JP5390114B2 - 溶剤用ポンプの軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、有機溶剤等の溶剤を圧送するためのギアポンプにおいて回転軸を支持する軸受に係り、特に溶剤による劣化及びこれによるポンプ本体の損傷がなく、溶剤が漏れにくいシール性の高い軸受に関するものである。
図2は、ギアポンプ(内接ギアポンプ)の断面図である。このギアポンプは、流体の吸入口1aと吐出口1bが連通する略円筒形の内部空間を備えたハウジング1を有している。このハウジング1の内部空間2には、リング状で内側に歯が形成された内歯車3が回転可能に収納されており、この内歯車3には、端面形状が断面三日月形の図示しない仕切板を介して、外歯車4が一部の内歯に噛み合って回動可能に設けられている。図2に示す構造例では、ハウジング1の内部空間2は2箇所に形成され、各内部空間2にそれぞれ内歯車3及び外歯車4と仕切板が収納された2連構造である。そして、各連の外歯車4には共通の回転軸5が連結され、この回転軸5はハウジング1の開口6から外方に突出しており、駆動源に接続可能とされている。
以上のような基本構造を備えた内接ギアポンプに関する先行技術文献情報としては、例えば下記非特許文献1に記載されたようなものがある。
前記ギアポンプにおいては、一般に回転軸5とハウジング1の支持部との間には潤滑構造が設けられており、またハウジング1の開口6と回転軸5の間の隙間には以下に説明するような軸受及びシール構造が設けられている。
図2及び図3の拡大図にも示すように、ハウジング1を貫通した回転軸5はハウジング1の開口6から外に突出しているが、この開口6は回転軸5よりも大径であり、回転軸5に平行な方向の最奥部は同方向に直交する平坦な端面7(段部)となっている。この端面7には、開口6と略同一径であって外周につばを有するリング状のオイルシール8が嵌合されている。さらに開口6内の回転軸5とハウジング1との間には、軸受として一般に玉軸受9が取り付けられている。この玉軸受9は端面をゴムシール10で覆って内部のボールを保護したシール形である。そして開口6は、回転軸5が貫通する貫通孔11aを備えた蓋部材11で塞がれており、該蓋部材11はハウジング1に対して図示しないボルト等によって着脱自在に固定されている。なお、蓋部材11の貫通孔11aと、これを挿通する回転軸5の間には、外部からのごみ進入を防止するためにフッ素ゴム等からなるリップシール12が設けられている。
以上のように構成されたギアポンプによれば、回転軸5を回転させて内歯車3及び外歯車4を回動させると、溶剤を吸入口1aから吸い込んで吐出口1bから吐出することができる。搬送される流体はオイルシール8によってハウジング1内に封止され、外部には漏れないものとされている。
Imo(登録商標)−Pumpホームページ、"Brochures"、"CIG Series Internal Gear Pumps"、[online]、[平成20年1月18日検索]、インターネット〈http://www.imo-pump.com/brochures/BR000CIG.PDF〉
有機溶剤は、油脂を溶解させたり、ゴム部品を膨潤させる性質がある。このため、上述したように軸受としてグリース潤滑の玉軸受9を使用している一般的なギアポンプで有機溶剤を圧送する場合には、種々の問題が生じていた。すなわち、図3に示すように玉軸受9を使用している従来のギアポンプでは、オイルシール8が回転軸5との接触によって摩耗すると、回転軸5とオイルシール8の間に隙間が発生し、図中太線で示した矢印の経路Aで示すように、内部から隙間を経て有機溶剤のにじみ漏れが発生する。この滲み出た有機溶剤が玉軸受9のゴムシール10を膨潤させ、玉軸受の内部に浸入して玉軸受9の油脂を溶解・溶出させてしまう。その結果、玉軸受9の潤滑性が低下して玉軸受9が過熱・摩耗し、さらには玉軸受9だけでなくポンプ本体の損傷も懸念される状態に至る場合もある。
そのため、玉軸受を備えた従来のギアポンプで有機溶剤を圧送するためには、上述したような問題の発生を回避するべく、特殊で複雑な軸シール構造を特に設ける必要があり、コスト高を避けることができなかった。
また、従来のギアポンプで用いられていたオイルシール8は、玉軸受9の内側でハウジング1の開口6内に圧入する構造であるため、交換時の作業が大変困難で、メンテナンス性が悪いという問題があった。すなわち、オイルシール8を交換するには、ハウジング1の開口6の蓋部材11を外し、回転軸5を抜き取ってから玉軸受9を外し、その後でオイルシール8を外して新品と交換することとなり、工程・手順が極めて煩雑であった。
さらに、図2及び図3に示すギアポンプで用いられている玉軸受9は油補給を必要としないグリース密閉式であるが、従来のギアポンプで用いられている玉軸受の中には、油脂の補給が必要なものもあり、そのような場合にはメンテナンスに手間がかかるという問題もあった。
そこで本発明は、以上の課題を解決するものであり、ギアポンプとしての構造を変えることなく、回転軸を支持する軸受構造の変更のみにより、安定したシール性と高い耐久性をもって有機溶剤等の溶剤をギアポンプで圧送できるようにし、また交換も簡単であり、さらに油脂補給が不要でメンテナンスフリーであるギアポンプの軸受を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、従来の玉軸受に替えてラジアル方向の荷重を支える軸受として油脂を一切使用しない樹脂製の第2軸受部材を使用するとともに、この第2軸受部材とハウジングの間にスラスト方向の荷重を支える軸受として樹脂製の第1軸受部材を使用し、さらにスラスト方向の付勢力を発生する付勢手段によって第2軸受部材を介して第1軸受部材をハウジングに押し付け、摩耗によって発生する隙間からの溶剤漏れを防止する構造を採用することとした。
すなわち、請求項1に記載された溶剤用ポンプの軸受は、
吸入口と吐出口が連通する内部空間を備えたハウジングと、前記ハウジングの前記内部空間に回動可能に収納された歯車と、前記歯車に連結されて前記ハウジングの開口から外方に突出する回転軸とを有し、前記回転軸の回転により前記歯車を回動することにより前記吸入口から溶剤を吸い込んで前記吐出口から吐出する溶剤用ポンプに設けられ、前記ハウジングの前記開口と前記回転軸との間に設けられて前記回転軸を前記ハウジングに対して回動自在に支持する溶剤用ポンプの軸受において、
前記回転軸の軸方向に関して前記開口の内方側で前記回転軸と前記ハウジングの間に設けられ、前記回転軸に平行な方向の荷重を支えるとともに前記回転軸と前記ハウジングの間をシールする第1軸受部材と、
前記開口の内部で前記第1軸受部材と接触するように前記回転軸の外周面に取り付けられた内輪と、
前記回転軸の軸方向に関して前記開口の外方側で前記回転軸と前記ハウジングの間に設けられ、前記内輪に当接するように設けられて前記回転軸に直交する方向の荷重を支える第2軸受部材と、
前記開口内に設けられ前記第2軸受部材を前記回転軸に平行な方向に押圧することにより前記内輪を介して前記第1軸受部材を同方向に押圧し、前記第1軸受部材を前記ハウジングと前記内輪に面接触させることにより前記第1軸受部材のシール機能を保持させる付勢手段と、
を具備することを特徴としている。
請求項2に記載された溶剤用ポンプの軸受は、
吸入口と吐出口が連通する内部空間を備えたハウジングと、前記ハウジングの前記内部空間に回動可能に収納されて互いに噛み合う内歯車及び外歯車と、前記外歯車に連結されて前記ハウジングの開口から外方に突出する回転軸とを有し、前記回転軸の回転により前記内歯車及び前記外歯車を回動することにより前記吸入口から溶剤を吸い込んで前記吐出口から吐出する溶剤用ポンプに設けられ、前記ハウジングの前記開口と前記回転軸との間に設けられて前記回転軸を前記ハウジングに対して回動自在に支持する溶剤用ポンプの軸受において、
前記回転軸の軸方向に関して前記開口の内方側で前記回転軸と前記ハウジングの間に設けられ、前記回転軸に平行な方向の荷重を支えるとともに前記回転軸と前記ハウジングの間をシールする第1軸受部材と、
前記開口の内部で前記第1軸受部材と接触するように前記回転軸の外周面に取り付けられた内輪と、
前記回転軸の軸方向に関して前記開口の外方側で前記回転軸と前記ハウジングの間に設けられ、前記内輪に当接するように設けられて前記回転軸に直交する方向の荷重を支える第2軸受部材と、
前記開口内に設けられ前記第2軸受部材を前記回転軸に平行な方向に押圧することにより前記内輪を介して前記第1軸受部材を同方向に押圧し、前記第1軸受部材を前記ハウジングと前記内輪に面接触させることにより前記第1軸受部材のシール機能を保持させる付勢手段と、
を具備することを特徴としている。
請求項3に記載された溶剤用ポンプの軸受は、
吸入口と吐出口が連通する内部空間を備えたハウジングと、前記ハウジングの前記内部空間に回動可能に収納されて互いに噛み合う内歯車及び外歯車と、前記外歯車に連結されて前記ハウジングの開口から外方に突出する回転軸とを有し、前記回転軸の回転により前記内歯車及び前記外歯車を回動することにより前記吸入口から溶剤を吸い込んで前記吐出口から吐出する溶剤用ポンプに設けられ、前記ハウジングの前記開口と前記回転軸との間に設けられて前記回転軸を前記ハウジングに対して回動自在に支持する溶剤用ポンプの軸受において、
前記開口の内部で前記開口の内方側の端面に接触するように前記回転軸の外周に設けられ、前記回転軸に平行な方向の荷重を支えるとともに前記回転軸と前記端面の間をシールする第1軸受部材と、
前記開口の内部で前記第1軸受部材と接触するように前記回転軸の外周面に取り付けられた内輪と、
前記開口の内部で前記内輪の外周面に対して摺動自在であるとともに前記回転軸の軸方向について前記内輪に当接するように設けられて前記回転軸に直交する方向の荷重を支える第2軸受部材と、
前記開口の内部で前記第2軸受部材の外周面に設けられて前記開口の内周面に接するように設けられた外輪と、
前記開口の内部に設けられ前記外輪を介して前記第2軸受部材を前記回転軸に平行な方向に押圧することにより前記内輪を介して前記第1軸受部材を同方向に押圧し、前記第1軸受部材を前記端面と前記内輪に面接触させることにより前記第1軸受部材のシール機能を保持させる付勢手段と、
を具備することを特徴としている。
請求項4に記載された溶剤用ポンプの軸受は、請求項1乃至3に記載の溶剤用ポンプの軸受において、
前記第1軸受部材と前記第2軸受部材が、樹脂からなることを特徴としている。
請求項5に記載された溶剤用ポンプの軸受は、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の溶剤用ポンプの軸受において、
前記ハウジングの前記開口に、前記回転軸がシール部材を介して貫通する貫通孔を備え前記ハウジングに対して着脱自在とされた蓋部材が取り付けられていることを特徴としている。
請求項1乃至3に記載された発明によれば、溶剤の圧送に用いられるギアポンプの軸受において、第1軸受部材は回転軸の軸線方向の軸受として機能し、第2軸受部材は回転軸の半径方向の軸受として機能する。また付勢手段は、第2軸受部材を軸線方向に付勢して第1軸受部材を押圧するので、第1軸受部材は第2軸受部材側とハウジング側との間に挟まれ、これらに対して安定的に面接触した状態にあり、高いシール性を発揮するので、回転軸とハウジングの隙間から第2軸受部材の方へ溶剤が漏れる恐れは少ない。そして、使用につれて第1軸受部材に摩耗が生じたとしても、第2軸受部材は、常に付勢手段によって第1軸受部材の方向に付勢されているため、この摩耗によって発生する部材間の隙間に追従して第1軸受部材をハウジングに対して押し付けた状態を維持することができるので、シール性能が安定しており耐久性が高い。また、第2軸受部材を交換する場合には、ハウジングの開口から外輪を外せば、第2軸受部材にアクセス可能となるので容易に交換できる。玉軸受を用いた構造のように回転軸を抜き取る必要はない。
特に、請求項3に記載された発明によれば、第2軸受部材を交換する場合には、ハウジングの開口から外輪を外せば、容易に第2軸受部材にアクセス可能となるので容易に交換できる。
請求項4に記載された発明によれば、請求項1乃至3に記載の発明において、前記第1軸受部材と前記第2軸受部材がテフロン(登録商標)等の摺動性に優れた樹脂からなるので、油脂補給は不要であり、メンテナンスが容易である。
請求項5に記載された発明によれば、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の発明において、前述したような安定した高いシール性を有する軸受構造をハウジングの開口内に収納し、蓋部材で確実に保持しておくことができる。軸受構造の交換等の場合には、蓋部材を外せば容易に交換作業を行なうことができる。
以下本発明の最良の実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係るギアポンプにおける軸受部分の拡大断面図である。本例のギアポンプは内接ギアポンプであり、流体の圧送に係る基本構造は図2を参照して説明した従来と同様であるので、ポンプ自体の基本構造については、背景技術の説明を援用するとともに、必要に応じて図2に示した参照符号を引用して再度説明するものとする。
図1および図2の基本構造に示すように、吸入口1aと吐出口1bが連通する内部空間2を備えたハウジング1の内部空間2には、互いに噛み合う内歯車3及び外歯車4が図示しない三日月状の仕切板を介して回動可能に収納されており、外歯車4に連結された回転軸5がハウジング1の開口6から外方に突出している。
回転軸5が突出しているハウジング1の開口6は、回転軸5の外径よりも大きい内径を有しており、この開口6内に回転軸5の軸受が設けられている。本例のギアポンプは有機溶剤を被搬送流体としているため、その軸受構造は、以下に説明するように、高いシール性を長期間にわたって保持する高い耐久性を有しており、交換時の作業がしやすく(交換容易性)、油脂の補給が不要なメンテナンスフリーであり、さらに製造コストも安価であるという特徴を有しており、これらの点が玉軸受を使用した従来のギアポンプとの相違点である。
回転軸5が突出しているハウジング1の開口6の内端面(段部)には第1軸受部材20が設けられている。第1軸受部材20は摺動性の高いテフロン(登録商標)等の樹脂からなるリング状の部材であり、回転軸5の外周面を摺動可能に外挿するとともに、一方の面が開口6の端面7に接触している。第1軸受部材20は、回転軸5に平行な方向(軸方向)の荷重を支えるとともに、開口6の端面7と回転軸5との間をシールする機能を備えている。
開口6の内部において、回転軸5の外周面には、クロムモリブデン鋼等からなる円筒形の内輪21が取り付けられている。内輪21は回転軸5と共に回転するが、軸方向にも移動可能である。内輪21の軸方向の一端部にはフランジ21aが外方に突出して設けられており、このフランジ21aの一端面が第1軸受部材20の他方の面に接触するようになっている。
開口6の内部において、内輪21の外周面には第2軸受部材22が設けられている。第2軸受部材22は摺動性の高いテフロン(登録商標)等の樹脂からなる円筒状の部材であり、回転軸5とともに回転する内輪21の外周面に対して摺動自在であるとともに、図中白抜きの矢印にて示すように回転軸5の軸方向について移動可能である。第2軸受部材22の軸方向の一端部には段部が外方に突出して設けられており、この段部の一端面が内輪21のフランジ21aの他端面に接触するようになっている。第2軸受部材22は、回転軸5に直交する方向(半径方向)の荷重を支える機能を備えているが、玉軸受と異なり摺動性の高い樹脂製なので油脂は一切不要であり、メンテナンスフリーである。
開口6の内部において、第2軸受部材22の外周面と開口6の内周面の間には、外輪23が設けられている。外輪23は、鋼材からなる円筒状の部材であり、軸方向の一端部の内側には段部が設けられている。外輪23と第2軸受部材22は、各段部において係合し、分解可能に組み立てられており、回転軸5に設けられた内輪21と開口6の内周面との間に挿入されている。
開口6の内部には、外輪23を軸方向の内側に押圧するスプリングワッシャー等の付勢手段24が設けられている。付勢手段24は、図中白抜きの矢印にて示すように、外輪23を介して第2軸受部材22を軸方向に沿って内方に押圧することにより、さらに内輪21を介して第1軸受部材20を同方向に押圧する。このため、第1軸受部材20は、その一端面がハウジング1の開口6の端面7に安定的に面接触するとともに、他端面が内輪21のフランジ21aの一端面に安定的に面接触する。その結果、第1軸受部材20は軸方向の軸受として機能する他、回転軸5とハウジング1の間で安定したシール性を発揮し、これを保持することができる。
さらに、使用につれて第1軸受部材20の他端面が、内輪21のフランジ21aとの摩擦によって摩耗しても、付勢手段24は外輪23及び第2軸受部材22を介して内輪21を第1軸受部材20に向けて常に押しているので、内輪21は摩耗した分だけ第1軸受部材20に向けて移動し、第1軸受部材20と内輪21の間に隙間が生じることはなく、両者は常に面で接触し、当該部分のシール性は確実に保持される。
ハウジング1の開口6には、軸受構造を覆うための蓋部材11が図示しないボルト等の固着手段で取り外し自在に設けられている。蓋部材11は円盤型の部材であり、その中央には回転軸5が挿通する回転軸5よりも大径の貫通孔11aが形成されており、貫通孔11aを挿通する回転軸5と貫通孔11aの内周面との間にはリップシール12が設けられている。
以上の構成によれば、本例のギアポンプを溶剤の圧送に用いた場合、第1軸受部材20は回転軸5の軸線方向の軸受として機能し、第2軸受部材22は回転軸5の半径方向の軸受として機能する。また付勢手段24は、外輪23及び第2軸受部材22を軸線方向に付勢して内輪21を押し、内輪21によって第1軸受部材20を開口6の端面7に押し付けるので、第1軸受部材20は内輪21とハウジング1との間に挟まれ、これらに対して安定的に面接触した状態となり、高いシール性を発揮する。このため、回転軸5とハウジング1の隙間から第2軸受部材22の方へ溶剤が漏れる恐れは少ない。
そして、使用につれて第1軸受部材20の内輪21側の面に摩耗が生じたとしても、内輪21は常に付勢手段24によって第1軸受部材20の方向に付勢されているため、この摩耗によって発生する部材間の隙間に追従して第1軸受部材20をハウジング1に対して押し付けた状態を維持することができるので、シール性能が安定しており耐久性が高い。
また、第2軸受部材22は樹脂製の軸受であるため、玉軸受のように油脂を補給する必要がなく、メンテナンスフリーである。
また、第2軸受部材22を交換する場合には、ハウジング1の開口6から蓋部材11を外し、付勢手段24と外輪23を外せば、第2軸受部材22にアクセス可能となるので容易に交換することができる。なお、第1軸受部材20は、回転軸5を外すことによって交換することができる。
以上説明した実施形態では、ギアポンプとして内接タイプのものを説明したが、外接タイプのギアポンプにおいて本発明の軸受構造を適用しても同様の効果が得られる。
本発明の実施形態に係るギアポンプの回転軸の軸受付近の拡大断面図である。 従来のギアポンプの回転軸の断面図である。 従来のギアポンプの回転軸付近の拡大断面図である。
符号の説明
1…ハウジング
2…内部空間
3…内歯車
4…外歯車
5…回転軸
6…開口
7…端面
11…蓋部材
20…第1軸受部材
21…内輪
22…第2軸受部材
23…外輪
24…付勢手段

Claims (5)

  1. 吸入口と吐出口が連通する内部空間を備えたハウジングと、前記ハウジングの前記内部空間に回動可能に収納された歯車と、前記歯車に連結されて前記ハウジングの開口から外方に突出する回転軸とを有し、前記回転軸の回転により前記歯車を回動することにより前記吸入口から溶剤を吸い込んで前記吐出口から吐出する溶剤用ポンプに設けられ、前記ハウジングの前記開口と前記回転軸との間に設けられて前記回転軸を前記ハウジングに対して回動自在に支持する溶剤用ポンプの軸受において、
    前記回転軸の軸方向に関して前記開口の内方側で前記回転軸と前記ハウジングの間に設けられ、前記回転軸に平行な方向の荷重を支えるとともに前記回転軸と前記ハウジングの間をシールする第1軸受部材と、
    前記開口の内部で前記第1軸受部材と接触するように前記回転軸の外周面に取り付けられた内輪と、
    前記回転軸の軸方向に関して前記開口の外方側で前記回転軸と前記ハウジングの間に設けられ、前記内輪に当接するように設けられて前記回転軸に直交する方向の荷重を支える第2軸受部材と、
    前記開口内に設けられ前記第2軸受部材を前記回転軸に平行な方向に押圧することにより前記内輪を介して前記第1軸受部材を同方向に押圧し、前記第1軸受部材を前記ハウジングと前記内輪に面接触させることにより前記第1軸受部材のシール機能を保持させる付勢手段と、
    を具備することを特徴とする溶剤用ポンプの軸受。
  2. 吸入口と吐出口が連通する内部空間を備えたハウジングと、前記ハウジングの前記内部空間に回動可能に収納されて互いに噛み合う内歯車及び外歯車と、前記外歯車に連結されて前記ハウジングの開口から外方に突出する回転軸とを有し、前記回転軸の回転により前記内歯車及び前記外歯車を回動することにより前記吸入口から溶剤を吸い込んで前記吐出口から吐出する溶剤用ポンプに設けられ、前記ハウジングの前記開口と前記回転軸との間に設けられて前記回転軸を前記ハウジングに対して回動自在に支持する溶剤用ポンプの軸受において、
    前記回転軸の軸方向に関して前記開口の内方側で前記回転軸と前記ハウジングの間に設けられ、前記回転軸に平行な方向の荷重を支えるとともに前記回転軸と前記ハウジングの間をシールする第1軸受部材と、
    前記開口の内部で前記第1軸受部材と接触するように前記回転軸の外周面に取り付けられた内輪と、
    前記回転軸の軸方向に関して前記開口の外方側で前記回転軸と前記ハウジングの間に設けられ、前記内輪に当接するように設けられて前記回転軸に直交する方向の荷重を支える第2軸受部材と、
    前記開口内に設けられ前記第2軸受部材を前記回転軸に平行な方向に押圧することにより前記内輪を介して前記第1軸受部材を同方向に押圧し、前記第1軸受部材を前記ハウジングと前記内輪に面接触させることにより前記第1軸受部材のシール機能を保持させる付勢手段と、
    を具備することを特徴とする溶剤用ポンプの軸受。
  3. 吸入口と吐出口が連通する内部空間を備えたハウジングと、前記ハウジングの前記内部空間に回動可能に収納されて互いに噛み合う内歯車及び外歯車と、前記外歯車に連結されて前記ハウジングの開口から外方に突出する回転軸とを有し、前記回転軸の回転により前記内歯車及び前記外歯車を回動することにより前記吸入口から溶剤を吸い込んで前記吐出口から吐出する溶剤用ポンプに設けられ、前記ハウジングの前記開口と前記回転軸との間に設けられて前記回転軸を前記ハウジングに対して回動自在に支持する溶剤用ポンプの軸受において、
    前記開口の内部で前記開口の内方側の端面に接触するように前記回転軸の外周に設けられ、前記回転軸に平行な方向の荷重を支えるとともに前記回転軸と前記端面の間をシールする第1軸受部材と、
    前記開口の内部で前記第1軸受部材と接触するように前記回転軸の外周面に取り付けられた内輪と、
    前記開口の内部で前記内輪の外周面に対して摺動自在であるとともに前記回転軸の軸方向について前記内輪に当接するように設けられて前記回転軸に直交する方向の荷重を支える第2軸受部材と、
    前記開口の内部で前記第2軸受部材の外周面に設けられて前記開口の内周面に接するように設けられた外輪と、
    前記開口の内部に設けられ前記外輪を介して前記第2軸受部材を前記回転軸に平行な方向に押圧することにより前記内輪を介して前記第1軸受部材を同方向に押圧し、前記第1軸受部材を前記端面と前記内輪に面接触させることにより前記第1軸受部材のシール機能を保持させる付勢手段と、
    を具備することを特徴とする溶剤用ポンプの軸受。
  4. 前記第1軸受部材と前記第2軸受部材が、樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3に記載の溶剤用ポンプの軸受。
  5. 前記ハウジングの前記開口に、前記回転軸がシール部材を介して貫通する貫通孔を備え前記ハウジングに対して着脱自在とされた蓋部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の溶剤用ポンプの軸受。
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