JP2006059411A - 薄膜磁気ヘッドの製造方法および磁気ヘッドスライダの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より良好かつ安定した再生特性を得ることのできる薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】 ウェハ11A上に、一定方向に固着された磁化方向J33を有する磁化固着層33と信号磁場に応じて磁化方向J35が変化する磁化自由層35とを有するMR膜14を形成したのち、ウェハ11Aからバー11Bを切り出す。バー11B上の各MR膜14に対して超音波による振動エネルギーを加え、ABS11Sを形成するための機械研磨の際に磁化自由層35に生じた内部応力を除去する。これにより、零磁場状態において磁化方向J35のばらつきを低減し、磁化方向J33と直交する方向に揃えることができるので、十分な再生出力を確保しつつ、再生出力波形の対称性および安定性を向上させることができる。
【選択図】 図6
【解決手段】 ウェハ11A上に、一定方向に固着された磁化方向J33を有する磁化固着層33と信号磁場に応じて磁化方向J35が変化する磁化自由層35とを有するMR膜14を形成したのち、ウェハ11Aからバー11Bを切り出す。バー11B上の各MR膜14に対して超音波による振動エネルギーを加え、ABS11Sを形成するための機械研磨の際に磁化自由層35に生じた内部応力を除去する。これにより、零磁場状態において磁化方向J35のばらつきを低減し、磁化方向J33と直交する方向に揃えることができるので、十分な再生出力を確保しつつ、再生出力波形の対称性および安定性を向上させることができる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、磁気抵抗効果膜を有する薄膜磁気ヘッドの製造方法および磁気ヘッドスライダの製造方法に関する。
従来より、磁気情報(以下、単に情報という。)の記録および読出を行うものとしてハードディスクドライブ(HDD;Hard Disc Drive)等の磁気ディスク装置が用いられている。磁気ディスク装置は、例えば筐体の内部に、情報が格納される磁気ディスクと、この磁気ディスクへの情報の記録および磁気ディスクに記録された情報の再生を行う薄膜磁気ヘッドとを備えたものである。薄膜磁気ヘッドは、一般的に、巨大磁気抵抗(GMR;Giant Magnetoresistive)効果を示す巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)を備えた再生ヘッドと誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドとが積層された構造をなしており、磁気ディスクと対向する記録媒体対向面(ABS;Air Bearing Surface)を有している。GMR素子としては、特に、反強磁性材料からなるピンニング層と、このピンニング層によって一定方向に固着された磁化方向を示すピンド層と、非磁性導電材料からなるスペーサ層と、磁気ディスクからの信号磁場に応じて磁化方向が変化するフリー層とが順に積層された構造を有するスピンバルブ(SV;Spin-Valve)型のGMR素子(以下、SV−GMR素子という。)がよく知られている。
再生ヘッドとしては、再生出力が大きく、かつ、バルクハウゼンノイズが小さいことが望まれる。これに加え、再生出力波形の対称性が高く、かつ、再生出力波形のばらつきが小さく安定していることも要求される。
バルクハウゼンノイズを低減すると共に、再生出力波形の対称性を向上させ、安定化させる手段としては、GMR素子に対して長手方向(GMR素子の積層面内においてABSと平行な方向)にバイアス磁場を印加する方法がある。このようなバイアス磁場の印加は、例えば、永久磁石や強磁性層と反強磁性層とを含む積層体からなるバイアス磁場印加層をMR素子の両側に配置することにより行う(例えば、特許文献1参照。)。特に、特許文献1では、製造工程に起因するバルクハウゼンノイズの発生の抑制を目的として、複数のMR素子を含むブロックを形成したのち、またはブロックからMR素子を切り出したのち、所定方向の直流磁場を印加し、バイアス磁場印加層の着磁を行うようにしている。ここで、バイアス磁場印加層から発生されるバイアス磁場が大きいほどバルクハウゼンノイズが低減されると共に、再生出力波形の対称性および安定性が促進される。なお、一般的に、再生出力波形の対称性および安定性を十分に確保するには、実用上の支障がない程度までバルクハウゼンノイズを低減する場合と比べ、より大きなバイアス磁場を印加する必要がある。
特開平9−147324号公報
再生ヘッドの再生特性の改善を目的とした関連技術としては、例えば特許文献2および3に開示されたものがある。特許文献2では、静電気放電によって磁化方向が反転してしまったピンド層に対し、特定方向に一定の静磁場を印加しつつパルス状の磁場を発生させ、それらの重畳作用によって上記ピンド層の磁化方向を正常な方向へ戻すことにより、再生ヘッドとしての特性回復を図るようにしている。さらに、特許文献3では、SV−GMR素子に対して直流電流を通電することにより、所定方向の磁場と、ジュール熱とを発生させ、これらを利用してピンニング層およびピンド層における磁化処理および加熱処理を同時に行うようにしている。
特開2003−6816号公報
特開平10−241124号公報
ところで、再生出力波形の対称性および安定性は、外部磁場が印加されていない零磁場状態でのフリー層の磁化方向にも影響される。通常、SV−GMR素子は、零磁場状態において、フリー層の磁化方向とピンド層の磁化方向とが互いに直交するように設定されている。さらに、フリー層の磁化容易軸方向は、ピンド層の磁化方向と同一となっている。このように構成されたSV−GMR素子を、外部磁場の印加方向に対してピンド層の磁化方向が平行となるように配置することにより、フリー層の磁化方向における動作範囲の中心点を、零磁場状態とすることができる。すなわち、外部磁場が零の状態を、外部磁場変化によって変化し得る電気抵抗の振幅の中心とすることができる。これについて、図15および図16を参照してさらに説明する。
図15は、一般的なハードディスクドライブにおいて、SV−GMR素子を搭載した薄膜磁気ヘッドにより磁気ディスクの磁気情報を読み出す様子を表したものである。まず、図15(A)に示したように、SV−GMR素子120は、ABS120Sが磁気ディスクの記録面110と対向するように配置される。この際、ピンド層の磁化方向JPは、記録面110と直交する+Y方向となっており、一方のフリー層の磁化方向JFは、磁気ディスクのトラック幅方向に対応した+X方向となっている。なお、この時点では、磁気ディスクからの信号磁場の影響がないものとする。ハードディスクドライブが駆動し、図15(B)に示したように、磁気ディスクから例えば+Y方向の信号磁場J110が発生すると、磁化方向JFは回転して+Y方向となり、磁化方向JPと同じ向きとなる。したがって読出電流の抵抗値は減少する。一方、図15(C)に示したように、磁気ディスクからの信号磁場J110が例えば−Y方向である場合、磁化方向JFは回転して−Y方向となり、磁化方向JPと反対向きとなる。したがって読出電流の抵抗値は増加する。このような抵抗変化を利用して、例えば図15(B)の状態を「0」、図15(C)の状態を「1」と対応づけることにより、信号磁場J110を2値情報として検出することができる。ここで、図15(A)〜図15(C)から明らかなように、図15(A)の状態が磁化方向JFの振幅の中心となっている。図16(A)は、+Y方向の外部磁場をH>0とし、−Y方向の外部磁界をH<0として、外部磁場(信号磁場)Hを印加したときのSV−GMR素子120における電気抵抗R(以下、単に抵抗R)の変化を表したものである。外部磁場Hが零の状態を中心として、+Y方向の信号磁場強度が増加するに従い抵抗Rは低下し、やがて飽和する一方、−Y方向の信号磁場強度が増加するに従い抵抗Rは上昇し、やがて飽和する。このとき、飽和時の抵抗Rの絶対値は互いに等しい。このように、外部磁場H=0を対称点として点対称なR−H曲線となっており、SV−GMR素子120は、+Y方向の外部磁場Hと、−Y方向の外部磁場Hとの双方に対して同じ感度を示している。この場合には、図16(B)に示したように、理想的な再生出力波形を発現することとなる。図16(B)では、横軸が経過時間Tを示し、縦軸が再生出力Pを示している。ここでは、再生出力Pが、正方向のピーク高さと負方向のピーク高さとがほぼ等しくなっている(すなわち、アシンメトリがほぼ零である)。
ところが実際には図15に示した理想状態とは異なり、図17(A),図18(A)に示したように、零磁場状態において、フリー層の磁化方向JFが磁化方向JPと直交する方向から傾きを生じていることが多い。その場合には図17(B),図18(B)に示したように、R−H曲線に偏りが生じ、結果的に図17(C),図18(C)に示したように、非対称な再生出力波形となってしまう。このような非対称性を発生させる磁化方向JFの傾きの原因としては、研磨加工によるABS120Sの形成が影響しているものと考えられる。すなわち、最終的にSV−GMR素子120となる積層膜を形成する段階において、その積層膜に対して様々な方向の応力が印加された状態となり、上記積層膜を研磨加工してABS120Sを形成することによって、ABS120Sと直交する方向(MRハイト方向)へSV−GMR素子120を延伸するような応力が発現するものと推測されるのである。ここで、フリー層が正の磁歪定数を有しているとMRハイト方向へ磁化され、その磁化方向JFが図17(A),図18(A)に示したような傾きを生ずると考えられる。この場合、磁化方向JFの傾き角度にはばらつきがあり、一定ではない。
このような再生出力波形の非対称性を改善するためには、バイアス磁場印加層から発生されるバイアス磁場をさらに強くすればよい。
しかしながら、バルクハウゼンノイズの低減に要する最低限度の強度を超えて極端にバイアス磁場を増大させてしまうと、磁気ディスクからの信号磁場に対する再生ヘッドの感度が低下し、再生出力の低下を招くこととなる。また、上記の各特許文献に記載の技術は、バイアス磁場印加層またはピンド層に起因する再生特性の劣化を抑制するものであり、上記のような、フリー層に起因する再生特性の劣化を抑制するものではない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、より良好かつ安定した再生特性を得ることのできる薄膜磁気ヘッドの製造方法および磁気ヘッドスライダの製造方法を提供することにある。
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、以下の(A)〜(C)の各工程を含むようにしたものである。
(A)基体上に、一定方向に固着された磁化方向を有する磁化固着層と、磁気記録媒体からの信号磁場に応じて磁化方向が変化する磁化自由層とを有する磁気抵抗効果膜を形成する工程
(B)磁気抵抗効果膜の一端面を機械研磨することにより、磁気記録媒体と対向する記録媒体対向面を形成する研磨工程
(C)研磨工程ののち、記録媒体対向面が形成された磁気抵抗効果膜に対して超音波による振動エネルギーを加えることにより、研磨工程において磁化自由層に生じた内部応力を緩和する工程。
(A)基体上に、一定方向に固着された磁化方向を有する磁化固着層と、磁気記録媒体からの信号磁場に応じて磁化方向が変化する磁化自由層とを有する磁気抵抗効果膜を形成する工程
(B)磁気抵抗効果膜の一端面を機械研磨することにより、磁気記録媒体と対向する記録媒体対向面を形成する研磨工程
(C)研磨工程ののち、記録媒体対向面が形成された磁気抵抗効果膜に対して超音波による振動エネルギーを加えることにより、研磨工程において磁化自由層に生じた内部応力を緩和する工程。
本発明の磁気ヘッドスライダの製造方法は、以下の(A)〜(D)の各工程を含むようにしたものである。
(A)基体上に、一定方向に固着された磁化方向を有する磁化固着層と、磁気記録媒体からの信号磁場に応じて磁化方向が変化する磁化自由層とをそれぞれ有する複数の磁気抵抗効果膜を形成する工程
(B)基体を切断し、少なくとも1つの磁気抵抗効果膜を含むバーを複数形成する切断工程
(C)複数のバーにおける各磁気抵抗効果膜の一端面を機械研磨することにより、磁気記録媒体と対向する記録媒体対向面を形成する研磨工程
(D)研磨工程ののち、記録媒体対向面が形成された磁気抵抗効果膜に対して超音波による振動エネルギーを加えることにより、研磨工程において磁化自由層に生じた内部応力を緩和する工程
(A)基体上に、一定方向に固着された磁化方向を有する磁化固着層と、磁気記録媒体からの信号磁場に応じて磁化方向が変化する磁化自由層とをそれぞれ有する複数の磁気抵抗効果膜を形成する工程
(B)基体を切断し、少なくとも1つの磁気抵抗効果膜を含むバーを複数形成する切断工程
(C)複数のバーにおける各磁気抵抗効果膜の一端面を機械研磨することにより、磁気記録媒体と対向する記録媒体対向面を形成する研磨工程
(D)研磨工程ののち、記録媒体対向面が形成された磁気抵抗効果膜に対して超音波による振動エネルギーを加えることにより、研磨工程において磁化自由層に生じた内部応力を緩和する工程
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法および磁気ヘッドスライダの製造方法では、超音波を利用し、磁気抵抗効果膜に対して振動エネルギーを加えることにより、研磨工程において磁化自由層に生じた記録媒体対向面と直交する方向の内部応力を緩和するようにしたので、零磁場状態において、磁化自由層の磁化方向が磁化固着層の磁化方向に対し、より正確に直交することとなる。
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、磁気抵抗効果膜における再生出力のアシンメトリを所定の範囲に収めるのに要する時間に亘って振動エネルギーを加えることが望ましい。ここで、再生出力のアシンメトリとは、磁化固着層の磁化方向と反対の方向へ信号磁場が印加された際の最大の再生出力A(絶対値)と、磁化固着層の磁化方向と同じ方向へ信号磁場が印加された際の最大の再生出力B(絶対値)とを用いた以下の式(1)で定義される。
アシンメトリ[%]={(A−B)/(A+B)}×100 ……(1)
アシンメトリ[%]={(A−B)/(A+B)}×100 ……(1)
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、磁気抵抗効果膜を液体に浸漬したのち、その液体に超音波を照射することにより振動エネルギーを加えるようにすることができる。さらに、振動エネルギーを加えるにあたっては、磁気抵抗効果膜に対して、特に記録媒体対向面と直交する方向から超音波を照射することが望ましい。
本発明の磁気ヘッドスライダの製造方法では、バーに形成された各々の磁気抵抗効果膜に対して、振動エネルギーを一括して加えるようにしてもよい。あるいは、磁気抵抗効果膜ごとに分割するようにバーを切断することにより、磁気抵抗効果膜がそれぞれに形成された磁気ヘッドスライダを複数形成したのち、複数の磁気ヘッドスライダに形成された各々の磁気抵抗効果膜に対して振動エネルギーを加えるようにしてもよい。いずれの場合も磁気抵抗効果膜における再生出力のアシンメトリを所定の範囲に収めるのに要する時間に亘って振動エネルギーを加えることが望ましい。加えて、所定の範囲から外れたアシンメトリを示す磁気抵抗効果膜が形成された磁気ヘッドスライダを選択する選択工程を含み、この選択工程において選択された磁気ヘッドスライダの磁気抵抗効果膜に対してのみ、振動エネルギーを加えるようにすることが望ましい。
本発明の磁気ヘッドスライダの製造方法では、磁気抵抗効果膜を液体に浸漬したのち、その液体に超音波を照射することにより振動エネルギーを加えるようにすることができる。また、バーに形成された各々の磁気抵抗効果膜および複数の磁気ヘッドスライダに形成された各々の磁気抵抗効果膜に対して、特に、記録媒体対向面と直交する方向から超音波を照射することが望ましい。
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法または磁気ヘッドスライダの製造方法によれば、上記の各工程を含むようにしたので、零磁場状態において、磁化自由層の磁化方向と磁化固着層の磁化方向とが互いに、より正確に直交することとなる。このため、十分な再生出力を確保しつつ、再生出力波形の対称性および安定性を向上させることができ、良好かつ安定した再生特性を得ることができる。特に、磁気抵抗効果膜に対して、その記録媒体対向面と直交する方向から超音波を照射することにより振動エネルギーを加えるようにすると、より効果的に再生特性の安定化を図ることができる。
本発明の磁気ヘッドスライダの製造方法によれば、磁気抵抗効果膜ごとに分割するようにバーを切断して磁気抵抗効果膜がそれぞれに形成された磁気ヘッドスライダを複数形成したのち、所定の範囲から外れたアシンメトリを示す磁気抵抗効果膜が形成された磁気ヘッドスライダを選択し、選択された磁気ヘッドスライダの磁気抵抗効果膜に対してのみ振動エネルギーを加えるようにすると、製造工程の効率化に有利となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
最初に、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドスライダの製造方法が適用される磁気ヘッドスライダ4Aを備えた磁気ディスク装置の構成について説明する。図1は、磁気ディスク装置の内部構成を表す斜視図である。この磁気ディスク装置は、駆動方式としてCSS(Contact-Start-Stop)動作方式を採用したものであり、例えば筐体1の内部に、情報が記録されることとなる磁気ディスク2と、この磁気ディスク2への情報の記録およびその情報の再生を行うためのヘッドアームアセンブリ(HAA;Head Arm Assembly)3とを備えるようにしたものである。HAA3は、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA;Head Gimbals Assembly)4と、このHGA4の基部を支持するアーム5と、このアーム5を回動させる動力源としての駆動部6を備えている。HGA4は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド10(後出)が一側面に設けられた磁気ヘッドスライダ(以下、単に「スライダ」という。)4Aと、このスライダ4Aが一端に取り付けられたサスペンション4Bとを有するものである。このサスペンション4Bの他端(スライダ4Aとは反対側の端部)は、アーム5によって支持されている。アーム5は、筐体1に固定された固定軸7を中心軸としてベアリング8を介して回動可能なように構成されている。駆動部6は、例えばボイスコイルモータなどからなる。なお、磁気ディスク装置は、複数(図1では4枚)の磁気ディスク2を備えており、各磁気ディスク2の記録面(表面および裏面)のそれぞれ対応してスライダ4Aが配設されるようになっている。各スライダ4Aは、各磁気ディスク2の記録面と平行な面内において、記録トラックを横切る方向(X方向)に移動することができる。一方、磁気ディスク2は、筐体1に固定されたスピンドルモータ9を中心とし、X方向に対してほぼ直交する方向に回転するようになっている。磁気ディスク2の回転およびスライダ4Aの移動により磁気ディスク2に情報が記録され、または記録された情報が読み出されるようになっている。
最初に、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドスライダの製造方法が適用される磁気ヘッドスライダ4Aを備えた磁気ディスク装置の構成について説明する。図1は、磁気ディスク装置の内部構成を表す斜視図である。この磁気ディスク装置は、駆動方式としてCSS(Contact-Start-Stop)動作方式を採用したものであり、例えば筐体1の内部に、情報が記録されることとなる磁気ディスク2と、この磁気ディスク2への情報の記録およびその情報の再生を行うためのヘッドアームアセンブリ(HAA;Head Arm Assembly)3とを備えるようにしたものである。HAA3は、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA;Head Gimbals Assembly)4と、このHGA4の基部を支持するアーム5と、このアーム5を回動させる動力源としての駆動部6を備えている。HGA4は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド10(後出)が一側面に設けられた磁気ヘッドスライダ(以下、単に「スライダ」という。)4Aと、このスライダ4Aが一端に取り付けられたサスペンション4Bとを有するものである。このサスペンション4Bの他端(スライダ4Aとは反対側の端部)は、アーム5によって支持されている。アーム5は、筐体1に固定された固定軸7を中心軸としてベアリング8を介して回動可能なように構成されている。駆動部6は、例えばボイスコイルモータなどからなる。なお、磁気ディスク装置は、複数(図1では4枚)の磁気ディスク2を備えており、各磁気ディスク2の記録面(表面および裏面)のそれぞれ対応してスライダ4Aが配設されるようになっている。各スライダ4Aは、各磁気ディスク2の記録面と平行な面内において、記録トラックを横切る方向(X方向)に移動することができる。一方、磁気ディスク2は、筐体1に固定されたスピンドルモータ9を中心とし、X方向に対してほぼ直交する方向に回転するようになっている。磁気ディスク2の回転およびスライダ4Aの移動により磁気ディスク2に情報が記録され、または記録された情報が読み出されるようになっている。
図2は、図1に示したスライダ4Aの構成を表している。このスライダ4Aは、例えば、アルティック(Al2O3・TiC)よりなるブロック状の基体11を有している。この基体11は、例えば、ほぼ六面体状に形成されており、そのうちの一面が磁気ディスク2の記録面に近接して対向配置されたエアベアリング面(ABS;Air Bearing Surface)11Sである。磁気ディスク装置が駆動していないとき、すなわち、スピンドルモータ9が停止し、磁気ディスク2が回転していないときには、ABS11Sと磁気ディスク2の記録面とが接触した状態となっている。スピンドルモータ9により磁気ディスク2が高速回転を始めると記録面とABS11Sとの間に空気流が起こり、これに起因する揚力によりスライダ4Aが記録面と直交する方向(Y方向)に沿って浮上し、ABS11Sと磁気ディスク2との間に一定の間隙(マグネティックスペーシング)が生じるようになっている。また、ABS11Sと直交する一側面には薄膜磁気ヘッド10が設けられている。
次に、図3から図5を参照して、薄膜磁気ヘッド10についてより詳細に説明する。図3は、薄膜磁気ヘッド10の構成を表す分解斜視図である。図4は、図3に示したIV−IV線に沿った矢視方向の構造を表す断面図である。さらに、図5は図4に示したV−V線に沿った矢視方向の構造を表す断面図である。したがって、図4および図5は互いに直交する断面を表している。
図3および図4に示したように、薄膜磁気ヘッド10は、スライダ4Aの基体11の一側面上に、再生ヘッド部10Aと絶縁層22と記録ヘッド部10Bとが順に積層されて一体に構成されたものである。再生ヘッド部10Aは、MR膜14を有し、磁気ディスク2の記録面に記録された磁気情報を再生するためのものである。一方の記録ヘッド部10Bは、磁気ディスク2の記録面に磁気情報を記録するためのものである。絶縁層22は、再生ヘッド部10Aと記録ヘッド部10Bとを電気的に絶縁するものである。
再生ヘッド部10Aは、センス電流がMR膜14の内部を積層面内方向に流れるように構成されたCIP(Current In Plane)−GMR(Giant Magnetoresistive)構造をなしている。具体的には、再生ヘッド部10Aは、ABS11Sに露出する側において、基体11の上に下部シールド層12、下部ギャップ層13、MR膜14、上部ギャップ層20および上部シールド層21が順に積層されたものである。ここで、MR膜14のトラック幅方向(図中X方向)における両端面とそれぞれ隣接して延在するように、一対の磁区制御層15(15L,15R)と一対の導電リード層16(16L,16R)とが下部ギャップ層13上に順に積層されて配置されている(図3)。また、上部ギャップ層20は、MR膜14の後方をも取り囲むように設けられている。
下部シールド層12および上部シールド層21は、例えば、ニッケル鉄合金(NiFe)などの軟磁性金属材料によりそれぞれ構成され、下部ギャップ層13および上部ギャップ層20を介してMR膜14を積層方向(Z方向)に挟むことにより、不要な磁界の影響がMR膜14に及ばないように機能するものである。下部ギャップ層13は酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化珪素(SiO2)またはダイヤモンドライクカーボン(DLC)などの絶縁性材料からなり、下部シールド層12とMR膜14との電気的な絶縁をおこなう。上部ギャップ層20は、下部ギャップ層13と同様の絶縁性材料からなり、上部シールド層20とMR膜14との電気的な絶縁をおこなう。
MR膜14は、磁気ディスク2からの信号磁場の変化を検知するセンサ部分として機能し、例えば下部ギャップ層13の側から下地層31、固定作用層(ピンニング層)32、磁化固着層(ピンド層)33、非磁性層34、磁化自由層(フリー層)35および保護層36が順に積層されたスピンバルブ構造をなすものである。
下地層(バッファ層ともいう。)31は、例えばニッケルクロム合金(NiCr)からなり、固定作用層32と磁化固着層33との交換結合が安定化するように機能するものである。固定作用層32は、例えばイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性を示す金属材料により構成されており、一定方向(+Y方向)のスピン磁気モーメントと、これと反対方向(−Y方向)のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、磁化固着層33の磁化方向を+Y方向または−Y方向へ固定する、いわゆるピンニング層として機能するものである。
磁化固着層33は、コバルト鉄合金(CoFe)等により構成され、一定方向(+Y方向)に固着された磁化方向J33を有するものである。なお、磁化固着層33は単層構造に限らず、非磁性中間層を2つの強磁性層で挟むようにした3層構造(いわゆるシンセティック構造)をなすようにしてもよい。
非磁性層34は、例えば銅や金などの高い電気伝導率を有する(電気抵抗の小さな)非磁性金属材料からなり、磁化自由層35と磁化固着層33との磁気的な結合を切り離すように機能するものである。後述するように、読出動作時に流れるセンス電流Isは一方の導電リード層16Rから主に非磁性層34を通過して他方の導電リード層16Lへ向けて流れるように構成されている。このとき、上述した電気抵抗の小さな材料により非磁性層34を構成することにより、そのセンス電流Isの受ける散乱を最小限に抑えることができる。
磁化自由層35は、磁化方向J35が磁気ディスクからの信号磁場に応じて変化するように構成されたものである。信号磁場が零の状態では、磁化方向J35は磁化固着層33の磁化方向J33と直交する方向(+X方向)を示すように構成されている。磁化自由層25は、コバルト鉄合金(CoFe)やニッケル鉄合金(NiFe)などの強磁性材料からなる単層構造であってもよいし、例えばCoFeやNiFeなどからなる一対の強磁性層の間に銅やルテニウムなどからなる非磁性層が形成された3層構造であってもよい。保護層36は、例えば銅やタンタルなどの非磁性金属材料により構成され、製造過程において、成膜後のMR素子14を保護するように機能するものである。
一対の磁区制御層15(15L,15R)は、磁気バイアスを印加することにより磁化自由層35における磁区の向きを揃え、単磁区化を促進し、バルクハウゼンノイズの発生を抑制するように機能する。一対の磁区制御層15(15L,15R)は、例えばコバルト白金合金(CoPt)などの硬磁性材料により構成されている。一対の導電リード層16(16L,16R)は、MR膜14に対して積層面内方向(ここでは+X方向)へセンス電流Isを流すための電流経路となるものであり、それぞれ一対の電極16LP,16RPに接続されている。一対の電極16LP,16RPは電流供給手段としての定電流回路(図示せず)と接続されており、一対の導電リード層16(16L,16R)を介してMR膜14にセンス電流Isが流れるようになっている。
このような構成の再生ヘッド部10Aでは、磁化自由層35の磁化方向J35が、磁気ディスク2からの信号磁場に応じて変化する。このため、磁化固着層33の磁化方向J33との相対的な変化を生じることとなる。ここで一対の導電リード層16を介してMR素子14へセンス電流Isを流すと、上記のような磁化方向J33と磁化方向J35との相対的変化が電気抵抗の変化として現れるので、これを利用することにより信号磁場を検知し磁気情報を読み出すことができる。
一方、記録ヘッド部10Bは、下部磁極40、記録ギャップ層41、ポールチップ42(図4のみ示す)、コイル43、絶縁層44(図4のみ示す)、連結部45(図4のみ示す)および上部磁極46を有している。
絶縁層22の上に形成された下部磁極40は、例えばNiFeなどの高飽和磁束密度を有する軟磁性材料により構成されている。記録ギャップ層41は、Al2O3などの絶縁材料によって形成され、コイル43のXY平面における中心部に対応する位置に、磁路形成のための開口部41Aを有してる。銅(Cu)や金(Au)などにより構成されたコイル43は、開口部41Aを中心として渦を巻くように記録ギャップ層41上に設けられており、フォトレジストなどからなる絶縁層44によって覆われている。コイル43の両端末はそれぞれ電極43S,43Eに接続されている。上部磁極46は、記録ギャップ層41、開口部41Aおよび絶縁層44を覆うように形成されている。この上部磁極46は、下部磁極40と同様に、例えばNiFeなどの高飽和磁束密度を有する軟磁性材料よりなり、連結部45を介して開口部41Aにおいて上部シールド層21と接続しており、互いに磁気的に連結している。
このような構成を有する記録ヘッド部10Bは、コイル43に流れる書込電流により、主に下部磁極としての上部シールド層21と上部磁極46とを含むように構成される磁路内部に磁束が発生する。これにより記録ギャップ層41の近傍に信号磁場が生じるので、その信号磁場によって磁気ディスクの記録面上における所定の領域部分を磁化し、情報を記録するようになっている。
次に、図6から図10を参照して、本実施の形態のスライダ4Aの製造方法について説明する。ここでは、本実施の形態の薄膜磁気ヘッド10の製造方法についても併せて説明する。図6は、全体の工程の流れを表すものである。図7は、スライダ4Aを製造方法するにあたって使用する超音波照射装置の概略構成を表す断面図である。本実施の形態では、図7に示した超音波照射装置を用いてMR膜14に対して超音波を照射し、振動エネルギーを与えるようにしている。図8〜図10は、それぞれ、スライダ4Aの製造方法における一工程を説明するための斜視図である。
まず、例えばアルティック(Al2O3・TiC)からなるウェハ11Aを準備する(ステップS101)。このウェハ11Aは、最終的に複数の基体11となるものである。
次いで、図8に示したように、ウェハ11Aの上に複数の再生ヘッド部10Aをアレイ状に形成する(ステップS102)。具体的には、まず、ウェハ11A上に、Al2O3などの絶縁層(図示せず)を形成したのち、薄膜磁気ヘッド10を形成することとなる所望の領域にスパッタリング法やめっき法により下部シールド層11を選択的に形成する。次いで、下部シールド層12の上に、例えばスパッタリング法によりAl2O3膜を形成したのち、これを加熱することにより、下部ギャップ層13を形成する。続いて、下部ギャップ層12の上に、例えばスパッタリング法によりMR膜14を形成するための多層膜を形成したのち、その多層膜上に選択的にフォトレジストパターンを形成する。そののち、このフォトレジストパターンをマスクとして用い、イオンミリング等により上記の多層膜をエッチングし、所定の平面形状およびサイズを有するMR膜14を形成する。MR膜14を形成したのち、多層膜のエッチングによりMR膜14の両隣に表出した下部ギャップ層13の上に、一対の磁区制御層15(15L,15R)と一対の導電リード層16(16L,16R)とを順に形成する。
さらに、MR膜14および一対の導電リード層16(16L,16R)を覆うように、下部ギャップ層12と同様にして上部ギャップ層20を形成したのち、この上部ギャップ層20の上に、スパッタリング法などにより上部シールド層21を選択的に形成する。以上により、再生ヘッド部10Aの形成が一旦終了する。
再生ヘッド部10Aを形成したのち、その上に記録ヘッド部10Bを形成する(ステップS103)。具体的には、まず、スパッタリング法などにより上部シールド層21および上部ギャップ層20を覆うように絶縁層22を形成し、さらに、絶縁層22の上に下部磁極40を選択的に形成する。次いで、下部磁極40の上に、スパッタリング法などにより記録ギャップ層41を形成したのち、これを部分的にエッチングすることで開口部41Aを形成する。
記録ギャップ層41を形成したのち、フレームめっき法によりポールチップ42、コイル43および連結部45を形成する。さらに、コイル43を覆うように絶縁層44を形成したのち、全体を覆うようにフレームめっき法などにより上部磁極46を形成する。最後に、上部磁極46を含む全てを覆うように、スパッタリング等により保護膜を形成し、CMPなどにより平坦化処理をおこなう。以上により記録ヘッド部10Bが形成される。これにより、再生ヘッド部10Aと記録ヘッド部10Bとを有する薄膜磁気ヘッド10がアレイ状に多数形成される(図8)。
こののち、図9に示したように、ウェハ11Aを切断し、複数のバー11Bを形成する(ステップS104)。バー11Bには、それぞれMR膜14を含む薄膜磁気ヘッド10が複数形成されている。さらに、バー11Bにおける各々のMR膜14の一端面を機械研磨したのち、フォトリソグラフィ法などにより選択的にエッチングするなどしてABS11Sを形成する(ステップS105)。
ABS11Sを形成したのち、バー11Bを蒸留水の中に浸漬させ、その蒸留水を介して薄膜磁気ヘッド10に超音波を照射し、振動エネルギーを与える(ステップS106)。具体的には、図7に示したように、蒸留水51の入った水槽52の内部にバー11Bを載置したのち、自らの対向面54Sが蒸留水51と接触し、かつ、その対向面54Sが、距離Dを隔ててバー11BのABS11Sと対向するように直方体状のホーン54を配置する。ホーン54は、例えば非磁性金属材料からなり、接続部材等を介してオシレータ53と連結されている。ホーン54をバー11Bと対向配置させたのち、オシレータ53によって発生させた超音波を、ホーン54を介してバー11Bに形成された薄膜磁気ヘッド10に照射する。ここでは、MR膜14における再生出力のアシンメトリを所定の範囲(例えば±10%以内)に収めるのに十分な時間に亘って(例えば20分以上に亘って)超音波を照射することが望ましい。但し、必要以上に長時間に亘って超音波の照射を行うと再生出力の低下を招く場合もあるので、照射時間を60分以下とすることが望ましい。こうすることにより、薄膜磁気ヘッド10の洗浄を行うことができると共に、零磁場状態において磁化方向J35を、磁化方向J33と直交する方向に揃えることができる。
続いて、図10に示したように、バー11Bを薄膜磁気ヘッド10ごと(MR膜14ごと)に切断し、所定形状(例えば直方体状)となるように加工する(ステップS107)。これにより、再生ヘッド部10Aと記録ヘッド部10Bとを有する薄膜磁気ヘッド10が基体1の一側面に設けられたスライダ4Aの形成が完了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ウェハ11Aから切り出されたバー11B上の各MR膜14に対して超音波による振動エネルギーを加え、機械研磨の際に磁化自由層35に生じたABS11Sと直交する方向の内部応力を除去するようにしたので、零磁場状態において磁化方向J35のばらつきを低減し、磁化方向J33と直交する方向に揃えることができる。このため、十分な再生出力を確保しつつ、再生出力波形の対称性および安定性を向上させることができ、より良好かつ安定した再生特性を得ることができる。特に、MR膜14に対して、ABS11Sと直交する方向(MRハイト方向)から超音波を照射するようにしたので、より効果的に再生特性の安定化を図ることができる。加えて、製造工程においてアシンメトリの規格を満足する薄膜磁気ヘッド10が増加し、歩留りが向上するという効果も得られる。
[第2の実施の形態]
続いて、主に図11を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドスライダの製造方法について説明する。図11は、本実施の形態の製造方法における全体の工程の流れを表すものである。なお、本実施の形態の製造方法が適用される磁気ヘッドスライダは、上記第1の実施の形態において説明したもの(図1〜図5に示したもの)と同様の構造をなしているので、ここでは説明を省略する。
続いて、主に図11を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドスライダの製造方法について説明する。図11は、本実施の形態の製造方法における全体の工程の流れを表すものである。なお、本実施の形態の製造方法が適用される磁気ヘッドスライダは、上記第1の実施の形態において説明したもの(図1〜図5に示したもの)と同様の構造をなしているので、ここでは説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、バーに形成された各々のMR膜に対して一括して超音波による振動エネルギーを加えるようにしたが、本実施の形態は、バーを切断して磁気ヘッドスライダを形成したのちに選択的に超音波を加えるようにしたものである。すなわち、図11に示した、ステップS201〜ステップS205の各工程は、それぞれ、図6におけるステップS101〜ステップS105の各工程と全く同一であり、それに続くステップS206以降の工程が異なっている。
具体的には、まず、第1の実施の形態と同様にして、MR膜14を含む薄膜磁気ヘッド10が複数設けられたバー11Bをウェハ11Aから切り出し、機械研磨等を行うことによりABS11Sを形成する。次いで、図10に示したように、バー11Bを薄膜磁気ヘッド10ごとに切断し、所定形状となるように加工する(ステップS206)。これにより、薄膜磁気ヘッド10が1つずつ形成されたスライダ4Aが一応形成される。こののち、各薄膜磁気ヘッド10(MR膜14)について再生出力波形を測定(ステップS207)し、アシンメトリが所定の範囲(規格範囲)に収まっているかどうかの判断を行う(ステップS208)。その結果、規格範囲に収まった場合には、スライダ4Aの形成がそのまま完了となる。一方、規格範囲を外れたスライダ4Aの薄膜磁気ヘッド10については、水槽52の内部の蒸留水51に浸漬させ、所定強度の超音波を照射し、振動エネルギーを加える(ステップS209)。こうすることにより、磁化自由層35に生じた内部応力を緩和することができる。そののち、再度、再生出力波形を測定(ステップS207)し、規格範囲に収まった場合には、スライダ4Aの形成が完了となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、バー11Bから切り出されたスライダ4A上のMR膜14に対して超音波による振動エネルギーを加え、機械研磨の際に磁化自由層35に生じたABS11Sと直交する方向の内部応力を緩和するようにしたので、零磁場状態において磁化方向J35のばらつきを低減し、磁化方向J33と直交する方向に揃えることができる。このため、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施の形態では、バー11Bからスライダ4Aを切り出したのちMR膜14の再生出力波形を測定し、その結果に応じて選択的に超音波の照射を行うようにしたので、内部応力の緩和が必要なMR膜14に対してのみ超音波を照射し、再生特性の改善を図る一方で、当初より、実用上問題とならない程度の内部応力を有するMR膜14に対しては超音波を照射するという付加的な工程を省略することができるので、より効率的にスライダ4Aの形成を行うことができ、かつ、再生出力の低下を回避することもできる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
以下に述べる本発明の実施例は、上記第1の実施の形態において説明した薄膜磁気ヘッド10を有するバー11Bのサンプルを作製し、各薄膜磁気ヘッド10のMR膜14に対して所定方向へセンス電流Isを流した場合の再生出力波形について調査したものである。但し、図6に示したステップS105においてバー11Bを形成したところで再生出力波形を測定し、その結果、アシンメトリの規格(−10%以上+10%以下)を外れたサンプルについてのみステップS106において超音波を照射するようにした。アシンメトリ[%]は、磁化固着層の磁化方向と反対の方向へ信号磁場が印加された際の最大の再生出力A(絶対値)と、磁化固着層の磁化方向と同じ方向へ信号磁場が印加された際の最大の再生出力B(絶対値)とを用いた以下の式(1)で定義される。
アシンメトリ[%]={(A−B)/(A+B)}×100 ……(1)
ここでは、周波数が19.5kHzであり、振幅が20μm(パワーが198W)である超音波を照射するようにした。また、ホーン54における対向面54Sの寸法は72mm×20mmであり、対向面54Sからバー11Bまでの距離Dは30mmとした。超音波を照射したのち、再度、各薄膜磁気ヘッド10について再生出力波形を測定した。なお、対向面54SとABS11Sとが対向するように配置したもの(配置状態A)、対向面54Sとバー11Bにおける薄膜磁気ヘッド10が形成された面とが対向するように配置したもの(配置状態B)、対向面54Sとバー11Bにおける薄膜磁気ヘッド10の形成面と反対側の面とが対向するように配置したもの(配置状態C)との3つの配置状態についてそれぞれ超音波の照射をおこなった。
アシンメトリ[%]={(A−B)/(A+B)}×100 ……(1)
ここでは、周波数が19.5kHzであり、振幅が20μm(パワーが198W)である超音波を照射するようにした。また、ホーン54における対向面54Sの寸法は72mm×20mmであり、対向面54Sからバー11Bまでの距離Dは30mmとした。超音波を照射したのち、再度、各薄膜磁気ヘッド10について再生出力波形を測定した。なお、対向面54SとABS11Sとが対向するように配置したもの(配置状態A)、対向面54Sとバー11Bにおける薄膜磁気ヘッド10が形成された面とが対向するように配置したもの(配置状態B)、対向面54Sとバー11Bにおける薄膜磁気ヘッド10の形成面と反対側の面とが対向するように配置したもの(配置状態C)との3つの配置状態についてそれぞれ超音波の照射をおこなった。
図12は、超音波を照射する前(初期状態)の各薄膜磁気ヘッド10における抵抗[Ω]とアシンメトリ[%]との関係を表す散布図である。図12(A)、図12(B)および図12(C)は、それぞれ配置状態A、配置状態Bおよび配置状態Cに対応するものであり、サンプル数nは、それぞれ40,24および29である。但し、図12(A)〜図12(C)では、いずれも規格外のデータのみを示しており、規格内(−10%以上+10%以下)のデータは図示を省略している。図12(A)〜図12(C)に示したデータのアシンメトリの標準偏差σは、順に、18.8%、18.1%および18.3%であった。
図13は、超音波を60分間照射した後の各薄膜磁気ヘッド10における抵抗[Ω]とアシンメトリ[%]との関係を表す散布図である。図13(A)、図13(B)および図13(C)は、それぞれ図12(A)、図12(B)および図12(C)に示したデータに対応するものであり、いくつかのサンプルは規格内に収まるように改善された。また、図12(A)、図12(B)および図12(C)におけるアシンメトリの標準偏差σは、順に、11.8%、12.9%および11.9%となり、全体的にアシンメトリのばらつきが低減されたことが確認できた。
このように、初期状態においてアシンメトリの規格を満たさないサンプルであっても、超音波を照射することにより規格内に収まるように改善されることがわかった。
続いて、再生出力特性と、超音波の照射時間との関係について調査した結果を図14に示す。図14(A)が再生出力の平均値の変化に関するものであり、図14(B)がアシンメトリの標準偏差の変化に関するものである。
より具体的には、図14(A)では、横軸が超音波の照射時間[分]を示し、縦軸が超音波を照射する前(初期状態)での再生出力の平均値を100%として規格化した規格化再生出力の平均値PAVEを示す。配置状態A〜Cはいずれもほぼ同様の変化を示し、20分以上経過すると徐々に規格化再生出力の平均値PAVEは低下する傾向にあった。
一方、図14(B)では、横軸が超音波の照射時間[分]を示し、縦軸が超音波を照射する前(初期状態)でのアシンメトリの標準偏差Pσを基準とし、それとの差分ΔPσを示している。配置状態A〜Cは、いずれも60分経過するまで徐々に差分ΔPσは低下し、それ以降は横ばいとなる傾向がみられた。ここで、差分ΔPσが低下するということは、初期状態と比べて再生出力波形の対称性が向上しつつある状況を表している。特に配置状態Aの場合において比較的早期に標準偏差の差分ΔPσが改善され、最も効果的であることがわかった。一方、配置状態Bにおいては、比較的小さな変化しか得られなかった。以上の図14(A)および図14(B)の結果から、配置状態Aにおいて、20分から60分に亘って超音波を照射することにより、再生出力の低下を最小限度に抑えつつ最も効果的に再生出力波形の対称性および安定性の改善を図ることができることがわかった。
このように本実施例によれば、バー11B上の各MR膜14に対して超音波による振動エネルギーを加えることにより、零磁場状態において磁化方向J35のばらつきを低減し、十分な再生出力を確保しつつ、再生出力波形の対称性および安定性を向上させることができ、より良好かつ安定した再生特性を得ることができることが確認できた。その場合、特に、MR膜14に対してABS11Sと直交する方向から超音波を照射することがより効果的であることがわかった。
なお、第2の実施の形態に対応して、バー11Bから個々のスライダ4Aを切り出したのち、各スライダ4AのMR膜14に対して同様の調査を行った結果、第1の実施の形態に対応した上記の実施例と同様の結果が得られた。
以上、いくつかの実施の形態および実施例(以下、実施の形態等)を挙げて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施の形態等に限定されず、種々変形可能である。例えば、本実施の形態等では、超音波の周波数を19.5kHzとしたが、これに限定されるものではなく、他の周波数であってもよい。また、CIP−GMR構造を有する薄膜磁気ヘッドについて説明するようにしたが、CPP(Current Perpendicular to Plane)−GMR構造を有する薄膜磁気ヘッドを製造する場合についても適用可能である。
1…筐体、2…磁気ディスク、4…HGA、4A…スライダ、4B…サスペンション、10…薄膜磁気ヘッド、10A…再生ヘッド部、10B…記録ヘッド部、11…基体、11A…ウェハ、11B…バー、11S…記録媒体対向面(ABS)、12…下部シールド層、13…下部ギャップ層、14…MR膜、15(15L,15R)…磁区制御層、16(16L,16R)…導電リード層、20…上部ギャップ層、21…上部シールド層、32…固定作用層、33…磁化固着層、34…非磁性層、35…磁化自由層、51…蒸留水、53…オシレータ、54…ホーン。
Claims (12)
- 基体上に、一定方向に固着された磁化方向を有する磁化固着層と、磁気記録媒体からの信号磁場に応じて磁化方向が変化する磁化自由層とを有する磁気抵抗効果膜を形成する工程と、
前記磁気抵抗効果膜の一端面を機械研磨することにより、前記磁気記録媒体と対向する記録媒体対向面を形成する研磨工程と、
この研磨工程ののち、前記記録媒体対向面が形成された磁気抵抗効果膜に対して超音波による振動エネルギーを加えることにより、前記研磨工程において前記磁化自由層に生じた内部応力を緩和する工程と
を含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 前記磁気抵抗効果膜における再生出力のアシンメトリを所定の範囲に収めるのに要する時間に亘って前記振動エネルギーを加える
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 前記磁気抵抗効果膜を液体に浸漬したのち、その液体に前記超音波を照射することにより前記振動エネルギーを加える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 前記磁気抵抗効果膜に対して、前記記録媒体対向面と直交する方向から前記超音波を照射することにより前記振動エネルギーを加える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 基体上に、一定方向に固着された磁化方向を有する磁化固着層と、磁気記録媒体からの信号磁場に応じて磁化方向が変化する磁化自由層とをそれぞれ有する複数の磁気抵抗効果膜を形成する工程と、
前記基体を切断し、少なくとも1つの前記磁気抵抗効果膜を含むバーを複数形成する切断工程と、
複数の前記バーにおける各磁気抵抗効果膜の一端面を機械研磨することにより、前記磁気記録媒体と対向する記録媒体対向面を形成する研磨工程と、
この研磨工程ののち、前記記録媒体対向面が形成された磁気抵抗効果膜に対して超音波による振動エネルギーを加えることにより、前記研磨工程において前記磁化自由層に生じた内部応力を緩和する工程と
を含むことを特徴とする磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 前記バーに形成された各々の磁気抵抗効果膜に対して、前記振動エネルギーを一括して加える
ことを特徴とする請求項5に記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 前記磁気抵抗効果膜における再生出力のアシンメトリを所定の範囲に収めるのに要する時間に亘って前記振動エネルギーを加える
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 前記磁気抵抗効果膜ごとに分割するように前記バーを切断することにより、前記磁気抵抗効果膜がそれぞれに形成された磁気ヘッドスライダを複数形成したのち、
複数の前記磁気ヘッドスライダに形成された各々の磁気抵抗効果膜に対して前記振動エネルギーを加える
ことを特徴とする請求項5に記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 前記磁気抵抗効果膜における再生出力のアシンメトリを所定の範囲に収めるのに要する時間に亘って前記振動エネルギーを加える
ことを特徴とする請求項8に記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 前記所定の範囲から外れたアシンメトリを示す前記磁気抵抗効果膜が形成された前記磁気ヘッドスライダを選択する選択工程をさらに含み、
この選択工程において選択された前記磁気ヘッドスライダの磁気抵抗効果膜に対してのみ、前記振動エネルギーを加える
ことを特徴とする請求項9に記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 前記磁気抵抗効果膜を液体に浸漬したのち、その液体に前記超音波を照射することにより前記振動エネルギーを加える
ことを特徴とする請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 前記バーに形成された各々の磁気抵抗効果膜および前記複数の磁気ヘッドスライダに形成された各々の磁気抵抗効果膜に対して、前記記録媒体対向面と直交する方向から前記超音波を照射することにより前記振動エネルギーを加える
ことを特徴とする請求項5から請求項11のいずれか1項に記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。
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CN107686882A (zh) * | 2017-07-04 | 2018-02-13 | 北京理工大学 | 高铁轮对踏面残余应力高能声束消除装置 |
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