JP5158526B2 - 耐食性、導電性、耐指紋性に優れる表面処理金属材料 - Google Patents
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Description
特にシランカップリング剤を利用する技術としては、特許文献7に、低濃度の有機官能シランおよび架橋剤を含有する水溶液による金属板の処理が記載されている。架橋剤が有機官能シランを架橋することによって、緻密なシロキサン・フィルムを形成する。
さらに、従来の技術では、従来家電などの一般的な用途で求められてきたような耐食性のみならず、さらに長期にわたる耐食性が要求されるような、例えば、屋外使用されるような使用環境が厳しい特殊な家電用途、耐穴あき腐食性など非常に高い耐食性を要求される自動車用途、屋外使用される建材用途などの分野において、つまり亜鉛めっきの腐食による白錆発生に加え、鉄の腐食による赤錆発生の抑制も求められるような分野において、必要とされるより一層の耐食性には大きな課題がある。そのため、このような耐食性向上を大幅なコストアップを伴わずに実現することが求められている。
本発明の表面処理金属材料は、耐食性を大きく向上させる微量のCaをシリカに吸着させた状態で、特定の構造をもつ界面活性剤との共存下で、亜鉛めっき層中の上半分の層に効率的に導入しためっき皮膜と、特定の官能基を分子内に有するケイ素含有樹脂皮膜を併用することで、格段の長期耐食性向上効果が得られる。このためケイ素含有樹脂皮膜の薄膜化が可能となり、良好な導電性も同時に得ることができる。
Caはそもそも、水の安定な電位範囲では電析しないため、電気めっきにより亜鉛めっき層に導入するのは非常に困難な元素である。しかし、Caが特にSiと共存して存在すると、Znの腐食を著しく抑制することを見出し、これを導入する方法を研究した結果、Caを吸着したシリカをめっき浴中に分散させることでCaをSiと共にめっき浴中に導入可能なことを見出した。Caは0.03%未満では特に長期耐食性が不十分で、最低0.03%の微量含有量であれば耐食性向上に有効であり、下限を0.03%とした。0.1%以上に量が増えればさらに耐食性向上に寄与する。その効果はSi:0.1%以上との共存下でさらに向上する。また1%を超えてCaを導入することは現実的には現状難しく、仮に1%を超える量をめっき中に導入できた場合、上層に形成するケイ素含有樹脂皮膜との組合せにおいて加工性が劣ると予想されるため、上限を1%とした。
Caを0.03%以上Znめっき層に含有する場合、Siは0.1%以上で上層のケイ素含有樹脂層と併せて十分な上記協調耐食効果を示すので、0.1%以上の添加が好ましい。7%を超えて含有する場合、上層に形成するケイ素含有樹脂皮膜との組合せにおいても加工性などの他の性能が劣るので、上限を7%とした。
まず、微量のCaをシリカに吸着させた状態で、特定の構造をもつ界面活性剤との共存下で、亜鉛めっき層中の上半分の層に効率的に導入しためっき皮膜の上に、ケイ素含有樹脂皮膜を形成する際に、Znめっき皮膜中に導入される微量のCaを吸着したシリカに含まれる−OH基とケイ素含有樹脂皮膜中のSi−OHが脱水縮合により安定したSi−O−Si結合(シロキサン結合)を形成する。
このシロキサン結合により微量のCaを吸着したシリカを含むZnめっき皮膜とケイ素含有樹脂皮膜との界面の強固な密着が起こるものと考えられる。
また、この耐食性発現には上層にケイ素含有樹脂皮膜が必須である。本発明の皮膜構成により良好な耐食性発現が得られたことから、ケイ素含有樹脂皮膜の薄膜化が可能となり、樹脂皮膜が通常有する耐指紋性や塗装性に加えて、良好な導電性と耐食性の両立も同時に達成することができた。
さらに前述の亜鉛めっきの腐食による白錆発生に加え、鉄の腐食による赤錆発生をも抑制する必要がある場合のような、長期にわたる耐食性の要求から、発明者らはめっき層内のSi濃度分布と特定の構造をもつ界面活性剤に着目することで耐食性の向上を達成した。即ち、図1のようにGDSによるめっき層全体中のSi積分強度I(全体厚みSi)とめっき層厚みの上半分中のSi積分強度I(1/2厚みSi)の比、〔I(1/2厚みSi)/I(全体厚みSi)〕が0.75以上とすることが好ましい。
これは、Znめっき皮膜中に導入される微量のCaを吸着したシリカに含まれる−OH基と、ケイ素含有樹脂皮膜中のSi−OHが焼き付けを行う際に、脱水縮合により安定したSi−O−Si結合(シロキサン結合)を効率的に形成し、さらに、分子内に有するカルボキシル基とZnめっき皮膜中に導入される微量のCaを吸着したシリカに含まれる−OH基の間での縮合反応、また、水酸基、エポキシ基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基とZnめっき皮膜中に導入される微量のCaを吸着したシリカに含まれる−OH基との間での縮合反応、あるいは水素結合による分子間力の増加により、シラノール結合のみの場合よりはるかに強固な密着構造が形成される。
GDSによるめっき層全体中のSi積分強度I(全体厚みSi)とめっき層厚みの上半分中のSi積分強度I(1/2厚みSi)の比、〔I(1/2厚みSi)/I(全体厚みSi)〕を0.75以上とするためには、Caを吸着したシリカを利用し、かつ、特定の構造をもつ界面活性剤との共存下、すなわち、ポリジアルキルアンモニウムクロライド界面活性剤と共に分散させた酸性めっき浴を用いることが好ましいことを見出した。これにより、効率や作業性を通常のZnめっきと同等に保ったまま本発明の表面処理金属材料を製造することが出来る。さらに、ポリジアルキルアンモニウムクロライド界面活性剤の平均分子量は後述のように3000以上であることが好ましく、電気めっき層にCの質量%で0.0001〜0.1%含有することが好ましい。
一方、ポリジアルキルアンモニウムクロライド界面活性剤は、微量のCaを吸着したシリカを亜鉛めっき層中の上半分の層に効率的に導入することができる。そのため、第一層のめっき皮膜と第二層のケイ素含有樹脂皮膜との界面において強固な密着が起こり、界面への水、塩分等の腐食因子の侵入を抑制できるため、腐食抑制効果が発現すると考えられる。加えて、ケイ素含有樹脂皮膜自体の腐食因子抑制効果(いわゆるバリヤー効果)や、ケイ素含有樹脂皮膜に含まれるSi以外の無機塩の官能基がめっき表面の−O、−OH基と水素結合を介して架橋構造を形成していることも腐食因子の侵入を抑制すると考えられることから、表面処理金属材料としての腐食開始を大きく遅延することが可能と考えられる。併せて、微量のCaをシリカに吸着させた状態で亜鉛めっき層中に導入することにより、Caがアルカリ性環境で皮膜的強固な皮膜を形成して耐食性向上に寄与すると共に、シリカが酸性環境で沈殿して耐食性向上に寄与する効果も考えられる。
このようにポリジアルキルアンモニウムクロライド界面活性剤の平均分子量は長期耐食性の向上効果の観点から3000以上であることが好ましい。なお、上限は特に設けないが、百万を超える場合は、めっき液の循環時に発生する発泡などめっき操業性に課題がでる場合があり好ましくない。
本発明の表面処理金属材料について、微量のCaをシリカに吸着させた状態で亜鉛めっき層中の上半分の層に効率的に導入しためっき皮膜の片面あたりの皮膜量は1.0〜20.0g/m2が好ましい。めっき皮膜の片面あたりの皮膜量の下限は、最小限の耐食性を確保するため1.0g/m2以上とすることが好ましい。めっき皮膜の片面あたりの皮膜量の上限は、電気めっき製造でのコストパフォーマンス、自動車分野に適用した場合の溶接性などを考慮して20.0g/m2以下とすることが好ましい。より好ましい範囲は5.0〜20.0g/m2である。
Caを吸着したシリカとしては、例えばGRACE DAVISION社のシールデックスなどを用いることができる。Caを吸着したシリカを亜鉛めっき層中に導入するためには、通常の硫酸基浴が好ましく適用でき、例えば、1リットルのめっき浴中に、硫酸亜鉛七水和物を400g、硫酸を40g、Ca吸着シリカを20g、ポリジアルキルアンモニウムクロライド界面活性剤を0.4gという組成を有するめっき浴を用いて、50〜150A/dm2などの電流密度条件で、従来の電気亜鉛めっき同様、電流効率90%以上で効率低下を伴わずに製造することができる。
本発明の表面処理金属材料は第2層にケイ素含有樹脂皮膜を形成する。
上記ケイ素含有樹脂皮膜は、シリカ、シランカップリング剤、シリコーン樹脂等のケイ素化合物を含有し、残部は、分子内にカルボキシル基と、水酸基、エポキシ基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する平均分子量が15000以上の樹脂からなり、無機酸を含有しても良い。
シリカとしては微粒子シリカおよびシリカゾルなど特に限定されない。シリカ単独は勿論のこと、シリカにアルミナ等の無機化合物、金属化合物の混合物でもかまわない。
シランカップリング剤としてはビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−トリエトキシシリル−N−(α,γ−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−(ビニルベンジルアミン)―β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を例として挙げることができ、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
シリコーン樹脂はいわゆる有機ケイ素化合物(オルガノポリシロキサン)であり、特に限定するものではない。
無機塩の種類としては、ケイ酸塩も含み、りん酸塩、炭酸塩、硫酸塩など特に限定されることはないが、無機塩中のカチオン成分は亜鉛イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオンが好ましい。
樹脂としてはポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル酸系樹脂が好ましく、上記無機塩と混合するか脱水縮合等の化学結合を用いて複合化しても良い。
樹脂の平均分子量は15000以上が好ましい。平均分子量が15000未満の場合は、皮膜のバリア効果が不十分となり耐食性が低下するという問題がある。上限は特に設けないが百万を超える場合は、鋼板表面への形成の際の造膜性や加工性に課題がでる場合があり好ましくない。なお、平均分子量はGPC(ゲル濾浸透クロマトグラフィー)で測定することができる。
樹脂の分子内にはカルボキシル基と、水酸基、エポキシ基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有することが好ましい。
分子内にはカルボキシル基を含有することが好ましい。これは、Znめっき皮膜中に導入される微量のCaを吸着したシリカに含まれる−OH基と、ケイ素含有樹脂皮膜中の−COOHが焼き付けを行う際にエステル結合を形成し、脱水縮合により形成されるSi−O−Si結合と併せて、密着力が向上し、より一層の耐食性向上効果が得られる。
カルボキシル基を導入するには、カルボキシル基含有化合物を樹脂のプレポリマー製造時に共重合させればよい。カルボキシル基含有化合物としては例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジオキシマイレン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸等のカルボキシル基含有化合物もしくはこれらの誘導体、又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオール、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等無水基を有する化合物と活性水素基を有する化合物を反応させてなるカルボキシル基含有化合物もしくはこれらの誘導体などがある。
水酸基、エポキシ基、アミノ基を分子内に導入するには同様にこれら反応基を含有する化合物をプレポリマー製造時に共重合させればよい。
成膜性をさらに向上させるために、樹脂分子の末端にアミノ基、エポキシ基等の反応性の異なる単独あるいは二種類以上の官能基を導入すると更に好適である。
上記ケイ素含有樹脂皮膜を形成する処理液としては、上記シリカ、シランカップリング剤、シリコーン樹脂等のケイ素化合物と、上記樹脂を主成分として、更に、必要に応じて上記無機塩、防錆インヒビター、有機防錆剤、染料、界面活性剤、潤滑剤等の他の添加剤の単独あるいは二種以上が配合されていてもよい。
本発明の表面処理金属材料は、上記ケイ素含有樹脂の皮膜重量が0.1〜0.7g/m2であることが好ましい。0.2〜0.6g/m2であることが更に好ましい。皮膜重量が0.1g/m2未満であると、該金属材の表面を十分に被覆できないため安定した耐食性が得られないため好ましくない。0.7g/m2より大きいと、耐食性は優れるものの、導電性が不安定となる傾向で製造コストも上がるため好ましくない。
〔試験材〕
(1)試験基材
下記に示した冷延鋼板を基材として用いた。
・冷延鋼板:SPC270、板厚=0.8mm
(2)脱脂処理
基材を、アルカリ脱脂剤のファインクリーナーFC4460(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を用いて、濃度:A剤20g/L+B剤12g/L、温度60℃の条件で2分間スプレー処理し、純水で30秒間水洗したのちに乾燥したものを試験板とした。
(3)電気めっき方法
実施例および比較例に使用しためっき水準について、表1にめっき液組成成分と名称、表2に、上層および下層、めっき液種類及び成分濃度、めっき条件及びめっき量、めっき中CaおよびSiの含有量、GDSによるめっき層全体中のSi積分強度I(全体厚みSi)とめっき層厚みの上半分中のSi積分強度I(1/2厚みSi)の比、を示す。
めっきは、脱脂した基材を5%硫酸溶液中に10秒間浸漬して酸洗し、取り出し後水洗した後、硫酸塩めっき浴を用いて電気めっきを施した。例えば、めっき水準1のめっき条件は以下の通り。
ZnSO4・7H2O:400g/L
H2SO4 :40g/L
Ca吸着型シリカ:10g/L
ポリジアルキルアンモニウムクロライド界面活性剤量:0.2g/L
pH:1.8
セル:小型オーバーフローセル(極間距離:15mm、電極:チタン−白金)
浴温:50±2℃
液流速:1m/秒
電流密度:80A/dm2
めっき量:20g/m2
ここで得られためっき材について、めっき層全体中のSi積分強度I(全体厚みSi)およびめっき層厚みの上半分中のSi積分強度I(1/2厚みSi)は、リガク製GDS(高周波グロー放電発光分析装置)GDA750を用い、分析径2.5mmで測定し、全体厚みSi積分強度Iとめっき層厚み上半分中のSi積分強度Iの比を求めた。また、めっき層全体厚みとはGDSによる測定でZnの強度が低下し変化しなくなった深さまでとした。
また、電気めっき層中に含有するSi、Ca、Cの量については標準サンプルを用いて蛍光X線分析装置で事前に検量線を作成しておき、めっきの蛍光X線分析を行うことでめっき中のSi量、Ca量、C量を測定した。Cはポリジアルキルアンモニウムクロライド界面活性剤の構造中のCに起因するものとして、界面活性剤量をC量で評価した。
次にケイ素含有樹脂皮膜作製に使用したケイ素化合物を表3に、樹脂を表4に、無機酸を表5に示す。
皮膜量については、断面サンプルについて走査型電子顕微鏡(日立製SEM、S−2460N)での観察(倍率1万倍)により特異でない30箇所のケイ素含有樹脂皮膜厚みを測定し、その平均値と皮膜比重計算値から皮膜厚みを算出した。
上記で作成した試験材について以下の鋼板性能評価試験を実施した。それぞれの試験内容と評価基準を以下に示す。尚、評価で◎◎、◎、○は合格、△、×は不合格としている。
JIS Z 2371による塩水噴霧試験(SST)を120時間行い、白錆発生状況を観察した。
<評価基準>
◎◎=錆発生が全面積の1%未満
◎=錆発生が全面積の1%以上3%未満
○=錆発生が全面積の3%以上10%未満
△=錆発生が全面積の10%以上30%未満
×=錆発生が全面積の30%以上
エリクセン試験(7mm押出し)を行った後、JIS Z 2371による塩水噴霧試験を72時間行い、白錆発生状況を観察した。
<評価基準>
◎◎=錆発生が全面積の5%未満
◎=錆発生が全面積の5%以上10%未満
○=錆発生が全面積の10%以上20%未満
△=錆発生が全面積の20%以上30%未満
×=錆発生が全面積の30%以上
JIS Z 2371による塩水噴霧試験(SST)を480時間行い、赤錆発生状況を観察した。
<評価基準>
◎◎=赤錆発生が全面積の1%未満
◎=赤錆発生が全面積の1%以上3%未満
○=赤錆発生が全面積の3%以上10%未満
△=赤錆発生が全面積の10%以上30%未満
×=赤錆発生が全面積の30%以上
層間抵抗測定機により、層間抵抗を測定した。
<評価基準>
◎=層間抵抗が1.0Ω未満
○=層間抵抗が1.0Ω以上2.0Ω未満
△=層間抵抗が2.0Ω以上3.0Ω未満
×=層間抵抗が3.0Ω未満
メラミンアルキッド系塗料を焼付け乾燥後の膜厚が25μmとなるようにバーコートで塗布し、120℃で20分焼付けた後、1mm碁盤目にカットし、密着性の評価を残個数割合(残個数/カット数:100個)にて行った。
<評価基準>
◎=100%
○=95%以上
△=90%以上95%未満
×=90%未満
色差計にて、ワセリン塗布前後のL値増減(△L)を測定した。
<評価基準>
◎=△Lが0.5未満
○=△Lが0.5以上1.0未満
△=△Lが1.0以上2.0未満
×=△Lが2.0以上
試験結果を表7に示す。実施例1〜40は長期耐赤錆性まで含めた非常に優れた耐食性、導電性、塗装性、耐指紋性を同時に満足することがわかる。
ドロービード試験にて、引張速度20mm/minで引き抜いた後の鋼板表面外観を目視にて評価した。
<評価基準>
◎=摺動キズなしまたは極僅か
○=摺動キズ僅か
△=摺動キズやや目立つ
×=全面に摺動キズ
径6mmの電極を用い、溶接電流10kA、加圧力200kg、溶接時間12サイクルでスポット溶接を行い、ナゲット径が4√tを切った時点までの連続打点数およびチリ発生状況を評価した。
連続打点数
◎:連続打点3000点以上
○:連続打点1000〜2000点未満
△:連続打点500〜1000点未満
×:連続打点500点未満
チリ発生状況
◎:ちり発生極軽微
○:ちり発生軽微
△:ちり発生多い
×:ちり発生激しい
Claims (2)
- 金属材料の表面に、第1層として、質量%で、Ca:0.03〜1%、Si:0.05〜7%を含有し、残部が亜鉛および不可避不純物からなり、平均分子量が3000以上であるポリジアルキルアンモニウムクロライド界面活性剤をCの質量%で0.0001〜0.1%含有し、片面あたりの皮膜量が1.0〜20.0g/m2で、GDSによるめっき層全体中のSi積分強度I(全体厚みSi)とめっき層厚みの上半分中のSi積分強度I(1/2厚みSi)の比、〔I(1/2厚みSi)/I(全体厚みSi)〕が0.75以上である電気めっき層を形成し、第2層として、分子内にカルボキシル基と、水酸基、エポキシ基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する平均分子量が15000以上の樹脂とケイ素化合物からなり、皮膜重量で0.1〜0.7g/m2、皮膜中ケイ素含有率が質量%で1〜25%であるケイ素含有樹脂皮膜を形成したことを特徴とする耐食性、導電性、耐指紋性に優れた表面処理金属材料。
- 第前記第1層、第2層を施す金属材料が、電気亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れる表面処理金属材料。
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JPH10176286A (ja) | 電着塗装性に優れる有機複合被覆鋼板 |
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