JP2006351116A - 抵抗発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 所望の突出プロファイルを得ることができ、しかも素子形成面上の端子電極数を最小限とすることができる薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ及び磁気ディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】 磁気ヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する端面(ABS側の端面)を突出させるための、抵抗温度係数(TCR)が互いに異なる少なくとも2つの抵抗発熱体とを備えており、これら少なくとも2つの抵抗発熱体が、互いに電気的に並列接続されている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ及び磁気ディスクドライブ装置に関する。
ハードディスクドライブ(HDD)装置に設けられている薄膜磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)は、信号の書込み又は読出しに際し、回転する磁気ディスク上において流体力学的に所定の間隙(浮上量)をもって浮上する。薄膜磁気ヘッドは、この浮上状態においてインダクティブ書込みヘッド素子から発生する磁界により磁気ディスクに書込みを行い、磁気抵抗効果(MR)読出しヘッド素子により磁気ディスクからの信号磁界を感受して読出しを行う。この際のこれら磁気ヘッド素子と磁気ディスク表面との磁気的な実効距離がマグネティックスペーシングとなる。
近年のHDD装置の大容量小型化に伴う高記録密度化に対応して、薄膜磁気ヘッドのトラック幅はより減少する傾向にある。このトラック幅減少による書込み及び読出し能力の低下を回避するために、マグネティックスペーシングは、10nm程度と小さな値に設定されている。このような微小値をとるマグネティックスペーシングを精度良く制御する方法として、ヘッド素子近傍又はヘッド素子内に発熱体を設けてTPTP(Thermal Pole Tip Protrusion)現象を積極的に利用することにより、個々の薄膜磁気ヘッドの浮上量のばらつきを調整する方法は公知である(例えば、特許文献1〜4)。
特に、特許文献2〜4においては、2つのヒータをインダクティブ書込みヘッド素子及びMR読出しヘッド素子の部分にそれぞれ設けることが記載されている。
米国特許第5,991,113号明細書 特表WO2002/037480号公報 特開2003−168274号公報 特開2003−272335号公報
しかしながら、これら特許文献2〜4には、2つのヒータの両方又はその一方のみを駆動させるという開示はあるものの、両方のヒータを駆動した際の個々の発熱量を互いに異ならせるという思想は全く開示されていない。しかも、これら2つのヒータは別々の配線によって駆動回路にそれぞれ接続されている。
従って、このような従来の薄膜磁気ヘッドでは、磁気ディスクに対向する端面を動作目的や環境温度に対応する所望の突出プロファイルに制御することは困難であり、また、ヒータ数に応じた数の端子電極を磁気ヘッドスライダに増設する必要があるので、素子形成面のスペース上の制約から実現することが難しい。
従って、本発明の目的は、所望の突出プロファイルを得ることができ、しかも素子形成面上の端子電極数を最小限とすることができる薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ及び磁気ディスクドライブ装置を提供することにある。
本発明によれば、磁気ヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する端面(浮上面(ABS)側の端面)を突出させるための、抵抗温度係数(TCR、Temperature Coefficient of Resistance)が互いに異なる少なくとも2つの抵抗発熱体とを備えており、これら少なくとも2つの抵抗発熱体が、互いに電気的に並列接続されている薄膜磁気ヘッドが提供される。
抵抗材料の、ある温度Tにおける抵抗値をR(T)とすると、これは、基準となる温度Tにおける抵抗値Rを用いて、R(T)=R{1+α(T−T)}で表される。このαをその抵抗材料の抵抗温度係数(TCR)と呼び、単位はppm/℃で表される。本発明においては、少なくとも2つの抵抗発熱体が互いに異なるTCRを有する抵抗材料で構成されており、これら抵抗発熱体が互いに電気的に並列接続されている。TCRが異なる抵抗材料を用いることによって、温度に対応する抵抗値、従って発熱量が互いに異なることとなり、複数の抵抗発熱体を並列接続した場合にも、それらの両端に一定の電圧を印加するのみで、突出プロファイルが時間(温度)に応じて変化する所望の特性に制御可能となる。
一般に、MR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子部分においては、そのABS側の端面がリセスを有しており、薄膜磁気ヘッドの始動時には、この部分にパワーをかけて素早く突出させマグネティックスペーシングを小さくすることが望まれるが、ある程度以上突出した後は、この部分よりも保護膜部分を突出させ、万が一、スライダが磁気記録媒体に衝突する場合にも保護膜部分が衝突することにより、素子部の磁気記録媒体へ衝突することを回避できるので望ましい。このため、磁気ヘッド素子部の基板に近い部分に設けられる抵抗発熱体を保護膜に近い部分に設けられる抵抗発熱体よりTCRが大きい抵抗材料で構成して、このように時間の経過(温度上昇)に応じて突出プロファイルが変化する所望の特性を得ているのである。その結果、マグネティックスペーシングを小さくできると共に信頼性を向上させることが可能となる。即ち、本発明によれば、種々の動作目的や環境の変化に対応して、磁気記録媒体と薄膜磁気ヘッドとの距離を敏速に制御することが可能となる。しかも、これら複数の抵抗発熱体を互いに並列接続しているので、磁気ヘッドスライダの素子形成面に形成される端子電極の数を最小限とすることができる。
なお、本明細書において、「下部」又は「下方」とは、基準となる層よりも基板側にある構成要素又は部分を意味しており、「上部」又は「上方」とは、基準となる層よりも反基板側にある構成要素又は部分を意味している。
少なくとも2つの抵抗発熱体が、基板表面からの距離が互いに異なる位置に設けられていることが好ましい。
少なくとも2つの抵抗発熱体が、ABS側の端面から見て磁気ヘッド素子の後方に設けられた第1の抵抗発熱体と、この第1の抵抗発熱体に対してABS側の端面からの距離がほぼ等しくかつ基板表面からの距離が大きい位置に設けられた第2の抵抗発熱体とを備えていることも好ましい。
磁気ヘッド素子を覆う保護層がさらに備えられており、第2の抵抗発熱体が保護層内に設けられていることが好ましい。
磁気ヘッド素子がMR読出しヘッド素子とこのMR読出しヘッド素子上に積層して形成されたインダクティブ書込みヘッド素子とを含んでおり、第1の抵抗発熱体がABS側の端面から見てMR読出しヘッド素子の後方に位置しており、第2の抵抗発熱体がABS側の端面から見てインダクティブ書込みヘッド素子の後方に位置していることも好ましい。
第1の抵抗発熱体が、第2の抵抗発熱体よりも抵抗温度係数の小さい材料で構成されていることが好ましい。例えば、第1の抵抗発熱体がNiCr、NiCu、Ta及びMnからなる群から選択される材料で構成されており、第2の抵抗発熱体がPt、NiFe、Mo及びWからなる群から選択される材料で構成されていることがより好ましい。
第1の抵抗発熱体が、第2の抵抗発熱体よりも抵抗温度係数の大きい材料で構成されていることも好ましい。例えば、第1の抵抗発熱体がPt、NiFe、Mo及びWからなる群から選択される材料で構成されており、第2の抵抗発熱体がNiCr、NiCu、Ta及びMnからなる群から選択される材料で構成されているがより好ましい。
少なくとも2つの抵抗発熱体が、基板表面からの距離が互いに等しくかつABS側の端面からの距離が互いに異なる位置に設けられていることも好ましい。
少なくとも2つの抵抗発熱体が、ABS側の端面から見て磁気ヘッド素子の後方に設けられた第1の抵抗発熱体と、この第1の抵抗発熱体のさらに後方の位置に設けられた第2の抵抗発熱体とを備えていることも好ましい。この場合、第1の抵抗発熱体が、第2の抵抗発熱体よりも抵抗温度係数の大きい材料で構成されていることが好ましい。例えば、第1の抵抗発熱体がPt、NiFe、Mo及びWからなる群から選択される材料で構成されており、第2の抵抗発熱体がNiCr、NiCu、Ta及びMnからなる群から選択される材料で構成されていることがより好ましい。
インダクティブ書込みヘッド素子が、面内(水平)磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子か、又は垂直磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であることも好ましい。
本発明によれば、さらに、上述した薄膜磁気ヘッドと、薄膜磁気ヘッドを支持する支持体とを備えた磁気ヘッドアセンブリが提供される。ここで、磁気ヘッドアセンブリとは、磁気ヘッド素子を備えた薄膜磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)とその支持機構とを機械的、電気的に組み立てたアセンブリである。具体例を挙げると、磁気ヘッドスライダとサスペンションとのアセンブリの場合にはヘッドジンバルアセンブリ(HGA)と称され、磁気ヘッドスライダとこれを支持するサスペンション及び支持アームのアセンブリの場合にはヘッドアームアセンブリ(HAA)と称され、HAAが複数積み重ねられる場合にはヘッドスタックアセンブリ(HSA)と称されることが多い。
本発明によれば、さらにまた、上述の磁気ヘッドアセンブリを少なくとも1つ備えた磁気ディスクドライブ装置が提供される。
本発明によれば、種々の動作目的や環境の変化に対応して、磁気記録媒体と薄膜磁気ヘッドとの距離を敏速に制御することが可能となり、しかも、磁気ヘッドスライダの素子形成面に形成される端子電極の数を最小限とすることができる。
図1は本発明の一実施形態として、磁気ディスクドライブ装置の要部の構成を概略的に示す斜視図であり、図2は図1のHGAの一構成例を示す斜視図であり、図3は図2のHGAの先端部に装着されている薄膜磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)を示す斜視図であり、図4は図3の磁気ヘッドスライダの磁気ヘッド素子部分をスライダ基板の素子形成面側から見た平面図ある。
図1において、10はスピンドルモータ11の回転軸の回りを回転する複数の磁気ディスク、12は薄膜磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)をトラック上に位置決めするためのアセンブリキャリッジ装置、13は薄膜磁気ヘッドの読み書き動作及び発熱動作を制御するための記録再生及び電流制御回路をそれぞれ示している。
アセンブリキャリッジ装置12には、複数の駆動アーム14が設けられている。これら駆動アーム14は、ボイスコイルモータ(VCM)15によってピボットベアリング軸16を中心にして角揺動可能であり、この軸16に沿った方向にスタックされている。各駆動アーム14の先端部には、HGA17が取り付けられている。各HGA17には、磁気ヘッドスライダ21が、各磁気ディスク10の表面に対向するように設けられている。磁気ディスクドライブ装置に、単数の磁気ディスク10、駆動アーム14及びHGA17を設けるようにしても良い。
図2に示すように、HGA17は、サスペンション20の先端部に、磁気ヘッド素子を有する薄膜磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)21を固着し、さらにその磁気ヘッドスライダ21の端子電極に配線部材25の一端を電気的に接続して構成される。
サスペンション20は、磁気ヘッドスライダ21に印加される荷重を発生するロードビーム22と、このロードビーム22上に固着され支持された弾性を有するフレクシャ23と、ロードビーム22の基部に設けられたベースプレート24と、フレクシャ23及びロードビーム22上に設けられておりリード導体及びその両端に電気的に接続された接続パッドからなる配線部材25とから主として構成されている。
本発明の磁気ヘッドアセンブリにおけるサスペンションの構造は、以上述べたHGAの構造に限定されるものではないことは明らかである。なお、図示されていないが、サスペンション20の途中にヘッド駆動用ICチップを装着してもよい。
図3及び図4に示すように、本実施形態における磁気ヘッドスライダ21は、互いに積層されたMR読出しヘッド素子30及びインダクティブ書込みヘッド素子31からなる磁気ヘッド素子32と、これらMR読出しヘッド素子30及びインダクティブ書込みヘッド素子31にそれぞれ接続された4つの信号端子電極33及び34と、図3には示されていない2つの抵抗発熱体用の2つの駆動端子電極35とを、磁気ヘッドスライダの浮上面(ABS)36を底面とした際の1つの側面である素子形成面37上に備えている。2つの抵抗発熱体は互いに並列接続されており、両端が2つの駆動端子電極35に接続されている。なお、これらの端子電極の位置は、図3の形態に限定されるものではない。また、図3において端子電極は6つであるが、抵抗発熱体の一方の端を1つの駆動端子電極に接続し、他方の端をスライダ基板に接地して5つの端子電極とした形態であっても良い。
図5は本実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図であり、図6は本実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造をより詳細に示す断面図である。これらの図は図4のV−V線断面を示している。
これらの図において、50は例えばアルティック(Al−TiC)等から形成されたスライダ基板であり、このスライダ基板50には、磁気ディスク表面に対向するABS36が形成されている。磁気ヘッドスライダ21は、動作中、回転する磁気ディスク表面上を所定の浮上量で流体力学的に浮上する。このスライダ基板50の素子形成面37上に、MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子53が順次積層され、また、第1の抵抗発熱体52及び第2の抵抗発熱体54が順次積層され、インダクティブ書込みヘッド素子53を覆うように保護膜(オーバーコート膜)55が形成されている。
スライダ基板50上には、例えばAl等からなる厚さ0.05〜10μm程度の絶縁層56が形成されており、この絶縁層56上にMR読出しヘッド素子51が形成されている。
MR読出しヘッド素子51は、MR積層体51aと、この積層体を挟む上下位置に配置されている下部シールド層51b及び上部シールド層51cとを含んでいる。下部シールド層51b及び上部シールド層51cは、各々が例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなり、厚さは0.3〜3μm程度である。
MR積層体51aは、面内通電(CIP(Current In Plain))−巨大磁気抵抗効果(GMR)多層膜、垂直通電(CPP(Current Perpendicular to Plain))−GMR多層膜、又はトンネル磁気抵抗効果(TMR)多層膜からなり、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感受する。下部及び上部シールド層51b及び51cは、MR積層体51aが雑音となる外部磁界を受けることを防止する。
MR積層体51aがCIP-GMR多層膜である場合、下部及び上部シールド層51b及び51cの各々とMR積層体51aとの間に、絶縁用の下部シールドギャップ層51d及び上部シールドギャップ層51eがそれぞれ設けられる。さらに、MR積層体51aにセンス電流を供給して再生出力を取り出すためのMRリード導体層51fが設けられる。一方、MR積層体51aがCPP-GMR多層膜又はTMR多層膜を含む場合、下部及び上部シールド層51b及び51cはそれぞれ下部及び上部電極としても機能する。なお、MR積層体51aは、例えばTMR多層膜であれば、磁化固定層、トンネルバリア層及び磁化自由層が順次積層された積層構造となる。
MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51c上には、例えばAl等からなる厚さ0.1〜5.0μm程度の絶縁層57が形成されている。この絶縁層57上にインダクティブ書込みヘッド素子53が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子53は、本実施形態においては、面内磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であり、下部磁極層53a、ギャップ層53b、コイル層53c、コイル層53cを絶縁するためのレジスト層からなる第1及び第2のコイル絶縁層53d及び53e、並びに上部磁極層53fを含んでいる。下部磁極層53aは、例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなっており、厚さは0.3〜3μm程度である。この下部磁極層53a上に、例えばAl又はDLC等からなる厚さ0.01〜0.5μm程度のギャップ層53bが形成されており、さらにギャップ層53b上に、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第1のコイル絶縁層53dが形成されている。この第1のコイル絶縁層53d上に、例えばCu等からなる厚さ0.5〜3μm程度のコイル層53cが形成されており、さらに、このコイル層53cを覆うように、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第2のコイル絶縁層53eが形成されている。この第2のコイル絶縁層53eを覆うように、例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなる厚さ0.5〜5μm程度の上部磁極層53fが形成されている。コイル層53cは、1層でも2層以上でも良く、また、ヘリカルコイルでも良い。
下部磁極層53a及び上部磁極層53fは、コイル層53cによって誘導された磁束の通路となっており、それらのABS側の端部からの漏洩磁界によって面内磁気記録用の磁気ディスクに書込みが行なわれる。
なお、MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子53の磁気ディスク側の端面には、DLC(Diamond Like Carbon)等による極薄のコーティング膜が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子53の上には、例えばAl等からなる保護膜55が形成されている。
本実施形態においては、ABS側の端面から見てMR読出しヘッド素子51の後方の位置に、例えばAl等からなる絶縁層58によって絶縁された第1の抵抗発熱体52が形成されており、さらに、ABS側の端面から見てインダクティブ書込みヘッド素子53の後方の位置に、絶縁層58によって絶縁された第2の抵抗発熱体54が形成されている。
第1の抵抗発熱体52は第2の抵抗発熱体54よりTCRが大きい抵抗材料で形成されている。例えば、第1の抵抗発熱体52は、Pt(TCR=3000ppm/℃)、NiFe(TCR=3500ppm/℃)、Mo又はW等の材料で形成されており、第2の抵抗発熱体54は、NiCr(TCR=800ppm/℃)、NiCu(TCR=−400ppm/℃)、Ta(TCR=−400ppm/℃)、若しくはMn(TCR=−300ppm/℃)等の材料、又はサーミスタ材料等で形成されている。また、膜厚を変えたり、多層膜とすることによって、TCRを異ならせることができる。例えば、第1の抵抗発熱体52及び第2の抵抗発熱体54に同じ材料を用いた場合にも、第2の抵抗発熱体54の膜厚を第1の抵抗発熱体52の膜厚より薄くすることによってTCRを小さくすることができる。これら第1の抵抗発熱体52及び/又は及び第2の抵抗発熱体54は、例えば、1ターン又はマルチターンの、丸でも角でもヘリカルのコイル形状パターンを有するものであっても良いし、その他の形状であっても良い。
これら第1及び第2の抵抗発熱体52及び54は、図示しないリード導体によって2つの駆動端子電極35間に互いに並列に接続されている。
第1及び第2の抵抗発熱体52及び54を流れる電流によって、ジュール熱が発生し、これらを取り囲む絶縁層58が自ら膨張してMR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子53部分並びに保護膜55部分を所望の突出プロファイルで磁気ディスク方向に突出させる。
図7は、図1に示したHDDの記録再生及び電流制御回路13の回路構成を示すブロック図である。
同図において、70は記録再生回路、71は電流制御回路、72はCPUをそれぞれ示している。記録再生回路70は、記録再生チャネル70aと、プリアンプ部70bとを有している。電流制御回路71は、レジスタ71aと、D/A変換器71bと、電流制御部71cとを有している。
記録再生チャネル70aから出力される記録データは、プリアンプ部70bに供給される。プリアンプ部70bは、CPU72から出力された記録制御信号をライトゲート70bで受け取り、この記録制御信号が書込み動作を指示するときのみ、記録データに従った書込み電流をインダクティブ書込みヘッド素子53のコイル層53cに流し、これによって磁気ディスク上に記録が行なわれる。
また、CPU72から出力されてリードゲート70bで受け取られた再生制御信号が読み出し動作を指示するときのみ、プリアンプ部70bからMR読出しヘッド素子51のMR積層体51aにセンス電流が流れる。MR読出しヘッド素子51から出力され、出力安定化のためのオートゲインコントローラ(AGC)70bを介してプリアンプ部70bに入力された再生信号は、増幅復調されて再生データとなり、記録再生チャネル70aに送られる。
電流制御回路71の電流制御部71cは、記録再生チャネル70aから出力される抵抗発熱体ON/OFF信号と、CPU72からレジスタ71a及びD/A変換器71bを介して出力される電流値制御信号とを受け取る。この抵抗発熱体ON/OFF信号がオン動作指示である場合、互いに直列接続された第1及び第2の抵抗発熱体52及び54に駆動電流が流れる。その電流値は、電流値制御信号に応じた値に制御される。
このように、記録再生回路70とは独立して、電流制御回路71を設けることによって、より多様な通電モードを用いることが可能となる。さらに、CPU72は、電流制御回路71と記録再生回路70とを制御しているので、読出し及び/又は書込み動作とタイミングを合わせて第1及び第2の抵抗発熱体52及び54へ通電することが可能となる。
記録再生及び電流制御回路13の回路構成は、図7に示したものに限定されるものでないことは明らかである。記録再生制御信号以外の信号で書込み及び読出し動作を特定してもよい。
本実施形態において、重要なポイントは、第1の抵抗発熱体52を第2の抵抗発熱体54よりTCRが大きい抵抗材料で構成し、かつ、これら第1の抵抗発熱体52及び第2の抵抗発熱体54を互いに並列接続した点にある。即ち、これにより、第1の抵抗発熱体52及び第2の抵抗発熱体54の両端に一定電圧を印加するのみで、各抵抗発熱体の発熱量が自動的に制御され、所望の突出プロファイル特性が得られることとなる。
MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子53の部分においては、そのABS側の端面がリセスを有しており、薄膜磁気ヘッドの始動時には、この部分にパワーをかけて素早く突出させマグネティックスペーシングを小さくすることが望まれるが、ある程度以上突出した後は、この部分よりも保護膜55の部分を突出させ、万が一、スライダが磁気ディスクに衝突する場合にも保護膜55の部分が衝突することにより、素子部の磁気ディスクへ衝突することを回避できるので望ましい。このため、保護膜55から遠いMR読出しヘッド素子51の後方に位置する第1の抵抗発熱体52を保護膜55に近いインダクティブ書込みヘッド素子53の後方に位置する第2の抵抗発熱体54の抵抗材料よりTCRが大きい抵抗材料で構成することにより、時間の経過(温度上昇)に応じて突出プロファイルが前述したように変化する特性を得ているのである。その結果、マグネティックスペーシングを小さくできると共に信頼性を向上させることが可能となる。即ち、種々の動作目的や環境の変化に対応して、磁気ディスクと薄膜磁気ヘッドとの距離を敏速に制御することが可能となる。しかも、これらこれら第1の抵抗発熱体52及び第2の抵抗発熱体54を互いに並列接続しているので、磁気ヘッドスライダの素子形成面37に形成される端子電極の数を最小限とすることができる。
図8は本実施形態における第1の抵抗発熱体52及び第2の抵抗発熱体54の発熱特性を説明する図である。同図の横軸は温度(℃)、縦軸は印加電力、従って発熱量(W)を表している。ただし、第1の抵抗発熱体52はTCR=3500ppm/℃、第2の抵抗発熱体54はTCR=0ppm/℃であるとした。
同図から分かるように、第1の抵抗発熱体52は温度が低い場合に印加電力、即ち発熱量が大きくなり従って突出量を大きくなるが、時間の経過と共に温度が高くなると発熱量が小さくなって突出量も小さくなる。一方、第2の抵抗発熱体54については、温度変化に関係なく、一定の発熱量従って一定の突出量を維持している。このような特性を有する第1の抵抗発熱体52を保護膜55から遠いMR読出しヘッド素子51の後方に配置すれば、その部分の突出量は最初は急激に大きくなるが、時間の経過(温度の上昇)と共に、突出量が徐々に低減する特性が得られる。保護膜55に近いインダクティブ書込みヘッド素子53の後方に配置された第2の抵抗発熱体54については、時間が経過しても発熱量が一定であるため、保護膜55部分の突出量が最終的に最も大きくなる。従って、前述したように、マグネティックスペーシングを小さくしつつ素子部分が磁気ディスクに衝突して損傷を受けて信頼性を損なうような不都合を防止することができる。
図9は、本発明の他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。
本実施形態において、第1の抵抗発熱体92は、MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51cとインダクティブ書込みヘッド素子53の下部磁極層53aとの間に配置されており、絶縁層57によって絶縁されている。さらに、第2の抵抗発熱体94は、インダクティブ書込みヘッド素子53の上方の保護膜55内に配置されている。本実施形態におけるその他の構成は、図1に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図9において、図5及び図6に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
第1の抵抗発熱体92は、第2の抵抗発熱体94よりTCRが大きい抵抗材料で構成されており、かつ、これら第1の抵抗発熱体92及び第2の抵抗発熱体94は互いに並列接続されている。これにより、第1の抵抗発熱体92及び第2の抵抗発熱体94の両端に一定電圧を印加するのみで、各抵抗発熱体の発熱量が自動的に制御され、前述した図1の実施形態の場合と同様に、所望の突出プロファイル特性が得られることとなる。
図10は、本発明のさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。
本実施形態において、第1の抵抗発熱体102は、インダクティブ書込みヘッド素子53の下部磁極層53aとコイル絶縁層(図6の第1のコイル絶縁層53d)との間に配置されており、このコイル絶縁層及びギャップ層53bによって絶縁されている。さらに、第2の抵抗発熱体104は、インダクティブ書込みヘッド素子53の上方の保護膜55内に配置されている。本実施形態におけるその他の構成は、図1に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図10において、図5及び図6に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
第1の抵抗発熱体102は、第2の抵抗発熱体104よりTCRが大きい抵抗材料で構成されており、かつ、これら第1の抵抗発熱体102及び第2の抵抗発熱体104は互いに並列接続されている。これにより、第1の抵抗発熱体102及び第2の抵抗発熱体104の両端に一定電圧を印加するのみで、各抵抗発熱体の発熱量が自動的に制御され、前述した図1の実施形態の場合と同様に、所望の突出プロファイル特性が得られることとなる。
図11は、本発明のまたさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。
本実施形態において、第1の抵抗発熱体112は、スライダ基板50とMR読出しヘッド素子51との間の絶縁層56内に配置されており、この絶縁層56によって絶縁されている。さらに、第2の抵抗発熱体114は、インダクティブ書込みヘッド素子53の上方の保護膜55内に配置されている。本実施形態におけるその他の構成は、図1に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図11において、図5及び図6に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
第1の抵抗発熱体112は、第2の抵抗発熱体114よりTCRが大きい抵抗材料で構成されており、かつ、これら第1の抵抗発熱体112及び第2の抵抗発熱体114は互いに並列接続されている。これにより、第1の抵抗発熱体112及び第2の抵抗発熱体114の両端に一定電圧を印加するのみで、各抵抗発熱体の発熱量が自動的に制御され、前述した図1の実施形態の場合と同様に、所望の突出プロファイル特性が得られることとなる。
図12は、本発明のさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。
本実施形態において、第1の抵抗発熱体122は、ABS側の端面から見てMR読出しヘッド素子51の後方に配置されており、例えばAl等からなる絶縁層58によって絶縁されている。さらに、第2の抵抗発熱体124は、第1の抵抗発熱体122のさらに後方に配置されており、これも絶縁層58によって絶縁されている。本実施形態におけるその他の構成は、図1に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図12において、図5及び図6に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
第1の抵抗発熱体122は、第2の抵抗発熱体124よりTCRが大きい抵抗材料で構成されており、かつ、これら第1の抵抗発熱体122及び第2の抵抗発熱体124は互いに並列接続されている。これにより、第1の抵抗発熱体122及び第2の抵抗発熱体124の両端に一定電圧を印加するのみで、各抵抗発熱体の発熱量が自動的に制御される。特に本実施形態においては、ABS端面により近い位置にTCRが大きい第1の抵抗発熱体122を設けることにより、薄膜磁気ヘッドの始動時にMR読出しヘッド素子51部分にパワーをかけて素早く突出させ、ある程度温度が上がった後は発熱の重心を後方に移動させている。これにより、時間の経過(温度上昇)に応じた突出プロファイルの制御ができると共に、低温の環境下では素早くかつ大きく突出させ、高温の環境下ではあまり突出させないという突出プロファイル制御が可能となる。
図13は、本発明のまたさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。
本実施形態において、第1の抵抗発熱体132は、ABS側の端面から見てインダクティブ書込みヘッド素子53の後方に配置されており、例えばAl等からなる絶縁層58によって絶縁されている。さらに、第2の抵抗発熱体134は、第1の抵抗発熱体122のさらに後方に配置されており、これも絶縁層58によって絶縁されている。本実施形態におけるその他の構成は、図1に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図13において、図5及び図6に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
第1の抵抗発熱体132は、第2の抵抗発熱体134よりTCRが大きい抵抗材料で構成されており、かつ、これら第1の抵抗発熱体132及び第2の抵抗発熱体134は互いに並列接続されている。これにより、第1の抵抗発熱体132及び第2の抵抗発熱体134の両端に一定電圧を印加するのみで、各抵抗発熱体の発熱量が自動的に制御される。特に本実施形態においては、ABS端面により近い位置にTCRが大きい第1の抵抗発熱体132を設けることにより、薄膜磁気ヘッドの始動時にインダクティブ書込みヘッド素子53部分にパワーをかけて素早く突出させ、ある程度温度が上がった後は発熱の重心を後方に移動させている。これにより、時間の経過(温度上昇)に応じた突出プロファイルの制御ができると共に、低温の環境下では素早くかつ大きく突出させ、高温の環境下ではあまり突出させないという突出プロファイル制御が可能となる。
図14は本発明のさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造をより詳細に示す断面図である。
本実施形態においては、インダクティブ書込みヘッド素子の構造が図1の実施形態の場合と異なっているが、本実施形態におけるその他の構成は、図1に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図14において、図5及び図6に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図14において、50は例えばアルティック(Al−TiC)等から形成されたスライダ基板であり、このスライダ基板50には、磁気ディスク表面に対向するABS36が形成されている。磁気ヘッドスライダ21は、動作中、回転する磁気ディスク表面上を所定の浮上量で流体力学的に浮上する。このスライダ基板50の素子形成面37上に、MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子143が順次積層され、また、第1の抵抗発熱体142及び第2の抵抗発熱体144が順次積層され、インダクティブ書込みヘッド素子1433を覆うように保護膜(オーバーコート膜)55が形成されている。
スライダ基板50上には、例えばAl等からなる厚さ0.05〜10μm程度の絶縁層56が形成されており、この絶縁層56上にMR読出しヘッド素子51が形成されている。
MR読出しヘッド素子51は、MR積層体51aと、この積層体を挟む上下位置に配置されている下部シールド層51b及び上部シールド層51cとを含んでいる。下部シールド層51b及び上部シールド層51cは、各々が例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなり、厚さは0.3〜3μm程度である。
MR積層体51aは、CIP−GMR多層膜、CPP−GMR多層膜、又はTMR多層膜からなり、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感受する。下部及び上部シールド層51b及び51cは、MR積層体51aが雑音となる外部磁界を受けることを防止する。
MR積層体51aがCIP-GMR多層膜である場合、下部及び上部シールド層51b及び51cの各々とMR積層体51aとの間に、絶縁用の下部シールドギャップ層51d及び上部シールドギャップ層51eがそれぞれ設けられる。さらに、MR積層体51aにセンス電流を供給して再生出力を取り出すためのMRリード導体層51fが設けられる。一方、MR積層体51aがCPP−GMR多層膜又はTMR多層膜を含む場合、下部及び上部シールド層51b及び51cはそれぞれ下部及び上部電極としても機能する。なお、MR積層体51aは、例えばTMR多層膜であれば、磁化固定層、トンネルバリア層及び磁化自由層が順次積層された積層構造となる。
MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51c上には、例えばAl等からなる厚さ0.1〜5.0μm程度の絶縁層147が形成されている。この絶縁層147上に例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなる素子間シールド層148が形成されており、その上に例えばAl等からなる厚さ0.1〜2.0μm程度の絶縁層149を介してインダクティブ書込みヘッド素子143が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子143は、本実施形態においては、垂直磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であり、主磁極層143a、補助磁極層143b及びコイル層143cを含んでいる。主磁極層143aは、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ0.01〜0.5μm程度の主磁極主要層143aと、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ0.5〜3μm程度の主磁極補助層143aとから構成されている。この主磁極層143aは、コイル層143cによって誘導された磁束を、書込みがなされる磁気ディスクの垂直磁気記録層まで収束させながら導くための磁路である。主磁極補助層143a上には、例えばAl又はDLC等からなる厚さ0.001〜0.5μm程度のギャップ層143dが形成されており、さらにギャップ層143d上に、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第1のコイル絶縁層143eが形成されている。この第1のコイル絶縁層143e上に、例えばCu等からなる厚さ0.5〜3μm程度のコイル層143cが形成されており、さらに、このコイル層143cを覆うように、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第2のコイル絶縁層143fが形成されている。第2のコイル絶縁層143fを覆うように、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ約0.5〜5μm程度の補助磁極層143bが形成されている。コイル層143cは、1層でも2層以上でも良く、また、ヘリカルコイルでも良い。また、絶縁層149中に反対方向に電流を流すコイルを持ったダブルコイル構造としても良い。
主磁極層143aの磁気ディスクに対向する端面における層厚方向の長さ(厚さ)は、その主磁極主要層143aのみの層厚に相当しており小さくなっており、これによって、高記録密度化に対応した微細な書込み磁界を発生させることができる。また、補助磁極層143bの磁気ディスクに対向する端部は、この補助磁極層143bの他の部分よりも層断面が広いトレーリングシールド部143bとなっている。トレーリングシールド部143bを設けることによって、このトレーリングシールド部143bと主磁極層143aとの間において磁界勾配がより急峻になり、信号出力のジッタが小さくなって読み出し時のエラーレートを小さくすることができる。
なお、MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子143の磁気ディスク側の端面には、DLC等による極薄のコーティング膜が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子143の上には、例えばAl等からなる保護膜55が形成されている。
本実施形態においては、ABS側の端面から見てMR読出しヘッド素子51の後方の位置に、例えばAl等からなる絶縁層58によって絶縁された第1の抵抗発熱体142が形成されており、さらに、ABS側の端面から見てインダクティブ書込みヘッド素子143の後方の位置に、絶縁層58によって絶縁された第2の抵抗発熱体144が形成されている。
第1の抵抗発熱体142は第2の抵抗発熱体144よりTCRが大きい抵抗材料で形成されている。例えば、第1の抵抗発熱体142は、Pt(TCR=3000ppm/℃)、NiFe(TCR=3500ppm/℃)、Mo又はW等の材料で形成されており、第2の抵抗発熱体144は、NiCr(TCR=800ppm/℃)、NiCu(TCR=−400ppm/℃)、Ta(TCR=−400ppm/℃)、若しくはMn(TCR=−300ppm/℃)等の材料、又はサーミスタ材料等で形成されている。また、膜厚を変えたり、多層膜とすることによって、TCRを異ならせることができる。例えば、第1の抵抗発熱体142及び第2の抵抗発熱体144に同じ材料を用いた場合にも、第2の抵抗発熱体144の膜厚を第1の抵抗発熱体142の膜厚より薄くすることによってTCRを小さくすることができる。これら第1の抵抗発熱体142及び/又は及び第2の抵抗発熱体144は、例えば、1ターン又はマルチターンの、丸でも角でもヘリカルのコイル形状パターンを有するものであっても良いし、その他の形状であっても良い。
これら第1及び第2の抵抗発熱体142及び144は、図示しないリード導体によって2つの駆動端子電極35(図3参照)間に互いに並列に接続されている。
第1及び第2の抵抗発熱体142及び144を流れる電流によって、ジュール熱が発生し、これらを取り囲む絶縁層58が自ら膨張してMR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子143部分並びに保護膜55部分を所望の突出プロファイルで磁気ディスク方向に突出させる。
本実施形態の作用効果等は、図1の実施形態の場合とほぼ同様である。なお、本実施形態の変更態様として、インダクティブ書込みヘッド素子として垂直磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子を用い、かつ、第1の抵抗発熱体及び第2の抵抗発熱体を図9〜図13の実施形態のごとく配置しても良いことは明らかである。
以上の実施形態では、第1の抵抗発熱体を、MR読出しヘッド素子の後方、インダクティブ書込みヘッド素子の後方、MR読出しヘッド素子の上部シールド層とインダクティブ書込みヘッド素子の下部磁極層との間、インダクティブ書込みヘッド素子の下部磁極層と第1のコイル絶縁層との間、スライダ基板とMR読出しヘッド素子との間、MR読出しヘッド素子の上部シールド層と素子間シールド層との間、又は素子間シールド層とインダクティブ書込みヘッド素子の主磁極層との間に形成し、第2の抵抗発熱体を、インダクティブ書込みヘッド素子の後方、第1の抵抗発熱体の後方、又はインダクティブ書込みヘッド素子の上方の保護膜内に形成しているが、本発明において、これら第1及び第2の抵抗発熱体の位置はこれら実施形態の位置に限定されるものではない。また、1つの第1の抵抗発熱体の代わりに複数の第1の抵抗発熱体群、1つの第2の抵抗発熱体の代わりに複数の第2の抵抗発熱体群を設けても良い。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本発明の一実施形態として、磁気ディスクドライブ装置の要部の構成を概略的に示す斜視図である。 図1におけるHGAの一構成例を示す斜視図である。 図2のHGAの先端部に装着されている薄膜磁気ヘッドを示す斜視図である。 図3の磁気ヘッドスライダの磁気ヘッド素子部分をスライダ基板の素子形成面側から見た平面図ある。 図1の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。 図1の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造をより詳細に示す断面図である。 図1に示したHDDの記録再生及び電流制御回路の回路構成を示すブロック図である。 図1の実施形態における第1の抵抗発熱体及び第2の抵抗発熱体の発熱特性を説明する図である。 本発明の他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。 本発明のさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。 本発明のまたさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。 本発明のさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。 本発明のまたさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造を模式的に示す図である。 本発明のさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの断面構造をより詳細に示す断面図である。
符号の説明
10 磁気ディスク
11 スピンドルモータ
12 アセンブリキャリッジ装置
13 記録再生回路
14 駆動アーム
15 ボイスコイルモータ(VCM)
16 ピボットベアリング軸
17 HGA
20 サスペンション
21 磁気ヘッドスライダ
22 ロードビーム
23 フレクシャ
24 ベースプレート
25 配線部材
30 MR読出しヘッド素子
31 インダクティブ書込みヘッド素子
32 磁気ヘッド素子
33、34 信号端子電極
35 駆動端子電極
36 ABS
37 素子形成面
50 スライダ基板
51 MR読出しヘッド素子
51a MR積層体
51b 下部シールド層
51c 上部シールド層
51d 下部シールドギャップ層
51e 上部シールドギャップ層
51f MRリード導体層
52、92、102、112、122 第1の抵抗発熱体
53、143 インダクティブ書込みヘッド素子
53a 下部磁極層
53b、143d ギャップ層
53c、123c、143c コイル層
53d、143e 第1のコイル絶縁層
53e、143f 第2のコイル絶縁層
53f 上部磁極層
54、94、104、114、124 第2の抵抗発熱体
55 保護膜(オーバーコート膜)
56、57、58、147、149 絶縁層
70 記録再生回路
70a 記録再生チャネル
70b プリアンプ部
70b ライトゲート
70b リードゲート
70b オートゲインコントローラ(AGC)
71 電流制御回路
71a レジスタ
71b D/A変換器
71c 電流制御部
72 CPU
143a 主磁極層
143a 主磁極主要層
143a 主磁極補助層
143b 補助磁極層
143b トレーリングシールド部
148 素子間シールド層

Claims (17)

  1. 磁気ヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する端面を突出させるための、抵抗温度係数が互いに異なる少なくとも2つの抵抗発熱体とを備えており、前記少なくとも2つの抵抗発熱体が、互いに電気的に並列接続されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記少なくとも2つの抵抗発熱体が、基板表面からの距離が互いに異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記少なくとも2つの抵抗発熱体が、前記端面から見て前記磁気ヘッド素子の後方に設けられた第1の抵抗発熱体と、該第1の抵抗発熱体に対して前記端面からの距離がほぼ等しくかつ前記基板表面からの距離が大きい位置に設けられた第2の抵抗発熱体とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記磁気ヘッド素子を覆う保護層がさらに備えられており、前記第2の抵抗発熱体が該保護層内に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記磁気ヘッド素子が磁気抵抗効果読出しヘッド素子と該磁気抵抗効果読出しヘッド素子上に積層して形成されたインダクティブ書込みヘッド素子とを含んでおり、前記第1の抵抗発熱体が前記端面から見て前記磁気抵抗効果読出しヘッド素子の後方に位置しており、前記第2の抵抗発熱体が前記端面から見て前記インダクティブ書込みヘッド素子の後方に位置していることを特徴とする請求項3又は4に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記第1の抵抗発熱体が、前記第2の抵抗発熱体よりも抵抗温度係数の小さい材料で構成されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記第1の抵抗発熱体がNiCr、NiCu、Ta及びMnからなる群から選択される材料で構成されており、前記第2の抵抗発熱体がPt、NiFe、Mo及びWからなる群から選択される材料で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記第1の抵抗発熱体が、前記第2の抵抗発熱体よりも抵抗温度係数の大きい材料で構成されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記第1の抵抗発熱体がPt、NiFe、Mo及びWからなる群から選択される材料で構成されており、前記第2の抵抗発熱体がNiCr、NiCu、Ta及びMnからなる群から選択される材料で構成されていることを特徴とする請求項8に記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記少なくとも2つの抵抗発熱体が、基板表面からの距離が互いに等しくかつ前記端面からの距離が互いに異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記少なくとも2つの抵抗発熱体が、前記端面から見て前記磁気ヘッド素子の後方に設けられた第1の抵抗発熱体と、該第1の抵抗発熱体のさらに後方の位置に設けられた第2の抵抗発熱体とを備えていることを特徴とする請求項10に記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 前記第1の抵抗発熱体が、前記第2の抵抗発熱体よりも抵抗温度係数の大きい材料で構成されていることを特徴とする請求項11に記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 前記第1の抵抗発熱体がPt、NiFe、Mo及びWからなる群から選択される材料で構成されており、前記第2の抵抗発熱体がNiCr、NiCu、Ta及びMnからなる群から選択される材料で構成されていることを特徴とする請求項12に記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 前記インダクティブ書込みヘッド素子が、面内磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  15. 前記インダクティブ書込みヘッド素子が、垂直磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  16. 請求項1から15のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドと、該薄膜磁気ヘッドを支持する支持体とを備えたことを特徴とする磁気ヘッドアセンブリ。
  17. 請求項16に記載の磁気ヘッドアセンブリを少なくとも1つ備えたことを特徴とする磁気ディスクドライブ装置。
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