JP2004287085A - 画像形成装置 - Google Patents

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貴弘 鈴木
Taketoshi Hoshizaki
武敏 星崎
Katsumi Nukada
克己 額田
Mitsuhide Nakamura
光秀 中村
Kazuhiro Koseki
一浩 小関
Noriyuki Yamashita
敬之 山下
Wataru Yamada
渉 山田
Koji Bando
浩二 坂東
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Abstract

【課題】露光装置の光源として面発光レーザアレイを搭載した場合でも、画像の画質の向上、画像形成速度の高速化及び小型化が容易に実現可能であり、然も長期にわたり画像形成プロセスを繰り返しても良好な画質の画像を得れる画像形成装置の提供。
【解決手段】画像形成装置100は、感光体12、帯電装置14、露光装置16、現像装置18及び転写装置42を備える。露光装置16は、2以上の発光素子を各々有する面発光レーザアレイを露光光源として備え、複数本の光ビームを感光体上に走査させて静電潜像を形成させる方式を採用する。感光体の導電性支持体から最も離れた位置に配置される最外部の層には、少なくとも1種類の電荷輸送化合物又は該化合物から誘導される特性基を含有しており、隣り合うSi原子の間にO原子が架橋した結合が3次元的に形成された構造を有するケイ素含有樹脂が含まれている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は帯電、露光、現像、転写等を含む電子写真プロセスにより画像形成を行う画像形成装置であって、複写機、プリンター及びファクシミリ等に用いられる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置において、帯電した電子写真感光体に静電潜像を形成させる方法として、複数本の光ビームを電子写真感光体上に走査させる方法(以下、「マルチビーム方式」という)が知られている。このようなマルチビーム方式の画像形成装置は、以下の1)〜3)の利点から、画像形成プロセスの高速化に有効であると考えられている。
【0003】
1)n(nは自然数)本のレーザビームを用いた画像形成装置の場合には、レーザビームの走査速度とプリントスピードを単一のレーザビームを用いた場合と等しく設定した場合は、走査線の密度をn倍にすることができ、高解像度の画像記録が可能となる。2)レーザビームの走査速度と走査線の密度を単一の場合と等しく設定した場合は、プリントスピードをn倍に高速化することが可能となる。3)プリントスピードとレーザビームの走査密度を単一の場合と等しく設定した場合は、各レーザビームの走査速度を低減すること{つまり、レーザビームを反射して反射ビームを電子写真感光体表面に照射させることにより静電潜像を形成するための回転多面鏡(ポリゴンミラー)の回転数を1/n倍にすること}ができるため、回転多面鏡を回転駆動するための機構を簡略化してコストダウンが可能となる。
【0004】
このようなマルチビーム方式の画像形成装置としては、複数本のレーザ光を各々偏向して電子写真感光体等の被走査体上で同時に走査させ、1回の主走査で複数本の走査線の走査を行うことで画像を形成する構成の画像形成装置であって、露光装置の光源としてアレイ化が容易な面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Emitting Laser)を用い、同時に走査させるレーザ光の本数(レーザ光によって同時に走査される走査線の本数)を増加させることで、画像の高画質化及び画像形成速度の高速化を目指したものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
一方、画像形成装置においては、画像の高画質化及び画像形成速度の高速化のみならず、小型化及び高画質の画像を長期にわたり安定して形成可能とするための長寿命化も要求されている。画像形成装置の寿命はこれに搭載される感光体の寿命に大きく依存する場合が多く、それは電子写真プロセスにおいての、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの反復過程で機械的、化学的作用を受け感光体の画像形成特性が徐々に劣化することに起因することが知られている。
【0006】
上記化学的劣化による画質低下は上記反復過程で発生するオゾンによる、感光体中のバインダー樹脂の酸化の進行及び電荷移動物質の酸化の進行により起こることが知られている。また、上記機械的劣化による画質低下は上記電子写真プロセスの反復過程で生ずる堆積物などによる感光体の摩耗の進行及び/又は傷の発生により起こることが知られている。特に、画像形成速度の高速化及び装置の小型化を目指すことに伴って感光体が小径化されると、上記反復過程での感光体の使用条件が厳しくなり機械的劣化による画質低下が顕著になる。
【0007】
例えば、クリーニング部でゴムブレードを使用される場合には、感光体を十分にクリーニングする観点からゴムブレードの構成材料であるゴムとしてゴム硬度が大きなものが使用され、感光体へのゴムブレードの当接圧力が大きくなるなため、感光体の摩耗の進行が促進され、上記反復過程での感光体の電位変動、感度変動が生じ、これによる異常画像が形成されたり、カラー画像の場合にはその色バランスがくずれて十分な色再現性が得られなくなるという問題が発生していた。
【0008】
上記の問題を解決する試みとしては、例えば、感光体の感光層上に保護層を設けたり、感光層中に無機フィラーを添加する構成を採用する技術が提案されている(例えば、特許文献2〜7参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−294005号公報
【特許文献2】
特開平1−205171号公報
【特許文献3】
特開平7−333881号公報
【特許文献4】
特開平8−15887号公報
【特許文献5】
特開平8−123053号公報
【特許文献6】
特開平8−146641号公報
【特許文献7】
特開平8−179542号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先に述べた特許文献1に記載の画像形成装置をはじめとする露光装置の光源として面発光レーザを用いる従来の画像形成装置では、下記2つの理由により感光体上での光量が低下する欠点があることを本発明者らは見出した。
【0011】
すなわち、一つめの理由は面発光レーザアレイ自体のキャビティーの容積が小さいために発光点一つ当たりの発光量を十分にえることができないことである。二つの理由は、発光点が近接している面発光レーザアレイを利用しつつ同時に感光体上での所望のビーム径を得る観点から、走査光学系中にアパーチャーを備える必要があり、そのために光量が低下することである。また、アパーチャーを使用する場合、形成する画像の更なる高解像度化を図るためには、より小さなアパーチャーを使用しなければならないので、さらに光量が低下することとなる。
【0012】
また、上述の特許文献1〜7に記載の画像形成装置においては、感光体の感光層上に保護層を設けたり、感光層中に無機フィラーを添加する構成を採用する技術により、耐摩耗性は向上するものの、長期にわたり連続的に繰り返して画像を形成させて場合、感光体の露光をうける部分の電位上昇が起こり、画像濃度の低下などの画像劣化が発生して十分な画像品質の画像を得ることができていないことを本発明者らは見出した。特に、上述の特許文献7に記載の保護層は機械的強度が高く耐摩耗性向上するものの画像解像力が低下し、文字の太りが観察され高画質を達成するのに十分ではないことを本発明者らは見出した。
【0013】
すなわち、面発光レーザアレイを光源として使用した走査光学系を有する露光装置を搭載した従来の画像形成装置においては、装置の小型化及び画像の形成速度の高速化ができると同時に、形成する画像の高画質化(高解像度化)を図りかつその画質を長期にわたり良好な状態に保持することが困難であった。
【0014】
例えば、高画質化を達成させるためには、感光層の厚さは薄くすることが好ましいが、この場合には長期にわたる繰り返し使用に伴って感光体の摩耗による画像品質の低下が顕著になる。特に、面発光レーザアレイを光源として使用した従来の画像形成装置においては、先に述べたように露光の光量が比較的少なくなるため、感光体の僅かの摩耗が、感光体の電位変動、感度変動特に低感度化を起していた。また、例えば、画像形成装置の小型化を図る観点から感光体の小径化を行うと、接触型の帯電器を使用することが必要になる傾向にあること、画像形成のサイクル数が増える傾向にあることなどから、感光体の摩耗の進行が促進され易く感光体の寿命が短くなっていた。
【0015】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、露光装置の光源として面発光レーザアレイを搭載した場合であっても、画像の画質の向上、画像形成速度の高速化、及び小型化が容易に実現可能であり、しかも長期にわたり画像形成プロセスを繰り返しても良好な画質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、搭載する電子写真感光体の導電性支持体から最も離れた位置に配置される最外部の層に以下に示すケイ素含有樹脂を少なくとも含有させること、又は、導電性支持体から最も離れた位置に配置される最外部の層の摩耗レートが以下の条件を満たすように当該最外部の層を形成することが、上述の目的を達成する上で極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0017】
すなわち、本発明は、導電性支持体と、該支持体の上方に配置される感光層とを少なくとも有する電子写真感光体と、
電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
帯電手段により帯電される電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置と、
トナー像を電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置と、
少なくともを備えており、
露光装置は、2以上の発光素子を有する面発光レーザアレイを露光光源として備え、複数本の光ビームを電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式を採用する構成を有しており、
電子写真感光体の導電性支持体から最も離れた位置に配置される最外部の層には、少なくとも1種類の電荷輸送化合物又は電荷輸送化合物から誘導される特性基を含有しており、かつ、隣り合うSi原子の間にO原子が架橋した結合が3次元的に形成された構造を有するケイ素含有樹脂が含有されていること、
を特徴とする画像形成装置を提供する。
【0018】
また、本発明は、導電性支持体と、該支持体の上方に配置される感光層とを少なくとも有する電子写真感光体と、
電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
帯電手段により帯電される電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置と、
トナー像を電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置と、
少なくともを備えており、
露光装置は、複数本の光ビームを電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式を採用する構成を有しており、
電子写真感光体の導電性支持体から最も離れた位置に配置される最外部の層の摩耗レートが5nm/kcycle以下に調節されていること、
を特徴とする画像形成装置を提供する。
【0019】
本発明の画像形成装置(上述の2つのタイプの画像形成装置)によれば、マルチビーム方式の静電潜像を形成する方法、特に、アレイ化が容易な面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Emitting Laser)を光源として用い、レーザ光によって同時に走査される走査線の本数を2以上走査させるようにすることにより、画質の向上と画像形成速度の高速化とを実現することができる。また、この場合、記録密度を高めることもできる。
【0020】
すなわち、面発光レーザはアレイ化が容易であり、発光点を2次元的に高密度で配列することが容易にできる。そのためこれを光源とすることにより10本以上のビームを同時に照射可能なマルチビーム方式の構成を容易に実現することができる。
【0021】
また、1つのビームを音響素子により疑似的に複数ビームとすると、電子写真感光体上に形成される静電潜像の中に露光終了までの光ビームの走査回数(照射回数)が異なる領域が混在し、各領域間での照射回数の相違が画像上に筋状の濃度ムラとして視認されることがあるが、面発光レーザアレイを利用することでビーム数を増やしても露光時間は減少することがなく、筋状の濃度ムラを十分に低減し画像の高画質化を図ることができ、同時に画像形成速度の高速化を容易に実現することができる。
【0022】
また、本発明の画像形成装置(上述の2つのタイプの画像形成装置)によれば、感光体の構成要素として上述のケイ素樹脂を含む最外部の層を配置すること又は最外部の層の摩耗レートを5nm/kcycle以下に調節した構成とすることにより、レーザビームによる高解像な書込ができる状態を損なうことなく感光体表面上に潜像形成をおこない、現像、転写すると同時に、感光層が薄膜化された設計とされた場合或いは使用中における磨耗の進行により薄膜化した場合であっても感光体寿命の低下を十分に抑制することができる。
【0023】
更に、感光体の構成要素として上述のケイ素樹脂を含む最外部の層を配置すること又は最外部の層の摩耗レートを5nm/kcycle以下に調節した構成とすることにより、感光層の磨耗の進行に伴ってい発生する感光体の電位変動、感度変動が十分に防止され、面発光レーザの欠点である可変光量が少なく制御幅が狭いことを補うことができる。また、本発明の画像形成装置によれば、感光層を薄膜化することが可能なため、静電潜像形成時の電荷の拡散による画質低下を十分に抑制することができる。
【0024】
なお、「摩耗レート」の値は、電子写真感光体が関与する帯電、露光、現像、転写及びクリーニングからなる1連の電子写真プロセスを1cycleとし、電子写真プロセスの1cycle当りの最外部の層の厚さの減少量に基づく値である。また、1kcycle=1000cycleである。
【0025】
従って、本発明の画像形成装置(上述の2つのタイプの画像形成装置)によれば、露光装置の光源として面発光レーザアレイを搭載した場合であっても、画像の画質の向上、画像形成速度の高速化、及び小型化が容易に実現可能であり、しかも長期にわたり画像形成プロセスを繰り返しても良好な画質の画像を得ることができる。例えば、本発明の画像形成装置によれば、記録密度1200dot/inch以上の高解像度の画像品質を長期にわたり形成することも可能である。
【0026】
なお、本発明において、最外部の層の摩耗レートを5nm/kcycle以下に調節した構成とする感光体を搭載するタイプの画像形成装置(以下、「画像形成装置B」という)の場合、最外部の層は、上記の摩耗レートを満たしかつ使用する露光光を支障なく使用可能であれば、その成分組成は特に限定されないが、本発明の効果をより容易かつより確実に得る観点からは、もう一つのタイプの本発明の画像形成装置(感光体の構成要素として上述のケイ素樹脂を含む最外部の層を配置したタイプの画像形成装置、以下、「画像形成装置A」という)と同様に、最外部の層中に上述のケイ素樹脂含有させることが好ましい。
【0027】
すなわち、本発明においては、画像形成装置Bの場合にも、電子写真感光体の最外部の層には、少なくとも1種類の電荷輸送化合物又は電荷輸送化合物から誘導される特性基を含有しており、かつ、隣り合うSi原子の間にO原子が架橋した結合が3次元的に形成された構造を有するケイ素含有樹脂が含有されていることが好ましい。
【0028】
また、本発明の効果をより容易かつより確実に得る観点から、本発明においては、画像形成装置A及び画像形成装置Bのうちの何れの場合であっても、電子写真感光体の最外部の層がケイ素含有樹脂から形成されていることが好ましい。
【0029】
更に、上記と同様の観点から、本発明においては、画像形成装置A及び画像形成装置Bのうちの何れの場合であっても、ケイ素含有樹脂が下記一般式(1)で表される樹脂のうちの少なくとも1種を含む樹脂であることことが好ましい。
【0030】
[−D−Si(OR(R3−a・・・(1)
【0031】
[式(1)中、Fは電荷輸送化合物から誘導される有機基を表し、Dは2価の基(可とう性サブユニット)を表し、Rは水素原子、アルキル基、及び、置換又は未置換のアリール基からなる群より選ばれる1種を表し、Rは水素、アルキル基、及び、トリアルキルシリル基からなる群より選ばれる1種を表し、aは1〜3の整数を表し、bは1〜4の整数を表す。]
【0032】
また、本発明においては、画像形成装置A及び画像形成装置Bのうちの何れの場合であっても、各面発光レーザアレイの発光点が2次元的に配列されていることがより好ましい。これにより、電子写真感光体上に走査させる光ビームの数を容易に増加させることができ、画像形成速度をより有効に高速化できる。更に、本発明の効果をより確実に得る観点からは、各面発光レーザアレイの発光点は、3行以上×3列以上に並んでいることが好ましく、より好ましくは6行以上×6列以上、さらに好ましくは8行以上×8列以上である。これにより、さらに高画質(高解像度)化、高速化を達成することができる。
【0033】
更に、画像形成速度をより有効に高速化する観点から、本発明においては、画像形成装置A及び画像形成装置Bのうちの何れの場合であっても、露光装置が3本以上の光ビームをそれぞれ独立に電子写真感光体上に走査させるものであることが好ましい。本発明の効果をより確実に得る観点からは、ビーム数は5本以上とすることが好ましく、8本以上とすることがより好ましく、10本以上とすることが更に好ましく、16本以上とすることが更に好ましく、32本以上とすることが更に好ましい。
【0034】
また、本発明者らは、感光層(好ましくは電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを少なくとも含む構成を有する感光層)の厚さと保護層の厚さの総和を特定の値以下に制限することにより、高画質化と長寿命化とを両立させることがより確実にできることを見いだした。すなわち、本発明においては、画像形成装置A及び画像形成装置Bのうちの何れの場合であっても、感光層が、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層と、を少なくとも含む構成を有しており、感光層上には、最外部の層としてケイ素含有樹脂からなる保護層が更に配置されており、感光層の厚さと保護層の厚さとの総和が25μm以下であることが好ましい。
【0035】
なお、本発明においては、転写装置によるトナー像の転写は、感光体から直接用紙(被転写媒体)に転写するようにしてもよいし、感光体から中間転写体を介して用紙(被転写媒体)に転写するようにしてもよい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0037】
先ず、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態について説明する。図1は、画像形成装置に搭載される電子写真感光体の好適な基本構成の一例を示す断面図である。
【0038】
図1に示すように、電子写真感光体1においては、導電性支持体3と、導電性支持体3上に形成された下引層4と、さらに下引層4上に形成された感光層7と、感光層7上に形成された保護層2とから構成されている。また、感光層7は、下引層4上に形成された電荷発生層5と、電荷発生層5に形成された電荷発生層6との積層構造(二層構造)を有している。
【0039】
先ず、保護層2について説明する。この保護層2には、以下に説明するケイ素含有樹脂が含有されており、摩耗レートが5nm/kcycleとなるように調節されている。
【0040】
保護層2は、先に述べた本発明の効果を得るために備えられる最外部の層であり、帯電工程の際の感光層7等の化学的変化を防止し、感光層7の機械的強度をさらに高めるためのものである。
【0041】
保護層2には、少なくとも1種類の電荷輸送化合物又は電荷輸送化合物から誘導される特性基を含有しており、かつ、隣り合うSi原子の間にO原子が架橋した結合が3次元的に形成された構造を有するケイ素含有樹脂が含有されている。
特に、保護層2はこのケイ素含有樹脂から形成されていることが好ましい。
このケイ素含有樹脂としては、電荷輸送化合物(電荷輸送性を有する化合物)を含んで形成され、下記一般式(1)で表される樹脂のうちの少なくとも1種を含む樹脂が好ましく、保護層2は下記一般式(1)で表される樹脂のうちの少なくとも1種を含む樹脂からなる硬化膜であることが好ましい。
【0042】
[−D−Si(OR(R3−a・・・(1)
【0043】
[式(1)中、Fは電荷輸送化合物から誘導される有機基を表し、Dは2価の基(可とう性サブユニット)を表し、Rは水素原子、アルキル基、及び、置換又は未置換のアリール基からなる群より選ばれる1種を表し、Rは水素、アルキル基、及び、トリアルキルシリル基からなる群より選ばれる1種を表し、aは1〜3の整数を表し、bは1〜4の整数を表す。]
【0044】
なお、Fが示す電荷輸送化合物は、光機能性化合物(正孔又は電子からなる光キャリア輸送能を有する化合物)である。
【0045】
一般式(1)中、−Si(OR(R3−aで表される部分は、加水分解性基を有する特性基(以下、「置換ケイ素基」という)として機能する。この置換ケイ素基は、隣接する他の置換ケイ素基があると、−Si−基の部分で互いに架橋反応を起こし、隣り合う−Si−基の間に酸素原子が架橋した−Si−O−Si−の結合を3次元的に形成する。即ち、この置換ケイ素基は、保護層2中にいわゆる無機ガラス質ネットワークを形成する役割を担う。
【0046】
上記一般式(1)中、Fで表される有機基としては、正孔又は電子からなる光キャリア輸送能を有するものであれば特に制限されず、従来の電荷輸送物質が有している構造をそのまま有するものであればよい。具体的には、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性を有する化合物の骨格、及び、キノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性を有する化合物の骨格、を有する化合物を用いることができる。
【0047】
一般式(1)中、Dは、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と、3次元的な無機ガラス質ネットワークの構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークの部分に適度な可とう性を付与し、膜(保護層2)としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。
【0048】
として具体的には、−C2n−、−Cn’2n’−2−、−Cn’’2n’’−4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、nは1〜15の整数を表し、n’は2〜15の整数を表し、n’’は3〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH−C−、−N=CH−、−(C)−(C)−、及び、これらの特性基を任意に組み合わせた構造を有する特性基、更にはこれらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。
【0049】
一般式(1)中、bは2以上であることが好ましい。bが2以上であると、一般式(1)で表される電荷輸送物質中にSi原子を2つ以上含むことになり、無機ガラス質ネットワークを形成し易くなり、機械的強度が向上する。
【0050】
一般式(1)で表される化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。下記一般式(2)で表わされる化合物は、正孔輸送能を有する化合物(正孔輸送物資)であり、これを保護層2に含有させることは、特に保護層2における電気特性と機械強度特性の向上の観点から好ましい。
【0051】
【化1】
Figure 2004287085
【0052】
一般式(2)中、Ar、Ar、Ar及びArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換又は未置換のアリール基を表し、Arは置換又は未置換のアリール基又はアリーレン基を表し、kは0又は1を表し、Ar〜Arのうちの1〜4つの特性基は下記一般式(3)で表される構造を有する。
【0053】
−Y−Si(OR 3−a・・・(3)
一般式(3)中、a、R及びRはそれぞれ式(1)中のa、R及びRと同義であり、Yは2価の基を示す。
【0054】
ここで、Yとして具体的には、−CαHα−、−Cαα’−2−、−Cα’’α’’−4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、α’は2〜15の整数を表し、α’’は3〜15の整数を表す)、置換又は未置換の2価のアリール基、−N=CH−、−O−、及び、−COO−からなる群より選択される1種の2価の基を示す。また、Yは、上記の群から選択される2価の基を任意に組み合わせた構造を有する特性基であってもよい。
【0055】
上記一般式(2)中のAr〜Arとしては、下記式(4)〜(10)のうちのいずれかであることが好ましい。
【0056】
【化2】
Figure 2004287085
【0057】
【化3】
Figure 2004287085
【0058】
【化4】
Figure 2004287085
【0059】
【化5】
Figure 2004287085
【0060】
【化6】
Figure 2004287085
【0061】
【化7】
Figure 2004287085
【0062】
−Ar−Z’−Ar−X・・・(10)
【0063】
ここで、式(4)〜(10)中、R、R及びRは、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選ばれる1種を表す。また、Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表す。
【0064】
更に、式(4)〜(10)中、Arは置換又は未置換のアリーレン基を表し、Xは一般式(3)で表される構造を有する特性基を表し、m及びsはそれぞれ0又は1を表し、tは1〜3の整数を表す。
【0065】
ここで、式(10)中のArとしては、下記式(11)又は(12)で表されるものが好ましい。
【0066】
【化8】
Figure 2004287085
【0067】
【化9】
Figure 2004287085
【0068】
式(11)、(12)中、R10及びR11はそれぞれ先に述べたRと同義である。また、tは1〜3の整数を表す。
【0069】
また、式(10)中のZ’としては、下記式(13)又は(14)で表されるものが好ましい。
【0070】
【化10】
Figure 2004287085
【0071】
【化11】
Figure 2004287085
【0072】
また、先に述べたように、式(4)〜(10)中、Xは一般式(3)で表される構造を有する特性基を示すが、その特性基中のYとしては、先に述べた−CαHα−、−Cαα’−2−、−Cα’’α’’−4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、α’は2〜15の整数を表し、α’’は3〜15の整数を表す)、−N=CH−、−O−、−COO−の他に、−S−、−(CH)β−(βは1〜10の整数を示す)、先に述べた一般式(11)、先に述べた一般式(12)、下記一般式(15)及び(16)で表される特性基が挙げられる。
【0073】
【化12】
Figure 2004287085
【0074】
【化13】
Figure 2004287085
【0075】
ここで、式(16)中、y及びzはそれぞれ1〜5の整数を表し、tは1〜3の整数を表し、先に述べたようにRは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表す。
【0076】
また、先に述べたように、式(2)中のArは置換又は未置換のアリール基又はアリーレン基を表すが、k=0の時には、以下に示す構造群(I)の何れかに当てはまるものが好ましく、更には、構造群(II)の何れかに当てはまるものがより好ましい。
【0077】
[構造群(I)]
すなわち、式(2)中のArは、k=0の時には、先に述べた式(4)で表されるもののうちm=1の構造を有するもの、式(5)で表されるもののうちm=1の構造を有するもの、式(6)で表されるもののうちm=1の構造を有するもの、式(7)で表されるもののうちm=1の構造を有するもの、又は、式(10)で表されるもののうちm=1の構造を有するものが好ましい。
【0078】
[構造群(II)]
更に、式(2)中のArは、k=1の時には、先に述べた式(4)で表されるもののうちm=1でありかつXがメチル基の構造を有するもの、式(5)で表されるもののうちm=1でありかつXがメチル基の構造を有するもの、式(6)で表されるもののうちm=1でありかつXがメチル基の構造を有するもの、式(7)で表されるもののうちm=1でありかつXがメチル基の構造を有するもの、又は、式(10)で表されるもののうちm=1でありかつXがメチル基の構造を有するものがより好ましい。
【0079】
また、式(2)中のArが、上記構造群(I)の何れか、更には、構造群(II)の何れかの構造をとる場合には、式(10)中のZ’は、下記一般式(17)〜(24)からなる群より選択される1種であることが好ましい。
−(CH− (17)
−(CHCHO)− (18)
【0080】
【化14】
Figure 2004287085
【0081】
【化15】
Figure 2004287085
【0082】
【化16】
Figure 2004287085
【0083】
【化17】
Figure 2004287085
【0084】
【化18】
Figure 2004287085
【0085】
【化19】
Figure 2004287085
【0086】
ここで、式(17)〜(24)中、R12及びR13はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、Wは2価の基を表し、q及びrはそれぞれ1〜10の整数を表し、tは1〜2の整数、をそれぞれ表す。
【0087】
上記式(23)、(24)中のWとしては、下記(25)〜(33)で表される2価の基のうちのいずれかであることが好ましい。
【0088】
−CH− ・・・(25)
−C(CH− ・・・(26)
−O− ・・・(27)
−S− ・・・(28)
−C(CF− ・・・(29)
−Si(CH− ・・・(30)
【0089】
【化20】
Figure 2004287085
【0090】
【化21】
Figure 2004287085
【0091】
【化22】
Figure 2004287085
【0092】
ここで、式(32)中、uは0〜3の整数を表す。
【0093】
また、一般式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開2001−83728号公報における表1〜表55に記載の化合物番号1〜274のものが使用できる。
【0094】
更に、一般式(1)で表される電荷輸送物質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意に組み合せて併用してもよい。また、一般式(1)で表される電荷輸送物質と共に、硬化膜の機械的強度を更に向上させる目的で、下記一般式(II)で表される化合物を併用してもよい。
【0095】
B{−Si(OR(R3−a}γ ・・・(II)
ここで、式(II)中のa、R及びRはそれぞれ先に述べた式(1)中のa、R及びRと同義であり、Bは2価の有機基を表し、γは2以上の整数を表す。
【0096】
一般式(II)で表される化合物は、先に述べた加水分解性基を有する置換ケイ素基を有している化合物である。この一般式(II)で表される化合物は、置換ケイ素基の部位に含まれる−Si−基の部分が、一般式(1)で表される電荷輸送物質或いは隣接する他の一般式(II)で表される化合物の置換ケイ素基と反応し、隣り合う−Si−基の間に酸素原子が架橋した−Si−O−Si−の結合を3次元的に形成する。即ち、一般式(II)で表される化合物と一般式(1)で表される電荷輸送物質との置換ケイ素基の間で進行する加水分解反応により、保護層2中にいわゆる無機ガラス質ネットワークが形成される。
【0097】
一般式(1)で表される電荷輸送物質も先に述べたようにそれ自体のみで無機ガラス質ネットワークを有する保護層2(硬化膜)を形成することも可能であるが、一般式(II)で表される化合物は2個以上のアルコキシシリル基を有しているので硬化膜の架橋構造が3次元的に形成され易く、より強い機械強度を有するようになると考えられる。また、一般式(II)で表される化合物は、硬化膜の構成材料となることにより、一般式(1)で表される電荷輸送物質におけるD部分と同様、硬化膜に適度な可とう性を与える役割もある。
【0098】
上記一般式(II)で表される化合物としては、下記一般式(34)〜(38)で表されるものが好ましい。なお、式(34)〜(38)中、T及びTはそれぞれ独立に枝分かれしていてもよい2価又は3価の炭化水素基を表す。また、Aは先に述べた加水分解性を有する置換ケイ素基を表す。h、i、jはそれぞれ独立に1〜3の整数を表す。また、式(34)〜(38)で表される化合物は、分子内のAの数が2以上となるように選ばれる。
【0099】
【化23】
Figure 2004287085
【0100】
【化24】
Figure 2004287085
【0101】
【化25】
Figure 2004287085
【0102】
【化26】
Figure 2004287085
【0103】
【化27】
Figure 2004287085
【0104】
以下に、上記一般式(II)で表される化合物の好ましい例を表1に示す。なお、表1中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Prはプロピル基を表す。
【0105】
【表1】
Figure 2004287085
【0106】
保護層2の形成には、一般式(II)で表される化合物と共に、更に架橋反応可能な他の化合物を併用しても良い。このような化合物として、各種シランカップリング剤、及び市販のシリコン系ハードコート剤を用いることができる。
【0107】
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0108】
市販のハードコート剤としては、KP−85、CR−39、X−12−2208、X−40−9740、X−41−1007、KNS−5300、X−40−2239 (以上、信越シリコーン社製)、及びAY42−440、AY42−441、AY49−208 (以上、東レダウコーニング社製)、等が挙げられる。
【0109】
保護層2(硬化型表面層)には、表面潤滑性を付与する目的でフッ素原子含有化合物を添加できる。表面潤滑性を向上させることによりクリーニング部材との摩擦係数が低下し、耐摩耗性を向上させることができる。また、感光体表面に対する放電生成物、現像剤及び紙粉等の付着を防止する効果も有し、感光体の寿命向上に役立つ。
【0110】
フッ素含有化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素原子含有ポリマーをそのまま添加するか、或いはそれらポリマーの微粒子を添加することができる。また、一般式(1)で表される化合物により形成される保護層2(硬化膜)の場合、フッ素含有化合物としては、アルコキシシランと反応できるものを添加し、架橋膜の一部として構成するのが望ましい。そのようなフッ素原子含有化合物の例として、(トリデカフルオロ −1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0111】
フッ素含有化合物の添加量としては、20質量%以下とすることが好ましい。これを越えると、架橋保護層2(硬化膜)の成膜性に問題が生じる場合がある。
【0112】
保護層2(硬化型表面層)は充分な耐酸化性を有しているが、更に強い耐酸化性を付与する目的で、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、等の公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の添加量としては15質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
【0113】
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、等が挙げられる。
【0114】
上記保護層2(硬化型表面層)には公知の塗膜形成に用いられるその他の添加剤を添加することも可能であり、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、界面活性剤、など公知のものを用いることができる。
【0115】
また、保護層2には、放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、ポットライフの延長などの目的でアルコールに溶解する樹脂を加えることもできる。アルコール系溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。上記樹脂の分子量は2000〜100000であることが好ましく、5000〜50000であることがさらに好ましい。分子量が2000より小さいと所望の効果が得られなくなり、100000より大きいと溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に製膜不良の原因になったりする。添加量は1〜40%が好ましく、さらに好ましくは1〜30%であり、5〜20%が最も好ましい。1%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなり、40%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケが発生しやすくなる。
【0116】
上記保護層2(硬化型表面層)を形成するためには、前述の各種材料、および各種添加剤の混合物を感光層の上に塗布し、加熱処理する。これにより、3次元的に架橋硬化反応を起こし、強固な硬化膜を形成する。加熱処理の温度は、下層である感光層に影響しなければ特に制限はないが、室温〜200℃、特に100〜160℃に設定するのが好ましい。
【0117】
上記保護層2(硬化型表面層)の形成において、架橋硬化反応を行う際には無触媒で行なってもよいが、適切な触媒を用いてもよい。触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、等の酸触媒、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、オクエ酸第一錫等の有機錫化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩、アルミニウムキレート化合物等が挙げられる。
【0118】
前記保護層2(硬化型表面層)には、塗布を容易にするため、必要に応じて溶剤を添加して用いることができる。具体的には、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジメチルエーテル、ジブチルエーテル、等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0119】
上記保護層2(硬化型表面層)の形成において、塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0120】
上記保護層2(硬化型表面層)の膜厚は、上記導電性支持体3上に形成された各層の膜厚の総和の範囲を満たせば特に制限はないが、保護層2(硬化型表面層)の膜厚は0.5〜20μmが好ましく、特に2〜5μmであることが望ましい。また、後述する感光層7の厚さと保護層2の厚さとの総和が25μm以下であることが好ましい。
【0121】
なお、ケイ素含有樹脂のみで保護層2を形成せず、他の物質をケイ素含有樹脂とともに含有させる場合、ケイ素含有樹脂以外の物質として、導電性物質を適当な結着樹脂中に含有させて形成してもよい。かかる導電性物質としては、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズとアンチモン若しくは酸化アンチモンとの固溶体、又はこれらの混合物、或いは単一粒子中にこれらの金属酸化物を混合又は被覆したものが挙げられる。
【0122】
また、保護層2に含有させるケイ素含有樹脂以外の物質として結着樹脂(バインダー樹脂)を含有させてもよい。かかる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられ、これらは必要に応じて架橋させて使用することもできる。
【0123】
保護層2は、上記の導電性物質及び結着樹脂を所定の溶媒に混合/分散した塗布液を用い、感光層7等と同様にして形成することができる。なお、塗布液に用いられる溶媒は、下層(図1の感光層7における電荷発生層6)の結着樹脂に対する溶解性ができるだけ低いものであることが好ましい。
【0124】
次に、導電性支持体3について説明する。導電性支持体3は、導電性を有していれば特に限定されるものはなく、例えば、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属材料からなる金属ドラムを使用することができる。また、高分子材料(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、フェノール樹脂等)又は硬質紙等の絶縁材料に導電物質(カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ、酸化アンチモン、金属、ヨウ化銅等)を分散させて導電処理したもの;上記の絶縁材料に金属泊を積層したもの;上記の絶縁材料に金属の蒸着膜を形成したもの等を用いることができる。
【0125】
上記導電性支持体3の形状は、円筒状(ドラム状)に限定されず、シート状、プレート状等であってもよい。
【0126】
また、導電性支持体3として金属パイプを用いる場合、金属パイプは素管のまま用いてもよく、また、予め鏡面研削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウェットホーニング等の処理を施すことが好ましい。表面処理により基材表面を粗面化することで、レーザビームのような可干渉光源を用いた場合に発生しうる感光体内での干渉光による木目状の濃度斑を防止することができる。
【0127】
次に、下引層4について説明する。下引層4は、導電性粒子(金属酸化物微粒子)及び結着樹脂を含んで構成されるものである。このような下引層4の体積抵抗は、28℃、85%RHで10V/mの電場を印可したときに10〜1013Ω・cm(好ましくは10〜1011Ω・cm)の範囲内となるように、且つ、15℃、15%RHで10V/mの電場を印可したときの体積抵抗が28℃、85%RHで10V/mの電場を印可したときの体積抵抗の500倍以下となるように設定されている。このように下引層4の体積抵抗及びその環境依存性が上記の条件を満たすように制御することによって、リーク防止性と電気特性とを高水準で両立することができる。
【0128】
また、下引層4としては、28℃、85%RHで10V/mの電場を印可したときの体積抵抗が28℃、85%RHで10V/mの電場を印可したときの体積抵抗の1000倍以下であるという条件を満たすものであることが好ましい。かかる体積抵抗の比が1000倍を超えると、下引層4に異物が混入して局所的に大きな電場が印可されるときにリークが発生しやすくなる傾向にある。
【0129】
下引層4においては、金属酸化物微粒子及び結着樹脂の種類、並びにその配合量を適宜選定し、さらには金属酸化物微粒子の結着樹脂中への分散性を高めることによって、その体積抵抗及びその環境依存性が上記の条件を満たすように制御することができる。
【0130】
かかる金属酸化物微粒子の好ましい例としては、具体的には、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等が挙げられ、酸化スズ、酸化チタン、及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。このような金属酸化物微粒子の粉体抵抗値は、10〜1011Ω・cm(より好ましくは10〜1010Ω・cm)であることが好ましい。金属酸化物微粒子の粉体抵抗値が前記下限値未満であると充分なリーク防止性が得られない傾向にあり、他方、当該粉体抵抗値が前記上限値を超えると電子写真プロセスおいて残留電位の上昇が起こりやすくなる傾向にある。
【0131】
また、金属酸化物微粒子の平均一次粒径は、100nm以下であることが好ましく、10〜90nmであることがより好ましい。金属酸化物微粒子の平均一次粒径が100nmを超えると、結着樹脂中への分散性が低下し、その結果、リーク防止性と電気特性との両立が困難となる傾向にある。
【0132】
このような金属酸化物微粒子は、従来公知の製造方法によって得ることができる。例えば、酸化亜鉛の場合は、JIS K1410に記載されている間接法(フランス法)、直接法(アメリカ法)、及び湿式法等;酸化チタンの場合は、硫酸法、塩素法、フッ酸法、塩化チタンカリウム法、及び四塩化チタン水溶液法等が挙げられる。また、後述するアークプラズマ法により金属酸化物微粒子を得ることもできる。
【0133】
上記間接法は、金属亜鉛を加熱し(通常1000℃程度)、亜鉛蒸気を熱空気によって酸化させて酸化亜鉛とし、冷却後に粒子の大きさによって分別するものである。また、上記直説法は、亜鉛鉱石を培焼することによって得られる酸化亜鉛を石炭等で還元し、生じた亜鉛蒸気を熱空気によって酸化させるか、又は亜鉛鉱石を硫酸で浸出して得られる鉱滓にコークス等を加え、その混合物を加熱して溶融した亜鉛を熱空気によって酸化させるものである。
【0134】
また、上記硫酸法は、鉱石と硫酸との反応による硫酸塩溶液の調製、溶液の清澄、加水分解による含水酸化チタンの沈殿、洗浄、焼成、粉砕、表面処理といった工程により酸化チタン微粒子を得るものである。上記塩素法は、鉱石の塩素化により四塩化チタン溶液を調製し、精留、燃焼により得られる酸化チタンを粉砕、後処理するものである。
【0135】
上記アークプラズマ法としては、直流アークプラズマ法、プラズマジェット法、及び高周波プラズマ法等が挙げられる。例えば、直流アークプラズマ法においては、金属原料を消費アノード電極とし、カソード電極からプラズマフレームを発生させて金属原料を加熱し蒸発させて、金属蒸気を酸化させ、冷却することによって金属酸化物微粒子が得られる。プラズマフレームを発生させるに際し、アーク放電はアルゴン等の単原子分子ガスや水素、窒素、及び酸素等の2原子分子ガス中で行われるが、2原子分子の熱解離により生じるプラズマは単原子分子ガス由来のプラズマ(アルゴンプラズマ等)に比べて反応性に富んでいるので、反応性アークプラズマと呼ばれる。
【0136】
また、これらの金属酸化物微粒子については、シランカップリング剤(ケイ素含有カップリング剤)、フッ素含有カップリング剤、チタネート系カップリング剤(チタニウム含有カップリング剤)及びアルミネート系カップリング剤(アルミニウム含有カップリング剤)からなる群より選ばれる少なくとも1種のカップリング剤で被覆処理した後、180℃以上で熱処理することが好ましい。かかるカップリング剤による被覆処理及び熱処理が施された金属酸化物微粒子を用いることによって、金属酸化物微粒子の結着樹脂中への分散性が高められるので、下引層4の体積抵抗及びその環境依存性を容易に且つ確実に制御することができ、リーク防止性と電気特性との双方をより向上させることができる。
【0137】
上記シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等;上記チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ビス(ジオクチルピロホフェート)、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等;上記アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられ、これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0138】
これらの中でも、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びイソプロピルトリ(N−アミノエチル)チタネート等のアミノ基を有するカップリング剤を用いると、これらのカップリング剤による被覆処理を効率よく且つ確実に行うことができるので好ましく、特に、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン等の2個のアミノ基を有するカップリング剤を用いることがより好ましい。
【0139】
これらのカップリング剤を用いた被覆処理は、実質的にカップリング剤と反応しない溶媒中にカップリング剤を溶解させ、この溶液(処理液)に金属酸化物微粒子を分散させることにより行うことができる。
【0140】
上記溶媒としては、トルエン、エチルベンゼン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化メチレン、クロロホルム、クロルベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられるが、これらの中でもトルエン等の高沸点溶媒を用いることが好ましい。上記処理液を調製する際には、撹拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等を用いてカップリング剤を溶媒中に分散できる。また、処理温度は室温から溶媒の沸点の範囲で任意に設定可能である。
【0141】
また、金属酸化物微粒子に対する溶媒量は任意に設定可能であるが、金属酸化物微粒子と溶媒との質量比は、好ましくは1:1〜1:10、より好ましくは1:2〜1:4の範囲内である。このような溶媒の質量が金属酸化物微粒子の質量の1倍未満であると、攪拌しにくくなる上にゲル化する場合もあり、均一な処理が困難となる傾向にある。他方、このような溶媒の質量が金属酸化物微粒子の質量の10倍を超えると、未反応のカップリング剤が残存しやすくなる傾向にある。また、カップリング剤の量は、電気特性、画質維持性、成膜性等の点から、金属酸化物微粒子に対して10質量%以下が好ましく、0.1〜5.0質量%がより好ましい。
【0142】
かかる被覆処理は撹拌下で行われるが、カップリング剤による被覆をより均一に行うためには、シリカゲル、アルミナ、ジルコニア等の分散メディア(好ましくはメディア径が0.5〜50mmのもの)を用いることが好ましい。
【0143】
さらに、被覆処理後の混合物から溶媒を除去したときに金属酸化物微粒子が凝集した場合には、熱処理の前に予め粉砕することが好ましい。また、被覆処理後に溶媒を速やかに除去するために、所定の圧力条件下(好ましくは0.1〜760mmHg)で蒸留を行うことが好ましい。なお、ろ過により溶媒を除去することも可能であるが、未反応のカップリング剤が流出しやすく、所望の特性を得るために必要なカップリング剤量の制御が困難となるため好ましくない。
【0144】
また、被覆処理後の金属酸化物微粒子における表面被覆率は、7〜20%であることが好ましい。表面被覆率が前記下限値未満であると、金属酸化物微粒子の抵抗値を充分に高めることができず、下引層のブロッキング性が低下して画質が悪化する傾向にある。他方、表面被覆率が前記上限値を超えると、電子写真感光体の繰り返し使用に伴い残留電位が上昇しやすくなり、また、体積抵抗の環境変動が増大する傾向にある。なお、ここでいう表面被覆率とは、カップリング剤によって被覆された金属酸化物微粒子表面の割合[%]をいい、被覆処理前の金属酸化物微粒子のBET比表面積及びカップリング剤の配合量に基づいて求められるものである。
【0145】
すなわち、表面被覆率100%とするのに必要なカップリング剤の質量は次式:
(表面被覆率100%とするのに必要なカップリング剤の質量[g])={(金属酸化物微粒子の質量[g])×(金属酸化物のBET比表面積[m/g])}/(カップリング剤の最小被覆面積[m/g])
で与えられ(式中、カップリング剤の最小被覆面積とは、カップリング剤1gが単分子膜を形成したときに被覆可能な最小面積を意味する)、表面被覆率は次式:
(表面被覆率[%])=100×(被覆処理に使用したカップリング剤の質量[g])/(表面被覆率100%とするのに必要なカップリング剤の質量[g])
により求めることができる。
【0146】
このようにして被覆処理された金属酸化物微粒子について所定の熱処理を施すことによって、カップリング剤の反応による被膜の形成をより完全なものとすることができる。ここで、熱処理温度は、前述の通り180℃以上であることが好ましく、200〜300℃であることがより好ましく、200〜250℃であることがさらに好ましい。熱処理温度が180℃未満であると、残存する吸着水やカップリング剤が充分に除去されず、暗減衰等の電気特性が不充分となる傾向にある。他方、熱処理温度が300℃を超えると、カップリング剤により形成された被膜の分解や金属酸化物微粒子表面の酸化により、電荷のトラップサイトが発現して残留電位が上昇しやすくなる傾向にある。熱処理時間は、カップリング剤の種類及び熱処理温度に応じて適宜選定されるが、通常、10分〜100時間程度である。
【0147】
また、被覆処理された金属酸化物微粒子を熱処理する際には、異なる熱処理温度で2段階の加熱を行うことが好ましい。このとき、1段階目の加熱は処理液の沸点以上、2段階目の加熱は180℃以上(より好ましくは200〜300℃、さらに好ましくは200〜250℃)であることが好ましい。
【0148】
下引層4の結着樹脂としては、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、及びメラミン樹脂等の高分子樹脂化合物等が挙げられる。
【0149】
下引層4は、上記の金属酸化物微粒子及び結着樹脂のみからなるものであってもよく、また、体積抵抗及びその環境依存性が上記の条件を満たす限りにおいて、電気特性向上、環境安定性向上、及び画質向上のための添加物を含有してもよい。
【0150】
かかる添加物としては、クロラニルキノン、ブロモアニルキノン、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系化合物、アゾ系化合物等の電子輸送性顔料、シランカップリング剤、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、及び有機チタニウム化合物等が挙げられる。
【0151】
上記シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びγ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0152】
上記ジルコニウムキレート化合物としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、及びイソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
【0153】
上記チタニウムキレート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、及びポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
【0154】
上記アルミニウムキレート化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。これらの化合物は単独に又は複数の化合物の混合物、或いは重縮合物として用いることができる。
【0155】
下引層4は、例えば金属酸化物微粒子と結着樹脂とを所定の溶媒に混合/分散して下引層形成用塗布液を調製し、この下引層形成用塗布液を導電性支持体3上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0156】
かかる塗布液を調製する際の混合/分散方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、及び超音波等による方法が適用可能である。また、塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、及びカーテンコーティング法等が挙げられる。また、塗布液には塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
【0157】
このようにして得られる下引層4の膜厚は20〜40μmに調節されている。下引層の膜厚が20μm未満であると充分なリーク防止性が得られない。また、下引層の膜厚の増加に伴いリーク防止性は向上するが、膜厚が50μmを超えると成膜が困難となり、また、残留電位の上昇による画質低下が生じやすくなる。さらに、下引層4のビッカース強度は35以上であることが好ましい。
【0158】
また、下引層の表面粗さはモアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)〜λに調整される。表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子を添加することもできる。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等を用いることができる。また、表面粗さ調整のために下引層を研磨することもできる。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等を用いることもできる。
【0159】
次に、感光層7について説明する。図1に示すように感光層7は電荷発生層5と電荷発生層6との積層構造を有するものである。
【0160】
電荷発生層5は、電荷発生物質、並びに必要に応じて結着樹脂を含んで構成されるものである。また、上記材料の他に後述する電荷輸送物質、固形潤滑剤、及び金属酸化物等を含んでいてもよい。
【0161】
かかる電荷発生物質としては、公知の電荷発生物質なら何でも使用できる。赤外光用ではフタロシアニン顔料、スクアリリウム、ビスアゾ、トリスアゾ、ペリレン、ジチオケトピロロピロール、可視光用としては縮合多環顔料、ビスアゾ、ペリレン、トリゴナルセレン、色素増感した金属酸化物微粒子等を用いる。これらの中で、特に優れた性能が得られ、好ましく使用される電荷発生物質として、フタロシアニン系顔料が用いられる。これを用いることにより、特に高感度で、繰り返し安定性の優れる電子写真感光体を得ることができる。また、フタロシアニン顔料は一般に数種の結晶型を有しており、目的にあった感度が得られる結晶型であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることができる。特に好ましく用いられる電荷発生物質としては、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロススフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン等が挙げられる。
【0162】
電荷発生層5において好ましく用いられる電荷発生物質は、公知の方法で製造される顔料結晶を、自動乳鉢、遊星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、及びニーダー等を用いて機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、及びニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造することができる。
【0163】
湿式粉砕処理において使用される溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、又はこれらの数種の混合系、あるいは水とこれら有機溶剤との混合系が挙げられる。
【0164】
これら溶剤の使用量は、顔料結晶1質量部に対して1〜200質量部、好ましくは10〜100質量部が望ましい。また、湿式粉砕処理における処理温度は、0℃以上溶剤の沸点以下、好ましくは10〜60℃である。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いてもよい。磨砕助剤は、顔料に対して0.5〜20倍、好ましくは1〜10倍(いずれも質量換算値)用いればよい。
【0165】
また、公知の方法で製造される顔料結晶について、アシッドペースティング又はアシッドペースティングと前述したような乾式粉砕又は湿式粉砕との組み合わせによって結晶制御することもできる。アシッドペースティングに用いる酸としては、硫酸が好ましく、この硫酸の濃度は70〜100%、好ましくは95〜100%の濃度のものが使用される。この濃硫酸の量は、顔料結晶の質量に対して、1〜100倍、好ましくは3〜50倍(いずれも質量換算値)の範囲に設定される。また、溶解温度は、−20〜100℃、好ましくは0〜60℃の範囲に設定される。結晶を酸から析出させる際の溶剤としては、水、或いは水と有機溶剤の混合溶剤を任意の量で使用できる。析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが好ましい。
【0166】
これらの電荷発生物質は、加水分解性基を有する有機金属化合物又はシランカップリング剤で被覆処理してもよい。かかる被覆処理によって電荷発生物質の分散性や電荷発生層用塗布液の塗布性が向上し、平滑で分散均一性の高い電荷発生層5を容易に且つ確実に成膜することができ、その結果、カブリやゴースト等の画質欠陥が防止され、画質維持性を向上させることができる。また、電荷発生層用塗布液の保存性も著しく向上するので、ポットライフの延長の点でも効果的であり、感光体のコストダウンも可能となる。
【0167】
上記加水分解性基を有する有機金属化合物は、下記一般式(I):
Rp−M−Yq (I)
で表される化合物である。なお、式中、Rは有機基を表し、Mはアルカリ金属以外の金属原子又はケイ素原子を表し、Yは加水分解性基を表し、p及びqはそれぞれ1〜4の整数であり、pとqとの和はMの原子価に相当する。
【0168】
一般式(I)中、Rで表される有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアリールアルキル基、スチリル基等のアリールアルケニル基、フリル基、チエニル基、ピロリジニル基、ピリジル基、イミダゾリル基等の複素環残基等が挙げられる。これらの有機基は1または2種以上の各種の置換基を有していてもよい。
【0169】
また、一般式(I)中、Yで表される加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基、ベンジロキシ基等のエーテル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ベンゾイルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ベンジロキシカルボニル基等のエステル基、塩素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
【0170】
また、一般式(I)中、Mはアルカリ金属以外であれば特に制限されるものではないが、好ましくはチタン原子、アルミニウム原子、ジルコニウム原子又はケイ素原子である。すなわち、本発明に係る感光体においては、上記の有機基や加水分解性の官能基を置換した有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、さらにはシランカップリング剤が好ましく用いられる。
【0171】
また、上記シランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ。
【0172】
これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
【0173】
また、上記の有機金属化合物及びシランカップリング剤の加水分解生成物も使用することができる。この加水分解生成物としては、上記一般式(I)で示される有機金属化合物のM(アルカリ金属以外の金属原子又はケイ素原子)に結合するY(加水分解性基)やR(有機基)に置換する加水分解性基が加水分解したものが挙げられる。なお、有機金属化合物及びシランカップリング剤が加水分解性基を複数含有する場合は、必ずしも全ての官能基を加水分解する必要はなく、部分的に加水分解された生成物であってもよい。また、これらの有機金属化合物及びシランカップリング剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
【0174】
上記の加水分解性基を有する有機金属化合物及び/又はシランカップリング剤(以下、単に「有機金属化合物」という)を用いてフタロシアニン顔料を被覆処理する方法としては、フタロシアニン顔料の結晶を整える過程で該フタロシアニン顔料を被覆処理する方法、フタロシアニン顔料を結着樹脂に分散する前に被覆処理する方法、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散時に有機金属化合物を混合処理する方法、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散後に有機金属化合物で更に分散処理する方法等が挙げられる。
【0175】
より具体的には、顔料の結晶を整える過程で予め被覆処理する方法としては、有機金属化合物と結晶が整う前のフタロシアニン顔料とを混合した後加熱する方法、有機金属化合物を結晶が整う前のフタロシアニン顔料に混合し機械的に乾式粉砕する方法、有機金属化合物の水または有機溶剤中の混合液を結晶が整う前のフタロシアニン顔料に混合し湿式粉砕処理方法等が挙げられる。
【0176】
また、フタロシアニン顔料を結着樹脂に分散する前に被覆処理する方法としては、有機金属化合物、水又は水と有機溶剤との混合液、並びにフタロシアニン顔料を混合して加熱する方法、有機金属化合物をフタロシアニン顔料に直接噴霧する方法、有機金属化合物をフタロシアニン顔料と混合しミリングする方法等がある。
【0177】
また、分散時に混合処理する方法としては、分散溶剤に有機金属化合物、フタロシアニン顔料、結着樹脂を順次添加しながら混合する方法、これらの電荷発生層5形成成分を同時に添加し混合する方法等が挙げられる。
【0178】
また、フタロシアニン顔料を結着樹脂中に分散した後に有機金属化合物で更に分散処理する方法としては、例えば溶剤で希釈した有機金属化合物を分散液に添加し攪拌しながら分散する方法が挙げられる。また、かかる分散処理の際、より強固にフタロシアニン顔料に付着させるために、触媒として硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸等の酸を添加してもよい。
【0179】
これらの中でも、フタロシアニン顔料の結晶を整える過程で予め被覆処理する方法、又はフタロシアニン顔料を結着樹脂に分散する前に被覆処理する方法が好ましい。
【0180】
電荷発生層5に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂等が挙げられ、中でもポリビニルアセタール樹脂が特に好ましい。これらの結着樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。電荷発生層5における電荷発生物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。
【0181】
電荷発生層5は、電荷発生物質の真空蒸着、あるいは電荷発生物質及び結着樹脂を含む塗布液の塗布により形成される。塗布液の溶媒としては、結着樹脂を溶解することが可能であれば特に制限されず、例えばアルコール、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素、ケトン、ケトンアルコール、エーテル、エステル等から任意に選択することができ、より具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0182】
電荷発生物質及び結着樹脂を溶媒に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の方法を用いることができる。この分散の際、電荷発生物質を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。また、この電荷発生層用塗布液には電気特性向上、画質向上等のために、下引層4の説明において例示された添加剤を配合することもできる。
【0183】
また、かかる塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。また、塗布液には塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
【0184】
次に、電荷発生層6について説明する。電荷発生層6は、電荷輸送物質及び結着樹脂を含んで構成されるものである。かかる電荷輸送物質としては、具体的には、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)−]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N‘−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4‘−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体等の正孔輸送物質;クロラニルキノン、ブロモアニルキノン、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送物質;あるいは上記した化合物から水素原子等を除いた残基を主鎖又は側鎖に有する重合体等が挙げられる。これらの電荷輸送物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
【0185】
電荷発生層6の結着樹脂は特に制限されないが、フィルム形成可能な電気絶縁性の樹脂が好ましい。このような結着樹脂としては、具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等が挙げられるが、中でもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂は電荷輸送物質との相溶性、溶剤への溶解性、強度の点で優れており好ましく用いられる。これらの結着樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0186】
電荷発生層6は、上記の電荷輸送物質及び結着樹脂を所定の溶媒に混合/分散した塗布液を用いて形成することができる。塗布液に用いる溶媒としては上記電荷発生層5用塗布液の説明において例示された溶媒が使用できるが、電荷発生層5の結着樹脂に対する溶解性が低いものを選定することが好ましい。また、電荷輸送物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、好ましくは3:7〜6:4である。当該配合比が前記の範囲外の場合には、電気特性又は膜強度の少なくとも一方が低下する傾向にある。また、塗布液には塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。塗布液を調製する際の分散方法及び塗布液の塗布方法としては、電荷発生層5の場合と同様の方法が適用可能である。
【0187】
また、電荷発生層6には磨耗を低減する目的のために固形潤滑剤や金属酸化物を分散することができる。このような固形潤滑剤としては、フッ素含有樹脂粒子(四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレンおよびそれらの共重合体等)、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等)、ケイ素含有樹脂粒子、及びコロイダルシリカ粒子からなる群から選択される少なくとも1種が分散されることが好ましい。
【0188】
このような目的のために、フッ素含有樹脂粒子又はケイ素含有樹脂粒子には電荷発生層6に分散し摩擦係数を低減する方法と金属酸化物(シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ等)を分散し機械的硬度を高める方法がある。また、フッ素含有樹脂粒子は、難分散粒子のためフッ素含有高分子系分散助剤を用いると分散性が向上される。
【0189】
また、電荷発生層6にフッ素含有樹脂粒子を分散する際、フッ素系グラフトポリマーをフッ素含有樹脂粒子に対し0.1〜10質量%含有させることが好ましい。
【0190】
上記固形潤滑剤や金属酸化物を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー、ホモジナイザー、高圧処理式ホモジナイザー等の方法を用いることができる。この分散の際、分散粒子を1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下にすることが有効である。また、この電荷輸送層用塗布液には電気特性向上、画質向上等のために、下引層4の説明において例示された添加剤を配合することもできる。また、かかる塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。また、塗布液には塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
【0191】
また、図1に示した電子写真感光体1においては、導電性支持体3から近い順に電荷発生層5、電荷発生層6が積層されているが、これらの層の順序は逆であってもよい。また、これらの層の間に他の層が存在していてもよい。
【0192】
上記電子写真感光体1における感光層7の膜厚(電荷発生層5と電荷発生層6との膜厚の合計)は、30〜45μmに調節される。このよう感光層の膜厚が前記下限値未満であると、ピンホールリーク耐性が低下し、画質上黒点が発生し易くなり、他方、前記上限値を超えると、画質プリント上、細線の像流れが発生し易くなる。
【0193】
また、このような電荷発生層5の膜厚は、上記感光層7の範囲を満たす範囲であれば特に制限はないが、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.1〜2.0μmが適当である。
【0194】
さらに、このような電荷発生層6の膜厚は、上記感光層7の範囲を満たす範囲であれば特に制限はないが、好ましくは25〜45μm、より好ましくは28〜45μmが適当である。
【0195】
以上説明した電子写真感光体1においては、導電性支持体3上に形成された各層の膜厚の総和は50〜90μmに調節される。このよう膜厚の総和が前記下限値未満であると、ピンホールリーク耐性が低下し、画質上に黒点が発生し易くなり、他方、前記上限値を超えると、画質プリント上に細線の像流れが発生しやすくなり、膜形成時の成膜性が悪化する。
【0196】
また、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層7、保護層2等に酸化防止剤・光安定剤・熱安定剤等の添加剤を添加することができる。
【0197】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。
【0198】
より具体的には、フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
【0199】
また、ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチルN−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
【0200】
また、有機イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
【0201】
また、有機燐系酸化防止剤としてトリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニル フォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフィート等が挙げられる。
【0202】
上記の酸化防止剤のうち、有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と呼ばれ、フェノール系又はアミン系酸化防止剤等の1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
【0203】
また、光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系等の誘導体が挙げられる。
【0204】
より具体的には、ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0205】
また、ベンゾトリアゾール系光安定剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。その他、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケル ジブチル−ジチオカルバメート等を用いてもよい。
【0206】
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、感光層7、保護層2に少なくとも1種の電子受容性物質を含有せしめることができる。かかる電子受容性物質としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらのうち、フルオレノン系又はキノン系化合物や、−Cl、−CN、−NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
【0207】
また、感光体100においては、導電性支持体3と下引層4との間にさらに、酸化膜層(図示せず)を配置してもよい。酸化膜層は、金属酸化物からなるものであれば特に限定されないが、製造効率の観点から、酸化剤を含む酸性液体中において導電性支持体3(例えば、アルミニウム基体)を陽極酸化することにより形成される陽極酸化膜であることが好ましい。また、酸化膜層は、導電性支持体3にベーマイト処理を施して形成してもよい。
【0208】
導電性支持体3にアルミニウム基体を用いる場合、アルミニウム基体には、陽極酸化処理の前に効率よく陽極酸化を行うために脱脂洗浄処理を施すことが好ましい。この脱脂洗浄処理は充分な洗浄効果が得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸、アルカリ、有機溶剤、界面活性剤等の用いる処理や、電解法を用いる処理等の公知の技術を用いてよい。
【0209】
陽極酸化処理は、例えば、硫酸、リン酸、クロム酸、しゅう酸、ホウ酸、スルファミン酸などの酸性液にアルミニウム基体を浸漬浴させることにより行うことができる。ここで、使用する酸としては、特に硫酸が最も好ましく用いられる。
【0210】
硫酸を用いて陽極酸化処理を行う場合、硫酸濃度は20〜300g/L、液温は0℃〜50℃、溶存アルミニウム濃度は1〜30g/L、電解電圧は5〜30Vの範囲の条件が好ましく用いられる。また、得られる酸化膜層2の層厚は0.1〜20μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましい。
【0211】
得られる酸化膜層には、膜の化学的安定性を向上させるための封孔処理を更に施してもよい。この封孔処理は処理後の酸化膜層について所望の感光体特性(例えば、電気特性、画質特性等)が得られる方法であれば特に限定されず、いかなる方法でも用いることができるが、特に弗化ニッケル含有水溶液中に浸漬させる方法、酢酸ニッケル含有水溶液中に浸漬させる方法、蒸気浴による方法、沸騰水に浸漬させる方法等が好ましく用いられる。
【0212】
次に、本発明の画像形成装置に搭載される電子写真感光体の他の例について説明する。電子写真感光体の他の例としては、感光層を単層(一層)構造とした以外は図1に示した電子写真感光体1と同様の構成を有する。
【0213】
この単層構造の感光層は、上述した電荷発生物質、並びに、必要に応じて結着樹脂を含んで構成されるものである。この単層構造の感光層には上記材料の他に、上述の電荷輸送物質、固形潤滑剤、及び、金属酸化物等を含んでもよい。そして、上述した電子写真感光体1と同様な方法により作製することができる。
【0214】
このようにして得られる単層構造の感光層の膜厚は30〜45μmに調節されている。このよう感光層の膜厚が前記下限値未満であると、ピンホールリーク耐性が低下し、画質上黒点が発生し易くなり、他方、前記上限値を超えると、画質プリント上、細線の像流れが発生し易くなる。
【0215】
以上説明した単層構造の感光層を有する電子写真感光体において、導電性支持体3上に形成された各層の膜厚の総和は50〜90μmに調節される。このよう膜厚の総和が前記下限値未満であると、ピンホールリーク耐性が低下し、画質上黒点が発生し易くなり、他方、前記上限値を超えると、画質プリント上細線の像流れが発生しやすくなり、膜形成時の成膜性が悪化する。
【0216】
また、以上説明した単層構造の感光層を有する電子写真感光体は、上述した電子写真感光体1と同様に、保護層2、酸化膜層をさらに備えていてもよい。
【0217】
〔画像形成装置〕
次に、上述した電子写真感光体を搭載した本発明の画像形成装置の好適な実施形態について説明する。
【0218】
電子写真感光体12は駆動装置(図示せず)により所定の回転速度で矢印Aの向きに回転可能となっている。電子写真感光体12の略上方には、電子写真感光体12の外周面を帯電させる帯電器14が設けられている。
【0219】
また、帯電器14の略上方には露光装置(光ビーム走査装置)16が配置されている。詳細は後述するが、露光装置16は、光源から射出される複数本のレーザビームを、形成すべき画像に応じて変調すると共に、主走査方向に偏向し、帯電器14により帯電した電子写真感光体12の外周面上を電子写真感光体12の軸線と平行に走査させる。
【0220】
電子写真感光体12の側方には現像装置18が配置されている。現像装置18は回転可能に配置されたローラ状の収容体を備えている。この収容体の内部には4個の収容部が形成されており、各収容部には現像器18Y,18M,18C,18Kが設けられている。現像器18Y,18M,18C,18Kは各々現像ローラ20を備え、内部に各々イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色トナーを貯留している。
【0221】
また、電子写真感光体12の略下方には無端の中間転写ベルト24が配設されている。中間転写ベルト24はローラ26,28,30に巻掛けられており、外周面が電子写真感光体12の外周面に接触するように配置されている。ローラ26〜30はモータ(図示せず)の駆動力が伝達されて回転し、中間転写ベルト24を矢印Bの向きに回転させる。
【0222】
中間転写ベルト24を挟んで電子写真感光体12の反対側には転写器32が配置されている。電子写真感光体12の外周面上に形成されたトナー像は転写器32によって中間転写ベルト24の画像形成面に転写される。
【0223】
中間転写ベルト24よりも下方側にはトレイ34が配置されており、トレイ34内には記録材料としての用紙Pが多数枚積層された状態で収容されている。図3におけるトレイ34の左斜め上方には取り出しローラ36が配置されており、取り出しローラ36による用紙Pの取り出し方向下流側にはローラ対38、ローラ40が順に配置されている。積層状態で最も上方に位置している記録紙は、取り出しローラ36が回転されることによりトレイ34から取り出され、ローラ対38、ローラ40によって搬送される。
【0224】
また、中間転写ベルト24を挟んでローラ30の反対側には転写器42が配置されている。ローラ対38、ローラ40によって搬送された用紙Pは、中間転写ベルト24と転写器42の間に送り込まれ、中間転写ベルト24の画像形成面に形成されたトナー像が転写器42によって転写される。転写器42よりも用紙Pの搬送方向下流側には、定着ローラ対を備えた定着器44が配置されており、トナー像が転写された用紙Pは、転写されたトナー像が定着器44によって溶融定着された後に画像形成装置100の機体外へ排出され、図示しない排紙トレイ上に載置される。定着器44は請求項1に記載の定着手段に対応している。
【0225】
また電子写真感光体12を挟んで現像装置18の反対側には、電子写真感光体12の外周面を除電する機能及び外周面上に残留している不要トナーを除去する機能を備えた除電・清掃器22が配置されている。電子写真感光体12の外周面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト24に転写されると、電子写真感光体12の外周面のうち転写されたトナー像を担持していた領域は、除電・清掃器22によって清掃される。
【0226】
図2に示した画像形成装置100では、電子写真感光体12が4回転する回転過程においてフルカラー画像の形成が行われる。すなわち、電子写真感光体12が4回転する間、帯電器14は電子写真感光体12の外周面の帯電、除電・清掃器22は外周面の除電を継続し、露光装置16は、形成すべきカラー画像を表すY,M,C,Kの画像データのうちの何れかに応じて変調したレーザビームを電子写真感光体12の外周面上で走査させることを、電子写真感光体12が1回転する毎にレーザビームの変調に用いる画像データを切替えながら繰り返す。また現像装置18は、現像器18Y,18M,18C,18Kの何れかの現像ローラ20が電子写真感光体12の外周面に対応している状態で、外周面に対応している現像器を作動させ、電子写真感光体12の外周面に形成された静電潜像を特定の色に現像し、電子写真感光体12の外周面上に特定色のトナー像を形成させることを、電子写真感光体12が1回転する毎に、静電潜像の現像に用いる現像器が切り替わるように収容体を回転させながら繰り返す。
【0227】
これにより、電子写真感光体12が1回転する毎に、電子写真感光体12の外周面上には、Y,M,C,Kのトナー像が互いに重なるように順次形成されることになり、電子写真感光体12が4回転した時点で電子写真感光体12の外周面上にフルカラーのトナー像が形成されることになる。
【0228】
このように、複数本の光ビームを電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置14と共に、先に述べた電子写真感光体12(図1に示した電子写真感光体1と同一のもの)を用いることによって、露光装置の光源として面発光レーザアレイを搭載した場合であっても、画像の画質の向上、画像形成速度の高速化、及び小型化が容易に実現可能であり、しかも長期にわたり画像形成プロセスを繰り返しても良好な画質の画像を得ることができる。
【0229】
次に、図3を参照し、露光装置16について説明する。露光装置16はm本(mは少なくとも3以上)のレーザビームを射出する面発光レーザアレイ50を備えている。なお、図3では、簡略化のためにレーザビームを3本のみ示しているが、面発光レーザをアレイ化して成る面発光レーザアレイ50は、数十本のレーザビームを射出するように構成することができ、また、面発光レーザの配列(面発光レーザアレイ50から射出されるレーザビームの配列)についても、1列に配列する以外に、2次元的に(例えばマトリクス状に)配列することも可能である。
【0230】
図4は、発光点が2次元的に配列されたレーザアレイ50を示す平面図である。図示の通り、レーザアレイ50には、所定の間隔で、主走査方向に4個、副走査方向に4個の系16個の発光点54が2次元的に配置されている。また、主走査方向に並んだ発光点54は、副走査方向に隣り合う発光点54との距離を4等分した距離を1ステップとし、副走査方向に1ステップずつ段階的にずれるように配置されている。すなわち、副走査方向に限ってみれば、1ステップ毎に発光点54が配置されていることになる。このように副走査方向に段階的にずらして発光点54を配置することにより、全ての発光点54が異なる走査線を走査することができるようになっている。これにより、レーザアレイ50は16本の走査線を同時に走査する。
【0231】
図3に戻り、面発光レーザアレイ50のレーザビーム射出側には、コリメートレンズ52、ハーフミラー54が順に配置されている。面発光レーザアレイ50から射出されたレーザビームは、コリメートレンズ52によって略平行光束とされた後にハーフミラー54に入射され、ハーフミラー54によって一部が分離・反射される。ハーフミラー54のレーザビーム反射側にはレンズ56、光量センサ58が順に配置されており、ハーフミラー54によって主レーザビーム(露光に用いるレーザビーム)から分離・反射された一部のレーザビームは、レンズ56を透過して光量センサ58へ入射され、光量センサ58によって光量が検出される。
【0232】
なお、面発光レーザは、露光に用いるレーザビームが射出される側と反対側からはレーザビームが射出されない(端面発光レーザでは両側から射出される)ため、レーザビームの光量を検出・制御するためには、上記のように露光に用いるレーザビームの一部を分離して光量検出に供することが必要になる。
【0233】
ハーフミラー54の主レーザビーム射出側にはアパーチャ60、副走査方向にのみパワーを有するシリンダレンズ62、折り返しミラー64が順に配置されており、ハーフミラー54から射出された主レーザビームは、アパーチャ60によって整形された後に、回転多面鏡66の反射面近傍で主走査方向に長い線状に結像するようにシリンダレンズ62によって屈折され、折り返しミラー64によって回転多面鏡66側へ反射される。なお、アパーチャ60は複数本のレーザビームを均等に整形するために、コリメートレンズ52の焦点位置近傍に配置することが望ましい。
【0234】
回転多面鏡66は、図示しないモータの駆動力が伝達されて図3中の矢印C方向に回転され、折り返しミラー64によって反射されて入射されたレーザビームを主走査方向に沿って偏向・反射する。回転多面鏡66のレーザビーム射出側には主走査方向にのみパワーを有するFθレンズ68,70が配置されており、回転多面鏡66によって偏向・反射されたレーザビームは、電子写真感光体12の外周面上を略等速で移動し、且つ主走査方向の結像位置が電子写真感光体12の外周面上に一致するようにFθレンズ68,70によって屈折される。
【0235】
Fθレンズ68,70のレーザビーム射出側には、副走査方向にのみパワーを有するシリンダミラー72,74が順に配置されており、Fθレンズ68,70を透過したレーザビームは、副走査方向の結像位置が電子写真感光体12の外周面に一致するようにシリンダミラー72,74によって反射され、感光体ドラム12の外周面上に照射される。なお、シリンダミラー72,74は回転多面鏡66と電子写真感光体12の外周面を副走査方向において共役にする面倒れ補正機能も有している。
【0236】
また、シリンダミラー72のレーザビーム射出側には、レーザビームの走査範囲のうち走査開始側の端部(SOS:Start Of Scan)に相当する位置にピックアップミラー76が配置されており、ピックアップミラー76のレーザビーム射出側にはビーム位置検出センサ78が配置されている。面発光レーザアレイ50から射出されたレーザビームは、回転多面鏡66の各反射面のうちのレーザビームを反射している面が、入射ビームをSOSに相当する方向へ反射する向きとなったときに、ピックアップミラー76で反射されてビーム位置検出センサ78に入射される(図3の想像線も参照)。
【0237】
ビーム位置検出センサ78から出力された信号は、回転多面鏡66の回転に伴って電子写真感光体12の外周面上を走査されるレーザビームを変調して静電潜像を形成するにあたり、各回の主走査における変調開始タイミングの同期をとるために用いられる。
【0238】
また、本実施形態に係る露光装置16では、コリメートレンズ52とシリンダレンズ62、2枚のシリンダミラー72,74が各々副走査方向においてアフォーカルになる様に配置されている。これは、複数本のレーザビームの走査線湾曲(BOW)の差と複数本のレーザビームによる走査線間隔の変動を抑制するためである。
【0239】
続いて、画像形成装置100の制御装置のうち、露光装置16の面発光レーザアレイ50からのレーザビームの射出を制御する部分(以下、この部分を制御部80と称する)の構成について、図5を参照して説明する。制御装置は、画像形成装置100によって形成すべき画像を表す画像データを記憶するための記憶部82を内蔵しており、記憶部82に記憶された画像データは、画像形成装置100によって画像が形成される際に制御部80の変調信号生成手段84に入力される。
【0240】
図示は省略するが、変調信号生成手段84にはビーム位置検出センサ78が接続されている。変調信号生成手段84は、記憶部82から入力された画像データを、面発光レーザアレイ50から射出されるm本のレーザビームの何れかに各々対応するm個の画像データに分解し、分解したm個の画像データに基づき、ビーム位置検出センサ78から入力された信号によって検知されるSOSのタイミングを基準として、面発光レーザアレイ50から射出されるm本のレーザビームの各々をオンオフさせるタイミングを規定するm個の変調信号を生成し、レーザ駆動回路(LDD)86に出力する。
【0241】
LDD86には駆動量制御手段88(詳細は後述)が接続されており、面発光レーザアレイ50から射出されるm本のレーザビームを、変調信号生成手段84から入力された変調信号に応じたタイミングでオンオフすると共に、オン時のレーザビームの光量を、駆動量制御手段88から入力される駆動量設定信号に対応する光量にするためのm個の駆動電流を生成し、面発光レーザアレイ50のm個の面発光レーザに各々供給する。
【0242】
これにより、面発光レーザアレイ50からは、変調信号に応じたタイミングでオンオフされると共に、オン時の光量が駆動量設定信号に対応する光量とされたm本のレーザビームが射出され、このm本のレーザビームが電子写真感光体12の外周面上を各々走査・露光されることで、電子写真感光体12の外周面上に静電潜像が形成される。この静電潜像が現像装置18によりトナー像として現像され、このトナー像が転写器32,42による転写を経て用紙Pに転写され、定着器44によって用紙Pに溶融定着されることで、用紙Pに画像が記録されることになる。
【0243】
一方、画像形成装置100は、電子写真感光体12の外周面上に形成されたトナー像、中間転写ベルト24の外周面上に転写されたトナー像、及び用紙Pに記録された画像の何れかの濃度を検出する濃度センサ(図示省略)を備えており、この濃度センサは制御部80に接続されている。なお、本実施形態のように多数本(m本)のレーザビームを電子写真感光体12の外周面上で同時に走査・露光して画像(詳しくは静電潜像)を形成する場合、各回の主走査におけるm本のレーザビームによる走査領域の境界付近ではレーザビームが2回照射(露光)される。
【0244】
なお、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、図2には帯電装置としてスコロトロンを用いた例を示したが、帯電ローラや帯電ブラシを備える接触帯電方式の帯電装置を用いてもよい。
【0245】
また、本発明の画像形成装置で用いられる現像剤は、一成分系、二成分系のいずれであってもよく、また、正規現像剤、反転現像剤のいずれであってもよい。また、本発明の画像形成装置は、電子写真感光体上のトナー像を中間転写体に転写した後、さらに被転写媒体に転写する中間転写方式のものであってもよい。
【0246】
また、本発明の画像形成装置は、図2に示したものの他、白黒画像用の画像形成装置やタンデム式のカラー画像形成装置としてもよい。次に、タンデム式のカラー画像形成装置について説明する。なお、「タンデム式画像形成装置」とは、以下の画像形成ユニットを2以上有する画像形成装置をという。
【0247】
図6は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図6に示す画像形成装置200は、帯電装置402a〜402dが接触帯電装置であり、転写装置が中間転写方式を採用する構成を有しており、かつ、帯電装置402a〜402d、露光装置403、及び現像装置404a〜404dを少なくとも備える画像形成ユニットを2以上有するタンデム式画像形成装置である。
【0248】
より具体的には、このタンデム式画像形成装置200は、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。また、この画像形成装置200には、さらに、クリーニング手段415a〜415dが備わっている。
【0249】
ここで、画像形成装置200に搭載されている電子写真感光体401a〜401dは、それぞれ図1に示した電子写真感光体1と同一の構成を有するものである。
【0250】
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d(電子写真感光体を帯電させる接触帯電装置)、現像装置404a〜404d(露光装置により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置)、1次転写ロール410a〜410d{現像装置により形成されたトナー像を後述の中間転写ベルト409(中間転写体)に1次転写するための転写装置}、クリーニングブレード415a〜415d(クリーニング手段)が配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409(1次転写像を被転写媒体500に転写する中間転写体)を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
【0251】
更に、ハウジング400内の所定の位置にはレーザ光源となる露光装置403(帯電装置により帯電される電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置)が配置されており、レーザ光源403から出射されたレーザ光を帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。なお、この露光装置403は図2〜図5を用いて説明した露光装置16と同様の構成を有するものである。
【0252】
これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
【0253】
上記帯電装置(帯電用部材)402a〜402dは、ローラー状の接触帯電部材を備えるもので、感光体401a〜401dの表面に接触するように配置され、感光体に電圧を均一に印加し、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。帯電装置にはアルミニウム、鉄、銅等の金属、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子材料、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッソゴム、スチレンーブタジエンゴム、ブタジエンゴム等のエラストマー材料にカーボンブラック、沃化銅、沃化銀、硫化亜鉛、炭化けい素、金属酸化物等の金属酸化物粒子を分散したもの等を用いることができる。
【0254】
この金属酸化物の例としてはZnO、SnO、TiO、In、MoO等、あるいはこれらの複合酸化物が挙げられる。また、帯電装置402a〜402dにはエラストマー材料中に過塩素酸塩を含有させて導電性を付与したものを使用しても良い。
【0255】
更に、帯電装置402a〜402dにはその表面に被覆層を設けてもよい。被覆層を形成する材料としては、N−アルコキシメチル化ナイロン、セルロース樹脂、ビニルピリジン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、メラミン等が単独、あるいは併用して用いられる。また、エマルジョン樹脂系材料、たとえば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョン、ポリウレタン、特にソープフリーのエマルジョン重合により合成されたエマルジョン樹脂を用いることも出来る。
【0256】
これらの樹脂にはさらに抵抗率を調整するために、導電剤粒子を分散してもよいし、劣化を防止するために酸化防止剤を含有させることもできる。また、被覆層を形成する時の成膜性を向上させるために、エマルジョン樹脂にレベリング剤または界面活性剤を含有させることもできる。また、この接触帯電用部材の形状としては、ローラー状、ブレード状、ベルト状、ブラシ状、等が挙げられる。
【0257】
さらに、帯電装置402a〜402dの電気抵抗値は、好ましくは10〜1014Ωcm、さらに好ましくは10〜1012Ωcmの範囲が良い。また、この接触帯電用部材への印加電圧は、直流、交流いずれも用いることができる。又、直流+交流の形(直流電圧と交流電圧とを重畳したもの)で印加することもできる。
【0258】
また、転写装置410a〜410dとしては、ベルト、ローラー、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等、が挙げられる。
【0259】
また、上記現像装置404a〜404dとしては、一成分系、二成分系等の正規または反転現像剤を用いた従来公知の現像装置等を用いることができる。このような現像剤のうち画質の向上という理由から、二成分現像剤を用いる二成分現像方式を用いて行うことが好ましい。この場合、静電潜像の可視化のために用いる現像剤は、トナーとキャリアとで構成される。また、使用されるトナーの形状は特に制限されず、例えば粉砕法による不定形トナーや重合法による球形トナーが好適に使用される。
【0260】
また、上記クリーニング手段415a〜415dは、転写工程後の電子写真感光体401a〜401dの表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体401a〜401dは上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニン手段415a〜415dとしては、クリーニングブレード、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いることができるが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0261】
また、上記中間転写ベルト409は以下の手順で製造することができる。すなわち、略等モルのテトラカルボン酸二無水物或いはその誘導体とジアミンとを所定の溶媒中で重合反応させてポリアミド酸溶液を得る。このポリアミド酸溶液を円筒状金型に供給・展開して膜(層)形成を行った後、さらにイミド転化を行うことによって、ポリイミド樹脂からなる中間転写ベルト409を得ることができる。
【0262】
かかるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物などが例示される。
【0263】
また、ジアミンの具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ベンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHO(CH)NH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH(CHNHなどが挙げられる。
【0264】
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性等の点から極性溶媒が好ましい。極性溶媒としては、N,N−ジアルキルアミド類が好ましく、中でもN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等の低分子量のものがより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0265】
また、中間転写ベルト409の膜抵抗を調整するために、ポリイミド樹脂中にカーボンを分散してもよい。カーボンの種類は特に限定されないが、カーボンブラックの酸化処理によりその表面に酸素含有官能基(カルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等)が形成された酸化処理カーボンブラックを用いることが好ましい。ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを分散すると、電圧を印可したときに酸化処理カーボンブラックに過剰な電流が流れるため、ポリイミド樹脂が繰返しの電圧印加による酸化の影響を受けにくくなる。また、酸化処理カーボンブラックはその表面に形成された酸素含有官能基によりポリイミド樹脂中への分散性が高いので、抵抗バラツキを小さくすることができると共に電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中が起こりにくくなる。従って、転写電圧による抵抗低下を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化の少ない、用紙走行部が白く抜けること等の画質欠陥の発生が抑制された高画質を得ることができる中間転写ベルトを得ることができる。
【0266】
酸化処理カーボンブラックは、カーボンブラックを高温雰囲気下で空気と接触、反応させる空気酸化法、常温下で窒素酸化物やオゾン等と反応させる方法、高温下での空気酸化後、低温下でオゾン酸化する方法などにより得ることができる。
【0267】
また、酸化処理カーボンとしては、三菱化学製のMA100(pH3.5、揮発分1.5%)、同,MA100R(pH3.5、揮発分1.5%)、同MA100S(pH3.5、揮発分1.5%)、同#970(pH3.5、揮発分3.0%)、同MA11(pH3.5、揮発分2.0%)、同#1000(pH3.5、揮発分3.0%)、同#2200(pH3.5,揮発分3.5%)、同MA230(pH3.0、揮発分1.5%)、同MA220(pH3.0、揮発分1.0%)、同#2650(pH3.0、揮発分8.0%)、同MA7(pH3.0、揮発分3.0%)、同MA8(pH3.0、揮発分3.0%)、同OIL7B(pH3.0、揮発分6.0%)、同MA77(pH2.5、揮発分3.0%)、同#2350(pH2.5、揮発分7.5%)、同#2700(pH2.5、揮発分10.0%)、同#2400(pH2.5、揮発分9.0%);デグサ社製のプリンテックス150T(pH4.5、揮発分10.0%)、同スペシャルブラック350(pH3.5、揮発分2.2%)、同スペシャルブラック100(pH3.3、揮発分2.2%)、同スペシャルブラック250(pH3.1、揮発分2.0%)、同スペシャルブラック5(pH3.0、揮発分15.0%)、同スペシャルブラック4(pH3.0、揮発分14.0%)、同スペシャルブラック4A(pH3.0、揮発分14.0%)、同スペシャルブラック550(pH2.8、揮発分2.5%)、同スペシャルブラック6(pH2.5、揮発分18.0%)、同カラーブラックFW200(pH2.5、揮発分20.0%)、同カラーブラックFW2(pH2.5、揮発分16.5%)、同カラーブラックFW2V(pH2.5、揮発分16.5%);キャボット社製MONARCH1000(pH2.5、揮発分9.5%)、同MONARCH1300(pH2.5、揮発分9.5%)、同MONARCH1400(pH2.5、揮発分9.0%)、同MOGUL−L(pH2.5、揮発分5.0%)、同REGAL400R(pH4.0、揮発分3.5%)、などの市販品を用いてもよい。また、このような酸化処理カーボンとしては、pH4.5以下であり、揮発分1.0%以上であるものが好ましい。
【0268】
上記の酸化処理カーボンは、例えば酸化処理の度合い、DBP吸油量、窒素吸着を利用したBET法による比表面積等の物性の相違により導電性が異なるがこれらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、実質的に導電性の異なるものを2種以上組み合わせて用いることが好ましい。このように物性の異なる2種類以上のカーボンブラックを添加する場合、例えば高い導電性を発現するカーボンブラックを優先的に添加した後、導電率の低いカーボンブラックを添加して表面抵抗率を調整すること等が可能である。
【0269】
これら酸化処理カーボンブラックの含有量は、ポリイミド樹脂に対して10〜50質量%が好ましく、より好ましくは12〜30質量%である。当該含有量が10質量%未満であると、電気抵抗の均一性が低下し、耐久使用時の表面抵抗率の低下が大きくなる場合があり、一方、50質量%を超えると、所望の抵抗値が得られにくく、また、成型物として脆くなるため好ましくない。
【0270】
2種類以上の酸化処理カーボンブラックを分散させたポリアミド酸溶液の製造方法としては、溶媒中に2種類以上の酸化処理カーボンブラックを予め分散した分散液中に上記酸二無水物成分及びジアミン成分を溶解・重合する方法、2種類以上の酸化処理カーボンブラックを各々溶媒中に分散させ2種類以上のカーボンブラック分散液を作製し、この分散液に酸無水物成分及びジアミン成分を溶解・重合させた後、各々のポリアミド酸溶液を混合する方法、などが挙げられる。
【0271】
中間転写ベルト409は、このようにして得られたポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に供給・展開して被膜とし、加熱によりポリアミド酸をイミド転化させることにより得られる。かかるイミド転化の際には、所定の温度で0.5時間以上保持することによって、良好な平面度を有する中間転写ベルトを得ることができる。
【0272】
ポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に供給する際の供給方法としては、ディスペンサーによる方法、ダイスによる方法などが挙げられる。ここで、円筒上金型としては、その内周面が鏡面仕上げされたものを用いることが好ましい。
【0273】
また、金型に供給されたポリアミド酸溶液から被膜を形成する方法としては、加熱しながら遠心成形する方法、弾丸状走行体を用いて成形する方法、回転成形する方法などが挙げられ、これらの方法により均一な膜厚の被膜が形成される。
【0274】
このようにして形成された被膜をイミド転化させて中間転写ベルトを成形する方法としては、(i)金型ごと乾燥機中に入れ、イミド転化の反応温度まで昇温する方法、(ii)ベルトとして形状を保持できるまで溶媒の除去を行った後、金型内面から被膜を剥離して金属製シリンダ外面に差し替えた後、このシリンダごと加熱してイミド転化を行う方法などが挙げられる。本発明においては、得られる中間転写ベルトの表面のダイナミック硬度が上記の条件を満たせば上記(i)、(ii)のいずれの方法でイミド転化を行ってもよいが、方法(ii)によりイミド転化を行うと、平面度及び外表面精度が良好な中間転写体を効率よく且つ確実に得ることができるので好ましい。以下、方法(ii)について詳述する。
【0275】
方法(ii)において、溶媒を除去する際の加熱条件は、溶媒を除去できれば特に制限されないが、加熱温度は80〜200℃であることが好ましく、加熱時間は0.5〜5時間であることが好ましい。このようにしてベルトとしてそれ自身形状を保持することができるようになった成形物は金型内周面から剥離されるが、かかる剥離の際に金型内周面に離型処理を施してもよい。
【0276】
次いで、ベルト形状として保持できるまで加熱・硬化させた成形物を、金属製シリンダ外面に差し替え、差し替えたシリンダごと加熱することにより、ポリアミド酸のイミド転化反応を進行させる。かかる金属製シリンダとしては、線膨張係数がポリイミド樹脂よりも大きいものが好ましく、また、シリンダの外径をポリイミド成形物の内径より所定量小さくすることで、ヒートセットを行うことができ均一な膜厚でムラのない無端ベルトを得ることができる。また、金属製シリンダ外面の表面粗度(Ra)は、1.2〜2.0μmであることが好ましい。金属製シリンダ外面の表面粗度(Ra)が1.2μm未満であると、金属製シリンダ自身が平滑過ぎるため、得られる中間転写ベルトにおいてベルトの軸方向に対する収縮による滑りが発生しないため、延伸がこの工程で行われ、膜厚のバラツキや平面度の精度の低下が発生する傾向にある。また、金属製シリンダ外面の表面粗度(Ra)が2.0μmを超えると、金属製シリンダ外面がベルト状中間転写体の内面に転写し、さらには外面に凹凸を発生させ、これにより画像不良が発生しやすくなる傾向にある。なお、本実施形態でいう表面粗度とはJIS B601に準じて測定されるRaをいう。
【0277】
また、イミド転化の際の加熱条件としては、ポリイミド樹脂の組成にもよるが、加熱温度が220〜280℃、加熱時間0.5〜2時間であることが好ましい。このような加熱条件でイミド転化を行うと、ポリイミド樹脂の収縮量がより大きくなるため、ベルトの軸方向についての収縮を緩やかに行うことにより、膜厚バラツキや平面度の精度の低下を防ぐことができる。
【0278】
このようにして得られたポリイミド樹脂からなる中間転写ベルトの外面の表面粗度(Ra)は、1.5μm以下であることが好ましい。中間転写体の表面粗度(Ra)が1.5μmを超えるとがさつき等の画像欠陥が発生しやすくなる傾向にある。なお、がさつきの発生は、転写の際に印加される電圧や剥離放電による電界がベルト表面の凸部に局所的に集中して凸部表面が変質することによって、新たな導電経路の発現により抵抗が低下し、その結果得られる画像の濃度低下が起こることに起因すると本発明者らは推察する。
【0279】
このようにして得られる中間転写ベルト409はシームレスベルトであることが好ましい。このシームレスベルトの場合、中間転写ベルト409の厚さはその使用目的に応じて適宜決定しうるが、強度や柔軟性等の機械的特性の点から、20〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。また、中間転写ベルト9の表面抵抗は、その表面抵抗率(Ω/□)の常用対数値が8〜15(logΩ/□)であることが好ましく、11〜13(logΩ/□)であることがより好ましい。なお、ここでいう表面抵抗率とは、22℃、55%RH環境下で100Vの電圧を印加し、電圧印可開始時から10秒後に測定される電流値に基づいて得られる値をいう。ここで、「表面抵抗[Ω/□]」とは、「薄膜ハンドブック(オーム社刊)」p.896に記載の「表面抵抗」と同義であり、面状の抵抗体を正方形に切り出して対向する2辺間の抵抗で表わしたものを示す。この表面抵抗は、抵抗分布が一様ならば正方形の寸法に無関係である。
【0280】
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって指示されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409はクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
【0281】
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
【0282】
このように電子写真感光体401a〜401dの回転工程において、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を順次行うことによって画像形成が繰り返し行われる。ここで、電子写真感光体401a〜401dは、上述した電子写真感光体1であり、リーク防止性と電気特性との双方が充分に高水準で達成されたものであるため、接触帯電装置402a〜402dと共に用いた場合であってもかぶり等の画質欠陥を生じることなく良好な画像品質を得ることが可能となる。従って、本実施形態により、長期にわたり繰り返し使用される場合であっても、感光体におけるピンホールリークの発生が充分に防止され、画像品質の優れたカラー画像を高速で形成できる画像形成装置200が実現される。
【0283】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0284】
また、本発明の画像形成装置はイレース光照射装置等の除電装置をさらに備えていてもよい。これにより、電子写真感光体が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質をより高めることができる。
【0285】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0286】
以下に示す手順により図6に示した画像形成装置200と同様の構成を有する実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例5の画像形成装置を作製した。
【0287】
[電子写真感光体の作製]
以下の手順にて図1に示した電子写真感光体1と同様の構成を有する電子写真感光体を作製した。
先ず、以下の手順により、図1に示した電子写真感光体1の保護層7以外の部分の積層体を3種類作製した。以下、3種類の積層体をそれぞれ「ベース感光体−1」、「ベース感光体−2」及び「ベース感光体−1」という。
【0288】
<ベース感光体−1>
ホーニング処理を施した外径30mmのアルミ基材上に、ジルコニウム化合物(商品名:オルガノチックスZC540、マツモト製薬社製)20質量部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)2.5質量部及びポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)1.5質量部、ブタノール45質量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃において10分間加熱乾燥し膜厚1.0μmの下引層を形成した。
【0289】
次に、CuKα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生物質)15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、酢酸n−ブチル300質量部からなる混合物をガラスビーズとともに横型サンドミルにて0.5時間分散し、電荷発生層用塗布液を得た。この塗布液を下引層上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥させ、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0290】
次に、下記構造式(i)で表される化合物を2質量部、下記構造式(ii)で示される高分子化合物(粘度平均分子量:39000)3質量部を、テトラヒドロフラン15質量部及びクロロベンゼン5質量部からなる混合溶剤中に溶解させた塗布液を調製した。次にこの塗布液を電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、135℃で40分間熱風乾燥させ、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。なお、式(i)中「Me」はメチル基を示す。
【0291】
【化28】
Figure 2004287085
【0292】
【化29】
Figure 2004287085
【0293】
<ベース感光体−2>
ホーニング処理を施した外径30mmのアルミ基材上に、ジルコニウム化合物(商品名:オルガノチックスZC540、マツモト製薬社製)20質量部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)2.5質量部及びポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)1.5質量部、ブタノール45質量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃において10分間加熱乾燥し膜厚1.0μmの下引層を形成した。
【0294】
次に、CuKα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生物質)15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、酢酸n−ブチル300質量部からなる混合物をガラスビーズとともに横型サンドミルにて0.5時間分散し、電荷発生層用塗布液を得た。この塗布液を下引層上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥させ、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0295】
次に、下記構造式(iii)で表される高分子化合物を2質量部、上記構造式(ii)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39000)3質量部を、テトラヒドロフラン15質量部及びクロロベンゼン5質量部からなる混合溶剤中に溶解させた塗布液を調製した。次にこの塗布液を電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、135℃で40分間熱風乾燥させ、膜厚17μmの電荷輸送層を形成した。なお、式(iii)中「Me」はメチル基を示す。
【0296】
【化30】
Figure 2004287085
【0297】
<ベース感光体−3>
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製試作品)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、得られる混合物中にシランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.5質量部をさらに添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行い、酸化亜鉛からなる粒子に表面処理を施した。
【0298】
得られる酸化亜鉛粒子60質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート、商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):15質量部と、ブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学社製)15質量部とをメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液を調製した。次に、この溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、シリコーン樹脂粒子トスパール130(GE東芝シリコーン社製):3.4質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い、厚さ20μmの下引層を得た。
【0299】
次に、CuKα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生物質)15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、酢酸n−ブチル300質量部からなる混合物をガラスビーズとともに横型サンドミルにて0.5時間分散し、電荷発生層用塗布液を得た。この塗布液を下引層上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥させ、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0300】
次に、先に述べた構造式(i)で表される化合物を2質量部、上記構造式(ii)で示される高分子化合物(粘度平均分子量:39000)3質量部を、テトラヒドロフラン15質量部及びクロロベンゼン5質量部からなる混合溶剤中に溶解させた塗布液を調製した。次にこの塗布液を電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、135℃で40分間熱風乾燥させ、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0301】
<ベース感光体−4>
電荷輸送層の膜厚を30μmとした以外はベース感光体−1と同様にしてベース感光体を作製した。
【0302】
<ベース感光体−5>
電荷輸送層の膜厚を25μmとした以外はベース感光体−2と同様にしてベース感光体を作製した。
【0303】
<ベース感光体−6>
電荷輸送層の膜厚を30μmとした以外はベース感光体−2と同様にしてベース感光体を作製した。
【0304】
<ベース感光体−7>
電荷輸送層の膜厚を35μmとした以外はベース感光体−2と同様にしてベース感光体を作製した。
【0305】
次に、以下の手順により、保護層形成用の塗布液を3種類調製した。以下、2種類の保護層形成用の塗布液をそれぞれ「保護層形成用塗布液−1」及び「保護層形成用塗布液−2」という。
【0306】
<保護層形成用塗布液−1>
下記構造式(iv)及び(v)で表される化合物をそれぞれ2質量部ずつ、イソプロピルアルコール5質量部、テトラヒドロフラン3質量部及び蒸留水0.3質量部を混合した溶液中に溶解させ、更に、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.05質量部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。なお、式(iv)及び(V)中「Me」はメチル基を示す。
【0307】
【化31】
Figure 2004287085
【0308】
【化32】
Figure 2004287085
【0309】
次に、加水分解後に得られる液からイオン交換樹脂を濾過分離した。次に、得られる液体2質量部に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナートを0.04質量部を加えて、保護層形成用塗布液−1とした。
【0310】
<保護層形成用塗布液−2>
保護層形成用塗布液−1の調製において使用した上記構造式(iv)で表される化合物のかわりに下記構造式(vi)で表される化合物を使用し、上記構造式(v)で表される化合物のかわりに下記構造式(vii)で表される化合物を使用したことと、保護層形成用塗布液−1の成分以外に、ポリビニルブチラール樹脂 (積水化学社製、商品名:エスレックBX−L)を1質量部更に添加したこと以外は保護層形成用塗布液−1の調製と同様の条件及び手順により保護層形成用塗布液−2を調製した。なお、式(vi)及び(Vii)中「Me」はメチル基を示す。
【0311】
【化33】
Figure 2004287085
【0312】
【化34】
Figure 2004287085
【0313】
[実施例1]
(感光体の作製)
ベース感光体−1(感光層の膜厚:20μm)上に、保護層形成用塗布液−1をリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、140℃で40分間加熱処理して硬化し、保護層(厚さ:5μm)を形成し、電子写真感光体を得た。
【0314】
(画像形成装置の作製)
得られた電子写真感光体を用いて、帯電装置が接触帯電装置であり、転写方式が中間転写方式であるタンデム式画像形成装置を作製した。なお、画像形成装置の構成は、露光装置部分を以下の構成に改造した以外はカラータンデム複写機DocuCentre C400(富士ゼロックス社製)と同様の構成とした。すなわち、露光装置に、面発光レーザアレイ(発光点が6×6の二次元に配列、レーザビーム数が32本)を備え、その走査線数を2400dpiに改造した。
【0315】
ここで、面発光レーザアレイの発光点(6×6の二次元に配列)に対して、レーザビーム数が36本でなく32本であるのは、6×6マトリックスは36個の素子を配列しているが、実際に使用する場合にはコンピュータでの制御条件の制約[2のn乗(この場合は2)]による。そのため、36本ではなく、32本を使用している。
【0316】
[実施例2]
ベース感光体−1(感光層の膜厚:20μm)上に、保護層形成用塗布液−2をリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、140℃で40分間加熱処理して硬化し、保護層(厚さ:3μm)を形成し、電子写真感光体を得たこと以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。
【0317】
[実施例3]
ベース感光体−2(感光層の膜厚:17μm)上に、保護層形成用塗布液−1をリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、140℃で40分間加熱処理して硬化し、保護層(厚さ:3μm)を形成し、電子写真感光体を得たこと以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。
【0318】
[実施例4]
ベース感光体−2(感光層の膜厚:17μm)上に、保護層形成用塗布液−2をリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、140℃で40分間加熱処理して硬化し、保護層(厚さ:2μm)を形成し、電子写真感光体を得たこと以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。
【0319】
[実施例5]
)ベース感光体−3(感光層の膜厚:20μm)上に、保護層形成用塗布液−1をリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、140℃で40分間加熱処理して硬化し、保護層(厚さ:5μm)を形成し、電子写真感光体を得たこと以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。
【0320】
[実施例6]
ベース感光体−3(感光層の膜厚:20μm)上に、保護層形成用塗布液−2をリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、140℃で40分間加熱処理して硬化し、保護層(厚さ:3μm)を形成し、電子写真感光体を得たこと以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。
【0321】
[比較例1]
ベース感光体−5(感光層の膜厚:25μm)上に、保護層を形成せずこれを電子写真感光体としたこと以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。
【0322】
[比較例2]
ベース感光体−6(感光層の膜厚:30μm)上に、保護層を形成せずこれを電子写真感光体としたこと以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。
【0323】
[比較例3]
ベース感光体−7(感光層の膜厚:35μm)上に、保護層を形成せずこれを電子写真感光体としたこと以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を作製した。
【0324】
[比較例4]
実施例1に用いたものと同様の電子写真感光体を作製した。そして、これを実施例1における改造を行っていない、富士ゼロックス社製DCC400機(露光装置の面発光レーザが2本ビームで、走査線数が1200×600dpiのもの)に装着することにより画像形成装置を作製した。
【0325】
[比較例5]
ベース感光体−1(感光層の膜厚:30μm)上に、保護層を形成せずこれを電子写真感光体としたこと以外は、比較例4と同様にして画像形成装置を作製した。
【0326】
〔画像形成装置の性能評価試験〕
実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例6の画像形成装置についてそれぞれの性能を以下のように評価した。
【0327】
実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例6の画像形成装置
【0328】
高温高湿(28度、85%RH)環境下、以下の(a)〜(c)からなる一連の工程を1サイクルとする画像形成プロセスを400000サイクル(40万回)繰り返して画像を連続的に紙(40万枚)印刷した。なお、紙としては富士ゼロックス社製PPC用紙(L,A4)を用いた。
【0329】
(a)グリッド印加電圧−700Vのスコロトロン帯電器で各電子写真感光体を帯電させた。(b)780nmの半導体レーザーを用いて、(a)の工程で帯電させてから1秒後の各電子写真感光体に10mJ/mの光を照射して放電を行わせた。(c)放電させてから3秒後各電子写真感光体に50mJ/mの赤色LED光を照射して除電を行った。
【0330】
そして、各画像形成装置ごとに、1サイクル終了後{(c)工程終了後}の各電子写真感光体の表面の電位A[V]と、400000サイクル終了後{(c)工程終了後}の各電子写真感光体の表面の電位B[V]とを測定し、その変動量(B−A)を測定した。そして、各画像形成装置ごとの変動量(B−A)の相加平均値を算出した。
【0331】
また、各画像形成装置ごとに、はじめの各電子写真感光体の厚さと、400000サイクル終了後の各電子写真感光体の厚さとを測定して「摩耗により減少した感光体の厚さ」(以下、「摩耗しろ」という)を算出した。また、この摩耗しろに基づいて、各電子写真感光体の摩耗レート[nm/Kcycle]を算出した。そして、各画像形成装置ごとの摩耗レートの相加平均値を算出した。
【0332】
また、各画像形成装置ごとの感光体について、表面保護層を付加したサンプルについては、表面保護層が摩滅するまでを感光体の寿命とした。また、表面保護層を付加せず表面が電荷輸送層のサンプルについては、電荷輸送層の残膜厚が12〜13μmになる時点を感光体の寿命とした。これ以下の膜厚では摩耗による電位変動、画質上はかぶり等が顕著になり実使用上問題となるレベルである。(a)〜(c)からなる一連の工程を繰り返し、上記の水準に達する工程の回数[Kcycle]を「感光体寿命」として測定した。
【0333】
上述の各測定結果を表2に示す。
【0334】
【表2】
Figure 2004287085
【0335】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、露光装置の光源として面発光レーザアレイを搭載した場合であっても、画像の画質の向上、画像形成速度の高速化、及び小型化が容易に実現可能であり、しかも長期にわたり画像形成プロセスを繰り返しても良好な画質の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置に搭載される電子写真感光体の好適な基本構成の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の画像形成装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明にかかる露光装置(光走査装置)の一例を示す概略構成図である。
【図4】発光点が2次元的に配列されたレーザアレイを示す平面図である。
【図5】本発明にかかる制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図6】本発明の画像形成装置の他の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…電子写真感光体、2…保護層2(最外部の層)、3…導電性支持体、4…下引層、5…電荷発生層、6…電荷輸送層、7…感光層、12…感光体ドラム、14…帯電器、16…露光装置、18…現像装置、24…中間転写ベルト、32、42…転写器、44…定着器、50…面発光レーザアレイ、51…発光点、52…コリメートレンズ、54…ハーフミラー、56…レンズ、58…光量センサ、60…アパーチャー、62…シリンダレンズ、64…折り返しミラー、66…回転多面鏡、68、70…Fθレンズ、72、74…シリンダミラー、76…ピックアップミラー、78…ビーム位置検出センサ、80…制御部、82…記憶部、84…変調信号生成手段、88…駆動量制御手段、92…レベル変更手段、94…光量差設定手段、100…画像形成装置、200…画像形成装置、400・・・ハウジング、401a〜401d・・・電子写真感光体、402a〜402d・・・帯電ロール、403・・・レーザ光源(露光装置)、404a〜404d・・・現像装置、405a〜405d・・・トナーカートリッジ、406・・・駆動ロール、407・・・テンションロール、408・・・バックアップロール、409・・・中間転写ベルト、410a〜410d・・・1次転写ロール、411・・・トレイ(被転写体トレイ)、412・・・移送ロール、413・・・2次転写ロール、414・・・定着ロール、416・・・クリーニングブレード、500・・・被転写媒体。

Claims (12)

  1. 導電性支持体と、該支持体の上方に配置される感光層とを少なくとも有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
    前記帯電手段により帯電される前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
    前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置と、
    前記トナー像を前記電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置と、
    少なくともを備えており、
    前記露光装置は、2以上の発光素子を有する面発光レーザアレイを露光光源として備え、複数本の光ビームを前記電子写真感光体上に走査させて前記静電潜像を形成させるマルチビーム方式を採用する構成を有しており、
    前記電子写真感光体の前記導電性支持体から最も離れた位置に配置される最外部の層には、少なくとも1種類の電荷輸送化合物又は電荷輸送化合物から誘導される特性基を含有しており、かつ、隣り合うSi原子の間にO原子が架橋した結合が3次元的に形成された構造を有するケイ素含有樹脂が含有されていること、を特徴とする画像形成装置。
  2. 導電性支持体と、該支持体の上方に配置される感光層とを少なくとも有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
    前記帯電手段により帯電される前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
    前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像装置と、
    前記トナー像を前記電子写真感光体から被転写媒体に転写する転写装置と、
    少なくともを備えており、
    前記露光装置は、複数本の光ビームを前記電子写真感光体上に走査させて前記静電潜像を形成させるマルチビーム方式を採用する構成を有しており、
    前記電子写真感光体の前記導電性支持体から最も離れた位置に配置される最外部の層の摩耗レートが5nm/kcycle以下に調節されていること、
    を特徴とする画像形成装置。
  3. 前記電子写真感光体の前記最外部の層には、少なくとも1種類の電荷輸送化合物又は電荷輸送化合物から誘導される特性基を含有しており、かつ、隣り合うSi原子の間にO原子が架橋した結合が3次元的に形成された構造を有するケイ素含有樹脂が含有されていること、
    を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記電子写真感光体の前記最外部の層が前記ケイ素含有樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. ケイ素含有樹脂が下記一般式(1)で表される樹脂のうちの少なくとも1種を含む樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
    [−D−Si(OR(R3−a・・・(1)
    [式(1)中、Fは電荷輸送化合物から誘導される有機基を表し、Dは2価の基(可とう性サブユニット)を表し、Rは水素原子、アルキル基、及び、置換又は未置換のアリール基からなる群より選ばれる1種を表し、Rは水素、アルキル基、及び、トリアルキルシリル基からなる群より選ばれる1種を表し、aは1〜3の整数を表し、bは1〜4の整数を表す。]
  6. 前記各面発光レーザアレイの発光点が2次元的に配列されていること、を特徴とする請求項1〜5のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記露光装置が3本以上の光ビームをそれぞれ独立に前記電子写真感光体上に走査させるものであること、を特徴とする請求項1〜6のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記感光層が、前記電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層と、を少なくとも含む構成を有しており、
    前記感光層上には、前記最外部の層として前記ケイ素含有樹脂からなる保護層が更に配置されており、
    前記感光層の厚さと前記保護層の厚さとの総和が25μm以下であること、
    を特徴とする請求項4〜7のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記帯電装置と、前記露光装置と、前記現像装置と、を少なくとも有する前記画像形成ユニットを2以上備えていること、を特徴とする請求項1〜8のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記帯電装置が、前記電子写真感光体に接触して該電子写真感光体を帯電させる接触帯電装置であること、を特徴とする請求項1〜9のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記転写装置が、前記トナー像を中間転写体を介して前記被転写媒体に転写する中間転写方式を採用する構成を有していること、を特徴とする請求項1〜10のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記導電性支持体と前記感光層との間に、画像形成プロセスの際の前記導電性支持体から前記感光層への電荷の注入の発生を抑制するための下引層が更に配置されていること、を特徴とする請求項1〜10のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
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