JP5319746B2 - 磁気記録ヘッド、およびこれを備えたディスク装置 - Google Patents

磁気記録ヘッド、およびこれを備えたディスク装置 Download PDF

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Description

この発明の実施形態は、ディスク装置に用いる垂直磁気記録用の磁気記録ヘッド、およびこれを備えたディスク装置に関する。
ディスク装置として、例えば、磁気ディスク装置は、ケース内に配設された磁気ディスクと、磁気ディスクを支持および回転するスピンドルモータと、磁気ディスクに対して情報のリード/ライトを行う磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気ディスクに対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリと、を備えている。磁気ヘッドのヘッド部は、ライト用の記録ヘッドとリード用の再生ヘッドとを含んでいる。
近年、磁気ディスク装置の高記録密度化、大容量化あるいは小型化を図るため、垂直磁気記録用の磁気ヘッドが提案されている。このような磁気ヘッドにおいて、記録ヘッドは、垂直方向磁界を発生させる主磁極と、その主磁極のトレーリング側にライトギャップを挟んで配置されて磁気ディスクとの間で磁路を閉じるリターン磁極、あるいはライトシールド磁極と、主磁極に磁束を流すためのコイルとを有している。
記録密度の向上を図る目的で、主磁極とリターン磁極との間に高周波発振素子としてスピントルク発振子を設け、このスピントルク発振子から磁気記録層に高周波磁界を印加する高周波磁界アシスト記録方式の磁気記録ヘッドが提案されている。
特開2010−079976号公報 特開2010−040060号公報 特開2008−305486号公報 特開2009−080867号公報 米国特許公開第2005/021977号
スピントルク発振子として、素子サイズが主磁極のトラック幅方向寸法と同程度に大きい発振子を用いる場合、良好に発振すれば410(Oe)の円偏光高周波磁界強度(c−Hac)を垂直磁気記録層に発生可能であるが、実際には、良好に発振せず、180(Oe)程度の発振しか発生しない。これは、スピントルク発振子の発振層上にスピン波が励起し、エネルギーが大きく損失するためと考えられる。また、素子サイズを小さくすると、スピン波の励起が抑制されるため、発振は良好であるが、発生高周波磁界強度が不充分となり、良好な高周波アシスト記録が困難となる。
この発明の課題は、発生高周波磁界を増大し、十分な記録能力の発揮し、安定した記録特性の実現が可能な磁気記録ヘッド、およびこれを備えたディスク装置を提供することにある。
実施形態によれば、磁気記録ヘッドは、記録媒体の記録層に対し記録磁界を印加する主磁極と、前記主磁極にライトギャップを置いて対向するトレーリングシールドと、前記主磁極とトレーリングシールドとの間で、前記主磁極のトラック幅方向に沿った幅の範囲内に設けられ、高周波磁界を発生する高周波発振素子と、を備え、前記高周波発振素子は、スピン注入層と、中間層と、発振層と、を有し、少なくとも前記発振層は、複数に分かれた磁性領域を有し、前記記録層に垂直な方向での前記発振領域の大きさ、もしくは、前記トラック幅方向での前記発振領域の大きさは、前記主磁極のトラック幅方向に沿った幅の大きさよりも小さい
図1は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置(HDD)を示す斜視図。 図2は、前記HDDにおける磁気ヘッドおよびサスペンションを示す側面図。 図3は、前記磁気ヘッドのヘッド部を拡大して示す断面図。 図4は、記録ヘッドおよび再生ヘッドを模式的に示す斜視図。 図5は、前記記録ヘッドの主磁極先端部およびスピントルク発振子を示す斜視図。 図5は、前記記録ヘッドの磁気ディスク側の端部を拡大して示す断面図。 図7は、スピントルク発振子から発生する円偏光高周波磁界強度(c−Hac)と、スピントルク発振子の形状、寸法との関係を示す図。 図8(a)、(b)、(c)は、第1、第2、第3変形例に係るスピントルク発振子をそれぞれ示す斜視図。 図9(a)、(b)、(c)は、第4、第5、第6変形例に係るスピントルク発振子をそれぞれ示す斜視図。 図10は、第7変形例に係るスピントルク発振子を示す斜視図。 図11は、第2の実施形態に係るHDDにおける記録ヘッドの主磁極先端部およびスピントルク発振子を示す斜視図。 図12は、第2の実施形態において、スピントルク発振子から発生する円偏光高周波磁界強度(c−Hac)と、スピントルク発振子の形状、寸法との関係を示す図。 図13は、第3の実施形態に係るHDDにおける記録ヘッドの主磁極先端部およびスピントルク発振子を示す斜視図。 図14は、前記第3の実施形態において、スピントルク発振子の発振層を加工する際に用いるマスクを概略的に示す平面図。
以下図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、ディスク装置として、第1の実施形態に係るHDDのトップカバーを取り外して内部構造を示し、図2は、浮上状態の磁気ヘッドを示している。図1に示すように、HDDは筐体10を備えている。この筐体10は、上面の開口した矩形箱状のベース11と、図示しない矩形板状のトップカバーとを備えている。トップカバーは、複数のねじによりベースにねじ止めされ、ベースの上端開口を閉塞している。これにより、筐体10内部は気密に保持され、呼吸フィルター26を通してのみ、外部と通気可能となっている。
ベース11上には、記録媒体としての磁気ディスク12および駆動部が設けられている。駆動部は、磁気ディスク12を支持および回転させるスピンドルモータ13、磁気ディスクに対して情報の記録、再生を行なう複数、例えば、2つの磁気ヘッド33、これらの磁気ヘッド33を磁気ディスク12の表面に対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータ14、ヘッドアクチュエータを回動および位置決めするボイスコイルモータ(以下VCMと称する)16を備えている。また、ベース11上には、磁気ヘッド33が磁気ディスク12の最外周に移動した際、磁気ヘッド33を磁気ディスク12から離間した位置に保持するランプロード機構18、HDDに衝撃等が作用した際、ヘッドアクチュエータ14を退避位置に保持するイナーシャラッチ20、およびプリアンプ、ヘッドIC等の電子部品が実装された基板ユニット17が設けられている。
ベース11の外面には、制御回路基板25がねじ止めされ、ベース11の底壁と対向して位置している。制御回路基板25は、基板ユニット17を介してスピンドルモータ13、VCM16、および磁気ヘッド33の動作を制御する
図1および図2に示すように、磁気ディスク12は、垂直磁気記録膜媒体として構成されている。磁気ディスク12は、例えば、直径約2.5インチの円板状に形成され非磁性体からなる基板19を有している。基板19の各表面には、下地層としての軟磁性層23と、その上層部に、ディスク面に対して垂直方向に磁気異方性を有する垂直磁気記録層22とが順次積層され、さらにその上に保護膜24が形成されている。
図1に示すように、磁気ディスク12は、スピンドルモータ13のハブに同軸的に嵌合されているとともにハブの上端にねじ止めされたクランプばね21によりクランプされ、ハブに固定されている。磁気ディスク12は、駆動モータとしてのスピンドルモータ13により所定の速度で矢印B方向に回転される。
ヘッドアクチュエータ14は、ベース11の底壁上に固定された軸受部15と、軸受部から延出した複数のアーム27と、を備えている。これらのアーム27は、磁気ディスク12の表面と平行に、かつ、互いに所定の間隔を置いて位置しているとともに、軸受部15から同一の方向へ延出している。ヘッドアクチュエータ14は、弾性変形可能な細長い板状のサスペンション30を備えている。サスペンション30は、板ばねにより構成され、その基端がスポット溶接あるいは接着によりアーム27の先端に固定され、アームから延出している。各サスペンション30の延出端にジンバルばね41を介して磁気ヘッド33が支持されている。サスペンション30、ジンバルばね41、および磁気ヘッド33により、ヘッドジンバルアッセンブリを構成している。なお、ヘッドアクチュエータ14は、軸受部15のスリーブと、複数のアームとを一体に形成したいわゆるEブロックを備えた構成としてもよい。
図2に示すように、各磁気ヘッド33は、ほぼ直方体形状のスライダ42とこのスライダの流出端(トレーリング端)に設けられた記録再生用のヘッド部44とを有している。各磁気ヘッド33は、サスペンション30の弾性により、磁気ディスク12の表面に向かうヘッド荷重Lが印加されている。2本のアーム27は所定の間隔を置いて互いに平行に位置し、これらのアームに取り付けられたサスペンション30および磁気ヘッド33は、磁気ディスク12を間に挟んで互いに向かい合っている。
各磁気ヘッド33は、サスペンション30およびアーム27上に固定された中継フレキシブルプリント回路基板(以下、中継FPCと称する)35を介して後述するメインFPC38に電気的に接続されている。
図1に示すように、基板ユニット17は、フレキシブルプリント回路基板により形成されたFPC本体36と、このFPC本体から延出したメインFPC38とを有している。FPC本体36は、ベース11の底面上に固定されている。FPC本体36上には、プリアンプ37、ヘッドICを含む電子部品が実装されている。メインFPC38の延出端は、ヘッドアクチュエータ14に接続され、各中継FPC35を介して磁気ヘッド33に接続されている。
VCM16は、軸受部15からアーム27と反対方向に延出した図示しない支持フレーム、および支持フレームに支持されたボイスコイルを有している。ヘッドアクチュエータ14をベース11に組み込んだ状態において、ボイスコイルは、ベース11上に固定された一対のヨーク34間に位置し、これらのヨークおよびヨークに固定された磁石とともにVCM16を構成している。
磁気ディスク12が回転した状態でVCM16のボイスコイルに通電することにより、ヘッドアクチュエータ14が回動し、磁気ヘッド33は磁気ディスク12の所望のトラック上に移動および位置決めされる。この際、磁気ヘッド33は、磁気ディスク12の径方向に沿って、磁気ディスクの内周縁部と外周縁部との間を移動される。
次に、磁気ヘッド33の構成について詳細に説明する。図3は、磁気ヘッド33のヘッド部44を拡大して示す断面図、図4は、記録ヘッドおよい再生ヘッドを模式的に示す斜視図、図5は、記録ヘッドの磁気ディスク側の端部を拡大して示す断面図、図6は、記録ヘッド部分をスライダのABS面側から見た配置図である。
図2および図3に示すように、磁気ヘッド33は浮上型のヘッドとして構成され、ほぼ直方体状に形成されたスライダ42と、スライダの流出(トレーリング)側の端部に形成されたヘッド部44とを有している。スライダ42は、例えば、アルミナとチタンカーバイドの焼結体(アルチック)で形成され、ヘッド部44は薄膜を積層して形成されている。
スライダ42は、磁気ディスク12の表面に対向する矩形状のディスク対向面(空気支持面(ABS))43を有している。スライダ42は、磁気ディスク12の回転によってディスク表面とディスク対向面43との間に生じる空気流Cにより、磁気ディスク表面から所定量浮上した状態に維持される。空気流Cの方向は、磁気ディスク12の回転方向Bと一致している。スライダ42は、磁気ディスク12表面に対し、ディスク対向面43の長手方向が空気流Cの方向とほぼ一致するように配置されている。
スライダ42は、空気流Cの流入側に位置するリーディング端42aおよび空気流Cの流出側に位置するトレーリング端42bを有している。スライダ42のディスク対向面43には、図示しないリーディングステップ、トレーリングステップ、サイドステップ、負圧キャビティ等が形成されている。
図3および図4に示すように、ヘッド部44は、スライダ42のトレーリング端42bに薄膜プロセスで形成された再生ヘッド54および磁気記録ヘッド56を有し、分離型磁気ヘッドとして形成されている。
再生ヘッド54は、磁気抵抗効果を示す磁性膜50と、この磁性膜のトレーリング側およびリーディング側に磁性膜50を挟むように配置されたシールド膜52a、52bと、で構成されている。これら磁性膜50、シールド膜52a、52bの下端は、スライダ42のディスク対向面43に露出している。
記録ヘッド56は、再生ヘッド54に対して、スライダ42のトレーリング端42b側に設けられている。記録ヘッド56は、磁気ディスク12の表面に対して垂直方向の記録磁界を発生させる高透磁率材料からなる主磁極66と、主磁極66のトレーリング側に配置され、主磁極直下の軟磁性層23を介して効率的に磁路を閉じるために設けられたトレーリングシールド(リターン磁極)68と、磁気ディスク12に信号を書き込む際、主磁極66に磁束を流すために主磁極66およびトレーリングシールド68を含む磁気磁路に巻きつくように配置された記録コイル71と、を有している。
主磁極66とトレーリングシールド68とに電源70が接続され、この電源から主磁極66、トレーリングシールド68を通して電流を直列に通電できるように電流回路が構成されている。
図3ないし図6に示すように、主磁極66は、磁気ディスク12の表面に対してほぼ垂直に延びている。主磁極66の磁気ディスク12側の先端部66aは、ディスク面に向かって先細に絞り込まれている。主磁極66の先端部66aは、例えば、断面が矩形状に形成され、主磁極66の先端面は、スライダ42のディスク対向面43に露出している。本実施形態において、主磁極66の先端部66aの幅は、磁気ディスク12におけるトラックの幅にほぼ対応している。
トレーリングシールド68は、ほぼU字形状に形成され、その先端部68aは、細長い矩形状に形成されている。トレーリングシールド68の先端面は、スライダ42のディスク対向面43に露出している。先端部68aのリーディング側端面68bは、磁気ディスク12のトラックの幅方向に沿って延びている。このリーディング側端面68bは、主磁極66のトレーリング側端面67aとライトギャップWGを置いてほぼ平行に対向している。
記録ヘッド56は、主磁極66の先端部66aとトレーリングシールド68との間に設けられた高周波発振子、例えば、スピントルク発振子74を備えている。スピントルク発振子74は、主磁極66の先端部66aのトレーリング側端面67aとトレーリングシールド68のリーディング側端面68bとの間に挟まれ、これらの端面と平行に配置されている。すなわち、スピントルク発振子74は、ライトギャップWG内で主磁極先端部のトラック幅方向幅の範囲内に位置し、かつ、主磁極66の中心線を含む位置に配置されている。
スピントルク発振子74は、その先端がABS面43に露出し、磁気ディスク12の表面に対して、主磁極66の先端面と同一の高さ位置に設けられている。スピントルク発振子74は、前述した制御回路基板25の制御の下、電源70から主磁極66、トレーリングシールド68に電圧を印加することにより、スピントルク発振子74の膜厚方向に直流電流が印加される。通電することにより、スピントルク発振子74の発振層の磁化が回転し、高周波磁界を発生させることが可能となる。これにより、磁気ディスク12の記録層に高周波磁界を印加する。このように、トレーリングシールド68と主磁極66はスピントルク発振子74に垂直通電する電極として働くことになる。
図3および図4に示すように、トレーリングシールド68は、ライトギャップWG、すなわち、スライダのディスク対向面から離れた位置で、主磁極66の上部に接近した連結部65を有している。この連結部65は、例えばSiO2等の絶縁体で形成されたバックギャップ部67を介して主磁極66に連結されている。この絶縁体により、主磁極66とトレーリングシールド68とが電気的に絶縁している。このように、バックギャップ部67を絶縁体で構成することにより、スピントルク発振子74の電極と兼用している主磁極66およびトレーリングシールド68を通じて、電源70からスピントルク発振子74に効率的に電流を印加することが可能となる。バックギャップ部67の絶縁体はSiO2以外にも、Al23を用いてもよい。
バックギャップ部67をSi、Geといった半導体で構成してもよい。絶縁体もしくは半導体からなるバックギャップ部67の一部に電気伝導体を含めて主磁極66とトレーリングシールド68を電気的に接続してもよい。このような構成にすることで、プロセス加工中の静電気の放電がバックギャップ部67を通じて起こるため、スピントルク発振子74の製造プロセス中の損傷を防ぐことが可能となり、歩留まりを向上することができる。また、バックギャップ部67の電気抵抗をスピントルク発振子74の電気抵抗と同程度以上に設定することで、スピントルク発振子74に十分な電流を印加することができる。
図5および図6に示すように、スピントルク発振子74は、例えば、Ta/Ruの積層膜からなる下地層74a、Co/Niを15回、積層した膜厚12nmの人工格子膜からなるスピン注入層(第2磁性体層)74b、膜厚2nmのCu中間層74c、膜厚15nmのFeCoAl磁性膜からなる発振層(第1磁性体層)74d、Cu/Ruの積層膜からなるキャップ層74eを、主磁極66側からトレーリングシールド68側に順に積層して構成されている。そして、下地層74aとキャップ層74eが、電極を兼用する主磁極66とトレーリングシールド68にそれぞれ接続している。スピントルク発振子74のトラック幅方向長さWT2は、主磁極66のトレーリング側端面67aのトラック幅方向長さWT1と等しいか、より短いことが好ましい。
発振層74dの保磁力は、主磁極66から印加される磁界よりも小さく、また、スピン注入層74bの保磁力は、主磁極66から印加される磁界よりも小さい。
発振層74dの材料は軟磁性材料であることが望ましく、FeCoAlの他、NiFe、FeCoSi、FeNiCo、CoFe、FeSiなど、Ni、Fe、Coを1種類以上含む合金、FeCo/Ni、Fe/Ni、Fe/Coなど、Ni、Fe、Coを1種類以上含む合金を積層した人工格子磁性層、CoMnSi、CoFeMnSi、CoFeAlSi、CoMnAl、CoMnGaSn、CoMnGaGe、CoCrFeSi、CoFeCrAl等の、ホイッスラー合金等が用いられる。
スピン注入層74bの材料は、垂直磁気異方性を有する材料であることが望ましく、CoCr系磁性層、例えば、CoCrPt、CoCrTa、CoCrTaPt、CoCrTaNb、RE−TM系アモルファス合金磁性層、例えば、TbFeCo、Co/Pd、Co/Pt、CoCrTa/Pd、Co/Ni、Co/NiPt等のCo合金とPd、Pt、Ni等白金族元素を用いた合金の人工格子磁性層、CoPt系やFePt系の合金磁性層、SmCo系合金磁性層など、垂直磁気異方性に優れた材料も適宜用いることができる。
また、発振層74dは、軟磁性材料とスピン注入層に用いる垂直磁気異方性材料を積層した構造としてもよい。これを用いることにより、平均した発振層の垂直磁気異方性を調整し、最適な発振が実現できる。
スピン注入層74bは、中間層74cとの界面にスピン分極率が高い材料を積層しても良い。たとえば、FeCo、FeCoAlといったFeCo系の合金、CoMnSi、CoFeMnSi、CoFeAlSi、CoMnAl、CoMnGaSn、CoMnGaGe、CoCrFeSi、CoFeCrAl等のホイッスラー合金等と、垂直磁気異方性を有する材料とを積層した構造としても良い。これを用いることにより、スピン注入層74bからのスピントルク効率を向上し、印加電流密度を低減するのに有利にすることができる。
中間層74cの材料は、スピン拡散長が長い材料であることが望ましく、貴金属、例えば、Cu、Pt、Au、Ag、Pd、Ru、あるいは、非磁性遷移金属、例えば、Cr、Rh、Mo、Wなどを用いることができる。また、中間層74cは、アルミナ母材とCu、または、アルミナ母材とNiFe合金からなる電流狭窄構造としてもよい。
スピントルク発振子74の素子サイズ(積層方向に対して垂直な平面で切断したときの断面の大きさ)は、10nm四方から100nm四方にすることが望ましく、素子形状も直方体だけでなく、円柱状や六角柱状としてもよい。ただし、このサイズに限定されることなく、発振層74d、スピン注入層74bおよび中間層74cに用いられる材料及びこれらの大きさは任意に選択可能である。
なお、スピン注入層74b、中間層74c、発振層74dの順に積層したが、発振層、中間層、スピン注入層の順に積層してもよい。この場合、主磁極66と発振層74dとの距離が近くなり、主磁極66が発生する記録磁界と、発振層が発生する高周波磁界とが効率的に重畳する範囲が、媒体上で広くなり、良好な記録が可能となる。
本実施形態において、スピントルク発振子74の発振層74dは、複数の発振領域に分断あるいは分割されている。例えば、発振層74dの膜厚と等しい深さのスリット80(あるいは切欠き)が発振層74dのほぼ中央に形成され、このスリット80は、磁気ディスク12の表面と平行に延びている。このスリット80により、発振層74dは、磁気ディスク12の表面と垂直な方向に隙間をおいて並んだ2つの発振領域82a、82bに分断されている。
スリット80あるいは切欠きは、発振層74dを成膜した後、発振層の表面側から発振層をイオンミリングや、RIE等でエッチング除去することにより形成される。スリット80あるいは切欠きは、形成後、例えば、キャップ層74eにより埋められる。また、SiO2、Al2O3といった絶縁体や、Si、Geといった半導体で埋めても良い。このような絶縁体や半導体で埋めることにより、発振領域82a、82bに電流が集中し、より低電圧で発振することができる。なお、スリット80あるいは切欠きは、帯状に限らず、湾曲あるいはクロスした形状としてもよく、また、発振層の側縁に開口していない形状としてもよい。
このようにスピントルク発振子74の発振層74dを複数の発振領域に分けることにより、スピントルク発振子74は、より低い駆動電圧で発振可能となり、かつ、大振幅で発振することが可能となり、発生高周波磁界が増大する。十分な高周波磁界が発生することで、十分な記録能力の発揮、および、安定した記録特性の実現が可能となる。
図7は、スピントルク発振子から発生する円偏光高周波磁界強度(c−Hac)と、スピントルク発振子の形状、寸法との関係を示している。素子サイズが50nm×50nmのスピントルク発振子74を作成した場合、良好に発振すれば410(Oe)のc−Hacが発生可能であるが、実際には、180(Oe)程度の発振は困難となる。これは発振層74d上にスピン波が励起し、エネルギーが大きく損失するためと考えられる。また、素子サイズが50nm×17nmの素子では、素子サイズが小さいため、スピン波の励起が抑制されるため、発振は良好となる。しかし、素子サイズが小さいため、発生c−Hacは290(Oe)にとどまる。
本実施形態では、発振層74dを複数の発振領域82a、82bに分けることにより、50nm×17nmの素子を上下に2つ備えものと等価となり、発生c−Hacは、図7に示すように、330(Oe)となる。このことから、本実施形態によれば、より低い駆動電圧で発振層74dの発振振幅が大きくなり、スピントルク発振子74から発生する円偏光高周波磁界強度が増大することが分かる。この結果、良好な高周波アシスト記録が可能となる。なお、発生c−Hacは、スピントルク発振子74直下の磁気ディスク表面上で測定した値である。
以上のように構成されたHDDによれば、VCM16を駆動することにより、ヘッドアクチュエータ14が回動し、磁気ヘッド33は、磁気ディスク12の所望のトラック上に移動され、位置決めされる。また、磁気ヘッド33は、磁気ディスク12の回転によってディスク表面とディスク対向面43との間に生じる空気流Cにより浮上する。HDDの動作時、スライダ42のディスク対向面43はディスク表面に対し隙間を保って対向している。図2に示すように、磁気ヘッド33は、ヘッド部44の記録ヘッド56部分が最も磁気ディスク12表面に接近した傾斜姿勢をとって浮上する。この状態で、磁気ディスク12に対して、再生ヘッド54により記録情報の読み出しを行うとともに、記録ヘッド56により情報の書き込みを行う。
情報の書き込みにおいては、スピントルク発振子74に直流電流を通電して高周波磁界を発生させ、この高周波磁界を磁気ディスク12の垂直磁気記録層22に印加する。また、記録コイル71により主磁極66を励磁し、この主磁極から直下の磁気ディスク12の記録層22に垂直方向の記録磁界を印加することにより、所望のトラック幅にて情報を記録する。記録磁界に高周波磁界を重畳することにより、高保持力かつ高磁気異方性エネルギーの磁気記録を行うことができる。そして、スピントルク発振子74の発振層74dを複数の独立した発振領域に分けることにより、スピントルク発振子の発生高周波磁界を増大し、十分な記録能力の発揮し、安定した記録特性を得ることができる。これにより、記録信号品質の向上した良好な記録が可能な磁気記録ヘッドおよびこれを備えたHDDが得られる。
なお、発振層74dは、第1の実施形態のようにスリット80あるいは切欠きにより完全に分断されていてもよいし、あるいは、図8(a)に示す第1変形例のように、一部残っていてもよい。すなわち、スリット80あるいは切欠きは、発振層74dの膜厚よりも浅く形成してもよい。また、図8(b)に示す第2変形例のように、スリット80あるいは切欠きを深く形成し、中間層74cの一部を分断してもよい。図8(c)に示す第3変形例のように、スリット80あるいは切欠きを更に深く形成し、発振層74dおよび中間層74cを貫通しスピン注入層74bまで延びていてもよい。この場合、中間層74cも完全に分断されている。
図9(a)に示す第4変形例のように、スリット80あるいは切欠きは、発振層74d、中間層74c、およびスピン注入層74bを貫通して形成してもよい。この場合、発振層74d、中間層74c、およびスピン注入層74bは、それぞれスリット80により、完全に複数に分断された構成となる。
図9(b)に示す第5変形例のように、発振層74dは、2つに限らず、複数のスリットあるいは切欠きにより、3つ以上の発振領域に分割されていてもよい。図9(c)に示す第6変形例のように、主磁極66側から、発振層74d、中間層74c、スピン注入層74bの順に積層してもよい。この場合、主磁極66と発振層74dとの距離が近くなり、主磁極66が発生する記録磁界と、発振層が発生する高周波磁界とが効率的に重畳する範囲が、媒体上で広くなり、良好な記録が可能となる。
なお、前述した第1の実施形態、第1、第2、第5、第6変形例で示したように、スピン注入層74bを分断することなく、完全な層として残す構成とした場合、発振層74dの発振に伴う反作用をスピン注入層74bの発振を抑制することができ、より安定して発振層74dを発振させることができる。
上述した種々のスピントルク発振子において、分断部の膜厚、すなわち、スリット80あるいは切欠きの深さは、分断された発振領域間のスピン波の結合定数を求め、これにより、分断部の発振層の膜厚を示す。
磁性体の磁化の振幅が
Figure 0005319746
と時間と共に変化するとして、ギルバートの式に基づいて磁性体の振幅の緩和時間τを求めると、荒い近似として
Figure 0005319746
を得ることができる。
ここでαはダンピング定数、ωは共鳴角速度である。(参考文献:共立出版、太田恵造著、磁気工学の基礎II、P342)
これをスピン波に適用し、緩和時間と群速度の積で求められる、スピン波の緩和長λを求めると、
Figure 0005319746
となる。ここで、kはスピン波の波数、λはスピン波の波長である。
これをスピン波に適用して、発振層の発振領域間のスピン波の結合定数を求めると、結合定数Cは、
Figure 0005319746
と表される。
すなわち、これは、片方の分断されていない部分の発振層で発生したスピン波が、分断部の発振層を通過する際に減衰し、さらに、もう一方の分断されていない部分の発振層に流入する際にスピン波の振幅が小さくなることを示している。ここで、分断されていない部分の発振層の膜厚をT、分断されていない部分の飽和磁化をMs、分断部の発振層の膜厚をt、分断部の飽和磁化をMs1、分断部の発振層の長さをlとしている。
現在、考慮しているスピン波の波長は、素子サイズと同程度であり、ダンピング定数α〜0.01程度であることを考慮すると、απl/k 〜 0となる。従って、上記の場合、結合定数Cは、荒い近似にて、
Figure 0005319746
となる。すなわち、片方の分断されていない発振層でのスピン波が、もう一方の分断された発振層に伝わる場合、振幅がC=t/Tに減少する。
スピン波のエネルギーロスは、振幅の2乗に比例することが知られている。スピントルクによるエネルギー注入は、スピントルク発振子の駆動電流に比例する。一般的に、発振に必要な駆動電流のバラツキは20%程度であり、20%の増減はばらつきの範囲内に含めることが出来る。このため、分断部の発振層があることによるスピン波のエネルギーロスも20%の範囲内に含めることが望ましい。分断部の発振層の飽和磁化と分断されていない部分の発振層の飽和磁化がほぼ等しい場合、スピン波の振幅は45%以下にすることが望ましい。すなわち、分断部の膜厚tは、分断されていない部分の膜厚Tの45%以下とすることが望ましい。
なお、同様に、分断部の発振層の飽和磁化と分断されていない部分の発振層の飽和磁化とがほぼ等しい場合、発振に必要な駆動電流のバラツキが10%程度の場合には、分断部の膜厚tと分断されていない部分の膜厚Tの比は32%以下とすることが望ましい。また、発振に必要な駆動電流のバラツキが30%程度の場合には、膜厚の比を63%以下にすることが望ましい。
図10に示す第7変形例のように、発振層74dは、スリットあるいは切欠きに代えて、失活領域84により複数に分割されていてもよい。すなわち、発振層74dは、一方の表面側からマスクを用いて、N2、リン、ヘリウム等のイオンを打ち込みマスク部以外の部分の磁性を失活させてもよい。イオン注入することにより失活された帯状の失活領域84を有し、発振層74dは、この失活領域84により、複数、例えば、上下、2つの発振領域82a、82bに分けられている。失活領域84の形状は、帯状に限らず、湾曲あるいはクロスした形状としてもよい。
失活領域84を用いる場合には、分断部の発振層74dの膜厚と分断されていない部分の発振層の膜厚とが等しく、飽和磁化Msが下がっている。この場合にも、発振に必要な駆動電流のバラツキが20%程度の場合には、分断部の飽和磁化Ms1と分断されていない部分の飽和磁化Msの比は45%以下とすることが望ましい。
次に、他の実施形態に係るHDDの磁気記録ヘッドについて説明する。なお、以下に説明する他の実施形態において、前述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
(第2の実施形態)
図11は、第2の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドにおける記録ヘッドを模式的に示している。本実施形態によれば、スピントルク発振子74の発振層74dの複数の発振領域82a、82bは、主磁極66のトラック幅方向に隙間を置いて並んでいる。例えば、発振層74dの膜厚と等しい深さのスリット80(あるいは切欠き)が発振層74dのほぼ中央に形成され、このスリット80は、磁気ディスク12の表面に垂直な方向に延びている。このスリット80により、発振層74dは、磁気ディスク12の表面と平行な方向に隙間をおいて並んだ2つの発振領域82a、82bに分断されている。
スリット80あるいは切欠きは、発振層74dを成膜した後、発振層の表面側から発振層をイオンミリングや、RIE等でエッチング除去することにより形成される。スリット80あるいは切欠きは、形成後、例えば、キャップ層74eにより埋められる。
このようにスピントルク発振子74の発振層74dを複数の発振領域に分けることにより、スピントルク発振子74は、より低い駆動電圧で発振可能となり、かつ、大振幅で発振することが可能となり、発生高周波磁界が増大する。十分な高周波磁界が発生することで、十分な記録能力の発揮、および、安定した記録特性の実現が可能となる。
図12は、スピントルク発振子から発生する円偏光高周波磁界強度(c−Hac)と、スピントルク発振子の形状、寸法との関係を示している。素子サイズが50nm×50nmのスピントルク発振子74を作成した場合、良好に発振すれば410(Oe)のc−Hacが発生可能であるが、実際には、180(Oe)程度の発振にとどまる。また、素子サイズが50nm×17nmの素子では、素子サイズが小さいため、スピン波の励起が抑制されるため、発振は良好となる。しかし、素子サイズが小さいため、発生c−Hacは290(Oe)にとどまる。
本実施形態では、発振層74dを複数の発振領域82a、82bに分けることにより、50nm×17nmの素子を左右に2つ備えものと等価となり、発生c−Hacは、図12に示すように、300(Oe)となる。このことから、本実施形態によれば、より低い駆動電圧で発振層74dの発振振幅が大きくなり、スピントルク発振子74から発生する円偏光高周波磁界強度が増大することが分かる。この結果、良好な高周波アシスト記録が可能となる。
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドにおける記録ヘッドを模式的に示している。本実施形態によれば、スピントルク発振子74の発振層74dは、3つ以上の独立した複数の発振領域82a、82b、82c、82dに分割されている。ここでは、発振層74dの複数の発振領域82a、82b、82c、82dは、磁気ディスクの表面に垂直な方向および表面と平行な方向にランダムな隙間を置いて並んでいる。例えば、発振層74dの膜厚と等しい深さのスリット80(あるいは切欠き)が発振層74dを複数方向に横切って形成され、このスリット80により、発振層74dは、4つの発振領域82a、82b、82c、82dに分断されている。
図14は、発振層74dにスリット80を作るマスク86を示している。このマスク86は、自己組織化材料を利用したマスクを用いることが出来る。PS−BSといった有機物、Al―Siといった無機物の自己組織化材料を用いることが出来る。発振層74dを複数の発振領域に分断する際には、マスク86を用いたイオンミリングや、RIE等で、磁性体をエッチング除去してもよいし、このマスクを用いて、N2、リン、ヘリウム等のイオンを打ち込みマスク部以外の部分の磁性を失活させてもよい。
このようにスピントルク発振子74の発振層74dを複数の発振領域に分けることにより、スピントルク発振子74は、より低い駆動電圧で発振可能となり、かつ、大振幅で発振することが可能となり、発生高周波磁界が増大する。十分な高周波磁界が発生することで、十分な記録能力の発揮、および、安定した記録特性の実現が可能となる。
上述した種々の実施形態および変形例によれば、発生高周波磁界を増大し、十分な記録能力の発揮し、安定した記録特性の実現が可能な磁気記録ヘッド、およびこれを備えたディスク装置を提供することにある。
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10…筺体、11…ベース、12…磁気ディスク、13…スピンドルモータ、
14…ヘッドアクチュエータ、25…制御回路基板、27…アーム、
30…サスペンション、42…スライダ、43…ディスク対向面、
44…ヘッド部、54…再生ヘッド、56…記録ヘッド、66…主磁極、
66a…先端部、68…トレーリングシールド、68a…先端部、
68b…トレーディング側端面、70…電源、71…記録コイル、
74…スピントルク発振子、74b…スピン注入層、74c…中間層、
74d…発振層、80…スリット、82a、82b…発振領域、84…失活領域、
WG…ライトギャップ

Claims (10)

  1. 記録媒体の記録層に対し記録磁界を印加する主磁極と、
    前記主磁極にライトギャップを置いて対向するトレーリングシールドと、
    前記主磁極とトレーリングシールドとの間で、前記主磁極のトラック幅方向に沿った幅の範囲内に設けられ、高周波磁界を発生する高周波発振素子と、を備え、
    前記高周波発振素子は、スピン注入層と、中間層と、発振層と、を有し、少なくとも前記発振層は、複数に分かれた発振領域を有し、
    前記記録層に垂直な方向での前記発振領域の大きさ、もしくは、前記トラック幅方向での前記発振領域の大きさは、前記主磁極のトラック幅方向に沿った幅の大きさよりも小さい磁気記録ヘッド。
  2. 前記発振層の複数の発振領域は、前記記録媒体の表面に垂直な方向に隙間を置いて並んでいる請求項1に記載の磁気記録ヘッド。
  3. 前記発振層の複数の発振領域は、前記主磁極のトラック幅方向に隙間を置いて並んでいる請求項1に記載の磁気記録ヘッド。
  4. 前記発振層の複数の発振領域は、前記記録媒体の表面に垂直な方向および表面と平行な方向にランダムな隙間を置いて並んでいる請求項1に記載の磁気記録ヘッド。
  5. 前記発振層の少なくとも一方の表面に形成されたスリットあるいは切欠きを有し、このスリットあるいは切欠きにより、前記複数の発振領域が規定されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッド。
  6. 前記スリットあるいは切欠きは、前記発振層を貫通し前記中間層まで形成されている請求項5に記載の磁気記録ヘッド。
  7. 前記スリットあるいは切欠きは、前記発振層および中間層を貫通し前記スピン注入層まで形成されている請求項5に記載の磁気記録ヘッド。
  8. 前記スリットあるいは切欠きは、前記発振層、中間層、およびスピン注入層を貫通して形成されている請求項5に記載の磁気記録ヘッド。
  9. 前記発振層は、失活領域を有し、前記複数の発振領域はこの失活領域により分けられている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッド。
  10. 媒体面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層を備えたディスク状の記録媒体と、
    前記記録媒体を回転する駆動部と、
    前記記録媒体に対し情報処理を行う請求項1ないし9のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッドと、
    を備えるディスク装置。
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