JP2004277876A - 表面処理亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】亜鉛系めっき層の表面に、アース性を有する中間層および耐食性を有する有機樹脂層を形成する表面処理を施した表面処理亜鉛系めっき鋼板において、該有機樹脂層の被覆面積率を80%以上の範囲に制御すると共に、表面処理後の鋼板の表面粗さを、JIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで 1.0〜2.0 μm に制御する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理亜鉛系めっき鋼板に関し、特にアース性と耐食性の両立を可能ならしめたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、家電、自動車および建築等の分野において、亜鉛めっき鋼板や亜鉛−アルミめっき鋼板等の亜鉛系めっき鋼板が広く使用されている。これらの鋼板は、耐食性を向上させるために、亜鉛系めっき層の上にクロメート皮膜の被覆処理を施すか、またはクロメート皮膜の被覆処理を施した上にさらに有機皮膜を被覆して使用されている。有機皮膜を被覆する場合、このクロメート皮膜は有機皮膜との密着性を向上させるという役割も果たす。
【0003】
しかしながら、クロメート皮膜は、耐食性や塗装密着性には優れているものの、6 価クロムを有するため、クロメート皮膜の被覆工程において水質汚染防止法に規定される特別な排水処理を行う必要があることから、コストの上昇を余儀なくされていた。
【0004】
そこで、発明者らは、クロムを用いることのない表面処理技術を開発し、先に提案した(例えば特許文献1,2参照)。
特許文献1は、亜鉛系めっき層の表面に、耐食性を有する中間層を形成し、さらに該中間層の上に耐食性を有する有機樹脂層を被覆したものであるが、この表面処理亜鉛系めっき鋼板は、耐食性には優れるものの、アース性に劣るところに問題を残していた。
すなわち、亜鉛系めっき鋼板は、その用途、例えば家電製品等の電子部品機器に用いられる場合、アース性が要求されるが、特許文献1に開示の亜鉛系めっき鋼板は、このアース性に対する要求に十分に応えることができなかった。
【0005】
ここにアース性とは、電子部品機器から発生する電波等により、鋼板表面に生じた電位を、大地の電位と等しくすることであり、このアース性が悪いと電波障害等による誤動作や雑音等の不具合が発生する場合がある。
一般に、表面処理亜鉛系めっき鋼板が筐体として使用される場合、絶縁体である有機樹脂層が被覆されていても、ネジ止めや溶接部などの接合部で良導体である鋼板部分が通電経路となって、アースがとれる。しかしながら、近年の電子部品の小型化、多機能化に伴い、複雑な形状の部品が増え、表面同士の接触のみあるいは弱いバネ接合でのアース性が求められるようになってきた。
【0006】
また、特許文献2は、亜鉛系めっき層の表面に、導電性を有する中間層を形成し、さらに該中間層の上に耐食性を有する有機樹脂層を被覆したものであるが、この表面処理亜鉛系めっき鋼板は、アース性は良好であるものの、中間層に対する有機樹脂層の被覆率が10〜80%程度であるため、耐食性の劣化が否めないところに問題を残していた。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−271174号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2001−172771号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、従来両立が難しいとされた耐食性とアース性の両者を兼ね備える表面処理亜鉛系めっき鋼板を提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、アース性を有する中間層の上に耐食性を有する有機樹脂層を被覆した構造になる表面処理亜鉛系めっき鋼板において、その表面粗さを適切に制御してやれば、中間層のほぼ全面を耐食性を有する有機樹脂層で被覆しても、良好なアース性を確保できることの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0010】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.亜鉛系めっき層の表面に、アース性を有する中間層を形成し、さらに該中間層の上に、耐食性を有する有機樹脂層を形成する被覆処理を施した表面処理亜鉛系めっき鋼板であって、
該有機樹脂層の被覆面積率が80%以上で、かつ前記表面処理後の鋼板の表面粗さが、JIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで 1.0〜2.0 μm であることを特徴とする表面処理亜鉛系めっき鋼板。
【0011】
2.前記表面処理後の鋼板の表面粗さが、JIS B 0610で規定されるろ波中心線うねりWcaで 0.8μm 以下であることを特徴とする上記1記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板。
【0012】
3.前記有機樹脂層が、エポキシ樹脂とグリコールウリル樹脂から形成されたものであることを特徴とする上記1または2記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明の亜鉛系めっき鋼板としては、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板および亜鉛−アルミ(Zn−Al)溶融めっき鋼板など、亜鉛系のめっきが施された鋼板であればいずれもが有利に適合する。
【0014】
次に、中間層は、アース性を有している必要がある。
かような中間層は、亜鉛系めっき層の表面に、アース性を有する金属塩を含有する表面処理剤を、塗布、浸漬、スプレーなどの手段によって被覆することにより形成される。その結果、アース性を有する金属塩がめっき層中の金属と反応し、強固な結合を形成して、亜鉛系めっき層の上に形成される。すなわち、麦面処理剤に含有される有機樹脂成分に優先して、アース性を有する金属塩の解離イオンがめっき層中の金属イオンとイオン結合して、強固な密着性状態を形成しているものと推察される。
【0015】
かかるアース性金属塩としては、Cu, Co, Fe, Mn, Sn, V,Mg, Ba, Al, Ca,Sr, Zr, Nb, YおよびZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩などの無機塩、酢酸塩などの有機塩が挙げられる。また、これらの金属の水酸化物も好適であり、便宜的に塩に含める。その他、酸化物、無機酸、有機酸との塩でもよく、例えば炭酸ジルコニウムアンモニウム、チタンラクテートなどが例示され、さらにはメタバナジン酸アンモニウムなどの無機酸の形態で金属を含む例も例示される。
好ましくは、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)およびマグネシウム(Mg)のうちから選んだ少なくとも1種の金属のリン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩および水酸化物である。特に好ましくは、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)およびマグネシウム(Mg)の3種の金属の無機塩を併用した場合である。さらに亜鉛の無機塩を併用することも有利である。
【0016】
この中間層の好適膜厚は、被覆条件や金属塩の種類などによって変化するが、50〜500 nm、望ましくは 100〜200 nmである。膜厚が50nmに満たないと亜鉛めっき層との結合が不十分で、耐食性が劣化し、一方500 nmを超えると、中間層の金属塩が多くなり、曲げ加工などにより中間層中で剥離が生じて、密着性の劣化を招くので、好ましくない。
【0017】
ここに、中間層の存在は、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板の表面処理層(中間層および有機樹脂層)の厚さ方向の断面の組成分布を示す図1により証明される。
図1において、スパッター時間が0秒の時が、最表面を指す。中間層とは、主に金属塩からなる、0.1mΩ以下の表面抵抗を有する層であり、0.1mΩを超えない程度に樹脂を含んでいてもよい。図1の中間層には、亜鉛系めっき層を示すZnと一部重なって、Mn, Sr,Pの分布が認められる。またわずかに、有機樹脂に起因するCの分布が認められる。さらに中間層と最表面の間にCの分布が認められ、これが有機樹脂層に相当する。なお、この測定は理学(株)製RF−GDS3860にて、アノード径:4mmφ、20W、Arガス流量:300 cc/minの条件で行った。このチャートから鉄換算のスパッタ速度を基に、中間層厚を求めることができる。
【0018】
次に、有機樹脂層は、上記中間層の上に形成される最表面層であり、耐食性に優れている必要がある。
この有機樹脂層は、亜鉛系めっき層の上に形成された中間層の上に、有機樹脂を含有する表面処理剤を塗布、浸漬、スプレーなどの手段によって被覆することにより形成される。
なお、亜鉛系めっき層の上に、アース性を有する金属塩と有機樹脂を含有する表面処理剤とを被覆させることにより、中間層と有機樹脂層の両者を同時に形成することもできる。この際、表面処理剤中の全金属塩は、表面処理剤の固形分の5〜60mass%程度とするのが好ましい。というのは、5mass%未満では耐食性が劣り、一方60mass%を超えると溶接性が劣化する傾向にあるからである。また、複数の金属塩を使用する場合、各金属塩は1〜50mass%の割合で表面処理剤中に含有させるのが好ましい。
【0019】
有機樹脂層の好適膜厚は、0.5 〜5.0 μm 、望ましくは 0.5〜2.0 μm 、さらに望ましくは 0.5〜1.0 μm である。というのは、膜厚が 5.0μm を超えると、耐食性の向上効果はあるものの、アース性が低下し、またコストアップともなり、一方 0.5μm 未満では耐食性の向上効果が小さいからである。この膜厚は、有機樹脂層断面の2000倍による走査型電子顕微鏡を用いた任意の10視野の観察によって求めた平均値である。
【0020】
かかる有機樹脂層は、亜鉛系めっき層上に形成された中間層を被覆するものであり、被覆面積率で80%以上の範囲に制御することが重要である。
というのは、有機樹脂層の被覆面積率が80%に満たないと、中間層への腐食因子の侵入抑止効果が十分でなく、十分な耐食性が得られなくなるからである。なお、有機樹脂層の被覆面積率が99%超になるとアース性が低下し、十分な電磁波シールド性を得ることができなくなるおそれがあるが、この場合には、後述するように、有機樹脂層を形成する有機樹脂粒子径を制御することによって、アース性を確保することができる。
つまり、高度な耐食性およびアース性が両立するのは、亜鉛系めっき鋼板の中間層に対する有機樹脂層の被覆率が80%以上の範囲にある時である。
ここで、被覆面積率は、1000倍による走査型電子顕微鏡を用いた任意の20視野の観察により亜鉛めっきの結晶が認められない部分を被覆されているとして、画像解析により各視野の被覆面積率を求め、その平均値とした。
【0021】
有機樹脂層としては、耐食性を有する有機樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコン樹脂およびフッ素樹脂などが好適に使用できるが、特に好ましくはエポキシ樹脂とグリコールウリル樹脂から形成されたものである。これは、エポキシ樹脂がグリコールウリル樹脂との脱水(脱アルコール)反応により硬化して、下層に強固に密着した有機皮膜である。なお、本発明において硬化とは、完全硬化、半硬化および部分硬化のいずれをも含むものとする。
【0022】
上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。より具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などであり、さらにはそれらの二級水酸基をポリイソシアネートなどで架橋したものであってもよい。
本発明では、このようなエポキシ樹脂に、水酸基を付与するための変性を加えて使用することもできる。このような水酸基付与のための変性を加えない場合には、そのエポキシ当量は通常 500〜5000程度、好ましくは 900〜4000程度であることが望ましい。このエポキシ樹脂のエポキシ当量が 500未満ではグリコールウリル樹脂との反応率が上がらず、一方エポキシ当量が5000を超えてもエポキシ基が反応し難く、いずれの場合も所望の硬化皮膜、すなわち耐食性が得られ難い傾向にある。
なお、エポキシ樹脂へ水酸基を付与するための変性については、変性剤としてリン酸化合物を用いてリン結合水酸基を付与する場合と、一級水酸基を有する化合物を用いる場合とが挙げられる。
【0023】
このような有機樹脂層を形成する有機樹脂の平均粒子径は0.01〜5.0 μm 程度とすることが好ましい。というのは、この平均粒子径が0.01μm に満たないと、中間層への腐食因子の侵入抑止効果が十分でないため、耐食性が劣化するおそれがあり、一方 5.0μm を超えると、アース性が低下するおそれがあるからである。なお、有機樹脂層の被覆面積率を99%超とする場合には、平均粒子径は0.01〜0.5 μm 程度とすることが好ましく、この範囲に調整することにより耐食性とアース性を両立させることができる。
ここで、有機樹脂の平均粒子径は、大塚電子(株)製レーザー粒径測定システムPAR−III を用いて粒径測定を行い、キュムラント法解析により求めた平均粒子径を意味する。なお、二種以上の有機樹脂を用いる場合には、二種以上の有機樹脂を含有させた状態での上記測定および解析により求めた平均粒子径を意味する。
【0024】
また、グリコールウリル樹脂としては、グリコールウリルの1−,3−,4−,6−のアミノ基の全部または一部にメチロール、ブチロールなどが付加した誘導体、メチル化、メチル/エチル化、ブチル化などのアルキルエーテル化誘導体、メチロール基などを介して縮合したオリゴマーおよびそれらのアルキル誘導体などが有利に適合する。特に好適なのは、テトラメチロール化グリコールウリルとそのオリゴマーである。
なお、グリコールウリル樹脂は、水溶性であり、平均粒子径は0.01μm 未満となるために、上述した有機樹脂の平均粒子径には影響を与えない。
【0025】
本発明では、上記のようなエポキシ樹脂とグリコールウリル樹脂との硬化反応により有機樹脂層を形成するに際し、エポキシ樹脂とグリコールウリル樹脂とを、質量比で50/50〜95/5、好ましくは60/40〜90/10の割合に調整することが好ましい。というのは、この質量比(エポキシ樹脂/グリコールウリル樹脂)が50/50に満たないとグリコールウリル樹脂の残存率が高くなって、耐食性が劣化し、一方95/5を超えるとグリコールウリル樹脂が不足して十分な硬化皮膜が得られず、耐溶剤性および耐食性が劣化するからである。
【0026】
上述したとおり、本発明の有機樹脂層は、好適にはエポキシ樹脂とグリコールウリル樹脂とを含む表面処理剤を調製し、それを塗布することにより形成されるが、この表面処理剤中には、有機樹脂層に各種性能を付与または向上させるために、各種添加剤を必要に応じて含有させることができる。
【0027】
このような添加剤として、たとえば撥水剤を含有させることができる。撥水剤は疎水性であるため、有機樹脂層の表層に濃化する傾向がある。そのため、有機樹脂層への腐食因子の侵入を表層で抑止し、耐溶剤性および耐食性の改善に寄与する。
ここに撥水剤としては、フッ素樹脂やポリエチレンワックスで被覆した樹脂などが有利に適合し、かかる撥水剤を、有機樹脂層中に5〜20mass%含有させるのが好ましい。
【0028】
また、中間層と亜鉛系めっき層との密着性をさらに向上させ、剥離を防止し、耐食性を向上させるために、表面処理剤中にさらにリン酸、フッ化水素酸、過酸化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸を含有させることができる。これらの酸は、亜鉛系めっき層の表面をエッチングし、中間層の密着性を向上させる効果がある。そして、公知の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤に添加する量と同程度の量を使用すれば、本発明においても十分な効果を発揮することができる。
【0029】
さらに、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板に需要家で施される上塗り塗装との密着性を上げ、さらには中間層と有機樹脂層の緻密性を上げるために、表面処理剤に金属酸化物を含有させることができる。かかる金属酸化物としては、シリカ(SiO2),MgO, ZrO2, A12O3, SnO2, SbO2, Fe2O3 およびFe3O4 からなる群より選ばれる少なくとも1種が有利に適合する。特に好ましいのはシリカであり、コロイダルシリカ、気相シリカなどが最適である。かような金属酸化物の粒径は問わないが、粒径が小さいほど、表面処理剤成分との混合が緻密になるので、好ましい。また、シリカは、シランカップリング剤と併用すると相乗効果が得られ、一層有利である。
その他、金属酸化物もまた、従来公知の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤に添加する量と同程度の量を使用すれば十分な効果を発揮することができる。
【0030】
以上、中間層および有機樹脂層の好適原料および各性質について説明したが、本発明では、かような中間層および有機樹脂層を被覆した表面処理亜鉛系めっき鋼板の表面粗さを、適正な範囲に制御することが特に重要である。
【0031】
図2に、電気亜鉛めっき鋼板の表面に、中間層としてMnとSrのリン酸塩を 200nm厚に被覆したのち、有機樹脂層としてエポキシ樹脂(平均粒子径:1.6 μm )とグリコールウリル樹脂の有機樹脂層を 0.8μm 厚に被覆(被覆面積率:90%)した表面処理亜鉛系めっき鋼板について、表面粗さ(算術平均粗さRa)を0.68μm (従来例)、1.20μm (発明例)に変化させた場合の、アース性について調査した結果を示す。
なお、アース性は、三菱化学(株)製の4探針式表面抵抗計“ロレスタGP”を用いて測定した表面抵抗が、0.1 m Ω以下となる場合の負荷荷重で評価するものとした。
【0032】
同図に示したとおり、従来例では、良好なアース性が得られる表面抵抗:0.1mΩ以下にするためには 800gを超える荷重を必要としたのに対し、発明例では、付加荷重を 400gまで低減することができた。
【0033】
このように、アース性は、表面処理亜鉛系めっき鋼板の表面粗さによって大きく変化する。
そこで、良好なアース性(付加荷重が 400〜600 gで表面抵抗が0.1 m Ω以下となる)を得るために必要な好適表面粗さを見いだすべく、鋭意実験と検討を重ねた結果、良好なアース性を確保するためには、表面粗さをJIS B 0601(1994)で規定される算術平均粗さRaで 1.0〜2.0 μm の範囲に制御する必要があることが究明された。
表面粗さがJIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで 1.0μm に満たないと、アース性が不十分な場合があり、一方 2.0μm を超えると、中間層の不連続点が生じ、アース性および耐食性が共に劣化する場合がある。
【0034】
また、より好適には、表面粗さが、算術平均粗さRaで 1.0〜2.0 μm の範囲を満足した上で、さらにJIS B 0610(1987)で規定されるろ波中心線うねりWcaで 0.8μm 以下とすることが好ましい。
というのは、両面亜鉛めっきを施す場合、先のめっき面が、後めっきする際のコンダクターロールによりめっき凸部がつぶされるという現象が生じるが、この凸部のつぶれは鋼板のうねりWcaが大きいほど大きく、Wcaが小さいほどつぶれ度合いも小さいからである。ここに、Wcaが 0.8μm を超えると、中間層の不連続点が生じアース性および耐食性が共に劣化する場合があるため、表面粗さは、Wcaで 0.8μm 以下とすることが好ましい。
【0035】
本発明において、表面処理亜鉛系めっき鋼板の表面粗さを、上記の範囲に制御する方法については、特に制限はないが、素材鋼板の表面を、亜鉛系めっき層、中間層および有機樹脂層の表面処理後の粗度変化を見越して、予め必要な表面粗さに調整しておく方法が、とりわけ有利である。
すなわち、本発明における中間層や有機樹脂層の厚みはめっき層と比較して薄いので、表面粗さの変化に及ぼす影響は少ないが、亜鉛系めっき層についてはその膜厚に応じて表面粗さは変化する。
従って、有機樹脂層の厚みが 1.0μm 以下と薄い場合には、鋼板の表面粗さRaは、目標とする表面処理後の粗さと同様、Raで 1.0〜2.0 μm としておけば良い。一方、有機樹脂層の厚みが 1.0μm を超える場合には、表面処理後に表面粗さが幾分低下することを考慮して、Raで 1.5〜2.0 μm にしておくことが好ましい。
【0036】
次に、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法について説明する。前記した亜鉛系めっき鋼板の表面に、前記した中間層形成成分を有機溶媒、無機溶媒または水性媒体に溶解または分散させた処理液を塗布し、リンガーロールで押圧し、乾燥して、皮膜を形成する。その後、同様にして、前記した有機樹脂層形成成分を、有機溶媒、無機溶媒または水性媒体に溶解または分散させた処理液を塗布し、リンガーロールで押圧し、乾燥して、硬化させる。
また、中間層形成成分と有機樹脂層形成成分の両者を共に添加した処理液を用いて、両皮膜を同時に形成することもできる。
なお、処理液を鋼板に塗布するには、ロールコート、スプレー塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、カーテンフローなどの方法を用いる。また、塗布量・付着量は前記した中間層と有機樹脂層の膜厚の範囲内となるように調整するが、全体の皮膜の膜厚は 0.5〜5.0 μm 程度とすることが好ましい。
【0037】
有機樹脂層の焼付け温度(最高到達板温)は、使用するエポキシ樹脂によっても異なるが、一級水酸基を有する変性エポキシ樹脂を含まない場合には、 200〜240 ℃程度の比較的高温で実施される。一方、一級水酸基を有する変性エポキシ樹脂を用いる場合には、 150〜200 ℃程度の比較的低温で実施することが好ましい。
なお、焼付け温度が下限値を下回る場合には、硬化がやや不足したり、有機樹脂層中への溶媒の残存により、やや耐食性が劣化する場合がある。また、焼付け温度が上限値を上回っても特に問題はないが、有機樹脂層中の成分の部分的な分解による黄変が認められることがある。
【0038】
上記のような有機樹脂層は、耐食性に優れるが、これは特にエポキシ樹脂とグリコールウリル樹脂とが硬化反応することにより達成される。グリコールウリル樹脂の柔軟な構造で硬化皮膜を形成することにより、エポキシ樹脂の硬くて脆い構造が強靱性を増す。また、硬化皮膜のグリコールウリル構造によって、下地(めっき層および/または中間層)との密着性も増す。このことより、未硬化の低分子量成分の溶剤による溶解を防ぎ、有機樹脂層への腐食因子の侵入の抑止力が増すと共に、有機樹脂層/中間層界面への毛細管現象による腐食因子の侵入抑止力も増すために、耐食性が改善される。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例だけに限定されるものではない。なお、表面処理後の表面粗さは、亜鉛系めっき前の鋼板の表面粗さを調整することにより制御した。
まず、母材となる亜鉛系めっき鋼板について説明する。
鋼板A:電気亜鉛めっき鋼板(板厚:1.0 mm、Zn:20g/m2)
鋼板B:電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板(板厚:1.0 mm、Zn−Ni:20g/m2〔Ni :12mass%〕)
鋼板C:溶融亜鉛めっき鋼板(板厚:1.0 mm、Zn:60g/m2)
鋼板D:合金化溶融亜鉛めっき網板(板厚:1.0 mm、Zn:60g/m2、Fe:10mass %)
鋼板E:亜鉛−アルミニウムめっき鋼板(板厚:1.0 mm、Zn−Al:60g/m2、Al:5mass%)
鋼板F:亜鉛−アルミニウムめっき鋼板(板厚:1.0 mm、Zn−Al:60g/m2、Al: 55mass%)
鋼板G:陽極電解処理電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板(板厚:1.0 mm、Zn−Ni: 10g/m2〔Ni:12mass%〕)
【0040】
次に、有機樹脂層として使用したエポキシ樹脂について説明する。
(a)ベースエポキシ樹脂
エポキシ当量:1950のビスフェノールA型エポキシ樹脂:680 gに、プロピレングリコールモノメチルエーテル:132 gを添加し、ついでノニオン系乳化剤(“アデカプルロニツクF68”):84gを添加し、均一溶液にしたのち、3軸ミキサーを用いて、水:649 gを徐々に添加して、エポキシ当量:4000、固形分濃度:50mass%、平均粒子径:1.6 μm のエポキシ樹脂エマルジョンを得た。
【0041】
(b1)リン酸変性エポキシ樹脂のアミン中和物(アニオン型)
オルトリン酸:85gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル:140 gを仕込み、エポキシ当量:250 のビスフェノールA型エポキシ樹脂:425 gを徐々に添加し、80℃で2時間反応させた。反応終了後、50℃以下で、29mass%アンモニア水溶液:150 gを徐々に添加し、さらに水:1150gを添加して、酸価:35、固形分濃度:25mass%、平均粒子径:0.05μm のリン酸変性エポキシ樹脂のアミン中和物を得た。
【0042】
(b2)リン酸変性エポキシ樹脂のノニオン乳化物
オルトリン酸:95gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル:198 gを仕込み、エポキシ当量:250 のビスフェノールA型エポキシ樹脂:396 gを徐々に添加し、80℃で2時間反応させた。反応終了後、80℃以下で、ノニオン系乳化剤(“アデカブルロニツクF68”):25gを徐々に添加し、均一になった後、さらに水:264 gを添加して、酸価:65、固形分濃度:50mass%、平均粒子径:0.1 μm のリン酸変性エポキシ樹脂を得た。
【0043】
(b3)リン酸変性エポキシ樹脂のアミン中和物(アニオン型)
オルトリン酸:85gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル:140 gを仕込み、エポキシ当量:475 のビスフェノールA型エポキシ樹脂:807 gを徐々に添加し、80℃で2時間反応させた。反応終了後、50℃以下で、29mass%アンモニア水溶液:150 gを徐々に添加し、さらに水:2386gを添加して、酸価:21、固形分濃度:25mass%、平均粒子径:0.08μm のリン酸変性エポキシ樹脂のアミン中和物(アニオン型)を得た。
【0044】
(c1)一級水酸基を有する変性エポキシ樹脂
エポキシ当量:1950のビスフェノール型エポキシ樹脂:1950gをプロピレングリコールモノメチルエーテル:876 gに溶解し、ついでジエタノールアミン:78.8gを添加して、100 ℃、3時間反応させ、エポキシ当量:11600 の変性エポキシ樹脂エマルジョンを得た。
ついで、ノニオン系乳化剤(“アデカブルロニツクF68”):256 gを添加し、均一にしたのち、3軸ミキサーを用いて、水:2553gを徐々に添加して、エポキシ当量:22500 、固形分濃度:40mass%、平均粒子径:1.2 μm の一級水酸基を有する変性エポキシ樹脂エマルジョンを得た。
【0045】
(c2)一級水酸基を有する変性エポキシ樹脂
エポキシ当量:1950のピスフェノール型エポキシ樹脂:1950gをプロピレングリコールモノメチルエーテル:876 gに溶解し、ついで2,2−ジメチロールプロピオン酸:100 gを添加し、均一にしたのち、触媒にジメチルベンジルアミン:1gを添加して、130 ℃で3時間反応させ、エポキシ当量が12000 であることを確認した。ついで、ノニオン系乳化剤(“アデカブルロニツクF68”):513gを添加し、均一にしたのち後、水:2296gを徐々に添加して、エポキシ当量:22300 、固形分濃度:40mass%、平均粒子径:2.0 μm の一級水酸基を有する変性エポキシ樹脂エマルジョンを得た。
【0046】
(c3)一級水酸基を有する変性エポキシ樹脂
エポキシ当量:950 のビスフェノール型エポキシ掛脂:950 gをプロピレングリコールモノメチルエーテル:380 gに溶解し、ついでジエタノールアミン:79gを添加し、100 ℃で3時間反応させ、エポキシ当量が5640のエポキシポリオール樹脂エマルジョンを得た。ついで、ノニオン系乳化剤(“アデカブルロニックF68”):127 gを添加し、均一にした後、3軸ミキサーを用いて、水:1354gを徐々に添加して、エポキシ当量:11500 、固形分濃度:40mass%、平均粒子径:0.1 μm の一級水酸基を有する変性エポキシ樹脂を得た。
【0047】
また、グリコールウリル樹脂としては、以下のものを用いた。
樹脂イ:完全ブチル化グリコールウリル樹脂(三井サイテック(株)製“サイメル1174”)
樹脂ロ:メチル/エチル混合アルキル化グリコールウリル樹脂(三井サイテック(株)製“サイメル1171”)
樹脂ハ:テトラメチロール化グリコールウリル樹脂(三井サイテック(株)製“サイメル1172”)
樹脂ニ:完全メチル化グリコールウリル樹脂(三井サイテック(株)製“サイメル1174”)
【0048】
そして、有機樹脂層の形成成分としては、以下のものを用いた。
(i)エポキシ樹脂b1(P−OH当量:500)、エポキシ樹脂c1(エポキシ当量:22500)、グリコールウリル樹脂ハ(固形分質量比:4/58/9)、平均粒子径:1.1 μm 。
(ii) ベースエポキシ樹脂a(エポキシ当量:4000)、エポキシ樹脂b1(P−OH当量:500)、グリコールウリル樹脂イ(固形分質量比:58/4/9)、平均粒子径:1.6 μm 。
(iii)エポキシ樹脂b2(P−OH当量:850)、エポキシ樹脂c1(エポキシ当量:10000)、グリコールウリル樹脂ロ(固形分質量比:4/58/9)、平均粒子径:1.2 μm 。
(iv)エポキシ樹脂b3(P−OH当量:150)、エポキシ樹脂c2(エポキシ当量:22500)、グリコールウリル樹脂ニ(固形分質量比:4/58/9)、平均粒子径:2.0 μm 。
(v)エポキシ樹脂b1(P−OH当量:500)、エポキシ樹脂c3(エポキシ当量:11500)、グリコールウリル樹脂イ(固形分質量比:4/58/9)、平均粒子径:0.1 μm 。
(vi)ウレタン樹脂エマルジョン(分子量:10万)、平均粒子径:2.3 μm 。
(vii) ポリビニルブチラール樹脂(分子量:1.5 万)、平均粒子径:0.01μm 未満。
(viii)エチレン/アクリル酸(質量比:95/5)の共重合体(分子量:1.5 万)、平均粒子径:0.01μm 未満。
【0049】
さらに、中間層形成成分としては、以下のものを用いた。
a:Al,Mg,Mn,Znのリン酸塩(固形分質量比:1/1/1/1)
b:Al,Mg,Mnのリン酸塩(固形分質量比:1/1/1)
c:Al,Zn,Snの炭酸塩(固形分質量比:2/1/1)
d:Mn,Sn,Mgのリン酸塩とバナジン酸アンモニウム(固形分質量比:1/2/2/1)
e:Alのリン酸塩とCoの酢酸塩(固形分質量比:2/1)
f:Mgの硫酸塩
【0050】
上記した亜鉛系めっき鋼板(なお、地鉄の表面粗さは表1に示すとおり種々に変化させた)の表面に、上記した中間層形成成分および有機樹脂形成成分を水に溶解または分散させた表面処理液を塗布し、リンガーロールで押圧したのち、最高到達板温を 200℃として乾燥して、皮膜を形成・硬化させて、表1に示すような中間層および有機樹脂層を形成した。
かくして得られた、各表面処理亜鉛系めっき鋼板の表面粗さ、耐食性およびアース性について調査した結果を表2に併記する。
表面粗さは、先端径が2μm の触針式粗度計(Mahr Perthometer)を用い、JIS B 0601(1994)で規定される算術平均粗さRaは、カットオフ値:0.8 mm、評価長さ:4mmとし、JIS B 0610(1987)で規定されるろ波中心線うねりWcaは、カットオフ値:低域 0.8mm、高域8mm、評価長さ:24mmとして、測定した。
【0051】
なお、耐食性およびアース性は次の試験方法に従って評価した。また中間層、有機樹脂層の存在はGDS測定を行い、元素分析プロフィールから判断した。
・耐食性
試験片を70mm×150mm の大きさに剪断後、端面部をシールし、塩水噴霧試験(JIS Z 2371)を行い、各試験片表面に面積率で5%に白錆が発生するまでに要する時間を測定し、次の基準に従って評価した。
◎:120 時間以上、144 時間未満
○:96時間以上、120 未満
△:72時間以上、96時間未満
×:72時間未満
【0052】
・アース性
試験片を 300mm×200mm の大きさに剪断後、4端子4端針式表面抵抗計(“ロレスタGP”:三菱化学(株))を用いて、下記の10座標による位置補正を行った後の表面抵抗値の平均値を求め、その値で評価した。このとき、ロレスタGPに接続する端子として LSPプローブ(バネ圧:130 g/本)を用いることで、4本の端子により試験片にかかる圧力を 520 gに調整した。
(50, 30)、(50, 90)、(50, 150)、(50,210)、(50, 270)、(150, 30)、(150 ,90) 、(150, 150)、(150, 210)、(150, 270)。
◎:0.1 m Ω以下、
○:0.1 m Ω超、0.5 m Ω以下、
△:0.5 m Ω超、1.0 m Ω以下、
×:1.0 m Ω超
【0053】
【表1】
【0054】
同表に示したとおり、本発明に従い得られた表面処理亜鉛系めっき鋼板はいずれも、優れたアース性と耐食性とを兼ね備えている。
これに対し、比較例はいずれも、アース性と耐食性の少なくともどちらかの特性に劣っている。
【0055】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、従来両立が難しいとされた耐食性とアース性の両特性を兼ね備える表面処理亜鉛系めっき鋼板を、安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】GDSによる、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板の表面処理層の厚さ方向の組成分布を示したグラフである。
【図2】表面処理亜鉛系めっき鋼板の表面粗さ(算術平均粗さRa)とアース性との関係を示したグラフである。
Claims (3)
- 亜鉛系めっき層の表面に、アース性を有する中間層を形成し、さらに該中間層の上に、耐食性を有する有機樹脂層を形成する表面処理を施した表面処理亜鉛系めっき鋼板であって、
該有機樹脂層の被覆面積率が80%以上で、かつ前記表面処理後の鋼板の表面粗さが、JIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで 1.0〜2.0 μm であることを特徴とする表面処理亜鉛系めっき鋼板。 - 前記表面処理後の鋼板の表面粗さが、JIS B 0610で規定されるろ波中心線うねりWcaで 0.8μm 以下であることを特徴とする請求項1記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板。
- 前記有機樹脂層が、エポキシ樹脂とグリコールウリル樹脂から形成されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板。
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