JP2004293776A - センサ付軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受の摩耗状態を迅速に検出することができるセンサ付軸受を提供する。
【解決手段】本発明にかかるセンサ付軸受10は、内輪13と外輪14との間に転動自在に保持された複数の転動体12と内輪13又は外輪14の軌道面における軸方向両端部に設けられた環状のシール15と、シール15に設けられ、摩耗粉が付着することで電気特性が変化する検出子を含む摩耗検出センサとを備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサ付軸受に関し、特に、鉄道、自動車、設備機械等に使用されるセンサ付軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、摩耗を検知する軸受としては、図21に示すようなものが知られている。図21に示すように、軸受200は、内輪201の内輪つば外径部202に所定の深さで形成された切欠部203が形成されている。この切欠部203には、電気的絶縁皮膜部204及び摩耗検出用電極205が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
このような軸受200においては、内輪201の内輪つば外径部202が摩耗すると摩耗検出用電極205に欠損が生じて摩耗検出用電極205に電気的導通がなくなることで、軸受200における摩耗が所定量に達したことが検出できる。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−148803号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の軸受200は、内輪201の内輪つば外径部202の摩耗が所定量に達するまで、摩耗検出用電極205の電気的導通が保たれるため、軸受200の摩耗状態を検出することはできない。したがって、摩耗状態をリアルタイムで検出できないという点で改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、軸受の摩耗状態をリアルタイムで検出することができるセンサ付軸受を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体と、前記内輪又は前記外輪の軌道面における軸方向両端部に設けられた環状のシール部材(シール又はシールド板)と、前記シール部材に設けられ、摩耗粉の付着により電気特性が変化する検出子を含む摩耗検出センサとを備えるたセンサ付軸受によって達成される。
ここで、「電気特性」とは、例えば、検出子の抵抗値、静電容量、磁気抵抗、インピーダンスである。
【0006】
上記センサ付軸受によれば、シール又はシールド板であるシールド部材に設けられた検出子に軸受の摩耗粉が付着すると、検出子における電気特性(抵抗値や静電容量や磁気抵抗やインピーダンス)が変化する。このため、検出子の電気特性を検知することで、軸受の摩耗の程度を検出することができ、軸受の摩耗状態をリアルタイムで検出することができる。
【0007】
上記センサ付軸受は、摩耗検出センサがシール部材の転動体側の側面に設けられた電極を検出子として備えるように構成することができる。
例えば、接触する摩耗粉の量に応じて電極における電気的抵抗値が変化する。電極に一定の電圧をかけていると、電気的抵抗値の変化に基づいて電流が変化し、軸受の摩耗粉の発生を検出することができる。このため、軸受回転時には、生じた摩耗粉が電極に付着した時点で軸受の摩耗の程度を検出することができる。したがって、軸受の摩耗状態をリアルタイムで検出することができる。
【0008】
上記センサ付軸受は、電極に摩耗粉が付着することで抵抗値が変化するように構成することができる。こうすれば、上述のように、電極に一定の電圧をかけることで、電気的抵抗値の変化に基づいて電流が変化し、軸受の摩耗粉の発生を検出することができる。
【0009】
上記のセンサ付軸受において、シール部材は、着磁された磁性ゴム又は磁性プラスチックからなるシール、もしくは、着磁されたシールド板であり、かつ、電極とシールとの間又は電極とシールド板との間に電気的絶縁膜が設けられることが好ましい。
こうすれば、シール又はシールド板に設けられた電極の近傍箇所に摩耗粉を引き付けることができるので摩耗粉の検出精度をより一層向上させることができる。また、電極とシールとの間に、又は、電極とシールド板との間に電気的絶縁膜を設けたので、摩耗粉が付着する前に電極の抵抗値が変化することがない。
【0010】
上記のセンサ付軸受において、シールが、着磁された芯金の周囲にゴム又はプラスチックを設けられてなることが好ましい。
こうすれば、芯金の磁力によって電極の近傍箇所に摩耗粉を引き付けることができるので、摩耗粉の検出精度を向上させることができる。
【0011】
上記センサ付軸受において、シール又はシールド板が、電極近傍のみを着磁されていることが好ましい。
こうすれば、摩耗粉がシール又はシールド板に引き付けられる際に、電極近傍に積極的に引き付けることできるので、摩耗粉の検出精度をより一層確実に向上させることができる。
【0012】
上記のセンサ付軸受において、シール部材間の軸受空間内には潤滑剤が加えられ、摩耗検出センサは、平板状に形成された対向する一対の電極部とこれら一対の電極部同士の間に配された誘電体とを有するコンデンサを備え、一対の電極部のうちの少なくとも一方が軸受作動中に潤滑剤と接触するように設けられていることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、シール又はシールド板であるシール部材に設けられたコンデンサの電極に軸受の摩耗粉が付着すると、電極の面積が増加し、コンデンサの静電容量が増加する。このとき、接触する摩耗粉の量に応じてコンデンサの静電容量が増加するため、静電容量を測定することで、軸受の摩耗粉の発生を検出することができる。言い換えれば、コンデンサは、静電容量の変化によって摩耗粉が付着したことを検出する検出センサとして機能している。
したがって、軸受回転時には、生じた摩耗粉が電極に付着した時点で、軸受の摩耗の程度を検出することができる。これにより、軸受の摩耗状態をリアルタイムで検出することができる。
【0014】
上記センサ付軸受において、シール部材が、着磁された磁性ゴム又は磁性プラスチックからなるシール又は着磁されたシールド板であり、かつ、電極部とシールとの間又は電極部とシールド板との間に電気的絶縁膜が設けらていることが好ましい。
こうすれば、コンデンサの電極部の近傍箇所に摩耗粉を引き付けることができるので摩耗粉の検出精度をより一層向上させることができる。また、電極部とシールとの間に、又は、電極部とシールド板との間に電気的絶縁膜を設けたので、摩耗粉が付着する前にコンデンサの静電容量が変化することがない。
【0015】
上記センサ付軸受において、シール又はシールド板が、コンデンサ近傍のみを着磁されていることが好ましい。
こうすれば、軸受の摩耗粉をコンデンサ近傍のみに積極的に引き付けることできるので、摩耗粉の検出精度をより一層確実に向上させることができる。
【0016】
上記センサ付軸受において、コンデンサは、一対の電極部の一方又は両方と誘電体とのうち少なくとも1つが着磁されることが好ましい。
こうすれば、コンデンサの電極への摩耗粉の付着を促進することができるので、摩耗粉の検出精度をより一層向上させることができる。
【0017】
上記センサ付軸受において、シール部材は多極磁石からなるシール又はシールド板であり、回転センサ用のエンコーダとして使用されることが好ましい。
こうすれば、コンデンサの電極への摩耗粉の付着を促進することができるので、摩耗粉の検出精度をより一層向上させることができるとともに、回転センサ用のエンコーダを別設する必要がなくなり、コスト低減を図ることができる。
【0018】
上記センサ付軸受において、摩耗検出センサは、先端部がシール部材間の軸受空間内に面するように設置された鉄芯コアと、鉄芯コアに巻回された1次コイルと2次コイルとを備え、1次コイルに所定の交流電流を流して、2次コイルに発生する交流電圧を測定することにより摩耗状態を検出することが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、軸受の摩耗が進行すると、軸受空間内部のシール部材の表面にグリースや油等の潤滑剤中に含まれる摩耗粉が付着する。そして、鉄芯コアの先端部間(鉄芯コア先端部間のシール部材の表面)にも摩耗粉が付着することにより、磁束の流れる経路の磁気抵抗が減少する。このため、鉄芯コア内部に発生する磁束が増大し、検出コイルである2次コイルに誘起される交流電圧が大きくなる。この時、2次コイルに誘起される交流電圧を測定することで、軸受の摩耗状態をリアルタイムで検出することができる。
【0020】
上記センサ付軸受において、鉄芯コアは略コの字状に形成され、鉄芯コアの先端部間には磁石が設けられていることが好ましい。
こうすれば、鉄芯コアの先端部間への摩耗粉の付着を促進することができるので、摩耗粉の検出感度をより一層向上させることができる。
【0021】
上記センサ付軸受において、摩耗検出センサは、先端部がシール部材間の軸受空間内に面するように設置されたコイルを備え、コイルに交流電流を流して、コイルのインピーダンス変化を測定することにより摩耗状態を検出することが好ましい。
上記構成によれば、軸受の摩耗が進行すると、軸受空間内部のシール部材の表面にグリースや油等の潤滑剤中に含まれる摩耗粉が付着する。そして、コイル先端部のシール部材の表面に摩耗粉が付着すると、摩耗粉に渦電流が流れて交流磁界を生じ、これがコイルに作用して、コイルのインピーダンスが変化する。このとき、コイルのインピーダンス変化を測定することで、軸受の摩耗状態をリアルタイムで検出することができる。
【0022】
上記センサ付軸受において、シール部材は、コイルの直径以上の大きさを有する窓部を備えた、芯金を含むシールあるいはシールド板であることが好ましい。
こうすれば、コイルが芯金やシールド板と接触することがなく、コイルのインピーダンスが芯金やシールド板によって受ける影響を少なくすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明にかかるセンサ付軸受の第1の実施形態を示す断面図であり、図2は、図1のセンサ付軸受のシールにおける電極を示す正面図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態のセンサ付軸受10は、外周面に軌道面が形成された内輪13と、内周面に軌道面が形成された外輪14と、内輪13及び外輪14間に組み込まれた複数の球(転動体)12とを備えている。複数の球12はそれぞれ周方向において等間隔で配されるように、保持器11に形成された複数のポケット部に転動自在に保持されている。なお、本実施形態において、内輪13は図示しない主軸に嵌合されて回転する回転輪として機能し、外輪14は図示しないハウジング等に固定される固定輪として機能している。
【0025】
外輪14の軌道面である内周面において、軸方向両端部(図1において、左右の両端部)には、環状に形成された一対のシール15が設けられている。シール15は、軸方向において軸受外側の面が内輪13及び外輪14の軸方向端面と面一となるように設けられている。シール15は、芯金16と芯金16の外周に絶縁体であるゴム又はプラスチック等からなるシール本体17とで構成されている。
【0026】
センサ付軸受10は、一対のシール15のそれぞれの先端部が内輪13の外周面と接触することで、軸受内部の空間(内輪13の外周面と外輪14の内周面と一対のシールとによって区画された空間)を軸受外部雰囲気から密閉する構成である。このため、センサ付軸受10は、軸受内部からの潤滑剤の漏れや外部からの異物の侵入を防止することができる。
【0027】
図2に示すように、一対のシール15における転動体側の側面には、それぞれフォーク型にパターン化された電極18が電気的絶縁膜19を介して設けられる。電極18は、基部18aと、基部18aから互いに間隔を介して延びる複数の帯状導電部18bとを有している。そして、一方の電極18の帯状導電部18bと他方の電極18の帯状導電部18bとが非接触の状態で互いの間隔において交互に配されている。
各電極18はそれぞれ、内輪13及び外輪14等の軸受金属部分と電気的接触がなく、かつ、双方の電極18同士でも電気的接触がない。各電極18はそれぞれ、電線18cを介して図示しないセンサに接続されており、軸受10の摩耗粉の付着に伴って電気的抵抗値が変化する。つまり、本実施形態のセンサ付軸受10は、電極18を検出子とした摩耗検出センサを備えた構成である。
【0028】
なお、各電極18の帯状導電部18b同士の間隔は、狭い方がより細かな摩耗粉まで検出可能となる。検出したい摩耗粉の大きさに合わせて帯状導電部18b同士の間隔を設定されることが好ましい。また、電極18の材料としては、比較的高い電気抵抗を有し、かつ、温度係数の低い白金が用いられるが、白金に限らず、クロメル、コンスタンタン、マンガニン等の他の金属を用いてもよく、また、半導体等であってもよい。
【0029】
図1に示すように、電極18は電線18cを介して図示しない計測器に接続されている。計測器から、各電極18には一定の電圧が印加されている。
【0030】
センサ付軸受10において、摩耗粉が各電極18間に付着すると、摩耗粉を介して各電極18間が通電する。また、各電極18間の抵抗値は、摩耗粉の量に応じて変化する。このため、電極に一定の電圧をかけていると、抵抗値の変化によって流れる電流が変化し摩耗状態をリアルタイムに検出することができる。
また、電極に一定の電流を流すようにすれば、電極間の抵抗値が変化することによって電極間の電圧が変化するため、この方法でも磨耗状態をリアルタイムに検出することができる。
なお、電極の測定方法としては、上記本実施形態のような電極に一定の電圧を印加して抵抗値の変化による電流値を測定する方法に限定されない。例えば、2端子法や4端子法等を用いて、電極の抵抗値を直接測り、摩耗状態を検出する方法としてもよい。4端子法を用いれば測定子の接触抵抗の影響を無視できるので微小な抵抗を精度良く測ることができる。また、電極の通電量に限定されず、後述するように静電容量等の他の電気特性に基いて摩耗粉の検出をする構成とすることができる。
【0031】
なお、本実施形態において、電極18は、シール15のそれぞれに設けられるが、軸受10の摩耗粉の付着に伴って通電する構造であれば、単数であっても複数であってもよい。また、電極パターンはフォーク型に限られない。
また、本実施形態において、シール15のシール本体17が電気的に絶縁性のものを用いれば、電気的絶縁膜19を省略してもよく、電極18をシール15の側面に直接取付けることができる。
【0032】
上記実施形態において、シール15は、シール本体17を、着磁された磁性ゴム又は磁性プラスチックから形成することもできる。このとき、一対の電極18はそれぞれシール15に電気的絶縁膜19を介して設けられているのでシール本体17において通電することがない。
シール15全体を着磁することで、軸受の内部空間で生じた摩耗粉をシール15近傍に集めることができ、摩耗粉の検出精度を向上させることができる。また、シール15の電極18近傍のみを着磁することで、軸受空間内の摩耗粉をシール15表面における電極18付近に集めることができ、摩耗粉の検出精度を更に向上させることができる。
上記センサ付軸受において、芯金16のみを着磁して構成することもできる。こうすれば、摩耗粉をシール15近傍に集めることができ、摩耗粉の検出精度を向上させることができる。
【0033】
図3は、本発明にかかるセンサ付軸受の第2実施形態を示す断面図である。なお、以下に説明する実施形態において、すでに説明した部材等と同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
図3に示すように、本実施形態のセンサ付軸受20は、シール15(図1参照)に代えて、環状に形成されたシールド板21が、外輪14の軌道面における軸方向両端部(図3において左右の両端部)に設けられている。
各電極18は、シールド板21の転動体側の側面に、電気的絶縁膜22を介して設けられる。電極18は摩耗粉が付着することで通電量が変化する構成である。つまり、センサ付軸受20は、電極18を検出子とした摩耗検出センサを備えている。
その他の構成及び作用については、上記第1の実施形態と同様である。
【0034】
なお、本実施形態では、シールド板21全体を着磁することによっても、シール15全体を着磁する場合と同様の効果を奏する。つまり、軸受20は、摩耗検出の際に、軸受20の内部空間で生じた摩耗粉をシールド板21近傍に集めることができ、摩耗粉の検出精度を向上させることができる。
また、シールド板21の電極18近傍のみを着磁することで、軸受空間内の摩耗粉をシールド板21表面の電極近傍に集めることができ、摩耗粉の検出精度をより一層確実に向上させることができる。
【0035】
以上のように、上記実施形態によれば、一対の電極18がシール15又はシールド板21における転動体側の側面に設けられており、この電極に軸受内部で生じる摩耗粉が付着することで電極18が通電する。このとき、付着する摩耗粉の量に応じて電極18における電気的抵抗値が変化する。電極18に一定の電圧をかけていると、電気的抵抗値の変化に基づいて電流が変化し、軸受10、20の摩耗粉の発生を検出することができる。このため、軸受回転時には、生じた摩耗粉が電極18に付着した時点で軸受10、20の摩耗を検出することができる。
したがって、軸受10、20は電極に摩耗粉が付着した時点において摩耗を検出することができるので、摩耗状態をリアルタイムで迅速に検出することができる。
【0036】
図4は、本発明にかかるセンサ付軸受の第3の実施形態を示す断面図である。また図5は、図4のセンサ付軸受のコンデンサの構造を示す要部断面図であり、図6は、図5のコンデンサにおける一方の電極部42を示す平面図、図7は、図5のコンデンサにおける他方の電極部43を示す平面図である。
【0037】
図4に示すように、本実施形態のセンサ付軸受30では、シール15で閉塞された軸受空間内に、潤滑剤(図示しない)が封入されるとともに、電極として機能する電極部を有するコンデンサ41が備えられ、このコンデンサ41を検出子とした摩耗検出センサを備えた構成である。本実施形態において、コンデンサ41が静電容量の変化によって摩耗粉が付着したことを検出する摩耗検出センサとして機能している。
【0038】
コンデンサ41は、平板状に形成された対向する一対の電極部42,43同士の間に誘電体44を挟持して構成されており、各電極部42,43のうちの少なくとも一方は、軸受30作動中に潤滑剤と接触するように配置される。
【0039】
誘電体44としては、セラミック、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネイト、マイカ(雲母)、ガラス、紙等が挙げられる。誘電体44の厚さは、1μmから2mmの範囲で、測定条件に合わせて適宜選定されるが、コンデンサ41の絶縁抵抗の観点からは5μm以上であることが好ましく、また静電容量の観点からは1mm以下に設定されることが好ましい。
【0040】
電極部42,43と誘電体44とは、接着又は圧着等によって一体に成形されており、電極部42,43と誘電体44との間への潤滑剤の侵入が防止される。これにより、潤滑剤の誘電率と空気の誘電率との差に起因する静電容量の変化が防止され、検出精度の低下が防止される。
ここで、電極部42,43を誘電体44のフィルム両面に蒸着することにより、貼り合わせを不要とし、潤滑剤の浸入をより確実に防止することもできる。
なお、電極部42,43間に誘電体44を介在させることなく、空気(空間)とすることによってもコンデンサ41を形成することは可能である。この場合には、電極部42,43の間の上記空間に潤滑剤が侵入することがあるため、電極部42,43同士の間を密閉することが好ましい。
【0041】
電極部42は、図6に示すように、平面視長方形の平板状に形成された電極本体42aに、略正方形状の多数の孔42bが等間隔に穿設されてメッシュ状に形成されており、表面は軸受30内部に露出され、少なくとも軸受30作動中には潤滑剤と接触するように配置されている。
また電極部43は、図7に示すように、平面視長方形の平板状に形成された電極本体43aの両面が、平滑面43bに形成されており、シール15における転動体12側の側面に、電気的絶縁膜(図示しない)を介して貼付されている。電極部43の全面が電極とされることにより、軸受30の摩耗状態の検出精度が向上される。
図4に示すように、電極部42,43は、電線45を介して図示しない計測器やセンサに接続されており、軸受30の金属部分とは電気的接触がない。計測器やセンサによって、コンデンサ41の容量が計測される。
【0042】
センサ付軸受30において、摩耗が進行して潤滑剤中に摩耗粉が含まれるようになり、潤滑剤に曝されたコンデンサ41の電極部42に、摩耗粉が付着すると、電極部42の面積が摩耗粉の量に応じて増大する。すると、電極部42と電極部43の対向面積が増大する。これにより、電極部42と電極部43の対向面積に比例して、すなわち摩耗粉の量に応じて、コンデンサ41の容量が増大し、摩耗状態をリアルタイムに検出することができる。
ここで、2枚の平行な金属板間の静電容量Cと誘電率K、電極部面積S(本実施形態では電極部42と電極部43の対向面積)、電極部間距離dの関係は、次式で示される。
【数1】
C=K×S/d
その他の構成及び作用については、上記第1の実施形態と同様である。
【0043】
上記実施形態において、シール15は、シール本体17を、着磁された磁性ゴム又は磁性プラスチックから形成することもできる。このとき、コンデンサの電極部43は、シール15に電気的絶縁膜を介して設けられているので、シール本体17において通電することがない。
シール15全体を着磁することで、軸受30の内部空間で生じた摩耗粉をシール15近傍に集めることができ、摩耗粉の検出精度を向上させることができる。また、シール15のコンデンサ41近傍のみを着磁することで、軸受空間内の摩耗粉をシール15表面におけるコンデンサ41付近に集めることができ、摩耗粉の検出精度を更に向上させることができる。
【0044】
上記センサ付軸受30において、芯金16のみを着磁して構成することもできる。こうすれば、摩耗粉をシール15近傍に集めることができ、摩耗粉の検出精度を向上させることができる。また、コンデンサ41の電極部42、電極部43、及び誘電体44を着磁することによっても、同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、シール15を多極磁石として、回転センサ用のエンコーダとして使用することもできる。こうすれば、コンデンサ41の電極部42への摩耗粉の付着を促進することができるので、摩耗粉の検出精度をより一層向上させることができるとともに、回転センサ用のエンコーダを別設する必要がなくなり、コスト低減を図ることができる。
【0046】
上記実施形態において、コンデンサ41の電極部42は、平板状の電極本体42aに、略正方形状の多数の孔42bが等間隔に穿設されてメッシュ状に形成されているが、これに限らない。すなわち、電極部42の面積が摩耗粉の付着によって増大し、電極部42と電極部43の対向面積が増大する構成であればよく、例えば図8に示すように、電極本体42aを櫛歯状に形成されたものであってもよい。
また、メッシュ状に形成された図6に示す電極部42の孔42bは、小さい方がより細かい摩耗まで検出可能となるので、検出対象となる摩耗粉の大きさに合わせて寸法を設定することが好ましい。
【0047】
さらに、コンデンサ41の電極部43は、平板状に形成された電極本体43aの両面を平滑面43bに形成されており、電極部42のような孔42bを設けていないが、電極部43にも潤滑剤中の摩耗粉が付着するように、コンデンサをシール15に取付ければ、電極部42と同様の図6又は図8に示すようなパターンとしてもよい。ただし、電極部42と電極部43を全く同一寸法の同じパターンとすると摩耗粉の付着によるコンデンサの電極の対向面積の増加の点からは効率が悪いため、それぞれ別のパターンとすることが望ましい。
【0048】
電極部42,43の外形形状は、図6から図8に示すような平面視長方形の平板状の他、シール15の形状に合わせて環状としてもよい。
電極部42,43の材質としては、導電性のよい金属板が好ましいが、これに限らず、導電性のよい材料であればよく、例えば導電性樹脂を材料として用いることもできる。
【0049】
図9は、本発明にかかるセンサ付軸受の第4の実施形態を示す断面図である。
図9に示すように、本実施形態のセンサ付軸受50は、シール15(図4参照)に代えて、環状に形成されたシールド板51が、外輪14の軌道面における軸方向両端部(図9において左右の両端部)に設けられている。またコンデンサ41は、シールド板51の転動体12側の側面に、電気的絶縁膜46を介して設けられる。
その他の構成及び作用については、上記第3の実施形態と同様である。
【0050】
なお、本実施形態では、シールド板51全体を着磁することによっても、シール15全体を着磁する場合と同様の効果を奏する。つまり、軸受50は、摩耗検出の際に、内部空間で生じた摩耗粉をシールド板51近傍に集めることができ、摩耗粉の検出精度を向上させることができる。
また、シールド板51のコンデンサ41近傍のみを着磁することで、軸受空間内の摩耗粉をシールド板51表面のコンデンサ41近傍に集めることができ、摩耗粉の検出精度をより一層確実に向上させることができる。
【0051】
以上のように、上記実施形態によれば、コンデンサ41がシール15又はシールド板51における転動体12側の側面に設けられており、このコンデンサ41の電極部42に軸受30,50内部で生じる摩耗粉が付着することで、電極部42の面積が摩耗粉の量に応じて増大し、電極部42と電極部43の対向面積が増大する。これにより、コンデンサ41の容量が、電極部42と電極部43の対向面積に比例して、すなわち摩耗粉の量に応じて増大し、軸受30,50の摩耗粉の発生を検出することができる。このため、軸受30,50回転時には、生じた摩耗粉がコンデンサ41の電極部42に付着した時点で軸受30,50の摩耗を検出することができる。
したがって、コンデンサ41の電極部42に摩耗粉が付着した時点において、軸受30,50の摩耗を検出することができるので、摩耗状態をリアルタイムで迅速に検出することができる。
【0052】
図10は、本発明にかかるセンサ付軸受の第5の実施形態を示す断面図である。また、図11は、図10のセンサ付軸受の摩耗検出センサの構造を示す要部断面図である。
【0053】
図10、11に示すように、本実施形態のセンサ付軸受60では、軸受60の潤滑剤の漏れ、又は異物の侵入を防ぐための環状のシール部材であるゴムシール61に、一対の腕部62,63を有する略コの字状の鉄芯コア64が設けられている。鉄芯コア64は、腕部62,63の各先端部65,66がシール61の表面から露出した状態で、シール61の芯金67に形成された窓部68内に芯金67と適当な間隔を有して配置されている。鉄芯コア64の腕部62,63には、1次コイル69と2次コイル70がそれぞれ巻回されている。鉄芯コア64、1次コイル69、2次コイル70は、芯金67を有するシール61と一体にモールドされている。つまり、本実施形態のセンサ付軸受60は、鉄芯コア64、1次コイル69、2次コイル70からなる摩耗検出センサを備えた構成である。
【0054】
上記構成において、1次コイル69に電線71を介して所定の交流電流を流すと、鉄芯コア64の先端部65,66との間に磁束を流し易い鉄等の強磁性体材料が存在している場合には、磁束が図11の点線で示す経路に流れる。これにより、2次コイル70には交流電圧が誘起され、電線72を介して交流電圧を測定することで、軸受60の摩耗状態を検出することができる。
一方、先端部65,66との間に鉄等の強磁性体材料が存在していない場合には点線で示す経路の磁気抵抗が大きくなり、わずかな磁束しか流れず、2次コイル70に発生する交流電圧も小さくなる。
【0055】
ここで、軸受60の摩耗が進行すると、軸受空間内部のシール61の表面にグリースや油等の潤滑剤中に含まれる摩耗粉が付着する。そして、鉄芯コア64の先端部65,66間のシール表面に摩耗粉が付着することにより、磁束が流れる経路の磁気抵抗が減少する。このため、鉄芯コア64内部に発生する磁束が増大して、検出コイルである2次コイル70に誘起される交流電圧が大きくなる。
【0056】
なお、図11においては、鉄芯コア64の先端部65,66はシール61の表面から露出しているが、先端部65,66は薄くシール61で覆われていてもよい。但し、先端部65,66を覆うシール61は、磁気抵抗により検出感度が低下しない程度の厚さとする。
【0057】
また、シール61は内部に鉄等の強磁性体材料からなる芯金67を有しているため、鉄芯コア64が芯金67と接触したり、近接したりしていると、この部分から磁束が漏れ、鉄芯コア64に流れる磁束が減少して2次コイル70に誘起される交流電圧が減少する。このため、芯金67には窓部68を設け、鉄芯コア64が芯金67と適当な間隔を有するように配置されている。
【0058】
また、保持器11の材質は鉄等の強磁性体でもよいが、非磁性である樹脂製等の保持器の方が、磁束が保持器へ漏れることがないため好ましい。
その他の構成及び作用については、上記第1の実施形態と同様である。
【0059】
以上、本実施形態によれば、シール部材であるシールに鉄芯コイル、1次コイル、2次コイルを設けて、1次コイルに所定の交流電流を流し、2次コイルに発生する交流電圧を測定することによって、軸受の摩耗状態をリアルタイムに検出することができる。
【0060】
図12は、本発明にかかるセンサ付軸受の第6の実施形態を示す断面図である。本実施形態においては、第5実施形態の検出子を有する摩耗検出センサに加えて、鉄芯コア64の先端部65,66との間に磁石73を設け、摩耗粉が付着し易いように構成する。
【0061】
本実施形態によれば、軸受の摩耗が進行すると、軸受空間内部の磁石近傍のシール61の表面にグリースや油等の潤滑剤中に含まれる摩耗粉の付着が磁石73の吸引力で促進される。従って、摩耗粉の検出感度をより一層向上することができる。
その他の構成及び作用については、上記第5実施形態のものと同様である。
【0062】
図13は、本発明にかかるセンサ付軸受の第7実施形態を示す断面図である。図14は、図13のセンサ付軸受の摩耗検出センサの構造を示す要部断面図である。
【0063】
本実施形態のセンサ付軸受80では、シール61(図10参照)に代えて、潤滑剤の漏れ、又は異物の侵入を防ぐための環状のシール部材であるシールド板81が、外輪14の軌道面における軸方向両端部(図11において左右の両端部)に設けられている。また、鉄芯コア64、1次コイル69、2次コイル70、磁石73を有する、第6実施形態と同様な摩耗検出センサがゴム部材82により一体にモールドされており、一体化されたゴム部材82は、図14に示されるように、シールド板81の窓部83内に取付けられている。
【0064】
シールド板81が鋼板等である場合には、鉄芯コア64が芯金67と接触したり、近接したりしていると、この部分から磁束が漏れ、鉄芯コア64に流れる磁束が減少して2次コイル70に誘起される交流電圧が減少する。このため、シールド板81に窓部83を設け、鉄芯コア64がシールド板81と適当な間隔を有するように配置されている。
その他の構成及び作用については、第5実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、磁石を備えた摩耗検出センサの代わりに、第5実施形態の図11に示された摩耗検出センサをシールド板に取付けることも可能である。
【0065】
本実施形態によれば、シール部材であるシールド板81に鉄芯コイル64、1次コイル69、2次コイル70を設けて、1次コイル69に所定の交流電流を流し、2次コイル70に誘起される交流電圧を測定することによって、軸受の摩耗状態をリアルタイムに検出することができる。さらに、鉄芯コア64の先端部65,66との間に磁石73を設けたので、摩耗粉の付着が磁石73の吸引力で促進され、摩耗粉の検出感度をより一層向上することができる。
【0066】
図15は、本発明にかかるセンサ付軸受の第8実施形態を示す断面図である。本実施形態のセンサ付軸受90では、軸受90の潤滑剤の漏れ、又は異物の侵入を防ぐための環状のシール部材であるゴムシール91に、コイル92が設けられている。コイル92は、先端部がシール91の表面近くで軸受空間に面した状態で、シール91の芯金93に形成された窓部94内に配置されており、シール91と一体にモールドされている。また、コイル92は、交流電流が流れるように構成されている。つまり、本実施形態のセンサ付軸受90は、コイル91を有する摩耗検出センサを備えた構成である。
【0067】
ここで、軸受90の摩耗が進行すると、軸受空間内部のシール91の表面にグリースや油等の潤滑剤中に含まれる摩耗粉が付着する。そして、コイル92の先端部付近におけるシール91の表面にも電導体である摩耗粉が付着すると、摩耗粉に渦電流が流れて交流磁界を生じ、これがコイル92に作用して、コイル92のインピーダンスが変化する。
このコイル92のインピーダンス変化をコイルインピーダンス検出回路100で検出することで軸受90の摩耗状態を検出することができる。
【0068】
また、軸受空間に面したコイル92の前方に鉄等の電導体である芯金93が存在していると、芯金93に渦電流が発生してしまい、摩耗粉の検出ができなくなってしまう。さらに、コイル92と芯金93が接触したり、近接したりしていると、この部分からコイル92のインピーダンスが影響を受けてしまう。このため、芯金93には、コイル92が軸受空間に面するように、窓部94が形成されている。なお、窓部94は、コイル92の直径以上の大きさとするのが好まく、さらに、芯金93の影響を少なくするためには、コイル92の直径の3倍以上の大きさとすることが好ましい。
なお、本実施形態において、コイル92はシール91と一体にモールドされているが、コイル92は別体としてシール91に取付けられてもよい。
また、保持器11の材質は鉄等の強磁性体でもよいが、非磁性である樹脂製等の保持器の方が、磁束が保持器へ漏れることがないため好ましい。
【0069】
次に、本実施形態のコイルインピーダンス検出回路100について、図16−19を参照して説明する。
検出回路100ではコイル92のインピーダンスの変化を電圧または周波数に変換して測定しており、以下に述べる発振法、同調法、ブリッジ法、正帰還法の4種類の方法を使用することができる。
【0070】
図16は、発振法によってコイルのインピーダンスを測定する検出回路101を示す。
この検出回路101では、検出コイル92とコンデンサ102とを組み合わせてLC発振器が構成されている。摩耗粉がシール91の表面に付着していると、コイル92のインピーダンスが変化するため、それに応じてコイル92の発振周波数が変化する。LC発振器からの電圧は、増幅器103で増幅された後、周波数カウンターによって読み取られるか、あるいは、F/Vコンバータを用いて電圧として取り出される。これにより、摩耗粉が付着した際のコイル92のインピーダンスの変化が検出される。
【0071】
図17は、同調法によってコイルのインピーダンスを測定する検出回路110を示す。
この検出回路110では、発振器111が検出コイル92を一定の周波数で励振する。摩耗粉がシール91の表面に付着していると、コイル92のインピーダンスが変化するため、それに応じて、コイル両端の交流電圧に変化が生じる。この交流電圧の変化は、同調増幅器112によって増幅され、AM検波器113により電圧信号として取り出され、さらにこの電圧信号は直流増幅器114によって増幅される。これにより、摩耗粉が付着した際のコイル92のインピーダンスの変化が検出される。
【0072】
図18は、ブリッジ法によってコイルのインピーダンスを測定する検出回路120を示す。
この検出回路120では、発振器121が検出コイル92と基準コイル122を一定の周波数で励振する。ここでは、検出コイル92、基準コイル122、抵抗123,124がブリッジ回路を構成している。摩耗粉がシール91の表面に付着していると、検出コイル92と基準コイルとの間に不均衡電圧が生じ、交流増幅器125によって取り出される。この交流電圧は検波器、増幅器126によって検波、増幅される。これにより、摩耗粉が付着した際のコイル92のインピーダンスの変化が検出される。
【0073】
図19は、正帰還法によってコイルのインピーダンスを測定する検出回路130を示す。
この検出回路130では、発振器131が検出コイル92を一定の周波数で励振する。交流増幅器132の出力は、基準コイル133と検出コイル92で分圧され、正帰還させることによって、コイル92の微少なインピーダンス変化を効率よく増幅できる。また、検出された交流電圧は検波器、増幅器134によって検波、増幅されて、コイル92のインピーダンス変化が検出される。
なお、図17乃至19に示された発振器としては、CR発振器や水晶発振器等を使用することができる。また、図18,19に示された検波器、増幅器のいずれか一方を用いることによってもコイル92のインピーダンスの変化は検出可能である。
その他の構成及び作用については、上記第1実施形態と同様である。
【0074】
本実施形態によれば、シール部材であるシールに取付けられたコイルに交流電流を流して、摩耗粉の付着によるコイルのインピーダンス変化を、検出回路を用いて測定することによって、軸受の摩耗状態をリアルタイムで検知することができる。
【0075】
図20は、本発明にかかるセンサ付軸受の第9実施形態を示す断面図である。本実施形態のセンサ付軸受140では、シール91(図15参照)に代えて、潤滑剤の漏れ、又は異物の侵入を防ぐための環状のシール部材であるシールド板141が、外輪14の軌道面における軸方向両端部(図20において左右の両端部)に設けられている。また、コイル92はゴム部材143により一体にモールドされており、一体化されたゴム材料143は、図20に示されるように、シールド板141の窓部142内に取付けられる。
【0076】
また、軸受空間に面したコイル92の前方に鋼板等の電導体であるシールド板141が存在していると、シールド板141に渦電流が発生してしまい、摩耗粉の検出ができなくなってしまう。さらに、コイル92とシールド板141が近接したりしていると、この部分からコイル92のインピーダンスが影響を受けてしまう。このため、芯金93には、コイル92が軸受空間に面するように、窓部94が形成されている。なお、窓部94は、コイル92の直径以上の大きさとするのが好ましく、さらに、芯金93の影響を少なくするためには、コイル92の直径の3倍以上の大きさとすることが好ましい。
その他の構成及び作用については、上記第8実施形態と同様である。
【0077】
本実施形態によれば、シール部材であるシールド板に取付けられたコイルに交流電流を流して、摩耗粉の付着によるコイルのインピーダンス変化を、検出回路を用いて測定することによって、軸受の摩耗状態をリアルタイムに検知することができる。
【0078】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、シールやシールド板を着磁する方法は、上記実施形態のものに限られない。
例えば、外輪を回転輪として内輪を固定輪とする構成を有するセンサ付軸受としてもよい。このとき、シール又はシールド板は内輪の軌道面における軸方向両端部に設けられる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、軸受の摩耗状態をリアルタイムで検出することができるセンサ付軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるセンサ付軸受を示す断面図である。
【図2】図1のセンサ付軸受の電極及び電気的絶縁膜を示す正面図である。
【図3】本発明の第2実施形態であるセンサ付軸受を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態であるセンサ付軸受を示す断面図である。
【図5】図4のセンサ付軸受のコンデンサの構造を示す要部断面図である。
【図6】図5のコンデンサにおける一方の電極部を示す平面図である。
【図7】図5のコンデンサにおける他方の電極部を示す平面図である。
【図8】図5のコンデンサの電極部の他の例を示す平面図である。
【図9】本発明の第4実施形態であるセンサ付軸受を示す断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態であるセンサ付軸受を示す図であり、(a)はその断面図であり、(b)は、(a)を右から見た部分側面図である。
【図11】図10のセンサ付軸受の摩耗検出センサの構造を示す要部断面図である。
【図12】本発明の第6実施形態であるセンサ付軸受を示す断面図である。
【図13】本発明の第7実施形態であるセンサ付軸受を示す図であり、(a)はその断面図であり、(b)は、(a)を右から見た部分側面図である。
【図14】図13のセンサ付軸受の摩耗検出センサの構造を示す要部断面図である。
【図15】本発明の第8実施形態であるセンサ付軸受示す断面図である。
【図16】発振法によってコイルのインピーダンスを測定する検出回路を示す。
【図17】同調法によってコイルのインピーダンスを測定する検出回路を示す。
【図18】ブリッジ法によってコイルのインピーダンスを測定する検出回路を示す。
【図19】正帰還法によってコイルのインピーダンスを測定する検出回路を示す。
【図20】本発明の第9実施形態であるセンサ付軸受を示す断面図である。
【図21】従来の円筒ころ軸受のつば付き内輪の部分斜視図である。
【符号の説明】
10,20,30,50,60,80,90,140 センサ付軸受
11 保持器
12 球(転動体)
13 内輪
14 外輪
15,61,91 シール
16,67,93 芯金
17 シール本体
18 電極
18a 基部
18b 帯状導電部
18c 電線
20,51,81,141 シールド板
41 コンデンサ
42,43 電極部
44 誘電体
64 鉄芯コア
69 1次コイル
70 2次コイル
92 コイル

Claims (18)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体と、前記内輪又は前記外輪の軌道面における軸方向両端部に設けられた環状のシール部材と、
    前記シール部材に設けられ、摩耗粉の付着により電気特性が変化する検出子を含む摩耗検出センサとを備えることを特徴とするセンサ付軸受。
  2. 前記摩耗検出センサは、前記シール部材の前記転動体側の側面に設けられた電極を検出子としたことを特徴とする請求項1に記載のセンサ付軸受。
  3. 前記電極は、前記付着した摩耗粉の量に応じて抵抗値が変化することを特徴とする請求項2に記載のセンサ付軸受。
  4. 前記シール部材は、着磁された磁性ゴム又は磁性プラスチックからなるシールであり、かつ、前記電極と前記シールとの間に電気的絶縁膜が設けられることを特徴とする請求項2に記載のセンサ付軸受。
  5. 前記シール部材は着磁されたシールド板であり、かつ、前記電極と前記シールド板との間に電気的絶縁膜が設けられることを特徴とする請求項2に記載のセンサ付軸受。
  6. 前記シール又は前記シールド板が、電極近傍のみを着磁されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のセンサ付軸受。
  7. 前記シール部材間の軸受空間内には潤滑剤が加えられ、前記摩耗検出センサは、平板状に形成された対向する一対の電極部と該一対の電極部同士の間に配された誘電体とを有するコンデンサを備え、前記一対の電極部のうちの少なくとも一方が軸受作動中に前記潤滑剤と接触するように設けられていることを特徴とする請求項2に記載のセンサ付軸受。
  8. 前記シール部材は、着磁された磁性ゴム又は磁性プラスチックからなるシールであり、かつ、前記電極部と前記シールとの間に電気的絶縁膜が設けられることを特徴とする請求項7に記載のセンサ付軸受。
  9. 前記シール部材は、着磁された芯金の周囲にゴム又はプラスチックが設けられたシールであることを特徴とする請求項1又は7に記載のセンサ付軸受。
  10. 前記シール部材は、着磁されたシールド板であり、かつ、前記電極部と前記シールド板との間に電気的絶縁膜が設けられることを特徴とする請求項7に記載のセンサ付軸受。
  11. 前記シール又は前記シールド板が、前記コンデンサ近傍のみを着磁されていることを特徴とする請求項8,9及び10のうちいずれか1つに記載のセンサ付軸受。
  12. 前記コンデンサは、前記一対の電極部の一方又は両方と誘電体とのうち少なくとも1つが着磁されていることを特徴とする請求項7に記載のセンサ付軸受。
  13. 前記シール部材は多極磁石からなるシール又はシールド板であり、回転センサ用のエンコーダとして使用されることを特徴とする請求項1から12のうちいずれか1つに記載のセンサ付軸受。
  14. 前記摩耗検出センサは、先端部が前記シール部材間の軸受空間内に面するように設置された鉄芯コアと、前記鉄芯コアに巻回された1次コイルと2次コイルとを備え、
    前記1次コイルに所定の交流電流を流して、前記2次コイルに発生する交流電圧を測定することにより摩耗状態を検出することを特徴とする請求項1に記載のセンサ付軸受。
  15. 前記鉄芯コアは略コの字状に形成され、前記鉄芯コアの先端部間には磁石が設けられていることを特徴とする請求項14に記載のセンサ付軸受。
  16. 前記摩耗検出センサは、先端部が前記シール部材間の軸受空間内に面するように設置されたコイルを備え、
    前記コイルに交流電流を流して、前記コイルのインピーダンス変化を測定することにより摩耗状態を検出することを特徴とする請求項1に記載のセンサ付軸受。
  17. 前記シール部材は、前記コイルの直径以上の大きさをもつ窓部を備えた芯金を含むシールであることを特徴とする請求項16に記載のセンサ付軸受。
  18. 前記シール部材は、前記コイルの直径以上の大きさをもつ窓部を備えたシールド板であることを特徴とする請求項16に記載のセンサ付軸受。
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