JP2017036761A - 軸受装置および回転機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転軸の周速が高い場合であっても、オイルリングにより十分な量の潤滑油を軸受へ供給することができ、回転軸の周速に対して広い適用範囲を有する軸受装置を提供する。【解決手段】軸受装置9は、回転軸1の軸方向荷重および/または半径方向荷重を支持する軸受9A,9Bと、軸受9A,9Bの下方に配置される潤滑油貯槽10と、回転軸1に支持され、該回転軸1の回転に伴って潤滑油貯槽10に貯留される潤滑油をかき上げるオイルリング20と、を備える。オイルリング20が回転軸1の外周面と接触する接触面24は、撥油性材料により構成されている。【選択図】図6
Description
本発明は、横軸ポンプなどの回転機械に用いられる軸受装置に関し、特に、回転軸とともに回転するオイルリングにより軸受に潤滑油を供給する軸受装置に関する。また、本発明は、このような軸受装置を備えたポンプなどの回転機械に関する。
回転軸が水平に設置された横軸式の回転機械(例えば、横軸ポンプ)は、回転軸を回転自在に支持する軸受装置を備えている。軸受は、通常、すべり軸受および/または転がり軸受が用いられ、このような軸受を潤滑および冷却するための潤滑剤として、潤滑油が用いられている。軸受へ潤滑油を供給する手段としては、外部動力を用いた強制給油装置、または外部動力を用いない自己潤滑装置が挙げられる。
自己潤滑装置では、軸受装置内部で回転軸の下方に配置された潤滑油貯槽から回転軸とともに回転するオイルリングの回転力を利用して潤滑油をかき上げるオイルリング式自己潤滑装置が知られている(特許文献1および特許文献2参照)。オイルリングによりかき上げられた潤滑油が軸受に供給される。オイルリング式自己潤滑装置は、保守管理および取扱が容易であるという利点を有する。
しかしながら、従来のオイルリング式自己潤滑装置では、回転軸の外周面の周方向速度(以下、単に周速という)が上昇し過ぎると、オイルリングの回転が回転軸の回転に追随できなくなる。すなわち、回転軸の回転速度と比較してオイルリングの回転速度が低すぎるため、オイルリングは、十分な量の潤滑油を軸受に供給できなくなる。その結果、回転軸と軸受との間に存在する油膜が破断してしまうという問題があった。このような理由から、オイルリング式の自己潤滑装置を採用する横軸ポンプには、回転軸の周速の上限が必然的に存在する。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、回転軸の周速が高い場合であっても、オイルリングにより十分な量の潤滑油を軸受へ供給することができ、回転軸の周速に対して広い適用範囲を有する軸受装置を提供することを目的とする。また、本発明はこのような軸受装置を備えた回転機械を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、回転軸の軸方向荷重および/または半径方向荷重を支持する軸受と、前記軸受の下方に配置される潤滑油貯槽と、前記回転軸に支持され、前記回転軸の回転に伴って前記潤滑油貯槽に貯留される潤滑油をかき上げるオイルリングと、を備え、前記オイルリングが前記回転軸の外周面と接触する接触面は、撥油性材料により構成されていることを特徴とする軸受装置である。
本発明の好ましい態様は、前記オイルリングの内周面には、該オイルリングの周方向に延びる溝が形成されており、前記接触面は、前記オイルリングの内周面の、前記溝が形成されていない領域から構成されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記オイルリングの内周面には、該オイルリングの周方向に沿って配列された複数の凹部が形成されており、前記接触面は、前記オイルリングの内周面の、前記凹部が形成されていない領域から構成されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記オイルリングの内周面は、多孔質材料からなる多孔質層により構成され、前記接触面は、前記多孔質層が有する孔または空隙を塞がないように前記撥油性材料がコーティングされた前記多孔質層の表面により構成されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記オイルリングの内周面には、該オイルリングの周方向に沿って配列された複数の凹部が形成されており、前記接触面は、前記オイルリングの内周面の、前記凹部が形成されていない領域から構成されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記オイルリングの内周面は、多孔質材料からなる多孔質層により構成され、前記接触面は、前記多孔質層が有する孔または空隙を塞がないように前記撥油性材料がコーティングされた前記多孔質層の表面により構成されることを特徴とする。
本発明の他の態様は、回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持する上記軸受装置と、を備えたことを特徴とする回転機械である。
さらに、本発明の他の態様は、回転軸と、前記回転軸に固定された羽根車と、前記回転軸を回転自在に支持する上記軸受装置と、を備えたことを特徴とするポンプである。
本発明によれば、オイルリングが回転軸の外周面と接触する接触面が撥油性材料により構成されているので、該接触面から潤滑油がはじかれる。その結果、オイルリングの接触面と回転軸の外周面との間の摩擦力が大きくなるので、回転軸の周速が高い場合であっても、オイルリングは回転軸とともに高い回転速度で回転することができる。したがって、オイルリングにより十分な量の潤滑油を軸受へ供給することができ、回転軸の周速に対して広い適用範囲を有する軸受装置を提供することができる。また、本発明は、このような軸受装置を備えたポンプなどの回転機械を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る軸受装置を備えた横軸単段ポンプの一例を示す断面図である。図1に示される回転機械としての横軸単段ポンプ100は、羽根車2と、この羽根車2が固定される回転軸1とを有している。回転軸1は水平に延びている。回転軸1の一端は図示しない電動機などの駆動機に連結されており、この駆動機によって回転軸1および羽根車2が回転されるようになっている。また、回転軸1は、その両端部近傍に設けられた軸受装置9,9に回転自在に支持されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る軸受装置を備えた横軸単段ポンプの一例を示す断面図である。図1に示される回転機械としての横軸単段ポンプ100は、羽根車2と、この羽根車2が固定される回転軸1とを有している。回転軸1は水平に延びている。回転軸1の一端は図示しない電動機などの駆動機に連結されており、この駆動機によって回転軸1および羽根車2が回転されるようになっている。また、回転軸1は、その両端部近傍に設けられた軸受装置9,9に回転自在に支持されている。
羽根車2はポンプケーシング5内に配置されている。図1に示すポンプケーシング5はその内部に渦巻き室5aを有しており、羽根車2は渦巻き室5aの内部に配置されている。回転軸1の回転とともに羽根車2が回転すると、吸込口3から水などの液体が吸い込まれ、羽根車2と渦巻き室5aの作用により液体の圧力が上昇されて、液体が吐出口4から吐き出される。
図示した例における羽根車2は、その両側から液体を吸い込む両吸込構造を有している。羽根車2の液体入口には、口金2A,2Bがそれぞれ取り付けられている。これら口金2A,2Bの直径を互いに異なるように設計することで、圧力差によるスラスト力を回転軸1の一方向に作用させ、回転軸1を安定させた状態で回転させることができる。このスラスト力は、軸受装置9のスラスト軸受9Aで支持されるようになっている。スラスト軸受9Aは、回転軸1の両方向に作用するスラスト力を受けることができる複列転がり軸受である。このスラスト軸受9Aに潤滑油を供給するために、スラスト軸受9Aの、回転軸1の軸端部側に、オイルリング20が配置されている。
このスラスト軸受9Aに加えて、回転軸1の両側端部近傍には2つのラジアル軸受9Bが配置されている。これら2つのラジアル軸受9Bと、1つのスラスト軸受9Aの合計3つの軸受で回転軸1は支持される。本実施形態では、ラジアル軸受9Bにはスリーブ型のすべり軸受が用いられている。このスリーブ型のラジアル軸受9Bの内部には、ラジアル軸受9Bの軸受面と回転軸1の外周面との間に潤滑油を供給する2つのオイルリング20が配置されている。
図2は、本発明の一実施形態に係る軸受装置を備えた横軸多段ポンプの一例を示す断面図である。図2に示される回転機械としての横軸多段ポンプ100は、複数の羽根車2と、これら羽根車2が固定される回転軸1を有している。回転軸1は水平に延びている。複数の羽根車2は、回転軸1上に直列に配列されていて、これら羽根車2のそれぞれを囲むように複数のディフューザ6が配置される。回転軸1の一端は図示しない電動機などの駆動機に連結されており、この駆動機によって回転軸1および羽根車2が回転されるようになっている。また、回転軸1は、その両端部近傍に設けられた軸受装置9,9に回転自在に支持されている。
羽根車2はポンプケーシング5内に配置されている。回転軸1の回転とともに複数の羽根車2が回転すると、吸込口3から水などの液体が吸込まれ、羽根車2とディフューザ6との作用により、液体の圧力が上昇されて液体が吐出口4から吐き出される。複数の羽根車2は同じ方向を向いて配列されているため、隣り合う羽根車2間の圧力差により生じるスラスト力が羽根車2の枚数分重なりあい、大きなスラスト力が発生する。このスラスト力は、横軸多段ポンプ100内に設けられたバランス装置7により相殺されるが、過渡運転時などにはある程度のスラスト力が残留する。この残留スラスト力は、軸受装置9のスラスト軸受9Aで支持される。スラスト軸受9Aは、回転軸1の両方向に作用するスラスト力を受けることができる複列転がり軸受である。このスラスト軸受9Aに潤滑油を供給するために、スラスト軸受9Aの、回転軸1の軸端部側に、オイルリング20が配置されている。
このスラスト軸受9Aに加えて、回転軸1の両側端部近傍には、回転軸1の半径方向荷重を支持する2つのラジアル軸受9B,9Bが配置されている。これら2つのラジアル軸受9B,9Bと、1つのスラスト軸受9Aの合計3つの軸受で回転軸1は支持される。本実施形態では、ラジアル軸受9B,9Bにはスリーブ型のすべり軸受が用いられている。このスリーブ型のラジアル軸受9Bの内部には、ラジアル軸受9Bの軸受面と回転軸1の外周面との間に潤滑油を供給する2つのオイルリング20が配置されている。これらの回転軸1の両端部近傍に配置される軸受装置9,9の構成は、図1に示した横軸単段ポンプと同様である。
図1および図2に示した横軸ポンプ100いずれの場合も、回転軸1はポンプケーシング5を貫通して延びている。回転軸1とポンプケーシング5との間の隙間は、メカニカルシールなどの軸封装置8,8によってシールされている。したがって、羽根車2によって昇圧された液体が軸受装置9,9に浸入することはない。
図3は、本発明の一実施形態に係る軸受装置の構造を示した断面図である。図3に示されるように、この軸受装置9は、水平に延びる回転軸1の軸方向荷重および半径方向荷重を支持するスラスト軸受9Aと、回転軸1の半径方向荷重を支持するラジアル軸受9Bと、を有する。本実施形態のスラスト軸受9Aには、2つのアンギュラ玉軸受31,32により構成された複列転がり軸受が使用され、ラジアル軸受9Bにはスリーブ型のすべり軸受が用いられている。
スラスト軸受9Aおよびラジアル軸受9Bの下方には、潤滑油貯槽10が配置されており、この潤滑油貯槽10に貯留される潤滑油の油面が、符号10Aが付された点線で示されている。なお、潤滑油貯槽10内の油面10Aが一定になるように、潤滑油量は管理されている。潤滑油貯槽10の下方には冷却ジャケット27が設けられており、冷却ジャケット27を流れる冷却液によって潤滑油貯槽10内の潤滑油が冷却される。冷却ジャケット27の代わりにフィンつきの空冷構造を採用してもよい。あるいは、潤滑油貯槽10内に、冷却液チューブを挿入して潤滑油を直接冷やす構造としてもよい。
図3に示されるように、スラスト軸受9Aの、回転軸1の軸端部側に、該スラスト軸受9Aに潤滑油を供給するためのオイルリング20が配置されている。スリーブ型のラジアル軸受9Bの内部には、ラジアル軸受9Bの軸受面と回転軸1の外周面との間に潤滑油を供給する2つのオイルリング20が配置されている。
図4は、図3のA−A線断面図である。図4に示されるように、オイルリング20は、アンギュラ玉軸受31,32の外輪を固定する固定部材16に形成された隙間16Aを通された状態で、回転軸1に支持される。オイルリング20は、潤滑油貯槽10(図3参照)に貯留される潤滑油にその下部を浸した状態で、回転軸1に支持されている。オイルリング20は、回転軸1の回転に伴って回転し、これにより、潤滑油貯槽10に貯留される潤滑油をかき上げる。オイルリング20によってかき上げられた潤滑油は、回転軸1を介してスラスト軸受9Aに供給される。
ラジアル軸受9Bにも、オイルリング20を通す隙間が設けられており、オイルリング20は、該隙間を通った状態で、回転軸1に支持される。オイルリング20は、回転軸1の回転に伴って回転し、これにより潤滑油貯槽10に貯留される潤滑油をかき上げる。オイルリング20によってかき上げられた潤滑油は、ラジアル軸受9Bの軸受面と回転軸1の外周面との間に供給される。
図5は、オイルリング20の一例を示した斜視図である。図6は、図5に示したオイルリング20の断面図である。図5および図6に示されるオイルリング20は、図3に示されるように、スラスト軸受9Aの、回転軸1の軸端部側と、スリーブ型のラジアル軸受9Bの内部とに配置される。図5および図6に示されるように、オイルリング20の内周面には、2本の溝28が形成されている。溝28は、オイルリング20の周方向に沿って、該オイルリング20の内周面の全周にわたって延びている。溝28の数は、1本でもよいし、3本以上であってもよい。オイルリング20の内周面の、溝28が形成されていない領域が、回転軸1に接触する接触面24を構成する。
オイルリング20が回転軸1とともに回転して、該オイルリング20が潤滑油貯槽10の液面10Aから離れるとき、オイルリング20の内周面に形成された溝28に、潤滑油を溜めることができる。溝28に溜められた潤滑油は、回転するオイルリング20により、回転軸1の上部まで運ばれる。溝28に溜められた潤滑油が回転軸1の上部に接触することにより、潤滑油が溝28から回転軸1上に流出し、その後、軸受9A,9Bに供給される。
図6に示されるように、オイルリング20の接触面24は、撥油性材料から構成されている。より具体的には、オイルリング20の接触面24は、撥油性材料からなる膜33から構成されている。撥油性材料は、潤滑油をはじくことができる材料の総称であり、例えば、親水性高分子材料や、テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂である。オイルリング20に撥油性材料を塗布することにより、膜33を形成することができる。撥油性材料からなるシートをオイルリング20に貼り付けることにより、膜33を形成してもよい。
本実施形態によれば、オイルリング20が回転軸1の外周面と接触する接触面24が撥油性材料からなる膜33により構成されているので、該接触面24から潤滑油がはじかれる。その結果、オイルリング20の接触面24と回転軸1の外周面との間の摩擦力が大きくなるので、回転軸1の周速が高い場合であっても、オイルリング20は高い回転速度で回転軸1とともに回転することができる。したがって、オイルリング20により十分な量の潤滑油を軸受9A,9Bへ供給することができ、回転軸1の周速に対して広い適用範囲を有する軸受装置9を提供することができる。
溝28の底面28aおよび両側面28b、28cは、親油性材料からなる膜から構成されてもよい。親油性材料は、潤滑油に対して親和性がある材料の総称であり、例えば、シリコーンオイルまたはワックスなどの油成分を分散した高分子材料である。溝28の壁面に親油性材料を塗布することにより、溝28の底面28aおよび両側面28b、28cに親油性材料からなる膜を形成することができる。親油性材料からなるシートを溝28の壁面に貼り付けることで、溝28の底面28aおよび両側面28b、28cに親油性材料の膜を形成してもよい。溝28の底面28aおよび両側面28b、28cが親油性材料からなる膜から構成されることで、溝28に溜められる潤滑油の量が増加する。その結果、回転するオイルリング20によって軸受9A,9Bに供給される潤滑油の量を増加させることができる。
図7は、別の例に係るオイルリング20の一部分を示した斜視図である。図7に示されるオイルリング20の内周面には、該オイルリング20の周方向に沿って配列された複数の凹部29が形成されている。オイルリング20の内周面の、凹部29が形成されていない領域が、回転軸1に接触する接触面24を構成する。
図示した例の凹部29は、オイルリング20の内周面に形成されており、これら凹部29は、該オイルリング20の内周面の全周にわたって等間隔で配列される。凹部29の形状は、球面であってもよいし、円柱状であってもよいし、多角柱状であってもよい。
オイルリング20が回転軸1とともに回転して、該オイルリング20が潤滑油貯槽10の液面10Aから離れるとき、オイルリング20の内周面に形成された凹部29に、潤滑油を溜めることができる。凹部29に溜められた潤滑油は、回転するオイルリング20により、回転軸1の上部まで運ばれる。凹部29に溜められた潤滑油が回転軸1の上部に接触することにより、潤滑油が凹部29から回転軸1上に流出し、その後、軸受9A,9Bに供給される。
オイルリング20の接触面24は、撥油性材料から構成されている。より具体的には、オイルリング20の接触面24は、撥油性材料からなる膜34から構成されている。撥油性材料は、上述したように、潤滑油をはじくことができる材料の総称である。オイルリング20に撥油性材料を塗布することにより、膜34を形成することができる。撥油性材料からなるシートをオイルリング20に貼り付けることにより、膜34を形成してもよい。
本実施形態も、図6に示される実施形態と同様に、回転軸1の外周面と接触する接触面24が撥油性材料からなる膜34により構成されているので、該接触面24から潤滑油がはじかれる。その結果、オイルリング20の接触面24と回転軸1の外周面との間の摩擦力が大きくなるので、回転軸1の周速が高い場合であっても、オイルリング20は高い回転速度で回転軸1とともに回転することができる。したがって、オイルリング20により十分な量の潤滑油を軸受9A,9Bへ供給することができ、回転軸1の周速に対して広い適用範囲を有する軸受装置9を提供することができる。
凹部29の表面は、親油性材料からなる膜から構成されてもよい。親油性材料は、潤滑油に対して親和性がある材料の総称であり、例えば、シリコーンオイルまたはワックスなどの油成分を分散した高分子材料である。凹部29に親油性材料を塗布することにより、凹部29の表面に親油性材料からなる膜を形成することができる。親油性材料からなるシートを凹部29に貼り付けることで、凹部29の表面に親油性材料の膜を形成してもよい。凹部29の表面が親油性材料からなる膜から構成されることで、凹部29に溜められる潤滑油の量が増加する。その結果、回転するオイルリング20によって軸受9A,9Bに供給される潤滑油の量を増加させることができる。
図8は、さらに別の例に係るオイルリング20の断面図である。図8に示されるオイルリング20の内周面24は、多孔質材料からなる多孔質層35により構成される。多孔質材料は、多数の孔または空隙(図示せず)を有する材料の総称であり、例えば、フェルトまたは不織布のような繊維材料であってもよいし、スポンジ材料であってもよい。スポンジ材料は、例えば、樹脂からなる。多孔質層35の表面には、該多孔質層35が有する孔または空隙を塞がないように、上述した撥油性材料がコーティングされている。撥油性材料がコーティングされた多孔質層35の表面が、回転軸1の外周面と接触する接触面24を構成する。
潤滑油は、多孔質層35の表面に形成された孔または空隙から多孔質層35の内部に進入し、該多孔質層35に保持される。多孔質層35に保持された潤滑油は、回転するオイルリング20により、回転軸1の上部まで運ばれる。多孔質層35に保持された潤滑油が、回転軸1の上部に接触することにより、潤滑油が多孔質層35から回転軸1上に流出し、その後、軸受9A,9Bに供給される。
本実施形態も、回転軸1の外周面と接触する接触面24が撥油性材料から構成されているので、該接触面24から潤滑油がはじかれる。その結果、オイルリング20の接触面24と回転軸1の外周面との間の摩擦力が大きくなるので、回転軸1の周速が高い場合であっても、オイルリング20は回転軸1とともに高い回転速度で回転することができる。したがって、オイルリング20により十分な量の潤滑油を軸受9A,9Bへ供給することができ、回転軸1の周速に対して広い適用範囲を有する軸受装置9を提供することができる。
これまで、横軸ポンプの軸受装置を例として、本発明の実施形態に係る軸受装置9を説明してきた。しかしながら、この軸受装置9は、横軸ポンプ以外の回転機械にも適用することができる。例えば、本発明の軸受装置9は、コンプレッサーやブロワーなどの回転機械にも適用することができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
1 回転軸
2 羽根車
3 吸込口
4 吐出口
5 ポンプケーシング
6 ディフューザ
7 バランス装置
8 軸封装置(メカニカルシール)
9 軸受装置
9A スラスト軸受
9B ラジアル軸受
10 潤滑油貯槽
10A 潤滑油面
16 固定部材
20 オイルリング
24 接触面
27 冷却ジャケット
29 凹部
31,32 アンギュラ玉軸受
33 膜
34 膜
35 多孔質層
100 横軸ポンプ
2 羽根車
3 吸込口
4 吐出口
5 ポンプケーシング
6 ディフューザ
7 バランス装置
8 軸封装置(メカニカルシール)
9 軸受装置
9A スラスト軸受
9B ラジアル軸受
10 潤滑油貯槽
10A 潤滑油面
16 固定部材
20 オイルリング
24 接触面
27 冷却ジャケット
29 凹部
31,32 アンギュラ玉軸受
33 膜
34 膜
35 多孔質層
100 横軸ポンプ
Claims (6)
- 回転軸の軸方向荷重および/または半径方向荷重を支持する軸受と、
前記軸受の下方に配置される潤滑油貯槽と、
前記回転軸に支持され、前記回転軸の回転に伴って前記潤滑油貯槽に貯留される潤滑油をかき上げるオイルリングと、を備え、
前記オイルリングが前記回転軸の外周面と接触する接触面は、撥油性材料により構成されていることを特徴とする軸受装置。 - 前記オイルリングの内周面には、該オイルリングの周方向に延びる溝が形成されており、
前記接触面は、前記オイルリングの内周面の、前記溝が形成されていない領域から構成されることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。 - 前記オイルリングの内周面には、該オイルリングの周方向に沿って配列された複数の凹部が形成されており、
前記接触面は、前記オイルリングの内周面の、前記凹部が形成されていない領域から構成されることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。 - 前記オイルリングの内周面は、多孔質材料からなる多孔質層により構成され、
前記接触面は、前記多孔質層が有する孔または空隙を塞がないように前記撥油性材料がコーティングされた前記多孔質層の表面により構成されることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。 - 回転軸と、
前記回転軸を回転自在に支持する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の軸受装置と、を備えたことを特徴とする回転機械。 - 回転軸と、
前記回転軸に固定された羽根車と、
前記回転軸を回転自在に支持する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の軸受装置と、を備えたことを特徴とするポンプ。
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- 2015-08-07 JP JP2015157287A patent/JP2017036761A/ja active Pending
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CN107448479A (zh) * | 2017-08-03 | 2017-12-08 | 扬州迈上塑业有限公司 | 一种新型旋转轴轴套 |
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