JP6213261B2 - 脂肪族ポリエステル樹脂用衝撃強度改質剤、脂肪族ポリエステル樹脂組成物、及びその成形体 - Google Patents

脂肪族ポリエステル樹脂用衝撃強度改質剤、脂肪族ポリエステル樹脂組成物、及びその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、透明性、耐衝撃性に優れ、耐温水白化性が良好な脂肪族ポリエステル樹脂組成物とその成形体、及びこれに用いる衝撃強度改質剤に関する。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル等からなるプラスチック製品の使用量は、現在、膨大な量となっており、これらの廃棄物処理が環境問題の一つとしてクローズアップされてきている。すなわち、現状の廃棄物処理は、焼却処分や埋設処理であるが、例えば、ポリエチレン等を焼却処分すると、その燃焼カロリーが高いため、焼却炉を傷め寿命を縮める原因となる。また、ポリ塩化ビニル等を焼却処分すると、有害ガスの発生が懸念されている。
一方、プラスチック製品を埋設処理するには土地も限られている。また、自然環境中に廃棄された場合、これらプラスチックは、化学的安定性が極めて高いため、微生物などによる分解がほとんど起こらず、ほぼ半永久的に残存することになる。そのため、景観を損なう原因や、海洋生物の生活環境を汚染するなどの問題を引き起こしている。
この様な状況もあり、最近では生分解性または自然環境下で分解するプラスチックが注目されてきている。生分解性プラスチックは、土壌中や水中で、加水分解や生分解により、徐々に崩壊・分解が進行し、最終的に微生物の作用により無害な分解物となることが知られている。現在、実用化が検討されている生分解性プラスチックは、天然素材系のバイオセルロースや澱粉主体のプラスチック、脂肪族ポリエステル樹脂、変性PVA(ポリビニルアルコール)、セルロースエステル化合物、デンプン変性体、およびこれらのブレンド体に大別される。これら生分解性プラスチックの内、加工性、コスト、機械特性、耐水性等の点で比較的バランスがとれていて、様々な用途に使いやすいものとしては、脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えば、微生物産出系重合体としてポリ(ヒドロキシ酪酸/吉草酸)が知られており、合成系重合体としてポリカプロラクトンや、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの縮合体が知られており、そして、半合成系重合体としてポリ乳酸系重合体が知られている。
ポリ乳酸系重合体は、非石油系原料、さつまいも、トウモロコシなどの原料を使用して合成されていることから、石油資源を使用しない植物系由来のプラスチックとして注目されており、今まで石油系プラスチックを使用していた用途においてポリ乳酸系重合体へ置き換えの動きが盛んである。
ポリ乳酸系重合体は、その透明性を生かし、フィルムやシート用途に主に使用されている。しかしながら、ポリ乳酸系重合体単体では耐衝撃性が低いことから、従来の透明ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどの石油系汎用プラスチックを代替することは困難である。
衝撃強度の改善を目的に、ポリ乳酸系重合体に衝撃強度改質剤を添加する検討がなされている(特許文献1)。この場合、耐衝撃性は向上するが、ポリ乳酸系重合体の持つ優れた透明性は失われる。また、食品用途において要求される耐温水白化性の性能については、開示されていない。
一方、特許文献2において、イソブチルメタクリレート単位を含有するグラフト共重合体が提案されているが、当該グラフト共重合体は塩化ビニル樹脂における衝撃強度改良及び成形加工性の改良が提案されており、脂肪族ポリエステル樹脂における透明性、耐温水白化性については、何ら開示がない。
特開2003−286396号公報 特開2009−91540号公報
本発明の目的は、脂肪族ポリエステル樹脂の透明性を損なうことなく、耐衝撃性、耐温水白化性が良好な脂肪族ポリエステル樹脂組成物とその成形体、及びこれに用いる衝撃強度改質剤を提供することにある。
すなわち、本発明は、ゴム層であるコア層と、それを覆う1以上のシェル層から構成される多層構造重合体を含む衝撃強度改質剤であって、シェル層の一つである最外層が、アルキル基の炭素数2〜10のアルキル(メタ)アクリレート単位からなる、脂肪族ポリエステル樹脂用衝撃強度改質剤に関する。
さらに、本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂に上記衝撃強度改質剤を含む脂肪族ポリエステル樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を成形して得られる成形体に関する。
本発明の衝撃強度改質剤を含む脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、透明性、耐衝撃性が優れ、耐温水白化性が良好な成形体を得ることができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
なお、本発明書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
本発明の衝撃強度改質剤は、ゴム層であるコア層と、それを覆う1以上のシェル層から構成される多層構造重合体を含む。
本発明において、多層構造重合体とは、最内層(コア層)とそれを覆う1以上の層(シェル層)から構成され、いわゆるコアシェル型と呼ばれる構造を有する重合体である。
本発明において、多層構造重合体を構成する層の数は、特に限定されるものではなく、2層以上であればよく、3層以上または4層以上であってもよい。
本発明において、多層構造重合体としては、内部に少なくとも1層のゴム層を有する多層構造重合体が好ましい。
本発明において、多層構造重合体のゴム層の種類は特に限定されるものではなく、ゴム弾性を有する重合体から構成されるものであればよい。例えば、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴム、ジエン系ゴム、ウレタン系ゴム、またはエチレンプロピレン系ゴムが挙げられる。前述したゴムのうち、得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の透明性の観点から、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴムを含有するアクリル系ゴムや、ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン系ゴムが好ましい。
(アクリル系ゴム)
本発明おいて、アクリル系ゴムとは、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴムを含有するアクリル系ゴムであって、(メタ)アクリル系単量体の1種以上を単に重合させて得た(共)重合体からなるゴム、または後述する複合ゴムである。
(メタ)アクリル系単量体としては、特に制限されないが、通常、(メタ)アクリレートが使用される。その具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
アクリル系ゴムは0℃以下のガラス転移温度をもつ重合体であることが耐衝撃発現性の面で好ましいことから、(メタ)アクリル系単量体としては、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート等が好ましい。また、室温付近において結晶性を有する(メタ)アクリレート(例えば、ステアリルメタクリレート等)を用いる場合は、これを溶解する単量体と混合して使用するとよい。
アクリル系ゴムとしては、(メタ)アクリル系単量体とジエン系単量体を共重合して得られる共重合ゴムを使用することもできる。この場合の(メタ)アクリル系単量体としては、特に制限されないが、前述した(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。また、ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることができる。
アクリル系単量体とジエン系単量体の割合としては、ジエン系単量体を、共重合ゴムを構成する全単量体100質量%中45質量%以下となるように用いることが好ましい。45質量%以下であれば、透明性が損なわれない傾向がある。
アクリル系ゴムとしては、(メタ)アクリル系単量体と以下に示す他の単量体を共重合して得られる共重合ゴム、または(メタ)アクリル系単量体とジエン系単量体と以下に示す他の単量体を共重合して得られる共重合ゴムを使用することもできる。他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルエーテル等のグリシジル基を有するビニル系単量体;ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体等を用いることができる。また、これらは単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。他の単量体の使用量は、アクリル系ゴムを構成する単量体の合計を100質量%とした場合に、30質量%以下であることが好ましい。
アクリル系ゴムは、低温衝撃強度においてさらに高い物性を発現させる複合ゴムであることが好ましい。複合ゴムとは、ゴムを構成する単量体2種以上を用いて重合する際に、単に重合するのではなく、段階的に重合することにより得られるゴムのことを言う。
複合ゴムの好適な例としては、分岐側鎖をもつアルコールまたは炭素数が13以上のアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、または、ヒドロキシル基、メトキシ基またはエトキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種に由来する単位を含むアクリルゴム(AR1)成分と、n−ブチルアクリレートに由来する単位を含むアクリルゴム(AR2)成分を含む複合ゴムであり、アクリルゴム(AR1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)が、アクリルゴム(AR2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)よりも低いものが挙げられる。このような複合ゴムは、単純な共重合タイプのゴムに比べて、より高い低温耐衝撃性を付与することが可能である。
アクリルゴム(AR1)成分を構成する(メタ)アクリル酸エステルとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、トリデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ステアリルアクリレートが好ましい。
複合ゴムは、アクリルゴム(AR1)成分5〜95質量%とアクリルゴム(AR2)成分95〜5質量%とを含むことが好ましく、アクリルゴム(AR1)成分10〜90質量%とアクリルゴム(AR2)成分90〜10質量%とを含むことがより好ましく、アクリルゴム(AR1)成分10〜80質量%とアクリルゴム(AR2)成分90〜20質量%とを含むことがさらに好ましい(両成分の合計量は100質量%)。これら範囲は、共重合タイプのゴムに対する優位性の点で意義がある。
(メタ)アクリル系単量体を重合する際は、架橋剤またはグラフト交叉剤として、分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体を含むこともできる。分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体の含有量は、0.01質量%以上2質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1.5質量%以下がより好ましい。
架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、多官能メタクリル基変性シリコーンが挙げられる。グラフト交叉剤としては、例えば、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートが挙げられる。アリルメタクリレートは、架橋剤として用いることもできる。これら架橋剤およびグラフト交叉剤は、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
複合ゴムをアクリル系ゴムとして用いる場合、アクリルゴム(AR1)成分およびアクリルゴム(AR2)成分に対する架橋剤またはグラフト交叉剤の使用量は、夫々の成分に対する使用量(質量%)を基準として、(AR1)成分よりも(AR2)成分に対する使用する量の方が多いことが好ましい。
アクリル系ゴムは、0℃以下にガラス転移温度を2つ以上有してもよい。その場合には、アクリルゴム(AR1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)が、アクリルゴム(AR2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)よりも低いことが好ましい。ガラス転移温度がこのような条件を満たす場合、得られる多層構造重合体がより高い耐衝撃性を発現する。このことは、複合ゴムであることの特徴でもあり、単純な共重合体とは異なる点でもある。
ここで、アクリル系ゴムのガラス転移温度は、動的機械的特性解析装置(以下「DMA」という)によるTanδの転移点として測定される。一般に、単量体から得られた重合体は固有のガラス転移温度を持ち、単独(単一成分または複数成分のランダム共重合体)では一つの転移点が観測されるが、複数成分の混合物、あるいは複合化された重合体では、夫々に固有の転移点が観測される。例えば、2成分からなる場合、測定により2つの転移点が観測される。DMAにより測定されるTanδ曲線では、2つのピークが観測される。組成比に偏りがある場合や転移温度が近い場合には、夫々のピークが接近する場合があり、ショルダー部分を持つピークとして観測される場合があるが、単独成分の場合に見られる単純な1ピークの曲線とは異なるので判別可能である。
アクリル系ゴムを製造する際には、乳化剤または分散安定剤として、アニオン性、ノニオン性、カチオン性など、従来知られる各種の界面活性剤を使用できる。また必要に応じて、2種以上の界面活性剤を混合して用いることもできる。
(シリコーン系ゴム)
本発明に使用するシリコーン系ゴムは、ポリオルガノシロキサンゴム、またはポリオルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムを複合化したシリコーン/アクリル系複合ゴムが挙げられる。
ポリオルガノシロキサンゴムは、オルガノシロキサンおよび架橋剤(CI)を用いて乳化重合により調製することができる。オルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種の環状体が挙げられ、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。中でも、好ましく用いられるのは3〜6員環のものである。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。オルガノシロキサンの使用量は、ポリオルガノシロキサン成分中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
架橋剤(CI)としては、3官能性または4官能性のシラン系架橋剤、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。特に、4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエトキシシランが特に好ましい。架橋剤の使用量は、ポリオルガノシロキサン成分中、好ましくは0.1〜30質量%である。
ポリオルガノシロキサンゴムの製造方法としては、特に限定はされないが、乳化重合によって重合することが好ましい。
本発明に使用するシリコーン系ゴムは、透明性や耐衝撃性の観点からシリコーン/アクリル系複合ゴムであることが好ましい。
シリコーン/アクリル系複合ゴムは、ポリオルガノシロキサン成分が1〜99質量%、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分が99〜1質量%(両成分の合計量は100質量%)の範囲内にあることが好ましい。
シリコーン/アクリル系複合ゴムの製造方法としては、特に限定はされないが、乳化重合によってまずポリオルガノシロキサンのラテックスを調製し、次にポリアルキル(メタ)アクリレートゴムを構成する単量体をポリオルガノシロキサンラテックスの粒子に含浸させてからこれを重合すること方法が好ましい。
ポリオルガノシロキサン成分は、上述したオルガノシロキサンおよび架橋剤(CI)を用いて乳化重合により調製することができる。その際、さらにグラフト交叉剤(GI)を併用することもできる。
グラフト交叉剤(GI)としては、次式で表される単位を形成し得る化合物等が挙げられる。
CH=C(R)−COO−(CH −SiR (3−n)/2 (GI−1)
CH=C(R)−C−SiR (3−n)/2 (GI−2)
CH=CH−SiR (3−n)/2 (GI−3)
HS−(CH−SiR (3−n)/2 (GI−4)
(式中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、またはフェニル基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、nは0、1または2であり、pは1〜6の数を示す。)
上記式(GI−1)の単位を形成し得る(メタ)アクリロイルオキシシロキサンは、グラフト効率が高いため有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝撃性発現の点で有利である。
上記式(GI−1)の単位を形成し得る化合物としては、メタクリロイルオキシシロキサンが特に好ましい。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
上記式(GI−2)の単位を形成し得る化合物としては、p−ビニルフェニルジメトキシメチルシランが挙げられる。
上記式(GI−3)の単位を形成し得る化合物としては、ビニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
上記式(GI−4)の単位を形成し得る化合物としては、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
グラフト交叉剤の使用量は、ポリオルガノシロキサン成分中、好ましくは0〜10質量%であり、より好ましくは0.4〜5質量%である。
ポリオルガノシロキサン成分のラテックスの製造は、例えば、米国特許第2,891,920号公報、米国特許第3,294,725号公報等に記載された方法を用いることができる。本発明においては、例えば、オルガノシロキサン、架橋剤(CI)および所望によりグラフト交叉剤(GI)の混合溶液を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪断混合する方法により製造することが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸はオルガノシロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を行う際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好ましい。
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分は、アルキル(メタ)アクリレート、架橋剤(CII)およびグラフト交叉剤(GII)を用いて合成することができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート;ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレート等が挙げられ、特にn−ブチルアクリレートが好ましい。
架橋剤(CII)としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
グラフト交叉剤(GII)としては、例えば、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。アリルメタクリレートは架橋剤として用いることもできる。これら架橋剤並びにグラフト交叉剤は単独であるいは2種以上併用して用いられる。これら架橋剤およびグラフト交叉剤の合計の使用量は、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分中、好ましくは0.1〜20質量%である。
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の製造は、例えば以下のようにして行われる。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和されたポリオルガノシロキサン成分のラテックス中へ、上記アルキル(メタ)アクリレート、架橋剤(CII)およびグラフト交叉剤(GII)を添加し、ポリオルガノシロキサン粒子へ含浸させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用させて行う。重合の進行と共にポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分との複合ゴムのラテックスが得られる。
シリコーン/アクリル系複合ゴムは、トルエンにより90℃で4時間抽出して測定したゲル含量が80質量%以上であることが好ましい。
本発明においては、この複合ゴムとして、ポリオルガノシロキサンゴム成分の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返し単位を有し、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の主骨格がn−ブチルアクリレートの繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用いられる。
本発明において、多層構造重合体のシェル層の一つである最外層は、アルキル基の炭素数2〜10のアルキル(メタ)アクリレート単位からなる。
アルキル基の炭素数2〜10のアルキル(メタ)アクリレート単位としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのアルキル(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらアルキル基の炭素数2〜10のアルキル(メタ)アクリレート単位の中でも、炭素数が2〜6のアルキル基を有するアルキルメタクリレートが好ましく、炭素数が4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートがより好ましく、i−ブチルメタクリレートが更に好ましい。
炭素数が2以上であると、得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の耐温水白化性に優れる。また、炭素数が10以下であると、得られる衝撃強度改質剤の粉体取扱性に優れる。
炭素数が4であると、得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の耐温水白化性が更に優れ、i−ブチルメタクリレートであると、得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の耐衝撃性、透明性がより優れる。
アルキル基の炭素数2〜10のアルキル(メタ)アクリレート単位は、その全量を100質量%とした場合に、炭素数4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート単位を50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことが更に好ましい。
炭素数4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート単位を50質量%以上含むと、得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の耐温水白化性に優れる。
本発明において、多層構造重合体の最外層以外のシェル層は、特に限定されるものではないが、得られる多層構造重合体の粉体取扱性により、ゴム層よりもガラス転移温度が高い重合体成分が好ましく、ガラス転移温度が0℃以上である重合体成分がより好ましい。その具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等の各種の単量体を含有する重合体が挙げられる。これらの単量体は、1種を単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
これら単量体のうち、脂肪族ポリエステル樹脂との相溶性の観点から、メチルメタクリレートが好ましい。
本発明の多層構造重合体において、コアとシェルの質量比は、特に限定されるものではないが、多層構造重合体全体に対して、シェル層が1質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上、40質量%以下であることがより好ましく、さらに、15質量%以上、35質量%以下であることが特に好ましい。
シェル層の質量比が1質量%以上であると、得られる衝撃強度改質剤の脂肪族ポリエステル樹脂組成物中で分散が良好となり、50質量%以下であれば、得られる衝撃強度改質剤の衝撃強度発現性が向上する。
本発明の多層構造重合体におけるシェル層の一つである最外層の質量比は、特に限定されるものではないが、多層構造重合体全体に対して、最外層が1質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、20質量%以下であることがより好ましく、さらに、5質量%以上、15質量%以下であることが特に好ましい。
最外層の質量比が1質量%以上であると、得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の耐温水白化性が良好となり、30質量%以下であれば、得られる衝撃強度改質剤の粉体特性が優れる。
本発明の多層構造重合体の粒子径は、特に限定されるものではないが、0.01μm以上、10μm以下であることが好ましく、さらに、0.02μm以上、5μm以下であることがより好ましく、特に0.05μm以上、1μm以下であることが最も好ましい。
多層構造重合体の粒子径が0.01μm以上であると、得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の耐衝撃性が良好となり、10μm以下であれば、得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の透明性が優れる。
本発明の多層構造重合体の重合方法は、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、微細懸濁重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等の公知の重合方法が挙げられる。これらの重合方法の中でも、構造制御の観点から、乳化重合、ソープフリー乳化重合であることが好ましく、乳化重合であることがより好ましい。
多層構造重合体を乳化重合により得る場合の乳化剤は、公知の乳化剤を用いることができ、例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、高分子乳化剤、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する反応性乳化剤が挙げられる。
多層構造重合体は通常ラテックスとして得られる。このラテックスとして得られた多層構造重合体は、噴霧乾燥、または酸、塩等の凝析剤による湿式凝固により、粉体または顆粒として回収することが好ましい。ただし、官能基を含む場合には、酸による湿式凝固は好ましくない。酸を用いた場合には、官能基を失活、あるいは悪影響を及ぼす場合があるからである。また、塩類を用いた湿式凝固を行う場合は、アルカリ土類金属塩、例えば酢酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等を用いることが好ましい。アルカリ土類金属を用いれば、水分および熱による脂肪族ポリエステル樹脂の分解等の劣化を極力抑制することができる。脂肪族ポリエステル樹脂の劣化が抑制できれば、脂肪族ポリエステル樹脂組成物からなる成形体の耐湿熱性が向上する。耐湿熱性は、成形体の衝撃強度発現性に影響し、成形体のリサイクル性に大きな影響を与える。
さらに、リサイクル性を考慮した回収法としては、凝析剤用の塩類そのものを含まない噴霧乾燥法が有効である。噴霧乾燥する際には、多層構造重合体以外に、フィラー類、あるいはその他の重合体を同時に共噴霧し、両者が合わさった粉体として回収することができる。共噴霧するものの種類を選ぶことにより、粉体性状のより好ましい取り扱い性を実現することもできる。共噴霧する成分としてはカルシウム成分をはじめ、シリカ、硬質ビニル系共重合体等が挙げられる。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂としては、特に限定されるものではなく、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。具体的には、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸またはポリカプロラクトンなどが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体としては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートまたはポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエステル樹脂は、単独ないし2種以上を用いることができる。これらの脂肪族ポリエステル樹脂の中でも、ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体が好ましく、特に透明性の観点から、ポリ乳酸が好ましく使用される。
ポリ乳酸としては、ポリ乳酸若しくは乳酸と他の成分との共重合により得られる乳酸コポリマーを使用することができる。また、これらの重合体の混合物を使用することもできる。
ポリ乳酸は、従来公知の方法で合成することができる。例えば、特開平7−33861号公報、特開昭59−96123号公報、高分子討論会予稿集44巻第3198−3199頁に記載されるような乳酸からの直接脱水縮合、または乳酸環状二量体ラクチドの開環重合によって合成することができる。
直接脱水縮合を行う場合、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、またはこれらの混合物のいずれの乳酸を用いてもよい。また、開環重合を行う場合においては、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、メソ−ラクチド、またはこれらの混合物のいずれのラクチドを用いてもよい。
ラクチドの合成、精製および重合操作については、例えば、米国特許4057537号公報、公開欧州特許出願第261572号公報、PolymerBulletin,14,491〜495(1985)、およびMakromol Chem.,187,1611−1628(1986)等の様々な文献に記載されている。
ポリ乳酸におけるL−乳酸単位およびD−乳酸単位の構成モル比(L/D)は、100/0〜0/100のいずれであってもよい。L/Dは、好ましくは100/0〜60/40であり、より好ましくは100/0〜80/20である。
乳酸コポリマーは、乳酸モノマーまたはラクチドと、これらと共重合可能な他の成分とが共重合したものである。共重合可能な他の成分としては、2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させたものなどの芳香族多価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多価アルコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエーテルグリコール等が挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、その他特開平6−184417号公報に記載されているもの等が挙げられる。
ラクトンとしては、例えば、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
乳酸コポリマーの生分解性は、コポリマーにおける乳酸単位の含量により影響される。このため、乳酸コポリマー中の乳酸単位の含有量は、用いる共重合成分にもよるが、好ましくは50モル%以上であり、更に好ましくは70モル%以上とするのがよい。乳酸単位の含有量や共重合成分によって、得られる製品の機械特性や生分解性を向上させることができる。
ポリ乳酸は、特に限定されないが、結晶性のものの場合、通常は融点が60〜200℃、質量平均分子量が5万〜50万のものが好ましく用いられる。質量平均分子量は、10万〜30万のものが更に好ましく用いられる。
また、共重合体を使用する場合と同じ効果を得る目的で、ポリ乳酸と、他の脂肪族ポリエステル樹脂とを単にブレンドしてもよい。この場合において、ブレンド物に含まれるポリ乳酸の含有量等は、モル換算で50モル%以上が好ましく、更に好ましくは70モル%以上とするのがよい。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、少なくとも、本発明の衝撃強度改質剤と、脂肪族ポリエステル樹脂を含有するものである。
衝撃強度改質剤の配合量は特に制限されないが、通常、脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.5〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、3〜15質量部が特に好ましい。
衝撃強度改質剤の配合量が0.5質量部以上であると、得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の衝撃強度が良好となり、50質量部以下であれば、得られる脂肪族ポリエステル樹脂の透明性が損なわない。
また、本発明においては本発明の目的を損なわない範囲で、さらにポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、HIPS、ABS、AS、MS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等の他の熱可塑性樹脂を添加することができる。
これらの重合体の配合量は、透明性の観点から脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して10質量部以下が好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を調製する場合は、その物性を損なわない限りにおいて、脂肪族ポリエステル樹脂のコンパウンド時、混練時、成形時等の所望の段階で、従来知られる各種難燃剤、安定剤、充填剤等を添加できる。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物に使用できる難燃剤は、特に限定されないが、ハロゲン系難燃剤、リン酸系難燃剤、シリコーン系難燃剤を使用すると、耐衝撃性等を損なうことなく、高い難燃性を発現することができるので好ましい。このような難燃剤としては、例えば、ハロゲン含有化合物、リン酸系化合物、シリコーン系化合物、ハロゲン含有有機金属塩系化合物等が挙げられる。
難燃剤の具体例としては、リン酸エステル化合物、亜リン酸エステル化合物、縮合リン酸エステル化合物等のリン酸系化合物;水酸化アルミニウム;三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸アンチモン系化合物;含ハロゲンリン酸エステル化合物、含ハロゲン縮合リン酸エステル化合物、塩素化パラフィン、臭素化芳香族トリアジン、臭素化フェニルアルキルエーテル等の臭素化芳香族化合物等のハロゲン含有化合物;スルフォンあるいは硫酸塩系化合物;エポキシ系反応型難燃剤;等が挙げられる。
難燃剤の配合量は、透明性の観点から、脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して10質量部以下が好ましい。
安定剤としては、金属系安定剤およびその他の安定剤が挙げられる。
金属系安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、ケイ酸鉛等の鉛系安定剤;カリウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、鉛等の金属と、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、ベヘン酸等の脂肪酸から誘導される金属石けん系安定剤;アルキル基、エステル基等と、脂肪酸塩、マレイン酸塩、含硫化物等とから誘導される有機スズ系安定剤;Ba−Zn系、Ca−Zn系、Ba−Ca−Sn系、Ca−Mg−Sn系、Ca−Zn−Sn系、Pb−Sn系、Pb−Ba−Ca系等の複合金属石けん系安定剤;バリウム、亜鉛等の金属と、2−エチルヘキサン酸、イソデカン酸、トリアルキル酢酸等の分岐脂肪酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸、ナフテン酸等の脂肪環族酸、石炭酸、安息香酸、サリチル酸、それらの置換誘導体などの芳香族酸といった通常二種以上の有機酸とから誘導される金属塩系安定剤;これら安定剤を石油系炭化水素、アルコール、グリセリン誘導体等の有機溶剤に溶解し、さらに亜リン酸エステル、エポキシ化合物、発色防止剤、透明性改良剤、光安定剤、酸化防止剤、プレートアウト防止剤、滑剤等の安定化助剤を配合してなる金属塩液状安定剤等が挙げられる。
その他の安定剤としては、エポキシ樹脂、エポキシ化大豆油、エポキシ化植物油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステルなどのエポキシ化合物;リンがアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシル基等で置換され、かつプロピレングリコール等の2価アルコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA等の芳香族化合物を有する有機亜リン酸エステル;2,4−ジ−t−ブチル−3−ヒドロキシトルエン(BHT)や硫黄やメチレン基等で二量体化したビスフェノール等のヒンダードフェノール、サリチル酸エステル、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミンまたはニッケル錯塩の光安定剤;カーボンブラック、ルチル型酸化チタン等の紫外線遮蔽剤;トリメロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール等の多価アルコール、β−アミノクロトン酸エステル、2−フェニルインドール、ジフェニルチオ尿素、ジシアンジアミドなどの含窒素化合物;ジアルキルチオジプロピオン酸エステルなどの含硫黄化合物;アセト酢酸エステル、デヒドロ酢酸、β−ジケトンなどのケト化合物;有機珪素化合物;ほう酸エステル;などが挙げられる。これら安定剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
安定剤の使用量は、透明性の観点から、脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して5質量部以下が好ましい。
充填剤としては、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム等の炭酸塩;酸化チタン、クレー、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブラック、グラファイト、ガラスビーズ、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維等の無機質系の充填剤;ポリアミド等の有機繊維、シリコーン等の有機質系の充填剤;木粉等の天然有機物;などが挙げられる。特に、グラスファイバーやカーボンファイバー等の繊維状補強材を含む繊維強化樹脂組成物は、非常に有用である。
充填剤の使用量は、透明性の観点から、脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して5質量部以下が好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物には、その他、加工助剤、可塑剤、滑剤、耐熱向上剤、離型剤、結晶核剤、流動性改良剤、着色剤、帯電防止剤、導電性付与剤、界面活性剤、防曇剤、発泡剤、抗菌剤等を添加することができる。
加工助剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等が挙げられる。
加工助剤の使用量は、透明性の観点から、脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して15質量部以下が好ましい。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレート、トリオクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート等の芳香族多塩基酸のアルキルエステル;ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジシオノニルアジペート、ジブチルアゼレート、ジオクチルアゼレート、ジイソノニルアゼレート等の脂肪酸多塩基酸のアルキルエステル;トリクレジルフォスフェート等のリン酸エステル;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等の多価カルボン酸と、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等の多価アルコールとの分子量600〜8,000程度の重縮合体の末端を、一価アルコールまたは一価カルボン酸で封止した化合物等のポリエステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化トール油脂肪酸−2−エチルヘキシル等のエポキシ系可塑剤;塩素化パラフィン等が挙げられる。
可塑剤の使用量は、透明性の観点から、脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して30質量部以下が好ましい。
滑剤としては、例えば、流動パラフィン、低分子量ポリエチレン等の純炭化水素、ハロゲン化炭化水素、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸、脂肪酸アミド、グリセリド等の脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコールエステル(エステルワックス)、金属石けん、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、脂肪酸とポリグリコール、ポリグリセロールの部分エステル等のエステル、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等が挙げられる。
滑剤の使用量は、透明性の観点から、脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して5質量部以下が好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を製造する方法は、特に制限されない。従来より知られる各種の混合方法を使用でき、通常は、溶融混合法が好ましい。また、必要に応じて少量の溶剤を使用してもよい。混合に使用する装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等が挙げられる。これら装置は、回分的または連続的に運転すればよい。成分の混合順は特に限定されない。
本発明の成形体は、前述した脂肪族ポリエステル樹脂組成物を成形することにより得られる。成型方法は、特に限定されず、公知の成型方法のなかから本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物に適した方法を選択すればよい。例えば、押出機、射出成型機、ブロー成型機、インフレーション成型機、カレンダー成型機等の各種成型機を用いて成型する方法を挙げることができる。これらの内、特に高い透明性を付与する観点からは、押出機、射出成型機、ブロー成型機、カレンダー成型機により成形することが好ましい。
このようにして得られた成形体は、例えば、包装材、建材、自動車、玩具、文房具などの雑貨、さらには自動車部品、OA機器、家電機器などに利用できるが、その高い透明性、耐衝撃性、耐温水白化性を有していることから、特に包装材として好ましく用いられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を示す。
(1)ペレットの作製
φ30mm、L/D=28の同方向二軸押出機を用い、バレル設定温度200℃、スクリュー回転数150rpmにて、脂肪族ポリエステル樹脂、及び多層構造重合体を溶融混練し、脂肪族ポリエステル樹脂組成物のペレットを得た。
(2)フィルム成形体の作製
脂肪族ポリエステル樹脂組成物のペレットを用い、φ30mm、L/D=25の単軸押出機にフラットダイ(T型ダイ)を取り付けて、バレル設定温度200℃、スクリュー回転数:30rpmでフィルム成形を行い、厚み:0.3mm、幅:10cmのフィルム成形体を得た。
(3)透明性
得られたフィルム成形体を用い、JIS K7105に準拠して、全光線透過率を評価した。
(4)デュポン衝撃強度(面衝撃強度)
得られたフィルム成形体を用い、ASTM D2794−64に準拠して、23℃にて行なった。錘は200g及び500gから各フィルム成形体の耐衝撃性に応じた適当な錘を選択して使用した。試験のn数は20であり、50%破壊高さを測定し、使用した錘とから衝撃エネルギーを算出した。
(5)耐温水白化性
得られたフィルム成形体を、脱イオン水に浸漬して50℃で2時間保持した後に取り出し、温度23℃、湿度50%RHで12時間放置後、透明性(全光線透過率)を測定した。浸漬試験前後での全光線透過率の差により、耐温水白化性を評価した。
実施例における略称は以下の通りである。
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート、
AMA:アリルメタクリレート、
NBA:n−ブチルアクリレート、
MMA:メチルメタアクリレート、
iBMA:i−ブチルメタクリレート、
nBMA:n−ブチルメタクリレート
OTSi:オクタメチルシクロテトラシロキサン、
MPSi:γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、
TESi:テトラエトキシシラン、
PSSL:アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム塩(花王社製、ペレ
ックスSSL)、
BBSNa:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
DBSH:ドデシルベンゼンスルホン酸、
TBHP:t−ブチルハイドロパーオキサイド(日本触媒社製、パーブチルH)、
FE:硫酸第一鉄、
EDTA:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、
RON:ロンガリット。
(実施例1)
多層構造重合重合体(A)の製造:
下記原料混合物(a−1)をホモミキサーにて10000rpmで5分間予備分散した後、ゴーリンホモジナイザーにより20MPaの圧力で乳化、分散させ、2EHAプレエマルションを調製した。
(原料混合物(a−1))
2EHA:99.5部、
AMA:0.5部、
PSSL:2部(固形分換算)、
蒸留水:195部。
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、前記2EHAプレエマルションを投入し、TBHP:0.5部を投入した後、窒素置換および混合撹拌を行いながらフラスコ内の温度を50℃に昇温した。
FE:0.002部、EDTA:0.006部、RON:0.26部および蒸留水5部の混合液をフラスコ内に投入した。5時間放置し、重合を完了し、2EHA単位を主成分とするゴム(A1)ラテックスを得た。
ついで、前記セパラブルフラスコとは別の、撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた第2の5口フラスコに、前記ゴム(A1)ラテックスを固形分換算で20部となるように投入し、PSSLを固形分として0.7部投入し、さらに蒸留水155部を投入した。ついで、下記原料混合物(a−2)を投入した。
(原料混合物(a−2))
NBA:59部、
AMA:1部、
TBHP:0.24部。
フラスコ内を10分間撹拌し、原料混合物(a−2)をゴム(A1)の粒子に含浸させた。さらにフラスコ内を10分間攪拌した後、フラスコ内の窒素置換を行い、フラスコ内の温度を50℃に昇温し、FE:0.002部、EDTA:0.006部、RON:0.26部および蒸留水5部の混合液をフラスコ内に投入し、ラジカル重合を開始させた。フラスコ内の温度を70℃で2時間保持し、重合を完了して、2EHA単位を主成分とするゴムとNBA単位を主成分とするゴムとのアクリル系複合ゴム(A2)ラテックスを得た。
ついで、アクリル系複合ゴム(A2)ラテックスに、下記原料混合物(a−3)を、フラスコ内の温度を70℃に保ったまま30分間かけて滴下した。
(原料混合物(a−3))
MMA:10部、
TBHP:0.05部。
滴下終了後、フラスコ内の温度を70℃で1時間保持し、さらに、下記原料混合物(a−4)を、フラスコ内の温度を70℃に保ったまま30分間かけて滴下した。
(原料混合物(a−4))
iBMA:10部、
TBHP:0.05部。
滴下終了後、フラスコ内の温度を70℃で4時間保持し、多層構造重合体(A)ラテックスを得た。
得られた多層構造重合体(A)ラテックスを、7.5%酢酸カルシウム水溶液500質量部により凝析させ、90℃で熱処理固化した。その後凝固物を温水で洗浄し、さらに乾燥して粉末状の多層構造重合体(A)を得た。
(実施例2)
多層構造重合重合体(B)の製造:
原料混合物(a−4)のiBMA:10部をnBMA:10部に変更した以外は実施例1と同様の方法にて、粉末状の多層構造重合体(B)を得た。
(実施例3)
多層構造重合重合体(C)の製造:
下記原料混合物(c−1)をホモミキサーにて10000rpmで5分間予備分散した後、ゴーリンホモジナイザーにより20MPaの圧力で乳化、分散させ、シロキサンプレエマルションを調製した。
(原料混合物(c−1))
OTSi:97.5部、
MPSi:0.5部、
TESi:2部、
DBSH:0.67部
DBSNa:0.67部
蒸留水:195部。
得られたシロキサンプレエマルションを、温度計、冷却管及び撹拌装置を備えたセパラブルフラスコに投入し、混合撹拌しながら80℃で5時間加熱した後、20℃で放置した。48時間後に水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスをpH7.4に中和して重合を終了させ、ポリオルガノシロキサンゴム(C1)ラテックスを得た。
ついで、前記セパラブルフラスコとは別の、撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた第2の5口フラスコに、前記ポリオルガノシロキサンゴム(C1)ラテックスを固形分換算で10部となるように投入し、DBSNaを固形分として0.4部投入し、さらに蒸留水120部を投入した。ついで、下記原料混合物(c−2)を投入した。
(原料混合物(c−2))
NBA:69部、
AMA:1部、
TBHP:0.3部。
フラスコ内を10分間撹拌し、原料混合物(c−2)をポリオルガノシロキサンゴム(C1)の粒子に含浸させた。さらにフラスコ内を10分間攪拌した後、フラスコ内の窒素置換を行い、フラスコ内の温度を70℃に昇温し、FE:0.002部、EDTA:0.006部、RON:0.26部および蒸留水5部の混合液をフラスコ内に投入し、ラジカル重合を開始させた。フラスコ内の温度を70℃で2時間保持し、重合を完了して、シリコーン/アクリル系複合ゴム(C2)ラテックスを得た。
ついで、シリコーン/アクリル系複合ゴム(C2)ラテックスに、下記原料混合物(c−3)を、フラスコ内の温度を70℃に保ったまま30分間かけて滴下した。
(原料混合物(c−3))
MMA:10部、
TBHP:0.05部。
滴下終了後、フラスコ内の温度を70℃で1時間保持し、さらに、下記原料混合物(c−4)を、フラスコ内の温度を70℃に保ったまま30分間かけて滴下した。
(原料混合物(c−4))
iBMA:10部、
TBHP:0.05部。
滴下終了後、フラスコ内の温度を70℃で4時間保持し、多層構造重合体(C)ラテックスを得た。
得られた多層構造重合体(C)ラテックスを、7.5%酢酸カルシウム水溶液500質量部により凝析させ、90℃で熱処理固化した。その後凝固物を温水で洗浄し、さらに乾燥して粉末状の多層構造重合体(C)を得た。
(比較例1)
多層構造重合重合体(D)の製造:
原料混合物(a−3)を下記原料混合物(d−3)に変更し、原料混合物(a−4)を添加しないこと以外は実施例1と同様の方法にて、粉末状の多層構造重合体(D)を得た。
(原料混合物(d−3))
MMA:20部、
TBHP:0.1部。
(実施例4−6、比較例2及び参考例)
脂肪族ポリエステル樹脂として、ポリ乳酸(浙江海正社製 REVODE110、質量平均分子量:10万)を、衝撃強度改質剤として、実施例1〜3及び比較例1にて作製した多層構造体を用いて、表2の配合にてフィルム成形体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。なお、衝撃強度改質剤を含まないフィルム成形体を参考例とした。
表2から明らかなように、本発明の衝撃強度改質剤を含む脂肪族ポリエステル樹脂組成部を用いた実施例4〜6において、フィルムの耐衝撃性、透明性は優れ、さらに温水試験後の透明性も良好なことから、耐温水白化性も優れていた。一方、最外層が炭素数2〜10のアルキル(メタ)アクリルレート単位からなっていない衝撃強度改質剤を用いた比較例2では、透明性は優れるものの、衝撃強度は低位であり、また、温水試験後の透明性が低く、耐温水白化性に劣った。
本発明の衝撃強度改質剤を含む脂肪族ポリエステル樹脂組成物によれば、高い透明性、耐衝撃性、耐温水白化性を有する成形品を得ることができる。よって本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を、従来の使用されていた透明ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどの石油系汎用プラスチックの代替品として用いることができ、包装材、建材、自動車、玩具、文房具などの雑貨、さらには自動車部品、OA機器、家電機器などの用途に広く利用することができる。

Claims (5)

  1. ゴム層であるコア層と、それを覆う1以上のシェル層から構成される多層構造重合体を含む衝撃強度改質剤であって、シェル層の一つである最外層が、i−ブチルメタクリレート単位を50質量%以上含む(シェル層の一つである最外層の合計量を100質量%とする)、脂肪族ポリエステル樹脂用衝撃強度改質剤。
  2. 前記ゴム層であるコア層が、ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン系ゴムまたはポリアルキル(メタ)アクリレートゴムを含有するアクリル系ゴムである、請求項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂用衝撃強度改質剤。
  3. 脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対して、請求項1または2に記載の脂肪族ポリエステル樹脂用衝撃強度改質剤を0.5〜50質量部含む、脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記脂肪族ポリエステル樹脂がポリ乳酸である、請求項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  5. 請求項またはに記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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