JP2004262805A - 毛髪洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)シリコーン化合物、(B)水難溶性の液晶構造体及び
(C)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤を含有し、前記液晶構造体が組成物中に分散してなり、粘度が500〜15,000mPa・sであることを特徴とする毛髪洗浄剤組成物。
【効果】本発明によれば、組成物中の水難溶性成分であるシリコーン化合物が組成中に安定分散され、かつ洗浄時の起泡性が損なわれることなく、すすぎ時のきしみがなく、洗浄後は良好なコンディショニング効果を発揮することができる毛髪洗浄剤組成物を提供することができる。
【選択図】 なし
(C)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤を含有し、前記液晶構造体が組成物中に分散してなり、粘度が500〜15,000mPa・sであることを特徴とする毛髪洗浄剤組成物。
【効果】本発明によれば、組成物中の水難溶性成分であるシリコーン化合物が組成中に安定分散され、かつ洗浄時の起泡性が損なわれることなく、すすぎ時のきしみがなく、洗浄後は良好なコンディショニング効果を発揮することができる毛髪洗浄剤組成物を提供することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪洗浄剤組成物に関するものであり、特に、すすぎ時にきしみ感もなく、水難溶性成分であるシリコーン化合物の洗浄剤中での分散安定性に優れ、しかも洗浄後の被洗物のコンディショニング効果にも優れている毛髪洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗髪と乾燥後の髪の風合いを改善するリンス効果を合わせ持つリンスインシャンプーを得るために、通常シャンプー中にシリコーン化合物を配合することが一般的に行われている。これまで、シリコーン化合物の安定化技術として、懸濁剤(例えば、特許文献1:特開昭62−77311号公報参照)、パール剤(例えば、特許文献2:特開平4−182417号公報参照)等を配合して分散安定性を向上させることが提案されている。しかしながら、これらの方法では泡立ちが低下してくる場合がある。
【0003】
また、グルコース誘導体を配合することにより分散安定性を向上させること(例えば、特許文献3:特開平5−262625号公報参照)が提案されているが、これはコンディショニング性を低下させる場合がある。硬化ヒマシ油の配合(例えば、特許文献2:特開平4−182417号公報参照)によって、分散性、コンディショニング性の向上も可能ではあるが、泡立ちが低下してくる場合がある。
【0004】
さらに、アニオン性界面活性剤と特定の共重合体とシリコーン油と高級アルコールとの系により安定な組成が提供されているが(例えば、特許文献4:特開2001−10935号公報参照)、乾燥後にべたつきが生じる場合があった。
【0005】
このように毛髪洗浄剤組成物に懸濁剤、硬化ヒマシ油又はパール剤を配合すると起泡性が悪くなってしまう場合がある。また、特定のグルコース誘導体を併用するとコンディショニング性が低下したり、分散質の被洗物(毛髪)への残存が少なくなることがある。このように、従来の毛髪洗浄剤組成物にはコンディショニング性のやや劣るものとなってしまう等の改良点があるため、毛髪洗浄剤組成物としての特性を損なうことなく、分散安定性を向上させることが課題となっている。なお、出願人は、先に水難溶性の構造粘性付与剤を配合してシリコーン化合物の分散安定性を向上することを提案しているが(特願2002−053963号)、さらにシリコーン化合物を安定分散させる技術が望まれている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−77311号公報
【特許文献2】
特開平4−182417号公報
【特許文献3】
特開平5−262625号公報
【特許文献4】
特開2001−10935号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、組成物中の水難溶性成分であるシリコーン化合物が組成中に安定分散され、かつ洗浄時の起泡性が損なわれることなく、すすぎ時のきしみがなく、洗浄後には有効な水難溶性成分を被洗物(毛髪)に残存付着せしめ、良好なコンディショニング効果を発揮することができる毛髪洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、シリコーン化合物、水難溶性の液晶構造体及びアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤を含有し、前記液晶構造体が組成物中に分散してなり、粘度が500〜15,000mPa・sである毛髪洗浄剤組成物とすることにより、シリコーン化合物が安定化され、かつ上記目的を達成できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
従って、本発明は
(A)シリコーン化合物、(B)水難溶性の液晶構造体及び(C)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤を含有し、前記液晶構造体が組成物中に分散してなり、粘度が500〜15,000mPa・sであることを特徴とする毛髪洗浄剤組成物を提供する。
【0010】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
本発明の毛髪洗浄剤組成物の(A)成分はシリコーン化合物であり、毛髪洗浄剤組成物のコンディショニング剤等として用いられるものを好適に使用することができる。本発明のシリコーン化合物としては、例えばトリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン等のジメチルシロキサン、メチルフェニルシリコーン、アミノ変性シリコーン、べタイン変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、シリコーングラフトポリマー、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、カチオン変性シリコーン等が挙げられる。
【0011】
これらの中でも、乾燥後の被洗物の滑らかさ、ぱさつきのなさの点で、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン等のジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、カチオン変性シリコーン等が特に好ましい。
【0012】
シリコーン化合物は、その粘度等が特に制限されるものではないが、通常、温度25℃における粘度が1〜20,000,000cSt(センチストークス、以下同様)、好ましくは30〜10,000,000cStのものが好適に用いられる。
【0013】
また、上記シリコーン化合物は、界面活性剤により乳化しエマルション化したものも使用することができる。エマルション化における、乳化剤や乳化方法に特に制限はなく、適宜使用することができる。シリコーン化合物としては、上記化合物を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0014】
シリコーン化合物の含有量は、毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.1%(質量%、以下同様)以上含有することが好ましい。シリコーン化合物の含有量が0.1%未満の場合、シリコーン化合物の安定化は容易であるが、本発明の目的とする髪のなめらかさに優れた毛髪洗浄剤組成物が得られない場合がある。含有量が多すぎると、シリコーン化合物の髪への吸着が過剰になり、べたつき感が強くなる場合があることを考慮すれば、シリコーン化合物の含有量は10%以下が好適であり、好ましくは0.5〜5%、より好ましくは1〜3%である。
【0015】
本発明の毛髪洗浄剤組成物の(B)成分は、水難溶性の液晶構造体である。なお、本発明において、「水難溶性」とは、物質1gを溶解するのに水が1000mL以上必要になる、あるいは水1000mL以上加えても溶解しないものを意味する。
【0016】
本発明の液晶構造体は、液晶構造を有するものであれば特に限定されない。本発明の毛髪洗浄剤組成物は、この液晶構造体が組成物中に分散してなるものである。なお、液晶構造は、X線回析、光学顕微鏡及び電子顕微鏡等によって確認することができる。分散状態とは、液晶構造体が可溶化されずに分散していることを示す。
【0017】
本発明においては、水難溶性の液晶構造体が分散してなり、粘度が500〜15,000mPa・sである組成物中に、シリコーン化合物を配合することにより、シリコーン化合物が安定に分散され、シリコーン化合物の保存安定性が向上するものである。さらに、分散性の向上により、毛髪への吸着効率が向上し、結果として良好なコンディショニング効果を発揮することができる。
【0018】
本発明の液晶構造体としては、(B−1)カチオン性界面活性剤と(B−2)珪素原子を含まない油分を含有し、これらからなる液晶構造体が好ましく、(B−1)カチオン性界面活性剤としては、その種類は特に制限されないが、例えば下記一般式(1)
で表される化合物を挙げることができる。
【0019】
【化1】
〔式中、上記一般式(1)中のR1、R2、R3、及びR4は、それぞれアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、ポリアルキレンオキシド基又はベンジル基を示し、R1、R2、R3、及びR4のうち1つ又は2つは炭素数10〜24、好ましくは16〜22の直鎖アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基であり、残りはメチル基、エチル基、ベンジル基、又は−(C2H4O)q−Hもしくは−(C3H6O)r−H(但し、q及びrはそれぞれ1〜5の整数)で表されるポリアルキレンオキサイド基であり、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、Z−は陰イオンを示す。〕
【0020】
カチオン性界面活性剤は、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。
【0021】
上記一般式(1)で表されるカチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、セトステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。
【0022】
その中でも、炭素数16〜22の直鎖アルキル基を有するものが好ましく、具体的に、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。これらのうち、塩酸塩、臭素酸塩の形のものが好ましい。
【0023】
また、下記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体又はその塩も、カチオン性界面活性剤として好適に使用することができる。
【0024】
【化2】
(式中、R5は炭素数1〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、Aは炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、tは1〜5の整数であって、tが2以上の場合、各ブロック中のAは互いに異なってもよい。)
【0025】
上記一般式(2)中のR5は、炭素数1〜21、好ましくは11〜19の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、例えば、C11H23−、C12H25−、C13H27−、C14H29−、C15H31−、C16H33−、C17H35−、(C8H17)2CH−、4−C2H5C15H30−等の基が好適である。
【0026】
置換基Aは、炭素数1〜10、好ましくは2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、2−ペンテニル基、2−エチルブチレン基等が挙げられる。
【0027】
上記一般式(2)で表わされるグアニジン誘導体は、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。これらのうち、塩酸塩、臭素酸塩、酢酸塩、グリコール酸塩、クエン酸及び酸性アミノ酸塩の形が好ましい。
【0028】
また、アミノ酸系カチオン性界面活性剤も、カチオン性界面活性剤として好適に使用することができる。アミノ酸系カチオン性界面活性剤としては、モノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩を挙げることができる。この化合物を構成する塩基性アミノ酸としては、例えば、オルニチン、リシン及びアルギニン等の天然アミノ酸を挙げることができる。また、α,γ−ジアミノ酪酸のような合成アミノ酸を用いることも可能である。これらは光学活性体でもラセミ体でもよい。
【0029】
また、そのアシル基は、炭素数が8〜22の飽和又は不飽和の高級脂肪酸残基である。これらは天然のものでも合成されたものでもよい。例えば、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基及びステアロイル基等の単一高級脂肪酸残基、並びにヤシ油脂肪酸残基及び牛脂高級脂肪酸残基等の天然の混合高級脂肪酸残基を採用することができる。
【0030】
低級アルキルエステル成分としては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル及びオクチルエステルが好適である。低級アルキルエステル成分は、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、L−又はDL−ピロリドンカルボン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。これらのうち、塩酸塩、L−又はDL−ピロリドンカルボン酸塩及び酸性アミノ酸塩の形が好ましい。
【0031】
さらに、アミドアミン型界面活性剤も、カチオン性界面活性剤として好適に使用することができる。アミドアミン型界面活性剤としては、下記一般式(3)で表される化合物を用いることができる。
【0032】
【化3】
(式中、R6は炭素数7〜23、好ましくは9〜22の脂肪酸残基、さらに好ましくは13〜22であり、R7は炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基、mは2〜4の整数を示す。)
【0033】
上記一般式(3)で表されるアミドアミン型界面活性剤としては、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドが挙げられる。
【0034】
これらは、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。これらのうち、酸性アミノ酸塩、クエン酸塩、塩酸塩の形が好ましい。なお、中和に用いられる塩は1種又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミドが好適に用いられる。本発明では、これらのアミドアミン型界面活性剤中から、1種を単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0035】
本発明のカチオン性界面活性剤の含有量は、特に制限されないが、本発明の毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.05〜7%であるのが好ましい。カチオン性界面活性剤の含有量が少なすぎると、すすぎ時に毛髪に十分な滑らかさ感、柔軟性を付与することができず、一方、多すぎると毛髪にべたつくような重さを生じる場合がある。カチオン性界面活性剤は1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
【0036】
特に、上記一般式(1)で表されるアルキル4級アンモニウム塩、及び一般式(2)で表されるグアニジン誘導体又はその塩を配合する場合は、その含有量は、毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.05〜6%の範囲が好ましく、特に0.5〜4%が好ましい。
【0037】
モノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩のようなアミノ酸系カチオン性界面活性剤を配合する場合は、その含有量は、毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.1〜5%が好ましく、特に0.3〜3%が好ましい。
【0038】
アミドアミン型界面活性剤化合物を配合する場合は、その含有量は、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.1〜7%が好ましく、特に0.5〜5%が好ましい。
【0039】
(B−2)珪素原子を含まない油分としては、以下の成分の単体もしくは縮合物が挙げられる。
(1)一般式R12OHで表わされるアルコール(▲1▼)
(2)一般式R13COOHで表わされる脂肪酸(▲2▼)
(3)▲1▼と多価アルコール(▲3▼)の縮合物(▲4▼)
(4)▲2▼と▲3▼の縮合物(▲5▼)
(5)▲1▼又は▲4▼と、▲2▼、▲5▼又は多塩基酸(▲6▼)の縮合物
【0040】
一般式R12−OHで表わされるアルコール(▲1▼)は、R12=C1〜40の飽和、不飽和もしくは分岐のアルコール又はヒドロキシアルコールであり、具体的には、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、n−デシルアルコール、イソデシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデシルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルノール、カルナービルアルコール、セリルアルコール、コレステロール、フィトステロール等が挙げられる。中でも、経時安定性の点から、直鎖(セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)及び分岐鎖(2−ヘキシルデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソステアリルアルコール等)のものが好ましく、特に直鎖のものが好ましい。分岐鎖のものであれば、分岐が先端に近いものほど良好である。また、鎖長では、C8〜C22のアルコールが好ましく、中でも、経時安定性の点から、直鎖のC16〜C22のアルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)がより好ましい。
【0041】
一般式R13COOHで表わされる脂肪酸(▲2▼)はR13=C4〜40の飽和、不飽和もしくは分岐の脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸であり、具体的には、酪酸、カプリル酸、イソノナン酸、テトラメチルノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、2−ヘキシルデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、リグノセリン酸、セロシン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラウロレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、エイコセン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、リシノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ヒマシ硬化脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、ラノリン脂肪酸、メタクリル酸、オクチル酸(2エチルヘキサン酸)、ネオデカン酸(2,2−ジメチルオクタン酸)、シトロネル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマル酸、イソピマル酸、乳酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。油分として単体で使用する際にはC8〜C24の脂肪酸が好ましく、中でも、経時安定性の点からC16〜C22の脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等)がより好ましい。
【0042】
多価アルコール(▲3▼)としては、下記一般式(4)で表される多価アルコールが挙げられる。
HO((CaH2a)O)b((CcH2c)O)dH (4)
(式中、a、b、c及びdに特に制限はなく、a=cでもよく、好ましくはa、cは2〜10、b、d=1〜150の整数である。)
【0043】
上記一般式(4)で表される多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、1,3−ブチレングリコール、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、ショ糖、フルクトース、マルトース、マルチトール、キシリトール、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール等やこれらのEO付加物が挙げられる。
【0044】
多塩基酸(▲6▼)は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フタル酸、トリメリット酸、セバシン酸等のカルボン酸やリン酸、硫酸等の無機酸が挙げられる。
【0045】
(3)▲1▼と多価アルコール(▲3▼)の縮合物(▲4▼)、(4)▲2▼と▲3▼の縮合物(▲5▼)、(5)▲1▼又は▲4▼と、▲2▼、▲5▼又は多塩基酸(▲6▼)との縮合物としては、高級アルコールのEO、PO付加物、脂肪酸のEO、PO付加物を始めとし、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ジグリセリン、モノステアリン酸ヘキサグリセリン、モノステアリン酸デカグリセリン、ジステアリン酸ジグリセリン、ジステアリン酸ヘキサグリセリン、ジステアリン酸デカグリセリン、トリステアリン酸ペンタグリセリン、トリステアリン酸ヘキサグリセリン、トリステアリン酸デカグリセリン、テトラステアリン酸ヘキサグリセリン、テトラステアリン酸デカグリセリン、ペンタステアリン酸テトラグリセリン、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリン、ペンタステアリン酸デカグリセリン、ヘキサステアリン酸ペンタグリセリン、ヘキサステアリン酸ヘキサグリセリン、オクタステアリン酸ヘキサグリセリン、デカステアリン酸デカグリセリン、モノイソステアリン酸グリセリン、モノイソステアリン酸ジグリセリン、モノイソステアリン酸ヘキサグリセリン、モノイソステアリン酸デカグリセリン、ジイソステアリン酸ジグリセリン、ジイソステアリン酸ヘキサグリセリン、ジイソステアリン酸デカグリセリン、トリイソステアリン酸ペンタグリセリン、トリイソステアリン酸ヘキサグリセリン、トリイソステアリン酸デカグリセリン、テトライソステアリン酸ヘキサグリセリン、テトライソステアリン酸デカグリセリン、ペンタイソステアリン酸テトラグリセリン、ペンタイソステアリン酸ヘキサグリセリン、ペンタイソステアリン酸デカグリセリン、ヘキサイソステアリン酸ペンタグリセリン、ヘキサイソステアリン酸ヘキサグリセリン、オクタイソステアリン酸ヘキサグリセリン、デカイソステアリン酸デカグリセリン、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸グリセリル、オキシステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリンヘプタベヘニン酸デカグリセリン、トリオレイン酸ペンタグリセリン、トリベヘニン酸ペンタグリセリン、テトラベヘニン酸ペンタグリセリン、ペンタベヘニン酸ペンタグリセリン、ジベヘニン酸トリグリセリン、トリべヘニン酸トリグリセリン、テトラベヘニン酸トリグリセリン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ(カプリル、カプリン酸)グリセリン等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリスリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、ジカプリンプロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、乳酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、オクタン酸ミリスチル、オクタン酸パルミチル、オクタン酸ステアリル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミチスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、エイコセン酸オクチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ダイマー酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリ2−エチルヘキシル、アジピン酸2−ヘプチルウンデシル、コハク酸ジエトキシエチル、グリセリン脂肪酸エステルアジピン酸縮合物、ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物,ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル等のエステルが挙げられる。
【0046】
また、上記(1)〜(5)以外の他の油分として、アルキルエーテルリン酸又はその塩とアルキルエーテルリン酸のPOE誘導体、アルキルアミンとそのPOE誘導体、脂肪酸アミドとそのPOE誘導体、ひまし油又は硬化ひまし油とそのPOE誘導体、カルナバワックス、カンデリラワックス、木ロウ等の植物ロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、羊毛ロウ等の動物ロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ロウ、モンタンワックス、セレシン、オゾケライト等の鉱物ロウ等が挙げられる。
【0047】
本発明においては、液晶構造体は必須であり、液晶構造体とすることで、シャンプーをした際のすすぎ時のきしみを飛躍的に向上させる効果があり、上記油分の中でも、(B−1)成分のカチオン性界面活性剤と組成物中で液晶構造体を形成しやすい油分が好ましい。
【0048】
油分では、上記の点から、上記(1)及び(2)、並びに(3)及び(4)のHLB4未満の物が好ましい。さらに、経時での保存安定性の点から、融点が45℃以上の高級アルコール(セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等)がより好ましい。なお、(B−2)成分は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0049】
(B−2)成分の珪素原子を含まない油分の含有量は、通常、毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.5〜10%の範囲が好ましい。含有量が0.5%未満では使用感が不十分であり、10%を超えると経時安定性が悪くなる場合がある。
【0050】
毛髪洗浄剤組成物中の(B−1)と(B−2)の質量比は、(B−2)/[(B−1)+(B−2)]が、0.35〜0.90が好ましく、特に0.5〜0.90が好ましい。上記質量比が0.35未満又は0.90を超えた比率だと、すすぎ時のきしみ改善が弱くなる場合がある。
【0051】
(B−1)と(B−2)成分の最も好ましい組み合せは、下記が挙げられる。
(i)(B−1)C16〜C22のモノアルキルカチオン、(B−2)C16〜C22の高級アルコールの組み合せで、(B−2)/[(B−1)+(B−2)]
=0.6〜0.8
(ii)(B−1)C16〜C22のジアルキルカチオン、(B−2)C16〜C22の高級アルコール組み合せで、(B−2)/[(B−1)+(B−2)]=0.5〜0.7
【0052】
本発明の(C)成分は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤である。保存安定性の点から、特に両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤又はこれらを併用することが好ましい。
【0053】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アシル化アミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、脂肪酸石ケン、アルキルリン酸エステル塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩、N−パルミトイルグルタミン酸塩、N−ラウロイル−N−エチルグリシン塩、N−ラウロイルザルコシン塩、N−ミリストイル−β−アラニン塩等が挙げられる。
【0054】
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン系活性剤、アミドベタイン系活性剤、スルホベタイン系活性剤、ヒドロキシスルホベタイン系活性剤、アミドスルホベタイン系活性剤、ホスホベタイン系活性剤、イミダゾリニウムベタイン系活性剤、アミノプロピオン酸系活性剤、アミノ酸系活性剤等が挙げられる。
【0055】
中でも、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルイミノジプロピオン酸、N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸が好ましい。
【0056】
より具体的には、例えばN−デシルベタイン、セチルベタイン、ステアリルベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドメチルベタイン、ミリスチン酸アミドメチルベタイン、パルミチン酸アミドメチルベタイン、ステアリン酸アミドメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミノメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ミリスチルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルアミノメチル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−スルホプロピルベタイン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−カルボキシメチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−カルボキシメトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエチル−N’−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、2−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0057】
一方、半極性非イオン性界面活性剤としては、下記一般式(5)で示されるアミンオキシドが好適である。
【0058】
【化4】
(式中、R8は、炭素数8〜22のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキ
シアルキル基を表し、R9とR10は独立にメチル基、エチル基又は下記一般式(6)で表される一価の置換基である。nは0又は1〜5の整数である。)
【0059】
【化5】
(式中、R11は、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、pは1〜3の整数である。)
【0060】
本発明に用いるアミンオキシドとしては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンラウリルジメチルアミンオキシド(酸化エチレンの平均付加数:3モル)等が好適である。
【0061】
本発明の毛髪洗浄剤組成物には、上記一般式(5)で表されるアミンオキシドが1種又は2種以上含有されることが好ましい。これらのアミンオキシドを商品名で示すと、東邦化学工業(株)製のソフタミンL、共栄化学工業(株)製のオキザミン−ALS、ライオンアクゾ(株)製のアロモックスC/12、アロモックスC/12W、アロモックスDMC−W、アロモックスCM12D−W(C)等が挙げられる。
【0062】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。中でもポリエチレングリコールモノステアレート、モノラウリン酸デカグリセリル、ベヘニン酸モノグリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール等が好ましい。その他に、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アルキルグリセリルグリコシド、メチルグルコシド脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0063】
(C)成分の界面活性剤の含有量は、泡立ちの点から、毛髪洗浄剤組成物の2%を超えることが好ましく、特に好ましくは5%、より好ましくは10%以上が好ましい。上限は特に限定されないが、通常25%以下である。
【0064】
また、分散安定性の観点から、アニオン性界面活性剤は5%未満であることが好ましく、特に2%以下、より1%以下が好ましい。
【0065】
アミンオキシドを用いる場合の、アミンオキシドの合計含有量は、クリーミーな泡立ちを発現する点から、毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.1〜5%が好ましく、さらに0.3〜2%が好ましい。
【0066】
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、シリコーンの分散安定性の点から、500〜15,000mPa・sの粘度が必要であり、特に、1,000〜10,000mPa・sが好ましい。500mPa・s未満では、シリコーンの分散安定性が悪く、15,000mPa・sを超えると、容器からの排出性が悪く使用性に劣る。
【0067】
本発明の毛髪洗浄剤組成物を、上記粘度とするためには増粘剤を用いることができ、増粘剤としては、高分子化合物、ノニオン性界面活性剤、粘度鉱物等が使用可能である。
【0068】
高分子化合物としては、アニオン性、ノニオン性の水溶性高分子、カチオン性ポリマーが挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0069】
アニオン性、ノニオン性の水溶性高分子の具体例としては、ペクチン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸塩、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリメチルアクリル酸塩、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、トラガラントゴム等が挙げられる。
【0070】
カチオン性ポリマーとしては、官能基がジメチルジアリルアンモニウムハライドである塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストラン、カチオン化プルラン、四級化ビニルピロリドン−アミノエチルメタクリレート共重合体、ポリエチレンイミン、ピロエチレングリコール−エピクロルヒドリン−ココスアミン、ジプロピレントリアミン縮合物、アジピン酸ジメチル−アミノヒドロキシプロピルジエチルトリアミン共重合体、第四級窒素含有スターチ等の他、加水分解ケラチン、加水分解シルク、加水分解コラーゲン、加水分解小麦、カチオン化加水分解ケラチン、カチオン化加水分解シルク、カチオン化加水分解コラーゲン、カチオン化加水分解小麦、シリコーン化加水分解コラーゲン、シリコーン化加水分解シルクのタンパク加水分解にカチオン基を導入したもの等が挙げられる。
【0071】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アルキルグリセリルグリコシド、メチルグルコシド脂肪酸エステル等が挙げられる。中でもポリエチレングリコールモノステアレート、モノラウリン酸デカグリセリル、ベヘニン酸モノグリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール等が好ましい。
【0072】
粘土鉱物としては、天然又は合成スメクタイト粘土、粘土鉱物を第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤等で処理した有機変性粘土等がある。その中でも活性剤共存下で分散性の良い粘土鉱物が好ましく、その例としてベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト等が挙げられ、膨潤性の雲母等も使用できる。これらの中では、ベントナイト、モンモリロナイト、サポナイトが特に好ましい。
【0073】
この場合、粘土鉱物、特に天然から採取したものには、カルサイト、トリジマイト、クリストバライト、石英、各種無機物等の非膨潤性の夾雑物が多く含まれていると、粘土鉱物が有する効果を十分発揮し得ない場合があるため、粘土鉱物の純度が90%以上であることが好ましく、特に95%以上が好ましい。
【0074】
上記増粘剤は、本発明の毛髪洗浄剤組成物の粘度が上記範囲となる量を適宜用いることができる。増粘剤の含有量は、分散安定性の観点から、毛髪洗浄剤組成物全量中に0.01〜5%、特に0.05〜2%が好ましい。
【0075】
本発明の毛髪洗浄剤組成物には、精製水等の水の他に必要に応じて、本発明の目的が損なわれない範囲で、必須成分以外に一般に用いられている各種添加成分を配合することが可能である。
【0076】
例えば、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、ポリオール類、食塩、芒硝等の無機塩類、有機塩類、プロピレングリコール等の保湿剤、トニック剤、可溶化剤、BHTやα−トコフェロール等の酸化防止剤、トリクロサン、トリクロロカルバン等の殺菌剤、高分子化合物、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等の粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、タンパク誘導体、動植物抽出液、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン等のフケ防止剤、グリチルリチン酸ジカリウム等の抗炎症剤、安息香酸及びその塩、パラベン類、ケーソンCG等の防腐剤、クエン酸、トリエタノールアミン等のpH調整剤、エチレングリコールジ脂肪酸エステル等のパール化剤、乳濁剤、ハイドロトロープ、低級アルコール、ビタミン類、揮発性油分、疎水性溶媒、希釈性溶媒、色素、香料等を任意に添加することができる。これらの添加成分は単独でも2種以上を混合して配合してもよいが、本発明の毛髪洗浄剤組成物の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0077】
香料として具体的には、例えば脂肪族炭化水素,テルペン炭化水素,芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール,テルペンアルコール,芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル,芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド,テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド,テルペン系アルデヒド,脂肪族環状アルデヒド,チオアルデヒド,芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン,テルペンケトン,脂肪族環状ケトン,非ベンゼン系芳香族ケトン,芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸,テルペン系カルボン酸,脂肪族環状カルボン酸,芳香族カルボン酸等の酸類、酸アミド類、脂肪族ラクトン,大環状ラクトン,テルペン系ラクトン,脂肪族環状ラクトン,芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル,フラン系カルボン酸エステル,脂肪族環状カルボン酸エステル,シクロへキシルカルボン酸エステル,テルペン系カルボン酸エステル,芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類,ニトリル,アミン,ピリジン類,キノリン類,ピロール,インドール等の含窒素化合物等の合成香料及び動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合し使用することができる。
【0078】
例えば、合成香料としては、1996年化学工業日報社刊印藤元一著「合成香料化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR,N.J.刊、ステファンアークタンダー(STEFFEN ARCTANDER)著「パヒューム アンド フレーバーケミカルス(Perfume and Flavor Chemicals)」等に記載の香料が使用できる。天然香料としては、「香りの百科」(日本香料協会編)に記載の香料が使用できる。
【0079】
主な香料名を具体的に挙げると、アルデヒドC6〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、オウランチオール、アセチルオイゲノール、バクダノール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボルニルアセテート、ブチルブチレート、p−t−ブチルシクロヘキサノール、p−t−ブチルシクロへキシルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキサノール、o−t−ブチルシクロへキシルアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、カリオフイレン、カシュメラン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、δ−C6〜C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、エチルワニリン、オイゲノール、フルイテート、フェンチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、ガラクソリド、γ−C6〜C13ラクトン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ミルセン、β−カリオフイレン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、グラニルニトリル、へディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、cis−3−へキセノール、cis−3−へキセニールアセテート、cis−3−へキセニールサリシレート、へキシルシンナミックアルデヒド、へキシルサリシレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソオイゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアボン、リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、マンザネート、マイヨール、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルオイゲノール、メントール、α−メチルイオノン、β−メチルイオノン、γ−メチルイオノン、メチルイソオイゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM−II、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、アンブレッドリド、シクロヘキサデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、オキサヘキサデセン−2−オン、14−メチル−ヘキサデセノリド、14−メチル−ヘキサデカノリド、ムスクケトン、ムスクチペチン、ノピルアルコール、ノピルアセテート、ネリルアセテート、ネロール、メチルフェニルアセテート、ミラックアルデヒド、ネオベルガメ−ト、オークモスNo.1、オリボン、オキシフェニロン、p−クレゾールメチルエーテル、ペンタリッド、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアセテート、ルバフラン、ダマセノン、ラズベリーケトン、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ジャスマサイクレン、メチルナフチルケトン、ローズフエノン、ローズオキサイド、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、ターピネオール、タービニルアセテート、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニルアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、チモール、ワニリン、ベルドックス、ヤラヤラ、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ラバンジシ油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パテュリ油、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、・ローズマリー油、樟脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、ベチバー油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、アブソリュートオークモス、ファーバルサム、ムスクテンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリステンキ等である。
【0080】
また、香料の溶剤又は保留剤としてジエチルフタレート、ジプロピレングリコール、ベンジルベンゾエート、イソプロピルミリステート、ハーコリン、イソペンタン、オレンジテルペン等を使用することができる。
【0081】
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、液晶構造体を形成させ、得られた液晶構造体とその他の油溶性成分を混合して油相を形成し、この油相に界面活性剤を含有する水相を添加、混合してエマルションを調製し、エマルションを冷却してからシリコーン化合物を添加することにより得ることができる
【0082】
また、毛髪洗浄剤組成物の常用量を常法に従って使用することができる。
【0083】
本発明のシャンプー組成物の容器としては、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ等のチューブの他、機械的又は差圧によるディスペンサー容器及びスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器等に充填することができる。ラミネートフィルムは、通常2層以上の多層を有し、その材質はポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂、紙、アルミ蒸着プラスチック等によって構成される。強度、柔軟性、耐候性等を考慮し、一般的には2〜5層のものを用いる。ボトルの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等及びガラス等を単層ないし2層以上組み合わせて用いることができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、組成物中の水難溶性成分であるシリコーン化合物が組成中に安定分散され、かつ洗浄時の起泡性が損なわれることなく、すすぎ時のきしみがなく、洗浄後は良好なコンディショニング効果を発揮することができる毛髪洗浄剤組成物を提供することができる。
【0085】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0086】
[実施例1〜9、比較例1〜8]
表1,2に記載の組成に応じ、下記製造方法で毛髪洗浄剤組成物を調製し、下記評価を行った。結果について表1,2に併記する。
【0087】
〔製造方法〕
▲1▼(B)成分の油溶性成分を、45〜80℃で加温溶解し、油相を調製した。▲2▼界面活性剤及びその他の成分を精製水に室温〜80℃で溶解し水相を調製した。
▲3▼▲2▼で得られた水相に▲1▼で得られた油相を添加し、パドルミキサーで撹拌しながら室温まで徐々に冷却し、(A)成分を添加した。必要に応じてpH調整して毛髪洗浄剤組成物を得た。
【0088】
上記製造法にて調製した実施例1〜9の毛髪洗浄剤組成物は、X線回折の結果、規則的な回折パターンが観察された。これらを偏光顕微鏡にて観察したところ、組織像は光学異方性を示し、また、クライオ走査型電子顕微鏡にて凍結割断したサンプルを観察したところ、薄層が重なっていたことより、上記製造方法より得られた実施例1〜9の毛髪洗浄剤組成物は、液晶構造体が分散したものであると認められた。
【0089】
〔毛髪洗浄剤組成物粘度の測定方法〕
化粧品原料基準、一般試験法の第2法に従い、ブルックフィールド型粘度計を用いて測定した。
<測定条件>使用ローターはNo.2〜3、ローター回転数は60rpm
<測定方法>毛髪洗浄剤組成物を25±1℃に保ち、液中にローターを静かに挿入して1分間静置した後、ローターを回転させ、10回転後の粘度を測定した。
【0090】
〔シリコーン化合物の安定性の評価方法及び基準〕
<方法>1ヵ月間、50℃の恒温室内に保存した後の液外観を目視観察し、下記基準に従って評価した。
<基準>
◎:分離なし
○:分離度(液全体の容積を100としたときの、分離している容積の割合)が5%未満
△:分離度が5%以上〜20%未満
×:分離度が20%以上
【0091】
上記シリコーン化合物の安定性の評価方法における保存には、以下の容器▲1▼〜▲9▼それぞれ全てに、実施例1〜9、比較例1〜8の液を充填して行なった。なお、下記中のPEはポリエチレン、PPはポリプロピレン、PETはポリエチレンテレフタレート、PAはポリアミド、HDPEは高密度ポリエチレンを示す。
【0092】
<ボトル容器>
▲1▼ボトル部:材質PP キャップ:材質PP
▲2▼ボトル部:材質HDPE キャップ:材質PP
▲3▼ボトル部:材質PET キャップ:材質PP
▲4▼ボトル部:材質PP/HDPE キャップ:材質PP
<ポンプ容器>
▲5▼ボトル部:材質PP ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
▲6▼ボトル部:HDPE ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
▲7▼ボトル部:PET ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
▲8▼ボトル部:PP/HDPE ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
<パウチ容器>
▲9▼材質アルミ蒸着ポリエチレンパウチ
【0093】
〔毛髪洗浄剤組成物の泡立ち評価〕
長さがショートからセミロングの髪の女性10名により、毛髪洗浄剤組成物を10日間使用し、下記評価点に基づいて毛髪洗浄剤組成物の泡立ちを評価した。表中では10名の合計点を下記基準で表した。
また、シャンプー後に使用するリンス・コンディショナー等のインバス製品やスタイリング剤やヘアケア剤等のアウトバス製品は、各パネラーが日常用いているものをそのまま使用した。
<評価点>
+2点:非常によい
+1点:ややよい
−1点:やや悪い
−2点:非常に悪い
<基準>
◎:合計点が15点以上
◎〜○:合計点が14〜10点
○:合計点が9〜5点
△:合計点が4〜0点
△〜×:合計点が−1〜−4点
×:合計点が−5点以下
【0094】
〔毛髪洗浄剤組成物すすぎ時のきしみ感評価〕
長さがショートからセミロングの髪の女性10名により、毛髪洗浄剤組成物を10日間使用し、下記評価点に基づいて毛髪洗浄剤組成物すすぎ時のきしみ感(きしみのなさ)を評価した。表中では10名の合計点を下記基準で表した。
また、シャンプー後に使用するリンス・コンディショナー等のインバス製品やスタイリング剤やヘアケア剤等のアウトバス製品は、各パネラーが日常用いているものをそのまま使用した。
<評価点>
+2点:非常によい
+1点:ややよい
−1点:やや悪い
−2点:非常に悪い
<基準>
◎:合計点が15点以上
◎〜○:合計点が14〜10点
○:合計点が9〜5点
△:合計点が4〜0点
△〜×:合計点が−1〜−4点
×:合計点が−5点以下
【0095】
〔乾燥後の髪のしっとり感評価方法〕
<方法>実施例1においてジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーンが配合されていない組成を基準組成物として、頭髪を左右に分け、片方に基準組成物をもう片方に表1,2の毛髪洗浄剤組成物を各3mL施してシャンプーし、ドライヤーで乾燥した後のなめらかさを、パネラー10名により下記評価点に基づいて評価し、表中では10名の合計点を下記基準で表した。
<評価点>
基準組成物と比べて
+2点:よい、+1点:ややよい、0点:同等、−1点:やや悪い、−2点:悪い
<基準>
◎:基準組成物より優れている(合計点が10点以上)
○:基準組成物よりやや優れている(合計点が5〜9点)
△:基準組成物と同レベル(合計点が4〜−4点)
×:基準組成物より劣る(合計点が−5点以下)
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
なお、実施例1〜10、比較例1〜8には下記のものを使用した。
※1 ジメチルシリコーン:レオフローDMS−55(ライオン(株)製)
化粧品種別配合成分規格(以下「粧配規」と略す)に準拠した粘度10万センチストークス、平均分子量約13万の高重合メチルポリシロキサンを、化粧品原料基準(以下「粧原基」と略す)に準拠したPOE(15)セチルエーテルで機械力にて乳化分散した水分散液で、ジメチルシリコーンの濃度は約55%。水分散液中のジメチルシリコーンの平均粒子径は約0.5μm。表中にはジメチルシリコーンの純分相当量を記載した。
※2 ジメチルシリコーン:BY22−050A(東レダウ(株)製)
粧配規に準拠した粘度100万センチストークスの高重合メチルポリシロキサンを、機械力にて乳化分散した水分散液で、ジメチルシリコーンの濃度は約55%。表中にはジメチルシリコーンの純分相当量を記載した。
※3 アミノ変性シリコーン:SM8704C(東レダウコーニング(株)製)
粧配規に準拠したアモジメチコンの水分散液で、アミノ変性シリコーンの濃度は約40%。水分散液中のアミノ変性シリコーンの平均粒子径は約0.1μm。表中にはアミノ変性シリコーンの純分相当量を記載した。
※4 カチオン変性シリコーン:X−52−2380(信越化学工業(株)製)
※5 ポリエーテル変性シリコーン(ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体):SH3775M(東レダウコーニングシリコーン(株)製)
粧配規に準拠。
※6 ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド:アーカードT833(ライオン(株)製)
粧原基に準拠したステアリルトリメチルアンモニウムクロライドで、純分約33%の水溶液(残り、粧原基無水エタノール29%、粧原基精製水38%)。表中にはステアリルトリメチルアンモニウムクロライドの純分相当量を記載した。
※7 ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド:アーカード22−80(ライオン(株)製)
粧原基に準拠したベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドで、純分約80%の固体。表中にはベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドの純分相当量を記載した。
化粧品原料基準第二版追補参照。
本品は、ナタネ油由来のエルカ酸を原料とし、長鎖アミンを経て合成。その長鎖アミンのアルキル鎖長分布は以下の通りである。
C16以下 2%以下
C18 6%以下
C20 6%以下
C22 87〜93%
C24 3%以下
※8 ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド:アーカード218P−75E(ライオン(株)製)
粧原基に準拠したジステアリルジメチルアンモニウムクロライドで、純分約75%のペースト。表中にはジステアリルジメチルアンモニウムクロライドの純分相当量を記載した。なお、本品のアルキル(アルケニル)基はC18F0:C18F1=75:25とする第4級アンモニウム塩である。
※9 酢酸ラウリン酸アミドブチルグアニジン液:C12A4G(ライオン(株)製)
純分約32%の水溶液。表中には酢酸ラウリン酸アミドブチルグアニジン液の純分相当量を記載した。
※10 セチルアルコール:Lorol C16(コグニスジャパン(株)製)
粧原基準拠。鎖長分布は概して以下の通りである。
C14 0〜3%
C16 95%以上
C18 0〜5%
※11 ステアリルアルコール:コノール30SS(新日本理科(株)製)
粧原基準拠
※12 ベヘニルアルコール:LANETTE 22(コグニスジャパン(株)製)
粧原基に準拠、固体。
本品は、ヤシ油由来であり、そのアルキル鎖長分布は以下の通りである。
C16 0.5%以下
C18 5〜15%
C20 10〜20%
C22 70〜80%
C24 1%以下
※13 硬化ナタネ油アルコール:Stenol 1822SR(コグニスジャパン(株)製)
粧配規に準拠、鎖長の分布は概して以下の通りである。
C16以下 1.5%以下
C18 40〜46%
C20 8〜14%
C22 42〜48%
C24 0.5%以下
※14 ステアリン酸:ステアリン酸100(新日本理化(株)製)
粧原基準拠。
※15 ステアリン酸モノグリセリル:リケマールS−100(理研ビタミン(株)製)
粧配規準拠、白色固体、mp62〜68、HLB4.3。
※16 ベヘニン酸モノグリセリル:リケマールB−100(理研ビタミン(株)製)
粧配規準拠、白色固体、mp74〜80、HLB4.2。
※17 ステアリルエーテル(EO11):EMALEX 611(日本エマルジョン(株)製)
粧配規準拠、白色ワックス状、HLB11。
※18 ベヘニルエーテル(EO10):EMALEX BHA−10(日本エマルジョン(株)製)
粧配規準拠、白色ワックス状、HLB9。
※19 ジステアリン酸グリコール:Genapol PMS(クラリアントジャパン製)
粧配規に準拠したジステアリン酸エチレングリコールで、C16とC18の混合比は6:4。
本原料のシャンプーへの配合方法は、シャンプー中での分散性を良くするため、予め本原料の質量比25%に対して、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム水溶液20%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド25%、水30%を約80℃で混合して分散液を作製し、その分散液をシャンプー液中に添加した。
※20 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド:CDE−100(川研ファインケミカル(株)製)を使用した。
粧原基のヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドに準拠。
※21 POE(20)硬化ヒマシ油:CW−20−90(青木油脂工業(株)製)
粧原基に準拠したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油で、純分約90%の水溶液。表中にはPOE(20)硬化ヒマシ油の純分相当量を記載した。
※22 ポリオキシエチレン(POE)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム:POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したポリオキシエチレンアルキル(12,13)エーテル硫酸ナトリウム液(3E.O.)で、純分約27%の水溶液。表中にはPOEアルキルエーテル硫酸ナトリウムの純分相当量を記載した。
※23 テトラデセンスルホン酸ナトリウム:テトラデセンスルホン酸ナトリウム(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したテトラデセンスルホン酸ナトリウム液で、純分約35%でヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウムを含んだ水溶液。表中にはテトラデセンスルホン酸ナトリウムの純分相当量を記載した。
※24 ラウリン酸アミドプロピルベタイン:エナジコールL30B(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したラウリン酸アミドプロピルベタイン液で、純分約30%の水溶液。表中にはラウリン酸アミドプロピルベタインの純分相当量を記載した。
※25 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:オバゾリンLB−SF(東邦化学工業(株)製)
粧原基準拠、純分約35%の水溶液。表中にはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインの純分相当量を記載した。
※26 ラウリルジメチルアミンオキシド:アロモックスDM12D−W(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したラウリルジメチルアミンオキシド液で、純分約33%の水溶液。表中にはラウリルジメチルアミンオキシドの純分相当量を記載した。
※27 アルキルポリグルコシド:PLANTACARE 818UP(コグニスジャパン(株)製)
粧配規に準拠したアルキル(8−16)グルコシドで、純分約52%の液体。表中にはアルキル(8−16)グルコシドの純分相当量を記載した。
本品は、ヤシ油由来であり、そのアルキル鎖長分布は以下の通りである。
C8 24〜30%
C10 15〜22%
C12 37〜42%
C14 12〜18%
C16 4%以下
※28 ベントナイト:クニピアF(クニミネ工業(株)製)
粧原基準拠。
※29 合成ベントナイト:スメクトンSA(クニミネ工業(株)製)
粧原基準拠。
※30 ヒドロキシプロピルセルロース:HPC−SL(日本曹達(株)製)
※31 キサンタンガム:モナートガムDA(ケルコ(株)製)
※32 高重合ポリエチレングリコール:ポリオックスWSR 60K−CG(ユニオンカーバイド(株)製)
※33 ジステアリン酸ポリエチレングリコール(150EO):EMALEX6300 DI−ST (日本エマルジョン(株)製)
※34 カチオン化セルロース:XE−511K(ライオン(株)製)
粧配規の塩化O−[ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースに準拠。
※35 塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体:カヤクリルレジンMN−50(日本化薬(株)製)
粧配規に準拠した塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体液で、純分は約5.5%の水溶液。
モノマーである塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドの仕込み比は約1:1。表中には塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体の純分相当量を記載した。
※36 プロピレングリコール:プロピレングリコール(旭硝子(株)製)
※37 ソルビトール:D−ソルビット液(東和化成工業(株)製)
粧原基に準拠したソルビット液で、純分約60%の水溶液。表中にはソルビトールの純分相当量を記載した。
※38 加水分解小麦タンパク液:クロペプタイドW(クローダジャパン(株)製)、GLUADIN WLM(コグニスジャパン(株)製)
粧配規に準拠。
※39 メチルパラベン:(吉富ファインケミカル(株)製)
粧原基準拠。
※40 安息香酸ナトリウム:粧原基に準拠した安息香酸ソーダ(BFGoodrich Kalama Inc.社製)
※41 メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン液
粧配規に準拠したKATHON CG(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)。表中には本液の配合量を記載した。
※42 アルギニン:(味の素(株)製)
粧原基準拠。
※43 黄色203号:キノリン イエローWS−G(中央合成化学(株)製)
※44 赤色106号:赤色106号(癸巳化成(株)製)
※45 緑色3号:緑色3号(癸巳化成(株)製)
※46 クエン酸:粧原基クエン酸・1水塩に準拠したケッショウクエンサンL(扶桑化学工業(株)製)
※47 香料
下記組成の香料を用いた。
組成 質量%
レモン油 5%
スイートオレンジ油 10%
ゼラニウム油 3%
ラベンダー油 6%
サンダルウッド油 1%
リリアール 5%
ノピルアセテート 1%
リナロール 2%
ベンジルベンゾエート 2%
ベンジルサリシレート 3%
β−イオノン 2%
メチルイオノン 3%
ヘリオナール 2%
へディオン 8%
イソEスーパー 3%
cis−3−へキセノール 0.3%
リガンドラール 0.3%
トリプラール 0.4%
シクラメンアルデヒド 1.5%
へキシルシンナミックアルデヒド 6%
ベルトフィックス 3%
ガラクソリド 5%
トナリッド 6%
ベンダリッド 1%
バクダノール 0.5%
カシュメラン 2%
ムスクT 1%
フルーツベース 3%
ローズベース 3%
ジャスミンベース 1%
ミューゲベース 3%
アンバーベース 1%
ノナナール 10%ジプロピレングリコール溶液 2%
デカナール 10%ジプロピレングリコール溶液 1%
メチルノニルアルデヒド 10%ジプロピレングリコール溶液 2%
ジプロピレングリコール 残部
合計 100%
【0099】
[実施例10]
実施例1と同様の方法で下記組成の毛髪洗浄剤組成物を調製した。
組成 質量%
ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0
ベヘニルアルコール 5.0
ベヘニン酸モノグリセリル(HLB4.3) 0.3
ベヘニルエーテル(EO10)(HLB9) 0.3
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 13.0
アルキル(8−16)グルコシド 1.0
ベントナイト 0.3
ラウリン酸ジメチルアミンオキシド 1.0
ジメチルシリコーン 1.8
アミノ変性シリコーン 0.2
プロピレングリコール 5.0
安息香酸ナトリウム 0.9
アルギニン 0.5
クエン酸 0.5
香料 0.5
精製水 バランス
合計 100.0%
【0100】
性状
粘度 5000mPa・s
比重 1.02(25℃)
pH 5.8
チキソトロピー性を有する
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪洗浄剤組成物に関するものであり、特に、すすぎ時にきしみ感もなく、水難溶性成分であるシリコーン化合物の洗浄剤中での分散安定性に優れ、しかも洗浄後の被洗物のコンディショニング効果にも優れている毛髪洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗髪と乾燥後の髪の風合いを改善するリンス効果を合わせ持つリンスインシャンプーを得るために、通常シャンプー中にシリコーン化合物を配合することが一般的に行われている。これまで、シリコーン化合物の安定化技術として、懸濁剤(例えば、特許文献1:特開昭62−77311号公報参照)、パール剤(例えば、特許文献2:特開平4−182417号公報参照)等を配合して分散安定性を向上させることが提案されている。しかしながら、これらの方法では泡立ちが低下してくる場合がある。
【0003】
また、グルコース誘導体を配合することにより分散安定性を向上させること(例えば、特許文献3:特開平5−262625号公報参照)が提案されているが、これはコンディショニング性を低下させる場合がある。硬化ヒマシ油の配合(例えば、特許文献2:特開平4−182417号公報参照)によって、分散性、コンディショニング性の向上も可能ではあるが、泡立ちが低下してくる場合がある。
【0004】
さらに、アニオン性界面活性剤と特定の共重合体とシリコーン油と高級アルコールとの系により安定な組成が提供されているが(例えば、特許文献4:特開2001−10935号公報参照)、乾燥後にべたつきが生じる場合があった。
【0005】
このように毛髪洗浄剤組成物に懸濁剤、硬化ヒマシ油又はパール剤を配合すると起泡性が悪くなってしまう場合がある。また、特定のグルコース誘導体を併用するとコンディショニング性が低下したり、分散質の被洗物(毛髪)への残存が少なくなることがある。このように、従来の毛髪洗浄剤組成物にはコンディショニング性のやや劣るものとなってしまう等の改良点があるため、毛髪洗浄剤組成物としての特性を損なうことなく、分散安定性を向上させることが課題となっている。なお、出願人は、先に水難溶性の構造粘性付与剤を配合してシリコーン化合物の分散安定性を向上することを提案しているが(特願2002−053963号)、さらにシリコーン化合物を安定分散させる技術が望まれている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−77311号公報
【特許文献2】
特開平4−182417号公報
【特許文献3】
特開平5−262625号公報
【特許文献4】
特開2001−10935号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、組成物中の水難溶性成分であるシリコーン化合物が組成中に安定分散され、かつ洗浄時の起泡性が損なわれることなく、すすぎ時のきしみがなく、洗浄後には有効な水難溶性成分を被洗物(毛髪)に残存付着せしめ、良好なコンディショニング効果を発揮することができる毛髪洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、シリコーン化合物、水難溶性の液晶構造体及びアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤を含有し、前記液晶構造体が組成物中に分散してなり、粘度が500〜15,000mPa・sである毛髪洗浄剤組成物とすることにより、シリコーン化合物が安定化され、かつ上記目的を達成できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
従って、本発明は
(A)シリコーン化合物、(B)水難溶性の液晶構造体及び(C)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤を含有し、前記液晶構造体が組成物中に分散してなり、粘度が500〜15,000mPa・sであることを特徴とする毛髪洗浄剤組成物を提供する。
【0010】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
本発明の毛髪洗浄剤組成物の(A)成分はシリコーン化合物であり、毛髪洗浄剤組成物のコンディショニング剤等として用いられるものを好適に使用することができる。本発明のシリコーン化合物としては、例えばトリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン等のジメチルシロキサン、メチルフェニルシリコーン、アミノ変性シリコーン、べタイン変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、シリコーングラフトポリマー、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、カチオン変性シリコーン等が挙げられる。
【0011】
これらの中でも、乾燥後の被洗物の滑らかさ、ぱさつきのなさの点で、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン等のジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、カチオン変性シリコーン等が特に好ましい。
【0012】
シリコーン化合物は、その粘度等が特に制限されるものではないが、通常、温度25℃における粘度が1〜20,000,000cSt(センチストークス、以下同様)、好ましくは30〜10,000,000cStのものが好適に用いられる。
【0013】
また、上記シリコーン化合物は、界面活性剤により乳化しエマルション化したものも使用することができる。エマルション化における、乳化剤や乳化方法に特に制限はなく、適宜使用することができる。シリコーン化合物としては、上記化合物を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0014】
シリコーン化合物の含有量は、毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.1%(質量%、以下同様)以上含有することが好ましい。シリコーン化合物の含有量が0.1%未満の場合、シリコーン化合物の安定化は容易であるが、本発明の目的とする髪のなめらかさに優れた毛髪洗浄剤組成物が得られない場合がある。含有量が多すぎると、シリコーン化合物の髪への吸着が過剰になり、べたつき感が強くなる場合があることを考慮すれば、シリコーン化合物の含有量は10%以下が好適であり、好ましくは0.5〜5%、より好ましくは1〜3%である。
【0015】
本発明の毛髪洗浄剤組成物の(B)成分は、水難溶性の液晶構造体である。なお、本発明において、「水難溶性」とは、物質1gを溶解するのに水が1000mL以上必要になる、あるいは水1000mL以上加えても溶解しないものを意味する。
【0016】
本発明の液晶構造体は、液晶構造を有するものであれば特に限定されない。本発明の毛髪洗浄剤組成物は、この液晶構造体が組成物中に分散してなるものである。なお、液晶構造は、X線回析、光学顕微鏡及び電子顕微鏡等によって確認することができる。分散状態とは、液晶構造体が可溶化されずに分散していることを示す。
【0017】
本発明においては、水難溶性の液晶構造体が分散してなり、粘度が500〜15,000mPa・sである組成物中に、シリコーン化合物を配合することにより、シリコーン化合物が安定に分散され、シリコーン化合物の保存安定性が向上するものである。さらに、分散性の向上により、毛髪への吸着効率が向上し、結果として良好なコンディショニング効果を発揮することができる。
【0018】
本発明の液晶構造体としては、(B−1)カチオン性界面活性剤と(B−2)珪素原子を含まない油分を含有し、これらからなる液晶構造体が好ましく、(B−1)カチオン性界面活性剤としては、その種類は特に制限されないが、例えば下記一般式(1)
で表される化合物を挙げることができる。
【0019】
【化1】
〔式中、上記一般式(1)中のR1、R2、R3、及びR4は、それぞれアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、ポリアルキレンオキシド基又はベンジル基を示し、R1、R2、R3、及びR4のうち1つ又は2つは炭素数10〜24、好ましくは16〜22の直鎖アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基であり、残りはメチル基、エチル基、ベンジル基、又は−(C2H4O)q−Hもしくは−(C3H6O)r−H(但し、q及びrはそれぞれ1〜5の整数)で表されるポリアルキレンオキサイド基であり、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、Z−は陰イオンを示す。〕
【0020】
カチオン性界面活性剤は、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。
【0021】
上記一般式(1)で表されるカチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、セトステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。
【0022】
その中でも、炭素数16〜22の直鎖アルキル基を有するものが好ましく、具体的に、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。これらのうち、塩酸塩、臭素酸塩の形のものが好ましい。
【0023】
また、下記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体又はその塩も、カチオン性界面活性剤として好適に使用することができる。
【0024】
【化2】
(式中、R5は炭素数1〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、Aは炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、tは1〜5の整数であって、tが2以上の場合、各ブロック中のAは互いに異なってもよい。)
【0025】
上記一般式(2)中のR5は、炭素数1〜21、好ましくは11〜19の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、例えば、C11H23−、C12H25−、C13H27−、C14H29−、C15H31−、C16H33−、C17H35−、(C8H17)2CH−、4−C2H5C15H30−等の基が好適である。
【0026】
置換基Aは、炭素数1〜10、好ましくは2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、2−ペンテニル基、2−エチルブチレン基等が挙げられる。
【0027】
上記一般式(2)で表わされるグアニジン誘導体は、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。これらのうち、塩酸塩、臭素酸塩、酢酸塩、グリコール酸塩、クエン酸及び酸性アミノ酸塩の形が好ましい。
【0028】
また、アミノ酸系カチオン性界面活性剤も、カチオン性界面活性剤として好適に使用することができる。アミノ酸系カチオン性界面活性剤としては、モノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩を挙げることができる。この化合物を構成する塩基性アミノ酸としては、例えば、オルニチン、リシン及びアルギニン等の天然アミノ酸を挙げることができる。また、α,γ−ジアミノ酪酸のような合成アミノ酸を用いることも可能である。これらは光学活性体でもラセミ体でもよい。
【0029】
また、そのアシル基は、炭素数が8〜22の飽和又は不飽和の高級脂肪酸残基である。これらは天然のものでも合成されたものでもよい。例えば、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基及びステアロイル基等の単一高級脂肪酸残基、並びにヤシ油脂肪酸残基及び牛脂高級脂肪酸残基等の天然の混合高級脂肪酸残基を採用することができる。
【0030】
低級アルキルエステル成分としては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル及びオクチルエステルが好適である。低級アルキルエステル成分は、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、L−又はDL−ピロリドンカルボン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。これらのうち、塩酸塩、L−又はDL−ピロリドンカルボン酸塩及び酸性アミノ酸塩の形が好ましい。
【0031】
さらに、アミドアミン型界面活性剤も、カチオン性界面活性剤として好適に使用することができる。アミドアミン型界面活性剤としては、下記一般式(3)で表される化合物を用いることができる。
【0032】
【化3】
(式中、R6は炭素数7〜23、好ましくは9〜22の脂肪酸残基、さらに好ましくは13〜22であり、R7は炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基、mは2〜4の整数を示す。)
【0033】
上記一般式(3)で表されるアミドアミン型界面活性剤としては、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドが挙げられる。
【0034】
これらは、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。これらのうち、酸性アミノ酸塩、クエン酸塩、塩酸塩の形が好ましい。なお、中和に用いられる塩は1種又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミドが好適に用いられる。本発明では、これらのアミドアミン型界面活性剤中から、1種を単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0035】
本発明のカチオン性界面活性剤の含有量は、特に制限されないが、本発明の毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.05〜7%であるのが好ましい。カチオン性界面活性剤の含有量が少なすぎると、すすぎ時に毛髪に十分な滑らかさ感、柔軟性を付与することができず、一方、多すぎると毛髪にべたつくような重さを生じる場合がある。カチオン性界面活性剤は1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
【0036】
特に、上記一般式(1)で表されるアルキル4級アンモニウム塩、及び一般式(2)で表されるグアニジン誘導体又はその塩を配合する場合は、その含有量は、毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.05〜6%の範囲が好ましく、特に0.5〜4%が好ましい。
【0037】
モノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩のようなアミノ酸系カチオン性界面活性剤を配合する場合は、その含有量は、毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.1〜5%が好ましく、特に0.3〜3%が好ましい。
【0038】
アミドアミン型界面活性剤化合物を配合する場合は、その含有量は、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.1〜7%が好ましく、特に0.5〜5%が好ましい。
【0039】
(B−2)珪素原子を含まない油分としては、以下の成分の単体もしくは縮合物が挙げられる。
(1)一般式R12OHで表わされるアルコール(▲1▼)
(2)一般式R13COOHで表わされる脂肪酸(▲2▼)
(3)▲1▼と多価アルコール(▲3▼)の縮合物(▲4▼)
(4)▲2▼と▲3▼の縮合物(▲5▼)
(5)▲1▼又は▲4▼と、▲2▼、▲5▼又は多塩基酸(▲6▼)の縮合物
【0040】
一般式R12−OHで表わされるアルコール(▲1▼)は、R12=C1〜40の飽和、不飽和もしくは分岐のアルコール又はヒドロキシアルコールであり、具体的には、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、n−デシルアルコール、イソデシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデシルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルノール、カルナービルアルコール、セリルアルコール、コレステロール、フィトステロール等が挙げられる。中でも、経時安定性の点から、直鎖(セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)及び分岐鎖(2−ヘキシルデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソステアリルアルコール等)のものが好ましく、特に直鎖のものが好ましい。分岐鎖のものであれば、分岐が先端に近いものほど良好である。また、鎖長では、C8〜C22のアルコールが好ましく、中でも、経時安定性の点から、直鎖のC16〜C22のアルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)がより好ましい。
【0041】
一般式R13COOHで表わされる脂肪酸(▲2▼)はR13=C4〜40の飽和、不飽和もしくは分岐の脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸であり、具体的には、酪酸、カプリル酸、イソノナン酸、テトラメチルノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、2−ヘキシルデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、リグノセリン酸、セロシン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラウロレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、エイコセン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、リシノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ヒマシ硬化脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、ラノリン脂肪酸、メタクリル酸、オクチル酸(2エチルヘキサン酸)、ネオデカン酸(2,2−ジメチルオクタン酸)、シトロネル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマル酸、イソピマル酸、乳酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。油分として単体で使用する際にはC8〜C24の脂肪酸が好ましく、中でも、経時安定性の点からC16〜C22の脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等)がより好ましい。
【0042】
多価アルコール(▲3▼)としては、下記一般式(4)で表される多価アルコールが挙げられる。
HO((CaH2a)O)b((CcH2c)O)dH (4)
(式中、a、b、c及びdに特に制限はなく、a=cでもよく、好ましくはa、cは2〜10、b、d=1〜150の整数である。)
【0043】
上記一般式(4)で表される多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、1,3−ブチレングリコール、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、ショ糖、フルクトース、マルトース、マルチトール、キシリトール、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール等やこれらのEO付加物が挙げられる。
【0044】
多塩基酸(▲6▼)は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フタル酸、トリメリット酸、セバシン酸等のカルボン酸やリン酸、硫酸等の無機酸が挙げられる。
【0045】
(3)▲1▼と多価アルコール(▲3▼)の縮合物(▲4▼)、(4)▲2▼と▲3▼の縮合物(▲5▼)、(5)▲1▼又は▲4▼と、▲2▼、▲5▼又は多塩基酸(▲6▼)との縮合物としては、高級アルコールのEO、PO付加物、脂肪酸のEO、PO付加物を始めとし、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ジグリセリン、モノステアリン酸ヘキサグリセリン、モノステアリン酸デカグリセリン、ジステアリン酸ジグリセリン、ジステアリン酸ヘキサグリセリン、ジステアリン酸デカグリセリン、トリステアリン酸ペンタグリセリン、トリステアリン酸ヘキサグリセリン、トリステアリン酸デカグリセリン、テトラステアリン酸ヘキサグリセリン、テトラステアリン酸デカグリセリン、ペンタステアリン酸テトラグリセリン、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリン、ペンタステアリン酸デカグリセリン、ヘキサステアリン酸ペンタグリセリン、ヘキサステアリン酸ヘキサグリセリン、オクタステアリン酸ヘキサグリセリン、デカステアリン酸デカグリセリン、モノイソステアリン酸グリセリン、モノイソステアリン酸ジグリセリン、モノイソステアリン酸ヘキサグリセリン、モノイソステアリン酸デカグリセリン、ジイソステアリン酸ジグリセリン、ジイソステアリン酸ヘキサグリセリン、ジイソステアリン酸デカグリセリン、トリイソステアリン酸ペンタグリセリン、トリイソステアリン酸ヘキサグリセリン、トリイソステアリン酸デカグリセリン、テトライソステアリン酸ヘキサグリセリン、テトライソステアリン酸デカグリセリン、ペンタイソステアリン酸テトラグリセリン、ペンタイソステアリン酸ヘキサグリセリン、ペンタイソステアリン酸デカグリセリン、ヘキサイソステアリン酸ペンタグリセリン、ヘキサイソステアリン酸ヘキサグリセリン、オクタイソステアリン酸ヘキサグリセリン、デカイソステアリン酸デカグリセリン、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸グリセリル、オキシステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリンヘプタベヘニン酸デカグリセリン、トリオレイン酸ペンタグリセリン、トリベヘニン酸ペンタグリセリン、テトラベヘニン酸ペンタグリセリン、ペンタベヘニン酸ペンタグリセリン、ジベヘニン酸トリグリセリン、トリべヘニン酸トリグリセリン、テトラベヘニン酸トリグリセリン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ(カプリル、カプリン酸)グリセリン等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリスリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、ジカプリンプロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、乳酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、オクタン酸ミリスチル、オクタン酸パルミチル、オクタン酸ステアリル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミチスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、エイコセン酸オクチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ダイマー酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリ2−エチルヘキシル、アジピン酸2−ヘプチルウンデシル、コハク酸ジエトキシエチル、グリセリン脂肪酸エステルアジピン酸縮合物、ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物,ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル等のエステルが挙げられる。
【0046】
また、上記(1)〜(5)以外の他の油分として、アルキルエーテルリン酸又はその塩とアルキルエーテルリン酸のPOE誘導体、アルキルアミンとそのPOE誘導体、脂肪酸アミドとそのPOE誘導体、ひまし油又は硬化ひまし油とそのPOE誘導体、カルナバワックス、カンデリラワックス、木ロウ等の植物ロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、羊毛ロウ等の動物ロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ロウ、モンタンワックス、セレシン、オゾケライト等の鉱物ロウ等が挙げられる。
【0047】
本発明においては、液晶構造体は必須であり、液晶構造体とすることで、シャンプーをした際のすすぎ時のきしみを飛躍的に向上させる効果があり、上記油分の中でも、(B−1)成分のカチオン性界面活性剤と組成物中で液晶構造体を形成しやすい油分が好ましい。
【0048】
油分では、上記の点から、上記(1)及び(2)、並びに(3)及び(4)のHLB4未満の物が好ましい。さらに、経時での保存安定性の点から、融点が45℃以上の高級アルコール(セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等)がより好ましい。なお、(B−2)成分は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0049】
(B−2)成分の珪素原子を含まない油分の含有量は、通常、毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.5〜10%の範囲が好ましい。含有量が0.5%未満では使用感が不十分であり、10%を超えると経時安定性が悪くなる場合がある。
【0050】
毛髪洗浄剤組成物中の(B−1)と(B−2)の質量比は、(B−2)/[(B−1)+(B−2)]が、0.35〜0.90が好ましく、特に0.5〜0.90が好ましい。上記質量比が0.35未満又は0.90を超えた比率だと、すすぎ時のきしみ改善が弱くなる場合がある。
【0051】
(B−1)と(B−2)成分の最も好ましい組み合せは、下記が挙げられる。
(i)(B−1)C16〜C22のモノアルキルカチオン、(B−2)C16〜C22の高級アルコールの組み合せで、(B−2)/[(B−1)+(B−2)]
=0.6〜0.8
(ii)(B−1)C16〜C22のジアルキルカチオン、(B−2)C16〜C22の高級アルコール組み合せで、(B−2)/[(B−1)+(B−2)]=0.5〜0.7
【0052】
本発明の(C)成分は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤である。保存安定性の点から、特に両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤又はこれらを併用することが好ましい。
【0053】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アシル化アミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、脂肪酸石ケン、アルキルリン酸エステル塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩、N−パルミトイルグルタミン酸塩、N−ラウロイル−N−エチルグリシン塩、N−ラウロイルザルコシン塩、N−ミリストイル−β−アラニン塩等が挙げられる。
【0054】
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン系活性剤、アミドベタイン系活性剤、スルホベタイン系活性剤、ヒドロキシスルホベタイン系活性剤、アミドスルホベタイン系活性剤、ホスホベタイン系活性剤、イミダゾリニウムベタイン系活性剤、アミノプロピオン酸系活性剤、アミノ酸系活性剤等が挙げられる。
【0055】
中でも、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルイミノジプロピオン酸、N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸が好ましい。
【0056】
より具体的には、例えばN−デシルベタイン、セチルベタイン、ステアリルベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドメチルベタイン、ミリスチン酸アミドメチルベタイン、パルミチン酸アミドメチルベタイン、ステアリン酸アミドメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミノメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ミリスチルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルアミノメチル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−スルホプロピルベタイン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−カルボキシメチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−カルボキシメトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエチル−N’−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、2−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0057】
一方、半極性非イオン性界面活性剤としては、下記一般式(5)で示されるアミンオキシドが好適である。
【0058】
【化4】
(式中、R8は、炭素数8〜22のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキ
シアルキル基を表し、R9とR10は独立にメチル基、エチル基又は下記一般式(6)で表される一価の置換基である。nは0又は1〜5の整数である。)
【0059】
【化5】
(式中、R11は、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、pは1〜3の整数である。)
【0060】
本発明に用いるアミンオキシドとしては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンラウリルジメチルアミンオキシド(酸化エチレンの平均付加数:3モル)等が好適である。
【0061】
本発明の毛髪洗浄剤組成物には、上記一般式(5)で表されるアミンオキシドが1種又は2種以上含有されることが好ましい。これらのアミンオキシドを商品名で示すと、東邦化学工業(株)製のソフタミンL、共栄化学工業(株)製のオキザミン−ALS、ライオンアクゾ(株)製のアロモックスC/12、アロモックスC/12W、アロモックスDMC−W、アロモックスCM12D−W(C)等が挙げられる。
【0062】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。中でもポリエチレングリコールモノステアレート、モノラウリン酸デカグリセリル、ベヘニン酸モノグリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール等が好ましい。その他に、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アルキルグリセリルグリコシド、メチルグルコシド脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0063】
(C)成分の界面活性剤の含有量は、泡立ちの点から、毛髪洗浄剤組成物の2%を超えることが好ましく、特に好ましくは5%、より好ましくは10%以上が好ましい。上限は特に限定されないが、通常25%以下である。
【0064】
また、分散安定性の観点から、アニオン性界面活性剤は5%未満であることが好ましく、特に2%以下、より1%以下が好ましい。
【0065】
アミンオキシドを用いる場合の、アミンオキシドの合計含有量は、クリーミーな泡立ちを発現する点から、毛髪洗浄剤組成物全量に対し0.1〜5%が好ましく、さらに0.3〜2%が好ましい。
【0066】
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、シリコーンの分散安定性の点から、500〜15,000mPa・sの粘度が必要であり、特に、1,000〜10,000mPa・sが好ましい。500mPa・s未満では、シリコーンの分散安定性が悪く、15,000mPa・sを超えると、容器からの排出性が悪く使用性に劣る。
【0067】
本発明の毛髪洗浄剤組成物を、上記粘度とするためには増粘剤を用いることができ、増粘剤としては、高分子化合物、ノニオン性界面活性剤、粘度鉱物等が使用可能である。
【0068】
高分子化合物としては、アニオン性、ノニオン性の水溶性高分子、カチオン性ポリマーが挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0069】
アニオン性、ノニオン性の水溶性高分子の具体例としては、ペクチン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸塩、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリメチルアクリル酸塩、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、トラガラントゴム等が挙げられる。
【0070】
カチオン性ポリマーとしては、官能基がジメチルジアリルアンモニウムハライドである塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストラン、カチオン化プルラン、四級化ビニルピロリドン−アミノエチルメタクリレート共重合体、ポリエチレンイミン、ピロエチレングリコール−エピクロルヒドリン−ココスアミン、ジプロピレントリアミン縮合物、アジピン酸ジメチル−アミノヒドロキシプロピルジエチルトリアミン共重合体、第四級窒素含有スターチ等の他、加水分解ケラチン、加水分解シルク、加水分解コラーゲン、加水分解小麦、カチオン化加水分解ケラチン、カチオン化加水分解シルク、カチオン化加水分解コラーゲン、カチオン化加水分解小麦、シリコーン化加水分解コラーゲン、シリコーン化加水分解シルクのタンパク加水分解にカチオン基を導入したもの等が挙げられる。
【0071】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アルキルグリセリルグリコシド、メチルグルコシド脂肪酸エステル等が挙げられる。中でもポリエチレングリコールモノステアレート、モノラウリン酸デカグリセリル、ベヘニン酸モノグリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール等が好ましい。
【0072】
粘土鉱物としては、天然又は合成スメクタイト粘土、粘土鉱物を第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤等で処理した有機変性粘土等がある。その中でも活性剤共存下で分散性の良い粘土鉱物が好ましく、その例としてベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト等が挙げられ、膨潤性の雲母等も使用できる。これらの中では、ベントナイト、モンモリロナイト、サポナイトが特に好ましい。
【0073】
この場合、粘土鉱物、特に天然から採取したものには、カルサイト、トリジマイト、クリストバライト、石英、各種無機物等の非膨潤性の夾雑物が多く含まれていると、粘土鉱物が有する効果を十分発揮し得ない場合があるため、粘土鉱物の純度が90%以上であることが好ましく、特に95%以上が好ましい。
【0074】
上記増粘剤は、本発明の毛髪洗浄剤組成物の粘度が上記範囲となる量を適宜用いることができる。増粘剤の含有量は、分散安定性の観点から、毛髪洗浄剤組成物全量中に0.01〜5%、特に0.05〜2%が好ましい。
【0075】
本発明の毛髪洗浄剤組成物には、精製水等の水の他に必要に応じて、本発明の目的が損なわれない範囲で、必須成分以外に一般に用いられている各種添加成分を配合することが可能である。
【0076】
例えば、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、ポリオール類、食塩、芒硝等の無機塩類、有機塩類、プロピレングリコール等の保湿剤、トニック剤、可溶化剤、BHTやα−トコフェロール等の酸化防止剤、トリクロサン、トリクロロカルバン等の殺菌剤、高分子化合物、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等の粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、タンパク誘導体、動植物抽出液、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン等のフケ防止剤、グリチルリチン酸ジカリウム等の抗炎症剤、安息香酸及びその塩、パラベン類、ケーソンCG等の防腐剤、クエン酸、トリエタノールアミン等のpH調整剤、エチレングリコールジ脂肪酸エステル等のパール化剤、乳濁剤、ハイドロトロープ、低級アルコール、ビタミン類、揮発性油分、疎水性溶媒、希釈性溶媒、色素、香料等を任意に添加することができる。これらの添加成分は単独でも2種以上を混合して配合してもよいが、本発明の毛髪洗浄剤組成物の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0077】
香料として具体的には、例えば脂肪族炭化水素,テルペン炭化水素,芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール,テルペンアルコール,芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル,芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド,テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド,テルペン系アルデヒド,脂肪族環状アルデヒド,チオアルデヒド,芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン,テルペンケトン,脂肪族環状ケトン,非ベンゼン系芳香族ケトン,芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸,テルペン系カルボン酸,脂肪族環状カルボン酸,芳香族カルボン酸等の酸類、酸アミド類、脂肪族ラクトン,大環状ラクトン,テルペン系ラクトン,脂肪族環状ラクトン,芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル,フラン系カルボン酸エステル,脂肪族環状カルボン酸エステル,シクロへキシルカルボン酸エステル,テルペン系カルボン酸エステル,芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類,ニトリル,アミン,ピリジン類,キノリン類,ピロール,インドール等の含窒素化合物等の合成香料及び動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合し使用することができる。
【0078】
例えば、合成香料としては、1996年化学工業日報社刊印藤元一著「合成香料化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR,N.J.刊、ステファンアークタンダー(STEFFEN ARCTANDER)著「パヒューム アンド フレーバーケミカルス(Perfume and Flavor Chemicals)」等に記載の香料が使用できる。天然香料としては、「香りの百科」(日本香料協会編)に記載の香料が使用できる。
【0079】
主な香料名を具体的に挙げると、アルデヒドC6〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、オウランチオール、アセチルオイゲノール、バクダノール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボルニルアセテート、ブチルブチレート、p−t−ブチルシクロヘキサノール、p−t−ブチルシクロへキシルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキサノール、o−t−ブチルシクロへキシルアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、カリオフイレン、カシュメラン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、δ−C6〜C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、エチルワニリン、オイゲノール、フルイテート、フェンチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、ガラクソリド、γ−C6〜C13ラクトン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ミルセン、β−カリオフイレン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、グラニルニトリル、へディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、cis−3−へキセノール、cis−3−へキセニールアセテート、cis−3−へキセニールサリシレート、へキシルシンナミックアルデヒド、へキシルサリシレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソオイゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアボン、リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、マンザネート、マイヨール、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルオイゲノール、メントール、α−メチルイオノン、β−メチルイオノン、γ−メチルイオノン、メチルイソオイゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM−II、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、アンブレッドリド、シクロヘキサデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、オキサヘキサデセン−2−オン、14−メチル−ヘキサデセノリド、14−メチル−ヘキサデカノリド、ムスクケトン、ムスクチペチン、ノピルアルコール、ノピルアセテート、ネリルアセテート、ネロール、メチルフェニルアセテート、ミラックアルデヒド、ネオベルガメ−ト、オークモスNo.1、オリボン、オキシフェニロン、p−クレゾールメチルエーテル、ペンタリッド、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアセテート、ルバフラン、ダマセノン、ラズベリーケトン、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ジャスマサイクレン、メチルナフチルケトン、ローズフエノン、ローズオキサイド、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、ターピネオール、タービニルアセテート、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニルアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、チモール、ワニリン、ベルドックス、ヤラヤラ、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ラバンジシ油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パテュリ油、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、・ローズマリー油、樟脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、ベチバー油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、アブソリュートオークモス、ファーバルサム、ムスクテンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリステンキ等である。
【0080】
また、香料の溶剤又は保留剤としてジエチルフタレート、ジプロピレングリコール、ベンジルベンゾエート、イソプロピルミリステート、ハーコリン、イソペンタン、オレンジテルペン等を使用することができる。
【0081】
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、液晶構造体を形成させ、得られた液晶構造体とその他の油溶性成分を混合して油相を形成し、この油相に界面活性剤を含有する水相を添加、混合してエマルションを調製し、エマルションを冷却してからシリコーン化合物を添加することにより得ることができる
【0082】
また、毛髪洗浄剤組成物の常用量を常法に従って使用することができる。
【0083】
本発明のシャンプー組成物の容器としては、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ等のチューブの他、機械的又は差圧によるディスペンサー容器及びスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器等に充填することができる。ラミネートフィルムは、通常2層以上の多層を有し、その材質はポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂、紙、アルミ蒸着プラスチック等によって構成される。強度、柔軟性、耐候性等を考慮し、一般的には2〜5層のものを用いる。ボトルの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等及びガラス等を単層ないし2層以上組み合わせて用いることができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、組成物中の水難溶性成分であるシリコーン化合物が組成中に安定分散され、かつ洗浄時の起泡性が損なわれることなく、すすぎ時のきしみがなく、洗浄後は良好なコンディショニング効果を発揮することができる毛髪洗浄剤組成物を提供することができる。
【0085】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0086】
[実施例1〜9、比較例1〜8]
表1,2に記載の組成に応じ、下記製造方法で毛髪洗浄剤組成物を調製し、下記評価を行った。結果について表1,2に併記する。
【0087】
〔製造方法〕
▲1▼(B)成分の油溶性成分を、45〜80℃で加温溶解し、油相を調製した。▲2▼界面活性剤及びその他の成分を精製水に室温〜80℃で溶解し水相を調製した。
▲3▼▲2▼で得られた水相に▲1▼で得られた油相を添加し、パドルミキサーで撹拌しながら室温まで徐々に冷却し、(A)成分を添加した。必要に応じてpH調整して毛髪洗浄剤組成物を得た。
【0088】
上記製造法にて調製した実施例1〜9の毛髪洗浄剤組成物は、X線回折の結果、規則的な回折パターンが観察された。これらを偏光顕微鏡にて観察したところ、組織像は光学異方性を示し、また、クライオ走査型電子顕微鏡にて凍結割断したサンプルを観察したところ、薄層が重なっていたことより、上記製造方法より得られた実施例1〜9の毛髪洗浄剤組成物は、液晶構造体が分散したものであると認められた。
【0089】
〔毛髪洗浄剤組成物粘度の測定方法〕
化粧品原料基準、一般試験法の第2法に従い、ブルックフィールド型粘度計を用いて測定した。
<測定条件>使用ローターはNo.2〜3、ローター回転数は60rpm
<測定方法>毛髪洗浄剤組成物を25±1℃に保ち、液中にローターを静かに挿入して1分間静置した後、ローターを回転させ、10回転後の粘度を測定した。
【0090】
〔シリコーン化合物の安定性の評価方法及び基準〕
<方法>1ヵ月間、50℃の恒温室内に保存した後の液外観を目視観察し、下記基準に従って評価した。
<基準>
◎:分離なし
○:分離度(液全体の容積を100としたときの、分離している容積の割合)が5%未満
△:分離度が5%以上〜20%未満
×:分離度が20%以上
【0091】
上記シリコーン化合物の安定性の評価方法における保存には、以下の容器▲1▼〜▲9▼それぞれ全てに、実施例1〜9、比較例1〜8の液を充填して行なった。なお、下記中のPEはポリエチレン、PPはポリプロピレン、PETはポリエチレンテレフタレート、PAはポリアミド、HDPEは高密度ポリエチレンを示す。
【0092】
<ボトル容器>
▲1▼ボトル部:材質PP キャップ:材質PP
▲2▼ボトル部:材質HDPE キャップ:材質PP
▲3▼ボトル部:材質PET キャップ:材質PP
▲4▼ボトル部:材質PP/HDPE キャップ:材質PP
<ポンプ容器>
▲5▼ボトル部:材質PP ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
▲6▼ボトル部:HDPE ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
▲7▼ボトル部:PET ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
▲8▼ボトル部:PP/HDPE ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
<パウチ容器>
▲9▼材質アルミ蒸着ポリエチレンパウチ
【0093】
〔毛髪洗浄剤組成物の泡立ち評価〕
長さがショートからセミロングの髪の女性10名により、毛髪洗浄剤組成物を10日間使用し、下記評価点に基づいて毛髪洗浄剤組成物の泡立ちを評価した。表中では10名の合計点を下記基準で表した。
また、シャンプー後に使用するリンス・コンディショナー等のインバス製品やスタイリング剤やヘアケア剤等のアウトバス製品は、各パネラーが日常用いているものをそのまま使用した。
<評価点>
+2点:非常によい
+1点:ややよい
−1点:やや悪い
−2点:非常に悪い
<基準>
◎:合計点が15点以上
◎〜○:合計点が14〜10点
○:合計点が9〜5点
△:合計点が4〜0点
△〜×:合計点が−1〜−4点
×:合計点が−5点以下
【0094】
〔毛髪洗浄剤組成物すすぎ時のきしみ感評価〕
長さがショートからセミロングの髪の女性10名により、毛髪洗浄剤組成物を10日間使用し、下記評価点に基づいて毛髪洗浄剤組成物すすぎ時のきしみ感(きしみのなさ)を評価した。表中では10名の合計点を下記基準で表した。
また、シャンプー後に使用するリンス・コンディショナー等のインバス製品やスタイリング剤やヘアケア剤等のアウトバス製品は、各パネラーが日常用いているものをそのまま使用した。
<評価点>
+2点:非常によい
+1点:ややよい
−1点:やや悪い
−2点:非常に悪い
<基準>
◎:合計点が15点以上
◎〜○:合計点が14〜10点
○:合計点が9〜5点
△:合計点が4〜0点
△〜×:合計点が−1〜−4点
×:合計点が−5点以下
【0095】
〔乾燥後の髪のしっとり感評価方法〕
<方法>実施例1においてジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーンが配合されていない組成を基準組成物として、頭髪を左右に分け、片方に基準組成物をもう片方に表1,2の毛髪洗浄剤組成物を各3mL施してシャンプーし、ドライヤーで乾燥した後のなめらかさを、パネラー10名により下記評価点に基づいて評価し、表中では10名の合計点を下記基準で表した。
<評価点>
基準組成物と比べて
+2点:よい、+1点:ややよい、0点:同等、−1点:やや悪い、−2点:悪い
<基準>
◎:基準組成物より優れている(合計点が10点以上)
○:基準組成物よりやや優れている(合計点が5〜9点)
△:基準組成物と同レベル(合計点が4〜−4点)
×:基準組成物より劣る(合計点が−5点以下)
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
なお、実施例1〜10、比較例1〜8には下記のものを使用した。
※1 ジメチルシリコーン:レオフローDMS−55(ライオン(株)製)
化粧品種別配合成分規格(以下「粧配規」と略す)に準拠した粘度10万センチストークス、平均分子量約13万の高重合メチルポリシロキサンを、化粧品原料基準(以下「粧原基」と略す)に準拠したPOE(15)セチルエーテルで機械力にて乳化分散した水分散液で、ジメチルシリコーンの濃度は約55%。水分散液中のジメチルシリコーンの平均粒子径は約0.5μm。表中にはジメチルシリコーンの純分相当量を記載した。
※2 ジメチルシリコーン:BY22−050A(東レダウ(株)製)
粧配規に準拠した粘度100万センチストークスの高重合メチルポリシロキサンを、機械力にて乳化分散した水分散液で、ジメチルシリコーンの濃度は約55%。表中にはジメチルシリコーンの純分相当量を記載した。
※3 アミノ変性シリコーン:SM8704C(東レダウコーニング(株)製)
粧配規に準拠したアモジメチコンの水分散液で、アミノ変性シリコーンの濃度は約40%。水分散液中のアミノ変性シリコーンの平均粒子径は約0.1μm。表中にはアミノ変性シリコーンの純分相当量を記載した。
※4 カチオン変性シリコーン:X−52−2380(信越化学工業(株)製)
※5 ポリエーテル変性シリコーン(ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体):SH3775M(東レダウコーニングシリコーン(株)製)
粧配規に準拠。
※6 ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド:アーカードT833(ライオン(株)製)
粧原基に準拠したステアリルトリメチルアンモニウムクロライドで、純分約33%の水溶液(残り、粧原基無水エタノール29%、粧原基精製水38%)。表中にはステアリルトリメチルアンモニウムクロライドの純分相当量を記載した。
※7 ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド:アーカード22−80(ライオン(株)製)
粧原基に準拠したベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドで、純分約80%の固体。表中にはベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドの純分相当量を記載した。
化粧品原料基準第二版追補参照。
本品は、ナタネ油由来のエルカ酸を原料とし、長鎖アミンを経て合成。その長鎖アミンのアルキル鎖長分布は以下の通りである。
C16以下 2%以下
C18 6%以下
C20 6%以下
C22 87〜93%
C24 3%以下
※8 ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド:アーカード218P−75E(ライオン(株)製)
粧原基に準拠したジステアリルジメチルアンモニウムクロライドで、純分約75%のペースト。表中にはジステアリルジメチルアンモニウムクロライドの純分相当量を記載した。なお、本品のアルキル(アルケニル)基はC18F0:C18F1=75:25とする第4級アンモニウム塩である。
※9 酢酸ラウリン酸アミドブチルグアニジン液:C12A4G(ライオン(株)製)
純分約32%の水溶液。表中には酢酸ラウリン酸アミドブチルグアニジン液の純分相当量を記載した。
※10 セチルアルコール:Lorol C16(コグニスジャパン(株)製)
粧原基準拠。鎖長分布は概して以下の通りである。
C14 0〜3%
C16 95%以上
C18 0〜5%
※11 ステアリルアルコール:コノール30SS(新日本理科(株)製)
粧原基準拠
※12 ベヘニルアルコール:LANETTE 22(コグニスジャパン(株)製)
粧原基に準拠、固体。
本品は、ヤシ油由来であり、そのアルキル鎖長分布は以下の通りである。
C16 0.5%以下
C18 5〜15%
C20 10〜20%
C22 70〜80%
C24 1%以下
※13 硬化ナタネ油アルコール:Stenol 1822SR(コグニスジャパン(株)製)
粧配規に準拠、鎖長の分布は概して以下の通りである。
C16以下 1.5%以下
C18 40〜46%
C20 8〜14%
C22 42〜48%
C24 0.5%以下
※14 ステアリン酸:ステアリン酸100(新日本理化(株)製)
粧原基準拠。
※15 ステアリン酸モノグリセリル:リケマールS−100(理研ビタミン(株)製)
粧配規準拠、白色固体、mp62〜68、HLB4.3。
※16 ベヘニン酸モノグリセリル:リケマールB−100(理研ビタミン(株)製)
粧配規準拠、白色固体、mp74〜80、HLB4.2。
※17 ステアリルエーテル(EO11):EMALEX 611(日本エマルジョン(株)製)
粧配規準拠、白色ワックス状、HLB11。
※18 ベヘニルエーテル(EO10):EMALEX BHA−10(日本エマルジョン(株)製)
粧配規準拠、白色ワックス状、HLB9。
※19 ジステアリン酸グリコール:Genapol PMS(クラリアントジャパン製)
粧配規に準拠したジステアリン酸エチレングリコールで、C16とC18の混合比は6:4。
本原料のシャンプーへの配合方法は、シャンプー中での分散性を良くするため、予め本原料の質量比25%に対して、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム水溶液20%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド25%、水30%を約80℃で混合して分散液を作製し、その分散液をシャンプー液中に添加した。
※20 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド:CDE−100(川研ファインケミカル(株)製)を使用した。
粧原基のヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドに準拠。
※21 POE(20)硬化ヒマシ油:CW−20−90(青木油脂工業(株)製)
粧原基に準拠したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油で、純分約90%の水溶液。表中にはPOE(20)硬化ヒマシ油の純分相当量を記載した。
※22 ポリオキシエチレン(POE)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム:POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したポリオキシエチレンアルキル(12,13)エーテル硫酸ナトリウム液(3E.O.)で、純分約27%の水溶液。表中にはPOEアルキルエーテル硫酸ナトリウムの純分相当量を記載した。
※23 テトラデセンスルホン酸ナトリウム:テトラデセンスルホン酸ナトリウム(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したテトラデセンスルホン酸ナトリウム液で、純分約35%でヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウムを含んだ水溶液。表中にはテトラデセンスルホン酸ナトリウムの純分相当量を記載した。
※24 ラウリン酸アミドプロピルベタイン:エナジコールL30B(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したラウリン酸アミドプロピルベタイン液で、純分約30%の水溶液。表中にはラウリン酸アミドプロピルベタインの純分相当量を記載した。
※25 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:オバゾリンLB−SF(東邦化学工業(株)製)
粧原基準拠、純分約35%の水溶液。表中にはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインの純分相当量を記載した。
※26 ラウリルジメチルアミンオキシド:アロモックスDM12D−W(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したラウリルジメチルアミンオキシド液で、純分約33%の水溶液。表中にはラウリルジメチルアミンオキシドの純分相当量を記載した。
※27 アルキルポリグルコシド:PLANTACARE 818UP(コグニスジャパン(株)製)
粧配規に準拠したアルキル(8−16)グルコシドで、純分約52%の液体。表中にはアルキル(8−16)グルコシドの純分相当量を記載した。
本品は、ヤシ油由来であり、そのアルキル鎖長分布は以下の通りである。
C8 24〜30%
C10 15〜22%
C12 37〜42%
C14 12〜18%
C16 4%以下
※28 ベントナイト:クニピアF(クニミネ工業(株)製)
粧原基準拠。
※29 合成ベントナイト:スメクトンSA(クニミネ工業(株)製)
粧原基準拠。
※30 ヒドロキシプロピルセルロース:HPC−SL(日本曹達(株)製)
※31 キサンタンガム:モナートガムDA(ケルコ(株)製)
※32 高重合ポリエチレングリコール:ポリオックスWSR 60K−CG(ユニオンカーバイド(株)製)
※33 ジステアリン酸ポリエチレングリコール(150EO):EMALEX6300 DI−ST (日本エマルジョン(株)製)
※34 カチオン化セルロース:XE−511K(ライオン(株)製)
粧配規の塩化O−[ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースに準拠。
※35 塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体:カヤクリルレジンMN−50(日本化薬(株)製)
粧配規に準拠した塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体液で、純分は約5.5%の水溶液。
モノマーである塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドの仕込み比は約1:1。表中には塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体の純分相当量を記載した。
※36 プロピレングリコール:プロピレングリコール(旭硝子(株)製)
※37 ソルビトール:D−ソルビット液(東和化成工業(株)製)
粧原基に準拠したソルビット液で、純分約60%の水溶液。表中にはソルビトールの純分相当量を記載した。
※38 加水分解小麦タンパク液:クロペプタイドW(クローダジャパン(株)製)、GLUADIN WLM(コグニスジャパン(株)製)
粧配規に準拠。
※39 メチルパラベン:(吉富ファインケミカル(株)製)
粧原基準拠。
※40 安息香酸ナトリウム:粧原基に準拠した安息香酸ソーダ(BFGoodrich Kalama Inc.社製)
※41 メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン液
粧配規に準拠したKATHON CG(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)。表中には本液の配合量を記載した。
※42 アルギニン:(味の素(株)製)
粧原基準拠。
※43 黄色203号:キノリン イエローWS−G(中央合成化学(株)製)
※44 赤色106号:赤色106号(癸巳化成(株)製)
※45 緑色3号:緑色3号(癸巳化成(株)製)
※46 クエン酸:粧原基クエン酸・1水塩に準拠したケッショウクエンサンL(扶桑化学工業(株)製)
※47 香料
下記組成の香料を用いた。
組成 質量%
レモン油 5%
スイートオレンジ油 10%
ゼラニウム油 3%
ラベンダー油 6%
サンダルウッド油 1%
リリアール 5%
ノピルアセテート 1%
リナロール 2%
ベンジルベンゾエート 2%
ベンジルサリシレート 3%
β−イオノン 2%
メチルイオノン 3%
ヘリオナール 2%
へディオン 8%
イソEスーパー 3%
cis−3−へキセノール 0.3%
リガンドラール 0.3%
トリプラール 0.4%
シクラメンアルデヒド 1.5%
へキシルシンナミックアルデヒド 6%
ベルトフィックス 3%
ガラクソリド 5%
トナリッド 6%
ベンダリッド 1%
バクダノール 0.5%
カシュメラン 2%
ムスクT 1%
フルーツベース 3%
ローズベース 3%
ジャスミンベース 1%
ミューゲベース 3%
アンバーベース 1%
ノナナール 10%ジプロピレングリコール溶液 2%
デカナール 10%ジプロピレングリコール溶液 1%
メチルノニルアルデヒド 10%ジプロピレングリコール溶液 2%
ジプロピレングリコール 残部
合計 100%
【0099】
[実施例10]
実施例1と同様の方法で下記組成の毛髪洗浄剤組成物を調製した。
組成 質量%
ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0
ベヘニルアルコール 5.0
ベヘニン酸モノグリセリル(HLB4.3) 0.3
ベヘニルエーテル(EO10)(HLB9) 0.3
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 13.0
アルキル(8−16)グルコシド 1.0
ベントナイト 0.3
ラウリン酸ジメチルアミンオキシド 1.0
ジメチルシリコーン 1.8
アミノ変性シリコーン 0.2
プロピレングリコール 5.0
安息香酸ナトリウム 0.9
アルギニン 0.5
クエン酸 0.5
香料 0.5
精製水 バランス
合計 100.0%
【0100】
性状
粘度 5000mPa・s
比重 1.02(25℃)
pH 5.8
チキソトロピー性を有する
Claims (3)
- (A)シリコーン化合物、(B)水難溶性の液晶構造体及び(C)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤を含有し、前記液晶構造体が組成物中に分散してなり、粘度が500〜15,000mPa・sであることを特徴とする毛髪洗浄剤組成物。
- (A)成分が、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン及びカチオン変性シリコーンからなる群から選ばれる1種又は2種以上のシリコーン化合物であることを特徴とする請求項1記載の毛髪洗浄剤組成物。
- (B)成分が、カチオン性界面活性剤及び珪素原子を含まない油分からなる液晶構造体であることを特徴とする請求項1又は2記載の毛髪洗浄剤組成物。
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