向けてほぼ90°折曲げる。パネル折曲げガイド10によって天面パネルPが所定角度折曲げられる位置の両側に一対の回転体20を設け、その回転体20の回転により、ケースKの後部から起立するジョイントフラップJをケース搬送方向の前方に向けてほぼ90°折曲げる。回転体20がジョイントフラップJから離れ、折曲げ部の復元力によってジョイントフラップJが起き、そのジョイントフラップJの上縁が天面パネルPの下面に当接する状態において、接着剤噴射ノズル30からジョイントフラップJに向けて接着剤を噴射するようにして、接着剤がケース内に噴射されるのを防止する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、底面パネルの両側から起立する一対の側面パネルの一方にジョイントフラップが連設され、他方に天面パネルが連設されたJ形のケースの搬送時に、ジョイントフラップおよび天面パネルの折曲げと、接着とを行なってケースに組立てるケースの組立て方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビールや清涼飲料水等が充填された缶やビン等のバラ物商品の複数を縦横に整列させた状態の包装対象品を包装するラップラウンドケース用のブランクシート(以下、シートという)として、図5に示したものが知られている。このシートSは、側面パネルP、底面パネルP、側面パネルPおよび天面パネルPを折れ目線を介して一方向に連設し、底面パネルPおよび天面パネルPの両端縁に折れ目線を介して外フラップFを連設し、一対の側面パネルP、Pの両端縁に折れ目線を介して内フラップFを連設している。また、一側の側面パネルPの側縁に折れ目線を介してジョイントフラップJを連設している。
【0003】
上記のようなシートSを用いて包装対象品を自動的に包装するようにしたラップラウンドケーサを本件出願人は既に提案している(特開2002−308220号公報)。
【0004】
上記公報に記載されたラップラウンドケーサにおいては、図6に示すように、ホッパ60から一枚ずつ連続して取出されたシートSを底面パネルPの両側から一対の側面パネルP、Pが起立するようJ形に折曲げ、その折曲げケースKを一対の側面パネルP、Pが前後に位置するようにして矢印方向に搬送し、その搬送途中において底面パネルP上に包装対象品Aを押し込むと共に、その押し込み方向前側の一対の内フラップFをそれぞれ内方向にほぼ90°折曲げるようにしている。
【0005】
また、底面パネルP上に包装対象品Aが載置されると、他方の残りの一対の内フラップFをそれぞれ内方向にほぼ90°折曲げ、かつ、ジョイントフラップJを包装対象品A上へ内方向に折曲げると共に天面パネルPを包装対象品Aの上面に重なる位置まで折曲げて、ジョイントフラップJに予め塗布された接着剤を介してジョイントフラップJに天面パネルPを接着している。
【0006】
さらに、その接着後、各一対の外フラップFを各一対の内フラップFに重なる位置まで折曲げ、各内フラップFに予め塗布された接着剤を介して各内フラップFに各外フラップFを接着してケースKに組立てるようにしている。
【0007】
上記のようなラップラウンドケースKの組立てにおいて、ジョイントフラップJおよび天面パネルPの折曲げは、普通、ケースKの搬送中において行なわれる。
【0008】
ジョイントフラップJおよび天面パネルPの折曲げ、接着を行なうケース組立て装置として、一方向に搬送されるJ形ケースの搬送路にパネル折曲げガイドと、接着剤噴射ノズルと、フラップ折曲げ用の回転体とを設け、図7(I)に示すように、J形のケースKを天面パネルPが連設された側面パネルPを前側にして一方向に搬送し、前記パネル折曲げガイドとの接触によって図7(II)に示すように、天面パネルPをケース搬送方向の後方に向けて折曲げ、その折曲げ途中において、接着剤噴射ノズルNからジョイントフラップJに接着剤を噴射し、その噴射後、回転体の回転によって図7(III )に示すように、ジョイントフラップJをケース搬送方向の前方に向けてほぼ90°折曲げると共に、図7(IV)に示すように、天面パネルPをジョイントフラップJに重なる位置まで折曲げてケースKに組立てるようにしたものが従来から知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のケース組立て装置においては、図7(II)に示すように、天面パネルPの折曲げ途中において、接着剤噴射ノズルNから起立状態のジョイントフラップJに接着剤を噴射する構成であり、その噴射時、ジョイントフラップJと天面パネルPの下面間に比較的大きな間隙が形成されているため、接着剤がジョイントフラップJと天面パネルP間の間隙からケースK内に噴射されて包装対象品Aを汚損させるという不都合があった。特に、接着剤噴射ノズルの詰まりなどで接着剤の噴射にずれが生じた場合には、この不都合は顕著である。
【0010】
また、包装対象品Aが天面パネルPに接着するという不都合もある。
【0011】
この発明の課題は、接着剤による包装対象品の汚損および包装対象品と天面パネルとの接着を確実に防止することができるようにしたケースの組立て方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、包装対象品を支持する底面パネルの両側に一対の側面パネルが起立し、一方の側面パネルに連設された天面パネルおよび他方の側面パネルに連設されたジョイントフラップがそれぞれ起立状態とされたケースを、前記天面パネルが連設された一方の側面パネルを前側として一方向に搬送し、そのケース搬送路上に設けられたパネル折曲げガイドとの接触によって前記天面パネルをケース搬送方向の後方に向けて折曲げ、その天面パネルが所定角度折曲げられたとき、ケース搬送路に設けられた回転体の回転により前記ジョイントフラップをケース搬送方向の前側に向けて折曲げ、そのジョイントフラップの折曲げ部の復元力により上縁が前記天面パネルの下面に当接する傾斜状態において接着剤噴射ノズルからジョイントフラップに向けて接着剤を噴射し、その噴射後、前記パネル折曲げガイドとの接触により天面パネルをさらに下向きに折曲げてジョイントフラップに接着させるようにした構成を採用したのである。
【0013】
上記のように、ジョイントフラップの上縁が天面パネルの下面に当接する状態において、接着剤の噴射ノズルからジョイントフラップに接着剤を噴射することによって、接着剤がケース内に噴射されるという不都合の発生はなく、ケース内の包装対象品が接着剤によって汚されることや包装対象品が天面パネルへ接着することを防止することができる。
【0014】
この発明に係るケース組立て方法において、ケース搬送路にケースの搬送速度と同速度で移動する倒れ防止コンベヤを設け、その倒れ防止コンベヤに設けられた押し爪の当接によって後行側の側面パネルの倒れを防止する状態でジョイントフラップの折曲げと、そのジョイントフラップと天面パネルの接着とを行なうようにすることによって、ジョイントフラップの折曲げと、そのジョイントフラップに天面パネルが接着されるまでの間、倒れ防止コンベヤの押し爪によって後行側の側面パネルを起立状態に保持することができるため、寸法精度の高いケースを形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図4に基づいて説明する。図1はケース組立て装置の概略を示す。図示のように、ケースKを矢印方向に搬送するケース搬送コンベヤ1は、複列の第1コンベヤ2aと複列の第2コンベヤ2bとから成る。第1コンベヤ2aおよび第2コンベヤ2bは、チェーン3に保持爪4を等間隔に取付けた爪つきチェーンコンベヤから成り、ケースKは第1コンベヤ2aの保持爪4と第2コンベヤ2bの保持爪4とで前後から挟持される状態で図1の矢印方向に搬送される。
【0016】
ここで、ケースKは、図6に示されるケースKと同一であって、包装対象品Aを支持する底面パネルPの両側から一対の側面パネルP、Pが起立し、一方の側面パネルPに連設されたジョイントフラップJおよび他方の側面パネルPに連設された天面パネルPのそれぞれも起立状態とされたJ形の折曲げ状態とされている。このケースKは、図4(I)に示すように、天面パネルPが連設された側面パネルPを前側として搬送される。
【0017】
ケース搬送コンベヤ1によって搬送されるケースKの搬送路上にはパネル折曲げガイド10が設けられている。パネル折曲げガイド10は平行に配置された複数のガイドロッド11から成り、各ガイドロッド11には、図2に示すように、上流側の端部から第1傾斜ガイド部11a、第1水平ガイド部11b、第2傾斜ガイド部11cおよび第2水平ガイド部11dが順に設けられ、その第1傾斜ガイド部11a、第1水平ガイド部11bおよび第2傾斜ガイド部11cに対して順次接触することによってケースKの天面パネルPは図4(II)乃至(IV)で示すように、ケースKの搬送方向後方に向けてほぼ90°折曲げられると共に、第2水平ガイド部11dに対する接触によって、図4(V)に示すように、ほぼ90°の折曲げ状態に保持される。
【0018】
図1乃至図3に示すように、パネル折曲げガイド10の第2傾斜ガイド部11cの両側には一対の翼状の回転体20が設けられている。各回転体20は3枚の翼20aを有している。この回転体20は、ケースKの搬送方向に回転し、一枚の翼20aによって搬送されているケースKの起立状態のジョイントフラップJをケースKの搬送方向の前方に向けてほぼ90°折曲げるようになっており、ジョイントフラップJを折曲げた一枚の翼20aに続く次の翼20aは次に送り込まれてくるケースKのジョイントフラップJを折曲げるようになっている。
【0019】
回転体20によってほぼ90°折曲げられたジョイントフラップJは、翼20aの離反後、折曲げ部の復元力により起立して、図4(IV)に示すように、パネル折曲げガイド10の第2傾斜ガイド部11cで折曲げられる天面パネルPの下面に当接し、その当接状態でジョイントフラップJは、図3に示すように、ケース搬送方向の前方に向けて倒れる傾斜状態とされる。
【0020】
図3に示すように、ケース搬送路上には接着剤噴射ノズル30が設けられている。接着剤噴射ノズル30は、図4(IV)に示すように、ジョイントフラップJの上縁が天面パネルPの下面に当接する状態において、そのジョイントフラップJの上面に向けて接着剤を噴射するようになっている。
【0021】
上記のように、ジョイントフラップJの上縁がパネル折曲げガイド10によって折曲げられる天面パネルPの下面に当接する状態で接着剤噴射ノズル30からジョイントフラップJに向けて接着剤を噴射することにより、接着剤はジョイントフラップJの表面に塗布され、接着剤噴射ノズル30の詰りなどによって接着剤の噴射のタイミングがずれても、接着剤がケースK内に噴射されることはなく、包装対象品Aが接着剤で汚されることはない。
【0022】
ジョイントフラップJに対する接着剤の塗布後、天面パネルPは第2傾斜ガイド部11cに対する接触によって下向きに折曲げられると共に、その天面パネルPによってジョイントフラップJが押し下げられるため、ジョイントフラップJも倒れ、上記天面パネルPのほぼ90°の折曲げにより、その天面パネルPがジョイントフラップJに接着される。
【0023】
ケースKが第2水平ガイド部11dと対応する位置まで搬送されると、その第2水平ガイド部11dによって天面パネルPは、図4(V)に示すように、ほぼ90°の折曲げ状態に保持される。
【0024】
ケースKがパネル折曲げガイド10を通過すると、そのパネル折曲げガイド10の下流側に設けられてケースKと同方向に同一速度で移動する押えベルト40により天面パネルPがジョイントフラップJに押圧され、その押圧によって天面パネルPは完全な接着状態とされる。
【0025】
図1に示すように、ケースKの搬送路の両側の位置で各回転体20の下方には、一対の倒れ防止コンベヤ50の供給端部が臨んでいる。各倒れ防止コンベヤ50の排出端は、パネル折曲げガイド10の下流側端より下流側に位置している。この倒れ防止コンベヤ50には複数の押し爪50aが等間隔に設けられ、各押し爪50aは、ケースKの搬送速度と同速度でケースKの搬送方向に移動し、回転体20がジョイントフラップJを折曲げる少し前にケース搬送方向の後方側の側面パネルPの上部に係合して、その側面パネルPの後方への倒れを防止し、ケースKがパネル折曲げガイド10の下流側端を通過するまで側面パネルPを起立状態に保持するようになっている。
【0026】
上記のように、倒れ防止コンベヤ50の押し爪50aによってケース搬送方向の後方側の側面パネルPの後方への倒れを防止し、その防止状態でジョイントフラップJの折曲げと、ジョイントフラップJに対する天面パネルPの接着とを行なうことによって、寸法精度の高いケースKを形成することができる。
【0027】
なお、図1および図2において、51はケースKの予め折曲げられた内フラップFの表面に接着剤を塗布する接着剤噴射ノズルを示し、52はケースKの外フラップFを内フラップFに重なる位置まで折曲げて、内フラップFに外フラップFを接着させるフラップ折曲げガイドを示す。
【0028】
さらに、53は、外フラップFを折曲げ状態に保持する押えベルトを示す。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、パネル折曲げガイドによってケース搬送方向の後方に向けて折曲げられる天面パネルの下面にジョイントフラップの上縁が当接する状態において、接着剤噴射ノズルからジョイントフラップに向けて接着剤を噴射するようにしたので、接着剤噴射ノズルの詰まりなどで接着剤の噴射のタイミングがずれても、接着剤はケース内に噴射されることはなく、ケース内の包装対象品が接着剤によって汚されることや包装対象品が天面パネルへ接着することを確実に防止することができる。
【0030】
また、倒れ防止コンベヤによってケース搬送方向の後方側の側面パネルの後方への倒れを防止し、その状態でジョイントフラップの折曲げと、そのジョイントフラップへの天面パネルの接着とを行なうようにしたので、寸法精度の高いケースを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るケースの天面パネル折曲げ装置を採用したラップラウンドケーサの概略の平面図
【図2】図1の正面図
【図3】図1の天面パネル折曲げ装置部分を拡大して示す縦断正面図
【図4】(I)乃至(V)はケースの組立て状態を段階的に示す縦断正面図
【図5】ラップラウンドケース用のブランクシートを示す平面図
【図6】ラップラウンドケーサによってケースが形成される状態を段階的に示す斜視図
【図7】(I)乃至(IV)は従来のケース組立て装置によってケースが組立てられる状態を段階的に示す縦断正面図
【符号の説明】
A 包装対象品
側面パネル
底面パネル
側面パネル
天面パネル
J ジョイントフラップ
ケース
1 ケース搬送コンベヤ
10 パネル折曲げガイド
20 回転体
30 接着剤噴射ノズル
50 倒れ防止コンベヤ
50a 押し爪

Claims (2)

  1. 包装対象品を支持する底面パネルの両側に一対の側面パネルが起立し、一方の側面パネルに連設された天面パネルおよび他方の側面パネルに連設されたジョイントフラップがそれぞれ起立状態とされたケースを、前記天面パネルが連設された一方の側面パネルを前側として一方向に搬送し、そのケース搬送路上に設けられたパネル折曲げガイドとの接触によって前記天面パネルをケース搬送方向の後方に向けて折曲げ、その天面パネルが所定角度折曲げられたとき、ケース搬送路に設けられた回転体の回転により前記ジョイントフラップをケース搬送方向の前側に向けて折曲げ、そのジョイントフラップの折曲げ部の復元力により上縁が前記天面パネルの下面に当接する傾斜状態において接着剤噴射ノズルからジョイントフラップに向けて接着剤を噴射し、その噴射後、前記パネル折曲げガイドとの接触により天面パネルをさらに下向きに折曲げてジョイントフラップに接着させるようにしたケースの組立て方法。
  2. ケース搬送路にケースの搬送速度と同速度で移動する倒れ防止コンベヤを設け、その倒れ防止コンベヤに設けられた押し爪の当接によって後行側の側面パネルの倒れを防止する状態でジョイントフラップの折曲げと、そのジョイントフラップに天面パネルの接着とを行なうようにした請求項1に記載のケースの組立て方法。
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