JP2692858B2 - カラー受像管装置 - Google Patents

カラー受像管装置

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JP2692858B2 JP63130377A JP13037788A JP2692858B2 JP 2692858 B2 JP2692858 B2 JP 2692858B2 JP 63130377 A JP63130377 A JP 63130377A JP 13037788 A JP13037788 A JP 13037788A JP 2692858 B2 JP2692858 B2 JP 2692858B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明はカラー受像管装置に関し、特にインライン配
列された3本の電子ビームを集束、集中させるカラー受
像管装置に関する。
(従来の技術) カラー受像管(100)は第7図に示す如く、スクリー
ン面(101)をもつフェースプレート(102)とこのフェ
ースプレートの側壁部(102′)にファンネル(103)を
介して連結されたネック(104)とこのネックに内装さ
れた電子銃(105)と、前記ファンネルからネックにか
けてこの外壁に装着された偏向装置(106)と、前記ス
クリーンに所定間隔をもって対設された多数のアパーチ
ャ(107)を有するシャドウマスク(108)と、前記ファ
ンネルの内壁に前記ネックの一部まで一様に塗布された
導電膜(109)とファンネルの外部に塗布された導電膜
(109)及びファンネルの一部に設けられた陽極端子
(図示せず)とから成る。
前記スクリーンには赤、緑、青色の蛍光体(110)が
ストライプ状に多数塗布されていて電子銃から出た3本
の電子ビーム(BR)、(BG)、(BB)はシャドウマ
スクにより選択されそれぞれの蛍光体を衝撃し、これを
発光させる。
電子銃はインライン配列の平行な3本の電子ビームを
発生、加速、制御するための電子ビーム発生部GEと、こ
れらのビームをそれぞれスクリーン上に集束、集中させ
るための主電子レンズ部MLを有し、これによりスクリー
ン中央部(111)において3本の電子ビーム集束且つ集
中し、この3本の電子ビームを前記偏向装置により、ス
クリーン全面に偏向走査することによりラスタを形成す
る。
3電子ビームを集中させる方法は、例えば米国特許第
2957106号明細書に示されているように、陰極から射出
される電子ビームをはじめから傾斜して集中する技術が
あり、又、米国特許第3772554号明細書に示されるよう
に、電子銃電極に設けられた3電子ビーム通過用開孔の
うち一部電極の両側の開孔を電子銃の中心軸から僅かに
外側へ偏位させることにより、電子ビームの集中を行っ
ている技術があり、いずれも広く採用されている。
偏向装置は基本的には電子ビームを水平方向に偏向す
る水平偏向磁界を発生するための水平偏向コイルおよび
電子ビームを垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を発生す
るための垂直偏向コイルとを有している。実際のカラー
受像管装置においては電子ビームを偏向したときに、3
電子ビームスポットのフェースプレートでの集中がくず
れてくるので、この集中のくずれを防止するため工夫が
施されている。これはコンバーゼンスフリーシステムと
称され、水平偏向磁界をピンクッション形垂直偏向磁界
をバレル形にすることにより(自己集中型磁界)、蛍光
面全域において、3電子ビームが集中するようにしたも
のである。
以上述べた如く、カラー受像管は多くの開発技術の採
用により品位は向上しているが、管の大形化、高品位化
が普及するにつれて新たな問題がクローズアップされつ
つある。
即ち、電子ビームのスクリーン上でのスポット径の
問題、偏向されたときのスクリーン周辺部での電子ビ
ームスポットの歪及び過集束の問題、スクリーン全面
でのコンバーゼンスの問題がある。
管が大形になると、電子銃からスクリーン面までの距
離が長くなり、電子レンズの電子光学的倍率が大きくな
ってスクリーン上でのスポット径を大きくしてしまい、
解像度を劣化させてしまう。スポット径を小さくするに
は、電子銃の電子レンズの性能を向上させねばならな
い。
一般に主電子レンズ部は開孔を有する複数の電極が同
軸上に配置されそれぞれ所定の電位が印加されることに
よって形成される。このような静電レンズは電極構成の
違いによりいくつかの種類があるが、基本的には電極開
孔径を大きくした大口系レンズを形成させるか又は、電
極間の距離を長くして穏やかな電子変化にして長焦点レ
ンズを形成することによりレンズ性能を向上させること
ができる。
しかし、カラー受像管の電子銃は一般に細いガラス円
筒であるネック内に封入させるため、まず電極の開孔、
即ちレンズ口径が物理的に制限される。また、電極間に
形成される集束電界がネック内の他の不所望な電界の影
響を受けないようにするために電極間の距離が制限され
る。
特に、シャドウマスク型カラー受像管のように3本の
電子銃がデルタ配列やインライン配列として一本化した
場合には前述した如く電子ビーム間隔(Sg)が小さなも
の程、3本の電子ビームをスクリーン全面の近傍で一点
に集中させ易いし、また偏向電力が小さいという利点が
あるので、電子銃間隔を小さくするために、電極の開孔
はさらに小さくせざるを得ない。
そこで、同一平面上に並んだ3個の電子レンズを完全
に重ね合せ1個の大きな電子レンズとし、この大口径電
子レンズにより電子レンズ性能を最大限に発揮させよう
とする方法が特公昭49−5591号公報(米国特許第3,448,
316号明細書)、米国特許第4,528,476明細書、特公昭47
−43993号公報、特公昭48−14502号公報、米国特許第3,
011,090号明細書、米国特許第2,861,208号明細書、米国
特許第2,726,348号明細書、特開昭53−69号公報や特開
昭62−217541号公報などに提案されているが、いずれも
いくつかの大きな問題のため、ほとんどが実用化されて
いない。但し、特公昭49−5591号の技術だけでは実用化
されているが、これも製造上極めて難しいことなどの問
題がある。
また、前述の自己集中型磁界ではビームの自己集中の
ために磁界の歪を利用しているので、スクリーン上の電
子ビーム形状が歪むという欠点があり広角偏向および大
型管ほど第8図(b)の如くそのひずみは目立ってき
て、受像管の解像度はスクリーン周辺において著しく劣
化する。これは高品位TVでは特に問題である。
さらに、自己集中型磁界とはいえ、偏向磁界の高次の
収差のため、スクリーン全面で3本の電子ビームが精度
よくコンバーゼンスすることは難しく、これに加え偏向
ヨークの製造バラツキや電子銃をはじめ管全体の製造バ
ラツキのため、特に大型管の場合には第8図の如くコン
バーゼンスの不一致が目立つ。
この補正のため、高品位カラー受像管装置では、偏向
ヨークの電流を制御するのみならず、R,G,Bの映像信号
を遅延させることにより、制御する方法も提案されてい
るが、制御回路は難しく、経済的にも非常に高価なもの
となってしまう。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は以上述べた従来の欠点を解消するためになさ
れたもので、電子銃の性能を向上させ、スクリーン上の
電子ビームスポット径を小さくすると共に、スクリーン
周辺部でのビームスポットの偏向歪を補正し、またスク
リーン全面でのコンバーゼンスを高精度に一致させるこ
とによって、高解像度なカラー受像管を提供することを
目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は電子銃部、電磁偏向部およびスクリーン部を
備え、前記電子銃部から発射されるインライン配列の電
子ビームを前記電磁偏向部により垂直方向、水平方向に
変更するカラー受像管装置において、前記電子銃部は略
平行な3本の電子ビームを発生、加速制御する電子ビー
ム形成部とこの電子ビームをスクリーン上に集束、集中
させる主電子レンズとを備え、この主電子レンズ部は、
前記電子ビーム形成部から発射されたインライン配列3
電子ビームのうち、両側の電子ビームをインライン配列
面において中央の電子ビームから離れる方向へ偏向させ
る静電偏向部とこの静電偏向部付近に配置された3本の
電子ビームに対して各々直交する方向において、焦点距
離の異なる非対称電子レンズとこれら3本の電子ビーム
を集束、集中する共通開口を有する大口径電子レンズ部
を備え、前記非対称電子レンズの集束力と前記静電偏向
部による偏向量及びあるいは、又は前記大口径電子レン
ズ部の集束力は前記電磁偏向部による垂直、水平の偏向
量に応じて変化することを特徴とするカラー受像管装置
である。
(作用) 上記構成とすることによって、限られたネック内で最
大限の大口径電子レンズを形成させ、電子光学的倍率を
稼ぎ、スクリーン上でのビームスポット径を小さくする
ことができると共に、このとき3本の電子ビームの間隔
は小さく保っておくことができるので、スクリーン全面
でコンバーゼンスさせ易い。さらに、垂直、水平方向に
偏向する電磁偏向の偏向収差を補正するようにこれらの
偏向に同期して非対称レンズの集束力の強さが変わるの
で、スクリーン周辺部におけるビームスポットの歪がな
くなり、また、電磁偏向に同期して大口径電子レンズへ
入射するサイドビームの入射角を静電偏向部により可変
することにより偏向ヨークの性能や各種製造バラツキに
よるミスコンバーゼンスを修正し、スクリーン全面で3
本のビームを高精度で一致させることができ、極めて高
性能なカラー受像管装置を提供することができる。
(実施例) 以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明を実施したカラー受像管装置のネック
部付近とスクリーン部の一部分の断面を示す。第1図に
於いて、ネック(104)内に配置されている電子銃部
(1)はカソードK、第1グリッドG1第2グリッドG2、
第3グリッドG3、第4グリッドG4、第5グリッドG5静電
偏向部ED、非対称レンズ部AL、第6グリッドG6、第7グ
リッドG7及びコンバーカップGCと、これらを支持する絶
縁支持体BG及びバルブスペーサ(112)から成る。電子
銃はネック下部のステムピン(113)に固定されてい
る。電子カソードKは内部にそれぞれヒータ(6R)、
(6G)、(6B)(図中6Rのみ指示しているが、図中上か
ら下へ6R、6G、6Bとなっている。以下同じ)をもつ3個
のカソードKR、KG、KBから成り、3本の電子ビーム
BR、BG、BBを発生する。また第1グリッドG1、第2
グリッドG2は前記3個のカソードKR、KG、KBに対応
して3つの比較的小さなビーム通過孔(7R)、(7G)、
(7B)、(8R)、(8G)、(8B)を有し、この部分にお
いてカソードからの電子ビームを制御、加速し、いわゆ
る電子ビーム形成部GEとなる。次いで第3グリッドG3、
第4グリッドG4、第5グリッドG5は同じく3つのカソー
ドKR、KG、KBに対応して3つの比較的大きなビーム
通過孔(9R)〜(14B)を有する。(図中BRのビームの
通過する電極についてのみ指示している)また、静電偏
向部EDはX−Z面に垂直でY−Z面に平行な4枚の電極
(20)、(21)、(22)、(23)から成り、3本のビー
ムのそれぞれの間及び両側に配置してあり、中の2枚の
電極(21)、(22)は同電位で、またこれにより高い電
極で両側の2枚の電極(20)、(23)は同電位となって
いる。中の2枚の電極(21)、(22)は第5グリッドG5
に面する側に開孔(30)をもつ電極板(31)により連結
されている。
次いで、非対称レンズ部ALは縦長開口(32R)、(32
G)、(32B)をもつ第1の電極(33)と横長開口(35)
をもつ第2の電極(34)により、この間に電位差をつけ
たとき、4極子レンズが形成されるようになっている。
さらに、第6グリッドG6は静電偏向部EDに面する側に
は3つのビーム通過孔(15R)、(15G)、(15B)を有
するが反対側は3つのビームが共通に通過する1つの大
きな開孔(16)をもち、この内部に第7グリッドG7を包
含している。
第7グリッドG7は第6グリッドG6の内部にあって、第
6グリッドG6に面する側は1つの大きな開孔(17)をも
ち、スクリーン(101)に面する側は3つのビーム通過
孔(18R)、(18G)、(18B)を有するカップ状電極と
なっていて、これに第7グリッドG7側に3つのビーム通
過孔(19R)、(19G)(19B)を有し、スクリーン(10
1)側は1つの大きな開孔(36)を有するコンバーカッ
プGCが接合している。このコンバーカップの3つのビー
ム通過孔部には、偏向ヨークによる偏向の収差を補正す
るための磁界修正素子FCが配置してある。
第6グリッドG6と第7グリッドG7は絶縁支持体BGにっ
よって固定、支持されていて、また、別の絶縁支持体BG
によりカソードK、第1グリッドG1から静電偏向用電極
まで固定支持されている。
ネック(104)からファンネル(103)にかけて偏向ヨ
ーク(106)が取り付けられており、電子銃からの3本
の電子ビームBR、BG、BBを水平方向に偏向するため
の磁界を発生する水平偏向コイルと垂直方向に偏向する
ための磁界を発生する垂直偏向コイルから成る。
前記電子銃は第7グリッドG7とコンバーカップGCを除
いて全ての電極はステムピン(113)を通じ外部より所
定の電圧が印加されるようになっており、特に、静電偏
向部EDの両側の電極(20)、(23)と非対称レンズ部AL
の第2の電極(34)及び第6グリッドG6の電位は、前記
偏位ヨーク(106)の水平偏向及び垂直偏向の周期と同
期して変化するようにダイナミック回路(40)〜(41)
が付けられている。第7グリッドG7とコンバーカップGC
はファンネル内壁の導電膜(109)の陽極高電圧がバル
ブスペーサ(112)を通じて供給されている。
以上の電極構成において、例えば、カソードKは約15
0Vのカットオフ電圧とし、この映像信号を加え、第1グ
リッドG1に接地電位とし、第2グリッドG2は約700V、第
3グリッドG3は約8kV、第4グリッドG4は約1.5kV、第5
グリッドG5は約4.5kV、静電偏向板の内側電極には約5k
V、外側の電極には約6kV、非対称レンズ部の第1の電極
には約5kV、第2の電極及び第6グリッドG6は約5kV、第
7グリッドG7とコンバーカップGCは陽極高電圧の約30kV
を印加する。
このような電位構成とすることによって各カソードK
からその変調信号に応じて発生したビームはカソード
K、第1グリッドG1、第2グリッドG2により第2図の如
くクロスオーバCOを形成して第2グリッドG2、第3グリ
ッドG3によるプリフォーカスレンズPLにより僅かに集束
された仮想クロスオーバVCOを形成して第3グリッドG3
の中へ発散しながらはいっていく。第3グリッドG3へは
いってきた各ビームは第3グリッドG3から第7グリッド
G7による主電子レンズ部MLにおいて集束作用且つ両側の
ビームは集中作用を受けてスクリーン(101)上に集
束、集中する。
第3グリッドG3から第7グリッドG7までの主電子レン
ズ部のレンズ作用を第2図に示す等価光学モデルを用い
てさらに詳しく説明していく。
仮想クロスオーバVCOを形成して第3グリッドG3へは
いってきた個々の電子ビームは第3グリッドG3、第4グ
リッドG4、第5グリッドG5によって形成される個々の弱
いユニポテンシャルレンズ(第2の電子レンズ)により
それぞれ少し集束され、次いで中央の電子ビームB4だけ
は第5グリッドG5と中の2枚の静電偏向板(21)、(2
2)を連結する電極(31)との間に形成される弱いバイ
ポテンシャルレンズ(第3の電子レンズ)により少し集
束される。静電偏向部EDへ入ってきた3本の電子ビーム
は特に集束作用を受けることなく、両側の電子ビームB
R、BBだけが所定角度αだけ偏向され、非対称レンズ部
ALを通過して第6グリッドG6、第7グリッドG7によって
形成される共通大口径電子レンズ(第1の電子レンズ)
LELへ入射していく。
電子ビームがスクリーン(101)の中央部に衝撃して
いるときには非対称レンズ部ALの2つの電極(33)、
(34)には電位差はなく、各電子ビームに対して何等集
束作用は働かない。共通大口径電子レンズLELは個々の
ビームに対して主集束作用を与えると共に、両側のビー
ムにβだけ集中作用を与える。
即ち、説明を簡単にするため弱い集束作用を与えてい
る第2の電子レンズと第3の電子レンズを無視すると、
集束に対しては、軸上にある仮想クロスオーバ点VCOか
ら出たビームが大口径電子レンズLELによりスクリーン
面に結像しているという系が確立されていて、集中に対
しては、静電偏向部EDによて偏向された両側のビームを
逆方向に延ばして軸と交差させると同じく前記集束系の
仮想クロスオーバ点VCOに一致し、即ち、この仮想出射
点VPから出た3本のビームが大口径レンズによりスクリ
ーン面に集中しているという系が成立しており、個々の
ビームを集束させるという集束系と3本のビームを集中
させるという集中系がそれぞれ独立して全く同時に成立
していることが判る。
従って、3本のビームはスクリーン中央部において適
正に集束すると共に、一点に集中する。
このとき実際には大口径レンズの球面収差のため、集
中系に関しては3本のビームの仮想出射点VPは集束系の
仮想クロスオーバ点VCOより前の大口径レンズ側に寄っ
たところにもってこなければならないが、このような操
作も本発明では集束系に全く影響を与えずに容易に行う
ことができる。
また、集束系に関しては、両側のビームは中央のビー
ムに比べ共通大口径電子レンズの端部を角度をもって通
過するので、いわゆるコマ収差をうけるが、これは電子
レンズへ入射するビームの大きさや、電子レンズの強
さ、及び電子レンズの口径に対するビーム間隔により変
わるもので、本発明者等の実験によるとビーム間隔がレ
ンズ口径の約25%以下であれば上記コマ収差は実用上全
く問題ないレベルに抑えることができる。レンズ口径の
25%以上のビーム間隔をもつビームであってもコマ収差
補正手段を設ければこの限りではない。
ここでいうレンズ口径とは、同径の円筒電極の組合せ
の場合はその電極の径を言い、異径の円筒電極の組合せ
の場合は、それらの電極の径の平均径を言う。
もちろん、ビーム間隔をレンズ口径Dの25%以下にす
るにしても、カソードの大きさやシャドウマスクの孔の
ピッチ、蛍光体ストライプの幅、ビームランディング余
裕度等の製造上、性能上の問題のため、ビーム間隔の下
限は4.5mm程度である。
同じく、集束系に関して両側のビームは中央のビーム
に比べ共通大口径レンズの端部を通過するので、レンズ
の球面収差のため、両側のビームは中央のビームに比べ
集束作用が強くなるが、これも電子レンズの口径に対す
るビーム間隔により変わるもので、ビーム間隔がレンズ
口径の約25%以下であれば実用上問題ない程度である。
しかし、本実施例においては3本のビームの集束状態を
精度良く合わせるために第5グリッドG5と静電偏向部ED
との間において中央のビームに対してだけ第3の電子レ
ンズを形成させ、中央のビームだけを僅かに集束するよ
うにしている。
一方、カラー受像管では受像装置を含めた各所の製造
バラツキを調整するため、電子レンズの強弱を調整して
いわゆるフォーカス調整を行うが、このようなフォーカ
スの微調を行い易いように、また共通大口径レンズのビ
ームの拡がりを抑えるように本実施例においては大口径
電子レンズの前段に3本のビームに対してそれぞれ独立
な弱い第2の電子レンズを配置してある。第2の電子レ
ンズの集束作用を強く設計しすぎると第1の電子レンズ
である大口径電子レンズの性能を十分発揮できなくなっ
てしまい、スクリーン上のスポット径は小さくならない
ので、第2の電子レンズの集束作用はフォーカスの調整
が実用的に支障ない程度で弱く設計した方が良い。
以上によりインライン配列3本の電子ビームは大口径
電子レンズによる高性能レンズ効果のためスクリーン上
において非常に小さなビームスポットを形成する。ま
た、スクリーン(又はシャドウマスク)中央部において
3本の電子ビームは一点に集中する。
この状態で偏向ヨークにより3本のビームは水平・垂
直方向に偏向されるが、前述した如く電子ビームは歪む
と共に過集束状態となり、ビームスポットの品位は悪く
なる。
また、偏向ヨークの性能や各種製造バラツキのため3
本のビームの集中具合、即ちコンバーゼンスがずれる。
このため本発明では偏向ヨークによる水平・垂直偏向
に同期して電子レンズの状態を変化させることにより、
上記問題を解決する。
スクリーン中央部において、適正集束している3本の
電子ビームが斉一磁界によりスクリーン周辺部に偏向さ
れると第3図の如く3本のビームの集中点火面はスクリ
ーンの手前になり、スクリーン上ではオーバーコンバー
ゼンス(過集中)状態となると共に、各ビームは電子レ
ンズから像面までの距離l MSが遠ざかったことにより
(l'MS)、ビームは過集束状態となる。そこで、例え
ば、水平方向(X軸方向)に偏向されるとき強いピンク
ッション磁界とすることによりコンバーゼンスを合せる
ようにするが、スクリーン対角周辺部では、完全にコン
バーゼンスを一致させることはできず、オーバコンバー
ゼンス状態となる。
このピンクッション磁界は、第4図の如く各電子ビー
ムにそれぞれ垂直方向にはビームの集束状態を強める方
向に、水平方向にはビームの集束状態を弱める方向に力
が働く。このため、第4図(b)の如く水平軸周辺部で
は、各電子ビームは垂直方向に強く過集束状態、水平方
向にやや集束不足状態となっている。
本実施例においては、第6図の如く非対称レンズ部AL
の第2電極と第6グリッドG6の電位をスクリーン水平方
向に偏向されるにつれて高くしていく。すると、スクリ
ーン中央部においては非対称レンズ部の第1電極と第2
電極間に電位差はなかったので、非対称レンズ作用はな
かったが、スクリーン周辺部においては非対称レンズ作
用が働き出す。即ち、第2電極を第1電極より高電位に
することにより、第2電極と第1電極との開孔形状から
個々の4極子レンズ(4極子レンズではなく単に水平方
向と垂直方向の集束力の異なる非対称レンズでもよい)
が形成され、各電子ビームには垂直方向に発散作用が、
水平方向に集束作用が働くようになる。
従って、ピンクッション磁界による集束作用を相殺さ
せることができ、第4回(c)の如くスクリーン周辺部
において電子ビームのスポットの歪はなくなる。
また、このとき、第6グリッドG6の電位も上昇するこ
とは共通大口径電子レンズの集束力を弱めることにな
り、スクリーン面が遠ざかることによる電子ビームの過
集束状態を補正することができる。
しかし、このとき、共通大口径レンズの集中力も弱ま
るので3本のビームはスクリーン上において集中不足
(アンダーコンバーゼンス)となる。これはスクリーン
対角周辺部においては好ましい方向であるが、適正集中
されていたスクリーン水平周辺部においては好ましくな
い。
そこで、スクリーン中央部からスクリーン水平軸方向
に偏向されるにつれて静電偏向部EDの両側の電位を下げ
ることによって静電偏向部による両側のビームの偏向量
αを小さくすることによって3本のビームのスクリーン
での集中を強くする。しかし、製造バラツキ等によりス
クリーン水平軸周辺においても過集中(オーバーコンバ
ーゼンス)となっているときは両側の電極の電位はその
ままか、むしろ上げるようにしなければならないし、ス
クリーン対角周辺部においてはどうしても過集中(オー
バーコンバーゼンス)が大きな値となるので、静電偏向
部の両側の電極の電位は偏向ヨークによる偏向と共に上
げるようにしなければならない。
即ち、静電偏向部の両側の電極の電位は偏向ヨークに
よる水平偏向だけではなく、垂直偏向にも応じて変動さ
せることになる。
同様に非対称レンズ部ALの第2電極及び第6グリッド
G6の電位も偏向ヨークによる水平偏向だけではなく、垂
直偏向にも応じて変動させた方が好ましい。これは垂直
方向への偏向の場合を考えるとよく理解できる。
即ち、垂直方向への偏向の場合はバレル形偏向により
コンバーゼンスを合せるようにするが、このバレル磁界
は第5図(a)の如く各電子ビームに対し垂直方向には
ビームの集束状態を強める方向に、水平方向にはビーム
の集束状態を弱める方向に力が働く。また、通常このバ
レル磁界はトロイダルコイルにより発生されるので、磁
界は電子銃側に長く広がり電子銃部において既に垂直方
向に偏向が始まりこのため通常の独立した主電子レンズ
をもつカラー受像管は小口径の主電子レンズのためレン
ズのコマ収差を受けるようになり、従ってスクリーンの
垂直軸周辺部では、各電子ビームは第5図(b)の如く
垂直方向の一方向にハローをもち、水平方向は僅かに集
束不足気味となる。
しかし、本発明では、電子銃部の主電子レンズは大口
径となっているため、主電子レンズの前から垂直方向に
偏向がはじまっていても、レンズのコマ収差は全く問題
にならず、したがって、スクリーンの垂直軸周辺部に偏
向されてもビームスポットは一方向にハローをもつこと
はない。
そこで、バレル磁界による僅かな量の垂直方向過集
束、水平方向集束不足を補正するように、非対称レンズ
部ALを少し働かせるようにすればよい。もちろんカラー
受像管の最大偏向角が小さい場合には(例えば70度偏
向、90度偏向)、垂直軸周辺部での集束過不足は実用上
ほとんど問題なく、このような補正は不用である。
一方、自己集中型磁界と言えども、コンバーゼンスは
垂直軸周辺部において少しオーバーコンバーゼンスとな
っており、従ってこのために静電偏向部EDの両側の電極
の電位をスクリーン中央部からスクリーン垂直軸方向に
偏向されるにつれて上げることによって静電偏向部によ
る両側のビームの偏向量αを大きくし、3本のビームの
スクリーンでの集中を弱くして、上記オーバーコンバー
ゼンスを補正するようにする。即ち、静電偏向部の両側
の電極の電位は偏向ヨークによる水平偏向、垂直偏向に
同期させて変化させる。
本発明を適用したカラー受像管装置では第8図
(a),(b)の従来装置の場合のコンバーゼンスやビ
ーム歪は第9図(a),(b)を如く改善され、極めて
高品質に画像を提供することができる。
前記実施例においては、偏向ヨークの磁界として自己
集中型磁界をもつ場合について説明したが、本発明はこ
れに限らず、斉一磁界等をもつ偏向ヨークの場合にもコ
ンバーゼンスの不一致の静電偏向部において、両側のビ
ームを偏向させる量を可変させることもできる。
〔発明の効果〕 以上述べたように本発明によれば、インライン配列の
3本の電子ビームに対して共通大口径電子レンズを用い
ることにより、大口径レンズの低倍率、低収差の効果の
ため、スクリーン上のビームスポットを極めて小さくす
ることができる。またこのとき、共通大口径電子レンズ
へ入射する前に静電偏向部により両側のビームを外側へ
少し偏向させておくことにより、共通大口径電子レンズ
の集中作用を利用してスクリーン中央部において3本の
ビームを一点に集中させることができ、この静電偏向部
での偏向量を偏向ヨークによる水平、垂直偏向の周期と
同期させて変化させることによりスクリーン全面におい
て3本のビームを精度良く集中(コンバーゼンス)させ
ることができる。
さらに、共通大口径電子レンズと静電偏向部の間に非
対称レンズを設け、このレンズを偏向ヨークによる水
平、垂直偏向の周期と同期させて変化させることにより
偏向ヨークの磁界によるビーム歪を補正することがで
き、スクリーン全面においてビーム歪の極めて少ないス
ポットとすることができる。
以上によりカラー受像管装置の画像品位は著しく向上
する。
また、従来ではスクリーン全面において精度良いコン
バーゼンスを得るためには複雑な補助偏向ヨークをつけ
たり、R.G.Bの映像進行を遅延させることにより制御し
ていたが、制御回路が難しいことや、経済的に非常に高
価なものとなっていた。これに対し、本発明では簡単な
電極構造及び電子銃内の電極電位を変化させるだけで良
好な画像を得ることができ、その経済的、工業的価値は
大きい。
さらに、本発明では、大口径電子レンズのカソード側
に静電偏向部が配置してあるので、低電位の部分で両側
のビームを外側へ偏向することができ、特公昭49−5591
に示されているような陽極高圧部に静電偏向部が配置し
てあるのとは異なり、偏向に要する電圧は通常のカラー
受像管の如くステムピンから供給できるし、偏向感度も
高い等の利点があり、信頼性的にも経済的にも優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施したカラー受像管装置の主要部断
面、第2図は動作原理を説明するための光学的等価モデ
ル、第3図は一般的なインラインビーム偏向の図、第4
図、第5図は偏向ヨークの磁界によるビームの歪の説明
図、第6図は偏向ヨークの信号と、それに同期させた電
子銃電極電位変化の図、第7図は一般的なカラー受像管
装置図、第8図は従来のカラー受像管装置の画像品位
図、第9図は本発明適用のカラー受像管装置の画像品位
図である。 100……カラー受像管 101……スクリーン面 104……ネック 105……電子銃部 106……偏向ヨーク GE……電子ビーム形成部 ML……主電子レンズ部 ED……静電偏向部 AL……非対称レンズ部 CEL……共通大口径電子レンズ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子銃部、電磁偏向部およびスクリーン部
    を備え、前記電子銃部から発射されるインライン配列の
    電子ビームを前記電磁偏向部により垂直方向、水平方向
    に偏向するカラー受像管装置において、 前記電子銃部は略平行な3本の電子ビームを発生、加速
    制御する陰極を含む電子ビーム形成部とこの電子ビーム
    を集束、集中させる主電子レンズとを備え、この主電子
    レンズ部は、前記電子ビーム形成部から発射されたイン
    ライン配列電子ビームのうち両側の電子ビームをインラ
    イン配列面において中央の電子ビームから離れる方向へ
    偏向させる静電偏向部とこの静電偏向部付近に配置され
    た3本の電子ビームに対して各々個別の非対称電子レン
    ズとこれら3本の電子ビームを集束、集中する共通開口
    を有する大口径電子レンズ部を備え、 前記電磁偏向部による偏向量に応じて、前記非対称電子
    レンズは個々の電子ビームに対して垂直方向に発散作
    用、水平方向に集束作用が働き、且つ前記静電偏向部は
    両側の電子ビームを中央の電子ビームから相対的に離れ
    るように偏向量を大きくすることを特徴とするカラー受
    像管装置。
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