JP2004286083A - 電動機の軸受用潤滑油の封止構造 - Google Patents

電動機の軸受用潤滑油の封止構造 Download PDF

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Abstract

【課題】潤滑油の劣化を防ぐことができる、さらに、潤滑油が軸方向へ漏れるのを長期にわたり防ぐことができる電動機用軸受の潤滑油の封止構造を提供することを目的とする。
【解決手段】軸4と3ハウジングとの間にオイルシール5からハウジング3の端面に向かって潤滑油2が漏れる流路9が形成され、ハウジング3に、回転する軸4と摺接する撥油性でリング形状の弾力性を有する撥油部材10を流路9の端面側に配設し、ハウジング3に、油供給孔6とこの油供給孔6から供給された潤滑油2を抜き取るための油抜孔7と、撥油部材10とオイルシール5との間で外部に貫通する排出孔11と、撥油部材10の外周面に向かって外部から貫通する撥油排出孔14とを形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータ等の電動機の軸受に用いられる潤滑油を封止する軸受用潤滑油の封止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モータ等の電動機の主軸は、使用時に高速回転する。従って、このような主軸は、ハウジング内に転がり軸受等の軸受で回転自在に支持すると共に、軸受内部に、十分な潤滑油を供給する必要がある。
【0003】
軸受内部に潤滑油を供給する潤滑装置として、ハウジング内にグリース等の潤滑油を蓄える保油空間と、保油空間から軸受内部に連通するノズル孔とを設け、保油空間に圧力を加えることによって、間欠的あるいは連続的に適量の潤滑油を軸受内部に供給するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−161922号公報(第3頁−第5頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、長時間使用している間に、供給される潤滑油(グリース)の低粘度のベースオイルが遊離して、ハウジング側と主軸側との摺動部における隙間から漏れだし、主軸端に設けられたプーリや他の部品に対して悪影響を及ぼすという問題がある。
【0006】
また、摺動部にOリング等のシール部材を用いた場合、摩耗あるいは劣化のために定期的に交換する必要があり、メンテナンス作業が煩雑になるという問題がある。
【0007】
さらに、長期間の使用によって劣化した潤滑油が内部に溜り、劣化した潤滑油を除去するために軸受の解体、組立の作業が必要になるという問題がある。
【0008】
この発明は上記のような問題を解決するものであり、潤滑油の劣化を防ぐことができ、さらに、潤滑油が軸方向へ漏れるのを長期にわたり防ぐことができる電動機用軸受の潤滑油の封止構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電動機の軸受用潤滑油の封止構造は、ハウジングと、軸と、この軸を上記ハウジング内に回転自在に支持する軸受と、この軸受に潤滑油を供給する油供給孔と、上記供給された潤滑油が軸方向に漏れるのを封止するオイルシールとを備えた電動機における軸受用潤滑油の封止構造において、
上記軸と上記ハウジングとの間に上記オイルシールから上記ハウジングの端面に向かって上記潤滑油が漏れる流路が形成され、
上記ハウジングに、回転する上記軸と摺接する撥油性でリング形状の弾力性を有する撥油部材を上記流路の上記端面側に配設し、
上記ハウジングに、上記油供給孔とこの油供給孔から供給された潤滑油を抜き取るための油抜孔と、上記撥油部材と上記オイルシールとの間で外部に貫通する排出孔と、上記撥油部材の外周面に向かって外部から貫通する撥油排出孔とを形成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【0011】
同図に示したように、軸受1の軸方向端部に、オイルシール5が設けられている。オイルシール5はハウジング3に固定され、先端側が回転する軸4と摺動するように設けられ、軸4の中心軸方向における軸受1からの潤滑油の漏れを抑制する。
【0012】
オイルシール5としては、リップシール、メカニカルシールを用いることができ、また、シールが内包された密閉型の玉軸受1を用いてもよい。
【0013】
軸受1を保持するハウジング3には、潤滑油2を軸受1に供給するための油供給孔6と、定期的に劣化した潤滑油2を排出するための油抜孔7とを設け、油供給孔6及び油抜孔7それぞれに蓋8を設けており、軸受1の組立体を分解することなく潤滑油2を交換できるようにしている。
【0014】
潤滑油2の交換は、油抜孔7の蓋8を外して古い潤滑油を油抜孔7から排出し、次に、新しい潤滑油を油供給孔6から供給する。また、粘度が高いグリースを交換する場合は、蓋8を外して、油供給孔6からグリースを押し込み、古いグリースが油抜孔7から押し出されて新しいグリースが油抜孔7から排出されるまでグリースを油供給孔6から押し込む。また、油抜孔7から吸引して古い潤滑油を排出して、新しい潤滑油を油供給孔6から供給することによって、簡便に潤滑油を交換することも可能である。
【0015】
長期間の使用によって、オイルシール5の性能が劣化した場合には、オイルシール5から漏れた潤滑油2が軸4の軸端に向かう流路9に沿って流れる。
【0016】
この発明では、ハウジング3の流路9側の円周面に、オイルシール5から流路9へ漏れ出た潤滑油2を保持するリング形状の凹部からなる油保持部12を形成し、さらに、油保持部10に連通し、ハウジング3を貫通する排出孔11を設けている。
【0017】
また、油保持部10の外側のハウジング3内周面にリング形状の撥油溝13を形成し、撥油溝13に連通しハウジング3の外周側に貫通する撥油部排出孔14を形成し、撥油溝13にリング形状で撥油性の撥油部材10をはめ込み、撥油部材10の内周が軸4を押し付けるようにしており、回転する軸4と摺接するようにしている。
【0018】
撥油部材10としては、弾力性及び空孔性を有するものを用い、例えば、フェルト等にフッ素系の樹脂を含浸させたものを用いることができる。
【0019】
また、フェルトに限らず、弾力性と空孔性を有する部材にフッ素系の樹脂を含浸させたものを用いることができる。
【0020】
フッ素系の樹脂としては、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、PFE(パーフロロプロピルビニルエーテル、FEP(6−フッ化プロピレン共重合体)、CF系ポリマーを溶剤に混入した溶液を用いることができる。
【0021】
さらに、撥油部材10として、フッ素樹脂の繊維を用いて所望の形状に成形したものを用いてもよい。
【0022】
オイルシール5から漏れた潤滑油2は大部分が一旦、油保持部10に保持され、排出孔11を通って、排出孔11の外側に接続された図示していないチューブから、所定の貯留部に排出される。
【0023】
排出孔11から排出されない潤滑油2は、撥油部材10を伝わって落下し、撥油溝13から、撥油部排出孔14を通ってハウジング3の外側に排出される。
【0024】
また、軸4が回転中のときは、撥油部材10に到達した潤滑油2は、撥油部材10に弾かれて遠心力で撥油溝13に捕捉され、撥油部排出孔14を通ってハウジング3の外側に排出される。
【0025】
以上のように、この実施の形態ではハウジング3に軸受1へ潤滑油を供給する油供給孔6と潤滑油を排出する油抜孔7とを設けたので、定期的に劣化した潤滑油を油抜孔7から排出し、油供給孔6から新しい潤滑油を軸受1へ供給することによって、軸受1の組立体を分解することなく潤滑油を交換でき、メンテナンスコストを低減することができる。
【0026】
また、ハウジング3の流路9側の円周面に、オイルシール5から流路9へ漏れ出た潤滑油2を保持するリング形状の溝からなる油保持部12を形成し、さらに、油保持部10に連通し、ハウジング3を貫通する排出孔11を設けオイルシールから漏れ出た潤滑油2をハウジング3の外部へ排出するとともに、油保持部10の外側のハウジング3内周面にリング形状の撥油溝13を形成し、撥油溝13に連通しハウジング3の外周側に貫通する撥油部排出孔14を形成し、撥油溝13にリング形状で撥油性の撥油部材10をはめ込み、撥油部材10の内周が軸4を押し付けるようにし、排出孔11から排出されない潤滑油2は、撥油溝13から撥油部排出孔14を通ってハウジング3の外側に排出するようにしたので、軸方向へ潤滑油が漏れるのを封止することができる信頼性の高い封止構造とすることができる。
【0027】
なお、使用する潤滑油2が少量であり、漏れが微量と想定される場合は、油保持部12は不要となることもあり、必ずしも必要とするものではない。
【0028】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2における潤滑油の封止構造を示す断面図、図3は、要部を拡大して示す平面図及び断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0029】
上記実施の形態1では、撥油部材10を撥油溝13にはめ込むようにしたが、長期間の使用によっては、撥油部材10と軸4の間に隙間が生じる場合も想定される。
【0030】
この実施の形態では、ばねで撥油部材10を軸4に押し付けるようにしたものであり、図2に示したように、撥油部材10を保持具15に嵌め込み、保持具15にリング状のコイルばね16を取り付けておき、コイルばね16を取り付けた保持具15を撥油溝13に嵌め込み、撥油部材10を所定の力で軸4に押し付けるようにしている。
【0031】
保持具15は、図3(a)に示したように、半径方向のスリット15d、潤滑油を排出するための保持部排出孔15a、撥油部材挿入溝15b、コイル保持溝15cを形成したものとし、コイル保持溝15cにコイルばね16を取付け、撥油部材挿入溝15bに撥油部材10を嵌め込む。スリット15dは、コイルばね16を取付け易くし、また、撥油部材10を挿入し易くするためのものである。
【0032】
この実施の形態によれば、コイルばね16で撥油部材10を軸4に押し付けるようにしているので、撥油部材10が摩耗しても、軸4と撥油部材10との間に隙間ができることはなく、潤滑油の軸方向への漏れを防止することができるとともに、外部からの塵埃の侵入を阻止し、塵埃の噛み込みによる軸受の損傷を防止することができる信頼性の高い電動機が得られる。
【0033】
また、軸4が高速回転し、そのために潤滑油2がミスト状になった場合にも、軸4と撥油部材10との間に隙間ができることはなく、ミスト状の潤滑油2は流路9に滞留し、その対流の間に撥油部材10の表面、軸4表面ハウジング3の内周表面にミスト状の潤滑油2が捕捉され、保持部排出孔15a、撥油排出孔14を通ってハウジング3外部に排出される。
【0034】
実施の形態3.
図4、図5及び図6は、この発明の実施の形態3における潤滑油の封止構造を示す断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0035】
上記実施の形態1及び2では、撥油部材を1個設ける場合を示したが、図4、図5及び図6に示したように、撥油部材10を複数個設けることによって、粘度が小さい潤滑油を用いた場合にも、潤滑油の漏れを防止することができる。
【0036】
図5は、上記実施の形態2と同様、コイルばね16で撥油部材10を軸4に押し付けるようにしているので、撥油部材10が摩耗しても、軸4と撥油部材10との間に隙間ができることはなく、潤滑油の軸方向への漏れを防止することができるとともに、外部からの塵埃の侵入を阻止し、塵埃の噛み込みによる軸受の損傷を防止することができる信頼性の高い電動機が得られる。
【0037】
また、図6は、複数個の撥油部材10を嵌め込む撥油部材挿入溝15bを形成した1個の保持具15に1個のコイルばね16を取り付けており、このように部材の個数を減らすことによって、組立を簡便にし、製造コストを低減することができる。
【0038】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4における潤滑油の封止構造を示す断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0039】
上記実施の形態3では、撥油部材10を複数個設けることによって、粘度が小さい潤滑油を用いた場合にも、潤滑油2の漏れを防止することができるようにしたが、図7に示したように、軸4の外周に軸溝4aを形成し、軸溝4aの底部と撥油部材10の内周面とが摺接するように構成することによって、オイルシールから軸4を伝わって漏れる潤滑油2は、軸溝4aに捕捉され、電動機の停止時には、撥油部材10を伝わって落下し、撥油溝13、撥油排出孔14からハウジング3の外部に排出される。
【0040】
この実施の形態によれば、撥油部材10を複数個設けることなく、粘度が小さい潤滑油2を用いた場合にも、潤滑油の漏れを防止することができる。
【0041】
また、軸4が高速回転し、そのために潤滑油2がミスト状になった場合にも、ミスト状の潤滑油は流路9に滞留し、その滞留の間に、撥油部材10の表面、軸4表面ハウジング3の内周表面にミスト状の潤滑油2が捕捉され、撥油溝13、撥油排出孔14を通ってハウジング3外部に排出される。
【0042】
なお、この実施の形態において、軸溝4aを複数個形成し、複数個の軸溝4aの底部と摺接する撥油部材10を複数個設けることによって、さらに、封止性能を向上させることができる。
【0043】
また、上記実施の形態2と同様、コイルばねで軸溝4aの底部に撥油部材10の内周面を押し付けるようにすることによって、さらに、封止性能を向上させることができる。
【0044】
実施の形態5.
図8及び図9は、この発明の実施の形態5における潤滑油の封止構造を示す断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0045】
この実施の形態では、図8に示したように、オイルシール5から流路9に漏れた潤滑油2を浸透させるリング形状の吸収部材17と、吸収部材17のオイルシール5側面の背面に設けたリング形状の撥油部材10との組合せで構成する。
【0046】
吸収部材17は、例えば、オイルシール5が破損し、長時間にわたって潤滑油が漏れた場合に吸収・保持し、撥油排出孔14からハウジング3の外部に排出するためのものであり、撥油部材10は吸収部材17に浸透した潤滑油2が軸方向に漏れないようするためのものである。
【0047】
吸収部材17の材料には、弾力性を有する、例えば、フェルトを用い、撥油部材10の材料には、フェルトに撥油剤を浸透させたものを用いることができる。
【0048】
また、図9に示したように、軸4に、吸収部材17の内周面が摺接する底面を有する軸溝4aを設けることによって、さらに、封止性能を向上させることができる。
【0049】
実施の形態6.
図10は、この発明の実施の形態6における潤滑油の封止構造を示す断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0050】
この実施の形態では、図10に示したように、オイルシール5から流路9に漏れた潤滑油2を浸透させるリング形状の吸収部材17と、吸収部材17の両面に設けたリング形状の撥油部材10との組合せで構成する。
【0051】
例えば、オイルシール5が破損し、長時間にわたって潤滑油2が漏れた場合、あるいは軸4の高速回転によって潤滑油2がミスト状になった場合に、オイルシール5側の撥油部材10は、流路9に漏れた潤滑油2を撥油排出孔14からハウジング3の外部に排出するように働く。オイルシール5側の撥油部材10と軸4との間から軸方向に漏れた場合には、吸収部材17は、潤滑油2あるいはミスト状の潤滑油2を吸収・保持し、撥油排出孔14からハウジング3の外部に排出するように働く。また、吸収部材17のオイルシール5側の面の背面の撥油部材10は吸収部材17に浸透した潤滑油2が軸方向に漏れないようする。
【0052】
吸収部材17の材料には、弾力性を有する、例えば、フェルトを用い、撥油部材10の材料には、フェルトに撥油剤を浸透させたものを用いることができる。
【0053】
また、図11に示したように、軸4に、吸収部材17の内周面が摺接する底面を有する軸溝4aを設けることによって、さらに、封止性能を向上させることができる。
【0054】
実施の形態7.
図12及び図13は、この発明の実施の形態7における潤滑油の封止構造を示す断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0055】
この実施の形態は、図12に示したように、撥油部材10を嵌め込む撥油溝13に連通し、ハウジング3外部に貫通する撥油剤供給孔18を設けて、定期的に撥油剤を撥油部材10に供給することによって、撥油部材10の撥油性能を長期間にわたって維持し、長期間にわたって封止性能が維持された信頼性の高い封止構造を得るものである。
【0056】
また、図13(a)及び(b)に示したように、吸収部材17と撥油部材10とを組み合わせた構成の場合にも、撥油溝13に嵌め込まれた撥油部材10に連通し、ハウジング3外部に貫通する撥油剤供給孔18を設けて、定期的に撥油剤を撥油部材10に供給することによって、撥油部材10の撥油性能を長期間にわたって維持し、長期間にわたって封止性能が維持された信頼性の高い封止構造を得ることができる。
【0057】
実施の形態8.
図14は、この発明の実施の形態8における潤滑油の封止構造を示す断面図であり、図において、上記実施の形態1と同一符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0058】
この実施の形態では、図14に示したように、流路9の軸4外周面及びハウジング3内周面に、潤滑油2と親油性の親油処理部19を形成している。
【0059】
親油処理部19は、例えば、流路9となる軸4外周面及びハウジング3内周面にTiO膜を形成し、この膜を紫外線で励起することによって得られる。
【0060】
軸4の高速回転等によって、潤滑油2がミスト状になった場合、ミスト状の潤滑油2は、親油処理部19に捕捉され、ハウジング3外に排出される。このように、親油処理部19を設けることにより、ミスト状の潤滑油2が軸方向へ漏れるのを防ぐことができる。
【0061】
また、電動機が非常に高温な場所で運転されたり、放置された状態では、長期間にわたって流路9内に付着した潤滑油2は気化したり、粘度が低下して流れ易くなって軸方向に漏れでることがあるが、親油処理部19を設けたことにより、漏れでた潤滑油2は流れ易くなり、速やかにハウジング3外に排出されるので、電動機が非常に高温な場所で運転されたり、放置された状態でも、漏れでた潤滑油2が気化して軸方向に漏れでるのを防ぐことができる。
【0062】
また、上記実施の形態2と同様、コイルばねで軸溝4aの底部に撥油部材10の内周面を押し付けるようにすることによって、さらに、封止性能を向上させることができる。
【0063】
【発明の効果】
この発明に係る電動機の軸受用潤滑油の封止構造によれば、ハウジングと、軸と、この軸を上記ハウジング内に回転自在に支持する軸受と、この軸受に潤滑油を供給する油供給孔と、上記供給された潤滑油が軸方向に漏れるのを封止するオイルシールとを備えた電動機における軸受用潤滑油の封止構造において、
上記軸と上記ハウジングとの間に上記オイルシールから上記ハウジングの端面に向かって上記潤滑油が漏れる流路が形成され、
上記ハウジングに、回転する上記軸と摺接する撥油性でリング形状の弾力性を有する撥油部材を上記流路の上記端面側に配設し、
上記ハウジングに、上記油供給孔とこの油供給孔から供給された潤滑油を抜き取るための油抜孔と、上記撥油部材と上記オイルシールとの間で外部に貫通する排出孔と、上記撥油部材の外周面に向かって外部から貫通する撥油排出孔とを形成したものであるので、定期的に劣化した潤滑油を油抜孔から排出し、油供給孔から新しい潤滑油を軸受へ供給することによって、軸受の組立体を分解することなく潤滑油を交換でき、メンテナンスコストを低減することができ、また、流路に漏れ出た潤滑油を、撥油部材で弾いて、撥油排出孔及び排出孔を通じてハウジングの外方に排出するようにしたので、オイルシールから漏れ出た潤滑油が軸方向へ漏れるのを長期間にわたり封止することができる、信頼性の高い封止構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態2における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態2における要部を拡大して示す平面図(a)及び断面図(b)である。
【図4】この発明の実施の形態3における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態3における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態3における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態4における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態5における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態6における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図10】この発明の実施の形態6における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図11】この発明の実施の形態6における油切り部の作用を説明するための断面図である。
【図12】この発明の実施の形態7における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図13】この発明の実施の形態7における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【図14】この発明の実施の形態8における潤滑油の封止構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 軸受、2 潤滑油、3 ハウジング、4 軸、4a 軸溝、
5 オイルシール、6 油供給孔、7 油抜孔、8 蓋、9 流路、
10 撥油部材、11 排出孔、12 油保持部、13 撥油溝、
14 撥油排出孔、15 保持具、15a 保持部排出孔、
15b 撥油部材挿入孔、15c コイル保持溝、15d スリット、
16 コイルばね、17 吸収部材、18 撥油剤供給孔、
19 親油処理部。

Claims (13)

  1. ハウジングと、軸と、この軸を上記ハウジング内に回転自在に支持する軸受と、この軸受に潤滑油を供給する油供給孔と、上記供給された潤滑油が軸方向に漏れるのを封止するオイルシールとを備えた電動機における軸受用潤滑油の封止構造において、
    上記軸と上記ハウジングとの間に上記オイルシールから上記ハウジングの端面に向かって上記潤滑油が漏れる流路が形成され、
    上記ハウジングに、回転する上記軸と摺接する撥油性でリング形状の弾力性を有する撥油部材を上記流路の上記端面側に配設し、
    上記ハウジングに、上記油供給孔とこの油供給孔から供給された潤滑油を抜き取るための油抜孔と、上記撥油部材と上記オイルシールとの間で外部に貫通する排出孔と、上記撥油部材の外周面に向かって外部から貫通する撥油排出孔とを形成したことを特徴とする電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  2. 上記ハウジングの内周に、上記排出孔に連通する凹形状でリング形状の油保持部を設けたことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  3. 上記ハウジングの内周に、上記撥油排出孔に連通し、上記撥油部材の外周を嵌め込むリング形状の撥油溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  4. 上記撥油部材の内周面を上記軸の外周面に押し付けるばねを設けたことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  5. 上記撥油部材及び撥油排出孔を軸方向に複数個設けたことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  6. 上記撥油部材の外周を保持する保持部材を介して上記撥油部材を配設し、上記保持部材に、上記撥油部材の外周面に連通し、上記撥油排出孔側に貫通する保持部排出孔を形成し、上記保持部材を上記軸の外周面方向に押し付けるばねを設けたことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  7. 上記保持部材は上記撥油部材を複数個保持し、上記保持部材を1個のばねで押し付けることを特徴とする請求項6記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  8. 上記潤滑油を吸収するリング形状の吸収部材を、上記撥油部材のオイルシール側面に配設したことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  9. 上記潤滑油を吸収するリング形状の吸収部材を、上記撥油部材のオイルシール側面の背面に配設し、上記吸収部材のオイルシール側面の背面に上記撥油部材とは別の撥油部材を配設したことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  10. 上記軸に、上記吸収部材の内周面が摺接する底部を有する軸溝を形成したことを特徴とする請求項8または9記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  11. 上記軸に、上記撥油部材の内周面が摺接する底部を有する軸溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  12. 上記流路の上記ハウジング内周面及び軸外周面に、親油性を有する親油処理部を形成したことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
  13. 上記撥油部材に撥油剤を供給する撥油剤供給孔を、上記ハウジングに設けたことを特徴とする請求項1記載の電動機の軸受用潤滑油の封止構造。
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