JP2004288725A - 半導体装置の製造方法,この製造方法に用いるシール部材及びこのシール部材の供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バックグラインド工程でICウェハーの非能動面を、ICウェハーの肉厚が一定以下になるまで研削できる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ICウェハーの能動面1A上の所定位置に複数個のパッド電極を形成する半導体素子形成工程と、前記パッド上にバンプ7を形成するバンプ形成工程と、ICウェハーの非能動面を研削して、ICウェハー1を所定の厚みにするバックグラインド工程とを有する半導体装置の製造方法において、バンプ形成工程では、ICウェハー1の周縁部分を残してバンプ7を形成し、バンプ形成工程とバックグラインド工程との間に、前記周縁部分に支持部材20を形成又は貼付する支持部材形成工程を設け、バックグラインド工程では、支持部材20でICウェハー1の周縁部分を支持させた状態で非能動面の研削を行うようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】ICウェハーの能動面1A上の所定位置に複数個のパッド電極を形成する半導体素子形成工程と、前記パッド上にバンプ7を形成するバンプ形成工程と、ICウェハーの非能動面を研削して、ICウェハー1を所定の厚みにするバックグラインド工程とを有する半導体装置の製造方法において、バンプ形成工程では、ICウェハー1の周縁部分を残してバンプ7を形成し、バンプ形成工程とバックグラインド工程との間に、前記周縁部分に支持部材20を形成又は貼付する支持部材形成工程を設け、バックグラインド工程では、支持部材20でICウェハー1の周縁部分を支持させた状態で非能動面の研削を行うようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型、薄型を要求される半導体装置の製造方法にかかり、特に、バックグラインド工程で非能動面を研削して、ICウェハーを薄型に加工する半導体装置の製造方法、この方法に使用されるシール部材及びシール部材の供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体パッケージの小型化、高密度化に伴い、ベア・チップを直接フェイスダウンで基板上に実装するフリップチップボンディングが開発されている。また、カメラ一体型VTRや携帯電話機等の登場により、ベア・チップと略同じ寸法の小型パッケージ、いわゆるCSP(チップサイズ/スケール・パッケージ)を載せた携帯機器が相次いで登場してきている。近年では、CSPの開発が急速に進んでいて、半導体装置の小型、薄型化の要求がますます高まってきている。
【0003】
上記したCSPの製造においては、ICウェハーのパッド電極面に半田バンプを形成することが行われているが、ICウェハーのパッド電極面に半田バンプを形成する方法としては、スタッドバンプ方式、ボールバンプ方式及びメッキバンプ方式等が知られている。この中で、パッド電極を設けた位置にレジストで窓を形成し、半田浴槽中に浸漬してメッキによって半田バンプを形成するメッキバンプ方式は、パッド電極間の狭い配列でバンプを形成することが可能で、ICチップの小型化に有利であり、このメッキバンプ方式をベースとした半導体装置の製造方法が種々提案されている(例えば、本願出願人による特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−31185号公報(明細書の発明の実施の形態の欄及び図面の図1、図2参照)
【0005】
図5は、上記の特許文献1に記載されたメッキバンプ法による半導体装置の製造方法を概略的に説明するフロー図及びその主要工程におけるICウェハーの状態を示す図である。
(a)は半導体素子形成工程で、所定の厚み、例えば、625μmの厚みを有するICウェハーの能動面1Aの所定位置に、複数個のパッド電極を形成する。
(b)は、ICウェハー1の能動面1Aのバッド電極上に、半田層2を形成する工程で、ICウェハー1のパッド電極の位置に、メッキバンプ方式により半田層2を形成する。
(c)は、フラックス塗布工程で、半田層2を被覆するようにスピンナー法によってフラックスを能動面1Aに一様に塗布する。
【0006】
(d)は、半田バンプ形成工程で、フラックス6で被覆された半田層2を所定の温度でリフローすることにより、半田がボール状に丸められてパッド電極上に半田バンプ7が形成される。
(e)は、バックグラインド用テープ貼着工程で、ICウェハー1の能動面1Aに、両面粘着テープ(以下、バックグラインド用テープと記載する)3の一方の面を貼着する。このバックグラインド用テープ3は、ICウェハー1の非能動面1Bと平行に紫外線を照射することにより硬化させて剥離が可能になるものである。
【0007】
(f)は、バックグラインド工程で、バックグラインド用テープ3の他方の面を図示しないグラインダ装置の研削テーブルに貼着し、研削砥石4でICウェハー1の非能動面1Bを、ICウェハー1の厚みが所定の厚みになるまで、例えば、400μm程度の厚みになるまで、研削する。
(g)は、バックグラインド用テープ剥離工程で、バックグラインド用テープ3に紫外線を照射してバックグラインド用テープ3をICウェハー1から剥離する。
(h)は、フラックス洗浄工程で、ICウェハー1の能動面1Bのフラックスを除去する。上記した(a)〜(h)の工程を経て、次の検査工程(i)に送られる。以上により、半導体装置の製造工程は終了する。
【0008】
上記の方法によれば、バックグラインド工程(f)において、半田バンプ形成工程(d)で塗布したフラックス6がICウェハー1の能動面1Aを保護しているので、研削中に発生したシリコン(Si)のカスがICウェハー1の能動面1Aに付着することがなく、かつ、フラックス洗浄の際に前記カスを容易に除去することができるという利点がある。また、半田層2を丸める半田バンプ形成工程(d)がバックグラインド工程(f)の前に設けられているので、ICウェハー1を研削した際に微細なマイクロクラックが発生したとしても、クラックが進行することがなく、ICウェハー1の割れ不良の発生を抑制できるという利点もある。
【0009】
ところで、近年では、さらに薄肉の半導体装置が求められている。しかしながら、上記従来の方法によっても、裏面研削後のICウェハー1の厚みが一定以下(例えば、6インチウェハーで200μm〜250μm以下)になると、ICウェハー1の剛性が、バックグラインド工程における研削による負荷に抗することができなくなり、研削を行う際にICウェハー1に割れが生じるという問題がある。また、上記の特許文献1に記載の技術では、フラックス6によってICウェハー1の能動面が保護されているが、ICウェハー1が一定以下の薄肉になると、研削した際に生じたマイクロクラックが、フラックス洗浄の際に進行して、割れを生じさせるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点にかんがみてなされたもので、バックグラインド工程でICウェハーの非能動面を研削する場合に、ICウェハーの肉厚を一定以下になるまで研削しても、ICウェハーに割れを生じさせることない半導体装置の製造方法,この方法に用いるシール部材及びシール部材の供給装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の発明者は、バックグラインド工程でICウェハーの非能動面の研削を行った場合、自由端であるICウェハーの周縁部分に割れやクラック(マイクロクラック)が発生しやすいことに着目した。そして、ICウェハーの周縁部分を支持部材で支持させた状態で研削を行うことで、割れやクラックが発生しにくくなり、ICウェハーの肉厚が前記一定以下になるまで研削を行ことが可能になることを見出した。
【0012】
具体的に、本発明は、ICウェハーの能動面上の所定位置に複数個のパッド電極を形成する半導体素子形成工程と、前記パッド上にバンプを形成するバンプ形成工程と、前記ICウェハーの非能動面を、前記ICウェハーを所定の厚みまで研削するバックグラインド工程とを有する半導体装置の製造方法において、前記ICウェハーの周縁部分を残して、前記バンプ形成工程でバンプを形成し、前記バンプ形成工程の後、前記バックグラインド工程の前に、前記周縁部分に支持部材を形成又は貼付する工程を設け、前記支持部材で前記ICウェハーの周縁部分を支持させた状態で、前記非能動面の研削を行う方法としてある。
【0013】
本発明においては、支持部材が能動面を外部から隔離しているので、バックグラインド工程で研削カスなどが能動面に付着するということがない。そのため、本発明においては、前記バンプ形成工程の前に、前記能動面にフラックスを塗布するフラックス塗布工程を設け、前記バンプ形成工程と前記支持部材形成工程との間に、前記フラックスを洗浄するフラックス洗浄工程を設けることができる。したがって、フラックス洗浄時の負荷によって、薄肉に研削されたICウェハーに割れが生じるという不都合を防止することができる。
なお、前記支持部材を前記ICウェハーから除去する支持部材除去工程は、前記バックグラインド工程で前記ICウェハーを固定するために前記能動面に貼り付けるバックグラインド用テープの剥離工程に設けてもよい。
【0014】
前記支持部材の肉厚は、前記バンプの高さと実質的に同一としてもよいが、前記バンプの高さよりも僅かに小さいものとするのが好ましい。
このようにすることで、バンプを十分にバックグラインド用テープ等に貼着させて、ICウェハーをしっかりと固定した状態で、非能動面の研削を行うことができる。
前記した支持部材としては、前記周縁部分に沿って貼り付けられる環状のシール部材とすることができる。このような環状のシール部材は、例えば、所定の肉厚及び所定の材質の樹脂フィルムから切り出すことで、形成することができる。
【0015】
上記のシール部材は、請求項5に記載の半導体装置の製造方法に用いられるシール部材であって、前記シール部材が、前記ICウェハーの外形形状と実質的に同一形状の環状の部材から形成され、かつ、前記ICウェハーの能動面を、前記能動面に貼着したバックグラインド用テープとの間で密封することができる材質から形成することができる。また、少なくとも一方の面に、前記ICウェハーの周縁部分に前記シール部材を貼着するための粘着層を設けてもよい。
【0016】
上記のシール部材は、前記シール部材を保持することのできる供給装置を用いてICウェハーに供給することができる。
この供給装置としては、例えば前記シール部材を吸着する吸着手段を備え、この吸着手段で前記シール部材を保持させるものを用いることができる。
また、前記ICウェハーの能動面に接触する前記シール部材の一面に粘着材が塗布されている場合には、前記粘着材による前記ICウェハーへの貼着力よりも前記吸着手段による前記シール部材の吸着力を弱くして、前記シール部材の前記一面が前記ICウェハーの能動面に貼り着けられることで、前記供給装置から前記ICウェハーに前記シール部材が受け渡されるようにすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の半導体装置の製造方法における一実施形態及び支持部材としてのシール部材の一実施形態について説明する。
[半導体装置の製造方法及びシール部材の説明]
図1は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態にかかり、その工程を説明するフロー図及びその主要工程におけるICウェハーの状態を示す図である。
【0018】
(a)は半導体素子形成工程で、従来と同様に、所定の厚み、例えば、625μmの厚みを有するICウェハー上の所定位置に複数個のパッド電極を形成する。なお、このとき、ICウェハーの周縁部分には、全周にわたってパッド電極を形成せず、後述するシール部材を貼り付けるためのスペースを予め確保しておく。
【0019】
(b)は、バッド上に半田層2を形成する工程である。この工程では、従来と同様に、ICウェハー1の能動面1Aのパッド電極を形成した位置に、メッキバンプ方式により半田層2を形成する。(a)で説明したように、パッド電極はICウェハー1の周縁部分を全周にわたって残して形成されているので、半田層2を形成しても、ICウェハー1の能動面1Aの周縁部分には所定幅のスペースSが確保されることになる。
(c)は、フラックス塗布工程で、半田層を被覆するようにスピンナー法にてフラックスを一様に塗布する。
(d)は、半田バンプ形成工程で、フラックス6で被覆された半田層2を所定の温度でリフローすることにより、半田がボール状に丸められてパッド電極上に半田バンプ7が形成される。
【0020】
(e)は、フラックス洗浄工程で、IC能動面のフラックス6を除去する。
このように、フラックスの洗浄を非能動面の研削の前に行うようにすることで、フラックス洗浄時の負荷によるICウェハー1の割れの発生を未然に防止することができる。
【0021】
(f)は、支持部材であるシール部材の貼り付け工程で、樹脂フィルムから形成されたシール部材20を、ICウェハー1の能動面1Aの周縁部分(スペースSの部分)に貼り付ける。
図2は、この実施形態のシール部材の詳細を説明する図で、図2(a)は、シール部材の全体形状を説明する斜視図、図2(b)は、シール部材の肉厚を説明する部分断面拡大図である。
【0022】
図2(a)に示すように、シール部材20は、ICウェハー1の外形と実質的に同一形状に形成され、周縁部分Sを全周にわたってシールすることができるように、環状に形成されている。
このシール部材20は、樹脂フィルム、例えば、BGAダイシングテープとして使用されている市販のポリエステルフィルム(例えば、株式会社東レ製
商品名 ELEP HOLDE NBD−2170K)から形成することができる。シート状の前記樹脂フィルムから、所定形状のシール部材20を切り出して形成してもよいし、金型を用いて、プレス成形又は射出成形により、所定形状のシール部材20を形成するようにしてもよい。
また、ICウェハー1の能動面1Aに接触するシール部材20の一面には、粘着材を塗布した粘着層を設け、ICウェハー1の能動面1Aの周縁部分Sにシール部材が貼着されるようにするのが好ましい。
【0023】
シール部材20の肉厚は、バンプ7の高さと実質的に同じとしてもよいが、ICウェハー1の能動面1Aを後述するバックグラインド用テープに貼り付けたときに、バンプ7の一部がバックグラインド用テープ3に食い込んで、ICウェハー1がしっかりとバックグラインド用テープ3に固定されるように、バンプ7の高さよりも若干薄いものとするのが好ましい。これを、図2(b)を参照しながら説明すると、能動面1Aからバンプ7の頂部までの高さをH1、バックグラインド用テープ3に貼り付けたときのバンプ7の食い込み量をhとした場合に、シール部材20の肉厚が、H2=H1−h程度になるように形成するとよい。
本発明は、高さH1=25〜300μm程度の大きさのバンプ7を有する半導体装置の製造に適用が可能であるが、前記の高さ寸法に対して、80%〜90%程度を目安として、シール部材20の肉厚H2を決定するとよい。
【0024】
シール部材の貼り付け工程(f)の後の(g)は、バックグラインド用テープ貼着工程で、ICウェハー1の能動面1Aに、両面に粘着材が塗布されたバックグラインド用テープ3の一方の面を貼着する。このバックグラインド用テープ3は、従来と同様に、ICウェハー1の非能動面1Bと平行に紫外線を照射することにより硬化して、剥離が可能になるものである。
【0025】
(h)は、バックグラインド工程で、バックグラインド用テープ3の他方の面を図示しないグラインダ装置の研削テーブルに貼着し、研削砥石4でICウェハー1の非能動面1Bを所定の厚みになるまで研削する。
このとき、バックグラインド用テープ3に貼り付けたシール部材20が、ICウェハー1の周縁部分に作用する研削時の垂直方向の負荷をバックグラインド用テープ3に伝達して逃すので、前記周縁部分にはほとんど垂直方向の負荷が作用しない。そのため、マイクロクラックや割れ等の発生が効果的に抑制される。
【0026】
さらに、このシール部材20は、バンプ7が形成された能動面1Aを外部と隔離して密封状態にしているので、研削時にICウェハー1に供給される研削液が能動面1A側に浸入するのを防ぎ、研削後にICウェハー1の能動面1Aを洗浄する必要がなくなる。そのため、バックグラインド工程(h)の前にフラックス6の洗浄を行うことができ、フラックス洗浄時にICウェハー1に作用する負荷や、フラックス洗浄時に付与される超音波などによって、薄肉に研削されたICウェハー1が割れる等の不都合を防止することができる。
【0027】
(i)は、バックグラインド用テープ剥離工程で、バックグラインド用テープ3にUV照射してバックグラインド用テープ3をICウェハー1から剥離する。
また、この工程で、シール部材20をICウェハー1から剥離するようにしてもよい。
上記した(a)〜(i)の工程を経て、次の検査工程(j)に送られる。以上により、半導体装置の製造工程は終了する。
【0028】
このように、本発明によれば、従来の方法では加工できなかった厚さ(100μm程度)までICウェハー1を研削することができ、きわめて薄肉の半導体装置を製造することができる。
また、従来と同程度の厚さにICウェハーを研削する場合においては、研削時又は研削後の各工程におけるICウェハーの割れ歩留まりを向上させることができる。
【0029】
[シール部材の供給装置の説明]
次に、図3及び図4を参照しながら、上記の製造方法で使用されるシール部材の供給装置の一実施形態について説明する。
シール部材のICウェハーへの供給は、以下に説明するシール部材の供給装置を用いて、自動で行うことができる。
図3は、上記のシール部材をICウェハーに自動供給するための供給装置の一例にかかり、その斜視図である。
供給装置30は、図示しないロボットハンド等の搬送装置に取り付けられる本体31と、この本体31の一面側のほぼ中央に凹設されたシール部材の収容部32と、この収容部32の底部の周縁に沿って形成された複数のエア流通孔33と、本体31の側面に取り付けられ、エア流通孔33と連通する吸気管34及び送気管35とを有している。
【0030】
エア流通孔33は、シール部材20の全体を吸着して保持することができるように、前記底部の周縁の全周にわたって均等間隔で複数形成するのがよく、かつ、シール部材20を吸着・保持したときにエア漏れが無いように、シール部材20の幅よりも小さい孔径とするのが好ましい。
吸気管34及び送気管35は、図示しない切替弁に接続されていて、この切替弁の切り替え動作によって、エア流通孔33に吸引用のエアを供給し、又は吹き出し用のエアを供給することができるようになっている。そして、エア流通孔33に吸引用のエアを供給することで、シール部材20が収容部32の底部に吸着されて保持される。また、前記切替弁を切り替えてエア流通孔33に吹き出し用のエアを供給することで、シール部材20の保持が解除され、シール部材20が供給装置30からICウェハー1に受け渡される。
【0031】
図4は、上記の供給装置30を用いたシール部材20の供給過程の一例を説明する概略図である。
図4(a)に示すように、台紙21上にシール部材20を軽く貼り付けた状態で準備し、その真上に、供給装置30を位置決めする。
図4(b)に示すように、供給装置30を下降させ、収納部32内にシール部材20を収容する。そして、ブロワー等の図示しないエア供給装置を駆動させて、エア流通孔33からエアを吸引させ、シール部材20を供給装置30に吸着させる。
【0032】
図4(c)に示すように、供給装置30を上昇させて、シール部材20を台紙21から剥離させる。エア流通孔33からの吸引エアの圧力を、台紙21に対するシール部材20の貼着力よりも強くすることで、供給装置30の上昇動作にともなって、シール部材20が台紙21から剥離する。
図4(d)に示すように、供給装置30を図示しない半導体製造装置のICウェハー1の真上位置まで移動させて位置決めする。
図4(e)に示すように、供給装置30を下降させて収納部32内に吸着・保持したシール部材20をICウェハー1の能動面に貼り付ける。
この後、図示しない切替弁を切り替えて、エア流通孔33からエアを吹き出させながら、図4(f)に示すように、供給装置30を上昇させる。これにより、ICウェハー1にシール部材20が受け渡される。
【0033】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態により何ら限定されるものではない。
例えば、上記の説明では、ICウェハーの周縁部分に樹脂フィルムから形成したシール部材を貼り付けるものとして説明したが、バックグラインド用テープと同一の材質を周縁部分に塗布し、紫外線照射により硬化させて支持部材を形成するようにしてもよい。
また、シール部材20の供給装置30は、切替弁を切り替えることによってエア流通孔33からエアを吹き出させ、これによって、シール部材20をICウェハー1に受け渡すものとして説明したが、シール部材20をICウェハー1に貼着させたときの貼着力に対して、シール部材20を吸引・保持するための吸引エアの圧力を十分に小さくすることで、エアの吹き出しを行うことなく、シール部材20をICウェハー1に受け渡すことが可能になる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、バックグラインド工程でICウェハーの非能動面を研削する場合に、ICウェハーの肉厚を一定以下になるまで研削しても、ICウェハーに割れ等を生じさせることがなく、従来に比してきわめて薄肉で高品質の半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態にかかり、その工程を説明するフロー図及びその主要工程におけるICウェハーの状態を示す図である。
【図2】図2(a)は、シール部材の形状を説明する斜視図、図2(b)は、シール部材の肉厚を説明する部分拡大断面図である。
【図3】シール部材をICウェハーに自動供給するための供給装置の一例にかかり、その斜視図である。
【図4】図3の供給装置によるシール部材の供給過程の一例を説明する図である。
【図5】本発明の従来例にかかり、メッキバンプ法による半導体装置の製造方法を概略的に説明するフロー図及びその主要工程におけるICウェハーの状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ICウェハー
2 半田層
3 バックグラインド用テープ
6 フラックス
7 バンプ
20 シール部材(支持部材)
30 シール部材の供給装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型、薄型を要求される半導体装置の製造方法にかかり、特に、バックグラインド工程で非能動面を研削して、ICウェハーを薄型に加工する半導体装置の製造方法、この方法に使用されるシール部材及びシール部材の供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体パッケージの小型化、高密度化に伴い、ベア・チップを直接フェイスダウンで基板上に実装するフリップチップボンディングが開発されている。また、カメラ一体型VTRや携帯電話機等の登場により、ベア・チップと略同じ寸法の小型パッケージ、いわゆるCSP(チップサイズ/スケール・パッケージ)を載せた携帯機器が相次いで登場してきている。近年では、CSPの開発が急速に進んでいて、半導体装置の小型、薄型化の要求がますます高まってきている。
【0003】
上記したCSPの製造においては、ICウェハーのパッド電極面に半田バンプを形成することが行われているが、ICウェハーのパッド電極面に半田バンプを形成する方法としては、スタッドバンプ方式、ボールバンプ方式及びメッキバンプ方式等が知られている。この中で、パッド電極を設けた位置にレジストで窓を形成し、半田浴槽中に浸漬してメッキによって半田バンプを形成するメッキバンプ方式は、パッド電極間の狭い配列でバンプを形成することが可能で、ICチップの小型化に有利であり、このメッキバンプ方式をベースとした半導体装置の製造方法が種々提案されている(例えば、本願出願人による特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−31185号公報(明細書の発明の実施の形態の欄及び図面の図1、図2参照)
【0005】
図5は、上記の特許文献1に記載されたメッキバンプ法による半導体装置の製造方法を概略的に説明するフロー図及びその主要工程におけるICウェハーの状態を示す図である。
(a)は半導体素子形成工程で、所定の厚み、例えば、625μmの厚みを有するICウェハーの能動面1Aの所定位置に、複数個のパッド電極を形成する。
(b)は、ICウェハー1の能動面1Aのバッド電極上に、半田層2を形成する工程で、ICウェハー1のパッド電極の位置に、メッキバンプ方式により半田層2を形成する。
(c)は、フラックス塗布工程で、半田層2を被覆するようにスピンナー法によってフラックスを能動面1Aに一様に塗布する。
【0006】
(d)は、半田バンプ形成工程で、フラックス6で被覆された半田層2を所定の温度でリフローすることにより、半田がボール状に丸められてパッド電極上に半田バンプ7が形成される。
(e)は、バックグラインド用テープ貼着工程で、ICウェハー1の能動面1Aに、両面粘着テープ(以下、バックグラインド用テープと記載する)3の一方の面を貼着する。このバックグラインド用テープ3は、ICウェハー1の非能動面1Bと平行に紫外線を照射することにより硬化させて剥離が可能になるものである。
【0007】
(f)は、バックグラインド工程で、バックグラインド用テープ3の他方の面を図示しないグラインダ装置の研削テーブルに貼着し、研削砥石4でICウェハー1の非能動面1Bを、ICウェハー1の厚みが所定の厚みになるまで、例えば、400μm程度の厚みになるまで、研削する。
(g)は、バックグラインド用テープ剥離工程で、バックグラインド用テープ3に紫外線を照射してバックグラインド用テープ3をICウェハー1から剥離する。
(h)は、フラックス洗浄工程で、ICウェハー1の能動面1Bのフラックスを除去する。上記した(a)〜(h)の工程を経て、次の検査工程(i)に送られる。以上により、半導体装置の製造工程は終了する。
【0008】
上記の方法によれば、バックグラインド工程(f)において、半田バンプ形成工程(d)で塗布したフラックス6がICウェハー1の能動面1Aを保護しているので、研削中に発生したシリコン(Si)のカスがICウェハー1の能動面1Aに付着することがなく、かつ、フラックス洗浄の際に前記カスを容易に除去することができるという利点がある。また、半田層2を丸める半田バンプ形成工程(d)がバックグラインド工程(f)の前に設けられているので、ICウェハー1を研削した際に微細なマイクロクラックが発生したとしても、クラックが進行することがなく、ICウェハー1の割れ不良の発生を抑制できるという利点もある。
【0009】
ところで、近年では、さらに薄肉の半導体装置が求められている。しかしながら、上記従来の方法によっても、裏面研削後のICウェハー1の厚みが一定以下(例えば、6インチウェハーで200μm〜250μm以下)になると、ICウェハー1の剛性が、バックグラインド工程における研削による負荷に抗することができなくなり、研削を行う際にICウェハー1に割れが生じるという問題がある。また、上記の特許文献1に記載の技術では、フラックス6によってICウェハー1の能動面が保護されているが、ICウェハー1が一定以下の薄肉になると、研削した際に生じたマイクロクラックが、フラックス洗浄の際に進行して、割れを生じさせるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点にかんがみてなされたもので、バックグラインド工程でICウェハーの非能動面を研削する場合に、ICウェハーの肉厚を一定以下になるまで研削しても、ICウェハーに割れを生じさせることない半導体装置の製造方法,この方法に用いるシール部材及びシール部材の供給装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の発明者は、バックグラインド工程でICウェハーの非能動面の研削を行った場合、自由端であるICウェハーの周縁部分に割れやクラック(マイクロクラック)が発生しやすいことに着目した。そして、ICウェハーの周縁部分を支持部材で支持させた状態で研削を行うことで、割れやクラックが発生しにくくなり、ICウェハーの肉厚が前記一定以下になるまで研削を行ことが可能になることを見出した。
【0012】
具体的に、本発明は、ICウェハーの能動面上の所定位置に複数個のパッド電極を形成する半導体素子形成工程と、前記パッド上にバンプを形成するバンプ形成工程と、前記ICウェハーの非能動面を、前記ICウェハーを所定の厚みまで研削するバックグラインド工程とを有する半導体装置の製造方法において、前記ICウェハーの周縁部分を残して、前記バンプ形成工程でバンプを形成し、前記バンプ形成工程の後、前記バックグラインド工程の前に、前記周縁部分に支持部材を形成又は貼付する工程を設け、前記支持部材で前記ICウェハーの周縁部分を支持させた状態で、前記非能動面の研削を行う方法としてある。
【0013】
本発明においては、支持部材が能動面を外部から隔離しているので、バックグラインド工程で研削カスなどが能動面に付着するということがない。そのため、本発明においては、前記バンプ形成工程の前に、前記能動面にフラックスを塗布するフラックス塗布工程を設け、前記バンプ形成工程と前記支持部材形成工程との間に、前記フラックスを洗浄するフラックス洗浄工程を設けることができる。したがって、フラックス洗浄時の負荷によって、薄肉に研削されたICウェハーに割れが生じるという不都合を防止することができる。
なお、前記支持部材を前記ICウェハーから除去する支持部材除去工程は、前記バックグラインド工程で前記ICウェハーを固定するために前記能動面に貼り付けるバックグラインド用テープの剥離工程に設けてもよい。
【0014】
前記支持部材の肉厚は、前記バンプの高さと実質的に同一としてもよいが、前記バンプの高さよりも僅かに小さいものとするのが好ましい。
このようにすることで、バンプを十分にバックグラインド用テープ等に貼着させて、ICウェハーをしっかりと固定した状態で、非能動面の研削を行うことができる。
前記した支持部材としては、前記周縁部分に沿って貼り付けられる環状のシール部材とすることができる。このような環状のシール部材は、例えば、所定の肉厚及び所定の材質の樹脂フィルムから切り出すことで、形成することができる。
【0015】
上記のシール部材は、請求項5に記載の半導体装置の製造方法に用いられるシール部材であって、前記シール部材が、前記ICウェハーの外形形状と実質的に同一形状の環状の部材から形成され、かつ、前記ICウェハーの能動面を、前記能動面に貼着したバックグラインド用テープとの間で密封することができる材質から形成することができる。また、少なくとも一方の面に、前記ICウェハーの周縁部分に前記シール部材を貼着するための粘着層を設けてもよい。
【0016】
上記のシール部材は、前記シール部材を保持することのできる供給装置を用いてICウェハーに供給することができる。
この供給装置としては、例えば前記シール部材を吸着する吸着手段を備え、この吸着手段で前記シール部材を保持させるものを用いることができる。
また、前記ICウェハーの能動面に接触する前記シール部材の一面に粘着材が塗布されている場合には、前記粘着材による前記ICウェハーへの貼着力よりも前記吸着手段による前記シール部材の吸着力を弱くして、前記シール部材の前記一面が前記ICウェハーの能動面に貼り着けられることで、前記供給装置から前記ICウェハーに前記シール部材が受け渡されるようにすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の半導体装置の製造方法における一実施形態及び支持部材としてのシール部材の一実施形態について説明する。
[半導体装置の製造方法及びシール部材の説明]
図1は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態にかかり、その工程を説明するフロー図及びその主要工程におけるICウェハーの状態を示す図である。
【0018】
(a)は半導体素子形成工程で、従来と同様に、所定の厚み、例えば、625μmの厚みを有するICウェハー上の所定位置に複数個のパッド電極を形成する。なお、このとき、ICウェハーの周縁部分には、全周にわたってパッド電極を形成せず、後述するシール部材を貼り付けるためのスペースを予め確保しておく。
【0019】
(b)は、バッド上に半田層2を形成する工程である。この工程では、従来と同様に、ICウェハー1の能動面1Aのパッド電極を形成した位置に、メッキバンプ方式により半田層2を形成する。(a)で説明したように、パッド電極はICウェハー1の周縁部分を全周にわたって残して形成されているので、半田層2を形成しても、ICウェハー1の能動面1Aの周縁部分には所定幅のスペースSが確保されることになる。
(c)は、フラックス塗布工程で、半田層を被覆するようにスピンナー法にてフラックスを一様に塗布する。
(d)は、半田バンプ形成工程で、フラックス6で被覆された半田層2を所定の温度でリフローすることにより、半田がボール状に丸められてパッド電極上に半田バンプ7が形成される。
【0020】
(e)は、フラックス洗浄工程で、IC能動面のフラックス6を除去する。
このように、フラックスの洗浄を非能動面の研削の前に行うようにすることで、フラックス洗浄時の負荷によるICウェハー1の割れの発生を未然に防止することができる。
【0021】
(f)は、支持部材であるシール部材の貼り付け工程で、樹脂フィルムから形成されたシール部材20を、ICウェハー1の能動面1Aの周縁部分(スペースSの部分)に貼り付ける。
図2は、この実施形態のシール部材の詳細を説明する図で、図2(a)は、シール部材の全体形状を説明する斜視図、図2(b)は、シール部材の肉厚を説明する部分断面拡大図である。
【0022】
図2(a)に示すように、シール部材20は、ICウェハー1の外形と実質的に同一形状に形成され、周縁部分Sを全周にわたってシールすることができるように、環状に形成されている。
このシール部材20は、樹脂フィルム、例えば、BGAダイシングテープとして使用されている市販のポリエステルフィルム(例えば、株式会社東レ製
商品名 ELEP HOLDE NBD−2170K)から形成することができる。シート状の前記樹脂フィルムから、所定形状のシール部材20を切り出して形成してもよいし、金型を用いて、プレス成形又は射出成形により、所定形状のシール部材20を形成するようにしてもよい。
また、ICウェハー1の能動面1Aに接触するシール部材20の一面には、粘着材を塗布した粘着層を設け、ICウェハー1の能動面1Aの周縁部分Sにシール部材が貼着されるようにするのが好ましい。
【0023】
シール部材20の肉厚は、バンプ7の高さと実質的に同じとしてもよいが、ICウェハー1の能動面1Aを後述するバックグラインド用テープに貼り付けたときに、バンプ7の一部がバックグラインド用テープ3に食い込んで、ICウェハー1がしっかりとバックグラインド用テープ3に固定されるように、バンプ7の高さよりも若干薄いものとするのが好ましい。これを、図2(b)を参照しながら説明すると、能動面1Aからバンプ7の頂部までの高さをH1、バックグラインド用テープ3に貼り付けたときのバンプ7の食い込み量をhとした場合に、シール部材20の肉厚が、H2=H1−h程度になるように形成するとよい。
本発明は、高さH1=25〜300μm程度の大きさのバンプ7を有する半導体装置の製造に適用が可能であるが、前記の高さ寸法に対して、80%〜90%程度を目安として、シール部材20の肉厚H2を決定するとよい。
【0024】
シール部材の貼り付け工程(f)の後の(g)は、バックグラインド用テープ貼着工程で、ICウェハー1の能動面1Aに、両面に粘着材が塗布されたバックグラインド用テープ3の一方の面を貼着する。このバックグラインド用テープ3は、従来と同様に、ICウェハー1の非能動面1Bと平行に紫外線を照射することにより硬化して、剥離が可能になるものである。
【0025】
(h)は、バックグラインド工程で、バックグラインド用テープ3の他方の面を図示しないグラインダ装置の研削テーブルに貼着し、研削砥石4でICウェハー1の非能動面1Bを所定の厚みになるまで研削する。
このとき、バックグラインド用テープ3に貼り付けたシール部材20が、ICウェハー1の周縁部分に作用する研削時の垂直方向の負荷をバックグラインド用テープ3に伝達して逃すので、前記周縁部分にはほとんど垂直方向の負荷が作用しない。そのため、マイクロクラックや割れ等の発生が効果的に抑制される。
【0026】
さらに、このシール部材20は、バンプ7が形成された能動面1Aを外部と隔離して密封状態にしているので、研削時にICウェハー1に供給される研削液が能動面1A側に浸入するのを防ぎ、研削後にICウェハー1の能動面1Aを洗浄する必要がなくなる。そのため、バックグラインド工程(h)の前にフラックス6の洗浄を行うことができ、フラックス洗浄時にICウェハー1に作用する負荷や、フラックス洗浄時に付与される超音波などによって、薄肉に研削されたICウェハー1が割れる等の不都合を防止することができる。
【0027】
(i)は、バックグラインド用テープ剥離工程で、バックグラインド用テープ3にUV照射してバックグラインド用テープ3をICウェハー1から剥離する。
また、この工程で、シール部材20をICウェハー1から剥離するようにしてもよい。
上記した(a)〜(i)の工程を経て、次の検査工程(j)に送られる。以上により、半導体装置の製造工程は終了する。
【0028】
このように、本発明によれば、従来の方法では加工できなかった厚さ(100μm程度)までICウェハー1を研削することができ、きわめて薄肉の半導体装置を製造することができる。
また、従来と同程度の厚さにICウェハーを研削する場合においては、研削時又は研削後の各工程におけるICウェハーの割れ歩留まりを向上させることができる。
【0029】
[シール部材の供給装置の説明]
次に、図3及び図4を参照しながら、上記の製造方法で使用されるシール部材の供給装置の一実施形態について説明する。
シール部材のICウェハーへの供給は、以下に説明するシール部材の供給装置を用いて、自動で行うことができる。
図3は、上記のシール部材をICウェハーに自動供給するための供給装置の一例にかかり、その斜視図である。
供給装置30は、図示しないロボットハンド等の搬送装置に取り付けられる本体31と、この本体31の一面側のほぼ中央に凹設されたシール部材の収容部32と、この収容部32の底部の周縁に沿って形成された複数のエア流通孔33と、本体31の側面に取り付けられ、エア流通孔33と連通する吸気管34及び送気管35とを有している。
【0030】
エア流通孔33は、シール部材20の全体を吸着して保持することができるように、前記底部の周縁の全周にわたって均等間隔で複数形成するのがよく、かつ、シール部材20を吸着・保持したときにエア漏れが無いように、シール部材20の幅よりも小さい孔径とするのが好ましい。
吸気管34及び送気管35は、図示しない切替弁に接続されていて、この切替弁の切り替え動作によって、エア流通孔33に吸引用のエアを供給し、又は吹き出し用のエアを供給することができるようになっている。そして、エア流通孔33に吸引用のエアを供給することで、シール部材20が収容部32の底部に吸着されて保持される。また、前記切替弁を切り替えてエア流通孔33に吹き出し用のエアを供給することで、シール部材20の保持が解除され、シール部材20が供給装置30からICウェハー1に受け渡される。
【0031】
図4は、上記の供給装置30を用いたシール部材20の供給過程の一例を説明する概略図である。
図4(a)に示すように、台紙21上にシール部材20を軽く貼り付けた状態で準備し、その真上に、供給装置30を位置決めする。
図4(b)に示すように、供給装置30を下降させ、収納部32内にシール部材20を収容する。そして、ブロワー等の図示しないエア供給装置を駆動させて、エア流通孔33からエアを吸引させ、シール部材20を供給装置30に吸着させる。
【0032】
図4(c)に示すように、供給装置30を上昇させて、シール部材20を台紙21から剥離させる。エア流通孔33からの吸引エアの圧力を、台紙21に対するシール部材20の貼着力よりも強くすることで、供給装置30の上昇動作にともなって、シール部材20が台紙21から剥離する。
図4(d)に示すように、供給装置30を図示しない半導体製造装置のICウェハー1の真上位置まで移動させて位置決めする。
図4(e)に示すように、供給装置30を下降させて収納部32内に吸着・保持したシール部材20をICウェハー1の能動面に貼り付ける。
この後、図示しない切替弁を切り替えて、エア流通孔33からエアを吹き出させながら、図4(f)に示すように、供給装置30を上昇させる。これにより、ICウェハー1にシール部材20が受け渡される。
【0033】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態により何ら限定されるものではない。
例えば、上記の説明では、ICウェハーの周縁部分に樹脂フィルムから形成したシール部材を貼り付けるものとして説明したが、バックグラインド用テープと同一の材質を周縁部分に塗布し、紫外線照射により硬化させて支持部材を形成するようにしてもよい。
また、シール部材20の供給装置30は、切替弁を切り替えることによってエア流通孔33からエアを吹き出させ、これによって、シール部材20をICウェハー1に受け渡すものとして説明したが、シール部材20をICウェハー1に貼着させたときの貼着力に対して、シール部材20を吸引・保持するための吸引エアの圧力を十分に小さくすることで、エアの吹き出しを行うことなく、シール部材20をICウェハー1に受け渡すことが可能になる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、バックグラインド工程でICウェハーの非能動面を研削する場合に、ICウェハーの肉厚を一定以下になるまで研削しても、ICウェハーに割れ等を生じさせることがなく、従来に比してきわめて薄肉で高品質の半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態にかかり、その工程を説明するフロー図及びその主要工程におけるICウェハーの状態を示す図である。
【図2】図2(a)は、シール部材の形状を説明する斜視図、図2(b)は、シール部材の肉厚を説明する部分拡大断面図である。
【図3】シール部材をICウェハーに自動供給するための供給装置の一例にかかり、その斜視図である。
【図4】図3の供給装置によるシール部材の供給過程の一例を説明する図である。
【図5】本発明の従来例にかかり、メッキバンプ法による半導体装置の製造方法を概略的に説明するフロー図及びその主要工程におけるICウェハーの状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ICウェハー
2 半田層
3 バックグラインド用テープ
6 フラックス
7 バンプ
20 シール部材(支持部材)
30 シール部材の供給装置
Claims (9)
- ICウェハーの能動面上の所定位置に複数個のパッド電極を形成する半導体素子形成工程と、前記パッド上にバンプを形成するバンプ形成工程と、前記ICウェハーの非能動面を、前記ICウェハーを所定の厚みまで研削するバックグラインド工程とを有する半導体装置の製造方法において、
前記バンプ形成工程では、前記ICウェハーの周縁部分を残してバンプを形成し、
前記バンプ形成工程と前記バックグラインド工程との間に、前記周縁部分に支持部材を形成又は貼付する支持部材形成工程を設け、
前記バックグラインド工程では、前記支持部材で前記ICウェハーの周縁部分を支持させた状態で前記非能動面の研削を行うこと、
を特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記バンプ形成工程の前に、前記能動面にフラックスを塗布するフラックス塗布工程を設け、前記バンプ形成工程と前記支持部材形成工程との間に、前記フラックスを洗浄するフラックス洗浄工程を設けたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記支持部材を前記ICウェハーから除去する支持部材除去工程を、前記バックグラインド工程で前記ICウェハーを固定するために前記能動面に貼り付けるバックグラインド用テープの剥離工程に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記支持部材が、前記バンプの高さと実質的に同一の高さ又は前記バンプの高さよりも僅かに小さい高さを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記支持部材が、前記周縁部分に沿って貼り付けられる環状のシール部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 請求項5に記載の半導体装置の製造方法に用いられるシール部材であって、
前記シール部材が、前記ICウェハーの外形形状と実質的に同一形状の環状の部材から形成され、かつ、前記ICウェハーの能動面を、前記能動面に貼着したバックグラインド用テープとの間で密封することができる材質から形成されていること、
を特徴とするシール部材。 - 少なくとも一方の面に、前記ICウェハーの周縁部分に前記シール部材を貼着するための粘着層を設けたことを特徴とする請求項6に記載のシール部材。
- 請求項6又は7に記載の半導体装置の製造方法に用いられ、前記シール部材を保持して前記ICウェハーに供給するシール部材の供給装置であって、
前記シール部材を吸着する吸着手段を備え、この吸着手段で前記シール部材を吸着・保持して前記ICウェハー上に搬送し、前記シール部材を前記ICウェハーに受け渡すこと、
を特徴とするシール部材の供給装置。 - 前記ICウェハーの能動面に接触する前記シール部材の一面に粘着材が塗布されている場合において、
少なくとも前記シール部材を前記ICウェハーに受け渡す際に、前記吸着手段による前記シール部材の吸着力を、前記粘着材による前記ICウェハーへの貼着力よりも弱くして、前記シール部材の前記一面が前記ICウェハーの能動面に貼り着けられることで、前記供給装置から前記ICウェハーに前記シール部材が受け渡されること、
を特徴とする請求項8に記載のシール部材の供給装置。
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