JP2006351115A - 抵抗発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド - Google Patents

抵抗発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド Download PDF

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啓 平林
Norikazu Ota
憲和 太田
Taro Oike
太郎 大池
Katsuki Kurihara
克樹 栗原
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Abstract

【課題】 所望の突出プロファイルを得ることができ、しかも素子形成面上の端子電極数を最小限とすることができる薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ及び磁気ディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】 基板上に積層されたMR読出しヘッド素子と、MR読出しヘッド素子上に積層されており、レジスト層を有するインダクティブ書込みヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する端面を突出させるための少なくとも2つの抵抗発熱体とを備えており、少なくとも2つの抵抗発熱体のうちの少なくとも1つの抵抗発熱体がレジスト層より反基板側に位置していると共に少なくとも2つの抵抗発熱体のうちの他の少なくとも1つの抵抗発熱体がレジスト層より基板側に位置しており、少なくとも2つの抵抗発熱体が互いに並列又は直列接続されており、他の少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力が少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力より大きい。
【選択図】 図8

Description

本発明は、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ及び磁気ディスクドライブ装置に関する。
ハードディスクドライブ(HDD)装置に設けられている薄膜磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)は、信号の書込み又は読出しに際し、回転する磁気ディスク上において流体力学的に所定の間隙(浮上量)をもって浮上する。薄膜磁気ヘッドは、この浮上状態においてインダクティブ書込みヘッド素子から発生する磁界により磁気ディスクに書込みを行い、磁気抵抗効果(MR)読出しヘッド素子により磁気ディスクからの信号磁界を感受して読出しを行う。この際のこれら磁気ヘッド素子と磁気ディスク表面との磁気的な実効距離がマグネティックスペーシングとなる。
近年のHDD装置の大容量小型化に伴う高記録密度化に対応して、薄膜磁気ヘッドのトラック幅はより減少する傾向にある。このトラック幅減少による書込み及び読出し能力の低下を回避するために、マグネティックスペーシングは、10nm程度と小さな値に設定されている。このような微小値をとるマグネティックスペーシングを精度良く制御する方法として、ヘッド素子近傍又はヘッド素子内に発熱体を設けてTPTP(Thermal Pole Tip Protrusion)現象を積極的に利用することにより、個々の薄膜磁気ヘッドの浮上量のばらつきを調整する方法は公知である(例えば、特許文献1〜4)。
特に、特許文献2〜4においては、2つのヒータをインダクティブ書込みヘッド素子及びMR読出しヘッド素子の部分にそれぞれ設けることが記載されている。
米国特許第5,991,113号明細書 特表WO2002/037480号公報 特開2003−168274号公報 特開2003−272335号公報
しかしながら、これら特許文献2〜4には、2つのヒータの両方又はその一方のみを駆動させるという開示はあるものの、両方のヒータを駆動した際の個々の発熱量を互いに異ならせるという思想は全く開示されていない。しかも、これら2つのヒータは別々の配線によって駆動回路にそれぞれ接続されている。
従って、このような従来の薄膜磁気ヘッドでは、磁気ディスクに対向する端面を動作目的や環境温度に対応する所望の突出プロファイルに制御することは困難であり、また、ヒータ数に応じた数の端子電極を磁気ヘッドスライダに増設する必要があるので、素子形成面のスペース上の制約から実現することが難しい。
従って、本発明の目的は、所望の突出プロファイルを得ることができ、しかも素子形成面上の端子電極数を最小限とすることができる薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ及び磁気ディスクドライブ装置を提供することにある。
本発明によれば、基板上に積層されたMR読出しヘッド素子と、MR読出しヘッド素子上に積層されており、レジスト層を有するインダクティブ書込みヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する端面を突出させるための少なくとも2つの抵抗発熱体とを備えており、少なくとも2つの抵抗発熱体のうちの少なくとも1つの抵抗発熱体がレジスト層より基板側に位置していると共に少なくとも2つの抵抗発熱体のうちの他の少なくとも1つの抵抗発熱体がレジスト層より反基板側に位置しており、少なくとも2つの抵抗発熱体が互いに直列又は並列接続されており、少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力が他の少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力より大きい薄膜磁気ヘッドが提供される。
少なくとも1つの抵抗発熱体がインダクティブ書込みヘッド素子のレジスト層より基板側(積層方向で下方側)に位置していると共に他の少なくとも1つの抵抗発熱体がこのレジスト層より反基板側(積層方向で上方側)に位置しており、少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力が他の少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力より大きく設定されている。インダクティブ書込みヘッド素子のレジスト層より上方には、アルミナ(Al)等の保護膜が設けられているため、この部分の熱伝導率は低く、熱膨張効率(印加される電力に対する熱膨張量又は突出量の比率)が高い。一方、インダクティブ書込みヘッド素子のレジスト層より下方には、MR読出しヘッド素子等の磁性体や基板等が設けられているため、この部分の熱伝導率は高く、熱膨張効率が低い。従って、後者の部分に設けられる抵抗発熱体に、より大きな電力を印加することによって、レジスト層より下方の部分の突出量を増やし、所望の突出プロファイルが得られるようにしているのである。所望の突出プロファイルとは、具体的には、保護膜部分の突出量が最も大きいがMR読出しヘッド素子やインダクティブ書込みヘッド素子部分も素早く突出し、マグネティックスペーシングが小さくなるプロファイルである。しかも、これら複数の抵抗発熱体を互いに直列又は並列接続することにより、磁気ヘッドスライダの素子形成面に形成される端子電極の数を最小限とすることができる。
なお、本明細書において、「下部」又は「下方」とは、基準となる層よりも基板側にある構成要素又は部分を意味しており、「上部」又は「上方」とは、基準となる層よりも反基板側にある構成要素又は部分を意味している。
このように複数の抵抗発熱体を互いに直列又は並列接続しつつ印加電力を異ならせるためには、抵抗発熱体の抵抗値を互いに異ならせれば良い。抵抗値を異ならせるには、同じ形状及び同じ膜厚であるが、電気伝導度(抵抗率)の異なる材料で構成するか、同じ膜厚及び同じ材料であるが、形状、例えば長さや幅、を異ならせて構成するか、又は同じ形状及び同じ材料であるが、膜厚を異ならせて構成すれば良い。
少なくとも2つの抵抗発熱体が互いに直列接続されている場合は、少なくとも1つの抵抗発熱体の抵抗値が他の少なくとも1つの抵抗発熱体の抵抗値より大きくし、少なくとも2つの抵抗発熱体が互いに並列接続されている場合は、少なくとも1つの抵抗発熱体の抵抗値が他の少なくとも1つの抵抗発熱体の抵抗値より小さくする。
少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力が他の少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力の約9倍であるかもしれない。
少なくとも1つの抵抗発熱体が、MR読出しヘッド素子の下部シールド層と基板との間に設けられた第1の抵抗発熱体からなることも好ましい。
少なくとも1つの抵抗発熱体が、MR読出しヘッド素子の上部シールド層とインダクティブ書込みヘッド素子の下部磁極層との間に設けられた第1の抵抗発熱体からなることが好ましい。
少なくとも1つの抵抗発熱体が、インダクティブ書込みヘッド素子の下部磁極層上に設けられた第1の抵抗発熱体からなることも好ましい。
インダクティブ書込みヘッド素子が、面内(水平)磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であることが好ましい。
少なくとも1つの抵抗発熱体が、MR読出しヘッド素子の上部シールド層とインダクティブ書込みヘッド素子の主磁極層との間に設けられた第1の抵抗発熱体からなることも好ましい。
少なくとも1つの抵抗発熱体が、MR読出しヘッド素子の上部シールド層と、MR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子間の素子間シールド層との間に設けられた第1の抵抗発熱体からなることも好ましい。
少なくとも1つの抵抗発熱体が、MR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子間の素子間シールド層上に設けられた第1の抵抗発熱体からなることも好ましい。
少なくとも1つの抵抗発熱体が、インダクティブ書込みヘッド素子の主磁極層上に設けられた第1の抵抗発熱体からなることも好ましい。
インダクティブ書込みヘッド素子が、垂直磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であることも好ましい。
インダクティブ書込みヘッド素子を覆う保護膜をさらに備えており、他の少なくとも1つの抵抗発熱体がこの保護膜内に設けられた第2の抵抗発熱体からなることも好ましい。
本発明によれば、さらに、上述した薄膜磁気ヘッドと、薄膜磁気ヘッドを支持する支持体とを備えた磁気ヘッドアセンブリが提供される。ここで、磁気ヘッドアセンブリとは、磁気ヘッド素子を備えた薄膜磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)とその支持機構とを機械的、電気的に組み立てたアセンブリである。具体例を挙げると、磁気ヘッドスライダとサスペンションとのアセンブリの場合にはヘッドジンバルアセンブリ(HGA)と称され、磁気ヘッドスライダとこれを支持するサスペンション及び支持アームのアセンブリの場合にはヘッドアームアセンブリ(HAA)と称され、HAAが複数積み重ねられる場合にはヘッドスタックアセンブリ(HSA)と称されることが多い。
本発明によれば、さらにまた、上述の磁気ヘッドアセンブリを少なくとも1つ備えた磁気ディスクドライブ装置が提供される。
本発明によれば、レジスト層より下方の部分の突出量を増やし、所望の突出プロファイルが得られると共に、磁気ヘッドスライダの素子形成面に形成される端子電極の数を最小限とすることができる。
図1は本発明の一実施形態として、磁気ディスクドライブ装置の要部の構成を概略的に示す斜視図であり、図2は図1のHGAの一構成例を示す斜視図であり、図3は図2のHGAの先端部に装着されている薄膜磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)を示す斜視図であり、図4は図3の磁気ヘッドスライダの磁気ヘッド素子部分をスライダ基板の素子形成面側から見た平面図ある。
図1において、10はスピンドルモータ11の回転軸の回りを回転する複数の磁気ディスク、12は薄膜磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)をトラック上に位置決めするためのアセンブリキャリッジ装置、13は薄膜磁気ヘッドの読み書き動作及び発熱動作を制御するための記録再生及び電流制御回路をそれぞれ示している。
アセンブリキャリッジ装置12には、複数の駆動アーム14が設けられている。これら駆動アーム14は、ボイスコイルモータ(VCM)15によってピボットベアリング軸16を中心にして角揺動可能であり、この軸16に沿った方向にスタックされている。各駆動アーム14の先端部には、HGA17が取り付けられている。各HGA17には、磁気ヘッドスライダ21が、各磁気ディスク10の表面に対向するように設けられている。磁気ディスクドライブ装置に、単数の磁気ディスク10、駆動アーム14及びHGA17を設けるようにしても良い。
図2に示すように、HGA17は、サスペンション20の先端部に、磁気ヘッド素子を有する薄膜磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)21を固着し、さらにその磁気ヘッドスライダ21の端子電極に配線部材25の一端を電気的に接続して構成される。
サスペンション20は、磁気ヘッドスライダ21に印加される荷重を発生するロードビーム22と、このロードビーム22上に固着され支持された弾性を有するフレクシャ23と、ロードビーム22の基部に設けられたベースプレート24と、フレクシャ23及びロードビーム22上に設けられておりリード導体及びその両端に電気的に接続された接続パッドからなる配線部材25とから主として構成されている。
本発明の磁気ヘッドアセンブリにおけるサスペンションの構造は、以上述べたHGAの構造に限定されるものではないことは明らかである。なお、図示されていないが、サスペンション20の途中にヘッド駆動用ICチップを装着してもよい。
図3及び図4に示すように、本実施形態における磁気ヘッドスライダ21は、互いに積層されたMR読出しヘッド素子30及びインダクティブ書込みヘッド素子31からなる磁気ヘッド素子32と、これらMR読出しヘッド素子30及びインダクティブ書込みヘッド素子31にそれぞれ接続された4つの信号端子電極33及び34と、図3には示されていない2つの抵抗発熱体用の2つの駆動端子電極35とを、磁気ヘッドスライダの浮上面(ABS)36を底面とした際の1つの側面である素子形成面37上に備えている。2つの抵抗発熱体は互いに直列接続されており、その両端が2つの駆動端子電極35に接続されている。なお、これらの端子電極の位置は、図3の形態に限定されるものではない。また、図3において端子電極は6つであるが、抵抗発熱体の一方の端を1つの駆動端子電極に接続し、他方の端をスライダ基板に接地して5つの端子電極とした形態であっても良い。
図5は本実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図であり、図4のV−V線断面を示している。図6は図3の磁気ヘッドスライダの磁気ヘッド素子部分及び抵抗発熱体部分の概略的な構成を示しており、(A)は素子形成面側から見た図、(B)はABS側から見た図である。なお、図を簡略化するため、図6(A)におけるインダクティブヘッド素子のコイルは楕円で表されている。
これらの図において、50は例えばアルティック(Al−TiC)等から形成されたスライダ基板であり、このスライダ基板50には、磁気ディスク表面に対向するABS36が形成されている。磁気ヘッドスライダ21は、動作中、回転する磁気ディスク表面上を所定の浮上量で流体力学的に浮上する。このスライダ基板50の素子形成面37上に、MR読出しヘッド素子51、第1の抵抗発熱体52、インダクティブ書込みヘッド素子53及び第2の抵抗発熱体54が順次積層され、インダクティブ書込みヘッド素子53の上に第2の抵抗発熱体54を覆うように保護膜(オーバーコート膜)55が形成されている。
スライダ基板50上には、例えばAl等からなる厚さ0.05〜10μm程度の絶縁層56が形成されており、この絶縁層56上にMR読出しヘッド素子51が形成されている。
MR読出しヘッド素子51は、MR積層体51aと、この積層体を挟む上下位置に配置されている下部シールド層51b及び上部シールド層51cとを含んでいる。下部シールド層51b及び上部シールド層51cは、各々が例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなり、厚さは0.3〜3μm程度である。
MR積層体51aは、面内通電(CIP(Current In Plain))−巨大磁気抵抗効果(GMR)多層膜、垂直通電(CPP(Current Perpendicular to Plain))−GMR多層膜、又はトンネル磁気抵抗効果(TMR)多層膜からなり、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感受する。下部及び上部シールド層51b及び51cは、MR積層体51aが雑音となる外部磁界を受けることを防止する。
MR積層体51aがCIP-GMR多層膜である場合、下部及び上部シールド層51b及び51cの各々とMR積層体51aとの間に、絶縁用の下部シールドギャップ層51d及び上部シールドギャップ層51eがそれぞれ設けられる。さらに、MR積層体51aにセンス電流を供給して再生出力を取り出すためのMRリード導体層51fが設けられる。一方、MR積層体51aがCPP-GMR多層膜又はTMR多層膜を含む場合、下部及び上部シールド層51b及び51cはそれぞれ下部及び上部電極としても機能する。なお、MR積層体51aは、例えばTMR多層膜であれば、磁化固定層、トンネルバリア層及び磁化自由層が順次積層された積層構造となる。
MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51c上には、例えばAl等からなる厚さ0.1〜2.0μm程度の絶縁層57が形成されている。この絶縁層57上にインダクティブ書込みヘッド素子53が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子53は、本実施形態においては、面内磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であり、下部磁極層53a、ギャップ層53b、コイル層53c、コイル層53cを絶縁するためのレジスト層からなる第1及び第2のコイル絶縁層53d及び53e、並びに上部磁極層53fを含んでいる。下部磁極層53aは、例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなっており、厚さは0.3〜3μm程度である。この下部磁極層53a上に、例えばAl又はDLC等からなる厚さ0.01〜0.5μm程度のギャップ層53bが形成されており、さらにギャップ層53b上に、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第1のコイル絶縁層53dが形成されている。この第1のコイル絶縁層53d上に、例えばCu等からなる厚さ0.5〜3μm程度のコイル層53cが形成されており、さらに、このコイル層53cを覆うように、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第2のコイル絶縁層53eが形成されている。この第2のコイル絶縁層53eを覆うように、例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなる厚さ0.5〜5μm程度の上部磁極層53fが形成されている。コイル層53cは、1層でも2層以上でも良く、また、ヘリカルコイルでも良い。
下部磁極層53a及び上部磁極層53fは、コイル層53cによって誘導された磁束の通路となっており、それらのABS側の端部からの漏洩磁界によって面内磁気記録用の磁気ディスクに書込みが行なわれる。
なお、MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子53の磁気ディスク側の端面には、DLC(Diamond Like Carbon)等による極薄のコーティング膜が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子53の上には、例えばAl等からなる保護膜55が形成されている。
本実施形態においては、MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51cとインダクティブ書込みヘッド素子53の下部磁極層53aとの間に、絶縁層57によって絶縁された第1の抵抗発熱体52が形成されている。さらに、インダクティブ書込みヘッド素子53の上方の保護膜55内に、第2の抵抗発熱体54が形成されている。
第1の抵抗発熱体52及び/又は及び第2の抵抗発熱体54は、例えば、図6(A)に示すように、ストリップの中央部がABS36から離れる方向にコ字状に曲がったパターンを有するものであっても良いし、その他の形状、例えば、1ターン又はマルチターンの、丸でも角でもヘリカルのコイル形状でもあっても良い。ストリップ形状の場合、例えば、0.1〜5μm程度の厚さと、0.1〜20.0μm程度のトラック幅方向の幅を有しており、例えば、NiCuを含む材料から形成される。ここで、NiCuにおけるNiの含有割合は、例えば、約15〜約60原子%であり、好ましくは25〜45原子%である。また、このNiCuに対する添加物として、Ta、Al、Mn、Cr、Fe、Mo、Co、Rh、Si、Ir、Pt、Ti、Nb、Zr及びHfのうち、少なくとも1つの元素が含まれていてもよい。これらの添加物の含有割合は、5原子%以下であることが好ましい。また、第1の抵抗発熱体52及び/又は及び第2の抵抗発熱体54を、例えば、NiCrを含む材料で形成しても良い。この場合、NiCrにおけるNiの含有割合は、例えば、約55〜約90原子%であり、好ましくは70〜85原子%である。また、このNiCrに対する添加物として、Ta、Al、Mn、Cu、Fe、Mo、Co、Rh、Si、Ir、Pt、Ti、Nb、Zr及びHfのうち、少なくとも1つの元素が含まれていてもよい。これらの添加物の含有割合は、5原子%以下であることが好ましい。さらに、第1の抵抗発熱体52及び/又は及び第2の抵抗発熱体54を、例えば、Ta単体又はTaを含む材料から形成しても良い。ここで、Taに対する添加物として、Al、Mn、Cu、Fe、Mo、Co、Rh、Si、Ir、Pt、Ti、Nb、Zr及びHfのうち、少なくとも1つの元素が含まれていてもよい。これらの添加物の含有割合は、5原子%以下であることが好ましい。
第1の抵抗発熱体52は第2の抵抗発熱体54より抵抗値が大きな値、ここでは約9倍に設定されている。ただし、この9倍という数値に必ずしも限定されるものではなく、第1の抵抗発熱体52の抵抗値が第2の抵抗発熱体54の抵抗値より大きければ良い。このように抵抗値を異ならせるためには、同じ形状及び同じ膜厚であるが、電気伝導度(抵抗率)の異なる材料で構成するか、同じ膜厚及び同じ材料であるが、形状、例えば長さや幅、を異ならせて構成するか、又は同じ形状及び同じ材料であるが、膜厚を異ならせて構成すれば良い。
これら第1及び第2の抵抗発熱体52及び54は、リード導体58によって2つの駆動端子電極35間に互いに直列に接続されている。リード導体58は、Cu等の良導体から形成されているが、第1及び第2の抵抗発熱体52及び54と同じ材料で形成されても良い。
第1及び第2の抵抗発熱体52及び54を流れる電流によって、ジュール熱が発生し、これらを取り囲む絶縁層57及び保護膜55が自ら膨張してMR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子53部分並びに保護膜55部分を所望の突出プロファイルで磁気ディスク方向に突出させる。
図7は、図1に示したHDDの記録再生及び電流制御回路13の回路構成を示すブロック図である。
同図において、70は記録再生回路、71は電流制御回路、72はCPUをそれぞれ示している。記録再生回路70は、記録再生チャネル70aと、プリアンプ部70bとを有している。電流制御回路71は、レジスタ71aと、D/A変換器71bと、電流制御部71cとを有している。
記録再生チャネル70aから出力される記録データは、プリアンプ部70bに供給される。プリアンプ部70bは、CPU72から出力された記録制御信号をライトゲート70bで受け取り、この記録制御信号が書込み動作を指示するときのみ、記録データに従った書込み電流をインダクティブ書込みヘッド素子53のコイル層53cに流し、これによって磁気ディスク上に記録が行なわれる。
また、CPU72から出力されてリードゲート70bで受け取られた再生制御信号が読み出し動作を指示するときのみ、プリアンプ部70bからMR読出しヘッド素子51のMR積層体51aにセンス電流が流れる。MR読出しヘッド素子51から出力され、出力安定化のためのオートゲインコントローラ(AGC)70bを介してプリアンプ部70bに入力された再生信号は、増幅復調されて再生データとなり、記録再生チャネル70aに送られる。
電流制御回路71の電流制御部71cは、記録再生チャネル70aから出力される抵抗発熱体ON/OFF信号と、CPU72からレジスタ71a及びD/A変換器71bを介して出力される電流値制御信号とを受け取る。この抵抗発熱体ON/OFF信号がオン動作指示である場合、互いに直列接続された第1及び第2の抵抗発熱体52及び54に駆動電流が流れる。その電流値は、電流値制御信号に応じた値に制御される。
このように、記録再生回路70とは独立して、電流制御回路71を設けることによって、より多様な通電モードを用いることが可能となる。さらに、CPU72は、電流制御回路71と記録再生回路70とを制御しているので、読出し及び/又は書込み動作とタイミングを合わせて第1及び第2の抵抗発熱体52及び54へ通電することが可能となる。
記録再生及び電流制御回路13の回路構成は、図7に示したものに限定されるものでないことは明らかである。記録再生制御信号以外の信号で書込み及び読出し動作を特定してもよい。
本実施形態において、重要なポイントは、第1の抵抗発熱体52の抵抗値が第2の抵抗発熱体54の抵抗値より大きな値、ここでは約9倍の抵抗値に設定されている点にある。即ち、MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51cとインダクティブ書込みヘッド素子53の下部磁極層53aとの間に設けられた第1の抵抗発熱体52と、インダクティブ書込みヘッド素子53の上方の保護膜55内に設けられた第2の抵抗発熱体54とが互いに直列接続されており、かつ、第1の抵抗発熱体52の抵抗値が第2の抵抗発熱体54の抵抗値より大きな値、例えば約9倍の抵抗値となっている。これにより、第1の抵抗発熱体52には第2の抵抗発熱体54より大きな電力、例えば約9倍の電力が印加されることとなる。ただし、この9倍という数値に必ずしも限定されるものではない。
第2の抵抗発熱体54が設けられている保護膜55は、Al等で形成されているため、この部分の熱伝導率は低く、熱膨張効率(印加される電力に対する熱膨張量又は突出量の比率)が高い。一方、第1の抵抗発熱体52が設けられているMR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子53部分は、磁性体層やスライダ基板等が設けられているため、この部分の熱伝導率は高く、熱膨張効率が低い。また、第2の抵抗発熱体54はインダクティブ書込みヘッド素子53のレジスト層53e及び53fより上方に位置しており、第1の抵抗発熱体52はインダクティブ書込みヘッド素子53のレジスト層53e及び53fより下方に位置している。レジスト層は熱伝導率が非常に低く、この部分で熱の伝導がほぼ遮断されると考えられる。
従って、本実施形態のごとく、第1の抵抗発熱体52に、より大きな電力、例えば第2の抵抗発熱体54の約9倍の電力を印加することによって、レジスト層より下方の部分の発熱量を増大させて突出量を増やし、所望の突出プロファイルが得られるようにしている。ただし、この9倍という数値に必ずしも限定されるものではなく、第1の抵抗発熱体52の抵抗値が第2の抵抗発熱体54の抵抗値より大きければ良い。
図8は2つの従来技術及び本実施形態の薄膜磁気ヘッドにおける突出プロファイル特性を説明する図である。同図(A)の横軸はスライダ基板の表面からの距離(μm)を表しており各位置は同図(B)に断面図の各位置に対応している。また、同図(A)の縦軸は100mWの電力を印加した際の突出量(nm)を表している。従来技術1は本実施形態における第1の抵抗発熱体52の位置にのみ発熱抵抗体を設け、この1つの抵抗発熱体に100mWの電力を印加した場合、従来技術2は本実施形態における第2の抵抗発熱体54の位置にのみ発熱抵抗体を設け、この1つの抵抗発熱体に100mWの電力を印加した場合である。前述の説明の通り、本実施形態では、第2の抵抗発熱体54の抵抗値の約9倍の抵抗値を有する第1の抵抗発熱体52と、この第2の抵抗発熱体54とを直列接続し、その両端に100mWの電力を印加している。
同図(A)から分かるように、従来技術1の構成では、MR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子の部分が最も突出量が大きいため、この部分が磁気ディスク表面に衝突し損傷を受ける可能性が高く、信頼性が低い。一方、従来技術2の構成では、保護膜の部分のみが著しく突出し、MR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子の部分の突出量が少ないため、マグネティックスペーシングを小さくすることができない。これに対して、本実施形態によれば、所望の突出プロファイルが得られるので、マグネティックスペーシングを小さくしつつ素子部分が磁気ディスクに衝突して損傷を受けて信頼性を損なうような不都合を防止することができる。即ち、本実施形態によれば、保護膜部分の突出量が最も大きくなるので磁気ディスク表面にたとえ衝突してもこの部分であるから素子部分が損傷を受けることはなく、しかも、保護膜部分の突出量が従来技術2ほどは大きい値とならずかつMR読出しヘッド素子やインダクティブ書込みヘッド素子部分も従来技術1と同等に突出するので、マグネティックスペーシングを小さくすることができる。
図9及び図10は、従来技術1、従来技術2及び本実施形態とそれぞれ同様の構造であるがMR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子の位置等が異なる薄膜磁気ヘッドにおける突出プロファイル特性を説明する図である。これらの図において、横軸はスライダ基板の表面からの距離(μm)を表しており、縦軸は最大値が一致するように規格化した突出量(nm)をそれぞれ表している。図8と同様に、従来技術1は本実施形態における第1の抵抗発熱体52の位置にのみ発熱抵抗体を設けた場合、従来技術2は本実施形態における第2の抵抗発熱体54の位置にのみ発熱抵抗体を設けた場合である。図9及び図10の本実施形態の特性において、第1の抵抗発熱体に印加される電力が第2の抵抗発熱体に印加される電力の約9倍となっている。
これらの図によっても、本実施形態によれば、保護膜部分の突出量が最も大きくなるがその量はさほどではなく、しかも、MR読出しヘッド素子やインダクティブ書込みヘッド素子部分も充分に突出するので、信頼性を確保しつつマグネティックスペーシングを小さくできることが分かる。
さらに、本実施形態によれば、第1及び第2の抵抗発熱体52及び54を互いに直列接続しているので、磁気ヘッドスライダ21の素子形成面37に形成される駆動端子電極35の数を2つ又は1つと最小限にすることができる。
図11は、図1の実施形態の変更態様におけるHDDの記録再生及び電流制御回路の回路構成を示すブロック図である。
本変更態様においては、第1の抵抗発熱体112は第2の抵抗発熱体114より抵抗値が小さな値、例えば約1/9倍に設定されている。さらに、これら第1及び第2の抵抗発熱体112及び114は、2つの駆動端子電極35間に互いに並列に接続されている。本変更態様におけるその他の構成は、図1に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図11において、図7に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
第1の抵抗発熱体112及び第2の抵抗発熱体114が互いに並列接続されているため、本変更態様においても、第1の抵抗発熱体112には第2の抵抗発熱体114より大きな電力、ここでは約9倍の電力が印加されることとなる。ただし、この9倍という数値に必ずしも限定されるものではなく、第1の抵抗発熱体112の抵抗値が第2の抵抗発熱体114の抵抗値より大きければ良い。
このように、第1の抵抗発熱体112に、より大きな電力、例えば第2の抵抗発熱体114の約9倍の電力を印加することによって、レジスト層より下方の部分の発熱量を増大させて突出量を増やし、所望の突出プロファイルが得られることとなる。
図12は本発明の他の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図である。
本実施形態においては、第1の抵抗発熱体122の形成位置が図1の実施形態の場合と異なっているが、本実施形態におけるその他の構成は、図1に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図12において、図5に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図12において、50は例えばアルティック(Al−TiC)等から形成されたスライダ基板であり、このスライダ基板50には、磁気ディスク表面に対向するABS36が形成されている。磁気ヘッドスライダ21は、動作中、回転する磁気ディスク表面上を所定の浮上量で流体力学的に浮上する。このスライダ基板50の素子形成面37上に、MR読出しヘッド素子51、第1の抵抗発熱体122、インダクティブ書込みヘッド素子123及び第2の抵抗発熱体54が順次積層され、インダクティブ書込みヘッド素子123の上に第2の抵抗発熱体54を覆うように保護膜(オーバーコート膜)55が形成されている。
スライダ基板50上には、例えばAl等からなる厚さ0.05〜10μm程度の絶縁層56が形成されており、この絶縁層56上にMR読出しヘッド素子51が形成されている。
MR読出しヘッド素子51は、MR積層体51aと、この積層体を挟む上下位置に配置されている下部シールド層51b及び上部シールド層51cとを含んでいる。下部シールド層51b及び上部シールド層51cは、各々が例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなり、厚さは0.3〜3μm程度である。
MR積層体51aは、CIP−GMR多層膜、CPP−GMR多層膜、又はTMR多層膜からなり、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感受する。下部及び上部シールド層51b及び51cは、MR積層体51aが雑音となる外部磁界を受けることを防止する。
MR積層体51aがCIP-GMR多層膜である場合、下部及び上部シールド層51b及び51cの各々とMR積層体51aとの間に、絶縁用の下部シールドギャップ層51d及び上部シールドギャップ層51eがそれぞれ設けられる。さらに、MR積層体51aにセンス電流を供給して再生出力を取り出すためのMRリード導体層51fが設けられる。一方、MR積層体51aがCPP−GMR多層膜又はTMR多層膜を含む場合、下部及び上部シールド層51b及び51cはそれぞれ下部及び上部電極としても機能する。なお、MR積層体51aは、例えばTMR多層膜であれば、磁化固定層、トンネルバリア層及び磁化自由層が順次積層された積層構造となる。
MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51c上には、例えばAl等からなる厚さ0.1〜2.0μm程度の絶縁層57が形成されている。この絶縁層57上にインダクティブ書込みヘッド素子123が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子123は、本実施形態においては、面内磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であり、下部磁極層123a、ギャップ層123b、コイル層123c、コイル層123cを絶縁するためのレジスト層からなる第1及び第2のコイル絶縁層123d及び123e、並びに上部磁極層123fを含んでいる。下部磁極層123aは、例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなっており、厚さは0.3〜3μm程度である。この下部磁極層123a上に、例えばAl又はDLC等からなる厚さ0.01〜0.5μm程度のギャップ層123bが形成されており、さらにギャップ層123b上に、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第1のコイル絶縁層123dが形成されている。この第1のコイル絶縁層123d上に、例えばCu等からなる厚さ0.5〜3μm程度のコイル層123cが形成されており、さらに、このコイル層123cを覆うように、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第2のコイル絶縁層123eが形成されている。この第2のコイル絶縁層123eを覆うように、例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなる厚さ0.5〜5μm程度の上部磁極層123fが形成されている。コイル層123cは、1層でも2層以上でも良く、また、ヘリカルコイルでも良い。
下部磁極層123a及び上部磁極層123fは、コイル層123cによって誘導された磁束の通路となっており、それらのABS側の端部からの漏洩磁界によって面内磁気記録用の磁気ディスクに書込みが行なわれる。
なお、MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子123の磁気ディスク側の端面には、DLC等による極薄のコーティング膜が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子123の上には、例えばAl等からなる保護膜55が形成されている。
本実施形態においては、インダクティブ書込みヘッド素子123の下部磁極層123aと第1のコイル絶縁層123dとの間に、この第1のコイル絶縁層123d及びギャップ層123bによって絶縁された第1の抵抗発熱体122が形成されている。さらに、インダクティブ書込みヘッド素子123の上方の保護膜55内に、第2の抵抗発熱体54が形成されている。
第1の抵抗発熱体122及び/又は及び第2の抵抗発熱体54の形状及び構成材料並びに変更態様等は、図1の実施形態の場合と同様である。
第1の抵抗発熱体122は第2の抵抗発熱体54より抵抗値が大きな値、ここでは約9倍に設定されている。ただし、この9倍という数値に必ずしも限定されるものではなく、第1の抵抗発熱体122の抵抗値が第2の抵抗発熱体54の抵抗値より大きければ良い。このように抵抗値を異ならせるためには、同じ形状及び同じ膜厚であるが、電気伝導度(抵抗率)の異なる材料で構成するか、同じ膜厚及び同じ材料であるが、形状、例えば長さや幅、を異ならせて構成するか、又は同じ形状及び同じ材料であるが、膜厚を異ならせて構成すれば良い。
これら第1及び第2の抵抗発熱体122及び54は、2つの駆動端子電極35間に互いに直列に接続されている。これら第1及び第2の抵抗発熱体122及び54を流れる電流によって、ジュール熱が発生し、これらを取り囲む第1のコイル絶縁層123d及びギャップ層123b並びに保護膜55が自ら膨張してMR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子123部分並びに保護膜55部分を所望の突出プロファイルで磁気ディスク方向に突出させる。
なお、本実施形態の変更態様として、図11に示すように、第1の抵抗発熱体の抵抗値を第2の抵抗発熱体の抵抗値より小さな値とし、かつこれら第1の抵抗発熱体と第2の抵抗発熱体とを互いに並列接続しても良いことは明らかである。
図13は本発明のさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図である。
本実施形態においては、第1の抵抗発熱体122の形成位置が図1の実施形態の場合と異なっているが、本実施形態におけるその他の構成は、図1に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図13において、図5に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図13において、50は例えばアルティック(Al−TiC)等から形成されたスライダ基板であり、このスライダ基板50には、磁気ディスク表面に対向するABS36が形成されている。磁気ヘッドスライダ21は、動作中、回転する磁気ディスク表面上を所定の浮上量で流体力学的に浮上する。このスライダ基板50の素子形成面37上に、第1の抵抗発熱体132、MR読出しヘッド素子51、インダクティブ書込みヘッド素子53及び第2の抵抗発熱体54が順次積層され、インダクティブ書込みヘッド素子53の上に第2の抵抗発熱体54を覆うように保護膜(オーバーコート膜)55が形成されている。
スライダ基板50上には、例えばAl等からなる厚さ0.05〜10μm程度の絶縁層136が形成されており、この絶縁層136上にMR読出しヘッド素子51が形成されている。
MR読出しヘッド素子51は、MR積層体51aと、この積層体を挟む上下位置に配置されている下部シールド層51b及び上部シールド層51cとを含んでいる。下部シールド層51b及び上部シールド層51cは、各々が例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなり、厚さは0.3〜3μm程度である。
MR積層体51aは、CIP−GMR多層膜、CPP−GMR多層膜、又はTMR多層膜からなり、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感受する。下部及び上部シールド層51b及び51cは、MR積層体51aが雑音となる外部磁界を受けることを防止する。
MR積層体51aがCIP-GMR多層膜である場合、下部及び上部シールド層51b及び51cの各々とMR積層体51aとの間に、絶縁用の下部シールドギャップ層51d及び上部シールドギャップ層51eがそれぞれ設けられる。さらに、MR積層体51aにセンス電流を供給して再生出力を取り出すためのMRリード導体層51fが設けられる。一方、MR積層体51aがCPP−GMR多層膜又はTMR多層膜を含む場合、下部及び上部シールド層51b及び51cはそれぞれ下部及び上部電極としても機能する。なお、MR積層体51aは、例えばTMR多層膜であれば、磁化固定層、トンネルバリア層及び磁化自由層が順次積層された積層構造となる。
MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51c上には、例えばAl等からなる厚さ0.1〜2.0μm程度の絶縁層57が形成されている。この絶縁層57上にインダクティブ書込みヘッド素子53が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子53は、本実施形態においては、面内磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であり、下部磁極層53a、ギャップ層53b、コイル層53c、コイル層53cを絶縁するためのレジスト層からなる第1及び第2のコイル絶縁層53d及び53e、並びに上部磁極層53fを含んでいる。下部磁極層53aは、例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなっており、厚さは0.3〜3μm程度である。この下部磁極層53a上に、例えばAl又はDLC等からなる厚さ0.01〜0.5μm程度のギャップ層53bが形成されており、さらにギャップ層53b上に、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第1のコイル絶縁層53dが形成されている。この第1のコイル絶縁層53d上に、例えばCu等からなる厚さ0.5〜3μm程度のコイル層53cが形成されており、さらに、このコイル層53cを覆うように、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第2のコイル絶縁層53eが形成されている。この第2のコイル絶縁層53eを覆うように、例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなる厚さ0.5〜5μm程度の上部磁極層53fが形成されている。コイル層53cは、1層でも2層以上でも良く、また、ヘリカルコイルでも良い。
下部磁極層53a及び上部磁極層53fは、コイル層53cによって誘導された磁束の通路となっており、それらのABS側の端部からの漏洩磁界によって面内磁気記録用の磁気ディスクに書込みが行なわれる。
なお、MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子53の磁気ディスク側の端面には、DLC等による極薄のコーティング膜が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子53の上には、例えばAl等からなる保護膜55が形成されている。
本実施形態においては、スライダ基板50とMR読出しヘッド素子51との間の絶縁層136内に、この絶縁層136によって絶縁された第1の抵抗発熱体132が形成されている。さらに、インダクティブ書込みヘッド素子53の上方の保護膜55内に、第2の抵抗発熱体54が形成されている。
第1の抵抗発熱体132及び/又は及び第2の抵抗発熱体54の形状及び構成材料並びに変更態様等は、図1の実施形態の場合と同様である。
第1の抵抗発熱体132は第2の抵抗発熱体54より抵抗値が大きな値、ここでは約9倍に設定されている。ただし、この9倍という数値に必ずしも限定されるものではなく、第1の抵抗発熱体132の抵抗値が第2の抵抗発熱体54の抵抗値より大きければ良い。このように抵抗値を異ならせるためには、同じ形状及び同じ膜厚であるが、電気伝導度(抵抗率)の異なる材料で構成するか、同じ膜厚及び同じ材料であるが、形状、例えば長さや幅、を異ならせて構成するか、又は同じ形状及び同じ材料であるが、膜厚を異ならせて構成すれば良い。
これら第1及び第2の抵抗発熱体132及び54は、2つの駆動端子電極35間に互いに直列に接続されている。これら第1及び第2の抵抗発熱体132及び54を流れる電流によって、ジュール熱が発生し、これらを取り囲む絶縁層136及び保護膜55が自ら膨張してMR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子53部分並びに保護膜55部分を所望の突出プロファイルで磁気ディスク方向に突出させる。
なお、本実施形態の変更態様として、図11に示すように、第1の抵抗発熱体の抵抗値を第2の抵抗発熱体の抵抗値より小さな値とし、かつこれら第1の抵抗発熱体と第2の抵抗発熱体とを互いに並列接続しても良いことは明らかである。
図14は本発明のまたさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図である。
本実施形態においては、インダクティブ書込みヘッド素子の構造が図1の実施形態の場合と異なっているが、本実施形態におけるその他の構成は、図1に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図14において、図5に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図14において、50は例えばアルティック(Al−TiC)等から形成されたスライダ基板であり、このスライダ基板50には、磁気ディスク表面に対向するABS36が形成されている。磁気ヘッドスライダ21は、動作中、回転する磁気ディスク表面上を所定の浮上量で流体力学的に浮上する。このスライダ基板50の素子形成面37上に、MR読出しヘッド素子51、第1の抵抗発熱体142、インダクティブ書込みヘッド素子143及び第2の抵抗発熱体54が順次積層され、インダクティブ書込みヘッド素子143の上に第2の抵抗発熱体54を覆うように保護膜(オーバーコート膜)55が形成されている。
スライダ基板50上には、例えばAl等からなる厚さ0.05〜10μm程度の絶縁層56が形成されており、この絶縁層56上にMR読出しヘッド素子51が形成されている。
MR読出しヘッド素子51は、MR積層体51aと、この積層体を挟む上下位置に配置されている下部シールド層51b及び上部シールド層51cとを含んでいる。下部シールド層51b及び上部シールド層51cは、各々が例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなり、厚さは0.3〜3μm程度である。
MR積層体51aは、CIP−GMR多層膜、CPP−GMR多層膜、又はTMR多層膜からなり、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感受する。下部及び上部シールド層51b及び51cは、MR積層体51aが雑音となる外部磁界を受けることを防止する。
MR積層体51aがCIP-GMR多層膜である場合、下部及び上部シールド層51b及び51cの各々とMR積層体51aとの間に、絶縁用の下部シールドギャップ層51d及び上部シールドギャップ層51eがそれぞれ設けられる。さらに、MR積層体51aにセンス電流を供給して再生出力を取り出すためのMRリード導体層51fが設けられる。一方、MR積層体51aがCPP−GMR多層膜又はTMR多層膜を含む場合、下部及び上部シールド層51b及び51cはそれぞれ下部及び上部電極としても機能する。なお、MR積層体51aは、例えばTMR多層膜であれば、磁化固定層、トンネルバリア層及び磁化自由層が順次積層された積層構造となる。
MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51c上には、例えばAl等からなる厚さ0.1〜2.0μm程度の絶縁層147が形成されている。この絶縁層147上に例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなる素子間シールド層148が形成されており、その上に例えばAl等からなる厚さ0.1〜5.0μm程度の絶縁層149を介してインダクティブ書込みヘッド素子143が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子143は、本実施形態においては、垂直磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であり、主磁極層143a、補助磁極層143b及びコイル層143cを含んでいる。主磁極層143aは、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ0.01〜0.5μm程度の主磁極主要層143aと、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ0.1〜3μm程度の主磁極補助層143aとから構成されている。この主磁極層143aは、コイル層143cによって誘導された磁束を、書込みがなされる磁気ディスクの垂直磁気記録層まで収束させながら導くための磁路である。主磁極補助層143a上には、例えばAl又はDLC等からなる厚さ0.001〜0.5μm程度のギャップ層143dが形成されており、さらにギャップ層143d上に、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第1のコイル絶縁層143eが形成されている。この第1のコイル絶縁層143e上に、例えばCu等からなる厚さ0.5〜3μm程度のコイル層143cが形成されており、さらに、このコイル層143cを覆うように、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第2のコイル絶縁層143fが形成されている。第2のコイル絶縁層143fを覆うように、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ約0.1〜0.5μm程度の補助磁極層143bが形成されている。コイル層143cは、1層でも2層以上でも良く、また、ヘリカルコイルでも良い。また、絶縁層149中に反対方向に電流を流すコイルを持ったダブルコイル構造としても良い。
主磁極層143aの磁気ディスクに対向する端面における層厚方向の長さ(厚さ)は、その主磁極主要層143aのみの層厚に相当しており小さくなっており、これによって、高記録密度化に対応した微細な書込み磁界を発生させることができる。また、補助磁極層143bの磁気ディスクに対向する端部は、この補助磁極層143bの他の部分よりも層断面が広いトレーリングシールド部143bとなっている。トレーリングシールド部143bを設けることによって、このトレーリングシールド部143bと主磁極層143aとの間において磁界勾配がより急峻になり、信号出力のジッタが小さくなって読み出し時のエラーレートを小さくすることができる。
なお、MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子143の磁気ディスク側の端面には、DLC等による極薄のコーティング膜が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子143の上には、例えばAl等からなる保護膜55が形成されている。
本実施形態においては、MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51cと素子間シールド層148との間に、絶縁層147によって絶縁された第1の抵抗発熱体142が形成されている。さらに、インダクティブ書込みヘッド素子143の上方の保護膜55内に、第2の抵抗発熱体54が形成されている。
第1の抵抗発熱体142及び/又は及び第2の抵抗発熱体54の形状及び構成材料並びに変更態様等は、図1の実施形態の場合と同様である。
第1の抵抗発熱体142は第2の抵抗発熱体54より抵抗値が大きな値、ここでは約9倍に設定されている。ただし、この9倍という数値に必ずしも限定されるものではなく、第1の抵抗発熱体142の抵抗値が第2の抵抗発熱体54の抵抗値より大きければ良い。このように抵抗値を異ならせるためには、同じ形状及び同じ膜厚であるが、電気伝導度(抵抗率)の異なる材料で構成するか、同じ膜厚及び同じ材料であるが、形状、例えば長さや幅、を異ならせて構成するか、又は同じ形状及び同じ材料であるが、膜厚を異ならせて構成すれば良い。
これら第1及び第2の抵抗発熱体142及び54は、2つの駆動端子電極35間に互いに直列に接続されている。これら第1及び第2の抵抗発熱体142及び54を流れる電流によって、ジュール熱が発生し、これらを取り囲む絶縁層147及び保護膜55が自ら膨張してMR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子143部分並びに保護膜55部分を所望の突出プロファイルで磁気ディスク方向に突出させる。
なお、本実施形態の変更態様として、図11に示すように、第1の抵抗発熱体の抵抗値を第2の抵抗発熱体の抵抗値より小さな値とし、かつこれら第1の抵抗発熱体と第2の抵抗発熱体とを互いに並列接続しても良いことは明らかである。
図15及び図16は、従来技術1、従来技術2及び本実施形態とそれぞれ同様の構造であるがMR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子の位置等が異なる薄膜磁気ヘッドにおける突出プロファイル特性を説明する図である。これらの図において、横軸はスライダ基板の表面からの距離(μm)を表しており、縦軸は最大値が一致するように規格化した突出量(nm)をそれぞれ表している。従来技術1は本実施形態における第1の抵抗発熱体142の位置にのみ発熱抵抗体を設けた場合、従来技術2は本実施形態における第2の抵抗発熱体54の位置にのみ発熱抵抗体を設けた場合である。図15の本実施形態の特性において、第1の抵抗発熱体に印加される電力が第2の抵抗発熱体に印加される電力の約9倍となっており、一方、図16の本実施形態の特性において、第1の抵抗発熱体に印加される電力が第2の抵抗発熱体に印加される電力の約8倍となっている。
これらの図から明らかのように、本実施形態によれば、保護膜部分の突出量が最も大きくなるがその量はさほどではなく、しかも、MR読出しヘッド素子やインダクティブ書込みヘッド素子部分も充分に突出するので、信頼性を確保しつつマグネティックスペーシングを小さくすることができる。
さらに、本実施形態によれば、第1及び第2の抵抗発熱体142及び54を互いに直列接続しているので、磁気ヘッドスライダ21の素子形成面37に形成される駆動端子電極35の数を2つ又は1つと最小限にすることができる。
図17は本発明のさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図である。
本実施形態においては、第1の抵抗発熱体172の形成位置が図14の実施形態の場合と異なっているが、本実施形態におけるその他の構成は、図14に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図17において、図14に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図17において、50は例えばアルティック(Al−TiC)等から形成されたスライダ基板であり、このスライダ基板50には、磁気ディスク表面に対向するABS36が形成されている。磁気ヘッドスライダ21は、動作中、回転する磁気ディスク表面上を所定の浮上量で流体力学的に浮上する。このスライダ基板50の素子形成面37上に、MR読出しヘッド素子51、第1の抵抗発熱体172、インダクティブ書込みヘッド素子143及び第2の抵抗発熱体54が順次積層され、インダクティブ書込みヘッド素子143の上に第2の抵抗発熱体54を覆うように保護膜(オーバーコート膜)55が形成されている。
スライダ基板50上には、例えばAl等からなる厚さ0.05〜10μm程度の絶縁層56が形成されており、この絶縁層56上にMR読出しヘッド素子51が形成されている。
MR読出しヘッド素子51は、MR積層体51aと、この積層体を挟む上下位置に配置されている下部シールド層51b及び上部シールド層51cとを含んでいる。下部シールド層51b及び上部シールド層51cは、各々が例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなり、厚さは0.3〜3μm程度である。
MR積層体51aは、CIP−GMR多層膜、CPP−GMR多層膜、又はTMR多層膜からなり、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感受する。下部及び上部シールド層51b及び51cは、MR積層体51aが雑音となる外部磁界を受けることを防止する。
MR積層体51aがCIP-GMR多層膜である場合、下部及び上部シールド層51b及び51cの各々とMR積層体51aとの間に、絶縁用の下部シールドギャップ層51d及び上部シールドギャップ層51eがそれぞれ設けられる。さらに、MR積層体51aにセンス電流を供給して再生出力を取り出すためのMRリード導体層51fが設けられる。一方、MR積層体51aがCPP−GMR多層膜又はTMR多層膜を含む場合、下部及び上部シールド層51b及び51cはそれぞれ下部及び上部電極としても機能する。なお、MR積層体51aは、例えばTMR多層膜であれば、磁化固定層、トンネルバリア層及び磁化自由層が順次積層された積層構造となる。
MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51c上には、例えばAl等からなる厚さ0.1〜2.0μm程度の絶縁層177が形成されている。この絶縁層177上に例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなる素子間シールド層148が形成されており、その上に例えばAl等からなる厚さ0.1〜5.0μm程度の絶縁層179を介してインダクティブ書込みヘッド素子143が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子143は、本実施形態においては、垂直磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であり、主磁極層143a、補助磁極層143b及びコイル層143cを含んでいる。主磁極層143aは、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ0.01〜0.5μm程度の主磁極主要層143aと、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ0.1〜3μm程度の主磁極補助層143aとから構成されている。この主磁極層143aは、コイル層143cによって誘導された磁束を、書込みがなされる磁気ディスクの垂直磁気記録層まで収束させながら導くための磁路である。主磁極補助層143a上には、例えばAl又はDLC等からなる厚さ0.001〜0.5μm程度のギャップ層143dが形成されており、さらにギャップ層143d上に、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第1のコイル絶縁層143eが形成されている。この第1のコイル絶縁層143e上に、例えばCu等からなる厚さ0.5〜3μm程度のコイル層143cが形成されており、さらに、このコイル層143cを覆うように、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第2のコイル絶縁層143fが形成されている。第2のコイル絶縁層143fを覆うように、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ約0.1〜0.5μm程度の補助磁極層143bが形成されている。コイル層143cは、1層でも2層以上でも良く、また、ヘリカルコイルでも良い。また、絶縁層149中に反対方向に電流を流すコイルを持ったダブルコイル構造としても良い。
主磁極層143aの磁気ディスクに対向する端面における層厚方向の長さ(厚さ)は、その主磁極主要層143aのみの層厚に相当しており小さくなっており、これによって、高記録密度化に対応した微細な書込み磁界を発生させることができる。また、補助磁極層143bの磁気ディスクに対向する端部は、この補助磁極層143bの他の部分よりも層断面が広いトレーリングシールド部143bとなっている。トレーリングシールド部143bを設けることによって、このトレーリングシールド部143bと主磁極層143aとの間において磁界勾配がより急峻になり、信号出力のジッタが小さくなって読み出し時のエラーレートを小さくすることができる。
なお、MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子143の磁気ディスク側の端面には、DLC等による極薄のコーティング膜が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子143の上には、例えばAl等からなる保護膜55が形成されている。
本実施形態においては、素子間シールド層148とインダクティブ書込みヘッド素子143の主磁極層143aとの間に、絶縁層179によって絶縁された第1の抵抗発熱体172が形成されている。さらに、インダクティブ書込みヘッド素子143の上方の保護膜55内に、第2の抵抗発熱体54が形成されている。
第1の抵抗発熱体172及び/又は及び第2の抵抗発熱体54の形状及び構成材料並びに変更態様等は、図14の実施形態の場合と同様である。
第1の抵抗発熱体172は第2の抵抗発熱体54より抵抗値が大きな値、ここでは約9倍に設定されている。ただし、この9倍という数値に必ずしも限定されるものではなく、第1の抵抗発熱体172の抵抗値が第2の抵抗発熱体54の抵抗値より大きければ良い。このように抵抗値を異ならせるためには、同じ形状及び同じ膜厚であるが、電気伝導度(抵抗率)の異なる材料で構成するか、同じ膜厚及び同じ材料であるが、形状、例えば長さや幅、を異ならせて構成するか、又は同じ形状及び同じ材料であるが、膜厚を異ならせて構成すれば良い。
これら第1及び第2の抵抗発熱体172及び54は、2つの駆動端子電極35間に互いに直列に接続されている。これら第1及び第2の抵抗発熱体172及び54を流れる電流によって、ジュール熱が発生し、これらを取り囲む絶縁層149及び保護膜55が自ら膨張してMR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子143部分並びに保護膜55部分を所望の突出プロファイルで磁気ディスク方向に突出させる。
なお、本実施形態の変更態様として、図11に示すように、第1の抵抗発熱体の抵抗値を第2の抵抗発熱体の抵抗値より小さな値とし、かつこれら第1の抵抗発熱体と第2の抵抗発熱体とを互いに並列接続しても良いことは明らかである。
図18は本発明のまたさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図である。
本実施形態においては、第1の抵抗発熱体182の形成位置が図14の実施形態の場合と異なっているが、本実施形態におけるその他の構成は、図14に関連して述べた実施形態の場合と全く同様である。従って、図18において、図14に示すものと同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図18において、50は例えばアルティック(Al−TiC)等から形成されたスライダ基板であり、このスライダ基板50には、磁気ディスク表面に対向するABS36が形成されている。磁気ヘッドスライダ21は、動作中、回転する磁気ディスク表面上を所定の浮上量で流体力学的に浮上する。このスライダ基板50の素子形成面37上に、第1の抵抗発熱体182、MR読出しヘッド素子51、インダクティブ書込みヘッド素子143及び第2の抵抗発熱体54が順次積層され、インダクティブ書込みヘッド素子143の上に第2の抵抗発熱体54を覆うように保護膜(オーバーコート膜)55が形成されている。
スライダ基板50上には、例えばAl等からなる厚さ0.05〜10μm程度の絶縁層186が形成されており、この絶縁層186上にMR読出しヘッド素子51が形成されている。
MR読出しヘッド素子51は、MR積層体51aと、この積層体を挟む上下位置に配置されている下部シールド層51b及び上部シールド層51cとを含んでいる。下部シールド層51b及び上部シールド層51cは、各々が例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなり、厚さは0.3〜3μm程度である。
MR積層体51aは、CIP−GMR多層膜、CPP−GMR多層膜、又はTMR多層膜からなり、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感受する。下部及び上部シールド層51b及び51cは、MR積層体51aが雑音となる外部磁界を受けることを防止する。
MR積層体51aがCIP-GMR多層膜である場合、下部及び上部シールド層51b及び51cの各々とMR積層体51aとの間に、絶縁用の下部シールドギャップ層51d及び上部シールドギャップ層51eがそれぞれ設けられる。さらに、MR積層体51aにセンス電流を供給して再生出力を取り出すためのMRリード導体層51fが設けられる。一方、MR積層体51aがCPP−GMR多層膜又はTMR多層膜を含む場合、下部及び上部シールド層51b及び51cはそれぞれ下部及び上部電極としても機能する。なお、MR積層体51aは、例えばTMR多層膜であれば、磁化固定層、トンネルバリア層及び磁化自由層が順次積層された積層構造となる。
MR読出しヘッド素子51の上部シールド層51c上には、例えばAl等からなる厚さ0.1〜2.0μm程度の絶縁層187が形成されている。この絶縁層187上に例えばNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等からなる素子間シールド層148が形成されており、その上に例えばAl等からなる厚さ0.1〜5.0μm程度の絶縁層149を介してインダクティブ書込みヘッド素子143が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子143は、本実施形態においては、垂直磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であり、主磁極層143a、補助磁極層143b及びコイル層143cを含んでいる。主磁極層143aは、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ0.01〜0.5μm程度の主磁極主要層143aと、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ0.1〜3μm程度の主磁極補助層143aとから構成されている。この主磁極層143aは、コイル層143cによって誘導された磁束を、書込みがなされる磁気ディスクの垂直磁気記録層まで収束させながら導くための磁路である。主磁極補助層143a上には、例えばAl又はDLC等からなる厚さ0.001〜0.5μm程度のギャップ層143dが形成されており、さらにギャップ層143d上に、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第1のコイル絶縁層143eが形成されている。この第1のコイル絶縁層143e上に、例えばCu等からなる厚さ0.5〜3μm程度のコイル層143cが形成されており、さらに、このコイル層143cを覆うように、例えば熱硬化されたレジスト層からなる厚さ0.1〜5μm程度の第2のコイル絶縁層143fが形成されている。第2のコイル絶縁層143fを覆うように、例えばNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等からなる厚さ約0.1〜0.5μm程度の補助磁極層143bが形成されている。コイル層143cは、1層でも2層以上でも良く、また、ヘリカルコイルでも良い。また、絶縁層149中に反対方向に電流を流すコイルを持ったダブルコイル構造としても良い。
主磁極層143aの磁気ディスクに対向する端面における層厚方向の長さ(厚さ)は、その主磁極主要層143aのみの層厚に相当しており小さくなっており、これによって、高記録密度化に対応した微細な書込み磁界を発生させることができる。また、補助磁極層143bの磁気ディスクに対向する端部は、この補助磁極層143bの他の部分よりも層断面が広いトレーリングシールド部143bとなっている。トレーリングシールド部143bを設けることによって、このトレーリングシールド部143bと主磁極層143aとの間において磁界勾配がより急峻になり、信号出力のジッタが小さくなって読み出し時のエラーレートを小さくすることができる。
なお、MR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子143の磁気ディスク側の端面には、DLC等による極薄のコーティング膜が形成されている。
インダクティブ書込みヘッド素子143の上には、例えばAl等からなる保護膜55が形成されている。
本実施形態においては、スライダ基板50とMR読出しヘッド素子51との間の絶縁層186内に、この絶縁層186によって絶縁された第1の抵抗発熱体182が形成されている。さらに、インダクティブ書込みヘッド素子143の上方の保護膜55内に、第2の抵抗発熱体54が形成されている。
第1の抵抗発熱体182及び/又は及び第2の抵抗発熱体54の形状及び構成材料並びに変更態様等は、図14の実施形態の場合と同様である。
第1の抵抗発熱体182は第2の抵抗発熱体54より抵抗値が大きな値、ここでは約9倍に設定されている。ただし、この9倍という数値に必ずしも限定されるものではなく、第1の抵抗発熱体182の抵抗値が第2の抵抗発熱体54の抵抗値より大きければ良い。このように抵抗値を異ならせるためには、同じ形状及び同じ膜厚であるが、電気伝導度(抵抗率)の異なる材料で構成するか、同じ膜厚及び同じ材料であるが、形状、例えば長さや幅、を異ならせて構成するか、又は同じ形状及び同じ材料であるが、膜厚を異ならせて構成すれば良い。
これら第1及び第2の抵抗発熱体182及び54は、2つの駆動端子電極35間に互いに直列に接続されている。これら第1及び第2の抵抗発熱体182及び54を流れる電流によって、ジュール熱が発生し、これらを取り囲む絶縁層186及び保護膜55が自ら膨張してMR読出しヘッド素子51及びインダクティブ書込みヘッド素子143部分並びに保護膜55部分を所望の突出プロファイルで磁気ディスク方向に突出させる。
なお、本実施形態の変更態様として、図11に示すように、第1の抵抗発熱体の抵抗値を第2の抵抗発熱体の抵抗値より小さな値とし、かつこれら第1の抵抗発熱体と第2の抵抗発熱体とを互いに並列接続しても良いことは明らかである。
以上の実施形態では、第1の抵抗発熱体を、MR読出しヘッド素子の上部シールド層とインダクティブ書込みヘッド素子の下部磁極層との間、インダクティブ書込みヘッド素子の下部磁極層と第1のコイル絶縁層との間、スライダ基板とMR読出しヘッド素子との間、MR読出しヘッド素子の上部シールド層と素子間シールド層との間、又は素子間シールド層とインダクティブ書込みヘッド素子の主磁極層との間に形成し、第2の抵抗発熱体を、インダクティブ書込みヘッド素子の上方の保護膜内に形成しているが、本発明において、これら第1及び第2の抵抗発熱体の位置はこれら実施形態の位置に限定されるものではなく、第1の抵抗発熱体をインダクティブ書込みヘッド素子のレジスト層より基板側に設け、第2の抵抗発熱体をこのレジスト層より反基板側に設ければ良い。例えば、第1の抵抗発熱体を、MR読出しヘッド素子の上部シールド層とインダクティブ書込みヘッド素子の主磁極層との間、又はインダクティブ書込みヘッド素子の主磁極層の上に設けても良い。また、1つの第1の抵抗発熱体の代わりに複数の第1の抵抗発熱体群、1つの第2の抵抗発熱体の代わりに複数の第2の抵抗発熱体群を設けても良い。この場合、第1の抵抗発熱体群の発熱重心がインダクティブ書込みヘッド素子のレジスト層より基板側となるように、複数の第2の抵抗発熱体群の発熱重心がこのレジスト層より反基板側となるようにそれぞれ配置する。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本発明の一実施形態として、磁気ディスクドライブ装置の要部の構成を概略的に示す斜視図である。 図1におけるHGAの一構成例を示す斜視図である。 図2のHGAの先端部に装着されている薄膜磁気ヘッドを示す斜視図である。 図3の磁気ヘッドスライダの磁気ヘッド素子部分をスライダ基板の素子形成面側から見た平面図ある。 図1の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図であり、図4のV−V線断面を示している。 図3の磁気ヘッドスライダの磁気ヘッド素子部分及び抵抗発熱体部分の概略的な構成を示す図である。 図1に示したHDDの記録再生及び電流制御回路の回路構成を示すブロック図である。 2つの従来技術及び図1の実施形態の薄膜磁気ヘッドにおける突出プロファイル特性を説明する図である。 従来技術1、従来技術2及び図1の実施形態とそれぞれ同様の構造であるがMR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子の位置等が異なる薄膜磁気ヘッドにおける突出プロファイル特性を説明する図である。 従来技術1、従来技術2及び図1の実施形態とそれぞれ同様の構造であるがMR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子の位置等が異なる薄膜磁気ヘッドにおける突出プロファイル特性を説明する図である。 図1の実施形態の変更態様におけるHDDの記録再生及び電流制御回路の回路構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図である。 本発明のまたさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図である。 従来技術1、従来技術2及び図14の実施形態とそれぞれ同様の構造であるがMR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子の位置等が異なる薄膜磁気ヘッドにおける突出プロファイル特性を説明する図である。 従来技術1、従来技術2及び図14の実施形態とそれぞれ同様の構造であるがMR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子の位置等が異なる薄膜磁気ヘッドにおける突出プロファイル特性を説明する図である。 本発明のさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図である。 本発明のまたさらに他の実施形態における磁気ヘッドスライダの構造を概略的に示す断面図である。
符号の説明
10 磁気ディスク
11 スピンドルモータ
12 アセンブリキャリッジ装置
13 記録再生回路
14 駆動アーム
15 ボイスコイルモータ(VCM)
16 ピボットベアリング軸
17 HGA
20 サスペンション
21 磁気ヘッドスライダ
22 ロードビーム
23 フレクシャ
24 ベースプレート
25 配線部材
30 MR読出しヘッド素子
31 インダクティブ書込みヘッド素子
32 磁気ヘッド素子
33、34 信号端子電極
35 駆動端子電極
36 ABS
37 素子形成面
50 スライダ基板
51 MR読出しヘッド素子
51a MR積層体
51b 下部シールド層
51c 上部シールド層
51d 下部シールドギャップ層
51e 上部シールドギャップ層
51f MRリード導体層
52、112、122、132、142、172、182 第1の抵抗発熱体
53、123、143 インダクティブ書込みヘッド素子
53a、123a 下部磁極層
53b、123b、143d ギャップ層
53c、123c、143c コイル層
53d、123d、143e 第1のコイル絶縁層
53e、123e、143f 第2のコイル絶縁層
53f、123f 上部磁極層
54、114 第2の抵抗発熱体
55 保護膜(オーバーコート膜)
56、57、136、147、149、177、179、186、187 絶縁層
58 リード導体
70 記録再生回路
70a 記録再生チャネル
70b プリアンプ部
70b ライトゲート
70b リードゲート
70b オートゲインコントローラ(AGC)
71 電流制御回路
71a レジスタ
71b D/A変換器
71c 電流制御部
72 CPU
143a 主磁極層
143a 主磁極主要層
143a 主磁極補助層
143b 補助磁極層
143b トレーリングシールド部
148 素子間シールド層

Claims (16)

  1. 基板上に積層された磁気抵抗効果読出しヘッド素子と、該磁気抵抗効果読出しヘッド素子上に積層されており、レジスト層を有するインダクティブ書込みヘッド素子と、磁気記録媒体に対向する端面を突出させるための少なくとも2つの抵抗発熱体とを備えており、該少なくとも2つの抵抗発熱体のうちの少なくとも1つの抵抗発熱体が前記レジスト層より基板側に位置していると共に該少なくとも2つの抵抗発熱体のうちの他の少なくとも1つの抵抗発熱体が前記レジスト層より反基板側に位置しており、前記少なくとも2つの抵抗発熱体が互いに直列又は並列接続されており、前記少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力が前記他の少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力より大きいことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記少なくとも2つの抵抗発熱体が互いに直列接続されている場合は、前記少なくとも1つの抵抗発熱体の抵抗値が前記他の少なくとも1つの抵抗発熱体の抵抗値より大きいことを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記少なくとも2つの抵抗発熱体が互いに並列接続されている場合は、前記少なくとも1つの抵抗発熱体の抵抗値が前記他の少なくとも1つの抵抗発熱体の抵抗値より小さいことを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力が前記他の少なくとも1つの抵抗発熱体に印加される電力の約9倍であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記少なくとも1つの抵抗発熱体が、前記磁気抵抗効果読出しヘッド素子の下部シールド層と前記基板との間に設けられた第1の抵抗発熱体からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記少なくとも1つの抵抗発熱体が、前記磁気抵抗効果読出しヘッド素子の上部シールド層と前記インダクティブ書込みヘッド素子の下部磁極層との間に設けられた第1の抵抗発熱体からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記少なくとも1つの抵抗発熱体が、前記インダクティブ書込みヘッド素子の下部磁極層上に設けられた第1の抵抗発熱体からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記インダクティブ書込みヘッド素子が、面内磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記少なくとも1つの抵抗発熱体が、前記磁気抵抗効果読出しヘッド素子の上部シールド層と前記インダクティブ書込みヘッド素子の主磁極層との間に設けられた第1の抵抗発熱体からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記少なくとも1つの抵抗発熱体が、前記磁気抵抗効果読出しヘッド素子の上部シールド層と、該磁気抵抗効果読出しヘッド素子及び前記インダクティブ書込みヘッド素子間の素子間シールド層との間に設けられた第1の抵抗発熱体からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記少なくとも1つの抵抗発熱体が、前記磁気抵抗効果読出しヘッド素子及び前記インダクティブ書込みヘッド素子間の素子間シールド層上に設けられた第1の抵抗発熱体からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 前記少なくとも1つの抵抗発熱体が、前記インダクティブ書込みヘッド素子の主磁極層上に設けられた第1の抵抗発熱体からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 前記インダクティブ書込みヘッド素子が、垂直磁気記録型インダクティブ書込みヘッド素子であることを特徴とする請求項1から5及び9から12のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 前記インダクティブ書込みヘッド素子を覆う保護膜をさらに備えており、前記他の少なくとも1つの抵抗発熱体が前記保護膜内に設けられた第2の抵抗発熱体からなることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドと、該薄膜磁気ヘッドを支持する支持体とを備えたことを特徴とする磁気ヘッドアセンブリ。
  16. 請求項15に記載の磁気ヘッドアセンブリを少なくとも1つ備えたことを特徴とする磁気ディスクドライブ装置。
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