JP2011208123A - 導電性樹脂組成物、及びその成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、導電性繊維の添加量が少なくても高い導電性を発現する導電性樹脂組成物、及びその成形体を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、熱可塑性樹脂、及び熱可塑性エラストマー樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂100重量部と、体積平均粒子径が50nm〜1000nmの架橋コアシェル微粒子10〜1000重量部と、個数平均繊維径が1nm〜50nm、かつ、個数平均繊維長が0.02μm〜10μmの導電性繊維0.1〜10重量部とを含む導電性樹脂組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性繊維の添加量が少なくても高い導電性を発現する導電性樹脂組成物、及び優れた成形加工性、材料物性を示す成形体に関する。
導電性繊維を配合して導電性を付与した導電性樹脂組成物は、静電気からの保護を必要とする電子部品の包装や、静電塗装プロセス、電磁波吸収体などに用いられている。
樹脂に導電性繊維を配合した組成物は既に多くの検討例があり、工業的にも幅広く使用されている。しかしながら、導電性繊維の分散方法や、組成物の電気抵抗値には未だ改善の余地があり、更なる技術向上が求められている。
特開2003−261688号公報 WO2008/078849号公報 特開2006−97005号公報 US2004144963号公報 特開2009−74072号公報 特開2006−282843号公報 特開2009−13323号公報 US2006100368号公報 特許文献WO98/039250公報
例えば、特許文献1には、海島構造を利用してカーボンナノチューブを分散させた導電材料について記載されている。ここでは熱可塑性樹脂に他の熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマーを混合し、その相分離構造を利用してカーボンナノチューブの分散構造を形成させて導電性を発現させているが、この方法では熱可塑性エラストマーが共有結合によって架橋していないため、熱可塑性エラストマーによって形成される島部の分散径が加工条件に強く依存し、その構造を制御することは困難である。そのため、得られた成形体に所望の物理特性や導電特性あるいは電磁波吸収特性を安定して発現させることが難しいという問題があり、また、得られた成形体の電気抵抗値は10E+5Ω/sq程度であり、高い導電レベルを達成していない。
特許文献2にはカーボンナノチューブを配合した導電性樹脂が成形時に発生する樹脂配向に伴ってカーボンナノチューブ同志が接触度を低下することを金属酸化物の添加によって防止している。しかし、この方法では金属酸化物を使用することにより樹脂材料の利点である軽量性や柔軟性が損なわれる。また、得られた成形体の電気抵抗値は10E+5Ω/sq程度であり、高い導電レベルを達成していない。
特許文献3には、カーボンナノチューブを配合した樹脂組成物について記載されている。しかしながら樹脂へのカーボンナノチューブ配合量が非常に高いために成形体が剛直になり、高い導電性は達成できるものの、樹脂本来の柔軟性や衝撃吸収特性を損なう課題がある。
特許文献4には、ガラス転移温度の低いゴム状ポリマーを配合することによって耐衝撃性や柔軟性を維持する手法が記載されている。ゴム状ポリマーの一例としてコアシェル微粒子も挙げられており、組成としてシェルにはスチレンが含まれないのが目的を達成するのに好ましいと記載されている。
特許文献5では少量のカーボンナノチューブを用いて高い導電性を達成しているが、高温下でのプレス成形で加熱養生することを要しており、選定できる加工機の種類が限定されることから、工業的に応用できる用途範囲が小さくなる課題がある。
特許文献6にはカーボンナノチューブと樹脂を非常に高いせん断を与えて混練することによって、樹脂中へカーボンナノチューブを分散させる導電性樹脂の作成方法について記載されている。高いせん断速度はカーボンナノチューブを分散するのに効果的である一方で、カーボンナノチューブ繊維の切断が起りやすく、得られた成形体の導電性が低下する結果となる。また、非常に高いせん断を与える加工機は特殊機である場合が多く、工業生産に耐え得る設備の取得や建造が煩雑になることが通常である。また生産性の高い大型加工機で非常に高いせん断速度を与えるような加工を行えば、運転に伴う騒音やエネルギー消費は大きくなり問題である。
特許文献7には2種の熱可塑性樹脂とカーボンナノチューブを高速せん断条件下で加工し、2種の樹脂で形成された相分離構造を利用し、カーボンナノチューブ分散構造を形成して導電性材料を成形することが記載されている。しかしながら、樹脂の相分離構造はせん断速度や温度などの加工条件によって変化し、安定して同じミクロ相分離構造を得ることは難しく、これがカーボンナノチューブの分散度が影響及ぼす結果、成形体の電気抵抗値、熱伝導性、電磁波吸収特性を制御することが困難であるのが課題である。
特許文献8には、熱可塑性樹脂と架橋性ゴムの反応押出により形成される海島構造を利用してカーボンナノチューブの分散と成形体物性の両立を図ろうとしている。この場合も、架橋ゴムの分散径は反応押出条件に強く依存し、所望の設計通りにカーボンナノチューブの分散構造を形成させることは難しい。
上述の背景技術の記載から明らかなように、従来の導電性繊維含有樹脂の成形においては、導電性繊維が絡み合って、樹脂中で偏在すること等に起因する導電性繊維の分散性の低さから、分散促進のために強烈な加工条件や特殊な加工機械が必要であり、その低い分散性のために高価な導電性繊維の添加部数を多くせざるを得ない、という問題があった。
また、高い導電性、設計された電磁波吸収特性を発現する樹脂成形体を得ることを目的として、所望の導電性繊維ネットワーク構造を成形体中に形成させるために、2成分以上の樹脂混合系を用いて、導電性繊維とそれぞれの樹脂成分との親和性及び、加工時のせん断で生成する溶融樹脂の相分離構造を利用する方法もあるが、このような加工せん断によって設計どおりの導電性繊維ネットワークを安定して形成するのは困難であった。
本発明はこれらの問題を解決し、導電性繊維が安定して高分散化可能な組成物とすることで、その添加部数が少なくても低抵抗な成形体となる導電性樹脂組成物および成形体を提供することを目的としている。
本発明者らは、樹脂成分の分散相と連続相の海−島構造のミクロ相分離形態を適切に設定することで、導電性繊維成分の含有量が少ない場合でも、低抵抗な成形体となる導電性樹脂組成物が得られると考え鋭意検討を重ねた。その結果、特定の架橋コアシェル微粒子を特定の重量比率で含む樹脂に特定の形状の導電性繊維を特定量添加することで、導電性繊維を高分散化可能な組成物とすることが可能であり、その結果、その添加部数が少なくても低抵抗な成形体となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、熱可塑性樹脂、及び熱可塑性エラストマー樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂100重量部と、体積平均粒子径が50nm〜1000nmの架橋コアシェル微粒子10〜1000重量部と、個数平均繊維径が1nm〜50nm、かつ、個数平均繊維長が0.02μm〜10μmの導電性繊維0.1〜10重量部とを含む導電性樹脂組成物に関する。
このような本発明の樹脂組成物は、前記架橋コアシェル微粒子の存在により、熱成形加工時に樹脂と導電性繊維が十分に混練されて導電性繊維の分散性が向上し、また、前記架橋コアシェル微粒子から導電性繊維が排除されること(以下、排除体積効果という。)で、導電性パスが形成されやすくなるので、少ない導電性繊維の添加量であって抵抗が下がった成形体となる。さらには、前記架橋コアシェル微粒子の存在が、押出成形やカレンダー成形、インジェクション成形等の樹脂加工時において、溶融樹脂の流動方向へ生じる配向を低減することによって、形成された導電性繊維のネットワークが崩壊するのを抑制し、高い導電性を発現する成形体の製造が可能となった。
好ましい実施態様は、前記架橋コアシェル型微粒子を、ガラス転移温度が0℃未満のゴム重合体からなるコア層と、シェル重合体からなるシェル層からなる架橋コアシェル微粒子とすることである。工業生産時における重合体の回収しやすさと造粒性の観点からは、前記シェル重合体をガラス転移温度が0℃以上の硬質重合体とすることが好ましい。
好ましい実施様態は、前記架橋コアシェル微粒子が、コア層40〜90重量部と、シェル層60〜10重量部からなることである。
好ましい実施様態は、前記架橋コアシェル微粒子が(メタ)アクリル酸エステル0〜100重量%、芳香族ビニル単量体0〜80重量%、ならびに(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体0〜20重量%からなる単量体混合物を重合したものよりなることである。
好ましい実施様態は、前記架橋コアシェル微粒子のコア層がブタジエン系ゴムまたはブタジエン−スチレン共重合ゴムからなり、シェル層が(メタ)アクリル酸エステル50〜100重量%、芳香族ビニル単量体0〜30%、ならびに(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体0〜20重量%からなる単量体混合物を重合したものよりなることである。
好ましい実施様態は、前記架橋コアシェル微粒子のコア層が、(メタ)アクリル酸エステル50〜99重量%、芳香族ビニル単量体1〜50重量%、ならびに(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体0〜10重量%からなり、シェル層が2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの混合物を重合してなることである。
好ましい実施様態は、前記架橋コアシェル微粒子のコア層が、ブタジエン系単量体50〜99重量%、芳香族ビニル単量体1〜50重量%、ならびにブタジエン系単量体および芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体0〜10重量%からなり、シェル層が2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの混合物を重合してなることである。
好ましい実施態様は、前記導電性繊維を気相成長炭素繊維とすることである。
好ましい実施様態は、前記導電性繊維をカーボンナノチューブとすることである。
好ましい実施態様は、前記カーボンナノチューブを、その平均繊維径が1〜50nm、かつ、その平均繊維長が0.02μm〜5μmとすることである。
好ましい実施様態は、前記熱可塑性樹脂を(メタ)アクリル系樹脂とすることである。
また本発明は、本発明の導電性樹脂組成物を成形してなる成形体に関する。
好ましい実施態様は、前記成形体を押出成形してなる成形体とすることである。
好ましい実施態様は、前記成形体をカレンダー成形してなる成形体とすることである。
好ましい実施態様は、前記成形体をプレス成形してなる成形体とすることである。
好ましい実施様態は、成形体内に、50〜1000nmの直径を有する架橋コアシェル微粒子、もしくはその凝集体、またはそれら両者が分散し、透過型電子顕微鏡でこの成形体断面の画像を撮ると、(1)架橋コアシェル微粒子若しくはその凝集体の画像化された面積が、画像化した断面の全面積の10〜70%を形成する成形体にすることである。
また本発明は、本発明の成形体からなる導電性材料に関する。
また本発明は、本発明の成形体からなる電磁波吸収性材料に関する。
また本発明は、本発明の平面状の成形体を2つを使用し、2つの成形体平面を誘電層を挟んで平行に層構造を形成させてなるコンデンサに関する。
本発明の実施例3に係るサンプルの電磁波吸収性能の周波数特性曲線図である。 本発明の実施例11に係るサンプル断面の透過型電子顕微鏡観察写真である。
(導電性樹脂組成物)
本発明の導電性樹脂組成物は、樹脂に導電性繊維、及び架橋コアシェル微粒子を配合してなる導電性に優れた樹脂組成物であって、この本発明に係る優れた導電性は、本発明に係る架橋コアシェル微粒子の存在により、熱成形加工時に十分に混合されるので導電性繊維の分散性が向上し、また、前記排除体積効果により導電性パスが形成されやすくなるため生じると考えられる。即ち、本発明に係る樹脂成分の海の中で、本発明の成形体中で島構造を形成している本発明に係る架橋コアシェル微粒子が立体障害となり、また、架橋コアシェル微粒子と導電性繊維の化学的相互作用により導電性繊維の分散を促進することで、本発明に係る導電性繊維のネットワーク形成を促すためであると考えられる。このような立体障害や化学的相互作用を利用したネットワーク形成は、本発明に係る導電性繊維の繊維径と長さが、架橋コアシェル微粒子の粒子径や化学組成や添加量に適合した場合に発現するものと考えられる。
本発明の導電性樹脂組成物は、本発明に係る樹脂100重量部、本発明に係る体積平均粒子径が50nm〜1000nmの架橋コアシェル微粒子10〜1000重量部、及び本発明に係る個数平均繊維径が1nm〜50nm、かつ、個数平均繊維長が0.02μm〜10μmの導電性繊維0.1〜10重量部を含む組成物である。本発明に係る導電性を十分に確保する観点から、前記樹脂100重量部に対して、前記架橋コアシェル微粒子は10〜300重量部とすることが好ましく、より好ましくは15〜150重量部で、更に好ましくは20〜80重量部である、前記導電性繊維は0.5〜8重量部とすることが好ましく、より好ましくは1〜6重量部である。
(成形体、又は硬化物)
本発明の導電性樹脂組成物は、導電性に優れる材料なので、その成形体は静電塗装用自動車外層部材、電力ケーブル被覆材、プリント回路、IC用導電性接着剤、電着塗装下地、エレクトロニクス部品包装材料、複写機ロール、クリーンルーム床材、磁気テープ、弱電用部品(ギア、プーリー、検査支持体)、燃料タンク、電熱性ヒーター、導電性合成繊維、等の用途に好適に使用される。
本発明に係る樹脂を熱可塑性樹脂とした場合には、成形加工性に優れるので、既知の熱可塑性樹脂の成形方法、たとえば射出成形法、押出し成形法等により、自動車部品、電気・電子部品、雑貨、フィルム等に成形され得る。特に、本発明の組成物を導電性ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂とした場合には、その成形体はハードディスク材料やICチップ等の電子機器部品包材として好適である。
このような本発明の成形品は、導電性に優れるだけでなく、電磁波吸収及びシールド特性を持ち、特にGHz領域の電磁波を吸収する特徴を有するので、例えば携帯電話などの移動通信媒体から発信される電磁波を遮蔽する目的や、放送受信アンテナや送信ケーブルが情報を送受信する際にノイズとなる電磁波を反射、吸収、遮断して円滑な通信を実現するためのノイズ対策部品(EMC対策部品)として好適に使用される。このようなEMC対策部品としては、例えばEMC対策シート及びフィルム、EMC対策ケーブル、更には電磁波が遮蔽された空間を形成するのに好適であり、車両用部材、家電製品部材、情報通信機器部材、電子機器筐体部材、電子機器内部部材、電波暗室用建材や部材、シールドルーム用建材や部材、情報通信ケーブル、自動料金収受システム、自動車衝突防止レーダー、RFID通信改善、レーダー偽造防止、テレビゴースト防止用途などに好適に使用される。
本発明の成形品は高い導電性を有するので、例えばシート状に加工した2枚を、誘電層を介して平行に組み合わせることでコンデンサとして機能する。このように樹脂を利用して作製したコンデンサは金属やセラミックと比較して軽く、コンデンサの軽量化が可能である。これによりコンデンサが使用される電子機器、電子回路を軽量化できる。
また、本発明の導電性樹脂組成物は汎用加工機により成形が可能であり、大面積のシートを得ることもできるので、例えば建材や車両部材として使用することによって、電磁波がシールドされた空間を提供することも可能である。汎用の樹脂成形機によって大型の成形体あるいは複雑な形状を持った成形体を得ることが可能であることから、得られる成形体の形状や大きさの組み合わせは多岐にわたり、それ故、応用可能な用途の範囲が広いことは容易に考えられる。
(樹脂)
本発明に係る樹脂は、上記立体障害起因配列に係る海島構造において、海部を構成する材料であって、本発明に係る架橋コアシェル微粒子、及び導電性繊維が分散できる樹脂であれば使用可能であるが、好ましくは熱可塑性樹脂、及び熱可塑性エラストマー樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂であり、成形加工性の観点からより好ましくは熱可塑性樹脂である。
前記熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂が使用でき、成形性を容易にする観点から、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)に代表されるアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂(PC)、ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)に代表されるポリオレフィン系樹脂、生分解性を有することから環境負荷軽減が期待できるポリ乳酸(PLA)等のポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)や、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系樹脂(ABS)、アクリロニトリルスチレンアクリレート共重合体系樹脂(ASA)、アクリロニトリル−スチレン共重合体系樹脂(AS)が好ましく用いられ、また、これらのポリマーアロイ、特にPC/ABS、PC/PLA、PC/PBT、PPE/PSも好ましく用いられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、安定した導電性と易加工性、成形品の強度と耐久性を併せ持つ成形体が必要とされる静電防止用部材や静電塗装用部材、電磁波吸収部材に本発明の組成物を適用する場合には、PMMA、PC、PVC、及びPE、PP、PSt、Ny、PBT、ABS、からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、その中でもエレクトロニクス部品包装材料、電磁波吸収シートとして適用する場合にはアクリル系樹脂、及びPC、ABS、PVCからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、特に好ましくはメチルメタクリレートとその他共重合可能な(メタ)アクリルエステルの共重合体である。ポリメチルメタクリレートは硬質ポリマーであるが、例えばブチルアクリレートのような低Tgのモノマーを共重合することによって、用途に合わせてポリマーの硬さを調整することができる。
前記熱可塑性エラストマー樹脂としては、天然ゴム、あるいはブチルアクリレートゴム、エチルアクリレートゴム、オクチルアクリレートゴムなどのアクリルゴム、ブタジエン−アクリロニトリル系共重合体などのニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、メチルメタクリレート−ブチルアクリレートブロック共重合体、スチレン−イソブチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、水添エチレン−ブタジエン共重合体(EPDM)、ポリウレタン、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム(ミラブル型、室温加硫型など)、ブチルゴム、フッ素ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどの合成ゴムが挙げられる。
本発明に係る樹脂を製造する重合方法に制限はないが、ラジカル重合が好適である。ラジカル重合は、懸濁重合、塊状重合、乳化重合、溶液重合、など公知の方法により行うことができる。
本発明に用いられる樹脂の分子量に特に制限は無く、公知の方法で合成可能なものを使用することができるが、大きすぎる場合には汎用的な樹脂加工方法による成形加工が難しく、小さすぎる場合は得られた成形体が実用に耐える物理特性を維持できないので、適切な分子量のものを選択するのが好ましい。
(導電性繊維)
本発明に係る導電性繊維は、本発明に係る前記立体障害起因配列を十分に発現させる観点から、個数平均繊維径が1nm〜50nmであることを要し、好ましくは3nm〜30nm、より好ましくは5nm〜20nmであり、個数平均繊維長が0.02μm〜10μmであることを要し、好ましくは0.05μm〜5μm、より好ましくは0.1μm〜3μmである。
このような本発明で用いる導電性繊維としては、本発明に係る微粒子との相互作用により低含量でも高い導電性を示すことから、炭素繊維や金属繊維、導電性のコーティングを備えた非導電性繊維からなる群から選ばれる1種以上が好ましく例示できるが、より好ましくは炭素繊維であり、気相成長炭素繊維が好ましく、特に好ましくはその中でもカーボンナノチューブである。
(カーボンナノチューブ)
カーボンナノチューブにはその構造によって数多くの種類が存在し、例えば特許文献9には公知技術文献が多数引用されている。本発明で使用されるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブのいずれかに限ったものではない。さらに、カーボンナノチューブに金属又は他の無機物や有機物を含むもの、カーボンナノチューブ内に炭素又は他の物質が充填されたもの、カーボンナノチューブがコイル状(螺旋状)又はフィブリル状のもの、その他いわゆるナノファイバーも用いることができる。また、カーボンナノチューブの直径と長さも限定されるものではないが、工業的に入手しやすく導電性が高い、マルチウォールタイプでアスペクト比が大きいものが好適に使用される。
(架橋コアシェル微粒子)
本発明に係る架橋コアシェル微粒子は、上記立体障害起因配列に係る海島構造において、島部を構成する材料であって、本発明に係る樹脂に分散する架橋コアシェル微粒子であれば使用可能であり、前記立体障害起因配列を十分に発現させる観点から、樹脂中に分散した時の、体積平均粒子径が50nm〜1000nmであることを要する。架橋コアシェル微粒子の粒子径分布は立体障害起因配列設計の観点からは狭い方が好ましいが、粒子径分布は広くても高い導電性樹脂組成物を得ることができる。
このような本発明に係る架橋コアシェル微粒子は、島部を形成せしめる観点から架橋ポリマー層を、より好ましくは架橋ゴムコア層として含み、架橋コアシェル微粒子自体が架橋ポリマー層だけで構成されている場合、即ち、重合体微粒子の100重量%が架橋ポリマー層である場合を含めて、架橋ポリマー層は本発明に係る架橋コアシェル微粒子の主たる構成要素であり、前記樹脂中に独立分散した際の粒子径を規定して、設計された海島構造を造成して導電性繊維を海側へ偏在させる排除体積効果発現を有し、効率良く導電経路を形成するための構造設計を担う。有効な排除体積効果を発現するための架橋コアシェル微粒子の粒子径は同時に用いる導電性繊維の径と長さにもよるが、少なくとも導電性繊維径より大きいことが必要で、コア層の構造保持の観点から架橋ポリマー層の比率は40重量%〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは50重量%〜90重量%である。また、成形体の耐衝撃性を向上せしめる観点から、前記架橋コアシェル微粒子1個の内部に1個の粒子状の架橋ポリマー層を、ガラス転移温度が0℃未満の架橋ゴム重合体からなる架橋ゴムコア層として含むことが好ましく、樹脂の種類に応じて架橋ゴムコア層の最適な体積平均粒子径を設定することができる。前記導電経路形成及び耐衝撃性付与の観点から、好ましい架橋コアシェル微粒子の体積平均粒子径は50〜700nmであり、より好ましくは80〜350nmである。
本発明に係る架橋コアシェル微粒子は、排除体積効果を奏して導電経路を効率良く形成するために、樹脂に対して最適な配合量を有する。配合量が少ない場合は樹脂中において導電性繊維を排除する立体障害としての存在意義を持たず、配合量が多すぎる場合には架橋コアシェル微粒子の粒子間距離が小さくなり、導電性繊維が粒子間に入り込めずに導電パスの形成を妨げ、却って導電性を低下させる結果となる。また、架橋コアシェル微粒子は成形加工中に加工補助効果を奏して導電経路を効率良く形成する効果も持つ。すなわち、導電経路は成形加工中に溶融樹脂に分散した導電性繊維が形成するネットワーク構造そのものであるが、加工方法によっては加工機から溶融樹脂を離型する際にかかる応力によって溶融樹脂が延伸した結果、樹脂分子鎖が配向する場合がある。樹脂の分子鎖が配向すると同時に導電性繊維も同方向に配向するため、形成されていた導電性繊維のネットワークが壊れることが常である。このために期待される導電性が発現しないケースがある。架橋コアシェル微粒子はそれ自体が塑性変形しない構造体であるために、離型の際に延伸による樹脂配向が起りにくい。つまり、樹脂中に分散した架橋コアシェル微粒子が形成する海島構造及び海部に分散した導電性繊維のネットワーク構造を、保持する効果がある。例えば、押出成形やカレンダー成形によってシートやフィルム状の成形体を得る場合、成形機下流から出てきた溶融樹脂が引取り機によって離型される際の応力で伸張し、樹脂分子鎖が配向する。架橋コアシェル微粒子が適切な量配合されていれば十分な樹脂溶融張力が得られるために、離型時の応力に抗して溶融樹脂の形状が保持され、樹脂分子鎖配向の発生を低減させることが可能で、これにより導電性発現に好ましい、導電性繊維のネットワーク構造を維持することができる。架橋コアシェル微粒子を樹脂に添加すると溶融粘弾性が増大し、メルトフローが低下するので、樹脂成形加工の観点からは通常は好ましくないが、本発明における導電性発現の観点からは、架橋コアシェル粒子が付与する溶融粘弾性の増大が、意外にも加工中に補助効果を奏していることが見出されたことは特筆に価する。これらのような、排除体積効果、加工中の補助効果を得るために前記樹脂100重量部に対して、添加されるべき架橋コアシェル微粒子の量は10〜1000重量部であることを要し、好ましくは10〜300重量部、更に好ましくは15〜150重量部、最も好ましくは30〜60重量部である。
(シェル層)
前記排除体積効果や加工性補助効果を得るためには架橋コアシェル微粒子が樹脂中に分散することが必須である。本発明に係るシェル層は、前記樹脂中において樹脂との界面を構成する成分であり、架橋コアシェル微粒子の分散性を司っている。本発明に係るシェル層は、シェル成分を重合してなるシェル重合体からなり、架橋コアシェル微粒子の分散性を向上させる効果が奏されるものであれば特に限定されない。例えば、ビニル基を有するビニルモノマーをラジカル重合したビニル重合体や、オレフィン化合物を重合したポリオレフィン類、シロキサン化合物を縮合重合したシリコーン重合体、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル類、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリエーテル類等が好ましく例示される。この内、前記ビニル重合体を用いた場合には、後述のコア層へ容易にグラフト重合することが可能であるので好ましい。シェル層は、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの混合物を重合してなるものであることが好ましい。
コア層にシェル層をグラフト重合させた架橋コアシェル微粒子において、シェル層は微粒子の最外層を形成するので、上記の通り樹脂との界面を構成する成分となる。それ故、シェル層の化学組成を本発明に係る樹脂との相溶性を考慮して設計することは重要である。更に、本発明においては前記樹脂中に導電性繊維が存在しており、シェル層と導電性繊維の親和性が本発明に係る樹脂組成物の成形体の導電特性にも影響を及ぼすことは容易に想像される。架橋コアシェル微粒子の分散性を向上させるための、シェル層化学組成については既に多くの技術検討がなされているが、それらの中でも導電性樹脂組成物に配合される場合の設計方法が特許文献8に例示されており、スチレン単量体の量が少ない方が好ましいと記載されている。特許文献8でシェル層構成成分としてのスチレンについて特に言及している理由は明確でないが、コアシェル微粒子の分散性あるいはシェル層と導電性繊維の親和性を考慮しての設計例であると考えられる。
(コア層)
本発明に係る架橋コアシェル微粒子は、本発明の前記立体障害効果及び導電性繊維高分散化効果が奏されるものであれば特に限定されず、例えば、架橋ゴム状重合体、架橋硬質重合体等が好ましく例示される。コア層として前記架橋ゴム状重合体を用いた場合には、耐衝撃性向上効果を成形体に付与できるので特に好ましい。このような架橋ゴム状重合体は、耐衝撃性向上効果の観点から、好ましくはTgが0℃以下の架橋ゴム状重合体であり、ジエン系ゴム重合体、アクリル系ゴム重合体、オルガノシロキサン系ゴム重合体、オレフィン化合物を重合したポリオレフィン系ゴム類、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル類、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリエーテル類が例示され、特に水系における架橋ポリマー分散体を得やすいという観点からジエン系ゴム重合体、アクリル系ゴム重合体、及びオルガノシロキサン系ゴム重合体がより好ましく、水系における重合の容易さの観点から、特に好ましくは、アクリル系ゴム重合体である。
このような架橋構造の導入方法としては、特に限定されるものではなく、一般的に用いられる手法を採用することができる。例えば、モノマーを重合して上述の、ジエン系ゴム重合体や、アクリル系ゴム重合体等を重合する際に、その主成分となるジエン系モノマーや、アクリルモノマーに多官能性モノマーやメルカプト基含有化合物等の架橋性モノマーを添加し、次いで重合する方法等が挙げられる。また、オルガノシロキサン系ゴム重合体に架橋構造を導入する方法としては、重合時に多官能性のアルコキシシラン化合物を一部併用する方法や、ビニル反応性基、メルカプト基等の反応性基をポリシロキサン系ポリマーに導入し、その後ビニル重合性のモノマーあるいは有機過酸化物等を添加してラジカル反応させる方法、あるいは、ポリシロキサン系ポリマーに多官能ビニル化合物やメルカプト基含有化合物等の架橋性モノマーを添加し、次いで重合する方法等が挙げられる。
前記の通り、架橋コアシェル微粒子が成形体の耐衝撃性を向上させることを目的として添加されることは公知の技術である。コア層は衝撃エネルギーを吸収することを目的として設計され、シェル層は樹脂との相溶性や、樹脂へ添加される滑剤やフィラー、その他の添加剤との親和性を考慮して設計されるのが通常である。しかしながら、意外にも、本発明においてはコア層の組成が導電性繊維の分散性をコントロールするのに重要な役割を担っていた。即ち、コア層に芳香族ビニル単量体を添加することは、ポリマーのTgを高くするため耐衝撃性付与の観点からは不利であるが、カーボンナノチューブの分散性向上には効果が認められた。例えばスチレンのような、カーボンナノチューブと高い親和性を持つ芳香族ビニル単量体を、樹脂へ添加されるカーボンナノチューブとの相互作用を期待するならば、シェル層の構成成分として使用するのが普通であるが、本発明においてはコア層に芳香族ビニル単量体を使用することによって更に導電性の高い成形体を得られることがわかった。
(その他の添加剤)
本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応じて、各種の酸化防止剤や着色剤や難燃剤や導電性界面活性剤を添加することができる。また、本発明の樹脂組成物には発泡剤を添加して発泡成形に供することも可能である。
(樹脂組成物の加工方法)
本発明の導電性樹脂組成物を成形加工する方法としては、押出成形機、カレンダー成形機、射出成形機、プレス成形機など、一般的に樹脂加工に使用される溶融混練装置を用いることができる。溶融混練装置に原料を供給する方法としては、樹脂、架橋重合微粒子、導電性繊維等の原料を個別に直接供給する方法、全ての原料を予め混合した後に一括して供給する方法、ヘンシェルミキサーなどの高速ミキサーを用いて原料を均一にブレンドした後に供給する方法、押出機などでペレット化した後に供給する方法などのいずれも用いることができる。操作性および安定した導電性発現の点から、ヘンシェルミキサー等のミキサーによって予め全ての原料を混合して均一にブレンドした混合物を押出機で、例えば、グラニュールやペレット状に成形してから、供給する方法が好ましい。また、均一なブレンド体を得るために、全ての原料は粉体であることが好ましい。
カーボンナノチューブに例示される、かさ密度の低い導電性繊維を使用する場合は、押出機を用いて成形する際に、安定した導電性発現や導電性繊維の切断を防止する観点から、重量フィーダーを用いて導電性繊維を供給することもできる。
押出成形はシリンダーサイズ、スクリュー形状、ダイス出口及び成形体引取り機の形状や構成の組み合わせ数が多く、このため成形時の樹脂滞留時間や樹脂圧力、温度などの加工パラメーターの設定範囲が広く、加工対象となる樹脂の種類や成形体の形状やサイズの実現可能範囲が広い特徴がある。特にダイス出口の形状と引取り機種類の組み合わせによって、繊維、ストランド、ペレット、板、フィルム、発泡体など得られる成形体の形状は多岐にわたり、それ故、得られた導電性成形体、電磁波吸収性成形体の実用途範囲は大きくなる。本発明においては、粉体原料である樹脂と架橋コアシェル微粒子、及び導電性繊維とその他配合剤を溶融混練してペレット化する目的でも好適に使用される。
カレンダー成形は均一な厚みを有する面積の大きなシート、フィルムを連続的に高い生産性で製造できる方法で、本発明の導電性樹脂組成物をカレンダー加工によって成形すれば、大面積で導電性あるいは電磁波吸収性を持った樹脂シート、フィルムを製造することができる。カレンダー成形においてはカレンダーロールから成形された溶融樹脂を離型する時に、応力を加えてシート、フィルムを引き取るのが通常であるが、この応力によって溶融樹脂が延伸し、樹脂を構成する分子鎖が配向する結果として導電性繊維のネットワークが崩壊し、期待の導電性が発現しないケースがある。適切な配合量の架橋重合体微粒子はこのような溶融樹脂の延伸を低減し、成形体の導電性発現に寄与する。
プレス成形は組み合わせた金型を介して圧力及び熱を加え、所望の形状に成形する加工方法で、本発明の樹脂組成物あるいはその成形体を供することができる。成形加工時間、温度、圧力を任意に設定することができるが、静的加工であることが特徴で、成形加工時間を他の成形方法に比べて比較的長めに設定でき、樹脂のTgより高い温度で長時間保持すれば樹脂配向が生じている成形体の配向を緩和する効果(アニール効果)も期待できる。一般的には、加工時のせん断に起因して、成形体に樹脂配向が発生して導電性繊維のネットワークが崩壊するために、期待される導電性が発現しない場合がある。このような成形体はプレス成形により配向を緩和することにより導電性繊維の配列が本来有する導電性が発現する。なお、プレス成形のみならず、他の静的熱成形でアニール効果を持つ成形方法は同様の効果を期待できる。
(コンデンサ)
本発明の導電性樹脂組成物より製造された導電シート、導電フィルムは高い導電性を有するので、2枚を平行に配置してその間に誘電層を挟むことにより、コンデンサとして機能する。誘電層としては種々の物質を用いることができ、例えば、合成樹脂に代表される工業的に入手可能な有機材料、あるいは金属酸化物に代表される無機材料が挙げられる。一例として本発明の導電性樹脂組成物より導電性繊維を配合しない非導電性シートを誘電層に用いることができ、この場合2枚の導電性シートの間に誘電層となる非導電性シートを挟んだ3層の構造体となるが、同種樹脂であるため層間の接着性が良くプレス成形により簡単にコンデンサ機能を有する構造体を製造することができる。
(成形体内部のミクロ構造観察)
前記のように海島構造を持った架橋コアシェル微粒子と導電性繊維が分散した成形体内部のミクロ構造は、適切な顕微鏡を用いて成形体断面を平坦な面に画像化して確認することができる。即ち、画像化した成形体内部の架橋コアシェル微粒子の画像面積が、画像化した成形体断面の全面積の10〜70%を構成し、かつ粒子の体積平均粒子径が50〜1000nmであり、海部に存在する導電性繊維の長さが0.02〜10μmである。
成形体断面の観察は、約10nm以下の分解能を有する顕微鏡を用いて簡便に測定される。このために透過型電子顕微鏡(TEM)は好適な手段である。TEM観察により作製される成形体断面には50個又はそれ以上の分散した架橋コアシェル微粒子を画像化するのに十分な面積を持たなければならず、約10〜100平方μm又はそれ以上の画像面積があれば十分である。観察用試料の厚さは約100nmである。本発明に係る樹脂と架橋コアシェル微粒子のコントラスト差を得るために、例えば四酸化ルテニウムや四酸化オスミウムで試料を染色して観察に供することができる。架橋コアシェル粒子が占める面積の算出には、画像解析ソフトWin ROOF Ver5.7(三谷商事株式会社製)を使用した。
つぎに具体的な実施例に基づいて本発明を説明するが、これらはいずれも例示的なものであり、本発明の内容を限定するものではない。
(実施例1〜4、及び比較例1)
以下の材料を、表1に示す重量部数で混合した混合物を、バレル径44mmの2軸押出機(日本製鋼所社製TEX44)を用いて、シリンダー温度165〜205℃、ダイス温度200℃で直径約3mmの棒状に溶融押出し、裁断してペレット化した。
上記で得たペレットを用いて、加熱ロールを2本組み合わせたカレンダー成形機を用いて、ロール温度195℃で3分間混練りすることにより、厚み0.7mmのシートを作成して、シート表面の体積固有抵抗値を測定した。体積固有抵抗値は三菱化学社製のLoresta−GP(登録商標)を用い、4探針法により測定した。作成したシートのカレンダーロール軸方向に対して中央付近を、樹脂流れ方向及び樹脂流れ方向に対して垂直な方向についてそれぞれ5箇所ずつ測定し、その平均値を体積固有抵抗値(Ω・cm)とした。 結果は表1に記載した。
さらに、上記で得たカレンダー成形シートを適当な枚数重ね、170℃、5MPaで15分間プレス成形し、厚み約1.5mmのプレス板を作成し表面の体積固有抵抗値を上記同様の方法で測定した。結果は表1に記載した。
更に実施例3のプレス板を幅30mm、長さ60mmの形状に切削し、幅方向に対して中央に長さ方向に銅箔テープ(長さ60mm)を貼ってストリップラインを作成し、ストリップラインの両端をネットワークアナライザー(Anritsu社製 37247D)の出力、入力ポートにそれぞれ接続し、電磁波吸収特性を評価した。成形体の電磁波吸収について評価するためには、入力した電磁波を反射させること無くストリップラインへ入射させる必要がある。反射特性は、信号源のインピーダンスとストリップラインの特性インピーダンスの整合状態によって決まるので、ネットワークアナライザーの信号源のインピーダンスである50Ωに整合させるべく銅箔テープの幅を調整し、出力ケーブル及び入力ケーブルとストリップラインで構成された回路のインピーダンスを整合させ、最も反射が治まるようなライン幅を採用して測定を行った。0.25〜20GHzの周波数に対するストリップライン上の電波吸収を、反射ロスと透過ロスを差し引いた値として測定し、成形体の電磁波吸収特性とした。図1は、前記測定によって得られた周波数特性曲線である。3〜15GHzの範囲で電磁波吸収値が極小となる値(%)を電磁波吸収特性とした。
架橋コアシェル微粒子として、中心からメチルメタクリレート(MMA)/アリルメタクリレート(ALMA)=24.8/0.05(値は、単量体混合比率かつコアシェル型微粒子全体を100とした際の重量%を示している。以下同様。)からなる体積平均粒子径が140nmのシード層、ブチルアクリレート(BA)/スチレン(ST)/アリルメタクリレート(ALMA)=43/10/0.15からなるガラス転移温度が0℃未満の(−20℃)体積平均粒子径が210nmの架橋ゴムコア層、及びMMA/BA=17.6/4.4からなるガラス転移温度が0℃以上(60℃)の硬質重合体からなるシェル層を有する体積平均粒子径が230nmの架橋コアシェル微粒子1の重合体ラテックスを乳化重合により合成し、塩析、乾燥により造粒回収した平均2次粒子径が100〜200μmの架橋コアシェル微粒子の粉末を用いた。
コアシェル微粒子被覆懸濁重合粒子として、MMA/BAの重量比が90/10の単量体の懸濁重合体の粒子100重量部(重量平均分子量=約60000Da、この重合体は熱可塑性樹脂1でもある)が、上記架橋コアシェル微粒子1が10重量部で被覆されてなる、造粒回収後の平均2次粒子径が100〜200μmのコアシェル型微粒子被覆懸濁重合粒子の粉末を用いた。
熱可塑性樹脂2として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂ペレット、住友化学社製スミペックスLG21(重量平均分子量=約65000Da)を用いた。
熱可塑性樹脂3として、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂粉末、プライムポリマー社製Hizex7000FP(重量平均分子量=約250000Da)を用いた。
樹脂加工用配合剤として、酸化ポリエチレン、ステアリン酸カルシウムを用いた。
導電性繊維として、昭和電工社製カーボンナノチューブVGCF−X、繊維径15nm、繊維長3μm、ならびにNanocyl社製カーボンナノチューブNC−7000、繊維径9.5nm、繊維長1.5μmを用いた。
実施例1と比較例1の比較から、コアシェル型微粒子が導電性発現に効果を示していることがわかる。
実施例2と実施例3の比較から、熱可塑性樹脂3の有無が導電性発現に影響していることがわかり、熱可塑性樹脂の選択も導電性発現に影響することがわかる。
実施例2と実施例4の比較から、コアシェル型微粒子の配合量によって導電性レベルを調整することが可能であることがわかる。
実施例3から、本発明の成形体が優れた電磁波吸収特性を発現していることがわかる。
図1に示されたように、実施例3の成形体は3〜15GHzの電磁波を95%以上吸収しており、優れた電磁波吸収性能を持つことが明らかである。
実施例5〜12、15
コアシェル型微粒子被覆懸濁重合粒子粉末と架橋コアシェル微粒子、カーボンナノチューブを表2に記載された量用いた以外は、実施例1と同様にして成形体を得た。実施例11、12においては、2軸押出機を用いて作製したペレットをインジェクション成形(三菱重工業社製160msp、シリンダー温度220度、金型温度40度、冷却時間25秒)に供し、幅30mm、長さ60mm、厚み2.0mmの成形体を得て、実施例1と同様の方法で得られた成形体の体積固有抵抗値を測定した。
実施例13
コアシェル型微粒子として、ブタジエン=75からなるガラス転移温度が0℃以下(−78℃)の架橋ゴムコア層、及びMMA/BA=20/5からなるガラス転移温度が0℃以上(55℃)の硬質重合体からなるシェル層を有する体積平均粒子径が230nmの架橋コアシェル粒子の重合体ラテックスを乳化重合により合成し、塩析、乾燥により造粒回収した平均2次粒子径が100〜200μmの架橋コアシェル型微粒子の粉末を用いた。それ以外は表2に示した原料を用いて実施例1と同様に実験を行った。また、実施例11と同様のインジェクション成形を実施した。
実施例14
コアシェル型微粒子として、BA/ALMA=79.8/0.2からなるガラス転移温度が0℃以下(−54℃)の架橋ゴムコア層、及びMMA/BA=19/1からなるガラス転移温度が0℃以上(92℃)の硬質重合体からなるシェル層を有する体積平均粒子径が220nmの架橋コアシェル型微粒子の重合体ラテックスを乳化重合により合成し、塩析、乾燥により造粒回収した平均2次粒子径が100〜200μmの架橋コアシェル型微粒子の粉末を用いた。それ以外は表2に示した原料を用いて実施例1と同様に実験を行った。
実施例5〜8の比較から、架橋コアシェル微粒子の配合量が導電性発現に影響を与えることがわかる。
実施例7および8の如く配合量が多い場合には架橋コアシェル微粒子間距離が狭く、カーボンナノチューブの樹脂への広がりが抑制され、導電性を低めにコントロールできることがわかる。
実施例5では配合量が少ないために立体障害起因配列の形成が不十分となり、また、加工時に十分な溶融粘弾性が付与されなかったことでカレンダー成形離型時に延伸して樹脂分子鎖が配向した結果、カーボンナノチューブのネットワーク構造が壊れ、導電性が低くなることがわかる。プレス成形に供することにより配向が緩和されて同時に導電性は向上することがわかる。
実施例6と実施例9の比較、ならびに実施例10〜12の比較より、カーボンナノチューブの添加量を多くすると導電性は高くなることがわかる。
実施例14と比較例1の比較より、架橋コアシェル微粒子が導電性発現に効果を示していることがわかる。
実施例6と実施例14の比較、ならびに実施例12と実施例13の比較より、架橋コアシェル微粒子のコアにスチレンが共重合されることによって、成形体の導電性が向上することがわかる。
更に、実施例11のカレンダー成形後の成形体について、透過型電子顕微鏡により成形体断面を観察した。透過型電子顕微鏡写真を、図2に示す。
架橋コアシェル微粒子が樹脂中に分散して海島構造を取っていることに加えて、カーボンナノチューブが海部を構成する熱可塑性樹脂中に、凝集することなく単繊維にまで分散している様子が観察でき、架橋コアシェル微粒子が排除体積効果を奏していることは明白である。実施例5、11、12、13の成形体について画像化した全面積に対する島部の面積比率を画像解析により求めた。画像解析は3視野について行い、解析結果はそれぞれで得られた数値の平均値を採用した。結果を表2に示す。
実施例3、6、9、11、12、13で得られた成形体について、実施例3と同様の方法で測定した電磁波吸収特性の値を、試験に供した成形体を作製するのに用いた加工方法と併せて表3に示す。
表3に示された結果から、本発明で得られた導電性樹脂組成物の成形体は優れた電磁波吸収特性を持つことが明白である。

Claims (18)

  1. 熱可塑性樹脂、及び熱可塑性エラストマー樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂100重量部と、体積平均粒子径が50nm〜1000nmの架橋コアシェル微粒子10〜1000重量部と、個数平均繊維径が1nm〜50nm、かつ、個数平均繊維長が0.02μm〜10μmの導電性繊維0.1〜10重量部とを含む導電性樹脂組成物。
  2. 前記架橋コアシェル微粒子が、ガラス転移温度が0℃未満の架橋ゴム重合体からなる架橋ゴムコア層と、シェル重合体からなるシェル層からなる請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  3. 前記架橋コアシェル微粒子が、コア層40〜90重量部と、シェル層60〜10重量部からなる、請求項1または2に記載の導電性樹脂組成物。
  4. 前記架橋コアシェル微粒子が(メタ)アクリル酸エステル0〜100重量%、芳香族ビニル単量体0〜80重量%、ならびに(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体0〜20重量%からなる単量体混合物を重合してなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物。
  5. 前記架橋コアシェル微粒子のコア層がブタジエン系ゴムまたはブタジエン−スチレン共重合ゴムからなり、シェル層が(メタ)アクリル酸エステル50〜100重量%、芳香族ビニル単量体0〜30%、ならびに(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体0〜20重量%からなる単量体混合物を重合してなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物。
  6. 前記架橋コアシェル微粒子のコア層が、(メタ)アクリル酸エステル50〜99重量%、芳香族ビニル単量体1〜50重量%、ならびに(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体0~10重量%からなり、シェル層が2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの混合物を重合してなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物。
  7. 前記架橋コアシェル微粒子のコア層が、ブタジエン系単量体50〜99重量%、芳香族ビニル単量体1〜50重量%、ならびにブタジエン系単量体および芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体0〜10重量%からなり、シェル層が2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの混合物を重合してなる、請求項1、3、5のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物。
  8. 前記導電性繊維が気相成長炭素繊維である請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物。
  9. 前記導電性繊維がカーボンナノチューブである請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物。
  10. 前記カーボンナノチューブの平均繊維径が5〜50nmかつ平均繊維長が0.05〜5μmである請求項9に記載の導電性樹脂組成物。
  11. 前記熱可塑性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂である請求項1〜10のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物を成形してなる成形体。
  13. 請求項12の成形体であって、押出成形により得られたことを特徴とする成形体。
  14. 請求項12の成形体であって、カレンダー成形により得られたことを特徴とする成形体。
  15. 成形体内に、50〜1000nmの直径を有する架橋コアシェル微粒子が分散し、透過型電子顕微鏡でこの成形体断面の画像を撮ると、(1)架橋コアシェル微粒子若しくはその凝集体の画像化された面積が、画像化した断面の全面積の10〜70%を形成している、請求項9に記載の成形体。
  16. 請求項12〜15のいずれか一項に記載の成形体からなる導電性材料。
  17. 請求項12〜15のいずれか一項に記載の成形体からなる電磁波吸収性材料。
  18. 請求項12〜15のいずれか一項に記載の平面状の成形体2つを使用し、2つの成形体平面を誘電層を挟んで平行に層構造を形成させてなるコンデンサ。
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