JPH07296740A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JPH07296740A
JPH07296740A JP7026847A JP2684795A JPH07296740A JP H07296740 A JPH07296740 A JP H07296740A JP 7026847 A JP7026847 A JP 7026847A JP 2684795 A JP2684795 A JP 2684795A JP H07296740 A JPH07296740 A JP H07296740A
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JP
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electron
main lens
electron beam
electron beams
electrode
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JP7026847A
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Inventor
Mamoru Kurokuzuhara
守 黒葛原
Masaji Shirai
正司 白井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電子銃の主レンズの球面収差や非点収差を充分
に抑えて、等価口径の大きな主レンズを持つ電子銃を備
えたカラー陰極線管を得る。 【構成】蛍光面に向けて一方向に略々平行に並んだ3本
の電子ビームを蛍光面に集束させる電子銃の主レンズ
を、上記一方向に沿った径Hが上記一方向に垂直な方向
に沿った径Vより大きい偏平形状の開口をもって互いに
対向配置した少なくとも二つの電極から構成し、主レン
ズを通過する3本の電子ビームのうちの両サイドの電子
ビームの軌道と中央の電子ビームの軌道との間に一定の
間隔Sを有すると共に、サイド電子ビームの軌道と主レ
ンズを構成する電極の上記一方向の内周面との間の距離
をRとしたとき、H=2(S+R)、かつR>Sとし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー陰極線管に係
り、特に等価口径を拡大してフォーカス特性を大幅に改
善したインライン型電子銃を備えたカラー陰極線管に関
する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機や情報機器端末の表
示デバイスとして多用されているカラー陰極線管は、表
示画像の高精細化、高品質化に伴い、そのフォーカス特
性の大幅な改善が要求されている。
【0003】カラー陰極線管のフォーカス特性に大きく
影響を与える要因に、その電子銃の主レンズのレンズ倍
率および収差があり、これらはレンズ集束作用の強度に
強く依存する。
【0004】カラー陰極線管では、電子ビームの走査面
積と最大偏向角を定めると、主レンズから結像面(蛍光
面)までの距離が確定する。結像面までの距離が一定の
条件下でレンズ集束作用を弱めることはレンズ倍率の低
下をもたらし、更に偏向収差の増大を防ぐために主レン
ズ内での電子ビームの拡がりを一定値に抑えるという条
件を加えると、主レンズへの電子ビーム入射角度を低下
させることになる。
【0005】電子ビーム入射角度をαi とすると主レン
ズの収差の中で最も優勢な球面収差による電子ビームの
最小錯乱円直径:δは下式で表される。
【0006】δ=(1/2)M・Csp・αi3 ここで、Mはレンズ倍率、Cspは球面収差係数であ
る。
【0007】このように、陰極線管の電子銃では、主レ
ンズのレンズ集束作用を弱めるとレンズ倍率、および球
面収差が低減されてフォーカス特性が向上する。
【0008】主レンズのレンズ集束作用を弱める方法の
一つは主レンズを形成する電極の開口部の径を極力大き
くすることである。
【0009】しかし、上記主レンズを形成する電極の開
口部の径を大きくとることは電子銃を収納するネツク部
を太くなるので、必然的にこの場合に使用する偏向ヨー
クが大きくなり、偏向電力の増大などの不具合を招いて
しまう。
【0010】図18は制限されたネツク部の径に対して
主レンズを形成する電極の開口部の径を大きくとるため
に提案された従来技術のカラー陰極線管に用いられてい
る電子銃の構成を説明する模式断面図であって、10は
カソード、11は第1グリツド電極(G1電極)、12
は第2グリツド電極(G2電極)、13は第3グリツド
電極(G3電極)、14は第4グリツド電極(G4電
極)、15は第5グリツド電極(G5電極)、16は第
6グリツド電極(G6電極)、17はシールドカップ、
15’は第5グリッド電極15の内部電極、16’は第
6グリッド電極16の内部電極、D5は内部電極15’
の後退量、D6は内部電極16’の後退量である。
【0011】同図に示されたような3本の電子ビームB
R,BG,BBが間隔Sで水平に並ぶインライン型電子
銃において、その主レンズを形成する電極は3本の電子
ビームBR,BG,BBが並ぶ方向(インライン方向)
が長軸となる扁平形状の単一開口をもった二つの円筒電
極(第5グリッド電極15と第6グリッド電極16)を
対向させている。
【0012】図19は図18のM−M線から第5グリッ
ド電極方向を見た正面図であって、同図(a)はS寸法
(インライン配列方向:一方向に沿った電子ビーム軌道
間間隔、すなわち、センター電子ビームBGとサイド電
子ビームBR,BB間距離)が大きい場合の、また同図
(b)はS寸法が小さい場合の主レンズ口径の説明図で
ある。
【0013】なお、図18のN−N線から第6グリッド
電極方向を見た正面図は図19の符号15を16と読み
替えたものになる。
【0014】ここで、図18の例では、図19に示され
たように、上記第5グリッド電極15と第6グリッド電
極16(図19には図示せず)の開口の扁平形状は二つ
の半円弧を二本の互いに平行な直線でつないだ非円形の
ものであるが、当該開口はインライン方向が長軸となる
扁平形状であれば、特にこれに限定されるものではな
い。
【0015】このような非円形の主レンズでは水平方向
の径が垂直方向の径より大きいので電界の侵入は水平方
向で著しく、水平方向の実効径が垂直方向の実効径より
大きくなる。このため、垂直方向のレンズ集束作用が強
くなり、電子ビームを集束する際に非点収差が現われ
る。なお、この従来技術は、特公平2−18540号公
報に開示されている。
【0016】そこで、図19に示されたように、円筒電
極(第5グリッド電極、第6グリッド電極)15,16
の内部に3本の電子ビームが個々に挿通する垂直方向
(上記一方向と直角方向)に長軸を持つ楕円形の開口1
2 ,162 (162 は図示せず)を設けた内部電極1
5’,16’で非点収差を補正している。
【0017】この内部電極15’,16’の楕円形の開
口の形状寸法と図18に示した取付け位置(すなわち、
両電極の対向面からの後退量)D5,D6を調整するこ
とで前述した球面収差や非点収差を抑えつつ、実効的な
大口径レンズを形成している。
【0018】また、主レンズを構成する二つの電極の内
部に設置する内部電極の位置を調整することで球面収差
や非点収差を抑えると共に、サイドの電子ビームBR,
BBをセンターの電子ビームBG方向に偏向させて3本
の電子ビームが蛍光面上で集中するように指向させるこ
ともできる。
【0019】この種の電子銃をもつカラー陰極線管は、
例えば前記公報および特公平4−44379号公報に開
示されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上のような構成で、
インライン型電子銃において更に大口径レンズを得るた
めには、三本の電子ビームの間隔(S寸法)は小さい方
が好都合である。
【0021】ここで、電子銃の主レンズ部におけるS寸
法と円筒電極15,16の開口部形状の対応について、
図19(図18のM−M断面)で見ると、水平方向の開
口寸法Hは H=2(R+S) で表すことができる。
【0022】ここで、垂直方向の開口寸法Vを2Rにほ
ぼ一致させ、また内部電極15’,16’の位置および
形状を調整することで中央と両サイドの電子ビームに対
する実効的なレンズ口径を垂直と水平方向で概略2Rに
一致させることができる。
【0023】例えば通称画面サイズで14インチ〜25
インチ程度のネック外径29mmのカラー陰極線管に広
く使用されている上記のような構成のインライン型電子
銃をこのようなネック外径が29mmの陰極線管に収納
しようとすれば、上記H寸法は電極の厚みやネック内壁
とのギャップなどを含めると、19mm程度が限度とな
る。
【0024】同一のネック径で、いいかえると水平方向
の開口寸法Hが同一である時は、図19の(a)と
(b)の比較でも明らかなように、S寸法の小さい同図
(b)の方がS寸法の大きい同図(a)よりも主レンズ
において中央及び両サイドの電子ビームに対する口径寸
法“2R”が大きくなる。従って、前述した主レンズの
球面収差や非点収差が同図(b)より同図(a)の方が
大きくなり、フォーカス特性が劣る。
【0025】このことから、フォーカス特性が優れた電
子銃とするために、S寸法を小さく設定したいところで
あるが、S寸法を小さくすると前述したように3本の電
子ビームのうち、両サイドの電子ビームのシャドウマス
クへの入射角度が小さくなる。これは、シャドウマスク
と蛍光面間の距離(これを以下Q寸法と称する)を大き
くとらなければならないことを意味している。
【0026】電子銃とシャドウマスクとの間の空間で
は、シャドウマスクと磁気シールドにより地磁気の影響
は遮蔽される。ところが、Q寸法が大きいと、電子ビー
ムが地磁気の影響を受ける区間が長くなってしまう。そ
の結果、ある一方向にカラー陰極線管を向けて、電子ビ
ームが正しい位置にランディングするように調整したと
しても、カラー陰極線管を他の方向に向けた場合は異な
る地磁気の影響を受けて、電子ビームが移動してしまい
正しい位置にランディングすることができなくなり、カ
ラー陰極線管の色純度(ピュリティ)が劣化してしま
う。
【0027】上記地磁気の影響を補正する手段として、
特開昭58−123288号公報や特開平3−2323
87号公報に開示の発明では、カラー陰極線管のパネル
部の廻りに管軸方向の外部磁気(地磁気の水平成分)を
打ち消す補正コイルを設けてピュリティ劣化を抑制して
いる。
【0028】また、特開昭55−104187号公報や
特開平2−78388号公報には、地磁気の垂直成分を
打ち消す補正コイルを備えたものが開示されている。
【0029】従来、ネック外径が29mmの陰極線管の
場合、主レンズ部で3本の電子ビームが個々に通過する
直径5.5mm程度の円筒レンズをもつ形式の電子銃で
は、S寸法は6.6mmであったが、前記特公平2−1
8540号公報や特公平4−44379号公報に開示さ
れた形式の電子銃ではS寸法は5.5mmまで狭められ
ている。
【0030】図20はS寸法とピュリティの関係の説明
図であって、横軸にS寸法(mm)を、縦軸に電子ビー
ムランディング裕度(μm)をとって示す。
【0031】同図は、有効画面対角寸法が36cm、偏
向角90°の情報処理端末機用高精細カラー陰極線管
(シャドウマスクのピッチが0.28mm)を東西方向
から南北方向に回転させた時の画面中央部での他色打ち
裕度とS寸法の関係を実験により求めたものである。
【0032】なお、電子ビームランディング裕度とは電
子ビーム中心が上記の回転によりランディングすべき蛍
光体中心よりシフトし、隣接する他の色の蛍光体に接近
して行く時の他の色の蛍光体の端部から電子ビーム端部
までの距離を表す。
【0033】この電子ビームランディング裕度は、画面
周辺部では画面中心部より縮小するので、電子ビームラ
ンディング裕度がほぼ7μm以下になるとピュリティの
劣化が生じ易い。
【0034】図20から、上記画面周辺部でのピュリテ
ィの劣化を防止する如く、製造偏差も考慮して電子ビー
ムランディング裕度を7μm以上にするためには、S寸
法は4.8mm程度を必要とする。
【0035】このことから、前記Hの値が19mm程度
であるとすると、サイド電子ビームの中心から電極内壁
までの距離Rは4.7mm程度であり、距離Rの拡大は
R≒S程度までが限度となる。
【0036】この距離Rの値(R寸法)は、サイド電子
ビームの中心から電極内壁までの至近距離を表すのでサ
イド電子ビームに対する外側方向の電子銃主レンズの実
効的な半径を与えることになる。
【0037】前記した特公平2−18540号公報に示
された電子銃主レンズでは、電極内部に設置された内部
電極15’,16’の楕円開口形状およびその取付け位
置(両電極の対向部からの後退位置、図18における寸
法D5,D6)を最適化してセンターおよびサイドの電
子ビームに対する全ての方向での主レンズ口径を実効的
に上記R寸法のほぼ2倍に一致させることでフォーカス
特性のバランスをとるようにしている。
【0038】ある一方向でフォーカス特性のバランスが
崩れると、その方向での電子ビームのフォーカスが崩れ
るので、R寸法を増大させて主レンズ口径を大きくして
球面収差を低減させることでフォーカス特性の向上を図
ることができるが、前記従来技術ではR寸法がS寸法以
内に制限されていた。
【0039】なお、単一円筒形の主レンズ部で3本の電
子ビームを交差させて大口径レンズとするカラー陰極線
管用電子銃が特公昭49−5591号公報などで知られ
ている。
【0040】図21は単一円筒形の主レンズ部で3本の
電子ビームを交差させて大口径レンズとする従来のカラ
ー陰極線管用電子銃の概略構造を説明する模式断面図で
あって、図18と同一符号は同一部分に対応し、20は
偏向手段、BR,BG,BBはそれぞれ赤,緑,青の蛍
光体にランディングする電子ビームを示す。
【0041】この形式の電子銃では、同図からも明らか
なように、主レンズで3本の電子ビームBR,BG,B
Bを交差させているので主レンズ部でのS寸法は最小と
なるが、主レンズ部を経た後、両サイドの電子ビームB
R,BBのコンバーゼンスをとる偏向手段20の位置で
は、上記のピュリティの劣化が生じないS寸法まで再び
両サイドの電子ビームを広げる必要がある。
【0042】そのために両サイドの電子ビームBR,B
Bの間隔が徐々に広がっていく空間を持ち、主レンズを
構成する高電圧が印加される電極(図21では第5グリ
ッド電極15)を軸方向に一定以上長くしなければなら
ず、従って電子銃の全長が長くなってしまうという欠点
がある。
【0043】本発明の目的は、上記の事情に基づき、電
子銃の主レンズの球面収差や非点収差を充分に抑えて、
等価口径の大きな主レンズを持つ電子銃を備えたカラー
陰極線管を提供することにある。
【0044】また、本発明の目的は、ピュリティ特性の
劣化を招くことなく、また電子銃の全長を長くすること
なしにフォーカス特性の更なる向上を図った電子銃を備
えたカラー陰極線管を提供することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、前記のような構成のカラー陰極線管にお
いて、前記S寸法をR寸法よりも小さくして電子銃主レ
ンズの口径を極力大とし、また、必要に応じてS寸法を
小さくしたことによってQ寸法が増大し、これに伴うピ
ュリティの劣化を抑制するための補正手段を設けたこと
を特徴とする。また、本発明は、前記のような構成のカ
ラー陰極線管において、電子銃内部における3本の電子
ビームの両サイドの電子ビームの軌道を調整して、主レ
ンズ内部ではできるだけS寸法を小さくして、両サイド
の電子ビームが主レンズを出射する時にS寸法が広がる
方向に軌道修正すると共に、電子銃端部に偏向手段を設
けて両サイドの電子ビームのコンバーゼンスをとること
により、シャドウマスクへの両サイドの電子ビームの入
射角を大きくすることを特徴とする。
【0046】すなわち、請求項1に記載の第1の発明
は、蛍光面に向けて一方向に略々平行に並んだ一つのセ
ンター電子ビームと二つのサイド電子ビームからなる3
本の電子ビームを発生する電子ビーム発生手段と、上記
3本の電子ビームを上記蛍光面に集束させる主レンズと
を少なくとも具備した電子銃を持つカラー陰極線管にお
いて、上記電子銃の主レンズは、上記一方向に沿った径
Hが上記一方向に垂直な方向に沿った径Vより大きい偏
平形状の開口をもって互いに対向配置した少なくとも二
つの電極からなり、上記主レンズを通過する上記3本の
電子ビームのうちの両サイドの電子ビームの軌道は、中
央の電子ビームの軌道と一定の間隔Sを有し、上記2つ
のサイド電子ビームの軌道と上記主レンズを構成する電
極の上記一方向の内周面との間の距離をRとしたとき、
H=2(S+R)で、かつR>Sとしたことを特徴とす
る。
【0047】また、請求項2に記載の第2の発明は、第
1の発明において、前記主レンズを構成する電極の上記
一方向に垂直な方向に沿った径Vと上記サイド電子ビー
ムの軌道から上記主レンズ構成電極の上記一方向の内周
面までの距離Rの関係を、V>2Rとしたことを特徴と
する。
【0048】さらに、請求項3に記載の第3の発明は、
第1の発明において、前記主レンズを構成する電極の上
記一方向に垂直な方向に沿った径Vと上記サイド電子ビ
ーム軌道から上記主レンズ構成電極の上記一方向の内周
面までの距離Rの関係を、2R+0.2mm>V>2R
−0.2mmとしたことを特徴とする。
【0049】さらに、請求項4に記載の第4の発明は、
蛍光面に向けて一方向に略々平行に並んだ3本の電子ビ
ームを発生する電子ビーム発生手段と、上記3本の電子
ビームを上記蛍光面に集束させる主レンズとを少なくと
も具備した電子銃を持つカラー陰極線管において、上記
電子銃の主レンズは、上記一方向に沿った径が上記一方
向に垂直な方向に沿った径よりも大きい扁平形状の開口
をもって互いに対向配置した少なくとも二つの電極から
なり、上記主レンズを通過する上記3本の電子ビームの
うちの両サイドの電子ビーム軌道は中央の電子ビーム軌
道と一定の間隔を有し、更に、上記主レンズと上記蛍光
面との間に、上記両サイドの電子ビームと中央の電子ビ
ームとを蛍光面上に集中させる偏向手段を備えたことを
特徴とする。
【0050】また、さらに、請求項5に記載の第5の発
明は、蛍光面に向けて一方向に略々平行に並んだ3本の
電子ビームを発生する電子ビーム発生手段と、上記3本
の電子ビームを上記蛍光面に集束させる主レンズとを少
なくとも具備した電子銃を持つカラー陰極線管におい
て、上記電子銃の主レンズは、上記一方向に沿った径が
上記一方向に垂直な方向に沿った径よりも大きい扁平形
状の開口をもって互いに対向配置した少なくとも二つの
電極からなり、上記主レンズを通過する上記3本の電子
ビームのうちの両サイドの電子ビームの軌道は、中央の
電子ビームの軌道と一定の間隔を有すると共に上記中央
の電子ビーム軌道に対し蛍光面に向かって平行または拡
がる方向の何れかの軌道を有し、上記主レンズと上記蛍
光面との間に、上記両サイドの電子ビームと中央の電子
ビームとを蛍光面上に集中させる偏向手段を備えたこと
を特徴とする。
【0051】請求項6に記載の第6の発明は、第1〜5
の発明において、前記電子銃の主レンズを構成する前記
二つの電極の一方あるいは両方の内部に、前記一方向に
沿った径が前記一方向に垂直な方向に沿った径よりも小
さい寸法関係をもって前記中央の電子ビームが通過する
開口部を有する内部電極を備えたことを特徴とする。な
お、上記第1〜5の発明において、下記(1)〜(6)
の構成を有せしめてもよい。
【0052】(1)前記電子銃の主レンズを構成する前
記二つの電極の両方に、前記一方向に沿った径が前記一
方向に垂直な方向に沿った径よりも小さい寸法関係をも
って前記中央の電子ビームが通過する開口部を有する内
部電極を備え、前記主レンズを構成する前記二つの電極
の開口端からの前記内部電極の後退寸法を、前記二つの
電極のうちの高電圧を印加する電極側で大きくする。
【0053】(2)前記電子銃の主レンズを構成する前
記二つの電極の両方に、前記一方向に沿った径が前記一
方向に垂直な方向に沿った径よりも小さい寸法関係で中
央の電子ビームが通過する開口部を有する前記内部電極
を備え、前記主レンズを構成する前記二つの電極のう
ち、高電圧を印加する電極に対向する電極に設ける前記
内部電極の前記一方向に垂直な方向に沿った開口径を、
上記高電圧を印加する電極に設ける内部電極の前記一方
向に垂直な方向に沿った開口径より小さくする。 (3)前記電子銃の主レンズを構成する前記二つの電極
のうち、高電圧を印加する電極に対向する電極の開口端
の前記一方向に垂直な方向の径を、前記高電圧を印加す
る電極の前記一方向に垂直な方向の開口径よりも小さく
する。
【0054】(4)前記電子銃の主レンズを構成する二
つの電極のうち、高電圧を印加する電極に対向する電極
の内部に、前記各電子ビームあるいは両サイドの電子ビ
ームまたは中央の電子ビームの何れかを挾むように配置
された前記一方向に平行な平面を有する補正電極を設け
る。
【0055】(5)前記電子銃の主レンズを構成する二
つの電極のうち、高電圧を印加する電極の内部に、各電
子ビームを挾むようにして前記一方向に垂直な平面を有
する補正電極を設ける。
【0056】(6)前記電子銃の主レンズを構成する二
つの電極の開口端部で形成される間隙の、前記一方向に
垂直な方向から見た形状が両サイドで陰極側に傾斜す
る。
【0057】そして、請求項7に記載の第7の発明は、
第4または第5の発明において、前記電子銃の主レンズ
と前記蛍光面との間に設ける前記偏向手段を静電偏向に
よるものとしたことを特徴とする。
【0058】そして、また、請求項8に記載の第8の発
明は、第7の発明において、前記偏向手段が、前記中央
の電子ビームが通過するごとく、前記一方向に対して直
角方向に長軸を持つ長方形の断面形状を有し、陽極電圧
が印加された矩形電極と、上記矩形電極を囲んで前記両
サイドの電子ビームが通過するごとく、上記陽極電圧よ
り若干低い電圧が印加された一対の平行平板電極とを設
けてなることを特徴とする。
【0059】なおまた、上記第8の発明において、下記
(7)〜(9)の構成を有せしめてもよい。
【0060】(7)前記一対の平行平板電極は前記一方
向に対して直角方向の端部を連結する台部分を有し、こ
の台部分のみを前記矩形電極および前記主レンズを構成
する電極を含む各電子銃構成電極と共にビーディングガ
ラスに一括固定した後に、上記台部分に上記平行平板電
極を固定する。
【0061】(8)前記矩形電極を前記主レンズ側にお
いて前記平板電極よりも、軸方向の長さを前記主レンズ
から離れる方向に短くする。
【0062】(9)前記偏向手段の平行平板電極に陽極
電圧より若干低い電圧を印加する手段として、高抵抗体
から構成した分圧抵抗器で上記陽極電圧を抵抗分割す
る。
【0063】そして、請求項9に記載の第9の発明は、
第1〜5の発明において、前記電子ビームに作用する外
部磁界を打ち消す磁界を発生する補正コイルを備えたこ
とを特徴とする。
【0064】
【作用】上記のように構成したカラー陰極線管の電子銃
によれば、同一のネック径すなわち同一のH寸法にても
実質的に主レンズ内部でのS寸法を小さくできるので、
サイドビームの外側部分の主レンズ口径を、S寸法が大
きい場合に比べて大きくとることができる。その結果、
この口径に合わせてセンタ,サイドビーム各方向にわた
り主レンズ口径の拡大が可能になるので球面収差が抑制
され、フォーカス特性が向上する。
【0065】さらに、S寸法を小さくすることによるQ
寸法の増大に伴うピュリティの劣化を抑制する必要があ
る時には、補正手段として地磁気等の外部磁気を打ち消
す磁界を発生する補正コイルによってシャドウマスクを
出射した電子ビームはその軌道が曲げられることなく直
進するので、前記Q寸法を大きくとることができる。し
たがって、その分実質的に主レンズ内部でのS寸法を小
さくできるので、サイド電子ビームの外側部分の主レン
ズ口径を、S寸法が大きい場合に較べて大きくとること
ができる。
【0066】その結果、この口径に合わせてセンターと
サイドの電子ビームの全ての方向に対する主レンズ口径
の拡大が可能となり、球面収差が抑制され、フォーカス
特性が向上する。
【0067】また、ピュリティ劣化を抑制する他の手段
として、主レンズと蛍光面との間に、両サイド電子ビー
ムとセンター電子ビームを蛍光面上に集中させる偏向手
段を設ける方法もある。これにより、シャドウマスクへ
の両サイドの電子ビームの入射角を大きくとることがで
きるのでピュリティ劣化の問題も避けることができる。
このとき、主レンズ部でのS寸法は一定値以上とし、主
レンズ部で3本の電子ビームを1点に集中させていない
ので、主レンズ部と偏向手段との間隔を大きくとること
なく、偏向手段の位置のS寸法をピュリティ劣化が出な
い程度に拡大できる。そのため、電子銃の全長増大の不
具合を避けることができる。
【0068】すなわち、上記一方向に沿った径が上記一
方向に垂直な方向に沿った径よりも大きい扁平形状の開
口をもって互いに対向配置した少なくとも二つの電極か
らなる上記電子銃の主レンズを、上記3本の電子ビーム
のうちの両サイドの電子ビーム軌道は中央の電子ビーム
軌道と間隔を有して通過する。この間隔であるS寸法は
従来のカラー陰極線管におけるS寸法に比較して小さ
い。
【0069】したがって、3本の電子ビームは主レンズ
の中央部分を通過することで、これら3本の電子ビーム
に対して等価口径が大きいレンズとして作用する。
【0070】更に、上記主レンズと上記蛍光面との間
に、上記両サイドの電子ビームと中央の電子ビームとを
蛍光面上に集中させる偏向手段を備えたことで、シャド
ウマスクと蛍光体層との間の距離Q寸法の拡大を抑え
る。
【0071】また、上記一方向に沿った径が上記一方向
に垂直な方向に沿った径よりも大きい扁平形状の開口を
もって互いに対向配置した少なくとも二つの電極からな
る上記電子銃の主レンズを、上記3本の電子ビームのう
ちの両サイドの電子ビーム軌道は中央の電子ビーム軌道
と間隔を有すると共に上記中央の電子ビーム軌道に対し
蛍光面に向かって平行または拡がる方向の何れかの軌道
を進行する。
【0072】上記主レンズと上記蛍光面との間に設置し
た偏向手段は、主レンズを通過した3本の電子ビームの
うちの両サイドビームをセンタービームに対して離れる
方向に偏向させた後、蛍光体層に向かって集中する方向
に偏向させる。この偏向作用により、Q寸法の拡大が回
避される。
【0073】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。
【0074】図1は本発明によるカラー陰極線管の第1
実施例に用いられる電子銃の構成を説明する模式断面図
であって、10はカソードでありそれぞれの内部にヒー
タを持ち、表面の熱電子放射物質を加熱して3本の電子
ビームBR,BG,BBの発生源となる。11〜16は
第1グリッド電極(G1電極)から第6グリッド電極
(G6電極)、15’は第5グリッド電極の内部電極、
16’は第6グリッド電極の内部電極、17はシールド
カップである。
【0075】同図において、カソード10、第1グリッ
ド電極11、第2グリッド電極12とで電子を発生して
電子ビームを形成する所謂三極部を構成し、第3グリッ
ド電極13、第4グリッド電極14、第5グリッド電極
15および第6グリッド電極16にてU−BPF( Uni
-Bi-Potential-Focusing)型多段レンズを構成してい
る。
【0076】駆動電圧としては、第2グリッド電極12
と第4グリッド電極14を結線して400〜1000v
(ボルト)を、第3グリッド電極13と第5グリッド電
極15を結線して5〜10kv(フォーカス電圧)を印
加し、また第6グリッド電極16には20〜35kv
(陽極電圧)程度を印加する。なお、シールドカップ1
7は外部からの電界ノイズを遮断するためのものであ
る。
【0077】また、図2は図1の矢印A−A方向からみ
た第5グリッド電極の正面図であって、図1と同一符号
は同一部分に対応する。
【0078】図示した構成の電子銃では、第5グリッド
電極15と第6グリッド電極16の間に主レンズが形成
され、この主レンズにおいてセンターの電子ビームBG
と両サイドの電子ビームBR,BBとが互いに干渉しな
い範囲で極力S寸法を小さく設定する。
【0079】すなわち、図2に示した主レンズの開口寸
法について、両サイドの電子ビームBR,BBと第5グ
リッド電極15の3本の電子ビームが並ぶ方向(インラ
イン方向)に沿った径Hの内周面との間の距離Rは、H
=2(S+R)の関係となるが、ここで、R>Sとなる
ように設定する。
【0080】次に、前記図1に示したような第5グリッ
ド電極15と第6グリッド電極16の内部にそれぞれ内
部電極15’、16’を設けた場合の実施例を説明す
る。
【0081】図3は本発明によるカラー陰極線管の第2
実施例に用いられる電子銃の構成を説明する前記図2と
同様の第5グリッド電極の正面図であって、前記実施例
の説明における図面と同一符号は同一部分に対応する。
【0082】同図において、主レンズを構成する第5グ
リッド電極15の開口部のインライン方向(水平方向)
の寸法をH、直角方向(垂直方向)の寸法をV、内部電
極15’の開口の垂直方向の寸法を2V5としたとき、
V>2V5なる関係にあると、インライン方向と直角方
向の電位の侵入が抑制されることになり、センターとサ
イドの電子ビームの垂直方向の主レンズ口径をV寸法よ
りも低下させることになる。
【0083】したがって、サイド電子ビームの水平方向
の外側方向における口径2Rとバランスさせるために
は、V>2Rのように寸法を設定する。
【0084】これにより、前記図18で説明した従来構
成の電子銃に対し、同一のH寸法にもかかわらずに、従
来のR<Sとした構成に比較して大幅に口径の大きな主
レンズを得ることができる。
【0085】図4は本発明によるカラー陰極線管の第3
実施例に用いる電子銃の構成を説明する前記図2と同様
の第5グリッド電極の正面図であって、前記実施例の説
明における図面と同一符号は同一部分に対応する。
【0086】同図において、主レンズを構成する第5グ
リッド電極15の開口部の垂直方向寸法Vとその内部電
極15’の開口の同方向寸法2V5とがV≒2V5なる
関係にあるとき、センターとサイドの電子ビームの垂直
方向については内部電極15’への電位の侵入を抑える
ことがないので、主レンズの等価口径は縮小することな
くほぼV寸法と一致する。
【0087】一方、サイド電子ビームの水平方向外側の
等価口径はほぼ2Rであるから、V≒2Rとすれば口径
は各方向でバランスする。この場合、2R+0.2mm
>V>2R−0.2mmとなるように寸法設定すれば、
以下に説明するように、センター電子ビームとサイド電
子ビームのフォーカス電圧差によるフォーカス特性の劣
化を防ぐことができる。
【0088】ここで、R寸法の変化は主レンズの口径の
変化につながり、とりわけ両サイドの電子ビームBR,
BBが通過するレンズ口径に依存する。
【0089】図5は電子ビーム軌道のシミュレーション
によって求めたフォーカス電圧とレンズ口径の関係の説
明図であって、横軸にレンズの口径(mm)を、縦軸に
フォーカス電圧Vf(kV)をとって示す。
【0090】同図に示されたように、レンズ口径が0.
1mmにつき略々50v(ボルト)のフォーカス電圧V
fの変化がある。したがって、上記V寸法の変動範囲で
は両サイドの電子ビームBR,BBとセンターの電子ビ
ームBGとのフォーカス電圧の差は±100V内に納め
られていることが分かる。
【0091】図6は本発明によるカラー陰極線管の第4
実施例に用いられる電子銃の構成を説明する模式断面図
であって、31、32はサイド電子ビームが通過する第
3グリッド電極13の開口、前記実施例と同一符号は同
一部分に対応する。
【0092】前記各実施例では、S寸法は主レンズ部に
おける寸法として説明したが、図6は電子銃のカソード
を含めた三極部のS寸法が主レンズ部のS寸法より大き
い場合の実施例である。
【0093】同図において、カソード10から大きなS
寸法をもって平行に発射された3本の電子ビームBR,
BG,BBは第1グリッド電極11、第2グリッド電極
12を通過して第3グリッド電極13に入射する。
【0094】第3グリッド電極13では、その入射側の
開口のうち、両サイドの電子ビームBR,BBが通る開
口31、32をインライン配列方向外側にΔSだけ偏心
(オフセット)させておくことにより、第3グリッド電
極13を通過する両サイドの電子ビームBR,BBはセ
ンターの電子ビームBGに漸近する方向に曲げられる。
【0095】第3グリッド電極13を通過した各電子ビ
ームは、次に第4グリッド電極14を通過して第5グリ
ッド電極15に入射し、第5グリッド電極15と第6グ
リッド電極16の電極間に形成される主レンズで集束お
よび加速を受ける。
【0096】ここで、両サイドの電子ビームRR,BB
は上記主レンズのところで実質的にS寸法が小さくなる
ようにΔS’だけインライン方向内側を通過する。
【0097】なお、同図においては、両サイドの電子ビ
ームBR,BBは第3グリッド電極13でオフセットさ
せているが、第4グリッド電極14でもオフセットさせ
て軌道を二段修正させる構成としてもよい。その場合
は、両サイドの電子ビームBR,BBが主レンズに入射
する角度を調整することができる。
【0098】以上説明した各実施例では、主レンズ部の
開口部の偏平形状は両サイドの電子ビーム軌道を中心と
する半円弧を互いに平行な直線で結んだ長円形とした構
成を例として説明したが、半円弧の代わりに半楕円形の
弧を2本の互いに平行な直線で結んだ長円形とした構造
においても同様であり、また上記の半円弧や半楕円の弧
よりも大きな径の弧を2本の互いに平行な直線で結んだ
長円形としても同様の効果を得ることができるものであ
る。
【0099】ここで、上記で説明した電子銃をネック部
の径が29mmの通称21インチ型カラー陰極線管に適
用した場合の主レンズ近傍の具体的な寸法例を以下に示
す。第5グリッド電極15と第6グリッド電極16の開
口寸法は、H=19.4mm、V=10.4mm、S=
4.5mmとし(したがって、R=5.2mm)、それ
ぞれの内部電極15’と16’にかかる寸法として垂直
方向の開口径(中央の楕円開口の長径の半分)V5,V
6は、それぞれV5=4.4mm,V6=4.4mmと
し、水平方向の開口径(中央の楕円開口の短径の半分)
A5,A6はA5=1.8mm,A6=1.8mm、水
平方向の開口径(両サイドの楕円開口の短径の半分)B
5,B6はB5=2.2mm,B6=2.2mmとし、
両電極の対向端面からの後退寸法D5,D6はD5=
5.0mm,D6=5.0mmとした。
【0100】以上のような寸法に設定した主レンズをも
つ電子銃を用いたカラー陰極線管では、従来の電子銃を
用いたカラー陰極線管に較べて約20%程度のフォーカ
ス特性の改善が得られた。
【0101】なお、上記の各実施例では、第5グリッド
電極についてのみ説明したが、第6グリッド電極につい
ても同様であり、第6グリッド電極16については上記
の符号「15」「15’」を「16」「16’」と読み
代える。
【0102】次に、S寸法を小さくして電子銃の蛍光面
側に当該電子銃から発散方向に出射した3本の電子ビー
ムを集束方向に軌道修正するための偏向手段を備えた実
施例について説明する。
【0103】図7は本発明によるカラー陰極線管の第5
実施例に用いる電子銃の構成を説明する模式断面図であ
って、20は偏向電極、21は矩形電極、22は平板電
極、前記実施例と同一符号は同一部分に対応する。
【0104】同図においては、第6グリッド電極16の
蛍光面側に偏向電極20を設けた点に特徴がある。
【0105】図8は図7のN−N線に沿って第6グリッ
ド電極側をみた正面図であって、偏向電極20は中央の
電子ビームBGを囲む矩形電極21と、両サイドの電子
ビームBR,BBを囲む平行平板電極22とから構成さ
れている。なお、22a,22bは一対の平行平板電極
22の端部を連結する台部分である。
【0106】矩形電極21には第6グリッド電極16と
同一の陽極電圧が印加され、平行平板電極22には陽極
電圧より若干低い電圧を印加して両サイドの電子ビーム
BR,BBを蛍光面へ向かって集中(コンバーゼンス)
するように機能する。
【0107】本実施例のカラー陰極線管用電子銃は図7
にて示したように、第5グリッド電極15と第6グリッ
ド電極16間に形成される主レンズの部分において、3
本の電子ビームの中央ビームBGに対するサイドビーム
BR,BBの間隔であるS寸法を小さく設定して、前記
図19の(b)に示すような開口部の形状で、球面収差
や非点収差を抑制することができる。
【0108】ここで、両サイドの電子ビームBR,BB
が主レンズのところでS寸法が小さいところを通過した
まま蛍光面の方へ向かってコンバーゼンスさせると、前
述したように両サイドの電子ビームBR,BBの入射角
度が小さくなり過ぎて、蛍光面の正しい位置にランディ
ングすることが困難になってしまう。
【0109】従って、本実施例では主レンズを形成する
第5グリッド電極15と第6グリッド電極16の内側に
内部電極15’,16’を設けて両サイドの電子ビーム
BR,BBが主レンズを通過してからはS寸法が大きく
なるように軌道修正する。
【0110】その結果、2本のサイド電子ビームBR,
BBはセンター電子ビームBGから離れる方向に発散す
る。この発散したサイド電子ビームBR,BBを偏向電
極20を通すことでセンター電子ビームBG方向に軌道
修正して蛍光面上に集中させる。
【0111】なお、S寸法が大きい三極部系を本発明に
適用する場合、主レンズのS寸法を小さくするために両
サイドの電子ビームを主レンズへ入射する前に中央ビー
ム方向に偏向する必要がある。次の実施例は、上記三極
部でのS寸法を小さくした場合の電子銃の構成例の説明
図である。
【0112】図9は本発明によるカラー陰極線管の第6
実施例に用いる電子銃の構成を説明する模式断面図であ
って、図7と同一符号は同一部分に対応する。
【0113】同図において、カソード10から大きなS
寸法の間隔をもって平行に発射された3本の電子ビーム
BR,BG,BBは第1グリッド電極11、第2グリッ
ド電極12を通過し、第3グリッド電極13の入射側の
開口のうち、両サイドの電子ビームBR,BBが通る開
口31,32をΔS分外側へ偏心(所謂、オフセット)
させておく。これにより、両サイドの電子ビームBR,
BBは図中二点鎖線で示したようにセンターの電子ビー
ムBGに漸近する方向に曲げられる。
【0114】次に、それぞれの電子ビームBR,BG,
BBは第4グリッド電極14を通過し、第5グリッド電
極15へ入射されるが、第5グリッド電極15と第6グ
リッド電極16の間に形成される主レンズで集束及び加
速力を受ける。
【0115】ここで、両サイドの電子ビームBR,BB
は上記主レンズのところでは実質的にS寸法が小さくな
るようにΔS’分だけ内側(センター電子ビームBG
側)を通過する。これにより、3本の電子ビームBR,
BG,BBは主レンズの中心部を通過するため、主レン
ズは実質的に大口径レンズとなる。
【0116】主レンズを通過した3本の電子ビームB
R,BG,BBが主レンズにおいてそのS寸法が小さく
なるために、これを第6グリッド電極16の内部電極1
6’の開口オフセットで発散方向に軌道修正し、これを
偏向電極20によって再び集束方向に軌道修正する。
【0117】なお、図9の実施例では両サイドの電子ビ
ームBR,BBを第3グリッド電極13の開口オフセッ
トにより軌道修正するようにしているが、第4グリッド
電極14でもオフセットをとって軌道を二段修正するよ
うにしても良い。この構成によれば両サイドの電子ビー
ムBR,BBが主レンズへ入射する角度を調整すること
ができる。
【0118】ここで、上記実施例において、非点収差を
抑制する構成についてさらに具体化した実施例を以下に
説明する。
【0119】前記図7に示した構成の電子銃において、
第5グリッド電極15の内側に設ける内部電極15’の
第6グリッド電極16側開口端部からの後退寸法D5を
小さくすると、両サイドの電子ビームBR,BBを内側
に偏向する作用が弱くなり、外側方向に偏向されるよう
になる。
【0120】逆に、第6グリッド電極16の内側に設け
る内部電極16’の第5グリッド電極15側開口端部か
らの後退寸法D6を小さくすると、両サイドの電子ビー
ムBR,BBを内側に偏向する作用が強くなり、内側方
向に偏向されるようになる。従って、両サイドの電子ビ
ームBR,BBを外側に偏向させるために、上記後退寸
法D5よりも後退寸法D6の方を大きくする(D5<D
6)必要がある。
【0121】一方、このD5<D6の関係は電子ビーム
の集束作用を水平方向で強く、垂直方向で弱くする効果
をもち、電子ビームを縦長に変形するような非点収差を
発生させる傾向になる。
【0122】図10は非点収差を補正するための構成を
具体化した本発明の第7実施例を説明する電子ビームの
インライン配列方向からみた模式断面図であって、図7
と同一符号は同一部分に対応する。
【0123】同図において、第5グリッド電極15と第
6グリッド電極16の内側に設ける内部電極15’と1
6’の垂直方向の開口径2V5と2V6は、第5グリッ
ド電極15側の2V5の方を小さくする(2V5<2V
6)ことによって、各々の電子ビームBR,BG,BB
の非点収差を抑制することができる。
【0124】これは、2V5<2V6なる関係から、第
5グリッド電極15内の垂直方向の集束力を強め、第6
グリッド電極16の垂直方向の発散力を弱めることによ
ってもたらされるものである。
【0125】図11は非点収差を補正するための構成を
具体化した本発明の第8実施例の説明図であって、同図
(a)は電子ビームのインライン配列方向からみた模式
断面図、同図(b)は同図(a)の矢印方向からみた第
5グリッド電極の正面図である。なお、図7と同一符号
は同一部分に対応する。
【0126】同図において、主レンズを構成する第5グ
リッド電極15と第6グリッド電極16のうち、高電圧
を印加する第6グリッド電極16に対向する第5グリッ
ド電極15の開口端の垂直方向の径Vを同図(a)に示
すように、第6グリッド電極16の開口端の垂直方向の
開口径V’よりも若干小さくすることによって、各々の
電子ビームBR,BG,BBの非点収差を抑制すること
ができる。
【0127】これは、上記の2V5<2V6の関係と同
様な作用によるもので、設定寸法によっては内部電極1
5’、16’の省略も可能である。
【0128】なお、この場合の第5グリッド電極15の
開口部形状は同図(b)に示すように、両サイドの電子
ビームBR,BBに近い側の円弧を小さくすることな
く、垂直方向の開口径Vだけを狭めた形状が好ましい。
【0129】図12は非点収差を補正するための構成を
具体化した本発明の第9実施例を説明する電子ビームの
インライン配列方向からみた模式断面図であって、50
は補正電極、50’は平坦面、図7と同一符号は同一部
分に対応する。
【0130】同図において、主レンズを構成する第5グ
リッド電極15、第6グリッド電極16のうち、高電圧
を印加する第6グリッド電極16に対向する第5グリッ
ド電極15の内部に、同図に示すように水平方向(イン
ライン配列方向)に平坦面50’を有する補正電極50
を各電子ビームBR,BG,BBを挾むようにして設け
ることによって、各々の電子ビームBR,BG,BBの
非点収差を抑制することができる。
【0131】これは、第5グリッド電極15内の補正電
極50が電子ビームを押しつぶすように作用し(水平方
向に扁平となる)、蛍光面では真円に近い形状に結像す
る。なお、この補正電極50は非点収差の状況により両
サイドの電子ビームBR,BBに対してだけ設けるか、
あるいは中央の電子ビームBGに対してだけ設けてもよ
い。
【0132】図13は非点収差を補正するための構成を
具体化した本発明の第10実施例を説明する電子ビーム
のインライン配列方向と直角方向からみた要部模式断面
図であって、51は補正電極、51’は平坦面、図7と
同一符号は同一部分に対応する。
【0133】同図において、主レンズを構成する第5グ
リッド電極15と第6グリッド電極16のうち、高電圧
を印加する第6グリッド電極16の内部に、同図に示す
ように垂直方向に平坦面51’を有する補正電極51を
各電子ビームBR,BG,BBを挾むようにして設ける
ことによって、各々の電子ビームBR,BG,BBの非
点収差を抑制することができる。
【0134】これは、上記図12の第5グリッド電極1
5内の補正電極50の代わりに、第6グリッド電極16
の内部に補正電極51を設けることによって電子ビーム
を引き込み(水平方向に扁平となる)、蛍光面では真円
に近い形状に結像する。
【0135】なお、この補正電極51の大きさは非点収
差の状況により、両サイドの電子ビームBR,BB、あ
るいは中央の電子ビームBGに対する寸法を調整する。
【0136】また、両サイドの電子ビームBR,BBを
外側に偏向させる方法として、図7に示したように、内
部電極15’,16’の後退寸法D5,D6を調整する
方法の他に次のように構成する方法もある。
【0137】図14は主レンズを通過する電子ビームの
うちの両サイドの電子ビームを外側に偏向させるための
構成をさらに具体化した本発明の第11実施例を説明す
る要部模式断面図であって、図7と同一符号は同一部分
に対応する。
【0138】同図において、主レンズを構成する第5グ
リッド電極15と第6グリッド電極16の開口端部間の
間隙の形状について、垂直方向(インライン方向と直角
方向)から見て、同図(a)では両サイドの電子ビーム
BR,BBが通過する側を陰極寄りに傾斜させることで
両サイドの電子ビームを中心の電子ビームに対して外側
に偏向させる(S寸法を拡大させる)ことができる。
【0139】また、同図(b)に示したように主レンズ
を構成する第5グリッド電極15と第6グリッド電極1
6の開口端部間の中央部が蛍光面側に突きでた緩やかな
曲線となるように形成することによって、両サイドの電
子ビームBR,BBをS寸法を拡げる方向に軌道修正さ
せることが可能となる。
【0140】これは、主レンズの電界が第5グリッド電
極15と第6グリッド電極16の開口端部間の間隙の形
状に沿うことで両サイドの電子ビームBR,BBがその
S寸法を拡げる方向に軌道修正されるためである。ま
た、この設定寸法によっては内部電極15’,16’を
省略することも可能である。
【0141】また、両サイドの電子ビームBR,BBが
主レンズを通過したところで、その軌道の拡がり(中央
の電子ビームBGより遠くなる方向)を更に大きく修正
したい場合には、図15に示すように構成すればよい。
【0142】図15は両サイドの電子ビームを中央の電
子ビームに対してさらに大きく外側に広げた本発明の第
12の実施例を説明する要部断面模式図である。
【0143】同図において、偏向電極20の矩形電極2
1を主レンズ側において平板電極22よりも、軸方向の
長さを図示寸法でLの分だけ主レンズから離れる方向に
短くすることによって、両サイドの電子ビームBR,B
Bが主レンズを通過したところで、その軌道の拡がりを
更に大きく修正することができる。
【0144】これは、偏向電極20の中で同図に点線で
示すような電界を形成することによる。
【0145】なお、同図の構成では、矩形電極21が短
くなって第6グリッド電極16との間隔が拡がり、外部
の電界ノイズの影響を受け易くなるという問題が起きる
が、例えば平板電極22の側面を延長して折り曲げた部
分にて上記の間隔を覆うことにより、上記の問題を回避
することができる。
【0146】ここで、本発明の実施例における電子銃を
ネック径29mmの21インチカラー受像管に採用した
一具体例の主レンズ近傍の好適な寸法例を以下に示す。
【0147】第5グリッド電極15と第6グリッド電極
16の開口寸法はH=19.4mm、V,V’=10.
4mm(図11参照)、S=4.5mmとし、それぞれ
の内部電極15’,16’に係る寸法(図7、図10参
照)として垂直方向の開口径(中央の楕円開口の長径の
半分)はV5=2.7mm、V6=4.5mmとし、水
平方向の開口径はA5,A6=2.1mm(中央の楕円
開口の短径の半分)、B5,B6=1.9mm(両サイ
ドの楕円開口の短径の半分)とし、後退寸法はD5=
4.5mm、D6=8.5mmとし、偏向電極20の軸
方向の長さを20mmで、矩形電極21はL=10mm
短くした(図15参照)。
【0148】以上のような寸法構成として、目的とする
フォーカス特性の優れたカラー陰極線管用電子銃が得ら
れた。なお、言うまでもなく、上記の寸法例はあくまで
一例であって、カラー陰極線管のネック径、その他の条
件に応じて最適の寸法が選択されるものである。
【0149】次に、本発明によるカラー陰極線管の電子
銃の組立構造について説明する。
【0150】電子銃を構成する各電極は図7の直角方向
断面を示す図10に示されるようなビーディングガラス
40,41にて一括固定する。
【0151】組立治具(図示なし)は、概ね棒状のガイ
ドに偏向電極20、第6グリッド電極16と順次重ねる
ようにカソード10のサポート(図示なし)まで挿通さ
せ、各電極の位置はスペーサ(図示なし)などで設定す
る。
【0152】ここで、偏向電極20は平行な平板電極2
2が主レンズを形成する第5グリッド電極15、第6グ
リッド電極16の開口部の幅よりも内側の位置にあり、
第6グリッド電極16以下を通す組立用ガイドピンの邪
魔になるので、平板電極22の端部を連結する台部分2
2a,22bだけを矩形電極21と他の電極と一緒にビ
ーディングガラス40,41にて一括固定する。その後
に、電極間の結線を行う工程で平板電極22を固定す
る。
【0153】以上のような組立構造とすることにより、
主レンズを形成する第5グリッド電極15と第6グリッ
ド電極16の開口部を直接的に組立治具でガイドするこ
とができるので、組立精度が高い電子銃が得られる。
【0154】また、本発明による偏向手段の駆動は図1
0に示すように、ビーディングガラス40,41のどち
らか一方のネックガラス側の面上に沿わせるように分圧
抵抗器60を設け、ファンネル側面から内装黒鉛膜を経
る陽極電圧を分圧して駆動電圧を供給する。
【0155】このような分圧抵抗器60を使用すると、
陰極線管のネック端部のソケットからでは耐電圧の関係
で供給できないような高い駆動電圧をファンネル側面や
内装黒鉛膜を複雑な構造とすることなく供給することが
できる。
【0156】図16は図10で説明した分圧抵抗器の概
略構成の説明図であって、60は分圧抵抗器、61はア
ルミナなどからなる絶縁基板、62は高抵抗体、C,
D,Eは端子である。
【0157】同図において、絶縁基板61の片面に全抵
抗値で約1000MΩの高抵抗体62が形成されてあ
り、この高抵抗体62に各端子C,D,Eを設けてい
る。
【0158】ここで、端子Cは陽極電圧を受け、端子D
に前記平板電極22を結線し、端子Eより管外に設ける
調整抵抗器(図示せず)を介してアースに繋げている。
【0159】以上は静電偏向手段により電子ビームを画
面に集中する方法であるが、磁界による偏向手段でも可
能であることは勿論である。
【0160】また、以上の実施例では主レンズでS寸法
が増大する方向に両側の電子ビームを広げているが、各
ビームを主レンズ以降はほぼ平行な軌道とし主レンズと
蛍光面との間に設けられた偏向手段により各ビームを蛍
光面上に集中させる構成によっても、ピュリティ劣化や
電子銃長増大化の問題を生じることなく主レンズ口径を
拡大させる本発明の効果を得ることが可能である。
【0161】さらに、主レンズで両側の電子ビームを若
干中央の電子ビーム方向に偏向させ、上記偏向手段によ
り大きく偏向されて各ビームが蛍光面上に集中する構成
によっても、主レンズでの偏向量が比較的小さければ本
発明の効果を得ることが可能である。
【0162】図17は本発明によるカラー陰極線管の全
体構造の一例を説明する概略断面図であって、1は水平
(インライン方向)に3本の電子ビームBR,BG,B
Bを発射する電子銃、2は電子銃を収容するネック部、
3はファンネル部、4はパネル部、5はカラー蛍光体
層、6はシャドウマスク、7は偏向ヨーク、8は地磁気
等の外部磁気の影響を遮断する磁気シールド、9は補正
コイルである。
【0163】同図において、このカラー陰極線管はネッ
ク部2とファンネル部3およびパネル部4とで真空外囲
器を形成し、ネック部2に収容された電子銃1から発射
された3本の電子ビームBR,BG,BBは、ファンネ
ル部3に外装した偏向ヨーク7で水平と垂直に偏向さ
れ、シャドウマスク6で色選択された後にカラー蛍光体
層5を構成するそれぞれの蛍光体に射突する。
【0164】パネル部4の廻りに設置された補正コイル
9は、シャドウマスク6を通過した電子ビームBR,B
G,BBが管軸方向の外部磁気によって軌道が曲げられ
ないように、その外部磁気の主成分ベクトルと方向が反
対で大きさが等しい磁界を発生する。
【0165】なお、外部磁界の方向と大きさはカラー陰
極線管の近傍に具備する図示しない磁気センサーで検出
され、その検出出力で上記補正コイルに印加する電流の
方向と大きさを制御することによって、所要の磁界を発
生させる。
【0166】以上説明した実施例においては、カラー陰
極線管の電子銃としてU−BPF(Uni-Bi-Potential-Fo
cusing) 型多段レンズを有する電子銃を例として説明し
たが、他のBPF(Bi-Potential-Focusing) 型やUPF
(Uni-Potential-Focusing)型など構成の異なる電子銃で
あっても本発明を同様に適用できるものである。
【0167】また、適用するカラー陰極線管に設けた補
正コイルは図17に示した例ではパネル部の周囲に設置
して管軸方向の磁界を打ち消すものとしているが、これ
に限るものではなく、カラー陰極線管の他の部位に他の
方向の磁界(管軸に直角で、水平あるいは垂直方向の磁
界)に対する補正コイルあるいはそれらを複数個取付け
て、電子ビームの軌道を曲げる外部磁界を打ち消すコイ
ルとを組み合わせてもよい。
【0168】さらに、小サイズのカラー陰極線管など、
前記した他色打ち裕度が大きいものでは、上記の外部磁
界補正手段は必ずしも設ける必要はない。
【0169】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
同一のネック径における電子銃の3本の電子ビームの間
隔(S寸法)を小さくして、両サイド電子ビーム軌道と
主レンズを構成する電極の内周面との間の距離をRとし
たときに、R>Sなる関係に寸法設定することにより、
主レンズを形成する二つの電極の対向開口部において水
平方向寸法と垂直方向寸法の差が少なくなり、従来の電
子銃よりも大口径の主レンズが得られ、球面収差や非点
収差などを抑制したフォーカス特性の優れたカラー陰極
線管を提供できる。
【0170】しかも、S寸法が小さくなりシャドウマス
クと蛍光面間の距離(Q寸法)が増大して地磁気などの
外部磁界による電子ビームの位置ずれが問題になる場合
には、この外部磁界を相殺する磁界を発生する補正コイ
ルを設置することで本発明の電子銃のフォーカス特性を
充分に生かすことができる。また、S寸法の縮小はコン
バーゼンス特性の向上にも効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカラー陰極線管の第1実施例に用
いられる電子銃の構成を説明する模式断面図である。
【図2】図1の矢印A−A方向からみた第5グリッド電
極の正面図である。
【図3】本発明によるカラー陰極線管の第2実施例に用
いられる電子銃の構成を説明する前記図2と同様の第5
グリッド電極の正面図である。
【図4】本発明によるカラー陰極線管の第3実施例に用
いる電子銃の構成を説明する前記図2と同様の第5グリ
ッド電極の正面図である。
【図5】電子ビーム軌道のシミュレーションによって求
めたフォーカス電圧とレンズ口径の関係の説明図であ
る。
【図6】本発明によるカラー陰極線管の第4実施例に用
いられる電子銃の構成を説明する模式断面図である。
【図7】本発明によるカラー陰極線管の第5実施例に用
いる電子銃の構成を説明する模式断面図である。
【図8】図7のN−N線に沿って第6グリッド電極側を
みた正面図である。
【図9】本発明によるカラー陰極線管の第6実施例に用
いる電子銃の構成を説明する模式断面図である。
【図10】非点収差を補正するための構成を具体化した
本発明の第7実施例を説明する電子ビームのインライン
配列方向からみた模式断面図である。
【図11】非点収差を補正するための構成を具体化した
本発明の第8実施例の説明図である。
【図12】非点収差を補正するための構成を具体化した
本発明の第9実施例を説明する電子ビームのインライン
配列方向からみた模式断面図である。
【図13】非点収差を補正するための構成を具体化した
本発明の第10実施例を説明する電子ビームのインライ
ン配列方向と直角方向からみた要部模式断面図である。
【図14】主レンズを通過する電子ビームのうちの両サ
イドの電子ビームを外側に偏向させるための構成をさら
に具体化した本発明の第11実施例を説明する要部模式
断面図である。
【図15】両サイドの電子ビームを中央の電子ビームに
対してさらに大きく外側に広げた本発明の第12実施例
を説明する要部断面模式図である。
【図16】図10で説明した分圧抵抗器の概略構成の説
明図である。
【図17】本発明によるカラー陰極線管の全体構造の一
例を説明する概略断面図である。
【図18】制限されたネツク部の径に対して主レンズを
形成する電極の開口部の径を大きくとるために提案され
た従来技術のカラー陰極線管に用いられている電子銃の
構成を説明する模式断面図である。
【図19】図18のM−M線から第5グリッド電極方向
を見た正面図である。
【図20】S寸法とピュリティの関係の説明図である。
【図21】単一円筒形の主レンズ部で3本の電子ビーム
を交差させて大口径レンズとする従来のカラー陰極線管
用電子銃の概略構造を説明する模式断面図である。
【符号の説明】
1 電子銃 2 ネック部 3 ファンネル部 4 パネル部 5 カラー蛍光体層 6 シャドウマスク 7 偏向ヨーク 8 磁気シールド 9 補正コイル 10 カソード 11 第1グリッド電極(G1電極) 12 第2グリッド電極(G2電極) 13 第3グリッド電極(G3電極) 14 第4グリッド電極(G4電極) 15 第5グリッド電極(G5電極) 16 第6グリッド電極(G6電極) 15’,16’ 内部電極 17 シールドカップ 20 偏向電極 21 矩形電極 22 平板電極 31,32 第3グリッド電極の開口 40,41 ビーディングガラス 50,51 補正電極 60 分圧抵抗器 61 絶縁基板 62 高抵抗体。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光面に向けて一方向に略々平行に並んだ
    一つのセンター電子ビームと二つのサイド電子ビームか
    らなる3本の電子ビームを発生する電子ビーム発生手段
    と、上記3本の電子ビームを上記蛍光面に集束させる主
    レンズとを少なくとも具備した電子銃を持つカラー陰極
    線管において、 上記電子銃の主レンズは、上記一方向に沿った径Hが上
    記一方向に垂直な方向に沿った径Vより大きい偏平形状
    の開口をもって互いに対向配置した少なくとも二つの電
    極からなり、 上記主レンズを通過する上記3本の電子ビームのうちの
    両サイドの電子ビームの軌道は、中央の電子ビームの軌
    道と一定の間隔Sを有し、 上記2つのサイド電子ビームの軌道と上記主レンズを構
    成する電極の上記一方向の内周面との間の距離をRとし
    たとき、H=2(S+R)で、かつR>Sとしたことを
    特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記主レンズを構成す
    る電極の上記一方向に垂直な方向に沿った径Vと上記サ
    イド電子ビーム軌道から上記主レンズ構成電極の上記一
    方向の内周面までの距離Rの関係を、V>2Rとしたこ
    とを特徴とするカラー陰極線管。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記主レンズを構成す
    る電極の上記一方向に垂直な方向に沿った径Vと上記サ
    イド電子ビーム軌道から上記主レンズ構成電極の上記一
    方向の内周面までの距離Rの関係を、2R+0.2mm
    >V>2R−0.2mmとしたことを特徴とするカラー
    陰極線管。
  4. 【請求項4】蛍光面に向けて一方向に略々平行に並んだ
    3本の電子ビームを発生する電子ビーム発生手段と、上
    記3本の電子ビームを上記蛍光面に集束させる主レンズ
    とを少なくとも具備した電子銃を持つカラー陰極線管に
    おいて、 上記電子銃の主レンズは、上記一方向に沿った径が上記
    一方向に垂直な方向に沿った径よりも大きい扁平形状の
    開口をもって互いに対向配置した少なくとも二つの電極
    からなり、 上記主レンズを通過する上記3本の電子ビームのうちの
    両サイドの電子ビーム軌道は中央の電子ビーム軌道と一
    定の間隔Sを有し、 更に、上記主レンズと上記蛍光面との間に、上記両サイ
    ドの電子ビームと中央の電子ビームとを蛍光面上に集中
    させる偏向手段を備えたことを特徴とするカラー陰極線
    管。
  5. 【請求項5】蛍光面に向けて一方向に略々平行に並んだ
    3本の電子ビームを発生する電子ビーム発生手段と、上
    記3本の電子ビームを上記蛍光面に集束させる主レンズ
    とを少なくとも具備した電子銃を持つカラー陰極線管に
    おいて、 上記電子銃の主レンズは、上記一方向に沿った径が上記
    一方向に垂直な方向に沿った径よりも大きい扁平形状の
    開口をもって互いに対向配置した少なくとも二つの電極
    からなり、 上記主レンズを通過する上記3本の電子ビームのうちの
    両サイドの電子ビームの軌道は、中央の電子ビームの軌
    道と一定の間隔Sを有すると共に上記中央の電子ビーム
    軌道に対し蛍光面に向かって平行または拡がる方向の何
    れかの軌道を有し、 更に、上記主レンズと上記蛍光面との間に、上記両サイ
    ドの電子ビームと中央の電子ビームとを蛍光面上に集中
    させる偏向手段を備えたことを特徴とするカラー陰極線
    管。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5において、
    前記電子銃の主レンズを構成する前記二つの電極の一方
    あるいは両方の内部に、前記一方向に沿った径が前記一
    方向に垂直な方向に沿った径よりも小さい寸法関係をも
    って前記中央の電子ビームが通過する開口部を有する内
    部電極を備えたことを特徴とするカラー陰極線管。
  7. 【請求項7】請求項4または5において、前記電子銃の
    主レンズと前記蛍光面との間に設ける前記偏向手段を静
    電偏向によるものとしたことを特徴とするカラー陰極線
    管。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記偏向手段が、前記
    中央の電子ビームが通過するごとく、前記一方向に対し
    て直角方向に長軸を持つ長方形の断面形状を有し、陽極
    電圧が印加された矩形電極と、 上記矩形電極を囲んで前記両サイドの電子ビームが通過
    するごとく、上記陽極電圧より若干低い電圧が印加され
    た一対の平行平板電極とを設けてなることを特徴とする
    カラー陰極線管。
  9. 【請求項9】請求項1、2、3、4または5において、
    前記電子ビームに作用する外部磁界を打ち消す磁界を発
    生する補正コイルを備えたことを特徴とするカラー陰極
    線管。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6111350A (en) * 1997-09-05 2000-08-29 Hitachi, Ltd. Color cathode ray tube having an improved electron gun
KR100339378B1 (ko) * 1999-10-12 2002-06-03 구자홍 칼라 음극선관용 전자총
KR100447659B1 (ko) * 2002-10-24 2004-09-07 엘지.필립스디스플레이(주) 칼라음극선관용 전자총

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