JP2008128755A - 潤滑剤劣化検出装置および検出装置付き軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この潤滑剤劣化検出装置1では、円弧状の光ファイバ4の両端にそれぞれ発光素子2および受光素子3を対向して設け、この円弧状の光ファイバ4の一部に潤滑剤5を介在させる測定用ギャップ部7を設ける。前記光ファイバ4の前記測定用ギャップ部7の近傍部は、固定具を用いて軸方向に位置調整自在に光ファイバ支持部材11に支持固定する。
【選択図】図1
Description
軸受の摩耗状態を検出するものとしては、軸受のシール部材の内側に電極を配置し、摩耗粉の混入による潤滑剤の電気的特性を、抵抗値や、静電容量、磁気抵抗、インピーダンスなどの変化で検出するようにしたセンサ付き軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
図7の構成では、発光素子42から出射された光が光ファイバ44を経由して測定用ギャップ部47に存在する潤滑剤45を透過し、さらに光ファイバ44を経由して受光素子43で検出され、受光素子43で検出される透過光量から潤滑剤45に混入する鉄粉等の異物の量が推定される。
しかし、この場合には、軸受内の潤滑剤が転動体の回転に伴って保持器と共に移動する動きを前記カバーが制限してしまうので、測定用ギャップ部47に潤滑剤が入り込み難いことがあり、やはり安定した精度の良い検出ができない。
この構成によると、前記光ファイバ支持部材と、光ファイバの測定用ギャップ部の近傍部を軸方向に位置調整自在に光ファイバ支持部材に固定する固定具とを設けたため、組立時における光ファイバの測定用ギャプ部のギャップ量の調整が簡単となり、組立を容易に行うことができる。その結果、軸受に簡単に搭載できて、軸受内部の潤滑剤劣化状態を精度良く検出できる。
この構成の場合、前記光ファイバ挿通孔に挿通される光ファイバの測定用ギャップ部の近傍部を前記固定具である止めねじで押圧することにより、測定用ギャップ部のギャップ量を調整した状態で、光ファイバの測定用ギャップ部の近傍部を光ファイバ支持部材に容易に支持固定できる。
この構成の場合、前記光ファイバ用ねじ孔に前記固定具である雄ねじのねじ部を、その位置決め用フランジ部が光ファイバ支持部材に当接する位置まで螺合させることにより、測定用ギャップ部のギャップ量を調整した状態で、光ファイバの測定用ギャップ部の近傍部を光ファイバ支持部材に容易に支持固定できる。
この構成によると、軸受内に封入された潤滑剤の劣化状態を、リアルタイムで正確に検出することができる。これにより、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、潤滑不良による軸受の破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
この発明の検出装置付き軸受は、この発明の潤滑剤劣化検出装置を軸受に搭載したため、軸受内に封入された潤滑剤の劣化を、リアルタイムで正確に行うことができる。これにより、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受の潤滑剤不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
このように円弧状の光ファイバ4の円周方向の一部に、検出対象の潤滑剤5を介在させる測定用ギャプ部7を設けることにより、発光素子2から出射された光が光ファイバ4を介して潤滑剤5を透過し、その透過光がさらに光ファイバ4を介して受光素子3に入射される。
後ろ蓋26は、車軸30に軸受20よりも中央側で取付けられて、外周に軸受シール31Aを摺接させたものである。油切り25は、車軸30に取付けられて外周に軸受シール31を摺接させたものである。これら軸受20の両端部に配置される両軸受シール31,31Aにより軸受20の内部に潤滑剤が封止され、かつ防塵・耐水性が確保される。
この場合のシールユニット27は、軸受外輪22の端部に取付けられる環状のシールケース28と、このシールケース28の内径面に圧入嵌合されるリング部材29と,このリング部材29の内周面に圧入嵌合される軸受シール31とでなる。シールケース28は、軸受シール31を覆う環状の部材であって、軸方向に複数の段部が階段状に並ぶ断面形状とされ、その一端部を固定輪となる軸受外輪22の内径面に圧入嵌合させることで軸受外輪22に取付けられる。さらに、シールケース28の他端の小径段部は、油切り25のフランジ部25aの内向き幅面に形成されたリング状の溝38に遊嵌させることで、この溝38とシールケース28の小径段部との間に形成されるラビリンス隙間で、密封が図られている。
このシールケース28の中間段部の内径面に、断面L字状の前記リング部材29がその円筒部29aを圧入嵌合させて取付けられている。リング部材29の内径側に延びる立板部29bは、前記油切り25の外径面に対して所定のラビリンス隙間を形成するように配置されている。軸受シール31は、断面L字状の環状芯金32と、この環状芯金32の立板部に固定される弾性部材33とでなり、環状芯金32の円筒部を前記リング部材29の円筒部29aの内周面に圧入嵌合させることにより、リング部材29を介してシールケース28に固定される。前記弾性部材33には、油切り25の外径面に摺接するラジアルリップが形成されている。
軸受内部の潤滑剤5は、保持器24の内径面、外径面およびころ23の大端面に多く付着しているので、上記したように光ファイバ4の測定用ギャップ部7を配置することで、潤滑剤劣化検出装置1の円弧状カバー12により潤滑剤5の流動性が損なわれることなく、測定用ギャップ部7に潤滑剤5を入りやすくできる。これにより、潤滑剤劣化検出装置1による軸受内部の潤滑剤5の劣化検出を安定的に精度良く行うことができる。
また、円弧状カバー12をこのようにシールケース28と同心状に配置して潤滑剤劣化検出装置1を取付けると、軸受20内に潤滑剤劣化検出装置1を容易に位置決めでき、組立も容易となる。なお、この場合の潤滑剤劣化検出装置1の取付けは、前記圧入に限らず、ねじや接着などのいずれかの結合処理を1つ以上採用して行っても良い。
もう一方の軸受シール31Aもシールユニット27Aにより軸受外輪22に取付けられる。このシールユニット27Aは、潤滑剤劣化検出装置1を取付けていないほかは、前記シールユニット27と同じ構造とされている。
2…発光素子
3…受光素子
4…光ファイバ
5…潤滑剤
7…測定用ギャップ部
11…光ファイバ支持部材
12…円弧状カバー
16…固定具(止めねじ)
17…光ファイバ挿通孔
17A…光ファイバ用ねじ孔
18…ねじ孔
19…固定具(雄ねじ)
19a…ねじ部
19b…位置決め用フランジ部
20…検出装置付き軸受
Claims (5)
- 円弧状の光ファイバの両端にそれぞれ発光素子および受光素子を対向して設け、この円弧状の光ファイバの一部に潤滑剤を介在させる測定用ギャップ部を設けた潤滑剤劣化検出装置であって、
前記光ファイバの前記測定用ギャップ部の近傍部を支持する光ファイバ支持部材と、前記光ファイバの前記測定用ギャップ部の近傍部を、その軸方向に位置調整自在に前記光ファイバ支持部材に固定する固定具とを設けたことを特徴とする潤滑剤劣化検出装置。 - 請求項1において、前記光ファイバ支持部材は、前記光ファイバの前記測定用ギャップ部の近傍部を挿通する光ファイバ挿通孔と、この光ファイバ挿通孔と直交するねじ孔とを有し、前記固定具が、前記光ファイバ支持部材の前記ねじ孔に螺合して前記測定用ギャップ部の近傍部を押圧する止めねじからなる潤滑剤劣化検出装置。
- 請求項1において、前記光ファイバ支持部材は、前記光ファイバの前記測定用ギャップ部の近傍部を螺合させる光ファイバ用ねじ孔を有し、前記固定具が、ねじ部および位置決め用フランジ部を有し前記光ファイバの前記測定用ギャップ部の近傍部に外嵌固定される雄ねじからなり、この雄ねじの前記ねじ部を前記光ファイバ用ねじ孔に螺合させ前記位置決め用フランジ部を前記光ファイバ支持部材に当接させるものとした潤滑剤劣化検出装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記光ファイバの前記測定用ギャップ部の近傍部を除く部分を覆う円弧状のカバーを設けた潤滑剤劣化検出装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の潤滑剤劣化検出装置を軸受に搭載した検出装置付き軸受。
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