JP2004255939A - デテントピン及びデテントピンの組付方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】デテントピン及びデテントピンの組付方法において、デテントピンをシフトレバーの側面に貫通してレバースリットの摺動部で摺動自在に保持させ、デテントピンをプレス機で圧入することなく組み付けを可能とし、プレス機が不要となり、また、組立工順、スペース、レイアウト等での制約をなくし、更に、デテントピンによるレバースリットの周りのシフトレバーの損傷を回避し、デテントピンを円滑に動作させ、シフトフィーリングに悪影響を与えるのを防止することにある。
【構成】デテントピンをレバースリットの挿入部からデテントロッドの駒の挿入孔へ挿入した後に、デテントピンを幅方向に移動させてデテントロッドの駒とデテントピンとを係合させ、この駒とデテントピンとを係合した状態で、デテントピンをレバースリットの摺動部まで引き上げて摺動自在に保持している。
【選択図】 図1
【構成】デテントピンをレバースリットの挿入部からデテントロッドの駒の挿入孔へ挿入した後に、デテントピンを幅方向に移動させてデテントロッドの駒とデテントピンとを係合させ、この駒とデテントピンとを係合した状態で、デテントピンをレバースリットの摺動部まで引き上げて摺動自在に保持している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デテントピン及びデテントピンの組付方法に係り、特に自動変速機のシフトレバー装置(セレクタ)のデテントピン及びデテントピンの組付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、搭載した内燃機関の駆動力を走行条件に応じて所要に変換して取出すために、自動変速機や手動変速機が備えられている。
【0003】
自動変速機を備えた車両のシフトレバー装置(セレクタ)においては、中空状のシフトレバーの上端側に装着したノブの押しボタンの操作でシフトレバーの内部を移動するデテントロッドと、このデテントロッドと共にシフトレバーに軸方向に移動可能に配置されたデテントピンと、シフトレバー内に縮設されてデテントピンをノブ側に付勢するデテントスプリングとを備えたものがある。
【0004】
つまり、シフトレバー装置においては、図25、26に示す如く、中空状のシフトレバー202の両側面に通常操作範囲の長さFで縦長のレバースリット204・204を形成し、シフトレバー202内には上端側に装着したノブの押しボタン(図示せず)に連結されたデテントロッド206を収納して設け、このデテントロッド206の下部位に大径の駒208を形成し、この駒208には横方向から挿入孔210を形成し、そして、横方向からレバースリット204と挿入孔210とを経てデテントピン212をプレス機で圧入して挿入させ、このデテントピン212の中央部位のローレット部214を挿入孔210に圧入して固定している。また、デテントピン212は、デテントロッド206への組付後に、図24に示す如く、レバースリット204内の通常操作範囲Fで、上下移動される。更に、シフトレバー202の下端側は、レバー支持部材216によって支持されている。
【0005】
また、従来、シフトレバー装置のデテントピンの組付方法には、デテントピンの中央部位にシフトレバーの内径よりも小さく、縦溝の横幅よりも大きな直径の偏平部を形成しておき、この偏平部を縦にして縦溝からデテントピンをシフトレバーに挿入した後、偏平部がシフトレバーの内部で横になるようにデテントピンを回し、シフトレバーの下部に収納されたデテントスプリングの弾発力により、その状態を保持させるものがある(例えば、特許文献1参照)。また、シフトレバー内のデテントロッドの下端に嵌合部を形成し、この嵌合部にデテントピンを嵌合し、このデテントピンを、シフトレバーの長孔に貫通するとともに、デテントプレートのデテント孔に係合し、シフトレバーの誤操作を防止し、また、組立時に、嵌合部へのデテントピンの嵌合に際しては、長孔のガイド孔部に連続して形成された幅広部からデテントピンを挿入したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−1784号公報(第2、3頁、図4)
【特許文献2】
実開平6−18755号公報(明細書第7〜9頁、図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来、自動変速機のシフトレバー装置においては、図25、26に示す如く、デテントピンをシフトレバー内のデテントロッドの駒へ圧入していることから、プレス機が必要になるとともに、組立工順、スペース、レイアウト等の制約を受けるという不都合があった。また、デテントピンが上下移動する通常操作範囲Fでデテントピンを駒の挿入孔に圧入すると、デテントピンのローレット部でレバースリットの周りのシフトレバーが損傷し易くなり、デテントピンの動作時に、デテントピンが円滑に動くことができず、シフトフィーリングに悪影響を与えてしまうという不都合があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、中空状のシフトレバーの両側面に摺動部と幅広の挿入部とを備えた縦長のレバースリットを形成し、前記シフトレバー内には該シフトレバーの上端側に装着したノブの押しボタンに連結されたデテントロッドを収納して設け、このデテントロッドの下部位にはデテントピンに連結される駒を形成し、この駒に前記デテントピンの挿入孔を形成し、この挿入孔の内面にはロッド側係合部を形成し、前記デテントピンの側面にはピン側係合部を形成し、前記デテントピンを前記レバースリットの前記挿入部から前記駒の前記挿入孔へ挿入し、前記デテントピンを幅方向に移動させて前記デテントピンの前記ピン側係合部と前記駒の前記ロッド側係合部とを係合させ、前記デテントピンを前記駒に係合させた状態で前記レバースリットの前記挿入部から前記摺動部に移動させることにより、前記デテントピンを前記シフトレバーの側面から貫通し且つ前記レバースリットの前記摺動部で摺動自在に保持させたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明は、デテントピンをレバースリットの挿入部から駒の挿入孔へ挿入した後に、デテントピンを幅方向に移動させてデテントロッドの駒とデテントピンとを係合させ、この駒とデテントピンとを係合した状態で、デテントピンをレバースリットの摺動部まで引き上げることにより、デテントピンをシフトレバーの側面に貫通してレバースリットの摺動部で摺動自在に保持させることができ、これにより、デテントピンをプレス機で圧入することなく組み付けが可能となり、よって、プレス機が不要となり、また、組立工順、スペース、レイアウト等での制約をなくし、更に、デテントピンによるレバースリットの周りのシフトレバーの損傷を回避し、デテントピンを円滑に動作させ、シフトフィーリングに悪影響を与えるのを防止することができる。
【0010】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜21は、この発明の第1実施例を示すものである。図15において、2は自動変速機を備えた車両(図示せず)に搭載されたシフトレバー装置、4はシフトレバー、6はベース部材、8はケースである。シフトレバー装置2は、いわゆる手動変速(マニュアル)モード付きセレクタであり、自動変速モード(ATモード)のドライブ(D)ポジションで、手動変速モード(MTモード)にすることができるものである。シフトレバー4は、中空状(筒状)のレバー軸10の上端側にノブ12を備えて構成されている。このノブ12の上部位には、押しボタン14が押し・戻し可能に設けられている。
【0011】
ケース8の上部位のケース上部16には、図16に示す如く、シフトレバー4を移動可能とするレバー用孔部18が形成されている。このレバー用孔部18は、車両の前後方向に指向した自動変速(AT)用のシフト路20Aと、この自動変速用のシフト路20Aと平行に配置された手動変速(MT)用のシフト路20Mと、自動変速用のシフト路20Aと手動変速用のシフト路20Mとを連絡する連絡用のシフト路20Cとを形成するように、自動変速側長孔18Aと手動変速側長孔18Mとの側方同士が連通して形成されている。また、このケース上部16には、シフトレバー4の自動変速用のシフト路20A側の各シフトポジションの自動変速側表示部(P、R、N、D、L)22Aと、シフトレバー4の手動変速用のシフト路20M側のシフトポジションの手動変速側表示部(+:アップシフト、−:ダウンシフト)22Mとが設けられている。
【0012】
また、ケース上部16のレバー用孔部18の内周面には、図17、18に示す如く、ケース8内で発生した騒音を防止する吸音クッション材24が設けられているとともに、手動変速モード時にシフトレバー4のシフト状態(アップシフト・ダウンシフト)を検出するシフト位置スイッチ26が設けられている。
【0013】
シフトレバー4のレバー軸10の下端側は、図15、17、19、20に示す如く、ケース上部16からベース部材6内に挿入して配設され、レバー下部部材28によって支持されている。このレバー下部部材28は、図20に示す如く、シフトレバー4のレバー軸10の下端側を支持して車両の左右方向に延びるレバー支持部30と、このレバー支持部30の車両の前方側で且つ下方に連設した前側支持部32−1と、レバー支持部30の車両の後方側で且つ下方に連設した後側支持部32−2とからなり、また、レバー支持部30の車両の左方に突設したレバー側係合爪34を備えている。
【0014】
また、シフトレバー4には、図13、14、19に示す如く、デテント機構36が設けられる。
【0015】
このデテント機構36において、図1に示す如く、中空状のシフトレバー4のレバー軸10の両側面には、縦長のレバースリット38・38が対峙して形成されている。
【0016】
このレバースリット38は、図2に示す如く、上側の摺動部40と下側で幅広の挿入部42とを備え、この第1実施例において、この摺動部40と幅広の挿入部42とが角部44を介して、例えば、正面視でL字形状に形成されている。つまり、レバースリット38において、摺動部40は、幅方向Xの幅A1で且つ縦方向Yで、後述のデテントピン48の通常操作範囲Fを含んだ長さA2に形成され、一方、挿入部42は、摺動部40の下端に連設し、摺動部40の幅A1よりも幅広になるように、幅方向Xの側方に延長した幅A3で且つ長さA4に形成されている。
【0017】
また、シフトレバー4のレバー軸10内には、図1に示す如く、上端側に装着したノブ12の押しボタン14に連結されたデテントロッド46が収納して設けられている。このデテントロッド46の下部位には、デテントピン48に連結される大径の駒50が形成されている。この駒50は、デテントロッド46の下部位で該デテントロッド46の外径よりも大きく且つ駒50の外径よりも小さな段差部50を介してデテントロッド46の下部位に形成されている。
【0018】
この駒50には、図1、3に示す如く、横方向からデテントピン48の挿入孔50が貫通して形成されている。この挿入孔50は、前記レバースリット38の挿入部42の幅方向Xの幅A3と略同一の幅B1で且つ前記レバースリット38の挿入部42の縦方向Yの長さA4よりも小さな長さB2の四角形状で、駒50の両側面に貫通して形成されている。
【0019】
また、この挿入孔50の中央部位の一側内面50Aには、図3に示す如く、中心側に凸形状のロッド側係合部56が形成されている。このロッド側係合部56は、挿入孔54の一側内面50Aから幅方向Xに幅C1で且つ一側内面50Aに沿って長さC2に形成されている。従って、この挿入孔54内においては、ロッド側係合部56の存在する部位では、他側内面50Bとの間で、ロッド側係合部56の幅方向Xの幅C1分だけ挿入孔42の幅B1よりも小さな幅C3の空間58が形成される。
【0020】
デテントピン48は、図4に示す如く、前記レバースリット38及び前記挿入孔54に挿通可能なように、四角形状に形成され、前記空間58の幅C3よりも少し小さな幅D1で且つ高さD2で、しかも、所定の長さD3に形成されている。
【0021】
また、このデテントピン48には、図4に示す如く、幅方向Xの一側外面48Aの中央部位に、前記凸形状のロッド側係合部56に係合する凹形状のピン側係合部60が形成されている。このピン側係合部60は、溝形状であり、前記凸形状のロッド側係合部56を嵌入させるように、前記ロッド側係合部56の幅C1よりも少し大きな幅E1で且つ前記ロッド側係合部56の長さC2よりも少し大きな長さE2に形成されている。よって、デテントピン48の中央部位の一側外面48Aには、ピン側係合部60の部位で、厚さE3のが肉薄部62が形成される。
【0022】
つまり、デテント機構36においては、中空状のシフトレバー4のレバー軸10の両側面に縦長のレバースリット38・38を形成し、レバー軸10内には上端側に装着したノブ12の押しボタン14に連結されたデテントロッド46を収納して設け、このデテントロッド46の下部位に駒50を形成し、この駒50に連結されてレバー軸10の両側面に貫通して前記レバースリット38内を摺動するデテントピン48が設けられる。レバースリット38は、摺動部40と幅広の挿入部42とを備えている。駒50には、デテントピン48の挿入孔54を形成している。この挿入孔54の内面の中央部位には、凸形状のロッド側係合部56を形成する。デテントピン48の一側面の中央部位には、凹形状のピン側係合部60を形成する。そして、デテントピン48を幅方向Xに移動させてデテントピン48のピン側係合部60とデテントロッド46のロッド側係合部56とを係合させ、デテントピン48を駒50に係合させた状態で、このデテントピン48と駒50とをレバースリット38の挿入部42から上方の摺動部40に移動させることにより、シフトレバー4のレバー軸10のレバースリット38内で縦方向に摺動自在に保持される構造である。
【0023】
前記デテント機構36は、シフトレバー4のノブ12に設けた押しボタン14の押し・戻し操作とデテントスプリング64のばね力とにより、レバー軸10内のデテントロッド46を上下方向に移動させ、図19に示す如く、デテントピン48をベース部材6の側壁72・72のデテント用開口部72A・72Aのシフト段部72B・72Bに係合・離脱させ、シフトレバー6のシフト位置からの遊動を規制している。
【0024】
また、デテントロッド46の下部位は、図5、6に示す如く、下方がデテントスプリング64を介してシフトレバー4のレバー軸10に保持されている。このデテントスプリング64の上端は、デテントロッド46の下面のスプリング当接部66に係止されている。
【0025】
従って、図6に示す如く、レバースリット38と駒50の挿入孔54とロッド側係合部56とデテントピン48とこのデテントピン48のピン側係合部60との各寸法は、A3(B1)>A1>C3(D1)>C1(E1)の関係にある。
【0026】
これにより、デテントピン48の端部位をシフトレバー4のレバー軸10のレバースリット38の挿入部42に差し込み、この場合、デテントピン48の端部位の幅D1は、レバー軸10のレバースリット38の挿入部42の幅A3よりも小さいので、デテントピン48の端部位をレバースリット38の挿入部42に差し込みが容易である。その後、デテントピン48の中央部位のピン側係合部60と挿入孔54の中央部位のロッド側係合部56とが互いに噛み合うように、デテントピン48を駒50の挿入孔54から押進して挿入し、この場合も、デテントピン48の幅D1は、レバースリット38の挿入部42の幅A3及び挿通孔54の空間58の幅C3よりも小さいので、デテントピン48の挿入部42及び挿通孔54への差し込みが容易である。その後、デテントピン48のピン側係合部60が駒50のロッド側係合部56に達すると、デテントピン48と駒50とはロッド側係合部56の凸部により略タイトな状態となるが、デテントピン48のピン側係合部60が駒50のロッド側係合部56にまで達し、そして、このピン側係合部60とロッド側係合部56とが噛み合った後は、ロッド側係合部56とは反対側の他側内面50B側でデテントピン48との間で隙間Sができる。その後、デテントピン48のピン側係合部60とロッド側係合部56とを、互いに噛み合わせた状態で、レバースリット38の摺動部40まで引き上げ、このとき、レバースリット38の挿入部42においては、隙間Sが存在し、容易に引き上げることができる。そして、レバースリット38の摺動部40までデテントピン48と駒50とが引き上げられると、デテントピン48と駒50とが略タイトな状態となり、デテントピン48が静止状態となるものである。
【0027】
前記レバー下部部材28のレバー支持部30には、図20に示す如く、車両の左右方向に指向させて、デテントピン48を挿通させるデテントピン挿通孔30Aが形成されている。
【0028】
このレバー下部部材28においては、図20に示す如く、対峙する前側支持部32−1及び後側支持部32−2の各下端には、軸心が車両の前後方向に指向する前側セレクト軸装着孔32−1A及び後側セレクト軸装着孔32−2Aが形成されている。この前側セレクト軸装着孔32−1A及び後側セレクト軸装着孔32−2Aには、図15に示す如く、車両の前後方向に指向したセレクト軸76の両端が夫々装着されている。
【0029】
前記前側支持部32−1及び後側支持部32−2間には、図18、19に示す如く、接続部材70が設けられる。この接続部材70は、図18、19に示す如く、車両の前後方向に延びるセレクト軸保持部78と車両の左右方向に延びるシフト軸保持部74とからなる。セレクト軸保持部78には、前記セレクト軸76を挿通するセレクト軸挿通孔76Aが車両の前後方向に指向させて形成されている。セレクト軸保持部78に連設したシフト軸保持部74には、シフト軸68を挿通するように、車両の左右方向に指向させたシフト軸挿通孔68Aが形成されている。また、シフト軸保持部74の上部には、図19に示す如く、後述するキャップ部材82の他端側が弾接される膨出部80が、セレクト軸挿通孔76Aを中心とする回転曲面形状に形成されている。
【0030】
前記接続部材70は、図19に示す如く、シフト軸保持部74のシフト軸挿通孔68Aに、車両の左右方向に指向するシフト軸68の車両の右方側の小径部68−1を挿通している。シフト軸68には、車両の左方側の大径部68−2に後述する連動部材84(アーム)が回動自在に軸支して設けられ、両端がベース部材6の左右の側壁72・72の各シフト軸装着孔72C・72Cに夫々装着されている。
【0031】
また、シフトレバー4のレバー軸10の下端側には、図14、19に示す如く、接続部材70に摺接するキャップ部材82が設けられている。これにより、シフトレバー4は、セレクト軸76を介してセレクト方向へ回動自在に軸支される。
【0032】
また、シフト軸68には、図15、19に示す如く、連動部材(アーム)84が回転可能に取り付けられる。この連動部材84には、中央ボス部86の上方に延設してアーム側凹部88が形成された上側アーム部90と、中央ボス部86の下方に延設してシフトケーブル(図示せず)を接続するケーブル取付具92を設けた下側アーム部94と、車両の前方側で斜めに指向した傾斜側アーム部96とからなる。
【0033】
この連動部材84のアーム側凹部88には、前記レバー軸10の下部位のレバー下部部材28のレバー側係合爪34が、自動変速モードで係合する一方、手動変速モードでは解除可能に設けられている。
【0034】
この連動部材84は、図示しないが、シフトケーブルを介して自動変速機に接続され、シフトレバー4が自動変速用のシフト路20Aにあるときに、シフトレバー4と一体のレバー側係合爪34に係合、つまり、アーム側凹部88とレバー側係合爪34とが係合してシフト軸68を中心に回転されるとともに、シフトレバー4が手動変速用のシフト路20Mにあるときには、シフトレバー4と一体のレバー側係合爪34への係合が解除、つまり、アーム側凹部88とレバー側係合爪34との係合が解除されて回転しないものである。
【0035】
連動部材84と該連動部材84の上方を覆うケース上部16との間には、節度機構98が設けられる。
【0036】
この節度機構98は、図17に示す如く、ケース上部16の内周面で自動変速用の各シフト位置(P、R、N、D、L)に合わせて形成された複数の各凹部である各シフト位置凹部100(P、R、N、D、L)と、連動部材84の傾斜側アーム部96の先端側の係合孔102に基端側を係止した板バネ104の先端側で各シフト位置凹部(P、R、N、D、L)100に係合可能に形成された係合子104Aとからなる。この係合子104Aは、板バネ104を介して連動部材84に取り付けられ、図15、17に示す如く、板バネ104の自由端部104E側で、各シフト位置凹部100に係合するように、上方に突出して凸形状に形成されている。
【0037】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0038】
シフトレバー装置2においては、シフトレバー4のシフトノブ12の押しボタン14の押し・戻し操作により、デテントロッド46を介してデテントピン48をレバースリット38内の通常操作範囲Fで上下方向に移動させ、シフトレバー4を移動してシフトの変更が行われる。
【0039】
つまり、自動変速モードの場合には、図16に示す如く、シフトレバー4が自動変速用のシフト路20Aにおいて車両の前後方向に移動され、このシフトレバー4の移動と共に、アーム側凹部88とレバー側係合爪34とが係合していることで、シフトレバー4と連動部材84とが一体的に動作し、そして、この連動部材84が、シフト軸68を中心に、P−R−D−Lと回転することで、シフトケーブルが操作される。
【0040】
一方、自動変速モードで、シフトレバー4がドライブ(D)ポジションのときに、シフトレバー4を自動変速用のシフト路20Aから手動変速用のシフト路20M側に移動した手動変速モードの場合には、シフトレバー4がセレクト軸76を中心に車両の右方で手動変速用のシフト路20Mに移動されると、アーム側凹部88とレバー側係合爪34との係合が解除され、そして、シフトレバー4は、シフト軸68を中心に(+)側又は(−)側に回転される。
【0041】
ところで、デテントピン48の組付時においては、図7、8に示す如く、デテントピン48の端部位をシフトレバー4のレバー軸10のレバースリット38の挿入部42に差し込む。この場合、デテントピン48の端部位の幅D1は、レバー軸10のレバースリット38の挿入部42の幅A3よりも小さいので、デテントピン48の端部位をレバースリット38の挿入部42に容易に差し込むことができる。
【0042】
その後、デテントピン48の中央部位のピン側係合部60と駒50の挿入孔54内のロッド側係合部56とが互いに噛み合うように、デテントピン48を前記挿入部42から駒50の挿入孔54に押進して挿入する。この場合も、デテントピン48の幅D1は、レバースリット38の挿入部42の幅A3及び挿通孔54の空間58の幅C3よりも小さいので、デテントピン48の挿入部42及び挿通孔54への差し込みが容易である。
【0043】
そして、図9、10に示す如く、デテントピン48のピン側係合部60が駒50の挿入孔54のロッド側係合部56に達すると、デテントピン48と駒50とはロッド側係合部56の凸部により略タイトな状態となるが、デテントピン48のピン側係合部60が駒50のロッド側係合部56にまで達して係合し、そして、このピン側係合部60とロッド側係合部56とが噛み合った後は、ロッド側係合部56とは反対側の他側内面50B側でデテントピン48との間で隙間Sができる。
【0044】
その後、図11、12に示す如く、デテントピン48のピン側係合部60とロッド側係合部56とを、互いに噛み合わせた状態で、レバースリット38の摺動部40まで引き上げ、このとき、レバースリット38の挿入部42においては、隙間Sがあり、容易に引き上げることができる。そして、レバースリット38の摺動部40までデテントピン48と駒50とが引き上げられると、摺動部40の幅A1が挿通部42の幅A3よりも小さいことから、デテントピン48と駒50とが略タイトな状態となり、デテントピン48が静止状態となる。
【0045】
つまり、デテントピン48のピン側係合部60を駒50の挿入孔54のロッド側係合部56に嵌め込むように、レバー軸10のレバースリット(L字形状)38に設けた差込スペースである挿入部42からデテントピン48を挿入する(図7参照)。このとき、駒50のロッド側係合部56を差込スペースである挿入部42の反対側にし、デテントピン48のピン側係合部60に相対するようにセットする。このデテントピン48のピン側係合部60と駒50のロッド側係合部56とを合わせて嵌め込み、そして、レバースリット38の上方に移動してデテントピン48の組み付けが完了する。そして、デテントピン48は、通常操作範囲Fでは、レバースリット38の差込スペースである挿入部42まで下方に移動しないので、外れることがない。これにより、手作業で、デテントピン48は、その抜け荷重が高くなり、抜けにくくなる。
【0046】
この結果、デテントピン48をレバースリット38の挿入部42から駒50の挿入孔54へ挿入した後に、デテントピン48を幅方向Xに移動させてデテントロッド46の駒50とデテントピン48とを係合させ、この駒50とデテントピン48とを係合した状態で、デテントピン48をレバースリット38の摺動部40まで引き上げることにより、デテントピン48を、レバースリット38の上方の摺動部40に移動してシフトレバー4のレバー軸10の両側面に貫通してレバースリット38の摺動部40で摺動自在に保持させることができ、これにより、デテントピン48をプレス機で圧入することなく組み付けが可能となり、よって、プレス機が不要となり、また、組立工順、スペース、レイアウト等での制約をなくし、更に、デテントピン48によるレバースリット38の周りのレバー軸10の損傷を回避し、デテントピン48を円滑に動作させ、シフトフィーリングに悪影響を与えるのを防止することができる。
【0047】
また、レバースリット38は摺動部40と幅広の挿入部42とを備え、駒50にデテントピン48の挿入孔54を形成し、この挿入孔48の内面にはロッド側係合部56を形成し、デテントピン48の側面にはピン側係合部60を形成し、デテントピン48を幅方向Xに移動させてデテントピン48のピン側係合部60とデテントロッド46のロッド側係合部56とを係合させ、デテントピン48を駒50に係合させた状態で、レバースリット38の挿入部42から上方の摺動部40に移動させることにより、デテントピン48をシフトレバーの側面から貫通させてレバースリット38の摺動部40で摺動自在に保持させたことから、デテントピン48をプレス機で圧入することなく組み付けが可能となり、よって、プレス機が不要となり、また、組立工順、スペース、レイアウト等での制約をなくし、更に、デテントピン48によるレバースリット38の周りのレバー軸10の損傷を回避し、デテントピン48を円滑に動作させ、シフトフィーリングに悪影響を与えるのを防止することができる。
【0048】
更に、ロッド側係合部56は、駒50の挿入孔54の中央部位に形成され、ピン側係合部60は、デテントピン48の中央部位に形成されたことにより、デテントピン48の組付操作を、安定的に行わせることができ、その組付作業能率を向上することができる。
【0049】
図22は、この発明の第2実施例を示すものである。
【0050】
以下の実施例においては、上述の第1実施例と同一機能を果す箇所には同一符号を付して説明する。
【0051】
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、レバースリット38の摺動部40と挿入部42とは、テーパ部112を介して形成されている。このテーパ部112は、デテントピン48の差込スペースである挿入孔42と通常操作範囲Fとをつなぐものである。また、第1実施例の図5、6に示す如く、デテントロッド46は、下方がデテントスプリング64を介してシフトレバー4に保持されている。
【0052】
この第2実施例の構成によれば、レバースリット38の摺動部40と挿入部42とが、テーパ部112を介して形成されているとともに、デテントロッド46の下方がデテントスプリング64を介してシフトレバー4に保持されていることから、デテントピン48のピン側係合部60とデテントロッド46の駒50の挿入孔54のロッド側係合部56を嵌合するだけで、下方からのデテントスプリング64の押し上げ力によりデテントピン48をデテントロッド46に嵌合させることができ、更に、デテントピン48の組付性を向上することができる。
【0053】
図23、24は、この発明の特別構成であり、第3実施例を示すものである。
【0054】
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、レバー軸10のレバースリット38において、挿入部42は、幅方向Xの側方に幅A3で且つ縦方向Yで長さA4に形成されているとともに、摺動部40は、挿入部42と同一中心上で、幅方向Xの幅A1が前記幅A3よりも小さく形成されている。これにより、摺動部40の前後側部位には、レバー軸10が中空状であることから、一側係合側部132R−1・132R−2及び他側係合側部132L−1・132L−2が形成される。また、デテントピン48には、レバー軸10の前後面の外側に位置して前側フランジ部134E−1及び後側フランジ部134E−2が突出して形成されている。この前側フランジ部134E−1及び後側フランジ部134E−2の外径Gは、挿入部42の幅A3よりも少し小さく形成されている。更に、駒50の挿入孔54の幅B1は、挿入部42の幅A3と略同一に形成されている。デテントピン48の幅D1は、摺動部40の幅A1よりも少し小さく形成されている。これにより、前側フランジ部134E−1及び後側フランジ部134E−2は、レバー軸10の挿入部42及び駒50の挿入孔54に挿入可能である。そして、デテントピン48が摺動部40に持ち上げられたときには、図23に示す如く、前記摺動部40周りの一側係合側部132R−1・132R−2及び他側係合側部132L−1・132L−2に前側フランジ部134E−1と後側フランジ部134E−2との間のデテントピン48の外周面が接する構成である。
【0055】
この第3実施例の構成によれば、デテントピン48の組付時に、このデテントピン48をレバースリット38の挿入部42及び駒50の挿入孔54に挿入し、そして、図24に示す如く、デテントピン48を摺動部40に持ち上げると、デテントピン48の前側フランジ部134E−1及び後側フランジ部134E−2がレバー軸10の前後面の外側に接し、デテントピン48をレバー軸10に通常操作範囲F内で摺動可能に設けることができ、よって、デテントピン48の外面に切欠きを形成することがなく、デテントピン48の剛性の低下を回避することができるとともに、構成が簡単で、故障も少なくすることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、デテントピンをレバースリットの挿入部からデテントロッドの駒の挿入孔へ挿入した後に、デテントピンを幅方向に移動させてデテントロッドの駒とデテントピンとを係合させ、この駒とデテントピンとを係合した状態で、デテントピンをレバースリットの摺動部まで引き上げたことにより、デテントピンをシフトレバーの側面に貫通してレバースリットの摺動部で摺動自在に保持させることができ、これにより、デテントピンをプレス機で圧入することなく組み付けが可能となり、よって、プレス機が不要となり、また、組立工順、スペース、レイアウト等での制約をなくし、更に、デテントピンによるレバースリットの周りのシフトレバーの損傷を回避し、デテントピンを円滑に動作させ、シフトフィーリングに悪影響を与えるのを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例において駒を収納したシフトレバーにデテントピンを組み付ける状態の斜視図である。
【図2】第1実施例においてレバー軸の側面に形成したL字形状のレバースリットの正面図である。
【図3】第1実施例においてデテントロッドの駒の斜視図である。
【図4】第1実施例においてデテントピンの斜視図である。
【図5】第1実施例においてデテントロッドの駒及びデテントスプリングを収納したシフトレバーの断面図である。
【図6】図5の駒の拡大断面図である。
【図7】第1実施例においてデテントピンをレバースリットの挿入部に挿入する時の正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線による断面図である。
【図9】第1実施例においてデテントピンを幅方向に移動してデテントピンのピン側係合部と駒の挿入孔のロッド側係合部とを係合した時の正面図である。
【図10】図9のX−X線による断面図である。
【図11】第1実施例においてデテントピンをレバースリットの摺動部まで引き上げた時の正面図である。
【図12】図11のXII−XII線による断面図である。
【図13】第1実施例においてシフトレバーの支持部位の正面図である。
【図14】第1実施例においてシフトレバーの支持部位の背面図である。
【図15】第1実施例においてシフトレバー装置の概略側面図である。
【図16】第1実施例においてシフトレバー装置の平面図である。
【図17】第1実施例において連動部材を取り付けたシフトレバー装置の側面図である。
【図18】第1実施例においてシフトレバー装置の断面図である。
【図19】第1実施例においてシフトレバー装置の拡大断面図である。
【図20】第1実施例においてレバー下部部材の斜視図である。
【図21】第1実施例においてシフトレバー装置の側面図である。
【図22】第2実施例においてテーパ部を備えたレバースリットの正面図である。
【図23】第3実施例においてデテントピンをレバースリットの挿入部に挿入した時の正面図である。
【図24】第3実施例においてデテントピンをレバースリットの摺動部に持ち上げた時の断面図である。
【図25】従来においてデテントピンをレバースリットに挿入する時の斜視図である。
【図26】従来においてデテントピンをレバースリットに挿入した状態の斜視図である。
【符号の説明】
2 シフトレバー装置
4 シフトレバー
8 ケース
10 レバー軸
12 ノブ
14 押しボタン
36 デテント機構
38 レバースリット
40 摺動部
42 挿入部
46 デテントロッド
48 デテントピン
50 駒
54 挿入孔
56 ロッド側係合部
60 ピン側係合部
64 デテントスプリング
68 シフト軸
70 接続部材
76 セレクト軸
【発明の属する技術分野】
この発明は、デテントピン及びデテントピンの組付方法に係り、特に自動変速機のシフトレバー装置(セレクタ)のデテントピン及びデテントピンの組付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、搭載した内燃機関の駆動力を走行条件に応じて所要に変換して取出すために、自動変速機や手動変速機が備えられている。
【0003】
自動変速機を備えた車両のシフトレバー装置(セレクタ)においては、中空状のシフトレバーの上端側に装着したノブの押しボタンの操作でシフトレバーの内部を移動するデテントロッドと、このデテントロッドと共にシフトレバーに軸方向に移動可能に配置されたデテントピンと、シフトレバー内に縮設されてデテントピンをノブ側に付勢するデテントスプリングとを備えたものがある。
【0004】
つまり、シフトレバー装置においては、図25、26に示す如く、中空状のシフトレバー202の両側面に通常操作範囲の長さFで縦長のレバースリット204・204を形成し、シフトレバー202内には上端側に装着したノブの押しボタン(図示せず)に連結されたデテントロッド206を収納して設け、このデテントロッド206の下部位に大径の駒208を形成し、この駒208には横方向から挿入孔210を形成し、そして、横方向からレバースリット204と挿入孔210とを経てデテントピン212をプレス機で圧入して挿入させ、このデテントピン212の中央部位のローレット部214を挿入孔210に圧入して固定している。また、デテントピン212は、デテントロッド206への組付後に、図24に示す如く、レバースリット204内の通常操作範囲Fで、上下移動される。更に、シフトレバー202の下端側は、レバー支持部材216によって支持されている。
【0005】
また、従来、シフトレバー装置のデテントピンの組付方法には、デテントピンの中央部位にシフトレバーの内径よりも小さく、縦溝の横幅よりも大きな直径の偏平部を形成しておき、この偏平部を縦にして縦溝からデテントピンをシフトレバーに挿入した後、偏平部がシフトレバーの内部で横になるようにデテントピンを回し、シフトレバーの下部に収納されたデテントスプリングの弾発力により、その状態を保持させるものがある(例えば、特許文献1参照)。また、シフトレバー内のデテントロッドの下端に嵌合部を形成し、この嵌合部にデテントピンを嵌合し、このデテントピンを、シフトレバーの長孔に貫通するとともに、デテントプレートのデテント孔に係合し、シフトレバーの誤操作を防止し、また、組立時に、嵌合部へのデテントピンの嵌合に際しては、長孔のガイド孔部に連続して形成された幅広部からデテントピンを挿入したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−1784号公報(第2、3頁、図4)
【特許文献2】
実開平6−18755号公報(明細書第7〜9頁、図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来、自動変速機のシフトレバー装置においては、図25、26に示す如く、デテントピンをシフトレバー内のデテントロッドの駒へ圧入していることから、プレス機が必要になるとともに、組立工順、スペース、レイアウト等の制約を受けるという不都合があった。また、デテントピンが上下移動する通常操作範囲Fでデテントピンを駒の挿入孔に圧入すると、デテントピンのローレット部でレバースリットの周りのシフトレバーが損傷し易くなり、デテントピンの動作時に、デテントピンが円滑に動くことができず、シフトフィーリングに悪影響を与えてしまうという不都合があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、中空状のシフトレバーの両側面に摺動部と幅広の挿入部とを備えた縦長のレバースリットを形成し、前記シフトレバー内には該シフトレバーの上端側に装着したノブの押しボタンに連結されたデテントロッドを収納して設け、このデテントロッドの下部位にはデテントピンに連結される駒を形成し、この駒に前記デテントピンの挿入孔を形成し、この挿入孔の内面にはロッド側係合部を形成し、前記デテントピンの側面にはピン側係合部を形成し、前記デテントピンを前記レバースリットの前記挿入部から前記駒の前記挿入孔へ挿入し、前記デテントピンを幅方向に移動させて前記デテントピンの前記ピン側係合部と前記駒の前記ロッド側係合部とを係合させ、前記デテントピンを前記駒に係合させた状態で前記レバースリットの前記挿入部から前記摺動部に移動させることにより、前記デテントピンを前記シフトレバーの側面から貫通し且つ前記レバースリットの前記摺動部で摺動自在に保持させたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明は、デテントピンをレバースリットの挿入部から駒の挿入孔へ挿入した後に、デテントピンを幅方向に移動させてデテントロッドの駒とデテントピンとを係合させ、この駒とデテントピンとを係合した状態で、デテントピンをレバースリットの摺動部まで引き上げることにより、デテントピンをシフトレバーの側面に貫通してレバースリットの摺動部で摺動自在に保持させることができ、これにより、デテントピンをプレス機で圧入することなく組み付けが可能となり、よって、プレス機が不要となり、また、組立工順、スペース、レイアウト等での制約をなくし、更に、デテントピンによるレバースリットの周りのシフトレバーの損傷を回避し、デテントピンを円滑に動作させ、シフトフィーリングに悪影響を与えるのを防止することができる。
【0010】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜21は、この発明の第1実施例を示すものである。図15において、2は自動変速機を備えた車両(図示せず)に搭載されたシフトレバー装置、4はシフトレバー、6はベース部材、8はケースである。シフトレバー装置2は、いわゆる手動変速(マニュアル)モード付きセレクタであり、自動変速モード(ATモード)のドライブ(D)ポジションで、手動変速モード(MTモード)にすることができるものである。シフトレバー4は、中空状(筒状)のレバー軸10の上端側にノブ12を備えて構成されている。このノブ12の上部位には、押しボタン14が押し・戻し可能に設けられている。
【0011】
ケース8の上部位のケース上部16には、図16に示す如く、シフトレバー4を移動可能とするレバー用孔部18が形成されている。このレバー用孔部18は、車両の前後方向に指向した自動変速(AT)用のシフト路20Aと、この自動変速用のシフト路20Aと平行に配置された手動変速(MT)用のシフト路20Mと、自動変速用のシフト路20Aと手動変速用のシフト路20Mとを連絡する連絡用のシフト路20Cとを形成するように、自動変速側長孔18Aと手動変速側長孔18Mとの側方同士が連通して形成されている。また、このケース上部16には、シフトレバー4の自動変速用のシフト路20A側の各シフトポジションの自動変速側表示部(P、R、N、D、L)22Aと、シフトレバー4の手動変速用のシフト路20M側のシフトポジションの手動変速側表示部(+:アップシフト、−:ダウンシフト)22Mとが設けられている。
【0012】
また、ケース上部16のレバー用孔部18の内周面には、図17、18に示す如く、ケース8内で発生した騒音を防止する吸音クッション材24が設けられているとともに、手動変速モード時にシフトレバー4のシフト状態(アップシフト・ダウンシフト)を検出するシフト位置スイッチ26が設けられている。
【0013】
シフトレバー4のレバー軸10の下端側は、図15、17、19、20に示す如く、ケース上部16からベース部材6内に挿入して配設され、レバー下部部材28によって支持されている。このレバー下部部材28は、図20に示す如く、シフトレバー4のレバー軸10の下端側を支持して車両の左右方向に延びるレバー支持部30と、このレバー支持部30の車両の前方側で且つ下方に連設した前側支持部32−1と、レバー支持部30の車両の後方側で且つ下方に連設した後側支持部32−2とからなり、また、レバー支持部30の車両の左方に突設したレバー側係合爪34を備えている。
【0014】
また、シフトレバー4には、図13、14、19に示す如く、デテント機構36が設けられる。
【0015】
このデテント機構36において、図1に示す如く、中空状のシフトレバー4のレバー軸10の両側面には、縦長のレバースリット38・38が対峙して形成されている。
【0016】
このレバースリット38は、図2に示す如く、上側の摺動部40と下側で幅広の挿入部42とを備え、この第1実施例において、この摺動部40と幅広の挿入部42とが角部44を介して、例えば、正面視でL字形状に形成されている。つまり、レバースリット38において、摺動部40は、幅方向Xの幅A1で且つ縦方向Yで、後述のデテントピン48の通常操作範囲Fを含んだ長さA2に形成され、一方、挿入部42は、摺動部40の下端に連設し、摺動部40の幅A1よりも幅広になるように、幅方向Xの側方に延長した幅A3で且つ長さA4に形成されている。
【0017】
また、シフトレバー4のレバー軸10内には、図1に示す如く、上端側に装着したノブ12の押しボタン14に連結されたデテントロッド46が収納して設けられている。このデテントロッド46の下部位には、デテントピン48に連結される大径の駒50が形成されている。この駒50は、デテントロッド46の下部位で該デテントロッド46の外径よりも大きく且つ駒50の外径よりも小さな段差部50を介してデテントロッド46の下部位に形成されている。
【0018】
この駒50には、図1、3に示す如く、横方向からデテントピン48の挿入孔50が貫通して形成されている。この挿入孔50は、前記レバースリット38の挿入部42の幅方向Xの幅A3と略同一の幅B1で且つ前記レバースリット38の挿入部42の縦方向Yの長さA4よりも小さな長さB2の四角形状で、駒50の両側面に貫通して形成されている。
【0019】
また、この挿入孔50の中央部位の一側内面50Aには、図3に示す如く、中心側に凸形状のロッド側係合部56が形成されている。このロッド側係合部56は、挿入孔54の一側内面50Aから幅方向Xに幅C1で且つ一側内面50Aに沿って長さC2に形成されている。従って、この挿入孔54内においては、ロッド側係合部56の存在する部位では、他側内面50Bとの間で、ロッド側係合部56の幅方向Xの幅C1分だけ挿入孔42の幅B1よりも小さな幅C3の空間58が形成される。
【0020】
デテントピン48は、図4に示す如く、前記レバースリット38及び前記挿入孔54に挿通可能なように、四角形状に形成され、前記空間58の幅C3よりも少し小さな幅D1で且つ高さD2で、しかも、所定の長さD3に形成されている。
【0021】
また、このデテントピン48には、図4に示す如く、幅方向Xの一側外面48Aの中央部位に、前記凸形状のロッド側係合部56に係合する凹形状のピン側係合部60が形成されている。このピン側係合部60は、溝形状であり、前記凸形状のロッド側係合部56を嵌入させるように、前記ロッド側係合部56の幅C1よりも少し大きな幅E1で且つ前記ロッド側係合部56の長さC2よりも少し大きな長さE2に形成されている。よって、デテントピン48の中央部位の一側外面48Aには、ピン側係合部60の部位で、厚さE3のが肉薄部62が形成される。
【0022】
つまり、デテント機構36においては、中空状のシフトレバー4のレバー軸10の両側面に縦長のレバースリット38・38を形成し、レバー軸10内には上端側に装着したノブ12の押しボタン14に連結されたデテントロッド46を収納して設け、このデテントロッド46の下部位に駒50を形成し、この駒50に連結されてレバー軸10の両側面に貫通して前記レバースリット38内を摺動するデテントピン48が設けられる。レバースリット38は、摺動部40と幅広の挿入部42とを備えている。駒50には、デテントピン48の挿入孔54を形成している。この挿入孔54の内面の中央部位には、凸形状のロッド側係合部56を形成する。デテントピン48の一側面の中央部位には、凹形状のピン側係合部60を形成する。そして、デテントピン48を幅方向Xに移動させてデテントピン48のピン側係合部60とデテントロッド46のロッド側係合部56とを係合させ、デテントピン48を駒50に係合させた状態で、このデテントピン48と駒50とをレバースリット38の挿入部42から上方の摺動部40に移動させることにより、シフトレバー4のレバー軸10のレバースリット38内で縦方向に摺動自在に保持される構造である。
【0023】
前記デテント機構36は、シフトレバー4のノブ12に設けた押しボタン14の押し・戻し操作とデテントスプリング64のばね力とにより、レバー軸10内のデテントロッド46を上下方向に移動させ、図19に示す如く、デテントピン48をベース部材6の側壁72・72のデテント用開口部72A・72Aのシフト段部72B・72Bに係合・離脱させ、シフトレバー6のシフト位置からの遊動を規制している。
【0024】
また、デテントロッド46の下部位は、図5、6に示す如く、下方がデテントスプリング64を介してシフトレバー4のレバー軸10に保持されている。このデテントスプリング64の上端は、デテントロッド46の下面のスプリング当接部66に係止されている。
【0025】
従って、図6に示す如く、レバースリット38と駒50の挿入孔54とロッド側係合部56とデテントピン48とこのデテントピン48のピン側係合部60との各寸法は、A3(B1)>A1>C3(D1)>C1(E1)の関係にある。
【0026】
これにより、デテントピン48の端部位をシフトレバー4のレバー軸10のレバースリット38の挿入部42に差し込み、この場合、デテントピン48の端部位の幅D1は、レバー軸10のレバースリット38の挿入部42の幅A3よりも小さいので、デテントピン48の端部位をレバースリット38の挿入部42に差し込みが容易である。その後、デテントピン48の中央部位のピン側係合部60と挿入孔54の中央部位のロッド側係合部56とが互いに噛み合うように、デテントピン48を駒50の挿入孔54から押進して挿入し、この場合も、デテントピン48の幅D1は、レバースリット38の挿入部42の幅A3及び挿通孔54の空間58の幅C3よりも小さいので、デテントピン48の挿入部42及び挿通孔54への差し込みが容易である。その後、デテントピン48のピン側係合部60が駒50のロッド側係合部56に達すると、デテントピン48と駒50とはロッド側係合部56の凸部により略タイトな状態となるが、デテントピン48のピン側係合部60が駒50のロッド側係合部56にまで達し、そして、このピン側係合部60とロッド側係合部56とが噛み合った後は、ロッド側係合部56とは反対側の他側内面50B側でデテントピン48との間で隙間Sができる。その後、デテントピン48のピン側係合部60とロッド側係合部56とを、互いに噛み合わせた状態で、レバースリット38の摺動部40まで引き上げ、このとき、レバースリット38の挿入部42においては、隙間Sが存在し、容易に引き上げることができる。そして、レバースリット38の摺動部40までデテントピン48と駒50とが引き上げられると、デテントピン48と駒50とが略タイトな状態となり、デテントピン48が静止状態となるものである。
【0027】
前記レバー下部部材28のレバー支持部30には、図20に示す如く、車両の左右方向に指向させて、デテントピン48を挿通させるデテントピン挿通孔30Aが形成されている。
【0028】
このレバー下部部材28においては、図20に示す如く、対峙する前側支持部32−1及び後側支持部32−2の各下端には、軸心が車両の前後方向に指向する前側セレクト軸装着孔32−1A及び後側セレクト軸装着孔32−2Aが形成されている。この前側セレクト軸装着孔32−1A及び後側セレクト軸装着孔32−2Aには、図15に示す如く、車両の前後方向に指向したセレクト軸76の両端が夫々装着されている。
【0029】
前記前側支持部32−1及び後側支持部32−2間には、図18、19に示す如く、接続部材70が設けられる。この接続部材70は、図18、19に示す如く、車両の前後方向に延びるセレクト軸保持部78と車両の左右方向に延びるシフト軸保持部74とからなる。セレクト軸保持部78には、前記セレクト軸76を挿通するセレクト軸挿通孔76Aが車両の前後方向に指向させて形成されている。セレクト軸保持部78に連設したシフト軸保持部74には、シフト軸68を挿通するように、車両の左右方向に指向させたシフト軸挿通孔68Aが形成されている。また、シフト軸保持部74の上部には、図19に示す如く、後述するキャップ部材82の他端側が弾接される膨出部80が、セレクト軸挿通孔76Aを中心とする回転曲面形状に形成されている。
【0030】
前記接続部材70は、図19に示す如く、シフト軸保持部74のシフト軸挿通孔68Aに、車両の左右方向に指向するシフト軸68の車両の右方側の小径部68−1を挿通している。シフト軸68には、車両の左方側の大径部68−2に後述する連動部材84(アーム)が回動自在に軸支して設けられ、両端がベース部材6の左右の側壁72・72の各シフト軸装着孔72C・72Cに夫々装着されている。
【0031】
また、シフトレバー4のレバー軸10の下端側には、図14、19に示す如く、接続部材70に摺接するキャップ部材82が設けられている。これにより、シフトレバー4は、セレクト軸76を介してセレクト方向へ回動自在に軸支される。
【0032】
また、シフト軸68には、図15、19に示す如く、連動部材(アーム)84が回転可能に取り付けられる。この連動部材84には、中央ボス部86の上方に延設してアーム側凹部88が形成された上側アーム部90と、中央ボス部86の下方に延設してシフトケーブル(図示せず)を接続するケーブル取付具92を設けた下側アーム部94と、車両の前方側で斜めに指向した傾斜側アーム部96とからなる。
【0033】
この連動部材84のアーム側凹部88には、前記レバー軸10の下部位のレバー下部部材28のレバー側係合爪34が、自動変速モードで係合する一方、手動変速モードでは解除可能に設けられている。
【0034】
この連動部材84は、図示しないが、シフトケーブルを介して自動変速機に接続され、シフトレバー4が自動変速用のシフト路20Aにあるときに、シフトレバー4と一体のレバー側係合爪34に係合、つまり、アーム側凹部88とレバー側係合爪34とが係合してシフト軸68を中心に回転されるとともに、シフトレバー4が手動変速用のシフト路20Mにあるときには、シフトレバー4と一体のレバー側係合爪34への係合が解除、つまり、アーム側凹部88とレバー側係合爪34との係合が解除されて回転しないものである。
【0035】
連動部材84と該連動部材84の上方を覆うケース上部16との間には、節度機構98が設けられる。
【0036】
この節度機構98は、図17に示す如く、ケース上部16の内周面で自動変速用の各シフト位置(P、R、N、D、L)に合わせて形成された複数の各凹部である各シフト位置凹部100(P、R、N、D、L)と、連動部材84の傾斜側アーム部96の先端側の係合孔102に基端側を係止した板バネ104の先端側で各シフト位置凹部(P、R、N、D、L)100に係合可能に形成された係合子104Aとからなる。この係合子104Aは、板バネ104を介して連動部材84に取り付けられ、図15、17に示す如く、板バネ104の自由端部104E側で、各シフト位置凹部100に係合するように、上方に突出して凸形状に形成されている。
【0037】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0038】
シフトレバー装置2においては、シフトレバー4のシフトノブ12の押しボタン14の押し・戻し操作により、デテントロッド46を介してデテントピン48をレバースリット38内の通常操作範囲Fで上下方向に移動させ、シフトレバー4を移動してシフトの変更が行われる。
【0039】
つまり、自動変速モードの場合には、図16に示す如く、シフトレバー4が自動変速用のシフト路20Aにおいて車両の前後方向に移動され、このシフトレバー4の移動と共に、アーム側凹部88とレバー側係合爪34とが係合していることで、シフトレバー4と連動部材84とが一体的に動作し、そして、この連動部材84が、シフト軸68を中心に、P−R−D−Lと回転することで、シフトケーブルが操作される。
【0040】
一方、自動変速モードで、シフトレバー4がドライブ(D)ポジションのときに、シフトレバー4を自動変速用のシフト路20Aから手動変速用のシフト路20M側に移動した手動変速モードの場合には、シフトレバー4がセレクト軸76を中心に車両の右方で手動変速用のシフト路20Mに移動されると、アーム側凹部88とレバー側係合爪34との係合が解除され、そして、シフトレバー4は、シフト軸68を中心に(+)側又は(−)側に回転される。
【0041】
ところで、デテントピン48の組付時においては、図7、8に示す如く、デテントピン48の端部位をシフトレバー4のレバー軸10のレバースリット38の挿入部42に差し込む。この場合、デテントピン48の端部位の幅D1は、レバー軸10のレバースリット38の挿入部42の幅A3よりも小さいので、デテントピン48の端部位をレバースリット38の挿入部42に容易に差し込むことができる。
【0042】
その後、デテントピン48の中央部位のピン側係合部60と駒50の挿入孔54内のロッド側係合部56とが互いに噛み合うように、デテントピン48を前記挿入部42から駒50の挿入孔54に押進して挿入する。この場合も、デテントピン48の幅D1は、レバースリット38の挿入部42の幅A3及び挿通孔54の空間58の幅C3よりも小さいので、デテントピン48の挿入部42及び挿通孔54への差し込みが容易である。
【0043】
そして、図9、10に示す如く、デテントピン48のピン側係合部60が駒50の挿入孔54のロッド側係合部56に達すると、デテントピン48と駒50とはロッド側係合部56の凸部により略タイトな状態となるが、デテントピン48のピン側係合部60が駒50のロッド側係合部56にまで達して係合し、そして、このピン側係合部60とロッド側係合部56とが噛み合った後は、ロッド側係合部56とは反対側の他側内面50B側でデテントピン48との間で隙間Sができる。
【0044】
その後、図11、12に示す如く、デテントピン48のピン側係合部60とロッド側係合部56とを、互いに噛み合わせた状態で、レバースリット38の摺動部40まで引き上げ、このとき、レバースリット38の挿入部42においては、隙間Sがあり、容易に引き上げることができる。そして、レバースリット38の摺動部40までデテントピン48と駒50とが引き上げられると、摺動部40の幅A1が挿通部42の幅A3よりも小さいことから、デテントピン48と駒50とが略タイトな状態となり、デテントピン48が静止状態となる。
【0045】
つまり、デテントピン48のピン側係合部60を駒50の挿入孔54のロッド側係合部56に嵌め込むように、レバー軸10のレバースリット(L字形状)38に設けた差込スペースである挿入部42からデテントピン48を挿入する(図7参照)。このとき、駒50のロッド側係合部56を差込スペースである挿入部42の反対側にし、デテントピン48のピン側係合部60に相対するようにセットする。このデテントピン48のピン側係合部60と駒50のロッド側係合部56とを合わせて嵌め込み、そして、レバースリット38の上方に移動してデテントピン48の組み付けが完了する。そして、デテントピン48は、通常操作範囲Fでは、レバースリット38の差込スペースである挿入部42まで下方に移動しないので、外れることがない。これにより、手作業で、デテントピン48は、その抜け荷重が高くなり、抜けにくくなる。
【0046】
この結果、デテントピン48をレバースリット38の挿入部42から駒50の挿入孔54へ挿入した後に、デテントピン48を幅方向Xに移動させてデテントロッド46の駒50とデテントピン48とを係合させ、この駒50とデテントピン48とを係合した状態で、デテントピン48をレバースリット38の摺動部40まで引き上げることにより、デテントピン48を、レバースリット38の上方の摺動部40に移動してシフトレバー4のレバー軸10の両側面に貫通してレバースリット38の摺動部40で摺動自在に保持させることができ、これにより、デテントピン48をプレス機で圧入することなく組み付けが可能となり、よって、プレス機が不要となり、また、組立工順、スペース、レイアウト等での制約をなくし、更に、デテントピン48によるレバースリット38の周りのレバー軸10の損傷を回避し、デテントピン48を円滑に動作させ、シフトフィーリングに悪影響を与えるのを防止することができる。
【0047】
また、レバースリット38は摺動部40と幅広の挿入部42とを備え、駒50にデテントピン48の挿入孔54を形成し、この挿入孔48の内面にはロッド側係合部56を形成し、デテントピン48の側面にはピン側係合部60を形成し、デテントピン48を幅方向Xに移動させてデテントピン48のピン側係合部60とデテントロッド46のロッド側係合部56とを係合させ、デテントピン48を駒50に係合させた状態で、レバースリット38の挿入部42から上方の摺動部40に移動させることにより、デテントピン48をシフトレバーの側面から貫通させてレバースリット38の摺動部40で摺動自在に保持させたことから、デテントピン48をプレス機で圧入することなく組み付けが可能となり、よって、プレス機が不要となり、また、組立工順、スペース、レイアウト等での制約をなくし、更に、デテントピン48によるレバースリット38の周りのレバー軸10の損傷を回避し、デテントピン48を円滑に動作させ、シフトフィーリングに悪影響を与えるのを防止することができる。
【0048】
更に、ロッド側係合部56は、駒50の挿入孔54の中央部位に形成され、ピン側係合部60は、デテントピン48の中央部位に形成されたことにより、デテントピン48の組付操作を、安定的に行わせることができ、その組付作業能率を向上することができる。
【0049】
図22は、この発明の第2実施例を示すものである。
【0050】
以下の実施例においては、上述の第1実施例と同一機能を果す箇所には同一符号を付して説明する。
【0051】
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、レバースリット38の摺動部40と挿入部42とは、テーパ部112を介して形成されている。このテーパ部112は、デテントピン48の差込スペースである挿入孔42と通常操作範囲Fとをつなぐものである。また、第1実施例の図5、6に示す如く、デテントロッド46は、下方がデテントスプリング64を介してシフトレバー4に保持されている。
【0052】
この第2実施例の構成によれば、レバースリット38の摺動部40と挿入部42とが、テーパ部112を介して形成されているとともに、デテントロッド46の下方がデテントスプリング64を介してシフトレバー4に保持されていることから、デテントピン48のピン側係合部60とデテントロッド46の駒50の挿入孔54のロッド側係合部56を嵌合するだけで、下方からのデテントスプリング64の押し上げ力によりデテントピン48をデテントロッド46に嵌合させることができ、更に、デテントピン48の組付性を向上することができる。
【0053】
図23、24は、この発明の特別構成であり、第3実施例を示すものである。
【0054】
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、レバー軸10のレバースリット38において、挿入部42は、幅方向Xの側方に幅A3で且つ縦方向Yで長さA4に形成されているとともに、摺動部40は、挿入部42と同一中心上で、幅方向Xの幅A1が前記幅A3よりも小さく形成されている。これにより、摺動部40の前後側部位には、レバー軸10が中空状であることから、一側係合側部132R−1・132R−2及び他側係合側部132L−1・132L−2が形成される。また、デテントピン48には、レバー軸10の前後面の外側に位置して前側フランジ部134E−1及び後側フランジ部134E−2が突出して形成されている。この前側フランジ部134E−1及び後側フランジ部134E−2の外径Gは、挿入部42の幅A3よりも少し小さく形成されている。更に、駒50の挿入孔54の幅B1は、挿入部42の幅A3と略同一に形成されている。デテントピン48の幅D1は、摺動部40の幅A1よりも少し小さく形成されている。これにより、前側フランジ部134E−1及び後側フランジ部134E−2は、レバー軸10の挿入部42及び駒50の挿入孔54に挿入可能である。そして、デテントピン48が摺動部40に持ち上げられたときには、図23に示す如く、前記摺動部40周りの一側係合側部132R−1・132R−2及び他側係合側部132L−1・132L−2に前側フランジ部134E−1と後側フランジ部134E−2との間のデテントピン48の外周面が接する構成である。
【0055】
この第3実施例の構成によれば、デテントピン48の組付時に、このデテントピン48をレバースリット38の挿入部42及び駒50の挿入孔54に挿入し、そして、図24に示す如く、デテントピン48を摺動部40に持ち上げると、デテントピン48の前側フランジ部134E−1及び後側フランジ部134E−2がレバー軸10の前後面の外側に接し、デテントピン48をレバー軸10に通常操作範囲F内で摺動可能に設けることができ、よって、デテントピン48の外面に切欠きを形成することがなく、デテントピン48の剛性の低下を回避することができるとともに、構成が簡単で、故障も少なくすることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、デテントピンをレバースリットの挿入部からデテントロッドの駒の挿入孔へ挿入した後に、デテントピンを幅方向に移動させてデテントロッドの駒とデテントピンとを係合させ、この駒とデテントピンとを係合した状態で、デテントピンをレバースリットの摺動部まで引き上げたことにより、デテントピンをシフトレバーの側面に貫通してレバースリットの摺動部で摺動自在に保持させることができ、これにより、デテントピンをプレス機で圧入することなく組み付けが可能となり、よって、プレス機が不要となり、また、組立工順、スペース、レイアウト等での制約をなくし、更に、デテントピンによるレバースリットの周りのシフトレバーの損傷を回避し、デテントピンを円滑に動作させ、シフトフィーリングに悪影響を与えるのを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例において駒を収納したシフトレバーにデテントピンを組み付ける状態の斜視図である。
【図2】第1実施例においてレバー軸の側面に形成したL字形状のレバースリットの正面図である。
【図3】第1実施例においてデテントロッドの駒の斜視図である。
【図4】第1実施例においてデテントピンの斜視図である。
【図5】第1実施例においてデテントロッドの駒及びデテントスプリングを収納したシフトレバーの断面図である。
【図6】図5の駒の拡大断面図である。
【図7】第1実施例においてデテントピンをレバースリットの挿入部に挿入する時の正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線による断面図である。
【図9】第1実施例においてデテントピンを幅方向に移動してデテントピンのピン側係合部と駒の挿入孔のロッド側係合部とを係合した時の正面図である。
【図10】図9のX−X線による断面図である。
【図11】第1実施例においてデテントピンをレバースリットの摺動部まで引き上げた時の正面図である。
【図12】図11のXII−XII線による断面図である。
【図13】第1実施例においてシフトレバーの支持部位の正面図である。
【図14】第1実施例においてシフトレバーの支持部位の背面図である。
【図15】第1実施例においてシフトレバー装置の概略側面図である。
【図16】第1実施例においてシフトレバー装置の平面図である。
【図17】第1実施例において連動部材を取り付けたシフトレバー装置の側面図である。
【図18】第1実施例においてシフトレバー装置の断面図である。
【図19】第1実施例においてシフトレバー装置の拡大断面図である。
【図20】第1実施例においてレバー下部部材の斜視図である。
【図21】第1実施例においてシフトレバー装置の側面図である。
【図22】第2実施例においてテーパ部を備えたレバースリットの正面図である。
【図23】第3実施例においてデテントピンをレバースリットの挿入部に挿入した時の正面図である。
【図24】第3実施例においてデテントピンをレバースリットの摺動部に持ち上げた時の断面図である。
【図25】従来においてデテントピンをレバースリットに挿入する時の斜視図である。
【図26】従来においてデテントピンをレバースリットに挿入した状態の斜視図である。
【符号の説明】
2 シフトレバー装置
4 シフトレバー
8 ケース
10 レバー軸
12 ノブ
14 押しボタン
36 デテント機構
38 レバースリット
40 摺動部
42 挿入部
46 デテントロッド
48 デテントピン
50 駒
54 挿入孔
56 ロッド側係合部
60 ピン側係合部
64 デテントスプリング
68 シフト軸
70 接続部材
76 セレクト軸
Claims (4)
- 中空状のシフトレバーの両側面に摺動部と幅広の挿入部とを備えた縦長のレバースリットを形成し、前記シフトレバー内には該シフトレバーの上端側に装着したノブの押しボタンに連結されたデテントロッドを収納して設け、このデテントロッドの下部位にはデテントピンに連結される駒を形成し、この駒に前記デテントピンの挿入孔を形成し、この挿入孔の内面にはロッド側係合部を形成し、前記デテントピンの側面にはピン側係合部を形成し、前記デテントピンを前記レバースリットの前記挿入部から前記駒の前記挿入孔へ挿入し、前記デテントピンを幅方向に移動させて前記デテントピンの前記ピン側係合部と前記駒の前記ロッド側係合部とを係合させ、前記デテントピンを前記駒に係合させた状態で前記レバースリットの前記挿入部から前記摺動部に移動させることにより、前記デテントピンを前記シフトレバーの側面から貫通し且つ前記レバースリットの前記摺動部で摺動自在に保持させたことを特徴とするデテントピンの組付方法。
- 中空状のシフトレバーの両側面に縦長のレバースリットを形成し、前記シフトレバー内には該シフトレバーの上端側に装着したノブの押しボタンに連結されたデテントロッドを収納して設け、このデテントロッドの下部位に駒を形成し、この駒に連結されて前記シフトレバーの前記レバースリット内で摺動するデテントピンにおいて、前記レバースリットは摺動部と幅広の挿入部とを備え、前記駒に前記デテントピンの挿入孔を形成し、この挿入孔の内面にはロッド側係合部を形成し、前記デテントピンの側面にはピン側係合部を形成し、前記デテントピンを前記レバースリットの前記挿入部から前記駒の前記挿入孔に挿入し、前記デテントピンを幅方向に移動させて前記デテントピンの前記ピン側係合部と前記駒の前記ロッド側係合部とを係合させ、前記デテントピンを前記駒に係合させた状態で前記レバースリットの前記挿入部から前記摺動部に移動させることにより、前記シフトレバーの側面から貫通されて前記レバースリットの前記摺動部で摺動自在に保持されることを特徴とするデテントピン。
- 前記デテントロッドは、下方がデテントスプリングを介して前記シフトレバーに保持され、前記レバースリットの前記摺動部と前記挿入部とは、テーパ部を介して形成されたことを特徴とする請求項2に記載のデテントピン。
- 前記ロッド側係合部は、前記駒の挿入孔の中央部位に形成され、前記ピン側係合部は、前記デテントピンの中央部位に形成されたことを特徴とする請求項2に記載のデテントピン。
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