JP2004285258A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性を生かしつつ、耐衝撃性を向上させたポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ポリ乳酸系重合体(A)0.1〜99.9質量%と、ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られたグラフト共重合体(B)99.9〜0.1質量%とからなる熱可塑性樹脂組成物。
上記グラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体としてポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムとを含有するポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムを用いたグラフト共重合体であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリ乳酸系重合体(A)0.1〜99.9質量%と、ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られたグラフト共重合体(B)99.9〜0.1質量%とからなる熱可塑性樹脂組成物。
上記グラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体としてポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムとを含有するポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムを用いたグラフト共重合体であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性を生かしつつ、耐衝撃性を向上させたポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル等の膨大な量のプラスチック製品が使用されており、これらの廃棄物処理が環境問題の一つとしてクローズアップされてきている。すなわち、現状の廃棄物処理は焼却処分や埋設処理であるが、例えばポリエチレン等を焼却処分すると、その燃焼カロリーが高いため、焼却炉を傷め寿命を縮める原因となる。また、ポリ塩化ビニル等を焼却処分すると、有害ガスが発生する。
一方、プラスチック製品を埋設処理するには土地も限られている。また自然環境中に廃棄された場合、これらの樹脂は化学的安定性が極めて高く、微生物などによる分解がほとんど起こらず、ほぼ半永久的に残存することになる。そのため、景観を損なう原因となったり、海洋生物の生活環境を汚染するなどの問題を引き起こしている。
【0003】
この様な状況もあり、最近では生分解性又は自然環境下で分解するポリマーが注目されてきている。生分解性プラスチックは、土壌中や水中で、加水分解や生分解により、徐々に樹脂の崩壊・分解が進行し、最終的に微生物の作用により無害な分解物となることが知られている。現在、実用化が検討されている生分解性プラスチックは、天然素材系のバイオセルロースや澱粉主体のプラスチック、脂肪族ポリエステル、変性PVA(ポリビニルアルコール)、セルロースエステル化合物、デンプン変性体、およびこれらのブレンド体に大別される。これら生分解性樹脂の内、加工性、コスト、機械特性、耐水性等の点で比較的バランスがとれていて、様々な用途に使いやすい樹脂としては、脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
【0004】
脂肪族ポリエステルとしては、例えば、微生物産出系重合体としてポリ(ヒドロキシ酪酸/吉草酸)が、合成系重合体としてポリカプロラクトンや脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの縮合体が、そして、半合成系重合体としてポリ乳酸系重合体がそれぞれ知られている。
ポリ乳酸系重合体は、非石油系原料、さつまいもやトウモロコシなどの原料を使用して合成していることから、石油資源を使用しない植物系由来の樹脂として注目されており、今まで石油系プラスチックを使用していた用途で、素材を非石油系材料へ置き換えていく動きが盛んである。
ポリ乳酸は透明性を生かし、フィルムやシート用途に使用されている。しかし、ポリ乳酸単体では耐衝撃性が低いことから、耐衝撃性が必要とされる用途には使用されていなかったのが現状である。
ポリ乳酸にアクリル系樹脂を添加する検討がなされている例もある。(特許文献1)
【特許文献1】特開2002−155207号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述したポリ乳酸にアクリル系樹脂を添加する方法においても、未だ充分な耐衝撃性は得られていない。
本発明の目的は、ポリ乳酸系重合体の透明性を生かしつつ、耐衝撃性を向上させたポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、ポリ乳酸系重合体(A)0.1〜99.9質量%と、ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られたグラフト共重合体(B)99.9〜0.1質量%とからなる熱可塑性樹脂組成物にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるポリ乳酸系重合体(A)としては、多糖類(デンプン、酢酸セルロースなど)が挙げられる。
また、本発明におけるポリ乳酸系重合体(A)には、ポリ乳酸または乳酸と他の化合物とを共重合したコポリマー、もしくはこれらの混合物を用いることができる。
乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸が挙げられ、他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
ポリ乳酸は従来公知の方法で合成することができる。すなわち、特開平7−33861号公報、特開昭59−96123号公報、高分子討論会予稿集44巻、3198−3199 頁に記載のような乳酸からの直接脱水縮合、または乳酸環状二量体ラクチドの開環重合によって合成することができる。
直接脱水縮合を行なう場合、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物のいずれの乳酸を用いても良い。また、開環重合を行なう場合においても、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、メソ−ラクチド又はこれらの混合物のいずれのラクチドを用いても良い。
ラクチドの合成、精製及び重合操作は、例えば米国特許4057537号明細書、公開欧州特許出願第261572号明細書、Polymer Bulletin, 14, 491−495 (1985)、及び Makromol Chem., 187, 1611−1628 (1986) 等の文献に様々に記載されている。
ポリ乳酸におけるL乳酸単位、D乳酸単位の構成モル比L/Dは100/0〜0/100のいずれであっても良いが、L/Dが100/0〜60/40であることが好ましい。より好ましいL/Dは100/0〜80/20である。
【0008】
乳酸コポリマーは、乳酸モノマー又はラクチドと共重合可能な他の成分が共重合されたものである。このような他の成分としては、2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
多価アルコールとしては、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させたものなどの芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエーテルグリコール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、その他特開平6−184417号公報に記載されているもの等が挙げられる。ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
乳酸コポリマーの加水分解性は、コポリマーにおける乳酸単位の含量により影響される。このため、乳酸コポリマー中の乳酸単位の含量は、用いる共重合成分にもよるが、一般に50モル%以上であり、好ましくは70モル%以上である。乳酸単位の含量や共重合成分によって、得られる製品の機械特性や生分解性を調節することが可能である。
これらポリ乳酸系重合体は、特に限定されないが一般に、結晶性の場合は融点60〜200℃、重量平均分子量5万〜50万、好ましくは10万〜30万程度のものである。
また、共重合と同じ効果を得る目的で、ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルを単にブレンドしても良い。この場合において、他の脂肪族ポリエステルを構成するモノマーやポリ乳酸含量等は、共重合の場合と同様である。
【0009】
本発明に使用するグラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られたものである。
グラフト重合に用いるビニル系単量体としては、特に限定されないが芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、シアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
前記ゴム質重合体としては、ポリブタジエン系ゴム質重合体、ポリアルキル(メタ)アクリレート系ゴム質重合体、ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体等を用いることができるが、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムとを含有するポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムを用いるいことが好ましい。
上記複合ゴムはどのような方法で製造されても良いが、乳化重合法が最適である。
【0010】
前述したポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムとを含有するポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムは、ポリオルガノシロキサン成分が1〜99重量%、アルキル(メタ)アクリレートゴム成分が99〜1重量%(両成分の合計量は100重量%)の範囲であることが好ましい。
ポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムはどのような方法で製造されても良いが、乳化重合によってまずポリオルガノシロキサンのラテックスを調製し、次にアルキル(メタ)アクリレートゴムを構成する単量体をポリオルガノシロキサンラテックスの粒子に含浸させてからこれを重合することが好ましい。
【0011】
上記複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンゴム成分は、以下に示すオルガノシロキサンおよび架橋剤(CI)を用いて乳化重合により調製することができる。その際、さらにグラフト交叉剤(GI)を併用することもできる。
オルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種の環状体が挙げられるが、好ましく用いられるのは3〜6員環である。例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。これらの使用量はポリオルガノシロキサン成分中50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
【0012】
架橋剤(CI)としては、3官能性または4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。特に4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエトキシシランが特に好ましい。架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサン成分中0.1〜30重量%である。
【0013】
グラフト交叉剤(GI)としては、次式で表される単位を形成し得る化合物等が用いられる。
CH2=C(R2)−COO−(CH2)p−SiR1 nO(3−n)/2 (GI−1)
CH2=C(R2)−C6H4−SiR1 nO(3−n)/2 (GI−2)
CH2=CH−SiR1 nO(3−n)/2 (GI−3)
HS−(CH2)p−SiR1 nO(3−n)/2 (GI−4)
(式中、R1は、メチル基、エチル基、プロピル基、またはフェニル基、R2は水素原子またはメチル基、nは0、1または2、pは1〜6の数を示す。)
上記式(GI−1)の単位を形成し得る(メタ)アクリロイルオキシシロキサンは、グラフト効率が高いため有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝撃性発現の点で有利である。
【0014】
なお、上記式(GI−1)の単位を形成し得るものとしてメタクリロイルオキシシロキサンが特に好ましい。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
上記式(GI−2)の単位を形成し得るものとしてビニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
上記式(GI−3)の単位を形成し得るものとしてp−ビニルフェニルジメトキシメチルシランが挙げられる。また、式(GI−4)の単位を形成し得るものとして、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
グラフト交叉剤の使用量はポリオルガノシロキサン成分中、0〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0015】
このポリオルガノシロキサン成分のラテックスの製造は、例えば米国特許第2,891,920号公報、同第3,294,725号公報等に記載された方法を用いることができる。本発明の実施では、例えばオルガノシロキサンと架橋剤(CI)および所望によりグラフト交叉剤(GI)の混合溶液とを、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪断混合する方法により製造することが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸はオルガノシロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を行う際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好ましい。
【0016】
次に、上記複合ゴムを構成するアルキル(メタ)アクリレートゴム成分は、以下に示すアルキル(メタ)アクリレート、架橋剤(CII)およびグラフト交叉剤(GII)を用いて合成することができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレート等が挙げられ、特にn−ブチルアクリレートの使用が好ましい。
架橋剤(CII)としては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
グラフト交叉剤(GII)としては、例えばアリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。アリルメタクリレートは架橋剤として用いることもできる。これら架橋剤並びにグラフト交叉剤は単独であるいは2種以上併用して用いられる。これら架橋剤およびグラフト交叉剤の合計の使用量はポリアルキル(メタ)アクリレート成分中0.1〜20重量%である。
【0017】
アルキル(メタ)アクリレートゴム成分の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和されたポリオルガノシロキサン成分のラテックス中へ上記アルキル(メタ)アクリレート、架橋剤およびグラフト交叉剤を添加し、ポリオルガノシロキサン粒子へ含浸させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用させて行う。重合の進行と共にポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分との複合ゴムのラテックスが得られる。なお本発明の実施に際しては、この複合ゴムとしてポリオルガノシロキサンゴム成分の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返し単位を有し、ポリアルキル(メタ)アクリレート成分の主骨格がn−ブチルアクリレートの繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用いられる。
このようにして乳化重合により調製された複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であり、トルエンにより90℃で4時間抽出して測定したゲル含量が80重量%以上であることが好ましい。
【0018】
本発明に用いるグラフト重合体(B)においては、グラフト重合に用いる単量体に、エポキシ基を有するビニル単量体を含有していることが好ましい。
グラフト重合に用いられる全単量体中に占めるエポキシ基を有するビニル単量体の量は、10重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましい。
また、グラフト共重合体に占めるエポキシ基を有するビニル単量体成分の量は、1〜30重量%であることが好ましく、2〜20重量%であることがより好ましい。グラフト共重合体に占めるエポキシ基含有ビニル単量体に由来する成分の量が、1重量%未満であると衝撃強度の発現が不十分となり、30重量%を越える量を用いてもそれ以上の衝撃強度改善効果は見られない。
エポキシ基を有するビニル単量体の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ジグリシジルイタコネート等が挙げられ、これらの中では、グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジルイタコネートから1種以上を用いることが好ましい。
【0019】
本発明で用いるグラフト共重合体は、ビニル単量体をゴム質重合体のラテックスに加え、ラジカル重合技術によって一段あるいは多段で重合させ、得られたグラフト共重合体ラテックスを塩析、凝固する事により分離回収する事が出来る。凝析剤としては金属化合物が使用することが好ましく、特にアルカリ土類金属塩化合物、例えば硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム等を使用することが好ましい。
グラフト重合においては、グラフト共重合体の枝にあたる成分が幹成分にグラフトせずに枝成分だけで重合して得られる、フリーポリマーも一部副生し、グラフト共重合体とフリーポリマーの混合物として得られるが、本発明ではこれらを合わせてグラフト共重合体という。
【0020】
本発明の樹脂組成物においては、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内で他の高分子材料が混入されていてもよい。また、成形加工性、製品物性を調整する目的で、滑剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、光安定剤等、必要に応じて、可塑剤(フタル酸エステル等)、安定剤(2−tert− ブチル−6−(3−tert− ブチル−2− ヒドロキシ−5− メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等)、着色剤(赤口黄鉛、酸化チタン等)、充填剤(炭酸カルシウム、クレー、タルク等)、酸化防止剤(アルキルフェノール、有機亜リン酸エステル等)、紫外線吸収剤(サリチル酸エステル、ベンゾトリアゾール等)、難燃剤(リン酸エステル、酸化アンチモン等)、帯電防止剤、滑剤、発泡剤、抗菌・抗カビ剤等の従来公知の各種添加剤を配合することができる。これらの配合量は、使用目的に応じて適宜定めることができる。
【0021】
本発明において上記各種添加剤を配合する方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって行うことができる。例えば、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、単軸あるいは二軸押出機等を用いて混合混練すれば良い。
このようにして混練された組成物を、インジェクション法、溶融押出し法、カレンダー法等公知の成形方法により賦型することができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例、及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各種評価、成形は以下の方法により行った。
(1)粒子径分布測定
得られたラテックスを蒸留水で希釈したものを試料として、米国MATEC社製、CHDF2000型粒度分布計を用いて測定した。測定条件は、MATEC社が推奨する標準条件で行った。専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ、およびキャリア液を用い、液性はほぼ中性、流速1.4ml/min、圧力を約4000psi、温度35℃、保った状態で、濃度約3%の希釈ラテックス試料を0.1mlを測定に用いた。なお、標準粒子径物質として米国DUKE社製の粒子径既知の単分散ポリスチレンを0.02μmから0.8μmの範囲内で合計12点用いた。
(2) 押出機
φ30mm、L/D=20の二軸押し出し機を用い、アクリル系重合体とポリ乳酸樹脂を溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。
(3) 射出成型機
上記熱可塑性樹脂組成物ペレットを射出成型機を用いて100cm角の板を成型した。
【0023】
(製造例1) ポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムグラフト共重合体(M−1)の製造
テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部およびオクタメチルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸をそれぞれ0.67部溶解させた蒸留水200部に、シロキサン混合物100部を加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備攪拌した後、ホモジナイザーにより200kg/cm2 の圧力で乳化、分散させ、オルガノシロキサンエマルジョンを得た。これをコンデンサーおよび攪拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、混合攪拌しながら80℃で5時間加熱した後、20℃で放置し、48時間後に水酸化ナトリウム水溶液でこのエマルジョンのpHを7.0にして、重合を完結しポリオルガノシロキサンを含有するラテックスを得た。得られたポリオルガノシロキサンの重合率は89.1%であり、ポリオルガノシロキサンの平均粒子径は0.19μmであった。
このポリオルガノシロキサンを含有するラテックスを固形分として35部採取し、攪拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水175部を加え、窒素置換をしてから50℃に昇温し、n−ブチルアクリレート78.4部、アリルメタクリレート1.6部およびtert−ブチルヒドロペルオキシド0.3部の混合物を仕込み、30分間攪拌し、この混合物をポリオルガノシロキサンに浸透させた。次いで、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.3部および蒸留水10部の混合物を仕込み、ラジカル重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持し重合を完了してポリオルガノシロキサン複合ゴムのラテックスを得た。このラテックスを一部採取し、ポリオルガノシロキサン複合ゴムの平均粒子径を測定したところ0.22μmであった。
このポリオルガノシロキサン複合ゴムを含有するラテックス中に、メチルメタクリレート10部とtert−ブチルヒドロペルオキシド0.024部との混合物を60℃にて15分間にわたり滴下し、その後、60℃で2時間保持し、ポリオルガノシロキサン複合ゴムへのグラフト重合を完了した。メチルメタクリレートの重合率は、97.1%であった。グラフト共重合体(M−1)の平均粒径は0.23μmであった。得られたグラフト共重合体(M−1)を含有するラテックスを40℃で濃度5質量%の塩化カルシウム水溶液の比率が1:2となるように添加し、その後、90℃まで昇温して凝固し、水により洗浄を繰り返した後、固形分を分離して80℃で24時間乾燥し、グラフト重合体(M−1)の粉体を得た。
【0024】
(製造例2) ポリオルガノシロキサン/アクリルゴム系複合ゴムグラフト共重合体(M−2)の製造
テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部およびオクタメチルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸をそれぞれ0.67部を溶解した蒸留水200部に上記混合シロキサン100部を加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備攪拌した後、ホモジナイザーにより200kg/cm2 の圧力で乳化、分散させ、オルガノシロキサンラテックスを得た。この混合液をコンデンサーおよび攪拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、混合攪拌しながら80℃で5時間加熱した後20℃で放置し、48時間後に水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスのpHを7.0に中和し、重合を完結しポリオルガノシロキサンラテックス(以下このラテックスをPDMS−1と称する。)を得た。得られたポリオルガノシロキサンの重合率は89.1%であり、ポリオルガノシロキサンの平均粒子径は0.19μmであった。
このPDMS−1を35部採取し、攪拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水175部を加え、窒素置換をしてから50℃に昇温し、n−ブチルアクリレート78.4部、アリルメタクリレート1.6部およびtert−ブチルヒドロペルオキシド0.3部の混合液を仕込み30分間攪拌し、この混合液をポリオルガノシロキサン粒子に浸透させた。次いで、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.3部および蒸留水10部の混合液を仕込みラジカル重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持し重合を完了して複合ゴムラテックスを得た。このラテックスを一部採取し、複合ゴムの平均粒子径を測定したところ0.22μmであった。
この複合ゴムラテックスに、グリシジルメタクリレート3部とメチルメタクリレート7部の単量体混合物と、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.024部との混合液を60℃にて15分間にわたり滴下し、その後60℃で2時間保持し、複合ゴムへのグラフト重合を完了した。グリシジルメタクリレートの重合率は、98.5%であった。グラフト共重合体ラテックスの平均粒径は0.24μmであった。得られたグラフト共重合体ラテックスを40℃で濃度5重量%の塩化カルシウム水溶液の比率が1:2となるように添加し、その後、90℃まで昇温し凝固し、水により洗浄を繰り返した後固形分を分離し、80℃で24時間乾燥し、ポリオルガノシロキサン系グラフト重合体(M−2)の乾粉を得た。
【0025】
(製造例3) ポリオルガノシロキサン/アクリルゴム系複合ゴムグラフト共重合体(M−3)の製造
製造例1で使用したメチルメタクリレート10部の代わりに、アクリロニトリル7.5部、スチレン2.5部を使用した以外は製造例1と同様にポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(M−3)の乾粉を得た。
【0026】
(製造例4) ブタジエン系グラフト共重合体(M−4)の重合
第一単量体として以下の物質を70Lオートクレーブに仕込み、昇温して43℃になったらレドックス系開始剤をオートクレーブ内に添加し反応を開始後、さらに60℃まで昇温した。
第一単量体
1,3−ブタジエン 100部
t−ドデシルメルカプタン 0.4部
ロジン酸カリウム 0.75部
オレイン酸カリウム 0.75部
ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド 0.24部
脱イオン水 70部
レドックス系開始剤
硫酸第一鉄 0.003部
デキストローズ 0.3部
ピロリン酸ナトリウム 0.3部
脱イオン水 5部
重合開始から8時間反応させて、ブタジエン系ゴム重合体ラテックス(r−1)を得た。得られたブタジエン系ゴム重合体ラテックス(r−1)の粒子径は90nmであった。
ブタジエン系ゴム重合体ラテックス(r−1)を75部(固形分)に対し、MAA−BA共重合体を固形分として2部添加し、室温にて30分攪拌することによって肥大化し、その後オレイン酸カリウム1.5部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.6部をフラスコ内に仕込み、内温を70℃に保持して、メチルメタクリレート13部およびn−ブチルアクリレート2部およびクメンハイドロキシパーオキサイド0.03部の混合物を1時間かけて滴下した後1時間保持した。
その後、前段階で得られた重合体の存在下で、第2段目としてスチレン17部およびクメンハイドロキシパーオキサイド0.034部の混合物を1時間かけて滴下した後3時間保持した。
しかる後、第1段目および第2段目で得られた重合体の存在下で、第3段目としてメチルメタクリレート3部およびクメンハイドロキシパーオキサイド0.003部の混合物を0.5時間かけて滴下した後1時間保持してから重合を終了してグラフト共重合体ラテックスを得た。
得られたグラフト共重合体ラテックスにブチル化ハイドロキシトルエン0.5部を添加した後、0.2%硫酸水溶液を添加して凝析させ、90℃で熱処理固化した。その後凝固物を温水で洗浄し、さらに乾燥してグラフト共重合体(M−4)を得た。
【0027】
(製造例5) アクリルゴム系グラフト共重合体(M−5)の製造
2−エチルヘキシルアクリレート99.5部、アリルメタクリレート0.5部を混合し、(メタ)アクリレート単量体混合物100部を得た。アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムとして、花王株式会社から市販されている登録商標ペレックスSS−Hを固形分として1部溶解した蒸留水195部に上記(メタ)アクリレート単量体混合物100部を加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備撹拌した後、ホモジナイザーにより300kg/cm2 の圧力で乳化、分散させ、(メタ)アクリレートエマルジョンを得た。この混合液をコンデンサーおよび撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、窒素置換および混合撹拌しながら加熱し50℃になった時にtert−ブチルヒドロペルオキシド0.5部を添加した後50℃に昇温し、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.26部および蒸留水5部の混合液を投入後、5時間放置し、重合を完結しアクリルゴム(a−1)成分ラテックスを得た。
得られたアクリルゴム(a−1)成分ラテックスの重合率は99.9%であった。さらに得られたラテックスにペレックスSS−Hを固形分として7.0部追加した。
上記アクリルゴム(a−1)成分ラテックスを、アリルメタクリレートを含むポリ2エチルヘキシルアクリレートの固形分量として10部となるように採取し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコにいれ、系内の蒸留水量が195部となるように追加た。この時、ペレックスSS−Hはこのラテックス中に固形分として0.8部存在することになる。次いで、アクリルゴム(a−2)成分を構成するアリルメタクリレート2.0%を含むn−ブチルアクリレート78部、およびtert−ブチルヒドロペルオキシド0.32部の混合液を仕込み10分間撹拌し、この混合液をアクリルゴム(a−1)成分粒子に浸透させた。さらに10分間攪拌した後、窒素置換を行い、系内を50℃に昇温し、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.26部および蒸留水5部の混合液を仕込みラジカル重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持し重合を完了してアクリルゴム(a−1)成分およびアクリルゴム(a−2)成分からなるポリアルキル(メタ)アクリレート系複合ゴムのラテックスを得た。
このポリアルキル(メタ)アクリレート系複合ゴムラテックスに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.06部とメチルメタクリレート12部との混合液を70℃にて15分間にわたり滴下し、その後70℃で4時間保持し、ポリアルキル(メタ)アクリレート系複合ゴムへのグラフト重合を完了した。メチルメタクリレートの重合率は、99.4%であった。得られたアクリルゴム系グラフト共重合体ラテックスを酢酸カルシウム1.5重量%の熱水200部中に滴下し、凝固、分離し洗浄した後75℃で16時間乾燥し、粉末状のアクリルゴム系グラフト共重合体(M−5)を得た。
【0028】
実施例1〜5、比較例1
ポリ乳酸系重合体としてラクティ#5400(島津製作所製,重量平均分子量約20万)を用い、これとグラフト共重合体M−1〜M−5を表1に示す割合でハンドブレンドした後、二軸押出機(池貝社製PCM−28.5)を用いて、バレル温度200℃、スクリュー回転数150rpmにて溶融混練しペレット状に賦型した後、これを用いて評価用板を作成した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリ乳酸系重合体にゴム質重合体を添加することによって、樹脂の耐衝撃性を向上させた熱可塑性樹脂組成物を提供することができ、シート・フィルム成形,発泡成形,異型成形,インジェクション成形など、さまざまな成形を容易に可能とすることが出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性を生かしつつ、耐衝撃性を向上させたポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル等の膨大な量のプラスチック製品が使用されており、これらの廃棄物処理が環境問題の一つとしてクローズアップされてきている。すなわち、現状の廃棄物処理は焼却処分や埋設処理であるが、例えばポリエチレン等を焼却処分すると、その燃焼カロリーが高いため、焼却炉を傷め寿命を縮める原因となる。また、ポリ塩化ビニル等を焼却処分すると、有害ガスが発生する。
一方、プラスチック製品を埋設処理するには土地も限られている。また自然環境中に廃棄された場合、これらの樹脂は化学的安定性が極めて高く、微生物などによる分解がほとんど起こらず、ほぼ半永久的に残存することになる。そのため、景観を損なう原因となったり、海洋生物の生活環境を汚染するなどの問題を引き起こしている。
【0003】
この様な状況もあり、最近では生分解性又は自然環境下で分解するポリマーが注目されてきている。生分解性プラスチックは、土壌中や水中で、加水分解や生分解により、徐々に樹脂の崩壊・分解が進行し、最終的に微生物の作用により無害な分解物となることが知られている。現在、実用化が検討されている生分解性プラスチックは、天然素材系のバイオセルロースや澱粉主体のプラスチック、脂肪族ポリエステル、変性PVA(ポリビニルアルコール)、セルロースエステル化合物、デンプン変性体、およびこれらのブレンド体に大別される。これら生分解性樹脂の内、加工性、コスト、機械特性、耐水性等の点で比較的バランスがとれていて、様々な用途に使いやすい樹脂としては、脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
【0004】
脂肪族ポリエステルとしては、例えば、微生物産出系重合体としてポリ(ヒドロキシ酪酸/吉草酸)が、合成系重合体としてポリカプロラクトンや脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの縮合体が、そして、半合成系重合体としてポリ乳酸系重合体がそれぞれ知られている。
ポリ乳酸系重合体は、非石油系原料、さつまいもやトウモロコシなどの原料を使用して合成していることから、石油資源を使用しない植物系由来の樹脂として注目されており、今まで石油系プラスチックを使用していた用途で、素材を非石油系材料へ置き換えていく動きが盛んである。
ポリ乳酸は透明性を生かし、フィルムやシート用途に使用されている。しかし、ポリ乳酸単体では耐衝撃性が低いことから、耐衝撃性が必要とされる用途には使用されていなかったのが現状である。
ポリ乳酸にアクリル系樹脂を添加する検討がなされている例もある。(特許文献1)
【特許文献1】特開2002−155207号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述したポリ乳酸にアクリル系樹脂を添加する方法においても、未だ充分な耐衝撃性は得られていない。
本発明の目的は、ポリ乳酸系重合体の透明性を生かしつつ、耐衝撃性を向上させたポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、ポリ乳酸系重合体(A)0.1〜99.9質量%と、ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られたグラフト共重合体(B)99.9〜0.1質量%とからなる熱可塑性樹脂組成物にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるポリ乳酸系重合体(A)としては、多糖類(デンプン、酢酸セルロースなど)が挙げられる。
また、本発明におけるポリ乳酸系重合体(A)には、ポリ乳酸または乳酸と他の化合物とを共重合したコポリマー、もしくはこれらの混合物を用いることができる。
乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸が挙げられ、他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
ポリ乳酸は従来公知の方法で合成することができる。すなわち、特開平7−33861号公報、特開昭59−96123号公報、高分子討論会予稿集44巻、3198−3199 頁に記載のような乳酸からの直接脱水縮合、または乳酸環状二量体ラクチドの開環重合によって合成することができる。
直接脱水縮合を行なう場合、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物のいずれの乳酸を用いても良い。また、開環重合を行なう場合においても、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、メソ−ラクチド又はこれらの混合物のいずれのラクチドを用いても良い。
ラクチドの合成、精製及び重合操作は、例えば米国特許4057537号明細書、公開欧州特許出願第261572号明細書、Polymer Bulletin, 14, 491−495 (1985)、及び Makromol Chem., 187, 1611−1628 (1986) 等の文献に様々に記載されている。
ポリ乳酸におけるL乳酸単位、D乳酸単位の構成モル比L/Dは100/0〜0/100のいずれであっても良いが、L/Dが100/0〜60/40であることが好ましい。より好ましいL/Dは100/0〜80/20である。
【0008】
乳酸コポリマーは、乳酸モノマー又はラクチドと共重合可能な他の成分が共重合されたものである。このような他の成分としては、2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
多価アルコールとしては、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させたものなどの芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエーテルグリコール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、その他特開平6−184417号公報に記載されているもの等が挙げられる。ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
乳酸コポリマーの加水分解性は、コポリマーにおける乳酸単位の含量により影響される。このため、乳酸コポリマー中の乳酸単位の含量は、用いる共重合成分にもよるが、一般に50モル%以上であり、好ましくは70モル%以上である。乳酸単位の含量や共重合成分によって、得られる製品の機械特性や生分解性を調節することが可能である。
これらポリ乳酸系重合体は、特に限定されないが一般に、結晶性の場合は融点60〜200℃、重量平均分子量5万〜50万、好ましくは10万〜30万程度のものである。
また、共重合と同じ効果を得る目的で、ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルを単にブレンドしても良い。この場合において、他の脂肪族ポリエステルを構成するモノマーやポリ乳酸含量等は、共重合の場合と同様である。
【0009】
本発明に使用するグラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られたものである。
グラフト重合に用いるビニル系単量体としては、特に限定されないが芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、シアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
前記ゴム質重合体としては、ポリブタジエン系ゴム質重合体、ポリアルキル(メタ)アクリレート系ゴム質重合体、ポリオルガノシロキサン系ゴム質重合体等を用いることができるが、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムとを含有するポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムを用いるいことが好ましい。
上記複合ゴムはどのような方法で製造されても良いが、乳化重合法が最適である。
【0010】
前述したポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムとを含有するポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムは、ポリオルガノシロキサン成分が1〜99重量%、アルキル(メタ)アクリレートゴム成分が99〜1重量%(両成分の合計量は100重量%)の範囲であることが好ましい。
ポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムはどのような方法で製造されても良いが、乳化重合によってまずポリオルガノシロキサンのラテックスを調製し、次にアルキル(メタ)アクリレートゴムを構成する単量体をポリオルガノシロキサンラテックスの粒子に含浸させてからこれを重合することが好ましい。
【0011】
上記複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンゴム成分は、以下に示すオルガノシロキサンおよび架橋剤(CI)を用いて乳化重合により調製することができる。その際、さらにグラフト交叉剤(GI)を併用することもできる。
オルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種の環状体が挙げられるが、好ましく用いられるのは3〜6員環である。例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。これらの使用量はポリオルガノシロキサン成分中50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
【0012】
架橋剤(CI)としては、3官能性または4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。特に4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエトキシシランが特に好ましい。架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサン成分中0.1〜30重量%である。
【0013】
グラフト交叉剤(GI)としては、次式で表される単位を形成し得る化合物等が用いられる。
CH2=C(R2)−COO−(CH2)p−SiR1 nO(3−n)/2 (GI−1)
CH2=C(R2)−C6H4−SiR1 nO(3−n)/2 (GI−2)
CH2=CH−SiR1 nO(3−n)/2 (GI−3)
HS−(CH2)p−SiR1 nO(3−n)/2 (GI−4)
(式中、R1は、メチル基、エチル基、プロピル基、またはフェニル基、R2は水素原子またはメチル基、nは0、1または2、pは1〜6の数を示す。)
上記式(GI−1)の単位を形成し得る(メタ)アクリロイルオキシシロキサンは、グラフト効率が高いため有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝撃性発現の点で有利である。
【0014】
なお、上記式(GI−1)の単位を形成し得るものとしてメタクリロイルオキシシロキサンが特に好ましい。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
上記式(GI−2)の単位を形成し得るものとしてビニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
上記式(GI−3)の単位を形成し得るものとしてp−ビニルフェニルジメトキシメチルシランが挙げられる。また、式(GI−4)の単位を形成し得るものとして、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
グラフト交叉剤の使用量はポリオルガノシロキサン成分中、0〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0015】
このポリオルガノシロキサン成分のラテックスの製造は、例えば米国特許第2,891,920号公報、同第3,294,725号公報等に記載された方法を用いることができる。本発明の実施では、例えばオルガノシロキサンと架橋剤(CI)および所望によりグラフト交叉剤(GI)の混合溶液とを、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪断混合する方法により製造することが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸はオルガノシロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を行う際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好ましい。
【0016】
次に、上記複合ゴムを構成するアルキル(メタ)アクリレートゴム成分は、以下に示すアルキル(メタ)アクリレート、架橋剤(CII)およびグラフト交叉剤(GII)を用いて合成することができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレート等が挙げられ、特にn−ブチルアクリレートの使用が好ましい。
架橋剤(CII)としては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
グラフト交叉剤(GII)としては、例えばアリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。アリルメタクリレートは架橋剤として用いることもできる。これら架橋剤並びにグラフト交叉剤は単独であるいは2種以上併用して用いられる。これら架橋剤およびグラフト交叉剤の合計の使用量はポリアルキル(メタ)アクリレート成分中0.1〜20重量%である。
【0017】
アルキル(メタ)アクリレートゴム成分の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和されたポリオルガノシロキサン成分のラテックス中へ上記アルキル(メタ)アクリレート、架橋剤およびグラフト交叉剤を添加し、ポリオルガノシロキサン粒子へ含浸させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用させて行う。重合の進行と共にポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分との複合ゴムのラテックスが得られる。なお本発明の実施に際しては、この複合ゴムとしてポリオルガノシロキサンゴム成分の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返し単位を有し、ポリアルキル(メタ)アクリレート成分の主骨格がn−ブチルアクリレートの繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用いられる。
このようにして乳化重合により調製された複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であり、トルエンにより90℃で4時間抽出して測定したゲル含量が80重量%以上であることが好ましい。
【0018】
本発明に用いるグラフト重合体(B)においては、グラフト重合に用いる単量体に、エポキシ基を有するビニル単量体を含有していることが好ましい。
グラフト重合に用いられる全単量体中に占めるエポキシ基を有するビニル単量体の量は、10重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましい。
また、グラフト共重合体に占めるエポキシ基を有するビニル単量体成分の量は、1〜30重量%であることが好ましく、2〜20重量%であることがより好ましい。グラフト共重合体に占めるエポキシ基含有ビニル単量体に由来する成分の量が、1重量%未満であると衝撃強度の発現が不十分となり、30重量%を越える量を用いてもそれ以上の衝撃強度改善効果は見られない。
エポキシ基を有するビニル単量体の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ジグリシジルイタコネート等が挙げられ、これらの中では、グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジルイタコネートから1種以上を用いることが好ましい。
【0019】
本発明で用いるグラフト共重合体は、ビニル単量体をゴム質重合体のラテックスに加え、ラジカル重合技術によって一段あるいは多段で重合させ、得られたグラフト共重合体ラテックスを塩析、凝固する事により分離回収する事が出来る。凝析剤としては金属化合物が使用することが好ましく、特にアルカリ土類金属塩化合物、例えば硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム等を使用することが好ましい。
グラフト重合においては、グラフト共重合体の枝にあたる成分が幹成分にグラフトせずに枝成分だけで重合して得られる、フリーポリマーも一部副生し、グラフト共重合体とフリーポリマーの混合物として得られるが、本発明ではこれらを合わせてグラフト共重合体という。
【0020】
本発明の樹脂組成物においては、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内で他の高分子材料が混入されていてもよい。また、成形加工性、製品物性を調整する目的で、滑剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、光安定剤等、必要に応じて、可塑剤(フタル酸エステル等)、安定剤(2−tert− ブチル−6−(3−tert− ブチル−2− ヒドロキシ−5− メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等)、着色剤(赤口黄鉛、酸化チタン等)、充填剤(炭酸カルシウム、クレー、タルク等)、酸化防止剤(アルキルフェノール、有機亜リン酸エステル等)、紫外線吸収剤(サリチル酸エステル、ベンゾトリアゾール等)、難燃剤(リン酸エステル、酸化アンチモン等)、帯電防止剤、滑剤、発泡剤、抗菌・抗カビ剤等の従来公知の各種添加剤を配合することができる。これらの配合量は、使用目的に応じて適宜定めることができる。
【0021】
本発明において上記各種添加剤を配合する方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって行うことができる。例えば、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、単軸あるいは二軸押出機等を用いて混合混練すれば良い。
このようにして混練された組成物を、インジェクション法、溶融押出し法、カレンダー法等公知の成形方法により賦型することができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例、及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各種評価、成形は以下の方法により行った。
(1)粒子径分布測定
得られたラテックスを蒸留水で希釈したものを試料として、米国MATEC社製、CHDF2000型粒度分布計を用いて測定した。測定条件は、MATEC社が推奨する標準条件で行った。専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ、およびキャリア液を用い、液性はほぼ中性、流速1.4ml/min、圧力を約4000psi、温度35℃、保った状態で、濃度約3%の希釈ラテックス試料を0.1mlを測定に用いた。なお、標準粒子径物質として米国DUKE社製の粒子径既知の単分散ポリスチレンを0.02μmから0.8μmの範囲内で合計12点用いた。
(2) 押出機
φ30mm、L/D=20の二軸押し出し機を用い、アクリル系重合体とポリ乳酸樹脂を溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。
(3) 射出成型機
上記熱可塑性樹脂組成物ペレットを射出成型機を用いて100cm角の板を成型した。
【0023】
(製造例1) ポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムグラフト共重合体(M−1)の製造
テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部およびオクタメチルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸をそれぞれ0.67部溶解させた蒸留水200部に、シロキサン混合物100部を加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備攪拌した後、ホモジナイザーにより200kg/cm2 の圧力で乳化、分散させ、オルガノシロキサンエマルジョンを得た。これをコンデンサーおよび攪拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、混合攪拌しながら80℃で5時間加熱した後、20℃で放置し、48時間後に水酸化ナトリウム水溶液でこのエマルジョンのpHを7.0にして、重合を完結しポリオルガノシロキサンを含有するラテックスを得た。得られたポリオルガノシロキサンの重合率は89.1%であり、ポリオルガノシロキサンの平均粒子径は0.19μmであった。
このポリオルガノシロキサンを含有するラテックスを固形分として35部採取し、攪拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水175部を加え、窒素置換をしてから50℃に昇温し、n−ブチルアクリレート78.4部、アリルメタクリレート1.6部およびtert−ブチルヒドロペルオキシド0.3部の混合物を仕込み、30分間攪拌し、この混合物をポリオルガノシロキサンに浸透させた。次いで、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.3部および蒸留水10部の混合物を仕込み、ラジカル重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持し重合を完了してポリオルガノシロキサン複合ゴムのラテックスを得た。このラテックスを一部採取し、ポリオルガノシロキサン複合ゴムの平均粒子径を測定したところ0.22μmであった。
このポリオルガノシロキサン複合ゴムを含有するラテックス中に、メチルメタクリレート10部とtert−ブチルヒドロペルオキシド0.024部との混合物を60℃にて15分間にわたり滴下し、その後、60℃で2時間保持し、ポリオルガノシロキサン複合ゴムへのグラフト重合を完了した。メチルメタクリレートの重合率は、97.1%であった。グラフト共重合体(M−1)の平均粒径は0.23μmであった。得られたグラフト共重合体(M−1)を含有するラテックスを40℃で濃度5質量%の塩化カルシウム水溶液の比率が1:2となるように添加し、その後、90℃まで昇温して凝固し、水により洗浄を繰り返した後、固形分を分離して80℃で24時間乾燥し、グラフト重合体(M−1)の粉体を得た。
【0024】
(製造例2) ポリオルガノシロキサン/アクリルゴム系複合ゴムグラフト共重合体(M−2)の製造
テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部およびオクタメチルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸をそれぞれ0.67部を溶解した蒸留水200部に上記混合シロキサン100部を加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備攪拌した後、ホモジナイザーにより200kg/cm2 の圧力で乳化、分散させ、オルガノシロキサンラテックスを得た。この混合液をコンデンサーおよび攪拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、混合攪拌しながら80℃で5時間加熱した後20℃で放置し、48時間後に水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスのpHを7.0に中和し、重合を完結しポリオルガノシロキサンラテックス(以下このラテックスをPDMS−1と称する。)を得た。得られたポリオルガノシロキサンの重合率は89.1%であり、ポリオルガノシロキサンの平均粒子径は0.19μmであった。
このPDMS−1を35部採取し、攪拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水175部を加え、窒素置換をしてから50℃に昇温し、n−ブチルアクリレート78.4部、アリルメタクリレート1.6部およびtert−ブチルヒドロペルオキシド0.3部の混合液を仕込み30分間攪拌し、この混合液をポリオルガノシロキサン粒子に浸透させた。次いで、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.3部および蒸留水10部の混合液を仕込みラジカル重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持し重合を完了して複合ゴムラテックスを得た。このラテックスを一部採取し、複合ゴムの平均粒子径を測定したところ0.22μmであった。
この複合ゴムラテックスに、グリシジルメタクリレート3部とメチルメタクリレート7部の単量体混合物と、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.024部との混合液を60℃にて15分間にわたり滴下し、その後60℃で2時間保持し、複合ゴムへのグラフト重合を完了した。グリシジルメタクリレートの重合率は、98.5%であった。グラフト共重合体ラテックスの平均粒径は0.24μmであった。得られたグラフト共重合体ラテックスを40℃で濃度5重量%の塩化カルシウム水溶液の比率が1:2となるように添加し、その後、90℃まで昇温し凝固し、水により洗浄を繰り返した後固形分を分離し、80℃で24時間乾燥し、ポリオルガノシロキサン系グラフト重合体(M−2)の乾粉を得た。
【0025】
(製造例3) ポリオルガノシロキサン/アクリルゴム系複合ゴムグラフト共重合体(M−3)の製造
製造例1で使用したメチルメタクリレート10部の代わりに、アクリロニトリル7.5部、スチレン2.5部を使用した以外は製造例1と同様にポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(M−3)の乾粉を得た。
【0026】
(製造例4) ブタジエン系グラフト共重合体(M−4)の重合
第一単量体として以下の物質を70Lオートクレーブに仕込み、昇温して43℃になったらレドックス系開始剤をオートクレーブ内に添加し反応を開始後、さらに60℃まで昇温した。
第一単量体
1,3−ブタジエン 100部
t−ドデシルメルカプタン 0.4部
ロジン酸カリウム 0.75部
オレイン酸カリウム 0.75部
ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド 0.24部
脱イオン水 70部
レドックス系開始剤
硫酸第一鉄 0.003部
デキストローズ 0.3部
ピロリン酸ナトリウム 0.3部
脱イオン水 5部
重合開始から8時間反応させて、ブタジエン系ゴム重合体ラテックス(r−1)を得た。得られたブタジエン系ゴム重合体ラテックス(r−1)の粒子径は90nmであった。
ブタジエン系ゴム重合体ラテックス(r−1)を75部(固形分)に対し、MAA−BA共重合体を固形分として2部添加し、室温にて30分攪拌することによって肥大化し、その後オレイン酸カリウム1.5部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.6部をフラスコ内に仕込み、内温を70℃に保持して、メチルメタクリレート13部およびn−ブチルアクリレート2部およびクメンハイドロキシパーオキサイド0.03部の混合物を1時間かけて滴下した後1時間保持した。
その後、前段階で得られた重合体の存在下で、第2段目としてスチレン17部およびクメンハイドロキシパーオキサイド0.034部の混合物を1時間かけて滴下した後3時間保持した。
しかる後、第1段目および第2段目で得られた重合体の存在下で、第3段目としてメチルメタクリレート3部およびクメンハイドロキシパーオキサイド0.003部の混合物を0.5時間かけて滴下した後1時間保持してから重合を終了してグラフト共重合体ラテックスを得た。
得られたグラフト共重合体ラテックスにブチル化ハイドロキシトルエン0.5部を添加した後、0.2%硫酸水溶液を添加して凝析させ、90℃で熱処理固化した。その後凝固物を温水で洗浄し、さらに乾燥してグラフト共重合体(M−4)を得た。
【0027】
(製造例5) アクリルゴム系グラフト共重合体(M−5)の製造
2−エチルヘキシルアクリレート99.5部、アリルメタクリレート0.5部を混合し、(メタ)アクリレート単量体混合物100部を得た。アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムとして、花王株式会社から市販されている登録商標ペレックスSS−Hを固形分として1部溶解した蒸留水195部に上記(メタ)アクリレート単量体混合物100部を加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備撹拌した後、ホモジナイザーにより300kg/cm2 の圧力で乳化、分散させ、(メタ)アクリレートエマルジョンを得た。この混合液をコンデンサーおよび撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、窒素置換および混合撹拌しながら加熱し50℃になった時にtert−ブチルヒドロペルオキシド0.5部を添加した後50℃に昇温し、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.26部および蒸留水5部の混合液を投入後、5時間放置し、重合を完結しアクリルゴム(a−1)成分ラテックスを得た。
得られたアクリルゴム(a−1)成分ラテックスの重合率は99.9%であった。さらに得られたラテックスにペレックスSS−Hを固形分として7.0部追加した。
上記アクリルゴム(a−1)成分ラテックスを、アリルメタクリレートを含むポリ2エチルヘキシルアクリレートの固形分量として10部となるように採取し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコにいれ、系内の蒸留水量が195部となるように追加た。この時、ペレックスSS−Hはこのラテックス中に固形分として0.8部存在することになる。次いで、アクリルゴム(a−2)成分を構成するアリルメタクリレート2.0%を含むn−ブチルアクリレート78部、およびtert−ブチルヒドロペルオキシド0.32部の混合液を仕込み10分間撹拌し、この混合液をアクリルゴム(a−1)成分粒子に浸透させた。さらに10分間攪拌した後、窒素置換を行い、系内を50℃に昇温し、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.26部および蒸留水5部の混合液を仕込みラジカル重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持し重合を完了してアクリルゴム(a−1)成分およびアクリルゴム(a−2)成分からなるポリアルキル(メタ)アクリレート系複合ゴムのラテックスを得た。
このポリアルキル(メタ)アクリレート系複合ゴムラテックスに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.06部とメチルメタクリレート12部との混合液を70℃にて15分間にわたり滴下し、その後70℃で4時間保持し、ポリアルキル(メタ)アクリレート系複合ゴムへのグラフト重合を完了した。メチルメタクリレートの重合率は、99.4%であった。得られたアクリルゴム系グラフト共重合体ラテックスを酢酸カルシウム1.5重量%の熱水200部中に滴下し、凝固、分離し洗浄した後75℃で16時間乾燥し、粉末状のアクリルゴム系グラフト共重合体(M−5)を得た。
【0028】
実施例1〜5、比較例1
ポリ乳酸系重合体としてラクティ#5400(島津製作所製,重量平均分子量約20万)を用い、これとグラフト共重合体M−1〜M−5を表1に示す割合でハンドブレンドした後、二軸押出機(池貝社製PCM−28.5)を用いて、バレル温度200℃、スクリュー回転数150rpmにて溶融混練しペレット状に賦型した後、これを用いて評価用板を作成した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリ乳酸系重合体にゴム質重合体を添加することによって、樹脂の耐衝撃性を向上させた熱可塑性樹脂組成物を提供することができ、シート・フィルム成形,発泡成形,異型成形,インジェクション成形など、さまざまな成形を容易に可能とすることが出来る。
Claims (5)
- ポリ乳酸系重合体(A)0.1〜99.9質量%と、ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られたグラフト共重合体(B)99.9〜0.1質量%とからなる熱可塑性樹脂組成物。
- グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体としてポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムとを含有するポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴムを用いたグラフト共重合体であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- グラフト共重合体(B)として、グラフト重合するビニル系単量体中にエポキシ基を有する単量体がグラフト重合されてなるグラフト重合体を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物。
- グラフト共重合(B)が、乳化重合により得られたものであって、凝析剤として金属塩化合物を用いて得られたものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 凝析剤がアルカリ土類金属塩化合物であることを特徴とする請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
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