JP2004275157A - 高運動性ルアー - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな揺動メカニズムにより、小魚のように水平姿勢を保ち自然で軽快な運動性能を発揮する、または従来のルアーと異なる魅惑的な揺動を行なう高運動性ルアーを、容易な構成で安価に作成することにより、スレた対象魚も効果的に誘引して、ルアー釣りを存分に楽しむことを課題とする。
【解決手段】釣り糸を係止するアイレットを備えたリップをピッチ方向に回動自在にルアー本体に取り付ける、またはリップの一部もしくは全部を回動自在な水車型の回転片で構成する、またはアイレットを備えた金属製のロール軸をルアー本体に備えた軸受け孔が枢支するように構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣り用ルアーにおける、高運動性ルアーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、様々な種類のルアーが提案、商品化されている。その中で最も一般的なルアーは、水流を受けてルアーに動きを与える水流抵抗部をルアー本体に備えることにより、ルアー本体を様々に揺動させる物であり、小魚を模した物が多い。この水流抵抗部は、ルアーの進行方向を前方とすると、前方下方に傾斜した面を持ち、水流を受けてルアーを揺動させると共に下向きの揚力を発生させてルアーを潜行させる所謂リップ型が大勢を占める。次に多用されるのが、該リップ型と反対方向に傾斜した面を持ち上向きの揚力を発生させる逆リップ型であり、ルアーの左右に手の平を広げるように一対の水流抵抗部を備えた所謂クロウラー型もこの逆リップ型に含まれる。これらのルアーの揺動は、ローリング、ヨーイング(ウォブリング)、ピッチングの3つの動きに分解される。そして、釣りの対象魚の誘引効果を大きくするために、小魚を模したルアーの殆んどは、その揺動を小魚の遊泳に近付けることを課題にして、主にローリングとヨーイング(ウォブリング)の運動性能の改善が行なわれてきた。対象魚の誘引効果絶大な小魚の所謂、平を打つ動きや不規則な揺動をルアーに再現することも重要な課題である。そして、従来のルアーの運動性能の改善手段として、重心と浮心位置、錘による重心移動、本体形状(最大幅とその位置等)、水流抵抗部(リップ等)の形状と本体への取り付け位置、釣り糸係止部(アイレット)の取り付け位置の最適化が行なわれてきた。
【0003】先行技術文献情報としては、上記運動性能の改善例として、比重の異なる部材を適材適所に用いたルアーが提案されている(特許文献1参照)。
次に、シャフト状のバランスウェイトを底部に備えたルアーが提案されている(特許文献2参照)。
更に、新機構による運動性能向上策として、ルアーの左右に張り出した胸鰭に連動して尾鰭を揺動する機構を設けたルアーが提案されている(特許文献3参照)。
更に、ルアーの内部にモーターの回転運動を尾鰭の往復運動にする機構を設けた電動式ルアーが提案されている(特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平2001−17031号公報
【特許文献2】登録実用新案第3078901号公報
【特許文献3】特開平9−111号公報
【特許文献4】特開2000−125703号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のリップ型ルアーの全ては、小魚の遊泳と大きな差異があった。それは、ルアーを速く引くほど、ルアーの揺動姿勢が前端を下げた前傾姿勢(ノーズダイブ)になるという問題である。
これは、単にルアーの揺動姿勢が小魚の水平な遊泳姿勢と異なるだけではない。先ず、第一に、水流抵抗部(リップ)がルアーに最高の運動性能を与えることが可能な水流抵抗部の最適リップ角度範囲は、レンジで10度程度と非常に狭い範囲でしか存在しないため、常用域における最適リップ角度の使用率が低くなり、運動性能を低下させる。
第二に、前傾するほど、ルアー本体の前端から後端に渡って上部(背面)から下部(腹部)向きの水流による水流抵抗を受けるために、水圧バランスが崩れルアーの揺動に破綻をきたすことが多く、水流抵抗部(リップ)によるルアー本来の運動性能、特にローリングが抑制されてしまう。
第三に、ローリングとヨーイングは見かけだけで、前傾姿勢のまま、前後水平方向の回転軸を中心にした回転揺動をしているにすぎない(図2)。
第四に、以上の揺動が発する波動が、小魚の水平姿勢のままのローリングとヨーイング揺動が発する波動と大きく異なる。
その理由は、近年、遊泳する魚の波動を計算流体力学(CFD)により解析した結果が報告されている。その結果、尾鰭の後流にのみ逆方向に回転する複数の渦列と加速されたジェット流という特殊な波動が確認されている。そして、小魚を捕食する釣りの対象魚は、これらの小魚の発する後方波動を側線等により敏感に感じ取ることにより誘引され捕食にいたるとされている。よって、上記の前傾した従来のルアーは、どんな揺動をしても、ルアー本体の全長が水流に交わる高さ(全長×sin(前傾角))分の乱流を後方に発するため、小魚の発する波動とはかけ離れた波動になることが明らかである。この前傾対策として、ルアーの重心を後方移動又は浮心を前方移動することにより、静止状態で後端を下げた後傾姿勢をとるルアーが考案されているが、慣性重量バランスの悪化により、特に釣果に影響の大きい低速遊泳と泳ぎ出しの揺動が小さい上に鈍重になるという致命的な欠陥がある。また、水流抵抗部(リップ)がルアー投入(キャスティング)の際に大きな空気抵抗となり、ルアーの飛距離が激減する上に狙った飛行軌跡から逸れるため、釣果を下げるという問題がある。この対策として水流抵抗部(リップ)の空気抵抗が小さくなるように、水流抵抗部の形状や取り付け角度を変更したり、水流抵抗部側が後方の飛行姿勢になるようにルアーの後方に移動式の錘を入れたりしているが、水流抵抗部による空気抵抗の影響は避けられない上にルアーの運動性能を犠牲にしていた。また、近年、従来のルアーでも誘引されていた釣りの対象魚が、ルアーに飽きたように誘引されないどころか、ルアーから逃げ出す場面が多発して(スレて)いる。この一因は、従来のルアーの運動性能の改善手段が、重心、本体形状、水流抵抗部(リップ等)の形状と位置、釣り糸係止部(アイレット)の位置の最適化のみであるため、スレた対象魚を誘引可能な運動性能に達しない類似のルアーが増加したことである。よって、より捕食される小魚や生物に近い自然で軽快な揺動、または新たな揺動メカニズムによる従来のルアーと異なる魅惑的な揺動をする、高い運動性能を持つルアーが待ち望まれている。
【0006】
以上を纏めると、従来のリップ型ルアーには、次のような問題があった。
(イ)速く引くほど前傾(ノーズダイブ)した揺動姿勢になる。
(ロ)水流抵抗部(リップ)の最適リップ角度の使用率が低いため、運動性能を低下させる。
(ハ)水流抵抗部(リップ)とルアー本体の水圧バランスが崩れ、ルアーの揺動に破綻をきたすことが多い
(ニ)ルアー本体の水流抵抗が大きいため、水流抵抗部(リップ)によるルアー本来の運動性能を抑制する。
(ホ)前傾姿勢のまま、前後水平方向の回転軸を中心にした回転揺動をしているにすぎない。
(ヘ)小魚の水平姿勢のローリングとヨーイング揺動が発する波動と大きく異なる。
(ト)水流抵抗部(リップ)の空気抵抗が、ルアーの飛距離の激減と狙った飛行軌跡からの逸脱を生じ、その対策がルアーの運動性能を低下させる。
(チ)釣りの対象魚が、ルアーに飽きて拒否反応を示す(スレた)場面が多発している。
(リ)運動性能の改善手段が、重心、構成部品の形状と位置の最適化のみであるため、スレた対象魚を誘引可能な運動性能に達しない。特許文献1、特許文献2の前記公報は、これに該当する。
(ヌ)新たな揺動メカニズムにより従来のルアーと異なる魅惑的な揺動を行なうルアーが商品化されない。
(ル)以上(イ)〜(ヌ)により、釣りの対象魚が、ルアーに誘引されないため、釣果が上がらず釣りが楽しくなくなる。
(ヲ)特許文献3の前記公報は、胸鰭に連動して尾鰭を揺動するアームのリンク機構が複雑になり、壊れ易い上に、胸鰭と尾鰭のヤジロベエ式の水圧連動機構が受ける全体の水圧が物理的に釣り合う安定方向に作動するため、小魚が泳ぐような揺動に至らない。よって、商品化されていない。
(ワ)特許文献4の前記公報は、電動式ルアーが機構上複雑で重く大きくなる上に、ルアーを操って対象魚を誘い出すという、ルアー釣り本来の楽しみが皆無であるため、ルアーとしての需要が無い。よって、商品化されていない。
本発明は、上記の問題を解決するルアーを安価に作成するためになされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係る高運動性ルアーは、水流を受けてルアーを揺動潜行させるリップ型の水流抵抗部または該水流抵抗部が備えられた水流抵抗部材が、上下(ピッチ)方向に回動自在にルアー本体に取り付けられ、前記水流抵抗部または前記水流抵抗部材に釣り糸を係止するアイレットを設けて構成したものである。
【0008】このような請求項1記載の発明によれば、いかなるリトリーブ(ルアーを引く)速度においても、リップ型の水流抵抗部が最も運動性能を発揮する最適リップ角度を保ったまま、ルアー本体を前傾させずに任意に設計された所定の姿勢で揺動潜行させることが出来る。
【0009】請求項2記載の発明に係る高運動性ルアーは、前記リップ型の水流抵抗部上面の上方(ピッチ方向後傾向き)への回動範囲上限が、ルアーが水に浮く(フローティング)場合は水平位置、またルアーが水に沈む(シンキング)場合は水平と垂直上方の間になるように、前記水流抵抗部とルアー本体間に係止部(スットパー)を設けて構成したものである。
【0010】このような請求項2記載の発明によれば、フローティグタイプのルアーは、水流抵抗部が水面から飛び出してその機能を果たさなくなることが無い上に、ルアーの揺動レスポンスが向上する。また、シンキングタイプのルアーは、ルアーを引かずに沈める所謂カウントダウンやフォール時に、上方に移動した水流抵抗部の揚力によりルアーを引く反対方向にルアーを送り出すことが出来る。
【0011】請求項3記載の発明に係る高運動性ルアーは、水流を受けてルアーに動きを与える水流抵抗部の一部または全部が、複数の羽を備える水車型の回転片を回動自在に設けて構成されたものである。
【0012】このような請求項3記載の発明によれば、前記水流抵抗部のみによる揺動に加えて、前記回転片の回動と回動する回転片が受ける周期的な水圧の変化による揺動が合成されるため、ルアー本体は不規則で細かく複雑な揺動をすることが出来る。
【0013】請求項4記載の発明に係る高運動性ルアーは、前記水車型の回転片が、ルアーを引く水流により前転しながら、前記複数の羽をルアー本体の前方下方に順次突出するように、ルアー本体の前方に構成されたものである。
【0014】このような請求項4記載の発明によれば、前記回転片の回動に伴ない、前記複数の羽がルアー本体の前方下方で角度を変化させながら水流を受けるため、ルアー本体は複雑な揺動をしながら、上下(ピッチ)方向の揺動または遊泳軌跡変化をすることが出来る。
【0015】請求項5記載の発明に係る高運動性ルアーは、前記水車型の回転片が形状、剛性、取り付け位置、取り付け角度、取り付け個数の少なくとも1つを変更して構成されたものである。
【0016】このような請求項5記載の発明によれば、請求項3、請求項4に記載の発明による運動性能を活かして様々なパターンの揺動を再現するルアーを作成することが出来る。
【0017】請求項6記載の発明に係る高運動性ルアーは、ルアー本体2の前後方向にロール軸と、該ロール軸を回動自在に枢支する軸受け孔とをルアー本体2に設けて構成されたものである。
【0018】このような請求項6記載の発明によれば、ルアー本体にローリングの慣性が小さい機械的回転軸が付加されるため、ルアー本来のローリング性能を向上することが出来る。
【0019】請求項7記載の発明に係る高運動性ルアーは、前記ロール軸の一端に釣り糸を係止するアイレットと、他端に釣り針を係止する釣り針アイまたは突起部とを、前記ロール軸を回転させた場合の回転軌跡最大径寸法が前記軸受け孔の内径より大きくなるように設けて構成されたものである。
【0020】このような請求項7記載の発明によれば、前記ロール軸がルアー本体から抜けること無く、請求項6に記載の発明の機能を発揮するルアーを安価に作成することが出来る。
【0021】請求項8記載の発明に係る高運動性ルアーは、前記ロール軸を有する前記ルアー本体を前後方向に連設するように分割して複数の回動自在な分割部を設け、該分割部の少なくとも1つに水流を受けてルアーに動きを与える水流抵抗部を備えて構成したものである。
【0022】このような請求項8記載の発明によれば、請求項6に記載の発明のローリング性能をルアー本体の任意の分割部に独立して与えることが可能になり、ルアーの運動性能をより向上することが出来る。
【0023】請求項9記載の発明に係る高運動性ルアーは、ルアー本体の下腹部に釣り針を結合する釣り針結合部が、その一端を前記ロール軸に結合、または該ロール軸上を前後に摺動もしくは左右に回動の少なくともどちらかに可動結合され、該可動結合の場合は、前記軸受け孔に達する釣り針結合部の可動溝をルアー本体下腹部に構成したものである。
【0024】このような請求項9記載の発明によれば、前記ロール軸が前記釣り針結合部を兼ねるため、頑強な釣り針結合部を安価に作成出来る上に、釣り針の可動結合によりルアーのローリング性能と対象魚の釣り針からの外れ難さを向上することが出来る。
【0025】請求項10記載の発明に係る高運動性ルアーは、前記請求項1〜9のいずれかの構成の少なくとも2つを組み合わせて構成したものである。
【0026】このような請求項10記載の発明によれば、それぞれの前記請求項の運動性能または機能の相互作用が助長または複合されることにより動作自由度が高まるため、より小魚に近い遊泳をルアーに与えることが出来る。
【0027】請求項11記載の発明に係る高運動性ルアーは、前記ルアーに錘または音振動を発するラトルにより重心の設定を行なうと共に、全ての構成部品の材料に合成樹脂、ゴム、木、金属、セラミックのいずれかを用いて、強度、比重、発信波動を最適化するように構成したものである。
【0028】このような請求項11記載の発明によれば、前記請求項1〜10のルアーの構成部品毎に適材適所の材料を選択することにより、必要強度の確保やルアーの姿勢と揺動およびそれらが発するラトル音や波動の最適化を行なうことが出来る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)図1、図3、図4は本発明の実施の形態1による高運動性ルアーの例を示す図である。図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)の側面図、図1(c)と図1(d)はそれぞれ正面と側面の動作説明図、図1(e)はキャスティング時の飛行姿勢の外観図を示す。また図3は図1の変形例1、図4は図1の変形例2で、図3(a)と図4(a)は上面図、図3(b)と図4(b)は側面図、図3(c)と図4(c)は側面の動作説明図を示す。尚、図2は従来のルアーを示す図で、図2(a)と図2(b)はそれぞれ正面と側面の動作説明図である。
【0030】先ず、図1、図3、図4に示すように、実施の形態1のルアーは、ルアーを引くことによる水流を受けてルアーを揺動潜行させるリップ型の水流抵抗部1または図4(c)に示す該リップ型の水流抵抗部1が備えられた水流抵抗部材1aが、上下(ピッチ)方向に回動自在にルアー本体2に取り付けられる。そして、前記水流抵抗部1または前記水流抵抗部材1aに釣り糸3aを係止するアイレット3を設ける。
【0031】そして、前記リップ型の水流抵抗部1上面の上方(ピッチ方向後傾向き)への回動範囲1c上限が、ルアーが水に浮く所謂フローティングタイプの場合は、図1(b)、図4(b)に示すように水面5位置、またルアーが水に沈む所謂シンキングタイプの場合は、図3(b)に示すように、水平と垂直上方の間になるように、前記水流抵抗部1とルアー本体2の間に係止部(スットパー)4を設ける。ここで、前記水流抵抗部1の回動部は、図1に示すように、水流抵抗部1側を凹形状に、ルアー本体2側を凸形状に形成して、双方の凹凸形状部同士を緩嵌すると共に回転軸1bにて軸支して構成され、前記係止部(スットパー)4を前記凹凸形状部同士の接触部で形成する。
【0032】次に、変形例1の回動部は、図3に示すように、前記水流抵抗部1の回動部を水流抵抗部1側を凸形状に、ルアー本体2側を凹形状に形成して、双方の凹凸形状部同士を緩嵌すると共に回転軸1bにて軸支して構成され、前記係止部(スットパー)4を前記凹凸形状部同士の接触部で形成する。
【0033】次に、変形例2の回動部は、図4に示すように、前記水流抵抗部材1aを小魚の頭部に見立てて、回動部を水流抵抗部材1a側を凹形状に、ルアー本体2側を凸形状に形成し、双方の凹凸形状部同士を緩嵌すると共に回転軸1bにて軸支して構成され、前記係止部(スットパー)4を回動部上部の両部材接触部で構成する。
【0034】また、実施の形態1のルアーは、前記水流抵抗部1と前記水流抵抗部材1aの比重は水より少し大きい1.5〜2.0程度が好ましい。
更に、前記水流抵抗部材1aの比重を水より小さい0.8以下程度にしてもよい。そして、ルアーの水中姿勢の設定は、ルアー本体2の前後(ピッチ)、左右(ロール)の両方向に水平姿勢を保つように、従来通りに錘2aや音振動を発するラトルを用いて重心と浮心位置を一致させる。
【0035】更に、前記水流抵抗部1または前記水流抵抗部材1aのルアー本体2への軸支位置は、ルアー本体2の前端で、且つ上下方向にはルアー本体2の全高の中央辺りでよいが、厳密にはルアーを引いた時にルアー本体2が水平になる位置が好ましい。更に、前記アイレット3の前記水流抵抗部1への取り付け位置は、水流抵抗部1の先端から回転軸1bの間で、水流抵抗部1を後傾させる回転モーメントを発生する位置であり、ルアーを引いた時の水流抵抗部1上面の角度が水面5から30度〜50度程度前傾する最適リップ角度1dが好ましい。
【0036】そして、材料として、水流抵抗部1、水流抵抗部材1a、回転軸1bには合成樹脂、金属を用い、錘とラトルには従来の金属の他にセラミックを用いて構成してもよい。また、その他の構成部品の材料は、従来と同様に、ルアー本体2には合成樹脂、ゴム、木を用い、アイレット3と釣り針6には金属を用いて構成する。
【0037】(実施の形態1の作用)先ず、従来のリップ型ルアーの問題である前傾姿勢(ノーズダイブ)揺動の原因を図2において説明する。その原因は、アイレット3に係止された釣り糸3aを引くことにより、ルアーの前方下方に突設されたリップ型の水流抵抗部1が水流による後方下方向きの水圧7aを受け、水流抵抗部1より上方にあるアイレット3近傍を支点にルアーを前傾させる回転モーメントを発生する基本構造にある。この時、水流抵抗部1が受ける前傾方向の回転モーメントはアイレット3より上方のルアー本体2の水流抵抗7bによるルアーを後傾させる方向の回転モーメントやルアー本体2の揚力による回転モーメントと釣り合う。よって、従来のルアーは、前傾姿勢のまま、水流抵抗部1が受ける水圧変化により、ほぼ前後水平方向の回転軸を中心にローリング8bしているだけで、見かけのヨーイング(ウォブリング)8cをしているものが多い。
【0038】これに対し、実施の形態1のルアーは、図1(c)、図3(c)、図4(c)に示すように、アイレット3近傍を支点にして、アイレット3より下方の水流抵抗部1が受ける後方下方向きの水圧7aによる前傾方向の回転モーメントを発生するが、回動部がルアー本体2の水流抵抗7bによる後傾方向の回転モーメントと釣り合うため、水流抵抗部1は前記最適リップ角度1dを保つ。
この時、ルアーを引く(リトリーブ)速度が変化しても、上記のアイレット3まわりに働く互いに逆方向の2つ回転モーメントは基本的に均衡して釣り合うため、いかなるリトリーブ速度域においても水流抵抗部1の最適リップ角度1dは殆んど変化すること無く(レンジで10度以下)、ルアーの揺動に破綻をきたすることが無くなる。更に、ルアー本体2は水流抵抗部1に対して上下(ピッチ)方向に回動自在なため、回転軸1bの後方で水流抵抗7bの揚力変化による微小なピッチング8a揺動を伴ないながら、設定された水中姿勢を保ち続ける。
ここで、ほぼ流線型のルアー本体2をほぼ水平な水中姿勢に設定しておけば、ルアー本体2の全長が水流に交わる高さ(全長×sin(前傾角))とその分の乱流が無くなり、ルアー本体2の水平な水中姿勢と水流抵抗は小魚に極めて近くなる。すると、特にローリング8bの抑制力が激減するためルアーの運動性能は飛躍的に向上する。そして、このルアー本体2の水流抵抗7bにバランスした水流抵抗部1または水流抵抗部材1aの前記所定の位置にアイレット3を設定することにより、ルアーは前記最適リップ角度1dを保ち続ける。
【0039】よって、実施の形態1のルアーは、リップ型ルアーの潜在運動能力を最高に発揮して、小魚のように水平姿勢のまま、軽快なローリング8bとヨーイング(ウォブリング)8cを行ないながら潜行することが出来る。更に、それらの揺動によりルアーの発する波動と小魚の発する波動との差異が大幅に減少する。この時、水より少し大きい比重に設定した水流抵抗部1または水流抵抗部材1aは、ルアーを引かない状態の釣り糸3aの僅かな張力と釣り合うことにより、ルアー静止状態における水流抵抗部1が前記最適リップ角度1d近傍の位置を保つため、次の動きへのレスポンスが向上し、特に釣果に影響の大きい低速遊泳と泳ぎ出しの揺動が軽快になる。
【0040】更に、ローリング8bの運動性能が向上した分、ルアー本体を大きくくねらせて側面を下に向ける所謂平を打つ魅惑的な動きも得意になる。更に、前記の水流抵抗部1の上方(ピッチ方向後傾向き)への回動範囲1cが、フローティグタイプのルアーは、図1(b)、図4(b)に示すように、水流抵抗部1がルアー本体2とのストッパー4で規制されるため、水流抵抗部1が水面5から飛び出してその機能を果たさなくなることが無い上に、ルアーの揺動レスポンスが向上する。ここで、変形例2のルアーは、図4(b)の2点鎖線に示すように、前記水流抵抗部材1aの比重を水より小さく設定することにより、小魚の頭部に見立てた水流抵抗部材1aを後傾上向きに浮かせた状態からルアーを引いて放すと、水流抵抗部材1aが前傾すると共にルアーが潜行揺動して再び上向きに浮かぶという、小魚が水面でもだえるような動きが可能になり、スレた対象魚を効果的に誘引する。
【0041】また、変形例1のシンキングタイプのルアーは、図3(d)に示すように、ルアーを引かずに沈める所謂カウントダウンやフォール時に、水流抵抗部1が上方の回動範囲1cまで移動してストッパー4で係止されると共にルアーの後方上方向きの水圧7cを受けるため、ルアーを引く反対方向にルアーを送り出す逆行(ターンバック)8dを行なうことが出来る。この、ターンバック8dの動きはルアーを追うだけで食わないスレた対象魚や障害物の下に潜む対象魚、またはターンバック7dと似た動きをするエビやザリガニを捕食する対象魚に急接近してルアーを食わせる効果が絶大である。
【0042】更に、実施の形態1のルアーは、図1(e)に示すように、この水流抵抗部1の回動範囲1cにより、ルアー投入(キャスティング)時に水流抵抗部1が気流を受け流す方向に回動して空気抵抗を最も小さくすると共に整流効果を発揮する。よって、ルアーの運動性能を犠牲にすること無く、ルアーの飛距離を急増させると共に狙った飛行姿勢と飛行軌跡で狙ったポイントにルアーを投入することが可能になる上に、着水時に小魚のように軽やかな着水音を発することによりスレた対象魚に効果的なファーストアピールをすることが出来る。ここで、従来のルアーのように前後移動式の錘2aやラトル等によってルアー本体2の後部に重心を移動させることにより、それらのルアー投入性能を更に向上することが出来る。
【0043】また、錘やラトル等のルアー構成部品の材料にセラミックを用いることにより、それらの固有振動数による衝突音設定範囲の増加と電磁波動や遠赤外線の放射による対象魚誘引効果の向上を図ることが出来る。更に、前記水流抵抗部1とルアー本体2のいずれかを凹凸形状で構成することにより、回動部と前記係止部(スットパー)4を、左右幅が狭いルアーから広いルアーまで充分な強度を確保して安価に作成することが出来る。
【0044】(実施の形態2)図5、図6は本発明の実施の形態2による高運動性ルアーの例を示す図であり、図5(a)は上面図、図5(b)は図5(a)の断面AAにおける拡大断面図、図5(c)は図5(a)の断面BBにおける動作説明断面図、図5(d)と図5(e)はそれぞれ図5(c)の変形例1と2を示す同断面図、図5(f)と図5(g)はそれぞれ図5(c)の変形例3と4を示す動作説明図、図6(a)と図6(e)は図5(c)の変形例5と6を示す側面図、図6(b)と図6(f)はそれぞれ図6(a)と図6(e)の下面図、図6(c)と図6(d)は図6(a)の動作説明図、図6(g)と図6(h)は図6(f)の動作説明図である。
【0045】図5、図6に示すように、実施の形態2のルアーは、水流を受けてルアーに動きを与える水流抵抗部1の一部または全部が、複数の羽9を備える水車型の回転片10を回動自在に設けて構成される。先ず、図5(a)、図5(b)に示すように、ルアー本体2の前方下方に突設された水流抵抗部1の平面の内側に回転片10が前後(ピッチ)方向に回動可能な形状の貫通孔11を切欠き、回転片10に一体又は別体に備えられた回動軸11aを回動自在に受ける滑り軸受け11bを該貫通孔11の左右両側に設ける。ここで、貫通孔11は水流抵抗部1の表面積の半分程度の大きさの四角形状が好ましい。
【0046】そして、図5(c)に示すように、3枚の羽9aをほぼ等間隔に前記回動軸11aの外周に備えて成る回転片10aの回動軸11aを前記滑り軸受け11bで枢支する。この時、滑り軸受け11bの上部には、図5(b)断面上において、水流抵抗部1の上面から滑り軸受け11bにつながる該滑り軸受け11bより幅の小さい嵌入溝11cが形成され、回動軸11aは嵌入溝11cを塑性変形させて滑り軸受け11bまで押し込まれる。
【0047】次に、前記図5(c)の水車型の3枚の羽9aの回転片10aが、リップ型の水流抵抗部1の一部に形状、取り付け位置を変更して設けられた変形例を変更点のみ図5(d)〜図5(g)において説明する。先ず、変形例1の回転片10bは、図5(d)に示すように、2枚の羽9bをほぼ等間隔に備える。ここで、2枚の羽9bは、ルアーを引く水流で後転し易いように、先端部を前転方向に屈曲して形成される。
【0048】次に、変形例2の回転片10cは、図5(e)に示すように、2枚の羽9cをほぼ等間隔に備えた2つの回転片を、回転片の羽9cが相互に直行するように左右に連接する。
【0049】次に、変形例3と変形例4の回転片は、それぞれ図5(f)と図5(g)に示すように、2枚の羽をほぼ等間隔に備え、その回動軸11aが水流抵抗部1を突設した前方下方向きに設けられる。ここで、変形例3の回転片10dは、回転軸方向の羽断面が略T字状になるように対向する2枚の羽に1枚の縦羽を追加した羽9dを備える。また、変形例4の回転片10eは、回転軸方向の羽断面が略への字状になるように2枚の羽を10度程度下向きに取り付けた羽9eを備える。
【0050】他方、変形例5と変形例6のルアーは、それぞれ図6(a)〜(d)と図6(e)〜(h)に示すように、前記水車型の回転片10が、ルアーを引く水流により前転しながら、前記複数の羽9をルアー本体2の前方下方に順次突出するように、ルアー本体2の前方に構成される。ここで先ず、変形例5の回転片10fは、図6(a)、図6(b)に示すように、従来のリップ型ルアーのリップと同程度の大きさの3枚の羽9fをほぼ等間隔に前記回動軸11aの外周に備えて形成される。そして、ルアーを引く水流によりそれぞれの羽9fに加わる水圧が回転片10fの回動軸11aの上方より下方で少しだけ高くなるように、ルアー本体2の前方下端に回転片10fの前方下端が突出したまま回動可能な回動溝11dを設ける。この時、回動溝11dは、ルアー本体2前端の回動軸11aより羽9fの長さの半分程度上方の位置を前端として、回転片10fの回転軌跡を確保した円弧形状が好ましく、円弧形状の上方がルアー本体を貫通してもよい。更に、回転片10fに一体又は別体に備えられた回動軸11aを受ける軸受け11bを回動溝11dの左右両側に設け、回動軸11aを枢支する。
ここで、回動自在な滑り軸受けを、回転片10fと別体に回転片10fの中心に貫通する回動軸11a外周の回転片10f、または軸受け11bに設ける。
【0051】
次に、変形例6の回転片10gは、変形例5の回転片に対し、図6(e)、図6(f)に示すように、4枚の羽9gをほぼ等間隔に、且つ隣り合う羽9gの回動軸11a方向の面を互いに逆方向に傾けて形成される。ここで、回転片は、隣り合う羽9fを、互いに回動軸11a上逆方向にずらしても、互いに回動軸11a方向に形状を変えてもよい。
【0052】(実施の形態2の作用)
先ず、図5(c)に示すように、ルアーを引くことにより水流抵抗部1が後方下方向きの水圧7aを受けると共に、回転片10aの羽9aが水流抵抗部1上を後方に流れる水流7dにより後転される。すると、回転片10aは、3枚の羽9aの位置と共に貫通孔11の面積を周期的に変化させるため、回転片10aが受ける水圧と貫通孔11を通過する水量を周期的に変化させる。そして、従来の水流抵抗部(リップ)1のみによる揺動に加えて、前記回転片10aの回動と、回転片10aが受ける周期的な水圧の変化による揺動が合成される。よって、実施の形態2のルアーは、従来のルアーのヨーイングとローリングに周期的に不規則で微小な特にピッチング8a揺動を加えた複雑な揺動をすることが出来る。
更に回転片10aの回動と貫通孔11を通過するジェット水流の変化による波動を発することが出来る。
【0053】次に、同様に、変形例1のルアーは、図5(d)に示すように、2枚の羽9bの屈曲した先端部が水流7dをつかむことにより回転片10bが後転し、前記回転片10aよりも回転片10bが受ける水圧7aと貫通孔11を通過する水量を周期的に大きく変化させる。よって、前記実施の形態2のルアーに対して、微小なピッチング8a揺動を強めた複雑な揺動をすることが出来る。
【0054】次に、同様に、変形例2のルアーは、図5(e)に示すように、2枚の羽9cを備える左右の回転片が逆位相で後転し、回転片10cが受ける後方下方向きの水圧7aと貫通孔11を通過する水量を周期的に大きく変化させる。よって、変形例1のようなピッチング8a揺動に加えて、ローリング8b揺動が加わり、更に複雑で周期的に不規則な揺動をすることが出来る。
【0055】次に、同様に、変形例3のルアーは、図5(f)に示すように、略T字状断面の回転片10dが受けるほぼ左右均等の水圧7aにより、1枚の縦羽を下方に向け対向する2枚の羽9dを上面にする安定姿勢を保ち続けようとするが、ルアーの揺動による水流変化等が回転片10dを左右に回動させるため、回転片10dが受ける水圧7aと貫通孔11を通過する水量を左右で不規則に変化させる。よって、ピッチング8a揺動に加えて、ローリング揺動8bが加わり、複雑で不規則な揺動をすることが出来る。
【0056】次に、同様に、変形例4のルアーは、図5(g)に示すように、略への字状断面の回転片10eが受けるほぼ左右均等の後方下方向きの水圧7aにより、2枚の羽9eの成す角が大きな面を上方にして安定姿勢を保ち続けようとするが、ルアーの揺動による水流変化等が回転片10eを左右に回動させるため、回転片10eが受ける後方下方向きの水圧7aと貫通孔11を通過する水量を左右で不規則に変化させる。よって、変形例3と同様にピッチング8a揺動に、ローリング揺動8bが加わり、複雑で不規則な揺動をすることが出来る。
【0057】次に、変形例5のルアーは、図6(c)、図6(d)に示すように、ルアーを引くことによる前方からの水流により、回転片10fの羽9fは回動軸11aより上部と下部において水圧を受けるが、羽9fが全て突出し水流を受ける面積が大きい下部の方が上部に対して平均水圧が少し大きくなるため、回転片10fは不規則な角速度で低速前転する。ここで、3枚の羽9fは、低速前転に伴ない、図6(c)に示すように、従来のリップ型ルアーと同様に1枚の羽9fを前方下方に突出した瞬間に、回動軸11aより上部の後方上方向きの水圧7cに対し、回動軸11aより下部の後方下方向きの水圧7aを強く受けた後、図6(d)に示すように、2枚の羽9fで前傾面を前方下方に構成し、後方上方向きの水圧7cを強く受け、このサイクルを繰り返す。更に、3枚の羽9fの回転角度変化は、リップ角度を変化させながら水流を受けることになるため、ヨーイングとローリングの揺動性能も周期的に変化させる。よって、従来の水流抵抗部(リップ)1のみによる揺動に加えて、前記回転片10fの回動と、回転片10fが受ける不規則な周期の水圧の方向変化による揺動が合成されるため、従来のルアーに対し特に不規則なピッチング8a変化を加えた複雑な揺動をすることが出来る。ここで、ピッチング8aの設定は、回転片10fの羽9fに加わる水圧バランスをルアー本体前部の形状と回転片10fの取り付け位置で調整することによる回転片10fの回転速度によりチューニング可能で、回転速度を減少させてピッチングの上下振動が大きく且つ周期が長い、すなわち浮いたり沈んだりする遊泳軌跡変化をする弱った小魚のような動きをルアーに与えて対象魚を誘引することも出来る。更に回転片10fの回動とそれに伴なう回動溝11dの内外で撹拌される水流の変化が複雑な波動を発することが可能で、回動溝11dの上方をルアー本体に貫通させることによりジェット水流による波動を発生させることも出来る。
【0058】次に、変形例6のルアーは、図6(g)、図6(h)に示すように、変形例5に対して、回転片10gの羽9gが回動軸11a方向の面を傾けて形成した分だけ傾いた水圧7eを受ける。ここで、4枚の羽9gはルアー本体2の前方下方に突出した位置で順番に左右方向に異なる向きの力を受けるため、回転片10gの回転周期によるヨーイング8cとローリング8b揺動を与えることが出来る。よって、変形例6のルアーは、変形例5に対して、別の周期のヨーイング8cとローリング8b揺動を加えることにより、非常に複雑で不規則且つ魅惑的な揺動をすることが出来る。更に、回転片の隣り合う羽9fを互いに回動軸11a上逆方向にずらしても、互いに回動軸11a方向に形状を変えても、上記変形例6のルアーと同様な作用を得ることが出来る。
【0059】(実施の形態3)図7、図8は本発明の実施の形態3による高運動性ルアーの例を示す図である。図7(a)は上面図、図7(b)は図7(a)の動作説明正面図、図7(c)は図7(a)の断面AAにおける断面図を示す。また、図7(d)、図7(e)、図7(f)は図7(a)の変形例1で、それぞれ動作説明正面図、図7(f)の断面AAにおける断面図、下面図を示す。また、図7(g)、図7(h)は図7(a)の変形例2で、それぞれ動作説明正面図、図7(c)と同断面の断面図を示す。また、図8(a)、図8(b)、図8(c)は図7(a)の変形例3で、それぞれ上面図、側面図、動作説明正面図を示し、図8(d)は図8(a)の変形例4を示す上面図である。
【0060】図7(a)〜図7(c)に示すように、実施の形態3のルアーは、ルアー本体2の前後方向にロール軸12と、該ロール軸12を枢支する軸受け孔13をルアー本体2に設けて構成される。そして、従来のリップ型ルアーと同様に水流抵抗部(リップ)1をルアー本体2の前方下端に前方下方向きに突設する。 更に、ロール軸12は、材料に金属を用いることによりルアーに必用な重量の多くを集中して、ルアー本体2の下部寄りの前後方向に設ける。
ここで、平均的な全長100mm、全重量12グラムのルアーを作成する場合、ロール軸12は直径1.8mm程度のステンレス鋼で強度確保出来て、その重量は約8グラムであり、全重量の70%近くを占める。また、前記ロール軸12を1回転させた場合の軌跡の最大径寸法が、前記軸受け孔13の内径より大きくなるように、ロール軸12の前端に釣り糸を係止するアイレット3と、後端に釣り針6を係止する釣り針アイ12aのそれぞれをロール軸12と一体に設け、該釣り針アイ12aとルアー本体2間のロール軸12にリング状の突起部12bを回動自在に外嵌する。ここで、リング状の突起部12bは、ルアー本体2と釣り針アイ12a、両部材との摩擦係数が小さい程よい。
【0061】次に、変形例1〜4のルアーは、前記ロール軸12を有する前記ルアー本体2を前後方向に連設するように分割して複数の回動自在な分割部2bを設け、該分割部2bの少なくとも1つに水流を受けてルアーに動きを与える水流抵抗部1を備えて構成される。 先ず、変形例1のルアーは、図7(d)〜図7(f)に示すように、ルアー本体2を頭部と胴体で前後に2分割して、双方の分割部2bの前方下端に水流抵抗部(リップ)1を備えた上に、前記ロール軸12の後端に突起部12bを形成して後の分割部2bの内部に回動自在に収める。
更に、後の分割部2bの下腹部に釣り針6を結合する釣り針結合部6aの一端が、前記ロール軸12上を前後摺動と左右回動可能なように、ロール軸12に結合されると共に、前記軸受け孔13に達する深さの可動溝6bを後の分割部2bの下腹部に構成する。
【0062】次に、変形例2のルアーは、図7(g)、図7(h)に示すように、ルアー本体を前後方向に3分割し、水流抵抗部(リップ)1が無い中央の分割部2bに錘2aやラトル、釣り針6等の重量物を集中すると共に、残り2つの分割部2bを前記ロール軸12に結合して構成される。
【0063】次に、変形例3のルアーは、図8(a)〜図8(c)に示すように、ルアー本体2を前後に5分割して回動自在な分割部2bを設け、2つの分割部2bに左右一対の所謂クローラー型の水流抵抗部1eを備えて構成される。
ここで、クローラー型の水流抵抗部1eは、従来のルアーと同様に、左右の水流抵抗部1eがそれぞれ前方から左右外側の真横近くまで可動し、真横近くにおいては、前方上方に傾斜した面を持つ。更に、錘やラトル、釣り針6等の重量物はクローラー型の水流抵抗部1eを備える分割部2b以外の分割部2bに設ける。
【0064】次に、変形例4のルアーは、図8(d)に示すように、変形例3のルアーをクローラー型の水流抵抗部1eを備える2つの分割部2bの間のロール軸12をジョイント12cで揺動自在に連結して構成される。
【0065】(実施の形態3の作用)先ず、図7(a)〜(c)に示すルアーは、ルアーを引くことにより、水流抵抗部1が受ける水圧7aの変化により、ローリング8bとヨーイング8cを行なおうとする。ここで、ルアーを引く釣り糸3aが直結するロール軸12が、ルアー本体2のローリング8bの機械的回転軸を構成し、該機械的回転軸の位置がルアー本来の慣性系ロール軸にほぼ一致する。更に、水流抵抗部(リップ)1を備えるルアー本体2は、ルアーの全重量の30%程度と非常に軽く、2mm程度の直径にルアーの全重量の70%近くを集中するロール軸12の周りに回動自在に設けられる。そして、ルアーは行なおうとしていたローリングを非常に慣性の小さい機械的回転軸上で行なうことが可能になるため、設定したロール軸12周りのローリング8b性能をお大幅に向上することが出来る。更に、このロール軸12周りのローリング8bにより、リップ角度を持つ水流抵抗部(リップ)1が左右方向への水圧を左右交互に受けることになるため、ヨー方向に比較的慣性の大きいルアー本体2を力強くヨーイング8cさせる。
【0066】よって、実施の形態3のルアーは、ロール軸12周りの軽快なローリング8bを力強くヨーイング(ウォブリング)8cすることにより、小魚のような躍動感のある揺動を再現することが出来る。更に、前記ロール軸12の回転軌跡最大径寸法が前記軸受け孔13の内径より大きくなるように、前記ロール軸12の一端に釣り糸3aを係止するアイレット3と、他端に釣り針6を係止する釣り針アイ12aまたは突起部12bとを設けて構成することにより、前記ロール軸12がルアー本体2から抜けること無く、回転軸の機能を発揮するルアーを安価に作成することが出来る。ここで、釣り針アイ12aとルアー本体2間のロール軸12に、釣り針アイ12aとルアー本体2の両部材との摩擦係数の小さいリング状の突起部12bを回動自在に外嵌することにより、ルアー本体2と釣り針アイ12a間の摩擦抵抗を減少させて、ルアー本体2をより滑らかにローリング8bさせることが出来る。
【0067】次に、変形例1のルアーは、図7(d)〜図7(f)に示すように、前後双方の分割部2bが、それぞれの分割部2bに備えられた水流抵抗部(リップ)1が受ける水圧により揺動される。ここで、前後双方の分割部2bと後の分割部2b下腹部の釣り針6は、前記構成によりロール軸12に対して回動自在になる。よって、変形例1のルアーは、実施の形態3のルアーに対して、より小さな慣性と高い自由度を得た前後双方の分割部2bが、ロール軸12周りに前記ローリング8bを独立して行うことが可能になり、頭部と胴体を時に逆ロール方向にくねらせる更に躍動感のある運動性能を発揮することが出来る。
更に、前記ロール軸12が、釣り針結合部6aを兼ねるため、頑強な釣り針結合部6aを安価に作成出来る上に、釣り針結合部6aが可動溝6b内を可動するため、釣り針6にかかった対象魚は動きが吸収されて釣り針6から逃れ難くなる。
【0068】次に、変形例2のルアーは、図7(g)、図7(h)に示すようにロール軸12に連結された前端と後端の分割部2bがローリング8bする際に、錘2aやラトル、釣り針6等の重量物を備えた中央の分割部2bは、ロール軸12とも分離しているために殆んどローリング8bの慣性重量に影響しない。更に、ヨーイング8cの回転中心位置に重量物を集中することによりヨーイング8cの慣性を小さくして、ヨーイング8cの運動性能を向上することが出来る。
よって、変形例2のルアーは、特に重量の大きな従来のルアーに対して、ヨーイング8cとルアー本体の任意の分割部2bのローリング8bの運動性能を向上することが出来る。
【0069】次に、変形例3のルアーは、図8(a)〜図8(c)に示すように、クローラー型の水流抵抗部1eを備えた2つの分割部2bは、従来のクローラー型ルアーと同様に、ルアーを引くことにより、水流抵抗部1eを左右方向外側に回動すると共に、後方上方向きの水圧7cが水流抵抗部1eを上方に跳ね上げ、水流抵抗部1eは水面より上方に出て水圧が無くなると前方に回動して戻る。そして、従来のクローラー型ルアーは、この動きを一対の左右の水流抵抗部1eを交互に繰り返すことによりルアー本体をクロールで泳ぐようにローリングとヨーイングさせる。変形例3のルアーは、従来のクローラー型ルアーに対して、水流抵抗部1eを備える分割部2bの慣性が非常に小さい上に、ロール軸12に対して回動自在なため、大幅に軽快なローリング8bとヨーイング8cを行なう。更に、この揺動を行なう分割部2bが前後に分離して2つあるため、双方の分割部2bは個別にローリング8bとヨーイング8cを行なって、複雑な水はね音を発する。よって、変形例3のルアーは、前後の水流抵抗部1eを備えた分割部2bが、大幅に軽快なローリング8bとヨーイング8cを行なう上に、前後の揺動のタイミングが常に変化するため非常に不規則で複雑な運動性能を発揮し、対象魚誘引効果の高い水はね音を発する。
【0070】次に、変形例4のルアーは、図8(d)に示すように、変形例3のルアーに対して、水流抵抗部1eを備えた前後の分割部2bが連結されたジョイント12cにより運動の自由度を増す。そして、左右方向の外側端部まで水流抵抗部1eが回動した瞬間に受ける斜め後方向きの水圧7eにより特に後部の分割部2bが尻尾を振るようにドリフトヨーイング8cを行なう。よって、変形例4のルアーは、変形例3のルアーに対して、更に不規則で複雑なヨーイング8cを加えた蛇行揺動を行なうことが出来る。
【0071】(実施の形態4)実施の形態4のルアーは、前記実施の形態1と2を組み合わせて構成する。例えば、説明図は前記の図3(a)〜(d)と図5(e)で代用し、図3(a)〜(d)のルアーの水流抵抗部1のアイレット3より前方に図5(e)と同様に回転片10cを設ける。実施の形態2と3を組み合わせてもよい。
【0072】(実施の形態4の作用)
前記実施の形態1の作用と実施の形態2の作用の効力が減少または無くなるものは無い。よって、実施の形態4のルアーの作用は、前記実施の形態1の作用の変形例1と、前記実施の形態2の作用の変形例2の通りである。そして、前記実施の形態1と実施の形態2の相互作用により助長または複合される作用は下記の通りである。先ず、図3(c)に示すように、小魚のように水平姿勢のまま、軽快なローリング8bとヨーイング(ウォブリング)8cを行ないながら潜行する動きに、図5(e)に示すように、回転片10cによる周期的に不規則で微小なピッチング8aとローリング8b揺動が合成される。よって、実施の形態4のルアーは、前記実施の形態1の変形例1と実施の形態2の変形例2のルアーに対して、更に不規則で微小なピッチング8aとローリング8b揺動を強めた非常に複雑な運動性能を発揮することが出来る。更に、シンキングタイプのルアーの場合、図3(d)に示すように、ルアーを引く反対方向にルアーを送り出す逆行(ターンバック)8dを行なう際に、水圧7cにより回転片10cが回転して、微小な揺動と波動の発信を行なうため、ルアーの誘引効果が向上する。
【発明の効果】以上の作用をまとめると、本発明は従来のルアーに対し、下記の効果を得ることが出来る。
(1)アイレットが備えられた水流抵抗部または水流抵抗部材が、ルアー本体に対して上下(ピッチ)方向に回動自在なため、ルアーを引く(リトリーブ)速度が変化しても、アイレットまわりに働く互いに逆方向の2つ回転モーメントは均衡して釣り合い、水流抵抗部の最適リップ角度は殆んど変化すること無く(レンジで10度以下)、ルアーの揺動に破綻をきたすることが無くなる。
(2)ルアー本体は水流抵抗部または水流抵抗部材に対して上下(ピッチ)方向に回動自在なため、回転軸の後方で水流抵抗の揚力変化による微小なピッチング揺動を伴ないながら、設定された水中姿勢を保ち続ける。
(3)上記(2)に対し、ほぼ流線型のルアー本体をほぼ水平な水中姿勢に設定することにより、ルアー本体の全長が水流に交わる高さ(全長×sin(前傾角))とその分の乱流が無くなり、ルアー本体の水平な水中姿勢と水流抵抗は小魚に極めて近くなる。
(4)上記(3)により、特にローリングの抑制力が激減するためルアーの運動性能は飛躍的に向上する。
(5)上記(4)により、ローリングの運動性能が向上した分、ルアー本体を大きくくねらせて側面を下に向ける所謂平を打つ魅惑的な動きも得意になる。
(6)上記(1)に対し、水より少し大きい比重に設定した水流抵抗部または水流抵抗部材が、ルアーを引かない状態の釣り糸の僅かな張力と釣り合うことにより、ルアー静止状態における水流抵抗部が前記最適リップ角度近傍の位置を保つため、次の動きへのレスポンスが向上し、特に釣果に影響の大きい低速遊泳と泳ぎ出しの揺動が軽快になる。
(7)上記(1)の水流抵抗部の上方(ピッチ方向後傾向き)への回動範囲において、フローティグタイプのルアーは、水流抵抗部が本体とのストッパーで係止されるため、水流抵抗部が水面から飛び出してその機能を果たさなくなることが無い上に、ルアーの揺動レスポンスが向上する。
(8)上記(1)に対し、水流抵抗部材の比重を水より小さく設定することにより、小魚の頭部に見立てた水流抵抗部材を後傾上向きに浮かせた状態からルアーを引いて放すと、水流抵抗部材が前傾すると共にルアーが潜行揺動して再び上向きに浮かぶという、小魚が水面でもだえるような動きが可能になり、スレた対象魚を効果的に誘引する。
(9)上記(1)〜(8)により、リップ型ルアーの潜在運動能力を最高に発揮して、小魚のように水平姿勢のまま、自然で軽快なローリングとヨーイング(ウォブリング)を行ないながら潜行することが出来る。
(10)上記(1)〜(9)により、ルアーの発する波動と小魚の発する波動との差異が大幅に減少する。
(11)上記(1)に対し、シンキングタイプのルアーは、ルアーを引かずに沈める所謂カウントダウンやフォール時に、水流抵抗部が上方の回動範囲まで移動してストッパーで係止されると共に、ルアーの後方上方向きの水圧を受けるため、ルアーを引く反対方向にルアーを逆行(ターンバック)させることができ、スレた対象魚に急接近してルアーを食わせる効果が絶大である。
(12)水流抵抗部が回動自在なため、ルアー投入(キャスティング)時に水流抵抗部が気流を受け流す方向に回動して空気抵抗を最も小さくすると共に整流効果を発揮するため、ルアーの運動性能を犠牲にすること無く、ルアーの飛距離を急増させると共に、狙った飛行姿勢と飛行軌跡で狙ったポイントにルアーを投入することが可能になる上に、着水時に小魚のように軽やかな着水音を発することによりスレた対象魚に効果的なファーストアピールをすることが出来る。
(13)上記(12)に対し、従来のルアーと同様に、前後移動式の錘やラトル等によってルアー本体の後部に重心を移動させることにより、ルアーの投入性能を更に向上することが出来る。
(14)錘やラトル等のルアー構成部品の材料にセラミックを用いることにより、それらの衝突音設定範囲の増加と電磁波動や遠赤外線の放射が対象魚誘引効果を向上させる。
(15)水流抵抗部とルアー本体のいずれかを凹凸形状で構成することにより、回動部と係止部(スットパー)を、左右幅が狭いルアーから広いルアーまで充分な強度を確保して安価に作成することが出来る。
(16)水流抵抗部(リップ)に設けた複数の羽を備える回動自在な水車型の回転片が水圧により後転し、羽の位置と共に貫通孔の面積を周期的に変化させ、回転片が受ける水圧と貫通孔を通過する水量を周期的に変化させるため、従来の水流抵抗部(リップ)のみによるヨーイングとローリングに周期的に不規則で微小な特にピッチング揺動を加えた複雑な揺動をすることが出来る。
(17)上記(16)に対し、2枚の羽の屈曲した先端部を備える回転片が後転し、回転片が受ける水圧と貫通孔を通過する水量を周期的に大きく変化させるため、微小なピッチング8a揺動を強めた複雑な揺動をすることが出来る。
(18)上記(17)に対し、2枚の羽を備える左右の回転片が逆位相で後転し、回転片が受ける水圧と貫通孔を通過する水量を周期的に大きく変化させるため、ローリング揺動が加わり、更に複雑で周期的に不規則な揺動をすることが出来る。
(19)上記(16)に対し、略T字状断面のロール回動自在な回転片が受けるほぼ左右均等の水圧により、1枚の縦羽を下方に向け、対向する2枚の羽を上面にする安定姿勢を保ち続けようとするが、ルアーの揺動による水流変化等が回転片を左右に回動させ、回転片が受ける水圧と貫通孔を通過する水量を左右で不規則に変化させるため、ローリング揺動が加わり、複雑で不規則な揺動をすることが出来る。
(20)略への字状断面の回転片が、上記(19)と同様にして、同様な効果を得ることが出来る。
(21)上記(16)〜(21)の揺動と、回転片の回動および貫通孔を通過するジェット水流の変化による波動を発することが出来る。
(22)リップと同程度の大きさの3枚の羽を備える水車型の回転片を、羽がルアー本体の前方下方に順次突出するようにルアー本体に設けた回動溝に回動自在に構成することにより、回転片が不規則な角速度で低速前転し、上方と下方の水圧変化を交互に受けながら、ルアーを揺動させるため、特に不規則なピッチング8変化を加えた複雑な揺動をすることが出来る。
(23)上記(22)に対し、回転片の4枚の羽の隣り合う回動軸方向の面を互いに逆方向に傾けて形成することにより、4枚の羽はルアー本体の前方下方に突出した位置で順番に左右方向に異なる向きの力を受けるため、別の周期のヨーイングとローリングを加えることにより、非常に複雑で不規則且つ魅惑的な揺動をすることが出来る。
(24)上記(22)に対し、回転片の隣り合う羽を互いに回動軸上逆方向にずらしても、互いに回動軸方向に形状を変えても、上記(23)と同様な効果を得ることが出来る。
(25)上記(22)、(23)に対し、揺動周期の設定は、回転片の羽に加わる水圧バランスをルアー本体前部の形状と回転片の取り付け位置で調整することによる回転片の回転速度によりチューニング可能で、回転速度を減少させてピッチングの上下振動が大きく且つ周期が長い、すなわち浮いたり沈んだりする遊泳軌跡変化をする弱った小魚のような動きをルアーに与えて対象魚を誘引することも出来る。
(26)上記(22)〜(25)により、回転片の回動とそれに伴なう回動溝の内外で撹拌される水流の変化が複雑な波動を発することが可能で、回動溝の上方をルアー本体に貫通させることによりジェット水流による波動を発生させることも出来る。
(27)ルアーの殆んどの重量を占め釣り糸が直結する金属製のロール軸12をルアー本体の軸受け孔が回動自在に枢支することにより構成される機械的回動軸上におけるルアー本体のローリング慣性は非常に小さいので、軽快なローリングを行なうと共に、リップ角度を持つ水流抵抗部(リップ)1が左右方向への水圧を左右交互に受けて力強いヨーイングを行なうため、躍動感のある揺動をすることが出来る。
(28)上記(27)は、ロール軸の回転軌跡最大径寸法が軸受け孔の内径より大きくなるようにロール軸の一端にアイレットと、他端に釣り針アイまたは突起部12bとを設けることにより、ロール軸がルアー本体から抜けること無く、回転軸の機能を発揮するルアーを安価に作成することが出来る。
(29)上記(27)に対し、ルアー本体を前後に分割して、それぞれの分割部に水流抵抗部(リップ)を備える上に、後の分割部2b下腹部の釣り針がロール軸12に対して回動自在になるため、より小さな慣性と高い自由度を得た前後双方の分割部2bが、ロール軸12周りにローリングを独立して行うことが可能になり、頭部と胴体を時に逆ロール方向にくねらせる更に躍動感のある運動性能を発揮することが出来る。
(30)上記(27)に対し、ルアー本体を前後方向に3分割し、水流抵抗部(リップ)が無い中央の分割部に錘やラトル、釣り針等の重量物を集中すると共に、残り2つの分割部をロール軸に結合されることにより、 ロール軸に連結された前端と後端の分割部がローリングする際に、錘やラトル、釣り針等の重量物を備えた中央の分割部が、殆んどローリングの慣性重量に影響しないため、特に重量の大きな従来のルアーに対して、ヨーイングとルアー本体の任意の分割位置のローリング性能を向上することが出来る。
(31)クローラー型の水流抵抗部を備えた2つの分割部は、慣性が非常に小さい上に、ロール軸に対して回動自在なため、大幅に軽快なローリングとヨーイングを行なう上に、前後の揺動のタイミングが常に変化するため非常に不規則で複雑な運動性能を発揮しながら対象魚誘引効果の高い水はね音を発する。
(32)上記(31)に対し、水流抵抗部を備えた前後の分割部2bをジョイントにより連結することにより、左右方向の外側端部まで回動した水流抵抗部が受ける斜め後方向きの水圧により特に後部の分割部2bが更に不規則で複雑なヨーイングを加えた蛇行揺動を行なうことが出来る。
(33)上記(1)〜(6)、(9)〜(15)と(18)を組み合わせて構成することにより、小魚のように水平姿勢のまま、軽快なローリングとヨーイングを行ないながら潜行する動きに、回転片による周期的に不規則で微小なピッチングとローリング揺動が合成されるため、上記(1)〜(6)、(9)〜(15)と(18)のルアーに対し、更に不規則で微小なピッチングとローリング揺動を強めた非常に複雑な運動性能を発揮することが出来る。
(34)上記(33)は、ルアーを引かずに沈める所謂カウントダウンやフォール時に、ルアーを引く反対方向にルアーを逆行(ターンバック)させると共に、上記(11)に対し、水圧により回転片が回転して、微小な揺動と波動の発信を行なうため、ルアーを追うだけで食わないスレた対象魚や障害物の下に潜む対象魚、またはターンバックと似た動きをするエビやザリガニを捕食する対象魚に急接近してルアーを食わせる効果が更に向上する。
(35)以上、新たな揺動メカニズムにより、小魚のように水平姿勢を保ち自然で軽快な運動性能を発揮する、または従来のルアーと異なる複雑で不規則もしくは魅惑的な揺動を行なう高運動性ルアーを、容易な構成で安価に作成することが出来る。
(36)よって、スレた釣りの対象魚もルアーに誘引されて釣果が上がり、ルアー釣りを存分に楽しむことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態1を示す図で、図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)の側面図、図1(c)と図1(d)はそれぞれ正面と側面の動作説明図、図1(e)はキャスティング時の飛行姿勢の外観図である。
【図2】従来のルアーを示す図で、図2(a)と図2(b)はそれぞれ正面と側面の動作説明図である。
【図3】本発明による実施の形態1を示す図で、図3(a)は上面図、図3(b)は側面図、図3(c)は側面の動作説明図である。
【図4】本発明による実施の形態1を示す図で、図4(a)は上面図、図4(b)は側面図、図4(c)は側面の動作説明図である。
【図5】本発明による実施の形態2を示す図で、図5(a)は上面図、図5(b)は図5(a)の断面AAにおける拡大断面図、図5(c)は図5(a)の断面BBにおける動作説明断面図、図5(d)と図5(e)はそれぞれ図5(c)の変形例1と2を示す同断面図、図5(f)と図5(g)はそれぞれ図5(c)の変形例3と4を示す動作説明図である。
【図6】本発明による実施の形態2を示す図で、図6(a)と図6(e)は、図5(c)の変形例5と6を示す側面図、図6(b)と図6(f)はそれぞれ図6(a)と図6(e)の下面図、図6(c)と図6(d)は図6(a)の動作説明図、図6(g)と図6(h)は図6(f)の動作説明図である。
【図7】本発明による実施の形態3を示す図で、図7(a)は上面図、図7(b)は図7(a)の動作説明正面図、図7(c)は図7(a)の断面AAにおける断面図である。また、図7(d)、図7(e)、図7(f)は図7(a)の変形例1で、それぞれ動作説明正面図、図7(f)の断面AAにおける断面図、下面図である。更に、図7(g)、図7(h)は図7(a)の変形例2で、それぞれ動作説明正面図、図7(c)と同断面の断面図である。
【図8】本発明による実施の形態3を示す図で、図8(a)、図8(b)、図8(c)は図7(a)の変形例3で、それぞれ上面図、側面図、動作説明正面図を示し、図8(d)は図8(a)の変形例4を示す上面図である。
【符号の説明】
1 水流抵抗部
1a 水流抵抗部材
1b 回転軸
1c 回動範囲
1d 最適リップ角度
1e (クローラー型)水流抵抗部
2 ルアー本体
2a 錘
2b 分割部
3 アイレット
3a 釣り糸
4 係止部(スットパー)
5 水面
6 釣り針
6a 釣り針連結部
7a 後方下方向きの水圧
7b 水流抵抗
7c 後方上方向きの水圧
7d 後方に流れる水流
7e 斜め後方向きの水圧
8a ピッチング
8b ローリング
8c ヨーイング
8d 逆行(ターンバック)
9 羽
9a 3枚の羽
9b (変形例1の)羽
9c (変形例2の)羽
9d (変形例3の)羽
9e (変形例4の)羽
9f (変形例5の)羽
9g (変形例6の)羽
10 回転片
10a(3枚の羽の)回転片
10b(変形例1の)回転片
10c(変形例2の)回転片
10d(変形例3の)回転片
10e(変形例4の)回転片
10f(変形例5の)回転片
10g(変形例6の)回転片
11 貫通孔
11a 回動軸
11b 滑り軸受け
11c 嵌入溝
11d 回動溝
12 ロール軸
12a 釣り針アイ
12b 突起部
12c ジョイント
13 軸受け孔

Claims (11)

  1. 魚釣り用ルアーであって、水流を受けてルアーを揺動潜行させるリップ型の水流抵抗部または該水流抵抗部が備えられた水流抵抗部材が、上下(ピッチ)方向に回動自在にルアー本体に取り付けられ、前記水流抵抗部または前記水流抵抗部材に釣り糸を係止するアイレットを設けて構成することを特徴とする高運動性ルアー。
  2. 前記リップ型の水流抵抗部上面の上方(ピッチ方向後傾向き)への回動範囲上限が、ルアーが水に浮く(フローティング)場合は水平位置、またルアーが水に沈む(シンキング)場合は水平と垂直上方の間になるように、前記水流抵抗部とルアー本体間に係止部(スットパー)を設けて構成することを特徴とする請求項1に記載の高運動性ルアー。
  3. 魚釣り用ルアーであって、水流を受けてルアーに動きを与える水流抵抗部の一部または全部が、複数の羽を備える水車型の回転片を回動自在に設けて構成されることを特徴とする高運動性ルアー。
  4. 前記水車型の回転片が、ルアーを引く水流により前転しながら、前記複数の羽をルアー本体の前方下方に順次突出するように、ルアー本体の前方に構成されることを特徴とする請求項3に記載の高運動性ルアー。
  5. 前記水車型の回転片が形状、剛性、取り付け位置、取り付け角度、取り付け個数の少なくとも1つを変更して設けられることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の高運動性ルアー。
  6. 魚釣り用ルアーであって、ルアー本体2の前後方向にロール軸と、該ロール軸を回動自在に枢支する軸受け孔をルアー本体2に設けて構成することを特徴とする高運動性ルアー。
  7. 前記ロール軸の一端に釣り糸を係止するアイレットと、他端に釣り針を係止する釣り針アイまたは突起部とを、前記ロール軸を回転させた場合の回転軌跡最大径寸法が前記軸受け孔の内径より大きくなるように設けて構成することを特徴とする請求項6に記載の高運動性ルアー。
  8. 前記ロール軸を有する前記ルアー本体を前後方向に連設するように分割して複数の回動自在な分割部を設け、該分割部の少なくとも1つに水流を受けてルアーに動きを与える水流抵抗部を備えて構成することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の高運動性ルアー。
  9. ルアー本体の下腹部に釣り針を結合する釣り針結合部が、その一端を前記ロール軸に結合、または該ロール軸上を前後に摺動もしくは左右に回動の少なくともどちらかに可動結合され、該可動結合の場合は、前記軸受け孔に達する釣り針結合部の可動溝をルアー本体下腹部に構成することを特徴とする請求項6または請求項8に記載の高運動性ルアー。
  10. 魚釣り用ルアーであって、前記請求項1〜9のいずれかの構成の少なくとも2つを組み合わせて構成することを特徴とする高運動性ルアー。
  11. 前記ルアーに錘または音振動を発するラトルにより重心の設定を行なうと共に、全ての構成部品の材料に合成樹脂、ゴム、木、金属、セラミックのいずれかを用いて、強度、比重、発信波動を最適化することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の高運動性ルアー。
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