JP2004280887A - 薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ及びハードディスク装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ及びハードディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子や磁気抵抗効果素子と、記録媒体と、の間隔をより微少にすることのできる薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、及びハードディスク装置の提供。
【解決手段】比抵抗の低いヒータ層80aと比抵抗の高いキャップ層80bとを含むヒータ部材80を設け、その上に導電性の電極膜120を形成し、その上にめっきにより導電性のバンプ84a,84bを形成し、バンプ84a,84bをマスクとして不要な電極膜120を除去する。ヒータ部材80が発熱し薄膜磁気ヘッド10が熱膨張するので、磁気抵抗効果素子40や電磁変換素子60と、記録媒体2と、の距離が低減される。また、電極膜120の除去時にはヒータ部材80のうちの比抵抗の高いキャップ層80bの一部が電極膜120とともに除去され、ヒータ部材80全体の抵抗値のバラツキが低減される。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ及びハードディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
書込用の電磁変換素子や再生用の磁気抵抗効果素子が設けられた薄膜磁気ヘッドは、ハードディスク装置への記録再生時に、記録媒体であるハードディスクから浮上するように構成されている。具体的には、薄膜磁気ヘッドをジンバルに搭載し、該ジンバルを可撓性のサスペンションアームの先端部に取り付けることでヘッドジンバルアセンブリ(HGA)を構成する。そして、ハードディスクの回転に伴う空気流が薄膜磁気ヘッドの下方に流れることでサスペンションアームが撓み、該ヘッドが浮上する。
【0003】
そして、ハードディスクの高密度化に伴い、薄膜磁気ヘッドとハードディスクとの空隙すなわちヘッド浮上量は、20nmから15nm、更には10nmと極限まで小さくなってきている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−20635号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さらなる高密度化のためには、薄膜磁気ヘッドの電磁変換素子や磁気抵抗効果素子と、記録媒体と、の間の距離を従来よりも微少な状態にすることが求められている。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、薄膜磁気ヘッドの電磁変換素子や磁気抵抗効果素子と、記録媒体と、の間隔をより微少にすることのできる薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、及びハードディスク装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を進めた結果、通電により発熱するヒータ部材を薄膜磁気ヘッドに設け、ヒータ部材を発熱させて薄膜磁気ヘッドを熱膨張させることにより、磁気抵抗効果素子や電磁変換素子と、これら磁気抵抗効果素子や電磁変換素子と対向する記録媒体と、の距離を低減させることができることを見出した。
【0008】
そして、このようなヒータ部材を備える薄膜磁気ヘッドを製造する場合、ヒータ部材に加えて、ヒータ部材と外部の電源入力端子とを電気的に接続するためのバンプを形成する必要がある。このとき、ヒータ部材上に電極膜を設け、この電極膜の一部の上にめっきによりバンプを形成した後、バンプをマスクとして電極膜の残りを除去すると、電極膜の直下のヒータ部材が削れてしまいヒータ部材の抵抗がばらつく場合がある。しかしながら、ヒータ部材の構成を、比抵抗の小さいヒータ層及びその上に設けられヒータ層よりも比抵抗の大きなキャップ層を有するものとすることにより、電極膜の除去によるヒータ層の抵抗のバラツキが低減されることを見出して本発明に想到した。
【0009】
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法は、所定の比抵抗のヒータ層及び上記ヒータ層上に設けられ上記ヒータ層よりも比抵抗が高いキャップ層を有するヒータ部材を形成するヒータ部材形成工程と、上記ヒータ部材上に導電性の電極膜を形成する電極膜形成工程と、上記電極膜の一部の上に上記電極膜を電極とするめっきにより導電性のバンプを形成するバンプ形成工程と、上記バンプをマスクとして上記電極膜の残りを除去する電極膜除去工程と、を含む。
【0010】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、薄膜磁気ヘッドにヒータ部材が形成され、薄膜ヘッドの使用時にこのヒータ部材に通電されることによりヒータ部材が発熱し、薄膜磁気ヘッドが熱膨張するので、薄膜磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子や電磁変換素子と、記録媒体と、の距離が低減される。
【0011】
また、ヒータ部材は、比抵抗の低いヒータ層と、ヒータ層上に形成されたヒータ層よりも比抵抗の高いキャップ層とを有しており、ヒータ部材上に形成された電極膜を除去する工程ではヒータ層よりも上側のキャップ層の一部が電極膜とともに除去されることとなる。そして、このようなヒータ層とキャップ層とにより構成される並列回路を有するヒータ部材全体の抵抗において、比抵抗の大きなキャップ層の寄与は、比抵抗の小さいヒータ層の寄与に比べて小さい。このため、キャップ層が上記の電極膜の除去の際に削られてキャップ層の厚みが各薄膜磁気ヘッド毎にばらついても、ヒータ部材全体のシート抵抗値のバラツキは、キャップ層を設けないでヒータ層が削られてヒータ層の厚みがばらつく場合に比して低減される。このため、各薄膜磁気ヘッドにおいてヒータ部材における発熱を好適に制御できる。
【0012】
ここで、上記ヒータ部材形成工程において、上記ヒータ層が表面に露出した露出部を有するように上記ヒータ部材を形成し、上記電極膜形成工程において、上記電極膜を上記キャップ層と上記ヒータ層の露出部とにわたって形成し、上記バンプ形成工程において、上記電極膜で上記ヒータ層の露出部と接触している部分の上に、上記バンプを形成することが好ましい。
【0013】
これによれば、ヒータ層に比して比抵抗の高いキャップ層を介することなくバンプとヒータ層とが電気的に接続されるので、ヒータに好適に電流を流すことができる。
【0014】
また、上記キャップ層の比抵抗は、上記ヒータ層の比抵抗の4倍以上であることが好ましい。
【0015】
これによれば、ヒータのシート抵抗のバラツキを2%以下にすることができる。
【0016】
また、上記ヒータ層の材料として、Cu,Au,Ni,Co,Ta,W,Mo,Rh及びこれらの合金を例示できる。
【0017】
また、上記キャップ層の材料として、Ta,Ti,Pt,Ru,Rh,Hf,Cr,Ni,Co,W,Mo,Rh及びこれらの合金を例示できる。
【0018】
また、上記ヒータ形成工程において、上記ヒータ層及び上記キャップ層の少なくとも一方をスパッタリングにより形成することが好ましい。
【0019】
これによれば、特に比較的薄いヒータを好適に形成できる。
【0020】
本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、所定形状の通電路を形成する所定の比抵抗のヒータ層と、上記ヒータ層の一方の主表面の内の一の部分と対向するように配置され上記ヒータ層と電気的に接続された導電性の電極膜部材と、上記ヒータ層の上記一方の主表面の内の他の部分上に上記通電路の形状に沿うように設けられ上記ヒータ層よりも高い比抵抗のキャップ層と、上記電極膜部材上にめっきにより設けられた導電性のバンプと、を備える。
【0021】
本発明の薄膜磁気ヘッドによれば、薄膜ヘッドの使用時に、ヒータ層やギャップ層を含むヒータ部材に通電がなされることによりヒータ部材が発熱し、薄膜磁気ヘッドが熱膨張するので、薄膜磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子や電磁変換素子と、記録媒体と、の距離が低減される。また、比抵抗の小さなヒータ層と比抵抗の大きなキャップ層とによる並列回路が構成され、ヒータ部材全体の抵抗においては、比抵抗の大きなキャップ層の寄与は、比抵抗の小さいヒータ層の寄与に比べて小さい。このため、バンプをマスクとしてヒータ部材上に形成された電極膜を除去して電極膜部材を形成する製造過程でキャップ層が所定の厚み除去されキャップ層の厚みが各薄膜磁気ヘッド毎にばらついた場合でも、キャップ層を設けないでヒータ層の厚みがばらつく場合に比して、ヒータ部材の抵抗値のバラツキが低減される。
【0022】
上記薄膜磁気ヘッドにおいて、上記電極膜部材は、上記ヒータ層の上記一の部分上に積層されていることが好ましい。
【0023】
これによれば、ヒータ層に比して比抵抗の高いキャップ層等を介することなくバンプとヒータ層とが電気的に接続されるので、ヒータ層に好適に電流を流すことができる。
【0024】
また、上記キャップ層の比抵抗は、上記ヒータ層の比抵抗の4倍以上であることが好ましい。
【0025】
これによれば、ヒータのシート抵抗のバラツキを2%以下にすることができる。
【0026】
また、上記ヒータ層としては、Cu,Au,Ni,Co,Ta,W,Mo,Rh及びこれらの合金を例示でき、上記キャップ層としてはは、Ta,Ti,Pt,Ru,Rh,Hf,Cr,Ni,Co,W,Mo,Rh及びこれらの合金を例示できる。
【0027】
本発明に係るヘッドジンバルアセンブリは、基台と、上記基台上に形成された薄膜磁気ヘッドと、上記基台を固定するジンバルと、を備え、上記薄膜磁気ヘッドは、所定形状の通電路を形成する所定の比抵抗のヒータ層と、上記ヒータ層の一方の主表面の一の部分と対向するように配置され上記ヒータ層と電気的に接続された導電性の電極膜部材と、上記ヒータ層の上記一方の主表面の他の部分上に上記通電路の形状に沿うように設けられ上記ヒータ層よりも高い比抵抗のキャップ層と、上記電極膜部材上にめっきにより設けられた導電性のバンプと、を備える。
【0028】
本発明に係るハードディスク装置は、基台と、上記基台上に形成された薄膜磁気ヘッドと、上記薄膜磁気ヘッドと対向する記録媒体と、を備え、上記薄膜磁気ヘッドは、所定形状の通電路を形成する所定の比抵抗のヒータ層と、上記ヒータ層の一方の主表面の一の部分と対向するように配置され上記ヒータ層と電気的に接続された導電性の電極膜部材と、上記ヒータ層の上記一方の主表面の他の部分上に上記通電路の形状に沿うように設けられ上記ヒータ層よりも高い比抵抗のキャップ層と、上記電極膜部材上にめっきにより設けられた導電性のバンプと、を備える。
【0029】
このような、ヘッドジンバルアセンブリやハードディスク装置は、上述の薄膜磁気ヘッドを備えることにより、同様に薄膜磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子や電磁変換素子と、記録媒体と、の距離が低減され、また、ヒータの抵抗値のバラツキが低減される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0031】
図1は、本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドを備えたハードディスク装置を示す図である。ハードディスク装置1は、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA:Head Gimbals Assembly)15を作動させて、高速回転するハードディスク(記録媒体)2の記録面(図1の上面)に、薄膜磁気ヘッド10によって磁気情報を記録及び再生するものである。ヘッドジンバルアセンブリ15は、薄膜磁気ヘッド10が形成されたヘッドスライダ11を搭載したジンバル12と、これが接続されたサスペンションアーム13とを備え、支軸14周りに例えばボイスコイルモータによって回転可能となっている。ヘッドジンバルアセンブリ15を回転させると、ヘッドスライダ11は、ハードディスク2の半径方向、すなわちトラックラインを横切る方向に移動する。
【0032】
図2は、ヘッドスライダ11の拡大斜視図である。ヘッドスライダ11は、略直方体形状をなし、アルティック(Al・TiC)を主とする基台11a上に、薄膜磁気ヘッド10が形成されている。同図における手前側の面は、ハードディスク2の記録面に対向する記録媒体対向面であり、エアベアリング面(ABS:Air Bearing Surface)Sと称される。ハードディスク2が回転する際、この回転に伴う空気流によってヘッドスライダ11が浮上し、エアベアリング面Sはハードディスク2の記録面から離隔する。薄膜磁気ヘッド10には、薄膜磁気ヘッド10を保護するために、図中破線で示したオーバーコート層21(詳しくは後述)が設けられている。オーバーコート層21上には、記録用パッド18a,18b、再生用パッド19a,19b、及び、後述するヒータ用パッド86a、86bが取り付けられており、図1に示したサスペンションアーム13には、各パットに接続される、電気信号の入出力用の配線(図示省略)が取付けられている。尚、エアベアリング面Sに、DLC(Diamond Like Carbon)等のコーティングを施してもよい。
【0033】
図3は、薄膜磁気ヘッド10におけるエアベアリング面Sに対して垂直かつトラックラインに垂直な方向の断面図である。図4は、薄膜磁気ヘッド10におけるヒータ部材の平面図であり、図中下側に、エアベアリング面Sが位置する。図5は、薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面Sに平行な断面図であり、図3及び図4のV−V破断線に対応する図である。薄膜磁気ヘッド10は、基台11a上に形成されており、図3に示すように、基台11a側から順に、磁気抵抗効果素子としてGMR(Giant Magneto Resistive)素子40を有する再生ヘッド部30と、誘導型の電磁変換素子としての記録ヘッド部60と、記録ヘッド部60上に設けられたオーバーコート層21と、を主として有する複合型薄膜磁気ヘッドとなっている。
【0034】
基台11aは、アルティック(Al・TiC)等からなるウエハ状の基板である。そして、この基台11a上には、アルミナ等の絶縁材料からなるアンダーコート層113が厚さ約1μm〜約10μmで形成されている。
【0035】
再生ヘッド部30は、アンダーコート層113上に設けられており、アンダーコート層113側から順に、下部シールド層32、GMR素子40を含みこのGMR素子40を上下から挟む絶縁層36、及び、上部シールド層38、が積層されることにより構成されている。GMR素子40は、磁気抵抗変化率が高い巨大磁気抵抗効果を利用したものであり、多層構造(図示は省略)を有してABS面側に露出している。下部シールド層32及び上部シールド層38は、不要な外部磁界をGMR素子40が感知するのを防止する機能を有し、磁性材料を含む。下部シールド層32の厚さは約1μm〜約3μm程度で、上部シールド層の厚さは厚さ約1μm〜約4μm程度である。また、絶縁層36の厚みは、約0.05μm〜1.0μm程度である。尚、本明細書において、シールド層のように「上部」及び「下部」という語を用いる場合があるが、「下部」とは基台11aに近い側であることを意味し、「上部」とは基台11aから遠い側であることを意味する。
【0036】
記録ヘッド部60は、再生ヘッド部30上に絶縁層39を介して形成され、長手記録方式の誘導型磁気変換素子である。尚、絶縁層39としては厚さ約0.1μm〜約2.0μm程度のアルミナ等を利用できるが、必ずしも設ける必要はない。そして、記録ヘッド部60は、絶縁層39側から順に、軟磁性材料からなる下部磁極61、非磁性の絶縁材料からなるギャップ層63を有している。また、ギャップ層63上には、ABS面側に磁極部分層64aが、ABS面から離れた側に上下2段の薄膜コイル70を含む絶縁層72が積層されている。さらに、磁極部分層64a上及び絶縁層72上には、薄膜コイル70の一部を下部磁極61との間に挟むと共に、エアベアリング面Sから離れた側で下部磁極61と磁気的に連結するヨーク部分層64bを有している。そして、下部磁極61、ギャップ層63、薄膜コイル70、絶縁層72、上部磁極64が記録ヘッド部60を構成している。
【0037】
下部磁極61は、パーマロイ(NiFe)等の磁性材料であり、例えば、厚さ約1μm〜約3μm程度で形成される。
【0038】
ギャップ層63は、アルミナ(Al)等の非磁性絶縁体あるいは非磁性導電体と非磁性絶縁体との組合せであり、例えば、厚さ約0.05μm〜約0.5μm程度に形成される。
【0039】
磁極部分層64aは、ヨーク部分層64bとともに上部磁極64を構成するものであり、例えばパーマロイ(NiFe)の他、(1)鉄及び窒素原子を含む材料、(2)鉄、ジルコニア、及び酸素原子を含む材料、並びに、(3)鉄及びニッケル元素を含む材料等で形成することができる。磁極部分層64aの厚みは、例えば約0.5μm〜約3.5μm程度であり、好ましくは1.0μm〜2.0μmである。
【0040】
ヨーク部分層64bの材質は磁極部分層64aと同様であり、例えば、厚さ約1μm〜約5μm程度である。
【0041】
また、薄膜コイル70は、Cu等の導体で、例えば、各厚みは約1μm〜約3μm程度である。
【0042】
また、絶縁層72は、アルミナやレジスト等の絶縁体で、例えば、厚さ約0.1μm〜約3μm程度である。
【0043】
そして、薄膜コイル70に記録電流を流すと、磁極部分層64aと下部磁極61との間に磁束が発生し、ハードディスク等の記録媒体2に情報を記録することができる。
【0044】
オーバーコート層21は、薄膜磁気ヘッド10の記録ヘッド部60を保護するためのアルミナ等の絶縁材料からなる層であり、記録ヘッド部60上に厚さ約5.0μm〜約30μmで設けられている。また、オーバーコート層21において、ABS面と、基台11aから一番遠い上面と、によって形成される稜部には、切欠部100が形成されている。
【0045】
そして、特に、本実施形態では、図3〜図5に示すように、このオーバーコート層21中に、ヒータ部材80が設けられている。このヒータ部材80は、ABS面Sから所定距離離間されて、オーバーコート層21内に上部シールド層38等と平行に形成されている。
【0046】
ヒータ部材80は、図4に示すように、一本のラインを層内で蛇行させた発熱部81と、この発熱部81の両端に各々接続された引出電極85a,85bとを有し、所定の長さの通電路を形成している。
【0047】
より具体的には、発熱部81は、所定の始点180から折返点181まで矩形波状に蛇行するように形成された上り部186と、折返点181から始点180の近傍の終点182まで上り部186に沿って蛇行しながら戻るように形成された下り部187と、始点180と引出電極85bとを接続する接続部170と、終点182と引出電極85aとを接続する接続部172とを有している。また、互いに沿うように形成された上り部186と下り部187との間隔190は、互いに面する上り部186同士の間隔192や、互いに面する下り部187同士の間隔193よりも狭くされている。
【0048】
また、このヒータ部材80の発熱部81は、図3及び図5に示すように、上下に2層構造を有しており、所定の比抵抗の材料からなるヒータ層80aと、ヒータ層80aの直上に積層されヒータ層80aよりも比抵抗の大きな材料からなるキャップ層80bと、を備えている。図3〜図5により明らかなように、ヒータ層80aとキャップ層80bとは、基台11aに垂直な方向からみたときにほぼ同様の形状をしており、キャップ層80bは、所定の形状を呈するヒータ層80aに対応した形状となっている。
【0049】
ヒータ層80aの厚みは、例えば、100〜200nm程度であり、また、キャップ層80bの厚みは、例えば、10〜20nm程度である。
【0050】
また、ヒータ層80aの材質としては、Cu,Au,Ni,Co,Ta,W,Mo,Rh及びこれらの合金の何れかを含むことが好ましい。
【0051】
また、キャップ層80bの材質としては、Ta,Ti,Pt,Ru,Rh,Hf,Cr,Ni,Co,W,Mo,Rh及びこれらの合金の何れかを含むことが好ましい。
【0052】
また、キャップ層80bの材料の比抵抗は、ヒータ層80aの材料の比抵抗の4倍以上であることが好ましく、これによれば、詳しく後述するように各薄膜磁気ヘッドのヒータ部材80の抵抗のバラツキを2%以下にすることができる。
【0053】
ヒータ部材80の引出電極(ヒータ層の露出部に対応)85a、85bは、発熱部81のヒータ層80aと同じ材質である。引出電極85a、85b上には、図3及び図5に示すように、各々導電性の電極膜部材87a、87bが形成されている。電極膜部材87a、87b上には、この電極膜部材87a、87bを電極として電解メッキにより形成された、上方に伸びるバンプ84a、84bが各々設けられている。電極膜部材87a、87b及びバンプ84a、84bは、Cu等の導電材料からなり、電極膜部材87a、87bの厚みは、10〜200nm程度、バンプ84a、84bの厚みは、10〜30μm程度である。
【0054】
バンプ84a,84bの上端はオーバーコート層21から露出しており、この露出面にはそれぞれヒータ用パッド86a,86bが各々取り付けられている。ヒータ用パッド86a、86bを介してヒータ部材80に電流が供給されることとなる。なお、同様にして、記録ヘッド部60は記録用パッド18a,18b(図2参照)と、再生ヘッド部30の磁気抵抗効果素子40は再生用パッド19a,19bと、各々接続されているが、図3及び図5においては簡単のため図示を省略している。
【0055】
次に、このような構成の薄膜磁気ヘッド10、ヘッドジンバルアセンブリ15、及びハードディスク装置1の作用を説明する。図6に示すように、ハードディスク2が図中矢印方向に回転すると、空気流によって薄膜磁気ヘッド10は浮上し、記録ヘッド部60の上部磁極64側がハードディスク2に近づくようにうつむく姿勢(前傾姿勢)となる。この際、ヒータ部材80に通電すると、当該ヒータ部材80から発生する熱によって薄膜磁気ヘッド10におけるヒータ部材80の周囲が熱膨張し、薄膜磁気ヘッド10及び基台11aのABS面Sが、記録媒体2側に向かって二点鎖線で示すように突出する。これにより、GMR素子40や記録ヘッド部60とハードディスク2との間隔が低減され、高い再生出力が得られると共に、より高密度の書込等を行うことができる。ここで、ヒータ部材80への通電量を制御することにより、突出量を調節でき、記録ヘッド部60やGMR素子40と記録媒体2との間の距離を制御できる。
【0056】
また、本実施形態によれば、ヒータ部材80の発熱部81は、比抵抗の小さなヒータ層80aと比抵抗の大きなキャップ層80bとが積層された並列回路を構成している。そして、このような薄膜磁気ヘッドを製造する過程(詳しくは後述)では、ヒータ部材80の上層であるキャップ層80bが所定の厚み削られるためキャップ層80bの厚みが薄膜磁気ヘッド毎にばらつく場合がある。ところが、本実施形態に係る薄膜磁気ヘッド10では、ヒータ部材80の発熱部81全体の抵抗において、比抵抗の大きなキャップ層80bの寄与は、比抵抗の小さいヒータ層80aの寄与に比べて小さい。このため、各薄膜磁気ヘッド10においてキャップ層80bの厚みがばらついたとしても、このようなキャップ層80bを設けずにヒータ層80aの厚みがばらつく場合に比べて、ヒータ部材80の抵抗のバラツキが低減される。
【0057】
また、ヒータ部材80が、オーバーコート層21中に設けられているので、GMR素子40や記録ヘッド部60より下の部分、あるいは、GMR素子40や記録ヘッド部60と同一の高さの部分にヒータを設けるのに比して構造が簡素化されて薄膜磁気ヘッドの製造が容易となる。
【0058】
また、ヒータ部材80が、オーバーコート層21中に設けられると共に、記録ヘッド部60が、オーバーコート層21とGMR素子40との間に設けられているので、GMR素子40とヒータ部材80との間隔は、記録ヘッド部60とヒータ部材80との間隔よりも広くなっている。このため、特に発熱による影響を比較的受けやすいGMR素子40が高温による悪影響を受けにくくされ、信頼性を向上できる。
【0059】
また、薄膜磁気ヘッド10のオーバーコート層21には切欠部100が形成されているので、薄膜磁気ヘッド10のABS面Sが熱膨張によりハードディスク2に突出しても、記録媒体2と接触しにくくなっている。なお、この切欠部100の形状は、本実施形態のような1段の逆L字状のものに限られず、多段の切欠としてもよいし傾斜面を有する切欠等としてもよい。
【0060】
さらに、ヒータ部材80においては、図4に示すように、上り部186と下り部187とが互いに寄り添うようにして蛇行しているので、アンペールの右ねじの法則から分かるように、始点180及び終点182と、折返点181との間において上り部186と下り部187とから発生する磁界が、互いにうち消し合う。このため、磁界の漏洩が少なくなって記録ヘッド部60や磁気抵抗効果素子40に悪影響を及ぼしにくくなる。また、間隔190が間隔193や間隔192よりも狭くされているので、互いに近接するように設けられた上り部186と下り部187とが、この上り部186と下り部186とから遠く離された他の上り部186と下り部187とから磁界の影響を受けにくくされ、通電により発生する磁界がより好適にキャンセルされる。このため、特に、ヒータ部材80の最外側で互いに沿うように配置される下り部186Aや上り部187Aからの磁界の漏洩が少なくされる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によれば、ハードディスク2との距離を低減でき、さらなる高密度化が可能な薄膜磁気ヘッド10、ヘッドジンバルアセンブリ15及びハードディスク装置1が提供される。
【0062】
次に、本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例を図7〜図11を参照して説明する。ここで、図7は、薄膜磁気ヘッドにおけるエアベアリング面Sに対して垂直かつトラックラインに垂直な方向の断面図であり、図8は、図7の状態での薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面Sに平行な断面図でありVIII−VIII破断線に対応する図である。尚、公知の製造過程については、説明を簡略化する。
【0063】
まず、図7及び図8に示すように、アルティック(Al・TiC)等からなる基板である基台11aに、スパッタリング法によって、例えばアルミナ(Al)等の絶縁材料からなるアンダーコート層113を形成する。
【0064】
次に、アンダーコート層113の上に、例えばめっき法によって、パーマロイ等の磁性材料からなる下部シールド層32を形成する。さらに、下部シールド層32上に、公知の手法によってGMR素子40と、これを上下左右から挟むAl等の絶縁層36を形成する。GMR素子40は、実際は複数の膜から構成されるが、図においては単層で示している。また、このGMR素子40は、ABS面側に形成される。続いて、絶縁層36上に、例えばめっき法によって上部シールド層38をで形成する。以上により、再生ヘッド部30が得られる。
【0065】
次に、上部シールド層38上に、例えばスパッタリング法によって、Al等の絶縁材料からなる絶縁層39を形成する。
【0066】
次いで、絶縁層39上に、パーマロイからなる下部磁極61を例えばスパッタリング法で形成する。次に、下部磁極61上に例えばスパッタリング法で非磁性絶縁体あるいは非磁性導電体と非磁性絶縁体とを組み合わせたものからなるギャップ層63を形成する。さらに、ギャップ層63上に、フォトリソグラフィやドライエッチング等を用いた公知の方法で、2段の薄膜コイル70を有する絶縁層72と、上部磁極64の磁極部分層64aと、上部磁極64のヨーク部分層64bと、を形成する。ここで、薄膜コイル70の一部が、下部磁極61と上部磁極64との間に挟まれるようにこれらを形成する。本実施形態では2段の薄膜コイル70を形成するが、段数はこれに限られず、また、ヘリカルコイルのようなものを形成してもよい。これにより、記録ヘッド部60が完成する。
【0067】
次に、記録ヘッド部60を覆うように、非磁性のオーバーコート下層21aを形成する。そして、オーバーコート下層21a上に、スパッタリングによって導電性材料からなるヒータ材料層110を形成する。ヒータ材料層110の導電性材料としては、Cu,Au,Ni,Co,Ta,W,Mo,Rh及びこれらの合金の何れかを含むことが好ましい。ヒータ材料層110の導電性材料の具体例としては、Cu,Au,Mo,Rhの各単体,NiFe合金,CoFe合金等があげられる。
【0068】
さらに、ヒータ材料層110のうち、ヒータ部材80の発熱部81が形成されるべき部分(図8のB)に、ヒータ材料層110よりも比抵抗の高い材料からなるキャップ材料層112を積層する。これにより、ヒータ材料層110で引出電極85a、85bが形成されるべき部分(図8のA)には、キャップ材料層112が積層されず、ヒータ材料層110の露出部が形成されることととなる。
【0069】
キャップ材料層112の材料は、ヒータ材料層110よりも比抵抗が大きければ特に限定されない。キャップ材料層112としては、Ta,Ti,Pt,Ru,Rh,Hf,Cr,Ni,Co,W,Mo,Rh及びこれらの合金の何れかを含む導電性材料や、アルミナ等の絶縁材料が好ましい。キャップ材料層112の導電性材料としては、具体的には、例えば、Ti,Taの各単体、NiFeNb,AuCu,AuNi等の合金等が挙げられる。
【0070】
次に、イオンミリング等により、ヒータ材料層110の露出部の一部をオーバーコート下層21aの上面まで除去することにより、図9に示すような、引出電極(ヒータ層の露出部に対応)85a,85bを形成する。また、これと同時に、イオンミリング等により、ヒータ材料層110とキャップ材料層112との積層部分の一部をオーバーコート下層21aの上面まで除去して、図9に示すような、蛇行する発熱部81を形成する。これによって、ヒータ部材80が形成される。ここで、ヒータ部材80の発熱部81は、ヒータ層80a及びキャップ層80bを有することとなる。
【0071】
次に、図10に示すように、ヒータ部材80の発熱部81、ヒータ部材80の引出電極85a、85b、及び、オーバーコート下層21aで表面に露出する部分に、Cu等の導電材料からなるめっき用の電極膜120を所定の厚み、例えば、10nm〜200nm、でスパッタリング等により形成する。
【0072】
次に、電極膜120で引出電極85a,85bに各々接触する部分の上に、電極膜120を電極としてめっき法によって上方に伸びるバンプ84a,84bを各々形成する。
【0073】
次に、図11に示すように、バンプ84a,84bをマスクとして、表面に露出する電極膜120を、ミリング等により除去する。この時、引出電極85a、85b間等での短絡がおきないようにすべく表面に露出する電極膜120を完全に除去するため、電極膜120の直下のキャップ層80bも所定の厚み除去されて、キャップ層80bの厚みが薄くなる。また、このとき、バンプ84a,84bの下の電極膜120は除去されずに残存し、電極膜部材87a、87bとなる。ここでは、特に、キャップ層80bが残存するように電極膜120の除去の条件を設定することが重要である。
【0074】
その後、スパッタ法等によって、Al等の絶縁材料を上層として積層し、例えば、ポリッシング法によってバンプ84a、84bが上面に露出する所望の高さまで絶縁材料をけずり、オーバーコート上層21bとする。その後、バンプ84a,84bの上端部の露出部分にヒータ用パッド86a、86bを配設する。ここで、オーバーコート下層21a及びオーバーコート上層21bがオーバーコート層21に対応する。なお、図示は省略するが、このとき、図示しない記録用パッドや再生用パッドも形成する。さらに、図示は省略するが、オーバーコート層21の稜を切削して、切欠部100を形成する。
【0075】
以上により、図3〜図5に示した、本実施形態に係る薄膜磁気ヘッド10が完成する。
【0076】
本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、薄膜磁気ヘッド10にヒータ部材80が好適に形成される。このような薄膜磁気ヘッド10は、使用時にヒータ部材80に通電されることにより上述のようにヒータ部材80が発熱し、薄膜磁気ヘッド10が熱膨張するので、薄膜磁気ヘッド10のGMR素子40や記録ヘッド部60と、記録媒体2と、の距離が低減される。
【0077】
また、ヒータ部材80を形成する際に、比抵抗の小さいヒータ層80aと比抵抗の大きいキャップ層80bとが積層された発熱部81を形成するので、電極膜120の除去時にはヒータ部材80の発熱部81の内の比抵抗の高いキャップ層80bの一部が電極膜120とともに除去されることとなる。そして、ヒータ部材80の発熱部81の全体のシート抵抗において、比抵抗の大きなキャップ層80bの寄与は、比抵抗の小さいヒータ層80aの寄与に比べて小さいので、電極膜120の除去の際に、キャップ層80bが削られてその厚みが各薄膜磁気ヘッドで変動しても、ヒータ部材80の発熱部81全体の抵抗値のバラツキが低減される。このため、使用時にヒータ部材80における発熱を好適に制御できる。
【0078】
また、本実施形態に係る薄膜磁気ヘッド10は、比較的複雑な再生ヘッド部30及び記録ヘッド部60の形成工程の後に行われる、比較的簡単なオーバーコート層21を形成する工程においてヒータ部材80を形成している。このため、再生ヘッド部30や記録ヘッド部60より下の部分、あるいは、記録ヘッド部60や再生ヘッド部30と同一の高さの部分にヒータ部材80を設けるのに比して、低コストでの製造が可能となる。
【0079】
また、ヒータ材料層110やキャップ材料層112をスパッタリングで形成しているので、これらの層の膜厚のバラツキを低減でき、薄膜磁気ヘッド10毎のヒータ部材80の抵抗値のバラツキを低減できる。
【0080】
続いて、イオンミリング等によって基台11aにスライダレールを形成することにより、図2に示したヘッドスライダ11が得られ、このヘッドスライダ11をジンバル12に搭載した後、サスペンションアーム13に接続することにより図1に示したヘッドジンバルアセンブリ15が完成する。また、ヘッドジンバルアセンブリ15を作製した後、ヘッドスライダ11がハードディスク2上を移動可能で、且つ、磁気信号の記録及び再生が可能となるように組み立てることにより、図1に示したハードディスク装置1が完成する。
【0081】
ここで、本実施形態によって、ヒータ部材80のシート抵抗のバラツキが低減できることを実施例及び比較例によって具体的に示す。以下の実施例及び比較例では、ヒータ部材80の発熱部81に着目し、発熱部81自体のバラツキがどの程度低減されるかを計算により求めたものである。
【0082】
比較例1は、発熱部81のヒータ層80aとしてNi80wt%、Fe20wt%のNiFe(比抵抗23μΩ・cm)を用い、キャップ層80bを設けなかった場合である。この場合、ヒータ層80a上に積層された電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるヒータ層80aの厚みが10nmばらつき、ヒータ層80aの厚みが150nmになったものとヒータ層80aの厚みが140nmである発熱部81が得られたとする。このとき、各々の発熱部81のシート抵抗は1.533Ωと、1.643Ωと、になり、シート抵抗のバラツキは7.2%となる。ここで、シート抵抗SR1とシート抵抗SR2(SR2>SR1)とが得られた場合にシート抵抗のバラツキは、(SR2−SR1)/(SR1)と定義される。
【0083】
一方、実施例1は、比較例1と同じヒータ層80aを150nm設けるのに加えて、キャップ層80bとして、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを5wt%添加したNiFeNb(比抵抗45μΩ・cm)を設け、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるキャップ層80bの厚みが10nmばらつき、キャップ層80bの厚みが20nmであるものと10nmであるものとが得られた場合である。このとき、各々の発熱部81のシート抵抗は1.436Ωと、1.483Ωと、となり、シート抵抗のバラツキは3.3%となり、バラツキは比較例1に比べて大きく低減される。
【0084】
また、実施例2〜6は、キャップ層80bの材料として、各々、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを10wt%添加したNiFeNb(比抵抗70μΩ・cm)、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを14wt%添加したNiFeNb(比抵抗90μΩ・cm、ヒータ層の比抵抗の3.9倍に対応)、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを20wt%添加したNiFeNb(比抵抗120μΩ・cm、ヒータ層の比抵抗の5.2倍に対応)、Ti(比抵抗180μΩ・cm)、及び、Ta(比抵抗180μΩ・cm)を用いた以外は実施例1と同様であるとした場合であり、ヒータのシート抵抗のバラツキは、順に、2.1、1.6、1.3、0.8、0.8%となった。これらの結果を図12に示す。このように、キャップ層の比抵抗がヒータ層の比抵抗より大きくなるに従い、バラツキが小さくなることが分かる。
【0085】
次に、比較例2は、発熱部81のヒータ層80aとしてCu(比抵抗3μΩ・cm)を用い、キャップ層80bを設けず、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるヒータ層80aの厚みが10nmばらつき、ヒータ層80aの厚みが120nmになったものとヒータ層80aの厚みが110nmであるものが得られた場合である。このとき、シート抵抗のバラツキは9.2%となる。
【0086】
これに対し、実施例7は、比較例2と同じヒータ層80aを120nm設けるのに加えて、キャップ層80bとして、Cu5at%のAuCu(比抵抗7.5μΩ・cm)を設け、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるキャップ層80bの厚みが10nmばらつき、キャップ層の80bの厚みが20nmであるものと10nmであるものとが得られた場合である。また、実施例8〜12では、キャップ層80bの材料として、各々、Ni5at%のAuNi(比抵抗10.5μΩ・cm)、Ni7at%のAuNi(比抵抗12μΩ・cm、ヒータ層の比抵抗の4倍に対応)、Ni10at%のAuNi(比抵抗15μΩ・cm)、NiFe(比抵抗23μΩ・cm)、及び、CoFe(比抵抗20μΩ・cm)を設けた以外は実施例7と同様とした場合である。実施例7〜12におけるヒータのシート抵抗のバラツキは、順に、3.9、2.5、2.0、1.7、0.8、1.2%となった。これらの結果を図13に示す。
【0087】
次に、比較例3は、発熱部81のヒータ層80aとして120nmのAu(比抵抗3.5μΩ・cm)を設け、キャップ層80bを設けず、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるヒータ層80aの厚みが10nmばらつき、ヒータ層80aの厚みが120nmになったものとヒータ層80aの厚みが110nmであるものが得られた場合である。このとき、シート抵抗のバラツキは8.9%となる。
【0088】
これに対し、実施例13は、比較例3と同じヒータ層80aを120nm設けるのに加えて、キャップ層80bとして、Cu5at%のAuCu(比抵抗7.5μΩ・cm)を設け、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるヒータ層80aの厚みが10nmばらつき、キャップ層の80bの厚みが20nmであるものと10nmであるものとが得られた場合である。また、実施例14〜18は、キャップ層80bの材料として、各々、Cu10at%のAuCu(比抵抗10μΩ・cm)、Cu20at%のAuCu(比抵抗14μΩ・cm、ヒータ層の比抵抗の4倍に対応)、Ni15at%のAuNi(比抵抗20μΩ・cm)、Ti(比抵抗180μΩ・cm)、及び、Ta(比抵抗180μΩ・cm)を設けた以外は実施例13と同様であった場合である。実施例13〜18におけるヒータのシート抵抗のバラツキは、順に、4.5、2.5、1.8、1.4、0.2、0.2%となった。これらの結果を図14に示す。
【0089】
次に、比較例4は、発熱部81のヒータ層80aとしてMo(比抵抗16μΩ・cm)を用い、キャップ層80bを設けず、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるヒータ層80aの厚みが10nmばらつき、ヒータ層80aの厚みが150nmになったものとヒータ層80aの厚みが140nmであるものが得られた場合である。このとき、シート抵抗のバラツキは7.1%となる。
【0090】
これに対し、実施例19では、比較例4と同じヒータ層80aを150nm設けるのに加えて、キャップ層80bとして、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを2wt%添加したNiFeNb(比抵抗32μΩ・cm)を設け、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるキャップ層80bの厚みが10nmばらつき、キャップ層の80bの厚みが20nmであるものと10nmであるものとが得られた場合である。また、実施例20〜24は、キャップ層80bの材料として、各々、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを5wt%添加したNiFeNb(比抵抗45μΩ・cm)、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを7wt%添加したNiFeNb(比抵抗60μΩ・cm、ヒータ層の比抵抗の3.8倍に対応)、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを12wt%添加したNiFeNb(比抵抗80μΩ・cm、ヒータ層の比抵抗の5.0倍に対応)、Ti(比抵抗180μΩ・cm)、及び、Ta(比抵抗180μΩ・cm)を設けた以外は実施例19と同様にした場合である。実施例19〜24におけるヒータのシート抵抗のバラツキは、順に、3.2、2.4、1.5、1.3、0.6、0.6%となった。これらの結果を図15に示す。
【0091】
次に、比較例5は、発熱部81のヒータ層80aとしてRh(比抵抗17.5μΩ・cm)を用い、キャップ層80bを設けず、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるヒータ層80aの厚みが10nmばらつき、ヒータ層80aの厚みが150nmになったものとヒータ層80aの厚みが140nmであるものが得られた場合である。このとき、シート抵抗のバラツキは7.1%となる。
【0092】
これに対し、実施例25は、比較例5と同じヒータ層80aを150nm設けるのに加えて、キャップ層80bとして、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを2wt%添加したNiFeNb(比抵抗32μΩ・cm)を設け、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるキャップ層80bの厚みが10nmばらつき、キャップ層の80bの厚みが20nmであるものと10nmであるものとが得られた場合である。また、実施例26〜30は、キャップ層80bの材料として、各々、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを5wt%添加したNiFeNb(比抵抗45μΩ・cm)、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを10wt%添加したNiFeNb(比抵抗70μΩ・cm、ヒータ層の比抵抗の4倍に対応)、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを15wt%添加したNiFeNb(比抵抗95μΩ・cm)、Ti(比抵抗180μΩ・cm)、及び、Ta(比抵抗180μΩ・cm)を設けた以外は実施例25と同様にした場合である。実施例25〜30におけるヒータのシート抵抗のバラツキは、順に、3.6、2.5、1.7、1.2、0.6、0.6%となった。これらの結果を図16に示す。
【0093】
次に、比較例6は、発熱部81のヒータ層80aとしてCo90wt%、Fe10wt%のCoFe(比抵抗20μΩ・cm)を用い、キャップ層80bを設けず、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるヒータ層80aの厚みが10nmばらつき、ヒータ層80aの厚みが130nmになったものとヒータ層80aの厚みが120nmであるものが得られた場合である。このとき、シート抵抗のバラツキは8.4%となる。
【0094】
これに対し、実施例31は、比較例6と同じヒータ層80aを130nm設けるのに加えて、キャップ層80bとして、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを5wt%添加したNiFeNb(比抵抗45μΩ・cm)を設け、電極膜120を除去する工程において、電極膜120と共に除去されるキャップ層80bの厚みが10nmばらつき、キャップ層の80bの厚みが20nmであるものと10nmであるものとが得られた場合である。また、実施例32〜36では、キャップ層80bの材料として、各々、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを10wt%添加したNiFeNb(比抵抗70μΩ・cm)、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを12wt%添加したNiFeNb(比抵抗80μΩ・cm、ヒータ層の比抵抗の4.0倍に対応)、Ni80wt%、Fe20wt%のNiFeにNbを15wt%添加したNiFeNb(比抵抗95μΩ・cm)、Ti(比抵抗180μΩ・cm)、及び、Ta(比抵抗180μΩ・cm)を設けた以外は実施例31と同様にした場合である。実施例31〜36におけるヒータのシート抵抗のバラツキは、順に、3.3、2.1、1.9、1.6、0.8、0.8%となった。これらの結果を図17に示す。
【0095】
上述のデータより明らかなように、ヒータ層80aの上にヒータ層80aの比抵抗よりも高いキャップ層80bを設けることにより、ヒータ部材80の発熱部81のバラツキが低減されることが明らかにされた。また、キャップ層80bの比抵抗をヒータ層80aよりも大きくする程バラツキが低減され、特に、キャップ層80bの比抵抗をヒータ層の比抵抗の4倍以上にすると、バラツキを2.0%以下にすることができることが明らかにされた。
【0096】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0097】
例えば、上記実施形態では、電極膜部材87a,87bは、ヒータ部材80の引出電極85a、85b上に積層されているが、例えば、キャップ層80bと同等の材料の導電層を介して引出電極85a、85bと電気的に接続されていても良い。
【0098】
ヒータ部材80の位置は上記実施形態に限られず、例えば、アンダーコート層113や、絶縁層72等、任意の位置に設けることができる。また、2つ以上のヒータ部材80を有していても良い。また、ヒータ部材80のABS面S側からの距離も限定されない。さらに、ヒータ部材80の導電路の形状も限定されない。
【0099】
また、ヒータ部材80の発熱部81のキャップ層80bは、ヒータ層80aよりも比抵抗の高いものであればよく、例えば、アルミナ等の絶縁体を用いてもよい。
【0100】
また、ヒータ部材80に流す電流の量等によっては、ヒータ部材80を軟磁性を含むシールド層で覆っても良く、これによれば、ヒータ部材80からの磁界が漏洩した場合でも、記録ヘッド部60や再生ヘッド部30に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0101】
さらに、再生ヘッド部30において、GMR素子40の代わりに、異方性磁気抵抗効果を利用するAMR(Anisotropy Magneto Resistive)素子、トンネル接合で生じる磁気抵抗効果を利用するTMR(Tunnel−type Magneto Resistive)素子、さらに、CPP(Current Perpendicular to Plane)−GMR素子等の他のMR素子を利用してもよい。また、薄膜磁気ヘッドを面内記録方式ではなく、垂直記録方式としてもよい。
【0102】
また、図2においては、記録ヘッド部60やGMR素子40を含む薄膜磁気ヘッド10が、スライダ11の先端部の内、トラックラインと直交するトラック幅方向の一方側の端部に設けられているが、他方側の端部でも、トラック幅方向の中央部に設けられていてもよく、要は、薄膜磁気ヘッド10が、スライダ11でABS面Sに臨む位置に設けられていれば良い。
【0103】
また、図2において、ヒータ用パッド86a,86bは、記録用パッド18a,18bと再生用パッド19a,19bとに挟まれるように配置されているが、これに限られず、任意の配置が可能である。
【0104】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、比抵抗の低いヒータ層及びこれに比べて比抵抗の高いキャップ層とを含み通電されることにより発熱するヒータを設けるので、ヒータが発熱して薄膜磁気ヘッドが熱膨張し、磁気抵抗効果素子や電磁変換素子と、記録媒体と、の距離が低減される。また、ヒータがヒータ層とキャップ層とを有するので、電極膜の除去時にはヒータのうちの比抵抗の高いキャップ層の一部が電極膜とともに除去されることとなり、ヒータ全体のシート抵抗値のバラツキが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハードディスク装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】ヘッドスライダを示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドを示す断面図である。
【図4】本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドのヒータを示す平面図である。
【図5】図3の薄膜磁気ヘッドのV−V断面図である。
【図6】本実施形態にかかる薄膜磁気ヘッドが熱膨張している様子を示す模式図である。
【図7】本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す図8に続く図である。
【図10】本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す図9に続く図である。
【図11】本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す図10に続く図である。
【図12】比較例1及び実施例1〜6を示す図表である。
【図13】比較例2及び実施例7〜12を示す図表である。
【図14】比較例3及び実施例13〜18を示す図表である。
【図15】比較例4及び実施例19〜24を示す図表である。
【図16】比較例5及び実施例25〜30を示す図表である。
【図17】比較例6及び実施例31〜36を示す図表である。
【符号の説明】
1…ハードディスク装置、2…ハードディスク(記録媒体)、10…薄膜磁気ヘッド、11a…基台、12…ジンバル、40…GMR素子(磁気抵抗効果素子)、60…記録ヘッド部(電磁変換素子)、21…オーバーコート層、80…ヒータ部材、80a…ヒータ層、80b…キャップ層、84a,84b…バンプ、85a、85b…引出電極(露出部)、87a,87b…電極膜部材、120…電極膜、15…ヘッドジンバルアセンブリ。

Claims (13)

  1. 所定の比抵抗のヒータ層及び前記ヒータ層上に設けられ前記ヒータ層よりも比抵抗が高いキャップ層を有するヒータ部材を形成するヒータ部材形成工程と、
    前記ヒータ部材上に導電性の電極膜を形成する電極膜形成工程と、
    前記電極膜の一部の上に、前記電極膜の一部をメッキ電極としてめっき法により導電性のバンプを形成するバンプ形成工程と、
    前記バンプをマスクとして前記電極膜の残りを除去する電極膜除去工程と、
    を含む薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 前記ヒータ部材形成工程において、前記ヒータ層が表面に露出した露出部を有するように前記ヒータ部材を形成し、
    前記電極膜形成工程において、前記電極膜を前記キャップ層と前記ヒータ層の露出部とにわたって形成し、
    前記バンプ形成工程において、前記電極膜で前記ヒータ層の露出部と接触している部分の上に、前記バンプを形成する請求項1に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記キャップ層の比抵抗は、前記ヒータ層の比抵抗の4倍以上である請求項1又は2に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 前記ヒータ層は、Cu,Au,Ni,Co,Ta,W,Mo,Rh及びこれらの合金の何れかを含む請求項1〜3の何れか一項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  5. 前記キャップ層は、Ta,Ti,Pt,Ru,Rh,Hf,Cr,Ni,Co,W,Mo,Rh及びこれらの合金の何れかを含む請求項1〜4の何れか一項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 前記ヒータ部材形成工程において、前記ヒータ層及び前記キャップ層の少なくとも一方をスパッタリングにより形成する請求項1〜5の何れか一項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7. 所定形状の通電路を形成する所定の比抵抗のヒータ層と、
    前記ヒータ層の一方の主表面の内の一の部分と対向するように配置され前記ヒータ層と電気的に接続された導電性の電極膜部材と、
    前記ヒータ層の前記一方の主表面の内の他の部分上に前記通電路の形状に対応して設けられ前記ヒータ層よりも高い比抵抗のキャップ層と、
    前記電極膜部材上にめっきにより設けられた導電性のバンプと、
    を有する薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記電極膜部材は、前記ヒータ層の前記一の部分上に積層されている請求項7の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記キャップ層の比抵抗は、前記ヒータ層の比抵抗の4倍以上である請求項7又は8に記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記ヒータ層は、Cu,Au,Ni,Co,Ta,W,Mo,Rh及びこれらの合金の何れかを含む請求項7〜9の何れか一項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  11. 前記キャップ層は、Ta,Ti,Pt,Ru,Rh,Hf,Cr,Ni,Co,W,Mo,Rh及びこれらの合金の何れかを含む請求項7〜9の何れか一項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  12. 基台と、前記基台上に形成された薄膜磁気ヘッドと、前記基台を固定するジンバルと、を備え、
    前記薄膜磁気ヘッドは、所定形状の通電路を形成する所定の比抵抗のヒータ層と、前記ヒータ層の一方の主表面の一の部分と対向するように配置され前記ヒータ層と電気的に接続された導電性の電極膜部材と、前記ヒータ層の前記一方の主表面の他の部分上に前記通電路の形状に対応して設けられ前記ヒータ層よりも高い比抵抗のキャップ層と、前記電極膜部材上にめっきにより設けられた導電性のバンプと、を備えるヘッドジンバルアセンブリ。
  13. 基台と、前記基台上に形成された薄膜磁気ヘッドと、前記薄膜磁気ヘッドと対向する記録媒体と、を備え、
    前記薄膜磁気ヘッドは、所定形状の通電路を形成する所定の比抵抗のヒータ層と、前記ヒータ層の一方の主表面の一の部分と対向するように配置され前記ヒータ層と電気的に接続された導電性の電極膜部材と、前記ヒータ層の前記一方の主表面の他の部分上に前記通電路の形状に対応して設けられ前記ヒータ層よりも高い比抵抗のキャップ層と、前記電極膜部材上にめっきにより設けられた導電性のバンプと、を備えるハードディスク装置。
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