JP2008286082A - ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】リリーフバルブの移動をスムースに行わせて応答遅れを無くすと共に、リリーフバルブの磨耗を防いで耐久性を向上させるようにしたポンプを提供するものである。
【解決手段】
駆動軸20とリリーフバルブ66との間にスリーブ116を備え、そのスリーブ116によって駆動軸20とリリーフバルブ66とを直接接触させないようにする。スリーブ116は、駆動軸20に対してもリリーフバルブ66に対しても摺動自在かつ移動自在とする。これによって、リリーフバルブ66は駆動軸20をガイドとして移動するので、リリーフバルブ66の倒れが小さくなって、応答遅れの無いスムースなバルブ作動を行うことができ、しかも、リリーフバルブと駆動軸を直接接触しないことによってリリーフバルブと駆動軸との間のコジリが無くなり、リリーフバルブの耐久性を向上させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】
駆動軸20とリリーフバルブ66との間にスリーブ116を備え、そのスリーブ116によって駆動軸20とリリーフバルブ66とを直接接触させないようにする。スリーブ116は、駆動軸20に対してもリリーフバルブ66に対しても摺動自在かつ移動自在とする。これによって、リリーフバルブ66は駆動軸20をガイドとして移動するので、リリーフバルブ66の倒れが小さくなって、応答遅れの無いスムースなバルブ作動を行うことができ、しかも、リリーフバルブと駆動軸を直接接触しないことによってリリーフバルブと駆動軸との間のコジリが無くなり、リリーフバルブの耐久性を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば内燃機関等の潤滑油を吐出するためのポンプに関する。
内燃機関等の潤滑油を吐出するオイルポンプの構造は従来から知られている。この従来既知のオイルポンプ(トロコイドポンプ)は、2つのハウジングに挟まれた空間内に回転自在なアウターロータとインナーロータとを備え、駆動軸でインナーロータを回転させることによって、アウターロータとインナーロータとの間に形成されるオイル収容空間に収容したオイルをポンプ内で移動させ、その後外部に吐出するものである。
従来のオイルポンプでは、一方のハウジングとインナーロータやアウターロータとの接合面にはオイルが移動できる吹抜け(隙間)があり、吐出通路側のオイル圧力が高くなった時に、その吹抜けを介して吐出通路側のオイルが吸入通路に若干漏れるようなものとなっていた。吐出通路におけるオイルの吐出圧力は、エンジン側の通路抵抗等により発生するが、オイルの温度やエンジン回転数等によって変動する。このため、吐出通路から吸入通路へのオイルの吹抜けがあると、吐出通路の吐出圧力が減少し、その結果所望のオイル吐出量が得られないという不具合が生じるおそれがあった。
この不具合を解消するものとして、所望のオイル吐出量を確保すると共に、異常振動の発生を防止するオイルポンプが特許文献1に提供された。この特許文献1のオイルポンプを図4及び図5に示す。オイルポンプ10は、第一ハウジング12と、第二ハウジング14と、それら2つのハウジングとに挟まれた空間内に回転自在な筒状のアウターロータ16と、そのアウターロータ16の内部で回転自在しながらそのアウターロータ16も回転させるインナーロータ18と、インナーロータ18を回転させるための駆動軸20とを有する。
図5に示すように、筒状のアウターロータ16は、その内壁に例えば5個の凸部22と凹部24とを有するものである。このアウターロータ16は、第一ハウジング12に形成された円筒内壁26の中心点Pを中心に、円筒内壁26に摺接しながら回転可能となっている。インナーロータ18は駆動軸20により、駆動軸20と共に中心点Qを中心に回転する。インナーロータ18の外壁には、アウターロータ16の5個の凸部22と噛み合う例えば4個の突起部28を有している。アウターロータ16の内壁とインナーロータ18の外壁との間には、複数のオイル収容空間30が形成される。駆動軸20が図5で時計方向(矢印方向)に回転すると、インナーロータ18とアウターロータ16とが回転し、それに伴ってインナーロータ18とアウターロータ16とで形成される複数のオイル収容空間30はそれぞれ形状と容積を変えながら時計方向に回転移動する。
図4に示すように、アウターロータ16とインナーロータ18の一方の側面に配置される第一ハウジング12には、オイルを吸入するための吸入通路32と、エンジン潤滑用にオイルを吐出する吐出通路34とが形成されている。これら吸入通路32と吐出通路34とは、前記オイル収容空間30と連絡するように設定されている。第一ハウジング12には、駆動軸20を中心位置として外側に向けて突出するコップ状の突出部38が形成され、その突出部38の内部に内部空間40が形成される。内部空間40には、一端閉鎖の筒状形状のリリーフバルブ46と、そのリリーフバルブ46をインナーロータ18の側面に接触させる方向に付勢するスプリング48とが備えられる。リリーフバルブ46は、端面部50と、その端面部50と一体に形成される筒状部52とから成る。リリーフバルブ46の端面部50の中央には駆動軸20が貫通している。リリーフバルブ46の筒状部52の外面は、突出部38の筒状の内面と摺接するように設定されている。
吐出通路34にかかるオイルの吐出圧が所定の圧力未満の状態(図4に示す状態)では、リリーフバルブ46の端面部50がスプリング48によってインナーロータ18の側面に接触させられる。この図4の状態では、吸入通路32と吐出通路34とがリリーフバルブ46によって遮断され、オイルの吹抜けが防止される。
オイルの吐出工程において、吐出通路34の圧力が所定以上の圧力になると、リリーフバルブ46の端面部50とインナーロータ18の側面との間にオイルが入り込み、スプリング48に抗してリリーフバルブ46を図4で右方向に移動させる。この結果、図6に示すように、リリーフバルブ46の端面部50とインナーロータ18の側面との間に連絡空間54が現れ、この連絡空間54を介して吐出通路34と吸入通路32とが連絡し、吐出通路34の高い圧力は連絡空間54を介して吸入通路32に逃れる。これによって、吐出通路34の圧力が安定して、所望のオイル吐出量を得ることができる。
特許文献1のオイルポンプにおいては、リリーフバルブ46の作動時に、リリーフバルブ46の吸入通路32側に負圧がかかると共に、リリーフバルブ46の吐出通路34側に正圧がかかり、それらの圧力差がリリーフバルブ46を傾斜させる力となる。この結果、リリーフバルブ46が傾斜しながら作動する傾向となり、リリーフバルブ46の筒状部52の外壁が第一ハウジング12の突出部38の内壁に引っ掛かると共に、リリーフバルブ46の端面部50における駆動軸20との摺接箇所が駆動軸20と引っ掛かる。よって、リリーフバルブ46の応答遅れやリリーフ圧のオーバーシュートが発生するおそれがあり、かつ磨耗が発生して耐久性が短くなるという欠点があった。
また、リリーフバルブ46の端面部50における駆動軸20との摺接箇所にはコジリ(摩擦)が発生し、リリーフバルブ46のスムースな移動ができなくなって、応答遅れが発生する。また、リリーフバルブ46にコジリによる磨耗が発生して耐久性が短くなると共に、リリーフバルブ46の磨耗箇所からオイル漏れが発生するという欠点があった。
更に、リリーフバルブ46の筒状部52の外壁と第一ハウジング12の突出部38の内壁との摺接箇所にはクリアランスがあり、そのクリアランスは吸入通路32や吐出通路34とに接しており、そのクリアランスから外部にオイルが染み出るおそれがあった。この結果、設定開弁圧に至るまでの間にクリアランスからオイルが漏れて、開弁特性が悪くなるという欠点があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、リリーフバルブの移動をスムースに行わせて応答遅れを無くすと共に、リリーフバルブの磨耗を防いで耐久性を向上させるようにしたポンプを提供することを目的とするものである。本発明の他の目的は、リリーフバルブと第一ハウジングとの間からオイル漏れのおそれを防止して、開弁特性を向上させるものである。
本発明に係るポンプは、ハウジングと、前記ハウジング内に備えられるものであって流体収容空間を有する流体移動手段と、前記流体移動手段を回転させるための駆動軸と、流体を前記ハウジングの内部に吸入するための吸入通路と、流体を前記ハウジング内から外部に吐出するための吐出通路と、吐出工程における前記吐出通路の流体圧力が所定の圧力未満の状態では前記吐出通路と前記吸入通路とを遮断すると共に吐出工程における前記吐出通路の流体圧力が所定以上の圧力になった場合に前記吐出通路と前記吸入通路とを連絡するためのバルブと、そのバルブを所定の方向に付勢するための付勢手段とを備えたポンプにおいて、前記バルブに前記駆動軸の直径より径大の内側筒状部を形成し、前記駆動軸の外側にその駆動軸に対して摺接移動可能な筒状のスリーブを備え、前記バルブの内側筒状部を前記スリーブの外側にそのスリーブに対して摺接移動可能に備え、前記バルブを前記駆動軸に接触させないようにしたことを特徴とするものである。本発明は、前記筒状のスリーブの一端に外側に広がる環状のフランジを設け、前記バルブに前記フランジを収容する凹部を設けたことを特徴とするものである。本発明は、前記バルブにおいて前記内側筒状部の外側に外側筒状部を間隔を空けて一体に形成し、その外側筒状部の外壁に環状の溝を形成し、その溝内に前記ハウジングと接触するための環状のXリングを備えたことを特徴とするものである。本発明は、前記流体移動手段における前記流体収容空間の一方側の開口位置に前記バルブを備え、前記流体収容空間の他方側の開口位置に前記吐出通路及び前記吸入通路を備え、前記流体収容空間の前記バルブを備えた側に前記吸入通路と連絡する吸入連絡通路並びに前記吐出通路と連絡する吐出連絡通路を設け、前記バルブが前記吸入連絡通路と前記吐出連絡通路とを連絡遮断することによって、前記吸入通路と前記吐出通路とを連絡遮断させることを特徴とするものである。本発明は、前記流体移動手段が、インナーロータとアウターロータから成ることを特徴とするものである。
本発明に係るポンプによれば、吐出通路と吸入通路とを連絡遮断するリリーフバルブは駆動軸をガイドとして移動するので、リリーフバルブがハウジングに引っ掛かることが無くなり、応答遅れを無くしてスムースなバルブ作動を行うことができる。また、リリーフバルブの移動を、ポンプのほぼ中心に位置する駆動軸をガイドとして行わせることで、ポンプの小型化を達成することができる。更に、ガイドとする駆動軸そのものが回転しているため、リリーフバルブの倒れを補正することができる。本発明ではまた、リリーフバルブと駆動軸との間に、リリーフバルブに対し摺動自在であると共に、駆動軸に対しても共に摺動自在なスリーブを備え、そのスリーブを間に介在させることでリリーフバルブと駆動軸を直接接触しないようにした。これによって、リリーフバルブと駆動軸との間にコジリが発生しなくなり、コジリの影響の無いスムースなバルブ作動を行うことができると共に、リリーフバルブの磨耗による耐久性の問題を解消することができる。
本発明では、リリーフバルブに外側筒状部を設けて、その外側筒状部の外壁に環状の溝を設けて、その環状の溝の中に環状のXリングを備える。このXリングによってリリーフバルブの外壁と第一ハウジングの突出部の内壁との間のクリアランスをシールして、外部へのオイルの染み出しを防止することができる。この結果、設定開弁圧に至るまでの間に、クリアランスからオイルが漏れて、開弁特性が悪くなるという従来の欠点を防止することができる。
次に本発明を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るポンプの要部断面図、図2は図1のA−A線断面図である。図1及び図2において、図4及び図5と同一符号は同一部材を示す。オイルポンプ(ポンプ)110は第一ハウジング62と第二ハウジング64とを有する。それら第一ハウジング62と第二ハウジング64との間に、流体移動手段としてのアウターロータ16並びにインナーロータ18と、インナーロータ18を回転させるための駆動軸20と、リリーフバルブ66と、付勢手段であるスプリング48とを備えるものである。流体移動手段であるアウターロータ16とインナーロータ18との間には複数のオイル収容空間(流体収容空間)30(30a,30b,――)が形成されている。第一ハウジング62には、アウターロータ16とインナーロータ18から離れる方向に外部に突出するコップ状の突出部38が形成されている。このコップ状の突出部38は筒状の側面38aとその一端の端面38bとから成り、その突出部38とインナーロータ18空間40が形成され、その空間40内にリリーフバルブ66とスプリング48とが備えられている。駆動軸20の一端は、突出部38の端面38bを貫通して外側に向けて突出している。なお、流体移動手段は、アウターロータ16とインナーロータ18に限るものではない。
第二ハウジング64には、吸入ポートである吸入通路68と吐出ポートである吐出通路70が形成されている。第一ハウジング62と、アウターロータ16やインナーロータ18の側面と、リリーフバルブ66とに囲まれた領域に、リリーフバルブ66によって互いに区画される吸入連絡空間72と吐出連絡空間74とが形成される。リリーフバルブ66は、吸入連絡空間72と吐出連絡空間74とを連絡または遮断するものである。吸入連絡空間72は、オイル収容空間30aを介して吸入通路68と連絡しており、その吸入連絡空間72には吸入通路68の圧力が及ぶ。吐出連絡空間74は、オイル収容空間30bを介して吐出通路70と連絡しており、その吐出連絡空間74には吐出通路70の圧力が及ぶ。第二ハウジング64に形成される吸入通路68や吐出通路70は、アウターロータ16やインナーロータ18を中心としてリリーフバルブ66と反対側に備えられる。
リリーフバルブ66は、駆動軸20の外側に挿入するものであってバルブの軸受部としての内側筒状部76と、内側筒状部76の一端と一体に形成されてインナーロータ18の側面と接触可能な端面部78と、端面部78と一体に形成されて内側筒状部76の外側に間隔を空けて配置される径大の外側筒状部80とから成る。リリーフバルブ66の端面部78と第一ハウジング62の突出部38の端面38bとの間にスプリング48を備え、そのスプリング48によってリリーフバルブ66を常にインナーロータ18に接触する方向に付勢する。前記突出部38の端面38bにおける空間40側には、スプリング48が駆動軸20に対して横方向に移動しないための環状のリブ112を形成し、この環状のリブ112の外側にスプリング48の一端を装着する。この環状のリブ112の内側と駆動軸20の外面との間には、後述するスリーブ116を収容するための筒状の逃がし空間114が形成されている。
駆動軸20の外側に、駆動軸20に対してルーズな関係(摺動移動自在な関係)の筒状のスリーブ116を備える。その筒状のスリーブ116の外側にリリーフバルブ66の内側筒状部76の内壁側を被せる。リリーフバルブ66はスリーブ116に対してルーズな関係(摺動移動自在な関係)に設定する。このスリーブ116の素材は、駆動軸20並びにリリーフバルブ66との摺動によって、それらの間に磨耗を生じることが少ない素材に設定する。更に、駆動軸20とリリーフバルブ66との間にスリーブ116を介在させることによって、駆動軸20とリリーフバルブ66とを直接接触させないようにする。このスリーブ116の軸方向の長さは、リリーフバルブ66の内側筒状部76の軸方向の長さより充分長くし、仮にスリーブ116が移動しないでリリーフバルブ66のみが移動したとしても、スリーブ116がリリーフバルブ66から外れることが無いようにする。
更に、このスリーブ116の軸方向の長さLは、駆動軸20の直径Dに対してより大きい寸法に設定するのが望ましい。
更に、このスリーブ116の軸方向の長さLは、駆動軸20の直径Dに対してより大きい寸法に設定するのが望ましい。
筒状のスリーブ116におけるインナーロータ18側の端部には、直径方向外側に突出するフランジ118を一体に形成する。リリーフバルブ66におけるフランジ118が接触する位置には、前記フランジ118を収容するための凹部120が形成されている。この凹部120は、スリーブ116(フランジ118)がリリーフバルブ66の端面部78のインナーロータ18側表面よりもインナーロータ18側に突出しないようにするためのものである。
リリーフバルブ66に形成される外側筒状部80は、その外壁面が第一ハウジング62の突出部38の側面38aと近接した状態で対向している。リリーフバルブ66の外側筒状部80の外壁には環状の溝122が形成されており、この環状の溝122にはXリング124が装着されている。Xリング124は、第一ハウジング62の突出部38の側面38aの内壁に接触し、リリーフバルブ66の外側筒状部80の外壁面と第一ハウジング62の突出部38の側面38aの内壁面とのクリアランスからのオイルの漏れを防止する。
次に、本発明の動作について説明する。吐出通路70内のオイル圧力が所定の圧力未満の状態(図1に示す状態)では、吐出通路70と連絡する吐出連絡空間74の圧力は所定の圧力未満となっている。この状態では、スプリング48の付勢力によって、リリーフバルブ66の端面部78がインナーロータ18に接触押圧させられ、リリーフバルブ66(外側筒状部80)によって吸入連絡通路72と吐出連絡通路74とは遮断されている。
その後、吐出通路70やオイル収容空間30bにおけるオイルの圧力が所定以上の圧力になった場合には、そのオイルの圧力が吐出連絡通路74に及び、スプリング48に抗してリリーフバルブ66を図1の状態から右方向に移動させる。その際、駆動軸20に対して移動自在なスリーブ116もオイルの圧力によって、リリーフバルブ66と共に図1の状態から右方向に移動する。フランジ118の存在によって、スリーブ116は図1の状態から右方向へスムースに移動することができる。リリーフバルブ66とスリーブ116とが右方向に移動した図3の状態では、スリーブ116の移動先端は、駆動軸20とリブ112とので形成される逃し空間114内に収容される。
この図3の状態では、リリーフバルブ66の端面部78とインナーロータ18の側面との間に連絡空間82が現れ、この連絡空間82を介して吐出連絡通路74と吸入連絡通路72とが連絡し、この結果、吐出通路70と吸入通路68とが連絡する。このように、吐出工程で吐出通路70やオイル収容空間30bに高い圧力が発生した場合でも、この高い圧力は連絡空間82を介して吸入通路68に逃れるため、過大圧力によるオイルポンプ60の異常振動を防止することができる。この状態は、ポンプによるオイルの吐出が制限される状態であり、吐出が制限された分だけ駆動トルクを低く抑えることができる。この状態では、オイルの吐出量が少ないため、エアレーション(オイルの白濁)も発生しにくく、潤滑性も良い。
その後、オイルの圧力が所定以下の圧力になった場合には、スプリング48よってリリーフバルブ66が図3で左側に移動させられる。スリーブ116のフランジ118はリリーフバルブ66の凹部120に収容されているので、リリーフバルブ66が図3で左側に移動する際に、スリーブ116はリリーフバルブ66と共に図3で左側に移動して図1の状態となる。
本発明では、リリーフバルブ66の作動時に、リリーフバルブ66は駆動軸20をガイドとして往復移動するので、リリーフバルブ66が第一ハウジング62に引っ掛かることが無くなる。リリーフバルブ66が第一ハウジング62への引っ掛かりが無くなることから、応答遅れを無くしてスムースな作動を達成することができ、引っ掛かりによる吐出圧の上昇が無くなり、吐出圧上昇による駆動トルクを低減して消費馬力を小さくすることができる。
また、リリーフバルブ66のガイド箇所としての駆動軸20の直径Dが小さいので、ガイド箇所におけるスリーブ116の長さLと直径Dの比L/Dを大きくすることができるので、リリーフバルブ66にそれを傾斜させる方向の力が働いたとしても、リリーフバルブ66の駆動軸20に対する傾斜を小さいものとすることができる。更に、ガイドである駆動軸20そのものが回転しているため、その駆動軸20をガイドとするリリーフバルブ66の倒れを補正することができる。
本発明では更に、回転する駆動軸20の外側に摺接移動可能なスリーブ116を備え、そのスリーブ116の外側にリリーフバルブ66の内側筒状部76を摺接移動可能に備える。このため、リリーフバルブ66を傾斜させる力が働いても、リリーフバルブ66の傾斜をスリーブ116が受けるので、リリーフバルブ66の傾斜の影響が直接駆動軸20には及ばない。更に、リリーフバルブ66は駆動軸20とは直接接触しないようにしているので、リリーフバルブ66と駆動軸20との間にこじりが発生せず、リリーフバルブ66が磨耗することが無くなり、リリーフバルブ66の耐久性を向上させることができる。
リリーフバルブ66の外側筒状部80の外壁面と第一ハウジング62の突出部38の側面38aの内壁面との間にはクリアランスがあり、そのクリアランスを通してオイル漏れのおそれがあった。本発明では、リリーフバルブ66の外側筒状部80の外周にXリング124を装着するようにした。このXリング124によって、リリーフバルブ66と第一ハウジング62とのクリアランスからのオイルの漏れを防止することができるので、開弁特性が悪くなるという従来の欠点を除去することができる。
なお、前記実施例1,2,3では、本発明をオイルポンプとして説明したが、本発明はオイルポンプに限らず、各種のポンプに適用することができる。このため、オイル以外の各種流体に適用することができる。また、前記実施例1,2,3では、インナーロータ18やアウターロータ16の一方側の側面にリリーフバルブ66,96を配置し、他方側の側面に吸入通路68と吐出通路70を配置したが、図4(従来例)と同様に、吸入通路68や吐出通路70をリリーフバルブ66,96と同じ側に配置しても良い。これは、エンジンの吸入通路や吐出通路のレイアウト上、バルブ側にしか通路が形成できない場合でも対応できるようにするためである。この場合には、吸入連絡通路72の位置が吸入通路となり、吐出連絡通路74の位置が吐出通路となる。
16 アウターロータ
18 インナーロータ
30 オイル収容空間
48 スプリング
62 第一ハウジング
64 第二ハウジング
66 リリーフバルブ
68 吸入通路
70 吐出通路
72 吸入連絡通路
74 吐出連絡通路
76 内側筒状部
78 端面
80 外側筒状部
82 連絡空間
110 オイルポンプ
116 スリーブ
118 フランジ
120 凹部
122 溝
124 Xリング
18 インナーロータ
30 オイル収容空間
48 スプリング
62 第一ハウジング
64 第二ハウジング
66 リリーフバルブ
68 吸入通路
70 吐出通路
72 吸入連絡通路
74 吐出連絡通路
76 内側筒状部
78 端面
80 外側筒状部
82 連絡空間
110 オイルポンプ
116 スリーブ
118 フランジ
120 凹部
122 溝
124 Xリング
Claims (5)
- ハウジングと、前記ハウジング内に備えられるものであって流体収容空間を有する流体移動手段と、前記流体移動手段を回転させるための駆動軸と、流体を前記ハウジングの内部に吸入するための吸入通路と、流体を前記ハウジング内から外部に吐出するための吐出通路と、吐出工程における前記吐出通路の流体圧力が所定の圧力未満の状態では前記吐出通路と前記吸入通路とを遮断すると共に吐出工程における前記吐出通路の流体圧力が所定以上の圧力になった場合に前記吐出通路と前記吸入通路とを連絡するためのバルブと、そのバルブを所定の方向に付勢するための付勢手段とを備えたポンプにおいて、前記バルブに前記駆動軸の直径より径大の内側筒状部を形成し、前記駆動軸の外側にその駆動軸に対して摺接移動可能な筒状のスリーブを備え、前記バルブの内側筒状部を前記スリーブの外側にそのスリーブに対して摺接移動可能に備え、前記バルブを前記駆動軸に接触させないようにしたことを特徴とするポンプ。
- 前記筒状のスリーブの一端に外側に広がる環状のフランジを設け、前記バルブに前記フランジを収容する凹部を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のポンプ。
- 前記バルブにおいて前記内側筒状部の外側に外側筒状部を間隔を空けて一体に形成し、その外側筒状部の外壁に環状の溝を形成し、その溝内に前記ハウジングと接触するための環状のXリングを備えたことを特徴とする請求項1記載のポンプ。
- 前記流体移動手段における前記流体収容空間の一方側の開口位置に前記バルブを備え、前記流体収容空間の他方側の開口位置に前記吐出通路及び前記吸入通路を備え、前記流体収容空間の前記バルブを備えた側に前記吸入通路と連絡する吸入連絡通路並びに前記吐出通路と連絡する吐出連絡通路を設け、前記バルブが前記吸入連絡通路と前記吐出連絡通路とを連絡遮断することによって、前記吸入通路と前記吐出通路とを連絡遮断させることを特徴とする請求項1乃至3記載のポンプ。
- 前記流体移動手段が、インナーロータとアウターロータから成ることを特徴とする請求項1乃至4記載のポンプ。
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Cited By (1)
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JP2009236002A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Niigata Power Systems Co Ltd | 溶剤用ポンプの軸受 |
-
2007
- 2007-05-17 JP JP2007131169A patent/JP2008286082A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009236002A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Niigata Power Systems Co Ltd | 溶剤用ポンプの軸受 |
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