JPH07226169A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

Info

Publication number
JPH07226169A
JPH07226169A JP1461294A JP1461294A JPH07226169A JP H07226169 A JPH07226169 A JP H07226169A JP 1461294 A JP1461294 A JP 1461294A JP 1461294 A JP1461294 A JP 1461294A JP H07226169 A JPH07226169 A JP H07226169A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron beam
electrode
deflection
magnetic field
focusing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1461294A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Misono
正義 御園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP1461294A priority Critical patent/JPH07226169A/ja
Publication of JPH07226169A publication Critical patent/JPH07226169A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】偏向磁界中に位置して定電位の電界補正板と偏
向された電子ビームの相互作用で偏向収差による電子ビ
ームスポツトの歪みを抑制し画面全域かつ電子ビーム全
電流域においてフォーカス特性を向上させ、良好な解像
度を得る。 【構成】陰極線管の偏向磁界中に位置して偏向磁界によ
り偏向される電子ビーム10がその軌道を変化するとき、
電子銃の陽極電極4に偏向角に応じて電子ビーム10の
集束または発散作用を変化させる偏向収差補正電極39
と、集束電極3と陽極4の間に中間電位電極3’を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陰極線管に係り、特に蛍
光面の全域でしかも電子ビームの全電流域においてフォ
ーカス特性を向上させて良好な解像度を得ることのでき
る電子銃を備えた陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム発生部,前段集束レンズ部,
主集束レンズ部等を構成する複数の電極から成る電子銃
と偏向装置および蛍光面(蛍光膜を有する画面、以下蛍
光膜あるいは単に画面ともいう)を少なくとも備える陰
極線管において、該蛍光面の中心部から周辺部にわたっ
て良好な再生画像を得るための手段としては従来から次
のような技術が知られている。
【0003】例えば、前段集束レンズを形成する電極
(第2電極と第3電極)の領域内に非点収差レンズを設
けたもの(特開昭53−18866号公報)、インライ
ン3ビーム電子銃の第1電極と第2電極の電子ビーム通
過孔を縦長とし、それら各電極形状を異ならせたり、セ
ンター電子銃の縦横比をサイド電子銃のそれより小さく
したもの(特開昭51−64368号公報)、インライ
ン配列電子銃の第3電極の陰極側に形成したスリットに
より非回転対称レンズを形成し、スリットの電子銃軸方
向の深さをセンタービームの方がサイドビームよりも深
くした少なくとも1個所の非回転対称レンズを介して蛍
光面に電子ビームを射突させるもの(特開昭60−81
736号公報)などがある。
【0004】また、電子銃の集束レンズは偏向磁界が作
用する領域に設置されており、偏向磁界の一部が不要な
磁界輻射として電子ビームや周辺に及ぼすマイナスの影
響を与えることが知られている。この不要な磁界輻射を
打ち消すキャンセル磁界を発生する補助コイルを設けた
ものが特開平2−165546号公報、特開平3−19
0041号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】陰極線管におけるフォ
ーカス特性の要求は、画面の全域でしかも電子ビームの
全電流域での解像度が良好で、かつ低電流域ではモアレ
の発生がなく、さらに全電流域での画面全体の解像度の
均一さである。このような複数の特性を同時に満足させ
る電子銃の設計は高度な技術を要する。
【0006】本発明者等の研究によれば、陰極線管に上
記諸特性を兼備させるためには、非点収差付のレンズと
大口径主レンズの組み合わせをもった電子銃を設けるこ
とが不可欠であることが分かった。
【0007】しかし、上記従来技術においては、電子銃
に非点収差レンズや非回転対称レンズを発生させる電極
を用いて画面全域にわたって良好な解像度を得るために
は電子銃の集束電極にダイナミックなフォーカス電圧を
印加する等の必要があり、複数の非点収差レンズを用い
てその相乗効果を利用することや、非回転対称レンズを
形成する電極の数を増加させ各々の電極の特性の複合作
用で総合的なフォーカス特性を改善し、画面全域で良好
な解像度を有する再生画像を得ることについては考慮さ
れていない。
【0008】図41は陰極線管用電子銃の一例である電
子銃の全体側面図、図42はその要部部分断面図であっ
て、陰極K側から第1電極1(G1),第2電極2(G
2),第3電極3(G3),第4電極4(G4),第5
電極5(G5),第6電極6(G6)を備えた電子銃で
ある。なお、第5電極5(G5)は2つの電極51,5
2で構成されている。
【0009】同各図において、各電極の長さ,電子ビー
ム通過孔の口径等による電界の電子ビームに与える影響
は全て異なる。例えば、陰極Kに近い第1電極1の電子
ビーム通過孔の形状は小電流域の電子ビームのスポット
形状を左右するが、第2電極2の電子ビーム通過孔の形
状は小電流域から大電流域までの電子ビームのスポット
形状を左右する。
【0010】更に、第6電極6に陽極電圧を供給して第
5電極5と第6電極6の間に主レンズを形成するものに
おいては、主レンズを構成する第5電極5と第6電極6
の電子ビーム通過孔の形状は大電流域での電子ビームス
ポット形状には大きな影響を与えるが、小電流域での電
子ビームスポット形状に与える影響は上記大電流域に比
較して小さい。
【0011】さらに、上記電子銃の第4電極4の管軸方
向の長さは最適フォーカス電圧の大きさに影響し、かつ
小電流時と大電流時での各々の最適フォーカス電圧の差
に著しい影響を与えるが、第5電極5の管軸方向の長さ
変化による影響は第4電極4に比較して著しく小さい。
【0012】したがって、電子ビームのもつ各々の特性
値を最適化するためには、各々の特性に最も効果的に作
用する電極の構造を適正化する必要がある。
【0013】また、陰極線管の電子ビーム走査方向と直
角方向の解像度を増すため、電子ビーム走査方向と直角
方向のシャドウマスクの開孔ピッチを小さくしたり、電
子ビーム走査線の密度を大きくした場合、特に電子ビー
ムの小電流域では電子ビームとシャドウマスクとの間で
光学的な干渉が生じるため、モアレコントラストを適正
化する必要がある。しかし、従来の技術では、上記した
様々な問題点を克服することができなかった。
【0014】例えば、図43はフォーカス電圧の与え方
による電子銃の構造比較のための要部断面模式図であっ
て、(a)はフォーカス電圧固定方式、(b)はダイナ
ミックフォーカス電圧方式を示す。
【0015】同図(a)のフォーカス電圧固定方式電子
銃の電極構成は前記図41,図42に示したものと同じ
であり同一作用部分は同一符号を付してある。
【0016】上記(a)のフォーカス電圧固定方式電子
銃では、その第5電極5を構成する電極51と52には
同一電位のフォーカス電圧Vf1が印加される。
【0017】一方、(b)のダイナミックフォーカス電
圧方式電子銃では、2つの電極51,52で構成されて
いる第5電極5(G5)のそれぞれに異なるフォ−カス
電圧が供給される。特に片方の電極52にはダイナミッ
クフォーカス電圧dVf が供給される。更に、このダイ
ナミックフォーカス電圧方式電子銃では符号43で示し
たように他の電極内に入り組んだ部分も有り、(a)に
示した電子銃に比べて構造が複雑で部品のコストが高
く、かつ電子銃として組み立てる場合の作業性が劣ると
いう欠点がある。
【0018】図44は上記図43に示した電子銃に供給
するフォ−カス電圧の説明図であって、(a)はフォー
カス電圧固定方式の電子銃におけるフォーカス電圧波
形、(b)はダイナミックフォーカス電圧方式の電子銃
におけるフォーカス電圧の波形図である。
【0019】同図(b)では固定のフォーカス電圧Vf1
があり、更に別の固定のフォーカス電圧Vf20にダイナ
ミックフォーカス電圧Vf2を重畳した波形の電圧を用い
ている。このために、図43(b)に示したダイナミッ
クフォーカス電圧方式の電子銃では陰極線管のステムの
フォーカス供給用ピンが2本必要になり、他のステムピ
ンからの絶縁に(a)のフォーカス固定方式電子銃以上
の注意が必要になる。このことは、テレビセットに組み
込むためのソケットも特別な構造が必要となり、2系統
の固定のフォーカス電源に加えて、更にダイナミックフ
ォーカス電圧発生回路、テレビセットの組立ラインでの
フォーカス電圧調整に時間を要するなどの問題が有る。
【0020】陰極線管では電子ビ−ムの最大偏向角はほ
ぼ決まっているので、蛍光面のサイズが大形化するほど
蛍光面と電子銃の主集束レンズ間の距離が伸びこの領域
で作用する電子ビ−ムの空間電荷反発によるフォーカス
特性低下を助長する。
【0021】従って、空間電荷反発によるフォーカス特
性低下を軽減する手段があれば蛍光面のサイズを縮小し
たような細い電子ビ−ムを得られるので陰極線管の解像
度は向上する。
【0022】現行テレビセットの奥行き寸法は陰極線管
の全長に依存しているがテレビセットを家具と考えると
その奥行きは短いのが好ましい。更にテレビセットメー
カなどが沢山のテレビセットを搬送する場合セットの奥
行きの短いのは輸送効率上好ましい。
【0023】上記従来技術においては、陰極線管の管軸
長を短縮することによる陰極線管のネック部における電
子ビ−ム偏向磁界発生構体取付け部の温度上昇抑制につ
いては考慮されていない。
【0024】また、電子銃の主レンズは偏向ヨークの発
生する偏向磁界の中に位置しており、電界の存在する部
位で電子ビームが偏向される構成となっている。
【0025】また、上記ダイナミックフォーカス電圧方
式においてはフォーカス電圧は固定し、非点収差補正に
より画面中央並びに周辺のフォーカス特性が適正化され
る。しかし、このフォーカス電圧をダイナミックに駆動
する方式では、駆動回路の設置とその調整作業の必要が
あり、構造の複雑化と作業の繁雑化を伴う。
【0026】また、フォーカス電圧を固定して非点収差
を補正する方式では、画面中央の電子ビームスポツト径
がやや増加するという問題がある。
【0027】本発明者等は先に、偏向磁界中で偏向収差
を補正する方式の電子銃を提案した。
【0028】図45は上記偏向収差補正方式の電子銃の
動作概念の説明図であって、3は集束電極、4は陽極電
極、4’は陽極電極内部に設置した内部電極、38は主
レンズ、39は偏向収差補正電極、13は蛍光面であ
る。
【0029】同図において、陽極電極4の蛍光面側に定
電圧(陽極電圧)を印加した偏向収差補正電極39を設
け、この偏向収差補正電極39によって、偏向された電
子ビームの偏向角に応じて電子ビームの軌道を100
に示したように偏向して、ダイナミック電圧を印加する
ことなくフォーカスを補正するものである。
【0030】この偏向収差補正方式の構造により、画面
周辺部での電子ビームスポツトの広がりが低減されてハ
ローが抑制される。
【0031】なお、100 は当該偏向収差補正方式用の
偏向収差補正電極39を設けないときの電子ビーム軌道
を示す。
【0032】しかし、主レンズは偏向磁界の影響の少な
いカソード側に離して設置されており、また電子ビーム
の偏向開始位置は電子ビーム電流により管軸方向に移動
することが知られており、この偏向開始位置がカソード
側に移動すると、電極内部の構造体に電子ビームが衝突
してしまう。
【0033】図46は水平偏向角が増大したときの電子
ビームの衝突を説明する概念図であって、主レンズは偏
向磁界の影響を少なくするためにカソード側に離して設
置され、陽極電極4の内部に設置された内部電極4’は
偏向開始点より蛍光面側に位置するため、水平偏向角が
増加すると電子ビームは内部電極4’に衝突してしま
う。
【0034】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、画面全域で、しかも電子ビーム全電流域におい
てフォーカス特性を向上させ、良好な解像度を得ること
ができると共に、小電流域でのモアレを低減でき、偏向
磁界中に位置して定電位の電界補正板と偏向された電子
ビームの相互作用で偏向収差による電子ビームスポツト
の歪みを抑制した陰極線管を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の発明は、複数の電極から
成る電子銃と、前記電子銃から発射される電子ビームを
水平方向と垂直方向に偏向する偏向装置および電子ビー
ムの射突により画像を生成する蛍光面を少なくとも備え
る陰極線管において、前記電子銃の主レンズを構成する
集束電極の内部に、隣接する電子ビーム軌道間を仕切る
仕切り板を備え、前記集束電極に対向する陽極電極の内
部に、隣接する電子ビーム軌道間を仕切る仕切り板を備
え、前記集束電極と陽極電極の間に前記集束電極と陽極
電極のそれぞれに印加する電位の中間の電位を印加する
中間電位電極を設けると共に、前記陰極線管の偏向磁界
中に位置して前記偏向磁界により偏向される電子ビーム
がその軌道を変化するときの前記電子銃の陽極電極に当
該偏向角に応じて電子ビームの集束または発散作用を変
化させる偏向収差補正電極を設けたことを特徴とする。
【0036】また、本発明の請求項2に記載の発明は、
複数の電極から成る電子銃と、前記電子銃から発射され
る電子ビームを水平方向と垂直方向に偏向する偏向装置
および電子ビームの射突により画像を生成する蛍光面を
少なくとも備える陰極線管において、前記電子銃の主レ
ンズを構成する集束電極の内部に、隣接する電子ビーム
軌道間を仕切る仕切り板を備え、前記陰極線管の偏向磁
界中に位置して前記偏向磁界により偏向される電子ビー
ムがその軌道を変化するときの前記電子銃の陽極電極に
当該偏向角に応じて電子ビームの集束または発散作用を
変化させる偏向収差補正電極を設けたことを特徴とす
る。
【0037】さらに、本発明の請求項3に記載の発明
は、複数の電極から成る電子銃と、前記電子銃から発射
される電子ビームを水平方向と垂直方向に偏向する偏向
装置および電子ビームの射突により画像を生成する蛍光
面を少なくとも備える陰極線管において、前記電子銃の
主レンズを構成する集束電極の内部に、隣接する電子ビ
ーム軌道間を仕切る仕切り板を備え、前記集束電極に対
向する陽極電極の内部に、隣接する電子ビーム軌道間を
仕切る仕切り板を備え、前記集束電極と陽極電極の対向
部に磁気シールドを設けると共に、前記陰極線管の偏向
磁界中に位置して前記偏向磁界により偏向される電子ビ
ームがその軌道を変化するときの前記電子銃の陽極電極
に当該偏向角に応じて電子ビームの集束または発散作用
を変化させる偏向収差補正電極を設けたことを特徴とす
る。
【0038】なお、上記請求項3の発明における磁気シ
ールドの構成方式としては、前記集束電極と陽極電極の
対向部のそれぞれの内周、または外周に磁性体からなる
筒体またはリングを周回させる方式、垂直側上下に設け
る方式、少なくとも上記対向部の電極材料を磁性体で構
成する方式、あるいはネック外周に磁性体を周回させる
方式が採用できる。
【0039】さらに、ネック部に偏向ヨークを装架する
ときに巻回するテープ状あるいはシート状のスペーサを
磁性体とする方式も採用可能である。
【0040】なお、本発明は、さらに次のような構成を
備えた陰極線管としたことを特徴とする。
【0041】(1)陰極線管の偏向磁界中に位置して、
偏向される電子ビームがその軌道を変化するとき、当該
偏向角に応じて電子ビームの集束または発散作用が変化
する構造の電極をもつ電子銃を備えたこと。
【0042】(2)上記(1)において、電子ビームが
画面中央に位置するとき非点収差を緩和する電極構造を
持つ電子銃を備えたこと。
【0043】(3)上記(1)(2)において、当該偏
向角に応じて電子ビームの集束または発散作用が変化す
る構造の電極の一部に電子銃の陽極電圧を供給する構造
としたこと。
【0044】(4)上記(1)(2)において、当該偏
向角に応じて電子ビ−ムの集束または発散作用が変化す
る構造の電極の少なくとも一部に電子銃の陽極電圧以外
の電圧を供給する構造としたこと。
【0045】(5)上記(4)において、当該偏向角に
応じて電子ビームの集束または発散作用が変化する構造
の電極の少なくとも一部に電子銃の陽極電圧以外の電圧
を供給するために必要な電圧を陰極線管内で発生させる
構造としたこと。
【0046】(6)上記(5)において、当該偏向角に
応じて電子ビームの集束または発散作用が変化する構造
の電極の少なくとも一部に電子銃の陽極電圧以外の電圧
を供給するために必要な電圧を陰極線管内で発生させる
手段として、陰極線管内に設置した電気抵抗体の分電圧
を用いる構造としたこと。
【0047】(7)上記(1)〜(6)において、電子
銃の主集束レンズを陰極線管の蛍光面に近い位置に設置
する構造としたこと。
【0048】(8)上記(1)〜(7)において、電子
銃の集束電極にダイナミックなフォーカス電圧を印加す
る構造とした。
【0049】(9)上記(1)〜(8)において、陰極
線管のネック部の偏向磁界発生構体を、その取付け部の
温度上昇を緩和する構造としたこと。
【0050】(10)上記(1)〜(9)において、陰
極線管の陰極加熱構体の消費電力を低減する構造とした
こと。
【0051】(11)上記(1)〜(10)において、
電子銃を構成する複数の電極に、蛍光面の中央部での大
電流域の電子ビームスポットの形状が略円形または略矩
形で、かつ電子ビームの特定走査方向,例えば水平走査
方向に作用する適正フォーカス電圧の方がこの走査方向
と直角方向,例えば垂直走査方向に作用する適正フォー
カス電圧より高いフォーカス特性を有する静電レンズを
形成する電極と、上記蛍光面中央部での小電流域の電子
ビームスポットの形状が略円形または略矩形、もしくは
水平走査方向径よりこの走査方向と直角方向(垂直走査
方向)径を大とし、かつ水平走査方向に作用する適正フ
ォーカス電圧の方が垂直走査方向に作用する適正フォー
カス電圧より高いフォーカス特性を有する静電レンズを
形成する電極とを具備させたこと。
【0052】(12)例えば、陰極側から第1電極,第
2電極,第3電極,第4電極,第5電極,第6電極の順
で配置し、少なくとも第2電極と第4電極に制御電圧を
印加し、かつ少なくとも第3電極と第5電極にフォーカ
ス電圧を印加する形式の電子銃(UPF−BPFハイブ
リッド型電子銃)では、その複数の電極の少なくとも2
箇所に非回転対称電界を発生する構造を付与したこと。
【0053】(13)上記(12)において、陰極に近
い電極(例えば第1電極,第2電極)のうち少なくとも
1箇所の電子ビーム通過孔の形状を、電子ビーム走査方
向と直角方向(例えば垂直走査方向)径を電子ビーム走
査方向(水平走査方向)径以下として、特に小電流域に
おいてなお一層のフォーカス特性を向上させた構造とし
たこと。
【0054】(14)上記(12)または(13)にお
いて、第1電極の電子ビーム通過孔径の縮小に伴う陰極
へのローディングの増加を軽減する必要がある場合は、
第1電極の電子ビーム通過孔の垂直走査方向径を小さく
した分、水平走査方向径を大きくして電子ビーム通過孔
の開口面積を減少させない構造としたこと。
【0055】上記した偏向される電子ビ−ムがその軌道
を変化するとき、当該偏向角に応じて電子ビームの集束
または発散作用が変化する構造の電極を、以下偏向収差
補正電極という。
【0056】
【作用】上記請求項1の発明の構成とした陰極線管にお
いては、偏向収差補正電極によりダイナミックフォーカ
ス電圧を印加することなく偏向角に応じたフォーカス制
御を行うと共に、中間電位電極により水平偏向磁界の主
レンズ近傍への浸透によるフォーカス電極内部での隣接
電子ビーム間の仕切り板に電子ビームが衝突するポテン
シャルが下がる。
【0057】主レンズ位置を偏向ヨーク中心に近接させ
ることができ、また偏向収差補正電極によるフォーカス
特性を十分に生かすことができ、フォーカス特性が改善
される。
【0058】また、上記請求項2の発明の構成とした陰
極線管においては、水平偏向磁界の主レンズ近傍の侵入
により、隣接する電子ビーム軌道間の仕切り板への電子
ビームの衝突が抑制され、主レンズ位置を偏向ヨーク中
心に近接させることができ、また偏向収差補正電極によ
るフォーカス特性を十分に生かすことができ、フォーカ
ス特性が改善される。
【0059】そして、上記請求項3の発明の構成とした
陰極線管においては、主レンズ部に設けた磁性体により
主レンズ部への水平偏向磁界の侵入が抑制されるので、
主レンズ位置を偏向ヨーク中心に近接させることがで
き、また偏向収差補正電極によるフォーカス特性を十分
に生かすことができ、フォーカス特性が改善される。
【0060】さらに、本発明の構成は次のような作用を
有する。
【0061】(1)偏向磁界中に位置して電子ビームが
偏向されてその軌道が変化するとき偏向角に応じて電子
ビームの集束または発散作用が変化する構造の電極を構
成することにより、蛍光面の全域で適正な電子ビ−ムの
集束または発散作用が可能になり蛍光面の全域で解像度
が良好な特性を得られる。
【0062】(2)偏向磁界中に位置して電子ビームが
偏向されてその軌道が変化するとき偏向角に応じて電子
ビームの集束または発散作用が変化する構造の電極に陽
極電圧を印加することで、偏向により当該電極に接近し
た電子ビームの集束または発散作用を緩和して蛍光面の
中央から離れた位置でも適切な電子ビームの集束作用を
得ることが可能になる。
【0063】(3)偏向磁界中に位置して電子ビームが
偏向されてその軌道が変化するとき偏向角に応じて電子
ビームの集束または発散作用が変化する構造の電極の一
部に陽極電圧以外の電圧を印加することで、偏向により
当該電極に接近した電子ビームの集束または発散作用を
加速して、特定方向に生じる偏向磁界に依る電子ビーム
の集束または発散作用を抑制することで蛍光面の中央か
ら離れた位置でも適切な電子ビームの集束作用を得るこ
とが可能になる。
【0064】(4)上記陽極電圧以外の電圧は陰極線管
の内部でも発生させることも出来、例えば陰極線管の内
部に抵抗値の大きな電気抵抗体を設置し、その一端を陽
極に、他端を接地等の電位に接続して、その中間部の適
当な位置から所要の電圧を取り出すことで必要な電圧を
得ることが出来る。
【0065】(5)電子銃内部で電子ビームの径が最大
となる場所は主集束レンズ付近である。陰極線管におい
て、特にインライン型カラー受像管やカラー表示管など
では、一般にコンバーゼンス調整の簡便化から電子ビー
ムの偏向磁界は非斉一である。このような場合、偏向磁
界による電子ビームの歪みを抑制するために主集束レン
ズは可能な限り偏向磁界発生部より離した方が良いた
め、通常、偏向磁界発生部は電子銃の主集束レンズより
も蛍光面に近い位置に設置する。
【0066】一方、電子銃の陰極から主集束レンズ間の
長さは、電子銃の像倍率を縮小して蛍光面上のビームス
ポット径を小さくするためには長い方が良い。
【0067】従ってこれらの2つの作用に対応した解像
度の良い陰極線管は必然的に管軸長が長くなる。
【0068】しかし、本発明により、電子銃の陰極から
主集束レンズまでの間の長さを変化させない状態で主集
束レンズの位置を蛍光面に近付けることで、電子銃の像
倍率は更に縮小して蛍光面上の電子ビームスポット径を
更に小さく出来、同時に管軸長も短縮できる。
【0069】(6)主集束レンズの位置が蛍光面に近付
くことにより、電子ビーム中の空間電荷の反発の持続す
る時間が短縮されるので、蛍光面上のビームスポット径
を更に小さく出来る。
【0070】この状態では主集束レンズ中の電子ビーム
は、偏向磁界発生部に近づくか、偏向磁界発生部の中に
入ってしまうので、偏向磁界により歪み易くなるが上記
偏向角に応じて集束または発散作用が変化する本発明に
よる電極構造の作用で上記歪みは抑制される。
【0071】(7)電子ビームスポットが蛍光面の中央
に位置する時は偏向磁界の影響を受けないので、偏向磁
界による歪み対策は不要になるため電子銃のレンズ作用
は回転対象の集束系となり、蛍光面上での電子ビームス
ポット径をより小さくすることが出来る。
【0072】(8)電子銃の集束電極にダイナミックな
フォーカス電圧を印加することにより一層蛍光面の全域
で適正な電子ビームの集束作用が可能になり蛍光面の全
域で解像度が良好な特性を得られるが、偏向磁界中に位
置して電子ビームが偏向されてその軌道が変化するとき
偏向角に応じて電子ビームの集束または発散作用が変化
する本発明による電極構造との組合せにより、必要なダ
イナミックフォーカス電圧を低くすることが可能にな
る。
【0073】(9)電子銃を構成する複数の電極で構成
される複数の静電レンズの作る電界の少なくとも2つを
非回転対称電界とすることにより、蛍光面の画面中央部
の大電流域での電子ビームスポットの形状を略円形また
は略矩形とし、かつ電子ビーム走査方向に作用する適正
フォーカス電圧が走査方向と直角方向に作用する適正フ
ォーカス電圧より高いフォーカス特性を有する静電レン
ズと、上記蛍光面中央部での小電流域の電子ビームスポ
ットの走査方向径より走査方向と直角方向の径を走査方
向と直角方向のシャドウマスクピッチや走査線密度に適
合させ、かつ走査方向に作用する適正フォーカス電圧が
走査方向と直角方向に作用する適正フォーカス電圧より
高いフォーカス特性を有する静電レンズが形成され、こ
れらの非回転対称電界によるレンズは電子ビームを蛍光
面の画面上の全域でしかも全電流域においてモアレのな
い良好なフォーカス特性をもたらす。
【0074】なお、本発明において使用している「非回
転対称」とは、円の如く回転中心から等距離の点の軌跡
で表されるもの以外を意味する。たとえば「非回転対
称」のビームスポットとは非円形のビームスポットのこ
とである。
【0075】次に、本発明による電子銃を用いたことに
よる陰極線管のフォーカス特性と解像度が向上されるメ
カニズムを説明する。
【0076】図30はインライン型電子銃を備えたシャ
ドウマスク方式カラー陰極線管の断面を説明する模式図
であって、7はネック、8はファンネル、9はネック7
に収納した電子銃、10は電子ビーム、11は偏向ヨー
ク、12はシャドウマスク、13は蛍光膜、14はパネ
ル(画面)である。
【0077】同図において、この種の陰極線管は、電子
銃9から発射された電子ビーム10を偏向ヨーク11で
水平と垂直の方向に偏向させながらシャドウマスク12
を通過させて蛍光膜13を発光させ、この発光によるパ
ターンをパネル14側から画像として観察するものであ
る。
【0078】図31は画面の中央部で円形となる電子ビ
ームスポットで画面の周囲を発光させた場合の電子ビー
ムスポットの説明図であって、14は画面、15は画面
中央部でのビームスポット、16は画面の水平方向(X
−X方向)端でのビームスポット、17はハロー、18
は画面垂直方向(Y−Y方向)端でのビームスポット、
19は画面対角方向(コーナ部)端でのビームスポット
を示す。
【0079】また、図32は陰極線管の偏向磁界分布の
説明図であって、Hは水平偏向磁界分布、Vは垂直偏向
磁界分布を示す。
【0080】最近のカラー陰極線管では、コンバーゼン
ス調整を簡略化するために同図に示したように水平偏向
磁界Hをピンクッション形、垂直偏向磁界Vをバレル形
の非斉一磁界分布を用いている。
【0081】このような磁界分布のためと、蛍光面(画
面)中央部とその周囲とでは電子ビーム10の軌道が異
なることのためと、かつ画面周辺部では電子ビーム10
は蛍光膜13に対して斜めに射突するために、画面の周
辺部では電子ビーム10による発光スポットの形状は円
形ではなくなる。
【0082】前記図31に示したように、水平方向端に
おけるビームスポット16は中央部でのスポット15が
円形であるのに対し横長となり、かつハロー17が発生
する。このため、水平方向端のビームスポット16の大
きさが大となり、かつハロー17の発生でスポット16
の輪郭が不明瞭となって解像度が劣化し画像品質を著し
く低下させてしまう。
【0083】さらに、電子ビーム10の電流が少ない場
合は、電子ビーム10の垂直方向の径が過剰に縮小して
シャドウマスク12の垂直方向のピッチと光学的に干渉
を起こし、モアレ現象を呈すると共に、画質の低下をも
たらす。
【0084】また、画面垂直方向端におけるスポット1
8は、垂直方向の偏向磁界によって電子ビーム10が上
下方向(垂直方向)に集束されて横つぶれの形状となる
と共にハロー17が発生して画質の低下をもたらす。
【0085】画面のコーナ部での電子ビームスポット1
9は、上記スポット16のように横長となるのと、上記
スポット18のように横つぶれになるのとが相乗的に作
用するのに加え、電子ビーム10の回転が生じ、ハロー
17の発生はもとより、発光スポット径自身も大きくな
って、著しく画質の低下をもたらす。
【0086】図33は上記した電子ビームスポット形状
の変形を説明する電子銃の電子光学系の模式図であっ
て、理解を容易にするために上記系を光学系に置き換え
てある。
【0087】同図では、図の上半分に画面の垂直方向
(Y−Y)断面、下半分に画面の水平方向(X−X)断
面を示す。
【0088】そして、20,21はプリフォーカスレン
ズ、22は前段主レンズ、23は主レンズであり、これ
らのレンズで図38の電子銃9に相当する電子光学系を
構成する。また、24は垂直偏向磁界により生じるレン
ズ、25は水平偏向磁界により生じるレンズであり、偏
向による電子ビームが蛍光膜13に対して斜めに射突す
ることにより見掛け上水平方向に引き延ばされるのを等
価的なレンズとして表したものである。
【0089】先ず、陰極Kから発射される画面の垂直方
向断面の電子ビーム27はプリフォーカスレンズ20と
21の間で陰極Kから距離l1 のところでクロスオーバ
Pを形成後、前段主レンズ22と主レンズ23で蛍光膜
13に向けて集束される。
【0090】偏向が零である画面中央部では軌道28を
通って蛍光膜13に射突するが、画面周辺部では垂直偏
向磁界により生じるレンズ24の作用で軌道29を通っ
て横つぶれのビームスポットとなる。さらに、主レンズ
23には球面収差があるので、一部の電子ビームは軌道
30で示すように、蛍光膜13に達する前に焦点を結ん
でしまう。これが前記図31に示したような画面垂直方
向端のビームスポット18のハロー17やコーナ部のビ
ームスポット19のハロー17が発生する理由である。
【0091】一方、陰極Kから発射された画面の水平方
向断面の電子ビーム31は上記垂直方向断面の電子ビー
ム27と同様に、プリフォーカスレンズ20,21、前
段主レンズ22,主レンズ23により集束され、偏向磁
界の作用が零である画面中央部では軌道32を通って蛍
光膜13に射突する。
【0092】偏向磁界が作用する領域でも水平偏向磁界
によるレンズ25の発散作用のために軌道33を通って
横長のスポット形状となるが、水平方向にハローが発生
することはない。
【0093】ただし、画面中央部に比較して主レンズ2
3と蛍光膜13との間の距離が大きくなるため垂直方向
の偏向作用のない図31の水平方向端部16においても
垂直方向の断面では蛍光膜13に到達する以前に一部の
電子ビームは焦点を結ぶため、ハロー17が発生する。
【0094】このように、電子銃のレンズ系を、水平方
向,垂直方向共に同一な系となる構造とした回転対称の
レンズ系において画面中央部での電子ビームのスポット
形状を円形にすると、画面周辺部での電子ビームのスポ
ット形状は歪んでしまい、画質を著しく低下させる。
【0095】図34は図33で説明した画面周辺部での
画質の低下を抑制する手段の説明図であって、図33と
同一符号は同一部分に対応する。
【0096】同図に示したように、画面の垂直方向(Y
−Y)断面での主レンズ23−1の集束作用を水平方向
(X−X)断面での主レンズ23より弱くする。これに
より、電子ビームの軌道は垂直偏向磁界により生じるレ
ンズ24を通過した後でも図示の軌道29に示したよう
になり、図31で説明したような極端な横つぶれは発生
せず、またハローも生じ難くなる。しかし、画面中央部
での軌道28は電子ビームのスポット径を増す方向にシ
フトする。
【0097】図35は図34に示したレンズ系を用いた
場合の蛍光面14の電子ビームスポット形状を説明する
模式図であって、水平方向端部のビームスポット16と
垂直方向端部のビームスポット18およびコーナ部のビ
ームスポット19、すなわち画面周辺部でのビームスポ
ットではハローが抑制されるので、これらの個所の解像
度は向上する。
【0098】しかし、画面中央部でのビームスポット1
5を見ると、垂直方向のスポット径dYは水平方向のス
ポット径dXより大きくなり、垂直方向の解像度は低下
する。
【0099】したがって、主レンズ23の画面垂直方向
と水平方向の集束効果が異なった構造とした非回転対称
電界系にすることでは、画面全体の解像度を同時に向上
させるという目的からは根本的解決策とはならない。
【0100】図36は主レンズ23のレンズ強度を非回
転対称とする代わりにプリフォーカスレンズ21の水平
方向(X−X)レンズ強度を強化した電子銃の電子光学
系の模式図であって、クロスオーバ点Pの像を発散させ
る水平方向プリフォーカスレンズ21−1の強度を垂直
方向プリフォーカスレンズ21のそれより大きくし、電
子ビーム31の前段主レンズ22への入射角を増し、主
レンズ23を通過する電子ビームの径を大きくすること
によって、蛍光膜13での水平方向での電子ビームスポ
ット径を小さくすることができる。しかし、画面垂直方
向の電子ビーム軌道は図34に示したものと同様である
のでハロー28の抑制効果はない。
【0101】図37は上記図36の構成にハローの抑制
効果を付加した電子銃の電子光学系の模式図であって、
前段主レンズを22−1に示したように垂直方向(Y−
Y)のレンズ強度を増すことにより、主レンズ23の垂
直方向の電子ビーム軌道が光軸に接近して、焦点深度の
深い結像系となり、ハロー28は目立たなくなって解像
度が向上する。
【0102】図38は上記図37に示した構成のレンズ
系を用いたときの画面14上での電子ビームのスポット
形状を説明する模式図であって、ビームスポット15,
16,18,19に示されたように画面全域にわたって
ハローのない良好な解像度が得られる様子が分かる。
【0103】以上は、電子ビームの電流量が比較的大き
な場合(大電流域)の電子ビームスポット形状の説明で
ある。しかし、電子ビームの電流量が少ない場合(小電
流域)では、電子ビームの軌道は結像系の近軸のみを通
過するので、口径の大きいレンズ21,22,23の水
平方向と垂直方向のレンズ強度の差の影響は少なく、図
38に34,35,36,37で示したように、ビーム
スポットは画面中央部では円形(34)で、画面周辺部
では横長(35,36)あるいは斜長(37)となって
モアレ発生の原因になり、ビームスポット径の横方向径
(水平方向径)の増加により解像度が低下する。
【0104】この対策としては、レンズ口径が小さく、
レンズ強度の非回転対称性が結像系の近軸付近まで影響
する部位のレンズでの対処が必要になる。
【0105】図39は小電流時での電子ビームの軌道を
説明する電子銃光学系の模式図であって、この場合は、
陰極Kからクロスオーバ点Pまでの距離l2 は、図34
の同距離l1より陰極Kの近くになる。
【0106】図40はプリフォーカスレンズの内の発散
レンズ側の画面垂直方向(Y−Y)のレンズ強度を大き
くした場合の電子銃の光学系を示す模式図であって、プ
リフォーカスレンズ20を構成する発散レンズの垂直方
向強度を増すことで、クロスオーバPの陰極Kからの距
離l3 は前記l2 よりも長くなる。
【0107】このため、垂直方向断面の電子ビーム27
がプリフォーカスレンズ21に入射する位置は図39の
場合よりもさらに近軸となり、レンズ21,22−1お
よび23のレンズ効果は小さくなって画面の垂直方向の
焦点深度が深い結像系となる。
【0108】ただし、大電流時と小電流時の各レンズで
の影響は完全には独立しておらず、同図の垂直方向のプ
リフォーカスレンズ20−1のレンズ効果は大電流時の
電子ビームのスポット形状に影響するので、各レンズの
特性を活かして全体のバランスのとれた系にする必要が
ある。特に、主レンズの構造が異なったり、画質のどの
ような項目をより向上すべきか等は陰極線管の使途によ
り異なるので、非回転対称のレンズの位置および各々の
レンズ強度については一意的ではない。
【0109】また、上記のように、通常の陰極線管の使
途では、全電流域での解像度を向上させるためには、大
電流域と小電流域とで別の部位での非回転対称電界を形
成するレンズの設置が必要であり、また各レンズの非回
転対称性には電界強度の変化に限界があり、かつレンズ
部位に依っては非回転対称電界の強度を増すとビーム形
状が極端に歪んで、解像度の低下をもたらす原因とな
る。
【0110】以上は電子ビームのスポットの変形による
フォーカス特性の低下を抑制する一般的な手段である。
実際の電子銃ではこのような目的のために、前記したよ
うに、フォーカス電圧を固定の状態で用いる方式のもの
と、陰極線管の画面上で電子ビ−ムの偏向角に応じてそ
の位置での最適フォーカス電圧をダイナミックに供給す
る方式のものが有る。
【0111】上記2つの方式にはそれぞれ長所短所が有
る。フォーカス電圧を固定の状態で用いる方式のものは
電子銃のコストが低くかつフォーカス電圧を供給する電
源回路も簡単で、回路のコストが低い反面、非点収差補
正を行うために陰極線管の画面上での各位置でそれぞれ
最適フォーカス状態にできるわけではないので、ビーム
スポットの径は最適フォーカス状態に比べて大きくな
る。
【0112】一方、陰極線管の画面上で電子ビームの偏
向角に応じてその位置での最適フォーカス電圧をダイナ
ミックに供給する方式は、画面上の各点で良好なフォー
カス特性が得られる反面、電子銃の構造およびフォーカ
ス電圧を供給する電源回路も複雑になり、さらにテレビ
セットやディスプレイ端末の組立ラインでのフォーカス
電圧の設定に時間を要するのでコストも上昇する。
【0113】本発明では上記2つの方式のそれぞれの長
所を併せ持ち、かつ短所を除いた電子銃を用いた陰極線
管を提供するものである。
【0114】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。なお、以下の実施例では、特にキャ
ンセルコイルを図示して説明しないものであっても、そ
の構成としてこのキャンセルコイルによる偏向ヨークの
漏洩磁界の相殺を行うものを含む。
【0115】図1は本発明による陰極線管の第1実施例
を説明する断面模式図であって、1は電子銃の第1電極
(G1)、2は第2電極(G2)、3は第3電極(G
3)でこの実施例ではフォーカス電極、3’は中間電位
電極、4は第4電極(G4)でこの実施例では陽極であ
る。そして、7は電子銃を収納する陰極線管のネック
部、8はファンネル部、14はパネル部でこれら3つの
組合せにより陰極線管の真空外囲器を構成する。
【0116】また、10は電子銃から発射された電子ビ
ームであり、シャドウマスク12の開口部を通過してパ
ネル14の内面に形成された蛍光膜13に射突して該蛍
光膜13を発光させ、陰極線管の画面上に表示を行う。
11は電子ビーム10を水平と垂直の2方向に偏向させ
る偏向ヨークで、電子ビームを制御する映像信号に同期
して磁界を発生させ電子ビ−ム10の蛍光膜13への射
突位置を制御する。
【0117】なお、38は電子銃の主レンズで、陰極K
から発射された電子ビ−ム10を第1電極(G1)1,
第2電極(G2)2,第3電極(G3)3を通過後、第
4電極(G4)4との間に形成される主レンズ38の電
界により電子ビ−ム10を蛍光面13上に焦点を結ぶ作
用をする。
【0118】そして、39は偏向ヨ−ク11の磁界内に
位置して、電子ビ−ム10を偏向ヨ−ク11の磁界で偏
向するとき、当該偏向角に応じて電子ビ−ム10の集束
または発散状態を制御する偏向収差補正電極である。
【0119】この偏向収差補正電極39は、第4電極4
に電気的に接続かつ機械的に固定され、電子ビ−ム10
の垂直方向上下に各1個、計2個の部品で構成されてい
る。同図では、上記偏向収差補正電極39を構成する2
個の部品の間隔は蛍光膜13側が第4電極4側よりやや
広くなっているが、実際には上記2個の部品の取付け位
置,蛍光膜13に向かって延びる長さ,偏向磁界の分
布,上記2個の部品間を通過するときの電子ビ−ムの
径,陰極線管の最大偏向角などの組合せで決まるので,
その広がりの程度は一意的ではない。
【0120】更に同図では、第4電極4の径は主レンズ
構成の一端をなす第3電極3より径が大である。この理
由は主レンズの等価口径拡張と共に主レンズ電界をより
第4電極4の奥深い位置まで浸透させることにより上記
偏向収差補正電極39付近の電界を強め、集束制御の効
果を高めるためである。
【0121】そして、主レンズ38を構成する集束電極
3と陽極電極4の間に、集束電極3と陽極電極4にそれ
ぞれ印加される電位の中間電位を印加した中間電位電極
3’が間挿されている。
【0122】この中間電位電極3’は、その筒状をな
し、主レンズを通過する複数の電子ビームに共通の開口
を有している。
【0123】この構成により、偏向収差補正電極39に
よりダイナミックフォーカス電圧を印加することなく偏
向角の応じたフォーカス制御を行うと共に、中間電位電
極3’により水平偏向磁界の主レンズ近傍への浸透によ
るフォーカス電極内部での隣接電子ビーム間の仕切り板
に電子ビームが衝突するポテンシャルが下がり、電子ビ
ーム10はその偏向角が増大しても画面周辺部でのスポ
ツトの拡大が低減され、高解像度の画像を再生すること
ができる。
【0124】同図の実施例では、電子銃の主レンズ38
は偏向ヨーク11の偏向磁界内で、当該偏向ヨーク取付
け位置より蛍光膜13側に寄った位置にあるごとく図示
しているが、この主レンズ38は偏向ヨークの磁界領域
内であれば図示された位置に限るものではない。
【0125】図2は本実施例における電子銃の要部構成
を説明する部分断面図であって、集束電極3は筒状をな
し、その内部に隣接する電子ビーム間を仕切る仕切り板
(内部電極)3−1を有し、また陽極電極4は筒状の蛍
光面側に大径部を有すると共に、集束電極3側の内部に
隣接する電子ビーム間を仕切る仕切り板(内部電極)4
−1を有している。
【0126】そして、集束電極3と陽極電極4の間に
は、内部に仕切りを有しない筒状の中間電位電極3’が
間挿され、この中間電位電極3’には集束電極3と陽極
電極4に印加される電圧の中間電位が印加される。例え
ば、集束電極3には9kV、陽極電極4に30kVを印
加したときは、中間電位電極3’には20kVが印加さ
れる。
【0127】この実施例によれば、中間電位電極3’に
より水平偏向磁界の主レンズ近傍への浸透によるフォー
カス電極内部での隣接電子ビーム間の仕切り板に電子ビ
ームが衝突するポテンシャルが下がり、電子ビーム10
はその偏向角が増大しても画面周辺部でのスポツトの拡
大が低減され、高解像度の画像を再生することができ
る。
【0128】図3は本発明による陰極線管の第2実施例
を説明する断面模式図であって、図1と同一部分には同
一符号を付してある。
【0129】同図においては、集束電極3は前記実施例
と同様に内部電極を有しているが、陽極電極4には内部
電極は設けられていない。
【0130】図4は本実施例における電子銃の要部構成
を説明する部分断面図であって、集束電極3は筒状をな
し、その内部に隣接する電子ビーム間を仕切る仕切り板
(内部電極)3−1を有し、また陽極電極4は筒状の蛍
光面側に大径部を有すると共に、集束電極3側の内部に
は仕切り板(内部電極)を有していない。
【0131】この実施例によって、水平偏向磁界の主レ
ンズ近傍への浸透によるフォーカス電極内部での隣接電
子ビーム間の仕切り板に電子ビームが衝突するポテンシ
ャルが下がり、電子ビーム10はその偏向角が増大して
も画面周辺部でのスポツトの拡大が低減され、高解像度
の画像を再生することができる。
【0132】図5は本発明による陰極線管の第3実施例
を説明する断面模式図であって、図1と同一部分には同
一符号を付し、38−1は集束電極3の陽極電極4近傍
に周回して設けた磁性体、38−2は陽極電極4の集束
電極3近傍に周回して設けた磁性体である。
【0133】この構成により、主レンズ部に設けた磁性
体により主レンズ部への水平偏向磁界の侵入が抑制され
るので、主レンズ位置を偏向ヨーク中心に近接させるこ
とができ、また偏向収差補正電極によるフォーカス特性
を十分に生かすことができ、フォーカス特性が改善され
る。
【0134】以下、本発明の偏向収差補正電極について
説明する。
【0135】図6は本発明による陰極線管の作用を説明
する要部断面模式図であって、例えば図1の偏向ヨ−ク
11の磁界内に位置して、電子ビーム10を該偏向ヨー
ク11の磁界で偏向するとき、その偏向角に応じて電子
ビーム10の集束または発散状態を制御する偏向収差補
正電極39の作用の1例を詳細に説明するものである。
図1と同じ機能の部分は同一符号を付してある。
【0136】なお、38は主レンズ、41は第4電極
(G4)4を構成する部分電極、L1は主レンズ38と
偏向中心との距離である。
【0137】また、図7は本発明による陰極線管におけ
る偏向収差補正電極39の作用を従来技術と対比説明す
るために上記偏向収差補正電極39を欠如した図6と同
様の要部断面模式図である。
【0138】図6,図7において、電子銃の第3電極
(G3)3を通過してきた電子ビ−ム10は第4電極
(G4)4との間に形成される主レンズ38により集束
され、偏向ヨーク11で形成される偏向磁界による偏向
を受けない場合(画面中央部)はそのまま直進して蛍光
膜13上に径D1のビームスポットを結ぶ。
【0139】ここで、蛍光膜13の図中上側に偏向され
る場合を例にとり、偏向収差補正電極39の作用の有り
(図3),無し(図4)で電子ビ−ム10の軌道がどの
ように変わるかを定性的に説明する。
【0140】図7において、電子ビ−ム10の外周軌道
のうち、下側外周軌道は偏向収差補正電極39の有り無
しにあまり作用されず10D のように進む。しかし、上
側外周軌道は偏向収差補正電極39の作用がないため1
U のように進み蛍光膜13に到達する前に下側外周軌
道10Dと交差する。この結果、蛍光膜13上には図7
に示した径D2 のスポットを結ぶ。
【0141】これに対して、図6に示したように、偏向
収差補正電極39が作用すると電子ビ−ムの上側に位置
する軌道の部分は集束制御電極39の吸引力を受けて1
U’のように進み、また電子ビームの下側に位置する
軌道の部分は上記したように集束制御電極39の影響が
殆どないので、前記と同様に10D のように進み蛍光膜
13に到達する前に上記上側外周軌道10U , と交差す
ることもなく蛍光膜13に到達する。この結果蛍光膜1
3上には上記D2 より小さな径D3 のスポットを結ぶ。
【0142】径D3 のビームスポツトの蛍光膜13上各
位置での分布は偏向収差補正電極39を構成する2つの
部品の取付け位置,蛍光面13に向かって延びる長さ,
偏向磁界の分布,上記2つの部品間を通過するときの電
子ビームの径,陰極線管の最大偏向角などの組合せで適
正化でき、画面中央部でのビームスポツト径D1 との差
を小さくして画面全域で一様な解像度とすることができ
る。
【0143】以上の結果、本実施例によれば、フォーカ
ス電圧を電子ビームの偏向角に同期させてダイナミック
に供給しなくても蛍光膜(画面)上で偏向角に同期して
ダイナミックにフォーカス状態の制御が可能となり、安
価でかつ画面全体での表示の均一な陰極線管を提供可能
となる。
【0144】図8は主レンズ38と蛍光膜13の間で電
子ビーム10に対して空間電荷の反発がどのように影響
するのかを示す説明図であって、L2 は主レンズ38と
蛍光膜13との間の距離である。
【0145】同図において、電子ビーム10が第4電極
4から十分離れると電子ビームの周囲は陽極電位となり
電界はほぼなくなる。この状態では主レンズ38による
集束作用を受けて進んできた電子ビーム10は空間電荷
の反発による軌道変化の作用が増し蛍光膜13に到達す
る前に最小径D4 となり、以後蛍光膜13に近づくに連
れて径は増加して蛍光膜13において径D1 になる。こ
の作用は陰極線管を同一条件で駆動する場合に主レンズ
38と蛍光膜13間の距離L2 に依存し、図9に示した
ようにL2 が増加するに連れてD1 も増加する。
【0146】カラーテレビなどに使用する陰極線管を例
にとれば、最大偏向角が決まればL2 は陰極線管の画面
サイズが増すに連れて増加する。従って、陰極線管の画
面サイズが増すと蛍光膜13上の電子ビームスポット径
が増して画面サイズの増加にもかかわらず解像度はそれ
ほど増さない。
【0147】図10は本発明による陰極線管の1実施例
における寸法例を説明する断面模式図であり、図11は
本発明による陰極線管の1実施例における寸法例を比較
するための従来技術による陰極線管の断面模式図であっ
て、前記図1と同一符号は同一部分に対応する。
【0148】図10、図11の何れも全く同一仕様の電
子銃を用いている。従って、陰極線管の底部であるステ
ム部から主レンズ38に至る距離L3 はどちらも等し
い。
【0149】しかし、図11に示した従来技術による陰
極線管では、電子銃の主レンズ38を通過中の電子ビ−
ムが偏向磁界により乱されるのを避けるために該主レン
ズ38を偏向ヨーク11によって形成される偏向磁界領
域から離さなければならないので、電子銃は偏向ヨーク
11よりネック部7方向に後退した位置に設置されてい
たため、主レンズ38と蛍光膜13との間の距離L2 を
偏向ヨーク11と蛍光膜13間の距離より短くすること
ができなかった。
【0150】これに対し、図10に示した構成では、偏
向磁界で主レンズ38を通過中の電子ビ−ムが乱される
のを予め見込んで補正する偏向収差補正電極39を設け
た構造としたことで、この距離L2 を偏向ヨーク11と
蛍光膜13間の距離より短くすることが可能となった。
【0151】従って、上記本発明の実施例によれば、陰
極線管の主レンズと蛍光面間の距離を従来技術による陰
極線管のそれよりも短縮可能となり、陰極線管の画面サ
イズが増しても空間電荷の反発作用の影響を低減して蛍
光膜13上での電子ビームスポット径を縮小し高解像度
の陰極線管を提供できる。
【0152】このように、いままで、電子銃のフォーカ
ス特性の低下を抑制して電子銃の長さを短縮することは
難しいため、陰極線管の全長L4 を短縮することに制約
があり、困難であったが、図10に示したように、主レ
ンズ38と蛍光膜13間の距離短縮により陰極線管の全
長L4 を、電子銃の陰極から主レンズに至る部分の変更
なしで、従来例に比較して大幅に短縮できる。
【0153】一般に、カラーテレビセットやコンピュー
タ端末のディスプレイ装置では、キャビネットの奥行き
は陰極線管の全長L4 に依存している。特に、最近のカ
ラーテレビセットでは陰極線管の画面サイズが増す傾向
に有り、一般家庭の住居に設置する場合にキャビネット
の奥行き寸法は無視出来ない状態である。特に他の家具
と並べて設置する場合数十ミリの奥行き寸法が問題にな
るケースも有り、キャビネットの奥行き寸法の短縮は設
置効率,使い勝手の観点からみても極めて大きな効果で
あるということができる。
【0154】このように、本発明の上記実施例によれ
ば、陰極線管の全長短縮によりフォーカス特性を損なわ
ずにキャビネットの奥行き寸法が従来製品より格段に短
くなったカラーテレビセットを提供でき、大きなセール
スポイントに成り得る。
【0155】一般に、カラーテレビセットや完成した陰
極線管,並びにファンネルのような陰極線管の部品,材
料は、半導体素子のような電子部品に比べて体積が著し
く大きいので単位個数当りの輸送費は高価である。特
に、海外向けなど輸送経路が長大な場合この点は無視出
来なくなる。本発明の上記実施例では、陰極線管の全長
が短く、かつキャビネットの奥行き寸法の短いカラーテ
レビセットを提供できるので輸送費の節約が可能であ
る。
【0156】次に、本発明の実施例の構造の詳細をさら
に具体的に説明する。
【0157】図12は本発明の陰極線管における電子銃
の構造例における集束作用の説明図であって、偏向収差
補正電極39を第4電極4の径大部に設置した場合の作
用説明で、電子銃の第3電極(G3)3を通過してきた
電子ビ−ム10は第4電極(G4)との間に形成される
主レンズ38により集束され、偏向ヨークで形成される
偏向磁界による偏向を受けない場合(無偏向時:画面中
央部)はそのまま直進して蛍光膜13上に適正な径のビ
ームスポットを結ぶ。
【0158】偏向収差補正電極39が設置されない場合
では、画面周辺部に指向された電子ビーム10は100
で示したような軌跡をたどって蛍光面13上に大きな径
のビームスポツトが形成される。一方、偏向収差補正電
極39を設置した場合は、電子ビーム10が偏向磁界で
偏向を受け、蛍光面の周辺部に指向された時は、図示の
態様で設置された偏向収差補正電極39の作用で1
0 ’に示したような適正な径のビームスポツトを蛍光
面13上に形成する。
【0159】この図はインライン配置した3電子ビーム
のカラー陰極線管の電子銃に用いる3電子ビームに共通
の主レンズを構成する陽極部を説明図するものであり、
各電子ビームの集束作用をバランスさせるために設置し
ている仕切り部は極力縦方向の開孔部を大きくすること
により、主レンズ部の電界を内部に浸透させることが可
能となる。
【0160】次に、本発明の他の実施例を説明する。
【0161】図13,図14,図15,図16,図17
は、偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビームを偏向
ヨークの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じて電子
ビームの集束または発散状態を制御する電極、すなわち
陽極電位を供給する場合の偏向収差補正電極の各種の具
体的構造例を説明する3面図(図13,図14,図1
5)あるいは4面図(図16,図17)であって、
(a)はインライン方向と直角方向からみた上面図、
(b)は(a)を矢印A方向からみた正面図、(c)は
(a)を矢印B方向からみた側面図、(d)は(a)を
矢印C方向からみた背面図である。なお、図中、Eは偏
向を受けない場合の電子ビームを示す。
【0162】図13の偏向収差補正電極39は、第1板
体39−1と第2板体39−2とから構成され、各板体
39−1,39−2には3本の電子ビームの通過位置に
それぞれ台形の切り欠き390を有し、偏向を受けない
状態では、この切り欠き390の中央位置を電子ビーム
が通過するようになっている。そして、この切り欠き3
90の上底の蛍光膜13方向の長さがL5 、各板体の蛍
光膜13方向の長さがL6 となっている。
【0163】図14の偏向収差補正電極39は、図13
と同様の形状をもつ第1板体39−3と第2板体39−
4とが蛍光膜13方向に漸次間隔が狭くなるように伸び
た構成とされている。
【0164】図15の偏向収差補正電極39は、第6電
極6から蛍光膜13方向に平行に延びる第1板体39−
5と第2板体39−6とから構成され、各板体39−
5,39−6には3本の電子ビームの通過位置にそれぞ
れ半円形の切り欠き391を有し、偏向を受けない状態
では、この切り欠き391の中央位置を電子ビームが通
過するようになっている。そして、この切り欠き391
の中央縁の蛍光膜13方向の長さがL5 、各板体の蛍光
膜13方向の長さがL6 となっている。
【0165】すなわち、上記切り欠き390,391の
上底,中央縁の蛍光膜13方向の長さL5 は、3電子ビ
ームがインライン方向に偏向されるときに通過する部分
の蛍光面に向かって延びる長さL6 より短くなってい
る。
【0166】図16の偏向収差補正電極39は、第6電
極6から蛍光膜13方向に延びる第1板体39−7と第
2板体39−8とから構成され、蛍光膜13方向に漸次
間隔が広くなるような曲面とした構成とされている。
【0167】図17の偏向収差補正電極39は、第6電
極6から蛍光膜13方向に延びる第1板体39−9と第
2板体39−10とから構成され、蛍光膜13方向に漸
次間隔が広くなるような曲面をもつと共に、半楕円形の
切り欠き392を有し、偏向を受けない状態では、この
切り欠き392の中央位置を電子ビームが通過するよう
になっている。そして、この切り欠き392の中央縁の
蛍光膜13方向の長さがL5 、各板体の蛍光膜13方向
の長さ,すなわち、3電子ビームがインライン方向に偏
向されるときに通過する部分の蛍光面に向かって延びる
長さがL6 となっている。
【0168】なお、2枚の板体の間隔は、上記のように
平行な場合、非平行な場合に限らず、インライン方向に
部分的に非平行とすることもできることは言うまでもな
い。また、上記した各板体の各々の切り欠きはいずれも
蛍光膜側に設けられているが、これを主レンズ側に設け
てもよいことは言うまでもない。
【0169】図18,図19,図20,図21,図2
2,図23は、偏向ヨークの磁界内に位置して、電子ビ
ームを偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角
に応じて電子ビームの集束または発散状態を制御する偏
向収差補正電極を陽極とは接続せず、陽極電位よりも低
い電位を供給する場合の構造例を説明する3面図(図1
8,図19,図20)あるいは4面図(図21,図2
2,図23)である。
【0170】同各図において、(a)はインライン方向
と直角方向からみた上面図、(b)は(a)を矢印A方
向からみた正面図、(c)は(a)を矢印B方向からみ
た側面図、(d)は(a)を矢印C方向からみた背面図
である。なお、図中、Eは偏向を受けない場合の電子ビ
ームを示す。
【0171】図18の偏向収差補正電極は、陽極電極か
ら蛍光膜方向に平行に延びる第1板体39−11と第2
板体39−12の2枚の平板から構成され、各板体39
−11,39−12には3本の電子ビームの通過位置に
それぞれ図示したような蛍光膜13方向に突出する突出
部393を有し、偏向を受けない状態では、この突出部
393の中央位置を電子ビームEが通過するようになっ
ている。そして、この突出部393の蛍光膜13方向の
最大突出長さがL5 となって、インライン方向に漸次こ
の突出長さが減少するような形状とされている。
【0172】図19の偏向収差補正電極は、陽極電極か
ら蛍光膜方向に漸次間隔が大きくなるように延びる第1
板体39−13と第2板体39−14の2枚の平板から
構成され、各板体39−13,39−14には3本の電
子ビームの通過位置にそれぞれ蛍光膜13方向に突出す
る図18と同様の突出部393を有し、偏向を受けない
状態では、この突出部393の中央位置を電子ビームE
が通過するようになっている。そして、この突出部39
3の蛍光膜13方向の最大突出長さがL5 となって、イ
ンライン方向に漸次この突出長さが減少するような形状
とされている。図20の偏向収差補正電極は、陽極電極
から蛍光膜方向に平行に延びる第1板体39−15と第
2板体39−16の2枚の平板から構成され、各板体3
9−15,39−16には3本の電子ビームの通過位置
にそれぞれ図示したような蛍光膜方向に突出する半円形
の突出部394を有し、偏向を受けない状態では、この
突形部394の中央位置を電子ビームEが通過するよう
になっている。そして、この突出部394の蛍光膜13
方向の最大突出長さがL5 となっている。
【0173】図21の偏向収差補正電極は、陽極電極か
ら蛍光膜方向に平行に延びる第1板体39−17と第2
板体39−18の2枚の平板から構成され、各板体39
−17,39−18には3本の電子ビームの通過位置に
それぞれ図示したような蛍光膜13方向に突出する突出
部393を有すると共に、陽極電極側には蛍光膜方向に
凹となる凹部395を有し、偏向を受けない状態では、
この凹部395と突出部393の中央位置を電子ビーム
Eが通過するようになっている。そして、この突出部3
93の蛍光膜方向の最大突出長さがL5 となって、イン
ライン方向に漸次この突出長さが減少するような形状と
されている。
【0174】図22の偏向収差補正電極は、陽極電極か
ら蛍光膜方向に漸次間隔が大きくなるように延びる第1
板体39−19と第2板体39−20の2枚の板体から
構成され、各板体39−19,39−20には3本の電
子ビームの通過位置にそれぞれ蛍光膜方向に突出する突
出部393を有すると共に、各電子ビームEをインライ
ン方向で包む凹面となるような波形面を有し、かつ陽極
電極側には蛍光膜方向に凹となる凹部395を有し、偏
向を受けない状態では、この凹部395と突出部393
の中央位置を電子ビームEが通過するようになってい
る。そして、この突出部393の蛍光膜方向の最大突出
長さがL5 となって、インライン方向に漸次この突出長
さが減少するような形状とされている。
【0175】図23の偏向収差補正電極は、陽極電極か
ら蛍光膜方向に平行に延びる第1板体39−21と第2
板体39−22の2枚の平板から構成され、各板体39
−21,39−22には3本の電子ビームの通過位置に
それぞれ蛍光膜方向に突出する半円形の突出部394を
有すると共に、陽極電極側には蛍光膜方向に凹となる上
記突出部394より大なる凹部396を有し、偏向を受
けない状態では、この凹部396と突出部394の中央
位置を電子ビームEが通過するようになっている。そし
て、この突出部394の蛍光膜13方向の最大突出長さ
がL5 となっいる。
【0176】上記図18〜図23に示した偏向収差補正
電極の各例において説明したように、3電子ビ−ムEが
インライン方向に偏向されないときに通過する部分の蛍
光膜に向かって延びる長さL5 は3電子ビ−ムEがイン
ライン方向に偏向されるときに通過する部分の蛍光膜に
向かって延びる長さより長い形状を有している。
【0177】この構成により、この偏向収差補正電極を
通過する電子ビームEが偏向を受けた場合、その軌道は
偏向を受けない場合よりも大きく偏向され、偏向角の変
化に伴う蛍光面上のビームスポツトの拡大やハローの発
生を抑制することができるのである。
【0178】上記した偏向収差補正電極を構成する2個
の板体の間隔は上記で説明したような平行配置,非平行
配置,あるいは部分的に非平行配置としたもの以外に種
々の配置が可能であることは言うまでもない。
【0179】なお、偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電
子ビ−ムを該偏向ヨ−クの発生磁界で偏向するときに当
該偏向角に応じて電子ビ−ムの集束または発散状態を制
御する偏向収差補正電極を陽極とは接続せずに、陽極電
位よりも低い電位を供給するための上記陽極電位よりも
低い電位を得る手段としては、ステムピンから独立して
所要の電圧を供給することもできるが、陰極線管内部に
電気抵抗体を設置して、例えばその一端を陽極に接続
し、他端を他の低電位の電極に接続するかまたは、接地
し、その中間から適当な電圧を取り出すようにすれば、
電子銃への給電構造を従来どおりのままで上記所要の電
圧供給を行うことができる。
【0180】図24,図25,図26,図27,図2
8,図29は、本発明を適用する種々の電極構成の電子
銃基本構造例を説明する断面模式図であり、図中Kはカ
ソード(陰極)、G1 は第1電極、G2 は第2電極、G
3 は第3電極、G4 は第4電極、G5 は第5電極、G6
は第6電極、Vf はフォーカス電圧、Eb は陽極電圧で
ある。
【0181】すなわち、図24はBPF型電子銃、図2
5はUPF型電子銃、図26はフォーカス電極長の長い
BPF型電子銃と同じ接続の電子銃、図27はフォーカ
ス電極長の長いUPF型電子銃と同じ接続の電子銃、図
28はG3とG5にフォーカス電圧を与え、G4とG6
に陽極電圧を与える電子銃、図29はG3とG5に第1
のフォーカス電圧を与え、G4に第2のフォーカス電圧
を与え、G6に陽極電圧を与える電子銃である。
【0182】これらの各形式の電子銃の主レンズ電極部
分を陰極線管の偏向ヨ−クにより形成される偏向磁界内
に位置させ、その電子ビ−ムを偏向ヨ−クの発生磁界で
偏向するとき、当該偏向角に応じて電子ビ−ムの集束ま
たは発散状態を制御する前記で説明した構成の偏向収差
補正電極を設置することにより、本発明の所要の効果を
奏することができるのである。
【0183】なお、本発明は、このような形式以外の電
子銃との組合せが可能であることは言うまでもない。
【0184】以上のように、上記本発明の実施例によれ
ば、特にダイナミックフォーカス電圧の供給を行うこと
なく画面全域でしかも電子ビーム全電流域においてフォ
ーカス特性を向上させ、良好な解像度を得ることがで
き、小電流域でのモアレを低減できると共に、偏向ヨー
クの漏洩磁界による偏向歪みを抑制した陰極線管を提供
することができる。
【0185】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による陰極
線管においては、偏向磁界中に主レンズを位置させて、
電子ビームの偏向がなされてその軌道が変化するとき
に、当該偏向角に応じて電子ビームの集束または発散作
用が変化する構造の偏向収差補正電極を設けることによ
り、蛍光膜(画面)の全域、かつ電子ビームの全電流域
で適正な電子ビームの集束作用を得ることが可能にな
り、かつ偏向ヨークの漏洩磁界による電子ビームスポツ
トの歪みを低減し、画面全域における解像度が格段に向
上した陰極線管を得ることができる。
【0186】すなわち、上記偏向角に応じて電子ビーム
の集束または発散作用が変化する構造の電極に陽極電圧
またはその近傍の電圧を印加することで、偏向により当
該電極に接近した電子ビームの集束または発散作用を緩
和して蛍光面の中央から離れた位置でも適切な電子ビー
ムの集束作用を得ることが可能となる。
【0187】また、上記偏向角に応じて電子ビームの集
束または発散作用が変化する構造の電極の一部に陽極電
圧以外の電圧を印加することで、偏向により当該電極に
接近した電子ビームの集束または発散作用を加速して、
特定方向に生じる偏向磁界による電子ビームの集束また
は発散作用を抑制することで蛍光面の中央から離れた位
置でも適切な電子ビームの集束作用を得ることが可能と
なる。上記陽極電圧以外の電圧は、例えば陰極線管の内
部に値の大きな電気抵抗体を設置し、その一端を陽極
に、他端を接地等の電位に接続して、その中間部の適当
な位置から所要の電圧を取り出すことができる。
【0188】さらに、電子銃内部で電子ビームの径が最
大となる場所は主集束レンズ付近であり、特にインライ
ン型カラー受像管やカラー表示管などでは、一般にコン
バーゼンス調整の簡便化から電子ビームの偏向磁界は非
斉一であるが、このような場合、偏向磁界による電子ビ
ームの歪みを抑制するために主集束レンズは可能な限り
偏向磁界発生部より離した方が良いため、通常、偏向磁
界発生部は電子銃の主集束レンズよりも蛍光面に近い位
置に設置する。一方、電子銃の陰極から主集束レンズ間
の長さは、電子銃の像倍率を縮小して蛍光面上のビーム
スポツト径を小さくするためには長い方がよい。
【0189】従って、これらの2つの作用に対応した解
像度の良い陰極線管は必然的に管軸長が長くなる。しか
し、本発明による中間電位電極、筒状陽極電極あるいは
主レンズ近傍に設置した磁性体の作用により、偏向磁界
が主レンズに及ぼす影響を抑制できるため、電子銃の陰
極から主集束レンズまでの間の長さを変化させない状態
で主集束レンズの位置を蛍光面に近づけることで、電子
銃の像倍率は更に縮小して蛍光面上の電子ビームスポツ
ト径を更に小さくでき、同時に管軸長も短縮できる。
【0190】この管軸長の短縮により、主レンズの位置
が蛍光膜に近づいて電子ビーム中の空間電荷の反発の持
続する時間が短縮されるので、蛍光面上のビームスポツ
ト径を更に小さくできる。この状態では、主集束レンズ
中の電子ビームは偏向磁界発生部に近づくか、偏向磁界
発生部の中に入ってしまうので、偏向磁界により歪み易
くなるが、上記本発明の中間電位電極、筒状陽極電極あ
るいは主レンズ近傍に設置した磁性体、および上記偏向
角に応じて集束または発散作用が変化する偏向収差補正
電極の作用で上記歪みは抑制される。
【0191】そして、電子ビームスポツトが画面の中央
に位置する時は偏向磁界の影響を受けないので、偏向磁
界による歪み対策は不要になるため、電子銃のレンズ作
用は回転対称の集束系となり、画面上での電子ビームス
ポツト径をより小さくすることができる。
【0192】そして、さらに電子銃の集束電極にダイナ
ミックフォーカス電圧を印加すれば一層画面の全域で適
正な電子ビームの集束作用が可能となり、画面の全域で
良好な解像度特性を得ることができるが、偏向磁界中に
位置して電子ビームが偏向されてその軌道が変化すると
き、偏向角に応じて電子ビームの集束または発散作用が
変化する本発明による偏向収差補正電極との組合せによ
り、必要なダイナミックフォーカス電圧を低くすること
が可能となる。
【0193】また、電子銃の集束電極に特定方向の偏向
に合わせてダイナミックフォーカス電圧を印加し、他の
方向の偏向時の電子ビームの集束作用のダイナミックな
制御に偏向磁界中に位置して電子ビームが偏向されてそ
の軌道が変化するとき、偏向角に応じて電子ビームの集
束または発散作用が変化する本発明による偏向収差補正
電極との組合せにより必要なダイナミックフォーカス電
源の簡素化が可能になる。
【0194】また、さらに、電子銃を構成する複数の電
極で構成される複数の静電レンズの作る電界の少なくと
も2つを非回転対称電界とすることにより、画面中央部
の大電流域での電子ビームスポツトの形状を略円形また
は略矩形とし、かつ電子ビーム走査方向に作用する適正
フォーカス電圧が走査方向と直角方向に作用する適正フ
ォーカス電圧より高いフォーカス特性を有する静電レン
ズと、上記画面中央部での小電流域の電子ビームスポツ
トの走査方向径より走査方向と直角方向の径を走査方向
と直角方向のシャドウマスクピッチや走査線密度に適合
させ、かつ走査方向に作用する適正フォーカス電圧が走
査方向と直角方向に作用する適正フォーカス電圧より高
いフォーカス特性を有する静電レンズが形成される。
【0195】これらの非回転対称電界によるレンズは、
電子ビームを蛍光面の画面上の全域でしかも全電流域に
おいて電子ビームスポツト歪みやモアレのない良好なフ
ォーカス特性を与え、高品質の画像再生特性をもつ陰極
線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の第1実施例の構成を説
明する断面模式図である。
【図2】本発明による陰極線管の第1実施例における主
レンズ近傍の構成を説明する要部断面である。
【図3】本発明による陰極線管の第2実施例の構成を説
明する断面模式図である。
【図4】本発明による陰極線管の第2実施例における主
レンズ近傍の構成を説明する要部断面である。
【図5】本発明による陰極線管の第3実施例のを説明す
る模式図である。
【図6】本発明による陰極線管の作用を説明する要部断
面模式図である。
【図7】本発明による陰極線管における偏向収差補正電
極の作用を従来技術と対比説明するために上記偏向収差
補正電極を欠如した図6と同様の要部断面模式図であ
る。
【図8】主レンズと蛍光膜との間で電子ビームに対して
空間電荷の反発がどのように影響するかを示す説明図で
ある。
【図9】主レンズと蛍光膜との間の距離と蛍光膜上のビ
ームスポツトの大きさの関係の説明図である。
【図10】本発明による陰極線管の1実施例における寸
法例を説明する断面模式図である。
【図11】本発明による陰極線管の1実施例における寸
法例を従来例と比較して説明するための従来技術の陰極
線管の構造を示す断面模式図である。
【図12】本発明の陰極線管における電子銃の構造例に
おける集束作用の説明図である。
【図13】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じ
て電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収差
補正電極の各種の具体的構造例の説明図である。
【図14】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じ
て電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収差
補正電極の各種の具体的構造例の説明図である。
【図15】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じ
て電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収差
補正電極の各種の具体的構造例の説明図である。
【図16】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じ
て電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収差
補正電極の各種の具体的構造例の説明図である。
【図17】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じ
て電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収差
補正電極の各種の具体的構造例の説明図である。
【図18】偏向ヨークの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収
差補正電極の他の構造例の説明図である。
【図19】偏向ヨークの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収
差補正電極の他の構造例の説明図である。
【図20】偏向ヨークの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収
差補正電極の他の構造例の説明図である。
【図21】偏向ヨークの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収
差補正電極の他の構造例の説明図である。
【図22】偏向ヨークの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収
差補正電極の他の構造例の説明図である。
【図23】偏向ヨークの磁界内に位置して、電子ビーム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビームの集束または発散状態を制御する偏向収
差補正電極の他の構造例の説明図である。
【図24】本発明を適用する種々の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図25】本発明を適用する種々の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図26】本発明を適用する種々の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図27】本発明を適用する種々の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図28】本発明を適用する種々の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図29】本発明を適用する種々の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図30】インライン型電子銃を備えたシャドウマスク
方式カラー陰極線管の断面を説明する模式図である。
【図31】画面の中央部で円形となる電子ビームスポッ
トで画面の周囲を発光させた場合の電子ビームスポット
の説明図である。
【図32】陰極線管の偏向磁界分布の説明図である。
【図33】電子ビームスポット形状の変形を説明する電
子銃の電子光学系の模式図である。
【図34】画面周辺部での画質の低下を抑制する手段の
説明図である。
【図35】図34に示したレンズ系を用いた場合の蛍光
面の電子ビームスポット形状を説明する模式図である。
【図36】主レンズのレンズ強度を非回転対称とする代
わりにプリフォーカスレンズの水平方向レンズ強度を強
化した電子銃の電子光学系の模式図である。
【図37】ハローの抑制効果を付加した電子銃の電子光
学系の模式図である。
【図38】図37に示した構成のレンズ系を用いたとき
の画面上での電子ビームのスポット形状を説明する模式
図である。
【図39】小電流時での電子ビームの軌道を説明する電
子銃光学系の模式図である。
【図40】プリフォーカスレンズの内の発散レンズ側の
画面垂直方向のレンズ強度を大きくした場合の電子銃の
光学系を示す模式図である。
【図41】陰極線管用電子銃の一例である電子銃の全体
側面図である。
【図42】図42に示した電子銃の要部部分断面図であ
る。
【図43】フォーカス電圧の与え方による電子銃の構造
比較のための要部断面模式図である。
【図44】図51に示した電子銃に供給するフォ−カス
電位の説明図である。
【図45】偏向磁界中で偏向収差を補正する方式の電子
銃の動作概念の説明図である。
【図46】偏向角が増大したとき、電極内部の構造体に
電子ビームが衝突する様子の説明図である。
【符号の説明】
1 第1電極 2 第2電極 3 第3電極 3’ 中間電位電極 3−1 集束電極の内部電極 4 第4電極 4−1 陽極電極の内部電極 5 第5電極 6 第6電極 7 ネック部 8 ファンネル部 9 ビードガラス棒 10 電子ビーム 11 偏向ヨーク 11 偏向コイル 12 シャドウマスク 13 蛍光膜 14 パネル部 38 主レンズ 38−1,38−2 磁性体 39 偏向収差補正電極。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の電極から成る電子銃と、前記電子銃
    から発射される電子ビームを水平方向と垂直方向に偏向
    する偏向装置および電子ビームの射突により画像を生成
    する蛍光面を少なくとも備える陰極線管において、 前記電子銃の主レンズを構成する集束電極の内部に、隣
    接する電子ビーム軌道間を仕切る仕切り板を備え、前記
    集束電極に対向する陽極電極の内部に、隣接する電子ビ
    ーム軌道間を仕切る仕切り板を備え、前記集束電極と陽
    極電極の間に前記集束電極と陽極電極のそれぞれに印加
    する電位の中間の電位を印加する中間電位電極を設ける
    と共に、前記陰極線管の偏向磁界中に位置して前記偏向
    磁界により偏向される電子ビームがその軌道を変化する
    ときの前記電子銃の陽極電極に当該偏向角に応じて電子
    ビームの集束または発散作用を変化させる偏向収差補正
    電極を設けたことを特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】複数の電極から成る電子銃と、前記電子銃
    から発射される電子ビームを水平方向と垂直方向に偏向
    する偏向装置および電子ビームの射突により画像を生成
    する蛍光面を少なくとも備える陰極線管において、 前記電子銃の主レンズを構成する集束電極の内部に、隣
    接する電子ビーム軌道間を仕切る仕切り板を備え、前記
    陰極線管の偏向磁界中に位置して前記偏向磁界により偏
    向される電子ビームがその軌道を変化するときの前記電
    子銃の陽極電極に当該偏向角に応じて電子ビームの集束
    または発散作用を変化させる偏向収差補正電極を設けた
    ことを特徴とする陰極線管。
  3. 【請求項3】複数の電極から成る電子銃と、前記電子銃
    から発射される電子ビームを水平方向と垂直方向に偏向
    する偏向装置および電子ビームの射突により画像を生成
    する蛍光面を少なくとも備える陰極線管において、 前記電子銃の主レンズを構成する集束電極の内部に、隣
    接する電子ビーム軌道間を仕切る仕切り板を備え、前記
    集束電極に対向する陽極電極の内部に、隣接する電子ビ
    ーム軌道間を仕切る仕切り板を備え、前記集束電極と陽
    極電極の対向部に磁気シールドを設けると共に、前記陰
    極線管の偏向磁界中に位置して前記偏向磁界により偏向
    される電子ビームがその軌道を変化するときの前記電子
    銃の陽極電極に当該偏向角に応じて電子ビームの集束ま
    たは発散作用を変化させる偏向収差補正電極を設けたこ
    とを特徴とする陰極線管。
JP1461294A 1994-02-08 1994-02-08 陰極線管 Pending JPH07226169A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1461294A JPH07226169A (ja) 1994-02-08 1994-02-08 陰極線管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1461294A JPH07226169A (ja) 1994-02-08 1994-02-08 陰極線管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07226169A true JPH07226169A (ja) 1995-08-22

Family

ID=11866032

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1461294A Pending JPH07226169A (ja) 1994-02-08 1994-02-08 陰極線管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07226169A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH03205746A (ja) カラー受像管装置
US6339293B1 (en) Cathoderay tube
JPH09190773A (ja) 陰極線管用電子銃および陰極線管
US6404149B1 (en) Cathode ray tube apparatus
TW473763B (en) Cathode ray tube
JP3156028B2 (ja) 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置
KR20020016518A (ko) 음극선관장치
JP2825287B2 (ja) カラー受像管装置
JPH08315751A (ja) 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置
JPH0636704A (ja) 陰極線管
US6424084B1 (en) Cathode ray tube apparatus including an electron gun assembly capable of dynamic astigmatism compensation
JPH0778573A (ja) 陰極線管
JPH07226169A (ja) 陰極線管
US6472832B1 (en) Cathode ray tube
US5923123A (en) Electron gun assembly for cathode ray tube with a voltage stabilizing suppressor ring
EP0778605B1 (en) An electron gun assembly for a color cathode ray tube apparatus
JP3156038B2 (ja) カラー陰極線管
KR100248841B1 (ko) 컬러음극선관
US6831400B2 (en) Color cathode ray tube apparatus having auxiliary magnetic field generator
KR100322443B1 (ko) 컬러음극선관용전자총
JPH07220651A (ja) 陰極線管
KR100646910B1 (ko) 음극선관장치
JP3157855B2 (ja) カラー受像管用電子銃
JP2878731B2 (ja) カラー受像管装置
JPH07211258A (ja) カラー陰極線管及び画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02