JPH07211258A - カラー陰極線管及び画像表示装置 - Google Patents

カラー陰極線管及び画像表示装置

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JPH07211258A
JPH07211258A JP51894A JP51894A JPH07211258A JP H07211258 A JPH07211258 A JP H07211258A JP 51894 A JP51894 A JP 51894A JP 51894 A JP51894 A JP 51894A JP H07211258 A JPH07211258 A JP H07211258A
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deflection
ray tube
cathode ray
screen
electron beam
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JP51894A
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Masayoshi Misono
正義 御園
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】画面中央の解像度が高く、画面全体での解像度
の均一性が良好で、陰極線管の全長を短縮できるカラー
陰極線管及び奥行きの短いキャビネットの画像表示装置
を提供する。 【構成】電子銃に偏向装置11により形成される電子ビー
ム偏向磁界中に固定した不均一電界を形成し偏向量に対
応して偏向収差を補正する偏向収差補正電極39と、3本
の電子ビームを蛍光面13上に集中させると共に、色選別
電極12を通して蛍光面を構成する所定の蛍光体に適切に
射突させるための調整用磁石42を備え、調整用磁石の少
なくとも一部が、前記偏向装置の前記蛍光面から遠い側
端部よりは蛍光面方向に近い位置に設置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陰極線管に係り、特に蛍
光面の全域でしかも電子ビームの全電流域においてフォ
ーカス特性を向上させて良好な解像度を得ることのでき
る電子銃を備えると共に、全長を短縮することのできる
カラー陰極線管、並びにこのカラー陰極線管を用いてキ
ャビネットの奥行き寸法が短く、かつフォーカス電源回
路を低コスト化した画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の電極から成る電子銃と偏向装置お
よび蛍光面(蛍光膜を有する画面、以下蛍光膜あるいは
単に画面ともいう)を少なくとも備えるカラー陰極線管
において、該蛍光面の中心部から周辺部にわたって良好
な再生画像を得るための手段としては従来から次のよう
な技術が知られている。
【0003】例えば、インライン配列された3電子ビー
ムを用いる電子銃のシールドカップの底面に上記インラ
インと平行に3電子ビームの径路を挟んで上下2枚の平
行平板電極を主レンズ方向に向けて設置するもの(特公
平4−52586号公報)。インライン配列された3電
子ビームを用いる電子銃で上記インラインと平行に3電
子ビームの径路を挟んで上下2枚の平行平板電極を主レ
ンズ対向部から蛍光面方向に向けて設置することにより
電子ビームが偏向磁界に入る前に電子ビームを整形する
もの(米国特許第4086513号明細書,特公昭60
−7345号公報)。
【0004】電子銃の一部の電極間に静電4重極レンズ
を形成し、電子ビームの偏向に対応して静電4重極レン
ズの強度をダイナミックに変化させて画面全体で画像の
均一化を図るもの(特開昭51−61766号公報)。
【0005】集束レンズを形成する電極(第2電極と第
3電極)の領域内に非点収差レンズを設けたもの(特開
昭53−18866号公報)。
【0006】インライン3ビーム電子銃の第1電極と第
2電極の電子ビーム通過孔を縦長とし、それら各電極形
状を異ならせたり、センター電子銃の縦横比をサイド電
子銃のそれより小さくしたもの(特開昭51−6436
8号公報)。
【0007】インライン配列電子銃の第3電極の陰極側
に形成したスリットにより非回転対称レンズを形成し、
スリットの電子銃軸方向の深さをセンタービームの方が
サイドビームよりも深くした少なくとも1個所の非回転
対称レンズを介して蛍光面に電子ビームを射突させるも
の(特開昭60−81736号公報)などがある。図1
4は従来のシャドウマスク型カラー陰極線管の一例の概
略構成を説明する断面模式図である。このカラー陰極線
管は、所謂ダイナミックフォーカス駆動はしない方式で
ある。
【0008】同図において、7はネック部、8はファン
ネル部、9はインライン配列された3本の電子ビームを
用いる電子銃、10は電子ビーム、11は電子ビーム1
0を偏向するための偏向装置(以下、偏向ヨークとも言
う)、12は電子ビーム10を所定の蛍光体に適切に射
突させるための色選別電極(所謂、シャドウマスク)、
13は複数色の蛍光体からなる蛍光面(以下、蛍光膜と
もいう)、14はパネル部、42は前記3本の電子ビー
ムを前記蛍光面に集中すると共に色選別電極12を通し
て前記蛍光面を構成する所定の蛍光体に電子ビームを適
切に射突させるための調整用磁石である。なお、以下の
図面中で同様な作用をもつ箇所は同一符号を付す。
【0009】図15は図14に示したカラー陰極線管の
パネル部を通して蛍光面上の電子ビームスポット(以
下、単にスポットと呼ぶ)による蛍光体の発光状態の説
明図であって、15は蛍光面中央のスポット、16は蛍
光面右端の中間部の高輝度部分(以下、コアと呼ぶ)、
17はスポットの低輝度部分(以下、ハローと呼ぶ)、
18は蛍光面上端の中間部のコア、19は蛍光面隅のコ
アである。
【0010】上記の各スポットはX−X並びにY−Y軸
に対称形である。また、ハロー17は電子ビームが蛍光
面に到達する前に集束するために発生する。集束してか
ら蛍光面までの距離が遠いほどハローの面積が増し、輝
度は高くなり解像度がより低下する。
【0011】電子ビームが蛍光面に到達する前に集束す
る理由のうちの大きな原因の一つは、最近のカラー陰極
線管を用いた画像表示装置のコンバーゼンス回路の簡便
化のためである。
【0012】図16はカラー陰極線管の偏向磁界の説明
図であって、同図のように垂直偏向磁界に同図にVで示
すバレル形の偏向磁界を用いるため、図4に示したよう
に、蛍光面上端ではスポットが上下に過集束され、スポ
ットの上下にハローが発生する。
【0013】そして、他の原因は電子銃の主レンズから
蛍光面までの距離が蛍光面中央で最短であり、偏向角増
加に伴い長くなるからである。蛍光面隅では上記2原因
が相乗されるのでハローは面積が最大、輝度は最高にな
り解像度低下が蛍光面中で最も著しい。これら以外の偏
向に伴うフォーカス特性劣化も含めてその総称を偏向収
差と呼ぶ。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】蛍光面を担持し、前記
蛍光面に近接して色選択電極を懸架するパネル部と、複
数の電極から成るインライン配列された3本の電子ビー
ムを生成する電子銃を収納するネック部と、前記パネル
部とネック部とを連接するファンネル部と、前記ネック
部とファンネル部の遷移領域に装架した偏向装置を少な
くとも備えるこの種のカラー陰極線管においては、前記
偏向装置に前記電子銃の主レンズを近接配置すると、主
レンズ近傍を通過中の電子ビームが偏向磁界により乱さ
れてフォーカス特性が低下するという問題があるため、
前記主レンズを前記偏向装置から離さざるを得なかっ
た。
【0015】そのため、前記蛍光面と前記主レンズ間の
距離短縮による空間電荷の反発の影響を抑制できず、さ
らに又カラー陰極線管の全長短縮もできなかった。
【0016】本発明の目的は、画面中央の解像度が高
く、画面全体での解像度の均一性が良好で、コストが低
いのと同時に、全長を短縮できるカラー陰極線管及びキ
ャビネットの奥行き寸法が短く、かつフォーカス電源回
路を低コスト化した画像表示装置を提供することにあ
る。
【0017】現行テレビセットの奥行き寸法は陰極線管
の全長に依存しているがテレビセットを家具と考えると
その奥行きは短いのが好ましい。また、テレビセットメ
−カなどが沢山のテレビセットを搬送する場合セットの
奥行きの短いのは輸送効率上好ましい。更に、ダイナミ
ックなフォーカス電圧の駆動を行わないことは、フォー
カス電源回路の低コスト化をもたらす。
【0018】そして、この種のカラー陰極線管用電子銃
では、画像表示装置のスイッチをオンした直後に陰極加
熱用ヒータによる電子銃電極の温度上昇の過渡的不均衡
から一部電極の間隙が一時的に変化して電子銃の特性が
変化するのを抑制するため、最近は陰極に近い一部電極
に低膨張率の金属材料を用いるものが多い。これらの材
料は一般的に磁性体であるために、前記3本の電子ビー
ムを前記蛍光面に集中および/または前記色選別電極を
通して前記蛍光面の目的の蛍光体に電子ビームを適切に
射突させるための調整用磁石を前記磁性材料の電極に近
接配置すると、前記磁石の効果が低減するという問題が
あった。
【0019】本発明の他の目的は、陰極線管の蛍光面と
電子銃の主集束レンズ間で作用する電子ビ−ムの空間電
荷反発によるフォーカス特性低下を軽減するカラー陰極
線管を提供することにある。
【0020】カラー陰極線管では電子ビ−ムの最大偏向
角はほぼ決まっているので、蛍光面のサイズが大形化す
るほど蛍光面と電子銃の主集束レンズ間の距離が伸び、
この領域で作用する電子ビ−ムの空間電荷反発によるフ
ォーカス特性の低下を助長する。
【0021】従って、空間電荷反発によるフォーカス特
性低下を軽減する手段があれば蛍光面のサイズを縮小し
たような細い電子ビ−ムを得られるのでカラー陰極線管
の解像度は向上する。
【0022】本発明の更に他の目的は、陰極線管の偏向
角を広げた場合に画面全体の画像の均一性を低下しない
電子銃を備えた陰極線管を提供することにある。偏向角
を広げた場合もカラー陰極線管の全長を短縮できる。
【0023】本発明者等の研究によれば、カラー陰極線
管に上記諸特性を兼備させるためには、非点収差付のレ
ンズと大口径主レンズの組み合わせをもった電子銃を設
けることが不可欠であることが分かった。
【0024】しかし、上記従来技術においては、電子銃
に非点収差レンズや非回転対称レンズを発生させる電極
を用いて画面全域にわたって良好な解像度を得るために
は電子銃の集束電極にダイナミックなフォーカス電圧を
印加する等の必要がある。
【0025】本発明の更にまた他の目的は、上記従来技
術の問題点を解消し、特にダイナミックフォーカス電圧
の供給を行うことなく、又はダイナミックなフォーカス
電圧の低い状態で画面全域でしかも電子ビーム全電流域
においてフォーカス特性を向上させ、良好な解像度を得
ることができると共に、小電流域でのモアレを低減でき
る構成をもった電子銃を備えたカラー陰極線管を提供す
ることにある。
【0026】上記従来技術においては、偏向磁界中に位
置する固定の不均一な電界により偏向量に対応して偏向
収差を補正することによって画面全域で良好な解像度を
有する再生画像を得ることについて考慮されていない。
【0027】更に、上記従来技術においては、偏向磁界
中に位置する固定の不均一な電界により偏向量に対応し
て偏向収差を補正することによって画面全域で良好な解
像度を有する再生画像を得るときに陰極線管の蛍光面と
電子銃の主集束レンズ間で作用する電子ビ−ムの空間電
荷反発によるフォーカス特性低下を軽減することについ
ても考慮されていない。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記各目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、蛍光面を担持し、前記
蛍光面に近接して色選択電極を懸架するパネル部と、複
数の電極から成るインライン配列された3本の電子ビー
ムを生成する電子銃を収納するネック部と、前記パネル
部とネック部とを連接するファンネル部と、前記ネック
部とファンネル部の遷移領域に装架した偏向装置を少な
くとも備えるカラー陰極線管において、前記電子銃に、
前記偏向装置により形成される電子ビーム偏向磁界中に
固定した不均一電界を形成し、偏向量に対応して偏向収
差を補正する偏向収差補正電極を備え、前記3本の電子
ビームを前記蛍光面上に集中させると共に、前記色選別
電極を通して前記蛍光面を構成する所定の蛍光体に適切
に射突させるための調整用磁石を備え、前記調整用磁石
の少なくとも一部が、前記偏向装置の前記蛍光面から遠
い側端部よりは蛍光面方向に近い位置に設置されている
ことを特徴とする。
【0029】また、請求項2に記載の発明は、蛍光面を
担持し、前記蛍光面に近接して色選択電極を懸架するパ
ネル部と、複数の電極から成るインライン配列された3
本の電子ビームを生成する電子銃を収納するネック部
と、前記パネル部とネック部とを連接するファンネル部
と、前記ネック部とファンネル部の遷移領域に装架した
偏向装置を少なくとも備えるカラー陰極線管において、
前記電子銃に、前記偏向装置により形成される電子ビー
ム偏向磁界中に固定した非点収差電界を形成し、偏向量
に対応して偏向収差を補正する偏向収差補正電極を備
え、前記3本の電子ビームを前記蛍光面上に集中させる
と共に、前記色選別電極を通して前記蛍光面を構成する
所定の蛍光体に適切に射突させるための調整用磁石を備
え、前記調整用磁石の少なくとも一部が、前記偏向装置
の前記蛍光面から遠い側端部よりは蛍光面方向に近い位
置に設置されていることを特徴とする。
【0030】そして、請求項3に記載の発明は、蛍光面
を担持し、前記蛍光面に近接して色選択電極を懸架する
パネル部と、複数の電極から成るインライン配列された
3本の電子ビームを生成する電子銃を収納するネック部
と、前記パネル部とネック部とを連接するファンネル部
と、前記ネック部とファンネル部の遷移領域に装架した
偏向装置を少なくとも備えるカラー陰極線管において、
前記電子銃に、前記偏向装置により形成される電子ビー
ム偏向磁界中に固定した非点収差電界とコマ収差電界を
形成し、偏向量に対応して偏向収差を補正する偏向収差
補正電極を備え、前記3本の電子ビームを前記蛍光面上
に集中させると共に、前記色選別電極を通して前記蛍光
面を構成する所定の蛍光体に適切に射突させるための調
整用磁石を備え、前記調整用磁石の少なくとも一部が、
前記偏向装置の前記蛍光面から遠い側端部よりは蛍光面
方向に近い位置に設置されていることを特徴とする。
【0031】更に、請求項4に記載の発明は、請求項1
または2もしくは3に記載の発明により全長を短縮した
陰極線管を用いることにより、キャビネットの奥行きが
短く、かつフォーカス電源回路が低コスト化された画像
表示装置であることを特徴とする。
【0032】すなわち、本発明では、 (1)前記偏向装置による偏向磁界中に固定した不均一
電界を形成して偏向量に対応した偏向収差補正をするこ
とにより、前記偏向装置に前記電子銃の主レンズを近接
配置しても同箇所を通過中の電子ビームの乱れの影響を
抑制するとき、前記3本の電子ビームを前記蛍光面に集
中又は並びに前記色選別電極を通して前記蛍光面の目的
の蛍光体に電子ビームを適切に射突させるための調整用
磁石の少なくとも一部が、前記偏向装置の蛍光面から遠
い側端部よりは蛍光面に近く位置することにより、カラ
ー陰極線管の全長を短縮し、空間電荷の反発の影響も低
減して画面中央での解像度の向上を図り、更に画面全体
でのフォーカス特性の均一化及びモワレ干渉縞の軽減を
図るものである。
【0033】(2)前記偏向装置による偏向磁界中に固
定した非点収差電界を形成し、偏向量に対応した偏向収
差補正することにより、前記偏向装置に前記電子銃の主
レンズを近接配置しても同箇所を通過中の電子ビームの
乱れの影響を抑制するとき、前記3本の電子ビームを前
記蛍光面に集中又は並びに前記色選別電極を通して前記
蛍光面の目的の蛍光体に電子ビームを適切に射突させる
ための調整用磁石の少なくとも一部が、前記偏向装置の
蛍光面から遠い側端部よりは蛍光面に近く位置すること
により、該カラー陰極線管の全長を短縮し、空間電荷の
反発の影響も低減して画面中央での解像度の向上を図
り、更に画面全体でのフォーカス特性の均一化及びモワ
レ干渉縞の軽減を図るものである。
【0034】(3)前記偏向装置による偏向磁界中に固
定した非点収差電界とコマ収差電界を形成し、偏向量に
対応して偏向収差補正することにより、前記偏向装置に
前記電子銃の主レンズを近接配置しても同箇所を通過中
の電子ビームの乱れの影響を抑制するとき、前記3本の
電子ビームを前記蛍光面に集中又は並びに前記色選別電
極を通して前記蛍光面の目的の蛍光体に電子ビームを適
切に射突させるための調整用磁石の少なくとも一部が、
前記偏向装置の蛍光面から遠い側端部よりは蛍光面に近
く位置することにより、該カラー陰極線管の全長を短縮
し、空間電荷の反発の影響も低減して画面中央での解像
度の向上を図り、更に画面全体でのフォーカス特性の均
一化及びモワレ干渉縞の軽減を図るものである。
【0035】(4)前記(1)から(3)において上記
調整用磁石の少なくとも一部を該カラー陰極線管のネッ
ク部の外部および/または内部に設置することで、前記
の目的を達成するものである。
【0036】(5)前記(1)から(4)の構成によ
り、陰極線管の全長を短縮し、この陰極線管を用いるこ
とで、キャビネットの奥行きが短く、かつフォーカス電
源回路が低コスト化された画像表示装置を得るものであ
る。
【0037】
【作用】上記本発明の構成により、下記のような作用が
奏される。
【0038】(1)前記偏向装置による偏向磁界中に固
定した不均一電界を形成して偏向量に対応した偏向収差
補正をすることにより、前記偏向装置に前記電子銃の主
レンズを近接配置しても同箇所を通過中の電子ビームの
乱れの影響を抑制すると共に、前記3本の電子ビームを
前記蛍光面に集中又は並びに前記色選別電極を通して前
記蛍光面の目的の蛍光体に電子ビームを適切に射突させ
るための調整用磁石の少なくとも一部を、前記偏向装置
の蛍光面から遠い側端部よりは蛍光面に近く位置するこ
とにより磁石の効果を損なうことなく、カラー陰極線管
の全長を短縮し、空間電荷の反発の影響も低減して画面
中央での解像度の向上を図り、更に画面全体でのフォー
カス特性の均一化及びモワレ干渉縞の軽減を図る。該カ
ラー陰極線管を用いることによりキャビネットの奥行き
の短い画像表示装置を提供できる。 (2)前記偏向装置による偏向磁界中に固定した非点収
差電界を形成して偏向量に対応した偏向収差補正をする
ことにより、前記偏向装置に前記電子銃の主レンズを近
接配置しても同箇所を通過中の電子ビームの乱れの影響
を抑制すると共に、前記3本の電子ビームを前記蛍光面
に集中又は並びに前記色選別電極を通して前記蛍光面の
目的の蛍光体に電子ビームを適切に射突させるための調
整用磁石の少なくとも一部を、前記偏向装置の蛍光面か
ら遠い側端部よりは蛍光面に近く位置することにより磁
石の効果を損なうことなく、カラー陰極線管の全長を短
縮し、空間電荷の反発の影響も低減して画面中央での解
像度の向上を図り、更に画面全体でのフォーカス特性の
均一化及びモワレ干渉縞の軽減を図る。該カラー陰極線
管を用いることによりキャビネットの奥行きの短い画像
表示装置を提供できる。
【0039】(3)前記偏向装置による偏向磁界中に固
定した非点収差電界とコマ収差電界を形成して偏向量に
対応した偏向収差補正をすることにより、前記偏向装置
に前記電子銃の主レンズを近接配置しても同箇所を通過
中の電子ビームの乱れの影響を抑制すると共に、前記3
本の電子ビームを前記蛍光面に集中又は並びに前記色選
別電極を通して前記蛍光面の目的の蛍光体に電子ビーム
を適切に射突させるための調整用磁石の少なくとも一部
を、前記偏向装置の蛍光面から遠い側端部よりは蛍光面
に近く位置することにより磁石の効果を損なうことな
く、カラー陰極線管の全長を短縮し、空間電荷の反発の
影響も低減して画面中央での解像度の向上を図り、更に
画面全体でのフォーカス特性の均一化及びモワレ干渉縞
の軽減を図る。該カラー陰極線管を用いることによりキ
ャビネットの奥行きの短い画像表示装置を提供できる。
【0040】(4)前記調整用磁石の少なくとも一部を
該カラー陰極線管のネック部の外側および/または内側
で前記偏向装置の蛍光面から遠い側端部よりは蛍光面に
近く位置することにより磁石の効果を損なうことなく、
カラー陰極線管の全長を短縮し、空間電荷の反発の影響
も低減して画面中央での解像度の向上を図り、更に画面
全体でのフォーカス特性の均一化及びモワレ干渉縞の軽
減を図ることができる。 (5)また、上記のカラー陰極線管を用いることにより
キャビネットの奥行きの短い、かつフォーカス電源回路
の単純化で低コストとした画像表示装置を提供できる。
【0041】つぎに、上記本発明の構成とその作用につ
いて、さらに詳細に説明する。
【0042】図6はカラー陰極線管の偏向量(偏向角と
もいう)と偏向収差量の関係を説明する陰極線管の偏向
特性の説明図である。
【0043】同図に示したように、偏向量の増加に伴い
偏向収差量は急激に増す。この状態はカラー陰極線管の
最大偏向角が僅かに増加しても蛍光面隅の偏向収差量が
著しく増し、蛍光面隅での解像度を維持するためには多
大の偏向収差補正量が必要になることを示す。
【0044】図7はカラー陰極線管の偏向量と本発明に
よる偏向収差補正電極を用いた偏向収差補正量の関係の
説明図である。
【0045】同図に示したように、偏向収差補正電極を
用いて偏向磁界中に固定した不均一電界を形成すること
により、電子ビームの偏向量に応じて急激に偏向収差補
正量を増加させることが可能となる。
【0046】上記不均一電界には非点収差電界とコマ収
差電界の場合があるが、先ず非点収差電界の場合につい
てそのメカニズムを説明する。
【0047】非点収差電界は二つの直交する対称面をも
つ電界である。
【0048】図8は非点収差電界とインライン電子ビー
ムの偏向収差補正作用の説明図であって、43は非点収
差電界の等電位線、44は中央電子ビーム、45,46
は脇電子ビームを示す。
【0049】同図において、中央電子ビーム44は非点
収差電界の一つの対称面上に電界の中央Z−Z軸に沿っ
た軌道をもち、脇電子ビーム45,46はZ−Z軸から
対称に離れた軌道をもつ。
【0050】3本の上記電子ビーム44,45,46は
Z−Z軸に平行に紙面上左から入射する。非点収差電界
の等電位線43で示す電界は電子ビームを発散させる作
用をもち、上記等電位線43の間隔はZ−Z軸から離れ
るに従い狭くなる。
【0051】脇電子ビーム45,46は電界中を進むに
つれて中央電子ビーム44に比べて急激に発散し、かつ
その軌道はZ−Z軸から更に離れていく。
【0052】従って、図8に示したような電界を偏向磁
界中に形成して偏向磁界により電子ビーム軌道を脇電子
ビーム45,46のように電界中央から離れるように設
定することで電子ビームは偏向量に対応して発散量が増
す。
【0053】このような電界を偏向磁界内に形成して、
図8の対称軸Z−Zを前記図15のX−X軸の高さに合
わせ、かつ図8に示す非点収差電界の対称面を図15の
Y−Yに合わせて無偏向時の電子ビームが蛍光面の中央
に射突するようにする。
【0054】このような設定により電子ビームが蛍光面
の中央から上端または下端に向けて偏向されるとき、前
記図16の偏向磁界による集束、並びに偏向による主レ
ンズと蛍光面間距離の増加による電子ビームの蛍光面手
前の集束を抑制する作用が偏向量に応じて働き非点収差
の偏向収差補正を行うことができる。
【0055】次に、上記不均一電界としてコマ収差電界
の場合について、そのメカニズムを説明する。
【0056】コマ収差電界は対称面を一つ持つ電界であ
る。
【0057】図9はコマ収差電界とインライン電子ビー
ムの偏向収差補正作用の説明図であって、43はコマ収
差電界の等電位線、47は中央電子ビーム、48,49
は脇電子ビームを示す。
【0058】同図において、中央電子ビーム47はコマ
収差電界の一つの対称面上に電界の中央Z−Z軸に沿っ
た軌道をもち、脇電子ビーム48,49はZ−Z軸から
対称に離れた軌道をもつ。
【0059】3本の上記電子ビーム47,48,49は
Z−Z軸に平行に紙面上左から入射する。
【0060】同図の電界は電子ビームを発散させる作用
をもち、等電位線43の間隔はZ−Z軸から離れるに従
い狭くなるが、脇電子ビーム48の軌道側の方が、脇電
子ビーム49の軌道側の方に比べて等電位線43の間隔
は急激に狭くなる。
【0061】脇電子ビーム48は電界中を進むにつれて
中央電子ビーム47に比べて急激に発散し、かつ軌道が
Z−Z軸から更に離れていく。
【0062】脇電子ビーム49も電界中を進むにつれて
中央電子ビーム47に比べて急激に発散し、かつ軌道が
Z−Z軸から更に離れていくが、上記脇電子ビーム48
に比べて発散の量並びに軌道のZ−Z軸からの離れて行
き方が少ない。
【0063】図9に示したような電界を偏向磁界中に形
成して偏向磁界により電子ビーム軌道を脇電子ビーム4
8,49のように電界中央から離れるように設定するこ
とで、電子ビームは偏向量に対応してその発散量を増加
させることができる、かつ偏向の方向によりこの発散量
を変えることが出来る。
【0064】このような電界を偏向磁界内に形成して、
図9の対称面を前記図15のY−Y軸に平行に、かつイ
ンライン配列された3電子ビームのうちの脇電子ビーム
に用いる電子銃の中心軸に図9のZ−Z軸を合わせる。
【0065】このような設定により電子ビームが蛍光面
の中央から右端または左端に向けて偏向されるとき、前
記図16に示した偏向磁界による集束、並びに偏向によ
る主レンズと蛍光面間距離の増加による電子ビームの蛍
光面手前の集束を抑制する作用が、偏向する方向も含め
た偏向量に応じて働き、コマ収差の偏向集差補正を行う
ことができる。
【0066】上記メカニズムを非点収差電界を用いる場
合について更に詳細に説明する。
【0067】図10は本発明の偏向収差補正電極による
非点収差の偏向収差補正作用の説明図であって、電子銃
の集束電極から蛍光面までの領域の断面を示す。なお、
1は主レンズ38と偏向中心間の距離である。
【0068】同図において、3は集束電極、4は陽極、
10は電子ビーム、13は蛍光面、38は主レンズ、3
9は上記非点収差電界を形成して偏向収差を補正する偏
向収差補正電極、41は陽極の一部、44は等電位線で
ある。
【0069】同図において、偏向収差補正電極39は偏
向磁界中に位置して電子銃の陽極4と同電位に保たれ、
主レンズ38の電界が陽極4並びに陽極の一部41の中
を通して浸透することにより等電位線44で示す電界を
形成する。
【0070】この電界は部分的に見ると前記図8に示し
た電界と同様の非点収差電界である。更にこの電界は偏
向収差補正電極39が陽極4と同電位であるために電子
ビーム10を発散させる作用をもつ非点収差電界であ
る。
【0071】電子ビーム10が集束電極3内から徐々に
集束を受けながら陽極4と陽極の一部41を通過し、更
に偏向収差補正電極39を通過して蛍光面13に向か
う。
【0072】偏向磁界がない場合は電子ビーム10は蛍
光面の中央に射突して径D1 のスポットを形成する。
【0073】紙面上で上部に偏向する磁界が存在する場
合、電子ビームは包絡線10U ’と10D で包まれた軌
道をとり蛍光面上の中央から離れた位置に径D3 のスポ
ットを形成する。この状態は、上記偏向収差補正電極3
9がない場合に包絡線10U’に相当する部分が破線で
示す10U の軌道をとり、包絡線10D と10U とで包
まれた軌道が蛍光面13の手前で集束後に蛍光面上でD
2 のスポットを形成するのを上記偏向収差補正電極39
で軌道修正したからである。
【0074】上記軌道修正の量は偏向角が大きいほど増
加する。紙面上で下方に偏向した場合も同様な現象を生
ずる。蛍光面13の手前で集束したスポットは図15に
示したハロー17を生じ陰極線管の解像度を低下させ
る。
【0075】図11は本発明の偏向収差補正電極による
非点収差の偏向収差補正作用を偏向収差補正電極を有し
ない比較のための従来の集束状態の説明図であって、図
10と同じ領域を示す。
【0076】同図では、紙面上で上方に偏向する場合は
陽極4を通過後の電子ビーム10は包絡線10U と10
D とが蛍光面13の手前で交差する集束状態になる。
【0077】以上の結果、図9の偏向収差補正電極39
を偏向磁界中に設置することにより、図4の偏向磁界の
V磁界による電子ビームの集束および偏向による主レン
ズと蛍光面間の距離の増加による蛍光面13の手前での
電子ビームの集束作用に起因する偏向収差を偏向量に対
応して補正することができる。
【0078】一般に陰極線管では、主レンズ38の近傍
では電子ビーム10の径が電子銃中で最大である。偏向
磁界中では電子ビームの径が大きいほど電子ビームの形
状が歪みやすいので従来の陰極線管では主レンズ38を
偏向ヨーク11から離さなければならなかった。
【0079】図12は本発明の偏向収差補正電極を設置
したカラー陰極線管の一例を説明する模式図であって、
2 は主レンズと蛍光面間の距離、L3 はネック長さ、
4は陰極線管の管軸長である。
【0080】このカラー陰極線管では、偏向収差補正電
極39によって上記偏向磁界による主レンズ38近傍で
の電子ビームの形状の歪みを収差も見込んで補正するこ
とができるため、主レンズ38と蛍光面間の距離L2
短くすることができる。
【0081】このため、同図のカラー陰極線管では蛍光
面全体での解像度の均一化を図ることができると同時
に、空間電荷の反発作用を低減して画面中央の解像度も
向上させることができる。
【0082】なお、同図において、42は3本の電子ビ
ームを前記蛍光面に集中又は並びに前記色選別電極を通
して前記蛍光面の目的の蛍光体に電子ビームを適切に射
突させるための調整用磁石である。
【0083】図13は本発明の偏向収差補正電極を設置
したカラー陰極線管の作用を偏向収差補正電極を有しな
い比較のための従来のカラー陰極線管の一例を説明する
模式図である。
【0084】このカラー陰極線管においては、主レンズ
38を偏向ヨーク11から離さなければならないので主
レンズ38と蛍光面間の距離L2 を短くすることができ
ないので空間電化の反発作用の影響が多く、蛍光面全体
での解像度の均一性も図12陰極線管に比べて劣る。
【0085】更に、図12の陰極線管では図13のカラ
ー陰極線管と同一の電子銃を用いても主レンズ38と蛍
光面間の距離L2 が短いためカラー陰極線管の管軸長L
4 を短縮出来る。
【0086】これにより、図12のカラー陰極線管を用
いることによりキャビネットの奥行き寸法の短い画像表
示装置を提供することができる。
【0087】しかし、カラー陰極線管の電子銃は、当該
カラー陰極線管を用いた画像表示装置の電源スイッチを
オンした直後に陰極加熱用ヒータによる電子銃電極の温
度上昇の過渡的不均衡から一部電極の間隙が一時的に変
化して電子銃の特性が変化する。
【0088】この現象を抑制するため、最近は陰極に近
い一部電極に低膨張率の金属材料を用いるものが多い。
これらの材料は一般的に磁性体であるために、前記3本
の電子ビームを前記蛍光面に集中および/または前記色
選別電極を通して前記蛍光面を構成する所定の蛍光体に
適切に射突させるための調整用磁石を前記磁性材料の電
極に近接配置すると、前記磁石の効果が低減する問題が
あった。
【0089】さらに、上記調整用磁石42が電極1及び
電極2に近接配置されると、電子銃中の電子ビームの形
状が歪んだり、電子ビーム軌道の変化で一部の電子ビー
ムが電極の一部に射突する可能性が増す。
【0090】しかし、上記図12において電極1及び電
極2を磁性材料で構成し、主レンズ38と蛍光面13間
の距離L2 を短くした結果、上記調整用磁石42が上記
1及び2に近接配置されることによる効果の低減を抑制
することができる。
【0091】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。
【0092】図1は本発明によるカラー陰極線管の1実
施例を説明する断面模式図であって、前記図11と同様
の機能部分には同一符号を付してある。
【0093】同図は偏向収差補正電極39を設置した3
本の電子ビームを用いるカラー陰極線管の一例であり、
電子銃の主レンズ38と蛍光面13間の距離を短縮する
と共に、前記3本の電子ビームを前記蛍光面に集中およ
び/または色選別電極12を通して前記蛍光面13を構
成する所定の蛍光体に適切に射突させるための調整用磁
石42の一部を偏向ヨーク11の内部に配置する。
【0094】このような構成により、前記調整用磁石4
2を磁性材料で構成される電極1及び電極2から離すこ
とが可能になり、その効果を低減させることがない。
【0095】この調整用磁石42の材質は例えば、フェ
ライト粉末をプラスチックで固めたもの、フェライト粉
末をテープ上に塗布したもの、金属磁性材料の粉末を表
面に絶縁物でコートして固めたものなど種々考えられる
が、磁気特性その他が目的に合えば良く、特定材料並び
に特定構造に限定されるものではない。
【0096】図2は本発明によるカラー陰極線管の他の
実施例を説明する断面模式図であって、前記図12,図
1と同様の機能部分には同一符号を付してある。
【0097】同図は偏向収差補正電極39を設置した3
本の電子ビームを用いるカラー陰極線管の一例で、電子
銃の主レンズ38と蛍光面13間の距離L2 を短縮する
と共に、前記3本の電子ビームを前記蛍光面13に集中
および/または色選別電極12を通して前記蛍光面を構
成する所定の蛍光体に適切に射突させるための調整用磁
石42の一部を偏向ヨーク11の内部に位置するネック
部外部に配置する。
【0098】このような構成により、調整用磁石42を
磁性材料で構成される電極1及び電極2から離すことが
可能になり、その効果を低減させることがない。
【0099】調整用磁石42の材質は、上記と同様に、
例えば、フェライト粉末をプラスチックで固めたもの、
フェライト粉末をテープ上に塗布したもの、金属磁性材
料の粉末を表面に絶縁物でコートして固めたものなど種
々考えられるが、磁気特性その他が目的に合えば良く、
特定材料並びに特定構造に限定されるものではない。更
に、本実施例では陰極線管のネック部に上記調整用磁石
を取り付けているため、該陰極線管の電子ビームの状態
をあらかじめ測定しておき、その状態に合わせて着磁す
ることも可能である。
【0100】図3は本発明によるカラー陰極線管のさら
に他の実施例を説明する断面模式図であって、前記図1
2,図1,図2と同様の機能部分には同一符号を付して
ある。
【0101】同図は偏向収差補正電極39を設置した3
本の電子ビームを用いるカラー陰極線管の一例で、電子
銃の主レンズ38と蛍光面13間の距離L2を短縮でき
ると共に、前記3本の電子ビームを前記蛍光面に集中お
よび/または色選別電極12を通して蛍光面を構成する
所定の蛍光体に適切に射突させるための調整用磁石42
の一部を偏向ヨーク11の内部に位置するネック部内部
に配置する。
【0102】同図では、上記集束電極3の主レンズ側に
設置するものとして示してあるが、これに代えて当該部
分のネック内壁に設置してもよい。
【0103】このような構成により、前記調整用磁石4
2を磁性材料で構成される電極1及び電極2から離すこ
とが可能になり、その効果を低減させることがない。
【0104】調整用磁石42の材質は上記実施例と同様
に、例えば、フェライト粉末の焼結品、金属磁性材料の
線状材など種々考えられるが、磁気特性、ガス放出性、
耐熱性その他が目的に合えば良く、特定材料並びに特定
構造に限定されるものではない。更に本実施例では陰極
線管のネック部の内部に上記調整用磁石を取り付けてい
るため、該陰極線管の電子ビームの状態をあらかじめ測
定しておき、その状態に合わせて着磁することができる
という効果もある。
【0105】図1、図2及び図3において、その偏向収
差補正電極39は図4に示すように、インライン配列の
3電子ビームを上下から挟んで対向する板体電極構造と
することができる。
【0106】図4は本発明における偏向収差補正電極の
構造例を説明する斜視図であって、偏向収差補正電極3
9は図示した形状をもつ2つの電極を3本の電子ビーム
を挟んで対向させて構成する。
【0107】同図において、E側がカラー陰極線管のネ
ック部に近い側、D側が蛍光面に近い側で、電子ビーム
は対向部の中心を通過する。2つの電極の対向部はイン
ライン配列方向と平行に設置する。なお、Gは電子ビー
ムと対向する平板部、Fはこの平板部の間隙、すなわち
3本の電子ビームが通過する空間である。
【0108】図5はインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管の脇電子ビームの偏向収差補正の
うち、非点収差電界によるインライン配列と直角方向の
偏向収差補正を行い、コマ収差電界によるインライン配
列方向の偏向収差補正を行うと共に中央の電子ビームに
対しては非点収差電界によるインライン配列と直角方向
の偏向収差補正のみを行うための偏向収差補正電極の一
例を示す要部構成図であって、図4の平板部Gに相当す
る部分の形状である。
【0109】なお、同図(a)はインライン配列と直角
の方向から見た図、(b)は蛍光面方向から見た図、
(c)はインライン配列方向から見た図である。また、
Eは3電子ビームが偏向されないときに通る軌道相当部
である。
【0110】同図において、中央電子ビームに対応する
部分39−1は蛍光面方向に向けて一様な長さL5 をも
ち、対向する部分も平行なのでインライン配列方向とイ
ンライン配列と直角方向にそれぞれ対称面を持つ非点収
差電界を形成するが、インライン配列方向は無電界なの
で偏向収差補正はインライン配列と直角方向のみ行われ
る。
【0111】脇電子ビームに対応する部分39−2は蛍
光面方向に向けて一様な長さL5 の部分39−1と同構
造の箇所と、中央電子ビーム位置と離れるにつれて蛍光
面方向に向けて円弧状に伸び最大長さL6 をもつ部分を
もつ。
【0112】長さL5 の部分は対向する部分も平行なの
でインライン配列方向とインライン配列と直角方向にそ
れぞれ対称面を持つ非点収差電界を形成するが、インラ
イン配列方向は無電界なので偏向収差補正はインライン
配列と直角方向のみ行われる。しかし、長さがL5 から
外れる部にはインライン配列方向の電界成分がありイン
ライン配列方向への偏向角に応じての偏向収差補正量が
変わる。
【0113】このような構成としたことにより、前記し
た本発明の各目的を達成することができる。
【0114】図17は本発明による陰極線管を用いた画
像表示装置例と従来の陰極線管を用いた画像表示装置と
の寸法比較の説明図であって、(a)と(b)は本発明
による陰極線管を用いた画像表示装置の正面図と側面
図、(c)と(d)は従来の陰極線管を用いた画像表示
装置の正面図と側面図である。
【0115】同図において、画像表示装置のキャビネッ
ト83の奥行きL7 が同図本発明によるもの(b)が従
来の(d)に比較して短い。また、従来においては
(d)に示したようにダイナミックフォーカス電圧電源
の基板のための大きな設置スペースを必要としたのに比
べて本発明では(b)に示したように、そのためのスペ
ースを必要とせず、全体としてキャビネット内のスペー
スを節約できる。
【0116】奥行きL7 を短くできるのは、偏向磁界中
に固定した不均一電界を形成して電子ビームの偏向角に
対応する偏向収差の補正をすることにより該陰極線管の
電子銃の主レンズを偏向ヨークに近付けることが可能に
なり、陰極線管84の長さL4 を短縮できるからであ
る。
【0117】以上のように、本発明の実施例によれば、
特にダイナミックフォーカス電圧の供給を行うことなく
画面全域で、しかも電子ビームの全電流域においてフォ
ーカス特性を向上させ、良好な解像度を得ることができ
ると共に、小電流域でのモアレを低減できる構成を備
え、キャビネットの奥行きの短い画像表示装置を提供す
ることができる。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
3本の電子ビームを用いるカラー陰極線管においては偏
向磁界中に固定した不均一な電界を形成して電子ビーム
が偏向されてその軌道が変化するときに、偏向角(偏向
量)に応じて電子ビームの偏向収差を補正し、また電子
銃の主レンズと蛍光面間の距離を短縮すると共に3本の
電子ビームを蛍光面に集中および/または色選別電極を
通して蛍光面を構成する所定の蛍光体に電子ビームを適
切に射突させるための調整用磁石の少なくとも一部を偏
向ヨークの内部に位置することにより、ダイナミックフ
ォーカスを用いないでも、蛍光面中央の解像度を向上さ
せて、蛍光面全体での解像度の均一化を向上し、かつコ
ストの低いカラー陰極線管を提供することができる。
【0119】更に本発明によれば、3本の電子ビームを
蛍光面に集中および/または色選別電極を通して蛍光面
を構成する所定の蛍光体に適切に射突させるための調整
用磁石の少なくとも一部を偏向ヨークの内部に位置する
ことにより、電子銃中の電子ビーム軌道の変化を抑制出
来るので一部の電極に電子ビームが射突するポテンシャ
ルを下げることができる。磁性材料で構成された陰極付
近の電極と調整用磁石の距離を増加させることができる
ので、当該調整用磁石の効果を損なうこともない。従っ
て、本発明では調整用磁石に起因するカラー陰極線管の
管軸長の短縮を阻害する条件を著しく緩和できる。
【0120】上記理由から、本発明では電子銃の主レン
ズと蛍光面間の距離を短縮することが可能になる。
【0121】カラー陰極線管の管軸長の短縮には、ガラ
スバルブの形状変更、電子銃の変更、偏向ヨークの変更
並びに偏向ヨークの駆動回路の変更等、高度の技術並び
に多大な費用を要する。本発明ではこれらの大部分を変
更することなく管軸長を短縮できる。
【0122】一般的に、画像表示装置のキャビネットの
奥行きは、用いるカラー陰極線管の管軸長に制約され
る。キャビネットの奥行きは短い方が設置スペースを節
約でき、また管軸長を短縮したカラー陰極線管並びにキ
ャビネットの奥行きが短い画像表示装置は輸送費用の節
約に大きな効果をもたらす。奥行きの短いキャビネット
は市場の要請である。従って、本発明による管軸長の短
縮したカラー陰極線管並びにキャビネットの奥行きが短
い画像表示装置は大きなセールスポイントをもつもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカラー陰極線管の1実施例を説明
する断面模式図である。
【図2】本発明によるカラー陰極線管の他の実施例を説
明する断面模式図である。
【図3】本発明によるカラー陰極線管のさらに他の実施
例を説明する断面模式図である。
【図4】本発明における偏向収差補正電極の構造例を説
明する斜視図である。
【図5】インライン配列した3電子ビームを用いるカラ
ー陰極線管の脇電子ビームの偏向収差補正のうち、非点
収差電界によるインライン配列と直角方向の偏向収差補
正を行い、コマ収差電界によるインライン配列方向の偏
向収差補正を行うと共に中央の電子ビームに対しては非
点収差電界によるインライン配列と直角方向の偏向収差
補正のみを行うための偏向収差補正電極の一例を示す要
部構成図である。
【図6】カラー陰極線管の偏向量(偏向角ともいう)と
偏向収差量の関係を説明する陰極線管の偏向特性の説明
図である。
【図7】カラー陰極線管の偏向量と本発明による偏向収
差補正電極を用いた偏向収差補正量の関係の説明図であ
る。
【図8】非点収差電界とインライン電子ビームの偏向収
差補正作用の説明図である。
【図9】コマ収差電界とインライン電子ビームの偏向収
差補正作用の説明図である。
【図10】本発明の偏向収差補正電極による非点収差の
偏向収差補正作用の説明図である。
【図11】本発明の偏向収差補正電極による非点収差の
偏向収差補正作用を偏向収差補正電極を有しない比較の
ための従来の集束状態の説明図である。
【図12】本発明の偏向収差補正電極を設置したカラー
陰極線管の一例を説明する模式図である。
【図13】本発明の偏向収差補正電極を設置したカラー
陰極線管の作用を偏向収差補正電極を有しない比較のた
めの従来のカラー陰極線管の一例を説明する模式図であ
る。
【図14】従来のシャドウマスク型カラー陰極線管の一
例の概略構成を説明する断面模式図である。
【図15】図14に示したカラー陰極線管のパネル部を
通して蛍光面上の電子ビームスポット(以下、単にスポ
ットと呼ぶ)による蛍光体の発光状態の説明図である。
【図16】カラー陰極線管の偏向磁界の説明図である。
【図17】本発明による陰極線管を用いた画像表示装置
例と従来の陰極線管を用いた画像表示装置との寸法比較
の説明図である。
【符号の説明】
1 第1電極 2 第2電極 3 第3電極 4 第4電極 5 第5電極 7 ネック部 8 ファンネル部 10 電子ビーム 11 偏向ヨーク 12 色選択電極 13 蛍光面 14 パネル部 38 主レンズ 39 偏向収差補正電極 42 調整用磁石。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光面を担持し、前記蛍光面に近接して色
    選択電極を懸架するパネル部と、複数の電極から成るイ
    ンライン配列された3本の電子ビームを生成する電子銃
    を収納するネック部と、前記パネル部とネック部とを連
    接するファンネル部と、前記ネック部とファンネル部の
    遷移領域に装架した偏向装置を少なくとも備えるカラー
    陰極線管において、 前記電子銃に、前記偏向装置により形成される電子ビー
    ム偏向磁界中に固定した不均一電界を形成し、偏向量に
    対応して偏向収差を補正する偏向収差補正電極を備え、 前記3本の電子ビームを前記蛍光面上に集中させると共
    に、前記色選別電極を通して前記蛍光面を構成する所定
    の蛍光体に適切に射突させるための調整用磁石を備え、 前記調整用磁石の少なくとも一部が、前記偏向装置の前
    記蛍光面から遠い側端部よりは蛍光面方向に近い位置に
    設置されていることを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】蛍光面を担持し、前記蛍光面に近接して色
    選択電極を懸架するパネル部と、複数の電極から成るイ
    ンライン配列された3本の電子ビームを生成する電子銃
    を収納するネック部と、前記パネル部とネック部とを連
    接するファンネル部と、前記ネック部とファンネル部の
    遷移領域に装架した偏向装置を少なくとも備えるカラー
    陰極線管において、 前記電子銃に、前記偏向装置により形成される電子ビー
    ム偏向磁界中に固定した非点収差電界を形成し、偏向量
    に対応して偏向収差を補正する偏向収差補正電極を備
    え、 前記3本の電子ビームを前記蛍光面上に集中させると共
    に、前記色選別電極を通して前記蛍光面を構成する所定
    の蛍光体に適切に射突させるための調整用磁石を備え、 前記調整用磁石の少なくとも一部が、前記偏向装置の前
    記蛍光面から遠い側端部よりは蛍光面方向に近い位置に
    設置されていることを特徴とするカラー陰極線管。
  3. 【請求項3】蛍光面を担持し、前記蛍光面に近接して色
    選択電極を懸架するパネル部と、複数の電極から成るイ
    ンライン配列された3本の電子ビームを生成する電子銃
    を収納するネック部と、前記パネル部とネック部とを連
    接するファンネル部と、前記ネック部とファンネル部の
    遷移領域に装架した偏向装置を少なくとも備えるカラー
    陰極線管において、 前記電子銃に、前記偏向装置により形成される電子ビー
    ム偏向磁界中に固定した非点収差電界とコマ収差電界を
    形成し、偏向量に対応して偏向収差を補正する偏向収差
    補正電極を備え、 前記3本の電子ビームを前記蛍光面上に集中させると共
    に、前記色選別電極を通して前記蛍光面を構成する所定
    の蛍光体に適切に射突させるための調整用磁石を備え、 前記調整用磁石の少なくとも一部が、前記偏向装置の前
    記蛍光面から遠い側端部よりは蛍光面方向に近い位置に
    設置されていることを特徴とするカラー陰極線管。
  4. 【請求項4】請求項1または2もしくは3に記載の陰極
    線管を用いたことを特徴とする画像表示装置。
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JP (1) JPH07211258A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6005339A (en) * 1995-05-12 1999-12-21 Hitachi, Ltd. CRT with deflection defocusing correction
US6201344B1 (en) 1996-10-14 2001-03-13 Hitachi, Ltd. CRT having an electron gun with magnetic pieces attached to one of a plurality of electrodes, configured to correct deflection defocusing
JP2007010330A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Shimizu Corp 磁気センサテレビ

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