JP2004253352A - 陰極線管装置およびそれを用いたプロジェクション表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】投射型陰極線管と、偏向ヨーク及びコンバーゼンスコイル等からなる偏向装置とを組み合わせた投射型陰極線管装置で、画面歪み補正とコンバーゼンス補正等に要する消費電力の軽減と、フォーカス特性の優れた高解像度の投射型陰極線管装置およびプロジェクション表示装置を得る。
【解決手段】偏向ヨーク20の主偏向コイル201、202より蛍光面8a側に歪み発生コイル(ローテイションコイル)21を配置し、この歪み発生コイル21に垂直偏向コイル202に印加する偏向電流に同期した電流を印加し、画面歪み(画面のミスコンバーゼンス)補正を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】偏向ヨーク20の主偏向コイル201、202より蛍光面8a側に歪み発生コイル(ローテイションコイル)21を配置し、この歪み発生コイル21に垂直偏向コイル202に印加する偏向電流に同期した電流を印加し、画面歪み(画面のミスコンバーゼンス)補正を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単一電子ビ−ムを蛍光面に向けて出射する電子銃を持つ投射型陰極線管を備えた投射型陰極線管装置に係り、特にコンバ−ゼンス装置の消費電力の軽減を可能とした投射型陰極線管装置およびそれを用いたプロジェクション表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
投射型TV受像機のような投射型カラー画像再生装置は、一般に赤、緑及び青の原色画像再生にそれぞれ専用の3本の投射型陰極線管装置を用い、これら3本の投射型陰極線管装置により得られた3個の原色画像を、光学レンズ或いはミラーを用いてスクリーン上に拡大投射し、3個の原色画像をスクリーン上で重ね合わせてカラー画像を形成している。ちなみに、投射型陰極線管としては蛍光面対角径が5.5インチ或いは7インチのものがあり、又投射型TV受像機ではスクリーン対角径が40インチ或いは50インチ程度のものが用いられている。
【0003】
図19は前述した投射型テレビ受像機のような投射型カラー画像再生装置に用いられる従来の投射型陰極線管装置の構造例を説明する模式断面図で、図において1はビーム制御電極(G1)、2は加速電極(G2)、3は第1陽極(G3)、4はフォーカス電極(G4)、5は第2陽極(G5)で、これら各電極1〜5は同軸に配置され、かつ各電極1〜5は図示しない支持体を介して同じく図示しないビードガラスに埋設固定して一体化されている。8はパネル部、8aは蛍光面、9はファンネル部、10はネック部、11は電子銃で、この電子銃11は前記電極1〜5を有して単一電子ビーム13を前記蛍光面に向けて出射する。12は偏向ヨーク(偏向装置)である。又、前記パネル部8、ファンネル部9、ネック部10及び複数本の導電性ピン14が埋め込まれ、前記ファンネル部9と反対側の前記ネック部10の開口端を閉じるステム15とで真空外囲器16を構成している。
【0004】
図19において、真空外囲器16のネック部10には前記した構造を有する電子銃11が収納されており、電子銃11から出射された電子ビーム13は偏向装置12の偏向ヨ−クによってX方向(水平方向)とY方向(垂直方向)に偏向され、パネル部8の内面に形成された蛍光面8aに射突して所要の画像を形成する。
【0005】
この陰極線管は所謂投射型陰極線管であり、大口径の電子銃11で高精細度に絞られた電子ビーム13は蛍光面8a上に画像を形成し、この画像は図示しない投射光学系でスクリーン上に拡大投射される。
【0006】
図20は前記3本の投射型陰極線管の各パネルに形成される単色の画像パターン形状を示す。同図において、中央に配置される緑用の投射型陰極線管のパネル上の画像パターンgPATは矩形状を呈し、左右に所定の角度傾斜して配置される赤用及び青用の投射型陰極線管のパネル上の画像パターンrPAT、bPATはそれぞれ台形状となっている。この様に、左右に配置される赤用及び青用の投射型陰極線管のパネル上の画像パターンrPAT、bPATを台形状とし、中央に配置される緑用の投射型陰極線管のパネル上の画像パターンgPATをパネルと同形状の長方形である矩形状とし、これらの画像パターンを合成することで投射スクリーンSCR上で歪みの無いカラー画像が形成される構成となっている。
【0007】
従来、左右に配置される投射型陰極線管の画像パターンをそれぞれ台形状に形成する方法としては、偏向装置12のステム側に配置したコンバーゼンスヨークに補正電流を流して行うことが一般的な方法として採用されている。また、投写型投射型陰極線管のネック部に取り付けたコンバーゼンスコイルに補正電流を印加して投写型投射型陰極線管の管面上のラスタ形状を適宜変化させることにより、スクリーン上の映像の各種歪を補正する。このような技術を開示した文献として、特許文献1がある。
【0008】
ここで、この種の投射型陰極線管装置の台形歪に関する従来技術としては、ネック部近傍で主偏向ヨークとこの主偏向ヨークよりステム側に配置された台形歪補正用偏向ヨークとの間に台形歪補正用磁石を配置した技術が「特許文献2」に開示されている。又、3管式背面投射型ディスプレイ装置で、左右2管の台形状投射画面を中央管の矩形状投射画面に一致させるため、前記左右2管の偏向量がスクリ−ン面で左右均等になるように偏向磁界分布を左右非対称に変える技術が「特許文献3」に開示されている。更に、「特許文献4」には3管式投射型テレビジョン受像機でコンバ−ゼンス補正用コイルを偏向ヨークのフェライトコアの内側に巻線する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−203468号公報(第1−14頁、第1図)
【特許文献2】
特開平7−78575
【特許文献3】
特開2002−40559
【特許文献4】
特開2001−23539
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
3本の投射型陰極線管装置及び投射用光学系を必要とする投射型TV受像機のような投射型カラー画像再生装置は、このカラー画像再生装置のスクリーン面で歪みの無い投射画像を得るために、左右に配置される投射型陰極線管装置のそれぞれでは蛍光面上の画像パターンを台形状に形成する操作が行われる。
【0011】
ここで、仮に、前記左右に配置される投射型陰極線管装置のそれぞれの画像パターンを、中央に配置される投射型陰極線管装置の画像パターンと同一形状の矩形状とすれば、投射型カラー画像再生装置のスクリーン面の投射画像は歪み、所望の映像表示が得られない。よって、前記左右に配置される投射型陰極線管装置のそれぞれでは、蛍光面上の画像パターンを台形状に形成する操作は必須となっている。
【0012】
この操作は、前述したようにコンバーゼンスヨークに補正電流を流して行うことが一般的な方法として採用されているが、この方法ではコンバーゼンスヨーク回路の消費電力が増大することと、この消費電力の増大に伴う回路的な裕度減少、すなわち、電圧マージン減少、放熱板追加等のコストアップ、寿命及び信頼性の低下等の裕度減少、の問題があり解決策が求められていた。
【0013】
又、コンバーゼンスヨークが偏向ヨークよりステム側に配置されているため、電子ビームの速度が比較的遅い位置でコンバーゼンス作用が付与されることになり、これに伴い電子ビームスポット形状にも影響を与える。結果的にフォーカス特性が劣化し、解像度が劣化する。
【0014】
しかしながら、従来技術に於いてはこれらの問題の解決はなされていなかった。
【0015】
先ず、「特許文献2」では台形歪み補正用磁石をネック部近傍の主偏向ヨークのステム側に配置した構成が開示されているが、これでは前述した様に電子ビームスポット形状に歪みを与えてフォーカス劣化による解像度劣化を引き起こすことになり、問題解決には更なる対策が必要となっている。
【0016】
又、特許文献3では偏向磁界分布を左右非対称に変えることで左右2管の画像パターンを中央管の画像パターンと同一形状の矩形状とするものであるが、これでは前述した如く投射型カラー画像再生装置のスクリーン面の投射画像は歪み、所望の映像表示が得られず、問題解決には更なる対策が必要となっている。
また、上記各種歪の一つに台形歪があり、これは集中角に起因して発生する。集中角とは、中央に配置された投射型陰極線管の光軸と左または右側に配置された投射型陰極線管の光軸との為す角度のことである。すなわち、投写レンズの投写距離が短く、投写管の配置される間隔が広く、表示スクリーンが大きくなるに従い集中角が大きくなる。
近年、プロジェクション表示装置において薄型化の要求が強くなっている。薄型化の構成は集中角が増大する要素(例えば、投写レンズの投写距離の短小化等)を含んでおり、結果として台形歪の増加につながる。上記コンバーゼンス補正装置は、特に左右に配置される投写管の台形歪み補正量能力の増大が必要とされる。補正能力を増大(n倍)させるには、上記コンバーゼンスコイルのターン数を減らしてインダクタンスを下げると同時に、補正電流を増加して対応することが可能であるが、消費電力はn2に比例して増加し歪補正の効率が低下する。
【0017】
本発明は、前述した諸々の問題を解決してコンバーゼンスヨーク回路を含む装置の消費電力の軽減が可能で、かつフォーカス特性が良好で解像度の優れた投射型陰極線管装置を提供できる。
また、本発明は、消費電力の増加を抑制しつつ好適に歪を補正して、歪を低減させた良好な映像を表示可能なプロジェクション表示装置を提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は蛍光面上の画像パターンに歪みを与える歪み発生コイルを偏向ヨークの主偏向コイルより蛍光面側に配置し、この歪み発生コイルに垂直偏向に同期した変調電流を印加することにより、コンバーゼンスヨーク回路を含む装置の消費電力の軽減と、これに関連した回路的な裕度の拡大を可能にすると共に、変形の無いビームスポット形状を確保してフォーカス劣化のない解像度の優れた投射型陰極線管装置を可能にしたものである。
また本発明に係るプロジェクション表示装置は、左右に配置される投写型陰極線管にローテーションコイルを取り付け、このローテーションコイルに垂直周期の鋸波電流を供給することを特徴とするものである。これにより、予め投写型陰極線管の管面上のラスタを台形状にすることができるので、コンバーゼンス補正装置の消費電力の増加を抑えつつ台形歪を補正することが可能となる。
【発明の実施の形態】
以下本発明の代表的な構成を記述する。
【0019】
本発明による投射型陰極線管装置は、パネル部と、ネック部と、前記パネル部と前記ネック部とを繋ぐファンネル部と、複数本の導電性ピンが埋め込まれ、前記ファンネル部と反対側の前記ネック部の開口端に結合されたステムとを有する真空外囲器と、前記パネル部の内面に形成され画像を表示する蛍光面と、前記ネック部に収容されて単一電子ビームを前記蛍光面に向けて出射する電子銃と、前記ネック部近傍に外装されたコンバーゼンス装置と、前記ネック部と前記ファンネル部との遷移領域近傍に外装されて電子ビームを水平および垂直方向に偏向する偏向コイルとを備え、前記蛍光面上に表示される画像パターンに歪を与える歪み発生コイルを前記主偏向コイルより前記蛍光面側に配置したことを特徴とする。
【0020】
又、本発明による投射型陰極線管装置は、前記歪み発生コイルを通過する前記電子ビームを取り囲む円形状コイルとすることができ、又前記歪み発生コイルを前記主偏向コイルの垂直偏向コイルに電気的に接続した構成とすることができる。
【0021】
更に、前記歪み発生コイルに、前記垂直偏向コイルに印加する変調電流に同期した波形の変調電流を印加する構成とすることができる。
【0022】
更に又、本発明による投射型陰極線管装置は、パネル部と、ネック部と、前記パネル部と前記ネック部とを繋ぐファンネル部と、前記ファンネル部と反対側の前記ネック部の開口端に結合されたステムとを有する真空外囲器と、前記パネル部の内面に形成され画像を表示する蛍光面と、前記ネック部に管軸と同軸に収容されて単一電子ビームを前記蛍光面に向けて出射する電子銃と、前記ネック部近傍に外装されたコンバーゼンス装置と、前記ネック部と前記ファンネル部との遷移領域近傍に外装されて電子ビームを水平および垂直方向に偏向する偏向コイルとを備え、前記電子銃は、カソード電極と、ビーム制御電極と、加速電極と、第1陽極と、フォーカス電極及び第2陽極を所定の間隔を介して配列してなり、かつ前記第1陽極とフォーカス電極間に前記電子ビームを屈曲させる機構を持たせたことを特徴とする。
【0023】
又、前記本発明による投射型陰極線管装置は、電子ビームを屈曲させる機構を前記第1陽極の管軸と平行方向の中心軸と、この第1陽極に隣接するフォーカス電極の管軸と平行方向の中心軸とをずらす構成とすることができ、更に前記電子ビームを屈曲させる機構は、前記第1陽極とフォーカス電極の対向端面を管軸に対し傾斜して配置した構成とすることができる。
【0024】
更に、本発明による投射型陰極線管装置は、電極間で電子ビームを屈曲させる機構を持つ電子銃を備え、更に蛍光面上に表示される画像パターンに歪を与える歪み発生コイルを前記主偏向コイルより前記蛍光面側に配置した構成の組み合わせを特徴とする。
【0025】
上述した構成により、消費電力が軽減でき、かつ解像度の優れた投射型陰極線管装置を可能にしたものである。
【0026】
なお、本発明は、上記の構成及び後述する実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく種々の変更が可能であることは云うまでもない。
【0027】
以下、本発明の実施の形態につき、図示した実施例を参照して詳細に説明する。図1は本発明の投射型陰極線管装置の一実施例を示す一部断面側面図、図2(a)は図1の投射型陰極線管装置に用いられる偏向装置の側面図、図2(b)は図2(a)の偏向装置の正面図、図3は図1の投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の一例を示す一部断面正面図である。
【0028】
これら図1〜図3において、1は傍熱型のカソード電極Kを内包するビ−ム制御電極(G1)、2は加速電極(G2)、3は第1陽極(G3)、4はフォーカス電極(G4)、5は第2陽極(G5)で、これら各電極1〜5を所定の間隙を介して配列し、これらを、各電極の側壁に設けられた電極支持体Bsを一対のビードガラス6に埋設することにより固定して電子銃を構成している。8はパネル部、8aは蛍光面で、この蛍光面8aの電子銃側表面にはアルミニウムの蒸着膜8bが形成されている。
【0029】
又、パネル部8は肉厚を画面中央で厚く、周辺で薄くする構造をとることによりレンズ作用を備えている。9はファンネル部、10はネック部、11は前述した電子銃で、この電子銃11は単一ビームタイプ電子銃で前記ネック部10内に配置されている。12は偏向装置で、前記ネック部10とファンネル部9との遷移領域近傍の外周に配置され、電子銃11から発射された電子ビームをこの偏向装置12の偏向ヨ−クによる磁界で蛍光面8aを走査して画像を再生する。14は複数本の導電性ピンで、ステム15の底部を貫通して気密封着され、このピンから所要の電圧と画像信号を各電極に供給する。
【0030】
一つの典型的な動作条件では、カソードKに平均約190ボルト(V)、ビ−ム制御電極(G1)1にアース電位、加速電極(G2)2に350〜600V、第1陽極(G3)3及び陽極(G5)5に最高電圧である30KV、フォーカス電極(G4)4にはフオーカス電圧(例えば、約7.7KV)が印加される。
【0031】
又、前記ステム15と前記ネック部10とファンネル部9及びパネル部8とで真空外囲器16を構成している。この真空外囲器16ではファンネル部9の大径開口端がパネル部8と、又小径開口端が前記ネック部10とそれぞれ結合されている。17は内部導電膜で、この内部導電膜17を介して電子銃11に陽極電圧が導入される。又、この陽極電圧は前記アルミニウム蒸着膜8bにも印加される構成となっている。
【0032】
又、符号18はコンバーゼンスコイル、19はセンタリング調整マグネットで、このセンタリング調整マグネット19は2極のリング状マグネットを2枚組合せた構成からなっている。20は偏向ヨークで、この偏向ヨーク20は水平、垂直の主偏向コイル201、202及びコア203等を有している。この偏向ヨ−ク20とコンバーゼンスコイル18及びセンタリング調整マグネット19等で前記偏向装置12を構成している。
【0033】
又、符号21は歪み発生コイルである。歪み発生コイルは21はスクリーン上に投影される画像の歪みを補正するために用いられる。この歪み発生コイル21は枠22に巻回され前記電子ビームを囲繞する円環状に形成され、前記偏向ヨーク20の水平、垂直の主偏向コイル201、202の前記蛍光面8a側に隣接して配置されて前記偏向装置12に一体に取り付けられている。この歪み発生コイル21の巻数は配置される位置、電流値等で調整可能であるが、例えば公称7インチ球、スクリ−ンサイズが公称50インチクラスでは例えば約50〜100ターン程度であれば所望の補正が可能である。
図1に示すように、偏向ヨーク装置20は陰極線管に取り付けられており、偏向ヨークと陰極線管のファンネル部との間に三角断面状の隙間が生ずる。この隙間に補正コイル21を配置することにより、偏向ヨーク装置20の取り付け位置が前後することなく、所定の動作を実現できるものである。
【0034】
又、符号23は固定バンドで、この固定バンド23によって歪み発生コイル21を持った偏向装置12を前記ネック部10に締め付け固定している。
実際に試作した歪み補正コイル2個と、それに伴うコンバーゼンス補正電力の低減についての結果を以下に示す。
仕様A;
歪み補正コイル平均直径:φ85mm
コイル巻回数:80T
コイル抵抗値:4Ω
コイルインダクタンス:1mH
43型セットへの適用時の台形歪み補正量:25%
43型セットへの適用時のコンバーゼンス電力低減:20%
コイルへの電流供給方法:垂直偏向コイルに直列接続
垂直サイズの変化:−10%
仕様B;
歪み補正コイル平均直径:φ65mm
コイル巻回数:50T
コイル抵抗値:1Ω
コイルインダクタンス:0.3mH
43型セットへの適用時の台形歪み補正量:15%
43型セットへの適用時のコンバーゼンス電力低減:23%
歪み補正コイルへの電流供給方法:垂直偏向コイルに直列接続
垂直サイズの変化:−2.7%
上記結果からわかるように、電力低減は20%以上であり、さらに平均直径が小さい仕様Bが台形歪み補正量と垂直サイズの変化が少ない点で、最適な条件である事がわかる。
また、歪み補正コイルによるラスタ歪み補正は、厳密には、台形ラスタの縦線は弓形に歪むことになるが、歪み補正後のラスタにおいても糸巻き歪みなどが残っており、これらの残留歪みはコンバーセンス補正装置で補正することで、適宜対応できる。従って、上記残留歪は、本実施形態による台形歪の補正の障害になるものではない。上記コンバーゼンス電力低減量は、歪み補正コイルによってラスタを台形状にした際に生じる縦線の弓形歪を補正した場合の値である。すなわち、本発明によれば、ラスタを台形状にする際に新たに発生する縦線の弓形歪を補正回路(コンバーゼンス補正装置)で補正しても、総合的には、歪み補正コイルによってラスタを台形状にしない場合に比較して消費電力を低減できる。この場合、コンバーゼンス補正装置のメモリには、上記弓形歪を補正するためのコンバーゼンス補正データを記憶させればよい。
【0035】
又、この実施例では前記歪み発生コイル21は図4に示す様に垂直の主偏向コイル202に電気的に接続されている。なお、図4は歪み発生コイルの接続構造の一例を示す図である。
【0036】
ここで、前記歪み発生コイル21には前記垂直の主偏向コイル202とは別回路で独立に垂直偏向に同期した変調電流を印加しても良い。
【0037】
上述の構成の投射型陰極線管装置において、前記歪み発生コイル21に前記垂直の主偏向コイル202に印加する垂直偏向用の変調電流に同期したのこぎり波状の変調電流を印加することで前述した図20の画像パターンrPAT、或いはbPATの様な台形状に歪んだ画像を蛍光面8aに形成する。
【0038】
これを図面を用いて説明すると、図5及び図6は前記歪み発生コイル21に電流を印加した時の蛍光面8a上の電子ビームの動きを説明するための図で、図5は直流を印加した時を、又図6は垂直偏向周期に同期したのこぎり波電流を印加した時のものである。
【0039】
図5では、フレミングの左手の法則に則り、ビームは矢印Yで示す様に回転方向に動き、画像としては単に傾いた(回転した)画像となる。歪み発生コイルは、その特性からローテーションコイルとも呼ばれる。
【0040】
一方、垂直偏向用の変調電流は画面中心をゼロとして、画面上側と画面下側で極性が変わるのこぎり波状の電流であるため、前述のフレミングの左手の法則に則り、ビームは矢印Yで示す様に画面周辺で内向き、或いは外向きの左右アンバランスに動く。画像としては図7に示す様な台形状に歪んだ画像が得られる。なお、図7は前記歪み発生コイル21に垂直偏向周期に同期した電流を印加した時の蛍光面上の画像の一例を示す模式図である。
【0041】
ここで、印加する変調電流の大きさは、台形状の歪みの度合いを基に設定すれば良い。又前記歪み発生コイル21の配置位置は偏向ヨーク20の偏向中心より蛍光面8a側に配置することが望ましく、更に後段(蛍光面側)で、しかも主偏向コイルとの干渉が少ない位置であれば歪み発生能率(スクリーン上における歪みの補正能率)が良いことから一層望ましい。又、歪み発生コイル21のターン数、線径等はスクリーン上の画像の歪みの度合いを基に設定すれば良い。
図8(A)はスクリーンSCR上の赤ラスタ、図8(B)はスクリーンSCR上の緑ラスタ、図8(C)はスクリーンSCR上の青ラスタを示し、いずれもスクリーンSCR前面側から見た形状を表わしている。偏向ヨーク装置により表示される通常状態のラスタは、赤ラスタ25、緑ラスタ26及び青ラスタ27で示される。赤ラスタ25と青ラスタ27はスクリーン上で台形状に歪んでしまう。補正コイル21に垂直鋸波電流が流れることにより、赤ラスタと青ラスタは歪みが補正され、夫々赤ラスタ25r、青ラスタ27bの様に写される。
上述したように、補正コイル(ローテーションコイル)は、画像パターン(ラスタ)をその表示面において所定方向に回転するものであり、その回転方向は、補正コイルに印加される電流の極性によって逆転する。従って、正負が交互に現れる垂直周期の鋸波電流をローテーションコイルに供給すると、ラスタの中央部を基準として、ラスタの上半分と下半分とでそれぞれラスタの回転方向が異なるようになる。例えば、垂直鋸波電流が正のときはラスタ上半分が右方向に回転し、負のときはラスタ下半分が左方向に回転する。すなわち、ローテーションコイルに、台形歪を補正するための補正電流として垂直鋸波電流を供給すれば、ローテーションコイルは、陰極線管の管面上のラスタを台形状に変形するための磁界を、陰極線管内部に発生させることができる。従って、赤色の投射型陰極線管rPRTに設けられた補正コイル21に垂直鋸波電流を供給すると、図8(A)に示されるように、スクリーン上の赤ラスタ25rは矩形状に補正される。また図8(C)にしめされるように、スクリーン上の青ラスタ27bは矩形状に補正される。このとき、垂直鋸波電流は、垂直偏向回路によってローテーションコイルに供給される。すなわち、本実施形態では、垂直偏向回路をローテーションコイルに上記補正信号を供給する補正信号供給回路として用い、垂直偏向回路が生成する垂直偏向動作のための垂直鋸波電流を、上記補正信号として用いている。
【0042】
図9(a)、図9(b)、図9(c)は図1に示す投射型陰極線管装置において、歪み発生コイル21に垂直偏向周期に同期した電流を流した状態でセンタリング調整マグネット19を作用させた場合の蛍光面中央と両端部での電子ビームスポットSPC、SPSの形状を示す図で、図9(a)は蛍光面中央から長軸方向にプラス5mmビ−ム軌道を補正移動させた場合の電子ビームスポット形状を、又図9(b)はセンタリング調整マグネット19を作用させない場合の電子ビームスポット形状を、更に図9(c)は図9(a)とは逆方向の蛍光面中央から長軸方向にマイナス5mmビーム軌道を補正移動させた場合の電子ビームスポット形状をそれぞれ示している。
【0043】
この図9(a)及び図9(c)から明らかな様に、センタリング調整マグネット19を作用させると、この装着位置が電子ビームの速度が比較的遅い位置であるため、電子ビームを曲げる以外にビーム変形を生じさせ、画面両端の電子ビームスポットSPSの形状が非円形になってしまい、変形した状態で台形状の歪み作用を受けるためフォーカス劣化による解像度劣化は避けられない。
【0044】
一方、図9(b)ではセンタリング調整マグネット19自体が電子ビームに作用を与えないことから、この位置での電子ビームスポットの変形は避けられ、中央に比べ両端の電子ビームスポットSPSは太るが、形状自体は略円形を呈し、後段で歪み発生コイル21による台形状の歪み作用を受けても解像度劣化は避けられる。
【0045】
この様に、電子ビームの速度が早く、しかも偏向作用を受けた後に台形状の歪み作用を受けることで電子ビームスポットの変形を回避し、かつ少ない電力で所望の台形状パターン画像を形成することができる。
【0046】
ここで、上記では前記歪み発生コイル21を単独で用いて説明したが、必要であれば前記コンバーゼンスコイル18との組合せも可能である。
【0047】
次に、図10は本発明の投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の他の例を示す図3に対応する図で、同一符号は同一部分に対応する。図10において、この電子銃11はフォーカス電極4を2分割し、前段(カソード電極側)の第1のフォーカス電極41と第2のフォーカス電極42にダイナミックフォーカス電圧を印加しフォーカス特性の優れた電子銃を可能にしている。第1フォーカス電極41と第2フォーカス電極42で形成される隙間には速度変調用の磁界が侵入する。
【0048】
次に、図11は本発明の投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の更に他の例を示す図で、同一符号は同一部分に対応する。図11において、この電子銃11は第1のフォーカス電極41の管軸と平行方向の中心軸C1と、これに隣接する第1陽極3の管軸と平行方向の中心軸C2とをずらした(異軸)構成とし、この第1陽極3と第1のフォーカス電極41間に形成される電子レンズを歪ませて第1陽極3から出た電子ビームを屈曲させる作用を持たせたものである。
【0049】
次に、図12は本発明の投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の更に他の例を示す図で、同一符号は同一部分に対応する。図12において、この電子銃11は第1陽極3とこれに隣接する第1のフォーカス電極41の対向端面3a、41aを管軸Z−Zと垂直に交差する面に対し左右方向に傾斜させた。即ち、第1のフォーカス電極41または第1陽極3は、右側端部の電極長(管軸方向の長さ)と左側端部の電極長が異なる。これにより第1陽極3と第1のフォーカス電極41間に形成される電子レンズを歪ませて第1陽極3から出た電子ビームを屈曲させる作用を持たせたものである。
【0050】
これら図11及び図12に示す構成の電子銃を実装した本発明の投射型陰極線管装置によれば、予め設定された方向で管軸とずれた方向に電子ビームが進行するため、電子ビームスポット形状を変形させる作用をもつセンタリング調整マグネットでの補正磁界が不要或いは減少させることができ、これは前記図9で説明したことからも明らかなようにフォーカス劣化が少なくなり、解像度劣化を防止できる。
【0051】
又、前述の投射型陰極線管装置を用いた投射型カラー画像再生装置の左右に配置した陰極線管である赤用及び青用の投射型陰極線管rPRT、bPRTに、これら図11及び図12に示す構成の電子銃を実装した本発明の投射型陰極線管装置を用いれば、3管を投射スクリーンSCRに略垂直に配置できる特徴を有することから、集中作用の為等のコンバーゼンスコイル、センタリング調整マグネット等の外部磁界の強さを軽減でき、フォーカス劣化による解像度劣化を防止できると共に、投射型カラー画像再生装置の小型化にも寄与できる。
【0052】
図13は投射型陰極線管装置を用いた投射型カラー画像再生装置の一例の背面投射型テレビの概略正面図、図14は図13を側面から見た概略断面図である。図13と図14において、投射型テレビのセットの下方に設置された投射型陰極線管装置PRTのパネルにはカップラーCPLを介して投射レンズLESが取付けられており、この陰極線管装置PRTのパネルに形成された画像を投射レンズLNSで拡大し、背面に設置されたミラーMIRで全面に設置されたスクリーンSCR上に投射される。上記構成とした投射型テレビによれば、投射型陰極線管装置PRTからスクリーンSCRまでの投射距離を実質的に短縮することが可能となり、奥行きを薄くしコンパクトな画像再生装置を構成することができる。このような投射型テレビに本発明による投射型陰極線管装置を用いたことにより、高精細、かつ高画質の投射型画像再生装置を得ることができる。
【0053】
図15は上記した投射型陰極線管装置を用いた投射型カラー画像再生装置の画像再生方式の一例を説明する模式図であって、rPRT、gPRT、bPRTはそれぞれ赤、緑、青用の投射型陰極線管、PNLは上記投射型陰極線管の画像形成部であるパネル、LNSは投射レンズ、SCRは投射スクリーンである。図15において、緑用の投射型陰極線管gPRTの中心軸上には、そのパネルPNLに対向して一定の距離だけ離間させた位置に投射スクリーンSCRが略垂直に配置されている。
又、他の赤用及び青用の投射型陰極線管rPRT、bPRTは、前記緑用の投射型陰極線管gPRTを挟んで同一面内で左右にそれぞれ配置され、その中心軸が投射スクリーンSCR上で前記中央の緑用の投射型陰極線管gPRTの中心軸と一致する角度で固定されている。そして、投射型陰極線管rPRT、gPRT、bPRTの各パネルの前面にはそれぞれの陰極線管の軸線と同一線上に投射レンズLESが配置され、各パネルに形成された単色の画像を拡大してスクリーンSCR上に投射し、重ね合わせることでカラー画像が形成される。
【0054】
図16は、投射型カラー画像再生装置(以下プロジェクション表示装置という)における3つの投射型陰極線管装置の配置を示す図である。
本発明に係るプロジェクション表示装置は、左右に配置される投写型投射型陰極線管に台形歪みを補正するためのローテーションコイル(歪み発生コイル)を取り付け、このローテーションコイルに垂直周期の鋸波電流を供給することを特徴とするものである。これにより、予め投写型投射型陰極線管の管面上のラスタを台形状にすることができるので、コンバーゼンス補正装置の消費電力の増加を抑えつつスクリーン上での台形歪を補正することが可能となる。
ローテーションコイルとは、一般的に、直視型の陰極線管において使用されているものであり、主に地磁気等の影響によるラスタ表示位置の補正を行うためのものである。ローテーションコイルに直流電流を供給すると、投射型陰極線管の管面上のラスタ全体が回転し(回転方向は電流の極性により変化する)、ラスタ表示位置が補正される。
【0055】
本発明は、このローテーションコイルを、3つの投写型投射型陰極線管のうち左右両端に位置する(すなわち赤色及び青色の)投射型陰極線管の夫々に取り付け、これらに直流電流ではなく、垂直周期の鋸波電流を供給して台形歪を補正するものである。つまり、本発明は、一般的に直視型投射型陰極線管のラスタ表示位置の補正に使用されるローテーションコイルを、プロジェクション表示装置における幾何学的な歪(特に台形歪)の補正に利用して歪補正の効率を向上させるものである。
【0056】
赤、緑、青用の投射型陰極線管rPRT、gPRT、bPRTは、それぞれ赤、緑、青の映像をその表示面(蛍光面)に表示するものであり、水平方向に並んで配置されている。このとき、緑の投射型陰極線管gPRTは中央に配置され、赤及び青の投射型陰極線管rPRT、bPRTは、それぞれ緑の投射型陰極線管gPRTを挟むように、その左右に配置される。投射型陰極線管のそれぞれのネック部には、各投射型陰極線管の電子ビームを偏向してその表示面にラスタを形成するための、水平及び垂直偏向コイル201、202を含む偏向ヨーク20が取り付けられている。投射型陰極線管の表示面のそれぞれに表示された映像は、各投射型陰極線管rPRT、gPRT、bPRTに各々対応して設けられた赤、緑及び青の投写レンズLNSによって拡大され、ミラーMIRで反射される。ミラーMIRによって反射された映像は、筐体であるキャビネットの開口に取り付けられた透過型のスクリーンSCRの背面に投写され、結像される。
【0057】
赤及び青用の投射型陰極線管rPRT、bPRTには図1の投射型陰極線管が使用される。ラスタを補正するための補正部である補正コイル21は、投射型陰極線管の表示面上のラスタを、その表示面において所定方向に回転させるためのものであって、それぞれ同一面内に配置された投射型陰極線管の左右両端に位置する赤用の投射型陰極線管rPRTと青用の投射型陰極線管bPRTに取り付けられる。補正コイル21は、赤用の投射型陰極線管rPRTに取り付けられた偏向ヨーク20のパネル側に配置される。一方、補正コイル21は、青用の投射型陰極線管bPRTに取り付けられた偏向ヨーク20のパネル側に配置される。この補正コイル21には、前述した通り垂直周期の鋸波電流が供給され、赤及び青用の投射型陰極線管rPRT、bPRTの表示面上のラスタを台形状に変形させる作用を持つ。
【0058】
赤、緑、青用の投射型陰極線管は、スクリーンSCRに対する光学位置が、わずかに異なる為に、スクリーンの上での赤、緑、青の表示位置がずれている。この様子について図17を用いて説明する。図14に示す側面図では、ミラーMIRがキャビネットの奥行きを低減する目的で設けられているが、図17は光学的に等価な配置図を示している。図17に示す様に、スクリーンSCRの正対位置に、緑色の投射型陰極線管gPRT、投写レンズLNS、が設けられており、この光軸を破線30で示す。一方、赤及び青色の投射型陰極線管rPRT、bPRTには、それぞれ投写レンズLNSが設けられており、この光軸を破線31、32で示す。両光軸によりなす角を集中角と呼び、角度33で表す。また、赤用の投射型陰極線管rPRTの左右端とスクリーン端部の映像を結ぶ光線を実線34、35で表す。実線34と35を比較すると、実線35の方が長く、すなわち投写距離が長いことになる。この結果、スクリーンSCRの上に表示される映像の大きさはは左右でアンバランスを生じ、この結果、台形歪が生じる。この投写距離のアンバランスに起因して発生する台形歪を解消するために、本発明では補正コイル21を赤及び青の投射型陰極線管rPRT、bPRTに設け、この補正コイル21の夫々に垂直周期の鋸波電流を流している。
【0059】
図18に示す様に、補正コイル21を駆動する回路は、垂直同期信号を基準として、ランプ波形発生回路で(垂直同期信号に同期した)垂直周期のランプ波(鋸波)を発生し、増幅器AMPを用いて信号の増幅を行い、補正コイル21のそれぞれに鋸波電流を供給する。このとき、赤用投射型陰極線管rPRTにつけた補正コイル21が発生させる磁界の向きと青用投射型陰極線管gPTTに付けた補正コイル21が発生させる磁界の向きが互いに逆になるように、補正コイル21の極性が設定される。
【0060】
本実施例の赤色及び青色の投射型陰極線管と投写光学系とを組み合わせた場合、投写レンズの光学的な倍率差を補正することができる。よって、スクリーン上において、台形歪みの無い投写映像を得る事ができる。この結果、コンバーゼンス回路の補正電力が増加するというプロジェクションテレビ特有の課題を解決でき、薄型のコンパクトな筐体のテレビセットが実現可能となる。
【0061】
本実施例においては、ローテーションコイルの駆動回路は、専用の駆動回路を用いて説明したが、この回路は垂直偏向回路と同一でよい。従って、ローテーションコイルの駆動回路は、偏向ヨーク装置の駆動回路と共用することが可能である。また、補正コイル21は偏向ヨーク装置20の垂直偏向コイルと並列又は直列に接続する方式でもよい。
【0062】
補正コイル21は別ピースの部品でもよく、偏向ヨーク装置20と一体成型品であっても良い。また、別ピースとする場合には、偏向ヨーク装置20の開口側と嵌合する構造とすることも可能である。更に、偏向ヨーク装置20においては、巻線しないコイルホルダのみとしても良い。いずれの場合においても十分な効果が期待できる。
【0063】
以上の通り、本発明は、水平方向の台形歪を歪み発生コイル(ローテーションコイル)で補正することにより、コンバーゼンス補正装置の負担を小さくしている。このため、投写光学距離の短いレンズを用いてプロジェクション表示装置を薄型化する場合でも、消費電力の増加を抑制しつつ、効率よく台形歪などの幾何学的な歪を低減することができる。尚、本実施形態では、ローテーションコイルを用いた例について説明したが、ラスタを表示面において所定方向に回転させる作用を持つものであれば、ローテーションコイル以外の部材を用いてもよい。
【0064】
また、集中角が大きいほど青及び赤の投写管上の台形歪み量は大きくなり、ラスタ歪みを補正する為の補正電力が大きくなる為、ローテーションコイルによる電力低減の効果も高くなる。逆に、集中角が小さいほど、青及び赤の投写管上の台形歪み量は小さくなり、ラスタ歪み補正する為の補正電力は小さい為、ローテーションコイルによる電力低減の効果は少なくなる。一般的な例として、7型の投写型投射型陰極線管を用い、40型〜70型の投写型ディスプレイを構成する場合、投射型陰極線管の管面からスクリーン面までの距離は600mmから1200mm程度となるが、このときの集中角は9度前後となり、ローテーションコイルによる効果は十分に得られるものである。すなわち、本発明は、集中角が約9度以上の場合に大きくなる台形歪を補正するのに好適であり、より効果的である。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蛍光面上に形成される画像を台形状に歪ませる歪み発生コイルを、偏向ヨークの主偏向コイルより蛍光面側に配置し、この歪み発生コイルに垂直偏向に同期した変調電流を印加することで、コンバーゼンスヨーク回路を含む装置の消費電力の軽減と、これに関連した回路的な裕度の拡大を可能にすると共に、変形の無いビームスポット形状を確保してフォーカス劣化のない解像度の優れた投射型陰極線管装置を得ることができる。又、電極間で電子ビームを屈曲させる機構を持つ電子銃を実装したことで、外部磁界の軽減が可能になり、フォーカス劣化による解像度劣化を防止できると共に、投射型カラー画像再生装置の小型化にも寄与できる優れた投射型陰極線管装置およびそれを用いたプロジェクション表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投射型陰極線管装置の一実施例を示す一部断面側面図である。
【図2】図1に示す本発明による投射型陰極線管装置に用いられる偏向装置の一例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図3】図1に示す本発明による投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の一例を示す一部断面正面図である。
【図4】本発明による投射型陰極線管装置の垂直偏向コイルと歪み発生コイルとの接続構造の一例を示す図である。
【図5】蛍光面上の電子ビームの動きを説明する図である。
【図6】蛍光面上の電子ビームの動きを説明する図である。
【図7】蛍光面上に形成される画像パターンの一例を示す模式図である。
【図8】本発明によって変調されるスクリーン上のラスタの様子を示す図である。
【図9】蛍光面上の電子ビームスポット形状とセンタリングマグネトの補正有無の関係を説明する図で、(a)及び(c)は補正有り、(b)は補正無しを示す。
【図10】本発明による投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の他の例を示す一部断面正面図である。
【図11】本発明による投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の更に他の例を示す一部断面正面図である。
【図12】本発明による投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の更に他の例を示す一部断面正面図である。
【図13】投射型カラー画像再生装置の一例の背面投射型テレビの概略正面図である。
【図14】図13を側面から見た概略断面図である。
【図15】投射型カラー画像再生装置の再生方式の一例を説明する模式図である。
【図16】本発明の一実施形態を示すプロジェクション表示装置の構成図である。
【図17】台形歪の発生を説明するための図である。
【図18】本発明に係るローテーションコイル駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図19】従来の投射型陰極線管装置の構造例を説明する模式断面図である。
【図20】投射型陰極線管装置の蛍光面上の画像パターンを説明するための図である。
【符号の説明】
1 ビーム制御電極
2 加速電極
3 第1陽極
4 フォーカス電極
5 第2陽極
6 ビードガラス
8 パネル部
8a 蛍光面
9 ファンネル部
10 ネック部
11 電子銃
12 偏向装置
13 電子ビーム
14 導電性ピン
15 ステム
16 真空外囲器
17 内装導電膜
18 コンバーゼンスコイル
19 センタリングマグネット
20 偏向ヨーク
201 水平偏向コイル
202 垂直偏向コイル
203 コア
21 歪み発生コイル
22 枠
23 固定バンド。
【発明の属する技術分野】
本発明は、単一電子ビ−ムを蛍光面に向けて出射する電子銃を持つ投射型陰極線管を備えた投射型陰極線管装置に係り、特にコンバ−ゼンス装置の消費電力の軽減を可能とした投射型陰極線管装置およびそれを用いたプロジェクション表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
投射型TV受像機のような投射型カラー画像再生装置は、一般に赤、緑及び青の原色画像再生にそれぞれ専用の3本の投射型陰極線管装置を用い、これら3本の投射型陰極線管装置により得られた3個の原色画像を、光学レンズ或いはミラーを用いてスクリーン上に拡大投射し、3個の原色画像をスクリーン上で重ね合わせてカラー画像を形成している。ちなみに、投射型陰極線管としては蛍光面対角径が5.5インチ或いは7インチのものがあり、又投射型TV受像機ではスクリーン対角径が40インチ或いは50インチ程度のものが用いられている。
【0003】
図19は前述した投射型テレビ受像機のような投射型カラー画像再生装置に用いられる従来の投射型陰極線管装置の構造例を説明する模式断面図で、図において1はビーム制御電極(G1)、2は加速電極(G2)、3は第1陽極(G3)、4はフォーカス電極(G4)、5は第2陽極(G5)で、これら各電極1〜5は同軸に配置され、かつ各電極1〜5は図示しない支持体を介して同じく図示しないビードガラスに埋設固定して一体化されている。8はパネル部、8aは蛍光面、9はファンネル部、10はネック部、11は電子銃で、この電子銃11は前記電極1〜5を有して単一電子ビーム13を前記蛍光面に向けて出射する。12は偏向ヨーク(偏向装置)である。又、前記パネル部8、ファンネル部9、ネック部10及び複数本の導電性ピン14が埋め込まれ、前記ファンネル部9と反対側の前記ネック部10の開口端を閉じるステム15とで真空外囲器16を構成している。
【0004】
図19において、真空外囲器16のネック部10には前記した構造を有する電子銃11が収納されており、電子銃11から出射された電子ビーム13は偏向装置12の偏向ヨ−クによってX方向(水平方向)とY方向(垂直方向)に偏向され、パネル部8の内面に形成された蛍光面8aに射突して所要の画像を形成する。
【0005】
この陰極線管は所謂投射型陰極線管であり、大口径の電子銃11で高精細度に絞られた電子ビーム13は蛍光面8a上に画像を形成し、この画像は図示しない投射光学系でスクリーン上に拡大投射される。
【0006】
図20は前記3本の投射型陰極線管の各パネルに形成される単色の画像パターン形状を示す。同図において、中央に配置される緑用の投射型陰極線管のパネル上の画像パターンgPATは矩形状を呈し、左右に所定の角度傾斜して配置される赤用及び青用の投射型陰極線管のパネル上の画像パターンrPAT、bPATはそれぞれ台形状となっている。この様に、左右に配置される赤用及び青用の投射型陰極線管のパネル上の画像パターンrPAT、bPATを台形状とし、中央に配置される緑用の投射型陰極線管のパネル上の画像パターンgPATをパネルと同形状の長方形である矩形状とし、これらの画像パターンを合成することで投射スクリーンSCR上で歪みの無いカラー画像が形成される構成となっている。
【0007】
従来、左右に配置される投射型陰極線管の画像パターンをそれぞれ台形状に形成する方法としては、偏向装置12のステム側に配置したコンバーゼンスヨークに補正電流を流して行うことが一般的な方法として採用されている。また、投写型投射型陰極線管のネック部に取り付けたコンバーゼンスコイルに補正電流を印加して投写型投射型陰極線管の管面上のラスタ形状を適宜変化させることにより、スクリーン上の映像の各種歪を補正する。このような技術を開示した文献として、特許文献1がある。
【0008】
ここで、この種の投射型陰極線管装置の台形歪に関する従来技術としては、ネック部近傍で主偏向ヨークとこの主偏向ヨークよりステム側に配置された台形歪補正用偏向ヨークとの間に台形歪補正用磁石を配置した技術が「特許文献2」に開示されている。又、3管式背面投射型ディスプレイ装置で、左右2管の台形状投射画面を中央管の矩形状投射画面に一致させるため、前記左右2管の偏向量がスクリ−ン面で左右均等になるように偏向磁界分布を左右非対称に変える技術が「特許文献3」に開示されている。更に、「特許文献4」には3管式投射型テレビジョン受像機でコンバ−ゼンス補正用コイルを偏向ヨークのフェライトコアの内側に巻線する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−203468号公報(第1−14頁、第1図)
【特許文献2】
特開平7−78575
【特許文献3】
特開2002−40559
【特許文献4】
特開2001−23539
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
3本の投射型陰極線管装置及び投射用光学系を必要とする投射型TV受像機のような投射型カラー画像再生装置は、このカラー画像再生装置のスクリーン面で歪みの無い投射画像を得るために、左右に配置される投射型陰極線管装置のそれぞれでは蛍光面上の画像パターンを台形状に形成する操作が行われる。
【0011】
ここで、仮に、前記左右に配置される投射型陰極線管装置のそれぞれの画像パターンを、中央に配置される投射型陰極線管装置の画像パターンと同一形状の矩形状とすれば、投射型カラー画像再生装置のスクリーン面の投射画像は歪み、所望の映像表示が得られない。よって、前記左右に配置される投射型陰極線管装置のそれぞれでは、蛍光面上の画像パターンを台形状に形成する操作は必須となっている。
【0012】
この操作は、前述したようにコンバーゼンスヨークに補正電流を流して行うことが一般的な方法として採用されているが、この方法ではコンバーゼンスヨーク回路の消費電力が増大することと、この消費電力の増大に伴う回路的な裕度減少、すなわち、電圧マージン減少、放熱板追加等のコストアップ、寿命及び信頼性の低下等の裕度減少、の問題があり解決策が求められていた。
【0013】
又、コンバーゼンスヨークが偏向ヨークよりステム側に配置されているため、電子ビームの速度が比較的遅い位置でコンバーゼンス作用が付与されることになり、これに伴い電子ビームスポット形状にも影響を与える。結果的にフォーカス特性が劣化し、解像度が劣化する。
【0014】
しかしながら、従来技術に於いてはこれらの問題の解決はなされていなかった。
【0015】
先ず、「特許文献2」では台形歪み補正用磁石をネック部近傍の主偏向ヨークのステム側に配置した構成が開示されているが、これでは前述した様に電子ビームスポット形状に歪みを与えてフォーカス劣化による解像度劣化を引き起こすことになり、問題解決には更なる対策が必要となっている。
【0016】
又、特許文献3では偏向磁界分布を左右非対称に変えることで左右2管の画像パターンを中央管の画像パターンと同一形状の矩形状とするものであるが、これでは前述した如く投射型カラー画像再生装置のスクリーン面の投射画像は歪み、所望の映像表示が得られず、問題解決には更なる対策が必要となっている。
また、上記各種歪の一つに台形歪があり、これは集中角に起因して発生する。集中角とは、中央に配置された投射型陰極線管の光軸と左または右側に配置された投射型陰極線管の光軸との為す角度のことである。すなわち、投写レンズの投写距離が短く、投写管の配置される間隔が広く、表示スクリーンが大きくなるに従い集中角が大きくなる。
近年、プロジェクション表示装置において薄型化の要求が強くなっている。薄型化の構成は集中角が増大する要素(例えば、投写レンズの投写距離の短小化等)を含んでおり、結果として台形歪の増加につながる。上記コンバーゼンス補正装置は、特に左右に配置される投写管の台形歪み補正量能力の増大が必要とされる。補正能力を増大(n倍)させるには、上記コンバーゼンスコイルのターン数を減らしてインダクタンスを下げると同時に、補正電流を増加して対応することが可能であるが、消費電力はn2に比例して増加し歪補正の効率が低下する。
【0017】
本発明は、前述した諸々の問題を解決してコンバーゼンスヨーク回路を含む装置の消費電力の軽減が可能で、かつフォーカス特性が良好で解像度の優れた投射型陰極線管装置を提供できる。
また、本発明は、消費電力の増加を抑制しつつ好適に歪を補正して、歪を低減させた良好な映像を表示可能なプロジェクション表示装置を提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は蛍光面上の画像パターンに歪みを与える歪み発生コイルを偏向ヨークの主偏向コイルより蛍光面側に配置し、この歪み発生コイルに垂直偏向に同期した変調電流を印加することにより、コンバーゼンスヨーク回路を含む装置の消費電力の軽減と、これに関連した回路的な裕度の拡大を可能にすると共に、変形の無いビームスポット形状を確保してフォーカス劣化のない解像度の優れた投射型陰極線管装置を可能にしたものである。
また本発明に係るプロジェクション表示装置は、左右に配置される投写型陰極線管にローテーションコイルを取り付け、このローテーションコイルに垂直周期の鋸波電流を供給することを特徴とするものである。これにより、予め投写型陰極線管の管面上のラスタを台形状にすることができるので、コンバーゼンス補正装置の消費電力の増加を抑えつつ台形歪を補正することが可能となる。
【発明の実施の形態】
以下本発明の代表的な構成を記述する。
【0019】
本発明による投射型陰極線管装置は、パネル部と、ネック部と、前記パネル部と前記ネック部とを繋ぐファンネル部と、複数本の導電性ピンが埋め込まれ、前記ファンネル部と反対側の前記ネック部の開口端に結合されたステムとを有する真空外囲器と、前記パネル部の内面に形成され画像を表示する蛍光面と、前記ネック部に収容されて単一電子ビームを前記蛍光面に向けて出射する電子銃と、前記ネック部近傍に外装されたコンバーゼンス装置と、前記ネック部と前記ファンネル部との遷移領域近傍に外装されて電子ビームを水平および垂直方向に偏向する偏向コイルとを備え、前記蛍光面上に表示される画像パターンに歪を与える歪み発生コイルを前記主偏向コイルより前記蛍光面側に配置したことを特徴とする。
【0020】
又、本発明による投射型陰極線管装置は、前記歪み発生コイルを通過する前記電子ビームを取り囲む円形状コイルとすることができ、又前記歪み発生コイルを前記主偏向コイルの垂直偏向コイルに電気的に接続した構成とすることができる。
【0021】
更に、前記歪み発生コイルに、前記垂直偏向コイルに印加する変調電流に同期した波形の変調電流を印加する構成とすることができる。
【0022】
更に又、本発明による投射型陰極線管装置は、パネル部と、ネック部と、前記パネル部と前記ネック部とを繋ぐファンネル部と、前記ファンネル部と反対側の前記ネック部の開口端に結合されたステムとを有する真空外囲器と、前記パネル部の内面に形成され画像を表示する蛍光面と、前記ネック部に管軸と同軸に収容されて単一電子ビームを前記蛍光面に向けて出射する電子銃と、前記ネック部近傍に外装されたコンバーゼンス装置と、前記ネック部と前記ファンネル部との遷移領域近傍に外装されて電子ビームを水平および垂直方向に偏向する偏向コイルとを備え、前記電子銃は、カソード電極と、ビーム制御電極と、加速電極と、第1陽極と、フォーカス電極及び第2陽極を所定の間隔を介して配列してなり、かつ前記第1陽極とフォーカス電極間に前記電子ビームを屈曲させる機構を持たせたことを特徴とする。
【0023】
又、前記本発明による投射型陰極線管装置は、電子ビームを屈曲させる機構を前記第1陽極の管軸と平行方向の中心軸と、この第1陽極に隣接するフォーカス電極の管軸と平行方向の中心軸とをずらす構成とすることができ、更に前記電子ビームを屈曲させる機構は、前記第1陽極とフォーカス電極の対向端面を管軸に対し傾斜して配置した構成とすることができる。
【0024】
更に、本発明による投射型陰極線管装置は、電極間で電子ビームを屈曲させる機構を持つ電子銃を備え、更に蛍光面上に表示される画像パターンに歪を与える歪み発生コイルを前記主偏向コイルより前記蛍光面側に配置した構成の組み合わせを特徴とする。
【0025】
上述した構成により、消費電力が軽減でき、かつ解像度の優れた投射型陰極線管装置を可能にしたものである。
【0026】
なお、本発明は、上記の構成及び後述する実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく種々の変更が可能であることは云うまでもない。
【0027】
以下、本発明の実施の形態につき、図示した実施例を参照して詳細に説明する。図1は本発明の投射型陰極線管装置の一実施例を示す一部断面側面図、図2(a)は図1の投射型陰極線管装置に用いられる偏向装置の側面図、図2(b)は図2(a)の偏向装置の正面図、図3は図1の投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の一例を示す一部断面正面図である。
【0028】
これら図1〜図3において、1は傍熱型のカソード電極Kを内包するビ−ム制御電極(G1)、2は加速電極(G2)、3は第1陽極(G3)、4はフォーカス電極(G4)、5は第2陽極(G5)で、これら各電極1〜5を所定の間隙を介して配列し、これらを、各電極の側壁に設けられた電極支持体Bsを一対のビードガラス6に埋設することにより固定して電子銃を構成している。8はパネル部、8aは蛍光面で、この蛍光面8aの電子銃側表面にはアルミニウムの蒸着膜8bが形成されている。
【0029】
又、パネル部8は肉厚を画面中央で厚く、周辺で薄くする構造をとることによりレンズ作用を備えている。9はファンネル部、10はネック部、11は前述した電子銃で、この電子銃11は単一ビームタイプ電子銃で前記ネック部10内に配置されている。12は偏向装置で、前記ネック部10とファンネル部9との遷移領域近傍の外周に配置され、電子銃11から発射された電子ビームをこの偏向装置12の偏向ヨ−クによる磁界で蛍光面8aを走査して画像を再生する。14は複数本の導電性ピンで、ステム15の底部を貫通して気密封着され、このピンから所要の電圧と画像信号を各電極に供給する。
【0030】
一つの典型的な動作条件では、カソードKに平均約190ボルト(V)、ビ−ム制御電極(G1)1にアース電位、加速電極(G2)2に350〜600V、第1陽極(G3)3及び陽極(G5)5に最高電圧である30KV、フォーカス電極(G4)4にはフオーカス電圧(例えば、約7.7KV)が印加される。
【0031】
又、前記ステム15と前記ネック部10とファンネル部9及びパネル部8とで真空外囲器16を構成している。この真空外囲器16ではファンネル部9の大径開口端がパネル部8と、又小径開口端が前記ネック部10とそれぞれ結合されている。17は内部導電膜で、この内部導電膜17を介して電子銃11に陽極電圧が導入される。又、この陽極電圧は前記アルミニウム蒸着膜8bにも印加される構成となっている。
【0032】
又、符号18はコンバーゼンスコイル、19はセンタリング調整マグネットで、このセンタリング調整マグネット19は2極のリング状マグネットを2枚組合せた構成からなっている。20は偏向ヨークで、この偏向ヨーク20は水平、垂直の主偏向コイル201、202及びコア203等を有している。この偏向ヨ−ク20とコンバーゼンスコイル18及びセンタリング調整マグネット19等で前記偏向装置12を構成している。
【0033】
又、符号21は歪み発生コイルである。歪み発生コイルは21はスクリーン上に投影される画像の歪みを補正するために用いられる。この歪み発生コイル21は枠22に巻回され前記電子ビームを囲繞する円環状に形成され、前記偏向ヨーク20の水平、垂直の主偏向コイル201、202の前記蛍光面8a側に隣接して配置されて前記偏向装置12に一体に取り付けられている。この歪み発生コイル21の巻数は配置される位置、電流値等で調整可能であるが、例えば公称7インチ球、スクリ−ンサイズが公称50インチクラスでは例えば約50〜100ターン程度であれば所望の補正が可能である。
図1に示すように、偏向ヨーク装置20は陰極線管に取り付けられており、偏向ヨークと陰極線管のファンネル部との間に三角断面状の隙間が生ずる。この隙間に補正コイル21を配置することにより、偏向ヨーク装置20の取り付け位置が前後することなく、所定の動作を実現できるものである。
【0034】
又、符号23は固定バンドで、この固定バンド23によって歪み発生コイル21を持った偏向装置12を前記ネック部10に締め付け固定している。
実際に試作した歪み補正コイル2個と、それに伴うコンバーゼンス補正電力の低減についての結果を以下に示す。
仕様A;
歪み補正コイル平均直径:φ85mm
コイル巻回数:80T
コイル抵抗値:4Ω
コイルインダクタンス:1mH
43型セットへの適用時の台形歪み補正量:25%
43型セットへの適用時のコンバーゼンス電力低減:20%
コイルへの電流供給方法:垂直偏向コイルに直列接続
垂直サイズの変化:−10%
仕様B;
歪み補正コイル平均直径:φ65mm
コイル巻回数:50T
コイル抵抗値:1Ω
コイルインダクタンス:0.3mH
43型セットへの適用時の台形歪み補正量:15%
43型セットへの適用時のコンバーゼンス電力低減:23%
歪み補正コイルへの電流供給方法:垂直偏向コイルに直列接続
垂直サイズの変化:−2.7%
上記結果からわかるように、電力低減は20%以上であり、さらに平均直径が小さい仕様Bが台形歪み補正量と垂直サイズの変化が少ない点で、最適な条件である事がわかる。
また、歪み補正コイルによるラスタ歪み補正は、厳密には、台形ラスタの縦線は弓形に歪むことになるが、歪み補正後のラスタにおいても糸巻き歪みなどが残っており、これらの残留歪みはコンバーセンス補正装置で補正することで、適宜対応できる。従って、上記残留歪は、本実施形態による台形歪の補正の障害になるものではない。上記コンバーゼンス電力低減量は、歪み補正コイルによってラスタを台形状にした際に生じる縦線の弓形歪を補正した場合の値である。すなわち、本発明によれば、ラスタを台形状にする際に新たに発生する縦線の弓形歪を補正回路(コンバーゼンス補正装置)で補正しても、総合的には、歪み補正コイルによってラスタを台形状にしない場合に比較して消費電力を低減できる。この場合、コンバーゼンス補正装置のメモリには、上記弓形歪を補正するためのコンバーゼンス補正データを記憶させればよい。
【0035】
又、この実施例では前記歪み発生コイル21は図4に示す様に垂直の主偏向コイル202に電気的に接続されている。なお、図4は歪み発生コイルの接続構造の一例を示す図である。
【0036】
ここで、前記歪み発生コイル21には前記垂直の主偏向コイル202とは別回路で独立に垂直偏向に同期した変調電流を印加しても良い。
【0037】
上述の構成の投射型陰極線管装置において、前記歪み発生コイル21に前記垂直の主偏向コイル202に印加する垂直偏向用の変調電流に同期したのこぎり波状の変調電流を印加することで前述した図20の画像パターンrPAT、或いはbPATの様な台形状に歪んだ画像を蛍光面8aに形成する。
【0038】
これを図面を用いて説明すると、図5及び図6は前記歪み発生コイル21に電流を印加した時の蛍光面8a上の電子ビームの動きを説明するための図で、図5は直流を印加した時を、又図6は垂直偏向周期に同期したのこぎり波電流を印加した時のものである。
【0039】
図5では、フレミングの左手の法則に則り、ビームは矢印Yで示す様に回転方向に動き、画像としては単に傾いた(回転した)画像となる。歪み発生コイルは、その特性からローテーションコイルとも呼ばれる。
【0040】
一方、垂直偏向用の変調電流は画面中心をゼロとして、画面上側と画面下側で極性が変わるのこぎり波状の電流であるため、前述のフレミングの左手の法則に則り、ビームは矢印Yで示す様に画面周辺で内向き、或いは外向きの左右アンバランスに動く。画像としては図7に示す様な台形状に歪んだ画像が得られる。なお、図7は前記歪み発生コイル21に垂直偏向周期に同期した電流を印加した時の蛍光面上の画像の一例を示す模式図である。
【0041】
ここで、印加する変調電流の大きさは、台形状の歪みの度合いを基に設定すれば良い。又前記歪み発生コイル21の配置位置は偏向ヨーク20の偏向中心より蛍光面8a側に配置することが望ましく、更に後段(蛍光面側)で、しかも主偏向コイルとの干渉が少ない位置であれば歪み発生能率(スクリーン上における歪みの補正能率)が良いことから一層望ましい。又、歪み発生コイル21のターン数、線径等はスクリーン上の画像の歪みの度合いを基に設定すれば良い。
図8(A)はスクリーンSCR上の赤ラスタ、図8(B)はスクリーンSCR上の緑ラスタ、図8(C)はスクリーンSCR上の青ラスタを示し、いずれもスクリーンSCR前面側から見た形状を表わしている。偏向ヨーク装置により表示される通常状態のラスタは、赤ラスタ25、緑ラスタ26及び青ラスタ27で示される。赤ラスタ25と青ラスタ27はスクリーン上で台形状に歪んでしまう。補正コイル21に垂直鋸波電流が流れることにより、赤ラスタと青ラスタは歪みが補正され、夫々赤ラスタ25r、青ラスタ27bの様に写される。
上述したように、補正コイル(ローテーションコイル)は、画像パターン(ラスタ)をその表示面において所定方向に回転するものであり、その回転方向は、補正コイルに印加される電流の極性によって逆転する。従って、正負が交互に現れる垂直周期の鋸波電流をローテーションコイルに供給すると、ラスタの中央部を基準として、ラスタの上半分と下半分とでそれぞれラスタの回転方向が異なるようになる。例えば、垂直鋸波電流が正のときはラスタ上半分が右方向に回転し、負のときはラスタ下半分が左方向に回転する。すなわち、ローテーションコイルに、台形歪を補正するための補正電流として垂直鋸波電流を供給すれば、ローテーションコイルは、陰極線管の管面上のラスタを台形状に変形するための磁界を、陰極線管内部に発生させることができる。従って、赤色の投射型陰極線管rPRTに設けられた補正コイル21に垂直鋸波電流を供給すると、図8(A)に示されるように、スクリーン上の赤ラスタ25rは矩形状に補正される。また図8(C)にしめされるように、スクリーン上の青ラスタ27bは矩形状に補正される。このとき、垂直鋸波電流は、垂直偏向回路によってローテーションコイルに供給される。すなわち、本実施形態では、垂直偏向回路をローテーションコイルに上記補正信号を供給する補正信号供給回路として用い、垂直偏向回路が生成する垂直偏向動作のための垂直鋸波電流を、上記補正信号として用いている。
【0042】
図9(a)、図9(b)、図9(c)は図1に示す投射型陰極線管装置において、歪み発生コイル21に垂直偏向周期に同期した電流を流した状態でセンタリング調整マグネット19を作用させた場合の蛍光面中央と両端部での電子ビームスポットSPC、SPSの形状を示す図で、図9(a)は蛍光面中央から長軸方向にプラス5mmビ−ム軌道を補正移動させた場合の電子ビームスポット形状を、又図9(b)はセンタリング調整マグネット19を作用させない場合の電子ビームスポット形状を、更に図9(c)は図9(a)とは逆方向の蛍光面中央から長軸方向にマイナス5mmビーム軌道を補正移動させた場合の電子ビームスポット形状をそれぞれ示している。
【0043】
この図9(a)及び図9(c)から明らかな様に、センタリング調整マグネット19を作用させると、この装着位置が電子ビームの速度が比較的遅い位置であるため、電子ビームを曲げる以外にビーム変形を生じさせ、画面両端の電子ビームスポットSPSの形状が非円形になってしまい、変形した状態で台形状の歪み作用を受けるためフォーカス劣化による解像度劣化は避けられない。
【0044】
一方、図9(b)ではセンタリング調整マグネット19自体が電子ビームに作用を与えないことから、この位置での電子ビームスポットの変形は避けられ、中央に比べ両端の電子ビームスポットSPSは太るが、形状自体は略円形を呈し、後段で歪み発生コイル21による台形状の歪み作用を受けても解像度劣化は避けられる。
【0045】
この様に、電子ビームの速度が早く、しかも偏向作用を受けた後に台形状の歪み作用を受けることで電子ビームスポットの変形を回避し、かつ少ない電力で所望の台形状パターン画像を形成することができる。
【0046】
ここで、上記では前記歪み発生コイル21を単独で用いて説明したが、必要であれば前記コンバーゼンスコイル18との組合せも可能である。
【0047】
次に、図10は本発明の投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の他の例を示す図3に対応する図で、同一符号は同一部分に対応する。図10において、この電子銃11はフォーカス電極4を2分割し、前段(カソード電極側)の第1のフォーカス電極41と第2のフォーカス電極42にダイナミックフォーカス電圧を印加しフォーカス特性の優れた電子銃を可能にしている。第1フォーカス電極41と第2フォーカス電極42で形成される隙間には速度変調用の磁界が侵入する。
【0048】
次に、図11は本発明の投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の更に他の例を示す図で、同一符号は同一部分に対応する。図11において、この電子銃11は第1のフォーカス電極41の管軸と平行方向の中心軸C1と、これに隣接する第1陽極3の管軸と平行方向の中心軸C2とをずらした(異軸)構成とし、この第1陽極3と第1のフォーカス電極41間に形成される電子レンズを歪ませて第1陽極3から出た電子ビームを屈曲させる作用を持たせたものである。
【0049】
次に、図12は本発明の投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の更に他の例を示す図で、同一符号は同一部分に対応する。図12において、この電子銃11は第1陽極3とこれに隣接する第1のフォーカス電極41の対向端面3a、41aを管軸Z−Zと垂直に交差する面に対し左右方向に傾斜させた。即ち、第1のフォーカス電極41または第1陽極3は、右側端部の電極長(管軸方向の長さ)と左側端部の電極長が異なる。これにより第1陽極3と第1のフォーカス電極41間に形成される電子レンズを歪ませて第1陽極3から出た電子ビームを屈曲させる作用を持たせたものである。
【0050】
これら図11及び図12に示す構成の電子銃を実装した本発明の投射型陰極線管装置によれば、予め設定された方向で管軸とずれた方向に電子ビームが進行するため、電子ビームスポット形状を変形させる作用をもつセンタリング調整マグネットでの補正磁界が不要或いは減少させることができ、これは前記図9で説明したことからも明らかなようにフォーカス劣化が少なくなり、解像度劣化を防止できる。
【0051】
又、前述の投射型陰極線管装置を用いた投射型カラー画像再生装置の左右に配置した陰極線管である赤用及び青用の投射型陰極線管rPRT、bPRTに、これら図11及び図12に示す構成の電子銃を実装した本発明の投射型陰極線管装置を用いれば、3管を投射スクリーンSCRに略垂直に配置できる特徴を有することから、集中作用の為等のコンバーゼンスコイル、センタリング調整マグネット等の外部磁界の強さを軽減でき、フォーカス劣化による解像度劣化を防止できると共に、投射型カラー画像再生装置の小型化にも寄与できる。
【0052】
図13は投射型陰極線管装置を用いた投射型カラー画像再生装置の一例の背面投射型テレビの概略正面図、図14は図13を側面から見た概略断面図である。図13と図14において、投射型テレビのセットの下方に設置された投射型陰極線管装置PRTのパネルにはカップラーCPLを介して投射レンズLESが取付けられており、この陰極線管装置PRTのパネルに形成された画像を投射レンズLNSで拡大し、背面に設置されたミラーMIRで全面に設置されたスクリーンSCR上に投射される。上記構成とした投射型テレビによれば、投射型陰極線管装置PRTからスクリーンSCRまでの投射距離を実質的に短縮することが可能となり、奥行きを薄くしコンパクトな画像再生装置を構成することができる。このような投射型テレビに本発明による投射型陰極線管装置を用いたことにより、高精細、かつ高画質の投射型画像再生装置を得ることができる。
【0053】
図15は上記した投射型陰極線管装置を用いた投射型カラー画像再生装置の画像再生方式の一例を説明する模式図であって、rPRT、gPRT、bPRTはそれぞれ赤、緑、青用の投射型陰極線管、PNLは上記投射型陰極線管の画像形成部であるパネル、LNSは投射レンズ、SCRは投射スクリーンである。図15において、緑用の投射型陰極線管gPRTの中心軸上には、そのパネルPNLに対向して一定の距離だけ離間させた位置に投射スクリーンSCRが略垂直に配置されている。
又、他の赤用及び青用の投射型陰極線管rPRT、bPRTは、前記緑用の投射型陰極線管gPRTを挟んで同一面内で左右にそれぞれ配置され、その中心軸が投射スクリーンSCR上で前記中央の緑用の投射型陰極線管gPRTの中心軸と一致する角度で固定されている。そして、投射型陰極線管rPRT、gPRT、bPRTの各パネルの前面にはそれぞれの陰極線管の軸線と同一線上に投射レンズLESが配置され、各パネルに形成された単色の画像を拡大してスクリーンSCR上に投射し、重ね合わせることでカラー画像が形成される。
【0054】
図16は、投射型カラー画像再生装置(以下プロジェクション表示装置という)における3つの投射型陰極線管装置の配置を示す図である。
本発明に係るプロジェクション表示装置は、左右に配置される投写型投射型陰極線管に台形歪みを補正するためのローテーションコイル(歪み発生コイル)を取り付け、このローテーションコイルに垂直周期の鋸波電流を供給することを特徴とするものである。これにより、予め投写型投射型陰極線管の管面上のラスタを台形状にすることができるので、コンバーゼンス補正装置の消費電力の増加を抑えつつスクリーン上での台形歪を補正することが可能となる。
ローテーションコイルとは、一般的に、直視型の陰極線管において使用されているものであり、主に地磁気等の影響によるラスタ表示位置の補正を行うためのものである。ローテーションコイルに直流電流を供給すると、投射型陰極線管の管面上のラスタ全体が回転し(回転方向は電流の極性により変化する)、ラスタ表示位置が補正される。
【0055】
本発明は、このローテーションコイルを、3つの投写型投射型陰極線管のうち左右両端に位置する(すなわち赤色及び青色の)投射型陰極線管の夫々に取り付け、これらに直流電流ではなく、垂直周期の鋸波電流を供給して台形歪を補正するものである。つまり、本発明は、一般的に直視型投射型陰極線管のラスタ表示位置の補正に使用されるローテーションコイルを、プロジェクション表示装置における幾何学的な歪(特に台形歪)の補正に利用して歪補正の効率を向上させるものである。
【0056】
赤、緑、青用の投射型陰極線管rPRT、gPRT、bPRTは、それぞれ赤、緑、青の映像をその表示面(蛍光面)に表示するものであり、水平方向に並んで配置されている。このとき、緑の投射型陰極線管gPRTは中央に配置され、赤及び青の投射型陰極線管rPRT、bPRTは、それぞれ緑の投射型陰極線管gPRTを挟むように、その左右に配置される。投射型陰極線管のそれぞれのネック部には、各投射型陰極線管の電子ビームを偏向してその表示面にラスタを形成するための、水平及び垂直偏向コイル201、202を含む偏向ヨーク20が取り付けられている。投射型陰極線管の表示面のそれぞれに表示された映像は、各投射型陰極線管rPRT、gPRT、bPRTに各々対応して設けられた赤、緑及び青の投写レンズLNSによって拡大され、ミラーMIRで反射される。ミラーMIRによって反射された映像は、筐体であるキャビネットの開口に取り付けられた透過型のスクリーンSCRの背面に投写され、結像される。
【0057】
赤及び青用の投射型陰極線管rPRT、bPRTには図1の投射型陰極線管が使用される。ラスタを補正するための補正部である補正コイル21は、投射型陰極線管の表示面上のラスタを、その表示面において所定方向に回転させるためのものであって、それぞれ同一面内に配置された投射型陰極線管の左右両端に位置する赤用の投射型陰極線管rPRTと青用の投射型陰極線管bPRTに取り付けられる。補正コイル21は、赤用の投射型陰極線管rPRTに取り付けられた偏向ヨーク20のパネル側に配置される。一方、補正コイル21は、青用の投射型陰極線管bPRTに取り付けられた偏向ヨーク20のパネル側に配置される。この補正コイル21には、前述した通り垂直周期の鋸波電流が供給され、赤及び青用の投射型陰極線管rPRT、bPRTの表示面上のラスタを台形状に変形させる作用を持つ。
【0058】
赤、緑、青用の投射型陰極線管は、スクリーンSCRに対する光学位置が、わずかに異なる為に、スクリーンの上での赤、緑、青の表示位置がずれている。この様子について図17を用いて説明する。図14に示す側面図では、ミラーMIRがキャビネットの奥行きを低減する目的で設けられているが、図17は光学的に等価な配置図を示している。図17に示す様に、スクリーンSCRの正対位置に、緑色の投射型陰極線管gPRT、投写レンズLNS、が設けられており、この光軸を破線30で示す。一方、赤及び青色の投射型陰極線管rPRT、bPRTには、それぞれ投写レンズLNSが設けられており、この光軸を破線31、32で示す。両光軸によりなす角を集中角と呼び、角度33で表す。また、赤用の投射型陰極線管rPRTの左右端とスクリーン端部の映像を結ぶ光線を実線34、35で表す。実線34と35を比較すると、実線35の方が長く、すなわち投写距離が長いことになる。この結果、スクリーンSCRの上に表示される映像の大きさはは左右でアンバランスを生じ、この結果、台形歪が生じる。この投写距離のアンバランスに起因して発生する台形歪を解消するために、本発明では補正コイル21を赤及び青の投射型陰極線管rPRT、bPRTに設け、この補正コイル21の夫々に垂直周期の鋸波電流を流している。
【0059】
図18に示す様に、補正コイル21を駆動する回路は、垂直同期信号を基準として、ランプ波形発生回路で(垂直同期信号に同期した)垂直周期のランプ波(鋸波)を発生し、増幅器AMPを用いて信号の増幅を行い、補正コイル21のそれぞれに鋸波電流を供給する。このとき、赤用投射型陰極線管rPRTにつけた補正コイル21が発生させる磁界の向きと青用投射型陰極線管gPTTに付けた補正コイル21が発生させる磁界の向きが互いに逆になるように、補正コイル21の極性が設定される。
【0060】
本実施例の赤色及び青色の投射型陰極線管と投写光学系とを組み合わせた場合、投写レンズの光学的な倍率差を補正することができる。よって、スクリーン上において、台形歪みの無い投写映像を得る事ができる。この結果、コンバーゼンス回路の補正電力が増加するというプロジェクションテレビ特有の課題を解決でき、薄型のコンパクトな筐体のテレビセットが実現可能となる。
【0061】
本実施例においては、ローテーションコイルの駆動回路は、専用の駆動回路を用いて説明したが、この回路は垂直偏向回路と同一でよい。従って、ローテーションコイルの駆動回路は、偏向ヨーク装置の駆動回路と共用することが可能である。また、補正コイル21は偏向ヨーク装置20の垂直偏向コイルと並列又は直列に接続する方式でもよい。
【0062】
補正コイル21は別ピースの部品でもよく、偏向ヨーク装置20と一体成型品であっても良い。また、別ピースとする場合には、偏向ヨーク装置20の開口側と嵌合する構造とすることも可能である。更に、偏向ヨーク装置20においては、巻線しないコイルホルダのみとしても良い。いずれの場合においても十分な効果が期待できる。
【0063】
以上の通り、本発明は、水平方向の台形歪を歪み発生コイル(ローテーションコイル)で補正することにより、コンバーゼンス補正装置の負担を小さくしている。このため、投写光学距離の短いレンズを用いてプロジェクション表示装置を薄型化する場合でも、消費電力の増加を抑制しつつ、効率よく台形歪などの幾何学的な歪を低減することができる。尚、本実施形態では、ローテーションコイルを用いた例について説明したが、ラスタを表示面において所定方向に回転させる作用を持つものであれば、ローテーションコイル以外の部材を用いてもよい。
【0064】
また、集中角が大きいほど青及び赤の投写管上の台形歪み量は大きくなり、ラスタ歪みを補正する為の補正電力が大きくなる為、ローテーションコイルによる電力低減の効果も高くなる。逆に、集中角が小さいほど、青及び赤の投写管上の台形歪み量は小さくなり、ラスタ歪み補正する為の補正電力は小さい為、ローテーションコイルによる電力低減の効果は少なくなる。一般的な例として、7型の投写型投射型陰極線管を用い、40型〜70型の投写型ディスプレイを構成する場合、投射型陰極線管の管面からスクリーン面までの距離は600mmから1200mm程度となるが、このときの集中角は9度前後となり、ローテーションコイルによる効果は十分に得られるものである。すなわち、本発明は、集中角が約9度以上の場合に大きくなる台形歪を補正するのに好適であり、より効果的である。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蛍光面上に形成される画像を台形状に歪ませる歪み発生コイルを、偏向ヨークの主偏向コイルより蛍光面側に配置し、この歪み発生コイルに垂直偏向に同期した変調電流を印加することで、コンバーゼンスヨーク回路を含む装置の消費電力の軽減と、これに関連した回路的な裕度の拡大を可能にすると共に、変形の無いビームスポット形状を確保してフォーカス劣化のない解像度の優れた投射型陰極線管装置を得ることができる。又、電極間で電子ビームを屈曲させる機構を持つ電子銃を実装したことで、外部磁界の軽減が可能になり、フォーカス劣化による解像度劣化を防止できると共に、投射型カラー画像再生装置の小型化にも寄与できる優れた投射型陰極線管装置およびそれを用いたプロジェクション表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投射型陰極線管装置の一実施例を示す一部断面側面図である。
【図2】図1に示す本発明による投射型陰極線管装置に用いられる偏向装置の一例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図3】図1に示す本発明による投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の一例を示す一部断面正面図である。
【図4】本発明による投射型陰極線管装置の垂直偏向コイルと歪み発生コイルとの接続構造の一例を示す図である。
【図5】蛍光面上の電子ビームの動きを説明する図である。
【図6】蛍光面上の電子ビームの動きを説明する図である。
【図7】蛍光面上に形成される画像パターンの一例を示す模式図である。
【図8】本発明によって変調されるスクリーン上のラスタの様子を示す図である。
【図9】蛍光面上の電子ビームスポット形状とセンタリングマグネトの補正有無の関係を説明する図で、(a)及び(c)は補正有り、(b)は補正無しを示す。
【図10】本発明による投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の他の例を示す一部断面正面図である。
【図11】本発明による投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の更に他の例を示す一部断面正面図である。
【図12】本発明による投射型陰極線管装置に用いられる電子銃の更に他の例を示す一部断面正面図である。
【図13】投射型カラー画像再生装置の一例の背面投射型テレビの概略正面図である。
【図14】図13を側面から見た概略断面図である。
【図15】投射型カラー画像再生装置の再生方式の一例を説明する模式図である。
【図16】本発明の一実施形態を示すプロジェクション表示装置の構成図である。
【図17】台形歪の発生を説明するための図である。
【図18】本発明に係るローテーションコイル駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図19】従来の投射型陰極線管装置の構造例を説明する模式断面図である。
【図20】投射型陰極線管装置の蛍光面上の画像パターンを説明するための図である。
【符号の説明】
1 ビーム制御電極
2 加速電極
3 第1陽極
4 フォーカス電極
5 第2陽極
6 ビードガラス
8 パネル部
8a 蛍光面
9 ファンネル部
10 ネック部
11 電子銃
12 偏向装置
13 電子ビーム
14 導電性ピン
15 ステム
16 真空外囲器
17 内装導電膜
18 コンバーゼンスコイル
19 センタリングマグネット
20 偏向ヨーク
201 水平偏向コイル
202 垂直偏向コイル
203 コア
21 歪み発生コイル
22 枠
23 固定バンド。
Claims (24)
- パネル部と、ネック部と、前記パネル部と前記ネック部とを繋ぐファンネル部と、前記ファンネル部と反対側の前記ネック部の開口端に結合されたステムとを有する真空外囲器と、前記パネル部の内面に形成され画像を表示する蛍光面と、前記ネック部に収容された電子銃と、前記ネック部近傍に外装されたコンバ−ゼンス装置と、前記ネック部と前記ファンネル部との遷移領域近傍に外装されて電子ビームを水平および垂直方向に偏向する偏向コイルとを備え、
前記電子銃は単一電子ビ−ムを前記蛍光面に向けて出射し、
前記蛍光面上に表示される画像パタ−ンに歪を与える歪み発生コイルを前記偏向コイルより前記蛍光面側に配置したことを特徴とする陰極線管装置。 - 前記歪み発生コイルは、前記電子ビ−ムを取り囲む円形状コイルであることを特徴とする請求項1に記載の陰極線管装置。
- 前記歪み発生コイルは、前記偏向コイルの垂直偏向コイルに電気的に接続されていることを特徴とする前記請求項1に記載の陰極線管装置。
- 前記歪み発生コイルに、前記垂直偏向コイルに印加する変調電流に同期した変調電流を印加することを特徴とする前記請求項1に記載の陰極線管装置。
- パネル部と、ネック部と、前記パネル部と前記ネック部とを繋ぐファンネル部と、前記ファンネル部と反対側の前記ネック部の開口端に結合されたステムとを有する真空外囲器と、前記パネル部の内面に形成され画像を表示する蛍光面と、前記ネック部に収容された電子銃と、前記ネック部近傍に外装されたコンバ−ゼンス装置と、前記ネック部と前記ファンネル部との遷移領域近傍に外装されて電子ビームを水平および垂直方向に偏向する偏向コイルとを備え、
前記電子銃は、カソード電極と、制御電極と、加速電極と、第1陽極と、フォーカス電極及び第2陽極を所定の間隔を介して配列してなり、単一電子ビ−ムを前記蛍光面に向けて出射し、前記第1陽極とフォーカス電極間に前記電子ビ−ムを屈曲させる機構を持つことを特徴とする陰極線管装置。 - 前記電子ビ−ムを屈曲させる機構は、前記第1陽極の管軸と平行方向の中心軸と、この第1陽極に隣接するフォーカス電極の管軸と平行方向の中心軸とをずらした構成としたことを特徴とする前記請求項5に記載の陰極線管装置。
- 前記電子ビ−ムを屈曲させる機構は、前記第1陽極とフォーカス電極の対向端面を管軸に対し傾斜して構成したことを特徴とする前記請求項5に記載の陰極線管装置。
- 前記偏向コイルより前記蛍光面側に前記蛍光面上に表示される画像パタ−ンに歪を与える歪み発生コイルを配置したことを特徴とする請求項5に記載の陰極線管装置。
- 赤、緑、青色の映像を表示する3つの陰極線管が水平方向に同一面内に配置され、該3つの陰極線管に表示された映像をスクリーン上に拡大投写するように構成されたプロジェクション表示装置において、
前記3つの陰極線管のうち、左右両端に配置された陰極線管の夫々に、該陰極線管の管面においてラスタを所定方向に回転させるための補正部を設けたことを特徴とするプロジェクション表示装置。 - 前記補正部がローテーションコイルであることを特徴とする請求項9に記載のプロジェクション表示装置。
- 前記緑色の陰極線管が中央に配置され、赤及び青色の陰極線管が該緑色の陰極線管の左右に配置され、前記補正部が該赤及び青色の陰極線管に設けられることを特徴とする請求項9に記載のプロジェクション表示装置。
- 前記赤色の陰極線管に設けられた補正部によるラスタの回転方向と、前記青色の陰極線管に設けられた補正部によるラスタの回転方向が、互いに逆であることを特徴とする請求項9に記載のプロジェクション表示装置。
- 前記緑色の陰極線管が中央に配置され、赤及び青色の陰極線管が該緑色の陰極線管の左右に配置され、前記ローテーションコイルが該赤及び青色の陰極線管に設けられることを特徴とする請求項9に記載のプロジェクション表示装置。
- 前記ローテーションコイルに垂直周期の鋸波電流を供給して、前記赤及び青色陰極線管の管面上のラスタを台形状にすることを特徴とする請求項13に記載のプロジェクション表示装置。
- 赤、緑、青色の映像を表示する3本の陰極線管と、該陰極線管の夫々のネック部に装着される偏向ヨークと、前記陰極線管の夫々に対応して設けられ、該陰極線管の映像を拡大投写する投写レンズと、該投写レンズによって投写された映像が結像されるスクリーンとを有し、前記3本の陰極線管は、前記緑色の陰極線管が中央に設置されるように同一面内に配置されたプロジェクション表示装置において、
前記赤及び青色の陰極線管の夫々にローテーションコイルを設け、該ローテーションコイルは、夫々、該陰極線管のファンネル部と当該陰極線管に装着された偏向ヨークとの間に配置されることを特徴とするプロジェクション表示装置。 - 前記ローテーションコイルに、垂直周期の鋸波電流を流すことを特徴とする請求項16に記載のプロジェクション表示装置。
- 前記赤及び青色の陰極線管に設けられたローテーションコイルに流れる電流の夫々が、互いに逆極性であることを特徴とする請求項15記載のプロジェクション表示装置。
- 前記ローテーションコイルは、前記偏向ヨークの垂直偏向コイルと直列又は並列に接続されることを特徴とする請求項15に記載のプロジェクション表示装置。
- 前記偏向ヨークは、そのセパレータ開口部に一体成型品としてローテーションコイルホルダが形成され、前記ローテーションコイルは、該ローテーションコイルホルダに巻回され、垂直偏向コイルと直列又は並列に接続されることを特徴とする請求項15に記載のプロジェクション表示装置。
- 前記偏向ヨークは、そのセパレータ開口部に嵌合して取り付け可能なローテーションコイルホルダを備え、前記ローテーションコイルは、該ローテーションコイルホルダに巻回され、垂直偏向コイルと直列又は並列に接続されることを特徴とする請求項15に記載のプロジェクション表示装置。
- 赤、緑、青色の映像を表示する3つの陰極線管が水平方向に同一面内に配置され、該3つの陰極線管に表示された映像をスクリーン上に拡大投写するように構成されたプロジェクション表示装置において、
前記3つの陰極線管のうち、左右両端に配置された陰極線管の夫々に、ローテーションコイルを設けたことを特徴とするプロジェクション表示装置。 - 赤、緑、青色の映像を表示する3つの陰極線管が水平方向に同一面内に配置され、該3つの陰極線管に表示された映像をスクリーン上に拡大投射するように構成されたプロジェクション表示装置において、
前記3つの陰極線管のうち、左右両端に配置された陰極線管の各々に設けられたローテーションコイルと、
該ローテーションコイルが、前記左右両端の陰極線管の管面上のラスタを台形状に変形させるための磁界を発生するように、該ローテーションコイルに補正信号を供給する補正信号供給回路と、
前記ローテーションコイルで前記ラスタを台形状に変形する際に生じる弓形歪を補正する補正回路、とを備えることを特徴とするプロジェクション表示装置。 - 前記補正回路は、コンバーゼンス補正装置であることを特徴とする請求項22に記載のプロジェクション表示装置。
- 前記補正信号発生回路は、垂直偏向回路であり、前記補正信号として垂直周期の鋸波電流を前記ローテーションコイルに供給することを特徴とするに請求項22に記載のプロジェクション表示装置。
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JP2003111980A JP2004253352A (ja) | 2002-12-26 | 2003-04-16 | 陰極線管装置およびそれを用いたプロジェクション表示装置 |
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- 2003-04-16 JP JP2003111980A patent/JP2004253352A/ja active Pending
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