JP2007285900A - 潤滑剤劣化検出装置および検出装置付き軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸受内部などでの潤滑剤の劣化検出をコンパクトな構成で容易に行うことができる潤滑剤劣化検出装置、およびその潤滑剤劣化検出装置を備えた検出装置付き軸受を提供することである。
【解決手段】 この潤滑剤劣化検出装置1は、発光素子2と、受光素子3と、投光側光ファイバ4と、受光側光ファイバ5と、判定手段7とを備える。投光側光ファイバ4は、基端が前記発光素子2に対向し先端を潤滑剤6の内部または近傍に位置するように配置する。受光側光ファイバ5は、基端が前記受光素子3に対向し先端が前記投光側光ファイバ4の先端近傍に位置し前記発光素子2から投光側光ファイバ4を介して投光されて潤滑剤6で反射した散乱光を前記受光素子3に導くように配置する。判定手段7は、前記受光素子3の出力から潤滑剤6に混入している異物の量を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】 この潤滑剤劣化検出装置1は、発光素子2と、受光素子3と、投光側光ファイバ4と、受光側光ファイバ5と、判定手段7とを備える。投光側光ファイバ4は、基端が前記発光素子2に対向し先端を潤滑剤6の内部または近傍に位置するように配置する。受光側光ファイバ5は、基端が前記受光素子3に対向し先端が前記投光側光ファイバ4の先端近傍に位置し前記発光素子2から投光側光ファイバ4を介して投光されて潤滑剤6で反射した散乱光を前記受光素子3に導くように配置する。判定手段7は、前記受光素子3の出力から潤滑剤6に混入している異物の量を検出する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、潤滑剤の混入物などによる劣化状態を検出する潤滑剤劣化検出装置、およびその潤滑剤劣化検出装置を備えた検出装置付き軸受、例えば鉄道車両用、自動車用、産業機械用等の検出装置付き軸受に関する。
潤滑剤を封入した軸受では、軸受内部の潤滑剤(グリース、油など)が劣化すると転動体の潤滑不良が発生し、軸受寿命が短くなる。転動体の潤滑不良を、軸受の振動状態などから判断するのでは、寿命に達して動作異常が発生してから対処することになるため、潤滑状態の異常をより早く検出できない。そこで、軸受内の潤滑剤の状態を定期的あるいはリアルタイムに観測し、異常やメンテナンス期間の予測を可能にすることが望まれる。
潤滑剤の劣化の主要な要因として、軸受の使用に伴って発生する摩耗粉が潤滑剤に混入することが挙げられる。
軸受の摩耗状態を検出するものとしては、軸受のシールの内側に電極やコイル等のセンサを配置し、摩耗粉の混入する潤滑剤の電気的特性を前記センサで検出するようにしたセンサ付き軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2004−293776号公報
軸受の摩耗状態を検出するものとしては、軸受のシールの内側に電極やコイル等のセンサを配置し、摩耗粉の混入する潤滑剤の電気的特性を前記センサで検出するようにしたセンサ付き軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
しかし、特許文献1のセンサ付き軸受は、潤滑剤の電気的特性を検出するものであるため、大量の摩耗粉が入って導通が起こるなどの状況にならなければ、特性変化として検出されず、混入物の検出が困難な場合がある。
この発明の目的は、軸受内部などでの潤滑剤の劣化検出をコンパクトな構成で容易に行うことができる潤滑剤劣化検出装置、およびその潤滑剤劣化検出装置を備えた検出装置付き軸受を提供することである。
この発明の潤滑剤劣化検出装置は、発光素子と、受光素子と、基端が前記発光素子に対向し先端を潤滑剤の内部または近傍に位置させる投光側光ファイバと、基端が前記受光素子に対向し先端が前記投光側光ファイバの先端近傍に位置し前記発光素子から投光側光ファイバを介して投光されて潤滑剤で反射した散乱光を前記受光素子に導く受光側光ファイバと、前記受光素子の出力から潤滑剤に混入している異物の量を検出する判定手段とを備えたものである。
このように、発光素子から投光されて潤滑剤で散乱する散乱光を受光素子で受光するまでの光路を、それぞれ基端が発光素子および受光素子に対向する投光側光ファイバおよび受光側光ファイバで形成すると、例えば検出対象の潤滑剤が封入された軸受等へコンパクトに配置することができる。また、前記光路を細い光ファイバで構成するため、検出ポイントを狙って設置することが可能になる。さらに、潤滑剤の内部または近傍に位置させた投光側光ファイバの先端の近傍に、受光側光ファイバの先端を位置させる配置構造であるため、組付けが容易で、安価に構成できる。その結果、軸受内部などでの潤滑剤の劣化検出をコンパクトな構成で容易に行うことができる。
このように、発光素子から投光されて潤滑剤で散乱する散乱光を受光素子で受光するまでの光路を、それぞれ基端が発光素子および受光素子に対向する投光側光ファイバおよび受光側光ファイバで形成すると、例えば検出対象の潤滑剤が封入された軸受等へコンパクトに配置することができる。また、前記光路を細い光ファイバで構成するため、検出ポイントを狙って設置することが可能になる。さらに、潤滑剤の内部または近傍に位置させた投光側光ファイバの先端の近傍に、受光側光ファイバの先端を位置させる配置構造であるため、組付けが容易で、安価に構成できる。その結果、軸受内部などでの潤滑剤の劣化検出をコンパクトな構成で容易に行うことができる。
この発明において、前記投光側光ファイバの先端に、この投光する光を散乱させる散乱部を設けても良い。
このように、投光側光ファイバの先端に散乱部を設けることにより、受光側光ファイバを介して受光素子で受光する光量を増加させて検出感度を高めることができる。
このように、投光側光ファイバの先端に散乱部を設けることにより、受光側光ファイバを介して受光素子で受光する光量を増加させて検出感度を高めることができる。
この発明において、前記投光側光ファイバの先端を受光側光ファイバの先端よりも突出させても良い。
投光側光ファイバの先端に散乱部を設けた構成で、かつ投光側光ファイバの先端を受光側光ファイバの先端よりも突出させた場合、散乱部から散乱して潤滑剤を透過する光を受光側光ファイバで受光し易くなり、安定した検出が可能になる。散乱部を設けない場合でも、潤滑剤で散乱する散乱光を受光側光ファイバで受光し易くなるので、安定した検出が可能になる。
投光側光ファイバの先端に散乱部を設けた構成で、かつ投光側光ファイバの先端を受光側光ファイバの先端よりも突出させた場合、散乱部から散乱して潤滑剤を透過する光を受光側光ファイバで受光し易くなり、安定した検出が可能になる。散乱部を設けない場合でも、潤滑剤で散乱する散乱光を受光側光ファイバで受光し易くなるので、安定した検出が可能になる。
この発明において、前記受光素子の受光信号の強度がしきい値以下になったことを検出して警告信号を出力する警告手段を設けても良い。このように警告手段を設けると、潤滑剤の劣化状態が許容限度を超えた場合に直ちに警告を発することができ、劣化への対応を速やかに行うことができる。
この発明の検出装置付き軸受は、上記発明の潤滑剤劣化検出装置を軸受に搭載したものである。
この構成によると、軸受内部に封入された潤滑剤の劣化を、リアルタイムで安定良く検出することができる。これにより、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受の潤滑不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
この構成によると、軸受内部に封入された潤滑剤の劣化を、リアルタイムで安定良く検出することができる。これにより、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受の潤滑不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
この発明の潤滑剤劣化検出装置は、発光素子と、受光素子と、基端が前記発光素子に対向し先端を潤滑剤の内部または近傍に位置させる投光側光ファイバと、基端が前記受光素子に対向し先端が前記投光側光ファイバの先端近傍に位置し前記発光素子から投光側光ファイバを介して投光されて潤滑剤で反射した散乱光を前記受光素子に導く受光側光ファイバと、前記受光素子の出力から潤滑剤に混入している異物の量を検出する判定手段とを備えるため、軸受内部などでの潤滑剤の劣化検出をコンパクトな構成で容易に行うことができる。
この発明の検出装置付き軸受は、上記発明の潤滑剤劣化検出装置を軸受に搭載したものであるため、軸受内部に封入された潤滑剤の劣化を、リアルタイムで安定良く検出することができる。その結果、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受の潤滑不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
この発明の検出装置付き軸受は、上記発明の潤滑剤劣化検出装置を軸受に搭載したものであるため、軸受内部に封入された潤滑剤の劣化を、リアルタイムで安定良く検出することができる。その結果、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受の潤滑不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
この発明の一実施形態を図1および図2と共に説明する。図1は、この実施形態の潤滑剤劣化検出装置の一構成例を示す概略図である。この潤滑剤劣化検出装置1は、発光素子2および受光素子3と、基端を前記発光素子2に対向させた投光側光ファイバ4と、基端を前記受光素子3に対向させた受光側光ファイバ5と、前記受光素子3の出力から潤滑剤6に混入している異物の量を検出する判定手段7とを備える。投光側光ファイバ4および受光側光ファイバ5は平行に揃えられ、投光側光ファイバ4はその先端が検出対象となる潤滑剤6の内部または近傍に位置するように配置される。受光側光ファイバ5は、その先端が前記投光側光ファイバ4の先端近傍に位置するように配置される。具体的には、受光側光ファイバ5の先端は、投光側光ファイバ4の先端と横並びに揃う位置とされる。このように、投光側光ファイバ4および受光側光ファイバ5を配置することにより、発光素子2から投光された光が投光側光ファイバ4を介して潤滑剤6で散乱光となって散乱する。また、その散乱光が、受光側光ファイバ5を介して受光素子3に導かれる。
前記発光素子2としては、LED、EL、有機ELなどを用いることができ、発光回路8によって駆動される。前記受光素子3としては、フォトダイオード、フォトトランジスタなどを用いることができ、その出力を受ける受光回路9によって受光素子3の受光量が検出される。
潤滑剤6が新品のときには透明に近い状態にあり、投光側光ファイバ4から投光された光は散乱されずに潤滑剤6を透過するため、散乱光の強度は低い。ところが、潤滑剤6に混入する異物の量が多くなると、散乱光の強度が徐々に増加する。そこで、判定手段7は、前記散乱光の強度に対応する受光素子3の出力から、潤滑剤6に混入している異物の量を検出する。潤滑剤9に混入する異物の量の増加は潤滑剤6の劣化の進行を意味するので、検出された異物の量から潤滑剤6の劣化具合を推定することができる。一方、潤滑剤6の汚れが更にひどくなると潤滑剤6を光が透過し難くなるので、受光素子3の受光信号は弱くなる。そこで、この実施形態では、前記判定手段7とは別に、受光素子3の受光信号の強度が所定のしきい値以下になったことを検出して警告信号を出力する警告手段10が設けられている。このように警告手段10を設けると、潤滑剤6の劣化状態が許容限度を超えた場合に、直ちに警告を発することができ、劣化への対応を速やかに行うことができる。
図2は、この実施形態の潤滑剤劣化検出装置1の他の構成例の光学系を示す。光学系以外の部分の構成は図1の構成例の場合と同様であり、ここでは重複する説明を省略する。この構成例では、投光側光ファイバ4の先端に、この光ファイバ4から投光される光を散乱させる散乱部11が設けられている。この散乱部11は、例えば投光側光ファイバ4の先端を斜めに切断して、この斜め切断面4aにメッキ12を施して構成される。メッキ12は光ファイバ4内を先端側へ進んだ光を散乱反射させるものであり、光ファイバ4の先端におけるメッキ12と反対側の側面には、メッキ12で反射した光が外部に出るように形成されている。散乱部11の他の構成として、前記斜め切断面4aを研磨して投光を反射させることで、前記メッキ12を省略するようにしても良い。
また、この構成例では、投光側光ファイバ4の先端を受光側光ファイバ5の先端よりも突出させている。
また、この構成例では、投光側光ファイバ4の先端を受光側光ファイバ5の先端よりも突出させている。
図2のように、投光側光ファイバ4の先端に散乱部11を設けると、受光側光ファイバ5を介して受光素子3で受光する光量を増加させて検出感度を高めることができる。また、投光側光ファイバ4の先端を受光側光ファイバ5の先端よりも突出させることで、前記散乱部11から散乱して潤滑剤6を透過する光を受光側光ファイバ5で受光し易くなり、安定した検出が可能になる。なお、前記散乱部11を設けない場合でも、投光側光ファイバ4の先端を受光側光ファイバ5の先端よりも突出させると、潤滑剤6で散乱する散乱光を受光側光ファイバ5で受光し易くなるので、安定した検出が可能になる。
このように、この潤滑剤劣化検出装置1では、発光素子2から投光されて潤滑剤6で散乱する散乱光を受光素子3で受光するまでの光路を、それぞれ基端が発光素子2および受光素子3に対向する投光側光ファイバ4および受光側光ファイバ5で形成しているので、例えば検出対象の潤滑剤6が封入された軸受等へコンパクトに配置することができる。また、前記光路を細い光ファイバ4,5で構成するため、検出ポイントを狙って設置することが可能になる。さらに、潤滑剤6の内部または近傍に位置させた投光側光ファイバ4の先端の近傍に、受光側光ファイバ5の先端を位置させる配置構造であるため、組付けが容易で、安価に構成できる。その結果、軸受内部などでの潤滑剤6の劣化検出をコンパクトな構成で容易に行うことができる。
図3は、上記した潤滑剤劣化検出装置1を搭載した検出装置付き軸受を、鉄道車両用軸受ユニットに用いた一例の断面図である。この場合の鉄道車両用軸受ユニットは、検出装置付き軸受21とその内輪24の両側に各々接して設けられた付属部品である油切り22および後ろ蓋23とで構成される。軸受21は、ころ軸受、詳しくは複列の円すいころ軸受からなり、各列のころ26,26に対して設けた分割型の内輪24,24と、一体型の外輪25と、前記ころ26,26と、保持器27とを備える。
後ろ蓋23は、車軸20に軸受21よりも中央側で取付けられて外周にオイルシール28を摺接させたものである。油切り22は、車軸20に取付けられて外周にオイルシール29を摺接させたものである。これら軸受21の両端部に配置される両オイルシール28,29により軸受21の内部に潤滑剤が封止され、かつ防塵・耐水性が確保される。
後ろ蓋23は、車軸20に軸受21よりも中央側で取付けられて外周にオイルシール28を摺接させたものである。油切り22は、車軸20に取付けられて外周にオイルシール29を摺接させたものである。これら軸受21の両端部に配置される両オイルシール28,29により軸受21の内部に潤滑剤が封止され、かつ防塵・耐水性が確保される。
軸受21の外輪25の両端部には、それぞれシールケース30,31が取付けられ、これらシールケース30,31に前記オイルシール28,29が設けられる。図4は、一方のオイルシール29の取付け構造を示す拡大断面図である。同図において、シールケース31は、軸方向に複数の段部が階段状に並ぶ断面形状とした環状の部材であって、その一端部を軸受外輪25の内径面に圧入嵌合させることで、外輪25に取付けられる。このシールケース31の中間段部の内径面には、断面L字状のリング部材32がその円筒部32aを圧入嵌合させて取付けられており、そのリング部材32の内径側に延びる立板部32bが前記油切り22の外径面に対して所定のラビリンス隙間を形成するように配置されている。前記シールケース31に設けられるオイルシール29は、断面L字状の環状芯金33と、この環状芯金33の立板部に固定される弾性部材34とでなり、環状芯金33の円筒部33aを前記リング部材32の円筒部32aの内周面に圧入嵌合させることにより、リング部材32を介してシールケース31に固定されている。前記弾性部材34には、油切り22の外径面に摺接するラジアルリップが形成されている。シールケース31の他端部は、油切り22のフランジ部22aの内向き幅面に形成されたリング状の溝35に遊嵌させることで、この溝35とシールケース31の他端部との間にラビリンス隙間を形成している。このような構成により、軸受21の内外輪24,25間の環状空間の一端部では、前記リング部材立片部32bと油切り22の外径面との間に形成されるラビリンス隙間と、油切り22の外径面に摺接するオイルシール29と、油切り22の溝35とシールケース31の他端部との間に形成されるラビリンス隙間とで、密封が図られている。軸受21の内外輪24,25間の環状空間の他端部については説明を省略するが、上記した一端部と同様のシール構造とされる。
この検出装置付き軸受21では、前記シールケース31の外側に潤滑剤劣化検出装置1の電気回路部13が固定され、投光側光ファイバー4および受光側光ファイバ5がシールケース31を貫通して観測ポイントである外輪25の内径面近傍まで延ばされている。シールケース31における光ファイバ貫通部には防水・防油処理が施され、これにより潤滑剤劣化検出装置1の取付部から軸受内部へ水分やゴミ等が侵入するのを防止している。
潤滑剤劣化検出装置1のこのような設置例は、軸受内部にスペースがない場合に有効である。また、例えば軸受21の外輪25等は、その製造の工程が煩雑であり、強度的にも厳しい要求があるため、上記潤滑剤劣化検出装置1を搭載する場合、工程の増加等のうえで好ましくない場合があるが、簡易な部品であるシールケース31に潤滑剤劣化検出装置1を配置する場合、その取付工程が容易である。また、シールケース31に潤滑剤劣化検出装置1を配置する場合、その他の軸受構成部品については、潤滑剤劣化検出装置1を搭載しない一般の軸受と軸受部品の共通化が図れ、製造工程を同じにできて生産性に優れる。
上記潤滑剤劣化検出装置1を搭載したこの検出装置付き軸受21では、軸受内部に封入された潤滑剤の劣化を、リアルタイムで正確に検出することができる。その結果、軸受21に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受21の潤滑不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置1の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
図5は、上記した潤滑剤劣化検出装置1を搭載した検出装置付き軸受を、鉄道車両用軸受ユニットに用いた他の例の断面図である。図6は、図5における潤滑剤劣化検出装置1の取付部の拡大断面図を示す。この例の検出装置付き軸受21Aでは、一方のシールケース31の内側に潤滑剤劣化検出装置1の電気回路部13および光ファイバ4,5が共に配置されている。具体的には、オイルシール29におけるリング部材立板部32bの軸方向内側に向く面に潤滑剤劣化検出装置1の電気回路部13が固定され、その配線ケーブル14がシールケース31を貫通して軸受外に引き出されている。その配線ケーブル14を通じて、軸受外から潤滑剤劣化検出装置1への電源供給と軸受外への検出信号の取り出しが行われる。シールケース31における配線ケーブル14の貫通部には防水・防油処理が施される。これにより、潤滑剤劣化検出装置1の取付部から軸受内部へ水分やゴミ等が侵入するのを防止している。その他の構成は、図3および図4に示した構成例の場合と同様である。
潤滑剤劣化検出装置1のこのような設置例は、軸受内部にスペースがある場合に有効である。また、この設置例では、短い光ファイバ4,5で観測ポイントへ投光し、その散乱光を受光できる。
1…潤滑剤劣化検出装置
2…発光素子
3…受光素子
4…投光側光ファイバ
5…受光側光ファイバ
6…潤滑剤
7…判定手段
10…警告手段
21,21A…検出装置付き軸受
2…発光素子
3…受光素子
4…投光側光ファイバ
5…受光側光ファイバ
6…潤滑剤
7…判定手段
10…警告手段
21,21A…検出装置付き軸受
Claims (5)
- 発光素子と、受光素子と、基端が前記発光素子に対向し先端を潤滑剤の内部または近傍に位置させる投光側光ファイバと、基端が前記受光素子に対向し先端が前記投光側光ファイバの先端近傍に位置し前記発光素子から投光側光ファイバを介して投光されて潤滑剤で反射した散乱光を前記受光素子に導く受光側光ファイバと、前記受光素子の出力から潤滑剤に混入している異物の量を検出する判定手段とを備えた潤滑剤劣化検出装置。
- 請求項1において、前記投光側光ファイバの先端に、この投光する光を散乱させる散乱部を設けた潤滑剤劣化検出装置。
- 請求項1または請求項2において、投光側光ファイバの先端を受光側光ファイバの先端よりも突出させた潤滑剤劣化検出装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記受光素子の受光信号の強度がしきい値以下になったことを検出して警告信号を出力する警告手段を設けた潤滑剤劣化検出装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の潤滑剤劣化検出装置を軸受に搭載した検出装置付き軸受。
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---|---|---|---|
JP2006113954A JP2007285900A (ja) | 2006-04-18 | 2006-04-18 | 潤滑剤劣化検出装置および検出装置付き軸受 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2010216904A (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-30 | National Maritime Research Institute | 対象物検出方法及びライダー装置、環境測定方法 |
JP2014139576A (ja) * | 2014-03-06 | 2014-07-31 | National Maritime Research Institute | 対象物検出方法及びライダー装置、環境測定方法 |
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