JP2004262068A - 制振材 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた難燃性と優れた制振性とを併せ持ち、かつ、焼却廃棄の際の安全性にも優れた制振材の提供。
【解決手段】熱可塑性樹脂、ゴム又は熱可塑性エラストマーよりなる樹脂成分100重量部及び金属水酸化物を含有する無機充填材50〜500重量部からなるとともに、無機充填材中の金属水酸化物が樹脂成分100重量部に対して50〜300重量部である樹脂組成物に、層状珪酸塩0.1〜20重量部及び/又はメラミン系難燃剤5〜50重量部が含有されてなる基材層の少なくとも片面に、樹脂フィルムが積層されてなる制振材。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた制振性とともに優れた難燃性を有し、特に自動車をはじめとする車輌分野に好適に使用される制振材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車をはじめとする車輌の分野においては、アスファルト系の制振材や、金属/樹脂複合系の制振材が用いられてきた。しかしながら、アスファルト系の制振材は、難燃性が不十分であり限られた領域にしか使用できなかった。 また、金属/樹脂複合系の制振材は、金属材料を使用しているために重量が重く、また、金属/樹脂複合系の制振材に用いられる樹脂は、高弾性である必要があるため、高温で樹脂が流動し、特に夏場など剥がれてしまうという問題があった。更に、金属/樹脂複合系の制振材は金属層を有しているため加工性や貼り付け性が悪いという問題もあった。
これに対して、軽量で難燃性に優れたハロゲン系樹脂を使用した制振材があるが、廃棄の際、焼却処理がし難くなるといった問題があった。また、ハロゲンを含有しない樹脂系の制振材が提案されている(特許文献1参照)が、難燃性が不十分であった。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−183883号公報(特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた難燃性と優れた制振性とを併せ持ち、かつ、焼却廃棄の際の安全性にも優れた制振材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の制振材は、熱可塑性樹脂、ゴム又は熱可塑性エラストマーよりなる樹脂成分100重量部及び金属水酸化物を含有する無機充填材50〜500重量部からなるとともに、無機充填材中の金属水酸化物が樹脂成分100重量部に対して50〜300重量部である樹脂組成物に、層状珪酸塩0.1〜20重量部及び/又はメラミン系難燃剤5〜50重量部が含有されてなる基材層の少なくとも片側表面に、樹脂フィルムが積層されていることを特徴とする。
【0006】
本発明で用いられる基材層を構成する樹脂成分は、熱可塑性樹脂、ゴム又は熱可塑性エラストマーからなり、これら3成分は単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0007】
上記熱可塑性樹脂としては、特には限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、石油樹脂等が挙げられ、これらは単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。中でも、得られる制振材の制振性が優れているのでポリオレフィン系樹脂、石油樹脂又はこれらの混合物が好ましく、さらに中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量は、少なくても多くても得られる制振材の制振性が不十分になることがあるので、樹脂成分中10〜95重量%であるのが好ましい。
【0008】
上記ゴムとしては、特には限定されないが、例えば、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPDM)等が挙げられ、これらは加硫されていてもされていなくてもよく、また、単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。中でも、得られる制振材の制振性が優れているので、スチレン−イソプレンブロック共重合体が好ましく、スチレン−イソプレンブロック共重合体の含有量は、少なくなると得られる制振材の制振性が不十分になることがあり、多くなると得られる制振材が経時で劣化し易くなり、長期使用により制振性が低下することがあるので、樹脂成分中5〜90重量%であるのが好ましい。スチレン−イソプレンブロック共重合体としては、例えば、クラレ社製の商品名「ハイブラ」が市販されている。
【0009】
上記熱可塑性エラストマーとしては、特には限定されないが、例えば、ウレタン系、オレフィン系、エステル系、スチレン系、アミド系等のエラストマーが挙げられ、これらは単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0010】
以上から、樹脂成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体10〜95重量%及びスチレン−イソプレンブロック共重合体5〜90重量%からなる2成分系のものや、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びスチレン−イソプレンブロック共重合体と、さらに他の熱可塑性樹脂、ゴム又は熱可塑性エラストマーからなり、エチレン−酢酸ビニル共重合体が樹脂成分中10〜95重量%、スチレン−イソプレンブロック共重合体が樹脂成分中5〜90重量%含有されているものが好ましい。さらに、得られる制振材の成形性が優れているので、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びスチレン−イソプレン共重合体に、さらに石油樹脂が含有されてなり、かつ、エチレン−酢酸ビニル共重合体が樹脂成分中10〜95重量%、スチレン−イソプレン共重合体が樹脂成分中5〜90重量%含有された3成分系の樹脂成分が好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−イソプレン共重合体の合計量は樹脂成分中の30〜100重量%が好ましく、より好ましくは40〜100重量%が好ましい。
【0011】
本発明で用いられる基材層を構成する無機充填材は、金属水酸化物を含有し、かつ、金属水酸化物の含有量が後述する範囲にあるものであれば特には限定されず、金属水酸化物単独からなるものであっても、金属水酸化物と他の無機充填材からなるものであってもよい。
【0012】
上記金属水酸化物は、燃焼場の高熱下で吸熱脱水反応を起こして吸熱するとともに水分子を放出し、燃焼場の温度を低下させ、かつ、消火する効果を発揮するものである。
上記金属水酸化物としては、特には限定されないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸カルシウム、2水和石膏、水酸化カルシウム等が挙げられ、中でも、得られる制振材の制振性が優れているので、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム又はこれらの混合物が好ましい。また、これらの金属水酸化物は、各種の表面処理剤により表面処理が施されているものであってもよい。表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ポリビニルアルコール系表面処理剤、エポキシ系表面処理剤等が挙げられる。これらの金属水酸化物は、単独で用いられても2種以上が併用されてもよいが、2種以上の金属水酸化物を併用すると、各々が異なる温度で吸熱脱水反応を開始して難燃性を発現し、より高い難燃化効果を得ることができるので、2種以上を併用するのが好ましい。
【0013】
金属水酸化物の含有量は、少なくなると得られる制振材の難燃性が低下し、多くなると得られる制振材の制振性が低下するので、上記樹脂成分100重量部に対して50〜300重量部である。
【0014】
上記金属水酸化物以外の無機充填材としては、特には限定されないが、例えば、鱗片状充填材、金属酸化物、石英、ガラス繊維、ガラス粉、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏等が挙げられ、これらは単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。また、粉末状、鱗片状、繊維状などの無機充填材の形態も特には限定されない。中でも、得られる制振材の制振性及び難燃性が優れており、コストも安価であるので、鱗片状充填材、金属酸化物、炭酸カルシウム又はこれらの混合物が好ましい。
【0015】
上記鱗片状充填材としては、特には限定されないが、例えば、クレイ、タルク、マイカ等が挙げられ、これらは単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。中でも、得られる制振材の制振性が優れているのでマイカが好ましい。鱗片状充填材の含有量は、少なくなると得られる制振材の制振性が不十分になることがあり、多くなると得られる制振材が硬くなるため、成形が困難になるとともに制振性が不十分になることがあり、また、取り扱い性が低下することがあるので、金属水酸化物を含有する無機充填材中20〜70重量%であるのが好ましい。
【0016】
上記金属酸化物としては、特には限定されないが、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化銅、硼酸亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム等が挙げられ、これらは単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0017】
金属水酸化物を含有する無機充填材の含有量は、少なくなると得られる制振材の制振性が低下し、多くなると得られる制振材が硬くなるため、成形が困難になるとともに制振性が低下し、また、取り扱い性が低下するので、上記樹脂成分100重量部に対して50〜500重量部である。
【0018】
本発明においては、上記樹脂成分及び金属水酸化物を含有する無機充填材からなる樹脂組成物に、さらに層状珪酸塩又はメラミン系難燃剤が含有される。層状珪酸塩とメラミン系難燃剤とは、各々が単独で含有されていてもよく、また、混合して含有されていてもよいが、得られる制振材の難燃性が優れているので、混合して含有されているのが好ましい。
【0019】
上記層状珪酸塩は、結晶層間に交換性金属カチオンを有する珪酸塩鉱物であり、燃焼場の高熱下において焼結体からなる皮膜を形成し、難燃化効果を発現するものである。このような層状珪酸塩を上記金属水酸化物と併用することにより、得られる制振材の難燃性が相乗的に向上する。
【0020】
上記層状珪酸塩としては、例えば、モンモリロナイト、サボナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物や、バーキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられ、これらは天然物又は合成物のいずれであってもよく、また、単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。中でも、燃焼場の高熱下において焼結体からなる皮膜を形成し、大きな難燃化効果を発現するので、モンモリロナイト、膨潤性マイカ又はこれらの混合物が好ましい。
【0021】
上記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上で、且つ、一部又は全部が5層以下に分散していることが好ましく、より好ましくは、上記平均層間距離が6nm以上で、且つ、一部又は全部が5層以下に分散しているものである。
【0022】
層状珪酸塩の平均層間距離とは、層状珪酸塩の微細薄片状結晶を層とした場合の平均層間距離を意味し、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により、即ち、広角X線回折測定法により算出することができる。
又、層状珪酸塩の分散状態は、透過型電子顕微鏡により5万〜10万倍の倍率で観察して、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層集合体の数(X)の内、5層以下に分散している積層集合体の数(Y)をカウントし、下記計算式(1)により算出することができる。
5層以下に分散している割合(%)=(Y/X)×100 (1)
【0023】
また、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下に分散しているということは、本来数十層の積層体である層状珪酸塩の層状分子の一部又は全部が剥離して広く分散していることを意味しており、これも層状珪酸塩の結晶薄片層間における相互作用が弱まっていることになり、上記と同様の効果を得ることができる。
【0024】
層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下に分散しているということは、具体的には層状珪酸塩の10%以上が5層以下に分散している状態にあることが好ましく、より好ましくは層状珪酸塩の20%以上が5層以下に分散している状態である。
また、層状珪酸塩の積層数は、5層以下に分散していることが好ましく、より好ましくは3層以下に分散していることであり、さらに好ましくは単層状に薄片化していることである。
【0025】
上記層状珪酸塩の含有量は、少なくなると燃焼場の高熱下において焼結体を形成し難くなり、得られる制振材の難燃性が低下し、多くなると得られる制振材が硬くなるため、成形が困難になるとともに制振性が低下し、また、取り扱い性が低下するので、上記樹脂成分100重量部に対して0.1〜20重量部であり、好ましくは3〜10重量部である。
【0026】
上記メラミン系難燃剤としては、特には限定されないが、例えば、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート等が挙げられ、これらは表面処理が施されていてもよく、また、これらは単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。中でも、難燃性に対する層状珪酸塩との併用効果が大きいのでメラミンシアヌレートが好ましい。
メラミン系難燃剤の含有量は、少なくなると得られる制振材の難燃性が低下し、多くなると得られる制振材が硬くなるため、成形が困難になるとともに制振性が低下し、また、取り扱い性が低下するので、上記樹脂成分100重量部に対して5〜50重量部であり、好ましくは15〜30重量部である。
【0027】
本発明の制振材は、基材層の少なくとも片面に樹脂フィルム層が積層されてなる制振材である。上記樹脂フィルムとしては、特に限定はされないが、例えば、ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。これらの内、耐熱性、成形性、強度等からポリエチレンテレフタレートフィルムが好適に用いられる。
上記樹脂フィルムの厚さは特に限定されないが、10〜500μmが好ましく、更に好ましくは20〜100μmである。厚さが10μm未満の場合は、薄すぎて、強度が不足し、また、樹脂フィルム自体の成形性が困難になったり、樹脂フィルムを積層した効果が得られ難く、燃焼時に収縮しやすく強固な焼結皮膜形成が困難になり、難燃性が不十分になる場合がある。また、厚さが500μmを超えると制振材の柔軟性が低下し、特に曲面等への制振材の貼付が困難になったり、燃焼時に樹脂フィルムそのものが燃焼しやすくなり制振材の難燃性が不十分になる場合がある。
【0028】
上記基材層と樹脂フィルムとを積層する方法としては、熱融着する方法、接着剤又は粘着剤を介して積層させる方法等が挙げられ、接着剤又は粘着剤を介して積層させることにより基材層と樹脂フィルム層との接着強度を向上させることが出来る。
また、本発明の制振材を対象物に貼付するために、基材層の片面に樹脂フィルムが積層された制振材の樹脂フィルム面とは異なる面に、或いは、基材層の両面に樹脂フィルが積層された制振材の片面に予め粘着剤層が設けられていてもよい。
【0029】
本発明の制振材の厚さは、特に限定されないが、0.1〜5mmが好ましく、更に好ましくは0.3〜2mmである。0.1mm未満の場合は制振性能不十分になる場合がある。また5mmを超えると重量が重くなると共に、貼り合わせが困難(特に曲面等に対して)な場合がある。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1〜8、比較例1〜7)
表1及び2に示した所定量のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ノナン系石油樹脂及びスチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)からなる樹脂成分、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マイカ(鱗片状)、硼酸亜鉛、炭酸カルシウム、膨潤性マイカ、並びにメラミンシアヌレートをバンバリーミキサーで均一に混合されるまで混錬し、熱プレスで厚さ1mmのシート状に成形すると共に、その片面に表1及び2に示した樹脂フィルムを熱プレス時に積層一体化し制振材を得た。
尚、比較例1〜3は、樹脂フィルムを積層することなく熱プレスを行い制振材を得た。
また、制振材において、膨潤性マイカは、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均距離3nm以上、一部又は全部が5層以下に分散していた。
【0031】
得られた制振材の制振性(500Hz換算の損失係数)、難燃性(燃焼速度)を下記の方法で評価し、その結果を表1及び2に示した。
【0032】
(制振性)
JIS G 0602の中央支持定常加振法に準拠し、500Hz換算での損失係数を測定した。標準の試験片としては厚さ1mmのSPCC鋼板を使用した。尚、好適に使用される制振材の損失係数は0.06以上とされているので、損失係数が0.06以上のものを○、0.06未満のものを×と判定した。
【0033】
(難燃性)
自動車用規格FMVSS 302試験に準拠して燃焼試験を行い、消火時間を測定した、消火しないものについては燃焼速度を求めた。消火時間が60秒以下を○、消火時間が60秒を超えるか消火しないものを×と判定した。
【0034】
【表1】
Figure 2004262068
【0035】
【表2】
Figure 2004262068
【0036】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明の制振材は、特定の樹脂成分及び無機充填材からなる基材層を有しているので優れた制振性を有しており、さらに、無機充填材中に金属水酸化物が特定量で含有されているとともに層状珪酸塩及び/又はメラミン系難燃剤とが特定量で含有された基材層の少なくとも片面に樹脂フィルムが積層されているので、優れた制振性を損なうことなく、優れた難燃性をも有している。特に、基材層のみでは難燃性が不十分である自動車用規格FMVSS302の試験においても優れた難燃性を発現することが出来た。また、ハロゲン系の難燃剤又は樹脂を含有していないので、焼却廃棄の際の安全性にも優れたものである。加えて、制振材を構成する基材層の各成分は均一に溶融混練され易く、即ち、制振材は優れた制振性及び難燃性を全体にわたって均一に有しており、かつ、外観も良好である。
請求項2に記載の発明の制振材は、基材層の樹脂成分中にエチレン−酢酸ビニル共重合体及びスチレン−イソプレンブロック共重合体を特定量含有しているので、より優れた制振性を長期間にわたって発現することができる。
請求項3に記載の発明の制振材は、無機充填材中に鱗片状充填材を特定量含有しているので、優れた制振性を確実に発現することができるとともに、取り扱い性にも優れている。
請求項4に記載の発明の制振材は、層状珪酸塩がモンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカからなるので、優れた難燃性を発現すると共に、このような基材層の片面に樹脂フィルムを積層しているので、自動車用規格FMVSS302の試験においてもより優れた難燃性を確実に発現することが出来る。
請求項5に記載の発明の制振材は、層状珪酸塩が特定値以上の平均層間距離を有し、かつ、特定の分散状態にあるので、層状珪酸塩の効果を効率的に発現することができ、即ち、層状珪酸塩の含有量を抑えつつ、優れた難燃性を発現することができる。
請求項6に記載の発明の制振材は、特定の基材層の少なくとも片面に特定の樹脂フィルムが積層されてなるので、より優れた難燃性をより確実に発現することが出来る。
以上の通り、請求項1〜6の何れか1項に記載の発明の制振材は、優れた制振材性と優れた難燃性とを併せ持ち、特に基材層のみでは難燃性が不十分である自動車用規格FMVSS302の試験においても優れた難燃性を発現することが出来るので、制振性のみならず難燃性をも要求される自動車をはじめ車輌分野の制振材として好適に使用される。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂、ゴム又は熱可塑性エラストマーよりなる樹脂成分100重量部及び金属水酸化物を含有する無機充填材50〜500重量部からなるとともに、無機充填材中の金属水酸化物が樹脂成分100重量部に対して50〜300重量部である樹脂組成物に、層状珪酸塩0.1〜20重量部及び/又はメラミン系難燃剤5〜50重量部が含有されてなる基材層の少なくとも片面に、樹脂フィルムが積層されてなることを特徴とする制振材。
  2. 基材層の樹脂成分中に、エチレン−酢酸ビニル共重合体10〜95重量%及びスチレン−イソプレンブロック共重合体5〜90重量%が含有されてなることを特徴とする請求項1記載の制振材。
  3. 無機充填材中に、鱗片状充填材20〜70重量%が含有されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振材。
  4. 層状珪酸塩が、モンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制振材。
  5. 層状珪酸塩が、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下に分散してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制振材。
  6. 樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の制振材。
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