JP2004287040A - 画像記録媒体管理方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被写体に適応した画像記録媒体を容易に選択して画像記録装置に供給するとともに、被写体とその被写体の画像情報が記録された画像記録媒体との対応関係を容易かつ確実に管理する。
【解決手段】カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに収納された蓄積性蛍光体シートを有するカセッテ３４から、蓄積性蛍光体シートの種別情報を読み込むとともに、収納位置情報を得、ＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂによって被写体情報が設定されたとき、その被写体情報に適応する種別情報を有するカセッテ３４をカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂから選択し、放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに供給する。また、放射線画像情報の記録された蓄積性蛍光体シートに対しては、被写体情報を当該蓄積性蛍光体シートの識別情報に関連づけて設定する。
【選択図】図２
【解決手段】カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに収納された蓄積性蛍光体シートを有するカセッテ３４から、蓄積性蛍光体シートの種別情報を読み込むとともに、収納位置情報を得、ＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂによって被写体情報が設定されたとき、その被写体情報に適応する種別情報を有するカセッテ３４をカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂから選択し、放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに供給する。また、放射線画像情報の記録された蓄積性蛍光体シートに対しては、被写体情報を当該蓄積性蛍光体シートの識別情報に関連づけて設定する。
【選択図】図２
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体情報に適応した画像記録媒体を選択し、被写体情報と選択した画像記録媒体との対応関係を管理する画像記録媒体管理方法および装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、放射線（Ｘ線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等）を照射すると、その放射線エネルギの一部を蓄積し、後にレーザ光や可視光等の励起光を照射することで蓄積されたエネルギに応じた輝尽発光を示す蓄積性蛍光体を利用した放射線画像情報記録読取システムが医療分野等において広汎に利用されている（特許文献１参照）。
【０００３】
このシステムでは、例えば、蓄積性蛍光体からなるシートに対して画像記録装置を用いて患者の放射線画像情報を記録し、次いで、このシートを画像読取装置に供給して読み取ることにより、画像処理および管理が容易な放射線画像情報を得ることができる。
【０００４】
ところで、放射線画像情報を記録する蓄積性蛍光体シートは、通常、患者の撮影部位、年齢、撮影目的等の撮影条件に応じて異なるサイズや感度のものが準備されており、作業者は、これらの撮影条件に適した蓄積性蛍光体シートを選択して撮影を行っている。
【０００５】
一方、蓄積性蛍光体シートに記録された放射線画像情報は、その情報に係る患者に正確に対応させて管理しておかなければならない。そこで、例えば、画像記録装置の近くに配置した登録装置において、患者の氏名、性別、生年月日、識別番号等の患者情報を登録するとともに、蓄積性蛍光体シートに添付されたバーコードに記録された媒体情報を登録し、また、画像読取装置において、蓄積性蛍光体シートのバーコードを読み取り、登録装置から取得した患者情報と蓄積性蛍光体シートの媒体情報とを対応させるようにしたものがある（特許文献２参照）。
【０００６】
【特許文献１】
特開昭６３−２５３３４８号公報
【特許文献２】
特開２００２−１５７５８５号公報（段落［０００４］、［０００６］）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、作業者は、設定した撮影条件に適応した蓄積性蛍光体シートを所定の保管場所から選択して撮影装置に供給しなければならない。その際、蓄積性蛍光体シートの選択ミスが生じるおそれがある。また、患者情報と蓄積性蛍光体シートの媒体情報とを対応させるため、作業者は、画像記録装置による放射線画像情報の記録、または、画像読取装置による放射線画像情報の読み取りに先立ち、蓄積性蛍光体シートのバーコードを読み取って媒体情報を取得するといった面倒な作業を行わなければならない。
【０００８】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、被写体に適応した画像記録媒体を容易に選択して画像記録装置に供給することができるとともに、被写体とその被写体の画像情報が記録された画像記録媒体との対応関係を容易かつ確実に管理することのできる画像記録媒体管理方法および装置を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、複数の画像記録媒体を画像記録媒体収納部に収納するステップと、
前記画像記録媒体収納部に収納されている前記画像記録媒体の種別情報と、前記画像記録媒体を自他識別する識別情報とを含む媒体情報を前記画像記録媒体収納部から取得するステップと、
前記画像記録媒体に記録される画像情報に係る被写体の被写体情報を設定するステップと、
設定された前記被写体情報に適応した前記種別情報を有する前記画像記録媒体を選択するステップと、
選択された前記画像記録媒体の前記識別情報と前記被写体情報との対応関係を設定するステップと、
からなることを特徴とする。
【００１０】
また、本発明は、複数の画像記録媒体を収納する画像記録媒体収納部と、
前記画像記録媒体収納部に収納されている前記画像記録媒体の種別情報と、前記画像記録媒体を自他識別する識別情報とを含む媒体情報を前記画像記録媒体収納部から取得する媒体情報取得部と、
前記画像記録媒体に記録される画像情報に係る被写体の被写体情報を設定する被写体情報設定部と、
設定された前記被写体情報に適応した前記種別情報を有する前記画像記録媒体を選択する画像記録媒体選択部と、
選択された前記画像記録媒体の前記識別情報と前記被写体情報との対応関係を設定する対応関係設定部と、
を備えることを特徴とする。
【００１１】
この場合、画像記録媒体収納部に収納された画像記録媒体の種別情報および識別情報を含む媒体情報を画像記録媒体収納部から取得する一方、画像記録媒体に記録される画像情報に係る被写体情報を設定することにより、被写体情報に適応する種別情報を有する画像記録媒体を画像記録媒体収納部から選択することができる。また、選択された画像記録媒体の識別情報は、当該画像記録媒体に記録される画像情報に係る被写体情報に対応して管理することができる。
【００１２】
なお、画像記録媒体に記録された種別情報および識別情報は、画像記録媒体収納部に配設した情報読取部によって読み取ることができる。また、画像記録媒体は、カセッテに収納された状態で画像記録媒体収納部に収納され、このカセッテに画像記録媒体の種別情報および識別情報を記録しておくことができる。
【００１３】
さらに、画像記録媒体収納部は、画像記録装置に近接して配置することにより、選択された画像記録媒体を効率的に画像記録装置に供給して画像情報を記録することができる。また、画像記録媒体収納部は、画像読取装置に一体的に配置することにより、画像読取装置において読み取りが完了して排出された画像記録媒体を選択して画像記録装置に供給することができる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図１は、本実施形態の放射線画像情報記録読取システム１０の構成ブロック図を示す。
【００１５】
放射線画像情報記録読取システム１０は、被写体Ｍ（図２）の放射線画像情報を撮影する放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂ（画像記録装置）と、放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに近接して配置されるカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂ（画像記録媒体収納部）と、放射線画像情報を読み取る放射線画像読取装置１６（画像読取装置）と、被写体Ｍに係る被写体情報の入力、放射線画像情報の管理等を行う情報管理装置１８と、前記被写体情報を入力する機能を備えたＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂと、放射線画像情報を出力する画像出力装置２２と、放射線画像情報を保存する画像保存装置２４と、保存された放射線画像情報の閲覧等を行うためのワークステーション２６とを備え、これらがネットワーク２８によって接続される。
【００１６】
また、ネットワーク２８には、病院内に設置された放射線科で取り扱われる放射線画像情報を含む診断画像情報やその他の情報を同科内で統括的に管理する放射線科情報システム（ＲＩＳ）２９が接続される。さらに、放射線科情報システム２９は、その上位に接続される医事情報システム（ＨＩＳ）３１によって管理されており、放射線科における検査依頼の受付や検査結果のフィードバックが行われる。
【００１７】
放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂは、例えば、Ｘ線撮影装置であり、図２に示すように、被写体Ｍを位置決めするための撮影台３０と、被写体Ｍに対してＸ線を照射するＸ線源３２とを有する。撮影台３０には、図３に示す蓄積性蛍光体シートＩＰ（画像記録媒体）を収納したカセッテ３４が装填される。なお、ネットワーク２８には、ＣＴ装置、ＭＲＩ装置等の他の形態からなる画像撮影装置を接続することもできる。
【００１８】
ここで、蓄積性蛍光体シートＩＰは、例えば、ガラス等の硬質材料からなる支持基板３６に柱状の蓄積性蛍光体層３８を蒸着して形成される硬質のシートを用いることができる。蓄積性蛍光体層３８は、真空容器内で蓄積性蛍光体を加熱して蒸発させ、これらを支持基板３６上に付着させる真空蒸着法、スパッタリング法、ＣＶＤ、イオンフレーティング法を用いて形成することができる。このようにして形成される蓄積性蛍光体層３８は、蓄積性蛍光体が蓄積性蛍光体シートＩＰの平面と略垂直な柱状をなし、それぞれが光学的に独立に構成されており、照射される放射線に対して高感度で、且つ、画像の粒状性を低下させることができるとともに、励起光の散乱を減少させて画質を鮮明にすることができる。
【００１９】
なお、蓄積性蛍光体シートＩＰとしては、硬質材料からなる支持基板３６上に蓄積性蛍光体層３８を形成したものに限られるものではなく、蓄積性蛍光体をフレキシブルな支持基板に塗布してなる蓄積性蛍光体シートを利用することもできる。
【００２０】
カセッテ３４は、一端部側に蓄積性蛍光体シートＩＰを挿脱するための開口部４０を有し、他端部側に蓄積性蛍光体シートＩＰをカセッテ３４から排出させるためのピン部材を挿入する挿入孔４１ａ、４１ｂを有する。カセッテ３４の側面には、カセッテ３４に収納される蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズ、感度、種類等からなる種別情報や、カセッテ３４を自他識別するためのカセッテ番号等からなる識別情報を媒体情報として記録したバーコード、ＩＣチップ等の媒体情報記録部４２が配設される。また、蓄積性蛍光体層３８側のカセッテ３４の正面には、カセッテ３４に収納される蓄積性蛍光体シートＩＰの種別情報や、カセッテ３４の識別情報を表示する表示部４４が配設される。
【００２１】
カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂは、図２に示すように、蓄積性蛍光体シートＩＰを保持した複数のカセッテ３４を収納する収納部４６ａ〜４６ｆと、各収納部４６ａ〜４６ｆに配設され、収納されたカセッテ３４の側面の媒体情報記録部４２に記録された媒体情報を読み取るバーコードリーダ等からなる媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆ（媒体情報取得部）と、各収納部４６ａ〜４６ｆに配設され、情報管理装置１８またはＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂによって選択されたカセッテ３４を外部に排出するソレノイド等からなるカセッテ排出部５０ａ〜５０ｆと、各収納部４６ａ〜４６ｆに配設され、選択されたカセッテ３４を収納する収納部４６ａ〜４６ｆの位置を明示するＬＥＤ等からなる表示部５２ａ〜５２ｆとを備え、収納されているカセッテ３４の放射線による被曝を回避するべく、鉛等の重金属を含むケーシング５３によって囲繞される。
【００２２】
図４は、放射線画像読取装置１６の構成図を示す。放射線画像読取装置１６は、カセッテ３４に収納された蓄積性蛍光体シートＩＰに記録された放射線画像情報を読み取った後、残存する放射線画像情報を消去し、カセッテ３４に収納して排出する機能を備える。
【００２３】
放射線画像読取装置１６は、複数のカセッテ３４を装填可能なカセッテ装填部５４と、処理された複数のカセッテ３４が排出されるカセッテ排出部５６と、カセッテ３４をカセッテ装填部５４およびカセッテ排出部５６間で搬送するカセッテ搬送部５８と、カセッテ３４から取り出された蓄積性蛍光体シートＩＰに対する読取処理および消去処理を行う本体部６０とを備える。カセッテ装填部５４およびカセッテ排出部５６は、本体部６０の前部および後部に配設される。放射線画像読取装置１６は、ケーシング６２によって囲繞され、キャスタ６４ａ〜６４ｄを介して移動可能に構成される。なお、放射線画像読取装置１６が放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに近接して配置される場合においては、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂを囲繞するケーシング５３と同様に、ケーシング６２を鉛等の重金属を含む材料で構成することが望ましい。
【００２４】
カセッテ装填部５４の底面部６６およびカセッテ排出部５６の底面部６８は、傾斜して形成されており、カセッテ３４が取り込まれる底面部６６の最下部と、カセッテ３４が排出される底面部６８の最上部とには、カセッテ３４を検出した際に開成する蓋部材７０、７２がそれぞれ配設される。
【００２５】
カセッテ搬送部５８は、カセッテ装填部５４から供給されたカセッテ３４を保持する第１処理機構７４および第２処理機構７６を有する。第１処理機構７４は、上下に配設されたガイド部材７８、８０にガイドされ、カセッテ装填部５４の下部の第１処理部８２と、本体部６０の下部の第２処理部８４との間を往復動作可能である。また、第２処理機構７６は、ガイド部材７８、８０にガイドされ、本体部６０の下部の第２処理部８４と、カセッテ排出部５６の下部の第３処理部８６との間を往復動作可能である。なお、第１処理部８２には、カセッテ装填部５４から供給されたカセッテ３４の側面の媒体情報記録部４２に記録され媒体情報を読み取るバーコードリーダ等からなる媒体情報読取部８８が配設される。
【００２６】
第１処理機構７４は、上下部が支軸９０、９２を介してガイド部材７８、８０のガイド溝９４、９６に移動可能に支持される支持板９８を有し、この支持板９８には、カセッテ装填部５４からニップローラ１００によって供給されたカセッテ３４の下端部を支持する上下動可能な支持部材１０２と、カセッテ３４の挿入孔４１ａ、４１ｂにピン部材１０４を挿入して蓄積性蛍光体シートＩＰを排出させるソレノイド１０６とが配設される。
【００２７】
第２処理機構７６は、上下部が支軸１０８、１１０を介してガイド部材７８、８０のガイド溝９４、９６に移動可能に支持される支持板１１２を有し、この支持板１１２には、第１処理機構７４によって搬送されたカセッテ３４の両側部を把持する上下動可能な把持板１１４ａ、１１４ｂが配設される。第２処理機構７６は、カセッテ３４を第３処理部８６の上部に配設されたニップローラ１１６を介してカセッテ排出部５６に排出する。
【００２８】
本体部６０は、下部のカセッテ搬送部５８と隔壁１１８を介して隔離され、且つ、蓄積性蛍光体シートＩＰが出入する隔壁１１８にシャッタ機構１２０が配設されることにより、光密な状態に保持される。シャッタ機構１２０は、例えば、蓄積性蛍光体シートＩＰが出入する際に開閉されるシャッタ機構、あるいは、蓄積性蛍光体シートＩＰに摺接する遮光部材を配設して構成することができる。
【００２９】
本体部６０には、鉛直上方向に延在する直線状の読取搬送路１２２が配設される。読取搬送路１２２の略中央部には、読取搬送路１２２によって副走査方向に搬送される蓄積性蛍光体シートＩＰに対して、レーザビームからなる励起光Ｌを主走査方向に照射する励起光走査部１２４が配設される。また、励起光Ｌによる主走査線に近接し、蓄積性蛍光体シートＩＰから得られる輝尽発光光を集光する集光ガイド１２６の一端部が配設され、集光ガイド１２６の他端部には、輝尽発光光を電気信号に変換するフォトマルチプライア等からなる光電変換部１２８が配設される。
【００３０】
一方、本体部６０と第２処理部８４との間には、蓄積性蛍光体シートＩＰに残存する放射線画像情報を消去する消去ユニット１３０が配設される。消去ユニット１３０は、ハロゲンランプ等の消去光を出力する複数の光源を有する。なお、消去ユニット１３０の上下には、本体部６０と第２処理部８４との間で蓄積性蛍光体シートＩＰを搬送するニップローラ１３２、１３４が配設される。
【００３１】
情報管理装置１８は、被写体Ｍに係るＩＤ情報、このＩＤ情報に関連付けられた放射線画像情報の撮影情報等の被写体情報を入力する情報入力部１３６（被写体情報設定部）と、ネットワーク２８を介して接続された各装置との間で情報の送受信を行う情報送受信部１３８と、情報入力部１３６から入力され、あるいは、ＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂから供給された被写体情報を記憶する被写体情報記憶部１４０と、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂから供給される媒体情報を記憶する媒体情報記憶部１４２と、放射線画像読取装置１６によって読み取った放射線画像情報を一時的に記憶する画像情報記憶部１４４と、放射線画像情報およびその処理に必要な情報を表示する表示部１４６と、情報入力部１３６から入力された被写体情報および撮影情報に適応する蓄積性蛍光体シートＩＰを有するカセッテ３４を選択するとともに、選択されたカセッテ３４の媒体情報と前記被写体情報との対応関係を設定する情報処理部１４８（画像記録媒体選択部、対応関係設定部）とを備える。
【００３２】
ここで、被写体情報は、被写体Ｍの氏名、性別、生年月日、識別番号（例えば、病院等において被写体Ｍが登録されている場合のＩＤ番号）等の被写体Ｍを特定することのできるＩＤ情報と、被写体Ｍの放射線画像情報の撮影年月日、撮影部位、撮影方法、撮影に使用する蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズ、蓄積性蛍光体シートＩＰの感度等の撮影情報とを含む。
【００３３】
また、媒体情報は、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに配設された媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆを用いて、カセッテ３４の媒体情報記録部４２から読み取った蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズ、感度、種類等の蓄積性蛍光体シートＩＰに係る種別情報と、蓄積性蛍光体シートＩＰを収納するカセッテ３４を自他識別して特定する媒体情報記録部４２から読み取ったカセッテ番号等の識別情報と、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂにおけるカセッテ３４が装填されている収納部４６ａ〜４６ｆの収納位置情報とを含む。なお、収納位置情報は、各収納部４６ａ〜４６ｆに配設されている媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆの位置情報として取得することができる。
【００３４】
ＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂは、図２に示すように、被写体情報を入力するキーボード１５０と、被写体ＭのＩＤ情報が登録された磁気カード、ＩＣカード等のＩＤカード１５２からＩＤ情報を読み取るＩＤ情報読取部１５４と、表示部１５６とを備える端末装置であって、各放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂの近傍に配置することができる。
【００３５】
画像出力装置２２は、放射線画像読取装置１６によって読み取られた放射線画像情報を、診断等のために高精細ディスプレイやフイルム等の記録媒体に可視画像として出力する装置である。
【００３６】
画像保存装置２４は、放射線画像情報をそれに対応する被写体情報や媒体情報とともに保存する。ワークステーション２６は、主として画像保存装置２４に保存されている放射線画像情報から所望の放射線画像情報を検索して表示し、必要に応じて画像出力装置２２を介して出力する機能を備える。
【００３７】
本実施形態の放射線画像情報記録読取システム１０は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作について説明する。
【００３８】
先ず、図５に示すフローチャートに基づき、所望のカセッテ３４を選択して放射線画像情報を記録する場合の動作について説明する。
【００３９】
種々のサイズ、感度、種類等からなる蓄積性蛍光体シートＩＰを収納したカセッテ３４を準備し、これらのカセッテ３４をカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂの各収納部４６ａ〜４６ｆに装填する（ステップＳ１）。この場合、カセッテ３４の側面の媒体情報記録部４２には、収納されている蓄積性蛍光体シートＩＰの種別情報と、カセッテ３４のカセッテ番号等の識別情報とがバーコード等によって記録されているものとする。
【００４０】
カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂにカセッテ３４が装填されると、情報管理装置１８は、媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆを駆動してカセッテ３４の側面の媒体情報記録部４２から媒体情報を読み込み（ステップＳ２）、カセッテ３４の収納位置情報とともに媒体情報記憶部１４２に記憶する（ステップＳ３）。
【００４１】
すなわち、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂの収納部４６ａ〜４６ｆにカセッテ３４が装填されると、媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆは、カセッテ３４の媒体情報記憶部１４２に記録された蓄積性蛍光体シートＩＰの種別情報およびカセッテ３４の識別情報を読み取り、これらの情報をその収納位置情報とともにネットワーク２８を介して情報管理装置１８に送信する。情報管理装置１８の情報処理部１４８は、種別情報、識別情報および収納位置情報からなる媒体情報を情報送受信部１３８を介して受信し、媒体情報記憶部１４２に記憶する。
【００４２】
次に、医師等から被写体Ｍの撮影要求があった場合（ステップＳ４）、作業者は、被写体Ｍの撮影を行う放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂの近傍に配置されたＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂまたは情報管理装置１８を用いて、被写体情報を入力する（ステップＳ５）。
【００４３】
例えば、ＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂでは、ＩＤ情報読取部１５４を用いて、ＩＤカード１５２に記録された被写体Ｍの氏名、性別、生年月日、識別番号等のＩＤ情報を読み取るとともに、キーボード１５０から、撮影年月日、撮影部位、撮影方法、使用する蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズ、感度等の撮影情報を入力する。また、これらのＩＤ情報および撮影情報からなる被写体情報は、情報管理装置１８の情報入力部１３６を用いて入力することもできる。
【００４４】
入力された被写体情報は、情報管理装置１８の情報処理部１４８によって被写体情報記憶部１４０に記憶される（ステップＳ６）。なお、被写体Ｍの撮影に先立ち、複数の被写体Ｍに係る被写体情報を連続的に入力して被写体情報記憶部１４０に記憶させるようにしてもよい。
【００４５】
次に、情報処理部１４８は、被写体情報記憶部１４０に記憶された被写体情報から撮影の対象となる被写体Ｍの被写体情報を選択し、その被写体情報を構成する撮影情報に適応した蓄積性蛍光体シートＩＰを収納するカセッテ３４を検索する（ステップＳ７）。
【００４６】
すなわち、情報処理部１４８は、被写体情報記憶部１４０に記憶された被写体情報である蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズおよび感度と、媒体情報記憶部１４２に記憶された媒体情報である蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズおよび感度とが一致する識別情報を検索する。そして、一致した識別情報を備えたカセッテ３４の収納位置情報からカセッテ３４の収納位置を特定する。なお、収納位置情報は、例えば、撮影情報である撮影部位と、蓄積性蛍光体シートＩＰの種別情報との関係をテーブルとして予め設定しておき、撮影部位からこのテーブルを用いてカセッテ番号等の識別情報を検索して求めることもできる。
【００４７】
カセッテ３４の収納位置情報が求められると、そのカセッテ３４のカセッテ番号等の識別情報と被写体情報とを対応させ、画像情報記憶部１４４に記憶させる（ステップＳ８）。この場合、被写体Ｍの被写体情報は、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに配設された媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆによって取得されたカセッテ３４の識別情報と自動的に関連付けられることになる。従って、作業者は、カセッテ３４に配設された媒体情報記録部４２に記録された媒体情報を読み取る必要がない。
【００４８】
前記のようにして、撮影の対象となる被写体Ｍに適応したカセッテ３４の収納位置情報が検索された後、情報管理装置１８は、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂにおける当該カセッテ３４が収納されているカセッテ排出部５０ａ〜５０ｆを収納位置情報に従って駆動し、カセッテ３４をカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂから排出させる（ステップＳ９）。この場合、収納部４６ａ〜４６ｆでは、その側部に配設された表示部５２ａ〜５２ｆが点灯し、排出されたカセッテ３４の位置が作業者に対して明確に提示される。
【００４９】
そこで、作業者は、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂから排出されたカセッテ３４を抜き取り、例えば、放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂを構成する撮影台３０に装填する（ステップＳ１０）。この場合、作業者は、被写体Ｍに適応した蓄積性蛍光体シートＩＰを有するカセッテ３４を間違えることなく確実に放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに供給することができる。次いで、Ｘ線源３２が駆動され、Ｘ線が被写体Ｍを介してカセッテ３４内の蓄積性蛍光体シートＩＰに照射されることにより、撮影が行われる（ステップＳ１１）。
【００５０】
なお、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂから排出されたカセッテ３４を作業者が直ちに放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに装填しないことも考えられる。この場合、例えば、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに対してカセッテ排出ボタンを配設し、装填時に作業者がカセッテ排出ボタンを操作してカセッテ３４を排出するようにすれば、カセッテ３４に収納されている蓄積性蛍光体シートＩＰをＸ線の予期せぬ被曝から保護することができる。
【００５１】
一方、情報管理装置１８によってカセッテ３４を選択した際、カセッテ３４の表示部４４に対して、対象となる被写体Ｍに係る氏名を含む被写体情報を表示するようにすれば、そのカセッテ３４を当該被写体Ｍが設定されている放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに間違いなく装填して放射線画像情報の撮影を行うことができる。特に、複数の被写体情報を纏めて入力し、各被写体Ｍに対する複数のカセッテ３４を選択するような場合に有効である。また、被写体情報は、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂ自体に表示するようにしてもよい。
【００５２】
以上のようにして放射線画像情報が蓄積性蛍光体シートＩＰに記録されたカセッテ３４は、放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂから抜き取られ、作業者によって放射線画像読取装置１６まで運ばれた後、読取処理が行われる。そこで、読取処理の動作につき、図４および図６に示すフローチャートに従って説明する。
【００５３】
先ず、放射線画像情報の記録された撮影済のカセッテ３４が、カセッテ装填部５４に装填される（ステップＳ２１）。この場合、カセッテ装填部５４には、開口部４０を上方向に向けた状態で複数のカセッテ３４を装填することができる。
【００５４】
カセッテ装填部５４に装填されたカセッテ３４は、傾斜する底面部６６に沿って積層状態で装填されており、最下部にあるカセッテ３４から蓋部材７０を介して順次放射線画像読取装置１６内に取り込まれる。
【００５５】
開成した蓋部材７０を介して放射線画像読取装置１６内に挿入されたカセッテ３４は、ニップローラ１００によって挟持搬送され、第１処理部８２に待機する第１処理機構７４の支持板９８および支持部材１０２に保持される。このとき、第１処理部８２に配設された媒体情報読取部８８は、カセッテ３４の側面の媒体情報記録部４２に記録されている媒体情報を読み込む（ステップＳ２２）。
【００５６】
次いで、カセッテ３４を保持した第１処理機構７４は、ガイド部材７８、８０にガイドされ第２処理部８４まで搬送された後、支持部材１０２に装着されたソレノイド１０６が駆動され、ピン部材１０４がカセッテ３４の下端部に形成された挿入孔４１ａ、４１ｂに挿入されることにより、蓄積性蛍光体シートＩＰの上端部がカセッテ３４の上部に突出する。
【００５７】
上部に突出した蓄積性蛍光体シートＩＰは、ニップローラ１３４によって挟持され、消去ユニット１３０、ニップローラ１３２およびシャッタ機構１２０を介して本体部６０に供給される。なお、蓄積性蛍光体シートＩＰを排出したカセッテ３４は、両側部が第２処理機構７６を構成する把持板１１４ａ、１１４ｂによって把持されることにより、第１処理機構７４から第２処理機構７６に受け渡される。カセッテ３４を第２処理機構７６に受け渡した第１処理機構７４は、第１処理部８２に移動し、次のカセッテ３４に対する処理を行う。
【００５８】
本体部６０に供給された蓄積性蛍光体シートＩＰは、搬送路１８２によって放射線画像読取装置１６の上部まで搬送された後、下方向に搬送され、放射線画像情報の読み取りが行われる（ステップＳ２３）。すなわち、励起光走査部１２４から出力された励起光Ｌは、蓄積性蛍光体シートＩＰを搬送方向と直交する方向に走査し、この励起光Ｌによって得られた輝尽発光光は、集光ガイド１２６を介して光電変換部１２８に導かれ、電気信号としての放射線画像情報が得られる。
【００５９】
得られた放射線画像情報は、媒体情報読取部８８によって読み取ったカセッテ３４の媒体情報とともに、ネットワーク２８を介して情報管理装置１８に送信される（ステップＳ２４）。情報処理部１４８は、情報送受信部１３８を介して受信した前記放射線画像情報に付随する媒体情報に含まれるカセッテ３４の識別情報と、ステップＳ８の処理において画像情報記憶部１４４に記憶された識別情報とを照合し（ステップＳ２５）、一致する識別情報と対応関係にある被写体情報に関連付けて、放射線画像情報を画像情報記憶部１４４に記憶させる（ステップＳ２６）。なお、画像情報記憶部１４４に記憶された放射線画像情報は、被写体情報とともに画像保存装置２４に送信され、保存される。
【００６０】
読み取りが完了した蓄積性蛍光体シートＩＰは、シャッタ機構１２０を介して消去ユニット１３０に搬出され、残存する放射線画像情報の消去処理が行われる（ステップＳ２７）。消去処理の完了した蓄積性蛍光体シートＩＰは、第２処理部８４に待機する第２処理機構７６により保持されているカセッテ３４に収納された後、ガイド部材７８、８０によってガイドされて第３処理部８６まで移動する。次いで、カセッテ３４は、ニップローラ１１６および蓋部材７２を介してカセッテ排出部５６に排出される（ステップＳ２８）。
【００６１】
なお、カセッテ排出部５６に排出されたカセッテ３４は、作業者によってカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに運ばれ、空き状態となっている任意の収納部４６ａ〜４６ｆに収納され、次の撮影のために待機する。
【００６２】
また、ワークステーション２６は、被写体情報を検索キーとして画像保存装置２４に保存された放射線画像情報を検索し、必要に応じて画像出力装置２２から出力し、診断等に供することができる。
【００６３】
ここで、上述した実施形態では、カセッテ３４と蓄積性蛍光体シートＩＰとを一対一に対応させ、カセッテ３４に収納される蓄積性蛍光体シートＩＰの種別情報をカセッテ３４の媒体情報記録部４２に記録するものとして説明したが、種別情報と、蓄積性蛍光体シートＩＰを特定するための識別情報とをカセッテ３４の外部から検出可能な状態で蓄積性蛍光体シートＩＰに記録しておき、これらの種別情報および識別情報を読み込んで処理を行うこともできる。この場合、複数の蓄積性蛍光体シートＩＰに対して共通のカセッテ３４を対応させることができるため、経済的である。なお、カセッテ３４を必要としない蓄積性蛍光体シートＩＰに対して適用することもできる。
【００６４】
また、蓄積性蛍光体シートＩＰおよびカセッテ３４の両方に媒体情報を記録し、蓄積性蛍光体シートＩＰとカセッテ３４とを任意に組み合わせるようにしてもよい。
【００６５】
また、端部に開口部４０を有し、この開口部４０より蓄積性蛍光体シートＩＰを挿脱する構成からなるカセッテ３４を用いているが、例えば、蓋部材を開閉することで蓄積性蛍光体シートを挿脱できる構成としたカセッテや、蓄積性蛍光体シートにおける放射線画像情報の記録面に対して着脱自在な保護カバーを装着した一体型のカセッテに対しても同様に適用できることは勿論である。
【００６６】
さらに、放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに供給される蓄積性蛍光体シートＩＰは、放射線画像読取装置１６から排出される。そこで、例えば、放射線画像読取装置１６のカセッテ排出部５６に代えてカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂを一体的に配置し、あるいは、カセッテ排出部５６にカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂの媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆおよびカセッテ排出部５０ａ〜５０ｆに対応する機構を配設するようにしてもよい。このように構成することにより、放射線画像読取装置１６における処理が完了したカセッテ３４を抜き取ってカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに装填する処理を省略することができる。
【００６７】
【発明の効果】
本発明の画像記録媒体管理方法および装置では、被写体の画像記録に必要な画像記録媒体を容易且つ確実に選択することができる。また、選択された画像記録媒体と被写体との対応関係を画像記録媒体の選択処理に基づいて自動的に設定することができるため、対応関係の設定も容易且つ確実となる。この結果、作業者による処理を極めて容易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施形態の放射線画像情報記録読取システムの構成ブロック図である。
【図２】本実施形態の放射線画像情報記録読取システムを構成する放射線画像撮影装置、カセッテ収納装置および情報管理装置の概略図である。
【図３】本実施形態の放射線画像撮影装置および放射線画像読取装置に装填される蓄積性蛍光体シートおよびカセッテの構成図である。
【図４】本実施形態の放射線画像読取装置の構成図である。
【図５】本実施形態の放射線画像情報記録読取システムにおける放射線画像撮影装置、カセッテ収納装置および情報管理装置での処理フローチャートである。
【図６】本実施形態の放射線画像情報記録読取システムにおける放射線画像読取装置および情報管理装置での処理フローチャートである。
【符号の説明】
１０…放射線画像情報記録読取システム １２Ａ、１２Ｂ…放射線画像撮影装置
１４Ａ、１４Ｂ…カセッテ収納装置 １６…放射線画像読取装置
１８…情報管理装置 ２０Ａ、２０Ｂ…ＩＤターミナル
２２…画像出力装置 ２４…画像保存装置
２６…ワークステーション ２８…ネットワーク
３４…カセッテ ４２…媒体情報記録部
４４、５２ａ〜５２ｆ…表示部 ４６ａ〜４６ｆ…収納部
４８ａ〜４８ｆ、８８…媒体情報読取部 ５０ａ〜５０ｆ…カセッテ排出部
５４…カセッテ装填部 ５８…カセッテ搬送部
６０…本体部 １３０…消去ユニット
１３６…情報入力部 １３８…情報送受信部
１４０…被写体情報記憶部 １４２…媒体情報記憶部
１４４…画像情報記憶部 １４８…情報処理部
ＩＰ…蓄積性蛍光体シート
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体情報に適応した画像記録媒体を選択し、被写体情報と選択した画像記録媒体との対応関係を管理する画像記録媒体管理方法および装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、放射線（Ｘ線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等）を照射すると、その放射線エネルギの一部を蓄積し、後にレーザ光や可視光等の励起光を照射することで蓄積されたエネルギに応じた輝尽発光を示す蓄積性蛍光体を利用した放射線画像情報記録読取システムが医療分野等において広汎に利用されている（特許文献１参照）。
【０００３】
このシステムでは、例えば、蓄積性蛍光体からなるシートに対して画像記録装置を用いて患者の放射線画像情報を記録し、次いで、このシートを画像読取装置に供給して読み取ることにより、画像処理および管理が容易な放射線画像情報を得ることができる。
【０００４】
ところで、放射線画像情報を記録する蓄積性蛍光体シートは、通常、患者の撮影部位、年齢、撮影目的等の撮影条件に応じて異なるサイズや感度のものが準備されており、作業者は、これらの撮影条件に適した蓄積性蛍光体シートを選択して撮影を行っている。
【０００５】
一方、蓄積性蛍光体シートに記録された放射線画像情報は、その情報に係る患者に正確に対応させて管理しておかなければならない。そこで、例えば、画像記録装置の近くに配置した登録装置において、患者の氏名、性別、生年月日、識別番号等の患者情報を登録するとともに、蓄積性蛍光体シートに添付されたバーコードに記録された媒体情報を登録し、また、画像読取装置において、蓄積性蛍光体シートのバーコードを読み取り、登録装置から取得した患者情報と蓄積性蛍光体シートの媒体情報とを対応させるようにしたものがある（特許文献２参照）。
【０００６】
【特許文献１】
特開昭６３−２５３３４８号公報
【特許文献２】
特開２００２−１５７５８５号公報（段落［０００４］、［０００６］）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、作業者は、設定した撮影条件に適応した蓄積性蛍光体シートを所定の保管場所から選択して撮影装置に供給しなければならない。その際、蓄積性蛍光体シートの選択ミスが生じるおそれがある。また、患者情報と蓄積性蛍光体シートの媒体情報とを対応させるため、作業者は、画像記録装置による放射線画像情報の記録、または、画像読取装置による放射線画像情報の読み取りに先立ち、蓄積性蛍光体シートのバーコードを読み取って媒体情報を取得するといった面倒な作業を行わなければならない。
【０００８】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、被写体に適応した画像記録媒体を容易に選択して画像記録装置に供給することができるとともに、被写体とその被写体の画像情報が記録された画像記録媒体との対応関係を容易かつ確実に管理することのできる画像記録媒体管理方法および装置を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、複数の画像記録媒体を画像記録媒体収納部に収納するステップと、
前記画像記録媒体収納部に収納されている前記画像記録媒体の種別情報と、前記画像記録媒体を自他識別する識別情報とを含む媒体情報を前記画像記録媒体収納部から取得するステップと、
前記画像記録媒体に記録される画像情報に係る被写体の被写体情報を設定するステップと、
設定された前記被写体情報に適応した前記種別情報を有する前記画像記録媒体を選択するステップと、
選択された前記画像記録媒体の前記識別情報と前記被写体情報との対応関係を設定するステップと、
からなることを特徴とする。
【００１０】
また、本発明は、複数の画像記録媒体を収納する画像記録媒体収納部と、
前記画像記録媒体収納部に収納されている前記画像記録媒体の種別情報と、前記画像記録媒体を自他識別する識別情報とを含む媒体情報を前記画像記録媒体収納部から取得する媒体情報取得部と、
前記画像記録媒体に記録される画像情報に係る被写体の被写体情報を設定する被写体情報設定部と、
設定された前記被写体情報に適応した前記種別情報を有する前記画像記録媒体を選択する画像記録媒体選択部と、
選択された前記画像記録媒体の前記識別情報と前記被写体情報との対応関係を設定する対応関係設定部と、
を備えることを特徴とする。
【００１１】
この場合、画像記録媒体収納部に収納された画像記録媒体の種別情報および識別情報を含む媒体情報を画像記録媒体収納部から取得する一方、画像記録媒体に記録される画像情報に係る被写体情報を設定することにより、被写体情報に適応する種別情報を有する画像記録媒体を画像記録媒体収納部から選択することができる。また、選択された画像記録媒体の識別情報は、当該画像記録媒体に記録される画像情報に係る被写体情報に対応して管理することができる。
【００１２】
なお、画像記録媒体に記録された種別情報および識別情報は、画像記録媒体収納部に配設した情報読取部によって読み取ることができる。また、画像記録媒体は、カセッテに収納された状態で画像記録媒体収納部に収納され、このカセッテに画像記録媒体の種別情報および識別情報を記録しておくことができる。
【００１３】
さらに、画像記録媒体収納部は、画像記録装置に近接して配置することにより、選択された画像記録媒体を効率的に画像記録装置に供給して画像情報を記録することができる。また、画像記録媒体収納部は、画像読取装置に一体的に配置することにより、画像読取装置において読み取りが完了して排出された画像記録媒体を選択して画像記録装置に供給することができる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図１は、本実施形態の放射線画像情報記録読取システム１０の構成ブロック図を示す。
【００１５】
放射線画像情報記録読取システム１０は、被写体Ｍ（図２）の放射線画像情報を撮影する放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂ（画像記録装置）と、放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに近接して配置されるカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂ（画像記録媒体収納部）と、放射線画像情報を読み取る放射線画像読取装置１６（画像読取装置）と、被写体Ｍに係る被写体情報の入力、放射線画像情報の管理等を行う情報管理装置１８と、前記被写体情報を入力する機能を備えたＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂと、放射線画像情報を出力する画像出力装置２２と、放射線画像情報を保存する画像保存装置２４と、保存された放射線画像情報の閲覧等を行うためのワークステーション２６とを備え、これらがネットワーク２８によって接続される。
【００１６】
また、ネットワーク２８には、病院内に設置された放射線科で取り扱われる放射線画像情報を含む診断画像情報やその他の情報を同科内で統括的に管理する放射線科情報システム（ＲＩＳ）２９が接続される。さらに、放射線科情報システム２９は、その上位に接続される医事情報システム（ＨＩＳ）３１によって管理されており、放射線科における検査依頼の受付や検査結果のフィードバックが行われる。
【００１７】
放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂは、例えば、Ｘ線撮影装置であり、図２に示すように、被写体Ｍを位置決めするための撮影台３０と、被写体Ｍに対してＸ線を照射するＸ線源３２とを有する。撮影台３０には、図３に示す蓄積性蛍光体シートＩＰ（画像記録媒体）を収納したカセッテ３４が装填される。なお、ネットワーク２８には、ＣＴ装置、ＭＲＩ装置等の他の形態からなる画像撮影装置を接続することもできる。
【００１８】
ここで、蓄積性蛍光体シートＩＰは、例えば、ガラス等の硬質材料からなる支持基板３６に柱状の蓄積性蛍光体層３８を蒸着して形成される硬質のシートを用いることができる。蓄積性蛍光体層３８は、真空容器内で蓄積性蛍光体を加熱して蒸発させ、これらを支持基板３６上に付着させる真空蒸着法、スパッタリング法、ＣＶＤ、イオンフレーティング法を用いて形成することができる。このようにして形成される蓄積性蛍光体層３８は、蓄積性蛍光体が蓄積性蛍光体シートＩＰの平面と略垂直な柱状をなし、それぞれが光学的に独立に構成されており、照射される放射線に対して高感度で、且つ、画像の粒状性を低下させることができるとともに、励起光の散乱を減少させて画質を鮮明にすることができる。
【００１９】
なお、蓄積性蛍光体シートＩＰとしては、硬質材料からなる支持基板３６上に蓄積性蛍光体層３８を形成したものに限られるものではなく、蓄積性蛍光体をフレキシブルな支持基板に塗布してなる蓄積性蛍光体シートを利用することもできる。
【００２０】
カセッテ３４は、一端部側に蓄積性蛍光体シートＩＰを挿脱するための開口部４０を有し、他端部側に蓄積性蛍光体シートＩＰをカセッテ３４から排出させるためのピン部材を挿入する挿入孔４１ａ、４１ｂを有する。カセッテ３４の側面には、カセッテ３４に収納される蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズ、感度、種類等からなる種別情報や、カセッテ３４を自他識別するためのカセッテ番号等からなる識別情報を媒体情報として記録したバーコード、ＩＣチップ等の媒体情報記録部４２が配設される。また、蓄積性蛍光体層３８側のカセッテ３４の正面には、カセッテ３４に収納される蓄積性蛍光体シートＩＰの種別情報や、カセッテ３４の識別情報を表示する表示部４４が配設される。
【００２１】
カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂは、図２に示すように、蓄積性蛍光体シートＩＰを保持した複数のカセッテ３４を収納する収納部４６ａ〜４６ｆと、各収納部４６ａ〜４６ｆに配設され、収納されたカセッテ３４の側面の媒体情報記録部４２に記録された媒体情報を読み取るバーコードリーダ等からなる媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆ（媒体情報取得部）と、各収納部４６ａ〜４６ｆに配設され、情報管理装置１８またはＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂによって選択されたカセッテ３４を外部に排出するソレノイド等からなるカセッテ排出部５０ａ〜５０ｆと、各収納部４６ａ〜４６ｆに配設され、選択されたカセッテ３４を収納する収納部４６ａ〜４６ｆの位置を明示するＬＥＤ等からなる表示部５２ａ〜５２ｆとを備え、収納されているカセッテ３４の放射線による被曝を回避するべく、鉛等の重金属を含むケーシング５３によって囲繞される。
【００２２】
図４は、放射線画像読取装置１６の構成図を示す。放射線画像読取装置１６は、カセッテ３４に収納された蓄積性蛍光体シートＩＰに記録された放射線画像情報を読み取った後、残存する放射線画像情報を消去し、カセッテ３４に収納して排出する機能を備える。
【００２３】
放射線画像読取装置１６は、複数のカセッテ３４を装填可能なカセッテ装填部５４と、処理された複数のカセッテ３４が排出されるカセッテ排出部５６と、カセッテ３４をカセッテ装填部５４およびカセッテ排出部５６間で搬送するカセッテ搬送部５８と、カセッテ３４から取り出された蓄積性蛍光体シートＩＰに対する読取処理および消去処理を行う本体部６０とを備える。カセッテ装填部５４およびカセッテ排出部５６は、本体部６０の前部および後部に配設される。放射線画像読取装置１６は、ケーシング６２によって囲繞され、キャスタ６４ａ〜６４ｄを介して移動可能に構成される。なお、放射線画像読取装置１６が放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに近接して配置される場合においては、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂを囲繞するケーシング５３と同様に、ケーシング６２を鉛等の重金属を含む材料で構成することが望ましい。
【００２４】
カセッテ装填部５４の底面部６６およびカセッテ排出部５６の底面部６８は、傾斜して形成されており、カセッテ３４が取り込まれる底面部６６の最下部と、カセッテ３４が排出される底面部６８の最上部とには、カセッテ３４を検出した際に開成する蓋部材７０、７２がそれぞれ配設される。
【００２５】
カセッテ搬送部５８は、カセッテ装填部５４から供給されたカセッテ３４を保持する第１処理機構７４および第２処理機構７６を有する。第１処理機構７４は、上下に配設されたガイド部材７８、８０にガイドされ、カセッテ装填部５４の下部の第１処理部８２と、本体部６０の下部の第２処理部８４との間を往復動作可能である。また、第２処理機構７６は、ガイド部材７８、８０にガイドされ、本体部６０の下部の第２処理部８４と、カセッテ排出部５６の下部の第３処理部８６との間を往復動作可能である。なお、第１処理部８２には、カセッテ装填部５４から供給されたカセッテ３４の側面の媒体情報記録部４２に記録され媒体情報を読み取るバーコードリーダ等からなる媒体情報読取部８８が配設される。
【００２６】
第１処理機構７４は、上下部が支軸９０、９２を介してガイド部材７８、８０のガイド溝９４、９６に移動可能に支持される支持板９８を有し、この支持板９８には、カセッテ装填部５４からニップローラ１００によって供給されたカセッテ３４の下端部を支持する上下動可能な支持部材１０２と、カセッテ３４の挿入孔４１ａ、４１ｂにピン部材１０４を挿入して蓄積性蛍光体シートＩＰを排出させるソレノイド１０６とが配設される。
【００２７】
第２処理機構７６は、上下部が支軸１０８、１１０を介してガイド部材７８、８０のガイド溝９４、９６に移動可能に支持される支持板１１２を有し、この支持板１１２には、第１処理機構７４によって搬送されたカセッテ３４の両側部を把持する上下動可能な把持板１１４ａ、１１４ｂが配設される。第２処理機構７６は、カセッテ３４を第３処理部８６の上部に配設されたニップローラ１１６を介してカセッテ排出部５６に排出する。
【００２８】
本体部６０は、下部のカセッテ搬送部５８と隔壁１１８を介して隔離され、且つ、蓄積性蛍光体シートＩＰが出入する隔壁１１８にシャッタ機構１２０が配設されることにより、光密な状態に保持される。シャッタ機構１２０は、例えば、蓄積性蛍光体シートＩＰが出入する際に開閉されるシャッタ機構、あるいは、蓄積性蛍光体シートＩＰに摺接する遮光部材を配設して構成することができる。
【００２９】
本体部６０には、鉛直上方向に延在する直線状の読取搬送路１２２が配設される。読取搬送路１２２の略中央部には、読取搬送路１２２によって副走査方向に搬送される蓄積性蛍光体シートＩＰに対して、レーザビームからなる励起光Ｌを主走査方向に照射する励起光走査部１２４が配設される。また、励起光Ｌによる主走査線に近接し、蓄積性蛍光体シートＩＰから得られる輝尽発光光を集光する集光ガイド１２６の一端部が配設され、集光ガイド１２６の他端部には、輝尽発光光を電気信号に変換するフォトマルチプライア等からなる光電変換部１２８が配設される。
【００３０】
一方、本体部６０と第２処理部８４との間には、蓄積性蛍光体シートＩＰに残存する放射線画像情報を消去する消去ユニット１３０が配設される。消去ユニット１３０は、ハロゲンランプ等の消去光を出力する複数の光源を有する。なお、消去ユニット１３０の上下には、本体部６０と第２処理部８４との間で蓄積性蛍光体シートＩＰを搬送するニップローラ１３２、１３４が配設される。
【００３１】
情報管理装置１８は、被写体Ｍに係るＩＤ情報、このＩＤ情報に関連付けられた放射線画像情報の撮影情報等の被写体情報を入力する情報入力部１３６（被写体情報設定部）と、ネットワーク２８を介して接続された各装置との間で情報の送受信を行う情報送受信部１３８と、情報入力部１３６から入力され、あるいは、ＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂから供給された被写体情報を記憶する被写体情報記憶部１４０と、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂから供給される媒体情報を記憶する媒体情報記憶部１４２と、放射線画像読取装置１６によって読み取った放射線画像情報を一時的に記憶する画像情報記憶部１４４と、放射線画像情報およびその処理に必要な情報を表示する表示部１４６と、情報入力部１３６から入力された被写体情報および撮影情報に適応する蓄積性蛍光体シートＩＰを有するカセッテ３４を選択するとともに、選択されたカセッテ３４の媒体情報と前記被写体情報との対応関係を設定する情報処理部１４８（画像記録媒体選択部、対応関係設定部）とを備える。
【００３２】
ここで、被写体情報は、被写体Ｍの氏名、性別、生年月日、識別番号（例えば、病院等において被写体Ｍが登録されている場合のＩＤ番号）等の被写体Ｍを特定することのできるＩＤ情報と、被写体Ｍの放射線画像情報の撮影年月日、撮影部位、撮影方法、撮影に使用する蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズ、蓄積性蛍光体シートＩＰの感度等の撮影情報とを含む。
【００３３】
また、媒体情報は、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに配設された媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆを用いて、カセッテ３４の媒体情報記録部４２から読み取った蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズ、感度、種類等の蓄積性蛍光体シートＩＰに係る種別情報と、蓄積性蛍光体シートＩＰを収納するカセッテ３４を自他識別して特定する媒体情報記録部４２から読み取ったカセッテ番号等の識別情報と、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂにおけるカセッテ３４が装填されている収納部４６ａ〜４６ｆの収納位置情報とを含む。なお、収納位置情報は、各収納部４６ａ〜４６ｆに配設されている媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆの位置情報として取得することができる。
【００３４】
ＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂは、図２に示すように、被写体情報を入力するキーボード１５０と、被写体ＭのＩＤ情報が登録された磁気カード、ＩＣカード等のＩＤカード１５２からＩＤ情報を読み取るＩＤ情報読取部１５４と、表示部１５６とを備える端末装置であって、各放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂの近傍に配置することができる。
【００３５】
画像出力装置２２は、放射線画像読取装置１６によって読み取られた放射線画像情報を、診断等のために高精細ディスプレイやフイルム等の記録媒体に可視画像として出力する装置である。
【００３６】
画像保存装置２４は、放射線画像情報をそれに対応する被写体情報や媒体情報とともに保存する。ワークステーション２６は、主として画像保存装置２４に保存されている放射線画像情報から所望の放射線画像情報を検索して表示し、必要に応じて画像出力装置２２を介して出力する機能を備える。
【００３７】
本実施形態の放射線画像情報記録読取システム１０は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作について説明する。
【００３８】
先ず、図５に示すフローチャートに基づき、所望のカセッテ３４を選択して放射線画像情報を記録する場合の動作について説明する。
【００３９】
種々のサイズ、感度、種類等からなる蓄積性蛍光体シートＩＰを収納したカセッテ３４を準備し、これらのカセッテ３４をカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂの各収納部４６ａ〜４６ｆに装填する（ステップＳ１）。この場合、カセッテ３４の側面の媒体情報記録部４２には、収納されている蓄積性蛍光体シートＩＰの種別情報と、カセッテ３４のカセッテ番号等の識別情報とがバーコード等によって記録されているものとする。
【００４０】
カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂにカセッテ３４が装填されると、情報管理装置１８は、媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆを駆動してカセッテ３４の側面の媒体情報記録部４２から媒体情報を読み込み（ステップＳ２）、カセッテ３４の収納位置情報とともに媒体情報記憶部１４２に記憶する（ステップＳ３）。
【００４１】
すなわち、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂの収納部４６ａ〜４６ｆにカセッテ３４が装填されると、媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆは、カセッテ３４の媒体情報記憶部１４２に記録された蓄積性蛍光体シートＩＰの種別情報およびカセッテ３４の識別情報を読み取り、これらの情報をその収納位置情報とともにネットワーク２８を介して情報管理装置１８に送信する。情報管理装置１８の情報処理部１４８は、種別情報、識別情報および収納位置情報からなる媒体情報を情報送受信部１３８を介して受信し、媒体情報記憶部１４２に記憶する。
【００４２】
次に、医師等から被写体Ｍの撮影要求があった場合（ステップＳ４）、作業者は、被写体Ｍの撮影を行う放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂの近傍に配置されたＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂまたは情報管理装置１８を用いて、被写体情報を入力する（ステップＳ５）。
【００４３】
例えば、ＩＤターミナル２０Ａ、２０Ｂでは、ＩＤ情報読取部１５４を用いて、ＩＤカード１５２に記録された被写体Ｍの氏名、性別、生年月日、識別番号等のＩＤ情報を読み取るとともに、キーボード１５０から、撮影年月日、撮影部位、撮影方法、使用する蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズ、感度等の撮影情報を入力する。また、これらのＩＤ情報および撮影情報からなる被写体情報は、情報管理装置１８の情報入力部１３６を用いて入力することもできる。
【００４４】
入力された被写体情報は、情報管理装置１８の情報処理部１４８によって被写体情報記憶部１４０に記憶される（ステップＳ６）。なお、被写体Ｍの撮影に先立ち、複数の被写体Ｍに係る被写体情報を連続的に入力して被写体情報記憶部１４０に記憶させるようにしてもよい。
【００４５】
次に、情報処理部１４８は、被写体情報記憶部１４０に記憶された被写体情報から撮影の対象となる被写体Ｍの被写体情報を選択し、その被写体情報を構成する撮影情報に適応した蓄積性蛍光体シートＩＰを収納するカセッテ３４を検索する（ステップＳ７）。
【００４６】
すなわち、情報処理部１４８は、被写体情報記憶部１４０に記憶された被写体情報である蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズおよび感度と、媒体情報記憶部１４２に記憶された媒体情報である蓄積性蛍光体シートＩＰのサイズおよび感度とが一致する識別情報を検索する。そして、一致した識別情報を備えたカセッテ３４の収納位置情報からカセッテ３４の収納位置を特定する。なお、収納位置情報は、例えば、撮影情報である撮影部位と、蓄積性蛍光体シートＩＰの種別情報との関係をテーブルとして予め設定しておき、撮影部位からこのテーブルを用いてカセッテ番号等の識別情報を検索して求めることもできる。
【００４７】
カセッテ３４の収納位置情報が求められると、そのカセッテ３４のカセッテ番号等の識別情報と被写体情報とを対応させ、画像情報記憶部１４４に記憶させる（ステップＳ８）。この場合、被写体Ｍの被写体情報は、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに配設された媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆによって取得されたカセッテ３４の識別情報と自動的に関連付けられることになる。従って、作業者は、カセッテ３４に配設された媒体情報記録部４２に記録された媒体情報を読み取る必要がない。
【００４８】
前記のようにして、撮影の対象となる被写体Ｍに適応したカセッテ３４の収納位置情報が検索された後、情報管理装置１８は、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂにおける当該カセッテ３４が収納されているカセッテ排出部５０ａ〜５０ｆを収納位置情報に従って駆動し、カセッテ３４をカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂから排出させる（ステップＳ９）。この場合、収納部４６ａ〜４６ｆでは、その側部に配設された表示部５２ａ〜５２ｆが点灯し、排出されたカセッテ３４の位置が作業者に対して明確に提示される。
【００４９】
そこで、作業者は、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂから排出されたカセッテ３４を抜き取り、例えば、放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂを構成する撮影台３０に装填する（ステップＳ１０）。この場合、作業者は、被写体Ｍに適応した蓄積性蛍光体シートＩＰを有するカセッテ３４を間違えることなく確実に放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに供給することができる。次いで、Ｘ線源３２が駆動され、Ｘ線が被写体Ｍを介してカセッテ３４内の蓄積性蛍光体シートＩＰに照射されることにより、撮影が行われる（ステップＳ１１）。
【００５０】
なお、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂから排出されたカセッテ３４を作業者が直ちに放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに装填しないことも考えられる。この場合、例えば、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに対してカセッテ排出ボタンを配設し、装填時に作業者がカセッテ排出ボタンを操作してカセッテ３４を排出するようにすれば、カセッテ３４に収納されている蓄積性蛍光体シートＩＰをＸ線の予期せぬ被曝から保護することができる。
【００５１】
一方、情報管理装置１８によってカセッテ３４を選択した際、カセッテ３４の表示部４４に対して、対象となる被写体Ｍに係る氏名を含む被写体情報を表示するようにすれば、そのカセッテ３４を当該被写体Ｍが設定されている放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに間違いなく装填して放射線画像情報の撮影を行うことができる。特に、複数の被写体情報を纏めて入力し、各被写体Ｍに対する複数のカセッテ３４を選択するような場合に有効である。また、被写体情報は、カセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂ自体に表示するようにしてもよい。
【００５２】
以上のようにして放射線画像情報が蓄積性蛍光体シートＩＰに記録されたカセッテ３４は、放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂから抜き取られ、作業者によって放射線画像読取装置１６まで運ばれた後、読取処理が行われる。そこで、読取処理の動作につき、図４および図６に示すフローチャートに従って説明する。
【００５３】
先ず、放射線画像情報の記録された撮影済のカセッテ３４が、カセッテ装填部５４に装填される（ステップＳ２１）。この場合、カセッテ装填部５４には、開口部４０を上方向に向けた状態で複数のカセッテ３４を装填することができる。
【００５４】
カセッテ装填部５４に装填されたカセッテ３４は、傾斜する底面部６６に沿って積層状態で装填されており、最下部にあるカセッテ３４から蓋部材７０を介して順次放射線画像読取装置１６内に取り込まれる。
【００５５】
開成した蓋部材７０を介して放射線画像読取装置１６内に挿入されたカセッテ３４は、ニップローラ１００によって挟持搬送され、第１処理部８２に待機する第１処理機構７４の支持板９８および支持部材１０２に保持される。このとき、第１処理部８２に配設された媒体情報読取部８８は、カセッテ３４の側面の媒体情報記録部４２に記録されている媒体情報を読み込む（ステップＳ２２）。
【００５６】
次いで、カセッテ３４を保持した第１処理機構７４は、ガイド部材７８、８０にガイドされ第２処理部８４まで搬送された後、支持部材１０２に装着されたソレノイド１０６が駆動され、ピン部材１０４がカセッテ３４の下端部に形成された挿入孔４１ａ、４１ｂに挿入されることにより、蓄積性蛍光体シートＩＰの上端部がカセッテ３４の上部に突出する。
【００５７】
上部に突出した蓄積性蛍光体シートＩＰは、ニップローラ１３４によって挟持され、消去ユニット１３０、ニップローラ１３２およびシャッタ機構１２０を介して本体部６０に供給される。なお、蓄積性蛍光体シートＩＰを排出したカセッテ３４は、両側部が第２処理機構７６を構成する把持板１１４ａ、１１４ｂによって把持されることにより、第１処理機構７４から第２処理機構７６に受け渡される。カセッテ３４を第２処理機構７６に受け渡した第１処理機構７４は、第１処理部８２に移動し、次のカセッテ３４に対する処理を行う。
【００５８】
本体部６０に供給された蓄積性蛍光体シートＩＰは、搬送路１８２によって放射線画像読取装置１６の上部まで搬送された後、下方向に搬送され、放射線画像情報の読み取りが行われる（ステップＳ２３）。すなわち、励起光走査部１２４から出力された励起光Ｌは、蓄積性蛍光体シートＩＰを搬送方向と直交する方向に走査し、この励起光Ｌによって得られた輝尽発光光は、集光ガイド１２６を介して光電変換部１２８に導かれ、電気信号としての放射線画像情報が得られる。
【００５９】
得られた放射線画像情報は、媒体情報読取部８８によって読み取ったカセッテ３４の媒体情報とともに、ネットワーク２８を介して情報管理装置１８に送信される（ステップＳ２４）。情報処理部１４８は、情報送受信部１３８を介して受信した前記放射線画像情報に付随する媒体情報に含まれるカセッテ３４の識別情報と、ステップＳ８の処理において画像情報記憶部１４４に記憶された識別情報とを照合し（ステップＳ２５）、一致する識別情報と対応関係にある被写体情報に関連付けて、放射線画像情報を画像情報記憶部１４４に記憶させる（ステップＳ２６）。なお、画像情報記憶部１４４に記憶された放射線画像情報は、被写体情報とともに画像保存装置２４に送信され、保存される。
【００６０】
読み取りが完了した蓄積性蛍光体シートＩＰは、シャッタ機構１２０を介して消去ユニット１３０に搬出され、残存する放射線画像情報の消去処理が行われる（ステップＳ２７）。消去処理の完了した蓄積性蛍光体シートＩＰは、第２処理部８４に待機する第２処理機構７６により保持されているカセッテ３４に収納された後、ガイド部材７８、８０によってガイドされて第３処理部８６まで移動する。次いで、カセッテ３４は、ニップローラ１１６および蓋部材７２を介してカセッテ排出部５６に排出される（ステップＳ２８）。
【００６１】
なお、カセッテ排出部５６に排出されたカセッテ３４は、作業者によってカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに運ばれ、空き状態となっている任意の収納部４６ａ〜４６ｆに収納され、次の撮影のために待機する。
【００６２】
また、ワークステーション２６は、被写体情報を検索キーとして画像保存装置２４に保存された放射線画像情報を検索し、必要に応じて画像出力装置２２から出力し、診断等に供することができる。
【００６３】
ここで、上述した実施形態では、カセッテ３４と蓄積性蛍光体シートＩＰとを一対一に対応させ、カセッテ３４に収納される蓄積性蛍光体シートＩＰの種別情報をカセッテ３４の媒体情報記録部４２に記録するものとして説明したが、種別情報と、蓄積性蛍光体シートＩＰを特定するための識別情報とをカセッテ３４の外部から検出可能な状態で蓄積性蛍光体シートＩＰに記録しておき、これらの種別情報および識別情報を読み込んで処理を行うこともできる。この場合、複数の蓄積性蛍光体シートＩＰに対して共通のカセッテ３４を対応させることができるため、経済的である。なお、カセッテ３４を必要としない蓄積性蛍光体シートＩＰに対して適用することもできる。
【００６４】
また、蓄積性蛍光体シートＩＰおよびカセッテ３４の両方に媒体情報を記録し、蓄積性蛍光体シートＩＰとカセッテ３４とを任意に組み合わせるようにしてもよい。
【００６５】
また、端部に開口部４０を有し、この開口部４０より蓄積性蛍光体シートＩＰを挿脱する構成からなるカセッテ３４を用いているが、例えば、蓋部材を開閉することで蓄積性蛍光体シートを挿脱できる構成としたカセッテや、蓄積性蛍光体シートにおける放射線画像情報の記録面に対して着脱自在な保護カバーを装着した一体型のカセッテに対しても同様に適用できることは勿論である。
【００６６】
さらに、放射線画像撮影装置１２Ａ、１２Ｂに供給される蓄積性蛍光体シートＩＰは、放射線画像読取装置１６から排出される。そこで、例えば、放射線画像読取装置１６のカセッテ排出部５６に代えてカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂを一体的に配置し、あるいは、カセッテ排出部５６にカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂの媒体情報読取部４８ａ〜４８ｆおよびカセッテ排出部５０ａ〜５０ｆに対応する機構を配設するようにしてもよい。このように構成することにより、放射線画像読取装置１６における処理が完了したカセッテ３４を抜き取ってカセッテ収納装置１４Ａ、１４Ｂに装填する処理を省略することができる。
【００６７】
【発明の効果】
本発明の画像記録媒体管理方法および装置では、被写体の画像記録に必要な画像記録媒体を容易且つ確実に選択することができる。また、選択された画像記録媒体と被写体との対応関係を画像記録媒体の選択処理に基づいて自動的に設定することができるため、対応関係の設定も容易且つ確実となる。この結果、作業者による処理を極めて容易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施形態の放射線画像情報記録読取システムの構成ブロック図である。
【図２】本実施形態の放射線画像情報記録読取システムを構成する放射線画像撮影装置、カセッテ収納装置および情報管理装置の概略図である。
【図３】本実施形態の放射線画像撮影装置および放射線画像読取装置に装填される蓄積性蛍光体シートおよびカセッテの構成図である。
【図４】本実施形態の放射線画像読取装置の構成図である。
【図５】本実施形態の放射線画像情報記録読取システムにおける放射線画像撮影装置、カセッテ収納装置および情報管理装置での処理フローチャートである。
【図６】本実施形態の放射線画像情報記録読取システムにおける放射線画像読取装置および情報管理装置での処理フローチャートである。
【符号の説明】
１０…放射線画像情報記録読取システム １２Ａ、１２Ｂ…放射線画像撮影装置
１４Ａ、１４Ｂ…カセッテ収納装置 １６…放射線画像読取装置
１８…情報管理装置 ２０Ａ、２０Ｂ…ＩＤターミナル
２２…画像出力装置 ２４…画像保存装置
２６…ワークステーション ２８…ネットワーク
３４…カセッテ ４２…媒体情報記録部
４４、５２ａ〜５２ｆ…表示部 ４６ａ〜４６ｆ…収納部
４８ａ〜４８ｆ、８８…媒体情報読取部 ５０ａ〜５０ｆ…カセッテ排出部
５４…カセッテ装填部 ５８…カセッテ搬送部
６０…本体部 １３０…消去ユニット
１３６…情報入力部 １３８…情報送受信部
１４０…被写体情報記憶部 １４２…媒体情報記憶部
１４４…画像情報記憶部 １４８…情報処理部
ＩＰ…蓄積性蛍光体シート
Claims (7)
- 複数の画像記録媒体を画像記録媒体収納部に収納するステップと、
前記画像記録媒体収納部に収納されている前記画像記録媒体の種別情報と、前記画像記録媒体を自他識別する識別情報とを含む媒体情報を前記画像記録媒体収納部から取得するステップと、
前記画像記録媒体に記録される画像情報に係る被写体の被写体情報を設定するステップと、
設定された前記被写体情報に適応した前記種別情報を有する前記画像記録媒体を選択するステップと、
選択された前記画像記録媒体の前記識別情報と前記被写体情報との対応関係を設定するステップと、
からなることを特徴とする画像記録媒体管理方法。 - 複数の画像記録媒体を収納する画像記録媒体収納部と、
前記画像記録媒体収納部に収納されている前記画像記録媒体の種別情報と、前記画像記録媒体を自他識別する識別情報とを含む媒体情報を前記画像記録媒体収納部から取得する媒体情報取得部と、
前記画像記録媒体に記録される画像情報に係る被写体の被写体情報を設定する被写体情報設定部と、
設定された前記被写体情報に適応した前記種別情報を有する前記画像記録媒体を選択する画像記録媒体選択部と、
選択された前記画像記録媒体の前記識別情報と前記被写体情報との対応関係を設定する対応関係設定部と、
を備えることを特徴とする画像記録媒体管理装置。 - 請求項２記載の装置において、
前記媒体情報取得部は、前記画像記録媒体に記録された前記種別情報および前記識別情報を読み取る情報読取部を有することを特徴とする画像記録媒体管理装置。 - 請求項２記載の装置において、
前記画像記録媒体は、カセッテに収納された状態で前記画像記録媒体収納部に収納されることを特徴とする画像記録媒体管理装置。 - 請求項４記載の装置において、
前記媒体情報取得部は、前記カセッテに記録された前記種別情報および前記識別情報を読み取る情報読取部を有することを特徴とする画像記録媒体管理装置。 - 請求項２記載の装置において、
前記画像記録媒体収納部は、前記画像記録媒体に対して画像情報を記録する画像記録装置に近接して配置されることを特徴とする画像記録媒体管理装置。 - 請求項２記載の装置において、
前記画像記録媒体収納部は、画像情報の記録された前記画像記録媒体から画像情報を読み取る画像読取装置に一体的に配置されることを特徴とする画像記録媒体管理装置。
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