JP4061956B2 - 透磁率センサ、距離センサ、受圧力センサ - Google Patents

透磁率センサ、距離センサ、受圧力センサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定物の透磁率を測定するための透磁率センサに係り、さらにはこのような透磁率センサを利用した距離センサと受圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に、従来の透磁率センサの一例を示す。この透磁率センサ52は、高透磁率材料である鋼板を複数枚積層して構成したコア54を備える。コア54は基部56と3本のアーム58,60,62とを備えている。それらのうち2本の長いアーム58,60の先端部間には切欠64が設けられている。透磁率の測定時には、この切欠に透磁率を測定する被測定物Pが近接して配置される。一方、短いアーム62の先端部と長いアーム58の側部との間にも切欠66が形成されている。
アーム58の外周には励磁コイル68が巻回されるとともに、その励磁コイル68は交流電源70に電気的に接続されている。また、アーム62の外周には第1検出コイル72が巻回されるとともに、アーム60の外周には第2検出コイル74が巻回されている。2つの検出コイル72,74は差動直列接続され、電圧計76に電気的に接続されている。
このような構成の透磁率センサ52では、交流電流を流して励磁コイル68を励磁することにより磁束が発生する。発生した磁束は、第1磁路M1と第2磁路M2を通過する。第1磁路M1はアーム58→基部56→アーム62→切欠66→アーム58という順序で構成される。第2磁路M2はアーム58→基部56→アーム60→切欠64(被測定物P)→アーム58という順序で構成される。
各磁路M1,M2を通過する磁束の大きさは、各磁路M1,M2の磁気抵抗に対応して分配される。磁気抵抗の小さな磁路に大きな磁束が流れる。
切欠64のあるセンサヘッド部に被測定物Pを接触させると、第2磁路M2の磁気抵抗が減少する結果、第2磁路M2を流れる磁束が増加する。この場合、第2検出コイル74の検出電圧が増加する一方、第1検出コイル72の検出電圧が減少する。2つの検出コイル72,74は差動直列接続されているために、電圧計76で測定される電圧は大きく増大する。
透磁率センサ52を使用して被測定物Pの接触時と離反時の検出電圧差を測定すれば、その差に基づいて被測定物Pの透磁率が求められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術の場合、所望のセンサ感度を得るためには、磁路M1,M2の磁気抵抗を充分に減少させる必要があり、透磁率の高い鋼板を多数枚積層してコア54を構成する必要があった。焼結金属等でコアを形成することが困難であった。またコア54の横断面積を大きくとる必要があり、コア54の小型化が困難であった。3種のコイル68,72,74をコア54に巻回する必要があることも、コア54の小型化を困難にしていた。さらには、コイルの巻回を要することから、透磁率センサの製造コストが高くならざるを得なかった。
【0004】
そこで本発明では、比較的安価にかつ容易に製造でき、しかも高感度で小型の透磁率センサを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段と作用と効果】
本発明の透磁率センサは、被測定物に対向する一対の端部を備えているコアと、コアに固定されており、コアを通過する磁束を発生させる磁石と、前記コアの一対の端部の一方に固定されているMIセンサを備えており、前記MIセンサは、被測定物とコアとMIセンサを通過する磁束に起因する磁場強度を検知することを特徴とする(請求項1)。
本明細書でいう「MIセンサ」は、磁気インピーダンス効果(MI効果)を利用した超高感度な磁気センサをいう。またMI効果とは下記のことをいう。即ち細長い高透磁率金属に高周波電流又はパルス電流を通電すると、金属に表皮効果が生じる。このときの電流経路の深さδの二乗は、電気抵抗率ρに比例する反面、高周波電流の角周波数ωと電流によって生じる磁界方向の透磁率μに反比例する。このために、電流経路の深さδは、外部磁界Hexに起因するμの変化によって変えられる。この結果、電気抵抗とインダクタンスの変化が同レベルになり、インピーダンスZの大きさが外部磁界Hexによって変化することになる。このインピーダンスの大きさ|Z|の変化率は、例えばアモルファスワイヤでは1エルステッドあたり100%にすることが容易であり、このような電磁気現象をMI効果という。
応用磁気の分野においては、GMR(巨大磁気抵抗)効果と呼ばれる電磁気現象が知られており、最近ではこの効果を利用した磁気センサも一部で提案されているが、MI効果を利用した上記磁気センサのほうが、高い感度を実現することが可能である。なお、MI効果を利用した磁気センサは、消費電力が極めて小さいことに加え、高周波電流が磁気変調のキャリアとなるために応答性も非常に速い。
切欠を構成するコアの両端に被測定物が接触している場合には、MIセンサによって被測定物とコアを通過する磁束に起因する磁場強度が検知されるが、切欠を構成するコアの両端に被測定物が非接触で近接している場合には、被測定物とコアとギャップを通過する磁束に起因する磁場強度がMIセンサによって検知される。この透磁率センサは、切欠の透磁率を測定するものであり、その切欠が被測定物で充填されている場合のみならず、ギャップが残る場合にも使用することができる。
【0006】
請求項1に記載の発明によると、磁場強度の検出のために従来用いていたコイルの代わりにMIセンサを用いるために、高感度な透磁率センサを提供することができる。MIセンサは高感度であるために、励磁電流によって大きな磁束を発生させる必要がなく、永久磁石が発生する程度の磁束で十分に高い感度を得ることができる。さらに、MIセンサはコアの端部に取り付けられているため、別体にて形成されたMIセンサを後付けする作業を比較的簡単に行うことができる。また、透磁率センサの作製後にMIセンサを取り外すことも容易となる。透磁率センサの作製工程を簡便にするとともに、MIセンサの取り付け性をも簡便にすることができる。本発明によるとコアにコイル(励磁コイルと検出コイルの双方)を巻線することが不要となる結果、比較的安価にかつ容易に製造可能な透磁率センサを提供することができる。なおコア自体についてもあえて積層構造を採る必要がなくなるため、コアの製造時における自由度が大きくなり、ひいては透磁率センサの低コスト化・製造容易化を図ることができる。しかも、コアの厚肉化を伴わないので、透磁率センサの小型化を図ることも可能である。
上記した透磁率センサの場合、MIセンサが固定されているコアの端部が先細りしていることが好ましい(請求項2)。
先細り形状の部分では磁束が集中して流れるため、磁束密度が増加する。MIセンサが固定されているコアの端部を先細り形状にすることにより、センサとしての感度を向上させることができる。
【0007】
請求項1又は2の透磁率センサの場合、コアが分岐しており、分岐したコアの端部にMIセンサが固定されており、被測定物を近接させたときに被測定物を通過する磁路と、分岐したコアを通過し被測定物を通過しない磁路の2つの磁路を形成するとともに、各磁路のそれぞれの途中にMIセンサを設けていることが好ましい(請求項)。
2つの磁路を形成させる場合、2つの磁路がともに通過するコアの途中の位置に磁石を設けることが必要である。
上記の2つの磁路が形成される場合、磁石で発生した磁束は、2つの磁路に所定の割合で分配される。被測定物を通らない磁路の磁気抵抗は被測定物に依存しないのに対し、被測定物を通過する磁路の磁気抵抗は被測定物の透磁率に依存する。
両者の磁気抵抗は温度に依存して変化する。そこで両磁路での測定結果を相殺すると、温度による変化分を相殺することができる。被測定物を通過しない磁路と被測定物を通過する磁路を設けておくことによって、透磁率の測定結果から温度による影響を除去することが可能となる。
【0008】
本発明の透磁率センサを利用すると様々な物理量センサを実現することができる。例えば下記の距離センサを実現することができる。
この距離センサは、請求項1〜3に記載の透磁率センサと、透磁率が既知の移動体とを備えている。この場合、測定される透磁率から、透磁率センサの切欠から移動体までの距離を測定することができる(請求項)。
ここで、透磁率センサの切欠から移動体までの距離が小さくなるほど、切欠の磁気抵抗は小さくなり、大きな磁束が流れるようになる。切欠の磁気抵抗は、切欠から移動体までの距離と、移動体の透磁率で決まるところ、その移動体の透磁率が既知であるので、切欠を通過して流れる磁場強度をMIセンサによって検知すれば、結果的に移動体までの距離を測定できることになる。
請求項に記載の発明によると、比較的安価にかつ容易に製造でき、しかも感度・信頼性・経済性が高い距離センサを提供することができる。
【0009】
また、本発明の透磁率センサを利用すると下記の受圧力センサを実現することができる。
この受圧力センサは、請求項1〜3に記載の透磁率センサと、透磁率が既知であるとともに受圧力に応じて変位する移動体とを備えている。この場合、測定される透磁率から、移動体に作用している受圧力を測定することができる(請求項)。ここでいう受圧力とは、移動体にかかる力をいい、荷重によるものと圧力によるものを総称する。
この場合、切欠の磁気抵抗から移動体までの距離がわかり、その距離から移動体に作用している受圧力がわかる。
請求項に記載の発明によると、比較的安価にかつ容易に製造でき、しかも感度・信頼性・経済性が高い受圧力センサを提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
後記する本発明の実施例の主要な特徴を記載する。
(形態1)コアは焼結金属材料からなること特徴とする請求項1〜3に記載の透磁率センサ。形態1によれば、透磁率センサの低コスト化、製造容易化、小型化を図ることができる。
(形態2)コアは、基部と基部から突出する第1、第2及び第3の先細りアームとを備えるとともに、切欠は第1及び第2の先細りアームの先端間に設けられ、磁石は第1の先細りアームに設けられ、MIセンサは第2及び第3の先細りアームの先端にそれぞれ設けらていることを特徴とする請求項に記載の透磁率センサ。形態2によれば、このような位置に磁石を設けておくことにより、1つの磁石によって2つの磁路を流れる磁束を発生させることができ、構成の簡略化を図ることができる。また、このような位置にMIセンサを設けておくことによって、磁束を効率よく高精度に検出することができ、よりいっそうの高感度化を図ることができる。
【0011】
【実施例】
(第1実施例) 図1は、本発明を具体化した第1実施例の透磁率センサ2を示す概略図であり、図2は前記透磁率センサ2を利用して距離と受圧力を測定するセンサ24を示す概略断面図である。
図1に示されるように、本実施例の透磁率センサ2を構成するコア4は、透磁率が高い板状金属材料(本実施例では鋼材)からなる。鋼材のような鉄合金以外にも、例えばニッケル合金等を選択することも可能である。また、ここでは積層構造を採用しておらず板材1枚のみからなる単層構造を採用しており、そのため焼結法により製造されたものとなっている。
このコア4は、直線状に形成された基部6と、基部6の一側から突出するように形成された3本の先細りアーム8,10,12とを備えている。3本の先細りアーム8,10,12のうち左右外側に位置するもの(第1先細りアーム8及び第2先細りアーム10)は、ほぼ同じ長さを有しているとともに、先端同士が近づけるようなかたちで略く字状に屈曲形成されている。なお、第1先細りアーム8の先端と第2先細りアーム10の先端同士は若干離間しており、その部分がコア4における切欠14となっている。被測定物Pは、このような切欠14があるセンサヘッド部に対向して配置される。
一方、3本の先細りアーム8,10,12のうち中央部に位置するもの(第3先細りアーム12)も略く字状に屈曲しており、その先端は第1先細りアーム8の側部に近接して形成されている。なお、第3先細りアーム12と第1先細りアーム8との間にも切欠22が形成されている。
【0012】
コア4の所定部位には、コア4を通過する磁束を発生させるための永久磁石16が設けられている。図1に示されるように、永久磁石16は第1先細りアーム8の基端と基部6との連結部位に介在されるとともに、例えば接着剤などを用いて両者に接合されている。本実施例では、永久磁石16のN極が基部6側に配置され、S極が第1先細りアーム8側に配置されている。なお、永久磁石16は第1先細りアーム8の基端に設けられた凹部に嵌め込まれていてもよく、または、第1先細りアーム8の基端部表面に貼り付けられていてもよい。
【0013】
3本の先細りアーム8,10,12を有する透磁率センサ2の永久磁石16で発生した磁束は、2つの磁路に分かれて流れる。図1で矢印で示されるように、被測定物Pを通らないで循環する第1磁路M1と、被測定物Pを通過して循環する第2磁路M2の2つが形成される。即ち、第1磁路M1は、永久磁石16を起点として、基部6→第3先細りアーム12→切欠22→第1先細りアーム8という順序で流れて永久磁石16に戻ってくる。一方、第2磁路M2は、永久磁石16を起点として、基部6→第2先細りアーム10→切欠18(被測定物P)→第1先細りアーム8という順序で流れて永久磁石16に戻ってくる。なお、永久磁石16で発生した磁束は、各磁路M1,M2の磁気抵抗に対応して所定割合でそれぞれに分配されるようになっている。永久磁石16のNS極の配置関係を逆にしても何ら問題はない。
【0014】
本実施例の場合、被測定物Pを通らないで磁束が循環する第1磁路M1と、被測定物Pを通過して磁束が循環する第2磁路M2のそれぞれの途中に、磁気センサの一種であるMIセンサ20,18が設けられている。
具体的にいうと、第1のMIセンサ18は、第3先細りアーム12の先端に取り付けられており、第2のMIセンサ20は、第2先細りアーム10の先端に取り付けられている。第2のMIセンサ20は、被測定物Pを通らないで永久磁石16に戻ってくる磁束に起因する磁場の強度を検出するためのものであり、温度補償を行うためのものである。第1のMIセンサ18は、被測定物Pを通過して永久磁石16に戻ってくる磁束に起因する磁場の強度を検出するためのものである。MIセンサ18,20の取り付けの方法には、接着や嵌め込み等といった任意の手法を採用することができる。
なおMIセンサの取付位置としてアーム先端を選択したのは、以下の理由による。第1に、別体にて形成されたMIセンサ18,20を後付けする作業を比較的簡単に行うことができるからである。第2に、アーム先端は先細りしており、磁束が集中して流れるため、センシング位置として好適だからである。
【0015】
「MIセンサ」とは、先に述べたとおり、MI効果を利用した超高感度な磁気センサを指す。使用されるべきMIセンサ18,20に関して特に限定はされないが、本実施例ではアモルファスワイヤ(組成:4%Fe68%Co13%Si15%B)の周囲にピックアップ手段を設けたMI素子を用いている。これに加え、外部磁場を見かけ上打ち消す磁場状況を作るための打ち消し手段が設けられていてもよい。アモルファスワイヤは、MI素子とは別に設けられたパルス信号発生回路に電気的に接続されている。パルス信号発生回路は直流電源回路とチョッパ回路によって構成され、アモルファスワイヤに所定のパルス電流を出力する。また、ピックアップ手段は、MI素子とは別に設けられた信号処理回路に電気的に接続されている。従って、ピックアップ手段によりピックアップされた電流は、信号処理回路にて処理された後にセンサ出力信号として出力されるようになっている。なお、このようなタイプのMIセンサ18,20はパルス信号で駆動されるので消費電力が極めて小さく、せいぜい数十mW程度である。
【0016】
図2に示される圧力と距離のセンサ24は、上記の透磁率センサ2を利用して構成されている。この圧力センサ24を構成するハウジング26の一端側(図2における下端側)には、収容凹部28が形成されている。収容凹部28の内底面には、センサヘッド部を収容凹部28の開口側に向けた状態で、透磁率センサ2が固定されている。
【0017】
ハウジング26の下端側にはゴム等の弾性体からなるシール部材34を介してカバー32が配設されており、これら3つの部材26,34,32は固定部材30によって互いに固定されている。リング状のシール部材34は、ハウジング26とカバー32との隙間をシールする役割を果たしている。
カバー32の下端面側中心には筒部36が突設されている。筒部36の内部には、ピストン42のロッド部44を挿通するためのロッド部挿通孔38が透設されている。一方、筒部36の外周面には、圧力を検査したい流体が流れる配管46に対して螺着する際に用いるねじ部が形成されている。
【0018】
被測定物Pの一部を構成するピストン42は、ロッド部44の一端側(図2では上端側)に連結されており、透磁率が既知の材料を用いて形成されている。かかる材料について特に限定はされないが、本実施例ではセンシング感度向上という観点から、透磁率がある程度高い材料(具体的には鋼材等)をピストン形成用材料として選択している。
円盤状のピストン42は収容凹部28内にて摺動可能に収容されており、これにより収容凹部28が2つの空間に区画されている。ロッド部44の外周面における離間した2箇所には、ゴム等の弾性体からなる環状のロッドパッキング40がそれぞれ装着されている。ロッド部44はロッド部挿通孔38に摺動可能に挿通されている。これらのロッドパッキング40は、ロッド部44と筒部36との隙間をシールする役割を果たす。つまり、配管46を流れる被検査流体が収容凹部28内に流れ込まないような構成となっている。
【0019】
収容凹部28内において、透磁率センサ2の外周には弾性体の一種であるコイルスプリング26が収容されている。このコイルスプリング26は、上端を収容凹部28の内底面に当接させ、かつ下端側をピストン42の上端面に当接させた状態で配設されている。このコイルスプリング26は、切欠14のあるセンサヘッド部からピストン42を遠ざける方向(即ち図2の下方)に常時付勢する役割を果たしている。
【0020】
次に、このように構成された圧力センサ24の動作について説明する。配管46に対してこの圧力センサ24をセットした状態で被検査流体を流すと、配管46内に露出するロッド部44の下端面に被検査流体の圧力が作用し、ロッド部44及びピストン42が図2の上方に押圧される。流体圧が大きいほどそのときの押圧力も大きくなる。なお、ピストン42には常時下向きの付勢力が働いているので、ロッド部44及びピストン42はこの付勢力に抗して上方に押圧されることになる。この場合、流体圧のもたらす押圧力が大きければ、コイルスプリング26の圧縮量も大きくなり、初期位置(最下位置)からのロッド部44及びピストン42の移動量も大きくなる。よって、ピストン42の上端面から切欠14までの距離Lが小さくなる。逆に流体圧のもたらす押圧力が小さければ、コイルスプリング26の圧縮量も小さくなり、初期位置からのロッド部44及びピストン42の移動量も小さくなる。よって、ピストン42の上端面から切欠14までの距離Lが大きくなる。即ち、ピストン42及びロッド部44は、被検査流体の圧力に応じた変位を生じる移動体であると把握することができる。
【0021】
透磁率センサ2の切欠14からピストン42までの距離Lが小さくなるほど、ピストン42中を大きな磁束が流れる。なお、ピストン42の透磁率は既知であるために、ピストン42を通って永久磁石16に戻ってくる磁束に起因する磁場の大きさを第1MIセンサ18によって検知すれば、結果的にピストン42までの距離Lを測定でき、さらには被検査流体の圧力を検知できることになる。
【0022】
本実施例の構成によると以下のような作用効果を得ることができる。本実施例の透磁率センサ2は、一部に切欠14を有するコア4と、永久磁石16と、磁場検知手段であるMIセンサ18,20とを備えている。つまり、従来の装置では必須であった2つの検出コイルを省略し、代わりに2つのMIセンサ18,20を用いている。それゆえ、従来のものに比べて高感度な透磁率センサ2、ひいては高感度な距離及び/又は受圧力センサ24を提供することができる。この場合にあっても、励磁電流によって大きな磁束を発生させるための励磁コイルを配設する必要がなく、比較的小さな永久磁石16が発生する程度の小さな磁束であっても十分高い感度を得ることができる。
【0023】
本実施例によると、コア4に対して励磁コイルや検出コイルの巻線を行うことが不要になる。その結果、比較的安価にかつ容易に製造可能な透磁率センサ2、距離/受圧力センサ24を提供することができる。なお、コア4自体についてもあえて積層構造を採る必要がなくなるため、上記のごとく低コストな手法である焼結法を採用することが可能となる。よって、透磁率センサ2の低コスト化・製造容易化、さらには圧力センサ24の低コスト化・製造容易化を図ることができる。
しかも、焼結金属材料からなる単層構造のコア4であれば、従来に比べてそれ自体が薄肉になるので、透磁率センサ2全体の小型化を図ることができる。
【0024】
また、本実施例の装置では、断線やショートのおそれがある励磁コイルや検出コイルを備えていないという特徴を有している。それゆえ、故障や不良が発生する確率が小さくなり、従来に比べて信頼性の高い透磁率センサ2、距離/受圧力センサ24を提供することができる。さらに、本実施例の装置によると、励磁コイルを励磁して磁束を発生させる必要がないので、基本的に、MIセンサ18,20の動作に必要な分だけ少量の電力を供給すればよいことになる。よって、従来に比べて消費電力を大幅に低減することができ、非常に経済性の高い透磁率センサ2、距離/受圧力センサ24を提供することができる。
【0025】
また本実施例の装置では、ピストン42を通って磁束が永久磁石16に戻ってくる第2磁路M2、ピストン42を通らないで磁束が永久磁石16に戻ってくる第1磁路M1の2つを形成するとともに、これら2つの磁路M1,M2のそれぞれの途中にMIセンサ18,20を設けている。それゆえ、第1磁路M1の磁場と第2磁路M2の磁場とを同時に測定することができる。従って、温度変化が起こるような環境で透磁率の測定を行う場合であっても、2つのMIセンサ18,20でセンシングを行うことにより、温度による変化分を相殺することができる。温度補償をすることができ、より高い精度で透磁率を測定することができる。従って、温度変化に強くて高精度な透磁率センサ2、ひいては温度変化に強くて高精度な距離/受圧力センサ24を実現することができる。
【0026】
本実施例の装置では、切欠14を第1及び第2先細りアーム8,10の先端間に設け、永久磁石16を第1先細りアーム16に設け、MIセンサ18,20を第2及び第3先細りアーム10,12の先端にそれぞれ設けている。このような位置に永久磁石16を設けておくことにより、1つの永久磁石16によって2つの磁路M1,M2を流れる磁束を発生させることができ、構成の簡略化を図ることができる。また、このような位置にMIセンサ18,20を設けておくことにより、磁場を効率よく高精度に検出することができ、よりいっそうの高感度化を図ることができる。
【0027】
(第2実施例)
図3に示される第2実施例の透磁率センサ46では、第1実施例のものから第3先細りアーム12及び第1のMIセンサ20を省略したよりシンプルな構成が採用されている。従って、第1磁路M1が発生せず、第2磁路M2のみがコア4内に形成される点で、第1実施例と相違している。
本実施例の構成によれば、温度補償機能を有する第1実施例と比較して透磁率測定精度が若干劣るものの、従来のものに比較して安価にかつ容易に製造でき、しかも感度・信頼性・経済性が高い透磁率センサ46を実現することができる。
【0028】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
・第1及び第2実施例では永久磁石16を第1先細りアーム8の基端に設けたが、この位置以外にも、例えば第1先細りアーム8においてもっと先端寄りの位置や、基部6の左半部などに永久磁石16を設けることもできる。なお、別体で形成された永久磁石16をコア4に取り付けるという構成に代えて、コア4自体を磁性材料により形成することにより永久磁石としての機能を付与してもよい
アーム8,10,12の配置関係は第1実施例の態様のみに限定されることはなく、任意に変更することが可能である。例えば中央部に位置する第3先細りアーム12と、図1にて左側に位置する第1先細りアーム8とを入れ替えた構造としてもよい。また、アーム8,10,12の形状は第1実施例の態様のみに限定されることはなく、例えば先細りしていないアーム形状を採用しても構わない。
・コア4の形成材料としては、実施例のような高透磁率の金属焼結体ばかりでなく、例えば高透磁率のセラミック焼結体などを使用することもできる。また、それほど高コスト化を伴わなければ、コア4の形成材料として従来どおり高透磁率の金属板を選択し、それを積層してコア4を作製しても構わない。
【0029】
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例の透磁率センサの概略図を示す。
【図2】前記透磁率センサを利用して距離と受圧力を測定するセンサの概略断面図を示す。
【図3】第2実施例の透磁率センサの概略図を示す。
【図4】従来例の透磁率センサの概略図を示す。
【符号の説明】
2,46:透磁率センサ
4:コア
14:切欠
16:(永久)磁石
18,20:MIセンサ
24:圧力センサ
42:ピストン
M1,M2:磁路
P:被測定物(移動体)
L:距離

Claims (5)

  1. 被測定物に対向する一対の端部を備えているコアと、コアに固定されており、コアを通過する磁束を発生させる磁石と、前記コアの一対の端部の一方に固定されているMIセンサを備えており、前記MIセンサは、被測定物とコアとMIセンサを通過する磁束に起因する磁場強度を検知することを特徴とする透磁率センサ。
  2. 前記MIセンサが固定されているコアの端部が先細りしていることを特徴とする請求項1に記載の透磁率センサ
  3. 前記コアが分岐しており、分岐したコアの端部にMIセンサが固定されており、被測定物を近接させたときに被測定物を通過する磁路と、分岐したコアを通過して被測定物を通過しない磁路の2つの磁路を形成するとともに、各磁路のそれぞれの途中にMIセンサを設けていることを特徴とする請求項1又は2に記載の透磁率センサ。
  4. 請求項1〜3に記載の透磁率センサと、透磁率が既知の移動体とを備えており、測定される透磁率から、透磁率センサの切欠から移動体までの距離を測定することを特徴とする距離センサ。
  5. 請求項1〜3に記載の透磁率センサと、透磁率が既知であるとともに受圧力に応じて変位する移動体とを備えており、測定される透磁率から、前記受圧力を測定することを特徴とする受圧力センサ。
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