JP2000218736A - 耐火性多層シート - Google Patents
耐火性多層シートInfo
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Abstract
形状保持性能を有することによって、優れた耐火性能を
発現する耐火性多層シートを提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂、リン化合物、中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛、含水無機物及び金属炭酸塩を含有す
る樹脂組成物(I)から形成されたA層と、ブチルゴ
ム、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、含水無
機物及び金属炭酸塩を含有する樹脂組成物(II)から形
成されたB層との積層体からなる。
Description
関し、詳しくは、柱、梁、壁等に耐火被覆材として簡便
に施工可能な耐火性多層シートに関する。
性能が重要な性能の一つである。近年、建築材料に合成
樹脂部材が広く用いられるようになっているが、建築材
料の用途拡大に伴って、さらに耐火性能が付与されても
のが求められている。上記耐火性能としては、単に合成
樹脂材料自体が燃え難いばかりでなく、火炎が部材の裏
側に廻らないような性能も要求されている。
が燃焼したり、熱溶融する性質を有するので、いかに長
時間このような状態になるのを防止できるか、あるい
は、無機成分を含有する場合は、いかに長時間無機成分
を脱落させずに保持できるかが重要な要素となる。
する方法として、例えば特開平6−25476号公報に
は、ポリオレフィン樹脂に赤リン又はリン化合物と熱膨
張性黒鉛とを添加する方法が開示されている。しかしな
がら、この方法では、難燃性については十分な性能が付
与されるが、耐火・防火試験において脆い灰分だけが残
り、耐火性能に重要な燃焼残渣が脱落し、基準温度をオ
ーバーする場合があった。
報には、発泡断熱層と接着剤層よりなる多層型の接着性
を有する防火シートが提案されている。この防火シート
は建築部材と接着するために、接着剤層を必要とする
が、この接着剤層は難燃性を有するが不十分であり、さ
らに、断熱性が殆どないため、接着剤層の分だけ断熱性
能が低下し、耐火性能が低下する。特に、接着剤層の厚
みが大きくなると、同じ厚みの発泡断熱層がある場合に
比較して、耐火性能が大幅に低下するという問題点があ
った。
トの厚みに制限がある場合、厚みを薄くすると他部材と
の積層が必要となるため、防火シートの製造工程も複雑
となり、現場施工で積層する場合は施工性が大幅に低下
するという問題点があった。
に鑑み、耐火性を有し、そかも燃焼後の残渣が十分な形
状保持性能を有することによって、優れた耐火性能を発
現する耐火性多層シートを提供することにある。
トは、厚みが0.5〜10mmであるA層の少なくとも
片面に、厚みが0.02〜5mmであるB層が積層され
た積層体からなる。
が、エポキシ樹脂、リン化合物、中和処理された熱膨張
性黒鉛、含水無機物及び金属炭酸塩を含有する樹脂組成
物(I)から形成され、B層が、ブチルゴム、リン化合
物、中和処理された熱膨張性黒鉛、含水無機物及び金属
炭酸塩を含有する樹脂組成物(II)から形成される。
が、基本的にはエポキシ基をもつモノマーと硬化剤とを
反応させることにより得られる。上記エポキシ基をもつ
モノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテ
ル型、グリシジルエステル型、多官能のグリシジルエー
テル型、多官能のグリシジルエステル型、脂環式エポキ
シ型等のモノマーが例示される。
マーとしては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポ
リプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール
型、1、6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロ
パン型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、
水添ビスフェノールA型等のモノマーが例示される。
ては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒ
ドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香
酸型等のモノマーが例示される。
マーとしては、例えば、フェノールノボラック型、オル
ソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシ
クロペンタジエン・フェノール型等のモノマーが例示さ
れる。
独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
のものが用いられる。重付加型の硬化剤としては、例え
ば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメル
カプタン等が例示される。また、上記触媒型の硬化剤と
しては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス
酸錯体等が例示される。
されず、公知の方法によって行うことができる。
れたものであってもよい。可撓性を付与するためには、
例えば次の方法が用いられる。 架橋点間の分子量を大きくする。 架橋密度を小さくする 軟質分子構造を導入する。 可塑剤を添加する。 相互侵入網目(IPN)構造を導入する。 ゴム状粒子を分散導入する。 ミクロボイドを導入する。
び/又は硬化剤を用いて反応させることで、架橋点の間
の距離が長くなり可撓性を発現させる方法である(例:
硬化剤としてポリプロピレンジアミン等を用いる)。
は官能基の少ないエポキシモノマー及び/又は硬化剤を
用いて反応させることにより、一定領域の架橋密度を小
さくして可撓性を発現させる方法である(例:硬化剤と
して2官能アミン、エポキシモノマーとして1官能エポ
キシ等を用いる)。は軟質分子構造をとるエポキシモ
ノマー及び/又は硬化剤を導入して可撓性を発現させる
方法である(例:硬化剤として複素環状ジアミン、エポ
キシモノマーとしてアルキレングリコールグルシジルエ
ーテル等を用いる)。
する方法である(例:可塑剤としてDOP、タール、石
油樹脂等を用いる)。はエポキシ樹脂の架橋構造に別
の軟質構造をもつ樹脂を導入する相互侵入網目(IP
N)構造で可撓性を発現させる方法である。 エポキシ樹脂マトリックスに液状又は粒状のゴム粒子
を配合分散させる方法である(例:エポキシ樹脂マトリ
ックスとしてポリエステルエーテル等を用いる)。は
1μm以下のミクロボイドをエポキシ樹脂マトリックス
に導入させることにより、可撓性を発現させる方法であ
る(例:エポキシ樹脂マトリックスとして分子量100
0〜5000のポリエーテルを添加する)。
とによって、硬い板状物から柔軟性を有するシートの成
形が可能となり、液状で流し込む方法によって複雑な形
状の成形体を得ることも可能である。
く、他のゴム成分が併用されてもよく、通常のゴム組成
物に使用される添加剤が添加されたものであってもよ
い。また、架橋が施されたものであってもよい。上記ブ
チルゴムの粘着性を向上させるために、粘着付与剤が添
加されたものであってもよい。
ば、エクソンケミカル社製「#065」等が挙げられ
る。
可塑剤、油脂類、高分子低重合物等が挙げられる。
ン、ロジン誘導体、ダンマル、コーパル、クマロン・イ
ンデン樹脂、ポリテルペン、非反応性フェノール樹脂、
アルキッド樹脂、石油系炭化水素樹脂、キシレン樹脂、
エポキシ樹脂等が挙げられる。
は困難であるが、上記粘着付与樹脂と併用することによ
って、粘着性を向上させることができる。上記可塑剤と
しては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、リン酸エ
ステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、セバシ
ン酸エステル系可塑剤、リシノール酸エステル系可塑
剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、パラフ
ィン、塩化パラフィン、プロセスオイル等が挙げられ
る。
有し、可塑性付与と粘着調整剤の目的で用いられる。上
記油脂類としては、例えば、動物性油脂、植物性油脂、
鉱物油、シリコーン油等が挙げられる。
耐寒性向上、流動調整の目的を兼ねて使用することがで
きる。上記高分子低重合物としては、例えば、ブチルゴ
ムの低重合体、ポリ(1−)ブテン系樹脂の低重合体が
挙げられる。
来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したもので
ある。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱
分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、
濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素
酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸
化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグ
ラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持し
たままの結晶化合物である。
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和すること
により、上記中和処理された熱膨張性黒鉛が得られる。
れず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチ
ルアミン等が挙げられる。
金属化合物としては特に限定されず、例えば、カリウ
ム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム
等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩など
が挙げられる。
は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が、200
メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所
定の耐火断熱層が得られず、また、20メッシュより大
きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はある
が、樹脂分と混練する際に分散性が悪くなり、物性の低
下が避けられない。
としては、例えば、日本化成社製「CA−60S」、東
ソー社製「GREP−EG」、UCAR Carbon
社製「GRAFGUARD#160」、「GRAFGU
ARD#220」等が挙げられる。
カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。これらは単独
で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上
記含水無機物の市販品としては、例えば、水酸化アルミ
ニウムとして、粒径1μmの「H−42M」(昭和電工
社製)、粒径18μmの「H−31」(昭和電工社製)
が挙げられる。
って生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減
されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱残渣として
酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで残渣強
度が向上する点で特に好ましい。また、水酸化マグネシ
ウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度
領域が異なるため、併用することによって脱水効果を発
揮する温度領域が広くなり、より効果的な温度上昇抑制
効果が得られることから、両者の併用が好ましい。
トリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、
炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛等が挙げ
られる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が
併用されてもよい。炭酸カルシウムの市販品としては、
例えば、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石
カルシウム社製)、粒径8μmの「BF300」(白石
カルシウム社製)等が挙げられる。
ポリリン酸アンモニウムを使用した場合、ポリリン酸ア
ンモニウムとの反応で炭化膨張を促進すると考えられ
る。また、金属炭酸塩は有効な骨材として働き、燃焼後
に形状保持性の高い燃焼残渣を形成する。
働きをすることから、燃焼残渣の強度向上や熱容量の増
大に寄与するものと考えられ、上記含水無機物及び金属
炭酸塩以外に、他の無機充填剤を添加してもよい。
ては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは
1〜50μmである。上記含水無機物及び金属炭酸塩の
添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右する
ため粒径の小さいものが好ましいが、粒径が0.5μm
より小さくなると二次凝集が起こり分散性が悪くなる。
多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度
が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすること
によって樹脂組成物の粘度を低くすることができること
から、上記範囲の中でも粒径の大きいものが好ましい。
しかしながら、粒径が100μmを超えると成形体の表
面性、樹脂組成物の力学的物性が低下する。
径は小さくなると、嵩が大きくなって高充填化が困難と
なるので、脱水効果を高めるために高充填するには粒径
の大きなものが好ましい。具体的には、粒径が18μm
では1.5μmの粒径に比べて充填限界量が約1.5倍
向上することが知られている。さらに、粒径の大きなも
のと小さなものとを組合わせることによって、より高充
填が可能となる。
範囲で他の無機充填剤を添加してもよく、このような無
機充填剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミ
ナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライ
ト類、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ
酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナ
イト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴ
ライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリ
カ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ
素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素
バルーン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、
硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジル
コン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭
化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、
スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられ
る。
きをすることから、残渣強度の向上や熱容量の増大に寄
与すると考えられる。上記無機充填剤は、単独で用いら
れてもよく、2種以上が併用されてもよい。
無機物及び金属炭酸塩の場合と同様の理由により、0.
5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μ
mである。
物及び中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が少なくな
ると、十分な熱膨張性が得られず、多くなると機械的物
性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなるので、
エポキシ樹脂100重量部に対して、両者の合計量で1
0〜300重量部となされる。
合物との重量比(熱膨張性黒鉛/リン化合物)は、0.
01〜9の範囲において燃焼残渣の形状保持性と高い耐
火性能を得ることができる。リン化合物の配合比率が多
くなると、膨張断熱層の形成が不十分なため十分な断熱
効果が得られない。また、中和処理された熱膨張性黒鉛
の配合比率が多くなると、燃焼時に膨張した黒鉛が飛散
し、十分な膨張断熱層が得られない。
物の配合量が少なくなると、耐火性能が不十分となり、
多くなると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐え
られなくなるので、エポキシ樹脂100重量部に対して
10〜300重量部となされる。
塩の配合量が少なくなると、耐火性能が不十分となり、
多くなると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐え
られなくなるので、エポキシ樹脂100重量部に対して
10〜300重量部となされる。
物及び中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が少なくな
ると、十分な熱膨張性が得られず、多くなると機械的物
性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなるので、
ブチルゴム100重量部に対して、両者の合計量で10
〜300重量部となされる。
合物との重量比(熱膨張性黒鉛/リン化合物)は、樹脂
組成物(I)と同様の理由により0.01〜9となされ
る。
物の配合量が少なくなると、十分な吸熱効果が得られな
いため耐火性能が不十分となり、多くなると機械的物性
の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなるので、ブ
チルゴム100重量部に対して10〜300重量部とな
される。
塩の配合量が少なくなると、耐火性能が不十分となり、
多くなると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐え
られなくなるので、ブチルゴム100重量部に対して1
0〜300重量部となされる。
において、エポキシ樹脂、ブチルゴム、中和処理された
熱膨張性黒鉛、含水無機物及び金属炭酸塩は、上記樹脂
組成物(I)、(II) と同様の成分が用いられる。
が、上記エポキシ樹脂、中和処理された熱膨張性黒鉛、
含水無機物及び金属炭酸塩からなる樹脂組成物(III)か
ら形成され、B層が、上記樹脂組成物(II)から形成さ
れる。
配合量は樹脂組成物(I)と同様の理由により、エポキ
シ樹脂100重量部に対して、中和処理された熱膨張性
黒鉛10〜300重量部、含水無機物10〜300重量
部、及び、金属炭酸塩10〜300重量部となされる。
が上記樹脂組成物(I)から形成され、B層が、上記ブ
チルゴム、中和処理された熱膨張性黒鉛、含水無機物及
び金属炭酸塩からなる樹脂組成物(IV) から形成され
る。
配合量は樹脂組成物(II)と同様の理由により、ブチル
ゴム100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒
鉛10〜300重量部、含水無機物10〜300重量
部、及び、金属炭酸塩10〜300重量部となされる。
が上記樹脂組成物(I)から形成され、B層が、上記ブ
チルゴム、中和処理された熱膨張性黒鉛、含水無機物及
び金属炭酸塩からなる樹脂組成物(IV) から形成され
る。
配合量は樹脂組成物(II)と同様の理由により、ブチル
ゴム100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒
鉛10〜300重量部、含水無機物10〜300重量
部、及び、金属炭酸塩10〜300重量部となされる。
が上記樹脂組成物(III)から形成され、B層が上記樹脂
組成物 (IV) から形成される。
い範囲で、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化
防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋
剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添加されてもよい。
リン、バーミキュライト、マイカ等の層状鉱物が添加さ
れてもよい。バーミキュライトは熱膨張性黒鉛よりも高
温で膨張を開始するため、使用用途、部位によって、中
和処理された熱膨張性黒鉛と併用することにより、より
効果的な耐火性能が発現可能となる。
ーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等公知の混
練装置を用いて混練することにより得ることができ、得
られた樹脂組成物を、例えば、押出成形、プレス成形、
カレンダー成形等、従来公知の成形方法によりシート状
に成形することによりA層及びB層が形成される。
層及びB層をそれぞれ成形した後で積層を行なってもよ
く、A層成形後にA層上にB層を押出成形によって積層
してもよい。後述の基材と積層する場合は、A層及びB
層をそれぞれ成形した後で基材と貼合わせてもよく、A
層、B層成形時に直接基材上へ押出成形してもよい。
用鉄骨(H型鋼等)を被覆するために用いられ、以下の
構成が挙げられる。 (イ)鉄骨/B層/A層 (ロ)鉄骨/B層/A層/B層/基材 (ハ)鉄骨/B層/A層/基材 (ニ)鉄骨/A層/B層/基材 (ホ)鉄骨/B層/A層/B層/基材/B層/基材 (ヘ)鉄骨/B層/基材/B層/A層
応じて使用されればよい。基材としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルム、これらの
樹脂フィルムのアルミ箔ラミネート物又はアルミ蒸着
物;アルミ箔等の金属箔、ラス金網、ガラス繊維からな
る不織布、割布、セラミックファイバーシート等の芯
材;鉄板、アルミ板、石膏ボード、ケイ酸カルシウム
板、セラミックウールブランケット、ロックウールボー
ド等の不燃材が用いられる。
トの最外層には炎を遮断可能な鉄板、アルミ板等の金属
板や、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、セラミックウ
ールブランケット、ロックウールボード等の不燃材を設
けることが好ましい。
布、セラミックファイバーシートのような芯材を用いる
と、加熱時の溶融だれを防止する効果、燃焼残渣の形状
保持性を向上させる効果、耐火性多層シートの性能を強
化する効果等を付与することができる。
着性のない樹脂組成物から形成される場合は、A層単独
では他部材との積層はビス等の固定ジグを用いない限り
困難であるが、B層と積層することにより粘着性が付与
されるため、後加工性も向上する。B層を形成する樹脂
組成物が液状の場合は、部材への流し込みや後硬化を行
なってもよい。
とによって、燃焼残渣の形状保持性が制御可能である。
B層自身は形状保持性が不足するため、B層を最外層と
する場合は使用部位が限定される。しかし、B層を多材
で挟み込むような構成の場合は、燃焼時にB層が膨張し
た燃焼残渣で間隙が充填されるため、燃焼残渣の脱落が
なく、十分な耐火性能を発現する。
め、施工性がよく、燃焼時に発泡膨張して耐火断熱層を
形成し、耐火性能を発現する。即ち、A層は燃焼時に発
泡膨張して燃焼残渣による耐火断熱層を形成し、得られ
た耐火断熱層は十分な形状保持性を有することによっ
て、十分な耐火性を発現する。さらに、エポキシ樹脂は
樹脂自身が燃焼時に炭化層を形成するため、より強固な
耐火断熱層となり、十分な耐火性能を発現する。
るが粘着性の調節によって、施工部材やその他の部材と
の接着、仮止めを容易に行なうことができる。さらに、
燃焼時に発泡膨張して燃焼残渣による耐火断熱層を形成
し、得られた耐火断熱層は十分な形状保持性を有するこ
とによって、耐火性の向上に寄与する。
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製
「E807」)又はウレタン変性ビスフェノールA型エ
ポキシモノマー(油化シェル社製「E292」)、ジア
ミン系硬化剤(油化シェル社製「EKFL052」)、
中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「GREP−
EG」)、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製「テラ
ージュC80」)、水酸化アルミニウム(昭和電工社製
「H−31」)、及び、炭酸カルシウム(備北粉化社製
「ホワイトンBF−300」)を混練ロールで混練し
て、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を0.5m
m厚の鉄板に塗布し、100℃で30分間プレス成形し
て硬化させ、所定厚みのA層を得た。
ソンケミカル社製「#052」)、ポリブテン(出光石
油化学社製「100R」)、水添石油樹脂(トーネック
ス社製「エスコレッツ5320」)、中和処理された熱
膨張性黒鉛(東ソー社製「GREP−EG」)、ポリリ
ン酸アンモニウム(チッソ社製「テラージュC8
0」)、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「H−3
1」)、及び、炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイ
トンBF−300」)を混練ロールで混練して、樹脂組
成物を得た。得られた樹脂組成物を100℃で3分間プ
レス成形して、所定厚みのB層を得た。
して、A層/B層、又は、A層/B層/鉄板の構成を有
する耐火性多層シートを得た。
ビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−11
7S」)、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社製「テラ
ージュC80」)、メラミン(和光純薬社製)及びペン
タエリスリトール(三井東圧化学社製)を混練ロールで
混練して、所定厚みのシート状のA層を得た。また、表
1に示した配合量の、SBR(日本合成化学社製)、天
然ゴム、水添ロジンエステル、トリメチルハイドロキノ
ン、液状エポキシ樹脂(油化シェル社製「エピコート8
28」)、硬化剤(四国化成社製「キュアゾール」)及
びプロセスオイルを混練ロールで混練して、所定厚みの
シート状のB層を得た。上記A層、B層及びケイ酸カル
シウム板から、A層/ケイ酸カルシウム板/B層の構成
を有する耐火性多層シートを得た。
を耐火性多層シートとして使用した。
を耐火性多層シートとして使用した。
性能評価を行い、その結果を表1及び3に示した。 (1)耐火性 上記耐火性多層シートを100mm×100mm×3m
mに切断して試験片とし、この試験片を水平に設置した
状態でコーンカロリーメーター(アトラス社製「CON
E2A」)を用いて、35kW/m2 の熱量を亜鉛鉄板
側から30分間照射して燃焼させ、試験片の裏面(照射
側と反対側)の温度をサーモビュア(日本電子データム
社製)を用いて測定した。試験片の裏面の温度が260
℃以下のものを○、260℃を超えるものを×で表示し
た。
定する際に、耐火性多層シートのみで固定できたものを
○、他の部材(例えばジグや支持材)を必要としたもの
を×で表示した。
て、実施例1と比較例3については、上記(1)で得ら
れた燃焼残渣を0.1cm/秒の速度で圧縮し、燃焼残
渣の破断強度を測定した。破断強度が、2kg/cm2
以上のものを◎、2kg/cm2 未満のものを○で表示
した。
のものでも十分に自立するが、より高い方が落錘試験等
が必要な場合に有利である。実施例1のA層/B層構成
のシートは、比較例3のB層単層構成のシートに比べて
有利なことが分かる。
成であり、加熱時に膨張断熱層を形成し、さらにその形
状を保持することによって顕著な耐火性能を発現するた
め、幅広い用途に使用可能である。この耐火性多層シー
トは、通常の設備で成形可能であり、例えば、建築物の
鉄骨被覆用途等に好適に使用することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 厚みが0.5〜10mmであるA層の少
なくとも片面に、厚みが0.02〜5mmであるB層が
積層された耐火性多層シートであって、 前記A層が、エポキシ樹脂100重量部に対して、リン
化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量10〜
300重量部、含水無機物10〜300重量部、及び、
金属炭酸塩10〜300重量部を含有し、かつ、中和処
理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比(熱膨張
性黒鉛/リン化合物)が0.01〜9である樹脂組成物
(I)から形成され、 前記B層が、ブチルゴム100重量部に対して、リン化
合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量10〜3
00重量部、含水無機物10〜300重量部、及び、金
属炭酸塩10〜300重量部であり、かつ、中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比(熱膨張性黒
鉛/リン化合物)が0.01〜9である樹脂組成物(I
I)から形成されてなることを特徴とする耐火性多層シ
ート。 - 【請求項2】 厚みが0.5〜10mmであるA層の少
なくとも片面に、厚みが0.02〜5mmであるB層が
積層された耐火性多層シートであって、 前記A層が、エポキシ樹脂100重量部に対して、中和
処理された熱膨張性黒鉛10〜300重量部、含水無機
物10〜300重量部、及び、金属炭酸塩10〜300
重量部である樹脂組成物(III)から形成され、 前記B層が、ブチルゴム100重量部に対して、リン化
合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量10〜3
00重量部、含水無機物10〜300重量部、及び、金
属炭酸塩10〜300重量部を含有し、かつ、中和処理
された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比(熱膨張性
黒鉛/リン化合物)が0.01〜9である樹脂組成物
(II)から形成されてなることを特徴とする耐火性多層
シート。 - 【請求項3】 厚みが0.5〜10mmであるA層の少
なくとも片面に、厚みが0.02〜5mmであるB層が
積層された耐火性多層シートであって、 前記A層が、エポキシ樹脂100重量部に対して、リン
化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量10〜
300重量部、含水無機物10〜300重量部、及び、
金属炭酸塩10〜300重量部を含有し、かつ、中和処
理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比(熱膨張
性黒鉛/リン化合物)が0.01〜9である樹脂組成物
(I)から形成され、 前記B層が、ブチルゴム100重量部に対して、中和処
理された熱膨張性黒鉛10〜300重量部、含水無機物
10〜300重量部、及び、金属炭酸塩10〜300重
量部を含有する樹脂組成物(IV)から形成されてなるこ
とを特徴とする耐火性多層シート。 - 【請求項4】 厚みが0.5〜10mmであるA層の少
なくとも片面に、厚みが0.02〜5mmであるB層が
積層された耐火性多層シートであって、 前記A層が、エポキシ樹脂100重量部に対して、中和
処理された熱膨張性黒鉛10〜300重量部、含水無機
物10〜300重量部、及び、金属炭酸塩10〜300
重量部である樹脂組成物(III)から形成され、 前記B層が、ブチルゴム100重量部に対して、中和処
理された熱膨張性黒鉛10〜300重量部、含水無機物
10〜300重量部、及び、金属炭酸塩10〜300重
量部を含有する樹脂組成物(IV)から形成されてなるこ
とを特徴とする耐火性多層シート。 - 【請求項5】 上記エポキシ樹脂が可撓性を付与された
ものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
項に記載の耐火性多層シート。
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---|---|---|---|
JP11026306A JP2000218736A (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | 耐火性多層シート |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11026306A JP2000218736A (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | 耐火性多層シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000218736A true JP2000218736A (ja) | 2000-08-08 |
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1999
- 1999-02-03 JP JP11026306A patent/JP2000218736A/ja active Pending
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