JP4850106B2 - 潤滑剤劣化検出装置および検出装置付き軸受 - Google Patents
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軸受の摩耗状態を検出するものとしては、軸受のシール部材の内側に電極を配置し、摩耗粉の混入による潤滑剤の電気的特性を、抵抗値や静電容量や磁気抵抗やインピーダンスの変化で検出するようにしたセンサ付き軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
図8の構成では、発光素子42から出射された光が光ファイバ44を経由して測定用ギャップ部47に存在する潤滑剤45を透過し、さらに光ファイバ44を経由して受光素子43で検出され、受光素子43で検出される透過光量から潤滑剤45に混入する鉄粉等の異物の量が推定される。
しかし、この場合には、軸受内の潤滑剤が転動体の回転に伴って保持器と共に移動する動きを前記カバーが制限してしまうので、測定用ギャップ部47に潤滑剤が入り込み難いことがあり、やはり安定した精度の良い検出ができない。
この構成によると、例えば転がり軸受に搭載して軸受内部の潤滑剤の劣化検出を行う場合に、測定用ギャップ部の近傍に設けられる抵抗体の移動により、測定ギャップ部に存在していた潤滑剤が入れ替わるので、常に潤滑に作用している潤滑剤を検出対象とすることになる。そのため、安定的にかつ精度良く潤滑剤の劣化検出を行うことができる。また、円弧状の光ファイバと、発光素子、受光素子、および前記抵抗体により構成されるため、軸受に簡単かつコンパクトに搭載できる。
この構成によると、光ファイバの測定用ギャップ部に潤滑剤を入りやすくでき、潤滑剤劣化検出装置による軸受内部の潤滑剤の劣化検出を安定的に精度良く行うことができる。 その結果、軸受内に封入された潤滑剤の劣化状態を、リアルタイムで正確に検出することができる。これにより、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受に潤滑不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置の出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
この発明の検出装置付き軸受は、この発明の上記いずれかの構成の潤滑剤劣化検出装置を、転がり軸受における内外輪間の軸受空間に前記抵抗体を位置させて前記転がり軸受に取付けたため、光ファイバの測定用ギャップ部に安定的に潤滑剤が入ることになり、潤滑剤劣化検出装置による軸受内部の潤滑剤の劣化検出を安定的に精度良く行うことができる。その結果、軸受内に封入された潤滑剤の劣化状態を、リアルタイムで正確に検出することができる。これにより、軸受に動作異常が発生する前に潤滑剤の交換の必要性を判断でき、軸受に潤滑不良による破損を防ぐことができる。また、潤滑剤交換の必要性を潤滑剤劣化検出装置に出力によって判断できるため、使用期限前に廃棄される潤滑剤の量が減少する。
このように円弧状の光ファイバ4の円周方向の一部に、検出対象の潤滑剤5を介在させる測定用ギャプ部7を設けることにより、発光素子2から出射された光が光ファイバ4を介して潤滑剤5を透過し、その透過光がさらに光ファイバ4を介して受光素子3に入射される。
なお、抵抗体15の移動形態としては、進退移動のほか、索材16の捩じりによる回転により、索材16を軸心として回転するものであっても良い。
また、索材16はチューブやパイプ等からなる被覆部材17に通され、被覆部材17と共に軸受外部に引き出されるので、索材16の引き出し部を軸受内に水が入り込まないような密封構造とすることができる。
後ろ蓋26は、車軸30に軸受20よりも中央側で取付けられて、外周に軸受シール31Aを摺接させたものである。油切り25は、車軸30に取付けられて外周に軸受シール31を摺接させたものである。これら軸受20の両端部に配置される両軸受シール31,31Aにより軸受20の内部に潤滑剤が封止され、かつ防塵・耐水性が確保される。
この場合のシールユニット27は、軸受外輪22の端部に取付けられる環状のシールケース28と、このシールケース28の内径面に圧入嵌合されるリング部材29と、このリング部材29の内周面に圧入嵌合される軸受シール31とでなる。シールケース28は、軸受シール31を覆う環状の部材であって、軸方向に複数の段部が階段状に並ぶ断面形状とされ、その一端部を固定輪となる軸受外輪22の内径面に圧入嵌合させることで軸受外輪22に取付けられる。さらに、シールケース28の他端の小径段部は、油切り25のフランジ部25aの内向き幅面に形成されたリング状の溝38に遊嵌させることで、この溝38とシールケース28の小径段部との間に形成されるラビリンス隙間で、密封が図られている。
このシールケース28の中間段部の内径面に、断面L字状の前記リング部材29がその円筒部29aを圧入嵌合させて取付けられている。リング部材29の内径側に延びる立板部29bは、前記油切り25の外径面に対して所定のラビリンス隙間を形成するように配置されている。軸受シール31は、断面L字状の環状芯金32と、この環状芯金32の立板部に固定される弾性部材33とでなり、環状芯金32の円筒部を前記リング部材29の円筒部29aの内周面に圧入嵌合させることにより、リング部材29を介してシールケース28に固定される。前記弾性部材33には、油切り25の外径面に摺接するラジアルリップが形成されている。
もう一方の軸受シール31Aもシールユニット27Aにより軸受外輪22に取付けられる。このシールユニット27Aは、潤滑剤劣化検出装置1を取付けていないほかは、前記シールユニット27と同じ構造とされている。
2…発光素子
3…受光素子
4…光ファイバ
5…潤滑剤
7…測定用ギャップ部
15…抵抗体
16…索材
18…駆動源
20…検出装置付き軸受
21…内輪
22…外輪
Claims (4)
- 円弧状の光ファイバの両端にそれぞれ発光素子および受光素子を対向して設け、この円弧状の光ファイバの一部に潤滑剤を介在させる測定用ギャップ部を設けた潤滑剤劣化検出装置であって、
前記測定用ギャップ部の近傍に移動自在に抵抗体を設けたことを特徴とする潤滑剤劣化検出装置。 - 請求項1において、前記抵抗体が、索材に取付けられている潤滑剤劣化検出装置。
- 請求項2において、前記索材に、この索材を長さ方向に進退移動させる駆動源を連結した潤滑剤劣化検出装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の潤滑剤劣化検出装置を、転がり軸受における内外輪間の軸受空間に前記抵抗体を位置させて前記転がり軸受に取付けた検出装置付き軸受。
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